JP6174442B2 - アルキレンオキシド製造用触媒およびアルキレンオキシドの製造方法 - Google Patents

アルキレンオキシド製造用触媒およびアルキレンオキシドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルキレンオキシド製造用触媒およびアルキレンオキシドの製造方法に関する。詳細には、本発明は、触媒寿命(耐久性)に優れるアルキレンオキシド製造用触媒および長期にわたって高い選択率でアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド(酸化エチレン)を製造しうるアルキレンオキシドの製造方法、特にエチレンオキシドの製造方法に関する。
エチレンを銀触媒の存在下で分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化してエチレンオキシドを製造することは工業的に広く行われている。この接触気相酸化に用いる銀触媒については、その担体、担持方法、反応促進剤の種類やその添加量などに関し、多くの技術が提案されている。
例えば、触媒成分を担持する担体に注目して、触媒の活性、選択性及び安定性の向上を目的として、担体の細孔径、比表面積、細孔容積等の細孔分布の最適化について多くの研究がなされている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、触媒寿命の向上を目的として、担体の外表面及び気孔の表面が非晶質シリカで被覆されたα−アルミナ担体を使用することが報告されている(特許文献4)。
特開昭54−89988号公報 特開2009−22835号公報 特開平3−207447号公報 特開平2−194839号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載の担体を用いた触媒では、触媒の寿命が十分とはいえず、より触媒寿命を向上することが強く求められていた。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、触媒寿命を向上できるアルキレンオキシド製造用触媒を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、初期触媒性能(初期選択率)に優れるアルキレンオキシド製造用触媒を提供することである。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の細孔分布を有しかつその表面(外表面及び細孔表面)が非晶質シリカで被覆される担体を用いることによって、上記諸目的が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、上記諸目的は、担体と、前記担体に担持されてなる触媒成分と、を含む、アルキレンオキシド製造用触媒であって、前記担体は、α−アルミナを主成分として含み、外表面および細孔表面が非晶質シリカで被覆され、当該非晶質シリカの被覆量(Si換算)は、1g担体当たり、2×10 −4 〜2×10 −2 g−Si/g担体であり、かつ細孔直径が50μm以上200μm以下の細孔を全細孔容積の15〜40%の割合で有する、触媒によって、達成できる。
また、上記諸目的は、本発明の触媒の存在下で、炭素数2〜20の不飽和炭化水素を分子状酸素含有ガスにより気相酸化することを有する、アルキレンオキシドの製造方法によっても達成できる。
本発明のアルキレンオキシド製造用触媒は、触媒寿命を有意に改善できる。したがって、本発明の触媒を用いることにより、長期にわたって高い選択率でアルキレンオキシドを製造できる。
本発明は、担体と、前記担体に担持されてなる触媒成分と、を含む、アルキレンオキシド製造用触媒であって、前記担体は、α−アルミナを主成分として含み、外表面および細孔表面が非晶質シリカで被覆され、かつ細孔直径が50μm以上の細孔を全細孔容積の15〜40%の割合で有する、触媒(以下、単に「本発明の触媒」とも称する)を提供する。本発明のアルキレンオキシド製造用触媒は、触媒寿命を有意に改善できる。また、本発明のアルキレンオキシド製造用触媒は、初期触媒性能(初期選択率)をも有意に改善できる。したがって、本発明の触媒を用いることにより、アルキレンオキシド(特に、酸化エチレン)の収率を向上できる。また、触媒交換コスト及び操業ロスの削減による経済性向上に加え、CO排出量削減による環境負荷低減も可能である。
特許文献4には、担体の外表面上および担体の気孔の表面上が非晶質シリカで被覆されたα−アルミナ担体を用いることによって、選択性及び触媒寿命に優れる触媒が得られることが見出されている。しかしながら、産業上の観点から、選択性及び触媒寿命をより向上することが強く求められていた。
上記事情を鑑みて、本願発明者らが鋭意検討を行った結果、外表面上および気孔の表面上が非晶質シリカで被覆されかつ特定の細孔径の細孔容積を有する担体を使用することによって、選択性(初期選択率)及び触媒寿命(寿命性能)を顕著に向上できることを見出した。また、これらの改善効果により、アルキレンオキシド(特に、酸化エチレン)の収率を向上できる;触媒交換コスト及び操業ロスの低減/削減による経済性を向上できる;およびCO排出量削減による環境負荷を低減できるという効果が期待できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」、「重量部」と「質量部」、および「重量ppm」と「質量ppm」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。また、「ppm」は、特に断りがない限り、「重量ppm」または「質量ppm」である。
(アルキレンオキシド製造用触媒)
本発明のアルキレンオキシド製造用触媒は、α−アルミナを主成分として含み、外表面および細孔表面が非晶質シリカで被覆され、かつ細孔直径が50μm以上の細孔を全細孔容積の15〜40%で有する担体(以下、単に「担体」または「本発明に係る担体」とも称する)に、触媒成分が担持される。本発明の触媒は、選択性(初期選択率)及び触媒寿命(寿命性能)に優れる。このため、本発明の触媒を使用してアルキレンオキシドを製造することによって、アルキレンオキシド(特に、酸化エチレン)の収率を向上できる;触媒交換コスト及び操業ロスの低減/削減による経済性を向上できる;およびCO排出量削減による環境負荷を低減できる。
(担体)
本発明に係る担体は、下記要件(a)〜(c)を満たす:
(a)α−アルミナを主成分として含む;
(b)外表面および細孔表面が非晶質シリカで、1g担体当たり、2×10−4〜2×10−2g−Si/g担体の非晶質シリカの被覆量(Si換算)で、被覆される;および
(c)細孔直径が50μm以上の細孔を全細孔容積の15〜40%の割合で有する。
