JP6173773B2 - 可変速制御装置及び運転方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、二次励磁方式の可変速システムに適用される可変速制御装置及び運転方法に関する。
二次励磁方式の可変速システムにおいては、周波数変換器を低周波出力電流で運転する。同期速度近傍では、極低周波電流となるため、素子にピーク値に近い電流が流れる時間が長くなり、素子が過熱し、最悪、素子故障に至る可能性がある。特に同期速度では、直流となるため、素子にピーク電流が流れ続け、極低周波時よりも厳しい条件となる。
このような二次励磁方式の可変速システムにおける同期速度近傍の運転方法としては、素子の温度を監視し、温度高のときに保護回路により周波数変換器を停止させたり、同期速度近傍の速度禁止帯に停滞しないように制御したりする方法がある。
従来の可変速制御装置を含む二次励磁方式の可変速システムは、図10に示すように、主要な要素として、原動機に機械的に接続される二重給電同期機1、二重給電同期機1の一次側に接続される発電機側遮断器2、タップ切換による電圧調整が可能な主要変圧器3、二重給電同期機1の二次巻線に電流を供給する周波数変換器4、二重給電同期機1と回転軸が直結される原動機5を備えるほか、各種の制御系機器として、原動機制御装置6、二次電流制御器7、速度制御器8、速度禁止帯回避制御器9、有効電力制御器10、電圧制御器11を備え、また、各種の検出器として、電圧検出器12、位相検出器13、二次電流検出器14、回転速度検出器15、一次周波数検出器16、および有効電力検出器17を備えている。
電圧検出器12は、二重給電同期機1の一次電圧もしくは系統電圧(V)を検出する。位相検出器13は、二重給電同期機1の回転位相(θ)を検出する。二次電流検出器14は、二重給電同期機1の二次電流(i)を検出する。回転速度検出器15は、二重給電同期機1の回転速度(ω)を検出する。一次周波数検出器16は、一次電圧(V)から一次周波数(F)を検出する。有効電力検出器17は、二重給電同期機1の一次側から有効電力を検出する。
有効電力制御器10は、有効電力と一次周波数(F)とから速度目標値(ω )を決定して出力する。電圧制御器11は、一次電圧(V)などから無効分電流指令(Id)を決定して出力する。速度禁止帯回避制御器9は、速度目標値(ω )が速度禁止帯を通過するか否かに応じて速度指令値(ω)を調整して出力する。速度制御器8は、二重給電同期機1の回転速度(ω)と速度指令値(ω)とから二次電流の有効分電流指令(Iq)を決定して出力する。二次電流制御器7は、有効分電流指令(Iq)および無効分電流指令(Id)、ならびに、二次電流(i)、一次電圧(V)、および回転位相(θ)に基づき、周波数変換器4へ出力するゲートパルスを生成し、これにより周波数変換器4の出力電流を制御する。原動機制御装置6は、原動機5の機械的入出力を制御する。
二次電流制御器7は、図11に示すように位相基準演算器71、有効分、無効分演算器72、減算器73,75、制御器74,76、出力電圧演算器77、三角波発生器78、ゲートパルス発生器79、およびアンド回路7Aで構成される。
ここで、位相基準演算器71は、電圧検出器12により検出された一次電圧(V)と位相検出器13により検出された回転位相(θ)とから変換器電流位相基準(θI0)を演算する。有効分、無効分演算器72は、電流検出器14により検出された二次電流(i)と変換器電流位相基準(θI0)とから有効分電流(Iq)、無効分電流(Id)を演算する。減算器73は、速度制御器8から出力される有効分電流指令(Iq)と有効分電流(Iq)との偏差を求め、その偏差を制御器74に送る。同様に、減算器75は、電圧制御器11から出力される無効分電流指令(Id)と無効分電流(Id)との偏差を求め、その偏差を制御器76へ送る。出力電圧演算器77は、制御器74から出力される有効分出力電圧(Vq)と制御器76から出力される無効分出力電圧(Vd)と変換器電流位相基準(θI0)とから出力電圧(V)を演算する。三角波発生器78は、発振周波数(OCS)に基づいて三角波(CRY)を発生する。ゲートパルス発生器79は、出力電圧(V)と三角波(CRY)の交点から決まるタイミングで、アンド回路7Aを介してゲートパルスを周波数変換器4へ出力する。なお、アンド回路7Aは、ゲートブロック(GB)信号が入力されると、ゲートパルスをブロックして周波数変換器4を停止させる。
