以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1及び図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す平面図である。図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28に溜められた遊技球が不図示の発射装置へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って遊技領域10を落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
上皿28は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。この上皿28の下方には、賞球を溜める下皿29が設けられている。この下皿29と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。なお、上皿28及び下皿29は、1つの皿で構成されてもよい。
遊技者がハンドル20を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、3つの普通入賞口14、第1ゲート15、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、大入賞口13、1つの普通入賞口14、第2ゲート16、及び上記電動チューリップ17が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、及び普通入賞口14のいずれかに入球して入賞する。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動領域であり、第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動領域である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
また、本実施形態では、第2特別図柄判定を始動させる始動口として第2始動口12を備えている場合について説明するが、第2特別図柄判定を始動させる始動口として、普通電動役物が作動したか否かに関わらず遊技球が入賞可能な始動口を設けてもよい。このような構成としては、特定の領域を通過した遊技球が第1始動口11と第2始動口12とに交互に入賞するような構成が一例として挙げられる。また、第1始動口11と第2始動口12とのどちらにも遊技球が入賞可能であるもののいずれか一方の方が他方よりも入賞し易いような構成(例えば、遊技球を第1始動口11又は第2始動口12に振り分ける振分部材を第1始動口11の方が入賞し易くなるように動作させるといった構成)が他の例として挙げられる。
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。大当たり遊技中は、所定条件(本実施形態では、大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は大入賞口13が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで大入賞口13が開放状態に維持されてから閉塞される長開放ラウンド遊技が所定の時間間隔で所定回数実行される。
このように、大当たり遊技中には大入賞口13が長開放されるため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球が第1ゲート15又は第2ゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、第1ゲート15又は第2ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示装置5、スピーカ24、演出役物7、盤ランプ25等が設けられている。また、枠部材3には、図1には示されていない枠ランプ37(図15参照)が内蔵されている。
液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、液晶表示装置5の表示画面(以下「液晶画面」と呼ぶ。)は、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。この液晶画面には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留画像(保留アイコン)等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
スピーカ24は、液晶表示装置5で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
演出役物7は、液晶画面の前方且つ側方に配置されている。演出役物7には、発光素子(例えばLED)が内蔵されている。演出役物7は、役物自体の動きと光との両方或いは一方によって所定の演出を行う。演出役物7は、本実施形態では、刀を模した形状に構成されており、刀の柄の部分(下端部)を回動中心として、刀がほぼ直立したように見える初期姿勢(図1参照)と、刀が略水平となるように見える回動姿勢(例えば図9(A−1)参照)との間で回動可能に構成されている。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26及び十字キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。十字キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
[表示器4の構成例]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図3に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、ラウンド表示器48等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42には、判定図柄として、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。ラウンド表示器48は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されると、大当たり遊技中の大入賞口13の開放パターンを表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[各種乱数を用いた判定方法の説明]
次に、図4を参照しつつ、各種乱数を用いた判定方法について説明する。ここで、図4は、特別図柄判定に使用される各種乱数を例示した説明図である。なお、図4においては、説明の便宜上、各種乱数の取り得る範囲が実際よりも狭く表記されている。これは、後述する図5等についても同様である。
図4(A)に例示される大当たり乱数は、大当たり遊技を実行するか否かを決定するための大当たり判定に使用される乱数であり、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態と、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態とのそれぞれについて、個別に設定されている。
本実施形態では、低確率状態に関して、「0」のみの1個の当選値が予め設定されており、低確率状態で遊技が制御されているときに、遊技球が第1始動口11(又は第2始動口12)に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数がこの当選値と一致した場合に、大当たり遊技を実行すると判定される。
また、高確率状態に関して、「0」〜「2」の3個の当選値が予め設定されており、高確率状態で遊技が制御されているときに、遊技球が第1始動口11(又は第2始動口12)に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数がこれらの当選値のいずれかと一致した場合に、大当たり遊技を実行すると判定される。
ここで、大当たり乱数の取り得る範囲は、低確率状態と高確率状態とのいずれの場合も「0」〜「200」である。このため、低確率状態での大当たり当選確率は1/200であり、高確率状態での大当たり当選確率は3/200である。このため、本実施形態では、高確率状態のときには、低確率状態のときに比べて3倍大当たりとなり易い。
大当たり乱数に基づいて大当たりである(大当たり遊技を実行する)と判定された場合、始動口入賞時にその大当たり乱数と一緒に取得された図柄乱数が、大当たりの種類毎に予め設定された当選値のうちのどの当選値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する処理が行われる。
図4(B)に例示されるように、本実施形態では、第1始動口入賞による大当たりの種類として、15R確変当たり、及び4R確変当たりの2種類が用意されている。
第1始動口11に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数の取り得る範囲は、本実施形態では「0」〜「199」である。15R確変当たりに関して「0」〜「39」の40個の当選値が割り当てられているので、40/200(=20%)の割合で15R確変当たりとなる。また、4R確変当たりに関して「40」〜「199」の160個の当選値が割り当てられているので、160/200(=80%)の割合で4R確変当たりとなる。
一方、図4(C)に例示されるように、第2始動口入賞による大当たりの種類も、第1始動口入賞と同じ2種類であり、第2始動口12に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数の取り得る範囲も、「0」〜「199」である。15R確変当たりに関して「0」〜「99」の100個の当選値が割り当てられているので、100/200(=50%)の割合で15R確変当たりとなる。また、4R確変当たりに関して「100」〜「199」の100個の当選値が割り当てられているので、100/200(=50%)の割合で4R確変当たりとなる。
ここで、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、「通常遊技状態」、「確変遊技状態」、及び「潜伏遊技状態」の3つの遊技状態のいずれかで遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、大当たりであると判定される確率が相対的に低い低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、いわゆる電チューサポート機能が付与されない通常の遊技状態である。通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/200:図4(A)参照)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば25秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
「確変遊技状態」は、大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば3/200:図4(A)参照)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、特別遊技が終了した後に、特別図柄判定及び特別図柄の変動表示が70回行われるまで電サポ有りの確変状態が継続するいわゆるST機として構成されている。
なお、確変遊技状態は、通常遊技状態で遊技が制御されているときに比べて、特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンが選択され易い遊技状態である。すなわち、確変遊技状態は、いわゆる変動時間の時短機能が有効になる遊技状態である。
「潜伏遊技状態」は、確変遊技状態と同様に大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、通常遊技状態と同様に電チューサポート機能が付与されない遊技状態である。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、特別図柄判定の判定結果が「15R確変当たり」又は「4R確変当たり」であることを示す大当たり図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されると、15回(又は4回)の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技が行われた後に、確変遊技状態で遊技が制御される。この確変遊技状態は、確変遊技状態で遊技が制御されているときに「大当たり」であると判定されることがなければ、特別図柄判定及び図柄の変動表示が70回行われるまで継続する。
大当たり遊技が終了した後、特別図柄判定及び図柄の変動表示が70回行われても特別図柄判定の判定結果が「大当たり」とならなかった場合、特別図柄判定及び図柄の変動表示が4回行われるまで潜伏遊技状態で遊技が制御され、この4回の特別図柄判定の判定結果がいずれも「ハズレ」であった場合には、遊技状態が通常遊技状態に戻されることになる。
なお、確変遊技状態又は潜伏遊技状態で遊技が制御されているときに特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となった場合には、その「大当たり」に応じた大当たり遊技が終了した後に、再び確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
ところで、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、以下のようなリーチ乱数に関する判定処理が行われる。すなわち、始動口入賞時に取得した大当たり乱数に基づいてハズレである(大当たり遊技を実行しない)と判定された場合、始動口入賞時にその大当たり乱数や図柄乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が、リーチ演出の有無のそれぞれに対して予め設定された当選値のうちのどの当選値と一致するかに基づいて、特別図柄の変動表示中に液晶画面上で装飾図柄を用いたリーチ演出を行うか否かが決定される。
図4(D)に例示されるように、「リーチ有り」に関して、「0」〜「19」の20個の当選値が割り当てられている。このため、遊技球が第1始動口11(又は第2始動口12)に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数に基づいて大当たり遊技を実行しないと判定され、且つ、この大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が「0」〜「19」のいずれかと一致した場合に、特別図柄の変動表示中にリーチ演出を含む変動演出(リーチ有り演出)を実行すると決定される。
一方、同じく図4(D)に例示されるように、「リーチ無し」に関して「20」〜「199」の180個の当選値が割り当てられている。このため、遊技球が第1始動口11(又は第2始動口12)に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数に基づいて大当たり遊技を実行しないと判定され、且つ、この大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が「20」〜「199」のいずれかと一致した場合に、特別図柄の変動表示中にリーチ演出を含まない変動演出(リーチ無し演出)を実行すると決定される。
なお、リーチ乱数の取り得る範囲は、本実施形態では「0」〜「199」であり、「リーチ有り」に関して「0」〜「19」の20個の当選値が割り当てられているので、20/200(=10%)の割合でリーチ演出を含む変動演出が行われることになる。また、「リーチ無し」に関して「20」〜「199」の180個の当選値が割り当てられているので、180/200(=90%)の割合でリーチ演出を含まない変動演出が行われることになる。
ここで、「リーチ有り」と「リーチ無し」は、液晶画面上で行われる装飾図柄を用いた変動演出の態様を示すものである。特別図柄の変動表示中には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が液晶画面上に3列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されると同時に、これらの図柄が例えば上から下へスクロールを開始する。そして、リーチ有りの場合には、有効ライン上に同一の装飾図柄が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に抱かせるリーチ演出を含む変動演出が行われ、逆に、リーチ無しの場合には、このようなリーチ演出を含まない変動演出が行われる。
[特別図柄の変動パターンの説明]
次に、図5を参照しつつ、特別図柄の変動パターンについて説明する。ここで、図5は、変動パターンの選択に使用される変動パターンテーブルについて説明するための説明図である。
第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞すると、上述した大当たり乱数、図柄乱数、及びリーチ乱数と共に、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理に使用される変動パターン乱数が取得される。次に、大当たり乱数に基づいて大当たりであると判定された場合には図柄乱数に基づいて大当たりの種類が決定される一方で、ハズレであると判定された場合にはリーチ乱数に基づいてリーチ演出の有無が決定される。そして、これらの処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数と一緒に取得された変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動パターンが選択される。
ここで、大当たり乱数に基づいて大当たりであると判定された場合、大当たり用変動パターンテーブル(図5(A)参照)を参照して特別図柄の変動パターンが選択される。
図5(A)に例示されるように、大当たり用変動パターンテーブルでは、変動パターン乱数と特別図柄の変動パターンとが対応付けられている。変動パターン乱数の取り得る範囲は、本実施形態では「0」〜「99」である。図4(A)に例示される当選値と一致する大当たり乱数と共に始動口入賞時に取得された変動パターン乱数が「0」〜「1」のいずれかと一致する場合には特別図柄の変動時間が30秒である第1変動パターンが選択され、「2」〜「9」のいずれかと一致する場合には変動時間が45秒である第2変動パターンが選択され、「10」〜「24」のいずれかと一致する場合には変動時間が60秒である第3変動パターンが選択される。また、「25」〜「44」のいずれかと一致する場合には変動時間が70秒である第4変動パターンが選択され、「45」〜「74」のいずれかと一致する場合には変動時間が90秒である第5変動パターンが選択され、「75」〜「99」のいずれかと一致する場合には変動時間が120秒である第6変動パターンが選択される。
このように、第1変動パターンから第6変動パターンのそれぞれに乱数値が対応付けられているため、本実施形態では、大当たりの場合において、第1変動パターンが2/100(=2%)の割合で選択され、第2変動パターンが8/100(=8%)の割合で選択され、第3変動パターンが15/100(=15%)の割合で選択され、第4変動パターンが20/100(=20%)の割合で選択され、第5変動パターンが30/100(=30%)の割合で選択され、第6変動パターンが25/100(=25%)の割合で選択される。
