以下に、第1の実施の形態について、図1乃至図7を参照して説明する。なお、本明細書においては基本的に、ユーザ側を前方、ユーザから遠い側を後方、ユーザから見て左側を左方向、ユーザから見て右側を右方向、ユーザから見て上方を上方向、ユーザから見て下方を下方向と定義する。また、実施形態に係る構成要素や、当該要素の説明について、複数の表現を併記することがある。当該構成要素及び説明について、記載されていない他の表現がされることは妨げられない。さらに、複数の表現が記載されない構成要素及び説明について、他の表現がされることは妨げられない。
図1は、第1の実施の形態に係る電池モジュール10を示す斜視図である。図2は、電池モジュール10を分解して示す斜視図である。電池モジュール10は、例えば、バッテリ、組電池、給電装置、又は充放電装置のようにも称され得る。図1に示すように、電池モジュール10は、略直方体に形成される。なお、電池モジュール10の形状はこれに限らない。
図面に示されるように、本明細書において、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、電池モジュール10の幅に沿う。Y軸は、電池モジュール10の長さに沿う。Z軸は、電池モジュール10の高さ(厚さ)に沿う。
電池モジュール10は、筐体11と、端子カバー12と、を有する。筐体11は、例えば、ケース、収容部材、又は壁のようにも称され得る。端子カバー12は、カバーの一例であり、例えば、被覆部、保護部、部材、又は部分のようにも称され得る。
筐体11は、例えばポリプロピレンによって形成され、絶縁性を有する。なお、筐体11はこれに限らず、例えば、他の合成樹脂、又は絶縁材料がコーティングされた金属のような他の材料によって形成されても良い。
図2に示すように、筐体11は、下ケース15と、上ケース16と、トップカバー17とを有する。さらに、電池モジュール10は、複数の電池セル(以下、セルと称する)21と、複数のスペーサ22と、複数のバスバー23と、下カバー24と、電子基板25と、中継基板26と、上カバー27と、複数のネジ28と、をさらに有する。セル21は、例えば、電池、単電池、又は部品のようにも称され得る。
下ケース15は、上部が開放された略直方体の箱型に形成される。下ケース15は、略矩形(四角形)の底壁と、当該底壁の縁から立ち上がる四つの側壁32と、第1の収容部33とを有する。第1の収容部33は、前記底壁及び四つの側壁32によって形成された凹部である。
セル21は、例えばリチウムイオン二次電池である。なお、セル21はこれに限らず、例えば他の種類の電池であっても良い。セル21は、例えば、缶35と、蓋体36と、正極端子37と、負極端子38と、ガス排出弁39と、を有する。
缶35は、上部が開放された略直方体の箱型に形成される。なお、缶35は他の形状に形成されても良い。缶35は、例えば、互いに重ねられるとともに巻回された電極及びセパレータと、電解液とを収容する。なお、電極及びセパレータは、積層されても良い。
蓋体36は、缶35の開放された前記上部を液密に塞ぐ。正極端子37、負極端子38、及びガス排出弁39は、蓋体36に設けられる。正極端子37及び負極端子38は、缶35に収容された前記電極にそれぞれ電気的に接続される。
ガス排出弁39は、正極端子37と負極端子38との間に位置する。セル21の内部の圧力が所定の値より上がると、ガス排出弁39が開放される。ガス排出弁39は、セル21の内部のガスを放出することで、セル21の内部の圧力を低下させる。
複数のセル21は、下ケース15の第1の収容部33に収容される。複数のセル21は、第1の収容部33において、例えば三列に並べられる。全てのセル21は、Z軸に沿う方向において、蓋体36が同じ方向(上方向)に向くように配置される。セル21の正極端子37は、隣り合う他のセル21の負極端子38と並ぶ。
複数のスペーサ22は、隣り合うセル21の間にそれぞれ配置される。言い換えると、スペーサ22は、隣り合う二つのセル21を離間させる。スペーサ22は、例えば、絶縁性の材料によって形成されたシートである。
上ケース16は、内壁41と、四つの周壁42と、凸壁43と、複数の孔44と、を有する。内壁41は、矩形(四角形)の板状に形成され、下ケース15の前記底壁に向く。周壁42は、内壁41の縁から立ち上がる。
上ケース16は、例えば、周壁42に設けられた爪が下ケース15の側壁32に引っ掛かることで、下ケース15に着脱可能に取り付けられる。上ケース16が下ケース15に取り付けられると、内壁41は、第1の収容部33に配置された複数のセル21を覆う。
図3は、上ケース16の一部を示す斜視図である。図3に示すように、凸壁43は、一つの周壁42から突き出た部分である。凸壁43は、当該凸壁43が突出した一つの周壁42と略平行な壁であって、筐体11の外面の一部を形成する。
凸壁43は、二つの第1の開口部47と、二つの取付溝48と、二つの第2の開口部49とを有する。第1の開口部47は、X軸に沿う方向に並んで配置される。二つの取付溝48は、X軸に沿う方向に並んで配置されるとともに、二つの第1の開口部47の間に位置する。第2の開口部49は、X軸に沿う方向に並んで配置されるとともに、二つの取付溝48の間に位置する。
