JP2007064389A - 繊維強化樹脂製コイルバネおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量化を図り、かつ、安定した形状の中空断面構造の繊維強化樹脂製コイルバネ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】繊維強化樹脂製のコイル素線を螺旋状に巻回した繊維強化樹脂製のコイルバネであって、該繊維強化樹脂製のコイルバネは、その断面に中空部を有し、該中空部の中空率が、前記繊維強化樹脂製コイルバネの断面積の20%以上80%以下であることを特徴する。
【選択図】図1
【解決手段】繊維強化樹脂製のコイル素線を螺旋状に巻回した繊維強化樹脂製のコイルバネであって、該繊維強化樹脂製のコイルバネは、その断面に中空部を有し、該中空部の中空率が、前記繊維強化樹脂製コイルバネの断面積の20%以上80%以下であることを特徴する。
【選択図】図1
Description
本発明は、繊維強化樹脂製コイルバネおよびその製造方法に関する。
従来からコイルバネは、機械要素として、各種の機械、装置或いは機構に用いられており、日常家庭用品や工業用品、更にはその他の分野において、必要不可欠の重要な部品となっている。
前記コイルバネは、一般に金属材料にて製造されているものであり、更に近年、自動車等の車両や航空機では、主として燃料消費効率の向上を目的として軽量化が図られており、その一手段としてバネ材料の軽量化が求められている。
また、各種の産業機械においても、種々の目的から軽いバネ材料が求められている。そこで、従来の金属製のコイルバネに代えて、軽量化等を目的として、繊維強化樹脂製のコイルバネが提案されている。
例えば、特許文献1には、軽量で、高強度、耐熱性、耐熱衝撃性に優れる炭素繊維炭素複合材料製コイルばね及びその製造方法として、螺旋状本体の一端と他端を支持部材により支持して用いるコイルばねにおいて、ばね材料として炭素繊維炭素複合材料を用いたことを特徴とする炭素繊維炭素複合材料製コイルばねが開示されている。
また、特許文献2には、強化繊維と熱硬化性樹脂から成り、繊維の方向が異なるプリプレグを所定の枚数比で組合せ、可撓性マンドレルに巻付け、これによって円筒状のコイル素線を得て、このようなコイル素線を円柱状の型の外周面に形成されているコイル状の溝に巻付けて固定し、熱処理によって樹脂を硬化させ、その後脱型した繊維強化樹脂製コイルスプリングを得ることが開示されている。
また、更に軽量化を目的とした断面中空構造の繊維強化樹脂製コイルバネが提案されている。
例えば、特許文献3には、コイルスプリングを製造するにおいて、弾性チューブを有する鋼製マンドレルの周囲に樹脂含侵繊維の層を連続的に巻回して管状部材を形成して管状部材を形成した後、鋼製マンドレルが引き抜かれ、これによって中心部に弾性チューブを有する繊維強化管状樹脂材が残り、そして、この繊維強化管状樹脂材は、コイルスプリングの形状とするためのもう一方のマンドレルに巻回され、所定に位置に維持され、その後、所定温度で加熱し硬化されてコイルスプリングが形成されることが開示されている。
また、特許文献4には、可撓性を有するチューブ体の外周に、熱硬化性樹脂を含浸した補強繊維をチューブ体の両側から同時にフィラメントワインディングした素線を螺旋溝が設けられた成形型の螺旋溝に連続的に巻きとり、樹脂を硬化させて形成されている繊維強化プラスチック製中空断面コイルバネの製造方法が開示されている。
前記特許文献1に開示されているコイルばねは、ばね材料として炭素繊維炭素複合材料を使用しているが、断面中実構造であるためコイルばねの軽量化が図られていない。従って、コイルばねの断面積が大きくなればなるほど、質量が増加してしまうという問題が発生する。
また、前記特許文献2に開示されているコイルスプリングも前記同様に、可撓性マンドレルがそのまま残存した状態にある断面中実構造であるためコイルスプリングの軽量化が図られていない。
更に、前記特許文献2および特許文献3および特許文献4に開示されているように、コイルバネ内部の残存している可撓性を有するチューブ体や芯材は、熱衝撃に弱く、110℃を越える温度で急激に強度低下及び変形または破損する可能性がある。
また、特許文献3に開示されているコイルスプリングを形成するには、コイルスプリングの形状とするための成形用マンドレルに中心部に弾性チューブを有する未硬化状態の繊維強化管状樹脂材を巻き付けると、該繊維強化管状樹脂材が巻付力により断面が偏平状に変形する虞れがあって、均一な断面を有するコイルスプリングを形成することが困難である。前記未硬化状態の繊維強化管状樹脂材は、大径になればなる程、成形用マンドレルに巻き付けた時に断面が容易に偏平状に変形してしまうという問題がある。