一方、始動口入賞時に取得された大当たり乱数に基づいてハズレであると判定され、且つこの大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数に基づいて「リーチ有り」が選択された場合、リーチ用変動パターンテーブル(図5(B)参照)を参照して特別図柄の変動パターンが選択される。
図5(B)に例示されるように、リーチ用変動パターンテーブルでは、変動パターン乱数と特別図柄の変動パターンとが対応付けられている。変動パターン乱数の取り得る範囲は、本実施形態では「0」〜「99」である。始動口入賞時に取得された大当たり乱数が当選値と一致せず、この大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数に基づいて「リーチ有り」が選択された場合、これらの乱数と一緒に取得された変動パターン乱数が「0」〜「34」のいずれかと一致する場合には特別図柄の変動時間が30秒である第7変動パターンが選択され、「35」〜「59」のいずれかと一致する場合には変動時間が45秒である第8変動パターンが選択される。また、「60」〜「79」のいずれかと一致する場合には変動時間が60秒である第9変動パターンが選択され、「80」〜「89」のいずれかと一致する場合には変動時間が70秒である第10変動パターンが選択され、「90」〜「96」のいずれかと一致する場合には変動時間が90秒である第11変動パターンが選択され、「97」〜「99」のいずれかと一致する場合には変動時間が120秒である第12変動パターンが選択される。
本実施形態では、上記のように第7変動パターンから第12変動パターンのそれぞれに乱数値が対応付けられているため、ハズレリーチ有りの場合において、第7変動パターンが35/100(=35%)の割合で選択され、第8変動パターンが25/100(=25%)の割合で選択され、第9変動パターンが20/100(=20%)の割合で選択され、第10変動パターンが10/100(=10%)の割合で選択され、第11変動パターンが7/100(=7%)の割合で選択され、第12変動パターンが3/100(=3%)の割合で選択される。
このように、本実施形態では、大当たりと判定される場合、及びハズレと判定されたもののリーチ演出が行われる場合には、図5(A),(B)に例示される変動パターンテーブルを参照して、始動口入賞時に取得された各種乱数を用いた特別図柄判定が行われる、いわゆる当該変動開始時における特別図柄判定の保留数とは無関係に変動パターンが選択される。このため、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルを参照して変動パターンが選択されることになる場合には、当該変動開始前に、当該変動開始時に選択される変動パターン並びにその変動パターンに対応する変動時間を特定することが可能である。
また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、大当たりの場合には変動時間が相対的に長い変動パターンが選択され易く(図5(A)参照)、ハズレであるもののリーチ演出が行われる場合には変動時間が相対的に短い変動パターンが選択され易い(図5(B)参照)。このため、遊技者は、特別図柄の変動時間(=装飾図柄の変動時間)が長くなればなるほど、大当たりに対してより大きな期待感を抱くことが可能である。
なお、他の実施形態では、大当たり用変動パターンテーブルとリーチ用変動パターンテーブルとを、変動パターン乱数と特別図柄の変動パターンとに加えて、変動開始時の特別図柄判定の保留数が更に対応付けられた変動パターンテーブルを用いてもよい。ただし、この場合、始動口入賞時に行われる事前判定処理によって特定される変動パターンと、その始動口入賞に対応する図柄変動開始時に行われる特別図柄判定によって特定される変動パターンとが相違しないような構成としておくことが好ましい。これは、特別図柄の変動パターンを正確に事前判定できなくなるのを防止するためである。
一方、始動口入賞時に取得された大当たり乱数に基づいてハズレであると判定され、且つこの大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数に基づいて「リーチ無し」が選択された場合、ハズレ用変動パターンテーブル(図5(C)参照)を参照して特別図柄の変動パターンが選択される。
図5(C)に例示されるように、ハズレ用変動パターンテーブルでは、時短(電チューサポート)の有無と、当該変動開始時における特別図柄判定の保留数と、特別図柄の変動パターンとが対応付けられている。
非時短状態(本実施形態では通常遊技状態又は潜伏遊技状態)において、大当たりではないと判定されると共にリーチ演出を行わないと決定された場合、電チューサポート機能が付与されないため、遊技者は、左打ちにより第1始動口11を狙って遊技球を打ち出すことになる。これに対して、始動口入賞時に取得した各種乱数に基づいて特別図柄判定を行って特別図柄の変動表示を開始させるに際して、特別図柄判定(基本的には第1特別図柄判定)の保留数が「0」〜「2」のいずれかである場合には特別図柄の変動時間が13秒である第13変動パターンが選択され、保留数が「3」である場合には変動時間が8秒である第14変動パターンが選択され、保留数が「4」である場合には変動時間が4秒である第15変動パターンが選択される。
一方、時短状態(本実施形態では確変遊技状態)において、大当たりではないと判定されると共にリーチ演出を行わないと決定された場合、電チューサポート機能が付与されるため、遊技者は、右打ちにより第2始動口12を狙って遊技球を打ち出すことになる。これに対して、始動口入賞時に取得した各種乱数に基づいて特別図柄判定を行って特別図柄の変動表示を開始させるに際して、特別図柄判定(基本的には第2特別図柄判定)の保留数が「0」〜「2」のいずれかである場合には特別図柄の変動時間が6秒である第16変動パターンが選択され、保留数が「3」である場合には変動時間が4秒である第17変動パターンが選択され、保留数が「4」である場合には変動時間が2秒である第18変動パターンが選択される。
このように、大当たりではないと判定されると共にリーチ演出を行わないと判定された場合には、始動口入賞時に選択される特別図柄の変動パターンが、保留消化時(当該変動開始時)における特別図柄判定の保留数に依存する。そして、時短状態のときには、非時短状態のときに比べて、特別図柄判定の保留数が同じであったとしても、特別図柄の変動時間がより短い変動パターンが選択される。
なお、本実施形態では、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて各種乱数を取得した場合と、第2始動口12への遊技球の入賞に応じて各種乱数を取得した場合とで、同じ変動パターンテーブルを使用する場合について説明したが、他の実施形態では、始動口によって、使用する変動パターンテーブルを異ならせるようにしてもよい。
[変動演出について]
パチンコ遊技機1では、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞すると、大当たり遊技を実行するか否かを判定する特別図柄判定が行われる。そして、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において、特別図柄が変動表示された後に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示される。これに対して、液晶表示装置5(液晶画面)では、特別図柄が変動表示されるのに伴って装飾図柄を変動表示させる変動演出が行われ(図1参照)、特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されるのに伴って、装飾図柄が特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示される。
このような変動演出中には、いわゆるリーチ演出が行われる場合がある。具体的には、液晶画面には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる装飾図柄が3列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されると、これらの装飾図柄が例えば上から下へとスクロールするように変動表示される。これに対して、リーチ演出が行われる場合には、全ての装飾図柄が停止表示されるのに先立って、まず、例えば左列と右列の装飾図柄が完全には停止しないように擬似停止する。その際、左図柄及び右図柄として有効ライン上に同一の装飾図柄が擬似停止すればリーチ成立となり、同一の装飾図柄が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与えるリーチ演出が行われる。そして、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において大当たり図柄が停止表示されると、同一の装飾図柄が有効ライン上に本停止して大当たりが報知されることになる。なお、変動演出中に左図柄及び右図柄として相異なる装飾図柄が擬似停止された場合には、リーチ演出は行われず、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)においてハズレ図柄が停止表示されるのに伴い、ゾロ目とはならない3つの装飾図柄が本停止して変動演出が終了することになる。
[表示領域及び保留アイコンについて]
ところで、上記のように図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中であるときには、第1始動口11(又は第2始動口12)に新たに遊技球が入賞したとしても、この入賞を契機とする第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)と図柄の変動表示とを即座に実行することはできない。このため、パチンコ遊技機1では、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞しても第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)や図柄の変動表示を即座に実行できない場合には、所定数(本実施形態では「4」)を超えない範囲で第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)が保留されて、その保留数が第1特別図柄保留表示器43(又は第2特別図柄保留表示器44)に表示される。
一方の液晶画面には、特別図柄判定及び図柄の変動表示が保留されていることを示唆する保留画像としての保留アイコンが表示される表示領域として、第1保留アイコン表示領域51及び第2保留アイコン表示領域52が設けられている(図1参照)。
第1保留アイコン表示領域51は、第1特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンを表示する領域である。この第1保留アイコン表示領域51には、第1特別図柄保留表示器43(図3参照)が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。
第2保留アイコン表示領域52は、第2特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンを表示する領域である。この第2保留アイコン表示領域52には、第2特別図柄保留表示器44(図3参照)が示す第2特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。
図1には、第1特別図柄判定の保留数が「3」であることを示唆するために第1保留アイコン表示領域51に3個の保留アイコンが表示されると共に、第2特別図柄判定の保留数が「2」であることを示唆するために第2保留アイコン表示領域52に2個の保留アイコンが表示された状態が例示されている。
なお、液晶画面には、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像を表示する表示領域として、当該領域53が設けられている(図1参照)。
パチンコ遊技機1では、保留されている第1特別図柄判定の権利を消化すべく図柄の変動表示が開始されるに際して、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンの中で最初に表示された保留アイコン(当該領域53に最も近い保留アイコン)が第1保留アイコン表示領域51から当該領域53に移動される。そして、第1保留表示領域51に他の保留アイコンが表示されている場合には、他の保留アイコンは、第1保留アイコン表示領域51内において、当該領域53側に表示位置がシフトされる。例えば図1に例示されるように第1保留アイコン表示領域51に3個の保留アイコンが表示された状態で第1特別図柄判定が消化される場合には、これらの保留アイコンのうちの一番右側に位置する保留アイコンが第1保留アイコン表示領域51から当該領域53に移動されると共に、残り2つの保留アイコンが第1保留アイコン表示領域51内において表示位置が右側にシフトされる。その結果、第1保留アイコン表示領域51に表示される保留アイコンの数が2つとなり、保留されている第1特別図柄判定の権利が2つになったことが遊技者に報知されることになる。
なお、このようなシフト処理は、第2保留アイコン表示領域52に表示されている保留アイコンについても同様に行われる。また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定とが両方保留されている場合、第1特別図柄判定よりも第2特別図柄判定の方が優先消化される。このため、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンに対するシフト処理よりも第2保留アイコン表示領域52に表示されている保留アイコンに対するシフト処理が優先して行われる。すなわち、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンに対するシフト処理は、第2保留アイコン表示領域52に表示されている保留アイコンがなくなってから行われる。
このように、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞したことに応じて取得された大当たり乱数などの取得情報に基づく特別図柄判定が行われる前は、その取得情報に対応する保留アイコン(保留画像)が第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示される。そして、この第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示されている保留アイコンに対応する取得情報に基づいて特別図柄判定及び特別図柄の変動表示が行われるに際して、保留アイコンが当該領域53に移動されて、特別図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像として当該領域53に表示される。
なお、第1保留アイコン表示領域51には、例えば、通常アイコンや特別アイコンが表示される。ここで、通常アイコンは、大当たりに対する信頼度を何ら示唆しないデフォルトの保留アイコンであって、例えば白色の保留アイコンである。特別アイコンは、大当たりに対する信頼度を示唆する保留アイコンであって、白色以外の色で表示される保留アイコンがこれに該当する。特別アイコンは、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示唆する保留アイコンから大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆する保留アイコンへと順に並べた場合、例えば、青色の保留アイコン、黄色の保留アイコン、緑色の保留アイコン、赤色の保留アイコン、虹色の保留アイコンなどが例として挙げられる。
なお、通常アイコンは、その保留アイコンに対応する特別図柄判定が消化されるまで、すなわち、通常アイコンが当該領域53に移動してから当該領域53から消去されるまで、その表示態様が変化しない場合がある。また、保留アイコンが例えば第1保留アイコン表示領域51に表示される場合に、始めから特別アイコンとして表示される場合がある。また、例えば第1保留アイコン表示領域51に表示された通常アイコンが第1保留アイコン表示領域51又は当該領域53において特別アイコンに変化する場合や、例えば第1保留アイコン表示領域51に表示されている特別アイコンが第1保留アイコン表示領域51又は当該領域53においてより上位の特別アイコンに変化する場合もある。このように、通常アイコン(又は特別アイコン)が特別アイコン(又はより上位の特別アイコン)に変化することを、以下の説明では、「保留変化」と呼ぶものとする。
[演出役物7の姿勢変化について]
以下、図6を参照しつつ、演出役物7の姿勢変化について説明する。ここで、図6は、演出役物7の動作について説明するための説明図である。演出役物7は、通常は、図6(A)に例示される初期姿勢に維持されている。これに対して、遊技球が第1始動口11に入賞して第1保留アイコン表示領域51に通常アイコン(又は特別アイコン)が新たに表示される際に、初期姿勢から中間姿勢(図6(B)参照)を介して回動姿勢(図6(C)参照)へと姿勢変化する場合がある。このように、演出役物7は、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンが表示される際に姿勢変化する場合があるので、特別アイコンが表示されることを効果的に示唆することができる。
上記のように回動姿勢に姿勢変化した演出役物7は、例えば、以下のような様々なタイミングで初期姿勢へと復帰する。具体的には、演出役物7が回動姿勢に変化してから所定時間が経過したタイミング、保留アイコンが保留変化する所定時間前(例えば1秒前)のタイミング、保留アイコンが当該領域53に表示されている間に行われる変動演出を構成する演出(例えばリーチ成立、弱リーチから強リーチへと発展することを示す発展演出、擬似連続予告演出などの予告演出など)が行われる所定時間前(例えば0.7秒前)のタイミング等である。このように、演出役物7が、保留変化のタイミングや、保留アイコンに対応する保留消化中における変動演出の一部の演出が行われるまで動作した状態(=初期姿勢にない状態)を維持するため、演出役物7が動作している間、遊技者は、保留変化の出現や大当たりに対して期待感を抱き易い演出の出現を期待しながら遊技を楽しむことができる。
また、本実施形態では、演出役物7は、大当たりに対する信頼度が相対的に低いときには動作時間(=初期姿勢から他の姿勢へと姿勢変化してから初期姿勢へと復帰するまでの時間)が相対的に短くなり易く、大当たりに対する信頼度が相対的に高いときには動作時間が相対的に長くなり易いようにその動作が制御される。このため、遊技者は、演出役物7の動作時間に基づいて、始動口入賞時に行われる事前判定処理の結果(=大当たりに対する信頼度)を容易且つ感覚的に把握することができる。
なお、本実施形態では、動作を開始した演出役物7が初期姿勢に復帰するまでの動作期間において、その演出役物7が復帰動作を開始するまでは回動姿勢を維持する場合について説明するが、他の実施形態では、上記の動作期間において、演出役物7を回動姿勢と所定姿勢(例えば回動姿勢と中間姿勢との間の姿勢)との間で揺動させ続けるようにしてもよい。
[当該変動開始前に演出役物7が初期姿勢に復帰するパターンの演出の流れ]
次に、図7を参照しつつ、第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンが新たに表示された際に回動姿勢に姿勢変化した演出役物7が、その保留アイコンが当該領域53に移動して当該変動が開始される前に初期姿勢に復帰するパターンの演出の流れについて説明する。ここで、図7は、演出役物7の姿勢変化の流れについて説明するための第1の説明図である。
