JP6169970B2 - セルロース強化高鉱物含量製品及びそれを製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、全固形分に基づいて重量で50%〜90%の鉱物填料含量を有する製紙用パルプ完成紙料,重量で40%〜90%の填料含量を有する紙シート、及びこのパルプ完成紙料から填料含有紙を製造するプロセスに関する。
紙、板紙及びプラスチック産業は、多種多様な用途のために堅くて柔軟なシートを製造する。プラスチックシートは、通常は、より柔軟性、耐引裂き性及び伸縮性があり、且つ紙シートよりもより緻密でありより滑るが、一方、一般的な原紙シートは通常はより多孔性であり、はるかに耐水性が低い。取り扱いのため及びその上に印刷するためには紙シートはプラスチックシートより通常ははるかに魅力的である。プラスチックシートにいくつかの紙の特徴を付与するためには、鉱物填料の添加を必要とする。無機填料の熱可塑性ポリマー中への組み込みは、それらを拡大適用するため及び一定の特性、すなわち、不透明度及び白色度を高めるため、並びに材料コストを低下するためにも産業界では広く実践されてきた。米国特許第6,054,218号は、紙のような感触があり、少なくともいくらかの紙の特性を有するプラスチック材料と無機填料とからできているシートを製造する方法を記載している。その発明による填料含有プラスチックシートは、外層、中間層及び内層を有する多層構造を含む。それらの層は、多層シートに紙の感触を与えるために構成された異なる割合のポリエチレン、填料即ち炭酸カルシウム、並びに顔料即ち二酸化チタン及びケイ酸塩を含む。
この填料含有プラスチック紙を製造するプロセスは、ポリエチレンのような熱可塑性ポリマーと無機填料及び顔料とを、200℃程の高さであり得る熱可塑性プラスチックの融点より高い温度で同時押出し及びカレンダー処理するステップを含む。この種の製品は、A.Schulman Inc.により製造され、商標Papermatch(登録商標)の下で販売されている。この製造業者は、このプロセスは包装材料を製造する用途、並びに、ラベル、封筒、壁紙、フォルダー及びさまざまなその他の製品のために使用され得ることを主張している。Natural Source Printing, Inc.は、現在、ストーンペーパー又はロックペーパーとしても示されているFiberStone(登録商標)Paperを商品化している。この会社の公表された情報源によれば、最大で80%までの炭酸カルシウム填料と組み合わされたポリエチレンから製造されたストーンペーパーは、印刷産業で使用される従来の紙、例えば合成紙及びフィルム、プレミアムコート紙、再生紙、PVCシート、ラベル、及びタグ等に対する代替として採用することができる。防水性のストーンペーパーは、また、屋外用途に非常に有用であり得る。
上記のストーンペーパーは、リゴセルロース(ligo−cellulose)繊維及び水の使用無しで製造される利点を有するが、それらはいくつかの主要な欠点、多量の石油系ポリマー、高い密度及び低いこわさをもたらす。それらは再生利用できないし、生分解性でもない。いくつかの商業用のストーンペーパーの分析によれば、そのシートは54〜75%が無機材料で残りが熱可塑性ポリマー即ち高密度ポリエチレン(HDPE)及びコーティング材料である多層構造のものであることが明らかとなった。熱可塑性物質と共に使用される無機材料のレベルによって、そのシートの密度は0.9〜1.4g/cmの範囲である。不透明度、かさ、こわさ、及び強度の所要の値を得るために、シートは高い基本重量(200〜300g/m以上)で製造されなければならない。基本重量又は坪量は、シートの単位面積当たりの重量である。かさは、重量に関連する体積又は厚さを示すために使用される用語である。それは密度(単位体積当りの重量)の逆数である。それはシートの厚さと基本重量とから計算され、即ち、かさ(cm/g)=厚さ(mm)×基本重量(g/m)×1000である。シートのかさの減少又は言い換えれば密度の増加は、そのシートを、より平滑な、より光沢があり、より不透明度が無く、そして、より低いこわさのものにする。けれども、多くの用途、例えば、コピープリンターで使用されるもの等において最も重要な特性は、密度が増加すると激しく低下するシートのこわさである。
上記のプラスチックベースのストーンペーパーの一般的な不利点のために、再生可能な、再生利用可能な、生分解性の及び持続できる材料から、そして従来の製紙プロセスを用いて、超填料含有シートを製造する必要性がある。この超填料含有シートは、また、それらが市販されているようなプラスチックベースのストーンペーパーシートの半分の基本重量で製造されるときでさえも、低い密度と所要のかさ、不透明度、及び強度の特性とを有さなければならない。最大28%までの填料含量で製造された通常の印刷用良質紙は、プラスチックベースのストーンペーパーの大体半分である0.5〜0.7g/cmの範囲の特定の密度を有する。いくつかの用途に対してこの超填料含有シートは耐水性の特徴を有することを必要とする。
無機(鉱物)填料が、木材パルプ繊維の水性分散液からの印刷用紙(コピー、インクジェット、フレキソ、オフセット、グラビア)の製造においては、白色度及び不透明度を改良し、シート印刷鮮明度及び寸法安定性の改良を達成するために一般に使用される。用語の「良質」紙は、在来の産業の感覚で使用され、タブレット、ボンド、オフセット、塗工印刷用紙、本文及びカバーの印刷用紙、塗工出版用紙、書籍用紙並びにコットン紙を含める。オフセット良質紙は、ペーパーウェブを乾燥させた後、デンプンとスチレン無水マレイン酸等の疎水性ポリマーとから主として成る配合物により表面サイズされている。通常の良質紙の内部の填料のレベルは、10〜28%の範囲であり得る。オフセット及びグラビア印刷に適する良質紙は高速の印刷動作に耐える十分な強度を有さなければならないため、既存の製紙技術は30%を超える填料レベルでそれらを製造するには適さないことが見出されている。
板紙下地のシートは、1つ又は複数の繊維層又はプライで、一般に填料の添加は無しで、構成されている。最終用途によって、板紙は、1)カートン用板紙(折畳みボール紙及び組立て/貼箱を製造するためにさまざまな組成が使用される)、2)食品包装用ボード(食品及び液体の包装に使用される)、及び、3)段ボール(裏地に糊づけされている波型の中間物によって分離されている2つ以上のライナーボードのグレードから成る包装箱に使用される)に分類される。用途によって、製品の表面仕上げは、無機填料及び顔料、バインダー並びにバリヤポリマーで構成され得る公知の配合物を用いる単一又は二重塗布によって多くの場合得られる。いくつかの包装グレードは、ガス、水蒸気又は液体に対する高いバリヤ性を与えるポリマーフィルムによって覆われた表面を有する。板紙下地のシートは、殆んどもっぱら未使用の及び再生使用の繊維及び添加剤から製造される。いくつかの表面が白の多重層のグレードに対しては非常に限定された量の無機填料(5%前後)が不透明度及び印刷品質を改善するために表面層のシートに時おり導入される。
プラスチックベースのストーンペーパーのものと類似の高い填料の内部レベルを有しており所要の特性を有する紙又は板紙を製造することは、さまざまな用途、即ち、印刷用紙、フレキシブル包装、ラベル、タグ、地図、袋、壁紙、及びその他の用途のための低コストの環境に優しい製品を作るための手段であり得る。沈降炭酸カルシウム(PCC)、重質炭酸カルシウム(GCC)、カオリンクレー、タルク、沈降硫酸カルシウム(PSC)又は硫酸カルシウム(CS)等の製紙用填料のコストは、セルロース繊維のコストより一般に低い。製紙業者が1トンの紙を製造するための節約は、填料が使用されて大量の高価で仕入れたクラフト繊維に置き換えることができる場合は多大であり得る。填料含有紙のウェブは、填料無しで製造されたペーパーウェブより乾燥がはるかに容易であるために、乾燥エネルギーがより低い。高い填料添加は、シートの不透明度を大幅に改善するので、この望ましい特性をより低い基本重量で得ることが可能となり得る。さらに、填料含有原紙は、通常のコートされたグレードの要求品質を達成するために必要なコーティング材料がより少ない。
填料を紙シートに導入する慣用法は、抄紙機のヘッドボックスに行く前の機械室中のような場所において又はファンポンプの入口において約1〜3%のコンシステンシーのパルプ懸濁液に填料スラリーを計量しながら供給することによる方法である。填料粒子は、繊維の電荷と同様の負電荷を通常は有しており、したがって、繊維表面に吸着する性向は殆んど有さない。その結果、シート製造中のパルプ繊維による填料粒子の保持は、特に完成紙料成分が大きな剪断力を経験する高速の近代的抄紙機上では達成するのが困難である。それ故、ポリマーの保持助剤系が、抄紙機のヘッドボックスに行く前に、希釈された製紙用完成紙料に常に加えられて、公知の塊状凝集及びフロック凝集メカニズムによって填料保持を高める。しかしながら、既存の保持助剤技術によりシート形成又は構造の均一性を損なわずに高い填料保持を達成することは今もなお主要な課題である。例えば、1400m/分のスピードで稼動する近代的良質紙の機械に関して、初回通過の填料保持は約40〜50%である。これは、完成紙料中の填料の量の約半分がシートの形成中にその中に保持されるのみで、残りの部分はプロセス水と共に流出し、それはしばしば白水という用語で呼ばれる。多くの工場で、抄紙機の操業性の問題、填料の高い下水管ロス、シート中の穴及び機能性添加物(サイズ剤、蛍光増白剤、デンプン)の増大するコストは、不十分な填料保持及び白水系中の填料の蓄積と関連づけられている。
