JP6166970B2 - オイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ - Google Patents
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特許文献1では、オイルセパレータの具体的な構成は開示されていないが、一般的には、バッフルプレートを設けたオイルセパレータや、サイクロン式のオイルセパレータ、又はフィルタ式のオイルセパレータが知られている。
しかし、サイクロン式のオイルセパレータでは、オイルミストが白煙として視認できることもあって白煙の放出防止の改善が求められている。
また本発明は、オイルミストによる白煙の放出を防止できるとともに、真空ポンプから吐出されたオイルのほとんどを真空ポンプに循環することができ、オイルを補給することなく、長時間の運転を実現することができるオイル循環式真空ポンプシステムを提供することを目的とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータにおいて、前記フィルタ分離部を前記サイクロン分離部よりも下流に配置したことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータにおいて、前記オイル溜まり部に第1オイル排出口を設け、前記フィルタより下流に第2オイル排出口を設けたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載のオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータにおいて、前記内筒の下部で前記第1連通路の外周部に低圧側オイル溜まり部を形成し、前記低圧側オイル溜まり部に前記第2オイル排出口を設けたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載のオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータにおいて、前記フィルタに過度の圧力が加わった場合には、前記フィルタを移動させることで、前記フィルタを通過することなく、前記フィルタと前記内筒との間に前記エアーを導くことを特徴とする。
請求項6記載の本発明のオイル循環式真空ポンプシステムは、請求項1から請求項5のいずれかに記載のオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータを、前記真空ポンプの吐出配管に配置し、前記オイル溜まり部に溜まった前記オイルを前記真空ポンプに供給することを特徴とする。
また本発明のオイル循環式真空ポンプシステムによれば、サイクロン分離部とフィルタ分離部とによってエアーからオイルを分離するため、オイルミストによる白煙の放出を防止できるとともに、真空ポンプから吐出されたオイルのほとんどを真空ポンプに循環することができるので、オイルを補給することなく、長時間の運転を実現することができる。
図1は本実施例によるオイル循環式真空ポンプシステムの構成図である。
大気側配管52は、一端が大気に開放され、他端が四方切換バルブ40に接続されている。
吸入側配管53は、一端が真空ポンプ20に接続され、他端が四方切換バルブ40に接続されている。
吐出側配管54は、一端が真空ポンプ20に接続され、他端がオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ30に接続されている。
エアー配管55は、一端がオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ30に接続され、他端が四方切換バルブ40に接続されている。
大気側配管52の一端には、脱臭器61を設けている。吸入側配管53には、水分を除去するドレンセパレータ62を設けている。吐出側配管54には、オイルをエアーから分離するサブセパレータ63を設けている。
オイル溜まり部31は、オイル供給管71で真空ポンプ20と接続されている。また、低圧側オイル溜まり部32は、第1オイル戻し管72で吸入側配管53と接続されている。オイル供給管71には、オイルクリーナ73を設けている。
四方切換バルブ40は、吸排切換レバー41によって切り換えられる。
まず、タンク10への液体の吸入動作を説明する。
四方切換バルブ40によって、エアー配管55を大気側配管52に接続し、吸入側配管53をタンク側配管51に接続する。
真空ポンプ20の運転によって、タンク10内のエアーは、タンク側配管51から吸入側配管53を通って真空ポンプ20に吸引される。
コック14を開放することで、吸排口13から液体をタンク10内に吸引することができる。
真空ポンプ20に吸引されたエアーは、真空ポンプ20内のオイルとともに、吐出側配管54に吐出される。
サブセパレータ63を通過したエアーとオイルとは、オイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ30に導かれる。オイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ30のサイクロン分離部33aで分離されてオイル溜まり部31に溜まったオイルは、オイル供給管71によって真空ポンプ20に供給される。なお、オイル供給管71を通過するオイルは、オイルクリーナ73によって不純物が除去される。また、オイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ30のフィルタ分離部33bで分離されて低圧側オイル溜まり部32に溜まったオイルは、第1オイル戻し管72によって吸入側配管53に導かれ、真空ポンプ20に戻される。
