JP6483371B2 - 水晶振動片及び水晶振動素子 - Google Patents

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Description

本発明は、水晶振動片、水晶振動素子及び水晶振動片の製造方法に関する。
一定の周波数の発振信号を出力するための振動子乃至発振器に利用される水晶振動片として、ATカット水晶振動片等の平板状のものが知られている。また、このような平板状の水晶振動片において、エネルギーの漏洩低減等によって周波数特性を向上させるために側面(外周面)を主面の平面視における外側に膨らむように(すなわち凸状に)形成したメサ型の水晶振動片が知られている(例えば特許文献1及び2)。
特許文献1及び2では、メサ型のATカット水晶振動片の製造方法として、水晶の異方性を利用して、水晶振動片の側面を外側に膨らませる方法を開示している。具体的には、まず、マスクを介して平板状の水晶板をエッチングし、概略矩形の平板状の水晶振動片を形成する。このとき、水晶の異方性に起因して、水晶振動片の側面は、主面に対して傾斜する2つの結晶面(平面)から構成され、外側に膨らむ形状となる。次に、マスクを除去して水晶振動片を更にエッチングする。このとき、水晶の異方性に起因して、側面の主面側には新たな結晶面(平面)が現れる。すなわち、水晶振動片の側面は、4つ以上の結晶面(平面)から構成され、外側に膨らむ形状となる。その結果、2つの結晶面からメサ形状が形成される場合に比較して、メサ形状がなだらかになり、周波数特性が向上する。
特開2014−27505号公報 特開2014−27506号公報
特許文献1及び2の水晶振動片の製造方法では、エッチングを2回行わなければならず、生産性が低下する。また、2回目のエッチングにおいては、マスクを介さずにエッチングを行い、また、これにより水晶の異方性を利用して側面の主面側に新たな結晶面を形成しているから、その新たな結晶面と主面との交差部の形状も水晶の異方性の影響を受け、主面の平面形状が複雑な形状になるおそれがある。その結果、主面の外周側で複雑な振動が生じ、クリスタルインピーダンス値が大きくなるなど、所望の特性を得られないおそれがある。
従って、簡便に製造可能で周波数特性が高いメサ型の水晶振動片、水晶振動素子及び水晶振動片の製造方法が提供されることが望まれる。
本発明の一態様に係る水晶振動片は、互いに平行な第1主面及び第2主面と、前記第1主面及び前記第2主面をその外周にてつなぎ、且つ、外側へ膨らむ側面と、を有し、前記側面は、前記第1主面に平行な方向に見て前記第1主面に対して傾斜する第1結晶面と、前記第1主面と前記第1結晶面との角部を曲面状に面取りする第1面取り面と、を有している。
好適には、前記第1結晶面及び前記第1面取り面を有する前記側面は、前記第1主面に沿う所定方向及び当該所定方向に直交する方向の4方に設けられ、前記第1主面及び第2主面の平面形状は、前記4方のうち2方に互いに平行な2辺を有するとともに前記4方のうち他の1方に前記2辺に直交する1辺を有する形状である。
好適には、前記第1結晶面は、前記第1主面に対して外側ほど前記第2主面側に位置するように傾斜しており、前記側面は、前記第2主面に対して外側ほど第1主面側に位置するように傾斜し、前記第1結晶面と交差する第2結晶面と、前記第2主面と前記第2結晶面との角部を曲面状に面取りする第2面取り面と、を更に有している。
本発明の一態様に係る水晶振動素子は、上記の水晶振動片と、前記第1主面及び前記第2主面に設けられた1対の励振電極と、を有している。
本発明の一態様に係る水晶振動片の製造方法は、水晶板の主面上に金属膜及びレジスト膜を順に形成する薄膜形成工程と、前記レジスト膜を露光及び現像してレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、前記レジストマスクを介して前記金属膜をエッチングすることによって金属マスクを形成する金属マスク形成工程と、前記レジストマスク及び前記金属マスクを介して前記水晶板をエッチングする水晶エッチング工程と、を有し、前記水晶エッチング工程では、前記金属マスクの、前記レジストマスクから平面方向外側へ露出する縁部がエッチングされる条件で前記水晶板をエッチングする。