第1の開口部47、取付溝48、及び第2の開口部49は、凸壁43の上端43aから、Z軸に沿う方向に延びる切欠きである。凸壁43の上端43aは、Z軸に沿う方向における凸壁43の端部であり、周壁42の上端42aと略同一平面に位置する。なお、第1の開口部47、取付部48、及び第2の開口部49はこれに限らず、例えば、凸壁43に設けられた孔であっても良い。
凸壁43に、二つの端子台51が配置される。端子台51は、端子部の一例であり、例えば、出力端子、正極、負極、電極、又は導電部とも称され得る。端子台51は、例えば金属板である。
端子台51は、上ケース16に固定されるとともに、第1の開口部47によって筐体11の外部に露出される。端子台51は、電池モジュール10の正極端子及び負極端子としてそれぞれ用いられる。
図4は、電池モジュール10の一部を示す斜視図である。図4に示すように、端子台51に、挿通孔51aが設けられる。挿通孔51aは、筐体11の外部に向かって開口する。挿通孔51aは、凸壁43に設けられるとともに雌ネジが形成されたネジ穴に連通する。
ボルト53が、端子台51の挿通孔51aを通って、凸壁43の前記ネジ穴にねじ込まれる。言い換えると、端子台51に、ボルト53が取り付けられる。ボルト53は、挿通孔51a及び前記ネジ穴に挿入される軸部と、当該軸部の端に設けられる頭部53aと、頭部53aに設けられる穴53bと、を有する。頭部53aは、例えば、端部、露出部、又は突出部とも称され得る。穴53bは、例えば、凹部又は挿入部とも称され得る。
ボルト53の前記軸部が挿通孔51aに挿入されたとき、頭部53aは端子台51から筐体11の外部に突き出る。頭部53aは、略円柱形に形成されるが、例えば略六角柱に形成されても良い。穴53bは、頭部53aの平坦な端部に設けられる。穴53bは、略六角形に形成されるが、他の形状に形成されても良い。
凸壁43に、二つの第1の引掛部54が設けられる。第1の引掛部54は、X軸に沿う方向における、凸壁43の両端部に位置する。第1の引掛部54は、第1の開口部47にそれぞれ隣接する。二つの第1の開口部47は、二つの第1の引掛部54の間に位置する。第1の引掛部54は、Z軸に沿う方向に延びる溝54aを有する。溝54aは、X軸に沿う方向に開口する。
図2に示すように、複数の孔44は、内壁41に設けられる。複数の孔44は、セル21の正極端子37、負極端子38、及びガス排出弁39に対応して配置される。正極端子37、負極端子38、及びガス排出弁39は、対応する孔44を通って、内壁41から突き出る。
バスバー23は、金属のような導電材料によって形成される。複数のバスバー23は、異なる形状を有する複数種類のバスバー23を含む。バスバー23は、セル21の正極端子37と、隣り合う他のセル21の負極端子38と、の間を電気的に接続する。さらに、バスバー23は、電圧検知に用いられるタブを有する。複数のバスバー23は、例えば、上ケース16の内壁41に取り付けられる。
複数のバスバー23のうち、二つのバスバー23は、二つの端子台51にそれぞれ電気的に接続される。言い換えると、端子台51は、バスバー23を介して、複数のセル21に電気的に接続される。
下カバー24は、例えば、筐体11と同じくポリプロピレンによって形成され、絶縁性を有する。下カバー24は、上ケース16に取り付けられ、上ケース16の内壁41と、バスバー23と、端子台51の一部とを覆う。下カバー24は、バスバー23の前記タブを露出させる複数の孔を有する。
下カバー24は、第2の収容部61と、配置部62とを有する。第2の収容部61は、略矩形(四角形)の凹部であって、電子基板25を収容する。配置部62は、第2の収容部61と並ぶとともに、凸壁43に隣接する。配置部62に、中継基板26が配置される。
電子基板25は、例えば、略矩形(四角形)に形成されたプリント回路板(PCB)である。電子基板25に、配線パターンが設けられるとともに、複数の電子部品が実装される。
電子基板25は、バスバー23の前記タブに、電気的に接続される。電子基板25は、例えば、バスバー23の前記タブから、当該バスバー23に接続されるセル21の電圧を検出し制御する。
中継基板26は、例えば、電子基板25よりも小さいPCBである。中継基板26は、電子基板25に、例えばケーブルを介して電気的に接続される。中継基板26に、二つのコネクタ65が実装される。コネクタ65は、例えばLANコネクタである。なお、コネクタ65は、他の種類のコネクタであっても良い。
コネクタ65は、凸壁43の第2の開口部49によって、筐体11の外部に露出される。すなわち、コネクタ65は、凸壁43に設けられる。コネクタ65は挿入口65aを有し、当該挿入口65aは、第2の開口部49に連通する。
コネクタ65の挿入口65aに、例えば、LANケーブルの端子が挿入される。言い換えると、コネクタ65に、LANケーブルが接続される。当該LANケーブルを介し、例えば、端末又は制御装置が、電子基板25が検知したセル21の電圧を監視及び制御する。
上述のように、二つの端子台51と、二つのコネクタ65とが、一つの凸壁43に配置される。このため、電池モジュール10を他の機械に接続する作業が容易に行われ、作業性が向上する。