大気に放出されるエアーは、サブセパレータ63及びオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ30でほとんどのオイルが分離しているため、オイルミストが大気に放出されることがない。
四方切換バルブ40によって、エアー配管55をタンク側配管51に接続し、吸入側配管53を大気側配管52に接続する。
真空ポンプ20の運転によって、大気から吸引したエアーは、大気側配管52から吸入側配管53を通って真空ポンプ20に吸引される。
真空ポンプ20に吸引されたエアーは、真空ポンプ20内のオイルとともに、吐出側配管54に吐出される。
サブセパレータ63を通過したエアーとオイルとは、オイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ30に導かれる。オイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ30のサイクロン分離部33aで分離されてオイル溜まり部31に溜まったオイルは、オイル供給管71によって真空ポンプ20に供給される。なお、オイル供給管71を通過するオイルは、オイルクリーナ73によって不純物が除去される。また、オイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ30のフィルタ分離部33bで分離されて低圧側オイル溜まり部32に溜まったオイルは、第1オイル戻し管72によって吸入側配管53に導かれ、真空ポンプ20に戻される。
タンク10に導入されるエアーは、サブセパレータ63及びオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ30でほとんどのオイルが分離しているため、タンク10内の液体にオイルが混入することがない。
コック14を開放することで、吸排口13から液体をタンク10外に排出することができる。
図2(a)は本実施例によるオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータの上面断面図、図2(b)は同オイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータの側面断面図、図2(c)は、同オイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ内が過度の加圧状態になった場合の側面断面図である。
オイル分離部33は、エアーを旋回させてエアーからオイルを分離するサイクロン分離部33aと、フィルタ34によってエアーからオイルを分離するフィルタ分離部33bとによって構成している。サイクロン分離部33aとフィルタ分離部33bとによってエアーからオイルを分離するため、オイルの分離効果が高い。
フィルタ分離部33bはサイクロン分離部33aよりも下流に配置している。本実施例によれば、サイクロン分離部33aでオイルを分離した後のエアーをフィルタ34に導くため、フィルタ34でのオイル分離負担を軽減でき、ミスト化したオイルを確実にフィルタ34で分離できる。
サイクロン分離部33aは、外筒35と内筒36との間に形成している。フィルタ分離部33bは、内筒36の内部に形成している。
サイクロン分離部33aとオイル溜まり部31とは、第1連通路37の下部に形成した
第2連通路39で連通している。
導入口54aは、外筒35と内筒36との間に開口し、導出口55aは内筒36の内部に開口している。
サイクロン分離部33aとフィルタ分離部33bとは、内筒36の下部に形成した第1連通路37で連通している。
フィルタ34は、内筒36内に筒状に配置している。サイクロン分離部33aを通過したエアーは、筒状に配置したフィルタ34の内部に導かれた後に、フィルタ34を通過し、フィルタ34と内筒36との間を上昇して導出口55aに導かれる。フィルタ34で分離されたオイルは、重力によって下方に向かうため、オイルミストが極めて少ないエアーを導出口55aに導くことができる。
オイル溜まり部31には、第1オイル排出口31aを設け、低圧側オイル溜まり部32には第2オイル排出口32aを設けている。低圧側オイル溜まり部32及び第2オイル排出口32aは、フィルタ34より下流に設けているので、オイル溜まり部31及び第1オイル排出口31aよりも低圧となっている。従って、低圧側オイル溜まり部32のオイルをオイル溜まり部31には導くことができないため、フィルタ34で分離したオイルは第2オイル排出口32aから排出する。
オイル溜まり部31に溜められたオイルは、オイル供給管71から真空ポンプ20に供給される。低圧側オイル溜まり部32に溜められたオイルは、第1オイル戻し管72から吸入側配管53に戻される。
