JP6176830B2 - 成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形体、例えば、樹脂からなる基体にゴム状の弾性部材を成形する成形体の製造方法に関する。
自動車用エンジンにおけるオイルパンには、環状の鉄板を基体とし、この基体の外周側部にシール部としてゴム状の弾性部材を成形一体とした成形体としてのガスケットが用いられることがある(例えば、特許文献1参照)。このようなガスケットは、鉄板を素材として環状の基体を成形し、その後、成形された基体を所定の金型内に配置し、前記シール部に相当するキャビティに未加硫のゴムを充填して加硫成形することによって製造される。
特開2008−232308号公報
ところで、特許文献1のようにガスケットとして用いられる複合成形体には、近年、軽量化や形状設計の自由度の向上が求められており、このような背景から本発明者は基体の素材として樹脂を用いることを試みた。この場合、樹脂からなる基体を有する成形体の製造方法としては、先ず、基体を樹脂によって射出成形し、脱型した後、次のシール部の成形工程用の金型内に配置して、ゴムの加硫成形によってシール部を成形し、樹脂からなる基体とシール部とを一体に複合する製造方法が考えられる。また、その他には、射出成形された基体を脱型した後、基体に穴開け等の機械加工を施して、所望の成形体を得る製造方法も考えられる。ところが、基体が環状であると、上記の製造方法では、樹脂製の基体を脱型した際に、成形時の残留歪によって基体が歪んで変形する事態が生じるおそれがある。そして、基体が変形してしまうと、基体に穴開け等の機械加工を施したり、基体をゴム成形機内に配置したりする際に、不都合が起きる可能性が高かった。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、樹脂による基体に、さらに成形処理して成形体を製造する場合に、少なくとも成形処理がなされるまで基体の歪等の変形を抑制できる成形体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る成形体の製造方法は、樹脂材からなる基体を備えた成形体の製造方法において、前記基体を環状に成形し、且つ、当該環状の基体から分離可能な補強部材を前記基体の内側に架け渡されるような形状で一体に成形する一次成形工程と、前記一次成形工程によって得られた一次成形体を成形型内に配置し、前記一次成形体における基体の外周縁部にゴム状弾性部材を一体に成形する成形処理工程としての二次成形工程と、前記二次成形工程の後、前記補強部材を前記基体から分離する分離工程と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、補強部材によって基体の剛性が高められており、一次成形工程後に基体が変形することを抑制できる。そして、成形処理工程としての二次成形工程は、補強部材が基体と一体の状態でなされるから、成形処理がなされるまで、基体の変形に起因した不都合が生じることを抑制できる。特に、基体にゴム状弾性部材を成形する場合に、ゴム状弾性部材の成形時に熱の影響を受けて基体が熱変形することを補強部材によって抑制できる。さらに、基体にゴム状弾性部材を成形する際に、基体に内側向きの応力が作用しても、補強部材によって好適に基体の変形を抑制することができる。
この場合、前記ゴム状弾性部材が加硫ゴムであって、前記二次成形工程の後、前記補強部材と前記基体とが一体となっている状態で前記成形型から前記一次成形体を取り出し、前記ゴム状弾性部材を加熱する加熱工程を実施するようにしても良い。
この発明によれば、二次加硫するために加熱するような場合、加硫熱による基体の熱変形を補強部材によって抑制できる。
この場合さらにまた、前記一次成形工程において、前記補強部材には、前記基体よりも前記基体の軸方向に突出する突起部が形成され、前記一次成形工程の後、前記突起部を他の一次成形体の補強部材に当接するようにして複数の前記一次成形体を整列し、その後前記二次成形工程を実施するようにしても良い。
この発明によれば、複数の一次成形体を軸方向に整列する場合に、基体同士が干渉することを抑制することができる。
本発明の成形体の製造方法において、前記基体は、環状の一部が欠如されてなる部分環状部と、前記部分環状部の内側に架け渡された懸架部とを備え、前記一次成形工程においては、前記補強部材を、前記部分環状部の欠如部分を補うように前記基体と一体に成形するようにしても良い。
この発明によれば、環状の一部が欠如したような成形体を製造する場合でも、基体が変形することを抑制できる。
