JP6172269B2 - 育毛剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、頭髪に十分なボリュームを付与することができる育毛剤組成物に関する。
育毛剤は、通常、継続使用することによって育毛効果(脱毛抑制、発毛促進)を得ることができる。そのため、脱毛症の症状である、頭髪のボリュームダウン(薄毛の外観)を短期間に改善するのは難しく、育毛剤の使用期間よりも短い使用期間でふんわり感を付与する機能を持った育毛養毛剤が望まれていた。
ふんわり感の付与に関しては、これまでにコラーゲン誘導体や、ケラチン誘導体等の毛髪と類似した成分を毛髪に浸透・補充する方法(特許文献1、2:特開昭60−243010号公報、特開平2−53712号公報)や、毛髪表面を天然高分子等によりコートする方法(特許文献3〜7:特開昭59−65008号公報、特開昭62−36308号公報、特開昭64−9911号公報、特開平4−308525号公報、特開平1−249711号公報)等が知られている。
これらの成分を適量配合することで、薄毛の外観は改善する傾向にあるものの、十分に満足できるものではなかった。薄毛の外観をさらに向上させるために、これらの成分の配合量を多くすると、使用感として、地肌のべたつきが生じたり、髪が重くなることでふんわり感が低下するという問題が生じる。そのため、配合量を少なくすると、使用感は優れるものの、十分なふんわり感は付与できなくなる不具合が生じていた。
特開昭60−243010号公報 特開平2−53712号公報 特開昭59−65008号公報 特開昭62−36308号公報 特開昭64−9911号公報 特開平4−308525号公報 特開平1−249711号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、育毛効果の発現前にふんわり感が得られることで薄毛の外観を改善でき、更にこれに育毛、脱毛抑制効果が加わることで頭髪全体に十分なボリュームを回復することができ、しかも地肌のべたつきがなく、優れた使用感を有する育毛剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、(A)育毛有効成分と、(B)ヒドロキシエチルキトサン及びヒドロキシプロピルキトサンから選ばれる少なくとも1種と、(C)エチレンオキサイドの平均付加モル数が6〜60モルであるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルと、(D)エタノールとを配合した育毛剤組成物とすることで、(C)成分による毛髪の内部補修により毛髪強度(ハリコシ)を上げ、かつ毛髪外部を(B)成分で適度にコートすることで、育毛、脱毛抑制効果が発現する前にふんわり感が得られるため、細くて薄くなった毛髪の外観を改善でき、更にこれに育毛、脱毛抑制効果が加わり頭髪全体に十分なボリュームを回復することができ、しかも使用感(地肌のべたつきのなさ)にも優れることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記育毛剤組成物を提供する。
[1]
(A)6−ベンジルアミノプリン、ペンタデカン酸グリセリド及びミノキシジルから選ばれる少なくとも1種の育毛有効成分と、
(B)ヒドロキシエチルキトサン及びヒドロキシプロピルキトサンから選ばれる少なくとも1種:0.11〜0.19質量%と、
(C)エチレンオキサイドの平均付加モル数が6〜60モルであるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルと、
(D)エタノールと
を含有することを特徴とする育毛剤組成物。

(C)成分が、エチレンオキサイドの平均付加モル数が30〜40モルであるテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットである[1]記載の育毛剤組成物。

(C)成分の配合量が0.1〜1.0質量%である[1]又は[2]記載の育毛剤組成物。
[4]
(D)成分の配合量が60〜90質量%である[1]〜[3]のいずれかに記載の育毛剤組成物。
本発明の育毛剤組成物は、育毛効果の発現前にふんわり感が得られることで薄毛の外観を改善でき、更にこれに育毛、脱毛抑制効果が加わり頭髪全体に十分なボリュームを回復することができ、しかも地肌のべたつきがなく、優れた使用感を有する。
本発明の育毛剤組成物は、
(A)育毛有効成分と、
(B)ヒドロキシエチルキトサン及びヒドロキシプロピルキトサンから選ばれる少なくとも1種と、
(C)エチレンオキサイドの平均付加モル数が6〜60モルであるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルと、
(D)エタノールと
を含有する。
[(A)育毛有効成分]
本発明で用いられる(A)成分は、育毛効果、脱毛抑制効果を有する公知の育毛有効成分であって、例えば、6−ベンジルアミノプリン、ペンタデカン酸グリセリド、ミノキシジル、塩化カプロニウム、t−フラバノン、アデノシン、センブリ抽出液、ビタミンE誘導体、D−パントテニルアルコ−ル、ニコチン酸アミド、ヒノキチオ−ル、β−グリチルレチン酸、フォルスコリン(コレウスエキスに含有)等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらのなかでも特に、育毛効果の点から、6−ベンジルアミノプリン、ペンタデカン酸グリセリド、ミノキシジルが好ましく、より好ましくは、6−ベンジルアミノプリン、ペンタデカン酸グリセリドである。
