JP6166433B2 - 水晶振動素子 - Google Patents
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Description
この水晶片は、ATカットの水晶ウェハをエッチングすることで形成することができる。
ATカットの水晶ウェハは、人工水晶を切断して設けられる板材であって、水晶の結晶軸であるX軸、Y軸、Z軸のうち、Y軸側を向く面をX軸まわりにθ°回転させて新たに設定されるX軸、Y´軸、Z´軸、のうちY軸を向いていた面がY´軸を向いた状態で切断されて得られる。
切断された水晶ウェハは、表面が研磨されて所定の厚さTで仕上げられている。
このような水晶ウェハは、両主面にマスクが設けられ、水晶片とする位置と外周枠の部分と水晶片同士又は外周枠を繋ぐ接続部以外が開口した状態となっている。
なお、水晶ウェハの一方の主面側の開口の位置と他方の主面側の開口の位置とは、Z´方向に距離L=T/tanθmだけずらして配置されている(例えば、特許文献1参照)。
この状態で、水晶ウェハをウェットエッチングすると、角度θm°で水晶ウェハの厚み方向に貫通した貫通部が形成される。この状態で、水晶ウェハから複数の水晶片となるように個片化する。
これにより、水晶ウェハから複数の水晶片を製造することができる(例えば、特許文献1参照)。
このような水晶振動素子は、水晶片の側面が2つの結晶面が形成される場合や、1種類の結晶面が形成される場合がある。中でも、水晶片の側面に1種類の結晶面が形成される場合では、水晶片の平面部分に対して直角又はほぼ直角となる場合がある。
水晶片1は、例えば、ATカットの水晶ウェハから形成され、また、四角形の平板状に形成されており、一方の主面と他方の主面とに凸部1Aが設けられ、両主面F1の縁部分に凹部1Bと斜面1Cとが設けられている。なお、主面とは、凸部1Aを除いた平面積が他の面F1より大きい面とこの面と平行な面とする。水晶片1の長辺側の側面には、結晶面であるm面F3とR面と直交する面F2を有している。
一方の主面F1に設けられる凸部1Aは、他方の主面F1の凸部1Aより大きな楕円形状となっている。
これら凸部1Aの平面中心は、水晶片1を平面視で見たときの投影面積の平面中心に一致させて設けられており、楕円形状の長径を水晶片1の長辺と平行にさせ、楕円形状の短径を水晶片1の短辺と平行にさせて設けられている。
このとき、2つの凸部1Aの深さと水晶片1の厚みとの比率aは、a=d/T0=(T0−T1)/T0であらわされ、これら2つの凸部1Aの深さと凸部1Aでの水晶片1の厚みとの比率aが、0.008<a<0.058となるように凸部1Aが設けられている。
また、2つの凸部1Aの深さと凸部1Aでの水晶片の厚みとの比率aが0.058以上となる場合は、他の振動モードと結合しやすくなり、CI値が低くならない場合がある。
ここで、凹部1Bは、水晶片1の主面F1において平行する2つの短辺に沿って形成されつつ、平行する2つの長辺のうち、m面F3に接する長辺に沿って設けられる。
この凹部1Bは、水晶片1の一方の主面F1を基準としたとき、この基準とした主面よりも水晶片の厚み方向側に平面部分を形成して構成される。
また、斜面1Cは、前記主面F1において平行する2つの長辺のうちR面と直交する面F2と接する長辺に沿って設けられている。
また、凹部1Bと斜面1Cとは、前記凸部1A及び後述する励振電極2から離れており、水晶片1の主面の面積よりも小さく形成されている。
なお、凹部1Bと斜面1Cとは、水晶片の一方の主面F1側のみに設けても良い。
それぞれの励振電極2は、水晶片1の一方の短辺側に設けられた2つ一対の引き回しパターンとそれぞれ接続している。
また、励振電極2は、楕円の短径側の曲線部分を切断した形状となっている。つまり、励振電極2は、楕円形状を基にして、長径側の曲線を残しつつ、短径側の曲線を除いて輪郭が長径と平行となる直線状に形成され、長径に対して線対称となる形状となっている。
図示しないが、例えば、まず、水晶ウェハに耐食膜を設け、その後、フォトレジストを設ける。ここでは、水晶ウェハをATカットの水晶ウェハとして説明する。
これにより、水晶片の外形形状の輪郭部分からフォトレジストの表面に沿ってサイドエッチングが生じて凹部1Bと斜面1Cとが形成される。
図3に示すように、CI値が100Ωより低くなる凸部1Aの範囲は、2つの凸部1Aの深さと凸部1Aでの水晶片の厚みとの比率aが、0.008<a<0.058となるときであることが確認できる。
図3中の2次曲線は、y=8.9933x2−59.247x+141 (1)となっている。
ここで、yはCI値を示し、xは2つの凸部1Aの深さと凸部1Aでの水晶片の厚みとの比率aを示す。
この(1)式よりCI値が求められる。
また、図5に示すように、周波数(MHz)と水晶片のW寸法(図1参照)との関係を確認すると、実施例1は、水晶片のW寸法が588μm〜603μmの範囲で、ほぼ横並びの周波数分布となり、安定した周波数が得られることが確認できた。
また、図6に示すように、CI値と水晶片のW寸法(図1参照)との関係を確認すると、実施例1は、大多数のサンプルにおいて、W寸法が580μm〜620μmの範囲でCI値が100Ωより低くなることが確認された。
また、図9に示すように、CI値と水晶片のW寸法(図1参照)との関係を確認すると、実施例1は、大多数のサンプルにおいて、W寸法が599μm〜607μmの範囲でCI値が100Ωより低くなることが確認された。しかし、実施例1と比較すると、CIが100Ωより低くなる水晶片のW寸法の範囲が実施例1より狭くなっているのが確認できる。
また、このように本発明の実施形態に係る水晶振動素子を構成したことにより、周波数が安定した水晶片のW寸法の範囲を広げつつ低いCI値となる水晶片のW寸法の範囲を広げることができる。
したがって、実施例1の水晶振動素子は、従来よりもCI値を低くすることができることが確認できた。
1 水晶片
1A 凸部
1B 凹部(段差部)
2 励振電極
F1 主面
Claims (2)
- 平面視して略矩形形状となっている平板状の水晶片と、
前記水晶板の主面中心に設けられる励振電極と、
を備える水晶振動素子であって、
前記水晶片を平面視して、
前記水晶片の一方の長辺の縁部に沿って斜面が形成されており、
前記水晶片の他方の長辺および前記水晶片の一対の短辺の縁部に沿って凹部が形成されており、
前記水晶片の平面中心に凸部が形成されており、
前記水晶片の短辺に沿った方向に断面視して、
前記斜面が、前記水晶片の主面および前記水晶片の側面であって結晶面であるR面と直交する面に接するように設けられており、
前記凹部が、前記水晶片の主面および前記水晶片の側面であって結晶面であるm面に接するように設けられている
ことを特徴とする水晶振動素子。 - 前記水晶片の前記凸部の深さと前記凸部での前記水晶片の厚みとの比率aが、0.008<a<0.058であることを特徴とする請求項1に記載の水晶振動素子。
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JP2016131554A Active JP6166433B2 (ja) | 2016-07-01 | 2016-07-01 | 水晶振動素子 |
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