JP6175531B1 - 繊維強化複合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】線状の繊維強化複合体を製造するに際して、専用の特殊な機材や資材を必要とせず、製造コストを従来よりも抑えることができ、且つ要求される多様・複雑な成形形状にも柔軟に対応することが可能な繊維強化複合体を容易且つ適切に製造する方法を提供する。【解決手段】強化材である繊維と強化対象の母材樹脂を混合し且つ任意の長さを有する混合体2を形成する混合体形成工程S1と、混合体2を軟質チューブTに圧入して内挿し線状の予備成形体3を得る圧入内挿工程S2と、予備成形体3を所定形状に腑形する腑形工程S3と、腑形した予備成形体3を硬化させる硬化工程S4と、硬化した予備成形体3から軟質チューブTを除去して所定形状の繊維強化複合体1を得る繊維強化複合体製作工程S5と、を経る製造方法にした。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂を繊維によって強化した構造を有する線状の繊維強化複合体を製造(成形)する方法に関するものである。
従来より、樹脂を繊維によって強化した構造を有する繊維強化複合材料(FRP)が知られており、家庭用品を始めとする民生品への適用が急速に進んだことで現在では汎用材料の一つとなっている。また、機械特性や熱安定性に優れた繊維強化複合材料は、航空・宇宙用途のような高性能が要求される用途で広く採用されている。
このような状況下において、繊維強化複合材料を用いて成形された構造体である成形品(以下、繊維強化複合体)に対して要求される成形形状も多様化し、且つ複雑化している。特に、曲率変化を伴う線状の繊維強化構造体は、例えばフレーム材やジョイント部材として幅広い展開が見込まれている。
繊維強化複合材料を用いて線状の繊維強化構造体を製造する方法として、繊維束に熱硬化性樹脂を含浸させた線状体を、空気で膨張させたゴム管に内挿し、その状態で加熱して硬化させることにより線状の繊維強化構造体を製造する方法や、繊維束に熱硬化性樹脂を含浸させた線状体を熱収縮チューブに内挿し、その状態で加熱して硬化させることにより線状の繊維強化構造体を製造する方法(例えば、下記特許文献1参照)が知られている。
特許2524315号公報
しかしながら、繊維束に熱硬化性樹脂を含浸させた線状体を空気で膨張させたゴム管に内挿する工程を必須とする製造方法であれば、ゴム管を膨張させる工程及びゴム管を膨張させるための専用の装置が必要であり、製造コストの面において改善の余地があると言える。
また、繊維束に熱硬化性樹脂を含浸させた線状体を熱収縮チューブに内挿する工程を必須とする製造方法であれば、特殊な資材である熱収縮チューブが必要であり、線状の繊維強化複合体の径が熱収縮チューブの収縮量に依存するため、熱収縮チューブを最適な収縮状態に加熱する処理が適切に行わなければ、所望の径を有する繊維強化複合体を成形することができず、熱収縮チューブを加熱する処理が極めて煩雑である。
このように、従来の製造方法は、特殊な機材もしくは資材を用いるものであり、製造コストにもそれらが反映されてしまうとともに、曲率が連続的に変化する線状構造体を適切且つ容易に成形することも困難であった。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、主たる目的は、線状の繊維強化複合体を製造するに際して、専用の特殊な機材や資材を必要とせず、製造コストを従来よりも抑えることができ、且つ要求される成形形状の多様化・複雑化にも柔軟に対応することが可能な形状の自由度に優れた繊維強化複合体を容易且つ適切に製造する方法を提供することにある。
すなわち、本発明に係る繊維強化複合体の製造方法は、強化材である繊維と強化対象の母材樹脂を混合し且つ任意の長さを有する繊維・母材樹脂混合体(以下、「混合体」)を形成する混合体形成工程と、混合体を軟質チューブに圧入して内挿し線状の予備成形体を得る圧入内挿工程と、予備成形体を所定形状に腑形する腑形工程と、腑形した予備成形体のうち母材樹脂を硬化させて当該母材樹脂を繊維によって強化する硬化工程と、硬化した母材樹脂を含む予備成形体から軟質チューブを除去して腑形された所定形状の繊維強化複合体を得る繊維強化複合体製作工程と、を経る製造方法であり、強化材である繊維として、長繊維(フィラメント)を数十本撚り合わせて1本の糸にしたフィラメントヤーンを任意の長さ及び本数となるように捲回して輪状にしたものを適用し、混合体形成工程において、捲回状態にある輪状のフィラメントヤーンの一箇所を固定し、当該固定箇所を固定端として引っ張るようにして伸ばしたフィラメントヤーンの先端をワイヤーに接続することで全体として長尺の捲回物になったフィラメントヤーンに母材樹脂を含浸させた混合体を形成し、圧入内挿工程では、予め軟質チューブ内に挿通しているワイヤーをガイドとして混合体を軟質チューブに圧入して内挿することを特徴とする製造方法である。
