JP6168134B2 - 易吸湿性原料を含む濃縮油性食品原料、及びこれを用いたチョコレート類の製造法 - Google Patents
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果汁や果実を脱水してペースト、あるいは粉末状にした原料はきわめて吸湿しやすく、本願発明においては易吸湿性原料と称するが、これはスプレードライによって乾燥した原料(スプレードライ原料と称する)またはフリーズドライによって乾燥した原料(フリーズドライ原料)が挙げられる。
そのため、前の作業のカラーチョコレートの除去はきわめて徹底的である必要があるため手間がかかり、作業性、生産性を低下させるものであった。
実際、カラーチョコに用いられる色素や香料などはきわめて少量で目的の色や風味を呈させることができる原料として広く用いられているが、易吸湿性原料を高い割合に含む高濃度品(濃縮油性食品原料と称する)は吸湿をより受けやすく、その結果として粘度や色の変化を起こしやすい。
しかしながら濃縮油性食品原料をリファイニング工程にかけて微細化した場合、易吸湿性原料の割合が高くなるにつれて吸湿を受けやすくなり、水飴のように粘稠になったり粒子の再結着といった物性の変化や、変色などが起こりやすい。
しかも、上記発明による果汁粉末は、水溶性食物繊維などを含有させて噴霧するなどといった特別な工程を必要とする。
よって、濃縮油性食品原料として、易吸湿性原料が十分な濃縮がなされたものはこれまで得られなかった。
本発明において言うところのチョコレート類とは、油脂が連続相を為す油性食品であり、特に限定はされないが、一例を挙げると、チョコレートやチョコレート様食品といったものが挙げられる。またチョコレートは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(昭和46年3月29日、公正取引委員会告示第16号)による「チョコレート生地」及び「準チョコレート生地」を含むものであって、カカオ豆から調製したカカオマス、カカオ脂、ココアパウダー及び糖類を原料とし、必要により他の食用油脂、乳製品、香料等を加え、チョコレート製造の工程を経たものをいい、またカカオマスを使用しない所謂ホワイトチョコレート生地をも包含するものである。
易吸湿性原料の吸湿しやすさの目安としては、温度25℃、湿度80%の恒温恒湿雰囲気下で1時間放置した際の吸湿率が1%以上、さらに3%以上であるもの、または温度25℃、湿度50%で定常状態になる(または48時間後)まで放置した際の吸湿率が3%以上、さらに5%以上であるものを意味する。なお、吸湿率は((放置後重量−放置前重量)/放置前重量)×100であらわされる。
易吸湿性の度合いが高いほど本発明の利用により効果的に吸湿を防止でき、従来技術においては十分に吸湿を防止できず増粘、変色をおこしやすい。
易吸湿性原料は上記条件を満たせば特にその組成には限定はないが、その高い吸湿性の原因となるのは主に糖類の果糖、ブドウ糖、そして麦芽糖である。果糖とブドウ糖と麦芽糖の総量が吸湿前の状態で易吸湿性原料全体に対して25重量%以上、35重量%以上、さらには50%以上含有しているものの方がより吸湿が激しい為、本発明を利用することにより効果的に吸湿を防止できる。
なお、スプレードライ原料やフリーズドライ原料はその吸湿性を低減するためにデキストリンなど賦形剤や風味調整などのために別の糖類を加えて乾燥させる場合もあるが、そういった賦形剤などをふくめたスプレードライ原料やフリーズドライ原料全体として、上記吸湿率の条件をみたしているものを易吸湿性原料とする。
易吸湿性原料を高い割合に含む濃縮油性食品原料がフレーク状となった場合、急激に増加した、しかも油で巻かれていない状態の表面が外気に露出し、その箇所から急速に吸湿を受け、増粘や変色を引き起こすことになる。
濃縮油性食品原料の粒度が粗すぎる場合、吸湿が顕著ではないため本発明を用いる必要もなく、またその最終的ない吸湿性原料を含むチョコレート類の商品設計にもよるが、ざらざらした食感になるため、濃縮油性原料の粒度100μm以下である必要があり、望ましくは75μm以下、さらに望ましくは50μm以下であることが好ましい。
