JP6176037B2 - 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク及びインクセット - Google Patents

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Description

本発明は活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク及びインクセットに関する。
インクジェットプリンター記録装置による印刷は、ノズルよりインクを噴射し被記録材に付着せしめる方式であり、従来の印刷方法と異なり版を使用しない印刷方式であることから、少量多品種に対応できるオンデマンド印刷方式として広範囲にわたる利用分野が期待されている印刷方式である。特に近年では、被記録材として、従来の紙等の吸収基材に対する印刷から、プラスチック等の非吸収基材に対する印刷の検討が数多くなされている。
このインクジェット記録装置に用いられるインクとして、紫外線等の活性エネルギー線で硬化、乾燥するインクが、非吸収材料上での乾燥時間の短いこと、印刷画像の付着性、耐久性の優れていること等のため数多く提案されている。さらにまた黒色ないし暗色地の基材に白色印刷を行うインクとして、隠蔽力、着色力、耐薬品性等に優れた白色顔料である酸化チタンを色材に用いた紫外線硬化型インクジェット記録用白色インクも提案されている。(例えば特許文献1参照)
一方、使用するモノマーとして、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを使用する例が知られている(例えば特許文献2参照)。アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルはアクリロイル基とビニルエーテル基とを1分子中に有するモノマーであり、硬化性や基材への密着性に優れる。しかしながら時として、ゲル化することがあった。
特に白色インクに使用される酸化チタンは一般的に表面処理が施されており、活性残基の影響により、時としてゲル化を誘発する傾向にある。従って白色インクは他の色インクと比較して保存安定性におとる傾向にあった。
特開2008−308692号公報 特開2012−207084号公報
本発明の課題は、保存安定性に優れる、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク及びインクセットを提供することにある。
本発明者らは、活性エネルギー線重合性化合物として(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルとビタミン類とを併用することで、上記課題を解決した。
即ち本発明は、一般式(1)で表される重合性化合物、着色剤、及びビタミン類を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクを提供する。
Figure 0006176037
(1)
(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数2〜20の有機残基を表し、Rは水素原子又は炭素原子数1〜11の有機残基を表す。)
また本発明は、白インクを含む活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクセットであって、前記白インクが、前期記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクである活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクセットを提供する。
本発明により、保存安定性に優れる活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用白色インク及びインクセットを提供することができる。
(活性エネルギー線重合性化合物 一般式(1)で表される重合性化合物)
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、前記一般式(1)で表される重合性化合物を必須成分として使用する。
前記一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数2〜20の有機残基を表し、Rは水素原子又は炭素原子数1〜11の有機残基を表す。
は具体的には、炭素原子数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン基、構造中にエーテル結合及び/又はエステル結合により酸素原子を有する炭素原子数2〜20のアルキレン基、炭素原子数6〜11の置換されていてもよい芳香族等を表す。中でも、炭素原子数2〜6のアルキレン基、構造中にエーテル結合により酸素原子を有する炭素原子数2〜9のアルキレン基が好ましい。
またRで示される炭素原子数1〜11の有機残基の具体例としては、炭素原子数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素原子数6〜11の置換されてもよい芳香族基等を表す。中でも炭素原子数1〜2のアルキル基、炭素原子数6〜8の芳香族基が好ましい。
中でも、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを使用することが好ましい。(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルの市販品としては、株式会社日本触媒製のVEEA、VEEM等があげられる。
(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルは、重合性化合物全量に対し10〜100質量%含有することが好ましく、より好ましくは15〜100質量%の範囲である。10質量%未満では十分な硬化性が得られず、非印字面への裏移りが抑制できなかったり、インク塗膜の基材に対する密着性が低下したり、インク塗膜から発せられる臭気が強くなったりする。
(活性エネルギー線重合性化合物 その他の重合性化合物)
