JP6172991B2 - 鉄道信号保安装置用手動スイッチ動作表示機構 - Google Patents
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Description
これらは、軌道を走行して来た列車を自動検知して列車運行の円滑と安全に寄与するものであるが、人の判断に基づく緊急時や非常時に安全を確保するシステムを簡便に実現する等のために、列車検知を模擬させる手動スイッチが組み込まれていることも多い。
具体的には、現行の鉄道信号保安装置用手動スイッチ装置は、動作状態に応じて鉄道信号保安装置に列車検知を模擬させるスイッチ本体部と、それを内蔵した筐体と、筐体の操作面に被操作部を露出させていて外部からの操作に応じて軸方向直線動作を行うことによりスイッチ本体部の動作状態を切り替える直線動作スイッチ軸とを具えている。
しかしながら、鉄道信号保安装置用手動スイッチ装置に明示の動作表示手段が無いと、筐体の操作面における被操作部の僅かな突出量の差違などからスイッチ動作状態を判別するしかないので、判別し辛いうえ、判別結果の確度も高くない。そして、スイッチ動作状態の判別を誤ると、緊急停止後のシステム再稼動時などに支障を来すこととなる。
そこで、電力を用いなくてもスイッチ取り扱いの状態が一目で確認できるような鉄道信号保安装置用手動スイッチ動作表示機構を実現することが技術課題となる。
しかも、付加された動作表示機構が機械的な運動にて必要な機能を発揮するようになっているので、動作表示のためには電力を必要としない。
従って、この発明によれば、電力を用いなくてもスイッチ取り扱いの状態が一目で確認できるような鉄道信号保安装置用手動スイッチ動作表示機構を実現することができる。
図1に示した実施例1は、上述した解決手段1,2(出願当初の請求項1,2)を具現化したものであり、図2に示した実施例2は、上述した解決手段1,3,4(出願当初の請求項1,3,4)を具現化したものである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具や,接続端子等の連結具,ケーブル等の電気配線などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
鉄道信号保安装置用手動スイッチ動作表示機構20+30は、従来品から引き継いだ手動スイッチ機構20と、新たに付設された動作表示機構30とからなる。
そして、被操作部21が外部から人手でスイッチ押し込み操作されると、直線動作スイッチ軸22が内向きに直線移動し、それに応じてスイッチ本体部23の動作状態が定常状態から非常状態に切り替わって、その状態が保持されるようになっている。
さらに、直線動作スイッチ軸22が操作面11だけでなくスイッチ本体部23も貫通していて、直線動作スイッチ軸22の両軸端のうち被操作部21ではない方の軸端であって筐体の内側にいつも収まっている奥端部が、操作面11から見てスイッチ本体部23より更に奥まで移動するようになっている。
揺動部材32の表面のうち操作面11寄りの部分には表示面33が確保されており、表示面33にはスイッチ状態を目視可能に表示するための表示内容が記されている。
表示内容としては、動作状態の一方である非常状態を示すために例えば「赤」の着色や「非」文字の記入など行われる。また、そのような表示の無いことが、動作状態の他方である定常状態を表示することに、この動作表示機構30はなっている。
また、揺動部材32の両揺動端部のうち奥側の揺動端部は、スイッチ本体部23の奥まで延びて直線動作スイッチ軸22の奥端部に当接しているが、上述したように弾性部材34が直線動作スイッチ軸22に抗う向きに揺動部材32を押すので、揺動部材32と直線動作スイッチ軸22とが常に押し合っていて、両者の当接箇所における滑り接触が維持されるため、直線動作スイッチ軸22が滑り接触の原節になるとともに揺動部材32が滑り接触の従節になるので、被操作部21を押すことにより直線動作スイッチ軸22が直線移動してスイッチ本体部23の動作状態が切り替わると同時に揺動部材32が揺動する。
何れの場合でも、定常状態では(図1(b)参照)、直線動作スイッチ軸22が操作面11側へ移動した状態になっており、それに対応した揺動状態になっている揺動部材32が表示面33を上昇位置に保持しているため、表示面33が表示窓12から外れているので、表示窓12が薄暗く見える。
このようにスイッチ押し込み操作の度にスイッチ本体部23の動作状態が切り替わるとともに表示窓12に見える表示内容も対応したものに切り替わることから、表示窓12を一瞥すればその時点のスイッチ取り扱い状態が分かるので、容易に誤操作を避けることができる。また、電力の供給が無くても動作表示機構30は的確に動作する。