(A)成分の配合量は、抜け毛改善、地肌のべたつきのなさ、ふんわり感、育毛効果の点から、組成物全量に対して0.1〜5質量%(センブリ抽出液やコレウスエキス等の植物エキスについては、エキス純分の配合量)が好ましく、より好ましくは0.5〜3質量%である。上記範囲とすることで抜け毛改善、育毛効果がより高まり、地肌のべたつきのなさ、ふんわり感をより向上させることができる。
[(B)キトサン]
(B)成分は、ヒドロキシエチルキトサン及びヒドロキシプロピルキトサンから選ばれる少なくとも1種であり、(C)成分と共に用いることでふんわり感を顕著に向上させることができる。また、溶解性に優れ、良好な外観安定性を得ることができる。
(B)成分の配合量は、ふんわり感、地肌のべたつきのなさの点から、組成物全量に対して0.11〜0.19質量%が好ましく、より好ましくは0.13〜0.17質量%である。0.11質量%未満では、ふんわり感が劣る場合があり、0.19質量%を超えると地肌のべたつきのなさ、ふんわり感が劣る場合がある。
[(C)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル]
(C)成分は、エチレンオキサイドの平均付加モル数が6〜60モル、特に30〜40であるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルであり、(B)成分と共に用いることでふんわり感を飛躍的に高めることができる。(C)成分としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらのなかでも特に、ふんわり感付与の点からエチレンオキサイドの平均付加モル数が6〜60モルであるテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットが好ましく、より好ましくはエチレンオキサイドの平均付加モル数が30〜40のテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットである。エチレンオキサイドの付加モル数が60を超えるとふんわり感が劣り、入手のし易さの点から6モル以上である。
(C)成分の配合量は、ふんわり感、地肌のべたつきのなさの点から、組成物全量に対して0.1〜1.0質量%が好ましく、0.2〜0.5質量%がより好ましい。0.1質量%未満では、ふんわり感が劣る場合があり、1.0質量%を超えると地肌のべたつきのなさ、ふんわり感が劣る場合がある。
[(D)エタノール]
(D)エタノールは、育毛有効成分等の溶解性を高めると共に、地肌のべたつきのなさを向上させるために配合する。(D)エタノールとしては、無水エタノールや95体積%エタノールを挙げることができる。育毛有効成分の溶解性とそれに伴う抜け毛改善、ふんわり感、育毛効果、さらには地肌のべたつきのなさの点から、(D)成分の配合量は、組成物全量に対して無水エタノールとして60〜90質量%が好ましく、より好ましくは65〜80質量%である。なお、この配合量は、植物エキス等のエキス類を配合した場合、これらエキス類から持ち込まれるエタノールを含む配合量である。
[その他の成分]
本発明の育毛剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常育毛剤組成物に配合される上記成分以外の任意成分を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。このような成分としては、(C)成分以外のノニオン界面活性剤、半極性界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン性高分子、ノニオン性高分子、ポリオール類、有機塩類、保湿剤、トニック剤、可溶化剤、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等の酸化防止剤、トリクロサン、トリクロロカルバン等の殺菌剤、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等の粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、タンパク誘導体、動植物抽出液、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン等のフケ防止剤、グリチルリチン酸ジカリウムやサリチル酸グリコール等の抗炎症剤、安息香酸及びその塩、ポリエチレングリコールや乳酸ラウリル等の経皮吸収促進剤、パラベン類、ケーソンCG等の防腐剤、クエン酸、トリエタノールアミン等のpH調整剤、エチレングリコールジ脂肪酸エステル等のパール化剤、乳濁剤、ハイドロトロープ、ビタミン類、揮発性油分、疎水性溶媒、希釈性溶媒、ショウキョウエキスやトウガラシチンキ等のエキス類、l−メントール等の清涼剤、色素、香料等が挙げられる。
[用途]
本発明の育毛剤組成物は、育毛剤、養毛剤、血行促進剤、抜け毛改善剤として広く利用でき、特に育毛剤として使用することが好ましい。この場合、育毛トニック、頭皮用エッセンス、育毛スプレー、育毛ヘアジェル等の形態で外用に使用することができ、頭皮及び毛髪(特に薄毛部分や毛髪の根元部分)の両方に塗布することで、育毛効果と根本からのふんわり感効果により頭髪全体に十分なボリュームを付与することができる。本発明の育毛剤組成物は、上記必須成分及び任意成分を混合して、常法に基づいて得ることができる。
