本発明は、ヒト遺伝学、より具体的には神経筋障害の分野に関する。本発明は、本明細書にさらに定義される臨床適用性を増強する改善された特徴を有するアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)の使用に特に関する。
発明の背景
神経筋疾患は、筋肉又は神経病変(ミオパチー及びニューロパチー)のいずれかによる筋肉の機能障害によって特徴付けられる。ニューロパチーは、神経変性及び神経支配の障害によって特徴付けられ、運動、痙縮又は麻痺を伴う問題をもたらす。例は、ハンチントン病(HD)、いくつかの型の脊髄小脳失調症(SCA)、フリードライヒ失調症(FA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)及び前頭側頭型認知症(FTD)を含む。ニューロパチーのサブセットはcis−エレメントリピート不安定性によって生じる。例えば、HDは、HTT遺伝子のエクソン1中のトリプレット(CAG)nリピート伸長によって生じる。これらのリピートの伸長は、348kDa細胞質性ハンチンチンタンパク質のN−末端でのグルタミンストレッチの伸長を生じる。ハンチンチンは、正常形態において6〜29グルタミンアミノ酸残基の特徴的配列を有し、疾患を生じる変異型ハンチンチンは38より多くの残基を有する。神経細胞における変異ハンチンチン分子の連続的発現は、最終的には細胞死をもたらす大きなタンパク質沈着の形成を、とりわけ前頭葉及び基底核において(主に尾状核において)生じる。疾患の重症度は、概して余分な残基の数に比例する。伸長CAGリピートを特異的に標的化するAON(例えば、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAとしてのPS57(CUG)7(配列番号1)(Eversら))は、HD患者由来細胞において変異ハンチンチン転写物及び(毒性)タンパク質レベルを効果的に低減するために適用され得る。ニューロパチーの治療のためには、全身投与されたAONは血液脳関門を通過する必要がある。したがって、改善された脳送達を可能にする及び/又は示すオリゴケミストリーの最適化の必要性がある。
ミオパチーは、骨格筋、心筋及び/又は平滑筋の進行性の衰弱及び変性によって特徴付けられる遺伝性筋ジストロフィーを含む。ミオパチーの例は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、1型筋緊張性ジストロフィー(DM1)及び2型筋緊張性ジストロフィー(DM2)である。DM1及びDM2は両方ともcis−エレメントリピート不安定性によって生じ、DM1は、DMPK遺伝子中のエクソン15の3’非翻訳領域におけるトリヌクレオチド(CTG)nリピート伸長により、DM2は、DM2/ZNF9遺伝子中のテトラヌクレオチド(CCTG)nリピート伸長による。また、伸長リピートを特異的に標的化するAON(例えば、PS58,(CAG)7(DM1についての2’−O−メチルホスホロチオエートRNA)(Muldersら))は、(毒性)伸長リピート転写物の特異的分解を効率的に誘導することが示されている。遺伝子欠損がAONなどの小さな化合物についての筋肉繊維膜の透過性の増大と関連しているDMDとは対照的に、大部分の他のミオパチーについては、筋肉組織へのAON分布及び筋肉組織によるAON取り込みの増強が、治療効果を得るために不可欠である。したがって、筋肉送達の改善を可能にする及び/又は示すオリゴケミストリーの最適化の必要性もある。
選択された化学の具体的な特徴は、標的転写物へのAONの送達に少なくとも部分的に影響を与える:投与経路、生体安定性、生体内分布、組織内分布並びに細胞取り込み及び輸送。また、オリゴヌクレオチド化学のさらなる最適化は、結合親和性及び安定性を増強し、活性を増強し、安全性を改善し、及び/又は長さを短縮させる又は合成及び/又は精製手順を改善することによって製品の経費を低減すると考えられている。複数の化学的修飾が研究団体に一般的及び/又は商業的に入手可能になった(例えば、2’−O−メチルRNA及び5置換ピリミジン及び2,6−ジアミノプリン)が、他の大部分は未だ得るのに多大な合成の努力を要する。特に、有望な予備的な結果が、ピリミジン及びプリン塩基に修飾を含有する本明細書に記載の2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを用いて得られている。
結論として、本明細書で例示されるヒトcis−エレメントリピート不安定性関連遺伝性障害を治療するためのAONの治療的適用性を増強するために、さらに改善された特徴を有するAONが必要とされている。
発明の記載
オリゴヌクレオチド:
第一の態様において、本発明は、ヒトcis−エレメントリピート不安定性関連遺伝性障害を治療するための薬物としての使用のためのオリゴヌクレオチドであって、2’−O−メチルRNAヌクレオチド残基を含み、少なくとも1つのリン酸部分がホスホロチオエート部分によって置き換えられている骨格を有し、1つ若しくは複数の5−メチルピリミジン及び/又は1つ若しくは複数の2,6−ジアミノプリン塩基を含むオリゴヌクレオチド、又はヒトcis−エレメントリピート不安定性関連遺伝性障害を治療するための薬物としての使用のためのオリゴヌクレオチドであって、2’−O−メチルRNAヌクレオチド残基からなり、すべてのリン酸部分がホスホロチオエート部分によって置き換えられている骨格を有し、1つ若しくは複数の5−メチルピリミジン及び/又は1つ若しくは複数の2,6−ジアミノプリン塩基を含むオリゴヌクレオチドを提供する。
本発明において、「骨格」は、核酸塩基が結合した、リボース環とヌクレオシド間連結とが交互に連なった鎖を示すために使用される。用語「連結」は、2つのリボース単位の間の接続(すなわち「ヌクレオシド間連結」)に対して使用され、一般にリン酸部分である。したがって、10ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドは、リボース単位10個を合わせて連結する9個の連結を有し得る。また、オリゴヌクレオチドの一方又は両方の側に存在し、1つのヌクレオチドにだけ接続する1つ又は複数の終末連結もあり得る。用語「連結」及び「ヌクレオシド間連結」はそのようなペンダント連結も示すものとする。本発明のオリゴヌレオチドの骨格における少なくとも1つの連結は、2つのリボース単位を連結しているホスホロチオエート部分からなる。したがって、RNA中に存在する少なくとも1つの天然に存在する3’から5’へのリン酸ジエステル部分はホスホロチオエート部分によって置き換えられている。
本発明において、次の各表現における「a」は、「少なくとも1つの」を意味する:2’−O−メチルRNAヌクレオチド残基、2’−O−メチルRNA残基、ホスホロチオエート部分、2’−O−メチルホスホロチオエートRNA残基、5−メチルピリミジン塩基、5−メチルシトシン塩基、5−メチルウラシル塩基、チミン塩基、2,6−ジアミノプリン塩基。
好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチドは、37ヌクレオチド未満の長さを有するオリゴヌクレオチドである。前記オリゴヌクレオチドは、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドを有し得る。そのようなオリゴヌクレオチドは、12〜36ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドとしても同定され得る。
したがって、2’−O−メチルRNAヌクレオチド残基を含み、少なくとも1つのリン酸部分がホスホロチオエート部分によって置き換えられている骨格を有する本発明のオリゴヌクレオチドは、37個未満のヌクレオチド(すなわち、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36個のヌクレオチドを含む)、及び5−メチルピリミジン及び/又は2,6−ジアミノプリン塩基を含む。
したがって、2’−O−メチルRNAヌクレオチド残基からなり、すべてのリン酸部分がホスホロチオエートによって置き換えられている骨格を有する本発明のオリゴヌクレオチドは、34個未満のヌクレオチド(すなわち、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36個のヌクレオチドを含む)、及び5−メチルピリミジン及び/又は2,6−ジアミノプリン塩基を含む。
好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAヌクレオチド残基を含む、又は2’−O−メチルホスホロチオエートRNAヌクレオチド残基からなる。そのようなオリゴヌクレオチドは、配列中の次のヌクレオチドにホスホロチオエート連結を通じて接続する2’−O−メチルRNA残基を含む。次のヌクレオチドは、別の2’−O−メチルホスホロチオエートRNAヌクレオチド残基であってもよいが、必ずしもそうでなくてもよい。あるいは、そのようなオリゴヌクレオチドは、すべてのヌクレオチドが2’−O−メチル部分及びホスホロチオエート部分を含む2’−O−メチルホスホロチオエートRNAヌクレオチド残基からなる。好ましくは、そのようなオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAヌクレオチド残基からなる。そのような化学は当業者に知られている。本明細書全体を通じて、2’−O−メチルRNA残基及びホスホロチオエート連結を含むオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAヌクレオチド残基を含むオリゴヌクレオチド又は2’−O−メチルホスホロチオエートRNA残基を含むオリゴヌクレオチドによって置き換えられてもよい。本明細書全体を通じて、ホスホロチオエート連結によって連結された若しくは接続された2’−O−メチルRNA残基からなるオリゴヌクレオチド又は2’−O−メチルホスホロチオエートRNAヌクレオチド残基からなるオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなるオリゴヌクレオチドによって置き換えられてもよい。
また、本発明のオリゴヌクレオチドは、標的鎖への結合親和性を増加させる、及び/又は前記オリゴヌクレオチドとその標的から生じた二重鎖の融解温度を上昇させる、及び/又は免疫賦活効果を低減する、及び/又は生体安定性を増加させる、及び/又は生体内分布及び/又は組織内分布及び/又は細胞取り込み及び輸送を改善する少なくとも1つの塩基修飾を含む。
一実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは5−メチルピリミジン及び/又は2,6−ジアミノプリン塩基を含む。5−メチルピリミジン塩基は、5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシル及び/又はチミンから選択され、チミンは5−メチルウラシルと同一である。本発明のオリゴヌクレオチドが2つ以上のそのような塩基修飾を有する場合、前記塩基修飾は同一であり得、例えば、オリゴヌクレオチド中のすべてのそのような修飾塩基は5−メチルシトシンであり得る。あるいは、前記塩基修飾は種々の塩基修飾の組合せであり得、例えば、オリゴヌクレオチドは、1つ又は複数の5−メチルシトシン及び1つ又は複数の5−メチルウラシルを有し得る。
好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチド(すなわち、2’−O−メチルRNAヌクレオチド残基を含み、少なくとも1つのリン酸部分がホスホロチオエート部分によって置き換えられている骨格を有し、1つ若しくは複数の5−メチルピリミジン及び/又は1つ又は複数の2,6−ジアミノプリン塩基を含むオリゴヌクレオチド、又は2’−O−メチルRNAヌクレオチド残基からなり、すべてのリン酸部分がホスホロチオエート部分によって置き換えられている骨格を有し、1つ若しくは複数の5−メチルピリミジン及び/又は1つ若しくは複数の2,6−ジアミノプリン塩基を含むオリゴヌクレオチド)は、2’−デオキシ2’−フルオロヌクレオチド(すなわち2’−デオキシ2’−フルオロ−アデノシン、−グアノシン、−ウリジン及び/又は−シチジン)を含まないものである。2’−フルオロ(2’−F)ヌクレオチドを含むそのようなオリゴヌクレオチドは、インターロイキンエンハンサー結合因子2及び3(ILF2/3)を動員でき、したがって標的化mRNA前駆体におけるエクソンスキッピングを誘導できることが示されている(Rigo Fら,国際公開第2011/097614号)。本発明において、使用されるオリゴヌクレオチドは好ましくはそのような因子を動員せず、及び/又は本発明のオリゴヌクレオチドは、ILF2/3によって特異的に認識されるRNAとヘテロ2本鎖を形成しない。本発明のオリゴヌクレオチドの作用機序は、2’−Fヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドのものとは異なると推定され、本発明のオリゴヌクレオチドは、(毒性)伸長リピート転写物の特異的分解を主として誘導すると期待されている。
「チミン」及び「5−メチルウラシル」は本明細書全体を通じて互換的であり得る。同様に、2,6−ジアミノプリンは2−アミノアデニンと同一であり、これらの用語は本明細書全体を通じて互換的であり得る。
本明細書において、用語「塩基修飾」又は「修飾塩基」は、RNA中に天然に存在する塩基(すなわちピリミジン若しくはプリン塩基)の修飾又は塩基のde novo合成を指す。このde novo合成塩基は、既存の塩基との比較により「修飾」と認定できる。
5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリン塩基を含む本発明のオリゴヌクレオチドは、それぞれ、前記オリゴヌクレオチドのシトシン核酸塩基の少なくとも1つがピリミジン環の5位のプロトンのメチル基での置換(すなわち5−メチルシトシン)によって修飾されている及び/又は前記オリゴヌクレオチドのウラシル核酸塩基の少なくとも1つがピリミジン環の5位のプロトンのメチル基での置換(すなわち5−メチルウラシル)によって修飾されている及び/又は前記オリゴヌクレオチドのアデニン核酸塩基の少なくとも1つが2位のプロトンのアミノ基での置換によって(すなわち2,6−ジアミノプリン)修飾されている。本発明において、表現「ピリミジン環の5位でのプロトンのメチル基での置換」は表現「ピリミジンの5−メチルピリミジンでの置換」によって置き換えられ、ピリミジンはウラシルだけ、シトシンだけ又は両方を指し得る。同様に、本発明において、表現「アデニンの2位でのプロトンのアミノ基での置換」は表現「アデニンの2,6−ジアミノプリンでの置換」に置き換えられ得る。前記オリゴヌクレオチドが、1、2、3、4、5、6、7、8、9個以上のシトシン、ウラシル及び/又はアデニンを含む場合、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9個以上のシトシン、ウラシル及び/又はアデニンはそれぞれこの方法で修飾される。好ましくは、すべてのシトシン、ウラシル及び/又はアデニンは、この方法で修飾され、又は、5−メチルシトシン、5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリンによってそれぞれ置き換えられている。本発明が、少なくとも1つのシトシン、ウラシル又はアデニンをそれらの配列中にそれぞれ含むオリゴヌクレオチドにだけ適用できることはいうまでもない。
本発明者らは、本発明のオリゴヌクレオチド中の5−メチルシトシン、5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリンの存在が、前記オリゴヌクレオチドのパラメーターの少なくとも1つに好影響を有する又は少なくとも1つのパラメーターに改善のあることを発見した。ここで、パラメーターは、以下に説明するように、前記オリゴヌクレオチドの結合親和性及び/又は動態、サイレンシング活性、生体安定性、(組織内)分布、細胞取り込み及び/又は輸送、及び/又は免疫原性を含み得る。
結合親和性及び動態はAONの熱力学的特性に依存する。これらは、前記オリゴヌクレオチドの融解温度(Tm;1本鎖RNAについては基本Tm及び隣接モデルを用いて、例えばオリゴヌクレオチド特性計算(http://www.unc.edu/〜cail/biotool/oligo/index.html又はhttp://eu.idtdna.com/analyzer/Applications/OligoAnalyzer/)で算出される。)によって、及び/又は(RNAストラクチャーバージョン4.5又はRNA mfoldバージョン3.5を用いて)オリゴヌクレオチド標的エクソン複合体の自由エネルギーによって少なくとも部分的に決定される。Tmが上昇する場合、エクソンスキッピング活性は典型的には増加するが、Tmが高すぎる場合は、AONはあまり配列−特異的でなくなると予測される。許容されるTm及び自由エネルギーはオリゴヌクレオチドの配列に依存する。したがって、これらのパラメーターそれぞれについて好ましい範囲を示すのは困難である。
本発明のオリゴヌクレオチドの活性は、後述のように、患者の細胞において、患者の組織において及び/又は患者において、変異タンパク質の形成を阻害する、及び/又は伸長された若しくは不安定な数のリピートを含有する疾患関連の若しくは疾患を引き起こす若しくは変異体の転写物の量を発現抑制する若しくは低減する若しくは減少させることである。2’−O−メチルホスホロチオエートRNA並びに5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリン塩基を含む又はからなる本発明のオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなるが、5−メチルシトシンを含まず、5−メチルウラシルを含まず、かつ2,6−ジアミノプリン塩基を含まないオリゴヌクレオチドよりも、前記転写物の量をさらに効率的に発現抑制する又は低減する又は減少させることができるものと期待される。効率に関するこの差異は、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%であり得る。低減又は減少は、(好ましくは実験パートで実施される)転写物レベルについてのノーザンブロッティング若しくは(半)定量的RT−PCRによって、又はタンパク質レベルについてのウエスタンブロッティングによって評価され得る。本発明のオリゴヌクレオチドは、実施例1に記載のように、まず患者由来線維芽細胞などの細胞系において試験され得る。
生体内分布及び生体安定性は、Yuら,2002出典の検証されたハイブリダイゼーションライゲーションアッセイによって好ましくは少なくとも部分的に決定される。一実施形態では、血漿又は均質化された組織試料は、特異的捕捉オリゴヌクレオチドプローブと共にインキュベートされる。分離後に、DIG標識化オリゴヌクレオチドは複合体にライゲーションされ、抗DIG抗体連結ペルオキシダーゼを用いる検出が行われる。非コンパートメント薬物動態分析が、WINNONLINソフトウエアパッケージ(モデル200,バージョン5.2,Pharsight,Mountainview,CA)を用いて実施される。血漿1mL又は組織1mg当たりのAON(ug)のレベルは、曲線下面積(AUC)、ピーク濃度(Cmax)、ピーク濃度までの時間(Tmax)、終末相半減期及び吸収ラグ時間(tlag)を評価するために経時的にモニターされる。そのような好ましいアッセイは実験パートに開示されている。
AONは、TLR9及びTLR7を含むトール様受容体(TLR)を活性化することによって自然免疫応答を刺激できる(Kriegら,1995)。TLR9の活性化は、オリゴデオキシヌクレオド(ODN)中に存在する非メチル化CG配列の存在により、TLR9媒介サイトカイン放出を通じて自然免疫系を活性化する細菌性DNAを模倣することによって典型的には生じる。しかし、2’−O−メチル修飾は、そのような可能な影響を顕著に低減することが示唆されている。TLR7は、RNA中のウラシルリピートを認識することが記載されている(Dieboldら,2006)。
TLR9及びTLR7の活性化は、自然免疫(マクロファージ、樹状細胞(DC)、NK細胞)を含む一連の調和免疫応答を生じる(Kriegら,1995;Krieg,2000)。IP−10、TNFα、IL−6、MCP−1及びIFNαなどのいくつかのケモ−及びサイトカイン(Wagner,1999;Popovicら,2006)がこのプロセスに関連している。炎症性サイトカインは、血液からT及びB細胞などの追加的防御細胞を誘引する。これらのサイトカインのレベルは、in vitro検査によって調査できる。簡潔には、漸増濃度のAONと共にヒト全血はインキュベートされ、その後、サイトカインのレベルは標準的な商業的に入手できるELISAキットによって決定される。免疫原性の低下は、少なくとも1つの5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシル、及び/又は2,6−ジアミノプリンを含むオリゴヌクレオチドで処置した細胞でのアッセイにおける対応サイトカイン濃度の比較(5−メチルシトシン、5−メチルウラシル又は2,6−ジアミノプリンを有しない対応オリゴヌクレオチドで処置した細胞との比較)による、上記サイトカインのうちの少なくとも1つの濃度の検出可能な減少に好ましくは対応する。
したがって、本発明の好ましいオリゴヌクレオチドは、5−メチルシトシン、5−メチルウラシル及び2,6−ジアミノプリンを含まない2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなる対応オリゴヌクレオチドと比較して許容される若しくは減少した免疫原性及び/又はよりよい生体内分布及び/又は許容される若しくは改善されたRNA結合動態及び/又は熱力学的特性などの改善されたパラメーターを有する。これらのパラメーターの各々は、当業者に知られている又は好ましくは本明細書に記載のアッセイを用いて評価され得る。
本発明のオリゴヌクレオチドの他の化学及び修飾は以下に定義される。これらの追加的化学及び修飾は、前記オリゴヌクレオチドについて既に定義されている化学、すなわち5−メチルシトシン、5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリンの存在と2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなるオリゴヌクレオチドとの組合せで存在する場合もある。
本発明の好ましいオリゴヌクレオチドは、RNA分子又は修飾RNA分子を含む又はからなる。好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは1本鎖である。しかし、当業者は、1本鎖オリゴヌクレオチドが内部2本鎖構造を形成する可能性があることを理解するであろう。しかし、本発明において、このオリゴヌクレオチドはなお1本鎖オリゴヌクレオチドと称される。1本鎖オリゴヌクレオチドは、2本鎖siRNAオリゴヌクレオチドと比較していくつかの有利点を有する:(i)その合成が2本の相補性siRNA鎖よりも簡単であると期待される;(ii)細胞での取り込み、より良い(生理学的)安定性を増強する及び潜在的な一般的有害作用を減少させることが可能な、より幅広い化学的修飾がある;(iii)siRNAは非特異的作用(オフターゲット遺伝子を含む)及び過剰な薬理(例えば、治療計画又は用量による有効性及び選択性のコントロール可能性の低さ)のより高い可能性を有する、並びに(iv)siRNAは核であまり作用せず、イントロンを対象とし得ない。
上述の修飾に加えて、本発明のオリゴヌクレオチドは、後述の種々の核酸ヌクレオチド残基又はヌクレオチドなどのさらなる修飾を含み得る。種々の核酸ヌクレオチド残基が、本発明のオリゴヌクレオチドを生成するために使用され得る。前記オリゴヌクレオチドは、RNAに基づくオリゴヌクレオチドと比較して少なくとも1つの骨格修飾(ヌクレオシド間連結及び/又は糖修飾)及び/又は少なくとも1つの塩基修飾を有し得る。
塩基修飾は、ヒポキサンチン(例えばイノシン)、オロト酸、アグマチジン、ライシジン、シュードウラシル(pseudouracil)、2−チオピリミジン(例えば、2−チオウラシル、2−チオチミン)、G−クランプ及びその誘導体、5置換ピリミジン(例えば、5−ハロウラシル、5−プロピニルウラシル、5−プロピニルシトシン、5−アミノメチルウラシル、5−ヒドロキシメチルウラシル、5−アミノメチルシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、スーパーT)、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、7−アザ−2,6−ジアミノプリン、8−アザ−7−デアザグアニン、8−アザ−7−デアザアデニン、8−アザ−7−デアザ−2,6−ジアミノプリン、スーパーG、スーパーA及びN4−エチルシトシン、又はこれらの誘導体;N2−シクロペンチルグアニン(cPent−G)、N2−シクロペンチル−2−アミノプリン(cPent−AP)及びN2−プロピル−2−アミノプリン(Pr−AP)、又はこれらの誘導体などの天然プリン及びピリミジン塩基(例えば、アデニン、ウラシル、グアニン、シトシン、チミン)の修飾バージョン;並びに2,6−ジフルオロトルエン又は脱塩基部位などの欠損塩基(例えば、1−デオキシリボース、1,2−ジデオキシリボース、1−デオキシ−2−O−メチルリボース;又は環酸素が窒素で置換されているピロリジン誘導体(アザリボース))などの縮重又はユニバーサル塩基を含む。スーパーA、スーパーG及びスーパーTの誘導体の例は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる米国特許第6683173号(Epoch Biosciences)に見出され得る。cPent−G、cPent−AP及びPr−APは、siRNAに組み込まれた場合に免疫賦活効果を低減することが示された(Peacock H.ら)。
