JP6167459B2 - 有機エレクトロルミネッセンスデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物と、当該樹脂組成物が用いられた有機エレクトロルミネッセンスデバイスと、に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機EL(Electro Luminescence)と記載する。)デバイスは、面発光が可能、水銀レス、低温動作が可能、低コスト化が可能、軽量化が可能、フレキシブルな素子作製が可能、などの利点から、次世代発光デバイスとして大きな注目を集めている。
有機ELデバイスは、光取り出し方式の違いにより、トップエミッション型とボトムエミッション型とに分けられる。トップエミッション型の有機ELデバイスとして、例えば、図3に示す構成を有する有機ELデバイス100が提案されている(特許文献1)。有機ELデバイス100は、基板101上に配置された有機EL素子102及び有機EL素子102を封止する封止部材103を備えている。有機EL素子102においては、一方の電極(陰極)104が基板101の表面に積層され、電極104の表面上に電子注入・輸送層105を介して発光層106が積層され、発光層106上に、ホール注入・輸送層107を介して他方の電極(陽極)108が積層されている。有機EL素子102は、基板101の有機EL素子102が配置されている表面側に設けられた封止部材(封止缶)103によって、封止されている。有機ELデバイス100では、発光層106で発光した光が、光透過性電極として形成される電極108と、透明体で形成される封止部材103とを通して放射されるようになっている。
ところで、一般的に、トップエミッション型の有機ELデバイスにおいては、薄膜モードからの光取り出し効率の向上のためには、光透過性の電極と封止部材との間を透明材料で充填した構成が必要不可欠であることが知られている。
光透過性の電極と封止部材との間が透明材料で充填された、トップエミッション型の有機ELデバイスとして、図4に示す有機ELデバイス200も提案されている(特許文献2)。有機ELデバイス200は、基板201上に配置された有機EL素子202を備えている。有機ELデバイス200は、さらに、有機EL素子202を覆う透明保護層203と、透明保護層203を覆う封止材204と、有機EL素子202が設けられている基板201に封止材204を介して貼り合わされた封止基板205とを備えている。有機EL素子202に接する透明保護層203には、無機酸化物または無機窒化物が用いられている。封止材204には樹脂材料が用いられている。有機EL素子202は、基板201側から順に、反射電極206、有機EL層207、電子注入層208及び透明電極209が配置された積層体によって構成されている。有機ELデバイス200は、封止基板205と有機EL素子202の透明電極209との間が、透明保護層203及び封止材204で充填されているので、高い光取り出し効率を実現できる。
一方、ボトムエミッション型の有機ELデバイスとして、例えば、図5に示す構成を有する有機ELデバイス300が提案されている(特許文献3)。有機ELデバイス300は、透明基板301の表面上に配置された有機EL素子302を備えている。有機EL素子302は、透明基板301の表面上に配置された透明電極(陽極)303と、透明電極303上に配置された有機発光層304と、有機発光層304上に配置された電極(陰極)305とを備えている。有機ELデバイス300は、さらに、有機EL素子302の表面を覆う2層の封止層306,307と、有機EL素子302全体を囲むように封止層306,307の外側に設けられた防湿層308とを備えている。
特開2006−331694号公報 特開2008−293676号公報 特開2008−181832号公報
上記のとおり、トップエミッション型の有機ELデバイスでは、有機EL素子に対する外部からの水分の影響を排除するため、さらには光取り出し効率を向上させるため等の目的で、有機EL素子が透明な封止材料で直接的に覆われることがある。また、ボトムエミッション型の有機ELデバイスについても、有機EL素子に対する外部からの水分の影響を排除するため等の目的で、有機EL素子が封止材料で直接的に覆われることがある。
しかし、本願発明者らは、封止材料として樹脂材料を用い、その樹脂材料で有機EL素子を直接的に覆った場合、樹脂材料による有機EL素子への何らかの影響により、著しく輝度寿命が低下する等の問題が発生するという知見を得た。また、本願発明者らは、この問題が、トップエミッション型及びボトムエミッション型の有機ELデバイスに共通に発生するという知見も得た。もし、このような問題を回避しつつ封止材料に樹脂材料を用いるのであれば、例えば特許文献2の有機ELデバイスのように、有機EL素子の表面を無機材料からなる保護層で被覆し、その保護層の外側を樹脂材料で覆う構成としなければならなかった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、有機ELデバイスにおいて有機EL素子を直接的に覆う封止材料に用いられた場合でも、有機ELデバイスの輝度寿命の著しい低下を抑えて信頼性の向上を図ることが可能な樹脂組成物を提供することである。
本発明の樹脂組成物は、
