JP6167915B2 - イットリウム及び亜鉛の分離方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ニッケル、イットリウム及び亜鉛を含む硫酸溶液から、イットリウムだけではなく、分離が困難であった亜鉛も分離することができるイットリウム及び亜鉛の分離方法に関する。
ニッケル−水素電池は、近年、ハイブリッド車などに採用されてきており、自動車のライフサイクルとともに、搭載されたニッケル−水素電池も将来廃棄される見込みとなっている。そこで、この電池を資源としてリサイクル利用する提案が多くなされており、乾式処理や、湿式処理による方法が各種示されている。
一般的に低コストで大量処理が可能なのは、乾式処理である。しかしながら、乾式処理では、回収される金属の純度に問題があり、再度電池用に利用可能なレベルには到っていない。
湿式処理は、高純度の回収が可能である。しかしながら、湿式処理では、各種不純物の分離にコストがかかるのが、難点となっている。さらに、湿式処理においては、回収対象であるニッケルを選択的に分離するため、硫化処理を採用する場合があるが、亜鉛など一部の不純物はニッケルよりも硫化物沈殿を生成しやすい性質があり、分離が困難である。
また、ニッケル−水素電池の内部には、水素吸蔵合金として希土類元素が多く使用されており、この中で重希土類に分類されるイットリウムを分離するために、例えば特願2012−274265号に記載されているように溶媒抽出工程が採用される場合がある。この溶媒抽出工程における亜鉛などの不純物挙動に関する文献はなく、またあまり注目されていない。
イットリウムを分離する方法において硫化処理の代替として溶媒抽出処理が採用可能であるならば、プラントの設備を合理的に少なくすることができ、プロセスの低コスト化を図りながら、分離不能であった亜鉛などの不純物分離も可能になる。
溶媒抽出を利用した金属イオン分離に関する文献は多くあるが、イットリウムと亜鉛が混在した系で、合理的な設備設計、プロセスパラメータが示されているものはない。
特許文献1の方法は、コバルト、ニッケル及びリチウムの少なくとも1種からなる金属群Aと、銅、亜鉛、マンガン、カルシウム、アルミニウム及び鉄の少なくとも1種からなる金属群Bとを含有する金属混合水溶液から効率的に金属群Bを分離する方法を提供するものである。具体的には、コバルト、ニッケル及びリチウムの少なくとも1種からなる金属群Aと、銅、亜鉛、マンガン、カルシウム、アルミニウム及び鉄の少なくとも1種からなる金属群Bとを含有する金属混合水溶液に対して、燐酸エステル系抽出剤(以下、「第一抽出剤」という。)とオキシム系抽出剤(以下、「第二抽出剤」という。)とを含有する混合抽出剤を使用して溶媒抽出し、金属混合溶液から金属群Bを分離する金属混合溶液中の金属の分離方法である。
本発明者らは、廃ニッケル−水素電池のリサイクルプロセスにおいて、焼成、破砕、選別等の前処理を経由して得られた金属原料に、浸出処理、ナトリウム複塩の沈殿を利用した脱希土類処理、溶媒抽出処理、硫化処理を加えて、高純度のニッケル、コバルトを回収する湿式処理フローを確立している。
しかしながら、このプロセスでは、原料の主成分であるニッケルに対し、浸出のための酸、硫化のための硫化剤、廃液中和のためのアルカリと、試薬を多く消費するため、高コストとなってしまう。一方、途中工程の溶媒抽出処理は、ニッケルを水相に残して、少量の不純物を有機相側に抽出するプロセスであるため、試薬の消費量としては比較的少ないものとなっている。
廃ニッケル−水素電池の原料中に含まれる不純物には、希土類のほかに、マンガン、鉄、アルミニウム、亜鉛がそれぞれ1〜3%程度含まれており、亜鉛以外は硫化工程で分離可能である。
しかしながら、「電池to電池」とも呼ばれる電池をリサイクルして再び電池を製造するまでの精製するプロセスを考えた場合には、回収後のニッケルを使用した電池材料製造側のプロセス原料として、ある程度の不純物が許容されるのであれば、湿式回収処理プロセスで高純度を目指す必要はない。したがって、現状のプロセスは、不純物分離性能として若干過剰な状態にある。また、電池製造側では、亜鉛の影響が比較的大きく、コストをかけながらも、一番分離したい不純物を分離できていない、という矛盾を生じている状態である。
したがって、電池をリサイクルする際に発生するニッケル、イットリウム、亜鉛を含む溶液からイットリウム等の不純物を除去するプロセスの低コスト化、及び亜鉛の除去が求められる。
特開2013−139593号公報
