JP6175391B2 - 摩擦係合装置の潤滑構造 - Google Patents

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本発明は、軸方向に交互に配置される複数の摩擦材を有する摩擦係合装置の潤滑構造に関する。
従来、回転軸又はケースに固定されたドラムと、ドラムの内周面に回転軸の軸方向に摺動自在にスプライン結合された複数の外側プレート(摩擦材)と、ドラム内に位置する筒状部を有し回転自在に軸支されるハブと、ハブの外周面に回転軸の軸方向に摺動自在にスプライン結合された複数の内側プレート(摩擦材)とを備える湿式多板クラッチ又はブレーキ(摩擦係合装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記のようなクラッチ又はブレーキは、ハブに供給される潤滑油を筒状部に形成した潤滑孔を介して該筒状部の内周面側から外周面側に流すことで、当該潤滑油を摩擦材に供給するようにした潤滑構造を備えている。このような潤滑構造では、クラッチが備える複数の摩擦材の隙間に流入する潤滑油の流量を増加させることで、隣接する摩擦材同士がより引き剥がれやすくしたり、摩擦材の軸方向(スプライン溝の長手方向)への移動をスムーズにすることで、摩擦係合装置のスムーズな動作を確保することが望ましい。
特許文献1に記載の潤滑構造では、クラッチの上部に空隙を設けて潤滑油の排出性を向上させている。この特許文献1に記載の潤滑構造によれば、クラッチを潤滑した後の潤滑油の排出性を向上させることができる。しかしながらこの構造では、クラッチ自体に供給される潤滑油の流量を増やさない限り、複数の摩擦材の隙間に流入する潤滑油の十分な流量を確保することができないおそれがある。すなわち、従来の潤滑構造で摩擦材の隙間に流入する潤滑油の流量を増加させるには、変速機内の潤滑油の総流量を増やさなければならず、これにより、オイルポンプの大容量化によるトランスミッション効率の悪化などに繋がる可能性がある。
特開2009−138902号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で摩擦係合装置自体に供給される潤滑油の流量を増やすことなく、摩擦材の隙間に供給される潤滑油の十分な流量を確保することができ、摩擦係合装置のスムーズな動作が可能となる摩擦係合装置の潤滑構造を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかる摩擦係合装置の潤滑構造は、軸方向に交互に配置される複数の板状の第1摩擦材(24)及び第2摩擦材(34)を有する摩擦係合装置(C1)と、前記第1摩擦材(24)の外周縁に形成された複数の第1スプライン突起(24a)と、前記第2摩擦材(34)の内周縁に形成された複数の第2スプライン突起(34a)と、前記摩擦係合装置(C1)における径方向の外周側に回転可能に配置された第1部材(33)と、前記第1部材(33)に形成されて前記第1摩擦材(24)の前記第1スプライン突起(24a)がスプライン嵌合する第1スプライン溝(33a)と、前記摩擦係合装置(C1)の径方向の内周側に配置されて前記第1部材(33)と同軸上で相対回転可能な第2部材(23)と、前記第2部材(23)に形成されて前記第2摩擦材(34)の前記第2スプライン突起(34a)がスプライン嵌合する第2スプライン溝(23a)と、前記第2部材(23)に形成されて前記第2スプライン溝(23a)に潤滑油を流通させる油路(23b)と、を備え、少なくとも前記第2摩擦材(34)の前記第2スプライン突起(34a)の先端部(34b)は、径方向の内側を向くくさび形状に形成されていることを特徴とする。
本発明にかかる摩擦係合装置の潤滑構造によれば、第2部材の内周側スプライン溝に供給された潤滑油を第2スプライン突起の先端部に設けたくさび形状の部分で受けることで、当該潤滑油を第2スプライン突起及び第2摩擦材の両側(表面側及び裏面側)へ振り分けてスムーズに流すことができる。これにより、隣接する第1摩擦材と第2摩擦材の隙間に流れる潤滑油の流量を増加させることができる。また、潤滑油が第1摩擦材と第2摩擦材との隙間を流れる際に発生する圧力で第1摩擦材と第2摩擦材がスプライン溝に沿って軸方向へ移動し易くなる。したがって、従来構造の摩擦係合装置と比較して、摩擦係合装置に供給される潤滑油の流量が同等であっても、隣接する摩擦材同士がより引き剥がれやすくなる。よって、比較的に低流量の潤滑油で摩擦係合装置の摩擦抵抗(フリクション)の低減を図ることが可能となる。
