JP6169202B1 - 沈砂処理システム - Google Patents
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Abstract
Description
上記問題を解決するものとして、特許文献1に記載される技術が提案されている。特許文献1では、沈砂とごみを分別する分別板を流水トラフ内に配し、沈砂とごみの比重差を用いて、沈砂のみを選別する構成が開示されている。
また、特許文献1には、給水ポンプを2台備えると共に、流水トラフの排出口に接続される切替ダンパーを有する構成が記載されている。そして、切替ダンパーは、沈砂排出口及びごみ排出口の分岐部に切替弁を有し、この切替弁をごみ排出口側とし、且つ給水ポンプ1台のみを駆動することで、流水トラフの底部に沈殿する沈砂は流水トラフ内部に留まり、比重の小さいごみのみを、ごみ排出口へ搬送する。他方、切替弁を沈砂排出口側へ切り替え、2台の給水ポンプを共に稼働することで、流水トラフ内での流速を高め、流水トラフの底部に存在する沈砂のみを、沈砂排出口へ搬送する構成が開示されている。
そこで、本発明は、沈砂とごみとを省エネルギーにて良好に分別可能な沈砂処理システムを提供する。
また、本発明の沈砂処理システムは、揚砂ポンプにより沈砂池の底部に沈殿する沈砂及びごみを含む被処理水を導入する導入管と、前記被処理水の導入方向と平行に設けられた越流堰と、前記越流堰を越流後の被処理水を前記沈砂池へ返送する返送管と、前記被処理水を流水トラフへ移送する移送管と、を有するバッファタンクと、
前記移送管を介して流入する前記被処理水に含まれる沈砂とごみとを比重差に基づき分別する分別板を有する流水トラフと、を備えることを特徴とする。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
本実施例の沈砂処理システム1は、揚砂ポンプ3、バッファタンク2、及び分別板を有する流水トラフ4を備える。なお、上述のように、沈砂池内に既設の揚砂ポンプ3に対し、分別板を有する流水トラフ4及びバッファタンク2を新たに設置する場合においては、本実施例の沈砂処理システム1は、分別板を有する流水トラフ4及びバッファタンク2により構成される。
図2の上図は、バッファタンク2の上面図であり、上面図に示すように、バッファタンク2の上面25eには、上述の揚砂ポンプ3により汲み上げられた沈砂及びごみを含む被処理水をバッファタンク2内へ導入する導入管21と、排気口24が配されている。排気口24は、大気に連通しており(大気と連通可能であり)、例えば、揚砂ポンプ3の稼働により導入管21を介してバッファタンク2内へ鉛直方向に流入(流下)する被処理水による、バッファタンク2内の圧力上昇を低減するため、バッファタンク2内の空気を外部へ排気する。なお、排気口24は、揚砂ポンプ3の停止時においては、外部より空気をバッファタンク2内へ給気する給気口としても機能する。
なお、揚砂ポンプ3の仕様及び運転条件が同一である場合、揚砂ポンプ3により汲み上げられ、導入管21からバッファタンク2へ流入する沈砂及びごみを含む被処理水の流入水量Qinは、沈砂池内の水位が高いほど増大する。
図2の縦断面図に示すように、越流堰26の高さH1に対し、沈砂池内に設置される揚砂ポンプ3の仕様は既知であり、揚砂ポンプ3を通常運転した場合の越流堰26を越流する被処理水の水位と越流堰26の高さH1との差分h2、仮に、移送管23内を通流する被処理水中の沈砂により目詰まりが生じると、移送管23が閉塞する場合がある。仮に、移送管23が目詰まり又は閉塞した場合を考慮すると、全量越流し、全量越流時の水位と越流堰26の高さH1との差分はh1となる。また、流水トラフ4内の水位と揚砂ポンプ3を通常運転した場合の越流堰26を越流する被処理水の水位との差分h3とする。また、移送管23の口径は、小さすぎると移送管23内を通流する被処理水中の沈砂により目詰まりが生じる可能性があることから、移送管23の口径は、例えば、80mm以上とすることが望ましい。
移送管23及び導入管21の口径を共に80mm、返送管22の口径を150mm、越流堰26の高さH1を420mm、揚砂ポンプ3による被処理水のバッファタンク2への流入流量を1.0m3/minとしたとき、被処理水が全量越流することは無く、差分h2は30〜50mm、差分h3は370〜390mmであり、移送管23内を流水トラフ4へと通流する被処理水の流速は2.3m/secであり、流量は0.7m3/minであり、返送管22を流れる流量(越流流量)は0.3m3/minであった。
仮に、揚砂ポンプ3よりバッファタンク2への沈砂及びごみを含む被処理水の流入量を一定とした場合、移送管23を介して流水トラフ4へ流入する被処理水の流量及び流速は、越流堰26の高さ及び移送管23の口径に基づき決定される。従って、移送管23の口径を所望の値、望ましくは上述の通り、例えば、80mm以上とすれば、越流堰26の高さH1を適宜設定することにより、移送管23を介して流水トラフ4へ流入する沈砂及びごみを含む被処理水の流量及び流速を調整することが可能となる。
例えば、越流堰26の高さH1が低いほど、差分h3は小さくなり、移送管23を介して流水トラフ4へ流入する被処理水の流速は低下する。換言すれば、越流堰の高さH1を調整或は所望の値とすることで、移送管23を介して流水トラフ4へ流入する被処理水の流量を、給水ポンプ等の電力消費機器を用いることなく、調整することができる。