もちろん、本発明とは別ではあるが、たとえ微細化した粒子の表面がすべて油で覆われていない状態であっても作業環境が除湿され乾燥していれば、吸湿は抑えられ増粘・変色も抑制できるのであるが、ロールリファイニングは特に工場生産時において、設備的に極めて大型であり、得られた易吸湿性原料を高い割合に含む濃縮油性食品原料のフレークが吸湿しないように、その設備全体を除湿した雰囲気下で作業をすることはきわめて困難である。
濃縮油性食品原料とは易吸湿性原料を高い割合で含む高濃度品であり、ベースのホワイトチョコレートに最終工程で混ぜ合わせることで目的の易吸湿性原料を含むチョコレート類を製造できる。
一方、易吸湿性原料が多いほど濃縮油性原料としての濃縮度が高く、ベースのホワイトチョコレートへの添加は少量で済む利点があるが、当然吸湿性が高くなる。
それらの易吸湿性原料をx(%)、含油量をy(%)とした場合、xとyの関係は以下の関係である必要がある。
y≧ax2+b但し、a=0.012、b=30
望ましくはb=32、さらに望ましくはb=35である。
ただし、x、y共に濃縮油性食品原料に対する比率(重量%)とする。(図1参照)
y≧ax2+bはy=ax2+b(線3・b=30)の上方にあたり、この線より下は粉砕前のスラリー状の原料の流動性が低下し、ボールミルに供することが困難である。
本発明の濃縮油性食品原料は易吸湿性原料(x)と含油量(y)は、x=10(線1)、x+y=100(線2)、そしてy=ax2+b(線3)に囲まれた領域(領域A)となる。
なおy≧ax2+bではあるが、x<10の領域Cにおいてはボールミルで粉砕可能だが、易吸湿性原料の割合が低く濃縮油性食品原料としての価値が低い。
またy<ax2+bの領域Bおよび領域Dは流動性が低くボールミルで粉砕が困難である。
なお、ロールリファイニングによる粉砕は25≦y≦30程度の領域でないとロールに巻き込まれてゆかないが、粉砕されたものは粒子のすべての表面が油で覆われていない為、xは極めて小さい値(最大で8%程度)でないと吸湿を受け、増粘・変色といった影響をうけるやすい。吸湿を受けない程度の易吸湿性原料の配合量では濃縮油性食品の原料としての価値が低い。
なお、ロールリファイニングが可能な投入原料の含油量は20〜30重量%程度であり、その上限を上回るとロールが滑って原料を微細化することが出来ない。
なお、カラーチョコレートを調製する際にはベースのチョコレートはホワイトチョコレートであることが望ましいが、濃縮油性食品原料が特に濃厚な風味を有し、最終製品がビター感+別の風味のあるタイプのチョコレートを意図している場合は、ベースチョコレートは特にホワイトチョコレートである必要はなく、ミルクやスイートといったカカオ風味の強いものであってもかまわない。
最終製品における濃縮油性食品原料の比率は5重量%以下、望ましくは1重量%以下であることが好ましい。5重量%を超えると濃縮油性食品原料の添加量が最終製品に比して多く、濃縮油性食品としてわざわざ添加するメリットに乏しい。
なお、例中、%及び部は重量基準を意味する。
<濃縮油性食品原料の調製>
易吸湿性原料としてイチゴフリーズドライパウダー(株式会社おむすびころりん本舗製「FDイチゴAF−5」原料:イチゴ100%をフリーズドライ、乾燥体で糖類70%、なおイチゴの糖類中における果糖とブドウ糖と麦芽糖の総量は98%)、ココアバター(不二製油株式会社製「ココアバター」)、レシチンを、表1に記載の配合で一様になるように混合する。含油量は60重量%、易吸湿性原料の割合は40重量%であった。
なお表1は最終的に濃縮油性食品原料とベースチョコレートを混合して得られたチョコレート類を100重量部(レシチン除く)として相対的な配合比が記載されているが、濃縮油性食品原料とベースチョコレートをそれぞれ作業に適した重量で行い、そのそれぞれの一部を表1の配合に従い混合し調整してかまわない。