好適には、前記金属マスク形成工程では、前記金属マスクの縁部において、平面方向外側ほど薄くなり、前記水晶板とは反対側の表面が曲面状に傾斜するように前記金属膜をエッチングする。
上記の構成又は手順によれば、周波数特性の高いメサ型の水晶振動片を簡便に製造できる。
本発明の実施形態に係る水晶振動子の要部の構成を示す分解斜視図。 図2(a)及び図2(b)は図1のIIa−IIa線及びIIb−IIb線における水晶振動片の断面図。 図2の領域IIIの拡大図。 図2の水晶振動片の平面図。 図5(a)〜図5(e)は図2の水晶振動片の製造方法を説明する断面図。 図6(a)〜図6(c)は図5(d)及び図5(e)をより詳細に説明する拡大断面図。 水晶振動片の変形例を示す断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
図1は、本発明の実施形態に係る水晶振動子1(以下、「水晶」は省略)の概略構成を示す分解斜視図である。
振動子1は、例えば、凹部3aが形成された素子搭載部材3と、凹部3aに収容された水晶振動素子5(以下、「水晶」は省略)と、凹部3aを塞ぐ蓋部材7とを有している。
振動子1は、例えば、蓋部材7により凹部3aが塞がれた状態で、概ね薄型の直方体状であり、その寸法は適宜に設定されてよい。例えば、比較的小さいものでは、長辺又は短辺の長さが1〜2mmであり、厚さが0.2〜0.4mmである。凹部3aは蓋部材7により封止され、その内部は、例えば、真空とされ、又は、適宜なガス(例えば窒素)が封入されている。
素子搭載部材3は、例えば、素子搭載部材3の主体となる基体9と、振動素子5を実装するための素子搭載パッド11と、振動子1を不図示の回路基板等に実装するための外部端子13とを有している。基体9は、セラミック等の絶縁材料からなり、上記の凹部3aを構成している。素子搭載パッド11及び外部端子13は、例えば、金属等からなる導電層により構成されており、基体9内に配置された不図示の導体等によって互いに接続されている。蓋部材7は、例えば、金属から構成され、素子搭載部材3の上面にシーム溶接等により接合されている。
振動素子5は、例えば、水晶振動片15(以下、「水晶」は省略)と、振動片15に電圧を印加するための1対の励振電極17(一方の励振電極17は振動片15に隠れて不図示)と、振動素子5を素子搭載パッド11に実装するための1対の引出電極19とを有している。
振動片15は、例えば、概ね長方形の板状に形成されている。振動片15は、例えば、ATカット水晶振動片からなる。すなわち、振動片15は、水晶のX軸(電気軸)、Y軸(機械軸)及びZ軸(光学軸)からなる直交座標系をX軸回りに35°15′の角度(図中、θ)で回転させたX軸、Y′軸及びZ′軸からなる直交座標系において、XZ′平面に沿って水晶から切り出された平板からなる。そして、振動片15は、X軸に平行な長辺、Z′軸に平行な短辺を有する矩形状とされ、Y′軸方向に厚みを有している。
1対の励振電極17は、例えば、振動片15の両主面の中央側に層状に設けられている。1対の引出電極19は、励振電極17から引き出されて振動片15の長手方向(X軸方向)の一端側部分に設けられている。1対の励振電極17及び1対の引出電極19は、例えば、振動素子5の両主面のいずれを凹部3aの底面側としてもよいように、振動片15の、その長手方向(X軸方向)に延びる不図示の中心線に対して180°回転対称の形状に形成されている。
振動素子5は、主面を凹部3aの底面に対向させて凹部3aに収容される。引出電極19は、不図示のバンプにより素子搭載パッド11に接合される。これにより、振動素子5は、素子搭載部材3に片持ち梁のように支持される。また、1対の励振電極17は、1対の素子搭載パッド11と電気的に接続され、ひいては、複数の外部端子13のいずれか2つと電気的に接続される。バンプは、例えば、導電性接着剤からなる。
図2(a)及び図2(b)は図1のIIa−IIa線及びIIb−IIb線における振動片15の断面図である。図3は、図2(a)の領域IIIの拡大図である。
振動片15は、互いに平行な第1主面21A及び第2主面21Bと、これら主面の平面視において振動片15の長辺を構成する第1側面23A及び第2側面23B(図2(a))と、主面の平面視において振動片15の短辺を構成する第3側面23C及び第4側面23D(図2(b))とを有している。なお、以下において、第1主面21A及び第2主面21Bを特に区別せずに「主面21」ということがあり、また、第1側面23A〜第4側面23Dを特に区別せずに「側面23」ということがある。