ここで、本発明において、「強化材である繊維」及び「母材樹脂」の種類や構造は特に限定されず、成形品である繊維強化複合体に要求される物性や機能等に応じて適宜の「繊維」及び「母材樹脂」を選択することができる。また、本発明では、「軟質チューブ」として、熱収縮しない既知の軟質樹脂製チューブを適用することができる。
本発明に係る繊維強化複合体の製造方法であれば、混合体形成工程で形成した混合体を軟質チューブに圧入して内挿し、線状の予備成形体を得る圧入内挿工程において、軟質チューブの弾性による復元方向への収縮力により混合体のうち強化材である繊維に付着した余分な母材樹脂を絞り出すことができ、繊維強化複合材料の物性に最も大きな影響を及ぼす繊維含有率を向上させることが可能である。なお、混合体形成工程終了時点で得られる混合体は、母材樹脂が未硬化であり、母材樹脂の硬化が完了した後の成形物である繊維強化複合材料材、また本発明における繊維強化複合体とは、母材樹脂の硬化・未硬化で区別可能なものである。そして、本発明に係る繊維強化複合体の製造方法によれば、圧入内挿工程を終えた時点で、混合体(例えば母材樹脂を含浸させた繊維束)を軟質チューブに圧入して内挿した線状の予備成形体が形成され、この予備成形体を腑形工程において所定形状に腑形し、その腑形した予備成形体のうち母材樹脂を硬化工程において硬化させて当該母材樹脂を繊維によって強化し、繊維強化複合体製作工程において予備成形体から軟質チューブを除去することで腑形された所定形状の繊維強化複合体を得ることができる。
したがって、本発明に係る繊維強化複合体の製造方法によれば、繊維強化複合材料を用いて形状の自由度に優れた線状の繊維強化複合体を製造するに際して、熱収縮チューブや、チューブを膨張させるための装置が不要であり、このような専用の特殊な資材や機材を必要とする従来の製造方法と比較して、製造コストを安価に抑えることができ、且つ要求される成形形状の多様化・複雑化にも柔軟に対応することが可能な形状の自由度に優れた線状の繊維強化複合体を容易且つ適切に製造することができる。
本発明では、混合体形成工程において、任意の長さを有する線状の発泡材の外周に混合体を配置した発泡材芯入り混合体を形成してもよい。このような混合体形成工程において形成される発泡材芯入り混合体は、発泡材内部に存在する多数の孔によって、完全な中実状構造ではない半中空状構造の線状成形物である。そして、混合体形成工程後に、圧入内挿工程において、発泡材芯入り混合体を軟質チューブに圧入して内挿し、線状の予備成形体を得て、腑形工程において、予備成形体を所定形状に腑形し、硬化工程、繊維強化複合体製作工程を経ることで、線状部分自体が半中空状の繊維強化複合体を得ることができる。
さらにまた、本発明では、混合体形成工程において、任意の長さを有する線状の発泡材の外周に混合体を配置した発泡材芯入り混合体を形成する場合、上述の圧入内挿工程、腑形工程、硬化工程に続く繊維強化複合体製作工程において、予備成形体から軟質チューブ及び発泡材を除去して腑形された所定形状の繊維強化複合体を得るようにすることも可能である。このような製造方法を採用すれば、線状部分自体が中空状の繊維強化複合体を得ることができる。
本発明において、混合体形成工程又は圧入内挿工程において、繊維に撚りを加える処理を行うようにすれば、繊維配向を調整した繊維強化複合体を製造することができる。圧入内挿工程を終了した時点で形成される予備成形体において、混合体は被覆されている軟質チューブの収縮力によって加圧されているため、予備成形体内部の繊維配向を保持することができる。なお、繊維配向を無撚りとする繊維強化複合体を製造する場合には、繊維に撚りを加える処理を省略すればよい。
以上に述べたように、本発明によれば、繊維強化複合体を製造するに際して、専用の特殊な機材や資材を必要とせず、成形時に要するコストを従来よりも抑えることができることに加えて、これまでは困難であった曲率が連続的に変化する形状等、要求される多様で複雑な成形形状にも柔軟に対応することが可能な形状自由度に優れた線状の繊維強化複合体を容易且つ適切に製造する方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法の工程図。 同製造方法の所定工程を写真で示す図。 本発明の一実施例に係るCFRPコイルばねの成形諸元及び基本性状を示す図。 本実施例及び比較例のコイルばねの強度試験結果及び比重量ばね定数を示す図。 本発明の製造方法によって成形した繊維強化複合体の具体例を示す図。 本発明の製造方法の一変形例によって成形した発泡材芯入り繊維強化複合体を示す図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法は、図1に示すように、混合体形成工程S1と、圧入内挿工程S2と、腑形工程S3と、硬化工程S4と、繊維強化複合体製作工程S5とを経ることで、ダイスや熱収縮材等の特殊な機材や資材を用いずに製造コストに優れた構造体である線状の繊維強化複合体1(後述の図2(h)参照)を製造することが可能な方法(成形手法)である。
