実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による照明装置及びイメージセンサの分解状態を示す斜視図である。まず、図1を用いて、実施の形態1による照明装置及びイメージセンサの構成と動作の概略について述べる。図1に示す照明装置及びイメージセンサは、光源1、基板2、リード線2a、導光体3、光反射部材5、ホルダ6、カバーガラス7、撮像光学系8、受光素子9、センサ基板10、筺体11、原稿12を備える。本実施の形態の照明装置としては、光源1、基板2、リード線2a、導光体3、光反射部材5、ホルダ6で構成されるが、光源1と導光体3とを備えていれば、他の構成は適宜変更可能である。なお、図面において同一の番号を付したものは同様のものを表し、再度の説明は省略するものとする。
光源1は、白色光を発する白色LEDや赤(R)、緑(G)、青(B)色の光を発するRGB発光のLEDなどを用いた単数又は複数の光源である。すなわち、LEDチップを樹脂モールドしたパッケージLEDや、ベアチップなどで構成されたLED、有機EL等の高輝度光源である。基板2には、光源1が設置される。リード線2aは、光源1に電力を供給するものであり、フレキシブルケーブル等により構成される。
導光体3は、透明なアクリル樹脂やガラスで構成され、主走査方向(X方向)を長軸方向とする棒状の導光体であり、副走査方向(Y方向)と深さ方向(Z方向)で生成される面(Y−Z面)による断面の一部又は全てに曲率を設けている。断面に曲率を設けているとは、断面形状の外周の少なくとも一部が曲線となることを意味する。ここで、副走査方向とは、主走査方向と直交する短軸方向であり、原稿を読み取る際に原稿が搬送される方向である。
導光体3の一方の端面は、入射面3aとなり、光源1から照射した光をこの面から入射させる。入射面3aと対向する導光体3の他方の端面3bには、ミラーテープなどの鏡面部材や白色樹脂のような光反射部材5を設け、導光体3内を伝播してきた光を反射し、入射面3a方向に再度伝播させる。導光体3の側面の一部には、第1の拡散反射領域となる主走査反射パターン面4が導光体3の長軸方向に沿って延在する。主走査反射パターン面4は、導光体3の表面に設けた突起形状のプリズムが並んだ反射パターン面であり、プリズムに当たった光を導光体3の長軸方向に拡散して反射する(拡散反射する)働きがある。主走査反射パターン面4に設けた反射パターンを主走査反射パターン又は第1の反射パターンと呼ぶ。
ホルダ6は、中空部を有し、一方から入射面3aを含む導光体3の端部を挿入して保持する。また、他方の面に基板2を突き当てることにより、基板2に設置された光源1を中空部に挿入する。これによって、光源1と入射面3aを含む密閉空間を形成する。カバーガラス7は、原稿12への照明光や原稿12からの反射光を透過する透過体となる。原稿12は、被照射体(被照明体)となる読取り物(読取り対象物)であり、例えば紙幣等である。
撮像光学系8は、原稿12の像を形成する。受光素子9は、撮像光学系8で結像された光を受光するセンサICである。受光素子9は、主走査方向である導光体3の長軸方向に沿って設置される。センサ基板10は、受光素子9を搭載するものである。筺体11は、ホルダ6で保持された導光体3、撮像光学系8、センサ基板10などを収納又は保持する。
本実施の形態の照明装置及びイメージセンサは、以上のような構成となっており、光源1から導光体3を通った光がカバーガラス7を透過して原稿12上に照射され、原稿の文字やパターン情報となる光が散乱反射されて撮像光学系8により受光素子9上に原稿の像が形成され、電気信号に変換される。
次に、導光体3について、さらに詳しく述べる。図2は本発明の実施の形態1による照明装置及びイメージセンサにおける導光体3の斜視図である。図2において、導光体3は入射面3aの近傍の側面に、第2の反射パターンである副走査反射パターン13を備える。副走査反射パターン13については後述する。導光体3の側面の副走査反射パターン13を備える領域が第2の拡散反射領域となる。簡単のためにここでは導光体3は円柱形状としているが、惰円柱形状、あるいは直線部と曲線部の組み合わさった断面形状をもつ柱状形状でもよい。また、四角柱形状など断面に曲率を設けない形状でもよいが、照明光の利用効率の観点からは、断面の少なくとも一部に曲率を設けることが望ましい。導光体3の長軸方向(主走査方向)をX’軸、主走査反射パターン面4の法線方向をZ’軸、X’軸とZ’軸に直交する方向をY’軸とする。図1におけるX軸と図2におけるX’軸の方向は一致するが、導光体3は通常X軸周りに回転された姿勢で設置されるため、Y軸とY’軸、Z軸とZ’軸とは一致しない。
なお、導光体3が円柱形状の場合、主走査反射パターン面4は曲面となるが、この場合には、主走査反射パターン面4の幅方向(主走査方向に対して垂直な方向)の中心位置に接する平面に対して法線方向がZ’軸となる。一方、導光体3の断面が、主走査反射パターン面4を平面としたD型形状となる場合には、主走査反射パターン面4に対して法線方向がZ’軸となる。