上カバー27は、例えば、筐体11と同じくポリプロピレンによって形成され、絶縁性を有する。上カバー27は、電子基板25に取り付けられ、電子基板25を覆う。電子基板25は、下カバー24と上カバー27との間に位置する。
ネジ28は、上カバー27、電子基板25、及び下カバー24を通って、バスバー23の前記タブにねじ込まれる。これにより、ネジ28は、電子基板25とバスバー23との電気的接続を確保するとともに、バスバー23を電子基板25に固定する。さらに、ネジ28は、電子基板25に下カバー24及び上カバー27を固定する。
トップカバー17は、下カバー24及び上カバー27を覆う。トップカバー17は、例えば、トップカバー17に設けられた爪が上ケース16の周壁42に引っ掛かることで、上ケース16に取り付けられる。
上ケース16に取り付けられたトップカバー17は、凸壁43の上端43aを覆う。このため、第1の開口部47、取付溝48、及び第2の開口部49の、凸壁43の上端43aに開放された部分が、トップカバー17によって塞がれる。
図5は、端子カバー12を示す斜視図である。図6は、端子カバー12の一部を示す斜視図である。端子カバー12は、例えば、合成樹脂によって形成される。なお、端子カバー12はこれに限らず、例えば、合成ゴムのような、絶縁性及び弾性を有する他の材料によって形成されても良い。
図5及び図6に示すように、端子カバー12は、固定部71と、二つの第1の移動部72と、二つのヒンジ部73と、第2の移動部74と、を有する。固定部71は、例えば、基部、取付部、又は結合部とも称され得る。第1の移動部72は、例えば、カバー、保護部、被覆部、回動部、又は保持部とも称され得る。ヒンジ部73は、例えば、結合部、回動部、又は移動部とも称され得る。第2の移動部74は、例えば、コネクタカバー、保護部、被覆部、又は回動部とも称され得る。
固定部71は、凸壁43に取り付けられる。固定部71は、壁部76と、二つの係合部77と、二つの露出部78と、を有する。露出部78は、例えば、挿通部、開口、孔、又は凹部とも称され得る。
壁部76は、例えば、X軸及びZ軸に沿って延びる略矩形(四角形)の板状に形成される。壁部76は、筐体11の外部から、凸壁43に重ねられる。言い換えると、壁部76は、凸壁43を覆う。壁部76は、凸壁43の、取付溝48と第2の開口部49とが設けられた部分を覆うが、第1の開口部47が設けられた部分は覆わず露出させる。
図3に示すように、係合部77は、凸壁43の取付溝48に対応した位置に配置される。係合部77は、延部77aと、係部77bとをそれぞれ有する。延部77aは、壁部76からY軸に沿う方向に突出し、凸部43の取付溝48を通される。
係部77bは、延部77aの先端に設けられ、延部77aが延びる方向と交差する方向(例えばX軸に沿う方向)に突出する。係部77bは、筐体11の内側から、凸壁43に引っ掛かる。言い換えると、壁部76と係合部77の係部77bとが、凸壁43を挟持する。
係合部77の延部77aは、取付溝48の凸壁43の上端43aに開放された部分から、取付溝48に挿入される。延部77aが取付溝48に挿入されることで、固定部71は、X軸に沿う方向に移動することを制限される。さらに、係部77bが凸壁43に引っ掛かることで、固定部71は、Y軸に沿う方向に移動することを制限される。凸壁43の上端43aがトップカバー17に塞がれると、固定部71は、Z軸に沿う方向に移動することを制限される。すなわち、固定部71は、筐体11に固定される。
トップカバー17が上ケース16から取り外されると、係合部77は、取付溝48の、凸壁43の上端43aに開放された部分から取り外されることができる。すなわち、固定部71は、着脱可能に筐体11に取り付けられる。
図7は、端子カバー12の固定部71付近における、電池モジュール10の一部を示す斜視図である。図7に示すように、露出部78は、壁部76に設けられた開口である。なお、露出部78は、例えば、切欠き又は凹部であっても良い。
露出部78は、第2の開口部49に対応して配置される。露出部78は、凸壁43の第2の開口部49に連通することで、第2の開口部49によって露出されたコネクタ65を、外部に露出させる。
図4及び図5に示すように、第1の移動部72は、第1の保護壁81と、第2の保護壁82と、第3の保護壁83と、第4の保護壁84と、第5の保護壁85と、第2の引掛部86と、ボルト受け87と、をそれぞれ有する。第1の保護壁81は、第1の壁の一例であり、例えば、保護部又は被覆部とも称され得る。第5の保護壁85は、第2の壁の一例であり、例えば、保護部、被覆部、又は通過部とも称され得る。ボルト受け87は、突出部の一例であり、例えば、リブ、壁、ホルダ、保持部、又は把持部とも称され得る。
第1の移動部72は、例えば図1に示す第1の位置P1と、例えば図4に示す第2の位置P2との間で移動可能である。第1の位置P1は、例えば、閉じ位置、保護位置、又は被覆位置とも称され得る。第2の位置P2は、例えば、開き位置、開放位置、又は露出位置とも称され得る。以下の第1の移動部72についての説明は、基本的に、第1の移動部72が第1の位置P1に位置する場合について説明する。