一実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは脱塩基部位又は脱塩基モノマーを含む。本発明において、そのようなモノマーは脱塩基部位又は脱塩基モノマーと称されることもある。脱塩基モノマー又は脱塩基部位は、核酸塩基を含む対応ヌクレオチド残基と比較して核酸塩基を欠失しているヌクレオチド残基又は構成要素である。したがって、本発明において、脱塩基モノマーは、オリゴヌクレオチドの(核酸塩基を欠失している)構成要素部分である。そのような脱塩基モノマーは、オリゴヌクレオチドの遊離末端に存在又は連結又は結合又はコンジュゲートし得る。
さらに好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは1〜10個以上の脱塩基モノマーを含む。したがって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個以上の脱塩基モノマーが本発明のオリゴヌクレオチド中に存在し得る。
脱塩基モノマーは、当業者に知られ想定可能ないかなるタイプのものであってもよい。その非限定的な例を以下に示す。
式中、R1及びR2は独立にH、オリゴヌクレオチド又は他の脱塩基部位である(但し、R1及びR2の両方がHである場合並びにR1及びR2の両方がオリゴヌクレオチドである場合を除く)。脱塩基モノマーは、先に規定されたオリゴヌクレオチドの末端の一方又は両方に結合できる。1つ又は2つの脱塩基部位又は脱塩基モノマーに結合したオリゴヌクレオチドが12個未満のヌクレオチドを含み得ることに留意すべきである。この点に関して、本発明のオリゴヌクレオチドは少なくとも12ヌクレオチドを含み得る(任意選択で、1つ又は複数の脱塩基部位又は脱塩基モノマーをその末端の一方又は両方に含み得る)。
配列表において、脱塩基モノマーを含む本発明のオリゴヌクレオチドはそのヌクレオチド又は塩基配列によって表され得る。脱塩基モノマーは、それがオリゴヌクレオチドの遊離末端に連結又は結合又はコンジュゲートしていると考えられることから表されない。配列番号107及び108の塩基配列の場合がそうである。表2に、配列番号107又は108を含む好ましいオリゴヌクレオチドの全長配列が提供されている。そのようなオリゴヌクレオチドは、配列番号107又は108と、配列番号107又は108の3’末端での脱塩基モノマー4個と、を含む。配列番号220及び221は、オリゴヌクレオチドの3’末端に追加的脱塩基モノマー4個をさらに含む配列番号107及び108に対応する。
オリゴヌクレオチドの塩基配列内に脱塩基モノマーが存在する場合、該脱塩基モノマーは、配列番号210及び213のように、該オリゴヌクレオチドの配列の一部として配列表に示される。
表1及び2では、脱塩基モノマーは文字Qを用いて示されている。
本発明のオリゴヌクレオチドは、その長さに応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36個の塩基修飾を含み得る。前記オリゴヌクレオチド中に1つより多い異なる塩基修飾を導入することも本発明に包含される。
「糖修飾」は、二環性糖、テトラヒドロピラン、モルホリノ、2’−修飾糖、4’−修飾糖、5’−修飾糖、及び4’−置換糖などの、RNA中に天然に存在するリボシル部分(すなわちフラノシル部分)の修飾バージョンの存在を示す。好適な糖修飾の例は、これらに限定されないが、2’−O−アルキル又は2’−O−(置換)アルキル(例えば、2’−O−メチル、2’−O−(2−シアノエチル)、2’−O−(2−メトキシ)エチル(2’−MOE)、2’−O−(2−チオメチル)エチル、2’−O−ブチリル、2’−O−プロパルギル、2’−O−アリル、2’−O−(2−アミノ)プロピル、2’−O−(2−(ジメチルアミノ)プロピル)、2’−O−(2−アミノ)エチル、2’−O−(2−(ジメチルアミノ)エチル))、2’−デオキシ(DNA)、2’−O−(ハロアルコキシ)メチル(Arai K.ら)(例えば、2’−O−(2−クロロエトキシ)メチル(MCEM)、2’−O−(2,2−ジクロロエトキシ)メチル(DCEM))、2’−O−アルコキシカルボニル(例えば、2’−O−[2−(メトキシカルボニル)エチル](MOCE)、2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル](MCE)、2’−O−[2−(N,N−ジメチルカルバモイル)エチル](DCME))、2’−ハロ(例えば、2’−F、FANA(2’−Fアラビノシル核酸))などの2’−O−修飾RNAヌクレオチド残基;カルバ糖及びアザ糖修飾;3’−O−アルキル(例えば、3’−O−メチル、3’−O−ブチリル、3’−O−プロパルギル);5’−アルキル(例えば5’−メチル);及びそれらの誘導体を含む。
別の糖修飾は、「架橋」又は「二環」核酸(BNA)、例えば、ロックド核酸(LNA)、キシロ−LNA、α−L−LNA、β−D−LNA、cEt(2’−O,4’−C拘束(constrained)エチル)LNA、cMOEt(2’−O,4’−C拘束メトキシエチル)LNA、エチレン架橋核酸(ENA)、BNANC[N−Me](参照によりその全体が組み入れられるChem.Commun.2007, 3765に記載のもの)、トリシクロDNA(tcDNA)、アンロックド核酸(UNA)、5’−メチル置換BNA(参照によりその全体が組み入れられる米国特許出願第13/530218号に記載のもの)、シクロヘキセニル核酸(CeNA)、アリトリオール(altriol)核酸(ANA)、ヘキシトール核酸(HNA)、フッ化HNA(F−HNA)、ピラノシル−RNA(p−RNA)、3’−デオキシピラノシル−DNA(p−DNA)、モルホリノ(例えば、PMO、PMOPlus、PMO−X中のもの)、及びそれらの誘導体、好ましくは、ロックド核酸(LNA)、xylo−LNA、α−L−LNA、β−D−LNA、cEt(2’−O,4’−C拘束エチル)LNA、cMOEt(2’−O,4’−C拘束メトキシエチル)LNA、エチレン架橋核酸(ENA)、トリシクロDNA(tcDNA)、シクロヘキセニル核酸(CeNA)、アルトリオール(altriol)核酸(ANA)、ヘキシトール核酸(HNA)、フッ化HNA(F−HNA)、ピラノシル−RNA(p−RNA)、3’−デオキシピラノシル−DNA(p−DNA)、モルホリノ(例えば、PMO、PMOPlus、PMO−X中のもの)、及びそれらの誘導体を含む。好ましいtcDNAはtc−PS−DNA(ホスホロチオエートヌクレオシド間連結を含むトリシクロDNA)である。本発明のオリゴヌクレオチドは、その長さに応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36個の糖修飾を含み得る。前記オリゴヌクレオチド中に1つより多い異なる糖修飾を導入することも本発明に包含される。一実施形態では、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドはLNA又はその誘導体を含む又はからなる。BNA誘導体は、例えば、参照によりその全体が組み入れられる国際公開第2011/097641号に記載されている。さらに好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは完全に2’−O−メチル修飾される。PMO−Xの例は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる国際公開第2011150408号に記載されている。
好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌレオチドは、必須の2’−O−メチル糖修飾とは別に、2’−O−メチル、2’−O−(2−メトキシ)エチル、モルホリノ、架橋ヌクレオチド若しくはBNAから選択される少なくとも1つの他の糖修飾を含む、又はオリゴヌクレオチドは架橋ヌクレオチド及び2’−デオキシ修飾ヌクレオチドの両方を含む(BNA/DNAミクスマー(mixmer))。より好ましくは、本発明のオリゴヌレオチドは、2’−O−メチル、2’−O−(2−メトキシ)エチル、モルホリノ、架橋核酸(BNA)又はBNA/DNAミクスマーから選択される糖修飾でその全長にわたって修飾される。
より好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌレオチドは、完全に2’−O−メチル修飾、好ましくは完全に2’−O−メチルホスホロチオエート修飾されている。
「骨格修飾」は、上述のリボシル部分の修飾バージョン(「糖修飾」)の存在及び/又はRNA中に天然に存在するリン酸ジエステルの修飾バージョン(「ヌクレオシド間連結修飾」)の存在を示す。本発明に適合するヌクレオシド間連結修飾の例は、ホスホロチオエート(PS)、キラル的に純粋なホスホロチオエート、ホスホロジチオエート(PS2)、ホスホノ酢酸(PACE)、ホスホノアセトアミド(PACA)、チオホスホノ酢酸、チオホスホノアセトアミド、ホスホロチオエートプロドラッグ、H−ホスホネート、メチルホスホネート、メチルホスホノチオエート、メチルリン酸、メチルホスホロチオエート、エチルリン酸、エチルホスホロチオエート、ボラノリン酸、ボラノホスホロチオエート、メチルボラノリン酸、メチルボラノホスホロチオエート、メチルボラノホスホネート、メチルボラノホスホノチオエート、及びそれらの誘導体である。別の修飾は、ホスホラミダイト、ホスホラミデート、N3’→P5’ホスホラミデート、ホスホルジアミデート、ホスホロチオジアミデート、スルファミン酸、ジメチレンスルホキシド、スルホン酸、トリアゾール、オキサリル、カルバメート、メチレンイミノ(MMI)、チオアセトアミド核酸(TANA)、及びそれらの誘導体である。本発明のオリゴヌクレオチドは、その長さに応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34又は35個の骨格修飾を含み得る。前記オリゴヌクレオチド中に1つより多い異なる骨格修飾を導入することも本発明に包含される。
本発明のオリゴヌクレオチドは少なくとも1つのホスホロチオエート修飾を含む。より好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは完全にホスホロチオエート修飾される。
本発明のオリゴヌクレオチドの他の化学的修飾は、ペプチドベース核酸(PNA)、ホウ素クラスター修飾PNA、ピロリジンベースオキシペプチド核酸(POPNA)、グリコール又はグリセロールベース核酸(GNA)、トレオースベース核酸(TNA)、非環式トレオニノールベース核酸(aTNA)、モルホリノベースオリゴヌクレオチド(PMO、PPMO、PMO−X)、カチオニックモルホリノベースオリゴマー(PMOPlus)、統合塩基(integrated bases)及び骨格を有するオリゴヌクレオチド(ONIB)、ピロリジンアミドオリゴヌクレオチド(POM)、及びそれらの誘導体を含む。
別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ペプチド核酸及び/又はモルホリノホスホロジアミデート、又はその誘導体を含む。
したがって、本発明の一態様に係る好ましいオリゴヌレオチドは、
(a)5−メチルピリミジン及び2,6−ジアミノプリンから選択される少なくとも1つの塩基修飾、及び/又は
(b)2’−O−メチルである少なくとも1つの糖修飾、及び/又は
(c)ホスホロチオエートである少なくとも1つの骨格修飾
を含む。
したがって、本発明の本態様に係る好ましいオリゴヌクレオチドは、塩基修飾(a)を含み、糖修飾(b)を含まず、かつ骨格修飾(c)を含まない。本発明の本態様に係る別の好ましいオリゴヌクレオチドは、糖修飾(b)を含み、塩基修飾(a)を含まず、かつ骨格修飾(c)を含まない。本発明の本態様に係る別の好ましいオリゴヌクレオチドは、骨格修飾(c)を含み、塩基修飾(a)を含まず、かつ糖修飾(b)を含まない。また、上記修飾のいずれをも有しないオリゴヌクレオチドが、上述の2つ(すなわち(a)及び(b)、(a)及び(c)、及び/又は(b)及び(c))又は修飾(a)、(b)及び(c)の3つすべてを含むオリゴヌクレオチドと同様に本発明によって網羅されることは理解される。別の好ましい実施形態では、先のパラグラフに記載の任意のオリゴヌクレオチドは、
(a)2−チオウラシル、2−チオチミン、5−メチルシトシン、5−メチルウラシル、チミン、2,6−ジアミノプリンから選択される少なくとも1つの(追加的)塩基修飾、及び/又は
(b)2’−O−メチル、2’−O−(2−メトキシ)エチル、2’−デオキシ(DNA)、モルホリノ、架橋ヌクレオチド若しくはBNAから選択される少なくとも1つの(追加的)糖修飾、又はオリゴヌクレオチドは架橋ヌクレオチド及び2’−デオキシ修飾ヌクレオチドの両方を含む(BNA/DNAミクスマー)、及び/又は
(c)(別の)ホスホロチオエート若しくはホスホロジアミデート(phosphordiamidate)から選択される少なくとも1つの(追加的)骨格修飾
を含み得る。
別の好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌレオチドは、(a)塩基修飾の1つ、及び/又は(b)糖修飾の1つ、及び/又は(c)骨格修飾の1つから選択される1つ又は複数の同じ修飾でその全長にわたって修飾される。
核酸模倣技術の出現により、核酸それ自体と全体が同一である必要はなく、類似の、好ましくは同じハイブリダイゼーション特徴を有する分子を生成することが可能になった。そのような機能性等価物は、当然のことながら本発明における使用のためにも好適である。
当業者は、各糖、塩基及び/又は骨格が同様に修飾されない場合があることを理解している。いくつかの異なる修飾糖、塩基及び/又は骨格は、本発明の1つのオリゴヌクレオチド中に組み合わせられ得る。
当業者は、オリゴヌクレオチドの多数の合成誘導体があることも認識している。
RNA/RNA二重鎖が非常に安定であることから、前記オリゴヌクレオチドは好ましくはRNAを含む。好ましくは、RNAオリゴヌクレオチドは、例えば、エンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ及びRNaseHに対する耐性、追加的ハイブリダイゼーション強度、(例えば体液中での)安定性の増加、可動性の増加又は減少、活性の増加、毒性の低減、細胞内輸送の増加、組織特異性などの追加的特性を有するRNAを提供する修飾を含む。また、本発明のオリゴヌクレオチドと複合体化したmRNAは、好ましくはRNaseH切断に感受性ではない。好ましい修飾は上述の通りである。天然に存在するDNAヌクレオチドを少なくとも部分的に含有するオリゴヌクレオチドは、RNaseH活性(EC.3.1.26.4)による細胞でのDNA−RNAハイブリッド分子の分解を誘導するために有用である。
天然に存在するRNAリボヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドを含むRNA様合成リボヌクレオチドは、本明細書に包含され、センス−アンチセンス鎖対合を通じた標的RNA認識に続くRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)による標的RNA分解に関与する、RNA干渉又はサイレンシング(RNAi/siRNA)経路を通じた酵素依存アンチセンスとして作用する2本鎖RNA−RNAハイブリッドを形成する。
あるいは又はさらに、オリゴヌクレオチドは、RNA転写物の標的配列に結合し、スプライスドナー又はスプライスアクセプター部位の翻訳又は遮断などのプロセスを妨げることによって、前駆体RNA又はメッセンジャーRNAのプロセシング又は発現(立体遮断(steric blocking)、RNaseH非依存性プロセス)、特にRNAスプライシング及びエクソンスキッピング(これらに限定されない。)に干渉することができる。さらに、オリゴヌクレオチドは、立体障害によってタンパク質、核因子等の結合を阻害し、及び/又は標的RNAの真正の空間フォールディングに干渉し、及び/又は標的RNAに本来結合するタンパク質に自身を結合させ、及び/又は標的RNAに対して他の効果を有し、それにより、標的RNA、好ましくはmRNA前駆体の不安定化に寄与し、及び/又は後述のHD様疾患における疾患性又は毒性転写物及び/又はタンパク質の量の減少に寄与し得る。
本明細書において、オリゴヌクレオチドは、細胞内安定性を与える(RNaseH耐性)化学的置換をその5’又は3’末端の少なくとも1つに有するヌクレオチドを含み得、9個未満、より好ましくは6個未満の連続(RNaseH感受性)デオキシリボースヌクレオチドをその配列の他の部分に含む。配列の他の部分は、好ましくは配列の中央部である。そのようなオリゴヌクレオチドはギャップマーと称される。ギャップマーは、国際公開第2007/089611号に広範に記載されている。ギャップマーは、RNaseHの動員及び/又は活性化が可能となるように設計される。理論に制約されるものではないが、RNaseHは、デオキシリボースでできているギャップマーの中央領域への結合を介して動員及び/又は活性化されると考えられている。RNaseHに好ましくは実質的に非依存性である又は非依存性である本発明のオリゴヌクレオチドは、RNaseHを動員及び/又は活性化することが実質的にできない又はそうすることができない中央領域を有するように設計される。好ましい実施形態では、前記オリゴヌクレオチドの配列の他の部分、より好ましくは、その中央部分は、デオキシリボースを9、8、7、6、5、4、3、2、1個未満含む又はデオキシリボースを含まない。したがって、本発明のオリゴヌクレオチドは、好ましくは前述のように部分的ないし完全に置き換えられている。「部分的に置き換えられる」は、オリゴヌクレオチドが置き換えられている少なくともいくつかのヌクレオチドを含むことを意味し、好ましくは、そのヌクレオチドの少なくとも50%が置き換えられている、又は少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%若しくは95%が置き換えられている。ヌクレオチドの100%置き換えは「完全に置き換えられる」に対応する。
したがって、本発明は、2’−O−メチルホスホロチオエートRNA残基を含む又は2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、5−メチルピリミジン及び/又は2,6−ジアミノプリン塩基を含むオリゴヌクレオチドを提供する。このオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート骨格を通じて接続される2’−O−メチルRNA残基からなり、そのシトシンのすべて及び/又はそのウラシルのすべて及び/又はそのアデニンのすべてが、独立に5−メチルシトシン、5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリンによってそれぞれ置き換えられていることが最も好ましい。したがって、本発明のオリゴヌクレオチドは、
少なくとも1つ、好ましくはすべてのシトシンが5−メチルシトシンで置き換えられているもの、
少なくとも1つ、好ましくはすべてのシトシンが5−メチルシトシンで置き換えられており、かつ少なくとも1つ、好ましくはすべてのウラシルが5−メチルウラシルで置き換えられているもの、
少なくとも1つ、好ましくはすべてのシトシンが5−メチルシトシンで置き換えられており、かつ少なくとも1つ、好ましくはすべてのアデニンが2,6−ジアミノプリンで置き換えられているもの、
少なくとも1つ、好ましくはすべてのシトシンが5−メチルシトシンで置き換えられており、かつ少なくとも1つ、好ましくはすべてのウラシルが5−メチルウラシルで置き換えられており、かつ少なくとも1つ、好ましくはすべてのアデニンが2,6−ジアミノプリンで置き換えられているもの、
少なくとも1つ、好ましくはすべてのウラシルが5−メチルウラシルで置き換えられているもの、
少なくとも1つ、好ましくはすべてのウラシルが5−メチルウラシルで置き換えられており、かつ少なくとも1つ、好ましくはすべてのアデニンが2,6−ジアミノプリンで置き換えられているもの、又は
少なくとも1つ、好ましくはすべてのアデニンが2,6−ジアミノプリンで置き換えられているもの
であり得る。
本発明のオリゴヌクレオチドは、好ましくは本明細書に例示されているヒトcis−エレメントリピート不安定性関連遺伝性障害を予防する、遅延させる及び/又は治療するための薬物としての使用のためである。本明細書において、ヒトcis−エレメントリピート不安定性関連遺伝性障害は好ましくは神経筋障害である。好ましくは、前記オリゴヌクレオチドは治療用RNA調節における使用のためである。したがって、本発明のオリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)として記載され得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ヒトcisエレメントリピート不安定性関連遺伝性神経筋障害に関連する又は関与することが知られている遺伝子の転写物の特異的配列に、結合する(又は結合できる)、標的化する、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)及び/又は逆相補的であるオリゴヌクレオチドである。
本発明により、2’−O−メチルRNAヌクレオチド残基を含む又はからなり、少なくとも1つのリン酸部分がホスホロチオエート部分によって置き換えられている骨格を有し、5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリンの少なくとも1つをさらに含むアンチセンスオリゴヌクレオチドは、(CAG)n、(GCG)n、(CGG)n、(GAA)n、(GCC)n、(CCG)n、(AUUCU)n、(GGGGCC)n又は(CCUG)nから選択される反復ヌクレオチド単位を反復ヌクレオチド単位として有するRNA転写物中の反復エレメントに結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、標的化する及び/又は逆相補的である配列を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表される。前記オリゴヌクレオチドは、好ましくは1本鎖オリゴヌクレオチドである。
本発明のオリゴヌクレオチドが上述のRNA転写物中に存在する反復エレメントに結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、標的化する及び/又は逆相補的であることは理解されているが、そのようなオリゴヌクレオチドが、このRNA転写物が由来する対応DNAに干渉する又は結合する(又は結合できる)又はハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)こともあり得ることは除外できない。
本明細書において、リピート又は反復エレメント又は反復配列又は反復ストレッチは、ヒト対象を含む対象のゲノム中の転写された遺伝子配列における、トリヌクレオチド反復単位又は4、5若しくは6ヌクレオチド反復単位を含む反復単位又は反復ヌクレオチド単位又はリピートヌクレオチド単位の少なくとも3、4、5、10、100、1000回以上の反復(例えば、(CAG)n、(GCG)n、(CGG)n、(GAA)n、(GCC)n、(CCG)n、(AUUCU)n、(GGGGCC)n、(CCUG)n)と定義される。したがって、nは整数であり、少なくとも3、4、5、10、100、1000以上であり得る。本発明は、例示された反復ヌクレオチド単位に限定されない。他の反復ヌクレオチド単位は、http://neuromuscular.wustl.edu/mother/dnarep.htmに見出され得る。大部分の患者では、上述の「純粋な」リピート又は反復エレメント又は反復配列又は反復ストレッチ(例えば、(CAG)n、(GCG)n、(CGG)n、(GAA)n、(GCC)n、(CCG)n、(AUUCU)n、(GGGGCC)n、(CCUG)n)が、患者のゲノム中の転写された遺伝子配列中に存在する。しかし、いくらかの患者では、例えば、上述のリピート又は反復エレメント又は反復配列又は反復ストレッチ中に、該リピート又は反復エレメント又は反復配列又は反復ストレッチのヌクレオチドに適合しない少なくとも1、2又は3ヌクレオチドが存在する場合があり、そのような場合、該リピート又は反復エレメント又は反復配列又は反復ストレッチは「純粋」とはされない又は「変異」とされる(Braida C.ら)が、このことも本発明に包含される。
したがって、本発明のオリゴヌクレオチドは、標的化リピートに100%逆相補的である必要は必ずしもない。通常、本発明のオリゴヌクレオチドは、標的化リピートに少なくとも90%、95%、97%、99%又は100%逆相補的であり得る。