光源1から発せられた光線は入射面3aから導光体3に入射し、導光体3内を全反射伝搬する。その光線は、導光体3内で複数回全反射を繰り返し、その途中で主走査反射パターン面4に到達すると、導光体3の長軸方向に拡散反射される。ここで、長軸方向に拡散反射されるとは、長軸方向に反射光の分布が広がるように、言い換えると、図2におけるX’−Z’面内で反射光の分布が広がるように反射するという意味である。その反射方向がZ’軸方向に近い場合には、その拡散光線は導光体3の側面の主走査反射パターン面4に対向する領域から出光し、図1における被照射体12を照射する。導光体3の側面の主走査反射パターン面4に対向する領域が出光領域となる。
図3は、本発明の実施の形態1による照明装置及びイメージセンサにおける導光体3へ光の入射と伝搬を説明する図である。主走査反射パターン面4は、その主走査方向の断面(X’−Z’平面による断面)は、例えば図3に示されるように反射パターンが舟型の形をしており、それがY’方向に延伸した形状である。ここで言う舟型とは、反射パターンの高さ(Z’方向)に対してZ’方向の幅が単調減少する形状を意味する。主走査反射パターン面4からの反射方向については、副走査方向には凹凸がないので、副走査方向には正反射するのみで、主走査方向にのみ拡散反射する。
入射面3aから入射した光線は、主走査反射パターン面4に入射して拡散される光線を除いて、導光体3の側面から出光されることはない。図3を用いてその理由を説明する。入射面3aに入射角θ1で入射した光線は、スネルの法則に従って、sinθ1=n×sinθ2で示される出射角θ2で屈折され、光線202となる。ここで、nは導光体3の屈折率を表す。導光体3の側面への入射角θ3は、導光体3の側面が入射端面3aに垂直であるならば、θ3=90°−θ2で表される。
導光体3は、透明な樹脂で製作されることが多く、その屈折率はおおよそn=1.5である。n=1.5での全反射臨界角は42°である。また、θ3が最も小さくなるのは、θ1=90°のときであり、n=1.5とすると、上記の式より、θ3=48°となる。この角度は全反射臨界角42°より大きい。すなわち、入射面3aから入射するすべての光線は、導光体3の側面で全反射される。導光体3の対向する側面が主走査方向に平行であれば、主走査反射パターン面4に光線が到達して拡散反射されない限り、導光体3の側面で反射される角度と、次に側面に入射する角度は不変であり、全反射を繰り返す。
図4は、本発明の実施の形態1による照明装置及びイメージセンサにおける導光体3の構造を説明する図である。図4(a)は、導光体3の構造を説明するための斜視図である。説明に当たって、柱状の導光体3の側面部を反射導光面101と、出光面102と、主走査反射パターン面4とに分ける。その領域の分類を図4に示す。出光面102は、主走査反射パターン面4に対向し、かつ主走査反射パターン面4で拡散反射された光線が通り抜ける(透過する)面と定義する。出光面102が上述の出光領域となる。反射導光面101は、入射した光を導光体3の内部で全反射伝搬させる面であると定義する。
主走査反射パターン面4への入射角度は上で述べたように48°以上であり、大きな入射角度であるので、主走査反射パターン面4による拡散反射光の放射角分布も導光方向の前方に偏ったものとなる。よって、入射面3aの近傍においては、導光体3の側面から出光する光線はほとんどない。すなわち、入射面3a近傍においては、主走査反射パターン面4を除いて全周、反射導光面101であるといえる。図4(b)は、導光体3の構造を説明するための第1の断面図であり、図4(a)にAで示す入射面3aの近傍における断面図である。図4(b)に示すように、入射面3aの近傍においては、導光体3の側面は、主走査反射パターン面4と反射導光面101とに領域が分類される。
図4(c)は、導光体3の構造を説明するための第2の断面図であり、図4(a)にBで示す入射面3aから離れた位置における断面図である。入射面3aの近傍から離れた領域では、図4(c)に示すように、主走査反射パターン面4で拡散反射された光線201が、出光面102から出光することができる。図4(a)においては、ハッチングした領域が出光面102となる。
円柱の導光体の場合、拡散反射光が出光できる最大範囲は、図4(c)において、主走査反射パターン面4の法線方向からの角度θを用いて、θ<42°の範囲である。なぜなら、図4(c)から明らかなように、Y’−Z’平面による断面内においては、主走査反射パターン面4からの角度θで反射された光線が次に側面に入射する角度はθであり、この角度が全反射臨界角42°以下である場合に出光するからである。ただし、光線は主走査方向にも角度をもっており、主走査方向と副走査方向の入射角度をベクトル的に足し合わせた角度が側面への真の入射角度であるので、実際の出光面102の範囲はおおよそθ<20°の範囲である。すなわち、出光面102の範囲の目安は、導光体の長軸に垂直な面内において、主走査反射パターン面4の中央を通る主走査反射パターン面4の垂線に対して20°未満の範囲となる。また、出光面102といえども主走査反射パターン面4からの反射光以外は、光を全反射伝搬させる。このように、出光面102と反射導光面101は明確に区分できるものではなく、説明上の便宜的なものである。