また、本発明にかかる摩擦係合装置の潤滑構造では、前記第2スプライン突起(34a)の前記先端部(34b)は、径方向の内側に向かって前記第2スプライン突起(34a)の前記軸方向の厚さ寸法が次第に小さくなっていてよい。この構成によれば、第2スプライン突起が嵌合している第2部材の第2スプライン溝に対する接触面におけるせん断方向の接触面積が低減される。そのため、第2摩擦材の第2スプライン突起と第2部材の第2スプライン溝との嵌合箇所における摩擦抵抗(フリクション)を低減する効果が得られる。
またこの場合、前記第2スプライン突起(34a)の前記先端部(34b)は、前記軸方向の両側の面が互いに対称な形状に形成されていてよい。この構成によれば、第2スプライン突起の先端部に設けたくさび形状の部分で潤滑油が第2摩擦材の軸方向の両側(表面側と裏面側)に均等に振り分けられるようになる。したがって、複数の第1摩擦材及び第2摩擦材の軸方向の位置の均一化を図ることができ、摩擦係合装置のフリクションの低減を図ることができると共に、よりスムーズな締結・解放動作が可能となる。
また、本発明にかかる摩擦係合装置の潤滑構造では、前記油路(23b)は、前記第2部材(23)に形成された複数の貫通孔からなり、前記複数の貫通孔(23b)は、前記軸方向に沿って互いに異なる位置に配置されていてよい。
この構成によれば、複数の貫通孔それぞれから第2部材のスプライン溝に導入される潤滑油を複数の第2摩擦材が有する内周スプライン突起それぞれの先端部で受けることができる。したがって、潤滑油が複数の第1摩擦材及び第2摩擦材それぞれの隙間を流れる際に発生する圧力で、第1摩擦材及び第2摩擦材が軸方向へ移動し易くなる。よって、摩擦係合装置のよりスムーズな締結及び解放の動作が可能となる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる摩擦係合装置の潤滑構造によれば、簡単な構成で摩擦材の隙間に供給される潤滑油の流量を増やすことができ、摩擦係合装置のフリクションの低減を図ることができると共に、スムーズな動作を確保することができる。
本発明の一実施形態にかかる摩擦係合装置を備えた自動変速機の一部を示す側断面図である。 図1のX部分の拡大図で、クラッチC1のクラッチハブ及びその周辺の構成を説明するための図である。 クラッチハブの一部を示す側面図(一部断面図)である。 図1のY部分の拡大図で、第1ブレーキのブレーキハブ及びその周辺の構成を説明するための図である。 ブレーキハブを示す側面図(一部断面図)である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる摩擦係合装置を備えた自動変速機の一部を示す側断面図である。同図に示す自動変速機1は、トルクコンバータを介してエンジンのクランクシャフト(いずれも図示せず)に接続された入力軸12と、入力軸12の外周に設けた遊星歯車機構PGSaとを備える。入力軸12は、トルクコンバータのステータシャフト19にボールベアリング28を介して支持されている。また、遊星歯車機構PGSaの各要素の結合関係を切り換えて変速段を確立するために、クラッチC1、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2が設けられる。クラッチC1、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2は、湿式多板型のもので構成される。
シングルピニオン型の遊星歯車機構PGSaは、サンギヤSa、キャリヤCa、リングギヤRaおよび複数のピニオンPaを備えており、キャリヤCaに回転自在に支持されたピニオンPaは、サンギヤSaおよびリングギヤRaに同時に噛合する。サンギヤSaは、第1ブレーキB1を介して変速機ケース13に結合可能である。また、リングギヤRaは、連結部材27を介して図示しない他の遊星歯車機構のキャリヤに接続されている。