第1の保護壁81は例えば、X軸及びZ軸に沿って延びる略矩形(四角形)の板状に形成される。第1の保護壁81は、固定部71の壁部76よりも、凸壁43から離間する。第1の保護壁81は、対応する端子台51に面し、端子台51と、端子台51から突き出るボルト53の頭部53aとを、Y軸に沿う方向から覆う。
第1の保護壁81は、内面81aと、外面81bとを有する。第1の保護壁81の内面81aは、端子台51に対向する。外面81bは、内面81aの反対側に位置する。外面81bに、例えば、第1の保護壁81が面する端子台51が、正極であるか負極であるかを示すマーク81cが形成される。
第2の保護壁82及び第3の保護壁83は、例えば、Y軸及びZ軸に沿って延びる略矩形(四角形)の板状にそれぞれ形成される。第2の保護壁82及び第3の保護壁83は、第1の保護壁81のX軸に沿う方向における両端部から、凸壁43に向かって延びる。第2の保護壁82は、第3の保護壁83に対向する。第2の保護壁82は、第3の保護壁83よりも、固定部71に近い。
X軸に沿う方向において、端子台51は、第2の保護壁82と第3の保護壁83との間に位置する。第2の保護壁82及び第3の保護壁83は、端子台51から突き出たボルト53の頭部53aを、X軸に沿う方向から覆う。
第4の保護壁84及び第5の保護壁85は、例えば、X軸及びY軸に沿って延びる略矩形(四角形)の板状にそれぞれ形成される。第4の保護壁84及び第5の保護壁85は、第1の保護壁81から、凸壁43に向かって延びる。
第4の壁84及び第5の保護壁85は、第2の保護壁82と、第3の保護壁83との間に位置する。第4の保護壁84は、第5の保護壁85に対向する。第4の保護壁84は、第5の保護壁85よりも、トップカバー17に近い。
Z軸に沿う方向において、端子台51は、第4の保護壁84と第5の保護壁85との間に位置する。第4の保護壁84及び第5の保護壁85は、端子台51から突き出たボルト53の頭部53aを、Z軸に沿う方向から覆う。
上述のように、第1乃至第5の保護壁81〜85は、対応する端子台51と、端子台51から突き出たボルト53の頭部53aを、X軸、Y軸、及びZ軸に沿う方向から覆う。すなわち、第1の移動部72は、対応する端子台51と、当該端子台51に取り付けられたボルト53の頭部53aを保護する。
第2の引掛け部86は、延壁91と、二つの爪92と、を有する。延壁91は、第3の保護壁83から、第2の保護壁82の反対側に向かって延びる。延壁91は、X軸及びZ軸に沿う方向に延びる略矩形(四角形)の板状に形成される。延壁91は、第1の引掛部54を、Y軸に沿う方向から覆う。
爪92は、延壁91から、第1の引掛部54に向かって突出する。爪92の先端は、第1の引掛部54の溝54aに弾性的に引っ掛かる。爪92は、第1の引掛部54の溝54aに引っ掛かることで、第1の移動部82が端子台51から離れることを制限する。
ボルト受け87は、第1の保護壁81の内面81aから、端子台51に向かって突出する略円筒形のリブである。ボルト受け87は、円形の凹部87aを形成する。なお、ボルト受け87は、他の形状に形成されても良い。ボルト受け87の内径は、ボルト53の頭部53aの外径とほぼ等しい。
ボルト53の頭部53aは、ボルト受け87の凹部87aに嵌り込む。凹部87aの一部であるボルト受け87の内周面は、ボルト53の頭部53aの外周面に接触する。すなわち、ボルト受け87の凹部87aは、ボルト53の頭部53aを保持する。
ボルト受け87の凹部87aがボルト53の頭部53aを保持することで、ボルト53が回ることが抑制される。すなわち、凹部87aの一部であるボルト受け87の内周面と、ボルト53の頭部53aの外周面との間で摩擦が生じ、ボルト53が緩むことが抑制される。
なお、凹部87aの一部であるボルト受け87の内周面に、ボルト受け87の突出する方向に延びる複数の溝が形成されても良い。当該溝は、凹部87aとボルト53の頭部53aとの間の摩擦を強くし、ボルト53が緩むことをさらに抑制する。
図6に示すように、ヒンジ部73は、固定部71の壁部76の、X軸に沿う方向における両端部に設けられる。ヒンジ部73は、固定部71の壁部76と、第1の移動部72の第2の保護壁82とを結合する。言い換えると、ヒンジ部73は、第1の移動部72を、固定部71を介して凸壁43に保持する。
ヒンジ部73によって固定部71に結合されることで、第1の移動部72は、第1の位置P1と、第2の位置P2との間で回動可能である。言い換えると、端子カバー12は、第1の移動部72が第1の位置P1と第2の位置P2との間で移動可能なように、凸壁43に取り付けられる。
図1に示すように、第1の移動部72が第1の位置P1にあるとき、上述のように、第1乃至第5の保護壁81〜85が、端子台51及びボルト53の頭部53aを覆う。さらに、ボルト53の頭部53aが、ボルト受け87の凹部87aに嵌め込まれて保持される。
さらに、第1の移動部72が第1の位置P1にあるとき、上述のように、第2の引掛部86の爪92が、第1の引掛部54の溝54aに弾性的に引っ掛かる。すなわち、第1の移動部72は、爪92が第1の引掛部54の溝54aに弾性的に引っ掛かることで、第1の位置P1に保持される。