製紙の技術において、一旦湿潤ウェブが形成されると、それは抄紙機上での良好な操業性のための適切な湿潤ウェブ強度を必要とする。乾燥シートは、印刷機及びコピー機上での操業性のため並びにその他の最終用途のための高いZ方向強度、引張り強度及びこわさを必要とする。印刷グレードにおいてより高いレベルまで填料含量を上げることに対する主要な障害は、これらの強度特性の劣化によって限定されることであることがよく知られている。填料は結合能力を持たないため、紙に填料を含めることは繊維−繊維結合を妨げる。填料をシートに添加すると、引張り強度及び弾性率が填料粒子による繊維の置換によって必然的に低下し、シート中により少ない繊維が存在することで繊維−繊維結合の強度が低下するばかりでなく、填料の存在が接触の面積を減少させ、繊維間で起こる親密な結合を妨害する。その結果、填料の添加は、湿潤ウェブ強度を大幅に低下させる。高い量の填料を含有する湿紙は、抄紙機のオープン式ドローでより容易にちぎれ得る。それ故、強力な湿潤ウェブは、良好な抄紙機操業性のための重要な判断基準である。填料は、繊維よりもより密度が高く、したがって、それらの添加は曲げこわさに対して極めて重要なシートのかさも減少させる。線維構造中の填料粒子の不十分な結合は、オフセット印刷における表面ダスティングも増し得る。
紙シートの強度は、繊維網状組織の相対的な結合面積に影響を及ぼす繊維の長さと表面積とによって影響されることがよく知られている。この結合面積は、繊維精製によって及び抄紙機の加圧部分におけるウェブ連結によって増加され得る。加圧及び繊維精製による結合面積の増加は、シートの内部結合強度及び引張り強度を増加することができるが、そのかさは犠牲となる。与えられた基本重量において、シートのかさの減少は、曲げこわさを減少し得る。しかしながら、かさ及びこわさに対するこれらの可能性のある悪影響にも関わらず、近年、精製並びにより良い成形及び加圧成形技術による良好な繊維の開発が、填料含有シートの強度を改善しており、殆どの良質紙製造業者は彼らのグレードにおいて填料含量を数パーセント増加する可能性を今や有している[「紙中のより高い填料含量を達成することに向けた実用的方法(Practical ways forward to achieving higher filler content in paper)」、C.F.Baker及びB.Nazir、Use of Minerals in Papermaking、Pira Conference、Manchester 1997年2月]。
紙強度を増すがシートの密度は変化させないもう1つのよく知られた方法は、天然及び合成ポリマーの添加である。それらは、紙1トン当り1〜20kgの範囲であり得る小さい割合で水性パルプ完成紙料に通常加えられるか、又は、ペーパーウェブが乾燥した後、シート表面に塗布される。カチオン性の強いポリマーの性能は、クラフト繊維等の長繊維の完成紙料に加えられたとき、その低い負電荷及びポリマーの吸着のために利用できる表面の面積が小さいために、多くの場合低い。この性能は、カチオン性ポリマーが不利な化学条件、例えば、高レベルのアニオン性の溶解及びコロイド状物質並びに高い伝導性等、を有する水性パルプ完成紙料に導入されると完全に損なわれ得る。
製紙技術及び化学における進歩にも関わらず、全ての非コート良質紙のシート中の現在の填料含量は、多くの場合、紙重量の30%を下回る。従来技術を用いることによりこれらのグレードの填料含量をより高いレベルまで増す試みは、不十分な填料保持、湿潤ウェブ強度、引張り強度、及びこわさ、並びにより低い表面強度をもたらす。適切な表面強度は、高速印刷機上で運転するとき、即ち、オフセット印刷中にダスティング及び毛羽立ちを防ぐために必要である。
近年、いくつかの特許が、高填料含有紙を製造するために授与されている。US4,445,970は、高速でのオフセット及びグラビア印刷のために適しており、広範囲の基本重量に対して高レベルの填料を含有する印刷良質紙を製造する方法を教示している。高レベルの填料は、高い基本重量シート、例えば、120g/m超で達成された。これらの高填料含有良質紙は、低速の長網抄紙機上で多量の填料、好ましくはクレー及びタルクの混合物を含有し、スクリーン上に残渣を残さないで良好な保持及び良好な強度を提供するように選択された3〜7%のカチオン性ラテックスを含む完成紙料から製造された。この発明により46%の填料で製造された120g/mの良質紙シートは、0.665kmの引張り強度を有する。この引張り強度は、約6.0kmの引張り強度を有する20%の填料で製造された73g/mの通常の良質紙と比較した場合、非常に低いと考えられる。非常に高い使用量率のカチオン性ラテックスの添加にもかかわらず、この特許US4,445,970の発明により達成された紙中の填料含量は、依然として50%を下回る。
いくつかのこれまでの特許が、紙の強度はカチオン性ラテックスを製紙用完成紙料に加えることによって増加され得ることを開示している。アニオン性完成紙料成分の基本的電子化学的性質のために、カチオン性ラテックスは繊維表面と相互作用してさらなる繊維結合を提供し、したがって、得られる紙に強度を提供する。これらの特許は、填料を大部分欠いているか、又はせいぜい非常に少量の填料を含有するのみであるいわゆる「高強度」紙に主として関係する。例えば、WesslingらのUS4,178,205は、カチオン性ラテックスの使用を論じているが顔料は必須ではない。PicklemanらのUS4,187,142は、全体の製紙系をカチオン性にする十分な量のラテックスを使用するカチオン性ラテックスと一緒のアニオン性ポリマー共添加剤の使用を開示しているが、填料の使用はどの実施例にも述べられていない。FosterらのUS4,189,345号は、極めて高レベルのカチオン性ラテックスを論じている。
RiddellらのUS4,181,567は、イオン性ポリマーの塊状凝集体及び比較的多量の填料を使用する紙の製造に関する。その特許権所有者は、アニオン性又はカチオン性ポリマーのいずれかが使用され得ることを示しており、挙げられている填料は、炭酸カルシウム、クレー、タルク、二酸化チタン及び混合物である。例1において、29%の填料を有する80g/mの基本重量の紙が填料として炭酸カルシウムを用いて製造されている。この特許は、基本的に、保持助剤系と一緒の顔料の完成紙料組成物へのその添加に先立つ析出を論じている。
ミョウバンのようなカチオン性化学物質と組み合わされた抄紙機のウエットエンドへのアニオン性ラテックスの添加は、繊維及び填料の存在下でそのアニオン性ラテックスが析出することを引き起こし、それによって紙に増大した強度を与えることが製紙業においては知られている。この手順は、一定のいわゆる「高強度」製品、例えば、ガスケット材、飽和した板紙、屋根ふき用フェルト、床張り用フェルト等の製造で通常は使用される。最大90%までの填料の量を有する紙シートの製造に対しては同様の技術はこれまでに提案されていない。
McReynoldsのUS4,225,383に注目すると、屋根ふき用及び床張り用フェルト紙の製造と同様の比較的厚い紙製品の製造において、カチオン性ポリマーのアニオン性ラテックスとの組合せ、及び、かなりの量の鉱物填料を使用することが提案されている。しかしながら、その製品は印刷用紙向けには設計されておらず、その強度の必要条件はしたがって比較的低い。さらに、上記技術によって製造された紙のかなりの重さのために、その付加的強度はその塊によってもたらされるにすぎない。
US4,115,187、US5,514,212、GB2,016,498、US4,710,270号、及びGB1,505,641を含めたいくつかの他の特許は、保持特性及びシート特性に対する添加剤による填料処理の利点について記している。懸濁液中の殆どの通常の無機填料粒子は、負電荷を持っているので、カチオン性添加剤は静電相互作用によってそれらの表面に吸着し、それらが塊状凝集するか又はフロック凝集する原因になることが知られている。アニオン性添加剤がフロック凝集を促進するために、填料粒子は、そのアニオン性添加剤の吸着を可能にする正電荷を必要とする。填料粒子の凝集はシート製造中の保持を改善し、シート強度に対する填料の悪影響を減少することもできるが、過剰な填料の凝集は紙の均一性を損ない、また、填料添加から期待される光学特性における利得を減少する可能性がある。これらの特許によって達成される填料含量は、40%を下回る。
