JP6170836B2 - 検査キット - Google Patents
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この定量分与器によれば、調整部材を回転させることで、プランジャの移動量を適宜変更することが可能とされているので、所望する量の内容物の注出を行える。
(1)本発明に係る検査キットは、内容物が収容される収容容器と、前記収容容器の内側に離脱自在に組み合わされ、前記内容物を吸入及び注出可能な計量器と、を備え、前記計量器は、前記内容物を吸入及び注出させる連通開口が先端部に形成されたシリンジと、前記シリンジ内に軸方向に摺動自在に挿入されたプランジャと、前記内容物を濾過するフィルタを有し、該フィルタが前記連通開口を覆うように前記シリンジに離脱自在に外嵌された濾過筒と、を備え、前記収容容器の内側には、前記計量器が差し込まれたときに前記濾過筒を係止し、且つ前記計量器が前記収容容器から離脱するときに、係止した前記濾過筒を前記シリンジから離脱させる保持部が設けられていることを特徴とする。
従って、異物の混入が抑制された内容物を所望する量だけ確実に注出することができ、異物の影響を受けることなく内容物の検査を正確に行うことができる。また、内容物の吸入後、収容容器から計量器を引き上げるだけで、濾過筒をシリンジから自然に離脱させることができるので、濾過筒を取り外す手間を省くことができ、操作性に優れている。さらに、内容物の吸入後、濾過筒に全く触れる必要がないので、例えば人手を介して異物がシリンジ側に付着することも防止できる。
<第1実施形態>
〔検査キットの構成〕
図1及び図2に示すように、本実施形態の検査キット1は、混合液(内容物)Wが収容される収容容器2と、収容容器2の内側に離脱自在に組み合わされ、混合液Wを吸入及び注出可能な計量器3と、を備えている。
上記検体W2としては、例えば、生体(患者等)から採取した生体試料や、薬物、毒物等の特定試料等が挙げられる。
図1〜図3に示すように、収容容器2は、有底円筒状の容器本体10と、容器本体10の開口部を塞ぐ蓋体20と、を備えている。なお、収容容器2の内部には、予め溶解液W1が収容されている。
容器本体10の胴部は、底部11側に位置する下胴部12Aと、下胴部12Aの上方に位置し、下胴部12Aよりも拡径した上胴部12Bとで、2段階に径が変化した2段筒とされている。なお、上胴部12Bの上端部は、さらに上方に向かうにしたがって漸次径方向外側に拡がった形状とされている。
この係止突起13は、下胴部12Aと上胴部12Bとの接続部分付近に配置され、径方向内側に向かって突出するように環状に形成されている。そして、この係止突起13は、計量器3が収容容器2から離脱するときに、係止した濾過筒50を保持して後述するシリンジ30から離脱させることが可能とされている。
このガイド板14は、軸線O方向から見た平面視で十字状に配置されるように、容器本体10の底部11上に立設されている。なお、ガイド板14は容器本体10の下胴部12Aに一体的に接続されている。ガイド板14の上端部のうち、収容容器2の中心側(軸線O側)に位置する部分には、下胴部12Aに接続されている部分よりも下方に凹んだ凹部14aが形成されている。
なお、凹部14aと上述した係止突起13との間の軸線Oに沿った長さL(図3参照)は、濾過筒50の軸線Oに沿った長さと略等しい。
蓋板21と上胴部12Bの上端部とはヒンジ部23を介して接続されている。これにより、蓋体20は、ヒンジ部23回りに回動することで、容器本体10の開口部を閉塞又は開放することが可能とされている。
計量器3は、図1、図2及び図4に示すように、混合液Wを吸入及び注出させる連通開口31が形成されたシリンジ30と、シリンジ30内に上下方向(軸方向)に摺動自在に挿入されたプランジャ40と、混合液Wを濾過するフィルタ51を有し、該フィルタ51が連通開口31を覆うようにシリンジ30に離脱自在に外嵌された濾過筒50と、を備えている。
第2シリンジ部33は、第1シリンジ部32の上端部に接続され、第1シリンジ部32よりも外径及び内径が拡径するように形成されている。第2シリンジ部33の上端部には、径方向外側に向けて突出した環状壁36が形成されている。
当接壁35cは、第3シリンジ部34のフランジ部34aと略同じ高さに位置していると共に、収容容器2における容器本体10の上方開口端上に当接可能とされている。
第1プランジャ軸42は、第2シリンジ部33及び第3シリンジ部34の内径よりも縮径した円筒状に形成されている。第2プランジャ軸43は、円筒状に形成されており、第3シリンジ部34の内側に摺動自在に挿入されている。この第2プランジャ軸43は、規制筒35の頂壁部35bに形成された挿通孔37を通じて、規制筒35よりも上方に突出するように形成されている。
