JP6167139B2 - ホッパー及びこれを備えた薬剤供給装置 - Google Patents
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Description
本実施形態のホッパー1は、図1に示す形状とされており、薬剤を下方へ通過させることのできる通路1aを有する。そして、薬剤分包装置にて、この通路1aが上下方向になるようにホッパー1が取り付けられる。このホッパー1はホッパー本体11とノズル部12とからなる。ホッパー本体11はホッパー1の上方の部分で、薬剤を貯留しておくことのできる部分である。ノズル部12はホッパー本体11の下方に位置し、ホッパー本体11に貯留されている薬剤を下端の薬剤取出口121から取り出すことのできるように、通路1aの横断面積がホッパー本体11に比べて縮小された部分である。通路1aにおける薬剤が通過する空間には、通路1aを開閉するための開閉機構を構成する部材(例えば開閉板、ヒンジなど)は設けられていない。
ホッパー本体11は、上広がりのラッパ状の形状とされた部分であって、本実施形態での横断面形状はほぼ正方形である。このホッパー本体11は、外縁部分及び四隅に形成され、板厚が相対的に厚く剛性の高い部分である枠部111と、枠部111に囲まれ、板厚が相対的に薄く剛性の低い平板部112とを有している。枠部111は、保形性を持たせるために、より詳しくは、ホッパー1が自重と前記通路1aを通過する薬剤の重量及び落下圧力とにより変形してしまうことを防止するために設けられる。平板部112は相対的に剛性が低くなっているが、これは材料を節約するためでもあり、それと共に、後述の加振手段32によってホッパー1を振動させ、平板部112における内面1bを波打たせることで残留する薬剤を振るい落とすためである。
ノズル部12は、ホッパー本体11の下端に連続するように設けられており、下方に向かうにつれ通路1aの横断面積が小さくなる形状とされている。そして、下端が開口しており薬剤取出口121とされている。この下端は斜めにカットされた形状とされているが、その理由は、図3に示すように、薬剤分包装置における薬剤取出口121が、半折された分包紙Pの側端辺P1にほぼ平行となるようにし、分包紙Pの搬送を妨げないようにするためである。また、薬剤取出口121の周囲である下端縁部121aの板厚がノズル部12の他の部分よりも厚くされており、これにより、ノズル部12下端の保形性が確保されている。
本実施形態では、ホッパー1がシリコンゴムで一体成形されているので、ノズル部12の材質も当然ながらシリコンゴムとなる。そのため、ノズル部12の全体が可撓性を有する変形可能部122となり、この変形可能部122が通路1aを開閉するように変形可能である。開閉は後述する開閉手段2によってなされる。ただし、本実施形態とは異なり、図6に示す実施形態のように、通路1aを開閉しない態様で実施することも可能である。なお、この変形可能部122は、可撓性に加え、形状の復元性が長期にわたって維持できる材質で形成しておくことが経済性の点から望ましい。このように変形可能部122を設けることにより、薬剤をホッパー1に一旦貯留することができる。なお、前記のように通路1aを開閉しない態様で実施した場合、あるいは通路1aを開閉する場合であり、後述のように通路1aが半開きとなった場合であっても、ノズル部12における通路1aの横断面積が小さくなる形状とされていることから、このノズル部12の内面に落下する薬剤が当たることで薬剤の落下速度を減少させ、半折された分包紙Pに落下した薬剤が上方に跳ねて舞い上がってしまうこと(「噴き上がり」と呼ばれる)を防止することができる。
変形可能部122の外面には係止部123が設けられている。この係止部123は、通路1aを開く方向に変形可能部122を変形させるために設けられたものであって、本実施形態では、図1に示すように、変形可能部122の各長辺側外面に、下向きに開口したポケット状のものとして設けられている。薬剤分包装置にホッパー1が取り付けられた際には、図3に示すように、このポケット状の係止部123に開閉操作部21の引掛部213(後述)が差し込まれる。そして、開閉操作部21の動作に伴い変形可能部122における通路1aを開くことができる。