キャリヤCaから径方向の外側に延びる連結部材20は、第2ブレーキB2を介して変速機ケース13に結合可能である。またキャリヤCaは、クラッチC1を介して入力軸12に結合可能である。
クラッチC1は、連結部材21を介してキャリヤCaの径方向内端に接続されたクラッチハブ22と、入力軸12に固定されたクラッチドラム(クラッチアウター)32と、クラッチハブ22およびクラッチドラム32間に配置された複数の摩擦プレート24及び摩擦ディスク34と、クラッチドラム32の内部に摺動自在に配置されたクラッチピストン25とを備えている。このクラッチC1では、油室26に供給される油圧でクラッチピストン25を駆動して摩擦プレート24を相互に係合させると、キャリヤCaが入力軸12に結合される。
遊星歯車機構PGSaの各ギヤは、伝達トルクの変動を減らすべくヘリカルギヤで構成されるが、ヘリカルギヤには噛合反力により軸方向のスラスト力が作用するため、相対回転する部材間にスラストベアリングが配置される。
上記のスラストベアリングとして、ステータシャフト19とクラッチドラム32との間に配置された第1スラストベアリングT1と、クラッチドラム32とクラッチハブ22との間に配置された第2スラストベアリングT2と、クラッチハブ22と遊星歯車機構PGSaのサンギヤSaとの間に配置された第3スラストベアリングT3と、遊星歯車機構PGSaのサンギヤSaとキャリヤCaとの間に配置された第4スラストベアリングT4と、遊星歯車機構PGSaのリングギヤRaに接続された連結部材27と隣接する他の遊星歯車機構のサンギヤ(図示せず)との間に配置された第5スラストベアリングT5とを備える。
第1ブレーキB1は、サンギヤSaと一体のブレーキハブ(回転部材)62と、変速機ケース13と一体のブレーキドラム52と、これらブレーキハブ62及びブレーキドラム52の間に配置された複数の摩擦プレート54及び摩擦ディスク64と、変速機ケース13に対して軸方向に摺動可能に配置されたブレーキピストン16とを備えており、油室17に供給される油圧でブレーキピストン16を駆動して摩擦プレート54及び摩擦ディスク64を相互に係合させることで、サンギヤSaが変速機ケース13に結合される。
ここで、クラッチC1について詳細に説明する。図1に示すように、クラッチC1は、径方向の外周側に回転可能に配置されたクラッチドラム32の筒状部(第1部材)33と、筒状部33に対して径方向の内周側に配置されて筒状部33と同軸上で相対回転可能なクラッチハブ22の筒状部(第2部材)23とを備えている。そして、クラッチドラム32の筒状部33に取り付けられた複数の摩擦プレート(第1摩擦材)24と、クラッチハブ22の筒状部23に取り付けられた複数の摩擦ディスク(第2摩擦材)34とを備え、これら摩擦プレート24と摩擦ディスク34とが軸方向に沿って交互に積層されている。
摩擦プレート24の外周縁には、周方向に沿って配列されて外径側へ突出する複数の外周スプライン突起(第1スプライン突起)24aが形成されている。また、摩擦ディスク34の内周縁には、周方向に沿って配列されて内径側へ突出する複数の内周スプライン突起(第2スプライン突起)34aが形成されている。そして、クラッチドラム32の筒状部33には、摩擦プレート24の外周スプライン突起24aがスプライン嵌合する外周スプライン溝(第1スプライン溝)33aが形成されている。また、クラッチハブ22の筒状部23には、摩擦ディスク34の内周スプライン突起34aがスプライン嵌合する内周スプライン溝(第2スプライン溝)23aが形成されている。
図2は、図1のX部分の拡大図で、クラッチC1が備えるクラッチハブ22及びその周辺の構成を説明するための図である。同図に示すように、摩擦ディスク34は、内部(軸方向の中間部)に金属製の板材からなる平板状の芯材34cを備え、該芯材34cの表裏面(軸方向の両面)に摩擦シート34dを貼付してなる構成である。摩擦シート34dは、芯材34cにおける内周スプライン突起34aを除く部分にのみ貼付されており、内周スプライン突起34aの部分は、摩擦ディスク34の芯材34cが露出した構成となっている。
そして、摩擦ディスク34の内周スプライン突起34aの先端部34bは、径方向の内側を向くくさび形状に形成されている。この先端部34bは、径方向の内側(図2の下側)に向かって摩擦ディスク34の厚さ方向の寸法が次第に小さくなっている先尖形状である。さらに、内周スプライン突起34aの先端部34bは、軸方向の両側の面が互いに対称な形状に形成されている。