上記(a)において、担体は、α−アルミナを主成分とすること以外は特に制限されない。ここで、担体の表面には多数の細孔(開気孔)が存在し、担体の内部に連通している。なお、本発明における「細孔容積」の値としては、後述する実施例に記載の水銀圧入法により得られる値を採用するものとする。ここで、上記水銀圧入法により測定可能な細孔は、担体の表面から外気と接続している細孔(開気孔)のみであり、外部に連通しておらず担体内部に孤立した細孔(閉気孔)は測定されない。したがって、厳密に言えば、本発明における「細孔容積」とは、「閉気孔の容積」を含まない「開気孔の容積」である。
本明細書において、担体が「α−アルミナを主成分とする」とは、担体におけるα−アルミナの含有量が、担体の全重量に対して、90重量%以上であることを意味する。担体におけるα−アルミナの含有量は、好ましくは95重量%以上であり、より好ましくは97重量%以上である。ここで、担体におけるα−アルミナの含有量の上限は、100重量%であるが、99重量%以下であればよい。
本発明に係る担体は、α−アルミナを主成分とするものであればその他の組成は特に制限されないが、担体は、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物や遷移金属の酸化物を含有しうる。これらの含有量についても特に制限はないが、アルカリ金属(例えば、NaO)またはアルカリ土類金属の酸化物の含有量は、酸化物換算で、担体の全重量に対して、好ましくは0〜5重量%であり、より好ましくは0.01〜4重量%である。また、遷移金属の酸化物の含有量は、酸化物換算で、担体の全重量に対して、好ましくは0〜5重量%であり、より好ましくは0.01〜3重量%である。
また、本発明に係る担体は、シリカ(酸化ケイ素)を含有してもよい。ここで、担体におけるシリカの含有量は、特に制限されないが、担体の全重量に対して、好ましくは0.1〜5重量%であり、より好ましくは0.3〜3重量%であり、さらに好ましくは0.5〜2.5重量%である。なお、上述した担体の組成や各成分の含有量は、蛍光X線分析法を用いて決定できる。より具体的には、測定装置としてBRUKER社製S8 TIGERを用い、ファンダメンタルパラメータ法(FP法)または検量線法にて測定することができる。本明細書において、担体の組成や各成分の含有量は、下記実施例に記載される方法によって測定される値である。
上記(b)では、担体は、その外表面および細孔表面が非晶質シリカで被覆されるが、当該構成を有する担体を使用すると、触媒成分の分散状態が良好に保たれるため、触媒の触媒寿命(寿命性能)、さらには高い選択性(初期選択率)を向上することができる。また、このような担体は、非晶質シリカがバインダーの役割を果たすため、強度にも優れる。このため、下記(c)のような大きな細孔をかなりの割合で有する担体であっても、十分な強度を発揮できる。ここで、担体の外表面および細孔表面の非晶質シリカによる被覆量(以下、「担体への非晶質シリカの被覆量」とも称する)は、担体1gあたり、ケイ素(Si)換算で、2×10−4〜2×10−2g−Si/g担体である。担体への非晶質シリカの被覆量が上記範囲から外れると、得られる触媒は選択性(初期選択率)及び触媒寿命(寿命性能)に劣る。担体の外表面および細孔表面の非晶質シリカによる被覆量は、好ましくは8×10−4〜2×10−2g−Si/g担体、より好ましくは1.5×10−3〜1.5×10−2g−Si/g担体である。このような非晶質シリカの被覆量の担体を使用した触媒は、より高い選択性(初期選択率)及び触媒寿命(寿命性能)を発揮できる。また、触媒の強度をより有効に向上できる。本明細書において、担体の外表面および細孔表面の非晶質シリカによる被覆量(担体への非晶質シリカの被覆量)は、下記実施例に記載される方法によって測定される値である。
なお、本発明に係る担体は、その外表面および細孔表面が非晶質シリカで被覆されることを必須の構成要件とするが、非晶質シリカに加えて、アルミナ(即ち、非晶質シリカ−アルミナ)で、担体の外表面および細孔表面が被覆されてもよい。この場合の、担体の外表面および細孔表面の非晶質シリカによる被覆量および担体の外表面および細孔表面のアルミナによる被覆量は、担体への非晶質シリカの被覆量が上記範囲に含まれれば、特に制限されない。例えば、担体の外表面および細孔表面の非晶質シリカ及びアルミナによる被覆合計量は、担体1gあたり、ケイ素(Si)及びアルミニウム(Al)の合計量換算で、好ましくは9×10−4〜7×10−2g/g担体、より好ましくは2.5×10−4〜5×10−2g/g担体である。また、担体の外表面および細孔表面の非晶質シリカ及びアルミナの被覆比率もまた特に制限されないが、非晶質シリカ−アルミナが、ケイ素(Si)及びアルミニウム(Al)換算で、アルミニウム(Al)に対するケイ素(Si)の重量比(Si/Al比)として、好ましくは0.004〜40、より好ましくは0.04〜4である。このような非晶質シリカ−アルミナの被覆量の担体を使用した触媒は、より高い選択性(初期選択率)及び触媒寿命(寿命性能)を発揮できる。また、触媒の強度をより有効に向上できる。なお、本明細書において、担体の外表面および細孔表面の非晶質シリカ及びアルミナの被覆量は、以下の方法によって測定される値である。すなわち、10gの担体を8〜10メッシュに粉砕し、46重量%フッ化水素酸水溶液20mlに1時間、室温(25℃)で浸した後、濾過を行ない溶液中のSiイオンおよびAlイオンを原子吸光分析器で測定する。
上記(c)では、担体は、細孔直径が50μm以上の細孔を全細孔容積の15〜40%の割合で有する。このような大きな細孔を比較的多く有することによって、得られる触媒の活性や選択率等の触媒性能を向上できる。また、このような担体を使用してアルキレンオキシドを製造すると、触媒の再現性や製造時の歩留まりを向上できる。
本発明のような構成とすることで上述した効果が発揮されるメカニズムは明らかではないが、以下のように推測される。なお、本発明は下記推測によって限定されない。すなわち、アルキレンオキシド製造用触媒のように、多孔質担体に触媒成分を担持する、いわゆる担持型触媒では、担体の内部に存在する細孔内に触媒成分を付着(担持)させる必要がある。このため、担体の外表面から内部に連通する開気孔の存在が必要となる。換言すれば、理論上は担体の閉気孔に触媒成分は担持されない。上述したように、本発明に係る担体は、従来の触媒に用いられる担体に比して、径の比較的大きな開気孔を多数有することから、担体に触媒成分を担持する工程において、担体に添加した触媒成分含有溶液が担体の外表面に存在する開気孔から速やかに侵入し、連通する担体内部の細孔に浸潤すると考えられる。その結果、担体に吸収されずに残存した余分な触媒成分含有溶液が担持装置の壁面に付着したりする量が減少することから、最終的に触媒成分の歩留まりが向上すると考えられる。また、適度な孔径の細孔が存在することによって、連通する細孔内に触媒成分含有溶液が毛管現象により満遍なく浸潤し、触媒成分の粒子が担体内部にも高分散して担持される。その結果、銀の偏在が防止され、高い活性および高い選択率を示すとともに、複数回に亘る触媒製造における再現性も向上すると考えられる。なお、これらのメカニズムはあくまでも推測に基づくものであり、実際には他のメカニズムによって上述したような本発明の効果が得られていたとしても、本発明の技術的範囲は何ら影響を受けることはない。