ここで、前記実施形態のホッパー1と異なる他の実施形態について、図6と共に説明しておく。ここでは、これまで説明してきたものとの相違点についてのみ説明するものとし、図示の符号についても前記実施形態のものと機能が共通する部分には同一の記号を付している。この実施形態のホッパー1は開閉手段2を使用しないものである。このホッパー1の下端における、分包紙Pの移動方向(図3参照)における上流側となる位置には、三角形状の噴き上がり防止部124が下方に突出して設けられている。開閉手段2を使用しない場合にあっては、薬剤がホッパー1に一旦貯留されることがない。そのため、薬剤が上方から途中で止められないまま落下するため、開閉手段2を使用する場合よりも落下の勢いが強くなり、前記実施形態のホッパー1を用いると、半折された分包紙P内に落下した薬剤が上方に跳ねて舞い上がってしまうことがある(「噴き上がり」と呼ばれる)。この実施形態では、噴き上がり防止部124を設けたことにより、半折された分包紙Pの上流側に薬剤が回り込むことを妨げることができるため、「噴き上がり」を防止あるいは軽減できる。この噴き上がり防止部124の外側には、板厚がノズル部12の他の部分よりも厚くされた補強部124aが上下方向に設けられており、前記の下端縁部121aと共にノズル部12下端の保形性が確保されている。一方、この実施形態のホッパー本体11では、枠部111と共に側面中央に平板部112よりも板厚が厚い上下方向補強部114が設けられており、ホッパー本体11の保形性が高められている。
・硬化前特性
可塑度(ウィリアムス再練10分後)240
・硬化後特性(2mm厚の試験片にて測定)
密度1.14g/cm3、硬さ(JISタイプA)52、引っ張り強さ8.2MPa、切断時伸び325%、引裂き強さ23kN/m
なお、硬化後特性は2mm厚の試験片にて測定したものである。
・各部寸法(外寸)
上下方向全長:186mm
ホッパー本体11の上下寸法:68mm
ホッパー本体11の上端寸法:123mm×123mm
ホッパー本体11の下端寸法:63mm(正面側)×53mm(側面側)
ホッパー本体11の上端から保持手段取付部113の上端までの寸法:35.6mm
枠部111の幅寸法:7.5mm
ノズル部12の下端寸法(最大寸法):33.5mm(正面側)×26.5mm(側面側)
厚み:全体…0.6mm、枠部111及び上側補強部114…1.8mm、ホッパー本体11の上端における枠部111…2mm、下端縁部121a及び補強部(噴き上がり防止部)124a…1.1mm、保持手段取付部113(根元側)…2mm、保持手段取付部113(固定用クリップ311に挟まれる部分)…4mm
上記のようにホッパー1が形成されたことから、このホッパー1は、外力Xが加えられたことにより、内面1bに波打つような振動が発生する。前記の外力Xは、本実施形態では、後述の加振手段32によりホッパー1の全体に及ぶように加えられる振動である。
次に、薬剤供給装置A及び薬剤分包装置について説明する。この薬剤供給装置Aは、所定量の薬剤を取り出すことができるように、前記のホッパー1と、通路1aを開閉する開閉手段2とを備えたものである。そして、薬剤分包装置は、前記の薬剤供給装置Aと、この薬剤供給装置Aにより供給された薬剤を分包紙Pで包むための分包手段Bとを備えたものである。分包手段Bは、長さ方向に連続して供給される分包紙Pを幅方向に半折し、薬剤供給容器から供給された1包分の薬剤を分包紙Pに包んだ後、ヒートシールなどにより分包紙Pの周囲を接着するものである。薬剤分包装置の要部を図2及び図3に示す。二点鎖線で図示したものが幅方向に半折された分包紙Pである。この分包紙Pの移動方向は図中に矢印で示した方向である。
本実施形態では、図2及び図3に示すように、ホッパー1が矩形枠状とされたホッパー保持手段31の枠内に係止されて保持されている。ホッパー保持手段31は、ホッパー1の上端と下端との間の位置に設けられる。よって、保持手段取付部113をホッパー1の外側面から突出させるだけで形成できることから、ホッパー1の形状を単純化できる。ホッパー保持手段31には、固定用クリップ311が設けられており、この固定用クリップ311の押圧片311aでホッパー1の保持手段取付部113を挟むことにより、ホッパー1をホッパー保持手段31に保持できる。本実施形態では、この押圧片311aが図示のように保持手段取付部113の一辺における全幅にわたって挟むことができるよう幅広に形成されている。そのため、後述のように加振手段32で発生した振動を有効にホッパー1に伝達することができる。