本発明においては、前記ポリエステル(メタ)アクリレートや前記メルカプト基を有する(メタ)アクリレートを使用する以外は特に限定はなく、前記公知の重合性化合物を使用することができる。例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等の置換基を有する(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−カプロラクラム、
1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、及びこれらのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド変性物やカプロラクトン変性物、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の重合性化合物を使用することができる。これらは2種類以上併用して用いることができる。
これらの重合性化合物は、中でも、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等のモノアクリレート、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート等を使用することが、低粘度化・硬化性の観点から好ましい。中でも2−エチルヘキシル、イソオクチル、フェノキシエチル、イソボルニル、等のモノアクリレート、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、が好ましく、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチルカルビトールアクリレートが最も好ましい。
前記活性エネルギー線重合性化合物の組成物は、使用するインクジェット装置にもよるが、各々のモノマーを配合後の粘度が概ね1〜100mPa.sとなるように設計することが好ましい。
(光重合開始剤)
本発明において、活性エネルギー線として紫外線を使用する場合には、光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤としてはラジカル重合型の光重合開始剤が使用される。
具体的には、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
特にLEDを使用する場合には、LEDの発光ピーク波長を加味して光重合開始剤を選択することが好ましい。例えばUV−LEDを使用する場合に適した光重合開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン)、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
また上記光重合開始剤に対し、増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
前記光重合開始剤は、インク組成物全固形分に対し1〜25質量%配合するのが好ましく、5〜20質量%配合するのがなお好ましく、5〜15質量%配合するのが最も好ましい。
(ビタミン類)
本発明で使用するビタミン類としては、ビタミンA,ビタミンB,ビタミンC,ビタミンD,ビタミンE,ビタミンKをあげることができ、より好ましいビタミンの種類は、ビタミンC,ビタミンEである。
本発明で用いられるビタミンCは特に制限されず公知のものを使用することができ、アスコルビン酸、その誘導体、及びそれらの塩を含む。ビタミンCは、合成によって入手してもよく、また市販品も用いることができる。
アスコルビン酸の誘導体としては、アスコルビン酸と、リン酸、硫酸、スルホン酸、カルボン酸(例えば、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等)等の酸類とのエステル誘導体;アスコルビン酸のヒドロキシ基の水素原子がアルキル基(例えば、炭素数1〜22のアルキル基)、アルケニル基(例えば、炭素数2〜12のアルケニル基)、アリール基(例えば、炭素数6〜12のアリール基)、糖残基等で置換されたエーテル誘導体等を挙げることができる。ここで、エステル誘導体を形成するリン酸や硫酸、スルホン酸、カルボン酸は、モノエステル(例えば、リン酸モノアルキルエステル等のリン酸モノエステル;硫酸モノアルキルエステル等の硫酸モノエステル等)やジエステル(例えば、リン酸ジアルキルエステル等のリン酸ジエステル等)であってもよく、またアルキル基(例えば、炭素数1〜6のアルキル基等)やアルコキシ基(例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基等)、アシル基(例えば、炭素数1〜7のアシル基等)、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、オキソ基、フェニル基等の置換基で置換されていてもよい。同様に、エーテル誘導体を形成するアルキル基、アルケニル基、アリール基、糖残基等もまた、上述のような置換基で置換されていてもよい。
より具体的には、アスコルビン酸の誘導体の例として、アスコルビン酸モノリン酸エステル、アスコルビン酸ジリン酸エステル、アスコルビン酸トリリン酸エステル等のアスコルビン酸とリン酸とのエステル誘導体;アスコルビン酸−2−硫酸エステル等のアスコルビン酸と硫酸とのエステル誘導体;アスコルビン酸−2−スルホン酸エステル等のアスコルビン酸とスルホン酸とのエステル誘導体;パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(VCIP)等のアスコルビン酸とカルボン酸とのエステル誘導体;アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸エステル(APPS)、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸、リン酸アスコルビルアミノプロピル等のエステル誘導体;アスコルビン酸エチル(例えば、2−O−エチルアスコルビン酸、3−O−エチルアスコルビン酸)、3−O−セチルアスコルビン酸、アスコルビン酸メチルシラノール、アスコルビルグルコシド(例えば、アスコルビン酸2−グルコシド)等のエーテル誘導体;デヒドロアスコルビン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。
アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体の塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属塩、並びに亜鉛、アルミニウム等の多価金属塩などの各種の金属塩;アンモニウムやトリシクロヘキシルアンモニウム等のアンモニウム塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の各種のアルカノールアミン塩;キトサン塩等が用いられ得る。好ましくは金属塩であり、より好ましくはアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩であり、更に好ましくはアルカリ金属塩であり、特に好ましくはナトリウム塩である。
より具体的には、アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体の塩の例として、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビン酸硫酸2ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸亜鉛、キトサンアスコルビン酸、リン酸アスコルビルマグネシウム、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で用いられるビタミンEは特に制限されず公知のものを使用することができ、ビタミンE、その誘導体を含む。
ビタミンE誘導体の具体例としては、トコール、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール等の他、一般式1で示される化合物が挙げられる。一般式1で示される化合物の具体例としては、酢酸−α−トコフェロール、酢酸−β−トコフェロール、酢酸−γ−トコフェロール、酢酸−δ−トコフェロール、コハク酸−α−トコフェロール、コハク酸−β−トコフェロール、コハク酸−γ−トコフェロール、コハク酸−δ−トコフェロール、ニコチン酸−α−トコフェロール、ニコチン酸−β−トコフェロール、ニコチン酸−γ−トコフェロール、ニコチン酸−δ−トコフェロール、イソニコチン酸−α−トコフェロール、イソニコチン酸−β−トコフェロール、イソニコチン酸−γ−トコフェロール、イソニコチン酸−δ−トコフェロール、α−トコフェロールグリシンエステル、β−トコフェロールグリシンエステル、γ−トコフェロールグリシンエステル、δ−トコフェロールグリシンエステル、α−トコフェロールサルコジンエステル、β−トコフェロールサルコジンエステル、γ−トコフェロールサルコジンエステル、δ−トコフェロールサルコジンエステル、酢酸−α−トコトリエノール、酢酸−β−トコトリエノール、酢酸−γ−トコトリエノール、酢酸−δ−トコトリエノール、コハク酸−α−トコトリエノール、コハク酸−β−トコトリエノール、コハク酸−γ−トコトリエノール、コハク酸−δ−トコトリエノール、ニコチン酸−α−トコトリエノール、ニコチン酸−β−トコトリエノール、ニコチン酸−γ−トコトリエノール、ニコチン酸−δ−トコトリエノール、イソニコチン酸−α−トコトリエノール、イソニコチン酸−β−トコトリエノール、イソニコチン酸−γ−トコトリエノール、イソニコチン酸−δ−トコトリエノール等があげられる。
本発明で使用するビタミン類の好ましい配合量は、0.01〜0.5質量%であり、より好ましくは0.05〜から0.2質量%である。
前記ビタミン類は、重合禁止剤として機能する。
その他、前記ビタミン類と併用可能な重合禁止剤としては、特に限定はなく公知のものを使用することができる。たとえばハイドロキノン、メトキノン、ジ−t−ブチルハイドロキノン、P−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ニトロソアミン塩等の重合禁止剤を使用することができる。前記ビタミン類と併用する場合の添加量としては、インク中に0.01〜2質量%の範囲で添加することが好ましい。
(顔料)
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクは、すべてのカラーインクに適用することが可能であるが、プラスチックを被記録材とする際に使用する白色顔料を添加した白インクが、特に本発明の効果を発揮することができ好ましい。
(白色顔料)
前記白インクに使用される白色顔料は、特に限定はなく公知の無機白色顔料を使用できる。例えば、アルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸塩、微粉ケイ酸、合成珪酸塩、等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。また、前記無機白色顔料が各種表面処理方法で表面処理されていてもよい。
中でも、表面処理された酸化チタンが、水性媒体中において比較的良好な分散性を示すことから好ましい。例えば光触媒性による影響を避けるために、無機物で表面処理された酸化チタンが好ましく、シリカとアルミナで表面処理された酸化チタンが好ましい。更に、該シリカとアルミナで表面処理後、更にシランカップリング剤によって表面処理した酸化チタンを使用することもできなお好ましい。
シリカとアルミナで表面処理された酸化チタンにおいて、酸化チタンとしては、公知のルチル型・アナターゼ型の二酸化チタンが使用でき、より好ましくはルチル型二酸化チタンである。
また前記酸化チタンの平均粒径としては、100〜500nmのものを使用することが好ましく、150〜400nmのものを使用することがより好ましい。平均粒径が100nm以下であると水性媒体中の非沈降性や分散安定性はより実現し易くなるものの、白色度や隠蔽性が劣ってしまい本来の白色インキとしての実用性が低下するおそれがあり、一方平均粒径が500nm以上になると白色度や隠蔽性の点では問題ないが、吐出安定性が不十分となる傾向にある。粒径について実用的には200〜300nmが更により好ましい。
