JP3681003B2 - 懸濁液分離方法及び懸濁液分離装置並びに沈降水路モジュール、懸濁液分離装置ユニット - Google Patents

懸濁液分離方法及び懸濁液分離装置並びに沈降水路モジュール、懸濁液分離装置ユニット Download PDF

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Description

本発明は、固液分離や油水分離など、懸濁液中に浮遊する懸濁物質を分散媒から分離するための懸濁液分離技術に関し、特に、懸濁液分離槽の面積でなく体積に比例して分離処理液量を大きくすることのできる懸濁液分離技術に関する。
従来から、特に水処理において、懸濁液から懸濁物質を除去する方法として、重力分離による方法が広く知られている(例えば、非特許文献1参照)。水処理の分野で多く使用されているのが、傾斜沈降分離装置である。傾斜沈降分離装置は、沈澱槽内に傾斜板や水平板を挿入すると、板の下面に清澄液が生成し、挿入面積分だけ沈降面積が多くなり、清澄液の生長速度が速くなるという原理を用いている。傾斜沈降分離装置は、板の挿入面積に比例して分離面積を大きくすることができ、水面積負荷を小さくできるので、沈降速度の小さい懸濁粒子の分離が可能となる。
従来の傾斜沈降分離装置は、大きく分けて、横向流式、縦向流式、及び円錐向流式の3種類に分類することができる。横向流式の傾斜沈降分離装置は、水平方向の分散媒の流れの中に傾斜板(又は傾斜管)を挿入するものである(例えば、特許文献1〜3参照)。縦向流式の傾斜沈降装置は、垂直方向の分散媒の流れの中に傾斜板(又は傾斜管)を挿入するものである(例えば、特許文献4〜6参照)。円錐向流式は、円錐形の多段の傾斜板を設け、円錐軸に沿って分散媒を排出又は流入させるものである(例えば、特許文献7〜10参照)。
このうち、円錐向流式は、懸濁液が流れる流路が円錐形であるため、円錐軸に近いほど、傾斜板間の流路内の流速が増す。従って、分散媒の流れの均一化が困難であるため、他の2つの方式に比べて、重力分離による分離効率は劣る。そのため、通常の下水処理場などの水処理施設では、主として横向流式又は縦向流式の傾斜沈降分離装置が用いられている。
縦向流式の傾斜沈降分離装置は、最も早くから実用化されている。この方式は、懸濁液の流れが上に向かうので、密度流による底流れ現象の悪影響を受けにくい。また、沈降スラッジは沈降分離槽の底部に集積するが、この沈降スラッジを一箇所に誘導しやすいので、集泥が容易である。しかしながら、通常の自然沈降分離装置(傾斜板を使用しないもの。非特許文献1参照)と比較すると水面積負荷は小さいものの、横向流式と比較すると水面積負荷は大きくなる。そのため、処理液量に比例した設置面積を必要とする。
横向流式の傾斜沈降分離装置は、傾斜板を垂直方向に多段に積層することにより、水面積負荷を小さくすることが可能である。ただ、この方式では、流入する懸濁液が高濁度の場合、密度流による底流れ現象が顕著となり、下方の分離流路に負荷が集中する問題がある。この場合、下方の分離流路を通って、十分に清澄化されていない懸濁液が短絡的に流出する量が増加し、十分な分離効果が得にくいという問題がある。通常は、密度流の発生を抑えるために、流入・流出整流壁を設けて流れの均一化を図る対策が取られている。
横向流式の傾斜沈降分離装置にも、複数の多段傾斜板の集合体を横向流に沿って多段に配置した方式(特許文献1)、分散媒の流出口の左右に多段傾斜板を配置した方式(特許文献2,3)などの幾つかの方式が考案されている。
図16は複数の多段傾斜板の集合体を横向流に沿って多段に配置した横向流式の傾斜沈降分離装置の構成を表す図である(特許文献1参照)。この方式の傾斜沈降分離装置101では、沈降分離処理を行う被処理液である懸濁液(ここでは、分散媒が水なので、以下「懸濁水」という。)は、フロック形成池103に投入される。フロック形成池103では、フロキュレータ(緩速攪拌装置)102により、懸濁水の緩やかな攪拌が行われる。この過程で、懸濁水中の懸濁物質のフロック(凝集体)が生長し、沈降速度が大きくなる。次に、懸濁水は、上流側整流壁104を通って沈降分離槽105に流入する。沈降分離槽105において、懸濁水は水とフロックとに分離され、清澄化される。そして、清澄化された水は、4段に並べられた傾斜板集合体106を通過した後に、下流側整流壁107を通って流出槽108に流入する。上流側整流壁104及び下流側整流壁107により水流は整流され、密度流の発生が抑制される。流出槽108内の水は、流出槽108の上部から、取水路109に排出される。
傾斜板集合体106は、図16(b)に示すように、多数の傾斜板110が間隔をおいて垂直に積層された構成とされている。この構成により、傾斜板110間に形成される流路111においては、フロックの沈降距離が短くなるため、清澄水の生長が速くなる。流路111底面に堆積したフロックは、傾斜板に沿って流動し、流路111の下方に排出される。排出されたフロックは、沈降分離槽105の底部に沈澱する。
この方式では、傾斜板集合体106を多段化することで、整流効果を高めて密度流の発生を抑えると共に、被処理水の懸濁度に応じて傾斜板集合体106の段数を調節し懸濁物質の分離効率を向上させている。
図17は分散媒の流出口の左右に多段傾斜板を配置した横向流式の傾斜沈降分離装置の構成を表す図である(特許文献2参照)。この方式の傾斜沈降分離装置120では、懸濁水は流入樋121から流入室122へ流入する。そして、懸濁水は、沈降室ブロック123内の分離流路124aを通って清澄化される。そして、流出室126に流入し、流出室126の水面付近中央部に設けられた上側流出樋127及び下側流出樋128から排出される。尚、流出樋をこのように2段にしてあるのは、流出室126水面に浮上するゴミやスカムを上側流出樋127に漉し取るためである。敷地内に効率よく設置するため、流入樋121、流入室122、沈降室ブロック123、整流壁125、及び流出室126は、上・下側流出樋127,128を挟んで左右対称に設置されている。
沈降室ブロック123は、傾斜して垂直方向に一定間隔をおいて多段に積層された沈降板124bの集合体からなる。各沈降板124bの間の空間が角管状の分離流路(沈降室)124aとなっている。個々の分離流路124aを独立とすることによって、沈降面積が増大し分離効率が向上する。
図18は分散媒の流出口の左右に多段傾斜板を配置した横向流式の傾斜沈降分離装置の他の例を表す構成を表す図である(特許文献3参照)。この方式の傾斜沈降分離装置140は、タンク状の沈降分離槽141の内部に、傾斜板集合体142が設けられている。この傾斜板集合体142の中央部には、懸濁水を供給する供給管143と清澄水を排出する排出管144が、一定間隔をおいて交互に多段に積層して配置されている。そして、供給管143と排出管144が配置された線を中心線として、断面への字状の整流板145、補助傾斜板146、及び傾斜板147がそれぞれ一定の間隔をおいてこの順番で上から順に配置された組が、多段に積層されている。
傾斜板147とそのすぐ下部にある整流板145との間に下降流路149が形成されている。下降流路149の頂部には、供給管143が通されており、ここからタンク150内の懸濁水が水中ポンプ151により供給される。供給された懸濁水は、左右に分かれ、下降流路149に沿って下降する。この間に懸濁水中の懸濁物質のフロック(凝集体)は沈降分離される。
一方、当該傾斜板147とそのすぐ上部にある整流板145との間には上昇流路148が形成されている。下降流路149の下端まで流下した懸濁水は、下降流路149の下端出口で急旋回し、この上昇流路148に吸引される。これは、粒径の大きいフロックを慣性力により分離しようとしたものである。上昇流路148の頂部には、排出管144が通されており、この排出管144から清澄水が排出される。上昇流路148は、補助傾斜板146によって中央で上下に二分されている。上昇流路148を二分することにより、沈降距離を短くし、処理流量を確保しつつ沈降速度の遅い微粒子の分離も可能とするように工夫がされている。フロックが分離されて得られる清澄水は、排出管144を通して処理液排出管152へと送られる。
また、上述のような分離板を多段に積層した横向流式の沈降分離装置の中には、分離効率を高めるために傾斜板を水平においた水平板方式も考案されている(特許文献11,12参照)。しかしながら、この方式は、分離板上に堆積する懸濁粒子(スラッジ)の除去が困難であるという課題を有していることから、現在のところあまり使用されていない。
特開昭62−163713号公報 特公昭52−41507号公報 特公昭55−35962号公報 特開平8−112505号公報 米国特許4305819号明細書 特公昭55−37927号公報 特公昭44−623号公報 実開昭52−22373号公報 実公昭44−5491号公報 実公昭56−46806号公報 特開昭54−85474号公報 特開昭54−101562号公報 水処理管理便覧編集委員会編,「水処理管理便覧」,初版,日本国,丸善,1998年9月30日,pp.131−132.