図3は、クラッチハブ22の一部を示す側面図(一部断面図)である。同図に示すように、クラッチハブ22の筒状部23には、内周スプライン溝23aに潤滑油を流通させるための複数の貫通孔(油路)23bが形成されている。そしてこれら複数の貫通孔23bは、クラッチC1の軸方向に沿って互いに異なる位置に配置されている。
上記構成のクラッチC1では、図1に点線の矢印で示すように、入力軸12及びクラッチハブ22の回転に伴い、入力軸12の軸内を流通する潤滑油が入力軸12に形成した油路12aを通って外径側に導かれ、クラッチハブ22の筒状部23へ供給される。この潤滑油が筒状部23に設けた貫通孔23bを通って内周スプライン溝23aに導入される。さらにこの潤滑油は、筒状部23の回転による遠心力で摩擦ディスク34の内径端から該摩擦ディスク34の両面に沿って摩擦プレート24との隙間を外径側に流れる。
そして、本実施形態のクラッチC1では、摩擦ディスク34の内周スプライン突起34aに、径方向の内側を向くくさび形状の先端部34bが形成されている。これにより、内周スプライン溝23aから摩擦ディスク34に向けて流れる潤滑油をくさび形状の先端部34bで受けることで、当該潤滑油を内周スプライン突起34aの両側(軸方向の両側)へスムーズに振り分けて流すことができる。したがって、入力軸12の軸心側から摩擦ディスク34と摩擦プレート24との隙間に供給される潤滑油の流量を増加させることができる。よって、従来の垂直面状の(くさび形状でない)先端部を有する摩擦ディスクを備えたクラッチと比較して、入力軸12からクラッチC1に供給される潤滑油の流量が同等の場合でも、隣接する摩擦ディスク34と摩擦プレート24が互いに引き剥がれやすくなる。このため、より低流量の潤滑油でクラッチC1のフリクションを低減することが可能となる。
また、本実施形態のクラッチC1では、摩擦ディスク34の先端部34bは、径方向の内側に向かって摩擦ディスク34(内周スプライン突起34a)の軸方向の厚さ寸法が次第に小さくなっている。この構成により、内周スプライン突起34aが嵌合しているクラッチハブ22の内周スプライン溝23aに対するせん断方向の接触面積が低減されるため、内周スプライン突起34aと内周スプライン溝23aとの摩擦抵抗(フリクション)の低減効果が得られる。
また、内周スプライン突起34aの先端部34bは、軸方向の両側の面が互いに対称な形状に形成されているので、当該先端部34bに設けたくさび形状の部分で潤滑油が摩擦ディスク34の軸方向の両側(表面側と裏面側)に均等に振り分けられるようになる。したがって、複数の摩擦プレート24及び摩擦ディスク34の軸方向位置の均一化を図ることができ、クラッチC1のスムーズな締結・解放動作が可能となる。
また、本実施形態のクラッチC1では、クラッチハブ22の筒状部23における内周スプライン溝23aの周辺には、潤滑油を流通させるための複数の貫通孔23bが形成されており、これら複数の貫通孔23bは、入力軸12の軸方向に沿って互いが異なる位置に配置されている。
この構成によれば、簡単な構成で、複数の貫通孔23bそれぞれからクラッチハブ22の内周スプライン溝23aに導入される潤滑油を複数の摩擦ディスク34が有する内周スプライン突起34aそれぞれの先端部34bで受けることができる。したがって、潤滑油が複数の摩擦プレート24及び摩擦ディスク34それぞれの隙間を流れる際に発生する圧力で、摩擦プレート24及び摩擦ディスク34が軸方向へ移動し易くなる。よって、クラッチC1のよりスムーズな締結及び解放の動作が可能となる。
次に、第1ブレーキB1について詳細に説明する。第1ブレーキ(摩擦係合要素)B1は、変速機ケース13と一体に形成された略円筒状のブレーキドラム(第1部材)52と、ブレーキドラム52に係合する円形環状の平板からなる複数の摩擦プレート(第1摩擦材)54と、ブレーキドラム52に対して同心状に配置された略円筒状の筒状部(第2部材)63を有するブレーキハブ62と、筒状部63に係合する円形環状の平板からなる複数の摩擦ディスク(第2摩擦材)64とを備え、摩擦プレート54と摩擦ディスク64が軸方向で交互に重ね合わされて配列されている。