なお原料としての酸化チタンの平均粒径は電子顕微鏡写真により20個の粒径測定を行って平均をとったものとする。
シリカとアルミナで表面処理された酸化チタンにおいて、一般にシリカは、酸化チタン表面の酸・塩基の状態を調整する目的や、得られたインク・塗料皮膜の耐久性を付与するために使用され、アルミナは分散時の酸化チタンの濡れを改良するために使用される。また酸化チタンの表面処理方法としては、水系処理、気相処理等が挙げられる。シリカとアルミナの処理量の比率は、分散安定性の観点から、アルミナ処理量の比率が35質量%以上、80質量%以下であることが好ましい。また、酸化チタンに対する該無機物の量は必ずしも限定されないが、一般的には酸化チタン100部に対して30部以下である。
また、前記シリカとアルミナで表面処理後、更にシランカップリング剤によって表面処理した酸化チタンを使用する場合は、アルミナによる処理量のアルミナ及びシリカ処理量の総和に対する比率の範囲としては35〜80質量%であることが好ましく、35〜65質量%がより好ましく、35〜50質量%がさらにより好ましい。アルミナは酸化チタン表面でAl−OH(なおAlはアルミニウムを表しOHはヒドロキシ基を表す)の形で存在しており、アルミナ処理量が多量すぎると、このOHに吸着させるためのシランカップリング剤も多量に必要となり、処理の際の増粘などの問題が発生しやすくなる。
このようなシリカとアルミナで表面処理された酸化チタンは、市販品を使用してもよく、例えば、石原産業(株)、テイカ(株)等の酸化チタン製造メーカーより市販されている。例えば、アルミナ処理量に比較してシリカ処理量の多い品種、シリカ処理量に比較してアルミナ処理量の多い品種が市販され、アルミナによる処理量が上記比率の範囲に入る酸化チタンも入手することができる。
前記アルミナ及びシリカそれぞれの質量比は、酸化チタンの表面に酸化チタンと共に存在するアルミナ及びシリカの量から推定することができる。アルミナ及びシリカの存在量比は、蛍光X線またはESCA等により酸化チタン表面に吸着されたアルミナ、またはシリカの量を分析、比較することによって確認することができる。特に蛍光X線による測定が簡便で精度が高い。シリカおよびアルミナは酸化チタンの表面上に存在する他、その一部が遊離した粒子として存在する可能性があり、蛍光X線による測定を行うと、その総量を測定することができる。蛍光X線による定量法については、標準資料を用いた検量線による分析方法が確立されている。
したがって市販の酸化チタンに対して、その表面に存在するアルミナとシリカの質量比を蛍光X線による測定で確認し、種々の質量比の酸化チタンを使用することができる。
前記シリカとアルミナで表面処理された酸化チタンをシランカップリング剤によって表面処理する場合に使用するシランカップリング剤としては、アルミナ処理もしくはアルミナ及びシリカ処理された酸化チタン表面に存在する水酸基と反応する加水分解基と、有機官能基を有しており、その一般構造は下記一般式(2)
Figure 0006176037

(1)

(式中、(R)、(R)、(R)、及び(R)はそれぞれ独立に、水素原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、クロル基、有機基のいずれかであり、少なくとも1つはアルコキシ基、ヒドロキシ基、クロル基のいずれかであり、かつ、少なくとも1つは有機基である。a,b,c及びdは(R)、(R)、(R)、及び(R)の繰り返し数を表す0〜3の整数であり、かつ、a+b+c+d=4である。)の構造を有する有機ケイ素化合物である。
これらシランカップリング剤は加水分解基の加水分解によってシラノールを生じ、シラノール同士が縮合してシロキサン結合となりオリゴマーを形成する。一方、無機化合物の酸化表面あるいは水酸基とも同様のメカニズムで反応し、無機物表面にある水酸基との水素結合を介して無機物表面に移行し、脱水縮合反応を経てポリシロキサン結合を形成する。これら反応は並行して進行し、ポリシロキサン結合を有するオリゴマー、ポリマーによる被覆、すなわちオルガノポリシロキサン被覆を無機物表面に形成する。
具体的な化合物としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン等のサルファーシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等のイソシアネートシラン等をあげることができる。
前記一般式(2)の(R)、(R)、(R)、及び(R)の少なくとも1つはクロル基、メトキシ基、またはエトキシ基であり、かつ、(R)、(R)、(R)、及び(R)の少なくとも1つはビニル基であることが好ましい。
これらのシランカップリング剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明で使用するシランカップリング剤としては、顔料分散剤として使用するスチレン系共重合体のスチレン基に対して吸着性が良好と考えられるビニルシランが好ましく、中でもビニルトリエトキシシランまたはビニルトリメトキシシランが好ましく、保存安定性、環境面からみた安全性の点でより優れているビニルトリエトキシシランがさらにより好ましい。
アルミナ処理もしくはアルミナ及びシリカで処理された酸化チタンをシランカップリング剤で処理するには、例えば水中で酸化チタンとシランカップリング剤とを混合して加熱・攪拌し、しかる後に完全に水分を揮発させれば良い。シランカップリング剤の使用量は、一般に0.05〜20質量%程度であるが、酸化チタンは比較的に比表面積が小さいので1〜10質量%程度でその効果を発現できる。
前記白色顔料の添加量は、十分な画像濃度や印刷画像の耐光性を得るため、インク全固形分量の5〜25質量%の範囲で含有させることが好ましい。
