JP6171373B2 - 金属フタロシアニン混合物結晶及びその製造法、それを用いた電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置、並びに画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

金属フタロシアニン混合物結晶及びその製造法、それを用いた電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置、並びに画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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本発明は新規な金属フタロシアニン混合物結晶及びその製造法と、金属フタロシアニン混合物結晶を用いた電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、並びに画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
従来、電子写真方式において使用される感光体の光導電体としては大きく分けて種々の無機及び有機光導電体が知られている。ここにいう「電子写真方式」とは一般に、光導電性の感光体をまず暗所で、例えばコロナ放電によって帯電させ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に逸散させて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔料などの着色剤と高分子材料などで構成されるトナーで現像し、可視化して画像を形成するようにした、いわゆるカールソンプロセスとよばれる画像形成プロセスである。
有機の光導電体を用いた感光体は無機光導電体のものに比べ、感光波長域の自由度、成膜性、可撓性、膜の透明性、量産性、毒性やコスト面等において利点を持つため、現在ではほとんどの感光体には有機光導電体が用いられている。また、この電子写真方式及び類似プロセスにおいてくり返し使用される感光体には、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、残留電位、分光感度特性に代表される静電特性が優れていることが要求される。
近年ではこの電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うデジタル記録方式を用いたプリンターは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。また、このデジタル記録方式はプリンターのみならず通常の複写機にも応用され、いわゆるデジタル複写機が開発されている。さらに、このデジタル複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため今後その需要性が益々高まっていくと予想される。
このようなデジタル記録方式に対応させる感光体には従来からあるアナログ方式とは異なった特性が要求されている。例えば、光源としては現在のところ小型かつ安価で信頼性の高い半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が多く使われている。現在よく使われているLDの発光波長域は近赤外光領域にあり、LEDの発光波長は650nmより長波長である。このため、前記電子写真用感光体への要求こと項に加え、可視光領域から近赤外光領域に高い感度を有することが望まれる。
この観点から、スクエアリリウム染料(特許文献1、2参照)、トリフェニルアミン系トリスアゾ顔料(特許文献3参照)、フタロシアニン顔料(特許文献4、5参照)等が、デジタル記録用の光導電体として提案されている。
特にテトラアザポルフィリン誘導体であるフタロシアニン顔料は、長波長域まで感光波長域を持つと共に高い光感度を有し、また中心金属や結晶形の種類によって様々な特性のバリエーションが得られることからデジタル記録用の光導電体として盛んに研究が行われている。これまで知られている良好な感度を示すフタロシアニン顔料としては、ε型銅フタロシアニン、X型無金属フタロシアニン、τ型無金属フタロシアニン、バナジルフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等が挙げられる。
中でも、特許文献6、特許文献7、特許文献8によって高感度のチタニルフタロシアニン顔料が提案されている。これらのチタニルフタロシアニン顔料の分光波長域は700〜860nmに最大吸収を示しており、半導体レーザー光に対して極めて高感度を示すものである。
しかしながら、前記特許文献に提案されているチタニルフタロシアニン顔料を電子写真感光体に用いた場合、感度的には充分であるものの、繰り返し疲労による帯電性の低下や、温湿度による感度変動が大きいなどの実用上の多くの問題を残している(例えば、非特許文献1参照)。
更には、特許文献9には光電変換材料用クロロガリウムフタロシアニン顔料が、特許文献10にはX線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強い回折ピークを有する光電変換材料用の高感度なV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が開示されている。これらガリウムフタロシアニン顔料も近赤外領域まで実用的な感度を示し、上述のチタニルフタロシアニン顔料に比べ光感度は低いものの、光感度の湿度依存性がこれに比べて小さいことがいわれている(例えば、非特許文献2参照)。
しかしながら、このガリウムフタロシアニン顔料も繰り返し疲労による帯電性の低下や残留電位上昇という問題を残している。
また、特許文献11〜特許文献14には2種類以上のフタロシアニンからの混晶、あるいは単純に混合した顔料を電子写真感光体に用いた例が開示されており、特許文献15にはフタロシアニンと他のポルフィラジン誘導体の混合物が光導電体として有用であることが開示されている。更には、特許文献16にはオキシチタニウムフタロシアニンとジハロゲノスズフタロシアニンを単純に混合した顔料を電子写真感光体に用いた例が開示されている。
しかしながら、特許文献11〜16に提案されているフタロシアニンを用いた電子写真感光体も同様に可視域及び近赤外域における感度、繰り返し疲労による帯電性の低下や残留電位上昇、温湿度による感度変動が大きい等の点で前記電子写真用感光体の要求事項を充分満足するものではなかった。
本発明は、上記従来の電子写真用感光体における光導電体の持つ欠点を改善し、可視域から近赤外域での感度や、繰り返し疲労における帯電安定性、温湿度変動に対する安定性に優れた電子写真感光体に用いられる有機光導電体として有用な新規な金属フタロシアニン混合物結晶を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、フタロニトリルと、チタン化合物と、チタン以外の金属のハロゲン化物とを反応させることにより得られた金属フタロシアニン混合物を結晶変換処理して形成される特定の金属フタロシアニン混合物結晶を用いることにより上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。
即ち、上記課題は、フタロニトリルと、チタン化合物と、チタン以外の金属のハロゲン化物とを反応させることにより得られた、チタニルフタロシアニンと下記一般式(1)で表される金属フタロシアニンからなる金属フタロシアニン混合物を結晶変換処理して形成されたことを特徴とする金属フタロシアニン混合物結晶により解決される。ここで、前記金属フタロシアニン混合物の生成反応に用いるチタン化合物とチタン以外の金属のハロゲン化物の混合割合[チタン化合物:チタン以外の金属ハロゲン化物(モル比)]は、9999:1〜19:1であるのが望ましい。
〔上記式(1)中、Mはチタン以外の金属原子を表し、Qは水酸基、酸素原子、及びハロゲン原子から選択される結合基であり、nは0〜2の整数を表す。〕
本発明の新規な金属フタロシアニン混合物結晶は、従来の電子写真用感光体における光導電体の持つ欠点が改善され、可視域から近赤外域での感度や、繰り返し疲労における帯電安定性、温湿度変動に対する安定性に優れる。このため、高速複写機やレーザープリンター等の電子写真感光体用の有機光導電体、特に電荷発生材料として有用である。
本発明に係る電子写真感光体の一構成例を示す概略断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の他の構成例を示す概略断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の他の構成例を示す概略断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の他の構成例を示す概略断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の他の構成例を示す概略断面図である。 本発明に係る電子写真プロセス及び画像形成装置を説明するための一例を示す概略図である。 本発明に係る電子写真プロセス及び画像形成装置を説明するための他の一例を示す概略図である。 本発明に係るプロセスカートリッジを説明するための一例を示す概略図である。 本発明の[製造例1b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.1b)の粉末X線回折スペクトル図である。 本発明の[製造例1b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.1b)の赤外線吸収スペクトル図である。 本発明の[製造例2b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.2b)の粉末X線回折スペクトル図である。 本発明の[製造例2b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.2b)の赤外線吸収スペクトル図である 本発明の[製造例3b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.3b)の粉末X線回折スペクトル図である。 本発明の[製造例3b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.3b)の赤外線吸収スペクトル図である。 本発明の[製造例4b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.4b)の粉末X線回折スペクトル図である。 本発明の[製造例4b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.4b)の赤外線吸収スペクトル図である。 本発明の[製造例5b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.5b)の粉末X線回折スペクトル図である。 本発明の[製造例5b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.5b)の赤外線吸収スペクトル図である。 本発明の[製造例6b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.6b)の粉末X線回折スペクトル図である。 本発明の[製造例6b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.6b)の赤外線吸収スペクトル図である。 本発明の[製造例7b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.7b)の粉末X線回折スペクトル図である。 本発明の[製造例7b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.7b)の赤外線吸収スペクトル図である。 本発明の[製造例8b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.8b)の粉末X線回折スペクトル図である。 本発明の[製造例8b]による金属フタロシアニン混合物(化合物No.8b)の赤外線吸収スペクトル図である。 本発明の[実施例12]で用いるY型チタニルフタロシアニンの粉末X線回折スペクトル図である。 [比較例4]で用いるV型ヒドロキシガリウムフタロシアニンの粉末X線回折スペクトル図である。 [比較例7]で用いるチタニルピリドポルフィラジン誘導体混合物の粉末X線回折スペクトル図である。
本発明における金属フタロシアニン混合物結晶は、フタロニトリルと、チタン化合物と、チタン以外の金属のハロゲン化物とを反応させる(該チタン化合物と該チタン以外の金属のハロゲン化物の混合割合[チタン化合物:チタン以外の金属ハロゲン化物(モル比)]は、9999:1〜19:1である)ことにより得られた、チタニルフタロシアニンと下記一般式(1)で表される金属フタロシアニンからなる金属フタロシアニン混合物を結晶変換処理(溶媒処理、または酸処理と溶媒処理)して形成されたことを特徴とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