手動スイッチ機構60は、上例のスイッチ本体部23と同じく動作状態に応じて鉄道信号保安装置に列車検知を模擬させるスイッチ本体部63と、操作面11に被操作部61を露出させていて外部からの操作に応じて軸方向直線動作を行うことによりスイッチ本体部63の動作状態を切り替える直線動作スイッチ軸62とを具えている。
さらに、この動作表示機構70では、固定支軸71が表示窓52の奥に配置されているが、表示窓52と被操作部61との離隔距離が固定支軸71の軸心と直線動作スイッチ軸62の軸心との離隔距離にほぼ等しくて、表示面73が表示窓52向きで表示窓52の直近に来るようになっている。しかも、動作表示機構70の大部分が操作面51とスイッチ本体部63との間隙に収まっているので、筐体を大きくする必要がない。
鉄道信号保安装置用手動スイッチ装置50が列車防護スイッチとして使用されるのであれTSPスイッチとして使用されるのであれ、定常状態では(図2(a)参照)、直線動作スイッチ軸62が操作面51側へ移動した状態になっており、それに対応してアーム75とピン76も操作面51に寄っていることから、揺動部材72の表示面73が上昇位置に揺動しているので、表示面73の下側部分が表示窓52の可視範囲に入るため、表示窓52に「正常」の文字が現われるので、一瞥しただけで直ちに、スイッチの動作状態が定常状態になっていることが分かる。
11…操作面(筐体前面)、12…表示窓、
20…手動スイッチ機構、21…被操作部、
22…直線動作スイッチ軸(滑り接触の原節)、23…スイッチ本体部、
30…動作表示機構、
31…固定支軸(揺動中心)、32…揺動部材(滑り接触の従節)、
33…表示面(スイッチ状態表示部)、34…弾性部材(滑り接触維持用)、
50…鉄道信号保安装置用手動スイッチ装置、
51…操作面(筐体前面)、52…表示窓、
60…手動スイッチ機構、61…被操作部、
62…直線動作スイッチ軸、63…スイッチ本体部、
70…動作表示機構、71…固定支軸(揺動中心)、72…揺動部材、
73…表示面(スイッチ状態表示部)、74…スリット(滑り接触の従節)、
75…アーム(直線動作伝達部材)、76…ピン(滑り接触の原節)
Claims (2)
- 動作状態に応じて鉄道信号保安装置に列車検知を模擬させるスイッチ本体部を内蔵した筐体と、前記筐体の操作面に被操作部を露出させていて外部からの操作に応じて軸方向直線動作を行うことにより前記スイッチ本体部の動作状態を切り替える直線動作スイッチ軸と、前記スイッチ本体部の動作状態を目視可能に表示する動作表示機構とを備えた鉄道信号保安装置用手動スイッチ動作表示機構であって、前記筐体の内部を見ることのできる表示窓が、前記操作面に形成されており、前記動作表示機構が、前記直線動作スイッチ軸の動作に応じて揺動する揺動部材と、前記揺動部材を揺動中心で支持する固定支軸と、前記揺動部材の表面のうち前記揺動部材の揺動状態に応じて選択的に前記表示窓の内側へ来る部位であって表示内容が記された表示面とを具備したものであり、前記直線動作スイッチ軸の両軸端のうち前記筐体の内側にいつも収まっている奥端部が、前記操作面から見て前記スイッチ本体部より更に奥まで移動するようになっており、前記奥端部が前記揺動部材に当接して押すことにより前記揺動部材が揺動するようになっており、前記奥端部と前記揺動部材との当接箇所における滑り接触を維持する向きに前記揺動部材を付勢する弾性部材が設けられていることを特徴とする鉄道信号保安装置用手動スイッチ動作表示機構。
- 動作状態に応じて鉄道信号保安装置に列車検知を模擬させるスイッチ本体部を内蔵した筐体と、前記筐体の操作面に被操作部を露出させていて外部からの操作に応じて軸方向直線動作を行うことにより前記スイッチ本体部の動作状態を切り替える直線動作スイッチ軸と、前記スイッチ本体部の動作状態を目視可能に表示する動作表示機構とを備えた鉄道信号保安装置用手動スイッチ動作表示機構であって、前記筐体の内部を見ることのできる表示窓が、前記操作面に形成されており、前記動作表示機構が、前記直線動作スイッチ軸の動作に応じて揺動する揺動部材と、前記揺動部材を揺動中心で支持する固定支軸と、前記揺動部材の表面のうち前記揺動部材の揺動状態に応じて選択的に前記表示窓の内側へ来る部位であって表示内容が記された表示面とを具備したものであり、前記直線動作スイッチ軸に固定装着されて前記直線動作スイッチ軸の径方向に延びている直線動作伝達部材が設けられ、前記直線動作伝達部材の延端部と前記揺動部材とが滑り接触にて運動を伝達することにより前記揺動部材が揺動するようになっており、前記固定支軸が前記表示窓の奥に配置されており、前記表示窓と前記被操作部との離隔距離が前記固定支軸の軸心と前記直線動作スイッチ軸の軸心との離隔距離にほぼ等しくなっており、前記直線動作伝達部材と前記揺動部材との滑り接触部が前記直線動作スイッチ軸に対して前記固定支軸よりも近くに位置していることを特徴とする鉄道信号保安装置用手動スイッチ動作表示機構。
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