LalegのUS7,074,845においては、アニオン性ラテックスが、製紙において内部に添加される処理された填料スラリーを調製するために膨張したデンプンと組み合わせて使用されている。この膨張したデンプン/ラテックス組成物は、デンプン粒を填料添加剤としてのそれらの特性を改善するために十分に膨張させるがそれらの過剰な膨張が破裂を導くことは避けるようにするためにラテックスをデンプン粒のスラリーとバッチクッカー又はジェットクッカー内でプレミックスするか、又はその混合物に制御された条件で熱湯を加えることによって調製される。そのアニオン性ラテックスは、カチオン性の膨張したデンプン粒と相互作用して活性な基質を形成する。その組成物は、填料スラリーと素早く混合され、これにより填料凝集が増大した。その処理された填料は、次に、シート製造の前に製紙用完成紙料に加えられる。このプロセスによって調製された処理填料の製紙中のウェブ内の保持は改善されており、填料含有シートは、従来の加熱処理したデンプンの完成紙料への添加を用いて製造された填料含有シートより高い内部結合及び引張り強度を有する。
Lalegらの国際公開番号WO2008/148204は、短時間でアニオン性ラテックスの沈殿した炭酸カルシウム粒子上への固定を高める填料スラリーの連続処理によって、填料含有紙シートの強度を増す方法を論じている。このプロセスにおいて、アニオン性ラテックスは、填料スラリーに周囲温度で添加され、次いで使用されるラテックスのガラス転移温度(T)より高い温度を有する水と混合される。ラテックスを効果的に固定させるために、填料/ラテックス混合物の温度は、使用されるラテックスのTより20〜60℃高くなければならない。このプロセスによって適用されるアニオン性ラテックスは、填料粒子に完全に、且つ、不可逆的に固定又は結合され、その凝集された填料スラリーは長時間にわたって安定である。この発明において、ラテックスで処理した填料スラリーは、抄紙機のヘッドボックスに行く前の任意の時点で製紙用完成紙料に添加するか又は後で使用するために保存されるように設計されている。このラテックス処理した填料スラリーは、填料保持を改善し、シート強度のロスを大いに防ぎ、内部サイジング剤の性能を改善した。
US5,824,364においては、炭酸カルシウム結晶が、固定剤の添加無しで水酸化カルシウムと二酸化炭素の析出手法によって繊維のフィブリル上に直接形成されることが開示されている。そのシート中に含有される炭酸カルシウム填料は、該発明者らによって特定されているように、3〜200m/gの範囲内の繊維フィブリルの利用できる表面積に限定される。この先行技術の方法の目的は、繊維の個々の部分、例えば、ルーメン内、細胞壁、又はフィブリル等に注目することによって高い填料保持を達成することであった。この発明によって達成された紙中の填料含量は、30%を下回った。この特許においては、フィブリル表面への填料の固定を助けるため及び結合を改善するためにラテックス又はその他の化学物質は使用されなかった。
FI100729(CA2,223,955)は、製紙において使用するための填料を開示しており、その填料は、微粉の表面に堆積させた炭酸カルシウム粒子から形成された多孔質凝集体を含む。その特許明細書によれば、この新規タイプの填料は、微粉が、化学的又は機械的パルプ化からのセルロース繊維を叩解することによって調製された微細なフィブリルから構成されることを特徴とする。その微粉分の粒度分布は、ワイヤースクリーンフラクションP100に大部分は相当する。このアプローチ又はUS5,824,364及びUS2003/0051837に記載されている同様のアプローチによって達成された紙填料の含量は、30%前後であり、強度特性は、填料添加の従来の方法によって製造されたシートについて測定されたものよりほんのわずかに高いだけであった。
上記の方法は、高い填料含量を有しており、受け入れられる強度のシートを製造するのに役立つと主張されているが、最大50%以上までの高レベルまで填料を上げるどんな試みも従来の抄紙機上で又は商業的には決して成されていない。不十分な填料保持、弱い湿潤ウェブ及び乾燥強度並びに低い紙のこわさは、製紙業者に対する主な障害として残っている。明らかに、上記の製紙上の問題の無い超填料含有パルプ繊維シートを作製する技術に対する必要性が依然として存在する。もし単純な組成物を思い付いて、大部分の填料粒子を繊維表面に固定することを可能にし、糊又はバインダーとして作用し、最終の紙製品を形成する材料間の支えの移動の負荷をかけることができればそれは非常に役立つであろう。いくつかの用途に対しては、最終製品がいくつかのバリヤ及び耐水性の特徴を有する場合はより実用的であろう。
(発明の開示)
本発明は、高填料含有紙シートを製造する用途のためのフィブリル化された長繊維及び全固形分に基づいて重量で最大90%までの量の填料粒子を含む製紙用パルプ完成紙料を提供することを追求する。
本発明は、さらに、重量で最大90%までの填料含量を有する紙を製造するためのプロセスを提供することをさらに追求する。
なおもさらに、本発明は、重量で最大90%までの填料含量を有する紙を提供することを追求する。
本発明の1つの態様においては、フィブリル化された長繊維、填料粒子及びアニオン性バインダーを水性ビヒクル中に含む製紙用パルプ完成紙料であって、前記填料粒子が、全固形分に基づいて重量で最大90%までの量である上記パルプ完成紙料が提供される。
本発明の別の態様においては、紙を製造するプロセスであって、
a)フィブリル化された長繊維、填料粒子及びアニオン性バインダーを水性ビヒクル中に含み、前記填料粒子が、全固形分に基づいて重量で最大90%までの量である水性パルプ製紙用完成紙料を形成するステップ、
b)パルプ完成紙料を混合し、混合パルプ完成紙料をアニオン性バインダーのTより高い温度にさらして填料粒子及びバインダーを繊維上に固定するステップ、
c)パルプ完成紙料を、スクリーンを通して排出してシートを形成するステップ、及び
d)シートを乾燥するステップ
を含む上記プロセスが提供される。
特定の実施形態においては、通常の製紙用添加剤がa)又はb)においてパルプ完成紙料に加えられてもよい。
本発明のさらに別の態様においては、フィブリル化された長繊維の基質、填料粒子及びアニオン性バインダーを含む紙であって、前記填料粒子が重量で紙の最大90%までの量であり、前記填料粒子及びバインダーが前記フィブリル化された長繊維の表面に固定されている上記紙が提供される。
好ましい実施形態において、本発明のフィブリル化された長繊維/填料完成紙料及びこの完成紙料から製造された超填料含有紙は、セルロースナノフィラメント(CNF)、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)、及び/又はナノフィブリルセルロース(NFC)等の高表面積のセルロースフィブリルをさらに含む。CNF、MFC又はNFCのパルプ完成紙料への導入は、より大きい填料固定のための高表面積を提供し、紙構造の強化を増進する。本発明のための好ましいセルロースフィブリルは、木部繊維又は植物繊維から製造されたものであり、長い糸状で直径が細い。
本発明は、セルロースフィブリル(CNF、MFC又はNFC)の存在下又は非存在下で、アニオン性バインダー及び場合によって製紙用添加剤と、このアニオン性バインダーのTgより高い混合温度で混合されたフィブリル化された長繊維/鉱物填料の水性複合材配合物を調製するために、そして、最大80%までの鉱物填料と意図された用途にとって必要な物理的性質とを有する紙製品を製造するために役立つ新規な方法を提供する。この水性複合材配合物は、また、既存の従来型の機器で、板紙、梱包材料及び型にはめて成形されたアイテムを作製するために使用することもできる。
公開文献の中のいずれの先行技術の特許又は出版物も、これまで、最大90%までの填料を含有し、意図された用途にとって必要な物理的性質を有する製品、即ち、シート、マット、紙、板紙の梱包材料及び成形されたアイテムを製造するために、特定のバインダーと、場合によって、CNF、MFC又はNFC等の高表面積のセルロースフィブリルと共に、使用されるバインダーのTgより高い混合温度で混合されるフィブリル化された長繊維及び填料の水性組成物を開示又は論じてはいない。
本発明は、上記の従来技術の不利点を、全固形分の最大90重量%までの填料含量を有する超填料含有製品を既存の機械により製造する条件を満たす方法によって克服している。本発明は、これらの超填料含有製品を水性組成物から製造する技術であって、填料保持を増し、高い填料添加に基づく強度ロスを減少させるために、多量の填料粒子の高い表面繊維物質への固定が実現される上記技術を提供する。従来の表面処理技術、即ち、ポンドサイズプレス、計量サイズプレス又はコーターが、強度をさらに高めるため及び耐水性を与えるために成功裏に使用され得る。
一般に、本発明は、高い填料含量、特に完成紙料中の全体の固形分の重量で最大90%までの填料、又はシート若しくは紙の乾燥重量に基づいて最大90%までを利用することを追求している。しかしながら、本発明は、より低い填料含量に対しても用いることができる。