熱可塑性樹脂組成物であって、
5000以上の分子量を有する樹脂からなるマトリクス樹脂成分を含み、
500未満の分子量を有する有機成分の含有量が6ppm未満である。
本発明の樹脂組成物は、有機ELデバイスにおいて有機EL素子を直接的に覆う封止材料に用いられた場合でも、有機ELデバイスの輝度寿命の低下を抑えて信頼性の向上を図ることができる。
本発明の実施の形態2に係るボトムエミッション型の有機ELデバイスの一例を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係るトップエミッション型の有機ELデバイスの一例を示す断面図である。 従来のトップエミッション型の有機ELデバイスの一例を示す概略断面図である。 従来のトップエミッション型の有機ELデバイスの他の例を示す概略断面図である。 従来のボトムエミッション型の有機ELデバイスの一例を示す概略断面図である。
上記のとおり、本願発明者らは、樹脂材料で有機EL素子を直接的に覆った場合、樹脂材料による有機EL素子への何らかの影響により、著しく有機ELデバイスの輝度寿命が低下する等の問題が発生するという知見を得た。そこで、本願発明者らは、鋭意研究を行い、この問題の発生が、樹脂材料の構成成分の大部分を占めるマトリクス樹脂成分の分子量と、樹脂材料中の低分子量を有する有機成分の量とに関係していることを見出し、本発明の樹脂組成物を提供するに至った。さらに、本願発明者らは、本発明の樹脂組成物を用いることによって、信頼性が向上した有機ELデバイスを提供するにも至った。
本発明の第1の態様は、
熱可塑性樹脂組成物であって、
5000以上の分子量を有する樹脂からなるマトリクス樹脂成分を含み、
500未満の分子量を有する有機成分の含有量が6ppm未満である、
樹脂組成物を提供する。
第1の態様に係る樹脂組成物は、マトリクス樹脂成分を構成する樹脂の分子量が5000以上であり、かつ500未満の分子量を有する有機成分(以下、低分子量の有機成分ということがある。)の含有量が6ppm未満に抑えられている。したがって、第1の態様に係る樹脂組成物は、有機EL素子を直接的に覆う封止材料に用いられた場合であっても、マトリクス樹脂成分が有機EL素子に浸透しにくく、かつ、低分子量の有機成分が有機EL素子に多量に浸透することもない。これにより、第1の態様に係る樹脂組成物が有機EL素子を直接的に覆う場合でも、樹脂組成物の素子内部への侵入による素子構造の破壊が生じにくく、さらに、素子内部へ侵入した樹脂組成物による電子及び正孔の動きの阻害も生じにくい。その結果、第1の態様に係る樹脂組成物は、有機ELデバイスにおいて有機EL素子を直接的に覆う封止材料に用いられた場合に、有機ELデバイスの輝度寿命の低下を抑制して信頼性の向上を図ることができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、
500未満の分子量を有する前記有機成分の含有量が5.1ppm未満である、
樹脂組成物を提供する。
第2の態様に係る樹脂組成物は、500未満の分子量を有する有機成分の含有量が5.1ppm未満に抑えられている。したがって、第2の態様に係る樹脂組成物によれば、低分子量の有機成分が有機EL素子に及ぼす影響を、より小さく抑えることができる。これにより、第2の態様に係る樹脂組成物は、有機ELデバイスにおいて有機EL素子を直接的に覆う封止材料に用いられた場合に、有機ELデバイスの輝度寿命の低下をより確実に抑制して信頼性のさらなる向上を図ることができる。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様において、
メタクリルモノマー及びアクリルモノマーから選ばれる少なくとも何れか1種を重合させることによって得られる樹脂を、前記マトリクス樹脂成分として含む、
樹脂組成物を提供する。
第3の態様に係る樹脂組成物は、有機ELデバイスにおいて有機EL素子を直接的に覆う封止材料に用いられた場合に、良好な輝度寿命を有する有機ELデバイスを実現することができる。
本発明の第4の態様は、第1又は第2の態様において、
ポリエステル樹脂を、前記マトリクス樹脂成分として含む、
樹脂組成物を提供する。
第4の態様に係る樹脂組成物によれば、5000以上の分子量を有する樹脂からなるマトリクス樹脂成分を含み、かつ、500未満の分子量を有する有機成分の含有量が6ppm未満である樹脂組成物の実現が容易となる。
本発明の第5の態様は、第1又は第2の態様において、
ポリウレタン樹脂を、前記マトリクス樹脂成分として含む、
樹脂組成物を提供する。
第5の態様に係る樹脂組成物によれば、5000以上の分子量を有する樹脂からなるマトリクス樹脂成分を含み、かつ、500未満の分子量を有する有機成分の含有量が6ppm未満である樹脂組成物の実現が容易となる。
本発明の第6の態様は、第1又は第2の態様において、
ポリスチレン樹脂を、前記マトリクス樹脂成分として含む、
樹脂組成物を提供する。
第6の態様に係る樹脂組成物によれば、5000以上の分子量を有する樹脂からなるマトリクス樹脂成分を含み、かつ、500未満の分子量を有する有機成分の含有量が6ppm未満である樹脂組成物の実現が容易となる。
本発明の第7の態様は、
一対の電極と、前記一対の電極の間に配置された発光層を含む有機層と、を備えた有機EL素子と、