このように、サイクロン分離部33aとフィルタ分離部33bとによってエアーからオイルを分離するため、オイルミストによる白煙の放出を防止できるとともに、真空ポンプ20から吐出されたオイルのほとんどを真空ポンプ20に循環することができるので、オイルを補給することなく、長時間の運転を実現することができる。また、フィルタ34で分離したオイルは、第1オイル戻し管72から確実に真空ポンプ20に戻すことができる。
そのために、フィルタ34は、例えばバネのような押圧部材38によって一方向に付勢されており、フィルタ34内の圧力が所定圧を超えると、押圧部材38に対向する圧力が加わることでフィルタ34が移動するように構成されている。そして、フィルタ34の移動によって、エアーは、フィルタ34を通過することなく、フィルタ34と内筒36との間に導かれる。
なお、本実施例では、フィルタ34を移動させる構成を示したが、フィルタ34を移動させる代わりに、オイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ30内が過度の加圧状態にならないように、オイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ30の導入口54a又は吐出側配管54に圧力計を設け、フィルタ34の交換時期を知らせるためにブザーやランプによる警報を行ってもよい。また、オイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ30の導入口54a又は吐出側配管54に圧力センサーを設け、所定圧以上を検知した場合に、ブザーやランプによる警報、又は真空ポンプ20の停止を行ってもよい。
20 真空ポンプ
30 オイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ
31 オイル溜まり部
31a 第1オイル排出口
32a 第2オイル排出口
32 低圧側オイル溜まり部
33 オイル分離部
33a サイクロン分離部
33b フィルタ分離部
34 フィルタ
35 外筒
36 内筒
37 第1連通路
38 押圧部材
40 四方切換バルブ
41 吸排切換レバー
51 タンク側配管
52 大気側配管
53 吸入側配管
54 吐出側配管
54a 導入口
55 エアー配管
55a 導出口
61 脱臭器
63 サブセパレータ
63a オイル導入口
71 オイル供給管
72 第1オイル戻し管
73 オイルクリーナ
74 第2オイル戻し管
Claims (6)
- 真空ポンプから吐出されるオイルをエアーから分離して前記真空ポンプに供給するオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータであって、
オイル溜まり部より上方にオイル分離部を設け、
前記オイル分離部を、
前記エアーを旋回させて前記エアーから前記オイルを分離するサイクロン分離部と、
フィルタによって前記エアーから前記オイルを分離するフィルタ分離部と
によって構成し、
外筒と内筒との間で前記サイクロン分離部を形成し、前記内筒の内部に前記フィルタ分離部を形成し、前記真空ポンプからの前記エアーを導入する導入口と、前記オイルを分離した前記エアーを導出する導出口とを前記外筒の上部に配置し、前記導入口を前記外筒と前記内筒との間に開口させ、前記導出口を前記内筒の内部に開口させ、前記サイクロン分離部と前記フィルタ分離部とを前記内筒の下部に形成した第1連通路で連通させ、
前記フィルタを筒状に配置し、前記サイクロン分離部を通過した前記エアーは、筒状に配置した前記フィルタの内部に導かれた後に、前記フィルタを通過し、前記フィルタと前記内筒との間を上昇して前記導出口に導かれることを特徴とするオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ。 - 前記フィルタ分離部を前記サイクロン分離部よりも下流に配置したことを特徴とする請求項1に記載のオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ。
- 前記オイル溜まり部に第1オイル排出口を設け、前記フィルタより下流に第2オイル排出口を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ。
- 前記内筒の下部で前記第1連通路の外周部に低圧側オイル溜まり部を形成し、前記低圧側オイル溜まり部に前記第2オイル排出口を設けたことを特徴とする請求項3に記載のオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ。
- 前記フィルタに過度の圧力が加わった場合には、前記フィルタを移動させることで、前記フィルタを通過することなく、前記フィルタと前記内筒との間に前記エアーを導くことを特徴とする請求項4に記載のオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータ。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載のオイル循環式真空ポンプ用オイルセパレータを、前記真空ポンプの吐出配管に配置し、前記オイル溜まり部に溜まった前記オイルを前記真空ポンプに供給することを特徴とするオイル循環式真空ポンプシステム。
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