また、バッファタンク2に設けられた移送管23の口径及び越流堰26の高さH1により、移送管23を介して流水トラフ4に流入する被処理水の流量及び流速を調整できることから、メンテナンスフリーを実現できる。
なお、本実施例では、一例として、流水トラフ4の幅方向に傾斜し設置される分別板41を示したが、分別板41の構造はこれに限られるものではない。流水トラフ4内を流れる被処理水に含まれる沈砂とごみの比重差に基づき、これら沈砂とごみとを分別可能な構成であれば、如何なる構成としても良い。
また、図6に示すように、バッファタンク2の第1の側壁25に設けられた移送管23は、流水トラフ4の内部へと突出するよう配されている。なお、導入管21を介してバッファタンク2へ流入し、バッファタンク2内を流れる沈砂及びごみを含む被処理水の流れについては、上述の図2及び図3と同様であるため、ここではその説明を省略する。
また、本実施例によれば、バッファタンクに設けられた移送管の口径及び越流堰の高さにより、移送管を介して流水トラフに流入する被処理水の流量及び流速を調整できることから、メンテナンスフリーを実現できる。
更にまた、上述のとおり、バッファタンクを構成する第2の側壁及び第3の側壁を、鉛直方向下方へ向かうに従い移送管へと向かう円弧状の曲面形状とすることで、バッファタンク内に導入される被処理水に含まれる沈砂を滞留させることなく、移送管を介して流水トラフへ被処理水と共に沈砂を良好に流入させることが可能となる。
H11:H12:H13=4:3:3
また、第1越流堰26aの上端部及び第2越流堰26bの下端部は、いずれか一方が凹部形状を有し、他方が凸部形状を有する。そして、これら凹部及び凸部が嵌合することにより、第1越流堰26aと第2越流堰26bとが着脱自在に取り付けられている。また、同様に、第2越流堰26bの上端部及び第3越流堰26cの下端部は、いずれか一方が凹部形状を有し、他方が凸部形状を有する。これら凹部及び凸部が嵌合することにより、第2越流堰26bと第3越流堰26cとが着脱自在に取り付けられている。なお、これら凹部及び凸部は、図8の縦断面図において、奥行方向に連続する形状、或いは、奥行方向に所定のピッチにて離間し間欠的に設けられた形状の何れとしても良い。これにより、仮に、第3越流堰26cを取り外すことにより、越流堰26全体としての高さH1は、H11+H12に低くなり、また、更に、第2越流堰26bを取り外すことにより、越流堰26全体としての高さH1はH11まで低くすることができる。実施例1にて説明したように、越流堰26の全体としての高さH1を低くするほど、流水トラフ4内の被処理水の水位との差分h3は小さくなり、移送管23を介して流水トラフ4へ流入する被処理水の流速を低下させることができる。すなわち、着脱自在の第1越流堰26a、第2越流堰26b、及び第3越流堰26cにより越流堰26を構成することで、沈砂池にバッファタンク2を据え付け後においても容易に越流堰26全体としての高さH1を調整することができ、移送管23を介して流水トラフ4へ流入する沈砂及びごみを含む被処理水の流量及び流速を容易に調整することが可能となる。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、沈砂池にバッファタンクを据え付け後においても、容易に越流堰全体としての高さを調整することができ、移送管を介して流水トラフへ流入する沈砂及びごみを含む被処理水の流量及び流速を容易に調整することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
2・・・バッファタンク
3・・・揚砂ポンプ
4・・・流水トラフ
5・・・流入ゲート
6・・・スクリュー
7・・・流出ゲート
8・・・細目除塵機
9・・・沈砂洗浄機
10・・・垂直コンベヤ
11・・・ホッパ
20・・・沈砂池
21・・・導入管
22・・・返送管
23・・・移送管
24・・・排気口
25a・・・第1の側壁
25b・・・第2の側壁
25c・・・第3の側壁
25d・・・第4の側壁
25e・・・上面
25f・・・底面
26・・・越流堰
26a・・・第1越流堰
26b・・・第2越流堰
26c・・・第3越流堰
27a・・・第1支持部材
27b・・・第2支持部材
27c・・・第3支持部材
27d・・・補強部材
28・・・支持用金具
41・・・分別板
42・・・沈砂排出口
Claims (28)
- 沈砂池の底部に沈殿する沈砂及びごみを含む被処理水を汲み上げる揚砂ポンプと、
上部に配され前記揚砂ポンプからの被処理水を導入する導入管と、前記被処理水の導入方向と平行に設けられた越流堰と、前記越流堰を越流後の被処理水を前記沈砂池へ返送する返送管と、前記被処理水を流水トラフへ移送する移送管と、を有するバッファタンクと、
前記移送管を介して流入する前記被処理水に含まれる沈砂とごみとを比重差に基づき分別する分別板を有する流水トラフと、を備えることを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項1に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰は、前記バッファタンクの底面より立設すると共に所定の高さを有し、
前記返送管と移送管は、前記越流堰を挟んで反対側に配されることを特徴とする沈砂処