チタニルフタロシアニンと前記一般式(1)で表される金属フタロシアニン混合物は、下記構造式(2)で示されるフタロニトリルを、反応式(I)に示すように、四塩化チタン、オルトチタン酸テトラ−n−ブチルなどのチタン化合物と、チタン以外の金属のハロゲン化物と共に、無溶媒か、α−クロロナフタレン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ペンタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、キノリン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ニトロベンゼン、ジオキサン等の存在下で反応させることにより得ることができる。
また、上記反応は必要に応じて尿素、ホルムアミド、アセトアミド、ベンズアミド、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン(DBU)、アンモニア等の存在下反応を行ってもよい。反応温度は通常室温〜300℃で行い、好ましくは130℃〜250℃である。
〔上記反応式(I)の一般式(1)中、Mはチタン以外の金属原子を表し、Qは水酸基、酸素原子、及びハロゲン原子から選択される結合基であり、nは0〜2の整数を表す。〕
前記チタン以外の金属のハロゲン化物としては、3塩化バナジウム、5酸化バナジウム、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、塩化亜鉛、臭化亜鉛、3塩化ガリウム、3臭化ガリウム、3塩化インジウム、3臭化インジウム、塩化第一錫、塩化第二錫、塩化アルミニウム、4塩化ケイ素、4塩化ゲルマニウム、塩化マグネシウム、塩化鉄(III)無水物、硫酸コバルト(II)7水和物、塩化ニッケル6水和物等を用いることができる。これら金属のハロゲン化物は単独でも、複数の金属ハロゲン化物を組み合わせて使用してもよい。なお、本発明において、「金属のハロゲン化物」を「金属ハロゲン化物」と呼称することがある。
一般式(1)におけるMは使用する金属ハロゲン化物由来のものであり、具体的にMとしては、バナジウム、銅、亜鉛、ガリウム、インジウム、錫、アルミニウム、コバルト、ニッケル、鉄、シリコン、マグネシウム、及びゲルマニウムから選択される金属原子が挙げられる。中でも、より好ましくはバナジウム、銅、亜鉛、ガリウム、インジウム、及び錫から選択される金属原子である。
前述のように、式(1)中のQは、Mと結合しうる結合基であり、nは0〜2の整数を表す。ここで具体的にQとしては、水酸基、酸素原子、Cl、Br等のハロゲン原子等を表し、反応により得られた金属フタロシアニン混合物の後処理(結晶変換処理を含む)の方法により変化するものである。
例えば、特開平7−252431号公報に記載のあるように、ジクロロ錫フタロシアニンは後処理により、部分的に塩素基が水酸基に置換された混合物を与える。このように、Qが後処理により置換されるか否かはMに由来し、ガリウム、錫、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム等はハロゲン基が後処理により加水分解を起こして水酸基に変化しやすい。
後処理方法とは、後述する結晶変換処理における酸処理や溶媒処理の方法などであり、これら処理を行うことにより結晶が安定で、光感度と分散性、耐久性に優れた金属フタロシアニン混合物の好ましい結晶を形成(製造)することができる。
金属フタロシアニン混合物、及び金属フタロシアニン混合物結晶中のチタニルフタロシアニン以外の前記一般式(1)で表される金属フタロシアニンとしては、使用する金属ハロゲン化物の種類、反応条件に応じて異なるが、例えば、オキソバナジウムフタロシアニン、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ジクロロ錫フタロシアニン、ヒドロキシ錫フタロシアニン、錫フタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン、コバルトフタロシアニン、ニッケルフタロシアニン、鉄フタロシアニン、ジクロロシリコンフタロシアニン、ヒドロキシシリコンフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、クロロゲルマニウムフタロシアニン、ヒドロキシゲルマニウムフタロシアニン等が挙げられる。
ここで、金属フタロシアニン混合物の生成反応に用いるチタン化合物と金属ハロゲン化物の混合割合[チタン化合物:金属ハロゲン化物(モル比)]は、9999:1〜19:1、好適には999:1〜39:1である。チタン化合物の混合割合が前記範囲よりも少ない場合、本発明の金属フタロシアニン混合物を用いた電子写真感光体の電子写真特性において帯電性や感度が低くなる。逆に、金属ハロゲン化物の混合割合が前記範囲よりも少ない場合、繰り返し疲労等による帯電低下の変化率が大きくなるほか、温湿度変動に対して安定性が悪くなる。
前記結晶変換処理により形成される金属フタロシアニン混合物結晶は、少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、9.6°、14.9°、24.2°、27.2°に強い回折ピークを有するがことが好ましい。
このような回折ピークを有する金属フタロシアニン混合物結晶は前記チタニルフタロシアニンと前記一般式(1)で表される金属フタロシアニンからなる金属フタロシアニン混合物を結晶変換して得られるが、結晶変換には溶媒を用いて処理することが好ましく、特に、酸処理を行った後に溶媒を用いて処理することがより好ましい。
酸処理とは、硫酸、塩酸、リン酸、メタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸などの酸(ブレンステッド酸)中に−5℃〜室温で金属フタロシアニン混合物(顔料)を溶解させた後、これを氷、水、氷水、もしくは水と有機溶媒の混合液中に滴下して顔料の結晶を析出させ、濾過等の手段により顔料を得ることを示す。
酸の中でも濃硫酸は金属フタロシアニン混合物の溶解度が高く、発煙性もなく、取り扱いやすいため好ましい。また、析出させた金属フタロシアニン混合物は、水、または必要に応じて塩基性水溶液で洗浄し、酸及び水溶性有機溶剤や加水分解において生じる不純物などを除去、中和することが好ましい。
水と混合させる有機溶媒としてはメタノール、エタノール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類、ジエチルエーテル、メチルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの水溶性有機溶媒が挙げられる。
また、塩基性水溶液の塩基としては塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等の水酸化アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ、アンモニア、各種の水酸化第四級アンモニウムなどを用いることができる。
塩基の使用量は、酸に対して0.5〜1.5モル当量の範囲が適当であり、好ましくは0.8〜1.2モル当量である。
酸処理により得られた金属フタロシアニン混合物を溶媒を用いて処理すると、一層、光感度と、分散性、耐久性に優れた結晶に転移させることができる。
なお、CuKα線によるX線回折スペクトルにおいて、明確な回折ピークを有しない金属フタロシアニン混合物が良好な酸処理結晶である。
次に、溶媒を用いて処理するとは、室温下あるいは加熱下での溶媒中における金属フタロシアニン混合物の懸濁処理を示し、溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、n−ブチルエ−テル、エチレングリコール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、キノリン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、水等があり、またこれらの溶媒を混合して行ってもよい。
このような溶媒処理方法としては、例えば、湿式粉砕、浸漬、懸濁撹拌する等の処理操作が挙げられる。処理条件としては、金属フタロシアニン混合物結晶1部に対する溶媒の使用量は1〜200部、好ましくは10〜100部の範囲が適当であり、処理温度は0〜150℃、好ましくは室温〜100℃である。また、溶媒処理は適当な容器中で放置または撹拌しながら行ってもよい。さらには、所定の溶剤を用いてボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー、アトライター等により湿式粉砕してもよく、粉砕の際に、食塩、ぼう硝等の無機化合物や、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナビーズ等の磨砕メディアを用いてもよい。
以上のような溶媒処理により、さらに結晶が安定で、光感度と分散性、耐久性に優れた金属フタロシアニン混合物の好ましい結晶を製造することができる。
中でも、電子写真感光体用の光導電体として、金属フタロシアニン混合物結晶は、少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、9.6°、14.9°、24.2°、27.2°に強い回折ピークを有する結晶型にあることが好ましい。
なお、前記酸・溶媒処理により金属フタロシアニン混合物結晶とされる前の金属フタロシアニン混合物は、CuKα線によるX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、13.2°、20.7°、26.2°に強い回折ピークを有する。
前述のように、本発明の金属フタロシアニン混合物結晶は、可視域から近赤外域での感度や、繰り返し疲労における帯電安定性、温湿度変動に対して安定性が優れているが、このような効果は、フタロニトリルと、チタン化合物と、チタン以外の金属のハロゲン化物とを一体に反応させることにより得られた金属フタロシアニン混合物を結晶変換処理して形成されることで発揮される。単に、個別に製造した前記チタニルフタロシアニンと、個別に製造した前記一般式(1)で表される金属フタロシアニンとをそれぞれ単純に混合しただけでは、前記効果は得られない。詳細は明らかではないが、反応時に生成する極微量の不純物や、混晶体などによるミクロ構造や相互作用などの効果によるものではないかと想定している。
次に、本発明の電子写真感光体の層構成に関して、図1〜5に基づいて説明する。なお、図1〜5は本発明の電子写真感光体の構成例を示す概略断面図である。
図1の構成においては、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層(33)が設けられている。
図2の構成においては、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが積層されている。
図3の構成においては、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層(33)が設けられ、更に感光層表面に保護層(39)が設けられている。
図4の構成においては、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが積層されており、更に電荷輸送層上に保護層(39)が設けられている。
図5の構成においては、導電性支持体(31)上に、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)とが積層されており、更に電荷発生層上に保護層(39)が設けられている。
<導電性支持体>
本発明の感光体を構成する導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチックや紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体(31)として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(R:登録商標))などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
次に、本発明の感光体を構成する感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層(35)と電荷輸送層(37)で構成される場合から述べる。
<感光層>
次に、感光層について説明する。感光層は電荷発生物質と電荷輸送物質を含む単層構成の感光層(図1、図3)でも、電荷発生層と電荷輸送層で構成される積層型(図2、図4、図5)でも構わないが、説明の都合上、積層構成からなる感光層について先に述べる。
前述のように、感光層を構成する電荷発生層(35)は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層(35)には電荷発生物質として、本発明の金属フタロシアニン混合物結晶を用いるが、公知の電荷発生物質と組み合わせて用いることが可能である。