本発明は、特定の及び特別の実施形態において、アニオン性バインダー及び場合によって、デンプン、サイズ剤、カチオン性物質、並びに排液助剤及び保持助剤を含めた製紙において普通に使用されるその他の機能性添加剤及びプロセス添加剤の添加が伴うか後に続く、填料、例えば、沈殿炭酸カルシウム又は硫酸カルシウムの、好ましくはCNF、MFC又はNFCと組み合わされたフィブリル化された長繊維との中間コンシステンシー混合に基づいている。最大10%までの固形分の全コンシステンシーで調製される水性組成物は、混合タンク、混合ポンプ中で、又は好ましくはリファイナー中で該バインダーのTgより高い温度で剪断される。
アニオン性バインダーのTgより高い温度での剪断下の混合中に、填料粒子の凝集及びそれらの繊維表面への固定又は結合の同時の作用が起こり、填料粒子及びバインダーを完成紙料の水性ビヒクルから取り除く。従来型の製紙用共添加剤が、製品形成前に、フィブリル化された長繊維、セルロースフィブリル(CNF、MFC又はNFC)、填料及びアニオン性バインダーを含む完成紙料に加えられる。得られた超填料含有シートは、従来のサイジング機器又はコーティング機器によりさらに表面処理をして意図した用途に適する機能特性を有する複合材料及び包装材料のような製品を生み出す。同等の填料含量で、本発明によって製造された超填料含有シートは、はるかに低い基本重量でプラスチックベースのストーンペーパーのそれと同じような厚さを有することができ、さらにより高い値の不透明度、白色度、引張り強度、及びこわさを有する。
本発明の超填料含有シートの製造で使用されるフィブリル化された長繊維は、紙及び板紙材料の製造で従来使用されているものと同様の木材から加工されたものであり得る。針葉樹の木から製造されたフィブリル化された長繊維は、本発明にとってより好ましい。
いくつかの植物繊維、例えば、麻、亜麻、サイザル麻、ケナフ麻及びジュート、並びに綿等そして再生されたセルロース繊維が、超填料含有シートの補強のために同様に使用することができる。レーヨン繊維等の再生されたセルロース繊維は、綿繊維と同様の寸法で製造し、同様にフィブリル化された長繊維を得るために使用することができる。しかしながら、これらの厚くて長い繊維の長さの最適化及び精製が、効果的な適用及び性能の最大化のためには必要である。
強い紙シートを製造するためのセルロース繊維の性能は、もしそれらの表面積が、パルプ繊維のサーモメカニカル精製又は叩解の間に、より多くのフィブリルを長繊維の表面に露出させることによって増加し長さが保たれれば、大いに改善され得る。
製紙技術においては、パルプ繊維の精製が繊維構造に対してさまざまな同時変化、例えば、内部及び外部フィブリル化、微粉発生、繊維短縮、並びに繊維カール等を引き起こすことがよく知られている。外部フィブリル化は、繊維の表面をバラバラにして剥離し、繊維の表面に付着するフィブリルの発生をもたらすこととして定義される。外部フィブリル化は、また、表面積の大きな増加ももたらす(Gary A.Smook、パルプ及び紙技術者のためのハンドブック(Handbook for Pulp and paper Technologists)、第3版、Angus Wilde Publication Inc.、バンクーバー、2002年)。高フィブリル化繊維から製造された紙は、高い引張り強度を有するが、繊維の短縮が引裂き強度に悪影響を及ぼし、抄紙機上のウェブ排出挙動にそのため悪影響を及ぼすため、製紙業者は多くの場合抄紙機の操業性に最も有利である排出特性のために注意深くパルプを精製する(Colin F.Baker、Tappi Journal、Vol.78、No.2−147〜153頁)。けれども、本発明においては、これらの上手に生み出された繊維は、排出の問題が高い填料の添加によって克服され、填料粒子が、完成紙料温度より低いTgを有するアニオン性バインダーの導入によって繊維表面に基本的に十分に固定される場合、超填料含有紙を製造するすばらしい機会を与えることが見出された。
Turbakらにより1983年に最初に導入された(US4,374,702)ミクロフィブリル化セルロース(MFC)は、いくつかの研究組織によりホモジナイザー又はマイクロフルイダイザー中で製造されており、また、小規模で商業的に製造されている。日本特許(JP58197400及びJP62033360)もまた、ホモジナイザー中で製造されたミクロフィブリル化セルロースが、紙の引張り強度を改善するという特許請求をした。ミクロフィブリル化セルロース及びセルロースナノフィブリルに関するさらなる情報は、次の2つの参照文献に同様に見出すことができる:「ミクロフィブリル化セルロース、新しいセルロース製品:特性、用途、及び商業的可能性(Microfibrillated cellulose, a new cellulose product:Properties, uses, and commercial potential.)」、J.Appl.Polym.Sci.:Appl.Polym.Symp.、37、813.)、及び「Marielle Henriksson(博士号論文2008−KTH、ストックホルム、スウェーデン:セルロースナノフィブリル網状組織並びに複合材、調製、構造及び特性(Cellulose Nanofibril Networks and Composites, Preparation, Structure and Properties))により、0.5%の酵素で前処理し、次いでマイクロフルイダイザー中で均一にした溶解パルプから製造されたセルロースナノフィブリルは、DP580を有した)。
上記の製品MFCは、それらが製造された元のパルプ繊維と比較して低いアスペクト比の比較的短い小片の枝分かれしたフィブリルから成る。それらは、普通は1マイクロメートルよりはるかに短いが、いくつかは最大数マイクロメートルまでの長さを有することができる。
上記の及び以下の特許に記載されているミクロフィルブリル化セルロース又はナノフィブリルセルロースは、本発明において超填料含有シートの補強のために使用することができる:US4,374,702、US6,183,596、US6,214,163、US7,381,294、JP58197400、JP62033360、US6,183,596、US6,214,163、US7,381,294、WO2004/009902、及びWO2007/091942。しかしながら、最も好ましい補強成分は、2010年5月11日に出願されたHuaらのUSSN61/333,509に従って製造されたセルロースナノフィラメント(CNF)である。このCNFは、個々の微細フィラメント(マイクロ材料及びナノ材料の混合物)から成り、上記の特許に開示されているNFC及びMFCよりはるかに長い。このCNFの長さは、一般的には100マイクロメートルを超え、最大数ミリメートルであり、それにもかかわらず、約30〜500ナノメートルの非常に狭い幅を有しており、したがって非常に高いアスペクト比を有することができる。これらの材料は、紙の補強に対して(湿潤ウェブ及び乾燥紙の強度を改善するため)並外れて効果的であることが見出された。1〜5%といった少量のこのCNFの紙パルプへの導入が、シートの繊維間の凝集力、引張り強度、伸び、及び剛性を大幅に改善した。それ故、長い繊維のフィブリル化及び高表面積のセルロースフィブリル特にCNFの適用は、超填料含有紙の補強のために非常に有用であり得る。
本発明によって達成されるシートの填料レベルは、フィブリル化された長繊維及びセルロースフィブリルの割合、バインダーのタイプ、その使用量及び適用の様式に大いに依存する。本発明で使用される好ましいフィブリル化された長繊維は、針葉樹クラフトパルプ、針葉樹サーモメカニカルパルプ又はそれらのブレンドであり得る。小さい画分のその他の最適化された長繊維、例えば、適切な長さ及びフィブリル化レベルに加工する必要のある麻、ケナフ麻、綿、レーヨン又は合成ポリマー繊維等も、いくつかの機能特徴を超填料含有製品に与えるために針葉樹パルプ繊維と共に加えることもできる。最も好ましいフィブリル化された長繊維は、スーパーカレンダー処理紙グレードの製造で通常使用される漂白した針葉樹サーモメカニカルパルプ、及び高いコンシステンシーの又は低いコンシステンシーのリファイナーのいずれにおいても繊維の短縮の無い外側フィブリル化を生み出す既知の製紙精製条件を用いることによって製造される漂白された針葉樹クラフト繊維のような容易に入手できる十分に発達したそれらの繊維である。米国特許第6,336,602号(Miles)に記載されているように低い強度の精製によって製造された高フィブリル化サーモメカニカルパルプは、従来の精製方法より多量のエネルギーを加えて繊維切断の代わりに繊維発達を促進することを可能にする。