摩擦プレート54の外周縁には、周方向に沿って配列されて外径側へ突出する複数の外周スプライン突起(第1スプライン突起)54aが形成されている。また、摩擦ディスク64の内周縁には、周方向に沿って配列されて内径側へ突出する複数の内周スプライン突起(第2スプライン突起)64aが形成されている。そして、ブレーキドラム52の内周面には、摩擦プレート54の外周スプライン突起54aがスプライン嵌合する外周スプライン溝(第1スプライン溝)53aが形成されている。また、ブレーキハブ62の筒状部63には、摩擦ディスク64の内周スプライン突起64aがスプライン嵌合する内周スプライン溝(第2スプライン溝)63aが形成されている。
図4は、図1のY部分の拡大図で、第1ブレーキB1のブレーキハブ62(筒状部63)及びその周辺の構成を説明するための図である。同図に示すように、摩擦ディスク64は、内部(軸方向の中間部)に金属製の板材からなる平板状の芯材64cを備え、該芯材64cの表裏面(軸方向の両面)に摩擦シート64dを貼付してなる構成である。摩擦シート64dは、芯材64cにおける内周スプライン突起64aを除く部分にのみ貼付されており、内周スプライン突起64aの部分は、摩擦ディスク64の芯材64cが露出した構成となっている。
そして、摩擦ディスク64の内周スプライン突起64aの先端部64bは、径方向の内側を向くくさび形状に形成されている。この先端部64bは、径方向の内側(図4の下側)に向かって摩擦ディスク64(内周スプライン突起64a)の厚さ方向の寸法が次第に小さくなっている先尖形状である。さらに、内周スプライン突起64aの先端部64bは、軸方向の両側の面が互いに対称な形状に形成されている。
図5は、ブレーキハブ62の一部を示す側面図(一部断面図)である。同図に示すように、ブレーキハブ62の筒状部63には、内周スプライン溝63aに潤滑油を流通させるための複数の貫通孔(油路)63bが形成されている。そしてこれら複数の貫通孔は、第1ブレーキB1の軸方向に沿って互いに異なる位置に配置されている。
上記構成のブレーキB1では、図1に点線の矢印で示すように、入力軸12及びブレーキハブ62の回転に伴い、入力軸12の軸内を流通する潤滑油が入力軸12に形成した油路12a、及び連結部材21に形成した油路21a、及びクラッチハブ62に形成した油路62aを通って外径側に導かれ、ブレーキハブ62の筒状部63へ供給される。この潤滑油が筒状部63に設けた貫通孔63bを通って内周スプライン溝63aに導入される。さらにこの潤滑油は、筒状部63の回転による遠心力で摩擦ディスク64の内径端から該摩擦ディスク64の両面に沿って摩擦プレート54との隙間を外径側に流れる。
そして、本実施形態のブレーキB1では、摩擦ディスク64の内周スプライン突起64aに、径方向の内側を向くくさび形状の先端部64bが形成されている。これにより、内周スプライン溝63aから摩擦ディスク64に向けて流れる潤滑油をくさび形状の先端部64bで受けることで、当該潤滑油を内周スプライン突起64aの両側(軸方向の両側)へスムーズに振り分けて流すことができる。したがって、入力軸12の軸心側から摩擦ディスク64と摩擦プレート54との隙間に供給される潤滑油の流量を増加させることができる。よって、従来の垂直面状の(くさび形状でない)先端部を有する摩擦ディスクを備えたブレーキと比較して、入力軸12からブレーキB1に供給される潤滑油の流量が同等の場合でも、隣接する摩擦ディスク64と摩擦プレート54が互いに引き剥がれやすくなる。このため、より低流量の潤滑油でブレーキB1のフリクションを低減することが可能となる。
また、本実施形態のブレーキB1では、摩擦ディスク64の先端部64bは、径方向の内側に向かって摩擦ディスク64(内周スプライン突起64a)の軸方向の厚さ寸法が次第に小さくなっている。この構成により、内周スプライン突起64aが嵌合しているブレーキハブ62の内周スプライン溝63aに対するせん断方向の接触面積が低減されるため、内周スプライン突起64aと内周スプライン溝63aとの摩擦抵抗(フリクション)の低減効果が得られる。