理システム。 - 請求項2に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記移送管は、前記バッファタンクの底面付近に配され、前記導入管を介して流入する被処理水のうち、前記越流堰を越流する被処理水を除く被処理水を、前記流水トラフへ移送することを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項2に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記返送管は、前記バッファタンクの底面に配され、前記被処理水の導入方向と平行な鉛直方向へ延在し、
前記移送管は、前記バッファタンクの底面付近に配され、前記被処理水の導入方向に対し直交する水平方向へ延在することを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項3に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰の高さ及び前記移送管の口径に基づき、前記移送管を介して前記流水トラフへ流入する被処理水の流量及び流速が決定されることを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項4に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰の高さ及び前記移送管の口径に基づき、前記移送管を介して前記流水トラフへ流入する被処理水の流量及び流速が決定されることを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項5に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記移送管は、前記バッファタンクの底面付近であって、前記移送管が設置される第1の側壁の略中央部に配され、
前記バッファタンクは、前記第1の側壁の両端部と連続し、相互に対向する第2の側壁及び第3の側壁を有し、前記第2の側壁及び第3の側壁は、鉛直方向下方へと向かうに従い前記移送管へと向かう平面状の傾斜面又は曲面を有することを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項6に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記移送管は、前記バッファタンクの底面付近であって、前記移送管が設置される第1の側壁の略中央部に配され、
前記バッファタンクは、前記第1の側壁の両端部と連続し、相互に対向する第2の側壁及び第3の側壁を備え、前記第2の側壁及び第3の側壁は、前記鉛直方向下方へと向かうに従い前記移送管へと向かう平面状の傾斜面又は曲面を有することを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項7に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記バッファタンクは、前記導入管を介して流入する被処理水によるバッファタンク内の圧力上昇を抑制するため、バッファタンクの上面に大気と連通可能な排気口を有することを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項8に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記バッファタンクは、前記導入管を介して流入する被処理水によるバッファタンク内の圧力上昇を抑制するため、バッファタンクの上面に大気と連通可能な排気口を有することを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項9に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰の高さは、前記流水トラフ内を通流する被処理水の水位よりも高いことを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項10に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰の高さは、前記流水トラフ内を通流する被処理水の水位よりも高いことを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項11に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰は、高さ方向に任意の数だけ分割可能であって、当該分割可能な越流堰は着脱自在であることを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項12に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰は、高さ方向に任意の数だけ分割可能であって、当該分割可能な越流堰は着脱自在であることを特徴とする沈砂処理システム。 - 揚砂ポンプにより沈砂池の底部に沈殿する沈砂及びごみを含む被処理水を導入する導入管と、前記被処理水の導入方向と平行に設けられた越流堰と、前記越流堰を越流後の被処理水を前記沈砂池へ返送する返送管と、前記被処理水を流水トラフへ移送する移送管と、
を有するバッファタンクと、
前記移送管を介して流入する前記被処理水に含まれる沈砂とごみとを比重差に基づき分別する分別板を有する流水トラフと、を備えることを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項15に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰は、前記バッファタンクの底面より立設すると共に所定の高さを有し、