図4に示すように、第1の移動部72が第2の位置P2にあるとき、第1の保護壁81は、凸壁43及び端子台51に対して略直交する方向に延びる。言い換えると、第1の移動部72は、第1の位置P1から第2の位置P2に移動することで、ヒンジ部73を中心に約90度回動する。第1の移動部72が第2の位置P2にあるとき、第1の移動部72は、X軸に沿う方向において、端子台51とコネクタ65との間に位置する。このため、例えば、第2の移動部72は、コネクタ65に接続される前記LANケーブルと端子台51とが短絡することを抑制する。
第1の移動部72が第2の位置P2にあるとき、端子台51と、端子台51から突き出たボルト53の頭部53aは、覆われずに露出される。さらに、ボルト53の頭部53aは、ボルト受け87の凹部87aから外れる。このため、ボルト53は回されることができる。
第1の移動部72が第1の位置P1から第2の位置P2に向かって回動するとき、爪92は、弾性的に第1の引掛け部54を乗り越え、溝54aから外れる。すなわち、第1の移動部72は、第1の位置P1から容易に第2の位置P2に移動可能である。言い換えると、第1の移動部72は、着脱可能に凸壁43に取り付けられる。
図5に示すように、第2の移動部74は、覆壁95と、二つの凸部96とを有する。覆壁95は、例えば、壁、回動部、又はカバーとも称され得る。凸部96は、例えば、挿入部、嵌合部、又は保持部とも称され得る。
覆壁95は例えば、X軸及びZ軸に沿う方向に延びる略矩形の板状に形成される。覆壁95のZ軸に沿う方向の端部は、固定部71の壁部76のZ軸に沿う方向の端部に、回動可能に結合される。
覆壁95は、固定部71に対して、図1に示す第3の位置P3と、図5に示す第4の位置P4との間で回動可能である。第3の位置P3は、例えば、閉じ位置、保護位置、又は被覆位置とも称され得る。第4の位置P4は、例えば、開き位置、開放位置、又は露出位置とも称され得る。
図1に示すように、覆壁95が第3の位置P3にあるとき、覆壁95は、固定部71の壁部76と、壁部76に設けられた露出部78と、を覆う。すなわち、覆壁95は、露出部78によって露出されたコネクタ65を覆う。
図5に示すように、覆壁95が第4の位置P4にあるとき、覆壁95は、固定部71の壁部76のZ軸に沿う方向の端部から、Z軸に沿う方向に延びる。言い換えると、覆壁95は、固定部71の壁部76と、Z軸に沿う方向に並ぶ。このため、覆壁95は露出部78を覆わずに露出させる。露出部78が露出されることで、露出部78と、凸壁43の第2の開口部49を通して、コネクタ65の挿入口65aに前記LANケーブルが接続可能になる。
凸部96は、覆壁95から突出する。二つの凸部96は、二つの露出部78に対応する位置に配置される。凸部96は、例えば、コネクタ65の挿入口65aに対応した形状に形成される。
図3に示すように、覆壁95が第3の位置P3にあるとき、凸部96は、露出部78に通される。凸部96は、露出部78を通って、コネクタ65の挿入口65aに挿入される。言い換えると、凸部96は、コネクタ65の挿入口65aに嵌め込まれる。凸部96がコネクタ65の挿入口65aに挿入されることで、覆壁95は、第3の位置P3に保持される。
覆壁95が第4の位置P4にあるとき、凸部96は、露出部78及びコネクタ65から外れる。覆壁95が第3の位置P3から第4の位置P4に向かって移動するとき、凸部96は、コネクタ65の挿入口65aの縁を、弾性的に乗り越える。
第1の実施の形態に係る電池モジュール10において、筐体11の凸壁43に着脱可能に取り付けられた端子カバー12が、端子台51と、ボルト53の頭部53aとを覆う。これにより、端子台51及びボルト53の頭部53aを容易に保護することができる。
端子台51及びボルト53の頭部53aを容易に保護することができるため、例えば、電池モジュール10の組立時及び輸送時に、端子台51及びボルト53の頭部53aが保護されやすくなる。したがって、端子台51又はボルト53の頭部53aに、例えば、水、塵埃、又は導電性の部品が接触することによる短絡が生じることを抑制できる。
さらに、端子カバー12のボルト受け87が、ボルト53の頭部53aを保持し、ボルト53の緩みを抑制する。ボルト53は、例えば、電池モジュール10を利用する機械から延びるハーネスを、端子台51に固定することで、当該ハーネスと端子台51との間の電気的接続を確保する。ボルト受け87がボルト53の緩みを抑制することで、端子台51と前記ハーネスとの間の電気的接続がより確実に確保される。
前記ハーネスが取り付けられる二つの端子台51の間に、二つのコネクタ65が配置される。さらに、第2の位置P2に位置する第1の移動部72は、端子台51とコネクタ65との間を隔てる。このため、端子台51及びコネクタ65で短絡が生じることが抑制される。
端子カバー12の第1の移動部72が第1の位置P1にあるとき、ボルト53の頭部53aはボルト受け87と嵌め合わされる。さらに、端子カバー12の第1の移動部72が第2の位置P2にあるとき、ボルト53の頭部53aは、ボルト受け87から外れる。言い換えると、第2の移動部72は、閉じられることでボルト53を保護し、開かれることでボルト53を露出させる。これにより、端子部51及びボルト53を容易に保護することができ、端子部51又はボルト53で短絡が生じることを抑制できる。