混合体形成工程S1は、強化材である繊維と強化対象の母材樹脂を混合し且つ任意の長さを有する繊維・母材樹脂混合体(以下、「混合体」)2を形成する工程である。本実施形態では、強化材である繊維として、長繊維(フィラメント)を数十本撚り合わせて1本の糸にしたフィラメントヤーンFを任意の長さ及び本数となるように例えば図2(a)に示すような捲回機Kを用いて捲回し、輪状にしたもの(繊維束)を適用している。そして、図2(b)に示すように、捲回状態にある輪状のフィラメントヤーンFのうち所定の1箇所を万力(バイス)等の治具Mで固定し(同図(b)のB領域を拡大した同図(c)参照)、この固定した箇所を固定端として捲回状態にあるフィラメントヤーンFを引っ張るようにして伸ばし、その先端をワイヤーWに接続する(同図(b)のA領域を拡大した同図(d)参照)。つまり、捲回状態にある輪状のフィラメントヤーンFの一端を固定し、他端をワイヤーWに接続する。これにより、捲回状態にある輪状のフィラメントヤーンFは、全体として長尺の捲回物になる(同図(b)参照))。なお、ワイヤーWは、予め所定の長さ(例えば捲回物と等しい長さ)に切り出した軟質チューブT(同図(b),(d)参照)の内部を通したものである。
母材樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、混合体形成工程S1では、一端を固定し且つ他端をワイヤーWに接続した捲回状態にある長尺のフィラメントヤーンFを、未硬化の熱硬化性樹脂(液状の熱硬化性樹脂)が入った槽へ浸漬したり、或いは塗布(スプレー)等の手法によって、捲回状態にある長尺のフィラメントヤーンFに熱硬化性樹脂を十分に含浸させる。これにより、繊維束Fに母材樹脂を含浸させた混合体2を形成することができる。なお、強化材である繊維(本実施形態であれば、捲回状態にある長尺のフィラメントヤーンF(繊維束))に熱硬化性樹脂を含浸させる手法として、浸漬や塗布の他に、コーティングやプリプレグを採用することもできる。
圧入内挿工程S2は、混合体形成工程S1で形成した混合体2を軟質チューブTに圧入して内挿し、線状の予備成形体3を得る工程である(同図(e)参照)。軟質チューブTの素材及び内径は特に限定されることがなく、エラストマー系材料、フッ素系材料、ビニル系材料等の材料からなり、熱で収縮しない周知(市販品)のものを適用することができる。
混合体2を軟質チューブTに圧入して内挿する処理は、混合体2を軟質チューブT内に引き込む処理、または混合体2を軟質チューブT内に押し込む処理である。混合体2を軟質チューブTに圧入して内挿する際に、軟質チューブTの復元方向への収縮力により混合体2のうち強化材である繊維(本実施形態であれば、捲回状態にある長尺のフィラメントヤーンF)に付着した余分な熱硬化性樹脂を絞り出すことができ、繊維強化複合材料の物性に最も大きな影響を及ぼす繊維含有率を向上させることが可能である。また、圧入内挿処理時に強化材である繊維を所定方向に撚ることで、繊維に撚りを与えて繊維配向の調整を行うこともできる。なお、繊維配向を無撚りとする場合には、この撚り処理を省略することができる。
圧入内挿工程S2を終了した時点で、軟質チューブTに圧入して内挿した線状の混合体2の両端部から固定治具M及びワイヤーWをそれぞれ取り外すと、軟質チューブTに混合体2を内挿した線状の予備成形体3を得ることができる(同図(f)参照)。この予備成形体3は、母材樹脂が未硬化状態であることから自由な形状を与えることが可能なものである。また、予備成形体3における混合体2は、軟質チューブTの収縮力による与圧下で被覆されているため、予備成形体3の内部の繊維配向を保持することができる。圧入内挿工程S2では、予め軟質チューブT内に挿通しているワイヤーWをガイドとして、混合体2を軟質チューブTに圧入して内挿することで、当該処理をスムーズに行うことができる。
腑形工程S3は、混合体2を軟質チューブTに圧入して内挿した線状の予備成形体3を所定形状に腑形する工程である。腑形処理は、必要とする形状に適切な型を用いて行うことができる。例えば、コイルバネの形状に腑形する場合には、同図(g)で示すような型Dを用いて、型Dに形成された螺旋状の溝に線状の予備成形体3を沿わせて腑形する。
