以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1及び図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す平面図である。図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28に溜められた遊技球が不図示の発射装置へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って遊技領域10を落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
上皿28は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。この上皿28の下方には、賞球を溜める下皿29が設けられている。この下皿29と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。なお、上皿28及び下皿29は、1つの皿で構成されてもよい。
遊技者がハンドル20を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、3つの普通入賞口14、第1ゲート15、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、大入賞口13、1つの普通入賞口14、第2ゲート16、及び上記電動チューリップ17が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、及び普通入賞口14のいずれかに入球して入賞する。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動領域であり、第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動領域である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
また、本実施形態では、第2特別図柄判定を始動させる始動口として第2始動口12を備えている場合について説明するが、第2特別図柄判定を始動させる始動口として、普通電動役物が作動したか否かに関わらず遊技球が入賞可能な始動口を設けてもよい。このような構成としては、特定の領域を通過した遊技球が第1始動口11と第2始動口12とに交互に入賞するような構成が一例として挙げられる。また、第1始動口11と第2始動口12とのどちらにも遊技球が入賞可能であるもののいずれか一方の方が他方よりも入賞し易いような構成(例えば、遊技球を第1始動口11又は第2始動口12に振り分ける振分部材を第1始動口11の方が入賞し易くなるように動作させるといった構成)が他の例として挙げられる。
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。大当たり遊技中は、所定条件(本実施形態では、大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は大入賞口13が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで大入賞口13が開放状態に維持されてから閉塞される長開放ラウンド遊技が所定の時間間隔で所定回数実行される。
このように、大当たり遊技中には大入賞口13が長開放されるため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球が第1ゲート15又は第2ゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、第1ゲート15又は第2ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示装置5、スピーカ24、演出役物7、盤ランプ25等が設けられている。また、枠部材3には、図1には示されていない枠ランプ37(図9参照)が内蔵されている。
液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、液晶表示装置5の表示画面(以下「液晶画面」と呼ぶ。)は、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。この液晶画面には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留画像(保留アイコン)等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
スピーカ24は、液晶表示装置5で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
演出役物7は、液晶画面の前方且つ側方に配置されている。演出役物7には、発光素子(例えばLED)が内蔵されている。演出役物7は、役物自体の動きと光との両方或いは一方によって所定の演出を行う。演出役物7は、本実施形態では、刀を模した形状に構成されており、刀の柄の部分(下端部)を回動中心として、刀がほぼ直立したように見える初期姿勢(図1参照)と、刀が略水平となるように見える回動姿勢(例えば図6(C−2)参照)との間で回動可能に構成されている。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26及び十字キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。十字キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
[表示器4の構成例]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図3に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、ラウンド表示器48等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42には、判定図柄として、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。ラウンド表示器48は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されると、大当たり遊技中の大入賞口13の開放パターンを表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[遊技状態について]
以下、図4を参照しつつ、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。ここで、図4は、遊技状態について説明するための説明図である。図4に例示されるように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、「通常遊技状態」、「確変遊技状態」、及び「潜伏遊技状態」の3つの遊技状態のいずれかで遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、大当たりであると判定される確率が相対的に低い低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、いわゆる電チューサポート機能が付与されない通常の遊技状態である。通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/200)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば25秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
「確変遊技状態」は、大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/70)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。図4の表記から明らかなように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、特別図柄判定及び特別図柄の変動表示が70回行われるまで電サポ有りの確変状態が継続するいわゆるST機として構成されている。
なお、確変遊技状態は、通常遊技状態で遊技が制御されているときに比べて、特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンが選択され易い遊技状態である。すなわち、確変遊技状態は、いわゆる変動時間の時短機能が有効になる遊技状態である。
「潜伏遊技状態」は、確変遊技状態と同様に大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、通常遊技状態と同様に電チューサポート機能が付与されない遊技状態である。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されて大当たり遊技が実行されると、大当たり遊技終了後は、確変遊技状態で遊技が制御される。なお、この確変遊技状態は、確変遊技状態で遊技が制御されているときに「大当たり」であると判定されることがなければ、特別図柄判定及び図柄の変動表示が70回行われるまで継続する(図4参照)。図4における「J」は、電チューサポート機能が付与される残りの変動回数(時短遊技残余回数)を示すものであり、本実施形態では、「70」からカウントダウンされる。この時短遊技残余回数Jが「0」になると、電チューサポート機能が付与されなくなる。
大当たり遊技が終了した後、特別図柄判定及び図柄の変動表示が70回行われても特別図柄判定の判定結果が「大当たり」とならなかった場合、特別図柄判定及び図柄の変動表示が4回行われるまで潜伏遊技状態で遊技が制御され、この4回の特別図柄判定の判定結果がいずれも「ハズレ」であった場合には、遊技状態が通常遊技状態に戻されることになる。
なお、図には示されていないが、確変遊技状態又は潜伏遊技状態で遊技が制御されているときに特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となった場合には、その「大当たり」に応じた大当たり遊技が終了した後に、再び確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
[変動演出について]
パチンコ遊技機1では、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞すると、大当たり遊技を実行するか否かを判定する特別図柄判定が行われる。そして、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において、特別図柄が変動表示された後に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示される。これに対して、液晶表示装置5では、特別図柄が変動表示されるのに伴って装飾図柄を変動表示させる変動演出が行われ(図1参照)、判定図柄が停止表示されるのに伴って、装飾図柄が特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示される。
このような変動演出中には、いわゆるリーチ演出が行われる場合がある。具体的には、液晶表示装置5には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる装飾図柄が3列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されると、これらの装飾図柄が例えば上から下へとスクロールするように変動表示される。これに対して、リーチ演出が行われる場合には、全ての装飾図柄が停止表示されるのに先立って、まず、例えば左列と右列の装飾図柄が完全には停止しないように擬似停止する。その際、左図柄及び右図柄として有効ライン上に同一の装飾図柄が擬似停止すればリーチ成立となり、同一の装飾図柄が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与えるリーチ演出が行われる。そして、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において大当たり図柄が停止表示されると、同一の装飾図柄が有効ライン上に本停止して大当たりが報知されることになる。なお、変動演出中に左図柄及び右図柄として相異なる装飾図柄が擬似停止された場合には、リーチ演出は行われず、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)においてハズレ図柄が停止表示されるのに伴い、ゾロ目とはならない3つの装飾図柄が本停止して変動演出が終了することになる。
[表示領域及び保留アイコンについて]
ところで、上記のように図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中であるときには、第1始動口11(又は第2始動口12)に新たに遊技球が入賞したとしても、この入賞を契機とする第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)と図柄の変動表示とを即座に実行することはできない。このため、パチンコ遊技機1では、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞しても第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)や図柄の変動表示を即座に実行できない場合には、所定数(本実施形態では「4」)を超えない範囲で第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)が保留されて、その保留数が第1特別図柄保留表示器43(又は第2特別図柄保留表示器44)に表示される。
一方の液晶画面には、特別図柄判定及び図柄の変動表示が保留されていることを示唆する保留画像としての保留アイコンが表示される表示領域として、第1保留アイコン表示領域51及び第2保留アイコン表示領域52が設けられている(図1参照)。
第1保留アイコン表示領域51は、第1特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンを表示する領域である。この第1保留アイコン表示領域51には、第1特別図柄保留表示器43(図3参照)が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。
第2保留アイコン表示領域52は、第2特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンを表示する領域である。この第2保留アイコン表示領域52には、第2特別図柄保留表示器44(図3参照)が示す第2特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。
図1には、第1特別図柄判定の保留数が「3」であることを示唆するために第1保留アイコン表示領域51に3個の保留アイコンが表示されると共に、第2特別図柄判定の保留数が「2」であることを示唆するために第2保留アイコン表示領域52に2個の保留アイコンが表示された状態が例示されている。
なお、液晶画面には、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像を表示する表示領域として、当該領域53が設けられている(図1参照)。
パチンコ遊技機1では、保留されている第1特別図柄判定の権利が消化すべく図柄の変動表示が開始されるに際して、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンの中で最初に表示された保留アイコン(当該領域53に最も近い保留アイコン)が第1保留アイコン表示領域51から当該領域53に移動される。そして、第1保留表示領域51に他の保留アイコンが表示されている場合には、他の保留アイコンは、第1保留アイコン表示領域51内において、当該領域53側に表示位置がシフトされる。例えば図1に例示されるように第1保留アイコン表示領域51に3個の保留アイコンが表示された状態で第1特別図柄判定が消化される場合には、これらの保留アイコンのうちの一番右側に位置する保留アイコンが第1保留アイコン表示領域51から当該領域53に移動されると共に、残り2つの保留アイコンが第1保留アイコン表示領域51内において表示位置が右側にシフトされる。その結果、第1保留アイコン表示領域51に表示される保留アイコンの数が2つとなり、保留されている第1特別図柄判定の権利が2つになったことが遊技者に報知されることになる。
なお、このようなシフト処理は、第2保留アイコン表示領域52に表示されている保留アイコンについても同様に行われる。また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定とが両方保留されている場合、第1特別図柄判定よりも第2特別図柄判定の方が優先消化される。このため、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンに対するシフト処理よりも第2保留アイコン表示領域52に表示されている保留アイコンに対するシフト処理が優先して行われる。すなわち、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンに対するシフト処理は、第2保留アイコン表示領域52に表示されている保留アイコンがなくなってから行われる。
このように、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞したことに応じて取得された大当たり乱数などの取得情報に基づく特別図柄判定が行われる前は、その取得情報に対応する保留アイコン(保留画像)が第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示される。そして、この第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示されている保留アイコンに対応する取得情報に基づいて特別図柄判定及び特別図柄の変動表示が行われるに際して、保留アイコンが当該領域53に移動されて、特別図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像として当該領域53に表示される。
なお、第1保留アイコン表示領域51には、例えば、通常アイコンや特別アイコンが表示される。ここで、通常アイコンは、大当たりに対する信頼度を何ら示唆しないデフォルトの保留アイコンであって、例えば白色の保留アイコンである。特別アイコンは、大当たりに対する信頼度を示唆する保留アイコンであって、白色以外の色で表示される保留アイコンがこれに該当する。特別アイコンは、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示唆する保留アイコンから大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆する保留アイコンへと順に並べた場合、例えば、青色の保留アイコン、黄色の保留アイコン、緑色の保留アイコン、赤色の保留アイコン、虹色の保留アイコンなどが例として挙げられる。
なお、通常アイコンは、その保留アイコンに対応する特別図柄判定が消化されるまで、すなわち、通常アイコンが当該領域53に移動してから当該領域53から消去されるまで、その表示態様が変化しない場合がある。また、保留アイコンが例えば第1保留アイコン表示領域51に表示される場合に、始めから特別アイコンとして表示される場合がある。また、例えば第1保留アイコン表示領域51に表示された通常アイコンが、対応する特別図柄判定が消化されるまでに特別アイコンに変化する場合や、例えば第1保留アイコン表示領域51に表示されている特別アイコンが、対応する特別図柄判定が消化されるまでにより上位の特別アイコンに変化する場合もある。このように、通常アイコン(又は特別アイコン)が特別アイコン(又はより上位の特別アイコン)に変化することを、以下の説明では、「アイコン昇格」と呼ぶものとする。
[通常遊技状態のときに遊技球の始動口入賞に応じて行われる演出の流れ]
図5は、保留アイコンと演出役物7とを用いた演出の流れについて説明するための説明図である。なお、以下の説明では、通常遊技状態のときに遊技球が第1始動口11に入賞したことに応じて、保留アイコンと演出役物7との両方或いはいずれか一方によって演出が行われる場合について説明する。
第1特別図柄判定の保留数が上限(本実施形態では「4」つ)に達していない状態で第1始動口11に遊技球が入賞すると(図4(A)参照)、後述する遊技制御基板100(図9参照)によって特別図柄判定に必要な各種乱数(取得情報)が取得される。そして、各種乱数が取得された際に大当たり遊技中ではなく、且つ特別図柄の変動表示中でもない場合には、取得された各種乱数に基づく特別図柄判定や特別図柄の変動表示が直ちに開始される。
一方、大当たり遊技中又は特別図柄の変動表示中に第1始動口11に遊技球が入賞した場合には、この始動口入賞を条件として取得された各種乱数がメインRAM103の所定領域(図11(A)に例示される保留記憶領域1031〜1038のいずれか)に記憶されて、特別図柄判定や特別図柄の変動表示が保留されることになる。
そして、このようにして特別図柄判定及び特別図柄の変動表示が保留される場合には、メインRAM103の所定領域に記憶された各種乱数に基づく大当たり判定処理(図17参照)や変動パターン選択処理(図18参照)を、特別図柄の変動表示の開始時ではなく、各種乱数がメインRAM103の所定領域に記憶された時点で行う事前判定処理が実行される。この事前判定処理については、図15に基づいて後に詳述する。
遊技球が第1始動口11(又は第2始動口12)に入賞したことに応じて事前判定処理が行われると、その事前判定結果に基づいて、保留アイコンとして通常アイコンを表示するか又は特別アイコンを表示するかが決定され、特別アイコンを表示すると決定された場合にはその種類(保留アイコンの色)が併せて決定される。また、保留アイコンとして特別アイコンを表示すると決定された場合には、特別アイコンの表示を開始するのとほぼ同時に演出役物7を動作させるか否かが決定される。なお、特別アイコンは、例えば大当たりの可能性があることを示す所定の事前判定結果が得られた場合に表示され易く、逆に、大当たりの可能性が低いことを示す事前判定結果が得られた場合には表示され難いという傾向がある。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定の保留数が上限に達していない状態で第1始動口11に遊技球が入賞すると、以下の3種類の演出のいずれかが行われる。