本発明の成形体の製造方法によれば、樹脂による基体に、さらに成形処理して成形体を製造する場合に、少なくとも成形処理がなされるまでは、基体の歪等の変形を抑制できる。
本発明に係る成形体の製造方法によって得られた成形体の一実施形態を示す概略的平面図である。 (a)は図1におけるA−A線矢視拡大断面図であり、(b)は(a)の変形例を示す断面図である。 本発明に係る成形体の製造方法の一例を示す工程図である。 (a)(b)は同工程図に示す各工程で得られる成形体を示す概略的平面図であり、(a)は一次成形工程で得られる一次成形体を、(b)は二次成形工程で得られる二次成形体を、それぞれ示す。 図3に示す一次成形工程での成形装置による成形要領を示し、図4(a)のB−B線矢視部に相当する成形装置の概略的部分破断縦断面図である。 図3に示す二次成形工程での成形装置による成形要領を示し、図4(b)のC−C線矢視部に相当する成形装置の概略的部分破断縦断面図である。 同製造方法の一次成形工程で得られる一次成形体の他の形態を示し、(a)は同一次成形体の概略的平面図であり、(b)は同一次成形体を複数積層した状態の(a)のD−D線矢視部に対応する断面図である。 (a)(b)は、同製造方法による二次成形工程で得られる二次成形体の他の形態を示す概略的平面図である。 (a)(b)は、同製造方法による二次成形工程で得られる二次成形体のさらに他の形態を示す概略的平面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る成形体の製造方法によって得られた成形体の一実施形態を示す概略的平面図であり、図2(a)は図1におけるA−A線矢視拡大断面図を示している。図に示す成形体1は、例えば、内燃機関におけるシール対象2部材としてのエンジンブロック及びオイルパン(いずれも、不図示)の間に介在されるガスケットである。図例の成形体1は、便宜上、平面視して長方形の環状体として概略的に示しているが、実際には、適応部位の形状に整合する形状とされる。本実施形態の成形体1は、合成樹脂の成形体からなる板状且つ環状の基体2と、この環状の基体2の外周縁部にその全周に亘り一体に成形されたゴム状弾性部材3とからなる。図2(a)に示すゴム状弾性部材3は、後記するように、未加硫のゴム材を、前記基体2の外周縁部に加硫成形することによって一体に形成される。ゴム状弾性部材3は、前記基体2の外周側部及び端面の一部に一体とされる基部31と、該基部31から外側に向け斜めに突出するリップ状部32とからなる。また、図2(b)はその変形例を示しており、この例のゴム状弾性部材3は、基体2の外周縁部に回り込むように一体とされる基部33と、基体2の厚み方向の両側に突出するビード部34,34とからグロメット状に形成されてなる。このような成形体としてのガスケット1は、最終製品として前記のようなシール対象2部材間に介在され、当該2部材の締結合体によって前記ゴム状弾性部材3が圧縮され、ゴム状弾性部材3の圧縮反力によって当該2部材間が密封される。
前記成形体1の製造方法の一例について、図3〜図6を参照して説明する。図3において、一次成形工程S1は、前記基体2を合成樹脂によって成形する工程であり、この成形工程では、基体2と、該基体2から分離可能な補強部材4(図4参照)とが一体に成形される。図4(a)は、この一次成形工程S1によって得られる一次成形体5を示している。この一次成形体5においては、方形環状の基体2の内側部に十文字形状の補強部材4が一体に成形されている。該十文字形状の補強部材4は、前記方形の基体2における各辺部200…の内側部に連結され、基体2の内側に架け渡されるように成形されている。補強部材4と、基体2の各辺部200…とは、小断面の破断部41を介して連結されている。補強部材4は、後記するように基体2から分離する際に切断除去し易く構成されている。
図5は、前記一次成形体5を一次成形装置によって成形する要領を示している。図5に示す一次成形装置10は、合成樹脂の射出成形装置であって、下型11と上型12とよりなり、両型11,12の型締状態で一次成形体5の形状に相当するキャビティ13が形成される。このキャビティ13は、前記環状の基体2に相当する環状部13aと、前記破断部41に相当する絞部13bと、前記十文字形状の補強部材4に相当する十文字状部13cとから構成される。十文字状部13cは、絞部13bを介して環状部13aに連通する。そして、十文字状部13cの交差部13dに対応する部位の上型12には、樹脂の注入用スプルー14が設けられている。十文字状部13cによって成形される補強部材4は、後記するように、最終的には分離除去されるものであるから、十文字状部13c及び絞部13bは、それぞれ、前記基体2を成形するためのランナー及びゲートを兼ねることができる。