ここで、細孔直径が50μm以上の細孔の容積が全細孔容積の15%未満であると、得られる触媒の触媒寿命(寿命性能)が過度に低下する。また、選択性(初期選択率、選択率)もまた低下し、経済性が悪化する。また、細孔直径が50μm以上の細孔の容積が全細孔容積の40%を超えると、担体の強度が過度に低下し、また、触媒の製造や反応器への充填に支障をきたす。より高い選択性(初期選択率、選択率)及び触媒寿命(寿命性能)を考慮すると、担体の細孔直径が50μm以上の細孔の容積は、全細孔容積に対して、15〜40%であることが好ましく、15〜35%であることがより好ましい。
本明細書において、担体の全細孔容積に占める細孔直径が50μm以上の細孔の容積の割合(%)は、下記数式1に従って算出される。なお、担体の細孔分布および細孔容積は、下記実施例に記載される方法によって測定される値である。
担体は、上記(a)〜(c)を満足することは必須の要件であるが、他の要件については特に制限されない。例えば、担体の全細孔容積は、特に制限されないが、担体の単位重量あたりの全細孔容積は、好ましくは0.35〜0.53ml/gであり、より好ましくは0.35〜0.50ml/gである。このような全細孔容積を有する担体は、十分な強度を有する。また、触媒成分を容易に担持できる。ここで、担体の全細孔容積は、水銀圧入法により測定される。具体的には、水銀圧入法により、200℃にて少なくとも30分間脱気した担体をサンプルとし、測定装置としてオートポアIII9420W(株式会社島津製作所製)を用い、1.0〜60,000psiaの圧力範囲及び60個の測定ポイントで測定される。
担体の形状は、特に制限されず、リング状、球状、円柱状、ペレット状のほか、従来公知の知見が適宜参照されうる。また、担体のサイズ(平均直径)についても特に制限はなく、好ましくは3〜20mmであり、より好ましくは5〜10mmである。なお、担体がリング状である場合の担体のサイズもまた特に制限されないが、例えば、担体の外径(平均直径)は、好ましくは3〜20mmであり、より好ましくは5〜10mmである。担体の内径(平均内径)は、好ましくは1〜7mmであり、より好ましくは2〜6mmである。担体の長さ(平均長さ)は、好ましくは3〜20mmであり、より好ましくは5〜15mmである。なお、上記担体の外径(平均直径)、内径(平均内径)及び長さ(平均長さ)は、統計学的に有意な平均値(例えば、100個以上の平均値)でありうる。
担体の比表面積もまた、特に制限されないが、担体のBET比表面積は、好ましくは0.1〜10m/gであり、より好ましくは0.1〜5m/gであり、さらに好ましくは0.3〜2m/gであり、特に好ましくは0.6m/g以上でかつ0.9m/g未満である。担体のBET比表面積が上記範囲であれば、触媒成分を担持するための十分な細孔が確保され、触媒性能に優れる触媒が得られる。また、担体の細孔径がある程度大きい値に維持され、製造された触媒を用いたアルキレンオキシド製造時のアルキレンオキシドの逐次酸化が抑制できる。なお、担体の「BET比表面積(m/g)」は、物質の比表面積を測定する際に一般的に用いられている装置により求めることができる。本明細書において、担体の「BET比表面積(m/g)」は、下記実施例に記載される方法によって測定される値である。
担体の吸水率は、特に制限されないが、好ましくは20〜50%であり、25〜45%が好ましい。このような吸水率を有する担体は、十分な強度を維持でき、かつ表面積を保持して、触媒成分を担持する際の含浸操作を容易に行うことができる。なお、担体の吸水率の測定方法は、特に制限されず、公知の方法が同様にしてあるいは適宜修飾して適用できる。本明細書において、担体の「吸水率(%)」は、下記実施例に記載される方法によって測定される値である。
担体の見かけの気孔率もまた、特に制限されないが、好ましくは45〜70%、より好ましくは50〜60%である。
(担体の製造方法)
本発明に係る担体の製造方法は、特に制限されない。具体的には、α−アルミナ粉体を、コロイド状シリカ(シリカゾル)と、有機バインダーと、気孔形成剤と溶媒を混練して杯土を調製し、得られた杯土を適当な形状に成形した後、必要に応じ乾燥し、ヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガスおよび/または空気等のガス雰囲気下で焼成する方法が好ましく使用される。以下、本発明に係る担体の好ましい製造方法を説明するが、本発明は下記方法に限定されるものではない。
担体原料のα−アルミナ粉体の純度(含有量)は90重量%以上、好ましくは95重量%以上、更に好ましくは99重量%以上、特に好ましくは99.5重量%以上(上限:100重量%)のものが用いられる。α−アルミナ粉体はほかに、酸化アルミナ、特に無定形のアルミナ、シリカ、シリカアルミ、ムライトなど(これらを「無定形アルミナ等」と総称する);酸化セシウムを除く、酸化カリウム、酸化ナトリウムなどのアルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物など(これらを「アルカリ等」と総称する);酸化鉄、酸化チタンなどの遷移金属酸化物を含んでいてもよい。なお、担体を成型体にする前の原料α−アルミナ粉体には、微量ながらナトリウム(酸化ナトリウム)が含まれていることがある。この場合には、予めその粉体中のナトリウム量を把握することにより、担体が特定量のナトリウム含有量となるように、担体調製時にナトリウム化合物を添加し、担体を得ることができる。
α−アルミナ粉体の粒径に関しても特に制限はないが、α−アルミナ粉体の一次粒子径は、好ましくは0.01〜100μmであり、より好ましくは0.1〜20μmであり、さらに好ましくは0.5〜10μmであり、特に好ましくは1〜5μmである。また、α−アルミナ粉体の二次粒子径は、好ましくは0.1〜1,000μmであり、より好ましくは1〜500μmであり、さらに好ましくは10〜200μmであり、特に好ましくは30〜100μmである。
α−アルミナ粉体の比表面積(窒素ガスを用いたBET法による測定、以下、BET比表面積と略す。)に関しても特に制限はないが、α−アルミナ粉体のBET比表面積は、好ましくは0.01〜20m/gであり、より好ましくは0.1〜10m/gであり、さらに好ましくは0.1〜5m/gであり、特に好ましくは0.3〜4m/gである。
また、当該α−アルミナ粉体の線収縮率は12〜20%のものが好適に用いられる。ここで示す「線収縮率」とは、α−アルミナ粉体に約1〜5質量%のフラックスを添加し、約50MPaの圧力で成形した後、約1600〜1700℃で2〜3時間焼成したときの長さ方向の収縮率を指す。
コロイド状シリカのサイズ(平均直径)は、特に制限されないが、α−アルミナ粒子上での分散性を考慮すると、5〜100nmであることが好ましい。コロイド状シリカの添加量は、特に制限されないが、担体への被覆度合い、得られた触媒の性能などを考慮すると、α−アルミナ粉体 100重量部に対して、1〜30重量部であることが好ましい。