前記白色顔料を分散させる分散剤は公知のものでよく、例えば高分子分散剤等を使用することができる。高分子分散剤としては、一級、二級、または三級アミノ基、ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素ヘテロ環等を有する塩基性基を有する高分子分散剤や、リン酸エステル系等の酸性基を有する高分子分散剤を広く使用することができる。
塩基性基を有する高分子分散剤として、具体的には、味の素ファインテクノ製のアジスパーPB821、PB822、PB817、アビシア製のソルスパーズ24000GR、32000、楠本化成製のディスパロンDA―703―50、DA−705、DA−725等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、塩基性基を有する高分子分散剤の使用量は、顔料に対して、1〜10質量%の範囲が好ましく、特に3〜6質量%の範囲が好ましい。
また、酸性基高分子分散剤としては、具体的には、BYK−Chemie社製のDisperbyk−111、110等が挙げられる。酸性基を有する高分子分散剤の使用量は、顔料に対して1〜10質量%の範囲が好ましく、特に3〜6質量%の範囲が好ましい。
これらの高分子分散剤は溶解しないと顔料への吸着点が露出しないため、通常高分子分散剤を溶解する溶剤とともに使用される。
また、白インク以外に使用する顔料としては、インクジェットインクのプロセス色であるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの基本4色を与える顔料を使用することができる。(以下、白色顔料以外の顔料を総称して「白色顔料以外の顔料」と称す)
これらの顔料としては、無機顔料あるいは有機顔料を使用することができる。
無機顔料としては、酸化チタンや酸化鉄、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
顔料の具体例としては、カーボンブラックとして、三菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、同5250、同5000、同3500、同1255、同700等が、キャボット社製のRegal400R、同330R、同660R、Mogul L、同700、Monarch800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、同1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、ColorBlack S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同140U、Special Black 6、同5、同4A、同4等が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180、185、213等が挙げられる。
また、マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、C.I.ピグメントヴァイオレット 19等が挙げられる。
また、シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、60、16、22が挙げられる。
前記白色顔料以外の顔料の平均粒径は、10〜200nmの範囲にあるものが好ましく、より好ましくは50〜150nm程度のものである。また前記着色剤の添加量、十分な画像濃度や印刷画像の耐光性を得るため、インク全量の1〜20質量%の範囲で含有させることが好ましい。
また、後述のインクセットとして使用する場合は、前記イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの基本4色に加えて、それぞれの色毎に同系列の濃色や淡色を加えてもよい。例えばマゼンタに加えて淡色のライトマゼンタ、濃色のレッド、シアンに加えて淡色のライトシアン、濃色のブルー、ブラックに加えて淡色であるグレイ、ライトブラック、濃色であるマットブラックを使用することができる。
前記白色顔料以外の顔料も、白色顔料と同様に、前記活性エネルギー線重合性化合物等に対する分散安定性を高める目的で顔料分散剤を用いることが好ましい。具体的には、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、PB822、PB817、アビシア社製のソルスパーズ24000GR、32000、33000、39000、楠本化成社製のディスパロンDA−703−50、DA−705、DA−725等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、顔料分散剤の使用量は、白色顔料以外の顔料に対して10〜80質量%の範囲が好ましく、特に20〜60質量%の範囲が好ましい。使用量が10質量%未満の場合には分散安定性が不十分となる傾向にあり、80質量%を超える場合にはインクの粘度が高くなる傾向にあり、吐出安定性が低下しやすい傾向にある。
この他に、本発明の課題を損なわず、且つ吐出安定性を損なわない範囲において、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類や、被印刷基材に対する接着性の付与等を目的に、本発明の効果を損なわない範囲においてアクリル樹脂、エポキシ樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル等の非反応性樹脂等を配合することができる。
レベリング添加剤としては、特にポリエステル系のレベリング剤、シリコン系のレベリング際が好ましい。該レベリング剤を添加することで、低表面張力化に伴う光沢等の物性が向上し好ましい。
(製造方法)
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクの製造は、顔料を含む場合は顔料、及び活性エネルギー線重合性化合物、必要に応じ顔料分散剤、樹脂を加えた混合物をビーズミル等の通常の分散機を用いて顔料を分散した後、光重合開始剤を加え、さらに必要に応じ表面張力調整剤等の添加剤を加えて攪拌、溶解することで調製できる。予め、ビーズミル等の通常の分散機を用いて高濃度の顔料分散液(ミルベース)を作製後、光重合開始剤を溶解した活性エネルギー線重合性化合物、添加剤等を攪拌、混合して調製することもできる。