一実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなり、5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリンを含み、転写物中の(CAG)nトラクトに結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、標的化する及び/又は逆相補的である配列を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、HTT(配列番号80)、ATXN1(配列番号81)、ATXN2(配列番号82)、ATXN3(配列番号83)、CACNA1A(配列番号84)、ATXN7(配列番号85)、PPP2R2B(配列番号86)、TBP(配列番号87)、AR(配列番号88)又はATN1(配列番号89)遺伝子の転写物中のCAGリピート伸長によって生じるヒト遺伝性疾患ハンチントン病(HD)、1、2、3、6、7、12若しくは17型脊髄小脳失調症(SCA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、前頭側頭型認知症(FTD)、X連鎖性球脊髄性筋萎縮症(SBMA)及び/又は歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)の治療、遅延、寛解及び/又は予防のために特に有用である。これらの遺伝子は好ましくはヒト由来である。本実施形態では、オリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなり、5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリンを含み、上述の(CAG)nリピートに結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、標的化する及び/又は逆相補的である配列を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、反復ヌクレオチド単位として(CUG)mを有する。(CUG)m中のmは、好ましくは、4、5、6、7、8、9、10、11、12である整数である。好ましい実施形態では、mは5又は6又は7又は8又は9又は10又は11又は12である。
ALS及びFTDについて、少なくとも2つの異なる転写物中の少なくとも2つの異なるリピートが疾患に関与する、疾患の原因となる又は疾患に関連する可能性があることが知られていることに留意されたい。1つは、先のパラグラフにおいて同定されている(すなわち、ATXN2転写物中の(CAG)n)。別の1つは、C9ORF72転写物中の(GGGGCC)nリピート又はトラクトとして後に同定される。これは、これらの2つの疾患の各々に関して、本発明のこれらの2つの異なるオリゴヌクレオチドのいずれか1つを使用して、対応する(毒性)伸長リピート転写物の特異的分解を特異的に誘導することが想定され得ることを意味する。
本明細書全体を通じて、上述のリピートに逆相補的である、結合する(結合できる)、ハイブリダイズする(ハイブリダイズできる)又は標的化するものと特定され、反復ヌクレオチド単位を有する又は含むオリゴヌクレオチドは、12〜36ヌクレオチドを含む任意の長さを有し得る。前記オリゴヌクレオチド内に含まれる反復ヌクレオチド単位としてCUGを例に取ると、反復ヌクレオチド単位としてUGC又はGCUを含む任意のオリゴヌクレオチドも本発明に包含される。前記オリゴヌクレオチドの長さ(例えば12〜36ヌクレオチド)によっては、所与の反復ヌクレオチド単位は前記オリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’側で終結しなくてもよい。前記各オリゴヌクレオチドは本発明に包含される。
あるいは、反復ヌクレオチド単位としてCUGを有するオリゴヌクレオチドを例に取ると、それはH−(P)p−(CUG)m−(Q)q−H[式中、mは上で定義された整数である。]によって表され得る。P及びQの各存在は、個別に、上述の脱塩基モノマー又はA、C、G、U若しくはその類似体若しくは等価物などのヌクレオチドであり、p及びqはそれぞれ個別に整数、好ましくは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20若しくは100までの整数である。したがって、p及びqは、それぞれ個別に0〜100の整数、好ましくは0〜20の整数、より好ましくは0〜10、より好ましくは0〜6の、さらに好ましくは0〜3の整数である。したがって、pが0である場合、Pは存在せず、qが0である場合Qは存在しない。当業者は、オリゴヌクレオチド中に存在するヌクレオチドの量及び性質に関わらず、オリゴヌクレオチドが常に水素原子(H)で開始し、終結することを理解する。
本明細書において、(CUG)mは、本発明の範囲内の任意の反復ヌクレオチド単位によって置き換えられ得ることは理解される。したがって、本発明の好ましいオリゴヌクレオチドは、H−(P)p−(R)r−(Q)q−H[式中、(R)rは、本発明の範囲内の反復ヌクレオチド単位であり、P、Q、p及びqは上で定義された通りである。]によって表され得る。
本発明において、ヌクレオチドの「類似体」又は「等価物」は、A、C、G及びUなどのRNA中に天然に存在するヌクレオチドに関して少なくとも1つの修飾を含むヌクレオチドとして理解される。そのような修飾は、上で説明及び例示されたように、ヌクレオシド間連結修飾及び/又は糖修飾及び/又は塩基修飾であり得る。
再び、反復ヌクレオチド単位としてCUGを有するオリゴヌクレオチドを取る場合、反復配列がC、U又はGのいずれかで開始できることは理解される。したがって、好ましい実施形態では、pは0ではなく、(P)pは、(P’)p’UG又は(P’)p”G[式中、P’は各々個別に脱塩基部位又はヌクレオチド(例えば、A、C、G、U、又はその類似体若しくは等価物)であり、p’はp−2であり、p”はp−1である。]によって表される。そのようなオリゴヌクレオチドは、
H−(P’)p’UG−(CUG)m−(Q)q−H、又は
H−(P’)p”G−(CUG)m−(Q)q−H
として表され得る。
同様に好ましい実施形態では、qは0ではなく、(Q)qは、CU(Q’)q’又はC(Q’)q”[式中、Q’は各々個別に脱塩基部位又はヌクレオチド(例えば、A、C、G、U、又はその類似体若しくは等価物)であり、q’はq−2であり、q”はq−1である。]によって表される。そのようなオリゴヌクレオチドは、
H−(P)p−(CUG)m−CU(Q’)q’−H、又は
H−(P)p−(CUG)m−C(Q’)q”−H
として表され得る。
別の好ましい実施形態では、p及びqの両方が0ではなく、(P)p及び(Q)qの両方が(P’)p’UG又は(P’)p”G及びCU(Q’)q’又はC(Q’)q”[式中、P’、Q’、p’、p”、q’及びq”は上で定義された通りである。]でそれぞれ表される。そのようなオリゴヌクレオチドは、
H−(P’)p’UG−(CUG)m−CU(Q’)q’−H、
H−(P’)p”G−(CUG)m−CU(Q’)q’−H、
H−(P’)p’UG−(CUG)m−C(Q’)q”−H、又は
H−(P’)p”G−(CUG)m−C(Q’)q”−H
として表され得る。
p’、p”、q’及びq”が負の整数でなくてもよいことは理解される。したがって、(P)pが(P’)p’UG又は(P’)p”Gによって表される場合、pは、それぞれ少なくとも1又は少なくとも2であり、(Q)qがCU(Q’)q’又はC(Q’)q”によって表される場合、qは、それぞれ少なくとも1又は少なくとも2である。
CUGリピート単位に関して本明細書で述べたすべてのことが本発明の範囲内の任意のリピート単位に拡張され得ることは理解される。
好ましい実施形態では、(CAG)nリピートに逆相補的である、結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)又は標的化するものと特定されるオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XYG)m[式中、各XはC又は5−メチルシトシン、各YはU又は5−メチルウラシルである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシン、及び/又は少なくとも1つのYは5−メチルウラシルである。mは整数である。]を含む又はからなり、12〜36ヌクレオチドの長さを有する。本実施形態において、mは4、5、6、7、8、9、10、11、12であり得る。mの好ましい値は7である。
したがって、より好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XYG)m[式中、各XはC又は5−メチルシトシン、各YはU又は5−メチルウラシルである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシン、及び/又は少なくとも1つのYは5−メチルウラシルである。mは整数4〜12の整数である。](配列番号2〜12)を含む又はからなる。
さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XYG)m[式中、各Xは5−メチルシトシン、及び/又は各Yは5−メチルウラシルである。mは4〜12の整数である。](配列番号2〜12)を含む又はからなる。
したがって、さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XYG)5、(XYG)6又は(XYG)7、(XYG)8又は(XYG)9[式中、各XはC又は5−メチルシトシン、各YはU又は5−メチルウラシルである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシン、及び/又は少なくとも1つのYは5−メチルウラシルである。]を含む又はからなる。より好ましいのは、(XYG)7[式中、各XはC又は5−メチルシトシン、各YはU又は5−メチルウラシルである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシン、及び/又は少なくとも1つのYは5−メチルウラシルである。](配列番号7)を含む又はからなるオリゴヌクレオチドである。
さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XYG)7[式中、各Xは5−メチルシトシン、各Yはウラシルである(配列番号2)、又は各Xはシトシン、各Yは5−メチルウラシルである(配列番号3)。]を含む又はからなる。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号2又は3を含み、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30ヌクレオチドの長さを有する。
反復ヌクレオチド単位(XYG)mを含む又はからなる最も好ましいオリゴヌクレオチド配列は、配列番号90〜118として表2に記載されている。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号90〜106の塩基配列の1つを含み、21〜36ヌクレオチド、より好ましくは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号90〜106の塩基配列の1つを含み、21〜36ヌクレオチド、より好ましくは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号90〜106の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、21ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号107又は108の塩基配列の1つを含み、21〜36ヌクレオチド、より好ましくは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号107又は108の塩基配列の1つを含み、21〜36ヌクレオチド、より好ましくは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号107又は108の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、21ヌクレオチドの長さを有する。
最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号107又は108の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、21ヌクレオチドの長さを有し、その末端の一方、好ましくは3’末端に脱塩基モノマー4個を追加的に含む。前記最も好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号220又は221からなる塩基配列によって表される。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号109又は110の塩基配列の1つを含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号109又は110の塩基配列の1つを含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号109又は110の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、24ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号111又は112の塩基配列の1つを含み、27〜36ヌクレオチド、より好ましくは27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号111又は112の塩基配列の1つを含み、27〜36ヌクレオチド、より好ましくは27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号111又は112の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、27ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号113又は114の塩基配列の1つを含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号113又は114の塩基配列の1つを含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号113又は114の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、30ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号115又は116の塩基配列の1つを含み、33〜36ヌクレオチド、より好ましくは33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号115又は116の塩基配列の1つを含み、33〜36ヌクレオチド、より好ましくは33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号115又は116の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、33ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号117又は118の塩基配列の1つを含み、36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり配列番号117又は118の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、36ヌクレオチドの長さを有する。
別の実施形態では、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなり、5−メチルシトシンを含むアンチセンスオリゴヌクレオチドは、転写物中の(GCG)nリピートに結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、標的化する及び/又は逆相補的である配列を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ヒト遺伝性疾患:ARX、CBFA1、FOXL2、HOXA13、HOXD13、OPDM/PABP2、TCFBR1又はZIC2遺伝子におけるリピート伸長によって生じる、乳児痙攣症候群、鎖骨頭蓋異形成症(deidocranial dysplasia)、瞼裂狭小、手足生殖器病(hand−foot−genital disease)、合多指症、眼咽頭型筋ジストロフィー及び/又は全前脳症の治療、遅延、寛解及び/又は予防のために特に有用である。これらの遺伝子は好ましくはヒト由来である。
好ましい実施形態では、(GCG)nリピートに逆相補的である、結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、標的化するものと特定されるオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XGX)m[式中、各XはC又は5−メチルシトシンである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシンである。mは整数である。]を含む又はからなり、12〜36ヌクレオチドの長さを有する。本実施形態において、mは4、5、6、7、8、9、10、11、12であり得る。mの好ましい値は7である。
したがって、より好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XGX)m[式中、少なくとも1つのXは5−メチルシトシンである。mは4〜12の整数である。](配列番号13〜21)を含む又はからなる。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XGX)m[式中、各Xは5−メチルシトシンである。mは4〜12の整数である。](配列番号13〜21)を含む又はからなる。
したがって、さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XGX)7[式中、少なくとも1つのXは5−メチルシトシンである。](配列番号16)を含む又はからなる。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XGX)7[式中、各Xは5−メチルシトシンである。](配列番号16)を含む又はからなる。
反復ヌクレオチド単位(XGX)mを含む又はからなる最も好ましいオリゴヌクレオチド配列は、配列番号119〜132として表2に記載されている。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号119又は120の塩基配列の1つを含み、12〜36ヌクレオチド、より好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号119又は120の塩基配列の1つを含み、16〜36ヌクレオチド、より好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号119又は120の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、12ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号121又は122の塩基配列の1つを含み、15〜36ヌクレオチド、より好ましくは15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号90〜106の塩基配列の1つを含み、15〜36ヌクレオチド、より好ましくは15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号121又は122の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、15ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号123又は124の塩基配列の1つを含み、18〜36ヌクレオチド、より好ましくは18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号123又は124の塩基配列の1つを含み、18〜36ヌクレオチド、より好ましくは18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号123又は124の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、18ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号125又は126の塩基配列の1つを含み、21〜36ヌクレオチド、より好ましくは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号125又は126の塩基配列の1つを含み、21〜36ヌクレオチド、より好ましくは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号125又は126の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、21ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号127又は128の塩基配列の1つを含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号127又は128の塩基配列の1つを含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号127又は128の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、24ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号129又は130の塩基配列の1つを含み、27〜36ヌクレオチド、より好ましくは27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号129又は130の塩基配列の1つを含み、27〜36ヌクレオチド、より好ましくは27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号129又は130の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、27ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号131又は132の塩基配列の1つを含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号131又は132の塩基配列の1つを含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号131又は132の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、30ヌクレオチドの長さを有する。
別の実施形態では、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなり、5−メチルシトシンを含むオリゴヌクレオチドは、転写物中の(CGG)nリピートに結合する(又は結合できる)、標的化する、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)及び/又は逆相補的である配列を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、FMR1遺伝子中のリピート伸長によって生じるヒト脆弱X症候群の治療、遅延、寛解及び/又は予防のために特に有用である。これらの遺伝子は好ましくはヒト由来である。
好ましい実施形態では、(CGG)nリピートに逆相補的である、結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)又は標的化するものと特定されるオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XXG)m[式中、各XはC又は5−メチルシトシンである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシンである。]を含む又はからなり、12〜36ヌクレオチドの長さを有する。
mは整数である。本実施形態において、mは4、5、6、7、8、9、10、11、12であり得る。mの好ましい値は7である。