その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられる。これら電荷発生物質は単独で用いても2種以上混合して用いても構わない。例えば、前記金属フタロシアニン混合物結晶に加えて、アゾ系顔料もしくはフタロシアニン系顔料は混合して好ましく用いられる。
その代表として、シーアイピグメントブルー25(カラーインデックスCI21180)、シーアイピグメントレッド41(CI21200)、シーアイアシッドレッド52(CI45100)、シーアイベーシックレッド3(CI45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭53−95033号公報参照)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭53−133445号公報参照)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭53−132347号公報参照)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭54−21728号公報参照)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭54−12742号公報参照)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭54−22834号公報参照)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭54−17733号公報参照)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭54−2129号公報参照)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(例えば、特開昭54−14967号公報参照)、ベンズアントロン骨格を有するアゾ顔料などのアゾ顔料、シーアイピグメントブルー16(CI74100)、Y型オキソチタニウムフタロシアニン(例えば、特開昭64−17066号公報参照)、A(β)型オキソチタニウムフタロシアニン、B(α)型オキソチタニウムフタロシアニン、I型オキソチタニウムフタロシアニン(例えば、特開平11−21466号公報参照)、II型クロロガリウムフタロシアニン(例えば;飯島他、日本化学会第67春季年回、1B4、04(1994)参照)、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン(例えば;大門他、日本化学会第67春季年回、1B4、05(1994)参照)、X型無金属フタロシアニン(例えば、米国特許第3,816,118号参照)などのフタロシアニン系顔料などが挙げられる。また、シーアイバットブラウン5(CI73410)、シーアイバットダイ(CI73030)などのインジコ系顔料、アルゴスカーレットB(バイエル社製)、インタンスレンスカーレットR(バイエル社製)などのペリレン顔料などが挙げられる。なお、これらの材料は単独あるいは2種類以上が併用されてもよい。
感光層を構成する電荷発生層(35)は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、調製した溶液を導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層(35)に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンゾール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
電荷発生層(35)の形成に用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層(35)は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層(35)を形成する際の塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層(35)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
<電荷輸送層>
感光層を構成する電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質を主成分とする層である。電荷輸送物質については、正孔輸送物質と電子輸送物質、及び高分子電荷輸送物質に分け、以下に説明する。
電荷輸送層(37)を構成する正孔輸送物質としては、例えば、ポリ−N−カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、及び以下の一般式(3)〜(26)で示される化合物が挙げられる。
〔上記(3)式中、Rはメチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基または2−クロルエチル基を表し、Rはメチル基、エチル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基またはニトロ基を表す。〕
一般式(3)で表される化合物には、例えば、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。
〔上記(4)式中、Arはナフタレン環、アントラセン環、ピレン環及びそれらの置換体あるいはピリジン環、フラン環、チオフェン環を表し、Rはアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表す。〕
一般式(4)で表される化合物には、例えば、4−ジエチルアミノスチリル−β−アルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾンなどがある。
〔上記(5)式中、Rはアルキル基、ベンジル基、フェニル基またはナフチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアラルキルアミノ基、または置換もしくは無置換のジアリールアミノ基を表し、aは1〜4の整数を表し、aが2以上のときはRは同じでも異なっていてもよい。Rは水素原子またはメトキシ基を表す。〕
一般式(5)で表される化合物には、例えば、4−メトキシベンズアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド−1−(4−メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。
〔上記(6)式中、Rは炭素数1〜11のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基または複素環基を表し、R、R10はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、クロルアルキル基または置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、また、RとR10は互いに結合し窒素を含む複素環を形成していてもよい。R11は同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。〕
一般式(6)で表される化合物には、例えば、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−トリフェニルメタンなどがある。
〔上記(7)式中、R12は水素原子またはハロゲン原子を表し、Arは置換もしくは無置換のフェニル基、ナフチル基、アントリル基またはカルバゾリル基を表す。〕
一般式(7)で表される化合物には、例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、9−ブロム−10−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどがある。
〔上記(8)式中、R13は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Arは下記一般式(9)または一般式(10)を表す。
上記(9)式中、R14は炭素数1〜4のアルキル基を表し、上記(10)式中、R15は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表し、bは1または2であって、bが2のときはR15は同一でも異なっていてもよく、R16、R17は水素原子、炭素数1〜4の置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のベンジル基を表す。〕
一般式(8)で表される化合物には、例えば、9−(4−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、3−(9−フルオレニリデン)−9−エチルカルバゾールなどがある。
〔上記(11)式中、R18はカルバゾリル基、ピリジル基、チエニル基、インドリル基、フリル基あるいはそれぞれ置換もしくは非置換のフェニル基、スチリル基、ナフチル基、またはアントリル基であって、これらの置換基がジアルキルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基またはそのエステル、ハロゲン原子、シアノ基、アラルキルアミノ基、N−アルキル−N−アラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基及びアセチルアミノ基からなる群から選ばれた基を表す。〕
一般式(11)で表される化合物には、例えば、1,2−ビス(4−ジエチルアミノスチリル)ベンゼン、1,2−ビス(2,4−ジメトキシスチリル)ベンゼンなどがある。
〔上記(12)式中、R19は低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、またはベンジル基を表し、R20、R21は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基あるいは低級アルキル基またはベンジル基で置換されたアミノ基を表し、cは1または2の整数を表す。〕
一般式(12)で表される化合物には、例えば、3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3−(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾールなどがある。
〔上記(13)式中、R22は水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R23及びR24は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R25は水素原子、低級アルキル基または置換もしくは無置換のフェニル基を表し、また、Arは置換もしくは無置換のフェニル基またはナフチル基を表す。〕
一般式(13)で表される化合物には、例えば、4−ジフェニルアミノスチルベン、4−ジベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルアミノスチルベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレンなどがある。
〔上記(14)式中、dは0または1の整数、R26は水素原子、アルキル基または置換もしくは無置換のフェニル基を表し、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R27は炭素数1〜4のアルキル基、あるいは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、ArとR27は共同で環を形成してもよい。Aは9−アントリル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、下記一般式(15)または一般式(16)を表す。また、dが0の時、AとR26は共同で環を形成してもよい。〕
〔一般式(15)または(16)式中、R28は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または下記一般式(17)を表し、eは1〜3の整数を表し、eが2以上の時R28は同一でも異なってもよい。〕
〔上記(17)式中、R29及びR30は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を示し、R29及びR30は同じでも異なっていてもよく、環を形成してもよい。〕
一般式(14)で表される化合物には、例えば、4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−フェニルスチルベンなどがある。
〔上記(18)式中、R31、R32及びR33は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子またはジアルキルアミノ基を表し、fは0または1を表す。〕
一般式(18)で表される化合物には、例えば、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリンなどがある。