近年、特に、濁水の発生が多い一方で利用可能な土地が少ない都市部においては、下水処理場などの敷地の確保が難しい。そのため、より狭い敷地で多くの懸濁水を沈降分離処理することが要求される。また、下水処理場などは、処理能力向上のために新たに下水処理場を建設することは、周辺住民の同意が得られにくいなどの様々な障害がある。従って、既存の水処理施設内で更に大幅に処理能力を向上させることを可能とする技術が要求されている。また、水処理のための設備費用や労力をできるだけ抑える要請は、常に課題とされている。
更に、最近では、環境保護に対する社会的意識の高まりを背景として、下水処理後の処理水に対する基準に対しても見直しが行われつつある。現在、通常時における処理水のBODの基準値は20〜30mg/lである。一方、降雨時には、雨水により処理水の量が極めて多くなることから、特に明確な基準値は設けられていない。しかしながら、平成16年以降は、降雨時であっても、BODの基準値として70mg/lとすることが既に示されている。更に、平成26年以降は、これを40mg/lにまで引き下げることが方針として示されている。このような社会的な背景のもとで、水処理施設における大幅な処理能力の向上が求められている。
しかしながら、横向流式の傾斜沈降分離装置は、いずれの装置も、既存の水処理施設内に設置しようとした場合、大幅な改修工事が必要であり、設備設置のための時間と費用が嵩むという問題がある。その点、縦向流式の傾斜沈降分離装置は既存の水処理施設における沈降分離槽に追加的に設置するのは容易である。しかしながら、上述のように縦向流式の傾斜沈降分離装置は、その処理水量が沈降分離槽の面積だけに比例する。従って、水処理能力は向上するものの、大幅な水処理能力の向上は望めない。
また、上記従来の多段傾斜板を備えた横向流式の傾斜沈降分離装置は、長時間稼働すると、それぞれの傾斜板間に付着するフロックの量が次第に増加する。従って、定期的な洗浄が必要とされる。その場合、洗浄のために沈降分離槽内の水を抜き取る必要がある。従って、維持・管理・保守作業の効率が悪い点が問題となる。
また、上記従来の多段傾斜板を備えた横向流式の傾斜沈降分離装置を、実際に実用目的で設計しようとすると、なお装置が大型化するという問題がある。例えば、図8に示した傾斜沈降分離装置では、濁水処理能力は、多段に設けられた傾斜板集合体106内の流路111の流線に沿った総延長と流路111の幅との積によって決まる。一方、下水処理設備などでは、常に一定の濁水が流入してくるのではなく、豪雨時などでは、通常時の数十倍もの濁水が流入してくる。従って、傾斜沈降分離装置101の最大処理能力は、かかる豪雨時に予測される濁水の最大流入量を基準として設計しなければならない。そうすると、傾斜板集合体106の数は最大処理能力に合わせて多くする必要がある。その結果、傾斜沈降分離装置101の設備が大型化し、維持・管理・保守作業に多大な労力を必要とする。同様なことが、図9,図10の傾斜沈降分離装置についてもいえる。
そこで、本発明の目的は、第一に、既存の懸濁液処理設備に容易に設置することが可能で、懸濁液の処理能力を大幅に向上させることが可能な懸濁液分離技術を提供することにある。第二に、維持・管理・保守作業が容易であり、装置全体を稼働させながらもこれらの作業を行うことが可能な懸濁液分離技術を提供することにある。第三に、懸濁液の流入量の変化に応じて処理能力を柔軟に変化させることが可能で、装置全体の小型化を図ることが可能な懸濁液分離技術を提供することにある。
本発明に係る懸濁液分離装置の第1の構成は、懸濁液分離槽と別体に構成され、当該懸濁液分離槽内に垂直方向又は水平方向に立体的に配列して設置されており、傾斜した管状であってその一端側が開口している複数の傾斜流路と、前記各傾斜流路の他端側に接続された吸引管と、前記吸引管を介して、前記傾斜流路内に流入する液体を、それぞれの傾斜流路ごとに個別に吸引排出する吸引手段と、を備えていることを特徴とする。
本発明は、懸濁液として、固液混合液や比重の異なる不溶性二液体の混合液(例えば、油水混合液など)に対して、適用することができる。また、本発明においては、前記傾斜流路の下端側を開口し、上端側から前記吸引管を通して、前記傾斜流路内に流入する液体を吸引排出すれば、懸濁液の沈降分離が可能となる。逆に、前記傾斜流路の上端側を開口し、下端側から前記吸引管を通して、前記傾斜流路内に流入する液体を吸引排出すれば、懸濁液の浮上分離が可能となる。傾斜流路に対して吸引管を接続する位置は、それぞれ、処理すべき懸濁液の懸濁物質と分散媒との比重の大小により決められる。
傾斜流路に流入する懸濁液に浮遊する懸濁物質は、傾斜流路を通過する間に、重力により水路底部に沈降(又は水路天井部に浮上)する。そして、水路上部(又は下部)に清澄液が生長する。この清澄液は傾斜流路の上端(又は下端)に接続された吸引管を通して、吸引手段によって排出される。一方、傾斜流路の底部に沈降(又は天井部に浮上)した懸濁物質は、そのまま傾斜流路底部(又は天井部)を伝って傾斜流路下端(又は上端)から排出される。これにより、懸濁液の懸濁物質と分散媒との重力分離がなされる。
上記構成では、各傾斜流路からは、吸引管を通して清澄液が抜き取られる。従って、傾斜流路の長さを短くし、懸濁液分離槽内に数多くの傾斜流路を立体的に設置することができる。これにより、懸濁液分離槽内が多くの傾斜流路の小空間により立体的に区画される。従って、傾斜流路の数をn段m列とすれば、懸濁液分離槽の有効分離面積は約n×m倍となる。そして、各小空間内で清澄液が生長し、生長した清澄液は、吸引管を通して、懸濁液分離槽内の液中から直接抜き取られることになる。その結果、懸濁液の処理能力を大幅に向上させることができる。
さらに、吸引手段は、各傾斜流路ごとに傾斜流路内の液体を吸引排出する。そのため、傾斜流路ごとに個別に液体流速を調節することができる。従って、懸濁液分離槽内の懸濁物質の濃度分布に応じて、各傾斜流路ごとに個別に、懸濁物質と分散媒との重力分離が可能な最大流速で液体を吸引排出することができる。これにより、最大の分離処理効率を得ることができる。
また、上記構成では、傾斜流路は懸濁液分離槽と別体に構成されているため、傾斜流路を個別に懸濁液分離槽内に着脱することができる。各傾斜流路には、各々吸引管が接続されているため、一部の傾斜流路を除去しても他の残りの傾斜流路によって懸濁液の分離処理が可能である。
つまり、懸濁液の処理量に応じて傾斜流路を増減させることで、処理能力を自由に変更することができる。従って、要求される懸濁液の処理量に応じて、適宜処理能力を調節することが可能であり、通常運転における設備規模を小さくできる。故に、維持・管理・保守作業が容易となる。
さらに、既存の懸濁液分離槽に設置することも容易であり、設備設置のための時間と費用を節約することができる。
また、維持・管理・保守作業時には、各傾斜流路を懸濁液分離槽から個別に引き上げて行うことが可能であり、連続運転を行いつつ、容易にこれらの作業を行うことが可能となる。
ここで、傾斜流路は、重力分離効率を上げるため、垂直方向の幅が狭い水路とされる。特に、本発明に係る懸濁液分離装置を懸濁粒子の沈降分離に使用する場合には、傾斜流路の傾斜角度は、傾斜流路底部に沈降する懸濁物質の液中での安息角以上に設定する。通常では、安全をみて60度以上とするのが好適である。
吸引手段としては、ポンプやサイフォン等を使用することができる。
また、前記吸引手段は、各傾斜流路において、当該傾斜流路内を流れる液体が、前記傾斜流路の上端に達するまでに、液体中に浮遊する懸濁物質が当該傾斜流路の底部(又は天井部)に達することが可能な一定の流速で、液体を吸引排出するようにするのがよい。このように、吸引手段が傾斜流路内の液体を一定の流速で吸引することで、傾斜流路内には平行層流が形成される。すなわち、傾斜流路内に乱流が生じないため、傾斜流路内の粒子の沈降(又は浮上)速度は最大となる。従って、吸引流量を大きくすることができ、分離処理効率が向上する。
本発明に係る懸濁液分離装置の第2の構成は、前記第1の構成において、前記懸濁液分離槽と別体に構成され、当該懸濁液分離槽内に設置されており、前記傾斜流路を垂直方向に多段に積層してなる一乃至複数の傾斜流路集合体と、前記傾斜流路集合体の前記各傾斜流路の他端側に接続された吸引管と、前記吸引管を介して、前記傾斜流路内に流入する液体を、それぞれの傾斜流路集合体ごとに個別に吸引排出する吸引手段と、を備えていることを特徴とする。