特許文献4に開示されている繊維強化プラスチック製中空断面コイルバネの製造方法も前記問題点と同様に、チューブ体の外周に、熱硬化性樹脂を含浸した補強繊維をチューブ体の両側から同時にフィラメントワインディングした素線を螺旋溝が設けられた成形型の螺旋溝に連続的に巻き付けると、前記素線が巻付力により断面が偏平状に変形する虞れがあって均一な断面を有するコイルスプリングを形成することが困難である。
このように、前記した従来のコイルバネの製造方法においては、コイルバネ内部に可撓性を有するチューブ体や芯材が残存させている状態でしか製造することができず、軽量化が図られた中空構造の繊維強化樹脂材料製のコイルバネを製造することができなかった。これは、コイルバネの曲率が高くなると、コイルバネ内部に残存している可撓性を有するチューブ体や芯材が引き抜くことが困難になる。特に、細径のもの、長尺のものになると、曲率が小さくても引き抜くことが困難となり、断面中空構造のコイルバネを得ることができなかった。
そこで、本発明の目的は、従来の繊維強化樹脂製のコイルバネと比べ、軽量化を図り、かつ、安定した形状の断面中空構造の繊維強化樹脂製コイルバネ及びその製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る繊維強化樹脂製コイルバネは、繊維強化樹脂製のコイル素線を螺旋状に巻回した繊維強化樹脂製のコイルバネであって、該繊維強化樹脂製のコイルバネは、その断面に中空部を有し、該中空部の中空率が、前記繊維強化樹脂製コイルバネの断面積の20%以上80%以下であることを特徴する繊維強化樹脂製コイルバネ。
本発明の請求項2に係る繊維強化樹脂製コイルバネの製造方法は、可撓性を有する樹脂製のマンドレル外周に、繊維強化樹脂材料を積層巻回してコイル素線を得る工程と、前記コイル素線の外周を加圧手段により加圧する工程と、前記コイル素線を前記マンドレルが軟化を示す温度で加熱し、成形型に巻き付け加熱硬化させる工程と、前記コイル素線を前記マンドレルが軟化を示す温度で加熱し、前記マンドレルを前記コイル素線から引き抜く工程とからなることを特徴とする繊維強化樹脂製コイルバネの製造方法である。
本発明の請求項3に係る繊維強化樹脂製コイルバネの製造方法は、請求項1に記載の繊維強化樹脂製コイルバネの製造方法であって、前記可撓性を有する樹脂製のマンドレルの表面には、離型層が形成されていることを特徴とする繊維強化樹脂製コイルバネの製造方法である。
本発明の請求項4に係る繊維強化樹脂製コイルバネの製造方法は、請求項1又は2に記載の繊維強化樹脂製コイルバネの製造方法であって、前記加圧手段が、加熱収縮特性を有するラッピングテープの巻着であることを特徴とする繊維強化樹脂製コイルバネの製造方法である。
本発明における繊維強化樹脂製コイルバネ及びその製造方法によれば、均一な中空構造の断面を有することができ、大幅に軽量化された繊維強化樹脂製コイルバネを容易に製造することができる。
以下、本発明の繊維強化樹脂製コイルバネ及びその製造方法について、図面に示す具体的な実施例にもとづいて詳細に説明する。
図1は、本発明の繊維強化樹脂製コイルバネを示す全体図、図2〜図8は、この発明にかかる繊維強化樹脂製コイルバネの製造工程を示す説明図である。
図1は、本発明の繊維強化樹脂製コイルバネを示す全体図、図2〜図8は、この発明にかかる繊維強化樹脂製コイルバネの製造工程を示す説明図である。
本発明の繊維強化樹脂製コイルバネは、図1に示すように、可撓性を有するマンドレルに強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材料を積層したコイル素線が螺旋状に巻回された断面中空構造の繊維強化樹脂製コイルバネ10が形成されている。
本発明の繊維強化樹脂製コイルバネ10については、その断面形状を図1に示すように、内部に中空部5を有する構造である。該中空部を有することによって排除体積が増加するため、優れた軽量感を呈する。また、前記中空部5の中空率が繊維強化樹脂製コイルバネ10の断面積に対し10%〜80%、より好ましくは30〜70%で形成させている。前記中空率が10未%満では、軽量性に劣るものとなり、本発明の効果を達成することができず、また、80%を超えると、コイルバネとしての強度が得られず、断面が偏平状に変形、つぶれ等が生じ易くなる。
なお、前記中空部5の中空率としては、断面積において、[(中空部の断面積の合計)/(繊維強化樹脂製コイルバネ総断面積)]×100(%)で表す。
以下、一例として、このような構造を有する繊維強化樹脂製コイルバネの製造方法について説明する。