前記返送管と移送管は、前記越流堰を挟んで反対側に配されることを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項16に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記移送管は、前記バッファタンクの底面付近に配され、前記導入管を介して流入する被処理水のうち、前記越流堰を越流する被処理水を除く被処理水を前記流水トラフへ移送することを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項16に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記返送管は、前記バッファタンクの底面に配され、前記被処理水の導入方向と平行な鉛直方向へ延在し、
前記移送管は、前記バッファタンクの底面付近に配され、前記被処理水の導入方向に対し直交する水平方向へ延在することを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項17に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰の高さ及び前記移送管の口径に基づき、前記移送管を介して前記流水トラフへ流入する被処理水の流量及び流速が決定されることを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項18に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰の高さ及び前記移送管の口径に基づき、前記移送管を介して前記流水トラフへ流入する被処理水の流量及び流速が決定されることを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項19に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記移送管は、前記バッファタンクの底面付近であって、前記移送管が設置される第1の側壁の略中央部に配され、
前記バッファタンクは、前記第1の側壁の両端部と連続し、相互に対向する第2の側壁及び第3の側壁を有し、前記第2の側壁及び第3の側壁は、鉛直方向下方へと向かうに従い前記移送管へと向かう平面状の傾斜面又は曲面を有することを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項20に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記移送管は、前記バッファタンクの底面付近であって、前記移送管が設置される第1の側壁の略中央部に配され、
前記バッファタンクは、前記第1の側壁の両端部と連続し、相互に対向する第2の側壁及び第3の側壁を備え、前記第2の側壁及び第3の側壁は、前記鉛直方向下方へと向かうに従い前記移送管へと向かう平面状の傾斜面又は曲面を有することを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項21に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記バッファタンクは、前記導入管を介して流入する被処理水によるバッファタンク内の圧力上昇を抑制するため、バッファタンクの上面に大気と連通可能な排気口を有することを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項22に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記バッファタンクは、前記導入管を介して流入する被処理水によるバッファタンク内の圧力上昇を抑制するため、バッファタンクの上面に大気と連通可能な排気口を有することを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項23に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰の高さは、前記流水トラフ内を通流する被処理水の水位よりも高いことを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項24に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰の高さは、前記流水トラフ内を通流する被処理水の水位よりも高いことを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項25に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰は、高さ方向に任意の数だけ分割可能であって、当該分割可能な越流堰は着脱自在であることを特徴とする沈砂処理システム。 - 請求項26に記載の沈砂処理システムにおいて、
前記越流堰は、高さ方向に任意の数だけ分割可能であって、当該分割可能な越流堰は着脱自在であることを特徴とする沈砂処理システム。
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