硬化工程S4は、腑形した予備成形体3のうち母材樹脂を硬化させて当該母材樹脂を繊維によって強化する工程である。予備成形体3を構成している母材樹脂に応じた硬化条件にて適切な処理を行うことで母材樹脂を硬化することができる。母材樹脂として熱硬化性樹脂を適用している場合には、加熱して迅速にまたは室温で所定時間静置することで母材樹脂を硬化させることができる。母材樹脂が硬化することによって、軟質チューブT内の混合体2全体が硬化状態になる。軟質チューブT内の混合体2全体が硬化状態になった時点以降の適宜のタイミングで、軟質チューブT及び混合体2からなる予備成形体3全体を型Dから抜き外す。
繊維強化複合体製作工程S5は、硬化した母材樹脂を含む予備成形体3から軟質チューブTを除去して腑形された所定形状の繊維強化複合体1を得る工程である。具体的には、適宜の切開具を用いて軟質チューブTを切り開いて予備成形体3から除去したり(物理的除去)、溶剤で軟質チューブTを溶かして予備成形体3から除去したり(化学的除去)、或いは軟質チューブTを燃やして予備成形体3から除去する(熱的除去)を採用することができる。そして、母材樹脂の硬化完了後に軟質チューブTを除去することにより、任意形状の連続長繊維を含む線状成形物である繊維強化複合体1を得ることができる。
以上の処理を経ることによって、母材樹脂を強化材である繊維によって強化した構造を持つ繊維強化複合材料から所定形状の成型品である線状の繊維強化複合体1を製造することができる。このような本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法によれば、軟質チューブTを用いて予備成形体3を形成し、その予備成形体3を所望の形状に腑形して、予備成形体3のうち母材樹脂を硬化させた時点以降に、予備成形体3から軟質チューブTを除去することで、所定形状の繊維強化複合体1を得ることができるため、要求される成形形状の多様化・複雑化にも柔軟に対応することが可能な形状の自由度に優れた線状の繊維強化複合体1を容易且つ適切に製造することができるとともに、専用の特殊な機材や資材を必要としないため、専用の機材や資材を必要とする従来の製造方法よりも製造コスト(成形時に要するコスト)を抑えることができる。
本発明者は、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法で製造(成形)した繊維強化複合体(成形品)の特性について検証実験を行った。具体的には、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法によって、炭素繊維を強化材とし、エポキシ樹脂を母材樹脂とするCFRPコイルばね(炭素繊維強化樹脂コイルばね)を製造し、このCFRPコイルばねを本実施例に係るCFRPコイルばねとして、市販の金属製コイルばねを比較例とし、これら本実施例に係るCFRPコイルばね及び比較例の金属製コイルばねに関して、疲労試験による耐力と、圧縮試験による比重量バネ定数を指標として性能比較を実施した。図3(a)に本実施例に係るCFRPコイルばねの成形諸元を示す。本実験では、CFRPコイルばねとして、繊維配向が無撚りであるもの(以下、本実施例に係るCFRPコイルばねA)と、繊維配向がS撚りであるもの(以下、本実施例に係るCFRPコイルばねB)、これら2種類を用いた。つまり、本実施例に係るCFRPコイルばねBは、圧入内挿処理時に強化材である炭素繊維を所定方向に撚ることで繊維配向をS撚りに設定したものであり、このような撚り処理を省略して繊維配向を無撚りに設定したものが、本実施例に係るCFRPコイルばねAである。
本実施例に係るCFRPコイルばねA、本実施例に係るCFRPコイルばねB、比較例の金属製コイルばね、これら各コイルばねの基本性状を数値化して整理したものを図3(b)に示す。
そして、図4(a)に示すとおり、本実施例に係るCFRPコイルばねA及びCFRPコイルばねBは、比較例の金属製コイルばねよりも耐力が優れていることが明らかとなった。特に、本実施例に係るCFRPコイルばねBは、本実施例に係るCFRPコイルばねAよりも耐力が優れていることが判明した。
また、同図(b),(c)に示すように、本実施例に係るCFRPコイルばねA及びCFRPコイルばねBは、比較例の金属製コイルばねに対して、比重量バネ定数において優れることが明らかとなり、特に、本実施例に係るCFRPコイルばねAは、比較例の金属製コイルばねに対して、比重量バネ定数が最大で60%以上も優れていることが明らかとなった。
このように、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法を採用したことによって、金属製コイルばねよりも強度が優れ、且つ40%以上軽量されたコイルばねを成形できることが判明した。このことは、一例ながらも軽量性と強度を兼ね備えた線状構造体である繊維強化複合体の成形手法として、本発明に係る製造方法(成形手法)の高い実用性を示している。