したがって、より好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XXG)m[式中、各XはC又は5−メチルシトシンである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシンである。mは4〜12の整数である。](配列番号22〜30)を含む又はからなる。
さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XXG)m[式中、各Xは5−メチルシトシンである。mは4〜12の整数である。](配列番号22〜30)を含む又はからなる。
したがって、さらに好ましいオリゴヌクレチドは、反復ヌクレオチド単位(XXG)7[式中、各XはC又は5−メチルシトシンである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシンである。](配列番号25)を含む又はからなる。
さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XXG)7[式中、各Xは5−メチルシトシンである。](配列番号25)を含む又はからなる。
反復ヌクレオチド単位(XXG)mを含む又はからなる最も好ましいオリゴヌクレオチド配列は、配列番号133〜146として表2に記載されている。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号133又は134の塩基配列の1つを含み、12〜36ヌクレオチド、より好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号133又は134の塩基配列の1つを含み、12〜36ヌクレオチド、より好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号133又は134の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、12ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号135又は136の塩基配列の1つを含み、15〜36ヌクレオチド、より好ましくは15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号135又は136の塩基配列の1つを含み、15〜36ヌクレオチド、より好ましくは15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号135又は136の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、15ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号137又は138の塩基配列の1つを含み、18〜36ヌクレオチド、より好ましくは18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号137又は138の塩基配列の1つを含み、18〜36ヌクレオチド、より好ましくは18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号137又は138の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、18ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号139又は140の塩基配列の1つを含み、21〜36ヌクレオチド、より好ましくは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号139又は140の塩基配列の1つを含み、21〜36ヌクレオチド、より好ましくは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号139又は140の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、21ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号141又は142の塩基配列の1つを含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号141又は142の塩基配列の1つを含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号141又は142の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、24ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号143又は144の塩基配列の1つを含み、27〜36ヌクレオチド、より好ましくは27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号143又は144の塩基配列の1つを含み、27〜36ヌクレオチド、より好ましくは27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、塩基番号143又は144の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、27ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号145又は146の塩基配列の1つを含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号145又は146の塩基配列の1つを含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号145又は146の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、30ヌクレオチドの長さを有する。
別の実施形態では、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなり、5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシルを含むオリゴヌクレオチドは、転写物中の(GAA)nリピートに結合する(又は結合できる)、標的化する、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)及び/又は逆相補的である配列を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ヒト遺伝性障害フリードライヒ失調症の治療、遅延及び/又は予防のために特に有用である。
好ましい実施形態では、(GAA)nリピートに逆相補的である、結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)又は標的化するものと特定されるオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(YYX)m[式中、各XはC又は5−メチルシトシン、各YはU又は5−メチルウラシルである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシン、及び/又は少なくとも1つのYは5−メチルウラシルである。]を含む又はからなり、12〜36ヌクレオチドの長さを有する。
mは整数である。本実施形態において、mは4、5、6、7、8、9、10、11、12であり得る。mの好ましい値は7である。
したがって、より好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(YYX)m[式中、各XはC又は5−メチルシトシン、各YはU又は5−メチルウラシルである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシン、及び/又は少なくとも1つのYは5−メチルウラシルである。mは4〜12の整数である。](配列番号31〜39)を含む又はからなる。
さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(YYX)m[式中、各Xは5−メチルシトシン、及び/又は各Yは5−メチルウラシルである。mは4〜12の整数である。](配列番号31〜39)を含む又はからなる。
したがって、さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(YYX)7[式中、各XはC又は5−メチルシトシン、各YはU又は5−メチルウラシルである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシン、及び/又は少なくとも1つのYは5−メチルウラシルである。](配列番号34)を含む又はからなる。
さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(YYX)7[式中、各Xは5−メチルシトシン、及び/又は各Yは5−メチルウラシルである。](配列番号34)を含む又はからなる。
反復ヌクレオチド単位(XYG)mを含む又はからなる最も好ましいオリゴヌクレオチド配列は、配列番号147〜167として表2に記載されている。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号147又は148の塩基配列の1つを含み、12〜36ヌクレオチド、より好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号147又は148の塩基配列の1つを含み、12〜36ヌクレオチド、より好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号147又は148の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、12ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号149又は150の塩基配列の1つを含み、15〜36ヌクレオチド、より好ましくは15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号149又は150の塩基配列の1つを含み、15〜36ヌクレオチド、より好ましくは15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号149又は150の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、15ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号151又は152の塩基配列の1つを含み、18〜36ヌクレオチド、より好ましくは18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号151又は152の塩基配列の1つを含み、18〜36ヌクレオチド、より好ましくは18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号151又は152の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、18ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号153〜157の塩基配列の1つを含み、21〜36ヌクレオチド、より好ましくは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号153〜157の塩基配列の1つを含み、21〜36ヌクレオチド、より好ましくは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号153〜157の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、21ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号158又は159の塩基配列の1つを含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号158又は159の塩基配列の1つを含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号158又は159の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、24ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号160又は161の塩基配列の1つを含み、27〜36ヌクレオチド、より好ましくは27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号160又は161の塩基配列の1つを含み、27〜36ヌクレオチド、より好ましくは27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号160又は161の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、27ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号162又は163の塩基配列の1つを含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号162又は163の塩基配列の1つを含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号162又は163の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、30ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号164又は165の塩基配列の1つを含み、33〜36ヌクレオチド、より好ましくは33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号164又は165の塩基配列の1つを含み、33〜36ヌクレオチド、より好ましくは33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号164又は165の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、33ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号166又は167の塩基配列の1つを含み、36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号166又は167の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、36ヌクレオチドの長さを有する。
別の実施形態では、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなり、5−メチルシトシンを含むアンチセンスオリゴヌクレオチドは転写物中の(CCG)n又は(GCC)nリピートに結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、標的化する及び/又は逆相補的である配列を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、FMR2遺伝子中のリピート伸長によって生じるヒト遺伝性障害脆弱XE精神遅滞の治療、遅延、寛解及び/又は予防のために特に有用である。これらの遺伝子は好ましくはヒト由来である。
好ましい実施形態では、(CCG)nリピートに逆相補的である、結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)又は標的化するものと特定されるオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XGG)m又は(GGX)m[式中、各XはC又は5−メチルシトシンである。mは整数である。]を含む又はからなり、12〜36ヌクレオチドの長さを有する。本実施形態において、mは4、5、6、7、8、9、10、11、12であり得る。mの好ましい値は7である。
したがって、より好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XGG)m又は(GGX)m[式中、各XはC又は5−メチルシトシンである。mは4〜12の整数である。](配列番号49〜57又は配列番号40〜48)を含む又はからなる。
さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XGG)m又は(GGX)m[式中、各Xは5−メチルシトシンである。mは4〜12の整数である。](配列番号49〜57又は配列番号40〜48)を含む又はからなる。
したがって、さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XGG)7又は(GGX)7[式中、各XはC又は5−メチルシトシンである。](配列番号52又は配列番号43)を含む又はからなる。
さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XGG)7又は(GGX)7[式中、各Xは5−メチルシトシンである。](配列番号52又は配列番号43)を含む又はからなる。
反復ヌクレオチド単位(GGX)mを含む又はからなる最も好ましいオリゴヌクレオチド配列は、配列番号168〜177として表2に記載されている。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号168の塩基配列を含み、12〜36ヌクレオチド、より好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号168の塩基配列を含み、12〜36ヌクレオチド、より好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号168の塩基配列からなる塩基配列を有し、12ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号169の塩基配列を含み、15〜36ヌクレオチド、より好ましくは15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号169の塩基配列を含み、15〜36ヌクレオチド、より好ましくは15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号169の塩基配列からなる塩基配列を有し、15ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号170の塩基配列を含み、18〜36ヌクレオチド、より好ましくは18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号170の塩基配列を含み、18〜36ヌクレオチド、より好ましくは18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号170の塩基配列からなる塩基配列を有し、18ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号171〜174の塩基配列の1つを含み、12〜36ヌクレオチド、より好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号171〜174の塩基配列の1つを含み、21〜36ヌクレオチド、より好ましくは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号171〜174の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、21ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号175の塩基配列を含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号175の塩基配列を含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号175の塩基配列からなる塩基配列を有し、24ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号176の塩基配列を含み、27〜36ヌクレオチド、より好ましくは27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号176の塩基配列を含み、27〜36ヌクレオチド、より好ましくは27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号176の塩基配列からなる塩基配列を有し、27ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号177の塩基配列を含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号177の塩基配列を含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号177の塩基配列からなる塩基配列を有し、30ヌクレオチドの長さを有する。
反復ヌクレオチド単位(XGG)mを含む又はからなる最も好ましいオリゴヌクレオチド配列は、配列番号178〜184として表2に記載されている。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号178の塩基配列を含み、12〜36ヌクレオチド、より好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号178の塩基配列を含み、12〜36ヌクレオチド、より好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号178の塩基配列からなる塩基配列を有し、12ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号179の塩基配列を含み、15〜36ヌクレオチド、より好ましくは15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号179の塩基配列を含み、15〜36ヌクレオチド、より好ましくは15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号179の塩基配列からなる塩基配列を有し、15ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号180の塩基配列を含み、18〜36ヌクレオチド、より好ましくは18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号180の塩基配列を含み、18〜36ヌクレオチド、より好ましくは18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号180の塩基配列からなる塩基配列を有し、18ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号181の塩基配列を含み、21〜36ヌクレオチド、より好ましくは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号181の塩基配列を含み、21〜36ヌクレオチド、より好ましくは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号181の塩基配列からなる塩基配列を有し、21ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号182の塩基配列を含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号182の塩基配列を含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号182の塩基配列からなる塩基配列を有し、24ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号183の塩基配列を含み、27〜36ヌクレオチド、より好ましくは27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号183の塩基配列を含み、27〜36ヌクレオチド、より好ましくは27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号183の塩基配列からなる塩基配列を有し、27ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号184の塩基配列を含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号184の塩基配列を含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号184の塩基配列からなる塩基配列を有し、30ヌクレオチドの長さを有する。