本発明の手順は、以下のステップを実施することによって商業的に応用することができる。2〜4%のコンシステンシー及び20〜60℃の温度の混合するフィブリル化された長繊維/セルロース繊維(例えばCNF等)に、好ましくはアニオン性化学分散剤無しで製造されたある量の填料即ち沈殿炭酸カルシウム又はジプサムを加え、混合を続ける。いくらかの填料粒子は、フィブリル表面に吸着する傾向があるが、填料の大部分は水に分散したままである。その混合物は、次に、アニオン性バインダーによりそのTgより高い温度で処理して繊維表面への填料の固定を完了させる。アニオン性バインダーをそのTgより高い温度で加えると同時に、プロセス水は填料及びバインダー粒子の無い状態になり、填料及びバインダーは両方共セルロース表面に十分に固定されることを示す。好ましいバインダーは、30〜200nm以上の粒径及び−3〜+50℃の範囲のTgを有するBASFのような会社から市販されているアニオン性アクリル樹脂(US2008/0202496A1、Lalegら)である。この処理した水性組成物に、いくらかの共添加剤又は従来型の機能性添加剤、即ち、カチオン性デンプン、キトサン、ポリビニルアミン、カルボキシメチルセルロース、サイズ剤、及び染料又は着色剤を添加することができる。その他の通常の機能性添加剤、例えば、湿潤強度剤及び増量剤(例えば、Eka Chemicalsにより製造された熱可塑性微小球)を添加して、それぞれ、極性の液体と接しているときのシートの耐性及び厚さを制御することもできる。最終用途に応じて、この超填料含有シートは、ポンドサイズプレス等の従来型のサイズプレス、又は従来型のコーターを用いていくつかの特定の特性を生み出すために表面処理をすることができる。この超填料含有紙の表面処理は、最終製品に、高い表面強度と疎水性を与え、また、より多くの填料を導入する。
本発明によって調製された水性組成物は、基本重量が80〜400g/m、好ましくは100〜300g/m、より好ましくは150〜200g/mの範囲の超填料含有シートを従来型の製紙プロセスを用いて製造するために使用することができる。本発明のバインダー処理した水性組成物が抄紙機室に移動されるとき、従来型の製紙プロセス添加剤、即ち、保持助剤系が加えられてシート形成中の填料保持を強化する。この保持助剤系は、カチオン性デンプン、カチオン性ポリアクリルアミド又はカチオン性デンプン若しくはカチオン性ポリアクリルアミドとアニオン性微小粒子等の二重成分系から適切に構成することができる。この微小粒子は、コロイダルシリカ若しくはベントナイト、又は好ましくはアニオン性有機ミクロポリマーであり得る。これらの保持助剤は、抄紙機のヘッドボックス、好ましくはファンポンプの入口又は圧力スクリーンの入口に行く前に完成紙料に添加される。本発明の完成紙料組成物に共添加剤を添加してその後に保持助剤系の導入を続けるのは非常に高い填料保持及び強度の進展を達成するための有効な方法であることが見出されている。本発明の全手順を使用することによって、シート本体の全体重量の90%の高さ、例えば80%、又はそれを超える高さの填料含量を有する紙を製造するためのシート製造中の良好な填料保持及び改良された排水が十分に達せられる。かくして、本発明の典型的な紙は、重量で40%〜80%の填料含量を有することができる。
上で述べたように、沈殿炭酸カルシウムがフィブリル化された長繊維/セルロースフィブリルに添加されるとき、いくらかの粒子はこれらの高い面積の繊維表面に吸着する傾向があるが、大部分の粒子は、水中に分散したままである。アニオン性バインダーが添加されると、それは静電気の若しくは疎水性の相互作用又は水素結合によって填料粒子(これは水溶液中にあるか又は既に繊維表面に固定されている)に最初に吸着し、それらの繊維表面への固定を同時に引き起こす。その混合物をバインダーのTgより高い温度で加熱すると同時に、そのバインダー粒子は填料粒子の表面上に広がり、それらのセルロース繊維表面への完全な固定を引き起こす。この吸着されたバインダー又はラテックスは広がり、填料粒子を繊維表面と一緒に強く結合し、それによって紙複合材料を補強し、その強度及びその他の物理的特性を増大させる。表面強度、紙気孔率及び平滑度が全て改善される。填料及びバインダーのセルロース繊維表面への固定の度合いは、完成紙料コンシステンシー、バインダーの使用量率及びそのTg並びに温度に大きく依存することが見出された。
Tgが−3℃〜50℃の範囲のバインダー、例えば、BASFにより商標Acronal(登録商標)の下で製造されているそのような樹脂シリーズ等が、単独で又は周囲温度及び50℃より上で硬質膜を生じるAcrodur(登録商標)分散液との組合せで、フィブリル化された長繊維/セルロースフィブリル/填料の3%〜10%以上の完成紙料コンシステンシー及びAcronalバインダーのTgより高い温度で水性組成物と混合されるとき、PCC等の全ての填料粒子は、高い表面積のセルロース繊維表面に急速に堆積する傾向がある。この填料及びバインダーの急速な吸着又は固定は、処理した填料スラリーの長時間の高剪断の混合の下でさえも不可逆である。セルロース繊維表面上のこのタイプの粒子の固定は、全ての完成紙料成分を大きなフロックにフロック凝集させる傾向があり、これらのフロックが一般に剪断に非常に敏感で時間に依存しているか、又は混合時間にわたり崩壊するポリマーのフロック凝集剤により得られたものとは非常に異なる。使用される条件下で誘発されるアニオン性バインダー吸着のレベルは、使用される完成紙料、特に両方共アニオン性の化学分散剤無しで製造されたPCC、PCS又はそれらのブレンドの添加によって製造された完成紙料の固体材料(填料及びセルロース)の量1トン当り100kgの高さであり得る。完成紙料組成物のコンシステンシーが高ければ高いほど、バインダーの吸着はより良好であり、セルロース繊維表面上の填料の固定はより大きいことが見出された。上記の誘発されたバインダーの吸着及び填料の固定は、シート製造中の非常に高い填料保持及び改良された排水を引き起こした。例えば、シート製造中に集められた濾過水は、非常に透明であり、バインダー及び填料がシートによく保持されていることを示している。
本発明によるアニオン性バインダーの固定は、PCC、PCS及びカチオン性タルク又はその他のカチオン性填料及び顔料スラリーと共に使用されるときに完全であるが、アニオン的に分散されたGCC、クレー、タルク、TiO等の填料スラリーについては、塩化カルシウム、ジルコニウム化合物(炭酸ジルコニウムアンモニウム、ジルコニウムヒドロキシクロリド)、キトサン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリ(ダドマック)、有機又は無機微小粒子等のカチオン性作用物質がこれらの填料と同様にプレミックスされてアニオン性バインダーのそれらの表面への固定を開始することができ、それらが繊維表面に固定されることを引き起こしてより大きいバインダーの固定を可能にする。
以下は、本発明のパルプ完成紙料の水性組成物を形成する成分の説明である。
フィブリル化された長繊維:本発明の超填料含有シート又はアイテムの製造で使用するための好ましいフィブリル化された長繊維は、従来型の外部からフィブリル化された針葉樹クラフト繊維、漂白した針葉樹サーモメカニカルパルプ、漂白した針葉樹ケミサーモメカニカルパルプ、又はそれらのブレンドであり得る。好ましい針葉樹クラフトパルプは、カナダ標準濾水度(CSF)値が外部フィブリル化に有利であり繊維切断の無い高いコンシステンシーのディスクリファイナー又は低いコンシステンシーのディスクリファイナーを用いて50〜400mL、一例として200〜400mLの低さまで精製したものである(Colin F.Baker、Tappi Journal、Vol.78、N0.2−147〜153頁、その教示は参照により本明細書に組み込まれている)。CSFは、シート製造中のパルプ排水速度を予測するために当業界によりインデックスとして使用される。その数字が小さければ小さいほど繊維は精製されており、したがって排水速度はより遅い。その他の好ましいパルプは、スーパーカレンダー処理紙の製造のために加工がされており、30〜60mLの低さのCSF値を有するものと類似した十分に開発された漂白したサーモメカニカルパルプ(Milesの米国特許第6,336,602号、その教示は参照により本明細書に組み込まれている)である。綿、レーヨン又はいくつかの一年生植物等の非木材源繊維の小画分を最終製品のいくつかの特別な特性を高めるために組成物に使用することもできる。本発明の組成物においてこれらの長繊維を効果的に使用するために、それらは適切に加工してそれらの長さを5〜10mmの範囲に減少させ、好ましくは外部フィブリル化を生み出すために、その教示が参照により本明細書に組み込まれているColin F.Baker(Tappi Journal、Vol.78、N0.2−147〜153頁)にしたがって精製する。
セルロースフィブリル:任意のセルロース系フィブリル、例えば、CNF、MFC又はNFCが、本発明において使用され得る。しかしながら、好ましいフィブリルは、両方の教示共、参照により本明細書に組み込まれている上記のHuaらのUSSN61/333,509に記載されているCNF、及び、J.Appl.Polym.Sci. Appl.Polym.Symp.、37、813に記載されているMFCのものである。セルロースフィブリルのフィブリル化された長繊維部分に対する割合は、0〜50%まで変化させることができる。本発明によって使用されるフィブリル化された長繊維及びセルロースフィブリルは、それらの表面を化学物質、特にカチオン性又はアニオン性官能基を有するポリマー又は樹脂によって変性することによってさらに良くすることができる。これらの化学物質の例は、キトサン、ポリビニルアミン、カチオン性デンプン、カチオン性ポリビニルアルコール、カチオン性スチレン無水マレイン酸、カチオン性ラテックス、カルボキシメチルセルロース及びポリアクリル酸である。