1種類目の演出は、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコンを新たに表示する表示演出(図5(B)参照)である。2種類目の演出は、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンを新たに表示する表示演出(図5(C)参照)である。3種類目の演出は、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンを新たに表示する表示演出及び演出役物7を本動作(第2動作)させる役物演出(図5(D)参照)である。ここで、演出役物7の本動作は、初期姿勢(図1参照)に維持されている演出役物7を回動姿勢(例えば図6(C−2)参照)へと姿勢変化させた後に初期姿勢に戻す動作である。以下の説明では、演出役物7に本動作のみを行わせる演出役物7の動作パターンを、第2動作パターンと呼ぶものとする。
ところで、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンを表示することによって、大当たりに対する期待感を遊技者に効果的に抱かせることが可能である。しかしながら、液晶画面では、装飾図柄を変動表示させる演出、アイテムやキャラクタを用いた各種の予告演出等が行われるため、特別アイコンが表示されたことに遊技者が直ぐには気付かず、その結果、意図した効果を得られない可能性がある。
これに対して、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、特別アイコンが表示される際に演出役物7が動作する場合があるため(図5(D)参照)、特別アイコンが表示されることを遊技者が容易に認識することができ、その結果、大当たりに対する期待感を遊技者に効果的に抱かせることができる。
続いて、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコン又は特別アイコンが表示された後に、その保留アイコンと演出役物7との両方或いはいずれか一方を用いて行われる5パターンの演出について説明する。なお、以下に説明する演出は、保留アイコンに対応する特別図柄判定が消化し終わる前、すなわち、保留アイコンが第1保留アイコン表示領域51に表示されてから、その保留アイコンが当該領域53に移動した後に当該領域53から消去されるまでの間に行われる。
1つ目の演出パターンは、第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンが表示された後に、その保留アイコンがアイコン昇格しないパターンである(図5(E)参照)。
2つ目の演出パターンは、演出役物7を第1動作パターンで動作させる役物煽り動作(図5(F)参照)を行った後に、アイコン昇格演出が行われないパターンである(図5(G)参照)。
ここで、演出役物7の第1動作パターンは、演出役物7を初期姿勢と、初期姿勢から回動姿勢側に小さい回転角だけ回動させた姿勢との間でガタガタと揺動させる動作パターンである(図7(B−2)参照)。すなわち、第1動作パターンは、第1動作、及び第2動作のうちの第1動作のみを含む動作パターンである。
ここで、第1動作は、演出役物7が大きく動作するかもしれないといった遊技者の期待感を煽るために、演出役物7が小さく動作する動作であって、本実施形態では、演出役物7が上記のようにガタガタと小さく揺動する動作(「煽り動作」とも言う。)である(例えば図7(B−2)参照)。
一方の第2動作は、第1動作よりも演出役物7の動きが大きい動作であって、本実施形態では、演出役物7が初期姿勢から回動姿勢に姿勢変化した後に初期姿勢に戻る動作(「本動作」とも言う。)である(例えば図8(A−1)〜(A−3)参照)。
図5(E)〜(G)に基づいて説明したこれら2パターンの演出は、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示す事前判定結果が得られたような場合、具体的には、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に決定される可能性があるといった事前判定結果が得られた場合に選択され易い。このように、大当たりの可能性が低い保留アイコンに対して演出役物7を第1動作パターンで動作させることによって、アイコン昇格の発生に対する期待感を遊技者に効果的に抱かせることができる。
3つ目の演出パターンは、第1保留アイコン表示領域51に表示された通常アイコン(又は特別アイコン)が、第1保留アイコン表示領域51に表示されている間、或いは当該領域53に移動されてから当該領域53から消去されるまでの間に、特別アイコン(又はより上位の特別アイコン)へとアイコン昇格するパターンである(図5(H)参照)。具体的には、通常アイコンが第1保留アイコン表示領域51又は当該領域53において特別アイコンにアイコン昇格するパターンや、特別アイコンが第1保留アイコン表示領域51又は当該領域53においてより上位の特別アイコンにアイコン昇格するパターンである。
このように、保留アイコンに対応する図柄変動が終了する(保留を消化し終える)までの間にその保留アイコンをアイコン昇格させることによって、大当たりに対する期待感を遊技者に効果的に抱かせたり、その期待感を効果的に高めたりすることができる。なお、3つ目の演出パターンの場合、アイコン昇格の際に演出役物7が動作しないため、大当たりに対する信頼度が中程度であるといった印象を遊技者に与えることが可能である。
4つ目の演出パターンは、通常アイコン(又は特別アイコン)を第1保留アイコン表示領域51又は当該領域53において特別アイコン(又はより上位の特別アイコン)にアイコン昇格させると共に、演出役物7を第2動作パターンで動作させる演出パターンである(図5(I)参照)。この4つ目の演出パターンの場合、アイコン昇格の際に演出役物7が第2動作パターンで動作する(本動作を行う)ため、遊技者にアイコン昇格を効果的に示唆することができ、且つ、大当たりに対する信頼度が相対的に高いといった印象を遊技者に与えることが可能である。
なお、ここでの第2動作パターンは、上述した第1動作(煽り動作)及び第2動作(本動作)のうちの第2動作のみを含む動作パターンである。
5つ目の演出パターンは、第1保留アイコン表示領域51又は当該領域53に通常アイコン(又は特別アイコン)が表示された状態で演出役物7を第1動作パターンと同じように動作させる役物煽り動作を行い(図5(J)参照)、続いて、その通常アイコン(又は特別アイコン)を第1保留アイコン表示領域51又は当該領域53において特別アイコン(又はより上位の特別アイコン)にアイコン昇格させると共に、演出役物7を第2動作パターンと同じように動作させる役物演出が行われるパターンである(図5(K)参照)。
この5つ目のパターンの演出では、アイコン昇格に先立って演出役物7が第1動作パターンと同じ煽り動作を行うため、アイコン昇格が発生することに対する期待感や、演出役物7が本動作を行うことに対する期待感を遊技者に効果的に抱かせることができる。また、アイコン昇格のときには、第2動作パターンと同じ本動作を演出役物7が行う。このため、大当たりに対する信頼度が極めて高いといった印象を遊技者に与えることが可能である。
なお、5つ目の演出パターンにおける演出役物7の動作パターンは、上述した第1動作(煽り動作)及び第2動作(本動作)の両方の動作を含む第3動作パターンである。
図5(I)〜(K)に基づいて説明したこれら2パターンの演出は、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示す事前判定結果が得られたような場合、具体的には、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となることを示す事前判定結果が得られた場合や、特別図柄判定の判定結果は「ハズレ」になるものの特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に決定される可能性があるといった事前判定結果が得られた場合に選択され易い。このように、大当たりとなる可能性がある保留アイコンのアイコン昇格に際して演出役物7を第2動作パターン又は第3動作パターンで動作させることによって、大当たりとなることに対する期待感を遊技者に効果的に抱かせることができる。
[保留アイコンと演出役物7による演出の具体例]
以下、図6〜図8を参照しつつ、保留アイコンと演出役物7との両方或いはいずれか一方を用いる演出の具体例について説明する。ここで、図6〜図8は、保留アイコンと演出役物7とを用いた演出の具体例を示す説明図である。
図5(A)及び(B)に基づいて上述したように、第1始動口11に遊技球が入賞してから第1保留アイコン表示領域51に通常アイコンが表示されるまでの演出の具体的な流れは、例えば以下の通りである。すなわち、例えば、第1保留アイコン表示領域51に3つの保留アイコンが表示されており、且つ液晶画面において装飾図柄が変動表示されている状態(図6(A−1)参照)で第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1保留アイコン表示領域51に、4つ目の保留アイコンとして、通常アイコンが表示される(図6(A−2)参照)。
また、図5(A)及び(C)に基づいて上述したように、第1始動口11に遊技球が入賞して第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンが表示されるまでの演出の具体的な流れは、例えば以下の通りである。すなわち、例えば、第1保留アイコン表示領域51に1つの保留アイコンが表示されており、且つ液晶画面において装飾図柄が変動表示されている状態(図6(B−1)参照)で第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1保留アイコン表示領域51に2つ目の保留アイコンとして、特別アイコンが表示される(図6(B−2)参照)。
また、図5(A)及び(D)に基づいて上述したように、第1始動口11に遊技球が入賞して第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンが表示されると共に演出役物7が第2動作パターンで動作するまでの演出の具体的な流れは、例えば以下の通りである。すなわち、例えば、第1保留アイコン表示領域51に2つの保留アイコンが表示されており、且つ液晶画面において装飾図柄が変動表示されている状態(図6(C−1)参照)で第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1保留アイコン表示領域51に3つ目の保留アイコンとして特別アイコンが表示されると共に、演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化する(図6(C−2)参照)。すなわち、演出役物7が本動作を行う。その際、演出役物7の動作が保留アイコンに変化を与えたように見せ掛けるために、液晶画面において所定の演出表示が行われる。図6(C−2)に示される例では、演出役物7の先端部から保留アイコンに向けて雷が落ちた結果として特別アイコンが表示されたかのような印象を遊技者に与えるための演出画像が液晶画面に表示される。
このように、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて所定の事前判定結果が得られた場合に、大当たり遊技を実行すると判定される可能性があることを示唆するために、演出役物7が動作する。
また、始動口入賞(図5(A)参照)、通常アイコン表示(図5(B)参照)、及びアイコン昇格無し(図5(E)参照)のような流れで演出が進行する場合、演出の具体的な流れは、例えば以下の通りである。すなわち、例えば、図5(B)に基づいて上述したように通常アイコンが表示された後に、当該領域53に表示されている他の保留アイコンに対応する図柄の変動表示が終了すると、図7(A−1)に例示されるように、図5(B)の演出で第1保留アイコン表示領域51に表示された保留アイコン(ここでは通常アイコン)が当該領域53に移動されると共に、液晶画面における装飾図柄の変動表示が開始される。そして、この通常アイコンが表示されてから当該領域53から消去されるまでの間に演出役物7が動作せず、また、アイコン昇格も行われないため、大抵の場合、リーチ演出に発展することなく特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示唆する表示態様で装飾図柄が停止表示されることになる(図7(A−2)参照)。
また、始動口入賞(図5(A)参照)、通常アイコン表示(図5(B)参照)、役物煽り動作(図5(F)参照)、及びアイコン昇格無し(図5(G)参照)のような流れで演出が進行する場合、演出の具体的な流れは、例えば以下の通りである。すなわち、例えば、図5(B)に基づいて上述したように通常アイコンが表示された後に、当該領域53に表示されている他の保留アイコンに対応する図柄の変動表示が終了すると、図7(B−1)に例示されるように、図5(B)の演出で第1保留アイコン表示領域51に表示された保留アイコン(ここでは通常アイコン)が当該領域53に移動されると共に、液晶画面における装飾図柄の変動表示が開始される。そして、当該領域53に移動された通常アイコンが当該領域53から消去される前に、演出役物7を第1動作パターンで動作させる役物煽り動作が行われる(図7(B−2)及び図5(F)参照)。当該領域53には通常アイコンが表示されており、その後、図5(G)に基づいて上述したようにアイコン昇格が発生しないため、大抵の場合、リーチ演出に発展することなく特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示唆する表示態様で装飾図柄が停止表示されることになる(図7(B−3)参照)。
また、始動口入賞(図5(A)参照)、通常アイコン表示(図5(B)参照)、及びアイコン昇格(図5(H)参照)のような流れで演出が進行する場合、演出の具体的な流れは、例えば以下の通りである。すなわち、例えば、図5(B)に基づいて上述したように通常アイコンが表示された後に、当該領域53に表示されている他の保留アイコンに対応する図柄の変動表示が終了すると、図7(C−1)に例示されるように、図5(B)の演出で第1保留アイコン表示領域51に表示された保留アイコン(ここでは通常アイコン)が当該領域53に移動されると共に、液晶画面における装飾図柄の変動表示が開始される。そして、当該領域53に移動された通常アイコンが当該領域53においてアイコン昇格する。具体的には、図7(C−2)に例示されるように、通常アイコンから特別アイコンへと変化する(図7(C−2)参照)。図7(C−2)に示される例では、アイコン昇格が発生しているものの、昇格後の保留アイコンは大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示唆する例えば黄色の保留アイコンであるため、例えば、リーチが成立した後にノーマルリーチ演出が行われて、最終的には、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示唆する表示態様で装飾図柄が停止表示されることになる(図7(C−3)参照)。
また、始動口入賞(図5(A)参照)、通常アイコン表示(図5(B)参照)、及びアイコン昇格+役物本動作(図5(I)参照)のような流れで演出が進行する場合、演出の具体的な流れは、例えば以下の通りである。すなわち、例えば、図5(B)に基づいて上述したように通常アイコンが表示された後に、当該領域53に表示されている他の保留アイコンに対応する図柄の変動表示が終了すると、図8(A−1)に例示されるように、図5(B)の演出で第1保留アイコン表示領域51に表示された保留アイコン(ここでは通常アイコン)が当該領域53に移動されると共に、液晶画面における装飾図柄の変動表示が開始される。そして、当該領域53に移動された通常アイコンが当該領域53において特別アイコン(例えば緑色の保留アイコン)へとアイコン昇格すると共に、演出役物7を第2動作パターンで動作させる本動作が行われる(図8(A−2)、及び図5(I)参照)。ここでは、当該領域53に大当たりに対する信頼度が中程度であることを示唆する緑色の保留アイコンが表示されているので、例えば3図柄でリーチが成立し、例えば、ノーマルリーチ演出よりも信頼度が高いSPリーチ演出が行われる(図8(A−3)参照)。そして、最終的には、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」又は「ハズレ」であることを示唆する表示態様で装飾図柄が停止表示されることになる。
また、始動口入賞(図5(A)参照)、通常アイコン表示(図5(B)参照)、役物煽り動作(図5(J)参照)、及びアイコン昇格+役物本動作(図5(K)参照)のような流れで演出が進行する場合、演出の具体的な流れは、例えば以下の通りである。すなわち、例えば、図5(B)に基づいて上述したように通常アイコンが表示された後に、当該領域53に表示されている他の保留アイコンに対応する図柄の変動表示が終了すると、図8(B−1)に例示されるように、図5(B)の演出で第1保留アイコン表示領域51に表示された保留アイコン(ここでは通常アイコン)が当該領域53に移動されると共に、液晶画面における装飾図柄の変動表示が開始される。そして、例えば装飾図柄の変動表示が開始されてからリーチが成立するまでの間に、演出役物7を第1動作パターンで動作させる役物煽り動作が行われる(図8(B−2)、及び図5(J)参照)。続いて、例えばリーチが成立するタイミングにおいて、当該領域53に表示されている通常アイコンが特別アイコン(例えば赤色の保留アイコン)へとアイコン昇格すると共に、演出役物7を第2動作パターンで動作させる役物本動作が行われる(図8(B−3)、及び図5(K)参照)。ここでは、当該領域53に大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆する赤色の保留アイコンが表示されているので、例えば7図柄でリーチが成立し、例えば、ノーマルリーチ演出やSPリーチ演出よりも信頼度が高いSPSPリーチ演出が行われる。そして、最終的には、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」又は「ハズレ」であることを示唆する表示態様で装飾図柄が停止表示されることになる。
また、始動口入賞(図5(A)参照)、通常アイコン表示(図5(B)参照)、及びアイコン昇格+役物本動作(図5(I)参照)のような流れで演出が進行する場合、演出の具体的な流れは、例えば以下の通りである。図8(C−1)は、図5(B)に示される段階で第1保留アイコン表示領域51に表示された通常アイコンが第1保留アイコン表示領域51における一番右側の位置に表示された状態で液晶画面において装飾図柄が変動表示されている様子を例示したものである。このような状態で、設定されたタイミングになると、第1保留アイコン表示領域51において一番右側に表示されている通常アイコンが特別アイコン(例えば赤色の保留アイコン)へとアイコン昇格すると共に、演出役物7を第2動作パターンで動作させる役物本動作が行われる(図8(C−2)、及び図5(I)参照)。続いて、実行中の図柄変動が終了すると、第1保留アイコン表示領域51の一番右側の位置に表示されている特別アイコンが当該領域53に移動すると共に、装飾図柄の変動表示が開始される(図8(C−3)参照)。ここでは、当該領域53に大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆する赤色の保留アイコンが表示されているので、図柄変動の途中で例えばSPSPリーチ演出に発展し、最終的には、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」又は「ハズレ」であることを示唆する表示態様で装飾図柄が停止表示されることになる。
なお、ここでは、図5(B)の演出により通常アイコンが表示された後の演出の流れについて説明したが、図5(C)や図5(D)の演出により特別アイコンが表示された後の演出も、図7及び図8に基づいて上述したのと同様に演出が進行して行く。
ところで、演出役物7は、特別図柄判定に係る当落を示唆するために使用される場合があるが、上述した確変遊技状態においては、通常遊技状態のときに比べて、「大当たり」と判定され易い。このため、確変遊技状態で遊技が制御されているときには、通常遊技状態で遊技が制御されているときに比べて、演出役物7の動作割合が高くなる傾向がある。そこで、保留アイコンの表示やアイコン昇格に関する演出役物7の第1動作パターン〜第3動作パターンのいずれかの動作パターンでの動作は、本実施形態では、確変遊技状態で遊技が制御されているときには行われず、主に、通常遊技状態で遊技が制御されているときに行われる。これは、確変遊技状態における演出役物7の動作を妨げないようにするためである。
ただし、他の実施形態においては、確変遊技状態で遊技が制御されているときにおいても、通常遊技状態で遊技が制御されているときと同様の演出を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンが新たに表示されるときや、保留アイコンがアイコン昇格するときに演出役物7が動作(本実施形態では本動作)する場合について説明するが、他の実施形態では、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコンが表示されるときに演出役物7を本動作させたり、保留アイコンのアイコン昇格を伴わずに演出役物7を本動作させたりしてもよい。
[演出役物7の動作制御]
上述したように、保留アイコンを用いた演出に関連して、特別アイコンの表示が開始されるとき、アイコン昇格のとき、又はこれらのタイミングとは無関係なタイミングで、第1動作パターン、第2動作パターン、又は第3動作パターン(=第1動作パターン+第2動作パターン)で演出役物7が動作することがある。また、演出役物7は、例えば装飾図柄の変動表示を伴う変動演出中の所定のタイミングにおいて、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆するために動作することがある。
このように、演出役物7が動作している状況下において演出役物7を第1動作パターン〜第3動作パターンのいずれかの動作パターンで動作させることが決定されて、実際にその動作パターンで演出役物7を動作させようとした場合、演出役物7が初期姿勢(図1参照)ではないため、演出役物7を正常に動作させることができないおそれがある。これに対して、このような問題が生じるのを防止するために、動作中の演出役物7を初期姿勢に戻してから第1動作パターン〜第3動作パターンのいずれかで動作させるといった制御を行うことが考えられるが、このような制御を行ってしまうと、実行中であった演出役物7による演出が完結しないため、実行中の演出を適切に行うことができなくなってしまうという別の問題が生じるおそれがある。
そこで、詳細は後述するが、本実施形態では、演出役物7の動作中に演出役物7の新たな動作が必要になった場合には、その新たな動作よりも実行中の動作を優先させることとしている。具体的には、実行中の演出役物7の動作が終了してから、演出役物7に新たな動作(アイコン昇格に伴う動作)を実行させることとしている。
以下、図5〜図8に基づいて上述した各種演出の制御を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図9に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ制御部113、第1ゲートスイッチ114、第2ゲートスイッチ115、大入賞口スイッチ116、大入賞口制御部117、普通入賞口スイッチ118、及び表示器4を構成する各表示器41〜48が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。第1ゲートスイッチ114は、遊技球が第1ゲート15を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2ゲートスイッチ115は、遊技球が第2ゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
大入賞口スイッチ116は、大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。大入賞口制御部117は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ118は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は4つの普通入賞口14を有しているため、4つの普通入賞口スイッチ118を備えているが、図9においては、普通入賞口スイッチ118を1つだけ表記している。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ116、又は普通入賞口スイッチ118からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、大入賞口制御部117を介して大入賞口13を開閉する。
また、メインCPU101は、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を作動させることによって、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜48に図3に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
[画像音響制御基板140の構成例]
画像音響制御基板140は、液晶表示装置5の画像表示制御と、スピーカ24の演出音出力制御とを行うものである。この画像音響制御基板140は、図には示されていないが、統括CPU、VDP(Video Display Processor)、音響DSP(Digital Signal Processor)、制御用ROM、制御用RAM、音響用ROM、SDRAM、CGROM、及びVRAMを備えている。
統括CPUは、制御用ROMに記憶されているプログラムやディスプレイリスト作成テーブルなどの各種テーブル、演出制御基板130から受信したコマンド等に基づいて、VDPに対して、CGROMに記憶されている画像データを液晶表示装置5に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。また、ディスプレイリスト作成テーブルは、このディスプレイリストを作成するために使用されるテーブルである。
統括CPUは、音響DSPに対しても、音響用ROMに記憶されている音響データをスピーカ24から出力させる指示を行う。
制御用ROMは、マスクROMで構成されており、統括CPUの制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、各種テーブル等が記憶されている。
制御用RAMは、統括CPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
CGROMは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出などを実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROMは、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROMは、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROMに記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAMは、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、ディスプレイリスト記憶領域、展開記憶領域、フレームバッファなどを有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域は、統括CPUから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域は、CGROMから読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。フレームバッファは、演出画像を描画して液晶表示装置5に表示するための描画と表示に兼用されるフレームバッファである。なお、描画用のフレームバッファと表示用のフレームバッファとを個別に設けるダブルバッファ方式を採用してもよい。
VDPは、ディスプレイリスト記憶領域に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域に格納した画像データを用いて、フレームバッファに対する描画処理を行う。また、VDPは、フレームバッファに記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成し、生成したRGB信号を液晶表示装置5に出力する。
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、統括CPUからの指示に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24に出力させる。
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、図には示されていないが、ランプCPU、ランプROM、及びランプRAMを備えている。ランプCPUは、ランプROMに記憶されたプログラムに基づいて、盤ランプ25、枠ランプ37、及び演出役物7を制御する際の演算処理を行う。ランプRAMは、ランプCPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROMには、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、盤ランプ25、枠ランプ37、演出役物7の発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、演出役物7の動作パターンを示すデータである。
ランプCPUは、ランプROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAMに読み出して、盤ランプ25、枠ランプ37、演出役物7の発光素子の発光を制御する。また、ランプCPUは、ランプROMに記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAMに読み出して、演出役物7を動作させるステッピングモータの駆動を制御する。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図10を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図10は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図10に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図10以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
ここで、大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻る。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図12に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図16に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を作動させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の処理で大当たりであると判定した場合に、大入賞口制御部117を介して大入賞口13を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。詳細な説明は省略するが、この大入賞口開放制御処理は、大当たり遊技を制御する処理であり、大当たり遊技を実行すると判定されたことを示す判定図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示された場合に行われる。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[メインRAM103の構成例]
図11は、遊技制御基板100のメインRAM103の構成例を示すブロック図である。図11(A)に例示されるように、メインRAM103には、判定用記憶領域1030、第1保留記憶領域1031、第2保留記憶領域1032、第3保留記憶領域1033、第4保留記憶領域1034、第1保留記憶領域1035、第2保留記憶領域1036、第3保留記憶領域1037、及び第4保留記憶領域1038が設けられている。
判定用記憶領域1030は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される保留用の記憶領域であり、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038は、第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される保留用の記憶領域である。
図11(B)に例示されるように、保留記憶領域1031〜1038は、それぞれ、メインCPU101によって取得された、変動回数Nを記憶する領域、入賞始動口情報を記憶する領域、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、及び事前判定情報を記憶する領域を含んでいる。
変動回数Nは、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞して獲得した特別図柄判定の権利の合計回数を示す情報である。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから第1特別図柄判定の権利を50回、第2特別図柄判定の権利を10回獲得した場合、変動回数Nはこれらの回数を足し合わせた「60」となる。そして、この「60」という変動回数Nが例えば第3保留記憶領域1033に記憶された状態から更に第1特別図柄判定の権利が取得されると、「60」に「1」を加算した「61」という値が変動回数Nとして第4保留記憶領域1034に記憶される。なお、第1特別図柄判定の保留数U1が最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)に達した状態で第1始動口11に新たな遊技球が入賞した場合、又は第2特別図柄判定の保留数U2が最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)に達した状態で第2始動口12に新たな遊技球が入賞した場合には、変動回数Nはカウントされない。
入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口12に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。
事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図15参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
図11(B)に基づいて説明した7つの情報は、第1始動口11に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1031から順に第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納され、第2始動口12に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1035から順に第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかに格納される。
例えば第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれにも情報が記憶されていない状態で第1特別図柄判定に係る7つの情報が新たに取得された場合、この7つの情報は、第1保留記憶領域1031に格納される。また、例えば第1保留記憶領域1031及び第2保留記憶領域1032のそれぞれに7つの情報が記憶された状態で第1特別図柄判定に係る7つの情報が新たに取得された場合、この7つの情報は、第3保留記憶領域1033に格納される。
また、第1特別図柄判定の実行に際して第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032以降の保留記憶領域に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031側にシフトされる。例えば第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033のそれぞれに情報が記憶された状態で第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031にシフトされると共に、第3保留記憶領域1033に記憶されている情報が第2保留記憶領域1032にシフトされる。
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038においても同様に行われる。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち第1保留記憶領域1031及び第1保留記憶領域1035の両方に情報が記憶されている場合、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034におけるシフト処理に先立って、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038におけるシフト処理が優先して行われる。
これに対して、液晶表示装置5には、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034に記憶される情報に対応する保留アイコンが表示される第1保留アイコン表示領域51(図1参照)、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038に記憶される情報に対応する保留アイコンが表示される第2保留アイコン表示領域52(図1参照)、及び判定用記憶領域1030に記憶される情報に対応する保留アイコンが表示される当該領域53(図1参照)が設けられており、上記の情報のシフト処理と連動するように、保留アイコンのシフト処理が行われる。
ところで、特別図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中に第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。
このため、メインCPU101は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を特別図柄判定の権利(特別図柄判定を保留する情報)として保留記憶領域1031〜1038に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU101は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域1030に直接格納することとしている。
このように、表示器4において特別図柄が変動表示されているときに大当たり乱数等の取得情報が取得されると、この取得情報は、特別図柄判定及び特別図柄の変動表示を保留する情報として保留記憶領域1031〜1038のいずれかに記憶される。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図12は、図10のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図12に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図13に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図14に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図13は、図12のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図13に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(具体的には第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS210)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS210:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS211)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS211:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新し(ステップS212)、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに新たに格納される変動回数Nを「1」加算する(ステップS213)。
そして、メインCPU101は、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS214〜ステップS217)。具体的には、変動回数N、入賞始動口情報、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数の6つの情報を第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034(図11(A)参照)のいずれかに格納する。
このように、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)に係る保留数が上限に達していない状態で第1始動口スイッチ111(又は第2始動口スイッチ112)が「ON」になるという取得条件が成立すると、メインCPU101は、大当たり乱数や図柄乱数等の取得情報を取得する。
メインCPU101は、6つの情報を格納すると、事前判定処理を実行する(ステップS218)。具体的には、後述する大当たり判定処理(図17参照)や変動パターン選択処理(図18参照)に先立って、ステップS214〜S217の処理によってメインRAM103に格納された情報に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定を実行する。この事前判定処理については、図15に基づいて後に詳述する。
続いて、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS218の処理で得られた事前判定情報を含む保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS219)。この保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図14は、図12のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図14に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(具体的には第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS220)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS220:YES)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS221:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新し(ステップS222)、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかに新たに格納される変動回数Nを「1」加算する(ステップS223)。