〔上記(19)式中、R34及びR35は置換アルキル基を含むアルキル基、または置換もしくは未置換のアリール基を表し、Aは置換アミノ基、置換もしくは無置換のアリール基またはアリル基を表す。〕
一般式(19)で表される化合物には、例えば、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがある。
〔上記(20)式中、R36は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン原子を表し、R37は置換アルキル基を含むアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表し、Aは置換アミノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。〕
一般式(20)で表される化合物には、例えば、2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがある。
〔上記(21)式中、R38は低級アルキル基、低級アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R39、R40は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、g、h、iは0〜4の整数を表す。〕
一般式(21)で表されるベンジジン化合物には、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどがある。
〔上記(22)式中、R41、R43及びR44は水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子または置換もしくは無置換のアリール基を、R42は水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基またはハロゲン原子を表す。また、j、k、l及びmは1、2、3または4の整数であり、それぞれが2、3または4の整数の時は、前記R41、R42、R43及びR44は同じでも異なっていてもよい。〕
一般式(22)で表されるビフェニリルアミン化合物には、例えば、4’−メトキシ−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メチル−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メトキシ−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミンなどがある。
〔上記(23)式中、Arは置換基を有してもよい炭素数18個以下の縮合多環式炭化水素基を表し、また、R45及びR46は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。oは1もしくは2の整数を表す。〕
一般式(23)で表されるトリアリールアミン化合物には、例えば、N,N−ジフェニル−ピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリル−ピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリル−1−ナフチルアミン、N,N−ジ(p−トリル)−1−フェナントリルアミン、9,9−ジメチル−2−(ジ−p−トリルアミノ)フルオレン、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3−メチルフェニル)−m−フェニレンジアミンなどがある。
〔上記(24)式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Aは下記一般式(25)を表す。
(上記(25)式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R47及びR48は置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。)〕
一般式(24)で表されるジオレフィン芳香族化合物には、例えば、1,4−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ベンゼン、1,4−ビス[4−ジ(p−トリル)アミノスチリル]ベンゼンなどがある。
〔上記(26)式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を、R49は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。qは0または1、pは1または2であって、q=0、p=1の場合、ArとR49は共同で環を形成してもよい。〕
一般式(26)で表されるスチリルピレン化合物には、例えば、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ピレン、1−(N,N−ジ−p−トリル−4−アミノスチリル)ピレンなどがある。
本発明においては、以上説明した電荷輸送物質の中でも、一般式(14)、(24)で表されるものが好ましい。これらは低分子電荷輸送物質の中でも特に移動度特性、電荷発生材料からの電荷注入特性、並びに繰り返し静電疲労特性が優れるものであるため、感光層中に用いることにより高感度かつ安定な電子写真感光体が得られるものである。
また、電荷輸送層(37)を構成する電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどを挙げることができ、さらに下記一般式(27)〜(31)で表される電子輸送物質を好適に使用することができる。これらの電荷輸送物質は単独または2種類以上混合して用いられる。
〔上記(27)式中、R50、R51は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。〕
一般式(27)で表される化合物としては、例えば、7,7’−ビス(1−メチルヘキシル)−[2,2’(1H,1’H)−ビベンゾ[lmn][3,8]フェナンスロリン]−1,1’,3,3’,6,6’,8,8’(7H,7’H)−オクタオン、7,7’−ジフェニル−[2,2’(1H,1’H)−ビベンゾ[lmn][3,8]フェナンスロリン]−1,1’,3,3’,6,6’,8,8’(7H,7’H)−オクタオンなどが挙げられる。
〔上記(28)式中、R52、R53は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。〕
一般式(28)で表される化合物としては、例えば、N,N’−ビス(1,2−ジメチルプロピル)−1,4,5,8−ナフタレン
ジカルボキシイミドなどが挙げられる。
〔上記(29)式中、R54、R55は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。〕
一般式(29)で表される化合物としては、例えば、3,5−ジメチル−3’,5’−ジ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノンなどが挙げられる。
〔上記(30)式中、R56、R57、R58及びR59は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。〕
一般式(30)で表される化合物としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4−ピラゾリリデン)−2,5−シクロヘキサジエン−1−オンなどが挙げられる。
〔上記(31)式中、R60は置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を示し、R61は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または下記一般式(32)で表される基を示す。
上記(32)式中、R62は、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を示す。〕
一般式(31)で表される化合物としては、例えば、2−オキシカルボニルベンジル−3−フェニル−1,4−ナフトキノンなどが挙げられる。
電荷輸送層(37)を構成する結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送層(37)の主成分である電荷輸送物質の量は、結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部が好ましく、40〜150重量部がより好ましい。
また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。
電荷輸送層(37)を形成する際に用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。電荷輸送物質は単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
電荷輸送層(37)に添加される酸化防止剤としては、後述される一般の酸化防止剤が使用できるが、(c)ハイドロキノン系、及び(f)ヒンダードアミン系の化合物が特に効果的である。添加量としては、電荷輸送物質に対して0.1〜200wt%で十分な効果を発揮できる。
電荷輸送層(37)には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂としての機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これらの高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖及び/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、以下の一般式(33)〜(45)で表される化合物が良好に用いられる。
〔上記(33)式中、R63、R64は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、Ar10、Ar11、Ar12は同一あるいは異なる芳香族炭化水素基を表す。r、sは組成を表し、0.1≦r≦1、0≦s≦0.9、tは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式(34)で表される2価基を表す。
上記(34)式中、R65、R66は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、芳香族炭化水素基またはハロゲン原子を表す。u、vは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−E−O−CO−(式中Eは脂肪族の2価基を表す。)または、下記一般式(35)を表す。ここで、R65とR66は、それぞれ同一でも異なってもよい。
上記(35)式中、wは1〜20の整数、xは1〜2000の整数、R67、R68は置換または無置換のアルキル基またはアリール基を表す。ここで、R67とR68は、それぞれ同一でも異なってもよい。〕
〔上記(36)式中、R69、R70、R71はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基またはハロゲン原子、R72は水素原子または置換もしくは無置換のアルキル基、R73、R74は置換もしくは無置換のアリール基、y、z、αはそれぞれ独立して0〜4の整数である。X、r、s及びtは、(33)式の場合と同じである。〕
〔上記(37)式中、R75、R76は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15は同一あるいは異なるアリレン基を表す。X、r、s及びtは、(33)式の場合と同じである。〕
〔上記(38)式中、R77、R78は置換もしくは無置換のアリール基、Ar16、Ar17、Ar18は同一あるいは異なるアリレン基を表す。X、r、s及びtは、(33)式の場合と同じである。〕
〔上記(39)式中、R79、R80は置換もしくは無置換のアリール基、Ar19、Ar20、Ar21は同一あるいは異なるアリレン基、X、Xは置換もしくは無置換のエチレン基、または置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、r、s及びtは、(33)式の場合と同じである。〕
〔上記(40)式中、R81、R82、R83、R84は置換もしくは無置換のアリール基、Ar22、Ar23、Ar24、Ar25は同一あるいは異なるアリレン基、Y、Y、Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。X、r、s及びtは、(33)式の場合と同じである。〕
〔上記(41)式中、R85、R86は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R85とR86は環を形成していてもよい。Ar26、Ar27、Ar28は同一あるいは異なるアリレン基を表す。X、r、s及びtは、(33)式の場合と同じである。〕
〔上記(42)式中、R87は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31、Ar32は同一あるいは異なるアリレン基を表す。X、r、s及びtは、(33)式の場合と同じである。〕