填料:本発明で使用するための填料は、典型的には、0.1μm〜30μm、より一般的には、1ミクロン〜10ミクロンの範囲の平均粒径を有する無機材料、例えば、クレー、重質炭酸カルシウム(GCC)、チョーク、PCC、PCS、タルク及びそれらのブレンドのような通常の製紙用填料である。好ましい填料は、低レベルのアニオン性化学分散剤無し又は有りで製造されたものである。アニオン性バインダーと共に使用するための最も好ましい無機填料は、それらの商業的スラリー用途で天然に正電荷を持っているもの、例えば、アニオン性化学分散剤無しで加工されたPCC等である。填料のセルロース繊維部分に対する割合は、50%〜90%の範囲で有り得る。この填料は、典型的には、完成紙料の乾燥固形分の重量で50%〜90%以上の量となり、乾燥した紙の重量で、40%〜90%、例えば、40%〜80%等の量となる。本発明の典型的な紙は、乾燥した紙の重量で、50%〜70%まで、又は60%〜80%まで、又は50%〜80%まで又は60%〜70%まで含むことができる。
バインダー:本発明で使用されるバインダーは、界面活性剤の存在下での適切なモノマーの乳化重合によって通常は製造され、その界面活性剤は重合した樹脂粒子上に吸着された状態となる。樹脂(ラテックス)粒子上に外殻を形成する界面活性剤は、しばしば電荷を与える。本発明の重要な実施形態は、アニオン性ラテックス、双性イオン又は両性ラテックス(アニオン性及びカチオン性の両方のサイトを含有している)の使用を伴う。好ましいバインダー分散液としては、アクリルポリマー、スチレン/ブチルアクリレートポリマー、n−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−スチレン及びカルボキシル化スチレン/ブタジエンポリマーが挙げられる。本発明で使用されるバインダーの好ましいTgは、−3℃〜50℃の間で変動し、それらの平均粒径は、30nm〜300nmの範囲である。本発明の最も好ましいアニオン性バインダーは、0〜40℃の範囲のTg及び60nm〜200nmの粒径を有するアクリル系製品である。しかしながら、商標名Acrodur(登録商標)の下でBASFにより上市されているもの等のより高い膜剛性のその他の水性樹脂/バインダー系が、低いTgのAcronal(登録商標)バインダーと組み合わされてより強くよりこわさのある填料含有紙を得ることができる。Acrodur(登録商標)アニオン性分散液は、変性ポリアクリル酸及びポリアルコール架橋剤から成る1成分バインダー系である。フィブリル化された長繊維/セルロースフィブリル/填料のバインダーの使用量(固形分含量に基づく)は、紙1トン当り0.5kg〜100kgの範囲で有り得るが、高い填料添加に対する好ましい使用量範囲は、紙1トン当り10kgと20kgの間である。Acrodur分散液の最も好ましい使用量レベルは、2〜4kg/トンの範囲内である。バインダーの使用量は、実質的に全てのバインダー粒子が填料粒子及び繊維表面に結合された状態になることの要求によって支配される。特に、填料粒子は、繊維表面にバインダーによって不可逆的に結合され、又は填料粒子の塊状凝集体は、繊維表面にバインダーによって不可逆的に結合され、塊状凝集体の場合は、その塊状凝集体を形成している粒子はその塊状凝集体中でバインダーによって不可逆的に結合され得る。
共添加剤:本発明によって製造された水性組成物に、固定、保持、排水、疎水性、色相、かさ、及び結合を改良するために、従来型の製紙用作用物質又は共添加剤、例えば、BASFにより上市されているポリビニルアミン、任意のカチオン性デンプン又は両性のデンプン、カチオン性サイズ剤エマルション、例えば、アルキルケトンダイマー、アルケニル無水コハク酸、スチレン無水マレイン酸、及びロジン等、湿潤強度剤、染料、蛍光増白剤、Eka Nobelによって上市されている熱膨張性の熱可塑性微小球等の増量剤を添加することができる。該完成紙料としては、単独の化学物質、例えば、アニオン性微小粒子(コロイド状ケイ酸、ベントナイト)、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリマー(カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性デンプン)、又は二重化学系(カチオン性ポリマー/アニオン性微小粒子、カチオン性ポリマー/アニオン性ポリマー)等で有り得る従来型の保持助剤系を挙げることができる。好ましい保持助剤系は、カチオン性ポリアクリルアミド及びアニオン性微小粒子の組合せが使用されるKemira及びBASF(及びCiba)によって上市されているものと類似している。
本発明の方法によって製造される水性組成物は、従来型の製紙技術又は成形技術を用いてシートを製造するために使用することができる。即ち、製品は成型用フォーミングファブリック又はスクリーン上で水分を抜かれ、乾燥され、最終的にカレンダー処理された水性組成物から形成される。その乾燥超填料含有紙は、従来型のサイズプレス又はコーター上で表面処理してさらなる表面特性を与えることができる。
量の%に対する本明細書での言及は、別段の断りのない限り重量による%として理解されたい。
針葉樹クラフトパルプ及び針葉樹サーモメカニカルパルプを精製することによって製造された本発明に従って使用される典型的なフィブリル化された針葉樹クラフト長繊維(CSF250ml)及び針葉樹の漂白したサーモメカニカルパルプ(TMP)繊維(CSF50ml)を示す走査型電子顕微鏡(SEM)画像の図である。 HuaらのUSSN61/333,509に従って製造された薄くて長いフィブリルから成るCNFのSEM画像を示す図である。 本発明の水性組成物を特定の実施形態において適用するためのプロセスを概略的に図解している図である。 濾水度50mLの漂白したサーモメカニカルパルプでできているフィブリル化された繊維の表面に凝集して固定されたPCC粒子のSEM画像を示す図である。 濾水度50mLの漂白したサーモメカニカルパルプでできているフィブリル化された繊維の表面に凝集して固定されたPCC粒子の図4のSEM画像であるが、試料を動的排水ジャー中750rpmで1分間剪断混合にかけた後のものを示す図である。 本発明により製造された高填料含有シート(81%PCC)の表面の2つの拡大レベル、500μm及び100μm、におけるSEM画像を示す図である。このシートの表面画像は、繊維成分及び填料成分の分布を示している。 図6aの高填料含有シートの断面の2つの拡大レベルにおけるSEM画像を示す図である。この断面の画像は、針葉樹クラフトパルプのフィブリル化された長繊維とCNFのセルロースフィブリルとの混合物の表面にAcronalバインダーにより凝集させて固定したPCC粒子を示す。 湿潤固形分含量50%における本発明の超填料含有の乾燥させないシートの湿潤ウェブの強度をグラフで示している図である。これらのシートは、実験用抄紙機により800m/分で製造された。
(図面の詳細な説明)
図1及び2についてさらに言及すると、薄幅のフィブリル化された長繊維及びセルロースフィブリルは、材料の単位質量当りの高い柔軟性及びより大きい結合面積を可能にする。高い長さ及び高い表面積は、填料含有紙複合材料の高い引張り強度及びこわさのためのより良好な絡み合い及び結合のサイトの発現を可能にする。本発明のフィブリル化された長繊維及びセルロースフィブリルの表面積の重量に対する高い比率は、強い超填料含有シートを製造するために非常に有用であることが見出されている。
図3についてさらに言及すると、異なる基本重量及び填料含量のシート又はアイテムが、以下の手順によって該水性組成物から製造され得る。フィブリル化された長繊維/填料組成物に、セルロースフィブリル即ちCNF、MFC、又はNFCの非存在下又は存在下で、アニオン性バインダー分散液(Acronal及び/又はAcrodur)及び従来型の共添加剤を加える。上記のHuaらのUSSN61/333,509の発明によって製造されたセルロースフィブリルCNF又は前述の参照文献によって製造されたMFC若しくはNFCが、そのままで又はカチオン性若しくはアニオン性成分によって変性されて使用され得る。シート製造の前に、カチオン性ポリアクリルアミド及びアニオン性ミクロポリマーから成る保持助剤系が加えられる。この形成された填料含有生成物は従来の方法を用いてさらに表面処理をすることができる。