本実施の形態における導光体3は、入射面3a近傍の反射導光面101として機能する側面に、副走査反射パターン13を持つことを特徴とする。副走査反射パターン13は、主走査方向(X’方向)に延伸する凹凸形状である。図5は、本発明の実施の形態1による照明装置及びイメージセンサにおける副走査反射パターン13の構造を説明する図であり、副走査反射パターン13を備えた導光体3のY’−Z’平面による断面図である。ここで、一例として具体的な数値を入れて説明をする。導光体3は、直径5mm、長さ310mmの円柱形状とする。副走査反射パターン13は、その断面形状は、図5に示すように直径1mmの円弧が複数個飛び出した形状であり、X’方向の長さは15mmである。言い換えると、副走査反射パターン13は、長さ15mmの蒲鉾形状となる。
次に本実施の形態の照明装置及びイメージセンサにおける副走査反射パターン13の作用について述べる。図6は、本発明の実施の形態1による照明装置及びイメージセンサにおける導光体3の内部の光線の伝播を説明する図である。図7は、本発明の実施の形態1による照明装置及びイメージセンサにおける導光体3の入射面3aからの距離による光線の進行方向を説明する図である。図8は、本発明の実施の形態1による照明装置及びイメージセンサにおける原稿面の副走査方向の照度分布を説明する図である。図9は、本発明の実施の形態1による照明装置及びイメージセンサにおける原稿面の2次元の照度分布を説明する等高線図である。図6〜図9を通じて、(1)の図は本実施の形態の構成を表す。また、(2)及び(3)は説明のための比較例を表し、(2)は副走査反射パターン13がない場合、(3)は副走査反射パターン13が長い場合の構成をそれぞれ表す。
図10は、本発明の実施の形態1による照明装置及びイメージセンサの副走査断面図(Y−Z平面による断面図)である。図11は、本発明の実施の形態1による照明装置及びイメージセンサにおける一方の導光体からの照明光の原稿面での副走査方向の照度分布である。図12は、本発明の実施の形態1による照明装置及びイメージセンサにおける一方の導光体からの照明光の原稿面での主走査方向の照度分布である。
以下、図6〜図12を用いて、本実施の形態の照明装置及びイメージセンサにおける副走査反射パターン13の作用について述べる。説明に当たって、上記の数値例の通り、導光体3は、直径5mm、長さ310mmの円柱形状とし、副走査反射パターン13は、断面形状が直径1mmの円弧、長さ15mmとする。図6は、図2に示すX’−Z’平面による断面において、光源1から導光体3に入射した光線が原稿面103に到達する様子を表す。図6において、導光体3の入射面3aをX’=0mmとして、例えば、X’=7.5mmの位置をAで示し、X’=20mmの位置をBで示し、X’=150mmの位置をCで示す。図7は、図6に示すA位置、B位置、C位置における導光体3のY’−Z’平面による断面図と、この断面内で反射される光線の進行方向を模式的に表している。図8は、図6に示す原稿面103における位置B’、C’での副走査方向(図1におけるY方向)の照度分布を表したものである。
まず、図6〜図12を用いて、図6〜図9の(2)に示す副走査反射パターン13がないときの課題を説明する。なお、以下の説明において、導光体における副走査方向は図2におけるY’方向であり、原稿面における副走査方向は図1におけるY方向である。X’=7.5mmの位置にあるA断面では入射面3aに近いので、導光体3への入射光線は、A断面以前には導光体内での反射を経ずにA断面に到達する。この点は、(1)及び(3)においても同様である。A断面での主走査反射パターン面4からの反射角度分布は、一回反射だけであるので、図6の(1)〜(3)の全ての場合において変わらない。
次に、X’=20mmの位置にあるB断面では、A断面の位置よりも遠いので、導光体内での反射をせずに到達する光線だけでなく、例えば1ないし3回反射した光線も存在する。しかし、反射回数が少ないので、光線の混ぜ合わせが十分でなく、主走査反射パターン面4に入射する光線の副走査方向の分布は狭い。よってB断面での副走査方向の反射角度分布も図7(2)に示すように、幅が狭いものとなる。この反射光線の副走査方向の放射角分布の広がりの狭さを反映して、図8(2)に示すように、B’位置における原稿面103での副走査方向の照度分布は狭い。