この繊維強化樹脂製コイルバネの成形方法において、本発明では、図2に示すように円柱状の可撓性を有するマンドレル1が使用される。
この可撓性を有するマンドレル1の材料としては、例えば、ナイロン、シリコン、テフロン(登録商標)、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイト等の樹脂を挙げることができる。
この可撓性を有するマンドレル1の材料としては、例えば、ナイロン、シリコン、テフロン(登録商標)、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイト等の樹脂を挙げることができる。
なお、前記マンドレル1の外周1aに、予め、離型剤を塗布し離型層を形成しておくと良い。これは、例えば、シリコーンポリマー又は/及びフッ素系ポリマーからなる離型層を設けることで成形後のコイル素線内からマンドレルを引き抜け易いようにしている。
一方で、図2に示すように、繊維強化樹脂材料2として、強化繊維を引揃え、樹脂を含浸させてプリプレグ化され、所定の形状に裁断されたプリプレグシート2aを所定の枚数比で組合せる。
そして、図3に示すように該プリプレグシート2aを前記可撓性を有するマンドレル1に巻付け、これによって、円筒状のコイル素線3を得る。
そして、図3に示すように該プリプレグシート2aを前記可撓性を有するマンドレル1に巻付け、これによって、円筒状のコイル素線3を得る。
このとき、該マンドレルに巻きつけるプリプレグシートの積層数、繊維角度を調節することによって、所望の外形を得ることができるとともに、その剛性を調整することができる。また、所望のコイルバネの形状にもよるが、プリプレグシートは、場所によって積層数を調節することによって、ストレート状にも、テーパ状にも巻きつけることができる。
また、前記繊維強化樹脂材料の材料の形態についてはとくに限定されない。例えば、マンドレルに積層する方法として、強化繊維に熱硬化性合成樹脂を含浸させた一方向プリプレグや、多軸編物に熱硬化性合成樹脂を含浸させた多軸編物プリプレグ、クロスプリプレグ等の前記したシート状プリプレグを用いるシートワインディング法の他、ヤーンプリプレグやトウプリプレグを用いるフィラメントワインディング法、縦糸を含む編み組み構造のブレイディング法等による成形方法でもよい。
また、前記ブレイディング製法の場合、縦糸を含む編み組み構造なので、マンドレル断面方向、長手方向に凹凸があっても、凹凸に沿ってトウプリプレグを配置することができることから、2軸、3軸等のブレイディング製法が好適に選ばれる。
また、前記ブレイディング製法の場合、縦糸を含む編み組み構造なので、マンドレル断面方向、長手方向に凹凸があっても、凹凸に沿ってトウプリプレグを配置することができることから、2軸、3軸等のブレイディング製法が好適に選ばれる。
これらの上記繊維強化樹脂材料は、強化繊維としていずれも炭素繊維やガラス繊維を用いている。このような、強化繊維としては、前記したものに限定されるものではなく、アラミド繊維、ボロン繊維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、超高分子ポリエチレン繊維等も用いることができる。また、マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂が好ましく、たとえば、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ケイ素樹脂等が挙げられる。
次に、プリプレグシート2aをマンドレル1に巻きつけ、コイル素線3を得た後に、図4に示すように、このコイル素線3の外周3aを加圧するための加圧手段として、該コイル素線3の外周3aに、ラッピングテープ4を所定のピッチで、適切な張力を加えながら巻着する。
尚、前記ラッピングテープは、前記繊維強化樹脂材料が加熱によって硬化する特性を有するものだった場合、前記加熱によって収縮する特性を有するものとすることで、前記、前記繊維強化樹脂材料を加熱硬化すると同時に、前記前記繊維強化樹脂材料に対して加圧が可能となるため製造効率がよい。
前記ラッピングテープの材料としては、PVC樹脂、PET樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のオレフィン系の樹脂、フッ素樹脂等から適宜選択され用いられる。
尚、前記ラッピングテープは、前記繊維強化樹脂材料が加熱によって硬化する特性を有するものだった場合、前記加熱によって収縮する特性を有するものとすることで、前記、前記繊維強化樹脂材料を加熱硬化すると同時に、前記前記繊維強化樹脂材料に対して加圧が可能となるため製造効率がよい。