このように、幾つかの傾斜流路を束ねて傾斜流路集合体とすることによって、取り扱いが容易となり、懸濁液分離槽への着脱も容易となる。また、傾斜流路ごとに吸引管を接続するよりも、傾斜流路集合体ごとに一本の吸引管で吸引するように構成すれば、配管も簡単化される。
そして、懸濁液の流入量に応じて、懸濁液分離槽に設置する傾斜流路集合体の数を増減することにより、処理能力を自由に変更することができる。故に、要求処理量に応じ、適宜処理能力を調節することで、通常運転の設備規模を小さくでき、維持・管理・保守作業が容易となる。
また、維持・管理・保守作業時には、各傾斜流路集合体を懸濁液分離槽から個別に引き上げて行うことが可能であり、連続運転を行いつつ、容易にこれらの作業を行うことが可能となる。
本発明に係る懸濁液分離装置の第3の構成は、前記第2の構成において、前記傾斜流路集合体は横向流式の前記懸濁液分離槽内にあって、前記傾斜流路内の液体の流れが前記懸濁液分離槽の上流から下流に向かう流れに対して直角になるように配置されていることを特徴とする。
このように、傾斜流路集合体を懸濁液分離槽に対して直角に配置すると、懸濁物質が前記懸濁液分離槽の上流から下流に向かう流れと平行な直線上に排出されるから、前記懸濁液分離槽からの懸濁物質の除去が容易になる。
本発明に係る懸濁液分離装置の第4の構成は、前記第2又は第3の構成において、前記傾斜流路集合体は、横向流式の前記懸濁液分離槽内に垂直方向に多段に積層して設置されており、前記各傾斜流路集合体に接続された吸引管のそれぞれに、当該吸引管内の流量を調節する流量調節手段が設けられていることを特徴とする。
この構成により、懸濁液分離槽の深さに応じて、流量調節手段により吸引管内の流量を調節することができる。横向流式の懸濁液分離槽では、通常、深さによって懸濁粒子の沈降速度(又は浮上速度)が異なる。従って、深さに応じて、各傾斜流路集合体における重力分離が可能な最大流速で液体を吸引排出するように流量調節をする。これにより、懸濁液の重力分離処理効率を最大化することが可能となる。
流量調節手段としては、流量調節弁を用いるのが最も簡単であるが、これ以外にも、吸引手段の吸引力を調節する調節機構(例えば、吸引手段にポンプを利用する場合には、ポンプ出力の制御装置、吸引手段にサイフォンを利用する場合には懸濁液分離槽内水面と吸引管出口との水位調節機構など。)であってもよい。
本発明に係る懸濁液分離装置の第5の構成は、前記第2ないし第4の構成において、前記傾斜流路集合体は、横向流式の前記懸濁液分離槽内に水平方向に多段に配列して設置されており、前記各傾斜流路集合体に接続された吸引管のそれぞれに、当該吸引管内の流量を調節する流量調節手段が設けられていることを特徴とする。
この構成により、懸濁液分離槽の流入端からの距離に応じて、流量調節手段により吸引管内の流量を調節することができる。横向流式の懸濁液分離槽では、通常、懸濁液分離槽の流入端からの距離によって、懸濁粒子の沈降速度(又は浮上速度)が異なる。なぜならば、懸濁液分離槽内を懸濁液が移動する間に、沈降速度(又は浮上速度)が速い懸濁物質のフロックは早期に分離し、下流側に行くほど沈降速度の遅い懸濁物質のフロックの割合が大きくなるからである。従って、懸濁液分離槽の流入端からの距離に応じて、各傾斜流路集合体における重力分離が可能な最大流速で液体を吸引排出するように流量調節をする。これにより、懸濁液の重力分離処理効率を最大化することが可能となる。
本発明に係る懸濁液分離装置の第6の構成は、前記第1乃至5の何れか一の構成において、前記吸引手段は、液体排出側の端部の高さを自由に調節可能なサイフォンであることを特徴とする。
このように、吸引手段としてサイフォンを使用すれば、余分なエネルギーを消費せずに、懸濁液の分離処理を行うことができる。また、吸引管の液体排出側の端部の高さを自由に調節可能としておくことにより、懸濁物質の沈降(又は浮上)速度に応じて、傾斜流路内の流速を最適化することができる。また、傾斜流路ごとの流速の調節も可能となる。
本発明に係る懸濁液分離方法の第1の構成は、傾斜した管状であってその一端側が開口している傾斜流路を、懸濁液分離槽とは別体に、当該懸濁液分離槽内に、垂直方向又は水平方向に立体的に複数個配列し、前記各傾斜流路の他端側に接続された吸引管を通して、前記傾斜流路内に流入する液体を、それぞれの傾斜流路ごとに個別に吸引排出することを特徴とする。
懸濁液分離槽内に多数の傾斜流路を立体的に配置することで、懸濁液分離槽内に多数の小区画が形成される。そして、各小区画の内部では懸濁物質と分散媒とが重力により分離し、清澄液が生長する。生成された清澄液は、吸引管を通して吸引排出される。このように、懸濁液分離槽内部の各所の小区画で重力分離による清澄液の生成を行い、各所で生成された清澄液を吸引管で懸濁液分離槽外部に直接抜き取ることによって、懸濁液分離槽の体積に比例して懸濁液分離処理効率が飛躍的に増大する。
しかも、この方法によれば、各傾斜流路は懸濁液分離槽とは別体であるため、必要に応じて傾斜流路の個数を増減させることで、懸濁液分離装置の処理能力を自由に調節することができる。また、既設の懸濁液分離槽にも適用することができる。
本発明に係る懸濁液分離方法の第2の構成は、前記第1の構成において、前記傾斜流路を垂直方向に多段に積層してなる傾斜流路集合体を、前記懸濁液分離槽とは別体に当該懸濁液分離槽内に一乃至複数個設置し、前記傾斜流路集合体の前記各傾斜流路の他端側に接続された吸引管を通して、前記傾斜流路内に流入する液体を、それぞれの傾斜流路集合体ごとに個別に吸引排出することを特徴とする。
この方法によれば、懸濁液の流入量に応じて、懸濁液分離槽に設置する傾斜流路集合体の数を増減することにより、処理能力を自由に変更することができる。
本発明に係る懸濁液分離方法の第3の構成は、前記第2の構成において、前記傾斜流路集合体を、横向流式の前記懸濁液分離槽内に垂直方向又は水平方向に多段に配列して設置し、前記各傾斜流路集合体に接続された吸引管のそれぞれの流量を、各吸引管内を流れる液体の濁度が所定の閾値よりも小さくなるように流量調節を行うことを特徴とする。
この方法によれば、各傾斜流路集合体のそれぞれに対して、吸引排出される液体の濁度が閾値よりも小さくなるように流量調節を行うことで、懸濁液分離槽内の局所的な懸濁液の濃度、懸濁粒子の沈降速度等の条件に適合して流量調節を行うことができる。従って、各傾斜流路集合体の流量を最大化することにより、清澄液の濁度は一定の水準に維持しつつ、懸濁液分離処理効率を最大化することができる。
本発明に係る懸濁液分離方法の第4の構成は、前記第2の構成において、前記傾斜流路集合体を、横向流式の前記懸濁液分離槽内に垂直方向又は水平方向に多段に配列して設置し、前記各傾斜流路集合体に接続された吸引管のそれぞれの流量を、各吸引管内を流れる液体を一つの流れにまとめたときに、その液体の濁度が所定の閾値よりも小さくなるように流量調節を行うことを特徴とする。
この方法によれば、すべての傾斜流路集合体から吸引排出される液体の濁度が閾値よりも小さくなるように流量調節を行うことで、前記第3の構成の場合には及ばないものの、懸濁液分離槽内の局所的な懸濁液の濃度、懸濁粒子の沈降速度等の条件に適合して流量調節を行うことができる。従って、清澄液の濁度は一定の水準に維持しつつ、懸濁液分離処理効率を極大化することができる。また、濁度の測定を一箇所で行うため、設備構成的に簡易であり、簡単な設備を使用して実施することが可能である。
本発明に係る沈降水路モジュールの第1の構成は、正面が開口され他面が閉鎖された筐体と、前記筐体に垂直方向に積層して取り付けられて複数の傾斜流路を形成する傾斜板からなり、前記筐体には前記複数の傾斜流路から流出する液体が合流する空所と、前記空所から前記流体を吸引排出する吸引管を備えていること特徴とする。
上記構成によれば、複数の傾斜板を筐体の中に積層することによって、複数の傾斜流路をモジュールにまとめているので、処理対象の性質や要求処理能力に応じて、モジュールの数を増減したり、配置をしたりして、所望の性能を備えた懸濁液分離装置を容易に得ることができる。また懸濁液分離装置の整備・修理に際しては、整備・修理を必要とするモジュールを引き上げて、整備・修理すみのモジュールと交換すれば良いから、懸濁液分離装置の稼働率が向上する。
本発明に係る沈降水路モジュールの第2の構成は、前記第1の構成に加えて、前記傾斜板が前記筐体の正面に庇状に張り出した部分を有することを特徴とする。
上記構成によれば、懸濁水が前記庇状の張り出しの両側面から傾斜流路に流入するので、懸濁物質が下段の傾斜流路に流入する懸濁液に再混入する割合が小さくなり、そのため、懸濁液分離の能率が向上する。