そこで、本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、ニッケル、イットリウム、亜鉛を含む酸性溶液から、不純物を分離するための溶媒抽出処理に関し、効率的な運転パラメータを確立して、プロセス全体の低コスト化を図り、かつイットリウムだけではなく亜鉛も分離することができるイットリウム及び亜鉛の分離方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明に係るイットリウム及び亜鉛の分離方法は、イットリウムと亜鉛を含有する硫酸ニッケル溶液から溶媒抽出及び逆抽出によりイットリウム及び亜鉛を分離するイットリウム及び亜鉛の分離方法において、溶媒抽出では、抽出剤としてリン酸エステルを用い、抽出剤中にイットリウム及び亜鉛が抽出されるように、逆抽出前の抽出剤中のイットリウムの濃度を1.0g/L以下に調整することで更に亜鉛を抽出することを特徴とする。
本発明では、抽出剤中におけるイットリウムの濃度を低くなるように調整することで、従来分離することができなかった亜鉛も抽出することができるようになり、不純物のイットリウム及び亜鉛を分離できる効率的な運転パラメータを確立でき、かつ従来行っていた硫化工程を省略することができるためプロセスを低コスト化することができる。
以下に、本発明を適用したイットリウム及び亜鉛の分離方法について詳細に説明する。なお、本発明は、特に限定がない限り、以下の詳細な説明に限定されるものではない。
イットリウム及び亜鉛の分離方法は、イットリウム、亜鉛を含む硫酸ニッケル溶液から不純物であるイットリウム、亜鉛を分離する方法である。硫酸ニッケル溶液は、例えばニッケル−水素電池等の電池のリサイクルプロセスで生じる原料の金属を含有する硫酸溶液である。
具体的に、電池リサイクルは、次のような順序で行われている。まず、電池の原料であるニッケルや亜鉛、イットリウム等の金属を硫酸溶液にて浸出し、イットリウム等の希土類及び不純物となる亜鉛等の金属を含んだpH1程度の硫酸ニッケル溶液を得る。
次に、希土類の分離工程を行う。この希土類の分離工程では、この硫酸ニッケル溶液にナトリウム塩を加えて、希土類とナトリウムの複塩を沈殿生成させ、これをろ過して希土類を分離する。そして、この希土類の分離工程では、希土類を除去した硫酸ニッケル溶液が得られる。なお、ナトリウム塩には、廃水処理工程で発生する硫酸ナトリウム溶液を直接、または濃縮したものを再利用することが可能である。
この希土類の分離工程では、大部分の希土類が分離可能であるが、イットリウム複塩は溶解度が比較的高く、相当量のイットリウムが溶液中に残留する。
以上のように、電池リサイクルでは、回収目的のニッケルの他に、イットリウムや亜鉛等の不純物を含む硫酸溶液が得られる。このため、回収目的のニッケルを得るには、硫酸溶液からイットリウムや分離が困難な亜鉛等の不純物を除去する必要がある。
そこで、本発明を適用したイットリウム及び亜鉛の除去方法は、このような硫酸溶液からイットリウム及び亜鉛を分離する方法である。
イットリウム及び亜鉛の分離方法は、まず、イットリウム及び亜鉛を含む硫酸ニッケル溶液を水相溶液とし、この水相溶液と、抽出剤としてリン酸水素ビス(2−エチルヘキシル)(以下、「D2EHPA」という)を含んだ有機相溶液を混合し、水相中のイットリウム及び亜鉛を有機相中に抽出させる溶媒抽出工程を行う。これにより、溶媒抽出工程では、ニッケルを含む水相溶液からイットリウム及び亜鉛を分離することができる。抽出剤としては、D2EHPAのほかのリン酸エステルも用いることができる。
溶媒抽出工程における抽出は、後述する水相溶液と有機相溶液の流量比を調整すること以外は通常の抽出方法と同様に行うことができる。抽出方法としては、例えば、水相溶液の硫酸ニッケル溶液と有機相溶液とを接触させ、典型的にはミキサーでこれらを撹拌混合し、イットリウムを抽出剤と反応させる。抽出温度は、抽出速度、分相性、有機溶剤の蒸発等の理由から35〜45℃とすることが好ましい。そして、セトラーにより、混合した有機相と水相を比重差により分離する。溶媒抽出工程では、ミキサセトラに限らず、溶媒抽出ができる装置であれば使用することができる。
溶媒抽出工程では、pH調整用のアルカリを添加することなく、電池のリサイクルプロセルにより生じた硫酸ニッケル溶液(水相)のpHは1〜2程度になっている。ニッケルは、pHが2よりも大きくなると有機相に抽出されやすくなる。しかしながら、溶媒抽出工程では、硫酸ニッケル溶液のpHが1〜2程度であるため、pHを調整しなくてもニッケルが有機相に抽出されることが抑制されている。