次に、より遠方の、X’=150mmの位置にあるC断面では、導光体内部での反射回数が増え、伝播光線の副走査面内で角度分布に偏りがなくなる。よって、C断面での主走査反射パターン面4に入射する光線の副走査方向の分布の広がりは大きくなり、C断面での反射角度分布の広がりも図7(2)に示すように、大きくなる。この反射光線の副走査方向の放射角分布の広がりが大きいことを反映して、図8(2)に示すように、C’位置における原稿面103での副走査方向の照度分布は広い。
ある回数以上全反射伝搬を繰り返せば、副走査面内での光線の進行方向角度分布はほとんど変わらなくなるので、入射面3aからの距離X’が十分に大きい範囲では、C’位置での照度分布と同じである。原稿面におけるX−Y平面内での照度分布の等高線表示を図9(2)に示す。図9において、横方向が原稿の主走査方向であるX方向、縦方向が副走査方向であるY方向となる。また、図の左端が入射面3aの近傍となる。なお、図9に原稿の読み取り位置112を一点鎖線で示している。入射面3a近傍では、副走査方向の幅が狭く、入射面3aから主走査方向に十分遠方な位置では副走査方向の幅が広く一定である。
さて、副走査方向の照度分布の幅が主走査方向の位置によって部分的に狭いとき、原稿面距離が変化すると、原稿の読み取り位置112での主走査方向の照度分布が変化してしまう。図10を用いて、副走査方向における照明光線の行方について述べる。図10において、左右両側に配置された2つの導光体3をそれぞれ、3−L、3−Rとする。カバーガラス7の上面を(通常の)原稿面103、カバーガラス7の上面からZ方向に、例えば距離2mm離れた面を原稿が離れた場合の原稿面104とする。撮像光学系8が原稿を読み取る位置を読み取り位置112とする。導光体3−Lから照射される光線210は略平行光束として、Z軸方向に対し斜めに原稿面を照射している。
一方の導光体3−Lによる原稿面103または原稿が離れた場合の原稿面104での副走査方向の照度分布が図11に示されている。照明光線が略平行光としてZ軸に対して斜めに伝播するので、図11(a)、(b)又は(c)、(d)に示されているように、照明する位置が原稿面103から原稿が離れた場合の原稿面104に遠ざかると、分布形状はそれほど変化せずに+Y方向へ分布位置がシフトする。図9に示す主走査方向位置B’では、副走査方向の分布の幅が狭いので、図11(a)及び(b)に示されるように、原稿が離れた場合の原稿面104では原稿面103と比較して、読み取り位置112での照度が低下する。
一方、図9に示す主走査方向位置C’では、副走査方向の分布幅が広いので、図11(c)及び(d)に示されるように、原稿面103と原稿が離れた場合の原稿面104とでは、読み取り位置112での照度は大きく変化しない。図12(a)には、原稿面103における読み取り位置112での主走査方向の照度分布を示している。また、図12(b)には、原稿が離れた場合の原稿面104における読み取り位置112での主走査方向の照度分布を示している。図12に示すように、原稿面103での主走査方向の照度分布が一定であったとしても、原稿距離が離れると、B’位置での照度が下がり、主走査方向の照度分布が一定でなくなる。こうなると、原稿面103での照度値を用いてセンサの各画素の白レベルの補正を行うと、原稿が離れた場合の原稿面104での取得画像に輝度のムラが生じてしまい、画像が劣化する。
次に、図6〜図9の(1)に示す主走査方向に適切な長さの副走査反射パターン13がある、本実施の形態の照明装置及びイメージセンサについて説明する。本実施の形態の照明装置及びイメージセンサにおいては、図6(1)および図7(1)に示されるように、導光体3の入射面3aから入射し上方に伝播する光線は、A断面において副走査反射パターン13によって副走査方向に拡散反射される。ここで、副走査方向に拡散反射されるとは、主走査方向である導光体の長軸方向と垂直な面内(図2におけるY’−Z’面内)で反射光の分布が広がるように反射するという意味である。B断面位置では、A断面付近で拡散反射された光線が到達するので、B断面での主走査反射パターン面4への入射角度分布は図7(1)に示すように、副走査方向に十分広がったものとなる。副走査反射パターン13での光線の拡散を十分大きなものとすれば、B断面での主走査反射パターン面4への副走査方向の入射角度分布は、より遠方のC断面での入射角度分布と同じ程度に広がったものとすることができる。このとき、B断面で主走査反射パターン4から放射される副走査方向の反射角度分布は、C断面でのそれと同等のものとなる。
ここで、B断面付近では、副走査反射パターン13が存在しないことが、本実施の形態の照明装置及びイメージセンサの大きな特徴である。B断面における主走査反射パターン4での反射光は、出光面102を透過する際に拡散されることがないので、図8(1)に示すように、B’位置での原稿面103での照度分布と、C’位置での原稿面103での照度分布とは同等のものとなる。本実施の形態の照明装置及びイメージセンサにおける照度の2次元分布を等高線で表示すると、図9(1)のようになり、読み取り位置112上では主走査方向の広い範囲にわたって一定の強度である。