第1特別図柄判定の保留数が上限(本実施形態では「4」つ)に達していない状態で第1始動口11に遊技球が入賞すると、後述する遊技制御基板100(図15参照)によって特別図柄判定に必要な各種乱数(取得情報)が取得される。そして、各種乱数が取得された際に大当たり遊技中ではなく、且つ特別図柄の変動表示中でもない場合には、取得された各種乱数に基づく特別図柄判定や特別図柄の変動表示が直ちに開始される。
一方、大当たり遊技中又は特別図柄の変動表示中に第1始動口11に遊技球が入賞した場合には、この始動口入賞を条件として取得された各種乱数がメインRAM103の所定領域(図17(A)に例示される保留記憶領域1031〜1034のいずれか)に記憶されて、特別図柄判定や特別図柄の変動表示が保留されることになる。
そして、このようにして特別図柄判定及び特別図柄の変動表示が保留される場合には、メインRAM103の所定領域に記憶された各種乱数に基づく大当たり判定処理(図23参照)や変動パターン選択処理(図24参照)と同様の処理を、特別図柄の変動表示の開始時ではなく、各種乱数がメインRAM103の所定領域に記憶された時点で行う事前判定処理が実行される。この事前判定処理については、図21に基づいて後に詳述する。
遊技球が第1始動口11に入賞したことに応じて事前判定処理が行われると、その事前判定結果に基づいて、保留アイコンとして通常アイコンを表示するか又は特別アイコンを表示するかが決定され、特別アイコンを表示すると決定された場合にはその種類(保留アイコンの色)が併せて決定される。なお、特別アイコンは、例えば大当たりの可能性がある或いはその可能性が相対的に高いことを示す所定の事前判定結果が得られた場合に表示され易く、逆に、大当たりの可能性が相対的に低いことを示す事前判定結果が得られた場合には表示され難い(特別アイコンではなく通常アイコンが表示されることになる)という傾向がある。このようにして、第1保留アイコン表示領域51に新たに表示すべき保留アイコンの表示態様が決定されると、この保留アイコンを表示する際に、演出役物7を動作させるか否かが決定される。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定の保留数が上限に達していない状態で第1始動口11に遊技球が入賞すると、以下の3種類の演出のいずれかが行われる。
1種類目の演出は、図には示されていないが、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコン又は特別アイコンを新たに表示する演出である。2種類目の演出は、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコンを新たに表示すると共に演出役物7を初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化させる演出である(図7(A)参照)。3種類目の演出は、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンを新たに表示すると共に演出役物7を初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化させる演出である(図7(B)参照)。このように、2種類目の演出と3種類目の演出では、第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンが新たに表示される際に演出役物7が動作を開始する。
ところで、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンを表示することによって、大当たりに対する期待感を遊技者に効果的に抱かせることが可能である。しかしながら、液晶画面では、装飾図柄を変動表示させる演出、アイテムやキャラクタを用いた各種の予告演出等が行われるため、特別アイコンが表示されたことに遊技者が直ぐには気付かず、その結果、意図した効果を得られない可能性がある。
これに対して、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、特別アイコンが表示される際に演出役物7が動作する場合があるため(図7(B)参照)、特別アイコンが表示されることを遊技者が容易に認識することができ、その結果、大当たりに対する期待感を遊技者に効果的に抱かせることができる。
また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、通常アイコンが表示される際にも演出役物7が動作する場合があり(図7(A)参照)、後に詳述するが、通常アイコンが当該領域53に移動した後も演出役物7が動作状態を維持している場合には、その演出役物7が初期姿勢に復帰する復帰動作を開始した直後に、何らかの演出が行われることがある。このため、遊技者は、通常アイコンが保留変化することや、その通常アイコンが当該領域53に移動してから大当たりに期待が持てる何らかの演出が行われることを期待しながら遊技を楽しむことができる。
第1保留アイコン表示領域51に保留アイコン(通常アイコン又は特別アイコン)が新たに表示される際に回動姿勢へと姿勢変化した演出役物7が、その保留アイコンが当該領域53に移動する前に初期姿勢へと復帰する演出パターンとしては、本実施形態では、以下の2パターンがある。
1つ目の演出パターンは、第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンが新たに表示されると共に演出役物7が回動姿勢に姿勢変化してから所定時間が経過したタイミングで、保留アイコンの保留変化を伴わずに演出役物7が初期姿勢に復帰するパターンである(図7(C)参照)。この1つ目の演出パターンの演出は、演出役物7が初期姿勢に復帰する際に保留変化や他の演出が連動しない、いわゆるガセ演出であり、大当たりとなる可能性が相対的に低いことを示す事前判定結果が得られた場合に行われ易い。
2つ目の演出パターンは、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコン(通常アイコン又は特別アイコン)が保留変化するタイミングで、演出役物7が初期姿勢に復帰するパターンである(図7(D)参照)。なお、この2つ目の演出パターンの場合、保留変化の際に演出役物7が初期姿勢に復帰しないことがある。具体的には、例えば、第1保留アイコン表示領域51に表示されている通常アイコンが黄色の特別アイコンに保留変化し、その後、緑色の特別アイコンに保留変化するような場合には、通常アイコンが黄色の特別アイコンに保留変化する際には演出役物7が初期姿勢に復帰せず(回動姿勢を維持し)、黄色の特別アイコンが緑色の特別アイコンに保留変化する際に演出役物7が初期姿勢に復帰することがある。このような2つ目の演出パターンの演出は、主に、大当たりとなる可能性が中程度であることを示す事前判定結果が得られた場合に行われ易い。
[当該変動開始後に演出役物7が初期姿勢に復帰するパターンの演出の流れ]
次に、図8を参照しつつ、第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンが新たに表示された際に回動姿勢に姿勢変化した演出役物7が、その保留アイコンが当該領域53に移動して当該変動が開始された後に初期姿勢に復帰するパターンの演出の流れについて説明する。ここで、図8は、演出役物7の姿勢変化の流れについて説明するための第2の説明図である。
図7(A)及び(B)に基づいて上述したように、第1保留アイコン表示領域51に保留アイコン(通常アイコン又は特別アイコン)が新たに表示される際に、演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化して動作を開始することがある(図8(A)及び(B)参照)。
そして、第1保留アイコン表示領域51に保留アイコン(通常アイコン又は特別アイコン)が新たに表示される際に回動姿勢へと姿勢変化した演出役物7が、その保留アイコンが当該領域53に移動してから初期姿勢へと復帰する演出パターンとしては、本実施形態では、以下の5パターンがある。
1つ目の演出パターンは、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンが当該領域53へと移動した後に、その保留アイコンが当該領域53において保留変化する直前のタイミングで演出役物7が回動姿勢から初期姿勢に復帰する復帰動作を開始するパターンである(図8(C)参照)。なお、この1つ目の演出パターンでは、例えば保留アイコンが当該領域53において2回保留変化するような場合には、当該領域53における1回目の保留変化の際には演出役物7が初期姿勢に復帰せずに、当該領域53における2回目の保留変化の際に演出役物7が初期姿勢に復帰することがある。
2つ目の演出パターンは、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンが当該領域53に移動されたことを契機として開始された変動演出中に、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆する特殊演出モードの演出であるゾーン演出に突入することを示唆するゾーン突入示唆演出が行われる際に(例えばゾーン突入示唆演出が開始される直前のタイミングで)、演出役物7が回動姿勢から初期姿勢に復帰する復帰動作を開始するパターンである(図8(D)参照)。
このゾーン演出は、詳細な説明は省略するが、保留変化の演出よりも遊技者が大当たりに対する期待感をより抱き易いように構成されており、ゾーン演出が開始されると、例えば背景画像が通常とは異なる特殊なものに変化したり、液晶画面上で変動表示されている装飾図柄の表示態様が通常とは異なる特殊なものに変化したりする。上記のようにゾーン突入示唆演出に際して演出役物7を初期姿勢に復帰させることで、保留変化の演出が発生することを期待しながら遊技を行っている遊技者の大当たりに対する期待感を効果的且つ飛躍的に高めることができる。
なお、他の実施形態においては、ゾーン演出は、大当たりに対する信頼度が例えば中程度であることを示唆する第1ゾーン演出と、この第1ゾーン演出よりも大当たりに対する信頼度が高いことを示唆する第2ゾーン演出との2種類のゾーン演出から構成されていてもよい。このような場合、同一変動内において第1ゾーン演出から第2ゾーン演出へと演出ゾーンの格上げが行われるような場合に、このゾーン演出の格上げの際に演出役物7を初期姿勢に復帰させるようにしてもよい。
3つ目の演出パターンは、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンが当該領域53に移動されたことを契機として開始された変動演出中において、所定の予告演出が行われる際に(例えば所定の予告演出が開始される直前のタイミングで)、演出役物7が回動姿勢から初期姿勢に復帰する復帰動作を開始するパターンである(図8(E)参照)。ここで、所定の予告演出としては、擬似連続予告演出、ステップアップ予告演出、群予告演出等が挙げられる。
擬似連続予告演出は、特別図柄の1回の変動表示中に、装飾図柄が複数回変動表示するように見せ掛ける演出であり、リーチ成立前、或いは、リーチ成立後に行われる。この擬似連続予告演出が行われる場合、例えば、装飾図柄が有効ライン上に左図柄、右図柄、中図柄の順に擬似停止する際に、中図柄として特殊図柄(擬似連図柄)が擬似停止し、これら3つの装飾図柄が再始動して擬似2連目の変動演出に突入することになるので、例えば上記の特殊図柄が擬似停止する際に(特殊図柄が擬似停止する直前のタイミングで)、演出役物7が回動姿勢から初期姿勢への復帰動作を開始することになる。なお、ここでの擬似停止とは、有効ライン上に表示された装飾図柄を完全には静止させずに微動させ続けることを言う。
ステップアップ予告演出は、予め設定された所定ステップ数(本実施形態では「5」)を上限として所定ステップ数以下のいずれかのステップ数まで段階的に発展可能な演出である。このステップアップ予告演出を伴う変動演出が行われる場合であって、大当たりに対する信頼度が相対的に高い場合、上記の所定ステップ数(上限ステップ数)まで演出が発展し易いので、例えば、ステップアップ予告演出が開始されるタイミングや、或いは、上限ステップ数−1のステップの演出から上限ステップ数の最終段階の演出へと発展するタイミングで、演出役物7が回動姿勢から初期姿勢への復帰動作を開始することになる。
群予告演出は、例えば、多数のキャラクタ(或いはアイテム)が画面上を横切って行くように見せる演出表示である。この群予告演出に関しては、群予告演出が開始される直前に、演出役物7が回動姿勢から初期姿勢への復帰動作を開始することになる。
なお、演出役物7の復帰動作にリンクする予告演出はここで説明したものに限定されるものではなく、他の予告演出であってもよいことは言うまでもない。
4つ目の演出パターンは、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンが当該領域53に移動されたことを契機として開始された変動演出中において、リーチ成立の際に(例えばリーチ成立の直前のタイミングで)、演出役物7が回動姿勢から初期姿勢への復帰動作を開始するパターンである(図8(F)参照)。具体的には、左図柄及び右図柄として有効ライン上に同一の装飾図柄が擬似停止してリーチが成立する前に、このリーチ成立に対する遊技者の期待感を煽る煽り演出が行われるので、この煽り演出中に、演出役物7が初期姿勢に復帰する。
5つ目の演出パターンは、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンが当該領域53に移動されたことを契機として開始された変動演出中に行われるリーチ演出がより上位のリーチ演出へと発展するような場合に、そのリーチ演出の発展に際して(例えばリーチ演出が発展する直前のタイミングで)、演出役物7が回動姿勢から初期姿勢への復帰動作を開始するパターンである(図8(G)参照)。具体的には、例えば、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示唆するリーチ演出であるノーマルリーチ演出と、大当たりに対する信頼度が中程度であることを示唆するリーチ演出であるSPリーチ演出と、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆するリーチ演出であるSPSPリーチ演出との3種類のリーチ演出があるような場合、ノーマルリーチ演出がハズレたと見せ掛けてSPリーチ演出に発展する際や、同じくノーマルリーチ演出がハズレたと見せ掛けてSPSPリーチ演出に発展する際に、演出役物7が初期姿勢に復帰するパターンである。
なお、他の実施形態では、演出役物7を初期姿勢に復帰させた直後に他の演出役物(不図示)を動作させたり、或いは、演出役物7を初期姿勢に復帰させた直後にこの演出役物7を動作させたりしてもよい。すなわち、演出役物7の初期姿勢への復帰によって示唆する内容は本実施形態で例示するものに限定されるものではなく、例えば、演出役物7の動作開始や他の演出役物の動作開始などであってもよい。
ここまでの説明から明らかなように、大当たりの可能性が相対的に低いことを示す事前判定結果が得られた場合には、その事前判定結果に対応する保留アイコンが通常アイコンとして表示され、その表示態様を変化させる表示制御が行われないことがある(例えば図7(C)、及び図9(A−1)〜(A−3)参照)。このように、保留変化の演出が行われない場合には、通常アイコンの表示が開始されてから所定時間が経過したタイミングで、演出役物7を初期姿勢に戻す動作制御が行われることがある(例えば図7(C)、及び図9(A−4)参照)。
一方、大当たりの可能性があるか或いはその可能性が相対的に高いことを示す事前判定結果が得られた場合には、その事前判定結果に対応する保留アイコンが通常アイコンとして表示されてその通常アイコンが特別アイコンに保留変化したり、事前判定情報に対応する保留アイコンが特別アイコンとして表示されてその特別アイコンがより上位の特別アイコンに保留変化したりする表示制御が行われることがある(図7(D)、及び図8(C)参照)。
これに対して、保留アイコンが通常アイコン又は所定色の特別アイコンとして表示され続けている場合には、保留アイコンの保留変化や他の演出が発生する可能性があることを示唆するために、演出役物7が初期姿勢とは異なる姿勢(本実施形態では回動姿勢)にある状態を継続させる動作制御が行われることがある(例えば図10(A)〜(D)参照)。そして、表示中の保留アイコン(通常アイコン又は特別アイコン)の表示態様が変化する保留変化や他の演出が発生する場合には、その保留変化の発生(又は他の演出)を効果的に示唆するために、演出役物7を初期姿勢に戻す動作制御が行われることがある(例えば図8(C)、及び図10(E)参照)。
ここまで、当該変動開始前に演出役物7が初期姿勢に復帰するパターンと、当該変動開始後に演出役物7が初期姿勢に復帰するパターンとについて説明したが、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、大当たりに対する信頼度が相対的に低い場合(特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定される場合)には、後者のパターンよりも前者のパターンの方が選択され易く、逆に、大当たりに対する信頼度が相対的に高い場合(特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定される場合)には、前者のパターンよりも後者のパターンの方が選択され易くなるように構成されている。
[演出役物7を併用する演出の具体例]
以下、図9〜図14を参照しつつ、図7及び図8に基づいて上述した演出役物7を併用する演出の具体例について説明する。ここで、図9〜図14は、演出役物7を併用する演出の具体例を示す説明図である。
[ガセパターン]
図7(A)及び(C)に基づいて上述したように、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコンが新たに表示されると共に演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化し、所定時間が経過した後に、その演出役物7が保留変化などの演出の出現を示唆することなく初期姿勢に復帰するまでの演出の具体的な態様は、例えば以下の通りである。
すなわち、液晶画面において、例えば第1保留アイコン表示領域51に1つの保留アイコンが表示された状態で装飾図柄が変動表示されているときに第1始動口11に遊技球が入賞すると、この入賞の際に取得された各種乱数に基づいて事前判定処理が実行され、先読み対象保留として、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコン(図中の白保留)が新たに表示される(図9(A−1)参照)。ここで、事前判定結果に基づいて、演出役物7を動作させると決定されている場合、この通常アイコンの表示開始に伴い、演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化して、演出役物7の動作が開始される(図9(A−1)、及び図7(A)参照)。そして、液晶画面上において、演出役物7の動作時間のカウントアップが開始される(図9(A−1)〜(A−2)参照)。
次に、3つの装飾図柄が停止表示して特別図柄判定の判定結果がハズレであることが報知されると(図9(A−2)参照)、通常アイコンが新たに表示される前から第1保留アイコン表示領域51に表示されていた保留アイコンに対応する保留消化が開始される。具体的には、当該領域53に表示されている保留アイコンが消去されると共に、第1保留アイコン表示領域51に表示されている2つの保留アイコンに対するシフト処理が行われて、次の変動演出が開始される(図9(A−2)及び(A−3)参照)。すなわち、第1保留アイコン表示領域51に表示されている2つの保留アイコンのうち、1つ目の保留アイコン(右側の保留アイコン)が当該領域53に移動すると共に、2つ目の保留アイコン(左側の保留アイコン(白保留))が第1保留アイコン表示領域51において右側にシフトする。これに伴い、液晶画面における上部領域では、装飾図柄の変動表示が開始される(図9(A−3)参照)。