ここで、この溶媒抽出工程では、有機相中のイットリウムの濃度に着目して、イットリウムの他にも亜鉛を抽出させる。溶媒抽出は、有機相の溶媒に抽出しやすい元素が抽出した後、また有機相に余裕があれば、次に抽出しやすい元素が抽出される。したがって、この溶媒抽出工程では、イットリウムが有機相に抽出した後であっても、更に亜鉛が有機相に抽出されるように、イットリウムを抽出した後の有機相中のイットリウム濃度が低くなるようにする。イットリウムの濃度は、亜鉛をある程度抽出できる濃度であれば良いが、好ましくは1g/L以下であり、一方で濃度が低すぎるとイットリウムの回収が非効率となるため、下限値は適宜決定する。イットリウムの濃度調整は、例えば、有機相溶液と水相溶液の流量比(O/A)を調整して行う。なお、有機相溶液と水相溶液の流量比は、硫酸ニッケル溶液中のイットリウム濃度、D2EHPAの希釈率等に依存するが、例えば0.2〜1.0程度とすることが好ましい。有機相溶液を過剰にすると例えばミキサセトラ内の連続相が有機相になる可能性があり、また有機相連続の装置の場合には、セトラ部での相分離性が悪化してしまうため、有機層溶液と水相溶液の流量比は1以下とすることが好ましい。
次に、溶媒抽出後のイットリウム及び亜鉛を含む有機相(抽出剤)に対して、逆抽出を行う。この逆抽出工程では、イットリウム及び亜鉛を水相に抽出する。
逆抽出工程では、逆抽出液に硫酸水溶液、塩酸水溶液等の酸性水溶液を用いることができ、設備腐敗防止や排水中の塩化物イオン濃度の制限等から、硫酸水溶液を用いることが好ましい。イットリウムは、亜鉛と比較して、D2EHPAに対する抽出性は高い。そのため、逆抽出工程では、2mol/L〜5mol/Lの濃度が高い酸性溶液を用い、好ましくは3mol/L程度の硫酸溶液を用いる。酸性溶液の濃度が2mol/Lよりも低いと、逆抽出の効率が悪くなり、5mol/Lのより高いと、有機相の変質が起こる場合がある。逆抽出が不十分である場合には、イットリウムが有機相に多く残ってしまう。有機相にイットリウムが多く残ると、再度、溶媒抽出工程、逆抽出工程を行い、有機相を循環させる際に、イットリウムが蓄積し、イットリウムを溶媒抽出工程で抽出しきれなくなる。これにより、イットリウムの回収率が低下してしまう。
また、逆抽出工程では、逆抽出液の濃度を高くするだけではなく、液温を調整して逆抽出効率を高める。液温としては、30℃〜60℃とすることが好ましく、40℃に維持することが更に好ましい。更には、逆抽出工程では、逆抽出工程に投入する有機相におけるイットリウムの濃度を低くして、逆抽出の際にイットリウムが水相に抽出されやすいようにする。そして、逆抽出工程では、逆抽出の際の有機相溶液と水相溶液の流量比(O/A)も適切に管理して、溶媒中のイットリウム負荷を低い状態に保つようにする。逆抽出工程では、このようにすることでイットリウムを逆抽出しやすくする。亜鉛は、イットリウムほどではないが、pH2程度であれば、ほとんど有機相に抽出されたままであるものの、溶媒負荷に余裕があれば、亜鉛も水層に逆抽出されて分離可能なものとなる。
逆抽出工程では、上述した条件の下で、有機相からイットリウム及び亜鉛を水相に逆抽出し、ニッケルからイットリウム及び亜鉛を分離回収することができる。
以上のようなイットリウム及び亜鉛の分離方法では、溶媒抽出工程において有機相におけるイットリウムの濃度を低くして、イットリウムだけではなく亜鉛も有機相に抽出し、次の逆抽出工程でイットリウム及び亜鉛を逆抽出して取り出すことにより、イットリウム及び亜鉛をニッケルから分離して回収することができる。したがって、このイットリウム及び亜鉛の分離方法では、ニッケルからイットリウム及び亜鉛を分離回収する方法における効率的な運転パラメータを確立できた。また、このイットリウム及び亜鉛の分離方法は、硫黄処理方法ではなく溶媒抽出処理を使用することで、プロセス全体の低コスト化することができる。
また、イットリウム及び亜鉛の分離方法では、原料の不純物品位に応じて運転パラメータを調整すれば、逆抽出用の酸などの浪費を抑制することが可能である。
また、イットリウム及び亜鉛の分離方法では、ニッケル−水素電池等の電池のリサイクルプロセルで発生する硫酸ニッケル水溶液に含まれるイットリウム及び亜鉛を分離する方法に最適である。イットリウム及び亜鉛の分離方法では、硫酸ニッケル水溶液等の原料中のイットリウム品位、亜鉛品位を確認するとともに、脱希土類の工程でのイットリウム分離性能を管理して、溶媒抽出工程でイットリウムの有機相中における濃度を亜鉛も抽出できる濃度となるように、例えばO/Aをそれに合わせて設定すれば、イットリウムと亜鉛を合理的にニッケルから分離することが可能となる。そして、低コストの電池リサイクルプロセスを構築することができる。