〔上記(43)式中、R88、R89、R90、R91は置換もしくは無置換のアリール基、Ar33、Ar34、Ar35、Ar36、Ar37は同一あるいはまたは異なるアリレン基を表す。X、r、s及びtは、(33)式の場合と同じである。〕
〔上記(44)式中、R92、R93は置換もしくは無置換のアリール基、Ar38、Ar39、Ar40は同一あるいは異なるアリレン基を表す。X、r、s及びtは、(33)式の場合と同じである。〕
〔上記(45)式中、Ar41、Ar42、Ar43、Ar44及びAr45は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、Zは芳香族炭化水素基または−Ar46−Za−Ar46−を表し、Ar46は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、ZaはO、Sまたはアルキレン基、R94及びR95は直鎖または分岐鎖のアルキレン基を表す。βは0または1を表す。X、r、s及びtは、(33)式の場合と同じである。〕
電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質単独もしくは結着樹脂と適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
以上のようにして得られた塗工液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等、従来の塗工方法を用いることができる。
<単層型感光層>
次に、感光層が単層(図1、図3)の場合について述べる。該感光層(33)は、電荷発生物質及び電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。電荷発生物質としては、前述した、複層の場合の電荷発生層(35)に用いたものと同じものが挙げられる。
感光層を単層で構成する場合の結着樹脂としては、先に電荷輸送層(37)で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層(35)で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
<下引き層>
本発明の感光体においては、導電性支持体(31)と感光層との間に下引き層(図示せず)を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
<保護層>
本発明の感光体においては、感光層保護の目的で、保護層(39)が感光層の上に設けられることがある。保護層(39)に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。フィラーの分散性、残留電位、塗膜欠陥の点から、特にポリカーボネートあるいはポリアリレートが有効かつ有用である。
また、感光体の保護層には、耐摩耗性を向上する目的でフィラ−材料を添加される。
用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなど、電荷輸送層(37)で使用されるすべての溶剤を使用することができる。但し、分散時には粘度が高い溶剤が好ましいが、塗工時には揮発性が高い溶剤が好ましい。
これらの条件を満たす溶剤がない場合には、各々の物性を有する溶剤を2種以上混合させて使用することが可能であり、フィラーの分散性や残留電位に対して大きな効果を有する場合がある。
また、保護層(39)に電荷輸送層(37)で挙げた低分子電荷輸送物質あるいは高分子電荷輸送物質を添加することは、残留電位の低減及び画質向上に対して有効かつ有用である。
保護層の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができるが、特に塗膜の均一性の面からスプレーコートがより好ましい。
<中間層>
本発明の感光体においては、感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である。
中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
<添加剤>
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤及びレベリング剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
本発明の感光体を構成する各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(酸化防止剤)
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロ−ル類など。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
本発明の感光体を構成する各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(可塑剤)
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
本発明の感光体を構成する各層に添加できる滑剤として、例えば下記のものが挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない
(滑剤)
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
本発明の感光体を構成する各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(紫外線吸収剤)
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ3’−ターシャリブチル5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなど。
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2’チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
また、本発明のチタニルフタロシアニンと前記一般式(1)で表される金属フタロシアニンからなる金属フタロシアニン混合物結晶は、電子写真感光体の光導電体として有用であるばかりでなく、太陽電池、光ディスク等のエレクトロニクス分野で電子デバイスとして好適に使用することが可能である。
次に、図面を用いて本発明の画像形成方法(電子写真プロセス)、画像形成装置、並びに画像形成装置用プロセスカートリッジを詳しく説明する。
図6は、本発明に係る電子写真プロセス及び画像形成装置を説明するための一例を示す概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
感光体(10)は図6中の矢印の方向に回転し、感光体(10)の周りには、帯電部材(11)、画像露光部材からのレーザー光(12)、現像部材(13)、転写部材(16)、クリーニング部材(17)、除電部材(18)等が配置される。クリーニング部材(17)や除電部材(18)が省略されることもある。
なお、本発明において、「電子写真感光体」と「感光体」、「帯電部材」と「帯電手段」、「画像露光部材」と「画像露光手段」、「現像部材」と「現像手段」、「転写部材」と「転写手段」、「クリーニング部材」と「クリーニング手段」、及び「除電部材」と「除電手段」は同義である。
画像形成装置の動作は基本的に以下のようになる。帯電部材(11)により、感光体(10)表面に対してほぼ均一に帯電が施される。続いて、画像露光部材からのレーザー光(12)により、入力信号に対応した画像光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。次に、現像部材(13)により、この静電潜像に現像が行われ、感光体表面にトナー像が形成される。形成されたトナー像は、搬送ローラ(14)により転写部位に送られた転写紙(15)に、転写部材により、トナー像が転写される。このトナー像は、図示しない定着装置により転写紙上に定着される。転写紙に転写されなかった一部のトナーは、クリーニング部材(17)によりクリーニングされる。ついで、感光体上に残存する電荷は、除電部材(18)により除電が行われ、次のサイクルに移行する。
図6に示すように、感光体(10)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。帯電部材(11)、転写部材(16)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)のほか、ローラ状の帯電部材あるいはブラシ状の帯電部材等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
一方、画像露光部材からのレーザー光(12)、除電部材(18)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
これらの中でも半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が主に用いられる。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体(10)に光が照射される。但し、除電工程における感光体(10)への露光は、感光体(10)に与える疲労の影響が大きく、特に帯電低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
したがって、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング工程において逆バイアスを印加することによっても除電することが可能な場合もあり、感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
電子写真感光体(10)に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
感光体表面に付着する汚染物質の中でも帯電によって生成する放電物質やトナー中に含まれる外添剤等は、湿度の影響を拾いやすく異常画像の原因となっているが、このような異常画像の原因物質には、紙粉もその一つであり、それらが感光体に付着することによって、異常画像が発生しやすくなるだけでなく、耐摩耗性を低下させたり、偏摩耗を引き起こしたりする傾向が見られる。したがって、上記の理由により感光体と紙とが直接接触しない構成であることが高画質化の点からより好ましい。
現像部材(13)により、感光体(10)上に現像されたトナーは、転写紙(15)に転写されるが、すべてが転写されるわけではなく、感光体(10)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング部材(17)により、感光体(10)から除去される。
このクリーニング部材は、クリーニングブレードあるいはクリーニングブラシ等公知のものが用いられる。また、両者が併用されることもある。
本発明による感光体は、高光感度ならびに高安定化を実現したことから小径感光体に適用できる。したがって、上記の感光体がより有効に用いられる画像形成装置あるいはその方式としては、複数色のトナーに対応した各々の現像部に対して、対応した複数の感光体を具備し、それによって並列処理を行なう、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に極めて有効に使用される。上記タンデム方式の画像形成装置は、フルカラー印刷に必要とされるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の少なくとも4色のトナー及びそれらを保持する現像部を配置し、更にそれらに対応した少なくとも4本の感光体を具備することによって、従来のフルカラー印刷が可能な画像形成装置に比べ極めて高速なフルカラー印刷を可能としている。
図7は、本発明に係る電子写真プロセス及び画像形成装置を説明するための他の一例を示す概略図である。すなわち、本発明におけるタンデム方式のフルカラー電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図7において、感光体(10C),(10M),(10Y),(10K)は、ドラム状の感光体(10)であり、これらの感光体(10C,10M,10Y,10K)は、図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材(11C,11M,11Y,11K)、現像部材(13C,13M,13Y,13K)、クリーニング部材(17C,17M,17Y,17K)が配置されている。
なお、カッコ内に記載の各符号において、Cはシアン、Mはマゼンタ、Yはイエロー、Kはブラックを指す。
この帯電部材(11C,11M,11Y,11K)と、現像部材(13C,13M,13Y,13K)との間の感光体(10)の裏面側より、図示しない露光部材からのレーザー光(12C,12M,12Y,12K)が照射され、感光体(10C,10M,10Y,10K)に静電潜像が形成されるようになっている。