前記ラッピングテープの材料としては、PVC樹脂、PET樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のオレフィン系の樹脂、フッ素樹脂等から適宜選択され用いられる。
その他、前記コイル素線3の加圧方法においては、上述のラッピングテープ4の巻着による方法以外に、加熱により収縮する熱可塑性プラスチックからなる管材(チューブ材)をコイル素線の外周に被せ、加熱硬化時に加熱収縮させることも可能である。
次に、このラッツピングテープ4が巻着させたマンドレル入りのストレ−ト状態のコイル素線3を、マンドレル1が軟化を示す温度域まで予備加熱する。該コイル素線3は、次いで、図5に示すように、円柱状の成形20に巻き付けられ、固定される。
なお、図6に示すように、前記成形型20の外周面には螺旋状の溝21が形成されており、コイル素線3は、この溝21に嵌め込みながら該成形型20の外周面に螺旋状に巻き付けて固定される。
また、前記予備加熱の条件としては、可撓性を有するマンドレル1が軟化を示す温度と時間であればよいが、温度は、70℃〜135℃、加熱時間は1分〜30分程度とすればよい。なお、マンドレル1が軟化を示す温度域まで予備加熱することは、コイル素線中のマンドレル1を適度に柔らかくさせて成形型20に巻き付け易くするための工程である。
従って、コイルバネの曲率によって、予備加熱の温度と時間を設定すればよい。
また、このマンドレルをそのまま残存させたコイル素線を成形型に巻回するようにしているため、該コイル素線が巻付力により断面が偏平状に変形することがない。
また、前記予備加熱の条件としては、可撓性を有するマンドレル1が軟化を示す温度と時間であればよいが、温度は、70℃〜135℃、加熱時間は1分〜30分程度とすればよい。なお、マンドレル1が軟化を示す温度域まで予備加熱することは、コイル素線中のマンドレル1を適度に柔らかくさせて成形型20に巻き付け易くするための工程である。
従って、コイルバネの曲率によって、予備加熱の温度と時間を設定すればよい。
また、このマンドレルをそのまま残存させたコイル素線を成形型に巻回するようにしているため、該コイル素線が巻付力により断面が偏平状に変形することがない。
次に、コイル素線3は、円柱状の成形型20に巻き付けられた状態で、熱処理によって繊維強化樹脂材料の樹脂を加熱硬化させる。
次いで、前記加熱硬化後、コイル素線3は、該コイル素線3内のマンドレル1が軟化する温度域まで加熱させ、図7に示すように、該温度域において前記マンドレル1を抜き取る。
マンドレル1は、前記加熱することによって、軟化し、コイル素線3の繊維強化樹脂層の内面から該マンドレル1を容易に引き抜くことができる。このときの前記加熱の条件としては、可撓性を有するマンドレル1が軟化を示す温度と時間であればよいが、温度は、60℃〜135℃、加熱時間は1分〜45分程度とすればよい。
マンドレル1は、前記加熱することによって、軟化し、コイル素線3の繊維強化樹脂層の内面から該マンドレル1を容易に引き抜くことができる。このときの前記加熱の条件としては、可撓性を有するマンドレル1が軟化を示す温度と時間であればよいが、温度は、60℃〜135℃、加熱時間は1分〜45分程度とすればよい。
ついで、この成形型20から、繊維強化樹材料が硬化した中空バネ成形品を取り出し、ラッピングテープを除去することによって、図8に示す本発明の中空断面構造の繊維強化樹脂製コイルバネ10を得ることができた。
以上のように構成された繊維強化樹脂製コイルバネを製造するのであるが、その製造時の条件のなかで重要な要件は、コイル素線3内のマンドレル1を軟化を示す温度域まで加熱し、該温度域において前記マンドレルを抜き取る工程の加熱温度及び加熱時間であり、該加熱は、マンドレル1の樹脂を適度に柔らかくさせることで、コイル素線3からマンドレル1を引き抜くことが可能になった。従って、従来のようなコイルバネ内部に可撓性を有するチューブ体や芯材を残存させることがなく、断面中空構造の繊維強化樹脂製コイルバネを得ることができる。
この本発明において、コイルバネは、圧縮コイルバネ、引張りコイルバネ、ねじりコイルバネを含むものであり、さらに、形態的には、円筒型、円錐型、あるいは、渦巻き型などの異なる形態でなるものを含むものである。
本実施の形態及び図面は、いずれも本発明を説明するための定性的なものである。またコイルバネの巻数等も必要に応じ適宜増減可能であり、従って本発明は図示の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内において幾多の変形が可能なことは言うまでもない。