別の実施形態では、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなり、5−メチルシトシン及び/又は2,6−ジアミノプリンを含むオリゴヌクレオチドは、転写物中の(CCUG)nリピートに結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、標的化する及び/又は逆相補的である配列を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、DM2/ZNF9遺伝子中のリピート伸長によって生じるヒト遺伝性障害2型筋緊張性ジストロフィー(DM2)の治療、遅延及び/又は予防のために特に有用である。これらの遺伝子は好ましくはヒト由来である。
好ましい実施形態では、(CCUG)nリピートに逆相補的である、結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)又は標的化するものと特定されるオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XZGG)m[式中、各XはC又は5−メチルシトシン、各ZはA又は2,6−ジアミノプリンである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシン、及び/又は少なくとも1つのZは2,6−ジアミノプリンである。]を含む又はからなり、12〜36ヌクレオチドの長さを有する。
mは整数である。本実施形態において、mは3、4、5、6、7、8、9であり得る。mの好ましい値は5である。
したがって、より好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XZGG)m[式中、各XはC又は5−メチルシトシン、各ZはA又は2,6−ジアミノプリンである。少なくとも1つのXは5メチル−シトシン、及び/又は少なくとも1つのAは2,6−ジアミノプリンである。mは3〜9の整数である。](配列番号63〜69)を含む又はからなる。
さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XZGG)m[式中、各Xは5−メチルシトシン、及び/又は各Zは2,6−ジアミノプリンである。mは3〜9の整数である。](配列番号63〜69)を含む又はからなる。
したがって、さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XZGG)5[式中、各XはC又は5−メチルシトシン、各ZはA又は2,6−ジアミノプリンである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシン、及び/又は少なくとも1つのZは2,6−ジアミノプリンである。](配列番号65)を含む又はからなる。
さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(XZGG)5[式中、各Xは5−メチル−シトシン、及び/又は各Zは2,6−ジアミノプリンである。](配列番号65)を含む又はからなる。
反復ヌクレオチド単位(XZGG)mを含む又はからなる最も好ましいオリゴヌクレオチド配列は、配列番号193〜208として表2に記載されている。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号193又は194の塩基配列の1つを含み、12〜36ヌクレオチド、より好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号193又は194の塩基配列の1つを含み、12〜36ヌクレオチド、より好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号193又は194の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、12ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号195又は196の塩基配列の1つを含み、16〜36ヌクレオチド、より好ましくは16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号195又は196の塩基配列の1つを含み、16〜36ヌクレオチド、より好ましくは16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号195又は196の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、16ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号197〜200の塩基配列の1つを含み、20〜36ヌクレオチド、より好ましくは20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号197〜200の塩基配列の1つを含み、20〜36ヌクレオチド、より好ましくは20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号197〜200の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、20ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号201又は202の塩基配列の1つを含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号201又は202の塩基配列の1つを含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号201又は202の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、24ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号203又は204の塩基配列の1つを含み、28〜36ヌクレオチド、より好ましくは28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号203又は204の塩基配列の1つを含み、28〜36ヌクレオチド、より好ましくは28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号203又は204の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、28ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号205又は206の塩基配列の1つを含み、32〜36ヌクレオチド、より好ましくは32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号205又は206の塩基配列の1つを含み、32〜36ヌクレオチド、より好ましくは32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号205又は206の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、32ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号207又は208の塩基配列の1つを含み、36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号207又は208の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、36ヌクレオチドの長さを有する。
別の実施形態では、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなり、5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリンを含むオリゴヌクレオチドは、イントロン中の(AUUCU)nリピートに結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、標的化する及び/又は逆相補的である配列を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、10型ヒト遺伝性障害脊髄小脳失調症(SCA10)の治療、遅延、寛解及び/又は予防のために特に有用である。この遺伝子は好ましくはヒト由来である。
好ましい実施形態では、(AUUCU)nリピートに逆相補的である、結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)又は標的化するものと特定されるオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(ZGZZY)m[式中、各YはU又は5−メチルウラシル、各ZはA又は2,6−ジアミノプリンである。少なくとも1つのYは5−メチルウラシル、及び/又は少なくとも1つのZは2,6−ジアミノプリンである。]を含む又はからなり、12〜36ヌクレオチドの長さを有する。
mは整数である。本実施形態において、mは3、4、5、6、7であり得る。mの好ましい値は4である。
したがって、より好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(ZGZZY)m[式中、各YはU又は5−メチルウラシル、各ZはA又は2,6−ジアミノプリンである。少なくとも1つのYは5−メチルウラシル、及び/又は少なくとも1つのZは2,6−ジアミノプリンである。mは3〜7の整数である。](配列番号58〜62)を含む又はからなる。
さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(ZGZZY)m[式中、各Yは5−メチルウラシル、及び/又は各Zは2,6−ジアミノプリンである。mは3〜7の整数である。](配列番号58〜62)を含む又はからなる。
したがって、さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(ZGZZY)4[式中、各YはC又は5−メチルウラシル、各ZはA又は2,6−ジアミノプリンである。少なくとも1つのYは5−メチルウラシル、及び/又は少なくとも1つのZは2,6−ジアミノプリンである。](配列番号59)を含む又はからなる。
さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(ZGZZY)4[式中、各Yは5−メチルウラシル、及び/又は各Zは2,6−ジアミノプリンである。](配列番号59)を含む又はからなる。
反復ヌクレオチド単位(ZGZZY)mを含む又はからなる最も好ましいオリゴヌクレオチド配列は、配列番号185〜192として表2に記載されている。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号185の塩基配列を含み、15〜36ヌクレオチド、より好ましくは15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号185の塩基配列を含み、15〜36ヌクレオチド、より好ましくは15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号185の塩基配列からなる塩基配列を有し、15ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号186〜189の塩基配列の1つを含み、20〜36ヌクレオチド、より好ましくは20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号186〜189の塩基配列の1つを含み、20〜36ヌクレオチド、より好ましくは20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号186〜189の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、20ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号190の塩基配列を含み、25〜36ヌクレオチド、より好ましくは25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号190の塩基配列を含み、25〜36ヌクレオチド、より好ましくは25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号190の塩基配列からなる塩基配列を有し、25ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号191の塩基配列を含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号191の塩基配列を含み、30〜36ヌクレオチド、より好ましくは30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号191の塩基配列からなる塩基配列を有し、30ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号192の塩基配列を含み、35〜36ヌクレオチド、より好ましくは35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号192の塩基配列を含み、35〜36ヌクレオチド、より好ましくは35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号192の塩基配列からなる塩基配列を有し、35ヌクレオチドの長さを有する。
別の実施形態では、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなり、5−メチルシトシン及び/又は脱塩基モノマー及び/又はイノシンを含むオリゴヌクレオチドは、C9ORF72ヒト転写物中に存在する(GGGGCC)nリピートに結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、標的化する及び/又は逆相補的である配列を含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、ヒト遺伝性障害筋萎縮性側索硬化症(amylotrophic lateral sclerosis)(ALS)又は前頭側頭型認知症(FTD)の治療、遅延、寛解及び/又は予防のために特に有用である。これらの遺伝子は好ましくはヒト由来である。
好ましい実施形態では、(GGGGCC)nリピートに逆相補的である、結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)又は標的化するものと特定されるオリゴヌクレオチドは、反復ヌクレオチド単位(GGXUXX)m、(GGXQXX)m、(GGXIXX)m又は(GGCCUC)m[式中、各XはC又は5−メチルシトシン、各Qは脱塩基モノマー、各Iはイノシンである。少なくとも1つのXは5−メチルシトシンである。mは整数である。]を含む又はからなり、17〜36ヌクレオチドの長さを有する。本実施形態において、mは3、4、5、6、7であり得る。mの好ましい値は3又は4である。
より好ましくは、前記オリゴヌクレオチドは、表1に記載の反復ヌクレオチド単位配列番号216〜219を含む又はからなる。反復ヌクレオチド単位(GGXUXX)m、(GGXQXX)m、(GGXIXX)m又は(GGCCUC)mを含む又はからなるさらに好ましいオリゴヌクレオチド配列は、配列番号209〜215として表2に記載されている。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号209又は211の塩基配列の1つを含み、17〜36ヌクレオチド、より好ましくは17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号209又は211の塩基配列の1つを含み、17〜36ヌクレオチド、より好ましくは17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号209又は211の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、17又は18ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号210の塩基配列を含み、18〜36ヌクレオチド、より好ましくは18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号210の塩基配列を含み、18〜36ヌクレオチド、より好ましくは18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号210の塩基配列からなる塩基配列を有し、18ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号212又は215の塩基配列の1つを含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号212又は215の塩基配列の1つを含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号212又は215の塩基配列の1つからなる塩基配列を有し、24ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号213の塩基配列を含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号213の塩基配列を含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号213の塩基配列からなる塩基配列を有し、24ヌクレオチドの長さを有する。
2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなる好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号214の塩基配列を含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。さらに好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号214の塩基配列を含み、24〜36ヌクレオチド、より好ましくは24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましいオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAからなり、配列番号214の塩基配列からなる塩基配列を有し、24ヌクレオチドの長さを有する。
一実施形態では、オリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを好ましくは含む又はからなり、5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリン塩基を含み、少なくとも12〜36連続ヌクレオチドを含む又はからなるヌクレオチド配列によって表され、該オリゴヌクレオチドは、前述のリピートを標的化する、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、結合する(又は結合できる)及び/又は逆相補的である。より好ましくは、前記ヌクレオチド配列は、少なくとも12〜36ヌクレオチド、さらに好ましくは15〜24、最も好ましくは20若しくは21ヌクレオチドを含む又はからなる。前記オリゴヌクレオチドの長さは、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36ヌクレオチドであり得る。前記オリゴヌクレオチドは、転写物のコード領域中のリピートに、好ましくはポリグルタミン(CAG)nコードトラクトに逆相補的である及び/又はハイブリダイズ可能である及び/又は標的化可能である及び/又は結合可能であり得る。また、前記オリゴヌクレオチドは、前駆体RNA分子中に存在する非コード領域、例えば5’又は3’非翻訳領域又はイントロン配列に逆相補的である及び/又はハイブリダイズ可能である及び/又は標的化可能である及び/又は結合可能であり得る。
本発明において、表現「可能である」は「(することが)できる」に置き換えられ得る。
第二の態様において、本発明は、1つ又は複数の脱塩基部位を一方又は両方の末端に含むオリゴヌクレオチドに関する。好ましくは1〜10個、より好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9又は10個、最も好ましくは4個の脱塩基部位がオリゴヌクレオチドの末端の一方又は両方に存在する。1つ又は複数の脱塩基部位は、オリゴヌクレオチドの遊離末端(5’及び3’)の両方に又は一方のみに存在し得る。本発明の本態様に係るオリゴヌクレオチドは、上述の(CAG)n、(GCG)n、(CGG)n、(GAA)n、(GCC)n、(CCG)n、(AUUCU)n、(GGGGCC)n又は(CCUG)nから選択されるRNA転写物中の反復エレメントに結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、標的化する及び/又は逆相補的である配列を含む又はからなるヌクレオチド又は塩基配列によって好ましくは表される。前記オリゴヌクレオチドは、好ましくは1本鎖オリゴヌクレオチドであり、場合により5−メチル−C、5−メチル−U、2,6−ジアミノプリン、2’−O−メチル、ホスホロチオエート及びそれらの組合せなどの1つ又は複数の塩基修飾、糖修飾及び/又は骨格修飾などの本明細書で議論した任意の修飾をさらに含み得る。本発明の本態様においてこれらの修飾が強制的ではないことは理解される。
一方又は両方の末端に1つ又は複数の脱塩基部位を含む本発明の本態様に係るオリゴヌクレオチドは、そのような脱塩基部位を含まないオリゴヌクレオチドよりも改善されたパラメーターを有する。ここで、第一の態様の本発明のオリゴヌクレオチドの改善されたパラメーターとの関連で本明細書中に先に説明したように、パラメーターは、前記オリゴヌクレオチドの結合親和性及び/又は動態、サイレンシング活性、対立形質選択性、生物学的安定性、(組織内)分布、細胞取り込み及び/又は輸送、及び/又は免疫原性を含み得る。第一の態様のオリゴヌクレオチドの改善されたパラメーターに関して本明細書で提供される各アッセイ及び定義は、第二の態様のオリゴヌクレオチドにも保持される。
以下、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAを含む又はからなり、5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシル塩基を含み、(CUG)mを含むヌクレオチド又は塩基配列によって表され、したがって、(CAG)nに結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、標的化する及び/又は逆相補的であるオリゴヌクレオチドを例に取って本発明をさらに説明する。そのようなオリゴヌクレオチドに関して定義される同様のパラメーターは、本発明の範囲内に含まれ、本明細書に記載の他のリピートに結合する(又は結合できる)、ハイブリダイズする(又はハイブリダイズできる)、標的化する及び/又は逆相補的である他のオリゴヌクレオチドに関して当業者によって定義され得る。また、他の又は同様の症状は、本明細書に記載の他の疾患に関して当業者によって同定され得る。
好ましい実施形態では、本明細書で設計されるオリゴヌクレオチドは、このオリゴヌクレオチドがHTT、ATXN1、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、PPP2R2B、TBP、AR又はATN1遺伝子の疾患性アレルの(毒性)転写物の量を患者の細胞中、患者の組織中及び/又は患者において低減する又は減少させることができる場合、HTT(配列番号80)、ATXN1(配列番号81)、ATXN2(配列番号82)、ATXN3(配列番83)、CACNA1A(配列番号84)、ATXN7(配列番号85)、PPP2R2B(配列番号86)、TBP(配列番号87)、AR(配列番号88)、ATN1(配列番号89)遺伝子の転写物中のCAGリピート伸長によって生じるハンチントン病(HD)、1、2、3、6、7、12又は17型脊髄小脳失調症(SCA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、前頭側頭型認知症(FTD)、X連鎖性脊髄性筋萎縮症(SBMA)及び/又は歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)のようなヒト遺伝性障害を遅延及び/又は治癒及び/又は治療及び/又は予防及び/又は寛解させ得る。一実施形態では、前記HTT、ATXN1、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、PPP2R2B、TBP、AR又はATN1遺伝子はヒト遺伝子である。