そして、このような感光体(10C,10M,10Y,10K)を中心とした4つの画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(25)に沿って並置されている。
転写搬送ベルト(19)は、各画像形成ユニット〔画像形成要素〕(20C、20M、20Y、20K)の現像部材(13C,13M,13Y,13K)と、クリーニング部材(17C,17M,17Y,17K)との間で感光体(10C,10M,10Y,10K)に当接しており、転写搬送ベルト(19)の感光体(10)側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写部材(16C,16M,16Y,16K)が配置されている。各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
図7に示す構成のカラー電子写真装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)において、感光体(10C,10M,10Y,10K)が、感光体(10)と連れ周り方向に回転する帯電部材(11C,11M,11Y,11K)により帯電され、次に、感光体(10)の外側に配置された露光部(図示せず)でレーザー光(12C,12M,12Y,12K)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
次に、現像部材(13C,13M,13Y,13K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像部材(13C,13M,13Y,13K)は、それぞれC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)のトナーで現像を行なう現像部材で、4つの感光体(10C,10M,10Y,10K)上で作られた各色のトナー像は転写搬送ベルト(19)上で重ねられる。
転写紙(15)は給紙コロ(21)によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ(22)で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写部材(23)に送られる。転写ベルト(19)上に保持されたトナー像は転写部材(23)に印加された転写バイアスと転写ベルト(19)との電位差から形成される電界により、転写紙(15)上に転写される。転写紙上に転写されたトナー像は、搬送されて、定着部材(24)により転写紙上にトナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体(10C,10M,10Y,10K)上に残った残留トナーは、それぞれのユニットに設けられたクリーニング部材(17C,17M,17Y,17K)で回収される。
図7に示したような、中間転写方式は、フルカラー印刷が可能な画像形成装置に特に有効であり、複数のトナー像を一度中間転写体上に形成した後に紙に一度に転写することによって、色ズレの防止の制御もしやすく高画質化に対しても有効である。
中間転写体には、ドラム状やベルト状など種々の材質あるいは形状のものがあるが、本発明においては従来公知である中間転写体のいずれも使用することが可能であり、感光体の高耐久化あるいは高画質化に対し有効かつ有用である。
なお、図7の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(20C,20M,20Y)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
前記プロセスカートリッジ(画像形成装置用プロセスカートリッジ)とは、図8に示すように、感光体(10)を内蔵し、他に帯電部材(11)、画像露光部材(12)、現像部材(13)、転写部材(16)、クリーニング部材(17)、及び除電部材を含んだ1つの装置(部品)である。図中、符号15は転写紙を示す。
上記のタンデム方式による画像形成装置は、複数のトナー像を一度に転写できるため高速フルカラー印刷が実現される。
しかし、感光体が少なくとも4本を必要とすることから、装置の大型化が避けられず、また使用されるトナー量によっては、各々の感光体の摩耗量に差が生じ、それによって色の再現性が低下したり、異常画像が発生したりするなど多くの課題を有していた。
それに対し、本発明による感光体は、高光感度ならびに高安定化が実現されたことにより小径感光体でも適用可能であり、かつ残留電位上昇や感度劣化等の影響が低減されたことから、4本の感光体の使用量が異なっていても、残留電位や感度の繰り返し使用経時における差が小さく、長期繰り返し使用しても色再現性に優れたフルカラー画像を得ることが可能となる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これにより本発明の実施例の態様が限定されるものではない。
〔実施例1〕
[製造例1a]金属フタロシアニン混合物(化合物No.1a)の製造(1a)
200mlの4口フラスコに、尿素12.01g(200mmol)、フタロニトリル25.63g(200mmol)、1−オクタノール56.98g(0.438mol)を順に量りとった。つづいて、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル18.53g(54.45mmol)、塩化第二錫0.143g(0.55mmol)を量りとり、温度計、カルシウム管を付けたジムロート冷却器を装着し、アルゴン気流下にて6時間加熱攪拌(155〜159℃)した。6時間後、撹拌放冷し70℃になった時点でメタノール70mlを投入し、30分間還流撹拌を行った後、室温付近(約30℃)にまで撹拌放冷した。
内容物をガラスろ過器にてろ過を行った。得られた濃紺色固体をDMF250mlで3回(100℃)、メタノール250mlで3回(還流温度)加熱攪拌ろ過洗浄を行い、減圧乾燥器にて100℃、1日以上乾燥することにより金属フタロシアニン混合物(化合物No.1a)22.77gを青味紫色結晶で得た。
[製造例1b]金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)の製造(1b)
濃硫酸360gを氷水浴で撹拌冷却し、これに製造例1aで得られた金属フタロシアニン混合物(化合物No.1a)17.00gを少量ずつ15分かけ添加し溶解させた。1時間撹拌の後、内容物を撹拌している1.8kgの氷水に滴下し、1時間撹拌の後、濾過を行い、更にイオン交換水にて濾液が中性になるまで撹拌濾過洗浄し、金属フタロシアニン混合物の湿ケーキを得た。この湿ケーキにテトラヒドロフラン600gを加え、室温にて6時間撹拌、濾過して減圧加熱乾燥をおこなって青色結晶の金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)16.17gを得た。
得られた化合物No.1b)の粉末X線回折図を図9に示すが、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、9.6°、14.9°、24.2°、27.2°に強い回折ピークを示した。また赤外線吸収スペクトル図を図10に示す。
〔実施例2〕
[製造例2a]金属フタロシアニン混合物(化合物No.2a)の製造(2a)
製造例1aにおける塩化第二錫0.143g(0.55mmol)を塩化ガリウム(III)0.097g(0.55mmol)に代えた以外は同様に操作して、青紫色結晶の金属フタロシアニン混合物(化合物No.2a)22.87gを得た。
[製造例2b]金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.2b)の製造(2b)
製造例1bにおける金属フタロシアニン混合物(化合物No.1a)を製造例2aで得られた金属フタロシアニン混合物(化合物No.2a)に代えた以外は同様に操作して、青色結晶の金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.2b)16.36gを得た。
得られた化合物No.2bの粉末X線回折図を図11に示すが、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、9.6°、14.9°、24.2°、27.2°に強い回折ピークを示した。また赤外線吸収スペクトル図を図12に示す。
〔実施例3〕
[製造例3a]金属フタロシアニン混合物(化合物No.3a)の製造(3a)
製造例1aにおける塩化第二錫0.143g(0.55mmol)を三塩化バナジウム0.087g(0.55mmol)に代えた以外は同様に操作して、青紫色結晶の金属フタロシアニン混合物(化合物No.3a)23.53gを得た。
[製造例3b]金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.3b)の製造(3b)
製造例1bにおける金属フタロシアニン混合物(化合物No.1a)を製造例3aで得られた金属フタロシアニン混合物(化合物No.3a)に代えた以外は同様に操作して、青色結晶の金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.3b)16.45gを得た。
得られた化合物No.3bの粉末X線回折図を図13に示すが、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、9.6°、14.9°、24.2°、27.2°に強い回折ピークを示した。また赤外線吸収スペクトル図を図14に示す。
〔実施例4〕
[製造例4a]金属フタロシアニン混合物(化合物No.4a)の製造(4a)
製造例1aにおける塩化第二錫0.143g(0.55mmol)を三塩化インジウム0.122g(0.55mmol)に代えた以外は同様に操作して、青紫色結晶の金属フタロシアニン混合物(化合物No.4a)23.04gを得た。
[製造例4b]金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.4b)の製造(4b)
製造例1bにおける金属フタロシアニン混合物(化合物No.1a)を製造例4aで得られた金属フタロシアニン混合物(化合物No.4a)に代えた以外は同様に操作して、青色結晶の金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.4b)16.03gを得た。
得られた化合物No.4bの粉末X線回折図を図15に示すが、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、9.6°、14.9°、24.2°、27.2°に強い回折ピークを示した。また赤外線吸収スペクトル図を図16に示す。
〔実施例5〕
[製造例5a]金属フタロシアニン混合物(化合物No.5a)の製造(5a)
製造例1aにおける塩化第二錫0.143g(0.55mmol)を塩化銅(I)0.050g(0.55mmol)に代えた以外は同様に操作して、青紫色結晶の金属フタロシアニン混合物(化合物No.5a)23.15gを得た。
[製造例5b]金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.5b)の製造(5b)
製造例1bにおける金属フタロシアニン混合物(化合物No.1a)を製造例5aで得られた金属フタロシアニン混合物(化合物No.5a)に代えた以外は同様に操作して、青色結晶の金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.5b)16.30gを得た。
得られた化合物No.5bの粉末X線回折図を図17に示すが、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、9.6°、14.9°、24.2°、27.2°に強い回折ピークを示した。また赤外線吸収スペクトル図を図18に示す。
〔実施例6〕
[製造例6a]金属フタロシアニン混合物(化合物No.6a)の製造(6a)
製造例1aにおける塩化第二錫0.143g(0.55mmol)を塩化亜鉛0.080g(0.55mmol)に代えた以外は同様に操作して、青紫色結晶の金属フタロシアニン混合物(化合物No.6a)22.47gを得た。
[製造例6b]金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.6b)の製造(6b)
製造例1bにおける金属フタロシアニン混合物(化合物No.1a)を製造例6aで得られた金属フタロシアニン混合物(化合物No.6a)に代えた以外は同様に操作して、青色結晶の金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.6b)16.29gを得た。
得られた化合物No.6bの粉末X線回折図を図19に示すが、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、9.6°、14.9°、24.2°、27.2°に強い回折ピークを示した。また赤外線吸収スペクトル図を図20に示す。
〔実施例7〕
[製造例7a]金属フタロシアニン混合物(化合物No.7a)の製造(7a)