顔料を分散させるための攪拌・分散装置としては、ビーズミルの他、たとえば超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザーなど、公知慣用の各種分散機を使用することができる。
このようにして得られた本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクは、表面張力が20.0〜25.0mN/mの範囲であることが好ましい。特に白インクは22.5〜24.0mN/m、色インクは20.0〜22.5mN/mの範囲であることが好ましい。
表面張力を該範囲とすることで、白インクのレベリング性を損なうことなく、その上に形成される色インクの画像は良好なものが得られる等の利点がある。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクは、活性エネルギー線、好ましくは紫外線等の光照射をすることにより硬化反応を行う。紫外線等の光源としては、通常UV硬化性インクジェットインクに使用する光源、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等であれば問題なく硬化させることができる。例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式がいずれも使用できる。例えば圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクはプラスチック材に対する接着性に優れる。従って、曲面や凹凸した不規則な形状を有するような、プラスチック成形体等の表面にも容易に印字することができる。具体的には、汎用の射出成形用プラスチックとして使用される、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)/ABS樹脂、PA(ポリアミド)/ABS樹脂、PC(ポリカーボネート)/ABS樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)/ABS等のABS系のポリマーアロイ、AAS(アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン)樹脂、AS(アクリロニトリル・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレンゴム・スチレン)樹脂、MS((メタ)アクリル酸エステル・スチレン)系樹脂、PC(ポリカーボネート)系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、PP(ポリプロピレン)系樹脂、等が挙げられる。
また、被記録材として包装材料用の熱可塑性樹脂フィルム等のプラスチック材からなるフィルムを使用することも可能である。例えば食品包装用として使用される熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンレテフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等が挙げられる。これらは一軸延伸や二軸延伸等の延伸処理を施してあってもよい。またフィルム表面には必要に応じて火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理を施してもよい。
前記プラスチックフィルムに、本発明のインクジェット記録用活性エネルギー線硬化型インクセットで印刷層を形成する。
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式がいずれも使用できる。例えば圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(圧電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法が挙げられる。
裏刷りの重ね印字方法としては、インクジェットノズルを有するインクジェット記録装置にて、フィルムを40〜80℃程度にプレヒートしながら、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を印字する。この場合、ブリード(滲み)が発生しないように1色毎に印字・乾燥を繰り返すか、印字しながら紫外線や電子線等で表面を乾燥させて4色カラー印字を同時に行う。次いで、白インク(W)を用いて、画像を印字し、最終的には紫外線、EB線等で十分に硬化・乾燥させて印刷物を得る。
同様に、表刷り重ね印字方法としては、インクジェットノズルを有するインクジェット記録装置にて、フィルムを40〜80℃程度にプレヒートしながら、白インク(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を印字する。ブリード(滲み)が発生しないように1色毎に印字・乾燥を繰り返すか、印字しながら紫外線や電子線等にて表面を乾燥させる。最終的には、紫外線や電子線等で十分に乾燥させて印刷物を得る。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下、実施例中にある部とは、質量部を表す。
[高濃度顔料分散液(ホワイトミルベース)の調整例]
(ミルベース(1)の製造例)
JR−806 48部
テイカ(株)製 酸化チタン
アジスパー PB−821 0.96部
味の素ファインテック製 高分子顔料分散剤
ソルスパーズ 24000GR 1.44部
ルーブリゾール製 高分子顔料分散剤
ニューフロンティア PGA 5.6部
第一工業製薬製 フェニルグリシジルエーテルアクリレート
ミラマーM222 64部
MIWON社製 ジプロピレングリコールジアクリレート
を攪拌機で1時間撹拌混合した後、ビーズミルで2時間処理し、ミルベース(1)を作製
した。
(実施例1〜2 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクの製造方法)
[ホワイトインクの調整例]