コロイド状シリカは、いずれの方法によって製造されてもよいが、例えば、珪酸ソーダ水溶液を酸で中和して一旦ゲルとした後、解膠して得る方法や珪酸ソーダ水溶液をイオン交換により脱ソーダ化することによって得られる。また、コロイド状シリカは市販品を使用してもよく、市販品としては、日産化学(株)より販売されている「スノーテックス」や日揮触媒化成(株)より販売されている「カタロイド」などが使用できる。
気孔形成剤は、本発明に係る細孔容積を達成できるものであれば特に制限されないが、添加によって触媒性能に悪影響を及ぼさないものが好ましい。具体的には、コークス、炭素粉末、グラファイト、(ポリアルキレン、ポリスチレン、ポリカーボネート等のような)粉末プラスチック、セルロースおよびセルロース基材料、おが屑、ならびに粉砕堅果穀、カシュー、桃、杏、くるみ等の殻のような他の植物材料等の炭質材料である。炭素基材バインダーもまた気孔形成剤として役に立つことができる。これらうち、粉砕堅果穀、カシュー、桃、杏、くるみ等の殻のような炭質材料が好ましい。これらの気孔形成剤は、焼成時に担体から完全に除去されて、該担体中に制御された気孔が残る。また、気孔形成剤の大きさは、本発明に係る細孔容積を達成できるものであれば特に制限されないが、気孔形成剤の平均粒径(直径)が、50〜1000μmであることが好ましく、100〜850μmであることが好ましい。このような所望の粒径を有する気孔形成剤は、所望の目開きを有するメッシュで分級することによって、容易に得られる。気孔形成剤の添加量は、特に制限されないが、α−アルミナ粉体 100重量部に対して、好ましくは15.5〜45重量部であり、より好ましくは17〜35重量部である。このような量であれば、本発明に係る担体に、細孔直径が50μm以上の細孔を全細孔容積の15〜40%の割合で容易に制御できる。
混合物を調製するために使用される溶媒は、特に制限されないが、担体製造の生産性、安全性、及びコストなどを考慮すると、水およびメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類などが挙げられ、特に水が好ましい。
また、杯土は、必要により、他の成分を含んでもよい。ここで、他の成分としては、特に制限されないが、有機バインダーなどが挙げられる。バインダーは、滑性を付与することによって押出工程を容易にせしめる。有機バインダーとしては、以下に制限されないが、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチまたはそのアルカリ金属塩などを挙げることができる。この中でも、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、コーンスターチなどを使用することが好ましい。ここで、他の成分の混合物中の濃度は、特に制限されない。例えば、有機バインダーの添加量は、担体の製造コストや成形のしやすさなどを考慮すると、α−アルミナ粉体 100重量部に対し1〜20重量部であることが好ましい。
上記で調製された杯土は、ニーダーなどの混練機を用いて十分に混合することが好ましい。これにより、上記各成分が均一に混合されるため、α−アルミナ粒子をコロイド状シリカ(シリカゾル)で十分被覆し、また、担体中の細孔直径が50μm以上の細孔を全細孔容積の15〜40%に容易に制御できる。
このようにして混錬した後は、押し出し成型などにより適当な金型を用いて所望の形状に成型(または造粒)し、乾燥した後、焼成する。これらの調製方法については、例えば、「多孔質体の性質とその応用技術」竹内雍監修、株式会社フジ・テクノシステム発行(1999年)に記載されている。また、特開平5−329368号公報、特開2001−62291号公報、特開2002−136868号公報、特許第2983740号公報、特許第3256237号公報、特許第3295433号公報なども参照されうる。ここで、乾燥条件は、成形物が十分乾燥される条件であれば特に制限されないが、例えば、60〜150℃で1〜100時間程度で成形物を乾燥することが好ましい。また、焼成条件もまた、特に制限されず、公知の担体の製造条件と同様の条件が適用できる。例えば、上記で乾燥されたものを、ヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガスおよび空気等のガス雰囲気下で、好ましくは1,000〜1,800℃、より好ましくは1,200〜1,700℃で、好ましくは1〜100時間、より好ましくは1〜20時間程度、焼成する。
なお、上記では、α−アルミナ担体の外表面および細孔表面を非晶質シリカで被覆する方法について詳述したが、α−アルミナ担体の外表面および細孔表面を非晶質シリカ及びアルミナ(即ち、非晶質シリカ−アルミナ)で被覆する際も、上記と同様の方法が適用できる。例えば、上記方法の原料の混錬の際に、コロイド状のアルミナおよびシリカ粒子を混合すればよい。或いは、上記方法の焼成工程の後に、当該コロイド粒子を含浸した後、乾燥、焼成してもよい。当該コロイド粒子は、1〜300nm、好ましくは1〜20nmの径(平均直径)を有する。1〜300nmの径を有するアルミナおよびシリカ粒子としては、一般的にはアルミナゾル、コロイダルシリカの水溶液として用いるのが分散の容易さから好ましい。アルミナゾルおよびコロイダルシリカの調製は「超微粒子開発応用ハンドブック」1989年4月5日、(株)サイエンスフォーラムに記載されている。アルミナゾルはアルミニウム塩を加水分解して得る方法やアルミニウム塩水溶液をアルカリで中和して一旦ゲルとした後、解膠して得る方法がある。また、コロイダルシリカは珪酸ソーダ水溶液を酸で中和して一旦ゲルとした後、解膠して得る方法や珪酸ソーダ水溶液をイオン交換により脱ソーダ化して得る方法がある。市販品としては、アルミナゾルとしては、日産化学(株)より販売されている「アルミナゾル100」、「アルミナゾル200」、「アルミナゾル500」などが使用できる。また、コロイダルシリカとしては、日産化学(株)より販売されている「スノーテックス」、或いは日揮触媒化成(株)より販売されている「カタロイド」などが使用できる。
(触媒成分)
本発明の触媒は、上記した本発明に係る担体に触媒成分が担持されてなる。
ここで、触媒成分は、特に制限されず、アルキレンオキシド製造用触媒に通常使用される触媒成分が同様にして使用できる。例えば、好ましくは、触媒成分は、銀、セシウム、レニウム、ならびにモリブデン、タングステン、クロムおよびバナジウムからなる群より選択される少なくとも一種(添加触媒成分)を含む。このような触媒成分が担持される触媒は、高い選択率を示す。
上記触媒成分のうち、銀が、主として触媒活性成分としての役割を担う。ここで、銀の含有量(担持量)は、特に制限されず、アルキレンオキシドの製造に有効な量で担持すればよい。また、銀の含有量(担持量)は、特に制限されないが、アルキレンオキシド製造用触媒の重量基準で(担体及び触媒成分の合計重量基準で;以下、同様)、好ましくは30重量%未満であり、より好ましくは1重量%以上30重量%未満、さらにより好ましくは3〜25重量%、特に好ましくは5〜20重量%である。このような範囲であれば、アルキレンを分子状酸素含有ガスにより気相酸化してアルキレンオキシドを製造する反応を効率よく触媒化できる。