そして、この図柄の変動表示中において、演出役物7の動作開始から所定時間が経過したタイミングとなり、保留変化の演出や他の演出の発生を示唆することなく、演出役物7が回動姿勢から初期姿勢に復帰する(図9(A−4)、及び図7(C)参照)。
なお、液晶画面の上部領域には、演出役物7が動作を開始してからその動作を終了するまでの動作時間が、演出役物7が初期姿勢に復帰してから所定時間(例えば5秒)が経過するまで表示される。図9(A−1)〜(A−4)に示される例では、演出役物7が動作を開始するとその動作時間のカウントが開始され(図9(A−1)参照)、演出役物7が初期姿勢に戻るとそのカウントが12秒で終了される(図9(A−4)参照)。図9(A−4)に示されるように、ここでは、演出役物7の動作時間が12秒までカウントされており、遊技者は、この動作時間に基づいて、先読み対象保留(図中の白保留)の大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを容易に認識することができる。
[通常アイコンが当該変動開始前に保留変化するパターン]
図7(A)及び(D)に基づいて上述したように、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコンが新たに表示されると共に演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化し、当該変動開始前に、その通常アイコンが保留変化すると共に演出役物7が初期姿勢に復帰する演出の具体的な態様は、例えば以下の通りである。
すなわち、液晶画面において、例えば第1保留アイコン表示領域51に1つの保留アイコンが表示された状態で装飾図柄が変動表示されているときに第1始動口11に遊技球が入賞すると、この入賞の際に取得された各種乱数に基づいて事前判定処理が実行され、先読み対象保留として、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコン(図中の白保留)が新たに表示される(図9(B−1)参照)。ここで、事前判定結果に基づいて、演出役物7を動作させると決定されている場合、この通常アイコンの表示開始に伴い、演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化して、演出役物7の動作が開始される(図9(B−1)、及び図7(A)参照)。また、演出役物7の動作時間のカウントも、併せて開始される(図9(B−1)参照)。
次に、3つの装飾図柄が停止表示して特別図柄判定の判定結果がハズレであることが報知されると(図9(B−2)参照)、通常アイコンが新たに表示される前から第1保留アイコン表示領域51に表示されていた保留アイコンに対応する保留消化が開始される。具体的には、当該領域53に表示されている保留アイコンが消去されると共に、第1保留アイコン表示領域51に表示されている2つの保留アイコンに対するシフト処理が行われて、次の変動演出が開始される(図9(B−2)及び(B−3)参照)。すなわち、第1保留アイコン表示領域51に表示されている2つの保留アイコンのうち、1つ目の保留アイコン(右側の保留アイコン)が当該領域53に移動すると共に、2つ目の保留アイコン(左側の保留アイコン(白保留))が第1保留アイコン表示領域51において右側にシフトする。これに伴い、液晶画面における上部領域では、装飾図柄の変動表示が開始される(図9(B−3)参照)。
そして、この図柄の変動表示中において、演出役物7が回動姿勢と回動姿勢よりも若干中間姿勢側の姿勢との間で複数回(例えば3回)揺動してから初期姿勢に復帰する復帰動作を行い(図9(B−4)、及び図7(D)参照)、例えばこの復帰動作の途中で、第1保留アイコン表示領域51に表示されている通常アイコン(白保留)が特別アイコン(黄色保留)へと保留変化する(図9(B−3)及び(B−4)参照)。
なお、図9(B−1)〜(B−4)に示される例では、演出役物7の動作時間が最終的に20秒までカウントされており、遊技者は、この動作時間に基づいて、先読み対象保留(白色から黄色に変化した保留)の大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを容易に認識することができる。
[特別アイコンが当該変動開始前に保留変化するパターン]
図7(B)及び(D)に基づいて上述したように、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンが新たに表示されると共に演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化し、当該変動開始前に、その特別アイコンがより上位の特別アイコンへと保留変化すると共に演出役物7が初期姿勢に復帰する演出の具体的な態様は、例えば以下の通りである。
すなわち、液晶画面において、例えば第1保留アイコン表示領域51に2つの保留アイコンが表示された状態で装飾図柄が変動表示されているときに第1始動口11に遊技球が入賞すると、この入賞の際に取得された各種乱数に基づいて事前判定処理が実行され、先読み対象保留として、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコン(図中の青保留)が新たに表示される(図9(C−1)参照)。ここで、事前判定結果に基づいて、演出役物7を動作させると決定されている場合、この特別アイコンの表示開始に伴い、演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化して、演出役物7の動作が開始される(図9(C−1)、及び図7(B)参照)。また、演出役物7の動作時間のカウントも、併せて開始される(図9(C−1)参照)。
次に、3つの装飾図柄が停止表示して特別図柄判定の判定結果がハズレであることが報知されると(図9(C−2)参照)、第1保留アイコン表示領域51において一番右側に表示されている保留アイコンに対応する保留消化が開始される。具体的には、当該領域53に表示されている保留アイコンが消去されると共に、第1保留アイコン表示領域51に表示されている3つの保留アイコンに対するシフト処理が行われて、次の変動演出が開始される(図9(C−2)及び(C−3)参照)。すなわち、第1保留アイコン表示領域51に表示されている3つの保留アイコンのうち、1番右側の保留アイコンが当該領域53に移動すると共に、青保留を含む残り2つの保留アイコンが第1保留アイコン表示領域51において右側にシフトする。これに伴い、液晶画面における上部領域では、装飾図柄の変動表示が開始される(図9(C−3)参照)。
そして、この図柄の変動表示中において、演出役物7が回動姿勢と回動姿勢よりも若干中間姿勢側の姿勢との間で複数回(例えば3回)揺動してから初期姿勢に復帰する復帰動作を行い(図9(C−4)、及び図7(D)参照)、例えばこの復帰動作の途中で、第1保留アイコン表示領域51に表示されている青保留アイコンが緑保留アイコンへと保留変化する(図9(C−3)及び(C−4)参照)。
なお、図9(C−1)〜(C−4)に示される例では、演出役物7の動作時間が17秒までカウントされており、遊技者は、この動作時間に基づいて、先読み対象保留(青色から緑色に変化した保留)の大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを容易に認識することができる。
このように、保留アイコンの色が変化すると共に、演出役物7の動作時間が画面表示されるので、遊技者は、保留アイコンの色と演出役物7の動作時間との両方に基づいて、大当たりに対する信頼度を推測しながら遊技を楽しむことができる。
[通常アイコンが当該変動開始後に保留変化するパターン]
図8(A)及び(C)に基づいて上述したように、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコンが新たに表示されると共に演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化し、当該変動開始後に、その通常アイコンが特別アイコンに保留変化すると共に演出役物7が初期姿勢に復帰する演出の具体的な態様は、例えば以下の通りである。
すなわち、液晶画面において、例えば第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンが表示されていない状態で装飾図柄が変動表示されているときに第1始動口11に遊技球が入賞すると、この入賞の際に取得された各種乱数に基づいて事前判定処理が実行され、先読み対象保留として、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコン(図中の白保留)が新たに表示される(図10(A)参照)。ここで、事前判定結果に基づいて、演出役物7を動作させると決定されている場合、この通常アイコンの表示開始に伴い、演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化して、演出役物7の動作が開始される(図10(A)、及び図8(A)参照)。また、演出役物7の動作時間のカウントも、併せて開始される(図10(A)参照)。
次に、3つの装飾図柄が停止表示して特別図柄判定の判定結果がハズレであることが報知されると(図10(B)及び(C)参照)、第1保留アイコン表示領域51に表示されている先読み対象保留である1つの保留アイコンに対応する保留消化が開始される。具体的には、当該領域53に表示されている保留アイコンが消去されると共に、第1保留アイコン表示領域51に表示されている通常アイコンに対するシフト処理が行われて、次の変動演出が開始される(図10(C)及び(D)参照)。すなわち、第1保留アイコン表示領域51に表示されている通常アイコンが当該領域53に移動する。これに伴い、液晶画面における上部領域では、装飾図柄の変動表示が開始される(図10(D)参照)。
そして、この図柄の変動表示中において、演出役物7が回動姿勢と回動姿勢よりも若干中間姿勢側の姿勢との間で複数回(例えば3回)揺動してから初期姿勢に復帰する(図10(E)、及び図8(C)参照)。そして、例えばこの復帰動作の途中で、当該領域53に表示されている通常アイコン(白保留)が特別アイコン(黄色保留)へと保留変化する(図10(D)及び(E)参照)。
ここで、当該領域53には、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示唆する黄色保留が表示されているので、演出役物7が初期姿勢に復帰した後にリーチが成立するものの(図10(F)参照)、SPリーチ演出やSPSPリーチ演出に発展することなく、特別図柄判定の判定結果がハズレであることを示す態様で装飾図柄が停止表示されることになる(図10(G)及び(H)参照)。なお、当該領域53に表示されている黄色保留は、対応する装飾図柄の変動表示(当該変動)が終了すると、当該領域53から消去される(図10(H)参照)。
なお、図10に示される例では、演出役物7の動作時間が19秒までカウントされており、遊技者は、この演出役物7の動作時間に基づいて、先読み対象保留の大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを容易に認識することができる。
[当該変動開始後にゾーン演出に突入するパターン]
図8(B)及び(D)に基づいて上述したように、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンが新たに表示されると共に演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化し、当該変動開始後に、ゾーン演出に突入すると共に演出役物7が初期姿勢に復帰する演出の具体的な態様は、例えば以下の通りである。
すなわち、液晶画面において、例えば第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンが表示されていない状態で装飾図柄が変動表示されているときに第1始動口11に遊技球が入賞すると、この入賞の際に取得された各種乱数に基づいて事前判定処理が実行され、先読み対象保留として、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコン(図中の赤保留)が新たに表示される(図11(A)参照)。ここで、事前判定結果に基づいて、演出役物7を動作させると決定されている場合、この特別アイコンの表示開始に伴い、演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化して、演出役物7の動作が開始される(図11(A)、及び図8(B)参照)。また、演出役物7の動作時間のカウントも、併せて開始される(図11(A)参照)。
次に、3つの装飾図柄が停止表示して特別図柄判定の判定結果がハズレであることが報知されると(図11(B)参照)、第1保留アイコン表示領域51に表示されている先読み対象保留である特別アイコン(赤保留)に対応する保留消化が開始される。具体的には、当該領域53に表示されている保留アイコンが消去されると共に、第1保留アイコン表示領域51に表示されている特別アイコンに対するシフト処理が行われて、次の変動演出が開始される(図11(B)及び(C)参照)。すなわち、第1保留アイコン表示領域51に表示されている特別アイコンが当該領域53に移動し、これに伴い、液晶画面における上部領域では、装飾図柄の変動表示が開始される(図11(C)参照)。
そして、この図柄の変動表示中において、左図柄として3図柄が擬似停止し、更に、右図柄として同じ3図柄が擬似停止して、リーチが成立する(図11(D)参照)。続いて、擬似連続予告演出に発展することを示唆する特殊図柄が中図柄として擬似停止し(図11(E)参照)、続いて、ゾーン演出に突入することを示唆するために、演出役物7が回動姿勢から初期姿勢に復帰する復帰動作を開始する(図11(F)参照)。そして、その直後に、これら3つの装飾図柄が再始動すると共にゾーン演出への突入を示唆するゾーン突入示唆演出が行われ(図11(F)参照)、その後、ゾーン演出が開始される(図11(G)参照)。ここでは、演出役物7の動作時間が36秒までカウントされており、動作時間がそれなりに長く、また、ゾーン演出に突入しているので、遊技者は、大当たりの可能性が相対的に高いことを容易に認識することができる。
装飾図柄が再始動すると、擬似2連目の変動に突入し、3図柄でのリーチ成立に対する遊技者の期待感を煽る煽り演出が行われる(図11(G)参照)。そして、リーチ成立直後に再び特殊図柄が擬似停止し(図11(H)参照)、装飾図柄が再び再始動して擬似3連目の変動に突入する(図11(I)参照)。
擬似3連目の変動に突入してから所定時間が経過すると、まず、左図柄として7図柄が擬似停止し(図11(J)参照)、続いて右図柄として7図柄が擬似停止してリーチが成立し(図11(K)参照)、所定のリーチ演出(例えばそPSPリーチ演出)が行われた後に、特別図柄判定の判定結果が例えば大当たりであることを示す態様で3つの装飾図柄が停止表示される(図11(L)参照)。
なお、ここでは、ゾーン演出への突入を示唆するために、ゾーン突入示唆演出の直前に演出役物7が初期姿勢に復帰する動作を開始する場合について説明したが、例えば、ゾーン演出が開始された後に当該領域53に表示中の赤保留を虹色保留へと更に保留変化させるような場合には、その保留変化のタイミングで、演出役物7を初期姿勢に復帰させるようにしてもよい。この場合、演出役物7の動作時間のカウントが、保留変化のタイミングまで継続されることになる。すなわち、液晶画面に表示される演出役物7の動作時間が更に長くなる。
[当該変動開始後に擬似連続予告演出に突入するパターン]
図8(B)及び(E)に基づいて上述したように、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンが新たに表示されると共に演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化し、当該変動開始後に、擬似連続予告演出に発展する際に演出役物7が初期姿勢に復帰する演出の具体的な態様は、例えば以下の通りである。
すなわち、液晶画面において、例えば第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンが表示されていない状態で装飾図柄が変動表示されているときに第1始動口11に遊技球が入賞すると、この入賞の際に取得された各種乱数に基づいて事前判定処理が実行され、先読み対象保留として、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコン(図中の緑保留)が新たに表示される(図12(A)参照)。ここで、事前判定結果に基づいて、演出役物7を動作させると決定されている場合、この特別アイコンの表示開始に伴い、演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化して、演出役物7の動作が開始される(図12(A)、及び図8(B)参照)。また、演出役物7の動作時間のカウントも、併せて開始される(図12(A)参照)。
次に、3つの装飾図柄が停止表示して特別図柄判定の判定結果がハズレであることが報知されると(図12(B)参照)、第1保留アイコン表示領域51に表示されている先読み対象保留である特別アイコン(緑保留)に対応する保留消化が開始される。具体的には、当該領域53に表示されている保留アイコンが消去されると共に、第1保留アイコン表示領域51に表示されている特別アイコンに対するシフト処理が行われて、次の変動演出が開始される(図12(B)及び(C)参照)。すなわち、第1保留アイコン表示領域51に表示されている特別アイコンが当該領域53に移動し、これに伴い、液晶画面における上部領域では、装飾図柄の変動表示が開始される(図12(C)参照)。
そして、この図柄の変動表示中において、左図柄として1図柄が擬似停止した後に右図柄として5図柄が擬似停止し(図12(D)参照)、リーチが成立しないと見せ掛けておいて、演出役物7が初期姿勢への復帰動作を開始する(図12(D)参照)。そして、その直後に、擬似連続予告演出への発展を示唆する特殊図柄が中図柄として擬似停止する(図12(E)参照)。
中図柄として特殊図柄が擬似停止すると、3つの装飾図柄が再始動して、擬似2連目の変動に突入する(図12(F)参照)。擬似2連目の変動に突入してから所定時間が経過すると、左図柄として4図柄が擬似停止し、右図柄として同じ4図柄が擬似停止することに対する遊技者の期待感を煽る煽り演出が行われ(図12(G)参照)、その後に、4図柄でリーチが成立する(図12(H)参照)。
次に、特殊図柄が移動速度を低下させながら上から下へと移動して、特殊図柄が有効ライン上に擬似停止することに対する遊技者の期待感を煽る煽り演出が行わる(図12(I)参照)。そして、中図柄に関して、特殊図柄が有効ラインを通過して5図柄が上から下へと移動してきて(図12(J)参照)、有効ライン上に5図柄が擬似停止する(図12(K)参照)。その後、特別図柄判定の判定結果がハズレであることを示す態様(リーチハズレ目)で3つの装飾図柄が停止表示される(図12(L)参照)。
なお、ここでは、中図柄として特殊図柄が擬似停止する直前に演出役物7の復帰動作を開始する場合について説明したが、特殊図柄が擬似停止するのと同時に演出役物7の復帰動作を開始するようにしてもよい。
[リーチ成立時に演出役物7を復帰させるパターン]
図8(B)及び(F)に基づいて上述したように、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンが新たに表示されると共に演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化し、当該変動開始後に、リーチ成立の直前に演出役物7が初期姿勢への復帰動作を開始する演出の具体的な内容は、例えば以下の通りである。