製造例1aにおけるオルトチタン酸テトラ−n−ブチル18.53g(54.45mmol)を18.63g(54.725mmol)に、塩化第二錫0.143g(0.55mmol)を0.072g(0.275mmol)に、代えた以外は同様に操作して、青紫色結晶の金属フタロシアニン混合物(化合物No.7a)23.02gを得た。
[製造例7b]金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.7b)の製造(7b)
製造例1bにおける金属フタロシアニン混合物(化合物No.1a)を製造例7aで得られた金属フタロシアニン混合物(化合物No.7a)に代えた以外は同様に操作して、青色結晶の金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.7b)16.14gを得た。
得られた化合物No.7bの粉末X線回折図を図21に示すが、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、9.6°、14.9°、24.2°、27.2°に強い回折ピークを示した。また赤外線吸収スペクトル図を図22に示す。
〔実施例8〕
[製造例8a]金属フタロシアニン混合物(化合物No.8a)の製造(8a)
製造例1aにおけるオルトチタン酸テトラ−n−ブチル18.53g(54.45mmol)を18.70g(54.945mmol)に、塩化第二錫0.143g(0.55mmol)を0.014g(0.055mmol)に、代えた以外は同様に操作して、青紫色結晶の金属フタロシアニン混合物(化合物No.8a)23.19gを得た。
[製造例8b]金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.8b)の製造(8b)
製造例1bにおける金属フタロシアニン混合物(化合物No.1a)を製造例8aで得られた金属フタロシアニン混合物(化合物No.8a)に代えた以外は同様に操作して、青色結晶の金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.8b)16.29gを得た。
得られた化合物No.8bの粉末X線回折図を図23に示すがブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、9.6°、14.9°、24.2°、27.2°に強い回折ピークを示した。また赤外線吸収スペクトル図を図24に示す。
[実施例9]
金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)3部、ポリビニルブチラール樹脂2部(BX−1:積水化学工業製)、テトラヒドロフラン495部からなる分散液をボールミルポットに取り、φ2mmのPSZボールを使用し、3時間ボールミリングし電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液をアルミニウム蒸着ポリエステルフイルム上に塗布後100℃で20分間乾燥し、厚さ約0.3μmの電荷発生層を形成した。
続いて下記構造式(46)で示される電荷輸送物質7部、ポリカーボネート樹脂(PCX−5;帝人化成社製)10部、テトラヒドロフラン83部、シリコーンオイル(KF−50;信越化学社製)0.0002部の電荷輸送層塗布液を調製し、前記電荷発生層上に塗布後110℃で20分間乾燥し、厚さ約25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真用感光体を作製した。
以上のようにして得られた電子写真用感光体の静電特性をEPA−8100(川口電気製作所製)を用い、ダイナミック方式(回転速度1000rpm)にて測定した。
まず、印加電圧−6KVで20秒間帯電した後、20秒間減衰させた時の表面電位Vo(V)を測定し、ついでハロゲンランプによる白色光を表面照度5.3luxになるようにして露光を行った。感度は、露光時の表面電位が−800(V)から−400(V)までに要する時間を求め、半減露光量Ew1/2(lux・sec)を算出した。
また同じ装置にて780nmの単色光を感光体表面での照度が1μW/cmになるように照射して、感光体の表面電位が−800Vから−400Vまでに要する半減露光量Em1/2(μJ/cm)をLD光源域(近赤外域)の感度として測定した。
、Ew1/2、Em1/2を表1に示す。
[実施例10]
金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)を化合物No.2bに代えた以外は実施例9と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例11]
金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)を化合物No.3bに代えた以外は実施例9と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例12]
金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)を化合物No.4bに代えた以外は実施例9と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例13]
金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)を化合物No.5bに代えた以外は実施例9と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例14]
金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)を化合物No.6bに代えた以外は実施例9と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例15]
金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)を化合物No.7bに代えた以外は実施例9と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例16]
金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)を化合物No.8bに代えた以外は実施例9と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例17]
アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム上に実施例9で用いた電荷輸送層塗布液をブレード塗工し120℃で10分間乾燥して、厚さ約20μmの電荷輸送層を形成した。
製造例2bで得られた金属フタロシアニン混合物(化合物No.2b)13.5部、ポリビニルブチラール樹脂(ユニオンカーバイドプラスチック社製:XYHL)5.4部、テトラヒドロフラン680部及びエチルセロソルブ1020部をボールミル中で粉砕混合した後、エチルセロソルブ1700部を加え混合して、電荷発生層塗工液を作成した。
この塗工液を上記の電荷輸送層の上にスプレー塗工し、100℃で10分間乾燥して厚さ約0.2μmの電荷発生層を形成した。
さらに、この電荷発生層上にポリアミド樹脂(東レ社製:CM−8000)のメタノール/n−ブタノール溶液をスプレー塗工し120℃で30分間乾燥して厚さ約0.5μmの保護層を形成し感光体を作成した。
この感光体を実施例9における印加電圧を+6KVに代えた以外は同様に操作して感光体特性評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例18]
製造例8bで得られた金属フタロシアニン混合物(化合物No.8b)1部にメチルエチルケトン158部を加え、φ5mmのアルミナボールを使用して24時間ボールミリングした。
これに下記構造式(47)で示される電子輸送物質7部、下記構造式(48)で示される正孔輸送物質5部、ポリエステル樹脂(デュポン社製:ポリエステルアドヒーシブ49000)18部を加えて、更に混合して得た分散液をアルミニウム蒸着ポリエステルフィルム上にドクターブレードを用いて塗布し、100℃で30分間乾燥して、厚さ約25μmの感光層を形成し感光体を作成した。
この感光体を実施例9における印加電圧を+6KVに代えた以外は同様に操作して感光体特性評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例19]
実施例9における電荷発生層塗布液に下記構造式(49)で表されるアゾ顔料1部を追加し、混合ボールミリングした以外は実施例9と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例20]
実施例19における電荷発生層塗布液においてアゾ顔料の代りに図25に示す粉末X線回折スペクトルを示す下記構造式(50)で表されるY型チタニルフタロシアニン1部を追加し、混合ボールミリングした以外は実施例19と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
フタロシアニン混合物(比較化合物No.1)の製造1
200mlの4口フラスコに、尿素12.01g(200mmol)、フタロニトリル25.63g(200mmol)、1−オクタノール56.98g(0.438mol)を順に量りとった。つづいて、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル18.72g(55.0mmol)を量りとり、温度計、カルシウム管を付けたジムロート冷却器を装着し、アルゴン気流下にて6時間加熱攪拌(155〜159℃)した。6時間後、撹拌放冷し70℃になった時点でメタノール70mlを投入し、30分間還流撹拌を行った後、室温付近(約30℃)にまで撹拌放冷した。
内容物をガラスろ過器にてろ過を行った。得られた濃紺色固体をDMF250mlで3回(100℃)、メタノール250mlで3回(還流温度)加熱攪拌ろ過洗浄を行い、減圧乾燥器にて100℃、1日以上乾燥することによりチタニルフタロシアニン23.54gを青味紫色結晶で得た。
濃硫酸360gを氷水浴で撹拌冷却し、これに得られたチタニルフタロシアニン17.82g、ジクロロ錫フタロシアニン(東京化成工業株式会社品)0.18gを少量ずつ15分かけて添加し溶解させた。1時間撹拌の後、内容物を撹拌している1.8kgの氷水に滴下し、1時間撹拌の後、濾過を行い、更にイオン交換水にて濾液が中性になるまで撹拌濾過洗浄し、フタロシアニン混合物の湿ケーキを得た。この湿ケーキにテトラヒドロフラン600gを加え、室温にて6時間撹拌、濾過して減圧加熱乾燥をおこなって青色結晶のフタロシアニン混合物(比較化合物No.1)16.57gを得た。
実施例9で用いた金属フタロシアニン混合物(化合物No.1b)の代りに、比較化合物No.1を用いたこと以外は実施例9と同様に操作して感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1におけるジクロロ錫フタロシアニンを同量のクロロガリウムフタロシアニン(Aldrich品)に代えた以外は実施例1の製造例1a、1bと同様な製造条件にて操作をおこなってフタロシアニン混合物(比較化合物No.2)を16.59g得た。
実施例9で用いた金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)の代わりにこの比較化合物No.2を用いたこと以外は実施例9と同様に操作して感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
表1において、帯電電位Vは、絶対値が大きいほど良く、具体的には絶対値が500〜1000の値で良好であり、感度Ew1/2、Em1/2は、小さい値ほど優れていることを示す。
表1から本発明の金属フタロシアニン混合物結晶を用いた感光体は比較例1や比較例2の感光体と比較して、帯電電位Vはほぼ同等、感度Ew1/2、Em1/2はかなり優れていることがわかる。
[実施例21]
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層を形成した。
〈下引き層塗工液〉
二酸化チタン粉末(石原産業製、タイベークCR−EL): 400部
メラミン樹脂(大日本インキ製、スーパーベッカミンG821−60): 65部
アルキッド樹脂(大日本インキ製、ベッコライトM6401−50): 120部
2−ブタノン: 400部
〈電荷発生層塗工液〉
金属フタロシアニン混合物結晶(No.1b): 18部
ポリビニルブチラール樹脂(BX−1:積水化学工業製): 12部
2−ブタノン: 970部
〈電荷輸送層塗工液〉
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成製): 10部
下記構造式(51)の正孔輸送材料: 7部
テトラヒドロフラン: 100部
以上のように作製した電子写真感光体を、電子写真プロセス用カートリッジに装着し、帯電方式をローラー帯電方式、画像露光光源780nmの半導体レーザー(LD)のリコー製imagio MF2200改造機にて帯電後電位−800(V)、露光後電位−100(V)になるよう設定した後、連続してトータル10万枚印刷相当の繰り返し試験を行い、繰り返し試験後の帯電後電位(V)と露光後電位(V)について評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例22]