図5に示す一次成形装置10において、下型11に型締めされた上型12の前記スプルー14より、溶融した樹脂rを注入して前記キャビティ13に対応する形状に成形し、成形後脱型することによって、図4(a)に示すような一次成形体5が得られる。この一次成形体5は、平面視して方形の基体2と、該基体2の各辺部200…に破断部41…を介して一体に連結された十文字形状の補強部材4とから構成される。この基体2は、薄い板状の樹脂材から形成されるとともに、細枠状に形成されている。そのため、基体2は、剛性が低く容易に撓み変形可能な形状となっている。破断部41は、ニッパー等の切断具によって容易に切断可能な形状に形成されている。補強部材4は、基体2が内側に歪んだり捩れたりすることを規制するために、基体2より高い剛性を有している。また、補強部材4は、十文字形状を有する一対の棒状部40,40がそれぞれ基体2の各辺部200に対して直交するよう架け渡されている。この成形から脱型、さらには、次の二次成形工程S2に至る過程においては、補強部材4によって基体2の剛性が高められているから、基体2が樹脂からなるにも拘わらず、残留歪によって変形することを抑制できる。また、脱型や脱型後の保管、或いは二次成形工程S2への輸送過程で基体2に予期せぬ外力が付加されても、基体2の変形が抑制される。
そして、一次成形工程S1で得られた一次成形体5に対して、成形処理工程としての二次成形工程S2において、前記ゴム状弾性部材3が成形される。図6は、前記ゴム状弾性部材3を二次成形装置によって前記一次成形体5の基体2に成形する要領を示している。図6に示す二次成形装置20は、未加硫のゴム材を加硫成形する射出成形装置であって、下型21と上型22とよりなる。両型21,22の型締状態では、前記基体2及び補強部材4を収容し、且つ、未加硫のゴム材を充填し得るキャビティ23が形成される。このキャビティ23は、前記一次成形体5の基体2を嵌め入れ収容する第1収容部23aと、該第1収容部23aに連なり前記ゴム状弾性部材3の形状に相当する形状のゴム充填部23bと、補強部材4を収容する図示しない第2収容部とから構成される。このゴム充填部23bには、不図示のランナーを介して未加硫ゴムの注入用スプルー24が連結されている。さらに、前記下型21及び上型22には、両型21,22を加熱して前記未加硫のゴム材を加硫するための不図示のヒータが組付けられる。
なお、本実施形態では、二次成形装置20を射出成形装置としたが、基体2に載置されたゴム材を圧縮成型するコンプレッション成形装置であっても良い。
図6に示す二次成形装置20を用いて前記ゴム状弾性部材3を成形するに際し、先ず、前記補強部材4をロボットハンド(不図示)等の把持手段で把持して、当該一次成形体5の基体2を下型21の第1収容部23aに収容させる。このとき、基体2は一次成形工程S1における残留歪による変形が抑制されているので、基体2の第1収容部23aに対する嵌め入れ収容が的確になされる。基体2が第1収容部23aに嵌め入れられる際、一次成形体5(基体2)は、補強部材4によって剛性が高められているから、ロボットハンドによる二次成形装置20への搬入の際にストレスがかかっても、基体2は変形し難い。
次いで、上型22を下型21に型締めして、前記スプルー24より、未加硫のゴム材gを注入して前記ゴム充填部23bに充填させる。並行して、下型21及び上型22を加熱して、充填されたゴム材gを加硫成形する。本実施形態では、この加硫は一次加硫であって、ゴム材gは前記基体2の外周縁部に一体に形成され、その成形体を、脱型した後、二次成形装置20から取り出す。なお、ゴム材gはゴム充填部23bの形状に倣うように形成される。この一次加硫状態の成形体を不図示のオーブンに導入し、所定の温度で一次加硫状態のゴム材gを所定時間二次加硫(再度加熱)する加熱工程としての二次加硫工程S3を実施する。言い換えれば、この二次加硫工程S3では、ゴム材gの加硫反応が進む温度状態にゴム材gをおく熱処理を行い、ゴム材gを好適な加硫状態とする。
前記二次成形工程S2では、ゴム材gの射出圧が基体2に作用するが、このときにも、補強部材4によって補強されていることにより基体2が変形することは抑制される。また、二次成形工程S2の際に、基体2は熱の影響を受けても、脱型する際に変形することは抑制される。さらに、前記二次加硫工程S3では、高い温度が基体2及び補強部材4に加わるが、基体2が補強部材4によって補強されて高い剛性を有しているので、熱歪による変形が抑制された状態で二次加硫がなされる。特に、補強部材4は、方形の基体2の各辺部200…に直交するよう連結されているから、この熱歪による基体2の変形の抑制が効果的になされる。