図3は、完成紙料タンク12、機械室14、及び抄紙機16を有する装置10を示している。完成紙料タンク10は、フィブリル化された長繊維用の吸い込み管路18、填料スラリー用の吸い込み管路20及びアニオン性バインダー用の吸い込み管路22、並びにCNF等のフィブリル用の任意の吸い込み管路24を有する。管路26は、完成紙料タンク12を機械室14と連絡させている。抄紙機白水用の希釈管路28は、管路26と連絡している。管路30は、機械室14を抄紙機16と連絡させている。共添加剤用の任意の吸い込み管路32は、機械室14と連絡している。製紙用の従来型の機能性添加剤のための任意の管路34は、管路30と連絡している。従来型の保持助剤系のための任意の管路36は、抄紙機16と連絡している。超填料含有シート38は、抄紙機16から出て任意の表面処理40に移動することができる。
完成紙料は、完成紙料タンク12で形成されて、共添加剤がその完成紙料に導入されてもよい機械室14に供給され、そこから超填料含有シート38を製造する製紙のための抄紙機16に供給される。
図4及び5についてさらに言及すると、Tg=3℃のAcronalバインダー(樹脂)の、セルロースフィブリルCNFの非存在下での著しくフィブリル化された針葉樹漂白サーモメカニカルパルプ/PCC填料の水性組成物への添加は、填料の優れた固定を可能にしてシート製造中の高い填料保持をもたらした。このアプローチを用いて、例えば2:1の填料:繊維の比率の著しく高レベルの固定されたPCC填料粒子を有するパルプが製造された。この水性配合物から製造された超填料含有シートは、良好な強度、こわさ、気孔率及びZ方向の填料の分布を有する。
図6a及び6bのSEM画像(表面aと断面b)についてさらに言及すると、シートは、81%のPCC填料により製造された。Tg=3℃のAcronalバインダー(樹脂)の、フィブリル化された長繊維の針葉樹クラフトパルプ/セルロースフィブリルCNF/PCC填料の50/50の混合物の水性組成物への添加は、小さい割合の繊維表面上への填料の完全な固定を可能にした。凝集したPCC粒子は、セルロース及びフィルム形成性バインダーから成る基質によって十分に結合された。
図7についてさらに言及すると、これは、本発明の処理技術無し及び有りで得られた湿潤ウェブの強度の値を示している。前に述べたように、湿潤ウェブの強度は、超填料含有シートを製造する抄紙機の操業性に対して非常に重要である。超填料含有シートの湿潤ウェブ強度に対するバインダーの影響を判断するために、実験用抄紙機の試験を以下の条件を用いて行った。70%の十分に開発された針葉樹漂白サーモメカニカルパルプ(CSF=50mL)/30%の精製された針葉樹漂白クラフトパルプ(CSF:350mL)から成るフィブリル化された長繊維でできている水性組成物を70%のPCCとブレンドし、次いでその混合物をTgが0℃の0.5%のAcronal(商標)バインダーにより処理した。その完成紙料の混合温度は50℃であった。そのバインダー処理した組成物に次の共添加剤:0.12%のBASF製のポリビニルアミン(PVAm)及び1.2%のカチオン性デンプンを加え、続いて、二重保持助剤系(0.04%カチオン性ポリアクリルアミド/0.03%アニオン性ミクロポリマー)を加えた。この完成紙料は、ツインワイヤ実験用抄紙機により800m/分のスピードで75〜90g/mの範囲の基本重量及び最大50%までの填料含量の紙を製造するために成功裏に使用された。比較のため、高填料含有シートを、バインダー及び共添加剤の非存在下で同様に製造した。図7に示されているように、バインダーの存在は、湿潤ウェブの強度を著しく改善した。この改善は、より高い填料含量でより多大であった。
本発明の方法は、以下の説明用の実施例によって最もよく説明され理解され得る。実施例において、その結果は、実験室規模の技術及び実験用抄紙機試験の両方を用いて得た。
(例1)
実験用抄紙機試験中に製造された図6a及び6bの紙サンプルを市販の良質紙(コピーグレード)と比較した。高填料含有シートは、わずか20%の填料を有するクラフトパルプから製造された典型的な良質紙のものと同様の強度及びこわさを有した。表1は、試験結果を示す。全ての化学物質の%使用量は、乾燥材料の重量に基づく。
(例2)
超填料含有シートの湿潤ウェブ強度をさらに改良するため、セルロースフィブリルCNFを完成紙料組成物中に組み込んだ。1つの実験室の実験において、CNFは、HuaらのUSSN61/333,509に従って製造した。このCNFをキトサン(海の貝殻から抽出された天然のカチオン性線状ポリマー)の表面吸着を可能にするようにさらに加工した。キトサンの全吸着はCNFの質量に基づいて10%近くであった。この方法で処理したCNFの表面は、カチオン性電荷及び一級アミノ基を持ち、60meq/kgの表面電荷を有した。この表面変性したCNFは、次に良質紙完成紙料中に2.5%の使用量で混合した。この完成紙料は、40%の漂白したクラフトパルプ(針葉樹:硬材=25:75、CSF230mlまで精製)及び60%のPCCを含有する。50%のPCCを含有する手すきシートを平方メートル当り8グラムの乾燥重量基準で用意した。比較のため、手すきシートを、CNF無しで同じ完成紙料により製造した。CNFの非存在下では、50%固形分で得られた湿潤ウェブは、23mJ/gのTEAインデックスを有するのみであった。2.5%のCNFの存在下では、そのTEAは、対照のそれの3倍を超える75mJ/gまで改良された。
(例3)
50/50の漂白した針葉樹クラフトパルプ/CNFを80%のPCCとブレンドした。そのCNFは、上記のHuaらのUSSN61/333,509の記述に従って製造した。漂白した針葉樹クラフトパルプも、CNFの存在下及び非在下で80%のPCCと同様にブレンドした。その漂白した針葉樹クラフトパルプは、低いコンシステンシー(4%)のリファイナー中で350mLのCSFまで精製した。各完成紙料のコンシステンシーは10%であった。T=3℃のAcronal樹脂を、1%の使用量で、50℃に予備加熱されたそれぞれの混合完成紙料に加えた。次いで、共添加剤、0.5%ポリビニルアミン(PVAm)、続いて3%の加熱されたカチオン性デンプンを、処理した完成紙料に導入した。10分間混合した後、保持助剤系(0.02%のCPAM及び0.06%のアニオン性ミクロポリマー)を導入し、60/86メッシュの製紙用フォーミングファブリックを備えた従来型の動的排水ジャーを用いて保持率を測定し、完全試料を750rpmで剪断した。比較のため、保持率は、保持助剤の導入無しでも測定した。CNFの非存在下では、PCC保持率は50%のみであった。CNFの存在下では、PCC保持率は95%を超え、CNFがPCCの保持に非常に好ましい効果を有することを示した。
(例4)
押出し法及びカレンダー処理法によって製造された市販のストーンペーパーシート(単層及び3層)を本発明の超填料含有シートと比較するために試験した。その結果は、表2a及び2bに示されている。

本発明の紙シート(150g/m)は、CNFの導入無し及び有りで、動的シート成形機を用いて最大80%までのPCCを含有する水性組成物から調製された。その組成物には、1%のAcronalバインダーが添加された。上記のHuaらのUSSN61/333,509の発明に従って製造したCNFは、それを正に帯電させるためにポリビニルアミン(PVAm)で変性された。その水性組成物の温度は、50℃であった。そのバインダー処理した完成紙料に共添加剤のカチオン性デンプンが3%の使用量率で加えられ、混合が10分間続けられ、次いで保持助剤が導入された。カチオン性ポリアクリルアミド及びアニオン性ミクロポリマーから成る二重保持助剤(RA)系が使用され、その後シートが製造された。全ての実験に対して、カチオン性ポリアクリルアミド及びアニオン性ミクロポリマーの使用量は、0.02%及び0.06%であった。形成された湿ったウェブは、実験室ロールプレスでプレスされ、次いで写真用のドライヤーにより105℃で乾燥された。試験する前に、その乾燥したシートは、50%RH及び23℃の部屋で24時間にわたって調整された。
150g/mの高填料含有シートを製造する実験のため使用されたパルプ繊維は、精製された針葉樹漂白クラフトパルプBSKP(CSF=350mL)であり、填料スラリーは、Specialty Minerals Inc.により供給されたPCC HO偏三角面体の構造物(Scalenohydral structure)であった。これらの実施例を通して使用されたPCCスラリーは、20%のコンシステンシー及び1.4μmの平均粒径を有する。
高填料含有シート(単層又は3層)の結果は、表2c及び2dに示されている。
最終完成紙料を製造するため及び高填料含有シートを製造するための成分添加の順序は以下に記載されている:
A:(75%PCC/25%rBSKP)+1%Acronalバインダー+0.5%PVAm+3%CS+RA;
B:(75%PCC/10%CNF/15%rBSKP)+1%Acronalバインダー+0.5%PVAm+3%CS+RA;
C:(75%PCC/15%CNF/15%rBSKP)+1%Acronalバインダー+0.5%PVAm+3%CS+RA。
最終完成紙料を製造するため及び高填料含有シートを製造するための成分添加の順序は以下に記載されている:
E:上層及び下層:(70%PCC/30%rBSKP)+1%Acronalバインダー+0.5%PVAm+3%CS;