また、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法によって製造した線状の繊維強化複合体の具体例として、図2(f)に一例を示すコイルばねを示したが、コイルばね以外の種々の形状の繊維強化複合体を製造することができる。
図5(a)に示す成形品は、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法によって製造した釣針形状の繊維強化複合体1の一例であり、同図(b)に示す成形品は、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法によって製造した結索形状の繊維強化複合体1の一例であり、同図(c)に示す成形品は、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法によって製造した直線形状の繊維強化複合体1の一例である。なお、同図(c)に示す成形品は、先割れした中実の円柱材であり、X線への透過率が高いCFRPの特性を利用してCT撮影時の微小サンプルの固定治具として利用可能なものである。
また、同図(d)に示す成形品は、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法によって製造したS字形状の繊維強化複合体1の一例であり、ゴルフ用パターのフェイスとシャフトの接続具(ジョイント材)を模擬して作製したものである。このように、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法によれば、円筒同士を任意の角度で接続することが可能である。
また、同図(e)に示す成形品は、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法によって製造したフレーム構造体の繊維強化複合体1の一例であり、自転車用のドリンクホルダーとして使用可能なものである。このような線状に連続し且つ複雑な形状であるフレーム構造体も本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法によって製造することが可能である。
同図(f)に示す成形品は、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法によって製造したフレーム構造体の繊維強化複合体1の一例であり、1つの円部分11とJ形状のフック部分12とを一体に有する繊維強化複合体1の一例である。図2に示す何れの繊維強化複合体1も1本の連続する線状の予備成形体3を適宜の手段で所望の形状に腑形した処理の後に、硬化処理、軟質チューブTを予備成形体3から除去する処理を経て得ることが可能なものである。
なお、同図(f)に示す形状の繊維強化複合体1を製造する際には、混合体形成工程S1で任意の長さを有する混合体2を形成した後、圧入内挿工程S2において、径の異なる2本の軟質チューブTを用意し、相対的の小径の軟質チューブTに対して混合体2の一端側から、混合体2を圧入して挿入する。なお、相対的に小径の軟質チューブTの長さを、円部分の円周長さと同程度に予め設定しておく。そして、相対的に小径の軟質チューブT混合体2の中間部分に配置される状態で当該小径の軟質チューブTを用いた圧入挿入処理を停止し、その時点において混合体2のうち小径の軟質チューブTに被覆されていない両端の線状部分同士を束ね、この束ねた混合体2を相対的に大径の軟質チューブTに圧入して挿入する。これにより、混合体2が相対的に小径の軟質チューブTに被覆された円形状の部分と、混合体2が相対的に大径の軟質チューブTに被覆された非円形状の部分とを有する予備成形体3を形成することができる。その後、腑形工程S3、硬化工程S4、繊維強化複合体製作工程S5を経ることで、同図(f)に示す形状の繊維強化複合体1を得ることができる。なお、同図(f)に示す形状の繊維強化複合体1は、円形状の部分11と非円形状の部分12との境界に「つなぎ目」が形成されず、円形状の部分11と非円形状の部分12が相互に連続するものである。
このように、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法によれば、製造コストに優れた種々の曲線構造体を成形することができ、低コスト化を図ることができ、特殊な設備や材料を用いなければ困難であった曲率が連続的に変化するような特殊形状の曲線構造体である繊維強化複合体1(成形品)を容易に成形することが可能であり、コイルばね、フレーム構造材、ジョイント部材、釣針等、任意の形状の部品・部材として適用可能な繊維強化複合体1を成形することができる。また、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法によれば、新規で独創的な形状の繊維強化複合体を容易に製造することもできる一方で、既存製品と同じ形状の繊維強化複合体を容易に製造することもできる。