振動片15は、いわゆるメサ型の水晶振動片として構成されており、各側面23は、主面21の平面視における外側へ膨らむように構成されている。より具体的には、例えば、各側面23は、各側面23を外側へ膨らますように傾斜するとともに互いに交差する2つの結晶面(23a及び23b)と、その結晶面と主面21との角部を面取りする2つの面取り面(23c及び23d)とを有している。
なお、複数の側面23間において、結晶面及び面取り面の形状や傾斜角等は互いに異なるが、全ての結晶面及び面取り面に互いに異なる符号(16種の符号)を付すと、却って説明が煩雑になる。そこで、結晶面及び面取り面については、複数の側面23間において同一の呼称及び符号を用いることとする。具体的には、第1主面21A側の結晶面を第1結晶面23a、第2主面21B側の結晶面を第2結晶面23b、第1主面21Aと第1結晶面23aとの角部を面取りする面取り面を第1面取り面23c、第2主面21Bと第2結晶面23bとの角部を面取りする第2面取り面23dとする。
第1結晶面23a及び第2結晶面23bは、結晶格子の幾何学的規則性に起因して直交座標系XYZ(ZY′Z′)に対して水晶に固有の角度で形成される面であり、また、図3に特に示すように平面である。一方、第1面取り面23c及び第2面取り面23dは、結晶面ではなく、また、図3に特に示すように曲面(主面21及び側面23に沿う方向に見て曲線)である。
結晶面は水晶に固有であるから、ATカット型の振動片15において、第1結晶面23a及び第2結晶面23bは公知のもの(例えば特許文献1及び2参照)と同様である。例えば、第1側面23Aの第1結晶面23a及び第2側面23Bの第2結晶面23bはm面であり、第1側面23Aの第2結晶面23b及び第2側面23Bの第1結晶面23aはr面等のm面以外の結晶面である。各結晶面の大きさ等は適宜に設定されてよい。
第1面取り面23c及び第2面取り面23dは、適宜な大きさを有していてよい。例えば、これら面取り面の結晶面から主面21までの長さは、平面視して、1μm以上である。なお、エッチングの加工精度の限界によって必然的に生じる曲面は、平面視して、1μm未満である。また、例えば、これら面取り面の結晶面から主面21までの長さは、面取りする結晶面の長さの1/10以上1/2以下である。具体的には、例えば、平面視して、3〜80μmとなっている。この大きさであれば、単に2つの結晶面から側面23が構成される場合に比較して、エネルギーの漏洩低減等の効果向上が大いに期待される。
図4は、振動片15の平面図である。
平面視においては、第1主面21Aの外側に第1面取り面23cが位置し、その外側に第1結晶面23aが位置している。第1面取り面23c及び第1結晶面23aは、第1側面23A、第2側面23B及び第4側面23Dにおいては、その全体に亘って形成されている。
一方、第3側面23Cにおいては、第1面取り面23c及び第1結晶面23aは、中央側部分にのみ形成されている。第3側面23Cの両側部分は、例えば、主面21に概ね直交する平面状とされている。ただし、第3側面23Cの両側部分は、中央側部分と同様に、第1面取り面23c及び第1結晶面23aから構成されてもよいし、また、中央側部分とは異なる大きさ及び/又は角度でメサ形状が形成されてもよい。
第1主面21Aの平面形状は、概ね矩形状である。第1主面21Aの4方の外縁のうち、第1側面23A、第2側面23B及び第4側面23Dに沿う3つは直線状である。なお、これらの3辺が交差する角部は面取りされていてもよい。第1主面21Aの4方の外縁のうち、第3側面23C側(引出電極19側)の1つは中央側と両側との間に段差が生じている。ただし、このような段差が生じないようにされてもよい。
なお、図4を参照して第1主面21A側について説明したが、第2主面21B側についても同様である。例えば、第2主面21Bの平面形状は、4つの側面23が位置する4方のうち2方(第1側面23A側及び第2側面23B側)に互いに平行な2辺を有するとともに4方のうち他の1方(第4側面23D側)に前記の2辺に直交する1辺を有する形状である。
図5(a)〜図5(e)は振動片15の製造方法を説明するための図2(a)に対応する断面図である。