そして、メインCPU101は、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS224〜ステップS227)。具体的には、変動回数N、入賞始動口情報、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数の6つの情報を第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038(図11(A)参照)のいずれかに格納する。
メインCPU101は、6つの情報を格納すると、これらの情報を用いた第2特別図柄判定に先立って、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第2特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定処理を実行する(ステップS228)。
ステップS228の処理に続いて、メインCPU101は、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS228の処理で得られた事前判定情報を含む保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS229)。この保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
図13及び図14に基づいて説明したように、メインCPU101は、特別図柄判定の保留数が上限に達していない状態で第1始動口11又は第2始動口12を遊技球が通過すると、特別図柄判定に使用する取得情報としての大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等を取得する。
[遊技制御基板100による事前判定処理]
以下、図15を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図15は、図13のステップS218における事前判定処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、図13のステップS217の処理に続いて、例えばメインRAM103に記憶されているパチンコ遊技機1の現在の遊技状態を示す遊技状態情報に基づいて、特別図柄判定において大当たりを実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態(本実施形態では確変遊技状態)であるか否かを判定する(ステップS2180)。
メインCPU101は、高確率状態であると判定した場合(ステップS2180:YES)、図13の第1始動口スイッチ処理によって取得した第1特別図柄判定の権利が、現在の高確率状態に移行してから、何回目の第1特別図柄判定の権利に相当するかを判断する。すなわち、特別図柄判定の判定結果が確変大当たりとなって大当たり遊技が行われた後に高確率状態になると、その特別図柄判定に対応する変動回数Nが、基準回数Mに設定される。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから100回目の特別図柄判定の判定結果が確変当たりとなって高確率状態に移行することとなった場合、基準回数Mとして「100」というデータがメインRAM103に記憶される。この場合、パチンコ遊技機1の電源投入から101回目に行われる特別図柄判定は、高確率状態に移行してから1回目の特別図柄判定に相当し、110回目に行われる特別図柄判定は、高確率状態に移行してから10回目の特別図柄判定に相当することになる。このように、始動口スイッチ処理によって取得された特別図柄判定の権利が、高確率状態に移行してから何回目の特別図柄判定に相当するかを演算する。具体的には、メインCPU101は、現在の変動回数Nから基準回数Mを減算することによって、演算値Lを算出する(ステップS2181)。
ステップS2181の処理に続いて、メインCPU101は、演算値Lが高確率遊技残余回数K以下であるか否かを判定する(ステップS2182)。ここで、高確率遊技残余回数Kは、高確率時乱数判定テーブルに基づいて大当たり乱数が判定される上限回数である。本実施形態では、この高確率遊技残余回数Kが予め「74」に設定されているので、大当たり遊技終了後の大当たり乱数に基づく大当たりか否かの判定が、74回を上限として高確率時乱数判定テーブルに基づいて行われる。このため、メインCPU101は、ステップS2182において、演算値Lが「74」以下であるか否かを判定する。
ところで、例えば、低確率状態(本実施形態では通常遊技状態)で遊技が制御されているときに3回の第1特別図柄判定の権利が保留されており、この中で最初に消化される第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなる場合、残り2回の第1特別図柄判定に関して、これらの第1特別図柄判定が消化される前には低確率状態であったとしても、これらの第1特別図柄判定が実際に消化されるときには高確率状態になっている。このため、先に消化される第1特別図柄判定の権利の中に遊技状態を変更させる大当たりが存在するか否かを考慮して事前判定を行わなければ、正確な事前判定情報を得ることはできない。
そこで、メインCPU101は、高確率状態ではないと判定した場合(ステップS2180:NO)、又は演算値Lが高確率遊技残余回数K以下ではないと判定した場合(ステップS2182:NO)、先に消化される第1特別図柄判定の権利の中に当該変動開始時に(確変)大当たりであると判定されることになるものがあるか否かを判定する(ステップS2184)。具体的には、ステップS214〜ステップS217の処理で例えば第4保留記憶領域1034に各種乱数を格納した場合、第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033に大当たりに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判定する。
メインCPU101は、演算値Lが高確率遊技残余回数K以下であると判定した場合(ステップS2182:YES)、又は先に消化される保留の中に大当たりに係る事前判定情報を有するものがある場合(ステップS2184:YES)、高確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2185)。
また、メインCPU101は、先に消化される保留の中に大当たりに係る事前判定情報を有するものがないと判定した場合(ステップS2184:NO)、低確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2186)。
次に、メインCPU101は、ステップS2185又はステップS2186の処理によってメインRAM103にセットされた大当たり乱数テーブルを参照して、大当たりか否かを判定する(ステップS2187)。具体的には、メインRAM103に高確率用大当たり乱数テーブルがセットされている場合には、ステップS214の処理で取得した大当たり乱数が、この高確率用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを事前判定する。また、メインRAM103に低確率用大当たり乱数テーブルがセットされている場合、ステップS214の処理で取得した大当たり乱数が、この低確率用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを事前判定する。
次に、メインCPU101は、ステップS2187の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されるか否かを判断する(ステップS2189)。ここで、当該変動開始時に大当たりと判定されると判断した場合(ステップS2189:YES)、大当たり用の図柄決定テーブルをメインROM102からメインRAM103に読み出してセットし(ステップS2190)、ステップS215の処理で取得した図柄乱数が、この図柄決定テーブルに格納されているどの大当たりに対応する図柄乱数と一致するかに基づいて、大当たりの種類を特定する(ステップS2191)。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、当該変動開始時に行われる大当たり判定に先立って、この大当たり判定の判定結果が大当たりとなるか否かが事前判定され、大当たりであると事前判定された場合には大当たりの種類も事前判定される。
次に、メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2192)。
一方、メインCPU101は、当該変動開始時に大当たりであると判定されないと判断した場合(ステップS2189:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2193)。具体的には、ステップS216の処理で取得されたリーチ乱数が、メインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU101は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2193:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2194)。
メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルをセットすると、当該変動中の変動パターンを特定する(ステップS2195)。具体的には、ステップS217の処理で取得された変動パターン乱数が、メインRAM103にセットされている変動パターンテーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる第1特別図柄判定で選択されることになる特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU101は、ステップS2195の処理を実行した場合、又はリーチ演出が行われないと判定した場合(ステップS2193:NO)、事前判定情報を生成して第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納する(ステップS2196)。具体的には、一連の処理としてステップS2187の判定処理、ステップS2191の特定処理、及びステップS2195の特定処理を行っている場合には、これらの処理の結果を示す情報等を、これらの処理に使用した大当たり乱数、図柄乱数、及び変動パターン乱数が記憶されているのと同じ保留記憶領域内に事前判定情報として格納する。また、ステップS2187の判定処理を行った後にステップS2191の特定処理とステップS2195の特定処理とを行っていない場合には、ステップS2187の判定結果を示す情報等を、ステップS2187の判定処理に使用した大当たり乱数が記憶されているのと同じ保留記憶領域内に事前判定情報として格納する。
なお、ここでは第1特別図柄判定に係る事前判定処理について説明したが、第2特別図柄判定に係る事前判定処理(図14のステップS228の処理)も、事前判定処理に使用される乱数値やテーブル等が異なる点などを除いて、第1特別図柄判定に係る事前判定処理と同様に行われる。
このように、メインCPU101は、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれか、又は、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかに記憶された取得情報に基づいて、特別図柄判定に先立って、その特別図柄判定に関する事前判定を行う。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図16を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図16は、図10のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図16に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上ではないと判定された場合(ステップS305:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。逆に、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、メインCPU101は、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。具体的には、ステップS304の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1保留記憶領域1035に記憶されている取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、第2特別図柄判定に関する残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。一方、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1保留記憶領域1031に記憶されている取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、第1特別図柄判定に関する残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理の結果を示す判定図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図17に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン選択処理については、図18に基づいて後に詳述する。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で設定した図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS310の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示が開始され、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示が開始される。
ステップS312の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS317)。具体的には、ステップS309の処理で設定した判定図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この判定図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、大当たり遊技を実行するか否かを判定する大当たり判定処理を行うと共に特別図柄の変動パターンを設定すると、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を設定した変動パターンで変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理や遊技状態を制御するための処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図17は、図16のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3091)。具体的には、判定用記憶領域1030に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値(メインROM102に記憶されている当選値)と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域1030に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3091の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3092)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3092:YES)、メインROM102に記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照すると共に、ステップS215又はステップS225の処理で取得した図柄乱数に基づいて、大当たりの種類を決定する(ステップS3093)。具体的には、取得した図柄乱数に対応する図柄を図柄決定テーブルから読み出すことによって、大当たりの種類を決定する。
そして、メインCPU101は、決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3094)。これにより、上記ステップS318の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されて、その図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3092:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3095)。これにより、上記ステップS318の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。
[遊技制御基板100による変動パターン選択処理]
図18は、図16のステップS310における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図18のステップS309における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3101:NO)、判定用記憶領域1030に記憶されているリーチ乱数がメインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3103)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3103:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3103:NO)、ハズレ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3105)。
続いて、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、又はステップS3105の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3106)。具体的には、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、判定用記憶領域1030に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
また、ハズレ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、ステップS308のシフト処理が行われる直前に各種情報が記憶されていた保留記憶領域の数に基づいて特別図柄判定の保留数を特定し、特定した保留数と現在の時短の有無とに対応する変動パターンをハズレ用変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3107)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による停止中処理]
図19は、図16のステップS319における停止中処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、上記ステップS318の処理によって変動時間をリセットした後、図19に例示されるように、ステップS3092(図17参照)の処理と同様に、大当たりであるか否かを判断する(ステップS3191)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3191:YES)、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3192)。
次に、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3193)。ここで、時短遊技フラグは、電チューサポート機能が付与される時短状態であるか否かを示すフラグであり、確変遊技フラグは、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態であるか否かを示すフラグである。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、時短遊技フラグ及び確変遊技フラグの設定により遊技状態が制御される。すなわち、遊技状態を確変遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグ及び時短遊技フラグの両方が「ON」に設定され、遊技状態を潜伏遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグが「ON」に設定されると共に時短遊技フラグが「OFF」に設定され、遊技状態を通常遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグ及び時短遊技フラグの両方が「OFF」に設定される。
ステップS3193の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり遊技が開始されることを通知するためのオープニングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS3194)。このオープニングコマンドは、大当たりの種類、大当たり遊技中の大入賞口13の開放パターン等の情報を含むものであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3191:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3196)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3196:YES)、メインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「1」減算した値に更新する(ステップS3197)。この時短遊技残余回数Jは、時短状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものであり、本実施形態では、「70」からカウントダウンされる。