前記有機EL素子を覆う封止樹脂層と、
を備え、
前記封止樹脂層が、第1〜第6の態様の何れか1つの態様の樹脂組成物によって形成されている、
有機ELデバイスを提供する。
第7の態様に係る有機ELデバイスは、有機EL素子を覆う封止樹脂層に、第1〜第6の態様の何れか1つの態様の樹脂組成物を用いている。したがって、第7の態様によれば、輝度寿命が良好な、高い信頼性を有する有機ELデバイスを提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、より詳しく説明する。
(実施の形態1)
本発明の樹脂組成物の実施の形態について説明する。
本実施の形態の樹脂組成物は、5000以上の分子量を有する樹脂、すなわち最低分子量が5000以上である樹脂からなるマトリクス樹脂成分を含んでいる。ここでは、マトリクス樹脂成分とは、重合された樹脂成分を意味する。マトリクス樹脂成分を構成する樹脂は、1種類の樹脂のみからなっていてもよいし、複数の種類の樹脂からなっていてもよい。なお、本実施の形態の樹脂組成物には、5000に満たない分子量を有する重合された樹脂成分が積極的に添加されることはない。しかし、例えば重合不十分等のやむを得ない理由により、分子量が5000に少し満たない重合された樹脂成分が微量に含まれる場合がある。なお、ここでいう微量とは、本発明の効果に影響を及ぼさない程度の量であり、例えば、樹脂組成物中の「重合された樹脂成分」全体の5質量%以下程度である。
マトリクス樹脂成分を構成する樹脂は、5000以上の分子量を有する。マトリクス樹脂成分を構成する樹脂の分子量がこれよりも小さい場合、本実施の形態の樹脂組成物で有機EL素子を直接的に覆うと、素子内部にマトリクス樹脂成分が侵入しやすくなるので、素子構造が破壊されて輝度特性が低下してしまう。有機EL素子への浸透をより確実に抑制して、より高い輝度特性を得るために、マトリクス樹脂成分を構成する樹脂の分子量は、10000以上が好ましく、50000以上がより好ましい。
マトリクス樹脂成分を構成する樹脂は5000以上の分子量を有してればよく、その種類は特には限定されない。例えば、メタクリルモノマー及びアクリルモノマーから選ばれる少なくとも何れか1種を重合させることによって得られる樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリスチレン樹脂が、好適に用いられる。本実施の形態の樹脂組成物が、例えば有機EL素子等の封止に用いられる場合は、マトリクス樹脂成分を構成する樹脂には、封止時に反応が伴わない樹脂系が選択されることが望ましい。
本実施の形態の樹脂組成物は、500未満の分子量を有する有機成分(低分子量の有機成分)を含まないことが望ましいが、微量であれば含んでいてもよい。ただし、樹脂組成物が低分子量の有機成分を含んでいる場合は、樹脂組成物における低分子量の有機成分の含有量を6ppm未満とする。低分子量の有機成分の含有量を6ppm未満とすることにより、本実施の形態の樹脂組成物で有機EL素子を直接的に覆った際に、素子内部に侵入した低分子量の有機成分が素子に及ぼす影響(素子構造の破壊、電子及び正孔の動きの阻害)を、輝度特性を顕著に低下させない程度に小さく抑えることができる。輝度特性の顕著な低下をより確実に防ぐために、樹脂組成物における低分子量の有機成分の含有量は5.1ppm未満とすることが望ましく、1ppm未満とすることがより望ましい。なお、樹脂組成物に低分子量の有機成分として含まれるものとしては、例えば、触媒成分、酸化防止成分、重合禁止剤、紫外線吸収剤、原料モノマ等が挙げられる。
本実施の形態の樹脂組成物は、水分を極力含まないことが望ましいが、微量であれば含んでいてもよい。ただし、樹脂組成物が水分を含んでいる場合は、樹脂組成物における水分の含有量を6ppm未満とすることが望ましい。水分の含有量を6ppm未満とすることにより、本実施の形態の樹脂組成物で有機EL素子を直接的に覆った際に、素子内部に侵入した水分が素子に及ぼす影響(素子構造の破壊、電子及び正孔の動きの阻害)を、輝度特性を顕著に低下させない程度に小さく抑えることができる。輝度特性の顕著な低下をより確実に防ぐために、樹脂組成物における水分の含有量は1ppm未満とすることがより望ましく、0.1ppm未満とすることがさらに望ましい。
なお、本実施の形態の樹脂組成物は、マトリクス樹脂を構成する樹脂の分子量が5000以上であり、かつ、分子量500未満の有機成分の含有量が6ppm未満に抑えられていればよい。したがって、本実施の形態の樹脂組成物に、マトリクス樹脂成分及び低分子量の有機成分以外の、500以上5000未満の分子量を有する有機成分が含まれていてもよい。なお、本実施の形態の樹脂組成物に500以上5000未満の分子量を有する有機成分が含まれる場合、当該有機成分の含有量は、特には制限されないが、望ましくは5質量%以下、より望ましくは1質量%以下である。
(実施の形態2)
本発明の有機ELデバイスの実施の形態について説明する。本実施の形態の有機ELデバイスは、有機EL素子と、前記有機EL素子を覆う封止樹脂層と、を備える。封止樹脂層には、実施の形態1で説明した樹脂組成物が用いられる。以下、図面を参照しながら、本実施の形態の有機ELデバイスを説明する。