金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)を化合物No.2bに代えた以外は実施例21と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表2に示す。
[実施例23]
金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)を化合物No.3bに代えた以外は実施例21と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表2に示す。
[実施例24]
金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)を化合物No.7bに代えた以外は実施例21と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表2に示す。
[実施例25]
金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)を化合物No.8bに代えた以外は実施例21と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表2に示す。
[実施例26]
電荷発生層塗布液を実施例19のものに代えた以外は実施例21と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表2に示す。
[実施例27]
電荷発生層塗布液を実施例20のものに代えた以外は実施例21と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例21で用いた金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)の代りに実施例20で用いたY型チタニルフタロシアニン(比較化合物No.3)のみを用いたこと以外は実施例21と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表2に示す。
[比較例4]
実施例21で用いた金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)の代りに図26の粉末X線回折スペクトルを示す下記構造式(52)のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン(比較化合物No.4)を用いたこと以外は実施例21と同様に操作して電子写真感光体としての特性を評価した。結果を表2に示す。
表2において、繰り返し疲労特性における帯電電位が−800V付近の値であること、及び露光後電位が−100V付近の値であることが優れた特性であることを示す。
表2より、本発明の電子写真感光体はいずれも比較例3、4の感光体に比べ、繰り返し疲労特性における帯電電位、感度の安定性が優れていることがわかる。
[実施例28]
実施例21で作製した電子写真感光体を同様にしてリコー製 imagio MF2200改造機に装着し、常温常湿下(23℃、55%)で帯電後電位−800(V)、露光後電位−100(V)になるよう設定した後、この電子写真装置を低温低湿(10℃、15%)の環境試験室の中に4時間放置し、低温低湿環境下での帯電後電位(V)と露光後電位(V)変動について評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例29]
実施例28で用いた電荷発生層塗布液の代りに実施例20で用いた電荷発生層塗布液を用いたこと以外は実施例28と同様に操作して電子写真感光体を作製し、低温低湿環境下での帯電後電位(V)と露光後電位(V)変動について評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例5]
実施例28で用いた金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)の代りに比較例1で用いたフタロシアニン混合物(比較化合物No.1)を用いたこと以外は実施例28と同様に操作して電子写真感光体を作製し、低温低湿環境下での帯電後電位(V)と露光後電位(V)変動について評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例6]
実施例28で用いた金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)の代りに比較例3で用いたY型チタニルフタロシアニン(比較化合物No.3)を用いたこと以外は実施例28と同様に操作して電子写真感光体を作製し、低温低湿環境下での帯電後電位(V)と露光後電位(V)変動について評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例7]
フタロニトリル19.48g(152.0mmol)、2,3−ジシアノピリジン1.03g(8.00mmol)、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル14.97g(44.00mmol)、尿素4.80g(80.00mmol)及び1−オクタノール24.48gを窒素気流下150〜161℃で6時間加熱撹拌を行った。放冷後、メタノール80ml加え、30分間還流撹拌を行い室温まで冷却した後、濾過し得られた結晶をトルエン、メタノール、水にて洗浄後、減圧加熱乾燥をおこなって青色粉末のチタニルピリドポルフィラジン誘導体混合物を19.38g(収率84.0%)得た。
濃硫酸80gを氷水浴で撹拌冷却し、これに得られたチタニルピリドポルフィラジン誘導体混合物5.00gを少量ずつ30分かけ添加し溶解させた。1時間撹拌の後内容物を500gの氷水に滴下し、30分間撹拌の後濾過を行い湿ケーキ28.9gを得た(固形分濃度17.3%)。
この湿ケーキ17.3gにイオン交換水9.7g、テトラヒドロフラン120gを加え、室温にて6時間撹拌を行った。これを濾過し、減圧乾燥を行い青色結晶のチタニルピリドポルフィラジン誘導体混合物(比較化合物No.7)2.72gを得た。得られたチタニルピリドポルフィラジン誘導体混合物の粉末X線回折スペクトルを図27に示す。
実施例28で用いた金属フタロシアニン混合物結晶(化合物No.1b)の代りに比較例7で得たチタニルピリドポルフィラジン誘導体混合物(比較化合物No.7)を用いたこと以外は実施例28と同様に操作して電子写真感光体を作製し、低温低湿環境下での帯電後電位(V)と露光後電位(V)変動について評価を行った。結果を表3に示す。
表3において、低温低湿下での表面電位における帯電電位が−800V付近の値であること、及び露光後電位が−100V付近の値であることが優れた特性であることを示す。
表3から明らかなように感光層に金属フタロシアニン混合物が含有された本発明の電子写真感光体は、低温低湿下の環境においても帯電性、感度特性の変動が、比較例5〜7の感光体に比べ小さいことがわかる。
以上の結果から明らかなように感光層中に金属フタロシアニン混合物結晶が含有された本発明の電子写真感光体は、可視域及び近赤外域における感度が高く、繰り返し疲労による帯電性の低下や残留電位上昇(感度低下)、及び温湿度によるそれらの変動が小さく、また、その電子写真感光体を使用した画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジに有用なものであることがわかる。
(図1〜図5の符号)
31 導電性支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
(図6、図7の符号)
10 感光体
10C シアン感光体
10M マゼンタ感光体
10Y イエロー感光体
10K ブラック感光体
11 帯電部材
11C シアン帯電部材
11M マゼンタ帯電部材
11Y イエロー帯電部材
11K ブラック帯電部材
12 画像露光部材からのレーザー光
12C シアン画像露光部材からのレーザー光
12M マゼンタ画像露光部材からのレーザー光
12Y イエロー画像露光部材からのレーザー光
12K ブラック画像露光部材からのレーザー光
13 現像部材
13C シアン現像部材
13M マゼンタ現像部材
13Y イエロー現像部材
13K ブラック現像部材
14 搬送ローラ
15 転写紙
16 転写部材
16C シアン転写部材
16M マゼンタ転写部材
16Y イエロー転写部材
16K ブラック転写部材
17 クリーニング部材
17C シアンクリーニング部材
17M マゼンタクリーニング部材
17Y イエロークリーニング部材
17K ブラッククリーニング部材
18 除電部材
19 転写搬送ベルト
20 画像形成要素
20C シアン画像形成要素
20M マゼンタ画像形成要素
20Y イエロー画像形成要素
20K ブラック画像形成要素
21 給紙コロ
22 レジストローラ
23 転写部材
24 定着部材
25 転写材搬送手段
(図8の符号)
10 感光体
11 帯電部材
12 画像露光部材
13 現像部材
15 転写紙
16 転写部材
17 クリーニング部材
特開昭49−105536号公報 特開昭58−21416号公報 特開昭61−151659号公報 特開昭48−34189号公報 特開昭57−148745号公報 特開昭64−17066号公報 特開平3−128973号公報 特開平5−98182号公報 特許第3123185号公報 特許第3166293号公報 特公平5−60867号公報 特許第2780295号公報 特許第2775832号公報 特開平4−351673号公報 特許第4293694号公報 特開平5−241361号公報
Y. Fujimaki, Proc. IS&T’s 7thInternational Congress on Advances in Non-Impact Printing Technologies, 1, 269(1991) K. Daimon, et al. : J. Imaging Sci. Technol., 40, 249 (1996)

Claims (10)

  1. フタロニトリルと、チタン化合物と、チタン以外の金属のハロゲン化物とを反応させる(該チタン化合物と該チタン以外の金属のハロゲン化物の混合割合[チタン化合物:チタン以外の金属ハロゲン化物(モル比)]は、9999:1〜19:1である)ことにより得られた、チタニルフタロシアニンと下記一般式(1)で表される金属フタロシアニンからなる金属フタロシアニン混合物を溶媒処理、または酸処理と溶媒処理により結晶変換することを特徴とする金属フタロシアニン混合物結晶の製造方法
    〔上記式(1)中、Mはチタン以外の金属原子を表し、Qは水酸基、酸素原子、及びハロゲン原子から選択される結合基であり、nは0〜2の整数を表す。〕
  2. 前記金属のハロゲン化物が、バナジウム、銅、亜鉛、ガリウム、インジウム、及び錫から選択される金属のハロゲン化物であることを特徴とする請求項1に記載の金属フタロシアニン混合物結晶の製造方法。
  3. 前記結晶変換処理により形成される金属フタロシアニン混合物結晶が、CuKα線によるX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、9.6°、14.9°、24.2°、27.2°に強い回折ピークを有することを特徴とする請求項1または2に記載の金属フタロシアニン混合物結晶の製造方法。
  4. 導電性支持体上に、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法により得られる金属フタロシアニン混合物結晶を含有する感光層を設けることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記感光層が、前記金属フタロシアニン混合物結晶に加えて、アゾ系顔料もしくはフタロシアニン系顔料を含有することを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体の製造方法
  6. 前記感光層は、積層型の感光層であり、電荷発生層と電荷輸送層とを備えた構成を有することを特徴とする請求項4または5に記載の電子写真感光体の製造方法
  7. 前記感光層は、単層型の構成を有することを特徴とする請求項4または5に記載の電子写真感光体の製造方法
  8. 請求項4乃至7のいずれか一項に記載の方法により製造される電子写真感光体に、帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行うことを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項4乃至7のいずれか一項に記載の方法により製造される電子写真感光体と、帯電手段と、画像露光手段と、現像手段と、転写手段とを設けることを特徴とする画像形成装置の製造方法
  10. 請求項4乃至7のいずれか一項に記載の方法により製造される電子写真感光体を設けることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジの製造方法
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