中間層:(75%PCC/25%rBSKP)+1%Acronalバインダー+3%CS;
F:上層及び下層:(70%PCC/10%CNF/20%rBSKP)+1%Acronalバインダー+0.5%PVAm+3%CS;
中間層:(75%PCC/10%CNF/15%rBSKP)+1%Acronalバインダー+3%CS;
G:上層及び下層(85%PCC/15%CNF)+1%Acronalバインダー+0.5%PVAm+3%CS;
中間層:(75%PCC/10%CNF/15%rBSKP)+1%Acronalバインダー+3%CS。
本明細書における全ての百分率%は、別段の断りのない限り、重量による。

Claims (37)

  1. フィブリル化された長繊維、無機填料粒子及びアニオン性バインダー粒子を水性ビヒクル中に含む製紙用パルプ完成紙料であって、該無機填料粒子が、全固形分に基づいて重量で40%〜90%の量であり、該アニオン性バインダー粒子が、全固形分に基づいて重量で紙1トン当り0.5kg〜100kgの範囲であり、水性ビヒクル中に固定されていない無機填料粒子及びバインダー粒子が存在しなくなるように、該アニオン性バインダー粒子によって該繊維上に該無機填料粒子が完全にかつ不可逆的に固定されている、上記パルプ完成紙料。
  2. 更にセルロースフィブリルを含み、該セルロースフィブリルがセルロースナノフィラメント(CNF)、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)、及びナノフィブリルセルロース(NFC)の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の製紙用パルプ完成紙料。
  3. 前記セルロースフィブリルが、200μm〜2mmの長さ及び30nm〜500nmの幅を有するセルロースのナノフィラメントを含む、請求項2に記載の製紙用パルプ完成紙料。
  4. 重量で最大10%までの固形分の全コンシステンシーを有する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の製紙用パルプ完成紙料。
  5. 前記フィブリル化された長繊維が、CSF50〜400mLの針葉樹化学繊維を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の製紙用パルプ完成紙料。
  6. 前記フィブリル化された長繊維が、CSF30〜60mLの針葉樹サーモメカニカル繊維を含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の製紙用パルプ完成紙料。
  7. アニオン性バインダーのTより高い温度を有する、請求項1から6までのいずれか一項に記載の製紙用パルプ完成紙料。
  8. 前記無機填料粒子及びアニオン性バインダーが、アニオン性バインダーのTより高い温度で前記フィブリル化された長繊維及びセルロースフィブリルの表面に固定される、請求項2から7までのいずれか一項に記載の製紙用パルプ完成紙料。
  9. 前記無機填料粒子及びアニオン性バインダーが、アニオン性バインダーのTより高い温度で前記フィブリル化された長繊維の表面に固定される、請求項1に記載の製紙用パルプ完成紙料。
  10. 前記無機填料粒子が、前記アニオン性バインダーにより繊維及びセルロースフィブリルの表面に結合される、請求項2から8までのいずれか一項に記載の製紙用パルプ完成紙料。
  11. 前記無機填料粒子が、前記アニオン性バインダーにより繊維の表面に結合される、請求項1又は9に記載の製紙用パルプ完成紙料。
  12. 共添加剤をさらに含む、請求項1から11までのいずれか一項に記載の製紙用パルプ完成紙料。
  13. 紙を製造するプロセスであって、
    a)フィブリル化された長繊維、無機填料粒子及びアニオン性バインダー粒子を水性ビヒクル中に含み、前記無機填料粒子が、全固形分に基づいて重量で40%〜90%の量であり、該アニオン性バインダー粒子が、全固形分に基づいて重量で紙1トン当り0.5kg〜100kgの範囲である、水性製紙用完成紙料を形成するステップ、
    b)該完成紙料を混合し、次いで該完成紙料をアニオン性バインダーのTより高い温度にさらして、アニオン性バインダーにより無機填料粒子を繊維の表面上に完全にかつ不可逆的に固定するステップ、
    c)完成紙料を、スクリーンを通して排出してシートを形成するステップ、及び
    d)シートを乾燥するステップ
    を含む上記プロセス。
  14. a)又はb)において共添加剤及び保持助剤系を前記完成紙料に添加することを含む、請求項13に記載のプロセス。
  15. e)乾燥シートの表面処理をポンドサイズプレス、計量サイズプレス又はコーターを用いて行うステップ
    をさらに含む、請求項13又は14に記載のプロセス。
  16. 更にセルロースフィブリルを含む、請求項13から15までのいずれか一項に記載のプロセス。
  17. 前記セルロースフィブリルがセルロースナノフィラメント(CNF)、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)、及びナノフィブリルセルロース(NFC)の少なくとも一つを含む、請求項16に記載のプロセス。
  18. 前記セルロースフィブリルが、200μm〜2mmの長さ及び30nm〜500nmの幅を有するCNFを含む、請求項17に記載のプロセス。
  19. a)における前記無機填料粒子が、全固形分に基づいて重量で50%〜90%の量である、請求項13から18までのいずれか一項に記載のプロセス。
  20. a)における前記完成紙料が、重量で最大10%までの固形分の全コンシステンシーを有する、請求項13から19までのいずれか一項に記載のプロセス。
  21. 前記フィブリル化された長繊維が、CSF50〜400mLの針葉樹化学繊維を含む、請求項13から20までのいずれか一項に記載のプロセス。
  22. 前記フィブリル化された長繊維が、CSF30〜60mLの針葉樹サーモメカニカル繊維を含む、請求項13から21までのいずれか一項に記載のプロセス。
  23. 前記アニオン性バインダーが、水性分散液として、a)における、アニオン性バインダーのTより高い温度を有する前記完成紙料中に組み込まれる、請求項13から22までのいずれか一項に記載のプロセス。
  24. a)における前記完成紙料が、剪断の下で、コーティング及び無機填料粒子の凝集並びに繊維及びフィブリル上への堆積を同時に伴いながら混合される、請求項13から23までのいずれか一項に記載のプロセス。
  25. フィブリル化された長繊維の基質、無機填料粒子及びアニオン性バインダー粒子を含む紙であって、該無機填料粒子が、重量で紙の40%〜90%の量であり、該アニオン性バインダー粒子が、全固形分に基づいて重量で紙1トン当り0.5kg〜100kgの範囲であり、前記無機填料粒子はアニオン性バインダー粒子によって該繊維の表面に完全にかつ不可逆的に固定されている上記紙。
  26. 前記無機填料粒子が、重量で紙の40%〜80%の量である、請求項25に記載の紙。
  27. 更にセルロースフィブリルを含む請求項25又は26に記載の紙であって、前記無機填料粒子及びアニオン性バインダーが前記繊維及び該セルロースフィブリルの表面に固定されている、上記紙。
  28. 前記無機填料粒子が、アニオン性バインダーにより前記繊維及びセルロースフィブリルの表面に結合されている、請求項27に記載の紙。
  29. 前記無機填料粒子が、アニオン性バインダーにより前記繊維の表面に結合されている、請求項25又は26に記載の紙。
  30. 前記セルロースフィブリルが、セルロースナノフィラメント(CNF)、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)、及びナノフィブリルセルロース(NFC)の少なくとも一つを含む、請求項27又は28に記載の紙。
  31. 前記セルロースフィブリルが、200μm〜2mmの長さ及び30nm〜500nmの幅を有するCNFを含む、請求項30に記載の紙。
  32. 前記無機填料粒子が、重量で50%〜70%、又は60%〜80%の量である、請求項25から31までのいずれか一項に記載の紙。
  33. 前記フィブリル化された長繊維が、CSF50〜400mLの針葉樹化学繊維を含む、請求項25から32までのいずれか一項に記載の紙。
  34. 前記フィブリル化された長繊維が、CSF30〜60mLの針葉樹サーモメカニカル繊維を含む、請求項25から32までのいずれか一項に記載の紙。
  35. 80g/m〜400g/mの範囲の基本重量を有する、請求項25から34までのいずれか一項に記載の紙。
  36. 前記基本重量が、100g/m〜300g/mである、請求項35に記載の紙。
  37. 前記基本重量が、150g/m〜200g/mである、請求項35に記載の紙。
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