ステップS3197の処理に続いて、メインCPU101は、時短遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS3198)。ここで、時短遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS3198:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3199)。これにより、電チューサポート機能が付与されなくなる。
メインCPU101は、ステップS3199の処理を実行した場合、時短遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS3196:NO)、又は時短遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS3198:NO)、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3201)。
メインCPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3201:YES)、メインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Kを「1」減算した値に更新する(ステップS3202)。この高確率遊技残余回数Kは、高確率状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものであり、本実施形態では、「74」からカウントダウンされる。
ステップS3202の処理に続いて、メインCPU101は、高確率遊技残余回数Kが「0」であるか否かを判定する(ステップS3203)。ここで、高確率遊技残余回数Kが「0」であると判定した場合(ステップS3203:YES)、確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3204)。これにより、特別図柄判定が低確率状態で行われるようになる。
このステップS3204の処理が行われた場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS3201:NO)、高確率遊技残余回数Kが「0」ではないと判定された場合(ステップS3203:NO)、又はステップS3194の処理が行われた場合、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
[遊技制御基板100による遊技状態設定処理]
図20は、遊技制御基板100において実行される遊技状態設定処理の一例を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1では、ステップS6の大入賞口開放制御処理によって大当たり遊技が実行されるが、この大当たり遊技におけるエンディングが終了すると、大当たり遊技終了後のパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理が実行される。
メインCPU101は、大当たり遊技におけるエンディングが終了すると、メインRAM103に記憶されている確変遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS401)、同じくメインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Kを「74」に設定する(ステップS402)。そして、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS403)、同じくメインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「70」に設定する(ステップS404)。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図21を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図21は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図21に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図21以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100からのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図22に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたか否かを判定する(ステップS11)。ここで、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたと判定した場合(ステップS11:YES)、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたことを通知するための操作コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS12)。この操作コマンドが画像音響制御基板140及びランプ制御基板150へ送信されることによって、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。
サブCPU131は、演出ボタン26及び十字キー27がいずれも操作されていないと判定した場合(ステップS11:NO)、又はステップS12の処理を実行した場合、送信処理を実行する(ステップS13)。具体的には、ステップS10やステップS12の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの点灯や演出役物7の動作による演出の実行等がランプ制御基板150に対して指示される。
ステップS13の処理に続いて、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS14)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板140から送信されるので、そのデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示装置5及びスピーカ24によって行われている演出と同期するように、演出役物7や盤ランプ25等の演出媒体による演出がランプ制御基板150によって制御される。
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
図22は、図21のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図22に例示されるように、サブCPU131は、まず、遊技制御基板100から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS101:NO)、ステップS11に処理が進められる。
サブCPU131は、遊技制御基板100からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS101:YES)、そのコマンドがステップS219(図13参照)又はステップS229(図14参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS102)。ここで、保留コマンドではないと判定された場合(ステップS102:NO)、後述するステップS107に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS102:YES)、保留コマンド受信処理を実行する(ステップS103)。この保留コマンド受信処理については、図23〜図25に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS102:NO)、そのコマンドがステップS311(図16参照)の処理に応じて送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS107)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定された場合(ステップS107:NO)、後述するステップS109に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS107:YES)、変動演出開始処理を実行する(ステップS108)。この変動演出開始処理については、図27に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS107:NO)、そのコマンドがステップS316(図16参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドであるか否かを判定する(ステップS109)。サブCPU131は、図柄確定コマンドであると判定した場合(ステップS109:YES)、装飾図柄の変動表示を終了して図柄変動開始時に実行された特別図柄判定の判定結果を示す装飾図柄を停止表示する処理の実行を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS110)。
この変動演出終了コマンドがステップS13の処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることによって、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す特別図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されるのに伴い、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す装飾図柄が液晶画面に停止表示されることになる。
[演出制御基板130による保留コマンド受信処理]
以下、図23〜図25を参照しつつ、遊技制御基板100から送信された保留コマンドを受信した演出制御基板130において実行される保留コマンド受信処理について説明する。ここで、図23〜図25は、図22のステップS103における保留コマンド受信処理の詳細フローチャートである。
サブCPU131は、保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS102:YES)、まず、サブRAM133に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS1030)。具体的には、保留コマンド内の事前判定情報に含まれている入賞始動口情報に基づいて、受信した保留コマンドが第1特別図柄判定に係る保留コマンドであるか或いは第2特別図柄判定に係る保留コマンドであるかを判別し、その判別結果に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留数又は第2特別図柄判定に係る保留数を「1」加算した値に更新する。そして、サブCPU131は、受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報をサブRAM133に格納する(ステップS1031)。
この事前判定情報には、上述したように、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。
ステップS1031の処理に続いて、サブCPU131は、先読み演出実行乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1032)。この先読み演出実行乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値を先読み演出実行乱数として取得する。
ステップS1032の処理に続いて、サブCPU131は、先読み演出抽選を実行するか否かを判定する(ステップS1033)。具体的には、ステップS1032の処理によってサブRAM133に格納された事前判定情報に基づいて、その事前判定情報を含んでいた保留コマンドに対応する特別図柄判定の保留に関して、その保留に対応する保留アイコンを通常とは異なる表示態様で表示させる保留先読み演出を行うか否かを決定するための抽選対象にするか否かを判定する。
このステップS1033の判定処理において、本実施形態では、特別図柄判定の判定結果が大当たりであることを示す情報、大当たり用或いはリーチ用の変動パターンを示す情報、特別図柄の変動時間が所定時間であることを示す特別図柄の変動パターンを示す情報のいずれかが事前判定情報に含まれている場合に、先読み演出抽選を実行すると判定される。
なお、先読み演出抽選を実行するか否かを決定するための判定基準はここで例示したものに限定されるものではなく、他の判定基準であってもよいことは言うまでもない。
サブCPU131は、先読み演出抽選を実行しないと判定した場合(ステップS1033:NO)、通常アイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1034)。この通常アイコン表示コマンドは、通常の表示態様の保留アイコンの新規表示の実行を指示するコマンドであり、入賞始動口情報が含まれる。
この通常アイコン表示コマンドは、ステップ13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これに対して、画像音響制御基板140の統括CPUは、通常アイコン表示コマンドに第1始動口11を示す入賞始動口情報が含まれている場合には、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコンを新たに表示させ(例えば図6(A−2)参照)、第2始動口12を示す入賞始動口情報が含まれている場合には、第2保留アイコン表示領域52に通常アイコンを新たに表示させる。
サブCPU131は、先読み演出抽選を実行すると判定した場合(ステップS1033:YES)、先読み演出抽選を実行する(ステップS1035)。具体的には、ステップS1032の処理で取得した先読み演出実行乱数が、サブROM132に記憶されている所定の乱数値と一致するか否かに基づいて、先読み演出を実行するか否かを決定する。
この先読み演出は、本実施形態では、遊技球の始動口入賞に応じて特別アイコンを表示する演出(図5(C)参照)、又は、遊技球の第1始動口11への入賞に応じて特別アイコンを表示すると共に演出役物7を作動させる演出である(図5(D)参照)。
ステップS1035の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS1035における抽選結果に基づいて、先読み演出を実行するか否かを判断する(ステップS1036)。ここで、先読み演出を実行しないと判断された場合(ステップS1036:NO)、上述したステップS1034に処理が進められる。
サブCPU131は、先読み演出を実行すると判断した場合(ステップS1036:YES)、演出役物7が動作中であるか否かを判断する(ステップS1037)。具体的には、例えば、演出役物7の動作をランプ制御基板150に指示した場合に、その動作が開始されてから当該動作が完了するまでに要する時間が経過したか否かに基づいて、演出役物7が動作中であるか否かを判断する。
ところで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンを新たに表示する際に演出役物7を動作させる先読み演出が行われる場合がある(例えば図5(D)、及び図6(C−2)参照)。これに対して、演出役物7が動作中であるときに演出役物7の動作を指示してしまうと、演出役物7が初期姿勢ではないため、この指示に基づいて演出役物7を動作させると、演出役物7を正常に動作させることができなくなるおそれがある。
これに対して、上記のような問題が生じるのを防止するために、動作中の演出役物7を一旦初期姿勢に戻してから改めて動作させるといった制御を行うことが考えられる。しかしながら、このような制御を行うと、特別アイコンが表示された後に演出役物7が初期姿勢からの動作を開始することになり、その結果、先読み演出の演出効果が著しく低下するおそれがある。また、演出役物7の実行中の動作が完結できないという問題もある。
そこで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、演出役物7の動作中に上記の先読み演出(図5(D)参照)を行うことが必要となった場合には、この先読み演出を、演出役物7の動作が完了してから行うこととしている。具体的には、以下のような処理が行われる。
具体的には、サブCPU131は、演出役物7が動作中であると判断した場合(ステップS1037:YES)、サブRAM133に記憶されている昇格フラグを「ON」に設定する(ステップS1038)。この昇格フラグは、通常アイコンを特別アイコンに変化させると共に演出役物7を動作させる昇格演出を行うか否かを示すフラグである。昇格フラグは、通常は「OFF」に設定されており、演出役物7の動作中に上述した先読み演出(図5(D)参照)を行うと決定された場合に「ON」に設定される。このステップS1038の処理が行われると、上述したステップS1034に処理が進められる。
このように、演出役物7の動作中に所定の事前判定結果が新たに得られた場合には、特別アイコンが新たに表示される際に演出役物7を動作させるのではなく、保留アイコンを後にアイコン昇格させる際に演出役物7を動作させるというように、演出役物7の実行中の動作が完了してから、演出役物7による新たな動作が行われる。これにより、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、演出役物7が実行中の動作が、新たな事前判定結果が得られたことに対する演出役物7の動作よりも優先される。
サブCPU131は、演出役物7が動作中ではないと判断した場合(ステップS1037:NO)、第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示する保留アイコンの表示色を決定する表示色決定処理を実行する(ステップS1039)。具体的には、例えば、第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示する保留アイコンに対応する事前判定情報に含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて、保留アイコンの表示色を決定する。例えば、この情報が示す変動パターンの変動時間が30秒未満である場合には表示色が青色又は黄色に決定され、変動時間が30秒以上60秒未満である場合には表示色が緑色に決定され、変動時間が60秒以上である場合には表示色が赤色に決定される。
なお、保留アイコンの表示色を決定する処理は、上記の処理に限定されるものではなく、例えば表示色を決定するための抽選を行ってその抽選結果に基づいて表示色を決定するというように、他の方法で表示色を決定してもよく、表示色を決定する方法は、他の方法であってもよい。
ステップS1039の処理に続いて、サブCPU131は、第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示する保留アイコン(ここでは特別アイコン)が、第1特別図柄判定に係る特別アイコンであるか否かを判断する(ステップS1040)。具体的には、ステップS1031の処理でサブRAM133に格納した事前判定情報に含まれている入賞始動口情報に基づいて、第1特別図柄判定に係る特別アイコンであるか否かを判断する。ここで、第1特別図柄判定に係る特別アイコンではないと判断された場合(ステップS1040:NO)、すなわち、第2特別図柄判定に係る特別アイコンである場合、後述するステップS1045に処理が進められる。
サブCPU131は、第1特別図柄判定に係る特別アイコンであると判断した場合(ステップS1040:YES)、この特別アイコンを表示する際に演出役物7を動作させるか否かを判定する(ステップS1041)。すなわち、図5(C)に例示されるように演出役物7を動作させることなく特別アイコンを表示するか、又は、図5(D)に例示されるように特別アイコンを表示すると共に演出役物7を動作させるかを判定する。
具体的には、サブCPU131は、第1保留アイコン表示領域51に新たに表示する特別アイコンの表示色に基づいて、演出役物7を動作させるか否かを判定する。サブCPU131は、例えば、ステップS1039の処理で決定した保留アイコンの表示色が青色、又は黄色である場合には演出役物7を動作させないと判定し、緑色、赤色、又は虹色である場合には演出役物7を動作させると判定する。
なお、演出役物7を動作させるか否かの判定方法は上記のものに限らず、他のものであってもよい。すなわち、サブCPU131は、例えば、ステップS1031の処理でサブRAM133に格納した事前判定情報に基づいて、演出役物7を動作させるか否かを決定するようにしてもよい。例えば、事前判定情報に含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて特別図柄の変動時間を特定し、特定した変動時間が所定時間(例えば45秒)よりも短ければ演出役物7を動作させないと判定し、逆に所定時間よりも長ければ演出役物7を動作させると判定する。
また、他の実施形態では、特別アイコンを表示する際に演出役物7を動作させるか否かを、乱数を用いた抽選の結果に基づいて判定してもよい。
ステップS1041において、特別アイコンを表示する際に演出役物7を動作させないと判定された場合(ステップS1041:NO)、後述するステップS1045に処理が進められる。
サブCPU131は、特別アイコンを表示する際に演出役物7を動作させると判定した場合(ステップS1041:YES)、演出役物7の動作パターンとして、第2動作パターンをサブRAM133にセットする(ステップS1042)。そして、サブRAM133に記憶されている演出役物7の動作設定情報を更新する(ステップS1043)。この動作設定情報は、演出役物7が動作を開始するタイミング、演出役物7の動作パターン、演出役物7がその動作パターンでの動作を終了するタイミング等を示す情報であり、サブCPU131は、これから演出役物7が第2動作パターンで動作することを示すように、動作設定情報を更新する。