多官能モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート(MIWON社M−300)5部、ジプロピレングリコールジアクリレート(ダイセルサイテック社EBECRYL DPGDA)35部、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(日本触媒社VEEA)40部を混合したものに、光重合開始剤としてイルガキュア819(BASF社製)を4部、イルガキュア2959(BASF社製)を2部、ダロキュア1173(BASF社製)を4部、ルシリンTPO(BASF社製)を7部、表面張力調整剤としてBYK−UV3500(BYK社製シリコーンオイル)0.1部、KF−351A(信越シリコーン社製 シリコーンオイル)0.2部、重合禁止剤としてトコフェロール(ビタミンE)またはL−アスコルビン酸(ビタミンC)0.05部を添加し、60℃で30分加熱攪拌した後、調整例のミルベース(1)を添加し、十分に撹拌・混合し各インクを得た。次いで1.2μmのメンブレンフィルターを用いてろ過することにより活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク(実施例1〜2)を得た。
(比較例1〜3 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクの製造方法)
禁止剤として、ヒンダードアミン系禁止剤、ヒンダードフェノール系禁止剤、リン系禁止剤を使用する以外は実施例1と同様にして、比較例用の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク(比較例1〜3)を得た。
(物性測定方法)
活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクの物性として、粘度を測定した。また、保存安定性を評価するための密閉容器に所定容量を充填するために比重を測定した。測定方法を以下に示す。
[粘度]
東機産業社製粘度測定器:TVE−20Lにて、40℃における粘度を測定した。測定回転数は、50rpm/mimとした。なお、本発明の実施例で使用したインクジェット印刷評価装置にて安定に印刷する為にインクの粘度を5〜10mPa・secの間に調整した。
[比重]
インクをプラスチック製遮光容器に入れ、25℃恒温水槽に浸漬したのち、ガラス製比重浮標により測定した。
組成比、及び物性を表1に示す。なお数値は部を表す。
Figure 0006176037
表中の略称は、「M−300」はトリメチロールプロパントリアクリレートであり、「DPGDA」はジプロピレングリコールジアクリレートであり、VEEAはアクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルである。
D;トコフェロール(ビタミンE)
E;L−アスコルビン酸(ビタミンC)
G;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(ヒンダードフェノール系)
H;1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート
(ヒンダードアミン系)
I;トリフェニルフォスフィン(リン系)
(インク評価)
活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクの実施例1〜2、比較例1〜3の保存安定性評価は以下のように行った。
[容器への充填方法]
比重浮標を用いて25℃における比重を測定し、6mLの褐色ガラス瓶に5.4mLとなるように必要重量を充填した。具体的には比重が1.13の場合、6.10gを充填し密閉した。
[ゲル発生有無の確認方法]
上記充填容器を60℃のオーブンに20日放置した後、マイクロピペットにてサンプリングし、ステンレスシャーレの上に展延し、目視にてゲルの発生の有無を確認した。尚、下記の基準で2段階評価した。
ゲルの発生なし;○
ゲルの発生あり;×
結果を表2に示す。
Figure 0006176037

(保存安定性に及ぼす禁止剤種の影響について)
実施例1〜2、及び比較例1〜3の評価結果より、ビタミン類を配合したものは保存安定性を示した。一方、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系禁止剤を配合したものは、ゲルが生じてしまった。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表される重合性化合物、着色剤、及びビタミン類を含有し、前記ビタミン類がビタミンEまたはビタミンCであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク。
    Figure 0006176037
    (1)
    (式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数2〜20の有機残基を表し、Rは水素原子又は炭素原子数1〜11の有機残基を表す。)
  2. 前記着色剤が白色顔料である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク。
  3. 表面張力が22.5〜23.8mN/mである請求項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク。
  4. 白インクを含む活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクセットであって、前記白インクが、請求項またはに記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクセット。
  5. 前記インクセットのうち、前記白インクが最も高い表面張力を有する請求項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクセット。
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