前記の二次成形工程S2及び二次加硫工程S3が終了すると、図4(b)に示すような二次成形体6が得られる。この二次成形体6は、一次成形工程S1によって得られた一次成形体5における基体2の外周縁部にその全周に亘りゴム状弾性部材3が一体とされたものである。二次加硫工程S3の後、二次成形体6が常温状態となると、補強部材の分離工程S4において、前記破断部41を切断することによって、補強部材4が基体2から分離され、図1及び図2(a)に示すような成形体1が得られる。
図2(b)に示す成形体1も、二次成形工程S2における二次成形装置20のキャビティ23の形状を、この成形体1のゴム状弾性部材3の形状に整合させることによって同様に製造することができる。
図7は、本実施形態の製造方法の一次成形工程で得られる一次成形体の他の形態を示している。この実施形態では、前記一次成形工程S1において得られる一次成形体5が、前記と同様に一対の棒状部40,40からなる十文字形状の補強部材4に、基体2のいずれかの部位よりも前記基体2の軸方向に突出する突起部42を有していることを特徴とする。図例では、この突起部42は、前記各破断部41…の近傍の4箇所に、補強部材4に起立するよう、互いに平行且つ同寸法に形成されている。突起部42は、前記一次成形工程S1において、基体2及び補強部材4とともに同時に成形される。突起部42は、その先端面が平坦に形成されている。そして、前記一次成形工程S1の後、得られた複数の一次成形体5…を図7(b)のように積み重ねるように、整列させた状態で二次成形工程S2に搬入、或いは一旦保管した後、一次成形体5毎に前記と同様にゴム状弾性部材3が成形される。なお、複数の一次成形体5を整列する際は、突起部42を他の一次成形体5の補強部材4に当接させることで、他の一次成形体5は支持されるようになる。次に、二次加硫工程S3では、複数の一次成形体5を横方向に整列させ、その状態で不図示のオーブンに導入し、ゴム状弾性部材3を二次加硫する。二次成形工程S2の後は、補強部材4がこの突起部42とともに切断によって分離されて、図1に示す成形体が同様に得られる。
この実施形態の搬入或いは保管過程では、前記突起部42…がスペーサ的機能を奏するから、基体2同士が互いに干渉せず、基体2の傷付が防止されるとともに、一次成形体5の形状保持がなされ、変形の抑制がより効果的になされる。また、本実施形態の二次加硫工程S3では、突起部42がスペーサ機能を奏することによって、ゴム状弾性部材3が他のゴム状弾性部材3に接することを回避できる。
なお、図例では、複数の一次成形体5…を平置き状態で上下に積重ねるようにして整列させているが、一次成形体5…を縦向きにして横方向に重ねるようにして整列させても良い。このように複数の一次成形体5…を整列させて保管したり搬送させたりする場合は、例えば、専用のトレーを準備し、これに整列させるようにすると便利である。また、突起部42が基体2よりも下側になるよう積み重ね、一次成形体5の脚としての機能を果たすように一次成形体5を整列させても良い。
図8(a)(b)は、本実施形態の製造方法による二次成形工程で得られる二次成形体の他の形態を示す概略的平面図である。この例では、一次成形工程S1(図3参照)で得られる一次成形体5の形状、具体的には補強部材4の形状が前記例と異なっている。即ち、補強部材4が、(a)図の例では3本の棒状部40,40,40からなるH字形状とされ、(b)図の例では2本の棒状部40,40が交差するX字形状とされ、いずれも、方形の基体2の対向する長辺部200a,200aに破断部41を介して連結されている。このような一次成形体5は、図5に示す成形装置10におけるキャビティ13の絞部13b及び十文字状部13cの形状が、(a)図及び(b)図の補強部材4の形状に対応するように設定された成形装置によって成形される。この場合も、各補強部材4の中央部に対応する部位に樹脂注入用スプルー(不図示)が設けられて、基体2と補強部材4とが一体に成形される。そして、この一次成形体5に対して、図3に示すように二次成形工程S2及び二次加硫工程S3によって、基体2の外周縁部にその全周に亘りゴム状弾性部材3が一体に成形されて、図示のような二次成形体6が得られる。この二次成形体6は、前記と同様に補強部材4が破断部41において切断されて基体2より分離され(図3の補強部材の分離工程S4)、図1と同様の成形体1とされる。