ステップS1043の処理に続いて、サブCPU131は、役物動作コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1044)。この役物動作コマンドは、演出役物7の動作を指示するコマンドであって、ステップS13の送信処理によってランプ制御基板150に送信される。この役物動作コマンドには、ステップS1042の処理によってサブRAM133にセットされた第2動作パターンを示す情報と、演出役物7を直ちに動作させることを指示する動作タイミング情報とが含まれている。
ランプ制御基板150のランプCPUは、役物動作コマンドに含まれている情報に対応する動作パターンデータをランプRAMに読み出して、演出役物7を動作させるステッピングモータの駆動を制御する。これにより、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンが表示されるのに伴い、演出役物7が第2動作パターンで動作することになる。
このように、大当たりの可能性があることを示す所定の事前判定結果が得られた場合に、大当たり遊技を実行すると判定される可能性があることを示唆するために演出役物7が動作する。
なお、ここでは、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンが表示されるのに伴って演出役物7を動作させるため、ランプ制御基板150が役物動作コマンドを受信すると、演出役物7が直ちに動作することになる。これに対して、アイコン昇格に伴って演出役物7を動作させる場合には、第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンが表示されてから所定時間が経過した後に演出役物7を動作させる必要があるため、ランプ制御基板150が役物動作コマンドを受信してから所定時間が経過してから演出役物7が動作することになる。
サブCPU131は、ステップS1044の処理を実行した場合、第1特別図柄判定に係る特別アイコンではないと判断した場合(ステップS1040:NO)、特別アイコンを表示する際に演出役物7を動作させないと判定した場合(ステップS1041:NO)、特別アイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1045)。この特別アイコン表示コマンドは、通常アイコンとは異なる特別アイコンの新規表示の実行を指示するコマンドであり、入賞始動口情報と、ステップS1039の表示色決定処理によって決定された表示色を示す情報とを含むものである。この特別アイコン表示コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。
これに対して、画像音響制御基板140の統括CPUは、特別アイコン表示コマンドを受信した場合、このコマンドに含まれている入賞始動口情報に基づいて、特別アイコンを表示する表示領域を特定する。具体的には、特別アイコンを第1保留アイコン表示領域51に表示する必要があるのか、或いは、特別アイコンを第2保留アイコン表示領域52に表示する必要があるのかを特定する。また、特別アイコン表示コマンドに含まれている表示色を示す情報が示す表示色の特別アイコンを、特定した表示領域に表示させる。
サブCPU131は、ステップS1034の処理を実行した場合、又はステップS1045の処理を実行した場合、図24に例示されるように、サブRAM133に記憶されている昇格フラグが「ON」に設定されているか否かを判断する(ステップS1047)。
サブCPU131は、昇格フラグが「ON」に設定されていると判断した場合(ステップS1047:YES)、その昇格フラグを「OFF」に設定し(ステップS1048)、昇格演出に必要なステップS1052以降の処理を実行する。
一方、サブCPU131は、昇格フラグが「ON」に設定されていないと判断した場合(ステップS1047:NO)、ステップS1034の処理又はステップS1045の処理によって表示された保留アイコンを、その保留アイコンに対して昇格演出を行うか否かを決定するための抽選対象とするか否かを判定する(ステップS1049)。具体的には、例えば、表示された保留アイコンが、第1保留アイコン表示領域51に表示された保留アイコンであって、その保留アイコンに対応する事前判定情報に含まれている変動パターンを示す情報に基づいて特定した変動時間が所定時間(例えば30秒)以上である場合に抽選対象にすると判定し、それ以外の場合には抽選対象にしないと判定するといった方法が一例として挙げられる。ここで、抽選対象にしないと判定された場合(ステップS1049:NO)、後述するステップS1057に処理が進められる。
サブCPU131は、昇格演出を行うか否かを決定するための抽選対象にすると判定した場合(ステップS1049:YES)、昇格演出実行乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1050)。この昇格演出実行乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、ステップS1049の処理で「YES」と判定した時点のカウント値を昇格演出実行乱数として取得する。
次に、サブCPU131は、昇格演出を実行するか否かを判断する(ステップS1051)。具体的には、ステップS1050の処理でサブRAM133に格納した昇格演出実行乱数が、サブROM132に記憶されている所定の乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、昇格演出を実行するか否かを判断する(ステップS1051)。ここで、昇格演出を実行しないと判断された場合(ステップS1051:NO)、ステップS1057に処理が進められる。
サブCPU131は、昇格演出を実行すると判断した場合(ステップS1051:YES)、又はステップS1048の処理を実行した場合、保留アイコンの昇格パターンを決定する(ステップS1052)。具体的には、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンが、より上位の色の特別アイコンへと変化するように、保留アイコンの昇格パターンを決定する。第1保留アイコン表示領域51に例えば通常アイコンが表示されている場合には、その通常アイコンが、青色の特別アイコン、黄色の特別アイコン、緑色の特別アイコン、赤色の特別アイコン、及び虹色の特別アイコンのいずれかに変化するように、保留アイコンの昇格パターンを決定する。また、第1保留アイコン表示領域51に例えば黄色の特別アイコンが表示されている場合には、その黄色の特別アイコンがより上位の特別アイコン(本実施形態では緑色の特別アイコン、赤色の特別アイコン、又は虹色の特別アイコン)に変化するように、保留アイコンの昇格パターンを決定する。
なお、保留アイコンをどの表示色に変化させるかは、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンに対応する事前判定情報に含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて決定してもよいし、事前判定情報に含まれている他の情報に基づいて決定してもよいし、事前判定情報とは無関係にランダムに決定するようにしてもよい。
続いて、サブCPU131は、既に設定されている演出役物7の動作スケジュールを特定する(ステップS1053)。具体的には、サブRAM133に記憶されている動作設定情報に基づいて、演出役物7が動作する予定があるか否かを判断し、動作する予定があると判断した場合には、その動作タイミングを特定する。
次に、サブCPU131は、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコン(通常アイコン又は特別アイコン)を、第1保留アイコン表示領域51又は当該領域53においてアイコン昇格させるタイミングである昇格タイミングを決定するタイミング決定処理を実行する(ステップS1054)。
ところで、第1保留アイコン表示領域51に新たに表示された保留アイコンに関する昇格タイミングを無作為に決定してしまうと、複数の保留アイコンの昇格タイミングが時間的に重なってしまう可能性がある。そして、このような状況下において演出役物7を動作させた場合、演出役物7がどちらの保留アイコンの昇格を示唆するために動作したのかを遊技者が特定するのが困難になり、その結果、アイコン昇格を効果的に示唆できなくなるおそれがある。
このため、サブCPU131は、ステップS1054の処理において、今回設定するアイコン昇格の際に演出役物7を動作させるか否かに関わらず、既に設定されている演出役物7の動作期間と時間的に重ならないように、昇格タイミングを決定する。
そして、サブCPU131は、ステップS1034又はステップS1045の処理に応じて第1保留アイコン表示領域51に表示された保留アイコンを後にアイコン昇格させる処理の実行を指示するアイコン昇格コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1055)。このアイコン昇格コマンドには、ステップS1052の処理によって決定したアイコン昇格パターンを示す情報と、ステップS1054の処理によって決定した昇格タイミングを示す情報とが含まれる。
このようにしてサブRAM133にセットされたアイコン昇格コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。
これに対して、画像音響制御基板140の統括CPUは、アイコン昇格コマンドに含まれている昇格タイミングを示す情報に基づいて、昇格タイミングを特定する。そして、同じくアイコン昇格コマンドに含まれているアイコン昇格パターンを示す情報に基づいて、アイコン昇格パターンを特定し、特定した昇格タイミングにおいて、第1保留アイコン表示領域51(又は当該領域53)に表示されている保留アイコンをアイコン昇格させる。
サブCPU131は、ステップS1055の処理を実行した場合、昇格演出を行うか否かを決定するための抽選対象にしないと判定した場合(ステップS1049:NO)、又は昇格演出を実行しないと判断した場合(ステップS1051:NO)、アイコン昇格の有無を判断する(ステップS1057)。具体的には、例えばステップS1055の処理を行った結果としてサブRAM133にアイコン昇格コマンドがセットされているか否かに基づいて、アイコン昇格の有無を判断する。
サブCPU131は、第1保留アイコン表示領域51に表示された保留アイコンが後にアイコン昇格しないと判断した場合(ステップS1057:NO)、煽り動作乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1058)。この煽り動作乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、ステップS1057の処理で「NO」と判断した時点のカウント値を煽り動作乱数として取得する。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、アイコン昇格が行われないパターンは、アイコン昇格が無くて演出役物7が動作しないパターン(図5(E)参照)と、演出役物7が第1動作パターンで動作するもののアイコン昇格が無いパターン(図5(F)及び(G)参照)との2種類である。このため、保留アイコンが後にアイコン昇格しないと判断した場合、役物煽り動作を行うか否かを決定するために、以下のような処理が行われる。
すなわち、サブCPU131は、煽り動作を実行するか否かを判断する(ステップS1059)。具体的には、ステップS1058の処理でサブRAM133に格納した煽り動作乱数が、サブROM132に記憶されている所定の乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、煽り動作を実行するか否かを判断する(ステップS1059)。ここで、煽り動作を実行しないと判断された場合(ステップS1059:NO)、ステップS11に処理が進められる。
サブCPU131は、煽り動作を実行すると判断した場合(ステップS1059:YES)、演出役物7の動作パターンとして、煽り動作を行うための動作パターンである第1動作パターンをサブRAM133にセットする(ステップS1060)。そして、ステップS1053の処理と同様に、演出役物7に関する既設定の動作スケジュールを特定し(ステップS1061)、演出役物7を第1動作パターンで動作させる動作タイミングを決定する(ステップS1062)。その際、この煽り動作の対象となる保留アイコンが表示されてから当該保留アイコンに対応する特別図柄判定が消化されるまでの間において、既に設定されている演出役物7の動作と動作期間が重ならないように、演出役物7の動作タイミングを決定する。
ステップS1062の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている動作設定情報を更新する(ステップS1063)。具体的には、ステップS1062の処理で決定された動作タイミングで演出役物7が第1動作パターンで動作することを示すように、動作設定情報を更新する。
そして、サブCPU131は、演出役物7の動作を指示する役物動作コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1064)。この役物動作コマンドには、ステップS1060の処理でセットされた第1動作パターンを示す情報と、ステップS1062の処理で決定された動作タイミングを示す情報とが含まれる。
このようにしてサブRAM133にセットされた役物動作コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。
これに対して、ランプ制御基板150のランプCPUは、演出制御基板130から受信した役物動作コマンドに含まれている情報に基づいて、演出役物7を動作させるべき動作パターン(ここでは第1動作パターン)を特定する。そして、同じく役物動作コマンドに含まれている情報に基づいて、演出役物7の動作タイミングを特定し、特定した動作タイミングになると、演出役物7を第1動作パターンで動作させる。
このように、保留アイコンがアイコン昇格することなくその表示態様が変化しない場合には、演出役物7が煽り動作のみを行う第1動作パターンで動作する場合がある。
一方、サブCPU131は、第1保留アイコン表示領域51に表示された保留アイコンが後にアイコン昇格すると判断した場合(ステップS1057:YES)、アイコン昇格に伴って演出役物7を動作させるか否かを決定し、演出役物7を動作させる場合にはその動作パターンを決定するために、以下のような処理を実行する。
すなわち、サブCPU131は、図25に例示されるように、動作パターン選択乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1067)。この動作パターン選択乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、ステップS1057の処理で「YES」と判断した時点のカウント値を動作パターン選択乱数として取得する。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定され易く、逆に、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定され易いように構成されている。このため、変動時間が長ければ長いほど、遊技者の大当たりに対する期待感が高まることになる。
このため、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、事前判定情報に含まれている変動パターンを示す情報に基づいて特定される変動時間に基づいて、アイコン昇格の際に演出役物7を動作させるか否か、演出役物7を動作させる場合には第2動作パターン及び第3動作パターンのどちらの動作パターンで演出役物7を動作させるかが決定される。具体的には、以下のような処理が行われる。
すなわち、サブCPU131は、ステップS1067の処理に続いて、ステップS1032(図23参照)の処理によってサブRAM133に格納した事前判定情報に含まれる変動パターンを示す情報に基づいて特定される変動時間が、第1時間(例えば60秒)未満であるか否かを判断する(ステップS1068)。
サブCPU131は、変動時間が第1時間未満であると判断した場合(ステップS1068:YES)、短変動時間用動作パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1069)。
図26(A)は、短変動時間用動作パターン選択テーブルの一例を示す図である。図26(A)に例示されるように、動作パターン選択乱数の取り得る範囲は、「0」〜「99」である。短変動時間用動作パターン選択テーブルにおいては、演出役物7の動作種別と、乱数値とが対応付けられている。
図26(A)に例示されるように、アイコン昇格の際に演出役物7が動作しないパターン(図5(H)参照)に対して、短変動時間用動作パターン選択テーブルでは、「0」〜「79」の80個の乱数値が割り当てられている。また、アイコン昇格の際に演出役物7が本動作を行う第2動作パターン(図5(I)参照)に対して、「80」〜「94」の15個の乱数値が割り当てられている。また、アイコン昇格の際に演出役物7が煽り動作を行ってから本動作を行う第3動作パターン(図5(J)及び(K)参照)に対して、「95」〜「99」の5個の乱数値が割り当てられている。このため、事前判定情報に含まれる変動パターンを示す情報に基づいて特定される変動時間が第1時間未満である場合には、演出役物7を動作させない動作種別が80%の割合で選択され、演出役物7を第2動作パターンで動作させる動作種別が15%の割合で選択され、演出役物7を第3動作パターンで動作させる動作種別が5%の割合で選択されることになる。
一方、サブCPU131は、変動時間が第1時間(ここでは60秒)未満ではないと判断した場合(ステップS1068:NO)、変動時間が第2時間(例えば90秒)以上であるか否かを判断する(ステップS1070)。ここで、変動時間が第2時間以上ではないと判断した場合(ステップS1070:NO)、中変動時間用動作パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1071)。逆に、変動時間が第2時間以上であると判断した場合(ステップS1070:YES)、長変動時間用動作パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1072)。
図26(B)は、中変動時間用動作パターン選択テーブルの一例を示す図である。図26(B)に例示されるように、中変動時間用動作パターン選択テーブルは、乱数値の割り振りが異なる点を除いて、短変動時間用動作パターン選択テーブルと同様に構成されている。
図26(B)に例示されるように、アイコン昇格の際に演出役物7が動作しないパターン(図5(H)参照)に対して、中変動時間用動作パターン選択テーブルでは、「0」〜「49」の50個の乱数値が割り当てられている。また、アイコン昇格の際に演出役物7が本動作を行う第2動作パターン(図5(I)参照)に対して、「50」〜「89」の40個の乱数値が割り当てられている。また、アイコン昇格の際に演出役物7が煽り動作を行ってから本動作を行う第3動作パターン(図5(J)及び(K)参照)に対して、「90」〜「99」の10個の乱数値が割り当てられている。このため、事前判定情報に含まれる変動パターンを示す情報に基づいて特定される変動時間が第1時間以上であり且つ第2時間未満である場合には、演出役物7を動作させない動作種別が50%の割合で選択され、演出役物7を第2動作パターンで動作させる動作種別が40%の割合で選択され、演出役物7を第3動作パターンで動作させる動作種別が10%の割合で選択されることになる。
図26(C)は、長変動時間用動作パターン選択テーブルの一例を示す図である。図26(C)に例示されるように、長変動時間用動作パターン選択テーブルは、乱数値の割り振りが異なる点を除いて、短変動時間用動作パターン選択テーブルや中変動時間用動作パターン選択テーブルと同様に構成されている。
図26(C)に例示されるように、アイコン昇格の際に演出役物7が動作しないパターン(図5(H)参照)に対して、長変動時間用動作パターン選択テーブルでは、「0」〜「19」の20個の乱数値が割り当てられている。また、アイコン昇格の際に演出役物7が本動作を行う第2動作パターン(図5(I)参照)に対して、「20」〜「74」の55個の乱数値が割り当てられている。また、アイコン昇格の際に演出役物7が煽り動作を行ってから本動作を行う第3動作パターン(図5(J)及び(K)参照)に対して、「75」〜「99」の25個の乱数値が割り当てられている。このため、事前判定情報に含まれる変動パターンを示す情報に基づいて特定される変動時間が第2時間以上である場合には、演出役物7を動作させない動作種別が20%の割合で選択され、演出役物7を第2動作パターンで動作させる動作種別が55%の割合で選択され、演出役物7を第3動作パターンで動作させる動作種別が25%の割合で選択されることになる。
サブCPU131は、ステップS1069の処理、ステップS1071の処理、又はステップS1072の処理によっていずれかの動作パターン選択テーブルをセットすると、ステップS1067の処理で取得した動作パターン選択乱数と一致する乱数値に対応する動作種別を読み出すことによって、アイコン昇格の際の演出役物7の動作種別を決定し、その決定結果に基づいて、アイコン昇格の際に演出役物7を動作させるか否かを判断する(ステップS1073)。例えば、短変動時間用動作パターン選択テーブルをセットした場合、ステップS1067の処理で取得された動作パターン選択乱数が「0」〜「79」のいずれかの乱数値であれば演出役物7を動作させないと判断し、これら以外の乱数値である場合には演出役物7を動作させると判断する。ここで、アイコン昇格の際に演出役物を動作させないと判断された場合(ステップS1073:NO)、すなわち、決定された動作種別が、演出役物7の「動作無し」である場合、ステップS11に処理が進められる。
サブCPU131は、アイコン昇格の際に演出役物7を動作させると判断した場合(ステップS1073:YES)、ステップS1073の処理における上記の決定結果に基づいて、第2動作パターン又は第3動作パターンをサブRAM133にセットする(ステップS1074)。