図1に示す有機ELデバイス1は、ボトムエミッション型の有機ELデバイスの一例である。透明基板11と、透明基板11上に配置された有機EL素子12と、有機EL素子12の表面を覆うように、透明基板11及び有機EL素子12の表面上に配置された封止樹脂層13と、封止樹脂層13を介して透明基板11と接合されている封止基板14とを備えている。
有機EL素子12からの発光は、透明基板11から取り出される。透明基板11には、公知の有機ELデバイスに用いられる透明基板(例えばガラス基板)を用いることができる。透明基板11の形状、構造及び大きさ等については特に制限されず、目的の有機ELデバイスに応じて適宜選択することができる。
有機EL素子12は、透明基板11上に配置された透明電極(陽極)121と、透明電極121上に配置されたホール注入層122と、ホール注入層122上に配置されたホール輸送層123と、ホール輸送層123上に配置された発光層124と、発光層124上に配置された電極(陰極)125とを含む積層体を備えている。この例では、ホール注入層122、ホール輸送層123及び発光層124が、発光層を含む有機層に相当する。有機EL素子12には、ボトムエミッション型の公知の有機ELデバイスに用いられる有機EL素子を用いることができるので、有機EL素子12を形成する積層体の構造はこれに限定されない。例えば、電極125と発光層124との間に、必要に応じて電子輸送層及び/又は電子注入層が適宜設けられていてもよい。
封止樹脂層13は、実施の形態1で説明した樹脂組成物によって形成されている。水分の侵入を防ぐために、封止樹脂層13に乾燥剤(酸化カルシウム、シリカゲルなど)を添加してもよい。
封止基板14には、ボトムエミッション型の公知の有機ELデバイスにおいて、光を取り出さない側の基板に用いることができる基板を用いることができる。封止基板14は、水分の透過が少ない基板であることが望ましく、例えばガラス基板、金属板、無機膜処理した樹脂基板等を用いることができる。
有機ELデバイス1は、例えば次の方法によって製造できる。透明基板11上に、透明電極121、ホール注入層122、ホール輸送層123、発光層124及び電極125をこの順に形成することによって有機EL素子12を形成する。一方、封止基板14の一方の表面上に、封止樹脂層13の材料、すなわち実施の形態1の樹脂組成物を配置して加熱する。有機EL素子12が配置された透明基板11と、加熱されて軟化した樹脂組成物が載置されている封止基板14とを、有機EL素子12と樹脂組成物とが向かい合う向きで樹脂組成物を介して互いに接合させることによって、透明基板11、有機EL素子12、封止樹脂層13及び封止基板14を一体化する。なお、必要に応じて、得られた積層体の周縁を樹脂で封止してもよい。なお、有機EL素子12を構成する各層は、一般的な有機EL素子を製造する際に用いられている公知の方法を用いて作製できる。
有機ELデバイス1は、実施の形態1の樹脂組成物によって有機EL素子12の表面が直接的に覆われた構成を有している。したがって、有機EL素子12の表面が樹脂組成物と直接接しているものの、素子内部への樹脂組成物の侵入による輝度特性の低下等の問題が発生しにくい。これにより、有機ELデバイス1は高い信頼性を実現できる。
次に、本実施の形態の有機ELデバイスの別の例として、トップエミッション型の有機ELデバイスについて説明する。図2に示す有機ELデバイス2は、トップエミッション型の有機ELデバイスの一例である。基板21と、基板21上に配置された有機EL素子22と、有機EL素子22の表面を覆うように、基板21及び有機EL素子22の表面上に配置された封止樹脂層23と、封止樹脂層23を介して基板21と接合されている封止基板24とを備えている。
有機EL素子22からの発光は、封止樹脂層23を介して封止基板24から取り出される。したがって、封止基板24は透明材料によって形成されており、公知の有機ELデバイスに用いられる透明基板(例えばガラス基板)を用いることができる。
また、封止樹脂層23も、有機EL素子22に対して光取り出し側に位置するので、透明であることが求められる。したがって、封止樹脂層23は、実施の形態1の樹脂組成物であって、かつ透明である材料によって形成される。また、封止樹脂層23は、光取出し効率の観点から、高屈折率であることが望ましい。
基板21は、透明であっても不透明であってもよい。基板21には、トップエミッション型の公知の有機ELデバイスの光を取り出さない側の基板に用いることができる基板を用いることができる。基板21の形状、構造及び大きさ等については特に制限されず、目的の有機ELデバイスに応じて適宜選択することができる。
有機EL素子22は、基板21上に配置された電極(陰極)221と、電極221上に配置された発光層222と、発光層222上に配置されたホール輸送層223と、ホール輸送層223上に配置されたホール注入層224と、ホール注入層224上に配置された透明電極(陽極)225とを含む積層体を備えている。この例では、発光層222、ホール輸送層223及びホール輸送層224が、発光層を含む有機層に相当する。有機EL素子22には、トップエミッション型の公知の有機ELデバイスに用いられる有機EL素子を用いることができるので、有機EL素子22を形成する積層体の構造はこれに限定されない。例えば、電極221と発光層222との間に、必要に応じて電子輸送層及び/又は電子注入層が適宜設けられていてもよい。