まず、図5(a)に示すように、振動片15が多数個取りされる水晶板31(ウェハ)が準備される。例えば、人工水晶に対してランバード加工及びスライシングを行うことによって、図1を参照して説明した角度で水晶板が切り出される。さらに、その切り出された水晶板に対してラッピング、エッチング及び/又はポリッシングを行うことにより、主面21となる面を有する水晶板31が形成される。
次に、図5(b)に示すように、両主面21に金属膜33及びレジスト膜35を順に積層する。具体的には、例えば、金属膜33は、クロムからなり、スパッタリング法若しくはめっき法により形成される。また、例えば、レジスト膜35は、ポジ型及びネガ型のいずれのフォトレジストであってもよく、スピンコート法により形成される。
次に、図5(c)に示すように、フォトリソグラフィーによってレジスト膜35を所定の形状にパターニングする。すなわち、不図示のマスクを介してレジスト膜35を露光し、その後、薬液によって不要部分を除去する現像を行い、レジストマスク37を形成する。レジストマスク37の平面形状は、振動片15の平面形状と概略同様(例えば相似に近い)である。
次に、図5(d)に示すように、レジストマスク37を介して金属膜33をウェットエッチング等によりエッチングし、金属マスク39を形成する。金属マスク39の平面形状及び大きさは、レジストマスク37の平面形状及び大きさと概略同様である。
次に、図5(e)に示すように、レジストマスク37及び金属マスク39を介して水晶板31をウェットエッチング等によりエッチングし、振動片15を形成する。具体的には、水晶板31を両主面21側からエッチングしていくと、両主面21に穴が形成される。第1主面21Aの穴の内面には第1結晶面23aが現れ、第2主面21Bの穴の内面には第2結晶面23bが現れる。さらにエッチングを進めると、両主面21の穴が繋がり(第1結晶面23a及び第2結晶面23bが交差し)、メサ型の側面23が形成される。
なお、図5(c)〜図5(e)に示すように、第1主面21A側と第2主面21B側とで、レジストマスク37及び金属マスク39の縁部の位置は適宜にずらされてよい。このように縁部の位置をずらすことにより、水晶の異方性に起因する、エッチングレートの第1主面21A側と第2主面21B側との相違に関わらず、適宜な位置にて第1結晶面23aと第2結晶面23bとを交差させることができる。別の観点では、第1結晶面23a及び第2結晶面23bの相対的な大きさ及び位置を調整することができる。
図6(a)〜図6(c)は水晶板31のエッチング工程(図5(d)〜図5(e))をより詳細に説明するための図である。
図6(a)は、図5(d)の領域VIの拡大図である。この図に示すように、レジストマスク37の縁部は、外側ほど薄くなり、また、表面(金属膜33とは反対側の面)が外側に膨らむ曲面状(断面視において曲線状)に形成されている。
このような縁部の形状は適宜に形成することができる。例えば、フォトレジストとしてポジ型のものを用い、露光の際に光の強度を適宜に(例えば比較的低く)設定すると、レジスト膜35の深い位置では光が散乱してレジスト膜35の溶解性が十分に増大しない。その結果、現像において深い位置ほどレジスト膜35が残存し、縁部が外側ほど薄くなる。また、光がレジスト膜35を透過する初期ほど光の散乱の量が多いことなどにより、縁部の表面は外側に膨らむ曲面状になる。また、例えば、適宜な光学系によって、光を拡張しつつネガ型のレジスト膜35を露光すると、溶解性が低下する部分が深い位置ほど外側に広がる。その結果、縁部は外側ほど薄くなる。また、このとき、光がレジスト膜35を透過する初期ほど光の散乱の量が多く、幅広い範囲で溶解性が低下するから、縁部の表面は外側に膨らむ曲面状になる。
レジストマスク37と同様に、金属マスク39の縁部は、外側ほど薄くなり、また、表面(水晶板31とは反対側の面)が外側に膨らむ曲面状(断面視において曲線状)に形成されている。従って、レジストマスク37の縁部と金属マスク39の縁部においては、レジストマスク37と金属マスク39との間に微少な空間が存在していることとなる。