なお、本発明は上述した実施形態及び実施例に限定されるものではない。例えば、強化材である繊維の構造は、繊維束に限定されず、紡績糸、シート状の織物、組物、編物の何れであってもよい。
また、母材樹脂として、熱硬化性樹脂と比較して樹脂価格が安く、生産性が高い熱可塑性樹脂を適用した場合、混合体形成工程では、強化材中に熱可塑性樹脂を配置する処理を行うことになる。具体的には、強化材繊維及び熱可塑性樹脂を糸状に撚り合わせる混紡や、強化材繊維と熱可塑性樹脂を折り合わせる交織、或いは強化材である繊維束の外周を熱可塑性樹脂で巻き付けるカバーリング、またはモノマー状の熱可塑性樹脂若しくは溶融した熱可塑性樹脂中に強化材を通すことで外周部に熱可塑性樹脂を配置するコーティング、これらから選択した任意の処理によって、強化材中に熱可塑性樹脂を配置することができる。
また、母材樹脂として熱可塑性樹脂を適用した場合、適用する熱可塑性樹脂の融点以上の耐熱性を有する軟質チューブを用いることが必須になり、硬化工程では、加熱処理と冷却処理を行うことになる。なお、「適用する熱可塑性樹脂の融点以上の耐熱性を有する軟質チューブ」は、専用の特殊資材ではなく、市販品のもので十分対応できる。加熱処理は、炉、ヒートガン、或いはホットプレス機を用いた処理になり、冷却処理では、空冷または水冷を適用すればよい。硬化工程において、予備成形体に含まれている熱可塑性樹脂は、加熱処理によって溶融・含浸し、冷却処理後に母材として機能する。
さらにまた、母材樹脂として熱可塑性樹脂を適用した場合、繊維強化複合体製作工程では、熱的手法によって軟質チューブを予備成形体から除去する処理(熱的除去処理)以外の適宜の処理、具体的には、適宜の切開具を用いて軟質チューブを切り開いて予備成形体から除去する処理(物理的除去処理)、または、溶剤で軟質チューブを溶かして予備成形体から除去する処理(化学的除去処理)によって、予備成形体から軟質チューブを除去して所定形状の繊維強化複合体を得るようにすればよい。
また、図6に示す繊維強化複合体1Hは、横断面における中心部分に発泡材Hが配置され、その発泡材Hの外周に、強化材である繊維によって強化対象の母材樹脂を強化し且つ任意の長さを有する繊維強化複合材料(混合体2の母材樹脂が硬化したもの)が配置された線状構造体である。この繊維強化複合体1Hは、発泡材Hの内部に形成されている多数の空隙(孔)により、上述の実施形態であれば中実であった線状部分が、完全な中実状ではない状態(半中空状)になっている。
このような繊維強化複合体1Hを製造するには、上述の本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法における各処理のうち、混合体形成工程S1において、任意の長さを有する線状の発泡材Hの外周に混合体2を配置した発泡材芯入り混合体を形成し、圧入内挿工程S2において、発泡材芯入り混合体を軟質チューブに圧入して内挿し、線状の予備成形体(発泡材芯入り予備成形体)を腑形工程S3において、線状の予備成形体(発泡材芯入り予備成形体)を所定形状に腑形する製造方法を採用すればよい。発泡材Hの材料としては、発泡ポリエチレンや、発泡スチロールを挙げることができる。
本変形例において、母材樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合、混合体形成工程S1は、発泡材Hの外周を強化材である繊維で包む第1処理と、第1処理後において強化材である繊維に熱硬化性樹脂を含浸させる第2処理とを経る工程になる。強化材である繊維に熱硬化性樹脂を含浸させる処理は、上述のコーティング処理、含浸処理、スプレー処理、プリプレグ処理の何れかであればよい。このような第1処理及び第2処理を実施することで、線状の発泡材Hの外周に混合体2を配置した発泡材芯入り混合体を形成することができる。
そして、圧入内挿工程S2において、発泡材芯入り混合体を軟質チューブに圧入して内挿し、線状の予備成形体(発泡材芯入り予備成形体)を得て、腑形工程S3において、予備成形体(発泡材芯入り予備成形体)を所定形状に腑形し、硬化工程S4において、腑形した予備成形体(発泡材芯入り予備成形体)のうち母材樹脂(熱硬化性樹脂)を硬化させ、繊維強化複合体製作工程S5において、予備成形体(発泡材芯入り予備成形体)から軟質チューブを除去することによって、線状部分が半中空状の繊維強化複合体1Hを得ることができる。