混合した生地をボールミル(日本コークス工業株式会社製、湿式大量循環型粉砕機「SC220」)により、粒度が約20μmになるような条件にてリファイニングにかけ、濃縮油性食品原料を得た。
易吸湿性原料であるイチゴフリーズドライパウダーは、混合した生地の段階でも、そして微細化しても十分に連続相である油相に覆われており、リファイニング工程の前後を通して作業上問題となるような吸湿に伴う物性の変化は見られなかった。
濃縮油性食品原料自体も吸湿に伴う粘度上昇や変色などは抑えられた。
表1の配合にて、砂糖、ココアバター、全脂粉乳、植物油脂(不二製油株式会社製「メラノNEWSS7」)、乳糖、レシチンをもちい、定法に従いベースチョコレートとなるホワイトチョコレートを調製した。
また、得られた濃縮油性食品原料2.5%重量部とベースチョコレート97.5重量部に添加し、易吸湿性原料を含むチョコレート類を得た。
易吸湿性原料を含むチョコレート類は、従来型の易吸湿性原料の全量を含む状態でロールミルにてリファイニングしたチョコレート類(比較例3)と同等の品質であった。
さらに、ベースチョコレートは従来型のロールリファイナーによる比較的平易な工程で調製が出来、そのベースチョコレートに少量の濃縮油性原料を少量加えるだけで、従来型(比較例3)のチョコレート類と同等の品質のものを調製できるため、きわめて生産性の良いものであった。
また、風味の強い易吸湿性原料を大量に含む原料を処理したボールリファイナーはロールリファイナーに比べ、その構造上洗浄が容易であった。
実施例1と同配合、同操作で得られた混合した生地をボールミルではなくロールリファイナー(BUHLER社株式会社製、「Three−roll mill SDY−300」)により、リファイニングに供した。
易吸湿性原料であるイチゴフリーズドライパウダーは、混合した生地の段階でも、そして微細化しても十分に連続相である油相に覆われてはいたが、混合した生地の含油量はロールリファイニングに供するのに適当な含油量の範囲(25〜30重量%程度)を逸脱しており、ロールに巻き込まれてゆかず、「ロールがすべる」と呼ばれる現象がおきており、ロール間隙より油脂が染み出すばかりで十分な微細化が出来ない(100μm以上)濃縮油性食品原料が得られた。
また、実施例1と同様の配合でベースチョコレートに添加し、易吸湿性原料を含むチョコレート類を得た。
易吸湿性原料を含むチョコレート類は粒度が粗いため、ざらざらとした食感があり、しかも易吸湿性原料の大きな粒子が点在しているのが目視できる為、色調も実施例1や比較例3と異なり商品価値の乏しいものであった。
比較例1と同配合ではあるが、植物油脂の一部を当初の配合に供さず、含油量29%の混合した生地を調製しロールリファイニングを行った。
比較例1と異なりロールリファイニングに供することができ、粒度も20μmのロールフレークが得られたが、そのロールフレークは粒子の表面を油脂が十分に覆うことが出来ず、油脂が不連続な相となっており、油脂で覆いきれなかった部分から吸湿を受けた易吸湿性原料がたちまち結着して粒度が増大(50μm以上)した
吸湿により粘度が上昇し当初配合に供さなかった植物油脂の残余の部分を添加し、既存のチョコレートの定法に従いコンチングを行ったが、結着した粒子はコンチングによっても再び元の細かい粒子に解離しない、粒度の高い濃縮油性食品原料が得られた。
また、実施例1と同様の配合でベースチョコレートに添加し、易吸湿性原料を含むチョコレート類を得た。
易吸湿性原料を含むチョコレート類は粒度が粗いため、ざらざらとした食感があり、しかも易吸湿性原料の大きな粒子が点在しているのが目視できる為、色調も実施例1や比較例3と異なり商品価値の乏しいものであった。
表1に示すとおり、比較例1の最終的な易吸湿性原料を含むチョコレート類と同じ配合からココアバターと植物油脂を除き、含油量29%の混合した生地を調製しロールリファイニングを行い、次いで、先の配合で除かれた分のココアバターと植物性油脂を追油として、既存のチョコレートの定法に従いコンチングを行った。