このコイルスプリング45は、第1プランジャ軸42を径方向外側から囲むようにプランジャ40に被せられており、下端部が環状壁36に接し、上端部が第1プランジャ軸42と第2プランジャ軸43との接続部分に接している。これにより、コイルスプリング45は、プランジャ40とシリンジ30との間に挟まれて上下方向に圧縮されており、シリンジ30に対してプランジャ40を上方に付勢している。
但し、このコイルスプリング45は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
一対の規制突片46は、頂壁部35bとフランジ部34aとの間であって、且つ軸線Oを挟んで径方向に向かい合うように配置されている。このとき、一対の規制突片46は、周方向に隣り合う一対の連結壁38の間に形成された隙間を利用して配置されている。従って、規制突片46と連結壁38とは、周方向に交互に配置されている。
なお、図示の例では、上記移動量は、一対の規制突片46における根元部46aとフランジ部34aとの間の距離Sとなる(図4参照)。なお、規制筒35における頂壁部35b及びフランジ部34aは、一対の規制突片46が係止される被係止部としてそれぞれ機能する。
なお、フィルタ51としては、混合液Wを濾過できれば良く、例えば微小孔が無数に形成された、金属製、樹脂製或いは紙製のメッシュ部材等が挙げられる。
また、濾過筒50の上端部側の内周面には、空気置換用の縦溝54が鍔部52に亘って形成されている。図示の例では、縦溝54は周方向に間隔をあけて4つ形成されている。この際、縦溝54は空気孔53に対して周方向に位置がずれた状態で形成されている。但し、縦溝54の数は4つに限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
次に、上述したように構成された検査キット1を利用して検体W2の検査を行う場合について説明する。この検査は、先に説明したように、図7に示す検査薬容器60内に収容されている検査薬W3を用いて行う。
検査薬容器60は、内部に検査薬W3が収容された有底筒状の容器体61と、容器体61の上方開口端にシールされ、容器体61の内部を閉塞するシール材62と、を備えている。シール材62は、例えば容易破断可能な軟材質の例えばシートやフィルム等である。但し、シール材62は、容易破断に限定されるものではなく、例えば容器体61から剥離可能に構成されていても構わない。
なお、検査薬W3としては、液状、粒状、粉状やゼリー状等でも良く、検査対象に応じて適宜選択して構わない。図示の例では、液状の検査薬W3としている。
はじめに、図3に示すように、収容容器2の蓋体20を開けて、予め内部に収容されている溶解液W1中に例えば生体等から採取した検体W2を投入する。その後、蓋体20を閉めた後、収容容器2を振る等して溶解液W1を攪拌させ、溶解液W1中に検体W2が溶解した混合液Wを作製する。
さらに、収容容器2と計量器3とを組み合わせることで、混合液Wがフィルタ51を通して濾過筒50内に進入するので、シリンジ30が混合液W中に浸漬された状態となる。このとき、例えば検体W2の投入時に異物(塵埃、不純物等)が一緒に投入されることで、混合液W中に異物が意図せずに混入されてしまったとしても、異物をフィルタ51で濾過して除去できるので、異物の混入が抑制された混合液Wだけを濾過筒50内に進入させることができる。
これにより、計量室Rによって計量された混合液Wを、フィルタ51を通過させることなく連通開口31を通じて直接注出することができる。従って、異物の混入が抑制された定量の混合液Wを検査薬容器60内に確実に滴下することができる。
また、混合液Wの吸入後、収容容器2から計量器3を引き上げるだけで、濾過筒50をシリンジ30から自然に離脱させることができるので、濾過筒50を取り外す手間を省くことができ、操作性に優れている。
なお、上述した第1実施形態では、空気置換を行うために、濾過筒50に空気孔53及び縦溝54をそれぞれ形成したが、この場合に限定されるものではない。
例えば、図13に示すように、濾過筒50に空気孔53だけを形成し、シリンジ30側に空気通過用の縦溝65を形成しても良い。図示の例では、縦溝65は環状壁36の下面側から第2シリンジ部33の外周面側に亘って連続して形成されている。この場合であっても、空気置換を同様に行うことが可能である。
次に、本発明に係る検査キットの第2実施形態について説明する。