端子カバー12の第1の移動部72は、爪92が第1の引掛部54の溝54aに弾性的に引っ掛かることで、第1の位置P1に保持される。言い換えると、端子カバー12は、いわゆるスナップフィットによって筐体11に取り付けられる。これにより、端子カバー12による端子台51の保護がさらに容易になり、端子部51又はボルト53で短絡が生じることを抑制できる。
端子カバー12が、コネクタ65を露出させる露出部78を覆う第2の移動部74と、コネクタ65の挿入口65aに挿入される凸部96と、を有する。これにより、一つの端子カバー12で、導電性の部分である端子台51及びコネクタ65の両方を保護することができる。
ボルト53の頭部53aは、ボルト受け87が形成する凹部87aに嵌り込む。言い換えると、ボルト受け87は、ボルト53の頭部53aを覆う。これにより、ボルト53の頭部53aで短絡が生じることが抑制される。
以下に、第2の実施の形態について、図8を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図8は、第2の実施の形態に係る端子カバー12の第1の移動部72を示す斜視図である。図8に示すように、ボルト受け87は、二つの第1のスリット101と、第2のスリット102とを有する。第1のスリット101と第2のスリット102は、第1の溝の一例であり、例えば、スリット、孔、切欠き、凹部、開口部、又は開放部とも称され得る。
第1及び第2のスリット101,102は、ボルト受け87の先端87bから、第1の保護壁81に向かって延びる。言い換えると、第1及び第2のスリット101,102は、ボルト受け87の先端87bで開放される。第1及び第2のスリット101,102が設けられることで、ボルト受け87は容易に弾性変形する。
第2のスリット102は、二つの第1のスリット101よりも、ヒンジ部73に近い。言い換えると、第2のスリット102は、第1のスリット101よりも、第1の移動部72の回動の中心軸に近い。さらに、第2のスリット102は、第1のスリット101よりも幅が広い。第1及び第2のスリット101,102の幅は、ボルト受け87の円周方向における寸法である。
第1の移動部72が第2の位置P2から第1の位置P1に回動すると、ボルト受け87の、ヒンジ部73に近い部分が、ヒンジ部73から遠い部分よりも先にボルト53の頭部53aに当接する。第2のスリット102は、ボルト受け87の、当該ヒンジ73に近い部分に位置する。第2のスリット102の幅が広いため、ボルト受け87の、当該ヒンジ73に近い部分は、容易に弾性変形できる。したがって、ボルト53の頭部53aは、ボルト受け87の凹部87aに容易に嵌り込む。
第2の実施形態の電池モジュール10によれば、ボルト53の頭部53aと嵌め合わされるボルト受け87に、第1及び第2のスリット101,102が設けられる。これにより、ボルト受け87は、弾性変形することでボルト53の頭部53aと容易に嵌め合わされることができる。
第1のスリット101よりもヒンジ部73に近い第2のスリット102の幅が、第1のスリット101の幅よりも大きい。これにより、第1の移動部72が第2の位置P2から第1の位置P1に移動するとき、ボルト受け87が容易に弾性変形することができる。このため、ボルト受け87がボルト53の頭部53aと容易に嵌り合うことができる。
以下に、第3の実施の形態について、図9を参照して説明する。図9は、第3の実施の形態に係る第1の移動部72の一部を示す平面図である。図9に示すように、第3の実施形態において、ボルト受け87は、内側部分87cと、外側部分87dとを有する。内側部分87aは、第1の部分の一例である。外側部分87dは、第2の部分の一例である。
内側部分87cは、図9に一点鎖線で示すボルト受け87の中央線Lよりも、ヒンジ部73に近い部分である。中央線Lは、円筒形のボルト受け87を、X軸に沿う方向に二分する。中央線Lは、ボルト受け87にボルト53の頭部53aが嵌め込まれたとき、ボルト53の頭部53aの中央(ボルト53の前記軸部の軸心)を通る。すなわち、内側部分87cは、ボルト受け87がボルト53の頭部53aと嵌り合ったときに、頭部53aの中央よりもヒンジ部73に近い部分である。
外側部分87dは、ボルト受け87の中央線Lよりも、ヒンジ部73から遠い部分である。すなわち、外側部分87dは、ボルト受け87がボルト53の頭部53aと嵌り合ったときに、頭部53aの中央よりもヒンジ部73から遠い部分である。
ボルト受け87は、複数のスリット104を有する。スリット104は、第1の溝の一例であり、例えば、孔、切欠き、凹部、開口部、又は開放部とも称され得る。スリット104は、ボルト受け87の先端87bから、第1の保護壁81に向かって延びる。スリット104が設けられることで、ボルト受け87は容易に弾性変形する。
ボルト受け87の内側部分87cに設けられたスリット104の個数は、外側部分87dに設けられたスリット104の個数よりも多い。言い換えると、複数のスリット104は、ヒンジ部73に近い内側部分87cに偏在する。このため、内側部分87cは、外側部分87dよりも容易に変形する。