このような金属マスク39の縁部の形状は適宜に形成することができる。例えば、金属膜33のエッチングの時間を長くしたり、金属膜33のエッチングの薬液の種類を適宜に選択したり、金属膜33のエッチングの薬液の濃度を高くしたりすると、金属膜33のエッチングがレジストマスク37の下まで行われ、いわゆるアンダーカットが生じる。このアンダーカットにおけるXZ′平面の内側へのエッチング量は、初期にエッチングされる側(レジストマスク37)側ほど大きくなるので、金属マスク39は、外側ほど薄くなるように傾斜する。また、レジストマスク37の縁部が外側ほど薄く形成されていると、アンダーカットにおいては、レジストマスク37の変形等によってレジストマスク37側ほど薬液の流入及び流出が容易化される。その結果、レジストマスク37側において金属膜33のエッチングが進みやすくなり、金属マスク39の縁部の傾斜面は、外側に膨らむ曲面状になる。
図6(b)は、図6(a)の状態から第1主面21Aのエッチングが進んだ状態を示している。なお、図中の点線は、図6(a)における第1主面21Aを示している。記述のように、第1主面21Aのエッチングによって、第1結晶面23aが現れる。なお、厳密には、図6(b)の第1結晶面23aは更にエッチングされるので、図6(b)に示す第1結晶面23aは、図2等に示した最終的な第1結晶面23aと同一ではないが、便宜上、同一の符号を付している。後述する図6(c)における第1結晶面23a及び第1面取り面23cも同様である。
図6(c)は、図6(b)の状態からさらにエッチングが進んだ状態を示している。なお、図中の点線は、図6(b)における水晶板31及び金属マスク39を示している。エッチングの時間を長くしたり、エッチングの薬液の種類を適宜に選択したり、エッチングの薬液の濃度を高くしたり、水晶のエッチングの薬液に金属のエッチングの薬液を混ぜたりすると、金属マスク39の縁部もエッチングされ、金属マスク39の縁部の位置は内側へ移動する。これに伴い、水晶板31は、金属マスク39の縁部が除去された位置にて、レジストマスク37側からエッチングされる。外側位置ほどエッチングされる時間が長くなるから、外側ほど深くエッチングされ、外側ほど低くなるように傾斜する第1面取り面23cが形成される。また、金属マスク39の縁部の位置が内側になるほど、レジストマスク37によって金属マスク39の縁部に対する薬液の流入及び流出はしにくくなり、金属マスク39の縁部の移動は遅くなる。その結果、第1面取り面23cは外側に膨らむ曲面状になる。
また、金属マスク39の縁部が外側ほど薄くなる形状であると、縁部の外側の薄い部分が速やかにエッチングされて縁部の位置が速やかに内側に移動し、その後、縁部の位置の内側への移動が遅くなる。これによっても、第1面取り面23cは外側に膨らむ曲面状になる。
ここで、水晶板3のエッチングの薬液で金属マスク39の縁部がエッチングされ、金属マスク39の縁部の位置が内側へ移動する現象について説明する。本実施形態に記載されている金属マスク39は、水晶板3をエッチングする前、金属マスク39の縁部が外側ほど薄くなり、または、表面が外側に膨らむ曲面形状に形成されているので、水晶板3のエッチングの薬液に浸漬させたとき、金属マスク39の縁部付近の水晶板3のエッチング液は移動(循環)しにくくなる。このため、金属マスク39の縁部において、水晶板3のエッチングの薬液中の酸素と金属マスク39の縁部とが反応し、金属マスク39の縁部に不動態膜が形成されにくくなり、この結果、金属マスク39の縁部からエッチングされる。つまり、本実施形態では、金属マスク39の形状を変えることで、水晶板3のエッチングの薬液に浸漬させたときに金属マスク39の縁部において薬液の移動を低減させ、金属マスク39の縁部に不動態膜を形成させず、金属マスク39を水晶板3と同時にエッチングさせている。
図5及び図6を参照して説明した工程においては、振動片15は概ね全体の形状が形成されるものの、水晶板31からはまだ切り離されていない。例えば、図4において点線で示すように、振動片15の第3側面23Cの両端は、水晶板31のうちの枠状に残った部分に接続されている。従って、上述したメサ形状は、第1側面23A、第2側面23B及び第4側面23Dの全体と、第3側面23Cの中央側とに形成される。
その後、水晶板31には、1対の励振電極17及び1対の引出電極19の形成、及び、周波数特性の検査・調整等が行われ、エッチング等によって振動片15の第3側面23C側の両側部分が水晶板31の枠状部分から分離され、振動素子5が得られる。