速度制御器8は、図12に示すように減算器81、制御器82で構成される。
ここで、減算器81は、速度禁止帯回避制御器9から出力される速度指令値(ω)と回転速度検出器15により検出された回転速度(ω)との偏差を求めて制御器82に送る。制御器82は、減算器81により求められた偏差が入力されると、出力8aを有効分電流指令(Iq)として二次電流制御器7に送る。
速度禁止帯回避制御器9は、図13に示すようにヒステリシス関数手段91と変化率制限器92とで構成される。
ここで、ヒステリシス関数手段91は、有効電力制御器10から速度目標値(ω )が入力されると、出力9aを変化率制限器92に送る。変化率制限器92は、出力9bを速度指令値(ω)として速度制御器8に送る。なお、ヒステリシス関数手段91の入力ω と出力91aとの関係は図14に示される。即ち、
ω が増加する場合は、
ω <ω’またはω’<ω では ω=ω
ω’≦ω ≦ω’ では ω=ω’
ω が減少する場合は、
ω <ω’またはω’<ω では ω=ω
ω’≦ω ≦ω’ では ω=ω’
上記の方法による速度指令値(ω)の特性を図15に示す。速度目標値(ω )が時刻t1から時刻t2迄かかって速度禁止帯を通過しても、速度指令値(ω)は時刻t2迄禁止帯下限速度で待機し、時刻t2から時刻t3の短時間に禁止帯を通過する。
特許第4564192号公報 特開平9−37596号公報 特許第2851490号公報
従来技術においては、速度指令値が速度禁止帯を速やかに通過するようにすることで禁止帯通過時の素子の負担を軽減している。しかしながら、隣接機遮断時のように原動機の軸入出力が増大した場合には、そのような制御のみでは周波数変換器の出力電流が増大することは避けられず、素子を破壊する恐れがある。また、速度禁止帯通過時は変換器電流を絞り込んで、禁止帯通過時の素子の負担を軽減することも提案されている。しかしながら、電流を絞り込むと、禁止帯通過時間が延び、逆に素子の負担が増大し、素子を破損する恐れがある。
発明が解決しようとする課題は、外乱等が発生した場合であっても周波数変換器の素子が過負荷にならず、安全に運転を継続することが可能な可変速制御装置及び運転方法を提供することにある。
実施形態の可変速制御装置は、原動機に機械的に接続される二重給電同期機と、前記二重給電同期機の二次巻線に電流を供給する周波数変換手段とを備えた二次励磁方式の可変速システムに適用される可変速制御装置であって、前記周波数変換手段の出力電流を制御する二次電流制御手段と、所与の二次電流制限値を用いて、前記二次電流制御手段に対する二次電流の有効分電流指令および無効分電流指令を制限し、制限した結果を前記二次電流制御手段へ出力する二次電流制限手段と、前記二次電流制限手段での有効分電流指令および無効分電流指令の制限に使用する二次電流制限値を発生して前記二次電流制限手段へ出力する二次電流制限値発生手段とを具備し、前記二次電流制限値発生手段は、前記二重給電同期機の回転速度と前記二重給電同期機の一次周波数とからすべり周波数を演算し、当該すべり周波数に応じて前記二次電流制限値を決定する
第1の実施形態に係る可変速制御装置を含む二次励磁方式の可変速システムの構成の一例を示す図。 図1中に示される二次電流制限器21の内部構成の一例を示す図。 図2中に示される無効分電流指令制限値発生器212が使用する関数の特性を示すグラフ。 第2の実施形態に係る可変速制御装置を含む二次励磁方式の可変速システムの構成の一例を示す図。 図4中に示される二次電流制限値発生器22の内部構成の一例を示す図。 図5中に示される関数発生器222で使用される関数の特性を示すグラフ。 図3と異なる関数の特性を示すグラフ。 第3の実施形態に係る可変速制御装置を含む二次励磁方式の可変速システムの構成の一例を示す図。 図8中に示される禁止帯通過判定器23の内部構成の一例を示す図。 従来の可変速制御装置を含む二次励磁方式の可変速システムの構成の一例を示す図。 図10中に示される二次電流制御器7の内部構成の一例を示す図。 図10中に示される速度制御器8の内部構成の一例を示す図。 図10中に示される速度禁止帯回避制御器9の内部構成の一例を示す図。 図13中に示されるヒステリシス関数手段91の入力と出力との関係を示す図。 図14中に示される関係に基づく速度指令値の特性を示す図。