更に、イットリウム及び亜鉛の分離方法では、イットリウム及び亜鉛を分離できるので、電池のリサイクルプロセスの最終的な製品である硫酸ニッケル溶液中の不純物品位を低減することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、溶媒抽出工程への供給液である硫酸ニッケル溶液に、ニッケル濃度45g/L、イットリウム濃度0.15g/L、亜鉛濃度0.57g/Lであるものを使用した。
溶媒抽出工程及び逆抽出工程では、ミキサセトラを使用した。抽出器は、ミキサ部の容量が50L、セトラ部の容量が75Lである1段構成のものである。逆抽出器は、ミキサ部の容量が50L、セトラ部の容量が125Lの1段構成のものである。
溶媒抽出工程では、抽出器への水相供給を12.8L/minに、有機相流量を抽出器のミキサ部における水相と有機相の流量比(O/A)が0.2となるよう、2.6L/min程度に設定した。
有機相は、D2EHPAが20%、希釈剤であるテクリーンN20(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)が80%であるものを使用した。
逆抽出工程は、逆抽出器へ供給する硫酸溶液の濃度が3mol/Lで、流量は2.6L/minとし、逆抽出器もミキサ部におけるO/Aが1となるように設定して逆抽出を行った。逆抽出後の有機相は、溶媒中継槽を経由して抽出器へ供給される系とし、そのバッファ容量は約60Lであった。
逆抽出用の硫酸溶液は、熱交換器により加温され、逆抽出器のセトラ部の液を約43℃に維持していた。抽出器のセトラ部には、pH計が設置されており、供給液由来の酸性成分により、その指示値は約1.8となっていた。
実施例1では、溶媒抽出工程及び逆抽出工程を繰り返す運転を8時間程度継続し、安定運転時にサンプリングした液の分析結果を以下の表1に示す。
実施例1では、抽出工程におけるイットリウムの分配率が99%であり、イットリウムがほぼ全量抽出分離されており、亜鉛の分配率も61%と高いものとなった。溶媒抽出工程では、抽出器のO/Aを0.2とし、有機相におけるイットリウムの濃度を0.82g/Lと低くなるようにしたことから、亜鉛を半分以上抽出することができた。一方で、逆抽出工程では、亜鉛はほぼ全量が逆抽出されているが、イットリウムは10%程度が有機相に残留したものの、分配率が88%でありイットリウムも逆抽出できている。
したがって、実施例1では、硫酸ニッケル水溶液からイットリウム及び亜鉛をニッケルから分離して回収できた。
(比較例1)
比較例1では、運転操作を実施例1と同様の方法で行った。比較例1では、供給液の組成が異なり、ニッケル濃度51g/L、イットリウム濃度0.23g/L、亜鉛濃度0.65g/Lであるものを使用した。また、比較例1では、逆抽出工程で使用する硫酸の濃度は実施例1と同じ3mol/Lであるが、供給液である硫酸ニッケル溶液のプロセス変動から、抽出器のセトラ部のpH計は指示値約1.3となった。
そして、実施例1と同様に、この運転を8時間程度継続し、安定運転時にサンプリングした液の分析結果を表1に示す。
比較例1では、イットリウムの大部分が抽出分離されているが、微量水相に残留しているのがわかる。比較例1では、溶媒抽出工程における抽出器のO/Aが0.2であり、有機相におけるイットリウムの濃度が高く、イットリウム負荷が高いこととから、亜鉛は17%程度しか抽出されなかった。したがって、比較例1では、亜鉛を十分に分離回収できなかった。



























Figure 0006167915

Claims (3)

  1. イットリウムと亜鉛を含有する硫酸ニッケル溶液から溶媒抽出及び逆抽出によりイットリウム及び亜鉛を分離するイットリウム及び亜鉛の分離方法において、
    上記溶媒抽出では、抽出剤としてリン酸エステルを用い、上記抽出剤中にイットリウム及び亜鉛が抽出されるように、上記逆抽出前の抽出剤中のイットリウムの濃度を1.0g/L以下に調整することで更に亜鉛を抽出することを特徴とするイットリウム及び亜鉛の分離方法。
  2. 上記抽出剤としてD2EHPAを用いることを特徴とする請求項1に記載のイットリウム及び亜鉛の分離方法。
  3. 上記溶媒抽出では、上記抽出剤と上記硫酸ニッケル溶液の流量を調整して、上記イットリウムの濃度を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載のイットリウム及び亜鉛の分離方法。
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