このとき、副走査反射パターン13がない場合で述べたのとは異なり、原稿面103上での照度分布が一定であるばかりでなく、原稿が離れた場合の原稿面104上での照度分布も一定となる。すなわち、原稿面103での照度値を用いてセンサの各画素の白レベルの補正を行えば、原稿が離れた場合の原稿面104に対しても取得画像に輝度のムラが生じず、高品位な画像が得られるという効果がある。また、主走査反射パターンで拡散反射される光線が導光体から出光する際に屈折拡散されて、必要以上に広い範囲に光を照射することがないので光量の損失が少ないという効果もある。
最後に、図6〜図9の(3)に示す副走査反射パターン13が主走査方向に長すぎる場合について説明する。具体的には、例えば、副走査反射パターン13は、入射面3aから主走査方向に25mmの長さの領域にあるものとする。この場合、B断面での主走査反射パターン面4への入射角度分布は、上述した本実施の形態の照明装置及びイメージセンサの場合と同様に、副走査方向に十分広がったものである。なぜなら、B断面への入射光線は、A断面付近で副走査反射パターン13によって副走査方向に拡散された光線が入射するからである。
しかし、B断面での主走査反射パターン面4からの拡散反射光は、図6(3)、図7(3)に示されるように、出光面102を屈折通過する際にも副走査反射パターン13により散乱されてしまう。そのため、B’位置での原稿面103での照度分布は、図8(3)に示すように副走査方向に大きく広がりすぎたものとなり、読み取り位置における照度はC’位置よりも小さくなってしまう。この場合の照度の2次元分布を等高線で表示すると、図9(3)のようになり、読み取り位置112上では主走査方向の強度分布の均一性が悪くなる。さらに、導光体の端部近傍では、読み取りに必要な範囲以上に光を発散させてしまうため、光量の損失が大きいという問題がある。
すなわち、副走査反射パターン13が主走査方向に長すぎる場合、撮像光学系8の読み取りに不要な領域にまで照明光が広がってしまうことにより、光量の損失が生じるという課題、主走査方向の照度分布の均一性が悪くなるという課題がある。照明光は、副走査方向だけでなく主走査方向にもZ軸に対して斜めに出射される光線が多いので、主走査方向の照度分布の均一性が悪くなると、原稿が離れた場合の原稿面104の照度の原稿面103の照度に対する比である照度比も悪くなるという課題も生じる。また、上述した副走査反射パターン13がない場合と同様に、主走査方向によって副走査方向の照度分布が異なるので、原稿の距離が変化した場合に取得画像に輝度のムラが生じてしまうという問題もある。
以上で具体的に例示したように、反射導光面101上に形成した副走査反射パターン13には主走査方向に適切な長さがある。すなわち、副走査反射パターン13により、反射導光時に副走査方向に光線を拡散反射させて主走査反射パターン面4に入射させ、かつ主走査反射パターン面4での拡散反射光が導光体から出光するときに副走査反射パターン13によって更に拡散されないためには、主走査方向に適切な長さがある。上記例では、導光体3の直径5mmに対して、本実施の形態の照明装置及びイメージセンサにおける副走査反射パターン13の長さは15mmであり、25mmまで長くなると不都合が生じた。適切な長さについては、撮像光学系8の読み取りに使う主走査長や、導光体に許容される長さにも依存するが、目安として、導光体3の直径の4倍程度である。導光体の直径が5mmの今の場合では、20mm以下が適当である。
副走査反射パターン13の適切な長さについて更に述べる。上述の通り、導光体3からの出射光を過度に拡散させないためには、副走査反射パターン13はできる限り短いことが望ましいが、導光体3の内部を伝搬する光が副走査方向に十分広がるように長さを取る必要がある。例えば、入射面3aの上端にθ2=45°で下向きに入射した光が、主走査反射パターン面4で主走査方向に拡散反射されないとして、副走査反射パターン13で2回拡散反射されるためには、副走査反射パターン13は入射面3aから導光体3の直径の4倍の長さが必要となる。副走査反射パターン13で2回拡散反射された光は、副走査方向に実用上は十分に拡散されると考えられる。したがって、この観点から、副走査反射パターン13は、入射面3aから導光体3の直径の4倍の長さまでの領域に設けることが適当となる。
なお、上述の通り、反射導光面101と出光面102との境界はあいまいである。言い換えると、反射導光面101として機能する領域と出光面102として機能する領域とは徐々にその機能が切り替わり、遷移領域となる領域も存在する。したがって、副走査反射パターン13から導光体3の外部に出光する光も存在するが、そのような副走査反射パターン13から出光する照明光を撮像光学系8の読み取りに用いてもよい。すなわち、撮像光学系8の読み取り範囲の外側に副走査反射パターン13が存在するのが設計上の基本概念ではあるが、現実の製品に適用される設計においては導光体に許容される長さに制約があるので、実使用上許容される範囲で、撮像光学系8の読み取り範囲と副走査反射パターン13が主走査方向において一部重なっていてもよい。