また、セシウム(Cs)、レニウム(Re)は、一般に、銀の反応促進剤として作用する。これらの含有量(担持量)は、特に制限されず、アルキレンオキシドの製造に有効な量で担持すればよい。また、セシウムの含有量(担持量)は、特に制限されないが、アルキレンオキシド製造用触媒の重量基準(セシウム(Cs)換算)で、500〜5000重量ppmであり、好ましくは1000〜4000重量ppmである。このような範囲であれば、アルキレン(例えば、エチレン)を分子状酸素含有ガスにより気相酸化してアルキレンオキシドを製造する反応を有効に促進できる。また、レニウムの含有量(担持量)は、特に制限されないが、アルキレンオキシド製造用触媒の重量基準(レニウム(Re)換算)で、50〜2000重量ppmであり、好ましくは100〜1000重量ppmである。このような範囲であれば、アルキレンを分子状酸素含有ガスにより気相酸化してアルキレンオキシドを製造する反応を有効に促進できる。特にレニウムは触媒の選択性の点で重要な要素であると考えられる。このため、上記範囲にレニウム量を制御することによって、触媒の選択性を有効に向上できる。レニウムが上記範囲を超えると、選択率の上昇が認められなくなるだけでなく、反応温度を高くする必要があるため、寿命性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
さらに添加触媒成分は、モリブデン、タングステン、クロムおよびバナジウムからなる群より選択される少なくとも一種である。ここで、当該添加触媒成分は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。当該添加触媒成分は、レニウムの補助促進剤(レニウム共促進剤)として作用する。このように各触媒成分が相互に作用することによって、本発明の触媒は、高い選択性を発揮できる。添加触媒成分の含有量(担持量)は、特に制限されず、アルキレンオキシドの製造に有効な量で担持すればよい。添加触媒成分の含有量(担持量)は、特に制限されないが、アルキレンオキシド製造用触媒の重量基準(各金属換算)で、好ましくは10〜2000重量ppmであり、より好ましくは50〜1000重量ppmである。このような範囲であれば、アルキレンを分子状酸素含有ガスにより気相酸化してアルキレンオキシドを製造する際に、レニウムの効果(触媒の選択性の向上効果)を促進できる。
本発明の触媒は、上記触媒成分に加えて、他の触媒成分を含んでもよい。ここで、他の触媒成分としては、特に制限されないが、例えば、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、ニオブ、スズ、アンチモン、タンタル、ビスマス、チタン、ジルコニウムなどが挙げられる。また、このような他の触媒成分の含有量(担持量)は、本発明による触媒成分の効果を阻害しない限り特に制限されないが、好ましくはアルキレンオキシド製造用触媒の重量基準(各金属換算)で、10〜1000重量ppmである。
なお上述した触媒の組成や各成分の含有量は、蛍光X線分析法を用いて決定できる。より具体的には、測定装置としてBRUKER社製S8 TIGERを用い、ファンダメンタルパラメータ法(FP法)或いは検量線法にて測定することができる。
(アルキレンオキシド製造用触媒の製造方法)
本発明のアルキレンオキシド製造用触媒は、上記したような担体を使用する以外は、従来公知のアルキレンオキシド製造用触媒の製造方法に従って調製されうる。以下、本発明のエチレンオキシド製造用触媒の製造方法の好ましい実施形態を記載する。しかし、本発明は、下記の好ましい実施形態に限定されず、適宜修飾してあるいは他の公知の方法に本発明に係る担体を使用することによって、触媒を製造できる。
まず、各触媒成分の前駆体を適当な溶媒に溶解して、触媒前駆体溶液を調製する。ここで、各触媒成分の前駆体としては、溶媒に溶解する形態であれば特に制限されないが、例えば、銀の場合には、例えば、硝酸銀、炭酸銀、シュウ酸銀、酢酸銀、プロピオン酸銀、乳酸銀、クエン酸銀、ネオデカン酸銀などが挙げられる。これらのうち、シュウ酸銀、硝酸銀が好ましい。また、レニウムの場合には、過レニウム酸アンモニウム、過レニウム酸ナトリウム、過レニウム酸カリウム、過レニウム酸、塩化レニウム、酸化レニウム、過レニウム酸セシウムなどが挙げられる。これらのうち、過レニウム酸アンモニウム、過レニウム酸セシウムが好ましい。セシウムの場合には、セシウムの、硝酸塩、亜硝酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物、酢酸塩、硫酸塩、過レニウム酸塩、モリブデン酸塩などが挙げられる。これらのうち、硝酸セシウム、過レニウム酸セシウム、モリブデン酸セシウムが好ましい。
また、添加触媒成分の場合には、各添加触媒成分によって適宜選択される。例えば、モリブデンの場合には、酸化モリブデン、モリブデン酸、モリブデン酸塩、その他、ケイモリブデン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸の塩などが挙げられる。これらのうち、パラモリブデン酸アンモニウム、パラモリブデン酸セシウム、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸セシウム、ケイモリブデン酸アンモニウム、ケイモリブデン酸セシウムが好ましい。タングステンの場合には、酸化タングステン、タングステン酸、タングステン酸塩、リンタングステン酸、ケイタングステン酸などのヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸の塩などが挙げられる。これらのうち、メタタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸セシウム、パラタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸セシウム、リンタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸セシウム、ケイタングステン酸アンモニウム、ケイタングステン酸セシウムが好ましい。クロムの場合には、酸化クロム、クロム酸、クロム酸塩などが挙げられる。これらのうち、クロム酸アンモニウム、クロム酸セシウム、重クロム酸アンモニウム、重クロム酸セシウムが好ましい。バナジウムの場合には、酸化バナジウム、バナジン酸、バナジン酸塩などが挙げられる。これらのうち、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸セシウム、オルトバナジン酸アンモニウム、オルトバナジン酸セシウムが好ましい。上記各添加触媒成分は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、上記各添加触媒成分の添加量は、上記した所定の触媒組成となるように適宜決定できる。