なお、本変形例において、母材樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合、硬化処理は、室温で硬化させる処理や、炉を用いた加熱硬化処理であればよく、軟質チューブの除去処理は、上述の物理的処理、化学的処理、熱的処理の何れかを選択することができる。
また、本変形例において、母材樹脂として熱可塑性樹脂を用いた場合、混合体形成工程S1は、強化材である繊維中に熱可塑性樹脂を配置する第1処理と、第1処理後において発泡材Hの外周を強化材で包む第2処理とを経る工程になる。強化材である繊維に熱可塑性樹脂を配置する処理は、上述の混紡処理、交織処理、カバーリング処理、コーティング処理の何れかであればよい。このような第1処理及び第2処理を実施することで、線状の発泡材Hの外周に混合体2を配置した発泡材芯入り混合体を形成することができる。
そして、圧入内挿工程S2において、発泡材芯入り混合体を耐熱軟質チューブに圧入して内挿し、線状の予備成形体(発泡材芯入り予備成形体)を得て、腑形工程S3において、線状の予備成形体(発泡材芯入り予備成形体)を所定形状に腑形し、硬化工程S4において、腑形した予備成形体(発泡材芯入り予備成形体)のうち母材樹脂(熱硬化性樹脂)を硬化させ、繊維強化複合体製作工程S5において、予備成形体(発泡材芯入り予備成形体)から耐熱軟質チューブを除去することによって、発泡材H内部の多数の空隙(孔)により、線状部分が半中空状である繊維強化複合体1を得ることができる。
なお、本変形例において、母材樹脂として熱可塑性樹脂を用いた場合、硬化処理は、加熱処理及び冷却処理を実施する処理であり、加熱処理は、炉、ヒートガン、或いはホットプレス機を用いた処理になり、冷却処理では、空冷または水冷を適用すればよい。また、母材樹脂として熱可塑性樹脂を用いた場合、繊維強化複合体製作工程S5では、耐熱軟質チューブの除去処理として、上述の物理的処理又は化学的処理の何れかを選択することができる。
さらにまた、本実施形態に係る繊維強化複合体の製造方法の第二変形例として、上述の変形例における繊維強化複合体製作工程S5において、予備成形体(発泡材芯入り予備成形体)から軟質チューブ及び発泡材Hを除去することによって、線状部分が中空状である所定形状の繊維強化複合体を得るようにすることも可能である。
第二変形例において、母材樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合、繊維強化複合体製作工程S5において、予備成形体(発泡材芯入り予備成形体)から軟質チューブを除去する処理の後に、発泡材Hを除去する処理を行う。発泡材Hを除去する処理は、有機溶剤等を用いて発泡材Hを溶解して除去する化学的除去処理になる。
そして、第二変形例において、繊維強化複合体製作工程S5を経ることで、発泡材Hが配置されていた領域が中空となり、線状部分が中空状の繊維強化複合体を得ることができる。
第二変形例において、母材樹脂として熱可塑性樹脂を用いた場合、繊維強化複合体製作工程S5において、予備成形体から耐熱軟質チューブを除去する処理の後に、発泡材Hを除去する処理を行う。発泡材Hを除去する処理は、母材樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合と同様に、有機溶剤等を用いて発泡材を溶解して除去する化学的除去処理になる。そして、繊維強化複合体製作工程S5を経ることで、発泡材Hが配置されていた領域が中空となり、線状部分が中空状の繊維強化複合体を得ることができる。
このように、本実施形態や各変形例に係る繊維強化複合体の製造方法により、線状部分自体が中実であるタイプ、または半中空状であるタイプ、或いは中空状であるタイプ、これら各タイプの繊維強化複合体を容易に製造することができ、何れのタイプの繊維強化複合体であっても成形品1個当たりの製造コストの低減化を図ることができる。
なお、本発明において、熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂及び繊維の種類は特に限定されない。例えば、熱硬化性樹脂として、ビスフェノール型エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等を適用することが可能であり、熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等を適用することが可能である。熱硬化性樹脂は、強度及び耐熱性に優れ、成形が容易であり、繰り返し負荷に強いというメリットがあり、熱可塑性樹脂は、軽量性及びリサイクル性に優れ、衝撃に強く、成形サイクルが短いというメリットがある。
強化材である繊維(強化繊維)については、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維、セラミック繊維、天然繊維等を用いることができる。