本発明に係る沈降水路モジュールの第3の構成は、前記第1又は第2の構成に加えて、前記傾斜板の平面形の長さが幅方向に変化する形状であることを特徴とする。
上記構成によれば、懸濁物質は長さの短い場所、つまり流動距離の短い場所に集まって沈下するので、懸濁物質が下段の傾斜流路に流入する懸濁液に再混入する割合が小さくなり、そのため、懸濁液分離の能率が向上する。
本発明に係る沈降水路モジュールの第4の構成は、前記第3の構成に加えて、前記傾斜板の平面形が下端において一方の側が長く他方の側が短い形状を成していることを特徴とする。
上記構成によれば、傾斜板上を流動する懸濁物質が前記傾斜板の短い方の側に集まるので、懸濁物質が下段の傾斜流路に流入する懸濁液に再混入する割合が小さくなり、そのため、懸濁液分離の能率が向上する。
本発明に係る沈降水路モジュールの第5の構成は、前記第3の構成に加えて、前記傾斜板の平面形が下端において中央部が短く両側部が長いV字形を成していることを特徴とする。
上記構成によれば、傾斜板上を流動する懸濁物質が中央部に集まるので、懸濁物質が下段の傾斜流路に流入する懸濁液に再混入する割合が小さくなり、そのため、懸濁液分離の能率が向上する。
本発明に係る沈降水路モジュールの第6の構成は、前記第3の構成に加えて、前記傾斜板の平面形が下端において鋸歯形を成していることを特徴とする。
上記構成によれば、傾斜板上を流動する懸濁物質が前記鋸歯形の間から縞状に落下するので、懸濁物質が下段の傾斜流路に流入する懸濁液に再混入する割合が小さくなり、そのため、懸濁液分離の能率が向上する。
本発明に係る沈降水路モジュールの第7の構成は、前記第1又は第2の構成に加えて、前記傾斜板の横断面形がV字形を成していることを特徴とする。
上記構成によれば、懸濁物質が前記V字断面の底部に集まって、前記傾斜板の下端中央部から沈下するので、懸濁物質が下段の傾斜流路に流入する懸濁液に再混入する割合が小さくなり、そのため、懸濁液分離の能率が向上する。
本発明に係る沈降水路モジュールの第8の構成は、前記第1ないし第7の構成に加えて、前記傾斜板に、懸濁物質を誘導して下に落とす竪樋を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、懸濁物質が前記竪樋の中を通って沈下するので、懸濁物質は懸濁液の流れによって撹拌されることが少ない。そのため、懸濁物質が下段の傾斜流路に流入する懸濁液に再混入する割合が小さくなり、懸濁液分離の能率が向上する。
本発明に係る沈降水路モジュールの第9の構成は、前記第1の構成に加えて、前記筐体は前記正面に加えて一方の側面が開放され、前記傾斜板は前記正面方向に加えて、前記側面方向が低くなっていることを特徴とする。
上記構成によれば、懸濁液は筐体の正面から流入し、分離された懸濁物質は筐体の側面から沈下するので、分離された懸濁物質が筐体内に再流入すること少なくなる。そのため、懸濁液分離の能率が向上する。
本発明に係る沈降水路モジュールの第10の構成は、前記第9の構成に加えて、前記傾斜板の縦断面形が波形を成していることを特徴とする。
上記構成によれば、分離された懸濁物質が前記波形の底に集まるので、懸濁物質の排出速度が速くなり、懸濁液分離の能率が向上する。
本発明に係る懸濁液分離装置の第7の構成は、前記第1ないし第10の構成に係る沈降水路モジュール内の液体の流れが横向流式の懸濁液分離槽の上流から下流に向かう流れに対して直角になるように、前記沈降水路モジュールが前記懸濁液分離槽内に配置されていることを特徴とする。
このように、沈降水路モジュールを前記懸濁液分離槽に対して直角に配置すると、懸濁物質が前記懸濁液分離槽の上流から下流に向かう流れと平行な直線上に排出されるから、前記懸濁液分離槽からの懸濁物質の除去が容易になる。
本発明に係る懸濁液分離装置ユニットの構成は前記第1ないし第10のいずれかの構成を備えた沈降水路モジュールと前記沈降水路モジュールを沈設する個別水槽からなることを特徴とする。
上記構成によれば、懸濁液分離槽と複数の傾斜流路をユニットにまとめたので、運搬が容易であり、注排水ポンプと接続とするだけで懸濁液処理プラントを構築することができる。
本発明に係る懸濁液分離装置の第8の構成は、前記懸濁液分離装置ユニットを複数個備え、前記複数個の懸濁液分離装置ユニットを直列または並列に接続してなることを特徴とする。
上記構成によれば、懸濁液分離装置ユニットを任意に接続して懸濁液分離装置を構成するので、要求される機能や能力に応じて最適な懸濁液処理装置を容易に構築することができる。
本発明によれば、懸濁液分離槽内に多数の傾斜流路を立体的に配置することで、懸濁液分離槽内に多数の小区画を形成し、各小区画の内部で重力分離により清澄液が生長するようにした。そして、各小区画で生長した清澄液を、吸引管を通して液中から直接吸引排出するようにした。これによって、分離処理効率が懸濁液分離槽の体積に比例し、分離処理効率を飛躍的に向上させることが可能となる。その結果、懸濁液分離槽の小型化、懸濁液分離槽の懸濁液処理能力向上などの効果が得られる。
特に、本発明を下水処理場の沈降分離装置に適用すれば、沈澱処理における懸濁液処理能力に余裕をもった設計が可能となるため、集中豪雨時のように通常時を遙かに超える下水が流入した場合に処理能力限界を超える事態を回避することが可能となる。殊に、上述のように近年では、降雨時における下水処理に対する処理基準がより厳しくなる傾向にある。本発明は、それらの処理基準を満たすとともに、環境保護に寄与するための一手段として用いることが可能であり、その社会的意義は極めて大きいものと考えられる。
また、各傾斜流路又は各傾斜流路集合体を懸濁液分離槽に自由に着脱可能な構成とした。これによって、懸濁液分離装置に要求される処理能力に応じて、柔軟に処理能力を変更することが可能となる。また、保守・管理・点検作業も容易化される。さらには、既存の懸濁液分離槽に取り付けて使用することが可能であり、大幅な改修工事なくして懸濁液分離装置の処理能力を飛躍的に改善することが可能となる。
また、傾斜流路集合体を懸濁液分離槽内に立体的に配列し、各々の傾斜流路集合体ごとに吸引流量を調節することによって、懸濁液分離槽内の局所的な懸濁液の濃度、懸濁粒子の沈降速度等の条件に適合して流量調節を行うことができる。従って、懸濁液分離処理効率を最大化することができる。
さらに、一の筐体に複数の傾斜流路を装置して沈降水路モジュールを形成した。このため、各傾斜流路又は各傾斜流路集合体の着脱がさらに容易になり、懸濁液分離装置に要求される処理能力に応じて、柔軟に処理能力を変更すること、既存の懸濁液分離槽に取り付けて使用することがさらに容易になる。
また、水槽と沈降水路モジュールをまとめて懸濁液分離ユニットを形成したので、運搬が容易になり、例えば、土木工事現場等に一時的な濁水処理プラントを容易に設置することができ、環境の保全に資するところが大きい。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施例1に係る懸濁液分離装置の全体構成図である。本実施例においては、懸濁液分離装置1として、懸濁液中に浮遊する懸濁物質のフロックを重力沈降により沈降分離する沈降分離装置の例について説明する。また、ここでは水処理を例として説明する。
懸濁液分離装置1は、上流側から、フロック形成槽2、流入槽3、懸濁液分離槽4、流出槽5、及び排液溝6を備えている。フロック形成槽2は、流入する懸濁水に凝集剤等を投入してフロキュレータ(緩速攪拌装置)(図示せず)で攪拌することにより、懸濁水中の懸濁物質を凝集させてフロック(凝集体)を形成させる水槽である。流入槽3は、フロック形成槽2と懸濁液分離槽4との間に設けられた水槽である。流入槽3では、大粒径のフロックを沈降除去するとともに、懸濁水の流れの緩衝が行われる。懸濁液分離槽4は、分散媒である水とフロックとを重力沈降により分離する水槽である。流出槽5は、懸濁液分離槽4で生成される清澄水を一時的に貯水する水槽である。排液溝6は、流出槽5から溢水する清澄水を排出する溝である。
フロック形成槽2と流入槽3との間には、前段整流壁7が設けられている。また、流入槽3と懸濁液分離槽4との間には後段整流壁8が設けられている。また、懸濁液分離槽4と流出槽5との間には流出側整流壁8aが設けられている。これらの整流壁によって、懸濁水が整流され、密度流の発生が防止される。
懸濁液分離槽4の内部には、懸濁液の流れに沿って、傾斜流路集合体9が複数個配置されている。この傾斜流路集合体9は、傾斜管10が垂直方向に多段に積層して構成されている。傾斜管10は、下端が開口した管状体であり、約60度の角度で傾斜して配設されている。傾斜管10の内部が傾斜流路となっている。