上記各触媒成分の前駆体を溶解する溶媒もまた、各触媒成分を溶解できるものであれば特に制限されない。具体的には、水、メタノールおよびエタノールなどのアルコール類、トルエンの芳香族化合物などが挙げられる。これらのうち、水、エタノールが好ましい。
ここで、触媒前駆体溶液は、上記触媒成分に加えて、必要に応じて、錯体を形成するための錯化剤をさらに溶媒に添加してもよい。錯化剤としては、特に制限されないが、例えば、ピリジン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミンなどが挙げられる。上記錯化剤は単独で使用されても、あるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。錯化剤の添加量は、特に制限されないが、例えば、銀化合物と錯化剤とが錯体を形成するように、銀化合物と等モル量となるようにするのがよい。このように銀化合物とアミン化合物との錯体を生成させることにより、含浸液は溶液状となり含浸作業が容易となる。
次いで、このように調製された触媒前駆体溶液を、上記で準備した担体に含浸させる。含浸工程は20〜120℃の温度で0.1〜10時間行うことが好ましい。ここで、上記触媒前駆体溶液は、触媒前駆体溶液毎に別々に調製して、担体に順次含浸してもあるいは各触媒前駆体を一つの溶媒に溶解して、一つの触媒前駆体溶液とし、これを担体に含浸してもよい。
続いて、含浸後の担体を乾燥し、焼成する。乾燥は、空気、酸素、または不活性ガス(例えば、窒素)の雰囲気中で、必要であれば減圧下で、80〜120℃の温度で行うことが好ましい。また、焼成は、空気、酸素、または不活性ガス(例えば、窒素)の雰囲気中で、100〜800℃の温度で、好ましくは150〜700℃の温度で0.1〜100時間、好ましくは0.2〜10時間程度行うことである。なお、焼成は、1段階のみ行われてもよいし、2段階以上行われてもよい。好ましい焼成条件としては、1段階目の焼成を空気雰囲気中で100〜300℃にて0.1〜10時間行った後、2段階目の焼成を空気雰囲気中で300℃を超えて450℃にて0.1〜10時間行う条件が挙げられる。別の好ましい焼成条件としては、1段階目の焼成を空気雰囲気中で100〜300℃にて0.1〜10時間行った後、不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンなど)雰囲気中で300℃を超えて800℃以下、より好ましくは400〜700℃にて、0.1〜10時間、より好ましくは1〜5時間、焼成を行う。このような条件で行うことによって、触媒寿命をより向上することができる。
このようにして得られた本発明の触媒は、選択性および触媒寿命(耐久性)に優れる。したがって、本発明のアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド製造用触媒を使用することによって、アルキレンオキシド、特にエチレンオキシドを長期に亘って高選択率で製造でき、産業上非常に有益である。
(アルキレンオキシドの製造方法)
本発明はまた、本発明の触媒の存在下に分子状酸素含有ガスを用いアルキレン(特にエチレン)を気相酸化するアルキレンオキシド、特にエチレンオキシドの製造方法もまた提供される。すなわち、本発明の触媒の存在下で、炭素数2〜20の不飽和炭化水素を分子状酸素含有ガスにより気相酸化することを有する、アルキレンオキシドの製造方法をも提供される。
本発明の方法は、特にエチレンオキシドまたは3,4−エポキシ−1−ブテンの製造に好適に使用できる。このため、不飽和炭化水素がエチレンでありかつアルキレンオキシドが酸化エチレンである、または不飽和炭化水素が1,3−ブタジエンでありかつアルキレンオキシドが3,4−エポキシ−1−ブテンであることが好ましい。
アルキレンオキシドの製造方法は、触媒として本発明のアルキレンオキシド製造用触媒を使用する点を除けば、常法に従って行われうる。
以下、エチレンオキシドの製造方法の好ましい実施形態を記載する。しかし、本発明は、下記の好ましい実施形態に限定されず、適宜修飾してあるいは他の公知の方法に本発明の触媒を使用することによって、アルキレンオキシド(エチレンオキシドを含む)を製造できる。
例えば、工業的製造規模における一般的な条件、すなわち反応温度150〜300℃、好ましくは180〜280℃、反応圧力0.2〜4MPa、好ましくは0.5〜3MPa、空間速度1,000〜30,000hr−1(STP)、好ましくは3,000〜8,000hr−1(STP)が採用される。触媒に接触させる原料ガスとしては、エチレン0.5〜40容量%、酸素3〜10容量%、炭酸ガス1〜30容量%、残部の窒素、アルゴン、水蒸気等の不活性ガスおよびメタン、エタン等の低級炭化水素類からなり、さらに反応抑制剤としてのエチルクロライド、エチレンジクロライド、ビニルクロライド、メチルクロライドなどの塩化アルキルを0.1〜10容量ppm含有するものが挙げられる。本発明の製造方法において使用される分子状酸素含有ガスとしては、空気、酸素および富化空気が挙げられる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「重量%」および「重量部」を意味する。
また、担体の組成、比表面積、吸水率、細孔分布、細孔容積、および担体への非晶質シリカの被覆量は、下記方法によって測定した。
(担体の組成)
担体の組成は、下記方法によって測定する。
粉砕した担体を、直径約3cmのディスク状にプレスした後、BRUKER社製S8 TIGERにてFP法或いは必要に応じて検量線法にて測定する。
(担体の比表面積の測定)
担体の比表面積(BET比表面積)は、下記方法に従って測定する。
担体を粉砕した後、0.85〜1.2mmの粒径に分級したもの約0.2gを正確に秤量した。秤量したサンプルを200℃にて少なくとも30分間脱気し、BET(Brunauer−Emmet−Teller)法により測定する。
(担体の吸水率の測定)
担体の吸水率は、日本工業規格(JIS R 2205(1998))に記載の方法に準拠して、以下のa)〜d)の手法により測定する。
a)担体を120℃に保温した乾燥機中に入れ、恒量に達した際の重量を秤量する(乾燥重量:W1(g));
b)上記a)で秤量した担体を水中に沈めて30分間以上煮沸した後、室温の水中にて冷却し、飽水サンプルとする;
c)上記b)で得た飽水サンプルを水中から取り出し、湿布ですばやく表面を拭い、水滴を除去した後に秤量した(飽水サンプル重量:W2(g));および
d)上記で得られたW1(g)およびW2(g)を用い、下記数式2に従って、吸水率(%)を算出する。
(担体の細孔分布、細孔容積の測定)