第3の実施形態の電池モジュール10によれば、ボルト受け87の内側部分87cに設けられたスリット104の個数が、ボルト受け87の外側部分87dに設けられたスリット104の個数よりも多い。内側部分87cは、端子カバー12の第1の移動部72が第2の位置P2から第1の位置P1に移動するとき、他の部分よりも先にボルト53の頭部53aに当たる。このため、ボルト受け87がボルト53の頭部53aと容易に嵌り合うことができる。
以下に、第4の実施の形態について、図10及び図11を参照して説明する。図10は、第4の実施の形態に係る第1の移動部72が第2の位置P2にある状態の、電池モジュール10の一部を示す斜視図である。図11は、第4の実施形態の第1の移動部72が第1の位置P1にある状態の、電池モジュール10の一部を示す斜視図である。
図10に示すように、第4の保護壁84と、第5の保護壁85とは、それぞれ複数の切込み106を有する。切込み106は、第2の溝の一例であり、例えば、スリット、孔、切欠き、凹部、開口部、又は開放部とも称され得る。
切込み106は、対応する第4の保護壁84の先端84a、又は第5の保護壁85の先端85aから、第1の保護壁81に向かって延びる。切込み106が設けられることにより、第4及び第5の保護壁84,85は、容易に弾性変形する。
端子台51に、ハーネス110が接続される。ハーネス110は、例えば、配線又はケーブルとも称され得る。ハーネス110は、例えば、電池モジュール10を利用する機械から延びる。
ハーネス110は、例えば銅線のような電線と、当該電線を覆うスリーブ111と、前記電線の端部に設けられた端子112とを有する。スリーブ111は、絶縁体によって形成される。端子112は、金属のような導電体によって形成され、前記電線に電気的に接続される。
端子112は、端子台51に接触させられる。これにより、端子112は、端子台51に電気的に接続される。さらに、ボルト53は、締められることで、端子112を端子台51に押し付ける。言い換えると、端子112は、ボルト53によって、端子台51に圧着させられる。前記電線を覆うスリーブ111は、端子台51に取り付けられた端子112から、例えば、Z軸に沿う方向に延ばされる。
図11に示すように、第1の移動部72が第1の位置P1にあるとき、第5の保護壁85の先端85aと、凸壁43又は端子台51との間に、隙間が形成される。スリーブ111は、当該隙間を通る。しかし、第5の保護壁85の先端85aと凸壁43又は端子台51との間の隙間が、スリーブ111の径より小さい場合がある。この場合、第5の保護壁85が弾性変形することで、スリーブ111が第5の保護壁85の先端85aと凸壁43又は端子台51との間の隙間を通る。
第1の移動部72は、さらに、保持爪115を有する。保持爪115は、第2の保護壁82から、X軸に沿う方向において固定部71に向かって突出する。保持爪115は、第2の保護壁82の、Z軸方向における上端82aに位置する。
第1の移動部72が、第2の位置P2に位置すると、保持爪115は、固定部71の壁部76の上端76aに引っ掛かる。上端76aは、Z軸に沿う方向における壁部76の端部である。これにより、保持爪115は、第1の移動部72が弾性力によって第2の位置P2から第1の位置P1に戻ることを抑制する。第1の移動部72が第2の位置P2から第1の位置P1に移動するとき、保持爪115は、壁部76の上端76aを弾性的に乗り越える。
第1の移動部72が重力によって下方に傾く可能性がある。しかし、保持爪115が第2の保護壁82の上端82aに設けられるため、保持爪115は壁部76の上端76aに引っ掛かったままである。
第4の実施形態の電池モジュール10によれば、端子カバー12に、第1の保護壁81から凸壁43に向かって突出する第5の保護壁85が設けられる。第5の保護壁85が水や塵埃を防ぐことで、ボルト53で短絡が生じることが抑制される。
第5の保護壁85に切込み106が設けられる。これにより、第5の保護壁85と凸壁43又は端子台51との間を通過するハーネス110のスリーブ111が、第5の保護壁85と干渉したとしても、第5の保護壁85が容易に変形できる。したがって、ハーネス110が損傷することが抑制される。
以下に、第5の実施の形態について、図12を参照して説明する。図12は、第5の実施の形態に係る端子カバー12の第1の移動部72を示す斜視図である。図12に示すように、第5の実施形態の第1の移動部72は、ボルト受け87の代わりに、挿入部121を有する。挿入部121は、突出部の一例である。
挿入部121は、第1の保護壁81の内面81aから、端子台51に向かって突出する、例えば円筒形状のリブである。挿入部121の外径は、ボルト53の穴53bの内接円の径とおおよそ等しい。
第1の移動部72が第1の位置P1にあるとき、挿入部121は、ボルト53の頭部53aに設けられた穴53bに嵌り込む。挿入部121の外周面は、穴53bの内周面に接触する。すなわち、挿入部121は、ボルト53の頭部53aを保持する。
挿入部121がボルト53の頭部53aを保持することで、ボルト53が回ることが抑制される。すなわち、挿入部121の外周面と、ボルト53の穴53bの内周面との間で摩擦が生じ、ボルト53が緩むことが抑制される。