各傾斜管10の上端には、吸引管11が接続されている。吸引管11は、各傾斜流路集合体9に1本ずつ設けられた幹管から、各傾斜管10に接続する枝管が分岐した構成とされている。各傾斜流路集合体9に接続された吸引管11は、流量調節弁12及び濁度計13を介して、吸引主管14に接続されている。ここで、流量調節弁12は、吸引管11を流れる液体の流量を調節するための電磁弁である。濁度計13は、吸引管11を流れる液体の濁度を検出する装置である。吸引主管14には、下流側に吸引ポンプ15が設けられている。そして、吸引主管14の下流側端部は、流出槽5に解放されている。
また、懸濁液分離装置1には、制御盤16が設けられている。制御盤16は、それぞれの濁度計13により検出される濁度に基づいて、各流量調節弁12の開度及び吸引ポンプ15の出力を制御する。
また、吸引管11には、流量調節弁12の下部(上流側)に、継手17が設けられている。この継手17を分離又は結合することで、傾斜流路集合体9を、懸濁液分離槽4に対して自由に着脱することができる。
このように、傾斜流路集合体9を脱着可能としたことにより、傾斜流路集合体9の掃除などの保守・管理作業を極めて容易に行うことが可能となる。また、本実施例の懸濁液分離装置1は、ユニット化された傾斜流路集合体9を懸濁液分離槽4の上部から槽内に沈めるだけで構成することができる。従って、既設の水処理設備に対して簡単な改良を加えるだけで設置することが可能である。
図2は図1の傾斜管10の斜視図である。傾斜管10は、図2(a)に示すような扁平直方体形状の箱状のものであってもよいし、図2(b)に示すような細長管状のものであってもよい。細長管状の傾斜管10を使用する場合には、図2(b)に示したように、水平方向に複数の傾斜管10を並べて使用される。傾斜管10は、水平面に対して、一定の角度θで傾斜して懸濁液分離槽4内に配設される。この傾斜角度θは、沈降堆積するフロックの安息角よりも大きい角度とされる。傾斜管10内に沈積するフロックを傾斜管10の下端から排出するためである。通常は、十分な余裕をみて、傾斜角度θは60度以上とされる。
次に、上記懸濁液分離装置1を使用した懸濁液分離方法について説明する。まず、被処理水である懸濁水は、まず、フロック形成槽2に流入する。フロック形成槽2では、懸濁水に凝集剤が投入され、フロキュレータにより緩やかに攪拌される。これにより、懸濁水内の懸濁物質が凝集し、沈降しやすいフロック(凝集体)を形成する。
フロックが形成された懸濁水は、前段整流壁7を通過して流入槽3に流入する。前段整流槽7により、懸濁水内の渦流が抑えられて整流される。そして、整流されたことにより、大きな粒径のフロックは、流入槽3の底部に沈降し、分離される。次に、流入槽3内の懸濁水は、後段整流壁8を通過して、懸濁液分離槽4に流入する。後段整流壁8により、懸濁水の流れは平行層流となる。また、同時に密度流の発生も抑えられる。
懸濁液分離槽4に流入した懸濁水の一部は、懸濁液分離槽4を通過する際に、フロックが沈降分離し清澄化され、生成された清澄水は、流出側整流壁8aを通過して流出槽5へ流出する。これは、従来の横向流式沈殿槽の原理と同じである。流出槽5へ流出した清澄水は、排液溝6へ排出される。
一方、懸濁液分離槽4に流入した懸濁水の一部は、傾斜流路集合体9の各傾斜管10に吸引される。各傾斜管10においては、懸濁水の沈降分離が行われ、懸濁水が清澄化される。分離されたフロックは、傾斜管10の下端から排出され、懸濁液分離槽4の底部に沈積する。各傾斜管10により生成された清澄水は、吸引管11,吸引主管14を通過して流出槽5へ排出される。
このように、傾斜流路集合体9を設けることにより、懸濁液分離槽4の懸濁水の処理効率は飛躍的に向上する。このことを説明するために、まず、簡単に重力沈降による沈降分離の原理を説明する。
図3は水平に置かれた管内の流路に懸濁液を通過させた場合を表す断面図である。流路に一定の流速で懸濁液を流す。一般に流速は管壁近傍と中央とでは異なるが、簡単のため管壁近傍での効果は無視して、懸濁液は平均流速u0で一様に流れているとする。懸濁液のレイノルズ数Rは臨界レイノルズ数Rcよりも十分小さく、懸濁液の流れは平行層流であるとする。
理想懸濁液(粒子間の力が剛体反発だけの懸濁液)の場合、懸濁液中の懸濁粒子には、浮力と重力が働く。ここでは浮力に比べて重力が大きい場合を考える。この場合、懸濁粒子は分散媒の抵抗を受けながら沈降し、やがて一定の沈降速度(終末沈降速度)で沈降するようになる。懸濁粒子の終末沈降速度をw0とする。終末沈降速度w0〔cm/sec〕はレイノルズ数の大きさによって(数1)のように表される。ここで、gは重力加速度〔cm/sec2〕、ρs,ρは懸濁粒子および分散媒の密度〔g/cm3〕、dは粒子直径〔cm〕、μは水の粘度〔g/(cm・sec)〕、R(=d w0ρ/μ)はレイノルズ数である。
Figure 0003681003
流路の流入端の最上部(点A)の懸濁粒子が、流されながら沈降し流路の端の点Cにおいて流路底面に到達したとする。流路の長さをLとする。流路の高さをHとする。このとき、(数2)が成り立つ。
Figure 0003681003
なお、流路の流入端の最上部(点A)よりも下の懸濁粒子は、点Cよりも手前で流路底面に到達する。従って、流路には、流入側から流出側にかけて、漸次、清澄液が生長していく。そして、流路の流出側で、すべての懸濁粒子が分離し、清澄液のみが流出する。
一方、流路の幅をWdとする。流入する懸濁液の量Qは(数3)で表される。
Figure 0003681003
流路を平面視したときの面積Sは、S=Wd・Lである。従って、水面積負荷Q/Sは(数4)のようになる。
Figure 0003681003
(数4)は、一定の沈降速度の懸濁液を処理するときには、処理量は沈澱槽の面積Sに比例することを表している。従って、処理量を大きくするためには、沈澱槽の面積Sを大きくする必要がある。
次に、傾斜流路について説明する。図4は傾斜して置かれた分離板間の流路に懸濁液を通過させた場合を表す断面図である。図4(a)のように、分離板AD及び分離板BCは、仰角θで傾斜して配置されている。両分離板AD,BCは、間隔dで平行に配置され、その間に流路が形成されている。流路の長さはL*である。流路には、一定の流速u0で懸濁液が流入し、流路内部には平行層流が形成されている。考察を容易にするために、図4(a)の流路を、角度θだけ時計回りに回転させると図4(b)のようになる。この場合、懸濁粒子の沈降方向が鉛直方向に対して角度θだけ傾いていることを除けば、図3と同様に考えることができる。従って、(数2)と同様に考えて、(数5)(数6)が得られる。
Figure 0003681003
Figure 0003681003
(数6)が傾斜流路における沈降分離の基礎式である。(数6)の右辺のu0d=qは、この傾斜流路における単位幅当たりの懸濁水の処理量を表す。また、分母は、傾斜流路の水平面への投影面積(単位幅あたり)を表す。
この傾斜流路を、図1に示したように、垂直方向に多段に積層して傾斜流路集合体9を作る。これにより、単位面積あたりの処理効率が10倍以上にも達するような沈降分離操作を行うことが可能となる。
〔例1〕
以下のような標準的な横向流式沈澱池(懸濁液分離槽4)を考える(下水処理における最終沈澱池を想定)。
(1)形状:幅4 m,長さ30 m,深さ3 m
(2)処理量:Q=3000 m3/day,(単位幅当り)750 m3/(day・m)
(3)表面負荷率(沈降速度):25 m/day=0.029cm/s
また、傾斜管10内の傾斜流路は、幅Bが1m、長さL*が0.7m,厚さdが0.05m,傾斜角θが60度であるとする。(数6)より、傾斜管10の1本当たりの処理量qは、(数7)よりq=9.86 m3/(day・m)となる。
Figure 0003681003
従って、必要とされる傾斜管10の本数nは、n=Q/q=750/9.86=76〔本〕となる。この傾斜管10をp個積み重ねて一つのモジュール(傾斜流路集合体9)とすると、その高さhは、(数8)のようになる。
Figure 0003681003