すなわち、液晶画面において、例えば第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンが表示されていない状態で装飾図柄が変動表示されているときに第1始動口11に遊技球が入賞すると、この入賞の際に取得された各種乱数に基づいて事前判定処理が実行され、先読み対象保留として、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコン(図中の緑保留)が新たに表示される(図13(A)参照)。ここで、事前判定結果に基づいて、演出役物7を動作させると決定されている場合、この特別アイコンの表示開始に伴い、演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化して、演出役物7の動作が開始される(図13(A)、及び図8(B)参照)。また、演出役物7の動作時間のカウントも、併せて開始される(図13(A)参照)。
次に、3つの装飾図柄が停止表示して特別図柄判定の判定結果がハズレであることが報知されると(図13(B)参照)、第1保留アイコン表示領域51に表示されている先読み対象保留である特別アイコン(緑保留)に対応する保留消化が開始される。具体的には、当該領域53に表示されている保留アイコンが消去されると共に、第1保留アイコン表示領域51に表示されている特別アイコンに対するシフト処理が行われて、次の変動演出が開始される(図13(B)及び(C)参照)。すなわち、第1保留アイコン表示領域51に表示されている特別アイコンが当該領域53に移動し、これに伴い、液晶画面における上部領域では、装飾図柄の変動表示が開始される(図13(C)参照)。
そして、この装飾図柄の変動表示の開始から所定時間が経過すると、左図柄として2図柄が擬似停止した後に右図柄として4図柄が擬似停止し(図13(D)参照)、リーチが成立しないと見せ掛けておいて、擬似連続予告演出への発展を示唆する特殊図柄が中図柄として擬似停止する(図13(E)参照)。
中図柄として特殊図柄が擬似停止すると、3つの装飾図柄が再始動して、擬似2連目の変動に突入する(図13(F)参照)。擬似2連目の変動に突入してから所定時間が経過すると、左図柄として7図柄が擬似停止し、右図柄として同じ7図柄が擬似停止することに対する遊技者の期待感を煽る煽り演出が行われ(図13(G)参照)、この煽り演出が行われているときに、7図柄でのリーチ成立を示唆するために、演出役物7が初期姿勢への復帰動作を開始する(図13(G)参照)。
次に、演出役物7が初期姿勢に復帰すると、7図柄でのリーチが成立し(図13(H)参照)、大当たりに対する信頼度が相対的に高いリーチ演出であるSPSPリーチ演出に発展する(図13(I)参照)。そして、最終的には、リーチ図柄と同じ7図柄が中図柄として有効ライン上に擬似停止し、その後に3つの7図柄が完全に停止表示されて、特別図柄判定の判定結果が大当たりであることが報知される(図13(J)参照)。
特別図柄判定の判定結果が大当たりであることを報知する態様で装飾図柄が所定時間(例えば1秒間)停止表示されると、大当たりの種類を報知した後に遊技者に右打ちを促すオープニング演出が行われて(図13(K)及び(L)参照)、大当たり遊技が開始される。
なお、ここでは、リーチ成立の直前に演出役物7を初期姿勢に復帰させる場合について説明したが、他の実施形態では、例えばリーチ成立と同時に演出役物7を初期姿勢に復帰させるようにしてもよい。
[リーチ演出発展時に演出役物7を復帰させるパターン]
図8(B)及び(G)に基づいて上述したように、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンが新たに表示されると共に演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化し、当該変動開始後に、リーチ演出がより上位のリーチ演出へと発展する直前に演出役物7が初期姿勢への復帰動作を開始する演出の具体的な内容は、例えば以下の通りである。
すなわち、液晶画面において、例えば第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンが表示されていない状態で装飾図柄が変動表示されているときに第1始動口11に遊技球が入賞すると、この入賞の際に取得された各種乱数に基づいて事前判定処理が実行され、先読み対象保留として、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコン(図中の緑保留)が新たに表示される(図14(A)参照)。ここで、事前判定結果に基づいて、演出役物7を動作させると決定されている場合、この特別アイコンの表示開始に伴い、演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化して、演出役物7の動作が開始される(図14(A)、及び図8(B)参照)。また、演出役物7の動作時間のカウントも、併せて開始される(図14(A)参照)。
次に、3つの装飾図柄が停止表示して特別図柄判定の判定結果がハズレであることが報知されると(図14(B)参照)、第1保留アイコン表示領域51に表示されている先読み対象保留である特別アイコン(緑保留)に対応する保留消化が開始される。具体的には、当該領域53に表示されている保留アイコンが消去されると共に、第1保留アイコン表示領域51に表示されている特別アイコンに対するシフト処理が行われて、次の変動演出が開始される(図14(B)及び(C)参照)。すなわち、第1保留アイコン表示領域51に表示されている特別アイコンが当該領域53に移動し、これに伴い、液晶画面における上部領域では、装飾図柄の変動表示が開始される(図14(C)参照)。
そして、この装飾図柄の変動表示の開始から所定時間が経過すると、左図柄として2図柄が擬似停止した後に右図柄として同じ2図柄が擬似停止することに対する遊技者の期待感を煽る煽り演出が行われ(図14(D)参照)、その後に、2図柄でリーチが成立する(図14(E)参照)。このようにしてリーチが成立すると、例えばロングリーチなどのノーマルリーチ演出が行われる(図14(F)参照)。
このようにしてノーマルリーチ演出が行われると、その終盤において、特別図柄判定の判定結果がハズレであると見せ掛けるために、リーチ図柄とは異なる中図柄が擬似停止する(図14(G)参照)。そして、演出役物7は、回動姿勢から中間姿勢(図6(B)参照)へと姿勢変化すると、そのまま初期姿勢へは復帰せずに、再び回動姿勢へと姿勢変化する(図14(H)参照)。その際、演出役物7が中間姿勢から回動姿勢へと姿勢変化するのと連動するように、擬似停止していた3つの装飾図柄が再始動する(図14(H)参照)。演出役物7にこのような動作を行わせることにより、演出役物7が装飾図柄を再始動させたかのような印象を遊技者に与えることができる。
その後、上記のように再び回動姿勢に姿勢変化した演出役物7は、高信頼度のリーチ演出であるSPSPリーチ演出が開始される際に、回動姿勢から初期姿勢に復帰する(図14(I)参照)。そして、7図柄でリーチが成立して所定期間SPSPリーチ演出が行われ(図14(J)参照)、その終盤において有効ライン上に7図柄が3つ揃って特別図柄判定の判定結果が大当たりであることが報知され(図14(K)参照)、大当たり遊技のオープニング演出が開始される(図14(L)参照)。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、先読み対象保留に対する事前判定結果に応じた時間だけ演出役物7が動作する。そして、演出役物7の動作時間が液晶画面に表示されると共に、その動作時間が演出役物7の動作終了まで(本実施形態では初期姿勢に復帰するまで)カウントアップされ、その後、最終的な演出役物7の動作時間が所定時間(例えば5秒間)表示される。
このため、遊技者は、演出役物7の動作時間に基づいて、大当たりに対する信頼度をある程度把握することができる。また、演出役物7の動作終了時に何らかの演出が発生する場合があるため、遊技者は、少なくとも演出役物7の動作中においては、大当たりの期待が持てる何らかの演出が発生するかもしれないといったドキドキ感を感じながら遊技を楽しむことができる。
なお、図9〜図14に示される例では、演出役物7が初期動作を開始して復帰動作を開始するまでは回動姿勢を維持する場合について説明したが(図14のパターンを除く)、演出役物7が動作を開始してから終了するまでの動作パターンは、図9〜図14で例示した動作パターンとは異なる動作パターンであってもよい。
すなわち、演出役物7が動作状態であることを遊技者に示唆するために、例えば、動作期間中の一部の期間或いは全部の期間において、演出役物7を回動姿勢付近で揺動させ続けるようにしてもよい。
また、他の実施形態では、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンが新たに表示される際に、その特別アイコンの表示色によって、演出役物7が動作を開始する際の動作パターンを異ならせるようにしてもよい。具体的には、例えば青保留が表示される際には動作が小さい第1の動作パターンで演出役物7に動作を開始させ、黄色保留が表示される際には第1の動作パターンよりも演出役物7の動作が大きい第2の動作パターンで演出役物7に動作を開始させ、緑保留が表示される際には第2の動作パターンよりも演出役物7の動作が大きい第3の動作パターンで演出役物7に動作を開始させ、赤保留が表示される際には第3の動作パターンよりも演出役物7の動作が大きい第4の動作パターンで演出役物7に動作を開始させるといった態様が一例として挙げられる。また、第1保留アイコン表示領域51に新たに表示される特別アイコンの表示色に応じて、演出役物7の動作開始時の動作スピードを異ならせてもよい。
また、他の実施形態では、事前判定結果に応じて、演出役物7の動作パターンを異ならせてもよい。具体的には、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、基本的には、変動時間が長ければ長いほど大当たりの可能性が高まるため、例えば、変動時間が30秒である変動パターン(図5の第1変動パターン又は第7変動パターン)が当該変動開始時に選択されることを示す事前判定結果が得られた場合には、演出役物7を第5の動作パターンで動作させ、変動時間が90秒である変動パターン(図5の第5変動パターン又は第11変動パターン)が当該変動開始時に選択されることを示す事前判定結果が得られた場合には、第5の動作パターンよりも演出役物7の動作が大きく且つ動作スピードが速い第6の動作パターンで演出役物7を動作させることが一例として挙げられる。
また、演出役物7の初期姿勢への復帰動作パターンは、図9〜図14に例示したものに限定されるものではなく、他の動作パターンであってもよい。例えば、演出役物7の復帰動作によって保留変化を示唆する場合には、その保留変化後の特別アイコンの表示色によって、演出役物7の復帰動作パターンを異ならせてもよい。
また、演出役物7の復帰動作によって示唆する演出の種類によって、その復帰動作パターンを異ならせてもよい。具体的には、保留アイコンの保留変化を示唆する場合の復帰動作パターンと、ゾーン演出への突入を示唆する場合の復帰動作パターンと、予告演出の発生を示唆する場合の復帰動作パターンと、リーチ成立を示唆する場合の復帰動作パターンと、リーチ演出の発展を示唆する場合の復帰動作パターンとを、互いに異ならせてもよい。
以下、図7〜図14に基づいて上述した各種演出の制御を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図15に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ制御部113、第1ゲートスイッチ114、第2ゲートスイッチ115、大入賞口スイッチ116、大入賞口制御部117、普通入賞口スイッチ118、及び表示器4を構成する各表示器41〜48が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。第1ゲートスイッチ114は、遊技球が第1ゲート15を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2ゲートスイッチ115は、遊技球が第2ゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
大入賞口スイッチ116は、大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。大入賞口制御部117は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ118は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は4つの普通入賞口14を有しているため、4つの普通入賞口スイッチ118を備えているが、図15においては、普通入賞口スイッチ118を1つだけ表記している。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ116、又は普通入賞口スイッチ118からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、大入賞口制御部117を介して大入賞口13を開閉する。
また、メインCPU101は、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を作動させることによって、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜48に図3に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
[画像音響制御基板140の構成例]
画像音響制御基板140は、液晶表示装置5の画像表示制御と、スピーカ24の演出音出力制御とを行うものである。この画像音響制御基板140は、図には示されていないが、統括CPU、VDP(Video Display Processor)、音響DSP(Digital Signal Processor)、制御用ROM、制御用RAM、音響用ROM、SDRAM、CGROM、及びVRAMを備えている。
統括CPUは、制御用ROMに記憶されているプログラムやディスプレイリスト作成テーブルなどの各種テーブル、演出制御基板130から受信したコマンド等に基づいて、VDPに対して、CGROMに記憶されている画像データを液晶表示装置5に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。また、ディスプレイリスト作成テーブルは、このディスプレイリストを作成するために使用されるテーブルである。
統括CPUは、音響DSPに対しても、音響用ROMに記憶されている音響データをスピーカ24から出力させる指示を行う。
制御用ROMは、マスクROMで構成されており、統括CPUの制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、各種テーブル等が記憶されている。
制御用RAMは、統括CPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
CGROMは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出などを実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROMは、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROMは、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROMに記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAMは、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、ディスプレイリスト記憶領域、展開記憶領域、フレームバッファなどを有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域は、統括CPUから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域は、CGROMから読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。フレームバッファは、演出画像を描画して液晶表示装置5に表示するための描画と表示に兼用されるフレームバッファである。なお、描画用のフレームバッファと表示用のフレームバッファとを個別に設けるダブルバッファ方式を採用してもよい。
VDPは、ディスプレイリスト記憶領域に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域に格納した画像データを用いて、フレームバッファに対する描画処理を行う。また、VDPは、フレームバッファに記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成し、生成したRGB信号を液晶表示装置5に出力する。
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、統括CPUからの指示に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24に出力させる。
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、図には示されていないが、ランプCPU、ランプROM、及びランプRAMを備えている。ランプCPUは、ランプROMに記憶されたプログラムに基づいて、盤ランプ25、枠ランプ37、及び演出役物7を制御する際の演算処理を行う。ランプRAMは、ランプCPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROMには、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、盤ランプ25、枠ランプ37、演出役物7の発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、演出役物7の動作パターンを示すデータである。
ランプCPUは、ランプROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAMに読み出して、盤ランプ25、枠ランプ37、演出役物7の発光素子の発光を制御する。また、ランプCPUは、ランプROMに記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAMに読み出して、演出役物7を動作させるステッピングモータの駆動を制御する。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図16を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図16は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図16に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図16以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
ここで、大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻る。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図18に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図22に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を作動させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の処理で大当たりであると判定した場合に、大入賞口制御部117を介して大入賞口13を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。詳細な説明は省略するが、この大入賞口開放制御処理は、大当たり遊技を制御する処理であり、大当たり遊技を実行すると判定されたことを示す判定図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示された場合に行われる。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[メインRAM103の構成例]