比較例2同様に、ロールリファイニング後のロールフレークが全面を油脂に覆われていないのだが、含まれる易吸湿性原料が少量であるため物性に影響がでるほどの吸湿を受けず、実施例1と同程度の品質の易吸湿性原料を含むチョコレート類を得られたものの、濃縮油性原料にベースチョコレートを少量加えるだけで済む実施例1に比べ生産性が悪く、また少量とはいえ風味の強い易吸湿性原料を含む原料を処理したロールリファイナーは別の風味のチョコレート類を生産するに際して徹底した洗浄が必要であり、それは実施例1のボールリファイナーの洗浄に比べ著しく煩雑なものであった。
ボール:ボールミル
ロール:ロールリファイナーのそれぞれ略称。なおすべて重量部
<濃縮油性食品原料の調製>
実施例1の易吸湿性原料であるイチゴフリーズドライパウダーをブルーベリーフリーズドライパウダー(日本ジフィー食品株式会社製「ブルーベリーFD−241」原料:ブルーベリー濃縮物25重量%、製品中糖類60%)に変える以外は同配合、同操作で混合した生地を調製、さらに実施例1と同操作で濃縮油性食品原料を調製した。
実施例1同様に易吸湿性原料であるブルーベリーフリーズドライパウダーは、混合した生地の段階でも、そして微細化しても十分に連続相である油相に覆われており、リファイニング工程の前後を通して作業上問題となるような吸湿に伴う物性の変化は見られなかった。
濃縮油性食品原料自体も吸湿に伴う粘度上昇や変色などは抑えられた。またボールミルによるリファイニング工程も実施例1同様に特に障害は発生せず、20μmの粒径までリファイニングすることが可能であった。
<易吸湿性原料を含むチョコレート類の調製>
また、得られた濃縮油性食品原料を実施例1と同配合、同操作でベースチョコレートに添加し、易吸湿性原料を含むチョコレート類を得た。
易吸湿性原料を含むチョコレート類は、風味こそ異なるが粒度や作業性・生産性の点で実施例1と同等の品質であった。
<濃縮油性食品原料の調製>
実施例1の易吸湿性原料であるイチゴフリーズドライパウダーをキャラメルパウダー(筑波乳業株式会社製「キャラメルパウダー」(スプレードライ、製品中糖類33%))に変える以外は同配合、同操作で混合した生地を調製、さらに実施例1と同操作で濃縮油性食品原料を調製した。
実施例1同様に易吸湿性原料であるキャラメルパウダーは、混合した生地の段階でも、そして微細化しても十分に連続相である油相に覆われており、リファイニング工程の前後を通して作業上問題となるような吸湿に伴う物性の変化は見られなかった。
濃縮油性食品原料自体も吸湿に伴う粘度上昇や変色などは抑えられた。またボールミルによるリファイニング工程も実施例1同様に特に障害は発生せず、20μmの粒径までリファイニングすることが可能であった。
<易吸湿性原料を含むチョコレート類の調製>
また、得られた濃縮油性食品原料を実施例1と同配合、同操作でベースチョコレートに添加し、易吸湿性原料を含むチョコレート類を得た。
易吸湿性原料を含むチョコレート類は、風味こそ異なるが粒度や作業性・生産性の点で実施例1と同等の品質であった。
<濃縮油性食品原料の調製>
実施例1のイチゴフリーズドライパウダーを易吸湿性原料ではないコーヒースプレードライパウダー(味の素ゼネラルフーズ株式会社製「ES−1」、製品中糖類0%)に変える以外は同配合、同操作で混合した生地を調製、さらに実施例1と同操作で濃縮油性食品原料を調製した。
易吸湿性原料ではないコーヒースプレードライパウダーは、混合した生地の段階でも、そして微細化しても十分に連続相である油相に覆われており、リファイニング工程の前後を通して作業上問題となるような吸湿に伴う物性の変化は見られなかった。
濃縮油性食品原料自体も吸湿に伴う粘度上昇や変色などは抑えられた。またボールミルによるリファイニング工程も実施例1同様に特に障害は発生せず、20μmの粒径までリファイニングすることが可能であった。
<コーヒースプレードライパウダーを含むチョコレート類の調製>