横向流式沈澱池の水深は3mなので、傾斜流路集合体9の高さを約2.5mとする。そうすると、0.70×0.866+p・0.05/0.5=2.5より、p=18.9となる。そこで、19本の傾斜管10を積み重ねて一つのモジュール(傾斜流路集合体9)とする。横幅1m当たりに必要なモジュールの数は76/19=4組となる。1つのモジュールの設置に必要とされる流れ方向の長さは、図4(a)を参照して、d・sinθ+L*・cosθ=0.393〔m〕である。実際にモジュールを流れの方向に並べて配列する場合、清澄水の排出やスラッジの沈降などのスペースも考慮する必要がある。そこで、これらのスペースも含めた1つのモジュールの占有長さを0.7mとすると、4組のモジュールを設置するための所要の長さは2.8mとなる。もとの横向流式沈澱池の長さが30mであることを考慮すると、その1/10の長さで同量の懸濁水の処理が可能となる。従って、横向流式沈澱池の面積を大幅に節約することが可能となる。逆にいえば、既設の横向流式沈澱池の処理能力を約10倍に向上させることが可能となる。
〔例終わり〕
以上のように、傾斜流路集合体9を使用することにより、懸濁液分離装置1の処理効率を飛躍的に高めることが可能となる。
また、本実施例においては、傾斜流路集合体9を懸濁液分離槽4内の流れ方向に沿って、複数段設け、流量調節弁12によって、各傾斜流路集合体9ごとに独立に吸引速度を調節することを特徴としている。
懸濁液分離槽4内を流れる懸濁水中のフロックは、上流側から下流側にいくに従って、重力沈降によって沈降分離する。従って、懸濁液分離槽4の上流側から下流側に向かって、漸次、フロック濃度は低下する。そこで、本実施例では、フロック濃度の高い上流側にある傾斜流路集合体9においては、吸引速度を遅くして各傾斜管10における十分な沈降分離作用を確保する。一方、フロック濃度の低い下流側の傾斜流路集合体9においては、吸引速度を速くして、できる限り処理速度を速めて処理効率を向上させる。このように、懸濁液分離槽4内の局所的なフロック濃度に応じて、その位置にある傾斜管10の吸引速度を最適化することによって、懸濁液分離装置1全体として最大の処理効率を得ることが可能となる。
更に、本実施例においては、上述のような各傾斜流路集合体9の吸引速度の最適化を自動的に行うことを特徴としている。各傾斜流路集合体9の吸引管11には、その吸引管内を流れる清澄水の濁度を検出する濁度計13が設けられている。この濁度計13により検出される各吸引管11を流れる清澄水の濁度の情報信号は、制御盤16に送られる。
制御盤16は、或る位置の傾斜流路集合体9で生成される清澄水の濁度Miが所定の目標値Moに対して大きい場合には、その傾斜流路集合体9に接続する吸引管11に設けられた流量調節弁12の開度を絞る制御を行う。これにより、その傾斜流路集合体9の各吸引管11の吸引速度が低下する。吸引速度が低下することにより、その吸引管11のフロックの分離作用が大きくなり、生成される清澄水の濁度は低下する。このようにして、清澄水の濁度Miは目標値M0に向かって低下する。
一方、制御盤16は、或る位置の傾斜流路集合体9で生成される清澄水の濁度Miが所定の目標値Moに対して小さい場合には、その傾斜流路集合体9に接続する吸引管11に設けられた流量調節弁12の開度を開く制御を行う。これにより、その傾斜流路集合体9の各吸引管11の吸引速度が増大する。吸引速度が増大することにより、その吸引管11の単位時間当たりの処理量が多くなり、処理効率が向上する。一方で、その吸引管11のフロックの分離作用は低下するので、生成される清澄水の濁度は増加する。このようにして、清澄水の濁度Miは目標値M0に向かって増大する。
以上のような制御を行うことで、清澄水の濁度を常に一定の値に保ちながら、常時最大の処理効率により懸濁水の沈降分離処理を行うことが可能となる。
尚、本実施例では、吸引手段として、吸引ポンプ15を使用したが、吸引ポンプ15の代わりに、液体排出側の端部の高さを自由に調節可能なサイフォンを使用することもできる。サイフォンを使用すれば、余分な消費電力が必要なくなり、装置のランニング・コストを下げることができる。
図5は本発明の実施例2に係る懸濁液分離装置の全体構成図である。図5において、フロック形成槽2、流入槽3、懸濁液分離槽4、流出槽5、排液溝6、前段整流壁7、後段整流壁8、流出側整流壁8a、傾斜流路集合体9、傾斜管10、吸引管11、流量調節弁12、濁度計13、吸引主管14、吸引ポンプ15、制御盤16、継手17は図1と同様である。
本実施例の懸濁液分離装置1’においては、傾斜流路集合体9が、懸濁水の流れの方向に複数個並べて配置されているとともに、鉛直方向にも複数段に並べて配置されている。そして、それぞれの傾斜流路集合体9ごとに、独立に吸引速度を制御することを可能とした点に特徴がある。
懸濁液分離槽4内部の懸濁水は、後段整流壁8からの距離により、フロックの濃度が変化すると共に、同じ距離でも、深さによってフロックの濃度が変化する。すなわち、沈降粒子の場合、一般には、水深が小さいほうがフロック濃度は低く、水深が大きい方のフロック濃度が大きい。従って、本実施例では、後段整流壁8からの距離と水深とによって局所的に異なるフロック濃度に応じて、各傾斜流路集合体9は最適な吸引速度で吸引を行うことが可能となる。これにより、実施例1よりも更に吸引速度が最適化されるため、装置全体としての懸濁液の処理効率が更に向上する。
尚、図6は傾斜流路集合体9の他の例を示したものである。図6(b)は図6(a)の傾斜流路集合体9の側面図であり、図6(d)は図6(c)の傾斜流路集合体9の側面図である。このように、各傾斜管10を隙間なく一体化して傾斜流路集合体9としてもよい。このようにすれば、空間的な無駄がなくなるため、装置をより小型化することができる。
図7は本発明の実施例3に係る懸濁液分離装置の全体構成図である。図7において、フロック形成槽2、流入槽3、懸濁液分離槽4、流出槽5、排液溝6、前段整流壁7、後段整流壁8、傾斜管10、吸引管11、流量調節弁12、濁度計13、吸引主管14、吸引ポンプ15、制御盤16、継手17は図1と同様である。
本実施例に係る懸濁液分離装置1”は、油水混合液のように分散媒の比重よりも懸濁物質のほうの比重が小さい場合に使用する浮上分離装置である。この場合、懸濁液分離槽4と流出槽5との間は、流出バッフル19により仕切られている。懸濁液分離槽4内で浮上分離された清澄水は、流出バッフル19の下部の流出口20から、流出槽5に流入する。懸濁液分離槽4の底部には、沈降堆積する沈降物を掻き寄せて除去するための沈殿物掻寄機21が設けられている。また、懸濁液分離槽4の液面上には、液面に浮上するスカムやゴミなどの浮上物を掻き寄せて除去するための浮上物掻寄機22が設けられている。浮上物掻寄機22により掻き寄せられた浮上物は、浮上物排出溝23に排出される。
このような浮上分離を行う場合にも、本発明を適用することができる。浮上分離の場合、傾斜流路集合体9の傾斜を実施例2とは反対にし、傾斜上端部を開口し、傾斜下端部に吸引管を接続すればよい。これにより、沈降分離の場合と同様の原理によって、懸濁液の懸濁物質と分散媒とを分離することが可能となる。
図8は本発明の実施例4に係る沈降水路モジュールの斜視図である。図8において、31は沈降水路モジュールである。沈降水路モジュール31は、前述の実施例1で示した傾斜流路集合体に代えて懸濁液分離槽に沈設配置されて、懸濁液から懸濁物質を分離するモジュールであり、筐体32と傾斜板33と吸引管34から構成されている。
筐体32は、正面側(懸濁液分離槽に設置したとき、この正面が上流側になる)のみが開口され、他の面が密閉閉鎖された箱である。傾斜板33は筐体32の左右の側板に固定された平板であり、筐体32の正面側が低く、筐体32の奥が高くなるように取り付けられている。傾斜板33は複数が垂直方向に所定の間隔を開けて積層され、複数の傾斜流路を形成している。筐体32の奥には空所35が設けられ、前記傾斜流路を流れてきた流体は空所35に流れ込んで合流する。また、筐体32の奥には吸引管34が取り付けられている。吸引管34は図示しない吸引手段(例えば、ポンプ、サイフォンなど)に接続されて、空所35内部の流体を排出する配管である。
次に、沈降水路モジュール31の機能を説明する。懸濁液は筐体32の正面の開口から前記傾斜流路に流入し、前記傾斜流路を上る間に、懸濁液中の懸濁物質は重力によって傾斜板33上に沈降し、傾斜板33上を流動して前記開口から排出される。懸濁物質を分離した清澄液は空所35を経由して吸引管34から排出される。
沈降水路モジュール31は、懸濁液分離装置の用途、要求処理能力等に合わせて、組み合わせて使用することができる。また、要求処理能力等に合わせてモジュールの数を増減することもできる。さらに、沈降水路モジュール31は懸濁液分離槽内に前後、左右、上下に立体的に配置できる。複数の沈降水路モジュール31を上下に積み重ねて配置することもできる。
図9は、傾斜板33の変形例を示す斜視図である。