次に、サブCPU131は、ステップS1054(図24参照)の処理によって決定した昇格タイミングに基づいて、演出役物7の動作タイミングを決定する(ステップS1075)。具体的には、ステップS1074の処理でセットした演出役物7の動作パターンが第2動作パターンである場合、アイコン昇格とほぼ同時に演出役物7が本動作を行うように(例えば図8(A−1)及び(A−2)参照)、演出役物7の動作タイミングを、アイコン昇格タイミングと同じタイミングに決定する。また、ステップS1074の処理でセットした演出役物7の動作パターンが第3動作パターンである場合、アイコン昇格の前に演出役物7が煽り動作を行ってから、アイコン昇格とほぼ同時に演出役物7が本動作を行うように(例えば図8(B−2)及び(B−3)参照)、演出役物7の動作タイミングを決定する。
続いて、サブCPU131は、アイコン昇格に際して演出役物7を動作させる処理の実行を指示する役物動作コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1076)。この役物動作コマンドには、ステップS1074の処理でセットされた動作パターン(第2動作パターン又は第3動作パターン)を示す情報と、ステップS1075の処理で決定された動作タイミングを示す情報とが含まれる。
このようにしてサブRAM133にセットされた役物動作コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。
これに対して、ランプ制御基板150のランプCPUは、演出制御基板130から受信した役物動作コマンドに含まれている情報に基づいて、演出役物7を動作させるべき動作パターン(ここでは第2動作パターン又は第3動作パターン)を特定する。そして、同じく役物動作コマンドに含まれている情報に基づいて、演出役物7の動作タイミングを特定し、特定した動作タイミングになると、演出役物7を特定した動作パターン(第2動作パターン又は第3動作パターン)で動作させる。
このように、保留アイコンがアイコン昇格してその表示態様が変化する場合には、第1動作パターンとは少なくとも一部の動作が異なる第2動作パターン又は第3動作パターンで動作する場合がある。
ステップS1076の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている演出役物7の動作設定情報を更新する(ステップS1077)。具体的には、ステップS1075の処理によって決定した動作タイミングで、ステップS1074の処理で決定した動作パターンで演出役物7が動作することを示す情報を新たに含むように、動作設定情報を更新する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、事前判定情報に含まれる情報に基づいて特定される変動時間が第1時間未満である場合(大当たりとなる可能性が相対的に低いことを示す事前判定情報が得られている場合)には、アイコン昇格の際に演出役物7が動作し難いという特徴を有している(図26(A)参照)。また、変動時間が第1時間以上であり且つ第2時間未満である場合(大当たりとなる可能性が中程度であることを示す事前判定結果が得られている場合)には、アイコン昇格の際に演出役物7が第2動作パターンで動作し易いという特徴を有している(図26(B)参照)。また、変動時間が第2時間以上である場合(大当たりとなる可能性が相対的に高いことを示す事前判定情報が得られている場合)には、アイコン昇格の際に演出役物7が第2動作パターン又は第3動作パターンで動作し易いという特徴を有している(図26(C)参照)。
また、ステップS1055の処理でサブRAM133にセットされたアイコン昇格コマンド、及びステップS1076の処理でサブRAM133にセットされた役物動作コマンドが一緒に送信されることにより、新たな事前判定結果が得られたことに対する動作を演出役物7が行うのに伴い、保留アイコンの表示態様が変化することになる(例えば図8(C−1)及び(C−2)参照)。
なお、ここでは、演出役物7を動作させるか否か、動作させる場合にはその動作パターンを、事前判定情報に含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて決定する場合について説明したが、他の実施形態では、事前判定情報に含まれている他の情報に基づいて決定するようにしてもよい。また、この他の情報と特別図柄の変動パターンを示す情報とに基づいて、演出役物7を動作させるか否か、動作させる場合にはその動作パターンを決定してもよい。また、アイコン昇格後の保留アイコンの表示態様に基づいて、アイコン昇格に伴って演出役物7を動作させるか否かを決定するようにしてもよい。
すなわち、アイコン昇格後の保留アイコンの表示色が例えば青色や黄色といった大当たりに対する期待感を抱き難い表示色である場合には、アイコン昇格に伴う演出役物7の動作を行わないようにし、逆に、アイコン昇格後の保留アイコンの表示色が例えば緑色や赤色、虹色といった大当たりに対する期待感を抱き易い表示色である場合には、アイコン昇格に伴って演出役物7を動作させるようにしてもよい。
また、アイコン昇格後の保留アイコンの表示色が緑色である場合には、アイコン昇格に伴って演出役物7が第3動作パターンよりも第2動作パターンで動作し易く、アイコン昇格後の保留アイコンの表示色が赤色又は虹色である場合には、アイコン昇格後に伴って演出役物7が第2動作パターンよりも第3動作パターンで動作し易いといった制御を行うようにしてもよい。
このような制御を行うことで、演出役物7が動作するか否かに基づいて、アイコン昇格後の保留アイコンの表示色がどの表示色になるかを、遊技者が容易に推測することができる。具体的には、アイコン昇格に伴って演出役物7が第1動作パターン以外の動作パターンで動作する場合には、保留アイコンが、緑色以上の表示色を示す保留アイコンに昇格するということを遊技者が容易に推測することができる。
[演出制御基板130による変動演出開始処理]
以下、図27を参照しつつ、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドを受信した演出制御基板130基板130において実行される変動演出開始処理について説明する。ここで、図27は、図22のステップS108における変動演出開始処理の詳細フローチャートである。
サブCPU131は、遊技制御基板100から受信したコマンドが、ステップS311(図16参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS107:YES)、上述した乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1081)。そして、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS1082)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、装飾図柄の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS1083)。
図には示されていないが、サブROM132には、特別図柄の変動表示に伴う変動演出に関して、大当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、及びハズレリーチ無し演出テーブルの少なくとも3つの演出テーブルが記憶されている。これらの演出テーブルの各々には、遊技制御基板100において決定される変動パターン(変動時間)に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、大当たり演出テーブルには、60秒用、80秒用、120秒用、及び160秒用のテーブルが設けられている。
サブCPU131は、これら複数のテーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、1のテーブルを選択する。例えば、設定情報に「大当たり」を示す情報、変動時間が60秒である大当たり用の変動パターンを示す情報が含まれている場合、サブCPU131は、60秒用の大当たり演出テーブルを選択する。また、設定情報に「ハズレ」を示す情報、遊技状態が時短遊技状態であることを示す情報、変動時間が10秒であるハズレ用の変動パターンを示す情報が含まれている場合、サブCPU131は、10秒用のハズレリーチ無し演出テーブルを選択する。
演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。サブCPU131は、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、ステップS1081の処理によって取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。
このような変動演出パターン設定処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、リーチ成立のタイミング、リーチ演出の内容、擬似連続演出の有無、擬似連続演出に関して擬似停止表示される装飾図柄の種類、装飾図柄が擬似停止表示されるタイミング、装飾図柄が再始動するタイミング等が決定される。また、大当たりに対する遊技者の期待感を高めることなどを目的として変動演出中に演出役物7を動作させるか否か、演出役物7を動作させる場合にはその動作パターン、各種予告演出の有無、背景画像の種類等の変動演出を構成する各演出の態様も併せて決定される。
ステップS1083の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS1083の処理で設定した変動演出パターンの変動演出開始を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1084)。この変動演出開始コマンドは、ステップS1083の処理によって設定された変動演出パターンを示す情報を含むものであり、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出パターンが決定された変動演出が、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によって実現されることになる。
ステップS1084の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている保留数を「1」減算する(ステップS1085)。具体的には、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドが第1特別図柄判定に係る図柄変動の開始を通知するものである場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。一方、受信した変動開始コマンドが第2特別図柄判定に係る図柄変動の開始を通知するものである場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。
なお、第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に保留アイコンが表示された状態で変動演出開始コマンドが画像音響制御基板140に送信されると、装飾図柄の変動表示の開始に伴い、第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示されているアイコンのシフト処理が画像音響制御基板140によって行われる。このアイコンのシフト処理については、上述した通りである。
ステップS1085の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS1083の処理で設定した変動演出パターンに演出役物7の動作が含まれているか否かに基づいて、変動演出中に演出役物7が動作するか否かを判断する(ステップS1086)。ここで、変動演出中に演出役物7が動作しないと判断された場合(ステップS1086:NO)、ステップS11に処理が進められる。
サブCPU131は、変動演出中に演出役物7が動作すると判断した場合(ステップS1086:YES)、その動作タイミングが、演出役物7の既定の動作タイミングと重複するか否かを判断する(ステップS1087)。具体的には、サブRAM133に記憶されている動作設定情報を参照して、今回の変動演出中における演出役物7の動作タイミングが、既に設定されているアイコン昇格に係る演出役物7の動作タイミングと重複するか否かを判断する。ここで、既定の動作タイミングと重複しないと判断された場合(ステップS1087:NO)、ステップS11に処理が進められる。
サブCPU131は、既定の動作タイミングと重複すると判断した場合(ステップS1087:YES)、重複する既定の動作タイミングを特定する(ステップS1088)。具体的には、今回の変動演出中の演出役物7の動作タイミングと、動作設定情報が示す動作タイミングとを比較し、その比較結果に基づいて、重複する既定の動作タイミングを特定する。
次に、サブCPU131は、ステップS1088の処理によって特定した既定の動作タイミングを変更する(ステップS1089)。具体的には、特定した既定の動作タイミングが、今回の変動演出中における演出役物7の動作タイミングと重複せず、且つ、アイコン昇格に伴う演出役物7の他動作の動作タイミングとも重複しないように、特定した動作タイミングを変更する。
図28は、保留アイコンのアイコン昇格タイミング、及び演出役物7の動作タイミングの変更について説明するための説明図である。図28(A)に例示されるように、例えば、変動演出に係る役物動作と、アイコン昇格に伴う役物動作(ここでは第3パターンの動作)とが時間的に重なる場合、いずれか一方の役物動作のタイミングを変更する必要がある。ここで、変動演出に係る役物動作のタイミングを変更することを考えた場合、この役物動作は、液晶画面で行われる変動演出と関連するタイミングで行われるものであるため、変動演出に係る役物動作のタイミングを変更してしまうと、変動演出に支障をきたすおそれがある。このため、本実施形態では、変動演出に係る役物動作と、アイコン昇格に伴う役物動作とが時間的に重なる場合、図28(B)に例示されるように、例えば、アイコン昇格に伴う役物動作のタイミングを遅らせることによって、変動演出に係る役物動作と時間的に重なることが抑制される。
なお、図28に示される例では、演出役物7の煽り動作が行われた直後の本動作とほぼ同じタイミングで、保留アイコンのアイコン昇格が行われる。このため、演出役物7の本動作のタイミングが変更された場合、アイコン昇格の昇格タイミングも、同じように変更される。これは、保留アイコンのアイコン昇格に伴う演出役物7の動作が第2動作パターンでの動作である場合も同様である。
なお、動作タイミングをどのタイミングに変更するかは特に限定されるものではないが、例えば、他の動作タイミングと重複しないことを条件として、動作タイミングを所定時間遅らせるといった方法が一例として挙げられる。
続いて、サブCPU131は、アイコン昇格に伴う演出役物7の動作の動作タイミングの変更を指示する変更コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1090)。この変更コマンドには、動作パターンを示す情報と、変更前の動作タイミングを示す情報と、ステップS1089の処理によって決定された変更後の動作タイミングを示す情報とが含まれる。この変更コマンドは、ステップS13の送信処理によって、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。
ところで、既に動作タイミングが設定されている演出役物7の動作は、保留アイコンのアイコン昇格に伴うものである。このため、演出役物7の動作タイミングを変更する場合には、演出役物7の動作タイミングと共に、アイコン昇格のタイミングも変更する必要がある。このため、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150では、変更コマンドを受信した場合、以下のような処理が行われる。
画像音響制御基板140では、演出制御基板130から送信されたアイコン昇格コマンドを受信すると、このアイコン昇格コマンドに含まれている2つの情報が制御用RAMに格納される。この2つの情報は、具体的には、アイコン昇格パターンを示す情報、及び昇格タイミングを示す情報である。これらの情報は、アイコン昇格が完了するまでは制御用RAMに記憶されており、アイコン昇格が完了すると、破棄される。
画像音響制御基板140の統括CPUは、変更コマンドを受信すると、制御用RAMに記憶されている昇格タイミングを示す情報の中から、変更コマンドに含まれている変更前の動作タイミングを示す情報が示すタイミングと対応する情報を特定する。具体的には、アイコン昇格のタイミングと演出役物7が本動作を行うタイミングとが一致するので、変更前の動作タイミングを示す情報により特定される本動作のタイミングと時間的に一致する昇格タイミングを示す情報を特定する。
そして、統括CPUは、特定した昇格タイミングを示す情報を、変更コマンドに含まれている変更後の動作タイミングを示す情報に基づいて更新する。具体的には、変更後の動作タイミングを示す情報に基づいて、演出役物7が本動作を行うタイミングを特定し、そのタイミングでアイコン昇格が行われるように、昇格タイミングを示す情報を書き替える。
一方、ランプ制御基板150では、演出制御基板130から送信された役物動作コマンドを受信すると、この役物動作コマンドに含まれている2つの情報がランプRAMに格納される。この2つの情報は、具体的には、演出役物7の動作パターンを示す情報、及びその動作タイミングを示す情報である。これらの情報は、演出役物7の動作が完了するまではランプRAMに記憶されており、動作が完了すると破棄される。
ランプ制御基板150のランプCPUは、変更コマンドを受信すると、ランプRAMに記憶されている動作タイミングを示す情報の中から、変更コマンドに含まれている変更前の動作タイミングを示す情報と一致する情報を特定する。そして、特定した情報を、同じく変更コマンドに含まれている変更後の動作タイミングを示す情報に書き替えることにより、演出役物7の動作タイミングを変更する。
ステップS1090の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている演出役物7の動作設定情報を更新する(ステップS1091)。具体的には、動作設定情報が示す動作タイミングが、ステップS1089の処理によって変更された動作タイミングを示すように、動作設定情報を書き替える。
[画像音響制御基板140による画像音響制御処理]
図29は、画像音響制御基板140において実行される画像音響制御処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御基板140は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図29に例示されている一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
図29に例示されるように、画像音響制御基板140の統括CPUは、まず、演出制御基板130から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS501)。ここで、演出制御基板130からのコマンドを受信していないと判定された場合(ステップS501:NO)、後述するステップS517に処理が進められる。
統括CPUは、演出制御基板130からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS501:YES)、そのコマンドがステップS1084(図27参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。ここで、演出制御基板130から受信したコマンドが変動演出開始コマンドではないと判定された場合(ステップS502:NO)、後述するステップS504に処理が進められる。
統括CPUは、演出制御基板130から受信したコマンドが変動演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS502:YES)、変動演出開始コマンドに含まれている変動演出に関する設定情報及び制御用ROMに記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成し、生成した制御信号をVDP及び音響DSPに出力することによって、VDP及び音響DSPに変動演出を開始させる(ステップS503)。これにより、液晶表示装置5が装飾図柄を変動表示させると共に、スピーカ24がこの演出と同期する演出音を出力する変動演出が開始されることになる。このステップS503の処理が実行されると、ステップS517に処理が進められる。
なお、以下に説明する画像表示や演出音の出力に関する各処理についても、演出制御基板130から受信したコマンド及び制御用ROMに記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成し、生成した制御信号をVDP及び音響DSPに出力することによって実現される。
統括CPUは、受信したコマンドが変動演出開始コマンドではないと判定した場合(ステップS502:NO)、受信したコマンドが、ステップS110(図22参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。ここで、受信したコマンドが変動演出終了コマンドではないと判定された場合(ステップS504:NO)、後述するステップS506に処理が進められる。
統括CPUは、受信したコマンドが変動演出終了コマンドであると判定した場合(ステップS504:YES)、ステップS503の処理によって開始させた変動演出の終了を指示する制御信号をVDP及び音響DSPに出力することによって、変動演出を終了させる(ステップS505)。このステップS505の処理が実行されると、ステップS517に処理が進められる。
統括CPUは、受信したコマンドが変動演出終了コマンドではないと判定した場合(ステップS504:NO)、受信したコマンドが、ステップS12(図21参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された操作コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ここで、受信したコマンドが操作コマンドではないと判定された場合(ステップS506:NO)、後述するステップS508に処理が進められる。