また、得られた濃縮油性食品原料を実施例1と同配合、同操作でベースチョコレートに添加し、コーヒースプレードライパウダーを含むチョコレート類を得た。
コーヒースプレードライパウダーを含むチョコレート類は、風味こそ異なるが粒度や作業性・生産性の点で実施例1と同等の品質であった。
比較例2のイチゴフリーズドライパウダーを易吸湿性原料ではないコーヒースプレードライパウダー(味の素ゼネラルフーズ株式会社製「ES−1」)に変える以外は同配合、同操作で混合した生地を調製、植物油脂の一部を当初の配合に供さず、含油量23%の混合した生地を調製しロールリファイニングを行った。
比較例2と同様にロールリファイニングに供することができ、粒度も20μmのロールフレークが得られた。そのロールフレークは粒子の表面を油脂が十分に覆うことが出来ず、油脂が不連続な相となっており、油脂で覆いきれなかった部分があるものの、コーヒースプレードライパウダーは吸湿せず結着して粒度が増大することもなかった。
また、当初配合に供さなかった植物油脂の残余の部分を添加し、既存のチョコレートの定法に従いコンチングを行ったところ、粒度の増加もなく粘度の上昇もない、良好な作業状態にて濃縮油性食品原料が得られた。
また、比較例2と同様の配合でベースチョコレートに添加し、コーヒースプレードライパウダーを含むチョコレート類を得た。
コーヒースプレードライパウダーを含むチョコレート類は目的の粒度にリファイニングされており、しかも比較例4より含油量が少ないためより高濃度の濃縮油性食品原料を得ることが可能である。易吸湿性原料を用いない場合は、同品質のものを調製できるのではあるが、生産性の点では本願発明のボールリファイニングを用いるメリットに乏しいものであった。
易吸湿性原料の吸湿率を測定した。
温度25℃、湿度80%の恒温恒湿雰囲気下で1時間放置した系と温度25℃、湿度50%で48時間放置した系における吸湿率を測定した。
実施例1の易吸湿性原料であるイチゴフリーズドライパウダー(x(%))とココアバターの配合を表3(実施例4)と表4(比較例6)に示すとおりには変える以外は同配合、同操作で混合した生地を調製、さらに実施例1と同操作で濃縮油性食品原料を調製し、ボールリファイニングに供する混合した生地の流動性の評価を表3に示した。なお易吸湿性原料と油脂以外の残分は、全脂粉乳30:砂糖70(重量比)の混合物を加えた。また、含油量(y)は全脂粉乳中の乳脂も加味して算出した。
◎:流動性が非常に良好でボールミルで容易に粉砕が良好にできる。
○:流動性が良好でボールミルで容易に粉砕ができる。
△:流動性が低いもののボールミルにて粉砕が可能。
×:流動性が著しく低くボールミルにて粉砕を行うことが困難。
一方、比較例6の系では易吸湿性原料が油脂を吸収してしまうため混合した生地の流動性が低く、ボールミルにてリファイニングを行うことが困難であった。比較例6の系はすべて領域4に属していない配合のものであった。
実施例4と比較例6のそれぞれの含油量(y(%))と易吸湿性原料(x(%))、そして流動性の評価を図2に表した。
これより、本発明の濃縮油性食品原料は易吸湿性原料(x)と含油量(y)は、x≦10
(線1)、y+x=100(線2)、そしてy≧ax2+b(但し、a=0.012、b=30)(線3)に囲まれた領域内、望ましくはb=32(線4)、さらに望ましくはb=35(線5)に囲まれた領域内であることでボールリファイニング工程の作業性がより良好に行えることが明らかである。
Claims (2)
- 易吸湿性原料(x)を20重量%以上、且つ含油量(y)との関係が以下の式であり、粒度100μm以下である、チョコレート類に対して5重量%以下の比率で使用する濃縮油性食品原料(ただし、キャラメル風味の食品素材を除く)。
y≧ax2+b、x+y≦100
ただし、a=0.012、b=30 x、y共に濃縮油性食品原料に対する比率(重量%)とする。 - 請求項1記載の濃縮油性食品原料を用いた、易吸湿性原料を含むチョコレート類。
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