以下、本発明に係る繊維強化樹脂製コイルバネの製造方法を実施例により更に詳しく説明する。
図2、図3に示すように、炭素繊維、エポキシ樹脂の一方向性プリプレグを厚さ0.1mm、巾125mmのリボン状に裁断したプリプレグシート2aを用意した。
直径が3mmで長さが約1200mmのポリアセタール樹脂製の可撓性マンドレルを用意して、このマンドレルに平行に、プリプレグシートをローリング法により5層巻付け、これによって直径が5mmのコイル素線を得た。
直径が3mmで長さが約1200mmのポリアセタール樹脂製の可撓性マンドレルを用意して、このマンドレルに平行に、プリプレグシートをローリング法により5層巻付け、これによって直径が5mmのコイル素線を得た。
図4に示すように、ラッピングテープとしてポリエステルテープ(PETテープ)を用いて、前記コイル素線3の外周3aに、ラッピングテープ4を所定のピッチで、張力を加えながら巻着した。
次に、図5に示すように、このラッツピングテープ4が巻着されたマンドレル入りのコイル素線3を、温度80℃で10分間、予備加熱し、コイル状に溝が切ってある成形型20を用いてコイル素線3を巻き付け固定した。
次いで、成形型にコイル素線が巻き付けられた状態でのコイル素線を、温度135℃、加熱時間60分の熱処理を行ない、樹脂を硬化させた。
次いで、成形型にコイル素線が巻き付けられた状態でのコイル素線を、温度135℃、加熱時間60分の熱処理を行ない、樹脂を硬化させた。
次いで、加熱硬化後、コイル素線を温度100℃、加熱時間20分間で加熱処理し、前記マンドレルをコイル素線3から抜き取った。
その後、成形型から脱型し、ラッピングテープを除去することによって、図8示すように、コイル素線3の径が5mm、肉厚が1mmであって、コイルの中心径が48mm、自由高さが50mm、質量17g、中空率36%の断面中空構造の繊維強化樹脂製コイルバネ10を得た。
その後、成形型から脱型し、ラッピングテープを除去することによって、図8示すように、コイル素線3の径が5mm、肉厚が1mmであって、コイルの中心径が48mm、自由高さが50mm、質量17g、中空率36%の断面中空構造の繊維強化樹脂製コイルバネ10を得た。
次に、この実施例1で得られた繊維強化樹脂製コイルバネ10の上端に治具を嵌込み、コイル中心線上に荷重を加え、圧縮試験を行なったところ、剪断強度が0.40Mpaという値を示した。
コイル素線の肉厚を0.5mmして、中空率を64%にし、それ以外については実施例1と同様の方法、構成の繊維強化樹脂製コイルバネ10を作製した。得られた繊維強化樹脂製コイルバネ10について、上記実施例2と同様の圧縮試験を行なったところ、0.35Mpaの剪断強度が得られ、実施例2とほぼ同様の強度であった。
本発明の実施例(2〜3)は、いずれも軽量でかつ剪断強度に優れた特性を有していることが確認された。
1 マンドレル
1a 外周
2 繊維強化樹脂材料
2a プリプレグシート
3 コイル素線
3a 外周
4 ラッピングテープ
5 中空部
10 繊維強化樹脂製コイルバネ
20 成形型
21 溝
1a 外周
2 繊維強化樹脂材料
2a プリプレグシート
3 コイル素線
3a 外周
4 ラッピングテープ
5 中空部
10 繊維強化樹脂製コイルバネ
20 成形型
21 溝
Claims (4)
- 繊維強化樹脂製のコイル素線を螺旋状に巻回した繊維強化樹脂製のコイルバネであって、該繊維強化樹脂製のコイルバネは、その断面に中空部を有し、該中空部の中空率が、前記繊維強化樹脂製コイルバネの断面積の20%以上80%以下であることを特徴する繊維強化樹脂製コイルバネ。
- 可撓性を有する樹脂製のマンドレル外周に、繊維強化樹脂材料を積層巻回してコイル素線を得る工程と、前記コイル素線の外周を加圧手段により加圧する工程と、前記コイル素線を前記マンドレルが軟化を示す温度で加熱し、成形型に巻き付け加熱硬化させる工程と、前記コイル素線を前記マンドレルが軟化を示す温度で加熱し、前記マンドレルを前記コイル素線から引き抜く工程とからなることを特徴とする繊維強化樹脂製コイルバネの製造方法。
- 前記可撓性を有する樹脂製のマンドレルの表面には、離型層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の繊維強化樹脂製コイルバネの製造方法。
- 前記加圧手段が、加熱収縮特性を有するラッピングテープの巻着であることを特徴とする請求項2又は、3に記載の繊維強化樹脂製コイルバネの製造方法。
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