JP6173395B2 - 焙煎されたコーヒー豆の製造方法、コーヒー豆の焙煎装置、及び焙煎されたコーヒー豆から発生する一酸化炭素の量を決定する方法 - Google Patents
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Description
焙煎中の前記コーヒー豆から発生する一酸化炭素の量を測定する工程と、
前記一酸化炭素の量の測定時における測定結果に基づいて、前記焙煎する工程における焙煎の条件を調整する工程と、を有する、製造方法。
焙煎中の前記コーヒー豆から発生する一酸化炭素の量を測定可能な測定手段と、
前記測定手段による測定結果に基づいて、前記焙煎手段における焙煎の条件を調整可能な調整手段と、を備える、コーヒー豆の焙煎装置。
コーヒー豆に対して熱を供給し、該コーヒー豆を焙煎する工程と、
前記コーヒー豆を焙煎する工程において、焙煎中の前記コーヒー豆から発生する一酸化炭素の量を測定する工程と、
前記コーヒー豆を焙煎する工程において、前記一酸化炭素の量の測定時におけるコーヒー豆の焙煎度を確認する工程と、
前記コーヒー豆の焙煎度の確認結果に基づいて、コーヒー豆の焙煎度と一酸化炭素の量との対応関係を決定する工程と、を有する、方法。
焙煎中の前記コーヒー豆から発生する一酸化炭素の量が、50〜100ppm、101〜200ppm、201〜300ppm、301〜400ppm、又は401〜500ppmになったときに、前記焙煎する工程における焙煎の条件を調整する工程を有する、製造方法。
本発明のコーヒー豆の製造方法は、コーヒー豆に対して熱を供給し、該コーヒー豆を焙煎する工程を有する焙煎されたコーヒー豆の製造方法であって、焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素の量を測定する工程と、一酸化炭素の量の測定時における測定結果に基づいて、焙煎する工程における焙煎の条件を調整する工程と、を有する。本発明は、かかる構成により、所望の焙煎度のコーヒー豆の製造する場合において、コーヒー豆を製造するオペレーターの技量に依存する必要性がなく、かつ、正確な焙煎度のコーヒー豆を製造することができる。更に、本発明のコーヒー豆の製造方法によれば、コーヒー豆の種類に応じて焙煎度の指標を調整する必要がない。
本発明における焙煎工程は、コーヒー豆に対して熱を供給し、該コーヒー豆を焙煎する工程である。
本発明における測定工程は、焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素の量を測定する工程である。
本発明における調整工程は、上述の一酸化炭素の量の測定時における測定結果に基づいて、焙煎工程における焙煎の条件を調整する工程である。
本発明のコーヒー豆の焙煎装置は、上述の本発明のコーヒー豆の製造方法に使用可能なものである。以下に本発明の一実施形態である焙煎装置1について、図1を参照しながら説明する。
焙煎手段10は、コーヒー豆に対して熱を供給可能な熱源を有し、該コーヒー豆を焙煎可能な手段である。本発明のコーヒー豆の焙煎装置は、従来の公知のコーヒー豆の焙煎手段のいずれのものも使用することができるが、本実施形態においては、焙煎手段10は、焙煎容器101と、熱源部102と、送風部103と、温度測定部104と、排気部105と、チャフコレクター106と、制御部と、を備える。
熱源部102は、熱を発生可能な手段であり、例えば、電熱ヒーター等を用いることができる。熱源部102は、上述の本発明のコーヒー豆の製造方法と同様の加熱温度とすることができるものを用いることができる。
送風部103は、熱源部102から発する熱を焙煎容器101に収容されたコーヒー豆に対して送風可能な手段である。送風部103は、上述の本発明のコーヒー豆の製造方法と同様の送風条件とすることができるものを用いることができる。送風部103としては、例えば、圧縮機(ブロワ)等を用いることができる。
温度測定部104は、焙煎容器101内の雰囲気温度を測定する手段である。
排気部105は、後述する測定手段111に一酸化炭素を送気可能に構成された部位である。
チャフコレクター106は、コーヒー豆のチャフ(いわゆる、シルバースキン)を除去する手段である。