そして本実施形態では、このホッパー保持手段31に、ホッパー1を振動させる加振手段32が設けられている。本実施形態の加振手段32としては、モーターの回転軸に偏心した錘が取り付けられてなる振動モーターが振動源として用いられ、振幅及び周波数が一定の振動を発生させるものとされているが、従来から存在する、ソレノイド等により衝撃を発生させるものであっても良い。また、電磁石等を用いて振動を発生させるものであっても良い。
開閉手段2は、図4に示すように、ホッパー1のノズル部12における変形可能部122を一方側と他方側とから挟むことのできる一対の開閉操作部21と、開閉操作部21を動作させるための駆動部22とを有している。各々の開閉操作部21は、金属製で断面「コ」の字状とされており、変形可能部122を押圧するように接近可能な、細長い板状の押圧部211と、押圧部211の両端から駆動部22へと延ばされた連結部214を有している。各押圧部211,211は、斜め方向、つまり、変形可能部122を側面視で横切るように、上下方向に対して交差する方向へと延びるように設けられている。また、各押圧部211,211は変形可能部122を挟んで平行に設けられている。そして、図3に示すように、薬剤分包装置内を移動する分包紙Pの外側に、分包紙Pの側辺と平行に設けられている。
本実施形態では、各押圧部211,211の内面、つまり、ホッパー1の変形可能部122に面する部分に弾性を有するクッション部212が設けられている。クッション部212を設けることにより、ホッパー1の成形誤差により発生する変形可能部122の厚みのムラを吸収できる。つまり、変形可能部122の厚みが全周において均一でない場合、本実施形態のように金属製で弾性のない各押圧部211,211が直接変形可能部122を押圧すると、変形可能部122を密着させて通路1aを完全に閉じることが難しいが、クッション部212を設けることにより、厚みが小さくなっている部分は相対的に大きな力で押さえることができ、厚みが大きくなっている部分は相対的に小さな力で抑えることができるため、通路1aを完全に閉じることができる。なお、場合によっては、各押圧部211,211のうち、いずれか一方の内面にのみクッション部212が設けられたものであっても良い。
1a 通路
1b ホッパーの内面
11 ホッパー本体
113 保持手段取付部
31 ホッパー保持手段
32 加振手段
33 ばね
A 薬剤供給装置
M 薬剤
X 外力
Claims (4)
- ホッパー本体と、前記ホッパー本体の下方に位置して分包紙の内側に挿入されるノズル部とを備え、薬剤を下方へ通過させることができる通路を有するホッパーであって、
前記ホッパー本体と前記ノズル部とを含む全体が弾性材料で一体成形され、
外力が加えられたことにより、前記ホッパーの内面に付着する薬剤を振るい落とす振動が発生することを特徴とするホッパー。 - ホッパー本体と、前記ホッパー本体の下方に位置して分包紙の内側に挿入されるノズル部とを備え、薬剤を下方へ通過させることができる通路を有するホッパーであって、
前記ホッパー本体と前記ノズル部とを含む全体が弾性材料で一体成形され、
外力が加えられたことにより、前記ホッパーの内面に付着する薬剤を振るい落とす振動が発生するホッパーと、
前記ホッパー本体を保持するホッパー保持手段と、
前記ホッパー保持手段に設けられ、前記ホッパーに対して振動を加える加振手段とを備えることを特徴とする薬剤供給装置。 - 前記ホッパー本体は、外側面から突出して保持手段取付部を有し、
前記保持手段取付部は、前記ホッパー保持手段に保持されることを特徴とする請求項2に記載の薬剤供給装置。 - 前記ホッパー保持手段は、上下方向に変位可能なばねにより支持され、
前記ばねは軸線方向に振動し、径方向には実質的に振動しないものであり、
前記ホッパー保持手段は、矩形枠状であって、前記加振手段の取付位置が当該ホッパー保持手段の角部寄りの位置であることを特徴とする請求項3に記載の薬剤供給装置。
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