図9(a)は傾斜板33の下端において一方の側を下方(筐体32の正面方向)に伸ばし、他方を短くして平面形をナイフ形に形成したものを示している。このような形状を採ると、傾斜板33を流動して降りてきた懸濁物質は短い方の側に偏って流れ、短い方の側から落下する。このため、沈降中の懸濁物質が下側の傾斜流路に再流入する割合が小さくなり、懸濁物質の分離の能率が向上する。
図9(b)は傾斜板33の下端をV字形に切り欠いて、中央部を短く、両側部を長い平面形に形成したものを示している。このような形状を取ると、傾斜板33を流動して降りてきた懸濁物質は傾斜板33の中央部に集まって沈下する。このため、沈降中の前記懸濁物質が下層の傾斜流路に再流入する割合が小さくなり、懸濁物質の分離の能率が向上する。
図9(c)は傾斜板33の下端を鋸歯形に切り欠いたものを示している。このような形状を取ると、傾斜板33を流動して降りてきた懸濁物質は前記鋸歯形の谷の部分に集まって沈下するので、懸濁物質が下段の傾斜流路に流入する懸濁液に再混入する割合が小さくなり、そのため、懸濁液分離の能率が向上する。
なお、傾斜板33の下端の平面形状はナイフ形、V字形、鋸歯形には限られない。曲線を描いても良いし、サインカーブを連続させても良いし、矩形の切り欠きを並べてもよい。要は、傾斜板33の長さを幅方向に変化させて、懸濁物質の流動距離に差をつけて、懸濁物質が流動距離の短い場所に集中するような形状とすればよい。
図9(d)は傾斜板33を長さ方向の軸で折り曲げて、V字形の横断面形を成すように形成したものを示している。このような形状を取ると、傾斜板33を流動して降りてきた懸濁物質はV字型断面の底に集まって沈下する。このため、懸濁物質が下層の傾斜流路に再流入する割合が小さくなり、懸濁物質の分離の能率が向上する。
図10は、傾斜板33の別の変形例を示す斜視図である。
図10(a)は下端をV字形に切り欠いた傾斜板33の下端中央部に竪樋36を取り付けた例を示している。竪樋36は懸濁液の流れの上流側が閉じて、下流側が開いた山形の水平断面を備えた部材である。前記V字型の切り欠きから沈下する懸濁物質は竪樋36の山形断面の中を通るから、懸濁液の流れによる撹拌の影響を受けにくくなり、このため、懸濁物質が下層の傾斜流路に再流入する割合が小さくなり、懸濁物質の分離の能率が向上する。
竪樋36は、沈下中の懸濁物質に懸濁液の流れが直接当たるのを防ぐ形状を選べばよい、従って竪樋36の水平断面形は山形には限られない、半円形、溝形、あるいは平板であってもよい。
図10(b)はV字形に折り曲げた傾斜板33の下端中央部に竪樋36を取り付けた例を示している。この場合も、V字形断面の谷底から沈降する懸濁物質は懸濁液の流れによる撹拌の影響受けにくくなり、このため、懸濁物質が下層の傾斜流路に再流入する割合が小さくなり、懸濁物質の分離の能率が向上する。
なお、竪樋36を取り付ける位置は傾斜板33の下端には限られない、図10(c)に示すように、傾斜板33の下端近くに穴を開けて、その穴の下流側に竪樋を取り付けて、懸濁物質の流れを誘導してもよい。
図11は本発明の実施例5に係る沈降水路モジュールの斜視図である。図11において、31’は沈降水路モジュールであり、筐体32’と傾斜板33’と吸引管34から構成されている。
筐体32’は、正面(紙面の表側)と(紙面に向かって)右の側面が開放され、他の面が密閉閉鎖された箱である。傾斜板33’は筐体32’の左の側板に固定された波板であり、筐体32’の正面側と右側面が低く、筐体32’の後側(紙面の裏方向)と左側面が高くなるように取り付けられている。また、前記波板の山と谷は筐体32’の前後方向に並んでいる。筐体32’には複数の傾斜板33’が垂直方向に所定の間隔を開けて積層され、傾斜流路を形成している。筐体32’の奥には空所35が設けられ、複数の前記傾斜流路を流れてきた流体は空所35に流れ込んで合流する。筐体32’の奥の左側板には吸引管34が取り付けられている。
沈降水路モジュール31’は正面の開口が懸濁液分離槽の上流に向くように設置されるので、懸濁液は正面の開口から前記傾斜流路に流入し、前記傾斜流路を上る間に、懸濁液中の懸濁物質は重力によって傾斜板33’上に沈降する。傾斜板33’上に沈降した懸濁物質は前記波板の谷筋に沿って右方向に滑って、筐体32’の右側面の開口から沈下排出される。このように、沈降水路モジュール31’は懸濁液の主たる流入口と懸濁物質の排出口が分離しているので、上層の傾斜流路から排出された懸濁物質が下層の傾斜流路に再流入する割合が小さくなり、懸濁物質の分離の能率が高い。
傾斜板33’は波板に代えて、平板にしてもよい。懸濁液の流れから受ける力と重力によって、傾斜板33’上の懸濁物質は筐体32’の右側に滑り落ちるからである。
図12は本発明の実施例6に係る沈降水路モジュールの斜視図である。図12において、31”は沈降水路モジュールであり、筐体32”と傾斜板33”を有し、基本的な構成と機能は前記実施例4に係る沈降水路モジュール31と同一である。
傾斜板33”は筐体32”の正面から突出し、筐体32”の正面に庇状の張り出し部分、つまり正面と両側面が開放された斜面を形成している。このような庇状の張り出し部分を備えているので、傾斜板33”に沈降した懸濁物質は前記張り出し部分の下端から沈下し、懸濁水は前記張り出し部分の両側の隙間から傾斜流路に流入する。そのため、懸濁物質が下段の傾斜流路に流入する懸濁液に再混入する割合が小さくなり、懸濁液分離の能率が向上する。
なお、本実施例では、傾斜板33”を単純な平板で示したが、前記実施例4で示したような各種の変形を本実施例の傾斜板33”についても適用できることは言うまでもない。
図13は本発明の実施例7に係る懸濁液分離装置の平面図である。図13において、37は懸濁液分離装置であり、懸濁液分離槽38内に8台の沈降水路モジュール39を2段4列に配置している。懸濁液分離槽38は矩形の水槽であり、図の左側から懸濁水が流入し、図の右側に流れる。沈降水路モジュール39はその正面を懸濁液分離槽38の中央に向けて2台ずつ向かい合わせに配置されている。図に示すように沈降水路モジュール39に流入した懸濁水は沈降水路モジュール39内を図の上下方向(つまり、懸濁液分離槽38内の流れに対して直角方向に)に流れて、懸濁物質を分離して清澄水になって排出される。
このように、沈降水路モジュール39は懸濁液分離槽38に対して直角に配置されているので、沈降水路モジュール39から落下して懸濁液分離槽38の底に沈積する懸濁物質は懸濁液分離槽38内の懸濁水の流れに沿って直線上に集中するので、懸濁液分離槽38からの懸濁物質の除去作業が容易になる。
なお、沈降水路モジュール39は前記実施例4ないし実施例6に示した沈降水路モジュールの中から、用途機能に応じて最適なものを選択すればよい。また、沈降水路モジュール39に代えて、前記実施例1ないし実施例3に示した傾斜流路集合体を使用しても同様の作用効果が得られる。
図14は本発明の実施例8に係る懸濁液分離装置ユニットの断面図である。図14において、41は懸濁液分離装置ユニットであり、懸濁液分離槽42と沈降水路モジュール43とからなる。懸濁液分離槽42は矩形の水槽であり、トラック等で容易に運搬できる寸法で設計されていて、上面の開口から懸濁液を供給することができる。懸濁液分離槽42の底部側面には排泥口44が設けられ底部に沈殿した懸濁物質を排出することができる。また沈降水路モジュール43の吸引管から排出される処理液(清澄液)は懸濁液分離槽42の上部側面に設けた処理液排出口45から排出される。
このように、懸濁液分離装置ユニット41は、懸濁液分離装置の機能がコンパクトにまとめられているので、土木工事等の現場に容易に搬入することができ、搬入先で排水ポンプと接続するだけで、汚水の処理を行うことができる。また複数のユニットを並列あるいは直列に接続することによって所望の機能を備えた処理プラントを構築することができる。
図15は本発明の実施例9に係る懸濁液分離装置ユニットの断面図である。図15において、41’は懸濁液分離装置ユニットであり、懸濁液分離槽42’と沈降水路モジュール43’とからなる。懸濁液分離装置ユニット41’の基本的な構成と作用は前記実施例8の懸濁液分離装置ユニット41と同じであるが、懸濁液流入口46を懸濁液分離槽42’の下部側壁に設けたことと、沈降水路モジュール43’の傾斜板が懸濁液分離槽42’の側壁と平行に配置されている点に特徴がある。前記傾斜板の傾斜角は懸濁液分離装置ユニット41’自体をジャッキやウィンチ(図示せず)を用いて傾斜させることで得られる。
