JP6171583B2 - 電子装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
絶縁基体内に電子部品を埋め込んで再構成された基板では、基板表面において、絶縁基体の表面部分と電子部品の表面部分との熱収縮度の相違等に起因して、前者の表面部分が凹に、後者の表面部分が凸となる段差が発生する。当該段差は、0.5μm程度〜3μm程度である。この場合、基板表面に上記の手法で微細な配線を形成しようとすれば、CMPによる表面平坦化を、電子部品上で導電材料が溝内で分離されるCMP研磨の削り量を基準として行うと、絶縁基体上では導電材料が溝内で分離されないという不都合が生じる。絶縁基体上でも導電材料を分離するようにCMP研磨を進めれば、電子部品上の導電材料が過度に研磨されてしまう。これにより、電子部品上の配線高さが低くなったり、甚だしくは電子部品上の導電材料が研磨消失するという問題がある。
本実施形態では、電子装置として、絶縁基体内に電子部品として半導体チップを埋め込み、絶縁基体上及び半導体チップ上に配線形成がされてなる、いわゆるファンアウト型のウェハレベルパッケージ(FOWLP)を開示する。本実施形態では、FOWLPの構成をその製造方法と共に説明する。
図1〜図8は、第1の実施形態によるFOWLPの製造方法を工程順に示す概略断面図である。図1〜図7の各図では、チップ内蔵基板における1個の半導体チップの周辺を拡大して示しており、(b)が(a)の破線A(図1のみに示す)に沿った断面を、(c)が(a)の破線B(図1のみに示す)に沿った断面をそれぞれ拡大して表している。
詳細には、絶縁基体11内、例えばエポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂組成物であるモールド樹脂内に、MOSトランジスタやメモリ、キャパシタ等の各種の機能素子等が形成された複数の半導体チップ12を例えばマトリクス状に埋設する。絶縁基体11の裏面(半導体チップ12の非露出面)を研削して平坦化する。複数の半導体チップ12が絶縁基体11によりウェーハ状態に再構築されてなるチップ内蔵基板10が形成される。
以上により、チップ内蔵基板10の絶縁基体11の表面部分上に、所定間隔で離間する複数のピラーパターン13aを有する構造体13が形成される。
詳細には、例えばスピンコート法により、フェノール系樹脂材、エポキシ系樹脂材、ポリイミド等の絶縁剤の溶液を塗布する。絶縁剤は、例えば5μm程度の厚みで、構造体13の隣り合うピラーパターン13a間を埋め込むように、チップ内蔵基板10の表面全面に塗布される。以上により、チップ内蔵基板10の表面全面を覆う絶縁膜14が形成される。絶縁膜14は、構造体13を覆う表面部分を含み、その表面全体が平坦に形成される。
以上より、構造体を、ピラーパターンのピッチが6μm程度〜20μm程度、より好ましくは6μm程度〜10μm程度となるように形成することにより、チップ内蔵基板上に十分に平坦な絶縁膜を形成することができることが確認された。
詳細には、平坦な表面を有する絶縁膜14上に、エポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂組成物であるモールド樹脂を堆積し、樹脂絶縁膜15を形成する。樹脂絶縁膜15は、例えば3μm程度〜10μm程度の厚みに形成される。なお、樹脂絶縁膜15及びその下の絶縁膜14には、半導体チップ12の表面に設けられた端子の表面を露出する開口が適宜形成される。
詳細には、先ず、樹脂絶縁膜15上に絶縁材料を堆積する。絶縁材料としては、例えば感光性絶縁樹脂(感光性永久レジスト)を用いる。絶縁材料は、例えば2μm程度〜5μm程度の厚みに堆積する。この絶縁材料をフォトリソグラフィーで加工し、絶縁材料に樹脂絶縁膜15の表面の一部を露出させる配線溝16aを形成する。以上により、樹脂絶縁膜15上に、複数の配線溝16aを有する絶縁膜16が形成される。
詳細には、Cu又はその合金等の配線材料である導電材料17を、例えばメッキ法により配線溝16a内を埋め込むように、絶縁膜16上に堆積する。
詳細には、導電材料17の表面をCMP法により研磨して平坦化する。ここでは、配線溝16a内を充填する導電材料17が配線溝16aごとに分断されるまで、導電材料17の表面及び絶縁膜16の一部を研磨する。以上により、各配線溝16a内を導電材料17で充填してなる、各配線18が形成される。配線18は、半導体チップ12からの引き出し配線、或いは2個の半導体チップ12間を接続する配線等となる。
なお、チップ内蔵基板10から3個以上の半導体チップ12ごとに切り出す場合もある。また、1個の半導体チップ12ごとに切り出してFOWLPを形成しても良い。
以下、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、電子装置としてFOWLPを開示するが、構造体の構成が異なる点で第1の実施形態と相違する。本実施形態では、第1の構成例及び第2の構成例を開示する。これらの各例では、FOWLPは、その構造体以外は第1の実施形態と同様の構成を有しており、同様の諸工程でFOWLPが形成される。
図11は、第2の実施形態の第1の構成例において、第1の実施形態の図2(a)に相当する概略断面図である。図12は、第2の実施形態の第1の構成例において、第1の実施形態の図9に相当する概略平面図である。
本例では、第1の実施形態の図1の工程を行った後、図11及び図12に示すように、チップ内蔵基板10の絶縁基体11の表面部分上に、所定間隔で離間する複数のホールパターン21aを有する構造体21を形成する。
以上により、チップ内蔵基板10の絶縁基体11の表面部分上に、所定間隔で離間する複数のホールパターン21aを有する構造体21が形成される。
なお、チップ内蔵基板10から3個以上の半導体チップ12ごとに切り出す場合もある。また、1個の半導体チップ12ごとに切り出してFOWLPを形成しても良い。
図13は、第2の実施形態の第2の構成例において、第1の実施形態の図2(a)に相当する概略断面図である。図14は、第2の実施形態の第2の構成例において、第1の実施形態の図9に相当する概略平面図である。