[容器、容器材質]
本発明の育毛剤組成物を充填する容器としては、機械的又は差圧によるディスペンサー容器及びスクイーズ容器、ラミネートフィルム容器、スポイト容器、ボトル容器等が挙げられる。ボトルの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ガラス等を単層ないし二層以上組み合わせて用いることができ、特にポリエチレンが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、(D)エタノールは無水エタノールとしての量であり、(D)エタノールの配合量は、組成物中に含まれる全量を示す。実施例25、26の「その他の成分」の植物エキスに関しては有姿の配合量を示し、それ以外の植物エキスに関してはエキス純分の配合量を示した。(D)エタノール及び植物エキス以外の成分の配合量は全て純分換算量である。
[実施例1〜26、比較例1〜9]
下記表に示す組成の育毛剤組成物を常法に準じて調製し、下記方法で評価した。結果を表中に併記する。
[抜け毛改善]
<評価方法>
50〜60歳代の女性40名に対して、育毛剤組成物を1日2回(間隔をあけて1回ずつ合計2回)、1ヶ月間連続使用し、使用前に比べて使用後の抜け毛の本数が減ったか否かについて評価を行った。
評価点が3点以上であれば、抜け毛改善効果は良好である。
<評価基準>
5点:40名中36名以上が、抜け毛が減ったと回答した
4点:40名中28名以上35名以下が、抜け毛が減ったと回答した
3点:40名中20名以上27名以下が、抜け毛が減ったと回答した
2点:40名中12名以上19名以下が、抜け毛が減ったと回答した
1点:40名中11名以下が、抜け毛が減ったと回答した
[育毛効果]
<評価方法>
50〜60歳代の女性40名に対して、育毛剤組成物を1日2回(間隔をあけて1回ずつ合計2回)、1ヶ月間連続使用し、使用前に比べて使用後の髪が増えた感じがあるか否かについて評価を行った。
評価点が3点以上であれば、育毛効果は良好である。
<基準>
5点:40名中36名以上が、髪が増えた感じがあると回答した
4点:40名中28名以上35名以下が、髪が増えた感じがあると回答した
3点:40名中20名以上27名以下が、髪が増えた感じがあると回答した
2点:40名中12名以上19名以下が、髪が増えた感じがあると回答した
1点:40名中11名以下が、髪が増えた感じがあると回答した
[ふんわり感]
<評価方法>
40〜60歳代の女性10名に対して、育毛剤組成物を14日間、洗髪後に使用し、使用前に比べて使用後の髪がふんわりした感じがあるか否かについて評価を行った。
評価点が3点以上であれば、ふんわり感は良好である。
<評価基準>
5点:10名中9名以上が、髪がふんわりした感じがあると回答した
4点:10名中7名以上8名以下が、髪がふんわりした感じがあると回答した
3点:10名中5名以上6名以下が、髪がふんわりした感じがあると回答した
2点:10名中3名以上4名以下が、髪がふんわりした感じがあると回答した
1点:10名中2名以下が、髪がふんわりした感じがあると回答した
[地肌のべたつきのなさ]
<評価方法>
40〜60歳代の女性10名に対して、育毛剤組成物を14日間、洗髪後に使用して乾燥後、育毛剤使用前に比べて地肌(頭皮)がべたつくか否かについて評価を行った。
評価点が3点以上であれば、地肌のべたつきのなさは良好である。
<評価基準>
5点:10名中9名以上が、地肌にべたつきを感じないと回答した
4点:10名中7名以上8名以下が、地肌にべたつきを感じないと回答した
3点:10名中5名以上6名以下が、地肌にべたつきを感じないと回答した
2点:10名中3名以上4名以下が、地肌にべたつきを感じないと回答した
1点:10名中2名以下が、地肌にべたつきを感じないと回答した
[溶解性]
<評価方法>
配合直後の外観を目視評価した。
<評価基準>
○:沈殿物なし
×:沈殿物あり
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実施例及び比較例で使用した原料を下記に示す。
Figure 0006172269

Claims (4)

  1. (A)6−ベンジルアミノプリン、ペンタデカン酸グリセリド及びミノキシジルから選ばれる少なくとも1種の育毛有効成分と、
    (B)ヒドロキシエチルキトサン及びヒドロキシプロピルキトサンから選ばれる少なくとも1種:0.11〜0.19質量%と、
    (C)エチレンオキサイドの平均付加モル数が6〜60モルであるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルと、
    (D)エタノールと
    を含有することを特徴とする育毛剤組成物。
  2. (C)成分が、エチレンオキサイドの平均付加モル数が30〜40モルであるテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットである請求項1記載の育毛剤組成物。
  3. (C)成分の配合量が0.1〜1.0質量%である請求項1又は2記載の育毛剤組成物。
  4. (D)成分の配合量が60〜90質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の育毛剤組成物。
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