なお、振動片15を水晶板31の枠状部分から分離する際には、図5及び図6を参照して説明したエッチングと同様のエッチングによって第3側面23Cの両側部分を形成し、第3側面23Cの両側部分もメサ形状としてもよい。
以上のとおり、本実施形態では、振動片15は、互いに平行な第1主面21A及び第2主面21Bと、第1主面21A及び第2主面21Bをその外周にてつなぎ、且つ、外側へ膨らむ側面23と、を有している。側面23は、第1主面21Aに平行な方向に見て第1主面21Aに対して傾斜する第1結晶面23aと、第1主面21Aと第1結晶面23aとの角部を曲面状に面取りする第1面取り面23cと、を有している。
従って、第1結晶面23a及び第2結晶面23bに相当する2つの結晶面のみによってメサ形状を実現する場合に比較して、第1面取り面23cによってメサ形状がなだらかな形状となり、エネルギーの漏洩等が効果的に低減され、周波数特性が向上する。また、このような形状は、図5及び図6を参照して説明した製造方法によって簡便に形成される。
また、本実施形態では、第1結晶面23a及び第1面取り面23cを有する側面23は、第1主面21Aに沿う所定方向(X軸方向)及び当該所定方向に直交する方向(Z′軸方向)の4方に設けられている。第1主面21A及び第2主面21Bの平面形状は、前記4方のうち2方(第1側面23A側及び第2側面23B側)に互いに平行な2辺を有するとともに前記4方のうち他の1方(第4側面23D側)に前記2辺に直交する1辺を有する形状である。
すなわち、第1主面21A及び第2主面21Bの平面形状は、第3側面23C側を除いて矩形に近く、単純である。従って、第1主面21A及び第2主面21Bの外縁の形状に起因して予期しないスプリアスが生じることが低減される。なお、特許文献1及び2のようにマスクを介さずにエッチングを行うことによって、4側面のそれぞれにおいて、4以上の結晶面を形成した場合、主面の4方の外縁のうち少なくとも2つは直線にならない。
また、本実施形態では、第1結晶面23aは、第1主面21Aに対して外側ほど第2主面21B側に位置するように傾斜している。側面23は、第2主面21Bに対して外側ほど第1主面21A側に位置するように傾斜し、第1結晶面23aと交差する第2結晶面23bと、第2主面21Bと第2結晶面23bとの角部を曲面状に面取りする第2面取り面23dと、を更に有している。
すなわち、交差する2つの結晶面を有する側面に面取り面が設けられているから、例えば、後述する変形例(図7)に比較して、メサ形状が全体として均等に膨らむ。その結果、一対の励振電極17を設け、電圧を印加したとき、エネルギーの漏洩等が効果的に低減され、周波数特性が向上する。例えば、従来では75〜100Ωだったクリスタルインピーダンス値が、従来と同じ周波数の振動片5では20〜60Ωとなり、クリスタルインピーダンス値が大きくなることを軽減させることができる。
また、本実施形態では、振動片15の製造方法は、水晶板31の主面上に金属膜33及びレジスト膜35を順に形成する薄膜形成工程(図5(b))と、レジスト膜35を露光及び現像してレジストマスク37を形成するレジストマスク形成工程(図5(c))と、レジストマスク37を介して金属膜33をエッチングすることによって金属マスク39を形成する金属マスク形成工程(図5(d))と、レジストマスク37及び金属マスク39を介して水晶板31をエッチングする水晶エッチング工程(図5(e))と、を有している。水晶エッチング工程では、金属マスク39の、レジストマスク37から平面方向外側へ露出する縁部がエッチングされる条件で水晶板31をエッチングする。
従って、図6(c)を参照して説明したように、金属マスク39の縁部位置の移動を利用して第1面取り面23c及び第2面取り面23dを形成することができる。金属マスク39の縁部の移動は、エッチング条件を適宜に調整することだけで実現可能である。すなわち、本実施形態では、4つの結晶面からメサ形状を形成する場合のように、マスクを介したエッチングと、マスクを介さないエッチングとの2回のエッチングをする必要はなく、製造方法が簡便である。
また、本実施形態では、レジストマスク形成工程(図5(c))では、レジストマスク37の縁部において、平面方向外側ほど薄くなり、金属膜33とは反対側の表面が曲面状に傾斜するようにレジストマスク37を形成する。金属マスク形成工程(図5(d))では、金属マスク39の縁部において、平面方向外側ほど薄くなり、水晶板31とは反対側の表面が曲面状に傾斜するように金属膜33をエッチングする。