第1の移動部72が第1の位置P1から第2の位置P2に移動すると、挿入部121は、ボルト53の穴53bから外れる。挿入部121が外れたボルト53は、回されることができる。
挿入部121に、複数のスリット122が設けられる。スリット122は、挿入部121の先端121aから、第1の保護壁81に向かって延びる。スリット122が設けられることにより、挿入部121は容易に弾性変形する。このため、挿入部121は、ボルト53の穴53bに容易に嵌め込まれる。
第5の実施形態に示されるように、ボルト53は、穴53bに挿入される挿入部121によって保持されても良い。なお、第1の移動部72は、第1乃至第4の実施形態で示されたボルト受け87と、第5の実施形態で示された挿入部121と、を両方有しても良い。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、筐体に着脱可能に取り付けられたカバーが端子部を覆う。これにより、端子部を容易に保護することができ、端子部で短絡が生じることを抑制できる。さらに、カバーがボルトの頭部を保持することで、端子部に取り付けられたボルトの緩みが抑制される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態において、端子カバー12は筐体11と別個の部品である。しかし、カバーは、筐体と一体に形成されても良い。例えば、カバーの一つの端部が筐体にヒンジによって回動可能に結合され、他方の端部が筐体に着脱可能に取り付けられることで、カバーが端子部を覆うとともにボルトを保持しても良い。
さらに、上記実施形態において、端子カバー12は、筐体11に固定される固定部71を有する。しかし、カバーは、筐体から完全に取り外されることで、端子部を露出させても良い。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
筐体と、
前記筐体に収容された複数のセルと、
前記複数のセルに電気的に接続されるとともに前記筐体に設けられた端子部と、
前記端子部に取り付けられ、頭部を有するボルトと、
前記筐体に着脱可能に取り付けられることで前記端子部を覆うとともに、前記ボルトの前記頭部を保持する、カバーと、
を具備する電池モジュール。
[2]
前記カバーは、前記端子部に面する第1の壁と、前記第1の壁から突出するとともに前記ボルトの前記頭部と嵌め合わされることで前記頭部を保持する突出部と、前記突出部の先端から前記第1の壁に向かって延びる第1の溝と、を有する、[1]の電池モジュール。
[3]
前記カバーは、前記筐体に対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能なように前記筐体に取り付けられ、
前記突出部は、前記カバーが前記第1の位置にあるときに前記ボルトの前記頭部と嵌め合わされ、前記カバーが前記第2の位置にあるときに前記ボルトの前記頭部から外れる、
[2]の電池モジュール。
[4]
前記カバーは、前記第1の壁、前記突出部、及び前記第1の溝を有する第1の移動部と、前記第1の移動部が前記第1の位置と前記第2の位置との間で回動可能なように、前記第1の移動部を前記筐体に保持するヒンジ部と、をさらに有し、
前記第1の溝は、第1のスリットと、前記第1のスリットよりも前記ヒンジ部に近いとともに前記第1のスリットよりも幅が広い第2のスリットと、を含む、
[3]の電池モジュール。
[5]
前記カバーは、前記第1の壁、前記突出部、及び前記第1の溝を有する第1の移動部と、前記第1の移動部が前記第1の位置と前記第2の位置との間で回動可能なように、前記第1の移動部を前記筐体に保持するヒンジ部と、をさらに有し、
前記突出部は、前記ボルトの前記頭部と嵌りあったときに前記頭部の中央よりも前記ヒンジ部に近い第1の部分と、前記頭部の中央よりも前記ヒンジ部から遠い第2の部分と、を有し、
前記第1の溝は、複数のスリットを含み、前記第1の部分に設けられた前記スリットの数は、前記第2の部分に設けられた前記スリットの数よりも多い、
[3]の電池モジュール。
[6]
前記カバーは、前記第1の壁から前記筐体に向かって突出する第2の壁と、前記第2の壁の先端から前記第1の壁に向かって延びる第2の溝と、を有する、[3]の電池モジュール。
[7]
前記カバーは、前記筐体に弾性的に引っ掛かることで前記第1の位置に保持される、[4]乃至[6]のうち一つの電池モジュール。
[8]
前記筐体に設けられるコネクタをさらに具備し、
前記カバーは、
前記筐体に固定されるとともに前記ヒンジ部によって前記第1の移動部に結合され、前記コネクタを露出させる露出部を有する固定部と、
前記固定部に対して、前記露出部を覆う第3の位置と、前記露出部を露出させる第4の位置と、の間で移動可能に前記固定部に結合された第2の移動部と、
前記第2の移動部に設けられ、前記第2の移動部が前記第3の位置にあるときに前記露出部を通って前記コネクタに嵌り込み、前記第2の移動部が前記第4の位置にあるときに前記コネクタから外れる、凸部と、
をさらに有する、[7]の電池モジュール。
[9]
前記突出部は、前記ボルトの前記頭部が嵌り込むことで前記頭部を保持する凹部を形成する、[8]の電池モジュール。