担体の細孔分布および細孔容積は、下記水銀圧入法に従って測定する。具体的には、200℃にて少なくとも30分脱気した担体をサンプルとして使用する。さらに、このようにして得られたサンプルについて、測定装置としてオートポアIII9420W(株式会社島津製作所製)を用い、1.0〜60,000psiaの圧力範囲および60個の測定ポイントで細孔分布、細孔容積を得る。この細孔分布及び細孔容積に従って、下記数式1により、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合(%)を算出する。
(担体への非晶質シリカの被覆量(担体の外表面上および気孔の表面上の非晶質シリカ量)の測定)
担体への非晶質シリカの被覆量(担体の外表面上および気孔の表面上の非晶質シリカ量)は、下記方法に従って測定する。
具体的には、担体10gを8〜10メッシュに粉砕し、46重量%フッ化水素酸20mLに1時間浸した後、濾過を行い溶液中のSiイオンを原子吸光分析器で測定して求める。
合成例1:担体aの製造
100重量部の高純度α−アルミナ粉体(α−アルミナ含有量=99.9重量%;二次粒子径=50μm;BET比表面積=1.2m/g;)と、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びコーンスターチからなる9.7重量部の有機バインダー(組成:セルロース:メチルセルロース:カルボキシメチルセルロースナトリウム:コーンスターチ(重量比)=6:1:4:8)と、気孔形成剤として30メッシュ〜40メッシュに分級された30.5重量部のクルミ殻(#36)と、7.1重量部のシリカゾル(日産化学社製、商品名:スノーテックスО;粒径=10〜15nm)と、38.6重量部の水とをニーダーに投入し、十分に混練した。得られた杯土をリング状に押出成形し、80℃で24時間、十分に乾燥した後、1550℃で2時間焼成して外径8mm、内径4mm、長さ8mmのリング状成形体である担体a(α−アルミナの含有量:98.4重量%)を得た。
このようにして得られた担体aについて、上記した方法に従って、BET比表面積、吸水率、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合、及び担体への非晶質シリカの被覆量を測定したところ、BET比表面積=0.79m/g、吸水率=43.7%、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合=31.3%、担体への非晶質シリカの被覆量=6.7×10−3g−Si/g担体であった。
合成例2:担体bの製造
合成例1において、クルミ殻(#36)の添加量を25.4重量部に変更した以外は、上記合成例1と同様にして、担体b(α−アルミナの含有量:98.6重量%)を得た。
このようにして得られた担体bについて、上記した方法に従って、BET比表面積、吸水率、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合、及び担体への非晶質シリカの被覆量を測定したところ、BET比表面積=0.76m/g、吸水率=43.0%、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合=21.9%、担体への非晶質シリカの被覆量=6.5×10−3g−Si/g担体であった。
合成例3:担体cの製造
合成例1において、クルミ殻(#36)の添加量を20.3重量部に変更した以外は、上記合成例1と同様にして、担体c(α−アルミナの含有量:98.3重量%)を得た。
このようにして得られた担体cについて、上記した方法に従って、BET比表面積、吸水率、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合、及び担体への非晶質シリカの被覆量を測定したところ、BET比表面積=0.77m/g、吸水率=40.2%、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合=16.2%、担体への非晶質シリカの被覆量=6.5×10−3g−Si/g担体であった。
合成例4:担体dの製造
合成例1において、クルミ殻(#36)の添加量を15.2重量部に変更した以外は、上記合成例1と同様にして、担体d(α−アルミナの含有量:98.5重量%)を得た。
このようにして得られた担体dについて、上記した方法に従って、BET比表面積、吸水率、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合、及び担体への非晶質シリカの被覆量を測定したところ、BET比表面積=0.75m/g、吸水率=40.9%、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合=8.4%、担体への非晶質シリカの被覆量=6.4×10−3g−Si/g担体であった。
合成例5:担体eの製造
100重量部の高純度α−アルミナ粉体(α−アルミナ含有量=99.9重量%;二次粒子径=50μm;BET比表面積=1.2m/g;)と、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びコーンスターチからなる10.2重量部の有機バインダー(組成:セルロース:メチルセルロース:カルボキシメチルセルロースナトリウム:コーンスターチ(重量比)=6:1:4:8)と、気孔形成剤として30メッシュ〜40メッシュに分級された32.1重量部のクルミ殻(#36)と、7.1重量部のムライト(大平洋ランダム社製、商品名:電融ムライト70M)と、42.8重量部の水とをニーダーに投入し、十分に混練した。得られた杯土をリング状に押出成形し、80℃で24時間、十分に乾燥した後、1550℃で2時間焼成して外径8mm、内径4mm、長さ8mmのリング状成形体である担体e(α−アルミナの含有量:93.4重量%以上)を得た。
このようにして得られた担体eについて、上記した方法に従って、BET比表面積、吸水率、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合、及び担体への非晶質シリカの被覆量を測定したところ、BET比表面積=0.81m/g、吸水率=46.5%、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合=33.8%、担体への非晶質シリカの被覆量=5.4×10−5g−Si/g担体であった。
上記合成例1〜5で得られた担体a〜eの組成および全細孔容積に占める各細孔範囲の容積率を下記表1に要約する。なお、下記表1において、「50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合」は「50μm以上の細孔容積割合」と称し、「担体への非晶質シリカの被覆量」は「非晶質シリカの被覆量」と称する。
実施例1
シュウ酸銀20.0g、硝酸セシウム0.213g、過レニウム酸アンモニウム0.050g、メタタングステン酸アンモニウム0.039gを、約10mLの水に溶解し、さらに錯化剤としてエチレンジアミン7mLを加え、触媒前駆体溶液を調製した。