また、強化繊維は、上述したような繊維束の捲回物に限らず、織物、組物及び編物等の組織を持った繊維構造物であっても構わない。
さらにはまた、上述の実施例では強化材として炭素繊維を用いたCFRPコイルばねを例示したが、強化材として炭素繊維以外の繊維を用いて、母材樹脂にカーボンを混合することで機能発現が得られるようにしてもよい。一例として、カーボンナノチューブを混合した母材樹脂をガラス繊維で強化する構成を挙げることができる。
また、粒子・短繊維状のものであれば母材樹脂に混合できることから、有機系フィラー(セルロース短繊維、セルロースナノファイバー、高分子樹脂を素材とした種々形状による粒子類等)または無機系フィラー(ガラス系の種々形状による粒子類、タルク、カオリン、グラフェン、フラーレン、カーボンナノチューブ等)を混合した母材樹脂を適用し、混合体形成工程において、予め有機系フィラーまたは無機系フィラー等の異素材(1種類でも複数種類でもよい)を母材樹脂に混合して改質したものを強化材である繊維と混合し且つ任意の長さを有する混合体を形成するようにしてもよい。なお、有機系フィラーは、靱性の向上に貢献し、無機系フィラーは、強度及び剛性の向上に貢献する。このように、異素材を母材樹脂に混合し改質したものをさらに繊維と混合することで、成形品である繊維強化複合体に新たな機能を付与したり、性能を向上させることが可能である。
混合体の繊維に撚りを加える処理を行う場合、その撚り処理は混合体形成工程又は圧入内挿工程において行うことが好ましい。撚り処理を施すことで、図4に示すように、撚り処理を施していない繊維強化複合体と比較して強度及び比重量ばね定数が高い繊維強化複合体を成形することができる。
また、腑形工程において、混合体を軟質チューブに圧入して内挿した線状の予備成形体を、型を用いずに所定形状に腑形するようにしてもよい。
本発明の一参考例として、圧入内挿工程に代えて、予め切り開かれたチューブ内に混合体を入れた後に、チューブ外周をテープ等によって巻き付けて締め付ける巻付工程を実施することで予備成形体を作製する方法を挙げることができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1、1H…繊維強化複合体
2…混合体
3…予備成形体
S1…混合体形成工程
S2…圧入内挿工程
S3…腑形工程
S4…硬化工程
S5…繊維強化複合体製作工程
T…軟質チューブ
H…発泡材

Claims (4)

  1. 強化材である繊維と強化対象の母材樹脂を混合し且つ任意の長さを有する繊維・母材樹脂混合体を形成する混合体形成工程と、
    前記混合体を軟質チューブに圧入して内挿し線状の予備成形体を得る圧入内挿工程と、
    前記予備成形体を所定形状に腑形する腑形工程と、
    腑形した前記予備成形体のうち前記母材樹脂を硬化させて当該母材樹脂を前記繊維によって強化する硬化工程と、
    硬化した前記母材樹脂を含む前記予備成形体から前記軟質チューブを除去して腑形された所定形状の繊維強化複合体を得る繊維強化複合体製作工程と、
    を経る繊維強化複合体の製造方法であり、
    前記強化材である繊維は、長繊維を数十本撚り合わせて1本の糸にしたフィラメントヤーンを任意の長さ及び本数となるように捲回して輪状にしたものであり、
    前記混合体形成工程において、捲回状態にある輪状の前記フィラメントヤーンの一箇所を固定し、当該固定箇所を固定端として引っ張るようにして伸ばした前記フィラメントヤーンの先端をワイヤーに接続することで全体として長尺の捲回物になった前記フィラメントヤーンに前記母材樹脂を含浸させた前記混合体を形成し、
    前記圧入内挿工程では、予め前記軟質チューブ内に挿通している前記ワイヤーをガイドとして前記混合体を前記軟質チューブに圧入して内挿することを特徴とする繊維強化複合体の製造方法。
  2. 前記混合体形成工程において、任意の長さを有する線状の発泡材の外周に前記混合体を配置した発泡材芯入り混合体を形成し、
    前記圧入内挿工程において、前記発泡材芯入り混合体を軟質チューブに圧入して内挿し線状の予備成形体を得て、
    前記腑形工程において、前記予備成形体を所定形状に腑形する請求項1に記載の繊維強化複合体の製造方法。
  3. 前記繊維強化複合体製作工程において、硬化した前記母材樹脂を含む前記予備成形体から前記軟質チューブ及び前記発泡材を除去して腑形された所定形状の繊維強化複合体を得る請求項2に記載の繊維強化複合体の製造方法。
  4. 前記混合体形成工程又は前記圧入内挿工程において、前記繊維に撚りを加える処理を行う請求項1乃至3の何れかに記載の繊維強化複合体の製造方法。
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