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
最初に、図1乃至図3を参照して、第1の実施形態について説明する。
以下では、従来の可変速システム(図10乃至図15)と異なる部分を中心に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る可変速制御装置を含む二次励磁方式の可変速システムの構成の一例を示す図である。本システムは、可変速揚水発電システム等に適用可能である。なお、図10と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示す第1の実施形態の可変速システムは、図10の構成に加え、二次電流制限器21および二次電流制限値発生器22をさらに備えている。
二次電流制限器21は、所与の二次電流制限値(I’)により、二次電流制御器7に対する二次電流の有効分電流指令(Iq)および無効分電流指令(Id)を制限し、制限した有効分電流指令(Iq’*)および制限した無効分電流指令(Id ’* を二次電流制御器7へ出力する。二次電流制限値発生器22は、二次電流制限器21での有効分電流指令(Iq)および無効分電流指令(Id)の制限に使用する二次電流制限値(I’)を発生してこれを二次電流制限器21へ出力する。この二次電流制限値(I’)は、可変としてもよい。
図2は、図1中に示される二次電流制限器21の内部構成の一例を示す図である。
二次電流制限器21は、有効分電流指令制限器210、無効分電流指令制限器211、および無効分電流指令制限値発生器212を備えている。
有効分電流指令制限器210は、二次電流制限値発生器22から出力される二次電流制限値(I’)を有効分電流指令制限値(Iq’)として扱い、この有効分電流指令制限値(Iq’)により、速度制御器8から出力された有効分電流指令(Iq)を制限し、制限された有効分電流指令(Iq’*)を二次電流制御器7へ出力する。
例えば、有効分電流指令(Iq)が有効分電流指令制限値(Iq’)を超過する場合は、制限された有効分電流指令(Iq’*)は有効分電流指令制限値(Iq’)と同じ値をとる。一方、有効分電流指令(Iq)が有効分電流指令制限値(Iq’)を超過しない場合は、制限された有効分電流指令(Iq’*)は有効分電流指令(Iq)と同じ値をとる。
無効分電流指令制限値発生器212は、所定の関数を用いて、有効分電流指令制限器210より制限された有効分電流指令(Iq’*)と二次電流制限値(I’)とから無効分電流指令制限値(Id’)を算出する。
無効分電流指令制限器211は、無効分電流指令制限値発生器212により算出された無効分電流指令制限値(Id’)により、電圧制御器11から出力された無効分電流指令(Id)を制限し、制限された無効分電流指令(Id’*)を二次電流制御器7へ出力する。
例えば、無効分電流指令(Id)が無効分電流指令制限値(Id’)を超過する場合は、制限された無効分電流指令(Id’*)は無効分電流指令制限値(Id’)と同じ値をとる。一方、無効分電流指令(Id)が無効分電流指令制限値(Id’)を超過しない場合は、制限された無効分電流指令(Id’*)は無効分電流指令(Id)と同じ値をとる。
この結果、二次電流制御器7は、有効分電流指令(Iq)および無効分電流指令(Id’*)を入力する代わりに、制限された有効分電流指令(Iq’*)および制限された無効分電流指令(Id’*)を入力する。すなわち、二次電流制御器7は、制限された有効分電流指令(Iq’*)および制限された無効分電流指令(Id’*)、ならびに、二次電流(i)、一次電圧(V)、および回転位相(θ)に基づき、前述の図11で説明した処理と同様の処理を行って、周波数変換器4へ出力するゲートパルスを生成し、これにより周波数変換器4の出力電流を制御する。
無効分電流指令制限値発生器212により算出される無効分電流指令制限値(Id’)は、以下に示すように、制限された有効分電流指令(Iq’*)と二次電流制限値(I’)との関数で表される。
Id’ = ±√(I’−Iq’*2
この関数の特性を図3に示す。図3は、有効分電流指令(Iq)を横軸とし、無効分電流指令(Id)を縦軸とした二次元のグラフである。二次電流制限値(I’)を半径とする単位円と、横軸上の制限された有効分電流指令(Iq’*)が位置する点Pを通りかつ縦軸に平行な直線との交点を求め、この交点を縦軸に写像した値を無効分電流指令制限値(Id’)とする。