この触媒前駆体溶液を、上記合成例1で得られた担体a(α−アルミナ担体、BET比表面積=0.79m/g、吸水率=43.7%、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合=31.3%、担体表面の非晶質シリカ量=6.7×10−3g−Si/g担体)50.0gに0.5時間含浸した後、90℃で減圧乾燥した。これを空気気流中300℃で0.25時間熱処理した後、窒素気流中600℃で3時間熱処理して触媒Aを得た。
このようにして調製された触媒Aの各成分の含有量(触媒の重量基準)は、Ag(銀換算)=15.1重量%、Cs(Cs換算)=2350重量ppm、Re(Re換算)=560重量ppm、W(W換算)=460重量ppmであった。
実施例2
実施例1において、担体aの代わりに、上記合成例2で得られた担体b(α−アルミナ担体、BET比表面積=0.76m/g、吸水率=43.0%、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合=21.9%、担体表面の非晶質シリカ量=6.5×10−3g−Si/g担体)を使用した以外は、実施例1と同様にして、触媒Bを得た。
触媒Bの各成分の含有量(触媒の重量基準)は、Ag(銀換算)=15.0重量%、Cs(Cs換算)=2340重量ppm、Re(Re換算)=550重量ppm、W(W換算)=460重量ppmであった。
実施例3
実施例1において、担体aの代わりに、上記合成例3で得られた担体c(α−アルミナ担体、BET比表面積=0.77m/g、吸水率=40.2%、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合=16.2%、担体表面の非晶質シリカ量=6.5×10−3g−Si/g担体)を使用した以外は、実施例1と同様にして、触媒Cを得た。
触媒Cの各成分の含有量(触媒の重量基準)は、Ag(銀換算)=15.1重量%、Cs(Cs換算)=2360重量ppm、Re(Re換算)=570重量ppm、W(W換算)=450重量ppmであった。
比較例1
実施例1において、担体aの代わりに、上記合成例4で得られた担体d(α−アルミナ担体、BET比表面積=0.75m/g、吸水率=40.9%、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合=8.4%、担体表面の非晶質シリカ量=6.4×10−3g−Si/g担体)を使用した以外は、実施例1と同様にして、触媒Dを得た。
触媒Dの各成分の含有量(触媒の重量基準)は、Ag(銀換算)=14.8重量%、Cs(Cs換算)=2340重量ppm、Re(Re換算)=550重量ppm、W(W換算)=450重量ppmであった。
比較例2
実施例1において、担体aの代わりに、上記合成例5で得られた担体e(α−アルミナ担体、BET比表面積=0.81m/g、吸水率=46.5%、50μm以上の細孔直径を有する細孔の細孔容積割合=33.8%、担体表面の非晶質シリカ量=5.4×10−5g−Si/g担体)を使用した以外は、実施例1と同様にして、触媒Eを得た。
触媒Eの各成分の含有量(触媒の重量基準)は、Ag(銀換算)=14.9重量%、Cs(Cs換算)=1630重量ppm、Re(Re換算)=560重量ppm、W(W換算)=440重量ppmであった。
上記実施例1〜3で得られた触媒A〜Cおよび上記比較例1〜2で得られた触媒D、Eについて、下記方法によって、触媒性能を評価した。結果を下記表2に示す。なお、下記表2において、下記(触媒評価)方法によって算出された触媒性能を「初期触媒性能」と称する。
(触媒評価)
上記実施例および比較例により得られた触媒A〜Eを、それぞれ、0.60〜0.85mmに破砕した。次に、破砕した触媒1.2gを、それぞれ、内径3mm、管長300mmの外部が加熱式の二重管式ステンレス製反応器に充填し、この充填層にエチレン30容量%、酸素7.0容量%、二酸化炭素2.0容量%、ビニルクロライド2.3〜3.8容量ppm、残余が窒素からなるガスを導入し、1.6MPaGで、空間速度5500h−1の条件で、エチレン転化率が10モル%となるようにして反応を行った。下記数式3および数式4に従って、エチレンオキシド製造時の転化率(モル%)(数式3)および初期選択率(モル%)(数式4)を算出した。
上記表2に示される結果から、本発明の触媒は、比較例の触媒に比して、活性及び初期選択率が有意に優れることが示される。また、本発明の触媒は、比較例の触媒に比して、反応温度が有意に低いため、反応熱による触媒成分の凝集を抑制でき、触媒の寿命を延長できることが期待できる。
また、上記実施例1で得られた触媒Aおよび上記比較例1で得られた触媒Dについて、下記方法によって、触媒寿命を評価した。結果を下記表3に示す。なお、下記表において、下記(触媒寿命の評価)方法によって算出された触媒性能を「触媒寿命性能」と称する。
(触媒寿命の評価)
触媒の寿命評価は、上記触媒評価(初期触媒性能)を維持し、初期選択率から3モル%の選択率低下の間の選択率の低下度合い、および反応温度の上昇度合いで比較した。下記表3に触媒1kgあたりエチレンオキシド100kgを生産する間の選択率の低下度合い、および反応温度の上昇度合を、それぞれΔSおよびΔTとして示した。
上記表3から、本発明の触媒は、比較例の触媒に比して、選択率の低下及び反応温度の上昇度合いが有意に抑えられることがわかる。これから、本発明の触媒は、触媒寿命を有意に向上(延長)できると、考察される。ゆえに、本発明の触媒を使用することによって、長期にわたって高い選択率でアルキレンオキシドを製造できることが期待される。

Claims (5)

  1. 担体と、前記担体に担持されてなる触媒成分と、を含む、アルキレンオキシド製造用触媒であって、
    前記担体は、α−アルミナを主成分として含み、外表面および細孔表面が非晶質シリカで被覆され、当該非晶質シリカの被覆量(Si換算)は、1g担体当たり、2×10−4〜2×10−2g−Si/g担体であり、かつ細孔直径が50μm以上200μm以下の細孔を全細孔容積の15〜40%の割合で有する、触媒。
  2. 前記触媒成分は、銀、セシウム、レニウム、ならびにモリブデン、タングステン、クロムおよびバナジウムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載の触媒。
  3. 銀の担体への担持量が、触媒に対して、30重量%未満である、請求項1または2に記載の触媒。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒の存在下で、炭素数2〜20の不飽和炭化水素を分子状酸素含有ガスにより気相酸化することを有する、アルキレンオキシドの製造方法。
  5. 前記不飽和炭化水素がエチレンでありかつ前記アルキレンオキシドが酸化エチレンである、または不飽和炭化水素が1,3−ブタジエンでありかつ前記アルキレンオキシドが3,4−エポキシ−1−ブテンである、請求項4に記載の方法。
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