図17は、遊技制御基板100のメインRAM103の構成例を示すブロック図である。図17(A)に例示されるように、メインRAM103には、判定用記憶領域1030、第1保留記憶領域1031、第2保留記憶領域1032、第3保留記憶領域1033、第4保留記憶領域1034、第1保留記憶領域1035、第2保留記憶領域1036、第3保留記憶領域1037、及び第4保留記憶領域1038が設けられている。
判定用記憶領域1030は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される保留用の記憶領域であり、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038は、第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される保留用の記憶領域である。
図17(B)に例示されるように、保留記憶領域1031〜1038は、それぞれ、メインCPU101によって取得された、変動回数Nを記憶する領域、入賞始動口情報を記憶する領域、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、及び事前判定情報を記憶する領域を含んでいる。
変動回数Nは、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞して獲得した特別図柄判定の権利の合計回数を示す情報である。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから第1特別図柄判定の権利を50回、第2特別図柄判定の権利を10回獲得した場合、変動回数Nはこれらの回数を足し合わせた「60」となる。そして、この「60」という変動回数Nが例えば第3保留記憶領域1033に記憶された状態から更に第1特別図柄判定の権利が取得されると、「60」に「1」を加算した「61」という値が変動回数Nとして第4保留記憶領域1034に記憶される。なお、第1特別図柄判定の保留数U1が最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)に達した状態で第1始動口11に新たな遊技球が入賞した場合、又は第2特別図柄判定の保留数U2が最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)に達した状態で第2始動口12に新たな遊技球が入賞した場合には、変動回数Nはカウントされない。
入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口12に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。
事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図21参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
図17(B)に基づいて説明した7つの情報は、第1始動口11に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1031から順に第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納され、第2始動口12に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1035から順に第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかに格納される。
例えば第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれにも情報が記憶されていない状態で第1特別図柄判定に係る7つの情報が新たに取得された場合、この7つの情報は、第1保留記憶領域1031に格納される。また、例えば第1保留記憶領域1031及び第2保留記憶領域1032のそれぞれに7つの情報が記憶された状態で第1特別図柄判定に係る7つの情報が新たに取得された場合、この7つの情報は、第3保留記憶領域1033に格納される。
また、第1特別図柄判定の実行に際して第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032以降の保留記憶領域に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031側にシフトされる。例えば第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033のそれぞれに情報が記憶された状態で第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031にシフトされると共に、第3保留記憶領域1033に記憶されている情報が第2保留記憶領域1032にシフトされる。
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038においても同様に行われる。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち第1保留記憶領域1031及び第1保留記憶領域1035の両方に情報が記憶されている場合、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034におけるシフト処理に先立って、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038におけるシフト処理が優先して行われる。
これに対して、液晶表示装置5には、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034に記憶される情報に対応する保留アイコンが表示される第1保留アイコン表示領域51(図1参照)、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038に記憶される情報に対応する保留アイコンが表示される第2保留アイコン表示領域52(図1参照)、及び判定用記憶領域1030に記憶される情報に対応する保留アイコンが表示される当該領域53(図1参照)が設けられており、上記の情報のシフト処理と連動するように、保留アイコンのシフト処理が行われる。
このように、保留記憶領域1031〜1038に記憶された取得情報(各種乱数)や事前判定情報に対応する保留アイコンが液晶画面に表示され、これらの情報のシフト処理と連動するように、保留アイコンの表示が更新される。すなわち、情報のシフト処理と連動するように、第1保留アイコン表示領域51から当該領域53への保留アイコンの移動や、第1保留アイコン表示領域51内での保留アイコンのシフトが行われる。
ところで、特別図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中に第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。
このため、メインCPU101は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を特別図柄判定の権利(特別図柄判定を保留する情報)として保留記憶領域1031〜1038に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU101は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域1030に直接格納することとしている。
このように、表示器4において特別図柄が変動表示されているときに大当たり乱数等の取得情報が取得されると、この取得情報は、特別図柄判定及び特別図柄の変動表示を保留する情報として保留記憶領域1031〜1038のいずれかに記憶される。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図18は、図16のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図18に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図19に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図20に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図19は、図18のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図19に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(具体的には第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS210)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS210:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS211)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS211:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新し(ステップS212)、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに新たに格納される変動回数Nを「1」加算する(ステップS213)。
そして、メインCPU101は、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS214〜ステップS217)。具体的には、変動回数N、入賞始動口情報、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数の6つの情報を第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034(図17(A)参照)のいずれかに格納する。
このように、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)に係る保留数が上限に達していない状態で第1始動口スイッチ111(又は第2始動口スイッチ112)が「ON」になるという取得条件が成立すると、メインCPU101は、大当たり乱数や図柄乱数等の取得情報を取得する。
メインCPU101は、6つの情報を格納すると、事前判定処理を実行する(ステップS218)。具体的には、後述する大当たり判定処理(図23参照)や変動パターン選択処理(図24参照)に先立って、ステップS214〜S217の処理によってメインRAM103に格納された情報に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定を実行する。この事前判定処理については、図21に基づいて後に詳述する。
続いて、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS218の処理で得られた事前判定情報を含む保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS219)。この保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図20は、図18のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図20に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(具体的には第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS220)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS220:YES)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS221:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新し(ステップS222)、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかに新たに格納される変動回数Nを「1」加算する(ステップS223)。
そして、メインCPU101は、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS224〜ステップS227)。具体的には、変動回数N、入賞始動口情報、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数の6つの情報を第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038(図17(A)参照)のいずれかに格納する。
メインCPU101は、6つの情報を格納すると、これらの情報を用いた第2特別図柄判定に先立って、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第2特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定処理を実行する(ステップS228)。
ステップS228の処理に続いて、メインCPU101は、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS228の処理で得られた事前判定情報を含む保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS229)。この保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
図19及び図20に基づいて説明したように、メインCPU101は、特別図柄判定の保留数が上限に達していない状態で第1始動口11又は第2始動口12を遊技球が通過すると、特別図柄判定に使用する取得情報としての大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等を取得する。
[遊技制御基板100による事前判定処理]
以下、図21を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図21は、図19のステップS218における事前判定処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、図19のステップS217の処理に続いて、例えばメインRAM103に記憶されているパチンコ遊技機1の現在の遊技状態を示す遊技状態情報に基づいて、特別図柄判定において大当たりを実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態(本実施形態では確変遊技状態)であるか否かを判定する(ステップS2180)。
メインCPU101は、高確率状態であると判定した場合(ステップS2180:YES)、図19の第1始動口スイッチ処理によって取得した第1特別図柄判定の権利が、現在の高確率状態に移行してから、何回目の第1特別図柄判定の権利に相当するかを判断する。すなわち、特別図柄判定の判定結果が確変大当たりとなって大当たり遊技が行われた後に高確率状態になると、その特別図柄判定に対応する変動回数Nが、基準回数Mに設定される。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから100回目の特別図柄判定の判定結果が確変当たりとなって高確率状態に移行することとなった場合、基準回数Mとして「100」というデータがメインRAM103に記憶される。この場合、パチンコ遊技機1の電源投入から101回目に行われる特別図柄判定は、高確率状態に移行してから1回目の特別図柄判定に相当し、110回目に行われる特別図柄判定は、高確率状態に移行してから10回目の特別図柄判定に相当することになる。このように、始動口スイッチ処理によって取得された特別図柄判定の権利が、高確率状態に移行してから何回目の特別図柄判定に相当するかを演算する。具体的には、メインCPU101は、現在の変動回数Nから基準回数Mを減算することによって、演算値Lを算出する(ステップS2181)。
ステップS2181の処理に続いて、メインCPU101は、演算値Lが高確率遊技残余回数K以下であるか否かを判定する(ステップS2182)。ここで、高確率遊技残余回数Kは、高確率時乱数判定テーブルに基づいて大当たり乱数が判定される上限回数である。本実施形態では、この高確率遊技残余回数Kが予め「74」に設定されているので、大当たり遊技終了後の大当たり乱数に基づく大当たりか否かの判定が、74回を上限として高確率時乱数判定テーブルに基づいて行われる。このため、メインCPU101は、ステップS2182において、演算値Lが「74」以下であるか否かを判定する。
ところで、例えば、低確率状態(本実施形態では通常遊技状態)で遊技が制御されているときに3回の第1特別図柄判定の権利が保留されており、この中で最初に消化される第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなる場合、残り2回の第1特別図柄判定に関して、これらの第1特別図柄判定が消化される前には低確率状態であったとしても、これらの第1特別図柄判定が実際に消化されるときには高確率状態になっている。このため、先に消化される第1特別図柄判定の権利の中に遊技状態を変更させる大当たりが存在するか否かを考慮して事前判定を行わなければ、正確な事前判定情報を得ることはできない。
そこで、メインCPU101は、高確率状態ではないと判定した場合(ステップS2180:NO)、又は演算値Lが高確率遊技残余回数K以下ではないと判定した場合(ステップS2182:NO)、先に消化される第1特別図柄判定の権利の中に当該変動開始時に(確変)大当たりであると判定されることになるものがあるか否かを判定する(ステップS2184)。具体的には、ステップS214〜ステップS217の処理で例えば第4保留記憶領域1034に各種乱数を格納した場合、第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033に大当たりに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判定する。
メインCPU101は、演算値Lが高確率遊技残余回数K以下であると判定した場合(ステップS2182:YES)、又は先に消化される保留の中に大当たりに係る事前判定情報を有するものがある場合(ステップS2184:YES)、高確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2185)。
また、メインCPU101は、先に消化される保留の中に大当たりに係る事前判定情報を有するものがないと判定した場合(ステップS2184:NO)、低確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2186)。