また、内周スプライン突起64aの先端部64bは、軸方向の両側の面が互いに対称な形状に形成されているので、当該先端部64bに設けたくさび形状の部分で潤滑油が摩擦ディスク64の軸方向の両側(表面側と裏面側)とに均等に振り分けられるようになる。したがって、複数の摩擦プレート54及び摩擦ディスク64の軸方向位置の均一化を図ることができ、ブレーキB1のスムーズな締結・解放動作が可能となる。
また、本実施形態のブレーキB1では、ブレーキハブ62の筒状部63に形成した複数の貫通孔63bは、入力軸12の軸方向に沿って互いが異なる位置に配置されている。
この構成によれば、簡単な構成で、複数の貫通孔63bそれぞれからブレーキハブ62の内周スプライン溝63aに導入される潤滑油を複数の摩擦ディスク64が有する内周スプライン突起64aそれぞれの先端部64bで受けることができる。したがって、潤滑油が複数の摩擦ディスク64及び摩擦プレート54それぞれの隙間を流れる際に発生する圧力で、摩擦プレート54及び摩擦ディスク64が軸方向へ移動し易くなる。よって、第1ブレーキB1のよりスムーズな締結及び解放の動作が可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明にかかる潤滑構造を備えた摩擦係合装置の一例として、上記の第1ブレーキB1及びクラッチC1の両方を示したが、本発明にかかる潤滑構造は、第1ブレーキB1とクラッチC1のいずれか一方にのみ適用することも可能である。
1 自動変速機
12 入力軸
13 変速機ケース
16 ブレーキピストン
17 油室
19 ステータシャフト
20 連結部材
21 連結部材
22 クラッチハブ
23 筒状部(第2部材)
23a 内周スプライン溝(第2スプライン溝)
23b 貫通孔(油路)
32 クラッチドラム
33 筒状部(第1部材)
33a 外周スプライン溝(第1スプライン溝)
24 摩擦プレート(第1摩擦材)
24a 外周スプライン突起(第1スプライン突起)
34 摩擦ディスク(第2摩擦材)
34a 内周スプライン突起(第2スプライン突起)
34b 先端部
34c 芯材
34d 摩擦シート
25 クラッチピストン
26 油室
27 連結部材
28 ボールベアリング
52 ブレーキドラム(第1部材)
53a 外周スプライン溝(第1スプライン溝)
54 摩擦プレート(第1摩擦材)
54a 外周スプライン突起(第1スプライン突起)
64 摩擦ディスク(第2摩擦材)
64a 内周スプライン突起(第2スプライン突起)
64b 先端部
64c 芯材
64d 摩擦シート
62 ブレーキハブ
63 筒状部(第2部材)
63a 内周スプライン溝(第2スプライン溝)
63b 貫通孔
B1 第1ブレーキ(摩擦係合装置)
C1 クラッチ(摩擦係合装置)

Claims (3)

  1. 軸方向に交互に配置される複数の板状の第1摩擦材及び第2摩擦材を有する摩擦係合装置と、
    前記第1摩擦材の外周縁に形成された複数の第1スプライン突起と、
    前記第2摩擦材の内周縁に形成された複数の第2スプライン突起と、
    前記摩擦係合装置における径方向の外周側に配置された第1部材と、
    前記第1部材に形成されて前記第1摩擦材の前記第1スプライン突起がスプライン嵌合する第1スプライン溝と、
    記径方向の内周側に配置されて前記第1部材と同軸上で相対回転可能な第2部材と、
    前記第2部材に形成されて前記第2摩擦材の前記第2スプライン突起がスプライン嵌合する第2スプライン溝と、
    前記第2部材に形成されて前記第2スプライン溝に潤滑油を流通させる油路と、を備え、
    少なくとも前記第2摩擦材の前記第2スプライン突起の先端部は、前記径方向の内側に向かって前記軸方向の厚さ寸法が次第に小さくなるくさび形状に形成されている
    ことを特徴とする摩擦係合装置の潤滑構造。
  2. 前記先端部は、前記軸方向の両側の面が互いに対称な形状に形成されている
    ことを特徴とする請求項に記載の摩擦係合装置の潤滑構造。
  3. 前記油路は、前記第2部材に形成された複数の貫通孔からなり、
    前記複数の貫通孔は、前記軸方向に沿って互いに異なる位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の摩擦係合装置の潤滑構造。
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