有機ELデバイス2は、例えば次の方法によって製造できる。基板21上に、電極221、発光層222、ホール輸送層223、ホール注入層224及び透明電極225をこの順に形成することによって有機EL素子22を形成する。一方、封止基板24の一方の表面上に、封止樹脂層23の材料、すなわち実施の形態1の樹脂組成物を配置して加熱する。有機EL素子22が配置された基板21と、加熱されて軟化した樹脂組成物が載置されている封止基板24とを、有機EL素子22と樹脂組成物とが向かい合う向きで樹脂組成物を介して互いに接合させることによって、基板21、有機EL素子22、封止樹脂層23及び封止基板24を一体化する。なお、必要に応じて、得られた積層体の周縁を樹脂で封止してもよい。なお、有機EL素子22を構成する各層は、一般的な有機EL素子を製造する際に用いられている公知の方法を用いて作製できる。
有機ELデバイス2は、実施の形態1の樹脂組成物によって有機EL素子22の表面が直接的に覆われた構成を有している。したがって、有機EL素子22の表面が樹脂組成物と直接接しているものの、素子内部への樹脂組成物の侵入による輝度特性の低下等の問題が発生しにくい。また、有機EL素子22と、光が取り出される側の封止基板24との間の空間は、実施の形態1の樹脂組成物によって満たされているので、高い光取り出し効率も実現できる。このように、有機ELデバイス2によれば、高い光取り出し効率と高い信頼性とを共に実現できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例の樹脂組成物において、マトリクス樹脂成分として用いられた熱可塑性樹脂の合成例1〜4について説明する。
[合成例1]メチルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体の合成
あらかじめ乾燥させた500mLのセパラブルフラスコに、メチルメタクリレート361g、ブチルアクリレート16.4g、ベンゼン361g、アゾビスイソブチロニトリル0.722gを入れ、得られた溶液をときどき振とうしながら60℃で6.5時間加熱し、メチルメタクリレートとブチルアクリレートとを重合反応させた。得られた反応物を3Lのメチルエチルケトンに溶解させ、7倍量のヘキサンで沈殿させて、重合物を得た。
[合成例2]ポリエステル樹脂の合成
脱水回路を備えた2000mLのフラスコ中に、アジピン酸350g及びテレフタル酸266gからなるジカルボン酸成分616gと、ジオール成分としての1,6−ヘキサンジオール(メチレン基数6)488gとを仕込み、反応触媒としてテトライソプロピルチタネート0.05gを添加した後、220℃で縮重合反応を行い、重合物を得た。
[合成例3]ポリウレタン樹脂の合成
500mLのセパラブルフラスコに、テレフタル酸ジメチル(和光純薬製)48.1gと、3−アミノ−1−プロパノール(和光純薬製)112gとを装入し、窒素気流下135℃で6時間半加熱乾燥させた。反応混合物に、イソプロピルアルコールをゆっくり加え、アミド基含有ジオールであるN,N−ビス(3−ヒドロキシプロピル)テレフタル酸アミド59.8gを得た。窒素雰囲気下、攪拌機が装着された反応器に、N,N−ビス(3−ヒドロキシプロピル)テレフタル酸アミド8.72g、ポリエチレングリコール(日油製、商品名PEG2000U)29.8g及び脱水ジメチルアセトアミド(有機溶媒、和光純薬製)50gを入れ、100℃で加熱攪拌して均一な溶液とした。これに、脱水ジメチルアセトアミド10gに4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光純薬製)11.5gを溶解した溶液を、滴下により徐々に加え、滴下終了後、1時間加熱攪拌した。反応溶液を80℃まで冷却し、その後、620gのアセトニトリルで再沈殿させた。沈殿した固形物を、ろ過分別した後、160gのアセトニトリルで2回洗浄し、重合物を得た。
[合成例4]ポリスチレン樹脂の合成
25mLの封管用ガラスアンプル2本に、それぞれアゾビスイソブチロニトリル59mg及び過酸化ベンゾイル44.5mgをスチレン10mLに溶解して加えた。これを真空ラインに接続し、ドライアイス−メタノール浴で冷却し、十分窒素置換を行った後、真空下で溶封した。この封管を60℃に保たれた振とう式恒温槽に入れ、振とうしながら7.5時間重合反応を行った。封管を取り出してドライアイス−メタノール浴で冷却して重合を停止させ、開封して200mLのメタノール中にかき混ぜながら注ぎいれ、沈殿した重合物を得た。
(実施例1)
合成例1で得られた重合物を、窒素置換させた露点−90℃のグローブボックス内で、200℃で3時間乾燥させた。これにより、重合物中に含まれる分子量500未満の有機成分を低減させて、実施例1の樹脂組成物を得た。分子量500未満の有機成分の含有量を後述の方法で測定したが、分子量500未満の有機成分は検出されなかった。すなわち、実施例1の樹脂組成物に含まれる分子量500未満の有機成分は、検出限界以下、すなわち0.1ppm未満と判断できる。また、後述の方法でマトリクス樹脂成分の分子量を測定したところ、分子量分布が5000〜100000であった。
(実施例2)
重合物の乾燥条件を160℃で3時間に変更した点以外は、実施例1と同じ方法で、実施例2の樹脂組成物を得た。分子量500未満の有機成分の含有量を後述の方法で測定したところ、実施例2の樹脂組成物における分子量500未満の有機成分の含有量は5ppmであった。