ここで、上述の副走査反射パターンの場合と同様に、主走査反射パターンについても2回反射された光は実用上において十分に拡散されると考えると、反射導光面101と出光面102との境界の目安は、入射面3aから導光体3の直径の4倍の距離となる。これは、入射面3aの下端にθ2=45°で上向きに入射した光が、主走査反射パターン面4で2回拡散反射されるために必要な長さを単純に見積もったものである。ここで、単純に見積もったとは、主走査反射パターン面4で主走査方向に拡散反射される成分を考慮せず、全反射伝搬として単純化したという意味である。このような観点からは、反射導光面101と出光面102との境界はあいまいではあるが、入射面3aから導光体3の直径の4倍の距離と考えることができる。
また、本実施の形態の照明装置及びイメージセンサにおいて、以上で述べた構成では導光体の一方の端面のみを入射面3aとして光源1を配置していたが、他の構成とすることもできる。図13は、本発明の実施の形態1による照明装置の変形例を示す図である。図13に示すように、導光体のもう一方の端面3bにも光源1を配置して、両側から光線を入射する構成としてもよい。すなわち、上述したのと同じように、入射面3aおよび3bの近傍の側面上に、副走査反射パターン13を配置すれば、均一な照度分布のライン照明光源を得ることができる。導光体3の両端に光源1を配置すると、片側だけの時に比較しておおよそ2倍という大きな照度を得ることができる。
以上のように、本実施の形態の照明装置及び照明装置及びイメージセンサは、光を出射する光源と、端面から入射する光を側面の一部に長軸方向に延在する出光領域から外部に出射する棒状の導光体とを備え、導光体は、導光体の側面に出光領域に対向して長軸方向に延在し光を拡散反射する第1の拡散反射領域と、端面側の側面に設けられ長軸方向と垂直な方向に光が広がるように拡散反射する第2の拡散反射領域とを備えるので、主走査方向および副走査方向に均一な照度分布を持つ照明装置を得ることができる。したがって、照度比の変動が抑えられ、原稿面距離に対する照度分布の変化を抑制することができるので、輝度のムラの小さい高品位な画像を取得することができる。また、光量の損失を抑制することも可能となる。
本実施の形態の照明装置及び照明装置及びイメージセンサの効果について更に述べる。本実施の形態の照明装置及び照明装置及びイメージセンサによれば、導光体の側面上に、入射端面から導光体の直径の4倍までの範囲に、主走査方向に延伸した凹凸形状の副走査反射パターンと、長軸方向に沿って周期的に設けられた主走査反射パターンとが形成されているので、主走査方向および副走査方向に均一な照度分布を持つライン状照明光源を得ることができる。そのことにより、原稿面距離が変化しても、原稿の読み取り位置での照度分布が変化しないので、原稿面距離が変化した場合の照明装置及びイメージセンサの各画素の白レベルを等しくすることができ、取得画像に輝度のムラが生じず、高品位な画像を得ることができる。また、光量の損失が少ないという効果もある。
主走査方向および副走査方向に均一な照度分布を得ることができるメカニズムを以下に要約する。入射端部近傍に設けられた副走査反射パターンにより、導光体内に入射した光線が副走査方向にのみ拡散反射されるので、主走査方向と垂直な面内において、光線進行方向の混ぜ合わせが少ない全反射回数で効率よく起こる。そのため、主走査反射パターンに入射する光線の副走査方向分布が、導光体の端部近傍でも遠いところと同じように広がったものとなる。よって、主走査反射パターンで拡散反射される光線の放射角分布が、導光体の主走査方向の位置によらず一定となる。ここで、副走査反射パターンが、入射端面から導光体の直径の4倍までの範囲に限定されているので、主走査反射パターンで拡散反射される光線が導光体から出光する際に更に拡散されることがなく、必要以上に広い範囲に光を照射することがないので光量の損失が少ない。
実施の形態2.
図14は、本発明の実施の形態2による照明装置及びイメージセンサにおける導光体3の構造を説明する図である。図14に示す導光体3においては、上記実施の形態1におけるものと比較して、副走査反射パターン13が、導光体3の断面の外周の上部だけでなく、主走査反射パターン面4を除いた下部の方まで、形成されている点が異なる。図14において、(a)は導光体3の斜視図であり、(b)は(a)に示すA断面による導光体3の断面図であり、(c)は(a)に示すB断面による導光体3の断面図である。
このように、導光体の側方、および下方にも副走査反射パターン13が形成されているので、本実施の形態の照明装置及びイメージセンサによれば、入射面3aから入射し、導光体の側方面、および下方面に入射する光線も副走査方向に散乱され、上記実施の形態1より効率的に副走査断面内での光線進行方向の分布を広げることができる。また、上記実施の形態1にて述べたものと同様の効果も有する。
実施の形態3.