本発明の実施例1に係る懸濁液分離装置の全体構成図である。 図1の沈降管の斜視図である。 水平に置かれた分離板間の流路に懸濁液を通過させた場合を表す断面図である。 傾斜して置かれた分離板間の流路に懸濁液を通過させた場合を表す断面図である。 本発明の実施例2に係る懸濁液分離装置の全体構成図である。 傾斜流路集合体の他の例を示したものである。 本発明の実施例3に係る浮上分離装置の全体構成図である。 本発明の実施例4に係る沈降水路モジュールの斜視図である。 傾斜板の変形例を示す斜視図である。 傾斜板の別の変形例を示す斜視図である。 本発明の実施例5に係る沈降水路モジュールの斜視図である。 本発明の実施例6に係る沈降水路モジュールの斜視図である。 本発明の実施例7に係る懸濁液分離装置の平面図である。 本発明の実施例8に係る懸濁液分離装置ユニットの断面図である。 本発明の実施例9に係る懸濁液分離装置ユニットの断面図である。 複数の多段傾斜板の集合体を横向流に沿って多段に配置した横向流式の傾斜沈降分離装置の構成を表す図である。 分散媒の流出口の左右に多段傾斜板を配置した横向流式の傾斜沈降分離装置の構成を表す図である。 分散媒の流出口の左右に多段傾斜板を配置した横向流式の傾斜沈降分離装置の他の例を表す構成を表す図である。
符号の説明
1,1’,1” 懸濁液分離装置
2 フロック形成槽
3 流入槽
4 懸濁液分離槽
5 流出槽
6 排液溝
7 前段整流壁
8 後段整流壁
8a 流出側整流壁
9,9” 傾斜流路集合体
10 傾斜管
11 吸引管
12 流量調節弁
13 濁度計
14 吸引主管
15 吸引ポンプ
16 制御盤
17 継手
19 流出バッフル
20 流出口
21 沈殿物掻寄機
22 浮上物掻寄機
23 浮上物排出溝
31,31’,31”沈降水路モジュール
32,32’,32”筐体
33,33’,33”傾斜板
34 吸引管
35 空所
36 竪樋
37 懸濁液分離装置
38 懸濁液分離槽
39 沈降水路モジュール
41,41’懸濁液分離装置ユニット
42,42’懸濁液分離槽
43,43’沈降水路モジュール
44 排泥口
45 処理液排出口
46 懸濁液流入口

Claims (23)

  1. 懸濁液分離槽と別体に構成され、当該懸濁液分離槽内に垂直方向又は水平方向に立体的に配列して設置されており、傾斜した管状であってその一端側が開口している複数の傾斜流路と、
    前記各傾斜流路の他端側に接続された吸引管と、
    前記吸引管を介して、前記傾斜流路内に流入する液体を、それぞれの傾斜流路ごとに個別に吸引排出する吸引手段と、
    を備えていることを特徴とする懸濁液分離装置。
  2. 前記懸濁液分離槽と別体に構成され、当該懸濁液分離槽内に設置されており、前記傾斜流路を垂直方向に多段に積層してなる一乃至複数の傾斜流路集合体と、
    前記傾斜流路集合体の前記各傾斜流路の他端側に接続された吸引管と、
    前記吸引管を介して、前記傾斜流路内に流入する液体を、それぞれの傾斜流路集合体ごとに個別に吸引排出する吸引手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の懸濁液分離装置。
  3. 前記傾斜流路集合体は横向流式の前記懸濁液分離槽内にあって、前記傾斜流路内の液体の流れが前記懸濁液分離槽の上流から下流に向かう流れに対して直角になるように配置されていることを特徴とする請求項2記載の懸濁液分離装置。
  4. 前記傾斜流路集合体は、横向流式の前記懸濁液分離槽内に垂直方向に多段に積層して設置されており、前記各傾斜流路集合体に接続された吸引管のそれぞれに、当該吸引管内の流量を調節する流量調節手段が設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の懸濁液分離装置。
  5. 前記傾斜流路集合体は、横向流式の前記懸濁液分離槽内に水平方向に多段に配列して設置されており、前記各傾斜流路集合体に接続された吸引管のそれぞれに、当該吸引管内の流量を調節する流量調節手段が設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一記載の懸濁液分離装置。
  6. 前記吸引手段は、液体排出側の端部の高さを自由に調節可能なサイフォンであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一記載の懸濁液分離装置。
  7. 傾斜した管状であってその一端側が開口している傾斜流路を、懸濁液分離槽とは別体に、当該懸濁液分離槽内に、垂直方向又は水平方向に立体的に複数個配列し、
    前記各傾斜流路の他端側に接続された吸引管を通して、前記傾斜流路内に流入する液体を、それぞれの傾斜流路ごとに個別に吸引排出することを特徴とする懸濁液分離方法。
  8. 前記傾斜流路を垂直方向に多段に積層してなる傾斜流路集合体を、前記懸濁液分離槽とは別体に当該懸濁液分離槽内に一乃至複数個設置し、
    前記傾斜流路集合体の前記各傾斜流路の他端側に接続された吸引管を通して、前記傾斜流路内に流入する液体を、それぞれの傾斜流路集合体ごとに個別に吸引排出することを特徴とする請求項7記載の懸濁液分離方法。
  9. 前記傾斜流路集合体を、横向流式の前記懸濁液分離槽内に垂直方向又は水平方向に多段に配列して設置し、
    前記各傾斜流路集合体に接続された吸引管のそれぞれの流量を、各吸引管内を流れる液体の濁度が所定の閾値よりも小さくなるように流量調節を行うことを特徴とする請求項8記載の懸濁液分離方法。
  10. 前記傾斜流路集合体を、横向流式の前記懸濁液分離槽内に垂直方向又は水平方向に多段に配列して設置し、
    前記各傾斜流路集合体に接続された吸引管のそれぞれの流量を、各吸引管内を流れる液体を一つの流れにまとめたときに、その液体の濁度が所定の閾値よりも小さくなるように流量調節を行うことを特徴とする請求項8記載の懸濁液分離方法。
  11. 懸濁液分離槽に沈設されて、懸濁液から懸濁物質を分離して清澄液を取り出す沈降水路モジュールであって、正面が開口され他面が閉鎖された筐体と、前記筐体に垂直方向に積層して取り付けられて複数の傾斜流路を形成する傾斜板からなり、前記筐体には前記複数の傾斜流路から流出する液体が合流する空所と、前記空所から前記流体を吸引排出する吸引管を備えていることを特徴とする沈降水路モジュール。
  12. 前記傾斜板は前記筐体の正面に庇状に張り出した部分を有することを特徴とする請求項11に記載の沈降水路モジュール。
  13. 前記傾斜板の平面形は長さが幅方向に変化する形状であることを特徴とする請求項11また請求項12に記載の沈降水路モジュール。
  14. 前記傾斜板の平面形は下端において一方の側が長く他方の側が短い形状を成していることを特徴とする請求項13に記載の沈降水路モジュール。
  15. 前記傾斜板の平面形は下端において中央部が短く両側部が長いV字形を成していることを特徴とする請求項13に記載の沈降水路モジュール。
  16. 前記傾斜板の平面形は下端において鋸歯形を成していることを特徴とする請求項13に記載の沈降水路モジュール。
  17. 前記傾斜板は横断面形においてV字形を成していることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の沈降水路モジュール。
  18. 前記傾斜板に、懸濁物質を誘導して下に落とす竪樋を備えたことを特徴とする請求項11乃至17のいずれか一記載の沈降水路モジュール。
  19. 前記筐体は前記正面に加えて一方の側面が開口し、前記傾斜板は前記正面方向および前記側面方向に傾斜していることを特徴とする請求項11に記載の沈降水路モジュール。
  20. 前記傾斜板の縦断面形は波形を成していることを特徴とする請求項19に記載の沈降水路モジュール。
  21. 請求項11乃至20のいずれか一記載の沈降水路モジュール内の液体の流れが横向流式の懸濁液分離槽の上流から下流に向かう流れに対して直角になるように、前記沈降水路モジュールが前記懸濁液分離槽内に配置されていることを特徴とする懸濁液分離装置。
  22. 請求項11乃至請求項20のいずれか一記載の沈降水路モジュールと前記沈降水路モジュールを沈設する個別水槽からなることを特徴とする懸濁液分離装置ユニット。
  23. 請求項22に記載の懸濁液分離装置ユニットを複数個備え、前記複数個の懸濁液分離装置ユニットを直列または並列に接続してなることを特徴とする懸濁液分離装置。



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