統括CPUは、受信したコマンドが操作コマンドであると判定した場合(ステップS506:YES)、操作に応じた演出変化を発生させる(ステップS507)。具体的には、例えば演出ボタン26の操作に応じたエフェクト画像を液晶画面に表示させると共に、所定の操作音をスピーカ24から出力する処理をVDP及び音響DSPに実行させる。このステップS507の処理が実行されると、ステップS517に処理が進められる。
統括CPUは、受信したコマンドが操作コマンドではないと判定した場合(ステップS506:NO)、受信したコマンドが、ステップS1034(図23参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された通常アイコン表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。ここで、受信したコマンドが通常アイコン表示コマンドではないと判定された場合(ステップS508:NO)、後述するステップS510に処理が進められる。
統括CPUは、受信したコマンドが通常アイコン表示コマンドであると判定した場合(ステップS508:YES)、通常アイコン表示処理を実行する(ステップS509)。具体的には、通常アイコン表示コマンドには入賞始動口情報が含まれており、入賞始動口情報が示す始動口が第1始動口11である場合には第1保留アイコン表示領域51に通常アイコンを新たに表示させ、入賞始動口情報が示す始動口が第2始動口12である場合には第2保留アイコン表示領域52に通常アイコンを新たに表示させる。このステップS509の処理が実行されると、ステップS517に処理が進められる。
統括CPUは、受信したコマンドが通常アイコン表示コマンドではないと判定した場合(ステップS508:NO)、受信したコマンドが、ステップS1045(図23参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された特別アイコン表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。ここで、受信したコマンドが特別アイコン表示コマンドではないと判定した場合(ステップS510:NO)、後述するステップS513に処理が進められる。
統括CPUは、受信したコマンドが特別アイコン表示コマンドであると判定した場合(ステップS510:YES)、特別アイコン表示処理を実行する(ステップS511)。具体的には、特別アイコン表示コマンドには、特別アイコンの表示色を示す情報が含まれており、この情報が示す表示色の特別アイコンを第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に新たに表示させる。また、特別アイコン表示コマンドには、入賞始動口情報も含まれており、入賞始動口情報が示す始動口が第1始動口11である場合には第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンを表示させ、入賞始動口情報が示す始動口が第2始動口12である場合には第2保留アイコン表示領域52に通常アイコンを表示させる。このステップS511の処理が実行されると、ステップS517に処理が進められる。
統括CPUは、受信したコマンドが特別アイコン表示コマンドではないと判定した場合(ステップS510:NO)、受信したコマンドが、ステップS1055(図24参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信されたアイコン昇格コマンドであるか否かを判定する(ステップS513)。ここで、受信したコマンドがアイコン昇格コマンドではないと判定された場合(ステップS513:NO)、後述するステップS515に処理が進められる。
統括CPUは、受信したコマンドがアイコン昇格コマンドであると判定した場合(ステップS513:YES)、昇格情報設定処理を実行する(ステップS514)。具体的には、アイコン昇格コマンドには、アイコン昇格パターンを示す情報と、昇格タイミングを示す情報とが含まれており、統括CPUは、これら2つの情報と、ステップS509の処理(又はステップS511の処理)によって新たに表示された保留アイコンを示す情報とを対応付けて、制御用RAMに格納する。このステップS514の処理が実行されると、ステップS517に処理が進められる。
統括CPUは、受信したコマンドがアイコン昇格コマンドではないと判定した場合(ステップS513:NO)、受信したコマンドが、ステップS1090(図27参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変更コマンドであるか否かを判定する(ステップS515)。ここで、受信したコマンドが変更コマンドではないと判定された場合(ステップS515:NO)、ステップS517に処理が進められる。
統括CPUは、受信したコマンドが変更コマンドであると判定した場合(ステップS515:YES)、昇格タイミング変更処理を実行する(ステップS516)。具体的には、変更コマンドには、動作パターンを示す情報と、変更前の動作タイミングを示す情報と、変更後の動作タイミングを示す情報とが含まれており、統括CPUは、制御用RAMに記憶されている昇格タイミングを示す情報の中から、変更コマンドに含まれている変更前の動作タイミングを示す情報が示すタイミングと対応する情報を特定する。そして、特定した昇格タイミングを、変更コマンドに含まれている変更後の動作タイミングを示す情報に基づいて更新する。
次に、統括CPUは、制御用RAMに記憶されている昇格タイミングを示す情報を参照して、昇格タイミングであるか否かを判定する(ステップS517)。ここで、昇格タイミングではないと判定された場合(ステップS517:NO)、後述するステップS519に処理が進められる。
統括CPUは、昇格タイミングであると判定した場合(ステップS517)、アイコン昇格処理を実行する(ステップS518)。制御用RAMでは、表示中の保留アイコンを示す情報と、昇格タイミングを示す情報と、昇格パターンを示す情報とが対応付けられている。これに対して、統括CPUは、昇格タイミングであると判定された昇格タイミングを示す情報に対応する表示中の保留アイコンを示す情報に基づいて、アイコン昇格させる保留アイコンを特定する。そして、同じく昇格タイミングであると判定された昇格タイミングを示す情報に対応する昇格パターンを示す情報に基づいて昇格パターンを特定し、特定した保留アイコンを、特定した昇格パターンでアイコン昇格させる。
統括CPUは、ステップS518の処理を実行した場合、又は昇格タイミングではないと判定した場合(ステップS517:NO)、データ送信制御処理を実行する(ステップS519)。具体的には、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。
これに対して、演出制御基板130は、画像音響制御基板140から受信したデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示装置5及びスピーカ24によって行われる演出と同期するように、ランプ制御基板150によって各種演出動作などが制御されることになる。
なお、ここでは演出制御基板130から受信したコマンドに基づいて液晶表示装置5で行われる変動演出の制御について説明したが、スピーカ24からの演出音の出力制御は、液晶表示装置5における表示演出と対応したものとなるため、ここでの詳細な説明は省略する。
[ランプ制御基板150によるランプ制御処理]
次に、図30を参照しつつ、ランプ制御基板150において実行されるランプ制御処理について説明する。ここで、図30は、ランプ制御基板150において実行されるランプ制御処理の一例を示すフローチャートである。ランプ制御基板150は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、演出制御基板130からのコマンド、及び演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信される画像音響制御に関するデータに基づいて、図30に例示されている一連の処理を一定時間毎に繰り返し実行する。
ランプ制御基板150のランプCPUは、まず、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信された画像音響制御に関するデータを受信するデータ受信処理を実行する(ステップS601)。ランプCPUは、このステップS601の処理によって受信した画像音響制御に関するデータに基づいて、液晶表示装置5やスピーカ24による演出と同期するように、各種演出手段(演出役物7など)を制御する。
ステップS601の処理に続いて、ランプCPUは、演出制御基板130から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS602)。ここで、演出制御基板130からのコマンドを受信していないと判定された場合(ステップS602:NO)、後述するステップS614に処理が進められる。
ランプCPUは、演出制御基板130からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS602:YES)、そのコマンドが、ステップS1084(図27参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS603)。ここで、受信したコマンドが変動演出開始コマンドではないと判定された場合(ステップS603:NO)、後述するステップS608に処理が進められる。
ランプCPUは、受信したコマンドが変動演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS603:YES)、受信した変動演出開始コマンドに対応する発光パターンデータをランプROMから読み出してランプRAMにセットすることにより、演出役物7の発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37などの各発光素子の発光パターンを設定する(ステップS604)。そして、セットした発光パターンデータに基づいて、これらの発光素子の発光制御を開始する(ステップS605)。
ステップS605の処理に続いて、ランプCPUは、受信した変動開始コマンドに含まれている変動演出パターンを示す情報に基づいて、変動演出に係る演出役物7の動作が必要であるか否かを判断する(ステップS606)。変動演出に係る演出役物7の動作が必要ではないと判断された場合(ステップS606:NO)、ステップS614に処理が進められる。
ランプCPUは、変動演出に係る演出役物7の動作が必要であると判断した場合(ステップS606:YES)、その演出役物7の動作を設定する動作設定処理を実行する(ステップS607)。具体的には、変動演出開始コマンドに含まれている変動演出パターンを示す情報に基づいて演出役物7の動作パターンと動作タイミングとを特定し、これらに関する情報を設定情報としてランプRAMにセットする。このステップS607の処理が実行された場合、ステップS614に処理が進められる。
ランプCPUは、受信したコマンドが変動演出開始コマンドではないと判定した場合(ステップS603:NO)、受信したコマンドが、ステップS1044(図23参照)の処理、ステップS1064(図24参照)の処理、又はステップS1076(図25参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された役物動作コマンドであるか否かを判定する(ステップS608)。ここで、受信したコマンドが役物動作コマンドではないと判定された場合(ステップS608:NO)、後述するステップS610に処理が進められる。
ランプCPUは、受信したコマンドが役物動作コマンドであると判定した場合(ステップS608:YES)、演出役物7の動作を設定する動作設定処理を実行する(ステップS609)。具体的には、受信した役物動作コマンドに含まれている動作パターンを示す情報及び動作タイミングを示す情報に基づいて、アイコン昇格に伴う演出役物7の動作パターンと動作タイミングとを特定し、これらに関する情報を設定情報としてランプRAMにセットする。このステップS609の処理が実行された場合、ステップS614に処理が進められる。
ランプCPUは、受信したコマンドが役物動作コマンドではないと判定した場合(ステップS608:NO)、受信したコマンドが、ステップS1090(図27参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変更コマンドであるか否かを判定する(ステップS610)。ここで、受信したコマンドが変更コマンドではないと判定された場合(ステップS610:NO)、後述するステップS612に処理が進められる。
ランプCPUは、受信したコマンドが変更コマンドであると判定した場合(ステップS610:YES)、動作タイミング変更処理を実行する(ステップS611)。具体的には、変更コマンドには、動作パターンを示す情報と、変更前の動作タイミングを示す情報と、変更後の動作タイミングを示す情報とが含まれており、ステップS609の処理によってランプRAMにセットされた設定情報の中から、変更コマンドに含まれる動作パターンを示す情報及び変更前の動作タイミングを示す情報と同じ動作パターン及び動作タイミングを示す設定情報を判別する。そして、判別した設定情報が示す動作タイミングが、受信した変更コマンドに含まれている変更後の動作タイミングを示す情報に基づいて特定される動作タイミングに変更されるように、設定情報を更新する。
ランプCPUは、受信したコマンドが変更コマンドではないと判定した場合(ステップS610:NO)、受信したコマンドが、ステップS110(図22参照)に応じて演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS612)。ここで、変動演出終了コマンドではないと判定された場合(ステップS612:NO)、ステップS614に処理が進められる。
ランプCPUは、受信したコマンドが変動演出終了コマンドであると判定した場合(ステップS612:YES)、変動演出終了処理を実行する(ステップS613)。具体的には、ステップS605の処理で開始した発光制御を終了する。
続いて、ランプCPUは、演出役物7の動作タイミングであるか否かを判定する(ステップS614)。具体的には、演出役物7の動作パターンと、演出役物7の動作タイミングとを示す情報とが対応付けられた演出役物7の設定情報がランプRAMに記憶されており、ランプCPUは、設定が示す動作タイミングになったか否かに基づいて、演出役物7の動作タイミングであるか否かを判定する。ここで、演出役物7の動作タイミングであると判定した場合(ステップS614:YES)、役物動作制御処理を実行する(ステップS615)。具体的には、ランプRAMに記憶されている設定情報の中から、動作タイミングを迎えた設定情報を判別する。そして、その設定情報が示す動作パターンに対応する動作パターンデータをランプROMからランプRAMに読み出して、演出役物7を動作させるステッピングモータの駆動を制御する。
このステップS615の処理が実行された場合、又は演出役物7の動作タイミングではないと判定された場合(ステップS614:NO)、ステップS601に処理が戻される。
なお、本実施形態では、ランプ制御基板150が役物動作コマンドを受信した場合に、演出役物7を直ちに動作させるのではなく、演出役物7の動作タイミングになってから演出役物7を動作させる場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、演出役物7の動作タイミングになってから演出制御基板130が演出役物7の動作を指示するコマンドを送信し、ランプ制御基板150が、そのコマンドを受信したら直ちに演出役物7を動作させるといった構成を採用してもよい。
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、保留アイコンがアイコン昇格することなくその表示態様が変化しない場合には、演出役物7が第1動作パターンで動作する場合がある(例えば図5(F)及び(G)、図7(B−2)及び(B−3)参照)。このように、演出役物7が動作したとしても保留アイコンの表示態様が変化しない場合があるので、演出役物7が動作する際に必ず保留アイコンをアイコン昇格させることによって保留アイコンの表示態様が変化することに対するドキドキ感を遊技者が感じ難くなるのを抑制することができる。また、保留アイコンがアイコン昇格してその表示態様が変化する場合には、アイコン昇格の際に演出役物7が第2動作パターン又は第3動作パターンで動作する場合がある(例えば図5(I)〜(K)、図8(A−2)、図8(B−2)及び(B−3)参照)。このように、保留アイコンの表示態様が変化する場合には、保留アイコンがアイコン昇格しない場合とは少なくとも一部の動作が異なる動作パターンで演出役物7が動作する。このため、保留アイコンの表示態様が変化することを遊技者に効果的に示唆することができる。
また、本実施形態では、保留アイコンがアイコン昇格しない場合に、演出役物7が遊技者の期待感を煽る煽り動作を行う場合がある。このように、保留アイコンの表示態様が変化しないときに適切な頻度で演出役物7に煽り動作を行わせることにより、大当たりに対する期待感を抱き難い演出が続いているといった状況下においても、大当たりや保留アイコンの表示態様が変化することに対する期待感を遊技者に効果的に抱かせることができる。
また、本実施形態では、保留アイコンがアイコン昇格するときの演出役物7の動作は、第2動作パターンと第3動作パターンのどちらが選択されたとしても、同じ本動作である(図8(A−2)及び図8(B−3)参照)。このため、遊技者は、演出役物7の動作態様に基づいて、保留アイコンがアイコン昇格するか否かを容易に把握することができる。また、保留アイコンがアイコン昇格しない場合には演出役物7が煽り動作のみを行い、保留アイコンがアイコン昇格する場合には演出役物7が煽り動作を行ってから本動作を行うことがある。このように、保留アイコンがアイコン昇格しない場合とアイコン昇格する場合とで、演出役物7が一部で同じ動作を行うため、演出役物7に煽り動作を行わせることで、保留アイコンの表示態様が変化することに対する期待感を遊技者に効果的に抱かせることができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、演出役物7の動作中に新たな事前判定結果が得られた場合には、昇格フラグが「ON」に設定されることにより、演出役物7が実行中の動作が完了してから、新たな事前判定結果が得られたことに対する演出役物7の動作が実行される場合について説明したが、他の実施形態では、このような状況下においては、新たな事前判定結果が得られたことに対する演出役物7の動作を行わないようにしてもよい。
演出役物7が動作中である場合には演出役物7に新たな動作を行わせないようにする制御としては、具体的には、以下のような処理が挙げられる。例えば、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて所定の事前判定結果が得られた場合に、例えばサブCPU131が演出役物7の動作中であるか否かを判断し、動作中であると判断した場合には、所定の事前判定結果が得られたことに応じて演出役物7を動作させる処理の実行を指示するコマンドをランプ制御基板150に送信しないといった制御を行うことが考えられる。
また、他の例としては、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて所定の事前判定結果が得られた場合に、サブCPU131が演出役物7の動作を指示するコマンドをランプ制御基板150に送信し、これに対して、演出役物7が動作中である場合には、ランプ制御基板150がこのコマンドを受信したとしてもそのコマンドに応じた処理を行わないといった制御が考えられる。
また、更に別の例としては、演出役物7の動作中に第1始動口11に遊技球が入賞して所定の事前判定結果が得られた場合に、演出役物7の動作を指示する代わりに、特別アイコンの表示を示唆する所定の示唆画像を液晶表示装置5に表示させるといった制御を行うことが考えられる。
また、他の例としては、演出役物7の動作中に第1始動口11に遊技球が入賞して所定の事前判定結果が得られた場合には、先読み演出抽選を行わないようにするといった制御が考えられる。
また、上記実施形態では、保留アイコンの表示態様を変化させるアイコン昇格とほぼ同時に演出役物7を動作させる場合について説明したが、他の実施形態では、例えばアイコン昇格が発生することを事前に示唆するために、アイコン昇格に先立って演出役物7を動作させるようにしてもよい。また、所定の事前判定結果が得られた場合に、アイコン昇格とは無関係に演出役物7を動作させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、演出役物7が動作中である場合には、所定の事前判定結果が得られたとしてもそれに応じた演出役物7の動作を、実行中の動作が完了した後に行う場合について説明したが、実行中の動作の種類によっては、例外的に、実行中の動作よりも新たな動作を優先させるようにしてもよい。具体的には、以下のような制御を行うことが考えられる。例えば、パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間が所定条件を満たした場合(例えばN時間(Nは自然数)が経過した場合)に、液晶表示装置5を用いて特別演出を行うと共に、それに同期して演出役物7を動作させるといったRTC演出を行うことが考えられる。このRTC演出は、遊技とは直接関係しないため、演出役物7の動作を途中で中止したとしても、遊技に支障を来たす可能性は低い。そこで、演出役物7がRTC演出に係る動作を行っているときに、所定の事前判定結果が得られて演出役物7を動作させることが必要となった場合には、演出役物7が実行中の動作を途中で中止して演出役物7を初期姿勢に戻し、必要となった新たな動作を演出役物7に実行させるようにしてもよい。
また、上記実施形態で説明した演出役物7の第1動作パターン、第2動作パターン、及び第3動作パターンは単なる一例であって、それぞれ、演出役物7が他の動作を行う動作パターンであってもよい。
また、他の実施形態では、特別図柄判定が保留されていることを、液晶表示装置5に代えて、例えばLED等の他の表示器を用いて表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上記実施形態で例示した画面図等も単なる一例であって、他の態様であってもよい。