第1の実施形態によれば、二次電流制限値により二次電流の有効分電流指令および無効分電流指令が制限されるため、外乱が発生しても周波数変換器の素子が過負荷にならず、安全に運転を継続することが可能となる。また、有効分電流を優先した制限を行っているため、特に禁止帯通過時の素子への負担をより効果的に軽減することができ、素子の破損を防止することができる。また、二次電流制限値を可変とすることができるため、運転中の状況に応じた適切な制限を行うことが可能である。二次電流制限値を可変とした場合でも、二次電流指令を二次電流制限値から逸脱させることなく、有効分電流を優先した制限を行い、素子への負担をより効果的に軽減することができ、素子の破損を防止することができる。
(第2の実施形態)
次に、図4乃至図7を参照して、第2の実施形態について説明する。
以下では、第1の実施形態の可変速システム(図1乃至図3)と異なる部分を中心に説明する。
図4は、第2の実施形態に係る可変速制御装置を含む二次励磁方式の可変速システムの構成の一例を示す図である。なお、図1と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図4に示す第2の実施形態の可変速システムは、図1の構成と二次電流制限値発生器22の入力を含む構成が異なる。
すなわち、二次電流制限値発生器22は、一次周波数検出器16により検出された一次周波数(F)と、回転速度検出器15により検出された回転速度(ω)とを入力し、これら一次周波数(F)と回転速度(ω)とからすべり周波数(S)を演算し、当該すべり周波数(S)に応じて二次電流制限値(I’)を決定するものとなっている。
この二次電流制限値発生器22は、すべり周波数(S)が所定の禁止帯を通過しないときは、二次電流制限値(I’)を第1の値(例えば、周波数変換器4の定格電流値)にし、一方、すべり周波数(S)が前記禁止帯を通過するときは、二次電流制限値(I’)を第1の値よりも低い第2の値(例えば、禁止帯通過時の許容電流値)にする。
図5は、図4中に示される二次電流制限値発生器22の内部構成の一例を示す図である。
二次電流制限値発生器22は、減算器221および関数発生器222を備えている。
減算器221は、回転速度(ω)と一次周波数(F)との差分からすべり周波数(S)を算出する。関数発生器222は、所定の関数を用いて、すべり周波数(S)から二次電流制限値(I’)を決定する。
本システムでは、回転速度(ω)と一次周波数(F)との間には、二重給電同期機1の極数で決まる一対一の関係があり、pu値で表現すると同一の値となる。従って、周波数と速度を同一の量として扱うことが可能であり、すべり周波数(S)は以下の式により定義される。
S = ω − F
関数発生器222は、減算器221により算出されたすべり周波数(S)を入力として、すべり周波数(S)に応じた二次電流制限値(I’)を出力する。この関数発生器222で使用される関数の特性を図6に示す。
図6は、すべり周波数(S)を横軸とし、二次電流制限値(I’)を縦軸としたグラフである。禁止帯として定義されている区間のみ、二次電流制限値(I’)を禁止帯通過時許容電流値となるよう低く設定し、禁止帯として定義されている区間以外は、周波数変換器4の定格電流値とする。
この結果、図2に示される無効分電流指令制限値発生器212は、図3の特性とは異なり、代わりに図7に示すような特性を示す。
図7には、禁止帯通過時と禁止帯通過時以外の時のそれぞれの時における、二次電流制限値(I’)、有効分電流指令制限値(Iq’)、無効分電流指令制限値(Id’)が表されている。
禁止帯通過時に、二次電流制限値(I’)が低くなると、当該二次電流制限値(I’)を半径とする単位円が小さくなる。これにより、横軸上の制限された有効分電流指令(Iq’*)が位置する点Pを通りかつ縦軸に平行な直線との交点が、より横軸に近くなり、無効分電流指令制限値(Id’)の幅が狭くなる。