その他の構成は図4(b)に示す例と同様であるので、共通部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
図9(a)(b)は、本実施形態の製造方法による二次成形工程で得られる二次成形体のさらに他の形態を示す概略的平面図である。この例では、一次成形工程S1(図3参照)で得られる一次成形体5の形状、具体的には基体2及び補強部材4の形状が、前記例と異なっている。さらに具体的には、図9(a)に示す例では、前記基体2は、その外形が平面視して長方形状に形成されている。基体2は、環状の一部が欠如されてなる部分環状部2aと、前記部分環状部2aの内側に架け渡された懸架部2bとを備えている。つまり、基体2には、その対向する長辺部200a,200aに直状の懸架部2bが架け渡される一方、その対向する短辺部200b,200bのそれぞれに欠如部分2c,2cが形成されている。そして、前記補強部材4は、前記部分環状部2aの欠如部分2cを補うように前記基体2と一体に成形されている。この補強部材4は、破断部41を介して、部分環状部2aにおける欠如部分2cの端面に連結されている。補強部材4と部分環状部2aとによって環状が形成されるよう、一次成形体5は構成されている。
図9(b)に示す例では、基体2が正方形状とされ、各辺部200…に十文字形状の懸架部2bが一体に架け渡され、基体2はそのコーナー部の一か所に欠如部分2cが形成されて部分環状部2aとされている。そして、補強部材4は、破断部41を介して、部分環状部2aにおける欠如部分2cの端面に該欠如部分2cを補うように一体に連結されている。補強部材4と部分環状部2aとによって環状が形成されるよう、一次成形体5は構成されている。
図9(a)(b)に示す二次成形体6は、このような一次成形体5に対して、図3の二次成形工程S2及び二次加硫工程S3によって、前記部分環状部2aの外周縁部にその周方向全体に亘りゴム状弾性部材3が一体に成形されたものである。これらの例でも、前記の例と同様に、一次成形工程S1における成形から脱型、さらには、次の二次成形工程S2に至る過程においては、補強部材4によって基体2の剛性が高められているから、樹脂からなる基体2が残留歪によって変形することを抑制できる。また、脱型や脱型後の保管、或いは二次成形工程S2への輸送過程で外力が付加されても、補強部材4によって基体2が補強されているから、基体2の変形が抑制される。さらに、二次成形工程S2及び二次加硫工程S3における熱歪による変形も生じ難い。しかも、基体2は、懸架部2bを備えているから、この懸架部2bによって補強され、変形の発生をより効果的に抑制することができる。
このような一次成形体5は、図5に示す成形装置10におけるキャビティ13が、部分環状部2a及び懸架部2bからなる基体2と、部分環状部2aに破断部41を介して連なる補強部材4の形状に対応する形状に設定された成形装置によって成形される。この場合、各懸架部2bの中央部に対応する部位に樹脂注入用スプルー(不図示)が設けられ、基体2と補強部材4とが一体に成形される。そして、この一次成形体5に対して、図3に示すように二次成形工程S2及び二次加硫工程S3によって、基体2の外周縁部の全体に亘りゴム状弾性部材3が一体に成形されて、図示のような二次成形体6が得られる。この二次成形体6は、前記と同様に補強部材4が破断部41において切断されて基体2より分離され(図3の補強部材の分離工程S4)、基体2の一部が欠如した状態の成形体とされる。この最終製品としての成形体は、補強部材4が分離されて基体2の一部が欠如されているため、シール面に張出し部が存在する部材に適用される場合に、張出し部を避けるような形状の基体2を製造することができる。より具体的には、このような成形体は、例えば、内燃機関におけるチェーンケースとシリンダブロックとの合体部分をシールするガスケット(特に、図9(a)の例)や、シリンダヘッドとヘッドカバーとの間において、セミサーキュラーと組み合わされるガスケット、等として使用される。
本実施形態において、図9(b)の例では、基体2のコーナー部の一か所に欠如部分2cが形成された例を示したが、基体2の一辺部全体を欠如部分2cとした基体2としても良い。また、図9(b)の例における懸架部2bは、二次成形体6が得られた後は、必要によって補強部材4と同様に、破断部2baにおいて切除しても良い。つまり、懸架部2bは、破断部2baを介して部分環状部2aに連結されるようにしても良い