次に、メインCPU101は、ステップS2185又はステップS2186の処理によってメインRAM103にセットされた大当たり乱数テーブルを参照して、大当たりか否かを判定する(ステップS2187)。具体的には、メインRAM103に高確率用大当たり乱数テーブルがセットされている場合には、ステップS214の処理で取得した大当たり乱数が、この高確率用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを事前判定する。また、メインRAM103に低確率用大当たり乱数テーブルがセットされている場合、ステップS214の処理で取得した大当たり乱数が、この低確率用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを事前判定する。
次に、メインCPU101は、ステップS2187の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されるか否かを判断する(ステップS2189)。ここで、当該変動開始時に大当たりと判定されると判断した場合(ステップS2189:YES)、大当たり用の図柄決定テーブルをメインROM102からメインRAM103に読み出してセットし(ステップS2190)、ステップS215の処理で取得した図柄乱数が、この図柄決定テーブルに格納されているどの大当たりに対応する図柄乱数と一致するかに基づいて、大当たりの種類を特定する(ステップS2191)。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、当該変動開始時に行われる大当たり判定に先立って、この大当たり判定の判定結果が大当たりとなるか否かが事前判定され、大当たりであると事前判定された場合には大当たりの種類も事前判定される。
次に、メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2192)。
一方、メインCPU101は、当該変動開始時に大当たりであると判定されないと判断した場合(ステップS2189:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2193)。具体的には、ステップS216の処理で取得されたリーチ乱数が、メインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU101は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2193:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2194)。
メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルをセットすると、当該変動中の変動パターンを特定する(ステップS2195)。具体的には、ステップS217の処理で取得された変動パターン乱数が、メインRAM103にセットされている変動パターンテーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる第1特別図柄判定で選択されることになる特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU101は、ステップS2195の処理を実行した場合、又はリーチ演出が行われないと判定した場合(ステップS2193:NO)、事前判定情報を生成して第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納する(ステップS2196)。具体的には、一連の処理としてステップS2187の判定処理、ステップS2191の特定処理、及びステップS2195の特定処理を行っている場合には、これらの処理の結果を示す情報等を、これらの処理に使用した大当たり乱数、図柄乱数、及び変動パターン乱数が記憶されているのと同じ保留記憶領域内に事前判定情報として格納する。また、ステップS2187の判定処理を行った後にステップS2191の特定処理とステップS2195の特定処理とを行っていない場合には、ステップS2187の判定結果を示す情報等を、ステップS2187の判定処理に使用した大当たり乱数が記憶されているのと同じ保留記憶領域内に事前判定情報として格納する。
なお、ここでは第1特別図柄判定に係る事前判定処理について説明したが、第2特別図柄判定に係る事前判定処理(図20のステップS228の処理)も、事前判定処理に使用される乱数値やテーブル等が異なる点などを除いて、第1特別図柄判定に係る事前判定処理と同様に行われる。
このように、メインCPU101は、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれか、又は、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかに記憶された取得情報に基づいて、特別図柄判定に先立って、その特別図柄判定に関する事前判定を行う。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図22を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図22は、図16のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図22に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上ではないと判定された場合(ステップS305:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。逆に、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、メインCPU101は、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。具体的には、ステップS304の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1保留記憶領域1035に記憶されている取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、第2特別図柄判定に関する残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。一方、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1保留記憶領域1031に記憶されている取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、第1特別図柄判定に関する残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理の結果を示す判定図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図23に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン選択処理については、図24に基づいて後に詳述する。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で設定した図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS310の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示が開始され、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示が開始される。
ステップS312の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS317)。具体的には、ステップS309の処理で設定した判定図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この判定図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、大当たり遊技を実行するか否かを判定する大当たり判定処理を行うと共に特別図柄の変動パターンを設定すると、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を設定した変動パターンで変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理や遊技状態を制御するための処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図23は、図22のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3091)。具体的には、判定用記憶領域1030に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値(メインROM102に記憶されている当選値)と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域1030に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3091の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3092)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3092:YES)、メインROM102に記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照すると共に、ステップS215又はステップS225の処理で取得した図柄乱数に基づいて、大当たりの種類を決定する(ステップS3093)。具体的には、取得した図柄乱数に対応する図柄を図柄決定テーブルから読み出すことによって、大当たりの種類を決定する。
そして、メインCPU101は、決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3094)。これにより、上記ステップS318の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されて、その図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3092:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3095)。これにより、上記ステップS318の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。
[遊技制御基板100による変動パターン選択処理]
図24は、図22のステップS310における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図24のステップS309における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3101:NO)、判定用記憶領域1030に記憶されているリーチ乱数がメインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3103)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3103:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3103:NO)、ハズレ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3105)。
続いて、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、又はステップS3105の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3106)。具体的には、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、判定用記憶領域1030に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
また、ハズレ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、ステップS308のシフト処理が行われる直前に各種情報が記憶されていた保留記憶領域の数に基づいて特別図柄判定の保留数を特定し、特定した保留数と現在の時短の有無とに対応する変動パターンをハズレ用変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3107)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による停止中処理]
図25は、図22のステップS319における停止中処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、上記ステップS318の処理によって変動時間をリセットした後、図25に例示されるように、ステップS3092(図23参照)の処理と同様に、大当たりであるか否かを判断する(ステップS3191)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3191:YES)、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3192)。
次に、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3193)。ここで、時短遊技フラグは、電チューサポート機能が付与される時短状態であるか否かを示すフラグであり、確変遊技フラグは、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態であるか否かを示すフラグである。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、時短遊技フラグ及び確変遊技フラグの設定により遊技状態が制御される。すなわち、遊技状態を確変遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグ及び時短遊技フラグの両方が「ON」に設定され、遊技状態を潜伏遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグが「ON」に設定されると共に時短遊技フラグが「OFF」に設定され、遊技状態を通常遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグ及び時短遊技フラグの両方が「OFF」に設定される。
ステップS3193の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり遊技が開始されることを通知するためのオープニングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS3194)。このオープニングコマンドは、大当たりの種類、大当たり遊技中の大入賞口13の開放パターン等の情報を含むものであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3191:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3196)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3196:YES)、メインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「1」減算した値に更新する(ステップS3197)。この時短遊技残余回数Jは、時短状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものであり、本実施形態では、「70」からカウントダウンされる。
ステップS3197の処理に続いて、メインCPU101は、時短遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS3198)。ここで、時短遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS3198:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3199)。これにより、電チューサポート機能が付与されなくなる。
メインCPU101は、ステップS3199の処理を実行した場合、時短遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS3196:NO)、又は時短遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS3198:NO)、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3201)。
メインCPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3201:YES)、メインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Kを「1」減算した値に更新する(ステップS3202)。この高確率遊技残余回数Kは、高確率状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものであり、本実施形態では、「74」からカウントダウンされる。
ステップS3202の処理に続いて、メインCPU101は、高確率遊技残余回数Kが「0」であるか否かを判定する(ステップS3203)。ここで、高確率遊技残余回数Kが「0」であると判定した場合(ステップS3203:YES)、確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3204)。これにより、特別図柄判定が低確率状態で行われるようになる。
このステップS3204の処理が行われた場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS3201:NO)、高確率遊技残余回数Kが「0」ではないと判定された場合(ステップS3203:NO)、又はステップS3194の処理が行われた場合、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
[遊技制御基板100による遊技状態設定処理]
図26は、遊技制御基板100において実行される遊技状態設定処理の一例を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1では、ステップS6の大入賞口開放制御処理によって大当たり遊技が実行されるが、この大当たり遊技におけるエンディングが終了すると、大当たり遊技終了後のパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理が実行される。