HDの場合、伸長CAGリピート領域は患者のゲノム中のHTT遺伝子のエクソン1に存在する。本明細書において、伸長CAGリピート領域は、HTT遺伝子の転写配列において、CAGトリヌクレオチドを含む38〜180反復単位の連続反復を含むものと定義され得る。
SCA1の場合、伸長CAGリピート領域は患者のゲノム中のATXN1遺伝子のエクソン8に存在する。本明細書において、伸長CAGリピート領域は、ATXN1遺伝子の転写配列において、CAGトリヌクレオチドを含む41〜83反復単位の連続反復を含むものと定義され得る。
SCA2の場合、伸長CAGリピート領域は患者のゲノム中のATXN2遺伝子のエクソン1に存在する。本明細書において、伸長CAGリピート領域は、ATXN2遺伝子の転写配列において、CAGトリヌクレオチドを含む32〜200反復単位の連続反復を含むものと定義され得る。
SCA3の場合、伸長CAGリピート領域は患者のゲノム中のATXN3遺伝子のエクソン8に存在する。本明細書において、伸長CAGリピート領域は、ATXN3遺伝子の転写配列において、CAGトリヌクレオチドを含む52〜86反復単位の連続反復を含むものと定義され得る。
SCA6の場合、伸長CAGリピート領域は患者のゲノム中のCACNA1A遺伝子のエクソン47に存在する。本明細書において、伸長CAGリピート領域は、CACNA1A遺伝子の転写配列において、CAGトリヌクレオチドを含む20〜33反復単位の連続反復を含むものと定義され得る。
SCA7の場合、伸長CAGリピート領域は患者のゲノム中のATXN7遺伝子のエクソン3に存在する。本明細書において、伸長CAGリピート領域は、ATXN7遺伝子の転写配列において、CAGトリヌクレオチドを含む36〜460反復単位の連続反復を含むものと定義され得る。
SCA12の場合、伸長CAGリピート領域は、患者のゲノム中のPPP2R2B遺伝子の5’非翻訳領域(UTR)、イントロン又はオープンリーディングフレーム内に存在し得る。本明細書において、伸長CAGリピート領域は、PPP2R2B遺伝子の転写配列において、CAGトリヌクレオチドを含む66〜78反復単位の連続反復を含むものと定義され得る。
SCA17の場合、伸長CAGリピート領域は患者のゲノム中のTBP遺伝子のエクソン3に存在する。本明細書において、伸長CAGリピート領域は、TBP遺伝子の転写配列において、CAGトリヌクレオチドを含む45〜66反復単位の連続反復を含むものと定義され得る。
ALS又はFTDの場合、伸長CAGリピート領域は患者のゲノム中のATXN2遺伝子のエクソン1に存在する。本明細書において、伸長CAGリピート領域は、ATXN2遺伝子の転写配列において、CAGトリヌクレオチドを含む27〜33反復単位の連続反復を含むものと定義され得る。
ALS又はFTDの場合、伸長GGGGCCリピート領域は、患者のゲノム中のC9ORF72遺伝子の第一イントロンに存在する。本明細書において、伸長GGGGCCリピート領域は、C9ORF72遺伝子の転写配列においてGGGGCCヘキサヌクレオチドを含む30超の反復単位の連続反復を含むものと定義され得る。
SBMAの場合、伸長CAGリピート領域は患者のゲノム中のAR遺伝子のエクソン1に存在する。本明細書において、伸長CAGリピート領域は、AR遺伝子の転写配列において、CAGトリヌクレオチドを含む40反復単位の連続反復を含むものと定義され得る。
DRPLAの場合、伸長CAGリピート領域は患者のゲノム中のATN1遺伝子のエクソン5に存在する。本明細書において、伸長CAGリピート領域は、ATN1遺伝子の転写配列において、CAGトリヌクレオチドを含む49〜88反復単位の連続反復を含むものと定義され得る。
本明細書全体を通じて、用語CAGリピートは(CAG)nに置き換えられ、逆も同様であり、式中、nは、リピートが健常個体のHTT転写物のエクソン1に存在する場合は6〜29、リピートが健常個体のATXN1遺伝子のエクソン8に存在する場合は6〜39、リピートが健常個体のATXN2遺伝子のエクソン1に存在する場合は31未満、リピートが健常個体のATXN3遺伝子のエクソン8に存在する場合は12〜40、リピートが健常個体のCACNA1A遺伝子のエクソン47に存在する場合は18未満、リピートが健常個体のATXN7遺伝子のエクソン3に存在する場合は4〜17、リピートが健常個体のPPP2R2B遺伝子の5’UTRに存在する場合は7〜28、リピートが健常個体のTBP遺伝子のエクソン3に存在する場合は25〜42、リピートが健常個体のAR遺伝子のエクソン1に存在する場合は13〜31、リピートが健常個体のATXN3遺伝子のエクソン8に存在する場合は12〜40、又はリピートが健常個体のATN1遺伝子のエクソン5に存在する場合は6〜35であり得る整数である。
それは、本発明のオリゴヌクレオチドが、患者の細胞において、患者の組織において及び/又は患者において、伸長している又は不安定な数のCAGリピートを含有する疾患関連の又は疾患を引き起こす又は変異体の転写物の検出可能な量を低減することを好ましくは意味する。あるいは又はさらに、前記オリゴヌクレオチドは、前記変異体転写物の翻訳及びしたがって変異(毒性)タンパク質の量を低減し得る。伸長CAGリピート転写物の量の低減又は減少は、治療前の伸長CAGリピート転写物の量と比較して少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%であり得る。別のパラメーターは、(CAG)n転写物又は前記変異体転写物の量の減少であり得る。これは、治療開始時に検出された前記転写物の量と比較して少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%であり得る。
低減又は減少は、(好ましくは実験パートで実施される)ノーザンブロッティング又はQ−RT−PCRによって評価され得る。本発明のオリゴヌクレオチドは、実験パートの実施例1に記載のようにまず細胞系で試験され得る。
あるいは又は前述の好ましい実施形態と組み合わせられて、本明細書で設計されるオリゴヌクレオチドは、このオリゴヌクレオチドが個体におけるハンチントン病(HD)、1、2、3、6、7、12若しくは17型脊髄小脳失調症(SCA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、前頭側頭型認知症(FTD)、X連鎖性脊髄性筋萎縮症(SBMA)及び/又は歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)に連結する又は関連する、1つ又は複数の症状及び/又は特徴を緩和できる、及び/又はパラメーターを改善できる場合に、HTT、ATXN1、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、PPP2R2B、TBP、AR又はATN1遺伝子の転写物におけるCAGリピート伸長によって生じる、ハンチントン病(HD)、1、2、3、6、7、12又は17型脊髄小脳失調症(SCA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、前頭側頭型認知症(FTD)、X連鎖性脊髄性筋萎縮症(SBMA)及び/又は歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)のようなヒト遺伝性障害を遅延及び/又は治癒及び/又は治療及び/又は予防及び/又は寛解できる。本明細書に記載される本発明のオリゴヌクレオチドの用量を用いた少なくとも1週間、1か月、6か月、1年又はそれ以上の治療後にパラメーターが改善されたといえる又は症状若しくは特徴が低減されたといえる場合、該オリゴヌクレオチドは該パラメーターを改善できる又は該症状若しくは特徴を低減できる。
ここで、改善は、前記パラメーターが健常個体についての前記パラメーターの値に向けて及び/又は治療開始時の同じ個体における前記パラメーターの値と対応する前記パラメーターの値に向けて顕著に変化していることを意味し得る。
ここで、低減又は緩和は、前記症状又は特徴が健常個体に特徴的である前記症状若しくは特徴の不在に向けて及び/又は治療開始時の同じ個体の状態に対応する前記症状若しくは特徴の変化に向けて顕著に変化していることを意味し得る。
ここで、ハンチントン病についての症状は、舞踏病様運動、進行性認知症及び精神所見(鬱病、精神病など)である。舞踏病様運動は、顔面攣縮又はライジング及び遠位部位の攣縮を含む不随意性で、素早い、不規則の、痙攣様モーター動作及び後のより一般的な形態(歩行障害であり得る。)からなる(Ropper及びBrown,2005)。これらの各症状は、既知及び記載の方法を用いて医師によって評価され得る。好ましい方法は、全機能(TFC)のモニタリング、実証された評価基準によって測定されたHDの3つの主な症状領域に関する実証された基準又は症状の進行である。これらの領域は、特にモーターサインの進行、精神神経系症状の進行及び認知機能低下の進行である。したがって別の好ましい基準はUnified HD Rating Scale(UHDRS;ハンチントン研究グループ(Kieburtz K.ら,1996; 11: 136〜142)である。
ハンチントン病(HD)、1、2、3、6、7又は17型脊髄小脳失調症(SCA)、X連鎖性脊髄性筋萎縮症(SBMA)及び歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)は、遺伝子のコード領域におけるCAGトリプレットリピート伸長によってすべて生じる。これらの疾患において疾患を引き起こすタンパク質は異なるが、それぞれの場合において生じるグルタミンの伸長ストレッチは、タンパク質の毒性の機能獲得を生じ、これが神経変性をもたらす。タンパク質凝集物が細胞の核及び細胞質において見られ、タンパク質ミスフォールディングがこれらの障害の共通の特質であることを示唆している。したがって共通の好ましいパラメーターは、ウエスタンブロット分析(Eversら)によって決定され得る(変異)タンパク質レベル、又はin situハイブリダイゼーションによってモニターされ得る核及び/又は細胞質におけるタンパク質凝集物の存在である。HDパラメーターの改善は、タンパク質凝集物の量の検出における減少であり得る。そのような減少は、治療開始前のタンパク質凝集物の量に対して、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%であり得る。
HDに関しては、種々の他のタンパク質がhtt凝集物、すなわち、TATAボックス結合タンパク質(TBP)、CREB結合タンパク質(CBP)、及びいくつかの分子シャペロンと共存していることが見出されている(Huangら;Muchowskiら;Roon−Momら;Steffanら)。また、影響を受ける多数の細胞内プロセス(例えば、転写調節解除、ミトコンドリア機能障害、小胞輸送障害)がHDにおいて同定されており、それにより、HDに関する代替的パラメーターが提供され得る(Bauerら,2009;Rossら)。これらの可能な代替的HDパラメーター(すなわち、TATAボックス結合タンパク質(TBP)、CREB結合タンパク質(CBP)、及びいくつかの分子シャペロン)の各々の改善は、上述のタンパク質凝集物の改善とみなされ得る。
組成物:
第二の態様では、「オリゴヌクレオチド」という標題の先のセクションに記載されているオリゴヌクレオチドを含む組成物が提供される。この組成物は、好ましくは上記オリゴヌクレオチドを含む又はからなる又はから本質的になる。
ALS及びFTDに関して本発明の第一の態様において説明されているように、少なくとも2つの異なる転写物中の少なくとも2つの異なるリピートが疾患に関与する、疾患の原因となる又は疾患に関連する可能性があることは知られている。これらのオリゴヌクレオチドの各々に関連するすべての好ましい特質は、「オリゴヌクレオチド」と題するセクションに開示されている。
好ましい実施形態では、前記組成物は、医薬としての使用のためのものである。したがって、前記組成物は医薬組成物である。医薬組成物は通常、薬学的に許容される担体、希釈剤及び/又は賦形剤を含む。好ましい実施形態では、本発明の組成物は本明細書に記載の化合物を含み、任意選択で、薬学的に許容される製剤、充填剤、防腐剤、可溶化剤、担体、希釈剤、賦形剤、塩、アジュバント及び/又は溶媒をさらに含む。そのような薬学的に許容される担体、充填剤、防腐剤、可溶化剤、希釈剤、塩、アジュバント、溶媒及び/又は賦形剤は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,第20版,Baltimore,MD:Lippincott Williams & Wilkins,2000に見出され得る。本発明に記載されている化合物は少なくとも1つのイオン化基を有する。イオン化基は塩基又は酸であり得、電荷を帯びていても中性であってもよい。イオン化基は、反対の電荷を保有する適切な対イオンとのイオン対として存在してもよい。カチオン性対イオンの例は、ナトリウム、カリウム、セシウム、トリス、リチウム、カルシウム、マグネシウム、トリアルキルアンモニウム、トリエチルアンモニウム及びテトラアルキルアンモニウムである。アニオン性対イオンの例は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、乳酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ジクロロ酢酸塩及びクエン酸塩である。対イオンの例は記載されている[例えば、Kumar L.ら,2008(これは、参照によりその全体が本明細書に組み入れられている)]。
医薬組成物は、前記化合物の安定性、溶解性、吸収性、生物学的利用能、薬物動態及び細胞取り込みを増強するのをさらに補助するようにさらに製剤化され得、特に、錯体、ナノ粒子、ミクロ粒子、ナノチューブ、ナノゲル、ヒドロゲル、ポロキサマー又はプルロニック、ポリマーソーム、コロイド、微小気泡、ベシクル、ミセル、リポプレックス及び/又はリポソームを形成できる賦形剤を含む製剤であり得る。ナノ粒子の例には、ポリマーナノ粒子、金ナノ粒子、磁性ナノ粒子、シリカナノ粒子、脂質ナノ粒子、糖粒子、タンパク質ナノ粒子及びペプチドナノ粒子が含まれる。
好ましい組成物は、筋肉及び/又は脳組織及び/又は神経組織及び/又は細胞に対する、及び/又はその中への、前記組成物及び/又は前記オリゴヌクレオチドの標的化及び/又は送達を促進することをさらに補助し得る少なくとも1つの賦形剤を含む。細胞は筋肉又は神経細胞であり得る。
これらの賦形剤の多くは当技術分野において知られており(例えば、Bruno,2011参照)、第1のタイプの賦形剤と分類され得る。第1のタイプの賦形剤の例には、ポリマー(例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミン(PPI)、デキストラン誘導体、ブチルシアノアクリレート(PBCA)、ヘキシルシアノアクリレート(PHCA)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリアミン(例えば、スペルミン、スペルミジン、プトレシン、カダベリン)、キトサン、ポリ(アミドアミン)(PAMAM)、ポリ(エステルアミン)、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、シクロデキストリン、ヒアルロン酸、コロミン酸、及びそれらの誘導体)、デンドリマー(例えばポリ(アミドアミン))、脂質{例えば、1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウムプロパン(DODAP)、ジオレオイルジメチルアンモニウムクロライド(DODAC)、ホスファチジルコリン誘導体[例えば1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)]、リゾホスファチジルコリン誘導体[例えば1−ステアロイル−2−リゾ−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(S−LysoPC)]、スフィンゴミエリン、2−{3−[ビス−(3−アミノ−プロピル)−アミノ]−プロピルアミノ}−N−ジテトラセジルカルバモイルメチルアセトアミド(RPR209120)、ホスホグリセロール誘導体[例えば1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロールナトリウム塩(DPPG−Na)]、ホスファチジン酸誘導体[1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジン酸 ナトリウム塩(DSPA)]、ホスファチジルエタノールアミン誘導体[例えば、ジオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)、2−ジフィタノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DPhyPE)]、N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム(DOTAP)、N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム(DOTMA)、1,3−ジ−オレオイルオキシ−2−(6−カルボキシ−スペルミル−プロピルアミド(DOSPER)、(1,2−ジミリスチオールキシプロピル−3−ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(DMRIE)、N1−コレステリルオキシカルボニル−3,7−ジアザノナン−1,9−ジアミン(CDAN)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロール−3−ホスホコリン(POPC)、b−L−アルギニル−2,3−L−ジアミノプロピオン酸−N−パルミチル−N−オレリル−アミドトリヒドロクロライド(AtuFECT01)、N,N−ジメチル−3−アミノプロパン誘導体[例えば、1,2−ジステアロイルオキシ−N,N−ジメチル−3−アミノプロパン(DSDMA)、1,2−ジオレイルオキシ−N,N−ジメチル−3−アミノプロパン(DoDMA)、1,2−ジリノレイルオキシ−N,N−3−ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノメチル[1,3]−ジオキソラン(DLin−K−DMA)]、ホスファチジルセリン誘導体[1,2−ジオレイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−L−セリン ナトリウム塩(DOPS)]、コレステロール}、タンパク質(例えば、アルブミン、ゼラチン、アテロコラーゲン)、及びペプチド(例えば、プロタミン、PepFects、NickFects、ポリアルギニン、ポリリシン、CADY、MPG)が含まれる。
別の好ましい組成物は、第2のタイプの賦形剤と分類される少なくとも1つの賦形剤を含み得る。第2のタイプの賦形剤は、本発明の組成物及び/又はオリゴヌクレオチドの、例えば筋肉又は神経組織又は細胞などの組織及び/又は細胞に対する及び/又は組織及び/又は細胞内への標的化及び/又は送達を増強するために本明細書に記載されているコンジュゲート基を含む又は含み得る。いずれのタイプの賦形剤も、本明細書に記載の1つの単一組成物中に一緒に混合され得る。
当業者は、本発明に使用するための化合物を製剤化し、送達するために上記又は他の代替的な賦形剤及び送達系の1つ又は複数を選択、混合及び/又は適合できる。
本発明のそのような医薬組成物は、設定時間において有効濃度で動物、好ましくは哺乳動物に投与され得る。より好ましい哺乳動物はヒトである。本発明に従って使用するための本明細書に記載のオリゴヌクレオチド又は組成物は、本明細書に記載の疾患又は状態を罹患している又は発症するリスクのある個体のin vivoでの細胞、組織及び/又は器官への直接投与に好適であり得、in vivo、ex vivo又はin vitroで直接投与され得る。投与は、全身及び/又は非経口経路、例えば静脈内、皮下、脳室内、髄腔内、筋肉内、鼻腔内、腸内、硝子体内、大脳内、硬膜外又は経口経路経由であり得る。
好ましくは、本発明のそのような医薬組成物は、経口送達のためにエマルション、懸濁剤、丸薬、錠剤、カプセル剤若しくは軟質ゲルの形態で、又は気道及び肺に送達するためにエアロゾル若しくは乾燥粉末の形態でカプセル化され得る。
一実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、前記疾患の治療に使用されることが既に知られている別の化合物と一緒に使用されてもよい。そのような他の化合物は、疾患の進行を遅らせるため、異常な行為若しくは運動を低減するため、筋肉組織炎症を低減するため、筋肉繊維及び/又は神経の機能、統合性及び/又は生存を改善するため、及び/又は心機能を改善、増大若しくは回復させるために使用され得る。例としては、これらに限定されないが、ステロイド、好ましくは(糖質)コルチコステロイド、ACE阻害剤(好ましくはペリンドプリル)、1型アンジオテンシンII受容体遮断薬(好ましくはロサルタン)、腫瘍壊死因子−アルファ(TNFα)阻害剤、TGFβ阻害剤(好ましくはデコリン)、ヒト組換えビグリカン、mIGF−1源、ミオスタチン阻害剤、マンノース−6−リン酸、ダントロレン、ハロフジノン、酸化防止剤、イオンチャネル阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害(好ましくはシルデナフィル若しくはタダラフィルなどのPDE5阻害剤、及び/又はPDE10A阻害剤及び/又はMP−10)、L−アルギニン、ドパミン遮断薬、アマンタジン、テトラベナジン、補酵素Q10、抗うつ剤、抗精神薬、抗てんかん薬、気分安定化薬(一般にオメガ3−脂肪酸)、クレアチン一水和物、CHDI246などのKMO阻害剤(キヌレニンモノオキシゲナーゼ)又はPBT2などのHDAC4阻害剤。そのような組み合わされた使用は逐次使用であってもよく、各成分が別個の組成物で投与されてもよい。あるいは、各成分は単一組成物中で一緒に使用されてもよい。
使用:
さらなる態様では、医薬若しくは治療の一部として使用するための、先のセクションに記載されている組成物又はオリゴヌクレオチドの使用、又は前記オリゴヌクレオチドがその活性を細胞内に与える適用が提供される。
好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチド又は組成物は、ヒトcisエレメントリピート不安定性関連遺伝性障害を予防する、遅延させる、治癒する、寛解させる及び/又は治療するための薬物又は療法の一部としての使用のためである。ヒトcisエレメントリピート不安定性関連遺伝性障害は、好ましくは神経筋遺伝性障害であり、より好ましくは前述のものである。
方法:
さらなる態様では、個体、前記個体の細胞、組織又は器官における先のセクションに記載の状態又は疾患を予防、治療、治癒、寛解及び/又は遅延する方法が提供される。該方法は、本発明のオリゴヌクレオチド又は組成物を、それを必要とする前記個体又は対象に投与するステップを含む。
本発明に係る方法において、本明細書に記載のオリゴヌクレオチド又は組成物は、本明細書に記載の疾患のいずれかに罹患している又は発症するリスクのある個体のin vivoでの細胞、組織及び/又は器官への投与に好適であり得、in vivo、ex vivo又はin vitroで投与され得る。必要とする個体又は対象は、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトである。
さらなる態様では、本発明のオリゴヌクレオチドが放射性標識又は蛍光標識と共に提供される、診断するための方法が提供される。本方法では本発明のオリゴヌクレオチドは、対象由来の試料中のフォーカス(リピート伸長から生じるRNA/タンパク質凝集物)を検出するためのin situプローブとして使用され得る。前記試料は前記対象由来の細胞を含む。
一実施形態では、本発明の方法において、オリゴヌクレオチド又は組成物の濃度は0.01nM〜1μMである。より好ましくは、使用される濃度は0.05〜500nM又は0.1〜500nM又は0.02〜500nM又は0.05〜500nMであり、さらに好ましくは1〜200nMである。
本発明に係るオリゴヌクレオチド又は組成物の用量範囲は、好ましくは、厳格なプロトコール要件が存在する臨床試験(in vivoでの使用)における上昇用量研究に基づいて設計される。本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは、0.01〜200mg/kg又は0.05〜100mg/kg又は0.1〜50mg/kg又は0.1〜20mg/kg、好ましくは0.5〜10mg/kgの範囲の用量で使用され得る。
本発明のオリゴヌクレオチド又は組成物の用量範囲は、
100〜300μg/週、合計8〜12回の注射、又は
150〜250μg/週、合計9〜11回の注射、又は
200μg/週、合計11回の注射、又は
10〜350μg/日、2週間、又は
50〜250μg/日、2週間、又は
100〜200μg/日、2週間、又は
20〜80μg/日、2週間、又は
200〜320μg/日、2週間、又は
320μg/日、2週間、又は
30μg/日、2週間
である用量でも使用され得る。