本例では、第1の実施形態の図1の工程を行った後、図13及び図14に示すように、チップ内蔵基板10の絶縁基体11の表面部分上に、所定間隔で離間する複数のラインパターン22aを有する構造体22を形成する。
以上により、チップ内蔵基板10の絶縁基体11の表面部分上に、所定間隔で離間する複数のラインパターン22aを有する構造体22が形成される。
以下、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、電子装置としてFOWLPを開示する。本実施形態では、第1の実施形態の構造体を形成するための具体例を例示する。本実施形態では、第1の実施形態と同様の諸工程でFOWLPが形成される。
以下、第4の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、電子装置としてFOWLPを開示するが、第1の絶縁膜である絶縁膜14を平坦化する工程が付加される点で第1の実施形態と相違する。
図16は、第4の実施形態における第1の絶縁膜の平坦化工程を示す概略断面図である。
図3の工程により、絶縁膜14を形成した状態では、配線形成において無視できる程度の影響であるにせよ、図16(a)のように、絶縁膜14は、構造体13を覆う表面部分において、若干の微細凹凸が生じることが想定される。
本実施形態では、チップ内蔵基板10の表面全面に絶縁膜14を形成した後に、図16(b)に示すように、絶縁膜14の表面をCMP法により研磨する。これにより、絶縁膜14の表面に若干の微細凹凸が生じた場合でも、当該微細凹凸が解消し、絶縁膜14の表面が確実に平坦化される。
前記絶縁基体内に設けられた電子部品と、
前記電子部品の周辺における前記絶縁基体の表面上に、所定間隔で離間する複数のパターンを有する構造体と、
前記電子部品及び前記構造体を覆い、隣り合う前記パターン間を埋め込む第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成された、溝を有する第2の絶縁膜と、
前記溝内を埋め込む配線と
を含むことを特徴とする電子装置。
前記電子部品の周辺における前記絶縁基体の表面上に、所定間隔で離間する複数のパターンを有する構造体を形成する工程と、
前記電子部品及び前記構造体を覆い、隣り合う前記パターン間を埋め込む第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に形成された、溝を有する第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記溝内を埋め込む配線を形成する工程と
を含むことを特徴とする電子装置の製造方法
前記構造体を、その全体の体積が前記窪み部分の体積よりも大きくなるように形成することを特徴とする付記5又は6に記載の電子装置の製造方法。
11 絶縁基体
11a 窪み
12 半導体チップ
13,21,22 構造体
13a ピラーパターン
14,16 絶縁膜
15 樹脂絶縁膜
16a 配線溝
17 導電材料
18 配線
19 ハンダバンプ
21a ホールパターン
22a ラインパターン
Claims (8)
- 絶縁基体と、前記絶縁基体内に設けられた電子部品とを備え、前記絶縁基体と前記電子部品との熱収縮度の相違に起因して、前記電子部品の周辺における前記絶縁基体の表面部分に凹部が形成されたチップ内蔵基板と、
前記絶縁基体の前記凹部上に、所定間隔で離間する複数のパターンを有する構造体と、
前記電子部品及び前記構造体を覆い、隣り合う前記パターン間を埋め込む第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成された、溝を有する第2の絶縁膜と、
前記溝内を埋め込む配線と
を含むことを特徴とする電子装置。 - 複数の前記パターンは、隣り合う前記パターンの間隔が6μm〜20μmの範囲内の値で並列していることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
- 前記構造体は、その全体の体積が前記絶縁基体の前記凹部の体積よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置。
- 絶縁基体内に電子部品を配置して、チップ内蔵基板を形成する工程と、
前記絶縁基体と前記電子部品との熱収縮度の相違に起因して、前記電子部品の周辺における前記絶縁基体の表面部分に凹部が形成された前記チップ内蔵基板について、前記凹部上に、所定間隔で離間する複数のパターンを有する構造体を形成する工程と、
前記電子部品及び前記構造体を覆い、隣り合う前記パターン間を埋め込む第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に形成された、溝を有する第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記溝内を埋め込む配線を形成する工程と
を含むことを特徴とする電子装置の製造方法。 - 前記構造体を、隣り合う前記パターンの間隔が6μm〜20μmの範囲内の値で並列するように形成することを特徴とする請求項4に記載の電子装置の製造方法。
- 前記絶縁基体内に前記電子部品を配置する工程の後、前記構造体を形成する工程の前に、前記凹部の体積を測定する工程を更に含み、
前記構造体を、その全体の体積が前記凹部の体積よりも大きくなるように形成することを特徴とする請求項4又は5に記載の電子装置の製造方法。 - 前記第1の絶縁膜を形成する工程の後、前記第2の絶縁膜を形成する工程の前に、前記第1の絶縁膜の表面を平坦化する工程を更に含むことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の電子装置の製造方法。
- 前記第1の絶縁膜を塗布法により形成することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の電子装置の製造方法。
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