従って、図6を参照して説明したように、レジストマスク37及び金属マスク39の曲面形状を水晶板31に対して転写するかのように、振動片15に曲面状の第1面取り面23c及び第2面取り面23dを形成できる。レジストマスク37及び金属マスク39の縁部における曲面形状の形成、及び、その形状の水晶板31への転写は、エッチング条件の調整によって可能であることから、製造方法が複雑化することもない。
図7は、変形例に係る振動片215を示す図2(a)に対応する断面図である。
この変形例に示すように、側面223(第1側面223A及び第2側面223B)において、結晶面は、一つのみであってもよい。結晶面223a(第1結晶面の一例)は、例えば、r面である。この変形例において、第1面取り面223c及び第2面取り面223dは、結晶面223aと、第1主面221A及び第2主面221Bとの角部を面取りしている。
変形例の製造方法は、概略、実施形態の製造方法と同様である。ただし、水晶板31をエッチングするときのマスクの形状及びエッチング時間等の条件を変えることによって、側面223が一の結晶面223aのみを含むように形成することができる。例えば、第1主面221A側のレジストマスク及び金属マスクと、第2主面221B側のレジストマスク及び金属マスクの形状及び位置を同一とする。そして、第1主面221A側のエッチングによって形成された水晶板31の穴と、第2主面221B側のエッチングによって形成された水晶板31の穴とが繋がった後もエッチングを十分に継続する。これにより、m面が消失してr面が残る。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
水晶振動片が搭載される水晶デバイスは、水晶振動子に限定されず、例えば、発振回路を含む水晶発振器であってもよい。また、振動子や発振器の構造は、実施形態に例示したものに限定されず、H型の素子搭載部材を有するものなど、適宜な構造とされてよい。水晶振動片は、ATカットのものに限定されず、BTカットやGTカットのものであってもよい。また、水晶振動素子は、1対の引出電極が両主面に設けられるものでなくてもよいし、実装の向きが固定的なものであってもよい。
5…振動素子(水晶振動素子)、15…振動片(水晶振動片)、21A…第1主面、21B…第2主面、23A…第1側面、23B…第2側面、23C…第3側面、23D…第4側面、23a…第1結晶面、23b…第2結晶面、23c…第1面取り面、23d…第2面取り面。

Claims (4)

  1. 互いに平行な第1主面及び第2主面と、
    前記第1主面及び前記第2主面をその外周にてつなぎ、且つ、外側へ膨らむ側面と、
    を有し、
    前記側面は、
    前記第1主面に平行な方向に見て前記第1主面に対して傾斜する第1結晶面と、
    前記第1主面と前記第1結晶面との角部を曲面状に面取りする第1面取り面と、を有している
    水晶振動片。
  2. 前記第1結晶面及び前記第1面取り面を有する前記側面は、前記第1主面に沿う所定方向及び当該所定方向に直交する方向の4方に設けられ、
    前記第1主面及び第2主面の平面形状は、前記4方のうち2方に互いに平行な2辺を有するとともに前記4方のうち他の1方に前記2辺に直交する1辺を有する形状である
    請求項1に記載の水晶振動片。
  3. 前記第1結晶面は、前記第1主面に対して外側ほど前記第2主面側に位置するように傾斜しており、
    前記側面は、
    前記第2主面に対して外側ほど第1主面側に位置するように傾斜し、前記第1結晶面と交差する第2結晶面と、
    前記第2主面と前記第2結晶面との角部を曲面状に面取りする第2面取り面と、を更に有している
    請求項1又は2に記載の水晶振動片。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水晶振動片と、
    前記第1主面及び前記第2主面に設けられた1対の励振電極と、
    を有した水晶振動素子。
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