第2の実施形態によれば、前述の第1の実施形態で得られる効果に加え、禁止帯通過時には禁止帯通過時以外の時よりも低い制限値が適用されるため、素子の破損をより確実に防止でき、より安全な運転継続を行うことが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、図8および図9を参照して、第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、前述の第1の実施形態もしくは第2の実施形態と組み合わせて実施することが可能である。
以下では、第2の実施形態の可変速システム(図4乃至図7)と異なる部分を中心に説明する。
図8は、第3の実施形態に係る可変速制御装置を含む二次励磁方式の可変速システムの構成の一例を示す図である。なお、図4と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図8に示す第3の実施形態の可変速システムは、図4の構成に加え、禁止帯通過判定器23をさらに備えている。
禁止帯通過判定器23は、二次電流制限器21から二次電流制御器7に対する二次電流の有効分電流指令(Iq)および二次電流制限値(I’)を入力し、有効分電流指令(Iq)の絶対値と二次電流制限値(I’)との差に基づき、回転速度(ω)が速度禁止帯を通過して変化することの可否(禁止帯通過の許可/不許可)を判定し、禁止帯通過の許可/不許可のいずれかを示す指令を速度禁止帯回避制御器9へ出力する。
この禁止帯通過判定器23は、有効分電流指令(Iq)の絶対値が、二次電流制限値(I’)にマージンを加味した値を超えるかもしくはそれ以上となる場合、回転速度(ω)が速度禁止帯を通過して変化することを禁止することを決定する。
図9は、図8中に示される禁止帯通過判定器23の内部構成の一例を示す図である。
禁止帯通過判定器23は、比較器231、絶対値演算器232、および減算器233を備えている。
絶対値演算器232は、有効分電流指令(Iq)の絶対値を算出する。
減算器233は、二次電流制限値(I’)にマージンを加味した値を算出する。
比較器231は、絶対値演算器232により算出された有効分電流指令(Iq)の絶対値と、減算器233により算出された二次電流制限値(I’)にマージンを加味した値とを比較し、
|Iq| <(もしくは≦) I’−マージン
であれば、禁止帯通過を許可し、逆に、
|Iq| ≧(もしくは>) I’−マージン
であれば、禁止帯通過を禁止する。
なお、マージンの取り方については、固定値でもよいし、下記のように、発電電動機+原動機の加速時定数(Tj(s))と、禁止帯通過レート(回転速度変化幅Δω/時間Δt)[pu/s]とから算出しても良い。
マージン算出例:
マージン = Tj×(Δω/Δt)
禁止帯通過の許可/不許可のいずれかを示す指令は、速度禁止帯回避制御器9に入力され、禁止帯通過許可時のみ、禁止帯を通過する速度指令値(ω)の変更が許可される。
第3の実施形態によれば、前述の第2の実施形態で得られる効果に加え、運転中の状況に応じて禁止帯通過を許可/禁止すべきかが適切に判定されるため、禁止帯通過時における素子の破損をより確実に防止でき、より安全な運転継続を行うことが可能となる。
以上詳述したように、各実施形態によれば、外乱等が発生した場合であっても周波数変換器の素子が過負荷にならず、安全に運転を継続することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…二重給電同期機、2…発電機側遮断器、3…主要変圧器、4…周波数変換器、5…原動機、6…原動機制御装置、7…二次電流制御器、8…速度制御器、9…速度禁止帯回避制御器、10…有効電力制御器、11…電圧制御器、12…電圧検出器、13…位相検出器、14…二次電流検出器、15…回転速度検出器、16…一次周波数検出器、17…有効電力検出器、21…二次電流制限器、22…二次電流制限値発生器、23…禁止帯通過判定器。

Claims (7)

  1. 原動機に機械的に接続される二重給電同期機と、前記二重給電同期機の二次巻線に電流を供給する周波数変換手段とを備えた二次励磁方式の可変速システムに適用される可変速制御装置であって、
    前記周波数変換手段の出力電流を制御する二次電流制御手段と、
    所与の二次電流制限値を用いて、前記二次電流制御手段に対する二次電流の有効分電流指令および無効分電流指令を制限し、制限した結果を前記二次電流制御手段へ出力する二次電流制限手段と
    前記二次電流制限手段での有効分電流指令および無効分電流指令の制限に使用する二次電流制限値を発生して前記二次電流制限手段へ出力する二次電流制限値発生手段と