上述のオリゴヌクレオチド又は組成物の濃度又は用量の範囲は、in vitro又はex vivoでの使用に好ましい濃度又は用量である。当業者は、使用されるオリゴヌクレオチドの同一性に応じて、治療される標的細胞、遺伝子標的及びその発現レベル、使用される培地並びにトランスフェクション及びインキュベーション条件、使用されるオリゴヌクレオチドの濃度又は用量がさらに変更され得、さらに最適化される必要があり得ることを理解するであろう。
明細書において、「含む」という動詞及びその活用は、その非限定的な意味で、その用語に続く項目が含まれるが、特に述べられていない項目を排除しないことを意味するように使用される。動詞「を含む」は、特に断らない限り、動詞「有する(have)」と同義である。また、「からなる」という動詞は「から本質的になる」によって置き換えられ得、本明細書に記載のオリゴヌクレオチド又は組成物が、特に規定されているもの以外の追加成分を含んでもよく、該追加成分は本発明の固有の特徴を変化させないことを意味する。さらに、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」による要素への言及は、1つ及び1つのみの要素が存在することが文脈上明らかでない限り、1つより多い要素が存在する可能性を排除しない。したがって、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は通常「少なくとも1つ」を意味する。
本明細書に記載されている各実施形態は、特に断らない限り、一緒に組み合わされ得る。本明細書で引用されるすべての特許及び参考文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
本発明の実施形態は例えば下記実施形態1〜15を含む。
実施形態1:
ヒトcisエレメントリピート不安定性関連遺伝性障害を予防する、遅延させる及び/又は治療するための薬物としての使用のためのオリゴヌクレオチドであって、
2’−O−メチルRNAヌクレオチド残基を含み、
少なくとも1つのリン酸部分がホスホロチオエート部分によって置き換えられている骨格を有し、
1つ若しくは複数の5−メチルピリミジン及び/又は1つ若しくは複数の2,6−ジアミノプリン塩基を含み、
(CAG)n、(GCG)n、(CGG)n、(GAA)n、(GCC)n、(CCG)n、(AUUCU)n、(GGGGCC)n及び(CCUG)nからなる群から選択される反復ヌクレオチド単位を反復ヌクレオチド単位として有する反復エレメントにハイブリダイズすることができる、
オリゴヌクレオチド。
実施形態2:
2’−O−メチルRNAヌクレオチド残基からなり、
すべてのリン酸部分がホスホロチオエート部分によって置き換えられている骨格を有する、
実施形態1に記載のオリゴヌクレオチド。
実施形態3:
(CAG)nリピートにハイブリダイズでき、
反復ヌクレオチド単位(XYG)mを含む又はからなり、
mは4〜12の整数であり、
各XはC又は5−メチルシトシン、各YはU又は5−メチルウラシルであり、
少なくとも1つのXは5−メチルシトシン、及び/又は少なくとも1つのYは5−メチルウラシルである、
実施形態1又は2に記載のオリゴヌクレオチド。
実施形態4:
各Xは5−メチルシトシン、及び/又は各Yは5−メチルウラシルである、実施形態3に記載のオリゴヌクレオチド。
実施形態5:
mは7であり、好ましくは、該オリゴヌクレオチドは反復ヌクレオチド単位(XYG)7[式中、各Xは5−メチルシトシン、各Yはウラシルである(配列番号2)。あるいは、各Xはシトシン、各Yは5−メチルウラシルである(配列番号3)。]を含む又はからなる、実施形態3又は4に記載のオリゴヌクレオチド。
実施形態6:
該オリゴヌクレオチドの塩基配列は配列番号90〜118の塩基配列のいずれかを含む又はからなる、実施形態5に記載のオリゴヌクレオチド。
実施形態7:
2’−O−メチルRNAヌクレオチド残基からなり、
すべてのリン酸部分がホスホロチオエート部分によって置き換えられている骨格を有し、
配列番号90からなる塩基配列を有する、
オリゴヌクレオチド。
実施形態8:
5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシル塩基を含む、実施形態1〜6のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド。
実施形態9:
2,6−ジアミノプリン塩基を含む、実施形態1〜6及び8のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド。
実施形態10:
実施形態1〜6、8及び9のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドであって、
5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリンを含まない対応オリゴヌクレオチドと比較して改善されたパラメーターを有し、
前記対応オリゴヌクレオチドは、
2’−O−メチルRNAヌクレオチド残基を含み、
少なくとも1つのリン酸部分がホスホロチオエート部分によって置き換えられている骨格を有する、
オリゴヌクレオチド。
実施形態11:
長さが12〜36ヌクレオチドである、実施形態1〜6及び8〜10のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド。
実施形態12:
1本鎖オリゴヌクレオチドである、実施形態1〜11のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド。
実施形態13:
実施形態1〜12のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドを含む組成物。
実施形態14:
前記組成物及び/又は前記オリゴヌクレオチドの組織及び/又は細胞に対する及び/又は組織中及び/又は細胞中への標的化及び/又は送達を増強することをさらに補助し得る少なくとも1つの賦形剤を含む、実施形態13に記載の組成物。
実施形態15:
ヒトcis−エレメントリピート不安定性関連遺伝性障害の予防、治療及び/又は遅延のための方法であって、予防、治療及び/又は遅延は、実施形態1〜12のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド又は実施形態13若しくは14に記載の組成物を、それを必要とする対象に投与することによって行われる、方法。
定義:
本明細書全体を通じて、「結合する」、「標的する」、「ハイブリダイズする」という用語は、本明細書に記載のmRNA前駆体の一部に対して逆相補的であるアンチセンスオリゴヌクレオチドに関連して使用される場合、交換可能に使用され得る。本発明において、「ハイブダイズする」又は「結合する」は、特に断らない限り、細胞中、好ましくはヒト細胞中、生理的条件下で使用される。
本明細書において、「ハイブリダイゼーション」とは、相補的オリゴマー化合物(例えば、アンチセンス化合物及びその標的核酸)の対合を指す。特定の機構に限定されないが、対合の最も一般的な機構は、相補的ヌクレオシド又はヌクレオチド塩基(核酸塩基)間の水素結合(ワトソン−クリック、フーグスティーン又は逆フーグスティーン水素結合であり得る。)を伴う。例えば、天然塩基アデニンは、水素結合の形成により対になる天然核酸塩基チミン、5−メチルウラシル及びウラシルに対して相補的な核酸塩基である。天然塩基グアニンは天然塩基シトシン及び5−メチルシトシンに対して相補的な核酸塩基である。ハイブリダイゼーションは種々の状況下で起こり得る。特に、本発明のオリゴヌクレオチドの標的化mRNA前駆体とのハイブリダイゼーションは種々の環境下で生じ得る。同様に、本発明のオリゴヌクレオチドの標的化mRNA前駆体への結合は種々の環境下で生じ得る。好ましくは、前記ハイブリダイゼーション又は前記結合は、細胞中、より好ましくはヒト細胞中、生理的条件下で評価される。本発明のオリゴヌクレオチドは、前記結合又はハイブリダイゼーションが細胞中、好ましくはヒト細胞中、生理的条件下で生じる場合に好ましくは結合できる、又は結合可能である、又はハイブリダイズできる、又はハイブリダイズ可能であると称される。
本明細書において、「ヌクレオチド」とは、修飾又は非修飾リン酸塩連結基又は非リン酸塩ヌクレオシド間連結をさらに含むヌクレオシドを指す。
本明細書において、「ヌクレオチド類似体」又は「ヌクレオチド等価物」は、A、C、G及びUなどのRNA中に天然に存在するヌクレオチドに関して少なくとも1つの修飾を含むヌクレオチドを指す。そのような修飾は、ヌクレオシド間連結修飾及び/又は糖修飾及び/又は塩基修飾であり得る。
本明細書において、「モノマー」は、オリゴマー又はポリマー化合物の合成における前駆体を指す。また、そのようなオリゴマー又はポリマー化合物中のモノマー単位又は残基は、用語「モノマー」に包含される。したがって「モノマー」及び「ヌクレオチド残基」は、明細書全体を通じて互換的に使用され得る。本発明において、モノマーは好ましくはヌクレオチドである。本発明のオリゴヌクレオチドに組み込まれる好ましいモノマーは、2’−O−メチル置換、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結並びに5−メチルピリミジン及び/又は2,6−ジアミノプリン核酸塩基を含むヌクレオチドである。
本明細書において、「核酸塩基」とは、ヌクレオシドの複素環塩基部分を指す。核酸塩基は天然に存在するものであっても修飾されたものであってもよく、したがって、これらに限定されないが、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、チミン、及びそれらの類似体(例えば5−メチル−シトシン)を含む。特定の実施形態では、核酸塩基は、任意の原子又は別の核酸の塩基に水素結合できる原子の基を含み得る。
本明細書において、「Tm」とは、2本鎖の核酸の2本の鎖が分離する温度である融解温度を意味する。Tmはしばしば2本鎖の安定性又は相補的RNA分子に対するアンチセンス化合物の結合親和性の尺度として使用される。
本明細書において、「2’修飾」又は「2’置換」とは、H又はOH以外の2’位に置換基を含むペントース糖を含むヌクレオシドを指す。2’修飾ヌクレオシドには、これらに限定されないが、糖環の2つの炭素原子を接続する架橋が2’炭素及び糖環の別の炭素を接続する二環式ヌクレオシド、並びにアリル、アミノ、アジド、チオ、O−アリル、O−C1−C10アルキル、−OCF3、O−(CH2)2−O−CH3、2’−O(CH2)2SCH3、O−(CH2)2−O−N(Rm)(Rn)又はO−CH2−C(=O)−N(Rm)(Rn)[式中、Rm及びRnは各々独立して、H又は置換若しくは非置換C1−C10アルキルである。]などの非架橋2’置換基を有するヌクレオシドが含まれる。2’修飾ヌクレオシドは、例えば糖の他の位置及び/又は核酸塩基において他の修飾をさらに含んでもよい。
本明細書において、「2’−O−Me」、「2’−OMe」又は「2’−OCH3」又は「2’−O−メチル」とは、各々、糖環の2’位にて−OCH3基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
本明細書において、「MOE」又は「2’−MOE」又は「2’−OCH2CH2OCH3」又は「2’−O−メトキシエチル」とは、各々、糖環の2’位において−OCH2CH2OCH3基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
本明細書において、「アデニン類似体」という用語は、オリゴマー内に組み込まれる場合、RNA又はDNAの相補鎖のチミン又はウラシルのいずれかと塩基対を形成できる化学的に修飾されたプリン核酸塩基を意味する。そのような塩基対は好ましくはワトソンクリック塩基対であるが、その類似体及びわずかな逸脱も本発明において許容可能であると考えられる。
本明細書において、「ウラシル類似体」という用語は、オリゴマー内に組み込まれる場合、RNA又はDNAの相補鎖のアデニンのいずれかと塩基対を形成できる化学的に修飾されたピリミジン核酸塩基を意味する。そのような塩基対は好ましくはワトソンクリック塩基対であるが、その類似体及びわずかな逸脱も本発明において許容可能であると考えられる。
本明細書において、「チミン類似体」という用語は、オリゴマー内に組み込まれる場合、RNA又はDNAの相補鎖のアデニンと塩基対を形成できる化学的に修飾されたピリミジン核酸塩基を意味する。そのような塩基対は好ましくはワトソンクリック塩基対であるが、その類似体及びわずかな逸脱も本発明において許容可能であると考えられる。
本明細書において、「シトシン類似体」という用語は、オリゴマー内に組み込まれる場合、RNA又はDNAの相補鎖のグアニンと塩基対を形成できる化学的に修飾されたピリミジン核酸塩基を意味する。例えば、シトシン類似体は5−メチルシトシンであり得る。そのような塩基対は好ましくはワトソンクリック塩基対であるが、その類似体及びわずかな逸脱も本発明において許容可能であると考えられる。
本明細書において、「グアニン類似体」という用語は、オリゴマー内に組み込まれる場合、RNA又はDNAの相補鎖のシトシンと塩基対を形成できる化学的に修飾されたプリン核酸塩基を意味する。そのような塩基対は好ましくはワトソンクリック塩基対であるが、その類似体及びわずかな逸脱も本発明において許容可能であると考えられる。
本明細書において、「グアノシン」という用語は、グアニン又はグアニン類似体核酸塩基を含むヌクレオシド又は糖修飾ヌクレオシドを指す。
本明細書において、「ウリジン」という用語は、ウラシル又はウラシル類似体核酸塩基を含むヌクレオシド又は糖修飾ヌクレオシドを指す。
本明細書において、「チミジン」という用語は、チミン又はチミン類似体核酸塩基を含むヌクレオシド又は糖修飾ヌクレオシドを指す。
本明細書において、「シチジン」という用語は、シトシン又はシトシン類似体核酸塩基を含むヌクレオシド又は糖修飾ヌクレオシドを指す。
本明細書において、「アデノシン」という用語は、アデニン又はアデニン類似体核酸塩基を含むヌクレオシド又は糖修飾ヌクレオシドを指す。
本明細書において、「オリゴヌクレオチド」とは、複数の連結ヌクレオシドを含む化合物を指す。特定の実施形態では、複数のヌクレオシドのうちの1つ又は複数が修飾される。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは1つ又は複数のリボヌクレオシド(RNA)及び/又はデオキシリボヌクレオシド(DNA)を含む。
本明細書において、「ヌクレオシド間連結」とは、隣接するヌクレオシド間の共有結合を指す。ヌクレオシド間連結は、天然に存在するヌクレオシド間連結、すなわち3’から5’へのリン酸ジエステル連結、又は修飾ヌクレオシド間連結であり得る。
本明細書において、「修飾ヌクレオシド間連結」とは、天然に存在するヌクレオシド間連結以外の任意のヌクレオシド間連結を指す。
本明細書において、「骨格」は、オリゴヌクレオチドにおいて生じる糖部分とヌクレオシド間連結との交互性の鎖を指す。本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホロジチオエートヌクレオシド間連結を含むが、糖修飾及び/又はヌクレオシド間連結修飾などのさらなる骨格修飾が骨格中に存在し得ることは理解されるべきである。
本明細書において、「オリゴマー化合物」とは、2つ以上の基礎構造を含むポリマー構造を指す。特定の実施形態では、オリゴマー化合物はオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、オリゴマー化合物は1本鎖オリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、オリゴマー化合物は2本のオリゴヌクレオチドを含む2本鎖である。特定の実施形態では、オリゴマー化合物は1つ又は複数のコンジュゲート基及び/又は末端基を含む1本鎖又は2本鎖オリゴヌクレオチドである。
本明細書において、「コンジュゲート」とは、オリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物に結合した原子又は原子の基を指す。一般に、コンジュゲート基は、これらに限定されないが、薬力学、薬物動態、結合、吸収、細胞分布、細胞取り込み、電荷及びクリアランスを含む、コンジュゲート基が結合する化合物の1つ又は複数の性質を修飾する。コンジュゲート基は化学分野において慣用的に使用され、直接又は任意選択の連結部分若しくは連結基を介して、オリゴマー化合物などの親化合物に連結される。特定の実施形態では、コンジュゲート基には、これらに限定されないが、挿入剤、レポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレングリコール、チオエーテル、ポリエーテル、コレステロール、チオコレステロール、コール酸部分、葉酸、脂質、リン脂質、ビオチン、フェナジン、フェナントリジン、アントラキノン、アダマンタン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、及び色素が含まれる。特定の実施形態では、コンジュゲートは末端基である。特定の実施形態では、コンジュゲートは、3’若しくは5’末端ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの内部ヌクレオシドに結合される。
本明細書において、「コンジュゲート連結基」とは、コンジュゲートをオリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物に結合するために使用される任意の原子又は原子の基を指す。当技術分野で知られているものなどの連結基又は二官能性連結部分は本発明に従う。
本明細書において、「アンチセンス化合物」とは、オリゴマー化合物を指し、その少なくとも一部は、そのオリゴマー化合物がハイブリダイズする標的核酸に対して少なくとも部分的に相補的であり又は少なくとも部分的に方向付けられて、前記標的核酸の活性、プロセシング又は発現を調節する。
本明細書において、「発現」とは、遺伝子が最終的にタンパク質を生じるプロセスを指す。発現には、これらに限定されないが、転写、スプライシング、転写後修飾及び翻訳が含まれる。
本明細書において、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」とは、オリゴヌクレオチドであるアンチセンス化合物を指す。
本明細書において、「アンチセンス活性」とは、その標的核酸に対するアンチセンス化合物のハイブリダイゼーションに起因する任意の検出可能及び/又は測定可能な活性を指す。特定の実施形態では、そのような活性は核酸又はタンパク質の量の増加又は減少であり得る。特定の実施形態では、そのような活性は核酸又はタンパク質のスプライスバリアントの比の変化であり得る。アンチセンス活性の検出及び/又は測定は直接又は間接であり得る。特定の実施形態では、アンチセンス活性は細胞又は動物における表現型の変化を観察することによって評価される。
本明細書において、「標的核酸」とは、任意の核酸分子を指し、その発現、量又は活性はアンチセンス化合物によって調節できる。特定の実施形態では、標的核酸はDNA又はRNAである。特定の実施形態では、標的RNAはmiRNA、mRNA、mRNA前駆体、非コードRNA又は天然アンチセンス転写産物である。例えば、標的核酸は細胞遺伝子(又は遺伝子から転写されたmRNA)であり得、その発現は特定の障害若しくは疾患状態に関連する。
本明細書において、「標的mRNA」とは、タンパク質をコードする予め選択されたRNA分子を指す。
本明細書において、「標的としている」又は「標的とする」とは、特定の標的核酸分子又は標的核酸分子内のヌクレオチドの特定の領域に対するアンチセンス化合物の会合を指す。アンチセンス化合物は、それが生理学的条件下でのハイブリダイゼーションを可能にするために標的核酸に対して十分に相補的である場合、標的核酸を標的とする。ここで、「十分な逆相補性」は、前記標的化核酸分子に少なくとも90%、95%、97%、99%又は100%逆相補性であり得る。
本明細書において、「標的部位」とは、アンチセンス化合物が結合する標的核酸の領域を指す。特定の実施形態では、標的部位は少なくとも部分的にRNA分子の3’非翻訳領域内にある。特定の実施形態では、標的部位は少なくとも部分的にRNA分子の5’非翻訳領域内にある。特定の実施形態では、標的部位は少なくとも部分的にRNA分子のコード領域内にある。特定の実施形態では、標的部位は少なくとも部分的にRNA分子のエクソン内にある。特定の実施形態では、標的部位は少なくとも部分的にRNA分子のイントロン内にある。特定の実施形態では、標的部位は少なくとも部分的にRNA分子のmiRNA標的部位内にある。特定の実施形態では、標的部位は少なくとも部分的にRNA分子の反復領域内にある。
本明細書において、「標的タンパク質」とは、その発現がアンチセンス化合物によって調節される、タンパク質を指す。特定の実施形態では、標的タンパク質は標的核酸によってコードされる。特定の実施形態では、標的タンパク質の発現は別様で標的核酸による影響を受ける。
本明細書において、核酸塩基に関する「相補性」とは、別の核酸塩基と塩基対合できる核酸塩基を指す。例えば、DNAにおいて、アデニン(A)はチミン(T)に対して相補的である。例えば、RNAにおいて、アデニン(A)はウラシル(U)に対して相補的である。特定の実施形態では、相補的核酸塩基とは、その標的核酸の核酸塩基と塩基対合できるアンチセンス化合物の核酸塩基を指す。例えば、アンチセンス化合物の特定の位置における核酸塩基が標的核酸の特定の位置において核酸塩基と水素結合できる場合、オリゴヌクレオチドと標的核酸との間の水素結合の位置はその核酸塩基対において相補的であると考えられる。特定の修飾を含む核酸塩基は、対応する核酸塩基と対になる能力を維持できるので、依然として核酸塩基相補性であり得る。
本明細書において、核酸塩基に関して「非相補的」とは、互いに水素結合を形成しない又はそうでなければハイブリダイゼーションを支持しない核酸塩基の対を指す。
本明細書において、連結ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド又は核酸に関して「相補的」とは、核酸塩基相補性によって別のオリゴマー化合物又は核酸にハイブリダイズするオリゴマー化合物の能力を指す。特定の実施形態では、アンチセンス化合物及びその標的は、各分子内の十分な数の対応する位置がアンチセンス化合物と標的との間の安定な会合を可能にするために互いに結合できる核酸塩基により占められている場合、互いに相補的である。当業者は、ミスマッチの含有が、会合を維持するオリゴマー化合物の能力を除外せずに可能であることを認識している。したがって、ミスマッチしている(すなわち、標的の対応するヌクレオチドに相補的な核酸塩基でない)最大約20%のヌクレオチドを含み得るアンチセンス化合物が本明細書に記載されている。好ましくは、アンチセンス化合物は、約15%以下、より好ましくは約10%以下、最も好ましくは5%以下のミスマッチを含有する又はミスマッチを含有しない。残りの核酸塩基は相補的な核酸塩基である又はそうでなければハイブリダイゼーションを破壊しない核酸塩基(例えばユニバーサル塩基)である。当業者は、本明細書に提供されている化合物が、標的核酸に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%相補的又は逆相補的であると認識するであろう。
本明細書において、「調節」とは、調節前の機能又は活性と比較して機能又は活性の量又は質の撹乱を指す。例えば、調節は、遺伝子発現の変化、増加(刺激又は誘導)又は減少(阻害又は低下)のいずれかを含む。さらなる例として、発現の調節は、撹乱しなかった条件と比較して特定のスプライスバリアントの存在の量の変化を生じる、mRNA前駆体プロセシングのスプライス部位選択を撹乱することを含み得る。さらなる例として、調節はタンパク質の翻訳を撹乱することを含む。
本明細書において、「モチーフ」とは、オリゴマー化合物又はその領域における修飾のパターンを指す。モチーフはオリゴマー化合物の特定のヌクレオシド及び/又は特定の連結基における修飾により規定され得る。
本明細書において、「同じ修飾」とは、修飾の非存在を含む、互いに同じである天然に存在する分子に対する修飾を指す。したがって、例えば、2つの非修飾DNAヌクレオシドは、DNAヌクレオシドが修飾されていないとしても、「同じ修飾」を有する。
本明細書において、ヌクレオシド又はある「タイプ」のヌクレオシドに関する「修飾のタイプ」とは、ヌクレオシドの修飾を指し、修飾及び非修飾ヌクレオシドを含む。したがって、特に断らない限り、「第1のタイプの修飾を有するヌクレオシド」は非修飾ヌクレオシドであり得る。
本明細書において、「薬学的に許容される塩」とは、活性化合物の所望の生物活性を保持し、望ましくない毒性効果をその塩に与えない活性化合物の塩を指す。
本明細書において、「独立して」という用語は、請求されるオリゴヌクレオチド内の繰り返し可変物の各存在が互いに独立して選択されることを意味する。例えば、各々の繰り返し可変物は、(i)繰り返し可変物の各々が同じである、(ii)2つ以上が同じである、又は(iii)繰り返し可変物の各々が異なり得るように選択され得る。
一般化学の定義:
本明細書において、「アルキル」とは、典型的に24個以下の炭素原子を含有する飽和直鎖又は分岐鎖炭化水素置換基又はラジカルを指す。アルキル基の例には、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、n−ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなどが含まれる。アルキル基は、典型的には1〜24個の炭素原子、より典型的には1〜12個の炭素原子(C1〜C12アルキル)を含み、1〜6個の炭素原子(C1〜C6アルキル)がより好ましい。本明細書において、「低級アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子(C1〜C6アルキル)を含む。本明細書において、アルキル基は任意選択で1つ又は複数のさらなる置換基を含み得る。
本明細書において、「アルケニル」とは、典型的に24個以下の炭素原子を含有し、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖ラジカル又は置換基を指す。アルケニル基の例には、これらに限定されないが、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル、1,3−ブタジエニルなどのジエンが含まれる。アルケニル基は、典型的には2〜24個の炭素原子、より典型的には2〜12個の炭素原子を含み、2〜6個の炭素原子がより好ましい。本明細書において、アルケニル基は任意選択で1つ又は複数のさらなる置換基を含み得る。
本明細書において、「アルキニル」とは、典型的に24個以下の炭素原子を含有し、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖又は分岐鎖炭化水素ラジカル又は置換基を指す。アルキニル基の例には、これらに限定されないが、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニルなどが含まれる。アルキニル基は、典型的には2〜24個の炭素原子、より典型的には2〜12個の炭素原子が含まれ、2〜6個の炭素原子がより好ましい。本明細書において、アルキニル基は任意選択で1つ又は複数のさらなる置換基を含み得る。
本明細書において、「アミノアルキル」とは、アミノ置換アルキルラジカル又は置換基を指す。この用語は、任意の位置においてアミノ置換基を有し、アミノアルキル基がそのアルキル部分を介して親分子に結合されるC1〜C12アルキル基を含むことを意味する。アミノアルキル基のアルキル及び/又はアミノ部分は任意選択でさらなる置換基によりさらに置換され得る。
本明細書において、「脂肪族」とは、典型的に24個以下の炭素原子を含有し、任意の2つの炭素原子間の飽和が一重、二重又は三重結合である、直鎖又は分岐鎖炭化水素ラジカル又は置換基を指す。脂肪族基は、好ましくは1〜24個の炭素原子、より典型的には1〜12個の炭素原子を含有し、1〜6個の炭素原子がより好ましい。脂肪族基の直鎖又は分岐鎖は、窒素、酸素、硫黄及びリンを含む1つ又は複数のヘテロ原子が割り込んでもよい。ヘテロ原子が割り込むそのような脂肪族基には、これらに限定されないが、ポリアルキレングリコール、ポリアミン及びポリイミンなどのポリアルコキシが含まれる。本明細書において、脂肪族基は任意選択でさらなる置換基を含み得る。
本明細書において、「脂環式」又は「アリシクリル」とは、環系が脂肪族である、環式ラジカル又は置換基を指す。環系は、少なくとも1つの環が脂肪族である1つ又は複数の環を含んでもよい。好ましい脂環式部分は環内に5〜9個の炭素原子を有する環を含む。本明細書において、脂環式基は任意選択でさらなる置換基を含み得る。
本明細書において、「アルコキシ」とは、アルコキシ基がその酸素原子を介して親分子に結合される、アルキル基及び酸素原子を含むラジカル又は置換基を指す。アルコキシ基の例には、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシなどが含まれる。本明細書において、アルコキシ基は任意選択でさらなる置換基を含み得る。
本明細書において、「ハロ」、「ハロゲン化物」及び「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される原子、ラジカル又は置換基を指す。
本明細書において、「アリール」及び「芳香族」とは、1つ又は複数の芳香環を有する単又は多環式炭素環系を含むラジカル又は置換基を指す。アリール基の例には、これらに限定されないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、イデニルなどが含まれる。好ましいアリール環系は1つ又は複数の環内に5〜20個の炭素原子を有する。本明細書において、アリール基は任意選択でさらなる置換基を含み得る。
本明細書において、「アラルキル」及び「アリールアルキル」とは、アラルキル又はアリールアルキル基がそのアルキル部分を介して親分子に結合されるアルキル基及びアリール基を含むラジカル又は置換基を指す。例には、これらに限定されないが、ベンジル、フェネチルなどが含まれる。本明細書において、アラルキル基は、任意選択で、ラジカル又は置換基を形成するアルキル部分、アリール部分又は両方の部分に結合されるさらなる置換基を含み得る。
本明細書において、「ヘテロシクリル」とは、少なくとも1つのヘテロ原子を含み、不飽和、部分的に飽和又は完全に飽和された単又は多環式環系を含み、それによりヘテロアリール基を含む、ラジカル又は置換基を指す。ヘテロシクリルはまた、融合環の1つ若しくは複数が少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、他の環が1つ若しくは複数のヘテロ原子を含有し得る又は任意選択でヘテロ原子を含有しない融合環系部分を含むことを意味する。複素環式基は典型的に、硫黄、窒素又は酸素から選択される少なくとも1つの原子を含む。複素環式基の例には、[1,3]ジオキソラン、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キノキサリニル、ピリダジノニル、テトラヒドロフリルなどが含まれる。本明細書において、複素環式基は任意選択でさらなる置換基を含み得る。
本明細書において、「ヘテロアリール」及び「複素芳香環」とは、環の少なくとも1つが芳香族であり、1つ又は複数のヘテロ原子を含む、単又は多環芳香族環、環系又は融合環系を含むラジカル又は置換基を指す。ヘテロアリールはまた、融合環の1つ又は複数がヘテロ原子を含有しない系を含む融合環系を含むことを意味する。ヘテロアリール基は典型的に硫黄、窒素又は酸素から選択される1つの環原子を含む。ヘテロアリール基の例には、これらに限定されないが、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニル、などが含まれる。ヘテロアリールラジカル又は置換基は、親分子に直接又は脂肪族基若しくはヘテロ原子などの連結部分を介して結合されてもよい。本明細書において、ヘテロアリール基は任意選択でさらなる置換基を含み得る。
本明細書において、「ヘテロアリールアルキル」とは、ヘテロアリールアルキル基がそのアルキル部分を介して親分子に結合される、ヘテロアリール基及びアルキル部分を含むラジカル又は置換基を指す。例には、これらに限定されないが、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチル、ナフチリジニルプロピルなどが含まれる。本明細書において、ヘテロアリールアルキル基は、任意選択で、ヘテロアリール又はアルキル部分の1つ又は両方においてさらなる置換基を含み得る。
本明細書において、「単又は多環式」とは、融合又は連結される環を有する単環又は多環式系などの任意の環系を指し、脂肪族、脂環式、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールアルキル、複素環式、ヘテロアリール、複素芳香環及びヘテロアリールアルキルから個々に選択される単及び混合環系を包含することを意味する。そのような単及び多環式構造は、完全に飽和された、部分的に飽和された又は完全に不飽和の環を含む、均一又は種々の程度の飽和を有する環を含有し得る。各環は、複素環及びC環原子のみを含む環を生じさせるように、C、N、O及びSから選択される環原子を含み得る。複素環及びすべての炭素環は、融合環系の1つの環が炭素環原子のみを有し、他の環が2つの窒素原子を有する、例えばベンズイミダゾールなどの混合モチーフに存在し得る。単又は多環式構造は、例えば、環の1つに結合される2つのオキソ基(=O)を有するフタルイミドなどの置換基によりさらに置換されてもよい。別の態様では、単又は多環式構造は、直接環原子を介して、置換基又は二官能性連結部分を介して親分子に結合され得る。
本明細書において、「アシル」とは、アシル基がそのカルボニル部分を介して親分子に結合されるカルボニル部分(C=O又は−C(O)−)及びさらなる置換基Xを含むラジカル又は置換基を指す。このように、アシル基は有機酸からのヒドロキシル基の除去によって形式的に得られ、一般式−C(O)−X[式中、Xは典型的には脂肪族基、脂環式基又は芳香族基である。]を有する。また、「アシル」という用語は、一般式−Y(O)n−X[式中、Xは上で定義された通りであり、Y(O)nは典型的にはスルホニル、スルフィニル又はリン酸塩である。]を有するヘテロアシルラジカル又は置換基を含むことを意味する。アシル基の例には、脂肪族カルボニル、芳香族カルボニル、脂肪族スルホニル、芳香族スルフィニル、脂肪族スルフィニル、芳香族リン酸塩、脂肪族リン酸塩などが含まれる。本明細書において、アシル基は任意選択でさらなる置換基を含み得る。
本明細書において、「置換基」は、所望の特性を増強するため又は所望の効果を与えるために典型的に他の置換基又は親化合物に付加される基を含む。置換基は保護されていても保護されていなくてもよく、親化合物内の1つの利用可能な部位又は多くの利用可能な部位に結合され得る。置換基はまた、他の置換基によりさらに置換されていてもよく、直接又はアルキル若しくはヒドロカルビル基などの連結基を介して親化合物に結合されていてもよい。本明細書において、「ヒドロカルビル」とは、C、O及びHを含む任意の基を指す。任意の程度の飽和を有する直鎖、分岐鎖及び環状基が含まれる。そのようなヒドロカルビル基は、N、O及びSから選択される1つ又は複数のヘテロ原子を含んでもよく、1つ又は複数の置換基によりさらに置換されてもよい。
特に断らない限り、「置換された」又は「任意選択で置換された」という用語は、以下の置換基のいずれかの(任意選択の)存在を指す:ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル(−C(O)Raa)、カルボキシル(−C(O)O−Raa)、脂肪族基、脂環式基、アルコキシ、置換されたオキソ(−O−Raa)、アリール、アラルキル、ヘテロ環、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アミノ(−NRbbRcc)、イミノ(=NRbb)、アミド(−C(O)NRbbRcc又は−N(Rbb)C(O)Raa)、アジド(−N3)、ニトロ(−NO2)、シアノ(−CN)、カルバミド(−OC(O)NRbbRcc又は−N(Rbb)C(O)ORaa)、ウレイド(−N(Rbb)C(O)NRbbRcc)、チオウレイド(−N(Rbb)C(S)NRbbRcc)、グアニジニル(−N(Rbb)C(=NRbb)NRbbRcc)、アミジニル(−C(=NRbb)NRbbRcc又は−N(Rbb)C(NRbb)Raa)、チオール(−SRbb)、スルフィニル(−S(O)Rbb)、スルホニル(−S(O)2Rbb)、スルホンアミジル(−S(O)2NRbbRcc又は−N(Rbb)S(O)2Rbb)、及びコンジュゲート基。本明細書において、Raa、Rbb及びRccは各々独立して、H、任意選択で連結された化学官能基、又はさらなる置換基であり、好ましくは、これらに限定されないが、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、脂肪族基、アルコキシ、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、脂環式基、複素環、及びヘテロアリールアルキルからなる群から選択される。本明細書に記載されている化合物内の選択された置換基は再帰的に存在する。
ここで、「再帰的な置換基」とは、置換基がそれ自体の別の例を挙げ得ることを意味する。そのような置換基の再帰的な性質のために、理論的には、任意の所与の請求項に多数が存在し得る。医薬品化学及び有機化学の分野の当業者は、そのような置換基の総数が、意図される化合物の所望の特性によって合理的に限定されることを理解している。そのような特性には、例えば、物理的特性(例えば、分子量、溶解度、log P)、適用性(例えば、標的に対する活性)及び実用的な特性(例えば、合成の容易性)が含まれる。
再帰的な置換基は本発明の意図される態様である。医薬品及び有機化学の分野の当業者はそのような置換基の多様性を理解している。再帰的な置換基が本発明の請求項に存在する限度で、総数は上記のように決定される。
本明細書において、特定の単位の数を示す範囲においてゼロ(0)は、単位が存在し得ないことを意味する。例えば、特定のモチーフの0〜2個の領域を含むオリゴマー化合物は、オリゴマー化合物が特定のモチーフを有する1つ若しくは2つのそのような領域を含み得る又はオリゴマー化合物が特定のモチーフを有する領域を1つも有しなくてもよいことを意味する。分子の内部部分が非存在である場合、非存在部分に隣接する部分は互いに直接結合する。同様に、本明細書において、「なし」という用語は、特定の特徴が存在しないことを示す。
本明細書において、「類似体」又は「誘導体」とは、構造において類似であるが、化合物が作製される方法に関わらず、親化合物とは元素組成に対して異なる化合物又は部分のいずれかを意味する。例えば、類似体又は誘導体化合物は、化学的出発物質などの親化合物から作製されることを必要とされない。
以下の実施例は例示目的のためにのみ提供され、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
Fig.1: (XYG)7[式中、X=5−メチルシトシン、Y=Uである。](PS659 配列番号90(配列番号2由来))及び(XYG)7[式中、X=Cであり、Yは5−メチルウラシルである。](PS661 配列番号97(配列番号3由来))についてのin vitro活性アッセイを示す。PS659(1a)及びPS661(1b)は、HD線維芽細胞(GM04022)に漸増濃度(0.5〜200nM)でトランスフェクトされた。有効性及び選択性はRT−PCR及びlab−on−a−chip分析で決定された。伸長((CAG)44)及び健常((CAG)18)HTT転写物のサイレンシングは偽試料中の相対的HTT転写物レベルと比較された。偽試料(n=3)を除くすべてのAONについてn=2。
Fig.2: PS659((XYG)7[式中、X=5−メチルシトシン、Y=Uである。])(配列番号2)のトランスジェニックHDラットモデルにおけるin vivo有効性を示す。トランスジェニックHDラット((CAG)51リピート)は、18週間の間に、PS659(配列番号2由来の配列番号90)での脳室内注射を1回当たり200μgの最終用量で15回受け、対照HDラットはビヒクルのみを投与された。ラットは最終注射の1週間後に屠殺された。すべてのラットから組織が単離され、HTTレベルがQ−RT−PCR分析で決定された。対照と比較して、HTT転写物のレベルの低下が、PS659処置後に(A)皮質、(B)海馬、(C)嗅球、及び(D)視床において見出された。
表1: AONの一般構造[X=C又は5−メチルシトシン;Y=U又は5−メチルウラシル;Z=A又は2,6−ジアミノプリン;I=イノシン;Q=脱塩基モノマー]
配列番号4〜69又は216〜219を含むすべてのAONは、5−メチルシトシン、5−メチルウラシル及び2,6−ジアミノプリンから選択される少なくとも1つの塩基修飾を含む。
表2: AONの一般構造
すべてのAONは2’−O−メチルホスホロチオエートAONであり、
Cは5−メチルシトシン、
Uは5−メチルウラシル、
Aは2,6−ジアミノプリン、Iはイノシン、Qは脱塩基モノマーである。
[実施例1]
イントロダクション:
選択されたアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)化学の具体的な特徴は、結合親和性及び安定性を少なくとも部分的に増強できる、活性を増強できる、安全性を改善できる、及び/又は長さを短縮させる又は合成及び/又は精製手順を改善することによって製品の経費を低減できることである。本実施例には、in vitroでHD線維芽細胞中のHTT転写物の伸長(CAG)nリピートを標的化するように設計されたAONの活性の比較分析が記載され、5−メチルシトシン(XYG)7[式中、Xは5−メチルシトシンであり、Y=Uである。](配列番号90(配列番号2由来)としても表される。)又は5−メチルウラシル(XYG)7[式中、X=C、Y=5−メチルウラシルである。](配列番号97(配列番号3由来)としても表される。)のいずれかを有するAONが含まれる。
材料及び方法:
細胞培養:
患者由来HD線維芽細胞(GM04022)(Coriell Cell Repositories,Camden,USAから購入)を、15%熱不活化ウシ胎児血清(FBS)(Clontech,Palo Alto,USA)、1%グルタマックス(Glutamax)(Gibco)及び100U/mlペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)(Gibco)を含む最小必須培地(MEM)(Gibco Invitrogen,Carlsbad,USA)中、37℃、5%CO2で培養した。
オリゴヌクレオチド:
AONは、完全に2’−O−メチルホスホロチオエート修飾されていた次のものであった。PS659,(XYG)7[式中、Xは5−メチルシトシンであり、Y=Uである。](配列番号90(配列番号2由来)としても表される);及びPS661,(XYG)7[式中、X=C、Y=5−メチルウラシルである。](配列番号97(配列番号3由来)としても表される)。
トランスフェクション:
細胞に、PEI(0.15M NaCl中、AON1μg当たり2μL)と複合体化したAONをトランスフェクトした。AON−PEI複合体を、5%FBSを含むMEM培地中、最終AON濃度が0.5〜200nMとなるように細胞に加えた。新鮮培地を4時間後に補充し、24時間後にRNAを単離した。
RNA単離:
アウルムトータルRNAミニキット(Aurum Total RNA Mini kit)(Bio−Rad,Hercules,CA)を製造者のプロトコールに従って使用してRNAを培養細胞から単離した。
RT−PCR及びLab−on−a−chip分析:
約200ngのRNAを、合計容量20μLでSuperScript first−strand synthesis system(Invitrogen)を用いる無作為ヘキサマーでのcDNA合成に供した。PCRを、HTT(CAGリピートにわたる)及びβ−アクチンに対するプライマーで実施した。PCRプログラムは95℃での4分間の初期変性で開始し、次いで94℃、30秒間の変性、60℃、30秒間のアニーリング、72℃、45秒間の伸長を35サイクル行い、その後、最終伸長ステップを72℃で7分間行った。Lab−on−a−Chipを、アジレントDNA 1000キット(Agilent DNA 1000kit)を用いてアジレント2100バイオアナライザー(Agilent 2100 Bioanalyzer)(Agilent Technologies,Waldbronn,Germany)で行った。発現レベルを、β−アクチンレベルに対して、及びトランスフェクションなしの転写物レベルに対して標準化し。下記プライマーを使用した。
HTTフォワード: 5’−ATGGCGACCCTGGAAAAGCTGAT−3’(配列番号70)
HTTリバース: 5’−TGAGGCAGCAGCGGCTG−3’(配列番号71)
β−アクチンフォワード: 5’−GGACTTCGAGCAAGAGATGG−3’(配列番号72)
β−アクチンリバース: 5’−AGCACTGTGTTGGCGTACAG−3’(配列番号73)
結果:
PS659(配列番号2由来の配列番号90)及びPS661(配列番号3由来の配列番号97)の両方は極めて有効であり、HD線維芽細胞中のHTT転写物を用量依存的に減少させた(Fig.1a及び1b)。両方のAONは、伸長CAGリピートを有するアレルに対する選択性も示した。PS659(配列番号2由来の配列番号90)は、PS661(配列番号3由来の配列番号97)(20nMで最も高い効果)(1b)と比較して、より低い濃度(5nMで最も高い効果)(1a)でより高い効果を示し、かつよりアレル特異的であった。
[実施例2]
イントロダクション:
PS659(XYG)7[式中、Xは5−メチルシトシンであり、Y=Uである。](配列番号90(配列番号2由来)としても表される。)を最も効率的かつ安全な候補としてin vitro試験から選択した。本実施例には、一連の脳室内直接注射後のトランスジェニックHDラットモデルにおける活性が記載される。
材料及び方法:
動物:
トランスジェニックHDラットは、51のCAGリピートが天然のラットハンチントンプロモーターの制御下にある切断型ハンチントンcDNA断片を保有する。発現した遺伝子産物は約75kDaであり、全長ハンチントンの22%に対応し(cDNA位置324〜2321、アミノ酸位置1〜709/825(エクソン1〜16に対応))、ラットハンチントンプロモーターの886bpの制御下にある(von Horsten S.ら)。すべての動物実験は、the Institutional Animal Care and Use Committees of the Maastricht University,Maastrichtによって承認されたものである。
オリゴヌクレオチド:
PS659(XYG)7[式中、Xは5−メチルシトシンであり、Y=Uである。](配列番号90(配列番号2由来)としても表される。)は、完全に2’−O−メチルホスホロチオエート修飾されたAONである。
in vivo処置:
トランスジェニックHDラットには、18週間の間に、PS659(配列番号90(配列番号2由来)としても表される。)200μgの最終用量で脳室内注射を15回行った。対照HDラットにはビヒクルのみを投与した。ラットは最終注射の1週間後に屠殺した。
RNA単離:
脳組織由来RNAをRNA−Bee試薬(Tel Test,Inc)を用いて単離した。簡潔には、RNA−Bee(RNA−Bee1mL当たり組織50mg)を加え、MagNAライザー装置(MagNA Lyser instrument)(Roche)を用いてホモジナイズすることによって、MagNAライザーグリーンビーズチューブ(MagNA Lyser green bead tube)(Roche)中で組織試料をホモジナイズした。ライセートを新たなチューブに移し、クロロホルム(SIGMA)を加え(RNA−Bee 1mL当たり0.2mL)、混合し、氷上で5分間インキュベートし、13000rpm、4℃で15分間遠心分離した。上側水相を回収し、等容量のイソプロパノール(SIGMA)を加え、4℃、1時間のインキュベーション及び遠心分離(13000rpm、4℃、15分間)を行った。RNA沈殿物を70%(v/v)エタノール(BioSolve)で洗浄し、空気乾燥し、MilliQに溶解した。
定量的RT−PCR分析:
約200ngを、合計容量20μLでSuperScript first−strand synthesis system(Invitrogen)を用いる無作為ヘキサマーでのcDNA合成に供した。次いで、cDNAの1/40希釈調製物3μLを、iQ(商標)SYBR(登録商標)グリーンスーパーミックス(Green Supermix)(Bio−Rad)の存在下で標準的手順による定量的PCR分析に使用した。定量的PCRプライマーをNCBIデータベース配列情報に基づいて設計した。産物の同一性をDNA配列決定によって確認した。Rab2及びYWHAZに関するシグナルを標準化のために使用した。下記プライマーを使用した。
Rat Htt−F: 5’−CGCCGCCTCCTCAGCTTC−3’(配列番号74)
Rat Htt−R: 5’−GAGAGTTCCTTCTTTGGTCGGTGC−3’(配列番号75)
Rab2−F: 5’−TGGGAAACAGATAAAACTCCAGA−3’(配列番号76)
Rab2−R: 5’−AATATGACCTTGTGATAGAACGAAAG−3’(配列番号77)
YWHAZ−F: 5’−AAATGAGCTGGTGCAGAAGG−3’(配列番号78)
YWHAZ−R: 5’−GGCTGCCATGTCATCGTAT−3’(配列番号79)
結果:
PS659(配列番号90(配列番号2由来)としても表される。)は、生理食塩水処置ラットと比較して、トランスジェニックHtt転写物レベルを皮質(Fig.2a)、海馬(Fig.2b)、嗅球(Fig.2c)及び視床(Fig.3d)において低下させた。これらの結果は、PS659(配列番号90(配列番号2由来)としても表される。)が脳室内直接注射後にin vivoで有効であることを示している。
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