制御部は、コーヒー豆の焙煎条件を直接変更可能な手段である。例えば、後述する調整手段からの指示に応じて、焙煎条件を変更し、制御することができる。例えば、後述する調整手段からの指示に応じて、焙煎を終了させ(つまり、熱源からの熱の供給を停止させ)、焙煎容器11内において冷却を開始したり、あるいは、冷却を開始してから、排出口の温度が一定温度になったことを指標として冷却を停止したりするように制御できる。
センサーユニット11は、焙煎手段10から送られた一酸化炭素の量を測定可能に構成されるものである。本実施形態においては、センサーユニット11は、測定手段111を備えるものであり、更に、フィルター112を更に備えて構成した。
調整手段は、測定手段による測定結果に基づいて、焙煎手段における焙煎の条件を調整可能な手段である。
本発明のコーヒー豆の焙煎装置1の使用方法の一例について、以下に説明する。
本発明は、コーヒー豆の焙煎度と一酸化炭素の量との対応関係を決定する方法であって、コーヒー豆に対して熱を供給し、該コーヒー豆を焙煎する工程と、コーヒー豆を焙煎する工程において、焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素の量を測定する工程と、コーヒー豆を焙煎する工程において、一酸化炭素の量の測定時におけるコーヒー豆の焙煎度を確認する工程と、コーヒー豆の焙煎度の確認結果に基づいて、コーヒー豆の焙煎度と一酸化炭素の量との対応関係を決定する工程と、を有する方法を包含する。
本発明における焙煎工程は、コーヒー豆に対して熱を供給し、該コーヒー豆を焙煎する工程である。本発明における焙煎工程は、上述の本発明のコーヒー豆の製造方法と同様のものを用いることができる。
本発明における測定工程は、コーヒー豆を焙煎する工程において、焙煎中のコーヒー豆から発生する一酸化炭素の量を測定する工程である。本発明における測定工程は、上述の本発明のコーヒー豆の製造方法と同様のものを用いることができる。
本発明における焙煎度確認工程は、コーヒー豆を焙煎する工程において、一酸化炭素の量の測定時におけるコーヒー豆の焙煎度を確認する工程である。
本発明における決定工程は、上述のコーヒー豆の焙煎度の確認結果に基づいて、コーヒー豆の焙煎度と一酸化炭素の量との対応関係を決定する工程である。
焙煎装置1Aとして、焙煎手段10、測定手段111を含むセンサーユニット11、調整手段を備えたもの(図2を参照)を作製した。それぞれについて、以下に詳細に説明する。
焙煎手段10は、GeneCafe CBR−101(GeneSys社製)を用いた。該焙煎手段は、焙煎容器101と、熱源部102としての電熱ヒータと、送風部103としてのブラワと、温度測定部104としての温度センサと、チャフコレクター106と、排気部105と、制御部とを備えるものである。
制御部は、温度や焙煎時間のタイマーに応じてコーヒー豆の焙煎条件を直接変更可能なものである。該制御部は、調整手段からの指示を受け、タイマーによる焙煎終了後、焙煎手段10において、冷却を開始し、排気部105の温度が60度になると冷却を停止するように制御する。
排気部105は、センサーユニット11に排気ガスを供給するように設計した。
測定手段111を含むセンサーユニット11は、更に、フィルタ112、気体ポンプ113を備えるものとして設計した。それぞれの手段の詳細は、以下のとおりである。
測定手段111としては、根本特殊化学社製のNAP−505(CO測定範囲:0−1000PPM)のセンサーデバイスを用いて、CO(一酸化炭素)を測定した。また、COセンサーの出力を増幅した上で、出力結果を調整手段に送るように設定した。
チャフフィルター112は、焙煎手段10の排気部105から供給された排気ガスに混じったチャフ等の異物を除去するためのものである。チャフコレクター112としては、上述のGeneCafe CBR−101(GeneSys社製)の付属品を用いた。
気体ポンプ113は、焙煎手段10における排気部105からの排気ガスを測定手段111へ送るものである。気体ポンプ113としては、KNF社製のNF−11を用いた。該気体ポンプ能力は、100ml/分であった。
調整手段は、以下のような設計のものを作製した。
また、調製手段は、センサーユニットにおける気体ポンプ113のスイッチのオン・オフを指示するように設定した。
また、調製手段は、データを記録するために、COガス濃度、経過秒、レシピにおいて設定された設定温度、気温をコンピュータ12(パソコン)へ送るように設定した。