(実施例3)
実施例1で得られた樹脂組成物に、5ppmとなるようにハイドロキノン(分子量110)を添加して、実施例3の樹脂組成物とした。実施例1の樹脂組成物における分子量500未満の有機成分が0.1ppm未満であったことから、実施例3の樹脂組成物における分子量500未満の有機成分は5.1ppm未満と判断できる。
(実施例4)
実施例1で得られた樹脂組成物に、5ppmとなるようにジブチルヒドロキシトルエン(分子量220)を添加して、実施例4の樹脂組成物とした。実施例1の樹脂組成物における分子量500未満の有機成分が0.1ppm未満であったことから、実施例4の樹脂組成物における分子量500未満の有機成分は5.1ppm未満と判断できる。
(実施例5)
実施例1で得られた樹脂組成物に、6ppmとなるようにビスフェノールAエポキシアクリレート(分子量510)を添加して、実施例5の樹脂組成物とした。実施例1の樹脂組成物における分子量500未満の有機成分が0.1ppm未満であったことから、実施例5の樹脂組成物における分子量500未満の有機成分も0.1ppm未満と判断できる。
(実施例6)
実施例1で得られた樹脂組成物に、20ppmとなるようにビスフェノールAエポキシアクリレート(分子量510)を添加して、実施例6の樹脂組成物とした。実施例1の樹脂組成物における分子量500未満の有機成分が0.1ppm未満であったことから、実施例6の樹脂組成物における分子量500未満の有機成分も0.1ppm未満と判断できる。
(実施例7)
合成例2で得られた重合物を、実施例1記載の方法で乾燥させた。これにより、重合物中に含まれる分子量500未満の有機成分を低減させて、目的とする樹脂組成物を得た。分子量500未満の有機成分の含有量を後述の方法で測定したが、分子量500未満の有機成分は検出されなかった。すなわち、実施例7の樹脂組成物に含まれる分子量500未満の有機成分は、検出限界以下、すなわち0.1ppm未満と判断できる。後述の方法でマトリクス樹脂成分の分子量を測定したところ、分子量分布が5000〜15000であった。
(実施例8)
合成例3で得られた重合物を、実施例1記載の方法で乾燥させた。これにより、重合物中に含まれる分子量500未満の有機成分を低減させて、目的とする樹脂組成物を得た。分子量500未満の有機成分の含有量を後述の方法で測定したが、分子量500未満の有機成分は検出されなかった。すなわち、実施例8の樹脂組成物に含まれる分子量500未満の有機成分は、検出限界以下、すなわち0.1ppm未満と判断できる。後述の方法でマトリクス樹脂成分の分子量を測定したところ、分子量分布が5000〜20000であった。
(実施例9)
合成例4で得られた重合物を、実施例1記載の方法で乾燥させた。これにより、重合物中に含まれる分子量500未満の有機成分を低減させて、目的とする樹脂組成物を得た。分子量500未満の有機成分の含有量を後述の方法で測定したが、分子量500未満の有機成分は検出されなかった。すなわち、実施例9の樹脂組成物に含まれる分子量500未満の有機成分は、検出限界以下、すなわち0.1ppm未満と判断できる。後述の方法でマトリクス樹脂成分の分子量を測定したところ、分子量分布が5000〜100000であった。
(比較例1)
アゾビスイソブチルニトリルの添加量を0.1gにした点以外は、実施例1と同じ方法で、比較例1の樹脂組成物を得た。後述の方法でマトリクス樹脂成分の分子量を測定したところ、分子量分布が2000〜4000であった。
(比較例2)
重合物の乾燥条件を150℃で3時間に変更した点以外は、実施例1と同じ方法で、比較例2の樹脂組成物を得た。分子量500未満の有機成分の含有量を後述の方法で測定したところ、比較例2の樹脂組成物における分子量500未満の有機成分の含有量は6ppmであった。
(比較例3)
重合物の乾燥条件を130℃で3時間に変更した点以外は、実施例1と同じ方法で、比較例3の樹脂組成物を得た。分子量500未満の有機成分の含有量を後述の方法で測定したところ、比較例3の樹脂組成物における分子量500未満の有機成分の含有量は20ppmであった。
[マトリクス樹脂成分の分子量分布の測定方法]
樹脂組成物に含まれるマトリクス樹脂成分の分子量分布を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。測定にあたり、GPC装置として東ソー株式会社製の型番HLC−8220GPCを用い、カラムとして東ソー株式会社製のTSKgel Guardcolumn SuperHZ−L、TSKgel SuperHZ3000、TSKgel SuperHZ2000及びTSKgel SuperHZ1000を用い、予備ろ過フィルターとして倉敷紡績株式会社製のクロマトディスク13N 0.45を用いた。カラム温度45℃、流速0.6mL/分の条件で、示差屈折計(RI検出器)を用いて測定し、予め標準ポリスチレンのGPCチャートの面積値から作成した検量線から、各試料のGPCチャートの面積値を比較して、各ピークの分子量を算出した。
[分子量500未満の有機成分の含有量の測定方法]
ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用い、樹脂組成物における低分子量の有機成分の含有量を測定した。減圧工程を経た樹脂組成物をヘリウム雰囲気下で昇温加熱し、過熱された樹脂組成物から放出される有機成分を液体窒素で捕集し、GC−MSで分析した。GC−MS分析は、アジレント・テクノロジー社製の6890GCを用い、イオン化はEI法(電子イオン化法)により行った。カラムにはアジレント・テクノロジー社製のDM5msを使用し、40℃から250℃まで昇温した。
次に、実施例1〜9及び比較例1〜3の樹脂組成物をそれぞれ用いて、有機ELデバイスを作製した。各実施例及び比較例ごとに、ボトムエミッション型及びトップエミッション型の2種の有機ELデバイスを作製した。有機ELデバイスの作製方法は以下のとおりである。
[有機ELデバイスの作製方法]
<ボトムエミッション型の有機ELデバイスの作製方法>
図1に示した有機ELデバイス1と同じ構成を有する有機ELデバイスを作製した。透明基板11には、厚さが0.7mmの無アルカリガラス板(No.1737、コーニング製)を用いた。まず、この基板11上に、ITOターゲット(東ソー製)を用いてスパッタを行い、厚さが150nmのITO層を形成した。このITO層付きの基板11を、Ar雰囲気下、200℃で約1時間アニール処理を行い、透明電極(陽極)121を形成した。
次に、陽極121上に、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS;Heraeus社製「CLEVIOUS P VP AI4083」、PEDOT:PSS=1:6)とイソプロピルアルコールとを1:1で混合した溶液を、PEDOT−PSSの膜厚が30nmになるようにスピンコータで塗布し、150℃で10分間焼成することにより、ホール注入層122を得た。
ホール注入層122の形成後、TFB(Poly[(9,9−dioctylfluorenyl−2,7−diyl)−co−(4,4’−(N−(4−sec−butylphenyl))diphenyl amine);アメリカンダイソース社製「Hole Transport Polymer ADS259BE」)をテトラヒドロフタン(THF)溶媒に1wt%になるよう溶解した溶液を、ホール注入層122の上に、膜厚約12nmになるようにスピンコータで塗布してTFB膜を作製し、これを200℃で10分間焼成することによって、ホール輸送層123が得られる。
次に、赤色高分子(アメリカンダイソース社製「Light Emitting polymer ADS111RE」)をテトラヒドロフタン(THF)溶媒に1wt%になるよう溶解した溶液を、ホール輸送層123上に膜厚が約80nmになるようにスピンコータで塗布し、100℃で10分間焼成することによって、発光層124を得た。
次に、真空蒸着法により、発光層124の上にアルミニウムを80nmの厚さで成膜して電極(陰極)125を形成して、有機EL素子12を作製した。
次に、有機EL素子12の封止を行った。まず、窒素置換して露点−90℃にしたグローブボックス内で、あらかじめ150℃に加熱していた熱盤上に、樹脂組成物(本発明の樹脂組成物であり、有機ELデバイス1の封止樹脂層13となる。)を載せた封止用ガラス板(封止基板14)を載せた。有機EL素子12が設けられた基板11を、有機EL素子12が樹脂組成物と向かい合う向きで、樹脂組成物が載せられている封止基板14と貼り合せた。得られた積層体の周縁をエポキシ樹脂(製品名XNR5570−B1、ナガセケムテックス社製)で封印した。その後、グローブボックスから取り出し、UV硬化装置(100mW/cm2、60秒)にてエポキシ樹脂を硬化させた。
以上の方法により、有機ELデバイス1が作製された。
<トップエミッション型の有機ELデバイスの作製方法>
図2に示した有機ELデバイス2と同じ構成を有する有機ELデバイスを作製した。基板21として、厚さ0.7mmの無アルカリガラス板(No.1737;コーニング製)を用いた。まず、この基板21上に、真空蒸着法によってアルミニウムを80nmの厚みで成膜して、これを電極(陰極)221とした。
次に、赤色高分子(アメリカンダイソース社製「Light Emitting polymer ADS111RE」)をテトラヒドロフタン(THF)溶媒に1wt%になるよう溶解した溶液を、陰極221上に膜厚が約80nmになるようにスピンコータで塗布し、100℃で10分間焼成することによって発光層222を得た。
次に、TFB(Poly[(9,9−dioctylfluorenyl−2,7−diyl)−co−(4,4’−(N−(4−sec−butylphenyl))diphenyl amine);アメリカンダイソース社製「Hole Transport Polymer ADS259BE」)をTHF溶媒に1wt%になるよう溶解した溶液を、発光層222の上に、膜厚約12nmになるようにスピンコータで塗布して、TFB膜を作製した。このTFB膜を200℃で10分間焼成することによって、ホール輸送層223を得た。
ホール輸送層223上に、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS;Heraeus社製「CLEVIOUS P VP AI4083」、PEDOT:PSS=1:6)とイソプロピルアルコールとを1:1で混合した溶液を、PEDOT−PSSの膜厚が30nmになるようにスピンコータで塗布し、150℃で10分間焼成することにより、ホール注入層224を得た。