    を具備し、
    前記二次電流制限値発生手段は、
    前記二重給電同期機の回転速度と前記二重給電同期機の一次周波数とからすべり周波数を演算し、当該すべり周波数に応じて前記二次電流制限値を決定することを特徴とする可変速制御装置。
  2. 前記二次電流制限手段は、
    所与の二次電流制限値を用いて有効分電流指令を制限する有効分電流指令制限手段と、
    前記有効分電流指令制限手段により制限された有効分電流指令と前記二次電流制限値とから無効分電流指令制限値を算出する無効分電流指令制限値発生手段と、
    前記無効分電流指令制限値発生手段により算出された無効分電流指令制限値を用いて無効分電流指令を制限する無効分電流指令制限手段と
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の可変速制御装置。
  3. 前記二次電流制限値発生手段は、
    前記すべり周波数が所定の禁止帯を通過しないときは、前記二次電流制限値を第1の値にし、前記すべり周波数が前記禁止帯を通過するときは、前記二次電流制限値を前記第1の値よりも低い第2の値にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の可変速制御装置。
  4. 原動機に機械的に接続される二重給電同期機と、前記二重給電同期機の二次巻線に電流を供給する周波数変換手段とを備えた二次励磁方式の可変速システムに適用される可変速制御装置であって、
    前記周波数変換手段の出力電流を制御する二次電流制御手段と、
    所与の二次電流制限値を用いて、前記二次電流制御手段に対する二次電流の有効分電流指令および無効分電流指令を制限し、制限した結果を前記二次電流制御手段へ出力する二次電流制限手段と
    前記二次電流制御手段に対する二次電流の有効分電流指令の絶対値と前記二次電流制限値との差に基づき、前記二重給電同期機の回転速度が所定の禁止帯を通過して変化することの可否を判定する禁止帯通過判定手段と
    を具備することを特徴とする可変速制御装置。
  5. 前記禁止帯通過判定手段は、前記有効分電流指令の絶対値が、前記二次電流制限値にマージンを加味した値を超えるかもしくはそれ以上となる場合、前記二重給電同期機の回転速度が前記禁止帯を通過して変化することを禁止することを決定することを特徴とする請求項に記載の可変速制御装置。
  6. 原動機に機械的に接続される二重給電同期機と、前記二重給電同期機の二次巻線に電流を供給する周波数変換手段とを備えた二次励磁方式の可変速システムに適用される運転方法であって、
    二次電流制御手段により、前記周波数変換手段の出力電流を制御し、
    二次電流制限手段により、所与の二次電流制限値を用いて、前記二次電流制御手段に対する二次電流の有効分電流指令および無効分電流指令を制限し、制限した結果を前記二次電流制御手段へ出力し、
    二次電流制限値発生手段により、前記二重給電同期機の回転速度と前記二重給電同期機の一次周波数とからすべり周波数を演算し、当該すべり周波数に応じて、前記二次電流制限手段での有効分電流指令および無効分電流指令の制限に使用する二次電流制限値を決定し、決定した二次電流制限値を発生して前記二次電流制限手段へ出力することを含む
    ことを特徴とする運転方法。
  7. 原動機に機械的に接続される二重給電同期機と、前記二重給電同期機の二次巻線に電流を供給する周波数変換手段とを備えた二次励磁方式の可変速システムに適用される運転方法であって、
    二次電流制御手段により、前記周波数変換手段の出力電流を制御し、
    二次電流制限手段により、所与の二次電流制限値を用いて、前記二次電流制御手段に対する二次電流の有効分電流指令および無効分電流指令を制限し、制限した結果を前記二次電流制御手段へ出力し、
    禁止帯通過判定手段により、前記二次電流制御手段に対する二次電流の有効分電流指令の絶対値と前記二次電流制限値との差に基づき、前記二重給電同期機の回転速度が所定の禁止帯を通過して変化することの可否を判定することを含む
    ことを特徴とする運転方法。
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