なお、一次成形体の基体に対して、穴開け、切削、ねじ切、面出し等の処理を施す機械的処理工程を加えても良い。この場合でも、一次成形体の基体が補強部材によって剛性が高められ、前記一次成形工程において、一次成形体を脱型する際に、成形時の残留歪による基体の変形が抑制されるから、前記機械的処理工程における不都合が生じ難くなる。従って、補強部材を分離して得られる最終製品としての成形体は、所期の形状が維持され、組付け対象等に対する組付性の問題を生じる懸念も抑えられる。
また、基体2の上端面にゴム状弾性部材3を一体に形成しても良い。さらに、補強部材4を分離する時期は、成形処理工程が実施された後であればいつでも良い。例えば、成形処理工程が実施された後、成型体に種々の工程が実施された後に補強部材4を分離しても良いし、その途中で補強部材4を分離しても良い。補強部材を分離する方法は特に限定されない。ロボット等の自動装置によって実施しても良いし、手動により実施しても良い。また、樹脂注入用スプルーの位置は特に限定されず、適宜変更しても良い。さらに、補強部材4を形成するキャビティは、基体2を形成するためのランナー及びゲートを兼ねていなくても良い。例えば、一つの成形型によって複数の一次成形体5を成形するような場合には、各一次成形体5を形成するキャビティに向けて供給するランナーとは別に、各一次成形体を形成するキャビティが形成されるようにしても良い。
また、前記実施形態における二次成形工程S2は、未加硫のゴム材を加硫成形する工程としたが、弾性樹脂等の他のエラストマーを成形する工程であっても良い。また、図示した基体2や補強部材4、さらにはゴム状弾性部材3の形状等は、例示のものに限定されず、最終製品としての成形体1の組付対象等の形状に応じて、設計的に適宜設定されるものであることは言うまでもない。例えば、補強部材4の形状としては、方形の基体2内に配置され、基体2の内側部と複数の線状部によって連結された板状のものも採用可能である。さらに、ゴム状弾性部材3を備える成形体1は、内燃機関用のガスケットである例を示したが、電子機器等に適用されるガスケット、或いは、ガスケット以外の産業部品であっても良い。
1 成形体
2 基体
2a 部分環状部
2b 懸架部
2c 欠如部
3 ゴム状弾性部材
4 補強部材
42 突起部
5 一次成形体
S1 一次成形工程
S2 二次成形工程(成形処理工程)
S3 二次加硫工程(加熱工程)
S4 分離工程

Claims (5)

  1. 樹脂材からなる基体を備えた成形体の製造方法において、
    前記基体を環状に成形し、且つ、当該環状の基体から分離可能な補強部材を前記基体の内側に架け渡されるような形状で一体に成形する一次成形工程と、
    前記一次成形工程によって得られた一次成形体を成形型内に配置し、前記一次成形体における基体の外周縁部にゴム状弾性部材を一体に成形する成形処理工程としての二次成形工程と、
    前記二次成形工程の後、前記補強部材を前記基体から分離する分離工程と、を含むことを特徴とする成形体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の成形体の製造方法において、
    前記ゴム状弾性部材が加硫ゴムであって、
    前記二次成形工程の後、前記補強部材と前記基体とゴム状弾性部材とが一体となっている状態で前記成形型から前記一次成形体を取り出し、前記ゴム状弾性部材を加熱する加熱工程を実施することを特徴とする成形体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の成形体の製造方法において、
    前記一次成形工程において、前記補強部材には、前記基体よりも前記基体の軸方向に突出する突起部が形成され、
    前記一次成形工程の後、前記突起部を他の一次成形体の補強部材に当接するようにして複数の前記一次成形体を整列し、その後前記二次成形工程を実施することを特徴とする成形体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形体の製造方法において、
    前記基体は、板状に形成され、前記補強部材は、前記基体よりも剛性を有する棒状に形成されることを特徴とする成形体の製造方法。
  5. 請求項1に記載の成形体の製造方法において、
    前記基体は、環状の一部が欠如されてなる部分環状部と、前記部分環状部の内側に架け渡された懸架部とを備え、前記一次成形工程においては、補強部材を、前記部分環状部の欠如部分を補うように前記基体と一体に成形することを特徴とする成形体の製造方法。
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