ホール注入層224上に、ITOナノ粒子(粒子径約40nm;シーアイ化成社製ITCW15wt%−G30)にメチルセルロース(信越化学社製60SH)を5wt%混合した溶液を、スクリーン印刷機を用いて膜厚が150nm程度になるようパターン形成した。形成されたパターンを120℃で15分間乾燥することにより透明電極(陽極)225を形成して、有機EL素子22を作製した。
次に、有機EL素子22の封止を行った。まず、窒素置換して露点−90℃にしたグローブボックス内で、あらかじめ150℃に加熱していた熱盤上に、樹脂組成物(本発明の樹脂組成物であり、有機ELデバイス2の封止樹脂層23となる。)を載せた封止用ガラス板(封止基板24)を載せた。有機EL素子22が設けられた基板21を、有機EL素子22が樹脂組成物と向かい合う向きで、樹脂組成物が載せられている封止基板24と貼り合せた。得られた積層体の周縁をエポキシ樹脂(製品名XNR5570−B1、ナガセケムテックス社製)で封印した。その後、グローブボックスから取り出し、UV硬化装置(100mW/cm2、60秒)にてエポキシ樹脂を硬化させた。
以上の方法により、有機ELデバイス2が作製された。
実施例1〜9及び比較例1〜3の樹脂組成物を用いて作製された有機ELデバイスについて、以下の方法で輝度寿命を測定した。
[有機ELデバイスの輝度寿命の測定方法]
DC電源(ケースレイ社製)を用い、有機EL素子内部に流れる電流を10mA/cm2に固定し、輝度計(トプコン社製)で100hr通電後の輝度を測定した。有機EL素子が封止されていない有機ELデバイス(未封止の有機ELデバイス)の輝度を基準(100%)として、輝度が95%以上維持できているものを良品と判断した。
実施例1〜9の樹脂組成物と、それらの樹脂組成物を用いて作製された有機ELデバイスの輝度寿命(100hr通電後の輝度維持率)とを、表1に示す。また、比較例1〜3の樹脂組成物と、それらの樹脂組成物を用いて作製された有機ELデバイスの輝度寿命(100hr通電後の輝度維持率)とを、表2に示す。
Figure 0006167459
Figure 0006167459
表1に示すように、本発明の樹脂組成物を用いて封止樹脂層が形成された実施例1〜9の有機ELデバイスは、ボトムエミッション型もトップエミッション型も95%以上の輝度維持率を有していた。これに対し、マトリクス樹脂成分を構成する樹脂の分子量が5000未満である比較例1の有機ELデバイスと、低分子量の有機成分が6ppm以上含まれている比較例2及び3の有機ELデバイスとは、共に、輝度維持率が95%に達しなかった。
本発明の樹脂組成物は、例えば、有機ELデバイスにおいて有機EL素子の封止材料として好適に用いられることができる。
1,2 有機ELデバイス
11 透明基板
12,22 有機EL素子
13,23 封止樹脂層
14,24 封止基板
121,225 透明電極(陽極)
122,224 ホール注入層
123,223 ホール輸送層
124,222 発光層
125,221 電極(陰極)

Claims (6)

  1. 一対の電極と、前記一対の電極の間に配置された発光層を含む有機層と、を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子の表面を覆う封止樹脂層と、
    を備え、
    前記封止樹脂層が、樹脂組成物によって形成されており、
    前記樹脂組成物は、熱可塑性樹脂組成物であって、5000以上の分子量を有する樹脂からなるマトリクス樹脂成分を含み、
    前記樹脂組成物において、500未満の分子量を有する有機成分の含有量が6ppm未満である、
    有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
  2. 前記樹脂組成物において、500未満の分子量を有する前記有機成分の含有量が5.1ppm未満である、
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
  3. 前記樹脂組成物は、メタクリルモノマー及びアクリルモノマーから選ばれる少なくとも何れか1種を重合させることによって得られる樹脂を、前記マトリクス樹脂成分として含む、
    請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
  4. 前記樹脂組成物は、ポリエステル樹脂を、前記マトリクス樹脂成分として含む、
    請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
  5. 前記樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂を、前記マトリクス樹脂成分として含む、
    請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
  6. 前記樹脂組成物は、ポリスチレン樹脂を、前記マトリクス樹脂成分として含む、
    請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
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