第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、計量器3が1回使用する毎に交換する使い切りタイプであったが、第2実施形態では、計量器の一部だけを交換することで使用し続けることができる取り替えタイプとされている点である。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
共通具80Aは、共通シリンジ90及び共通プランジャ100を備え、交換具80Bの上方に配設されている。交換具80Bは、共通シリンジ90に離脱自在に装着される交換シリンジ110と、共通プランジャ100に離脱自在に装着される交換プランジャ120と、濾過筒50と、を備えている。
交換具80Bについて説明する。
図15に示すように、交換シリンジ110は、内側が計量室Rとされ、底部111aに連通開口31が形成された有底筒状の第1交換シリンジ部111と、第1交換シリンジ部111よりも上方に配設された円筒状の第2交換シリンジ部112と、を備えている。
なお、周方向に隣り合う縦リブ115の間は、空気置換用の空気通路とされている。
プランジャ本体121は、中実の円柱状に形成されており、第1交換シリンジ部111の内側に液密且つ摺動自在に挿入されている。このプランジャ本体121と第1交換シリンジ部111とで囲まれた空間が計量室Rとされている。
なお、周方向に隣り合う縦リブ115の間、及び濾過筒50の縦溝54を通じて空気置換を行うことが可能とされている。
共通具80Aについて説明する。
図16及び図17に示すように、共通シリンジ90は、交換シリンジ110を保持する第1共通シリンジ部91と、第1共通シリンジ部91よりも上方に配設された円筒状の第2共通シリンジ部92と、第2共通シリンジ部92よりも上方に配設された規制筒35と、を備えている。
底壁部91bには、周壁部91aと同じ方向に開口すると共に、第2交換シリンジ部112及び装着フランジ113を径方向からスライド挿入可能な平面視U字状のスライド溝93が形成されている。
保持プレート101には、交換プランジャ軸122及び装着板123を径方向からスライド挿入可能な平面視U字状のスライド溝103が形成されている。
さらに、共通プランジャ軸102と第2共通シリンジ部92との間には、共通プランジャ100を上方に付勢するコイルスプリング45が配設されている。
また、その逆の動作を行うことで、共通具80Aから交換具80Bを取り外して、例えば交換具80Bだけを交換することが可能とされている。
なお、本実施形態では、共通プランジャ軸102及び交換プランジャ軸122を横断面視十字状に形成したが、この形状に限定されるものではなく、例えば円筒状や円柱状に形成しても構わない。
なお、内容物としては、液体に限定されるものではなく、例えば粉状や粒子状でも良いいし、或いは形を保持する程度のゼリー状でも良い。
1、70…検査キット
2…収容容器
3、80…計量器
13…係止突起(保持部)
14…ガイド板(位置決め部)
30、81…シリンジ
31…連通開口
34a…フランジ部(被係止部)
35b…頂壁部(被係止部)
40、82…プランジャ
46…規制突片(規制部)
50…濾過筒
51…フィルタ
Claims (3)
- 内容物が収容される収容容器と、
前記収容容器の内側に離脱自在に組み合わされ、前記内容物を吸入及び注出可能な計量器と、を備え、
前記計量器は、
前記内容物を吸入及び注出させる連通開口が先端部に形成されたシリンジと、
前記シリンジ内に軸方向に摺動自在に挿入されたプランジャと、
前記内容物を濾過するフィルタを有し、該フィルタが前記連通開口を覆うように前記シリンジに離脱自在に外嵌された濾過筒と、を備え、
前記収容容器の内側には、前記計量器が差し込まれたときに前記濾過筒を係止し、且つ前記計量器が前記収容容器から離脱するときに、係止した前記濾過筒を前記シリンジから離脱させる保持部が設けられていることを特徴とする検査キット。 - 請求項1に記載の検査キットにおいて、
前記シリンジ及び前記プランジャのうちのいずれか一方には、他方に形成された被係止部に係止されることにより、前記シリンジ及び前記プランジャの相対的な軸方向の移動量を規制する規制部が形成されていることを特徴とする検査キット。 - 請求項1又は2に記載の検査キットにおいて、
前記収容容器の内側には、前記濾過筒が係止されることにより、前記収容容器及び前記計量器を相対的に位置決めさせる位置決め部が設けられていることを特徴とする検査キット。
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