図15は、本発明の実施の形態3による照明装置及びイメージセンサにおける導光体3の構造を説明する図である。図15に示す導光体3においては、上記実施の形態2におけるものと比較して、入射面3aから離れた位置において出光面102を避けた側面の反射導光領域101に、副走査反射パターン13が形成されている点が異なる。図15において、(a)は導光体3の斜視図であり、(b)は(a)に示すA断面による導光体3の断面図であり、(c)は(a)に示すB断面による導光体3の断面図である。
図15に示す導光体3においては、まず、出光面102を導光体3の側面上で副走査方向に延長した反射導光領域101上にも、副走査反射パターン13が形成されていることを特徴とする。このように、出光面102の副走査方向脇の反射導光領域101に副走査反射パターン13が形成されているので、より効率的に副走査断面内での光線進行方向の分布を広げることができる。また、出光面102を避けて副走査反射パターン13が形成されているので、反射パターン4からの反射散乱光が出光面から屈折により通り抜ける際に散乱を受けることもない。本実施の形態の照明装置及びイメージセンサによれば、より効率的に副走査断面内での光線進行方向の分布を広げることができ、より均一な照度分布を得ることができる。また、上記実施の形態1にて述べたものと同様の効果も有する。
実施の形態4.
図16は、本発明の実施の形態4による照明装置及びイメージセンサにおける導光体3の構造を説明する図である。図16において、(a)は導光体3の斜視図であり、(b)は(a)に示すA断面による導光体3の断面図であり、(c)は(a)に示すB断面による導光体3の断面図である。図16に示す導光体3においては、上記実施の形態3におけるものと比較して、出光面102の領域を主走査方向に延長した領域を避けて、導光体3の側面に副走査反射パターン13が形成されている点が異なる。上記実施の形態1にて述べたように、出光面102の範囲は、主走査反射パターン面4の法線方向からおおよそ20°以内の範囲であるので、図16(b)、(c)において、θ>20°の範囲に、副走査反射パターン13が形成されているということである。
導光体3内の反射伝播光は導光体3内のあらゆる側面内で反射伝播するので、θ>20°の範囲だけでも副走査反射パターン13が形成されていれば、入射面3aからの距離とともに、光線の副走査方向面内での拡散はすみやかに大きくなる。また、上記実施の形態1で述べたように、θ<20°の範囲では、反射導光面101と出光面102との主走査方向での境界はあいまいであるが、本実施例のようにθ>20°の範囲だけに副走査反射パターン13を形成するのであれば、出光面102から出光する光線が、屈折透過時に更に拡散されることはない。よって、より均一な照度分布を得ることができる。また、本実施の形態の照明装置及びイメージセンサによれば、上記実施の形態1にて述べたものと同様の効果も有する。
実施の形態5.
図17は、本発明の実施の形態5による照明装置及びイメージセンサにおける導光体3の斜視図である。図17に示す導光体3においては、反射導光面に形成された副走査反射パターン13は、主走査方向に稜線を持たない突起であることが特徴である。例えば、副走査反射パターン13を形成する突起の形状は、主走査方向に長軸をもつ回転楕円体の一部の面である。
このように副走査方向だけでなく、主走査方向にも角度を有する面を反射導光面101上に配置すると、突起で拡散反射される光線は、副走査方向だけでなく、主走査方向にも拡散される。しかし、主走査方向の拡散の割合が小さければ、主走査方向の光の拡散は問題とならずに、副走査方向に拡散されることによるメリットだけを享受することができる。例えば、突起の形状が、主走査方向には緩やかな曲率をもち、副走査方向には緩やかでない曲率(すなわち曲率半径が小さい)の場合、主走査方向への拡散は小さく、副走査方向の拡散は大きくなる。このように、副走査反射パターン13は、主走査方向に稜線を持たない場合でも、上記実施の形態1〜4で述べたのと同様の効果を得ることができる。
実施の形態6.