コーヒー豆として、アラビカ種のコーヒー豆ガテマラ(SHB)と、ブラジル(ダテーラスィートイエロー)をそれぞれ250gをCOガス濃度100ppm、200ppm、400ppm、500ppmを焙煎終了の指標に設定して、焙煎を行った。
上記の焙煎されたコーヒー豆の焙煎度は、アグトロン社の測定器のキット(Agtron scale)を用いて判定した。
製造したそれぞれのコーヒー豆についての焙煎度の判定結果を以下の表2に示す。なお、表2中の「コーヒー豆の焙煎度」の項目における各数値は、上述の表1における色見本番号を示す。また、表2中の「気温」とは、焙煎開始から焙煎終了まで1秒ごとに計測した気温の平均値を意味する。気温計測のための温度センサーは、焙煎機の熱の影響を受けない場所で焙煎機からおよそ30cm離れた場所に設置した。
コーヒー豆を焙煎し、コーヒー豆から発生した一酸化炭素の濃度又は揮発性ガス濃度を経時的に測定することで、焙煎時間とコーヒー豆から発生した一酸化炭素の濃度又は揮発性ガス濃度との関係を検証した。
上記の焙煎装置1Aと同様の手段を用いて、コーヒー豆を焙煎し、経時的に一酸化炭素濃度を測定した。コーヒー豆としては、アラビカ種のブラジル・サントス250gを用い、焙煎は合計4ロット行った。焙煎を終了するガス濃度設定値は、300ppmとした。
上記の焙煎装置1Aと、測定手段としてフィガロ技研株式会社製のTGS2450(揮発性ガスとしてメチルメルカプタン、硫化水素等を検出可能)を用いた以外は、同様の焙煎装置を用いて、900秒間、コーヒー豆を焙煎し、経時的に揮発性ガスを測定した。コーヒー豆としては、ブラジル・ダテーラリザーブ、ガテマラ、エチオピア・モカイルガチェフ、ブラジル・ダテーラスイートイエローをそれぞれ250g用い、焙煎は、ブラジル・ダテーラリザーブを3ロット、ガテマラを1ロット、エチオピア・モカイルガチェフを1ロット、ブラジル・ダテーラスイートイエローを1ロット行い、合計6ロットのコーヒー豆について焙煎を行った。
それぞれの測定結果を、図3〜12に示す。図3〜6のグラフは、焙煎時間とコーヒー豆から発生した一酸化炭素の濃度の関係を示す。図3〜6のグラフの横軸は、焙煎開始時点から680秒経過時(焙煎終期)をゼロ点とした焙煎時間(秒数)を示し、縦軸は、コーヒー豆から発生した一酸化炭素の濃度(ppm)を示す。図7〜12のグラフは、焙煎時間とコーヒー豆から発生した揮発性ガスの濃度の関係を示す。図7〜12のグラフの横軸は、焙煎時間(秒数)を示し、縦軸は、コーヒー豆から発生した揮発性ガスの濃度の指標となる電圧(mV)を示す。図7〜12のグラフの縦軸は、電圧が高い方が、コーヒー豆から発生し揮発性ガスの濃度が低いことを示し、電圧が低い方が、コーヒー豆から発生し揮発性ガスの濃度が高いことを示す。
1A 焙煎装置
10 焙煎手段
101 焙煎容器
102 熱源部
103 送風部
104 温度測定部
105 排気部
106 チャフコレクター
11 センサーユニット
111 測定手段
112 フィルタ
113 気体ポンプ
12 コンピュータ
Claims (2)
- コーヒー豆に対して熱を供給し、該コーヒー豆を焙煎する工程を有する焙煎されたコーヒー豆の製造方法であって、
焙煎中の前記コーヒー豆から発生する一酸化炭素の量を測定する工程と、
前記一酸化炭素の量の測定時における測定結果と、前記コーヒー豆と少なくとも種類又はロットのいずれかが異なるコーヒー豆に関して予め測定された測定結果と、に基づいて、前記焙煎する工程における前記コーヒー豆に対する熱の供給を停止する工程と、を有する、製造方法。 - コーヒー豆に対して熱を供給し、該コーヒー豆を焙煎する工程を有する焙煎されたコーヒー豆の製造方法であって、
コーヒー豆に対して熱を供給し、該コーヒー豆を焙煎する工程と、
前記コーヒー豆を焙煎する工程において、焙煎中の前記コーヒー豆から発生する一酸化炭素の量を測定する工程と、
前記コーヒー豆を焙煎する工程において、前記一酸化炭素の量の測定時におけるコーヒー豆の焙煎度を確認する工程と、
前記コーヒー豆の焙煎度の確認結果に基づいて、コーヒー豆の焙煎度と一酸化炭素の量との対応関係を決定する工程と、
前記対応関係を、前記コーヒー豆と少なくとも種類又はロットのいずれかが異なるコーヒー豆を焙煎する際の焙煎度の指標として用いる、製造方法。
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