図18は、本発明の実施の形態6による照明装置及びイメージセンサにおける導光体3の構造を説明する図である。図18において、(a)は導光体3の斜視図であり、(b)は(a)に示すB断面による導光体3の断面図であり、(c)は(a)に示すC断面による導光体3の断面図である。図18(b)、(c)に示す断面図においては、当該断面における光線の進行方向も模式的に示している。図18に示す導光体3は、主走査方向に垂直な面において、非対称な形状の断面をもつ柱状であって、かつ入射面3a近傍の側面に副走査反射パターン13が形成されたものでる。非対称な形状の断面の導光体は、原稿面103での副走査方向の照度分布をより均一化するのに適している。
図19は、円柱導光体および非対称導光体における副走査方向の照度分布を比較する図である。ここで、円柱導光体とは、主走査方向に垂直な面において円形の断面を有する導光体であり、非対称導光体とは、主走査方向に垂直な面による断面が、主走査反射パターン面4の中心を通る垂線に対して非対称な形状となる導光体である。まず、円柱導光体の場合の照度分布を図19(a)、(b)に示す。図19(a)は、導光体座標系のY’軸に沿った照度分布である。また、図19(b)は、原稿面103における照度分布である。なお、導光体座標系とは、図2や図18に示すX’軸、Y’軸、Z’軸による座標系である。上述の通り、導光体3の長軸方向(主走査方向)がX’軸、主走査反射パターン面4の法線方向がZ’軸、X’軸とZ’軸に直交する方向がY’軸となる。また、導光体座標系の原点は、入射面3a上で、幅方向(Y’方向)の導光体3の中央点であり、深さ方向(Z’方向)の導光体3の最下端とする。
円柱導光体では、主走査反射パターン4および導光体はZ’軸に対して左右対称な位置に形成され、図19(a)の照度分布も左右対称になる。ところが、図10に示したように、導光体3から出射された光線210はZ軸に対し斜めに伝播し原稿面103を照射する。また、導光体3からの照明光は厳密には平行光とはならないので、図19(b)に示すように、原稿面103の導光体3に近い位置の照度は強く、遠い位置の照度は弱くなり、原稿面103上での照度分布は均一でなくなる。
そこで、導光体3の断面形状を非対称に最適化すれば、導光体3に対して斜めに設置された原稿面103上での照度分布を均一化することが可能である。主走査反射パターン4も導光体の中心からずれた位置にあってもよい。非対称導光体の場合の照度分布を図19(c)、(d)に示す。図19(c)は、導光体座標系のY’軸に沿った照度分布である。また、図19(d)は、原稿面103における照度分布である。このような非対称導光体では、Y’軸上では図19(c)のように右肩上がりの照度分布になるようにして、原稿面103上では図19(d)のように均一な分布を作ることが可能である。しかし、このような優れた特性を持つ非対称導光体においても、上記実施の形態1で詳しく述べたのと同様のメカニズムにより、入射面3a近傍では、副走査方向の照度分布が狭くなってしまう。
図20は、本発明の実施の形態6による照明装置及びイメージセンサにおける導光体の比較例の構造を説明する図であり、副走査反射パターンがない場合の比較例である。図20において、(a)は導光体の斜視図であり、(b)は(a)に示すB断面による導光体の断面図であり、(c)は(a)に示すC断面による導光体の断面図である。図20(b)、(c)に示す断面図においては、当該断面における光線の進行方向も模式的に示している。
図21は、本発明の実施の形態6による照明装置及びイメージセンサにおける原稿面103の2次元の照度分布を説明する等高線図である。図21において、(1)は本実施の形態による照明装置及びイメージセンサにおける原稿面103の照度分布を表し、(2)は図20に示す比較例における原稿面103の照度分布を表す。
副走査反射パターンがない場合には、図20(b)に示すように、入射面3aに近いB断面位置では、そこに到達する光線の反射回数が少ないために、主走査反射パターン4で反射された光の副走査方向の角度分布は狭く、偏りがある。一方、より遠方のC断面位置では、複数回の内部全反射により光線の進行方向が十分に混ぜ合わされ、主走査反射パターン4で反射された光の角度分布は広い。さらに、導光体3が非対称導光体であれば、Z’軸に対する構成が左右非対称であるために、図20(b)、(C)に示すようにB断面位置とC断面位置とで照度がピークとなる方向211がずれ、照度のピーク位置がずれてしまう。
B断面内では主走査反射パターン4からZ’軸に対して偏った方向に光線が反射されるが、C断面内では、Z’軸に対してほぼ均一な方向に光線が反射されるからである。原稿面103上における照度のピーク位置は、図20(b)ではZ’軸から遠く離れているが、図20(c)ではほぼZ’軸上にある。原稿面103上での2次元照度分布の等高線図として表示した図を、図21(2)に示す。B’位置では、照度のピークが読み取り位置112からずれ、かつ副走査方向の分布幅も狭い。
一方、本実施の形態の非対称導光体3では、反射導光面101上に副走査反射パターン13を形成する。そのことにより、入射面3aから入射した光線がB断面位置に到達する前に、副走査方向に十分に拡散反射される。B断面位置における、主走査反射パターン4への入射光線の副走査方向分布が十分広がるので、B断面位置から出光される光線束は、C断面位置から出光される光線束と同じ分布をもつ。よって、図21(1)に示すように、原稿面103上において主走査方向の位置によらず均一な副走査方向の分布を持つ照明光を得ることができる。
図22は、本発明の実施の形態6による照明装置及びイメージセンサにおける導光体3の径を説明する図である。上記実施の形態1においては、上述のように副走査反射パターン13の主走査方向の適切な長さは導光体3の直径の4倍以下であった。本実施の形態における導光体3の断面は円ではないので、直径を厳密には定義することができない。本実施の形態の照明装置及びイメージセンサにおいては、副走査断面内での光線進行方向の分布を十分広げるために、導光体3内で数回反射させることが必要な要件なので、主走査反射パターン面4の法線方向98に対して、導光体3の断面全体が収まる幅と定義する。本実施の形態における導光体3の径の定義を図22にhとして示す。なお、この径の定義は、非対称導光体に限定されず、様々な断面形状の導光体にも適用することが可能である。