メインCPU101は、大当たり遊技におけるエンディングが終了すると、メインRAM103に記憶されている確変遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS401)、同じくメインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Kを「74」に設定する(ステップS402)。そして、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS403)、同じくメインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「70」に設定する(ステップS404)。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図27を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図27は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図27に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図27以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100からのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図28に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたか否かを判定する(ステップS11)。ここで、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたと判定した場合(ステップS11:YES)、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたことを通知するための操作コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS12)。この操作コマンドが画像音響制御基板140及びランプ制御基板150へ送信されることによって、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。
サブCPU131は、演出ボタン26及び十字キー27がいずれも操作されていないと判定した場合(ステップS11:NO)、又はステップS12の処理を実行した場合、演出役物7の動作を制御する役物動作制御処理を実行する(ステップS13)。この役物動作制御処理の詳細については、図32に基づいて後に詳述する。
次に、サブCPU131は、送信処理を実行する(ステップS14)。具体的には、ステップS10やステップS12、ステップS13の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの点灯や演出役物7の動作による演出の実行等がランプ制御基板150に対して指示される。
ステップS14の処理に続いて、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS15)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板140から送信されるので、そのデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示装置5及びスピーカ24によって行われている演出と同期するように、演出役物7や盤ランプ25等の演出媒体による演出がランプ制御基板150によって制御される。
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
図28は、図27のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図28に例示されるように、サブCPU131は、まず、遊技制御基板100から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS101:NO)、ステップS11に処理が進められる。
サブCPU131は、遊技制御基板100からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS101:YES)、そのコマンドがステップS219(図19参照)又はステップS229(図20参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS102)。ここで、保留コマンドではないと判定された場合(ステップS102:NO)、後述するステップS107に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS102:YES)、保留コマンド受信処理を実行する(ステップS103)。この保留コマンド受信処理については、図29に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS102:NO)、そのコマンドがステップS311(図22参照)の処理に応じて送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS107)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定された場合(ステップS107:NO)、後述するステップS109に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS107:YES)、変動演出開始処理を実行する(ステップS108)。この変動演出開始処理については、図30に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS107:NO)、そのコマンドがステップS316(図22参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドであるか否かを判定する(ステップS109)。サブCPU131は、図柄確定コマンドであると判定した場合(ステップS109:YES)、装飾図柄の変動表示を終了して図柄変動開始時に実行された特別図柄判定の判定結果を示す装飾図柄を停止表示する処理の実行を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS110)。
この変動演出終了コマンドがステップS14の処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることによって、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す特別図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されるのに伴い、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す装飾図柄が液晶画面に停止表示されることになる。
[演出制御基板130による保留コマンド受信処理]
以下、図29を参照しつつ、遊技制御基板100から送信された保留コマンドを受信した演出制御基板130において実行される保留コマンド受信処理について説明する。ここで、図29は、図28のステップS103における保留コマンド受信処理の詳細フローチャートである。
サブCPU131は、保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS102:YES)、まず、サブRAM133に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS1031)。具体的には、保留コマンド内の事前判定情報に含まれている入賞始動口情報に基づいて、受信した保留コマンドが第1特別図柄判定に係る保留コマンドであるか或いは第2特別図柄判定に係る保留コマンドであるかを判別し、その判別結果に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留数又は第2特別図柄判定に係る保留数を「1」加算した値に更新する。そして、サブCPU131は、受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報をサブRAM133に格納する(ステップS1032)。
この事前判定情報には、上述したように、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。
ステップS1032の処理に続いて、サブCPU131は、遊技制御基板100から受信した保留コマンド内の事前判定情報に含まれている入賞始動口情報に基づいて、その保留コマンドが、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するものであるか否かを判断する(ステップS1033)。ここで、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するものではないと判断した場合(ステップS1033:NO)、すなわち第2特別図柄判定が保留されたことを通知するものである場合、通常アイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1034)。この通常アイコン表示コマンドは、通常の表示態様の保留アイコンの新規表示の実行を指示するコマンドであり、遊技制御基板100から受信した入賞始動口情報を含むものである。
通常アイコン表示コマンドは、ステップS14の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これに対して、画像音響制御基板140の統括CPUは、通常アイコン表示コマンドに第1始動口11を示す入賞始動口情報が含まれている場合には、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコンを新たに表示させ、第2始動口12を示す入賞始動口情報が含まれている場合には、第2保留アイコン表示領域52に通常アイコンを新たに表示させる。
サブCPU131は、受信した保留コマンドが、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するものであると判断した場合(ステップS1033:YES)、サブRAM133に記憶されている禁止フラグが「ON」に設定されているか否かを判断する(ステップS1035)。この禁止フラグは、遊技球が第1始動口11に入賞した場合に特別アイコンを表示すると共に演出役物7の動作を開始することを禁止するか否かを示すフラグであり、通常は「OFF」に設定されており、例えば演出役物7が動作中である場合に「ON」に設定される。ここで、禁止フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(ステップS1035:YES)、上述したステップS1034に処理が進められる。その結果、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコンが表示されることになる。
サブCPU131は、禁止フラグが「ON」に設定されていないと判断した場合(ステップS1035:NO)、すなわち演出役物7が動作中ではない場合、先読み演出乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1036)。この先読み演出乱数は、保留アイコンを用いた先読み演出を実行するか否かを決定する処理に使用される乱数であり、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値を先読み演出乱数として取得する。
ステップS1036の処理に続いて、サブCPU131は、先読み演出を実行するか否かを判定する(ステップS1037)。具体的には、ステップS1036の処理で取得した先読み演出乱数が、サブROM132に記憶されている所定の乱数値と一致するか否かに基づいて、先読み演出を実行するか否かを判定する。
この先読み演出は、本実施形態では、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンを新たに表示する演出や、第1保留アイコン表示領域51に新たに表示された通常アイコン(又は特別アイコン)を第1保留アイコン表示領域51又は当該領域53において保留変化させる演出である。
サブCPU131は、先読み演出を実行すると判定した場合(ステップS1037:YES)、保留演出パターン乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1038)。この保留演出パターン乱数は、保留アイコンを用いた先読み演出の演出パターンを決定する処理に使用される乱数であり、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値を保留演出パターン乱数として取得する。
そして、サブCPU131は、保留アイコンの当初の表示色、保留アイコンの表示態様(本実施形態では色)がどのように変化していくかを示す保留変化パターン、及び保留アイコンの表示態様が変化するタイミングである変化タイミングを決定する(ステップS1039)。
図には示されていないが、サブROM132には、大当たり用保留演出パターンテーブルと、ハズレリーチ有り演出用保留演出パターンテーブルと、ハズレリーチ無し演出用保留演出パターンテーブルとの少なくとも3つの保留演出パターンテーブルが記憶されている。これらの保留演出パターンテーブルの各々には、遊技制御基板100において決定される変動パターン(変動時間)に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、大当たり用保留演出パターンテーブルには、30秒用、45秒用、60秒用、70秒用、90秒用、120秒用のテーブルが設けられている。
サブCPU131は、これら複数のテーブルの中から、保留コマンドに含まれている事前判定情報に基づいて、1のテーブルを選択する。例えば、「大当たり」であることを示す情報と、変動時間が90秒である変動パターンを示す情報とを含む事前判定情報が受信した保留コマンドに含まれている場合、サブCPU131は、90秒用の大当たり用保留演出パターンテーブルを選択する。また、例えば「ハズレ」であることを示す情報と、変動時間が45秒である変動パターンを示す情報とを含む事前判定情報が受信した保留コマンドに含まれている場合、サブCPU131は、45秒用のハズレリーチ有り演出用保留演出パターンテーブルを選択する。
保留演出パターンテーブルにおいては、保留演出パターン乱数と、保留アイコンを用いる先読み演出の演出パターンとが対応付けられている。ステップS1039の処理において、サブCPU131は、選択した保留演出パターンテーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、ステップS1038の処理によって取得した保留演出パターン乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。
このような保留演出パターン選択処理が実行されることによって、第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンが新たに表示される際に、通常アイコンを表示するか、又は特別アイコンを表示するかが決定され、特別アイコンを表示する場合には、その表示色が併せて決定される。また、第1保留アイコン表示領域51に表示された保留アイコンをどのように保留変化させていくか(変化後の保留アイコンの色とその保留変化タイミング)が決定される。
なお、保留アイコンの先読み演出の演出パターンを決定する方法はここで例示した方法に限定されるものではなく、他の方法であってもよい。
ステップS1039の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS1039の処理による決定結果を示す設定情報を含む色付きアイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1040)。
色付きアイコン表示コマンドは、ステップS14の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これに対して、画像音響制御基板140の統括CPUは、色付きアイコン表示コマンドに含まれている情報が示す当初の表示色の保留アイコンを第1保留アイコン表示領域51に新たに表示させる。そして、その色付きアイコン表示コマンドに含まれている変化タイミングで、同じくその色付きアイコン表示コマンドに含まれている保留変化後の色の保留アイコンに表示中の保留アイコンを保留変化させる。
サブCPU131は、ステップS1034の処理を実行した場合、又はステップS1040の処理を実行した場合、サブRAM133に記憶されている禁止フラグが「ON」に設定されているか否かを判断する(ステップS1042)。ここで、禁止フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(ステップS1042:YES)、一連の保留コマンド受信処理が終了して、ステップS11に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、禁止フラグが「ON」に設定されていないと判断した場合(ステップS1042:NO)、動作決定乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1043)。この動作決定乱数は、第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンを新たに表示する際に演出役物7に動作を開始させるか否かを決定する処理に使用される乱数であり、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値を動作決定乱数として取得する。
ステップS1043の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS1034の処理(又はステップS1040の処理)に応じて第1保留アイコン表示領域51における通常アイコン(又は特別アイコン)の表示が開始される際に演出役物7に動作を開始させるか否かを判定する(ステップS1044)。
図には示されていないが、サブROM132には、大当たり用動作決定テーブルと、ハズレリーチ有り演出用動作決定テーブルと、ハズレリーチ無し演出用動作決定テーブルとの3つの動作決定テーブルが記憶されている。これらの動作決定テーブルの各々には、遊技制御基板100において決定される変動パターン(変動時間)に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、大当たり用動作決定テーブルには、30秒用、45秒用、60秒用、70秒用、90秒用、120秒用のテーブルが設けられている。
サブCPU131は、これら複数のテーブルの中から、保留コマンドに含まれている事前判定情報に基づいて、1のテーブルを選択する。例えば、「大当たり」であることを示す情報と、変動時間が70秒である変動パターンを示す情報とを含む事前判定情報が受信した保留コマンドに含まれている場合、サブCPU131は、70秒用の大当たり用動作決定テーブルを選択する。また、例えば「ハズレ」であることを示す情報と、変動時間が30秒である変動パターンを示す情報とを含む事前判定情報が受信した保留コマンドに含まれている場合、サブCPU131は、30秒用のハズレリーチ有り演出用動作決定テーブルを選択する。
動作決定テーブルにおいては、動作決定乱数と、演出役物7の動作の有無とが対応付けられている。ステップS1044の処理において、サブCPU131は、選択した動作決定テーブルを参照して、ステップS1043の処理で取得した動作決定乱数に対応するのが演出役物7の動作有りと動作無しのどちらであるかを判別することによって、今回の保留アイコンの表示開始に際して演出役物7に動作を開始させるか否かを決定する。ここで、演出役物7を動作させないと判定された場合(ステップS1044:NO)、すなわち、取得した動作決定乱数に対応するのが演出役物7の動作無しである場合、ステップS11に処理が進められる。
なお、各動作決定テーブルは、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」になることを示す情報が事前判定情報に含まれている場合よりも、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」になることを示す情報が事前判定情報に含まれている場合の方が、演出役物7が動作し易くなるように構成されている。また、事前判定情報に含まれている情報が示す特別図柄の変動パターンに対応する変動時間が短ければ短いほど演出役物7が動作し難く、逆に、変動時間が長ければ長いほど演出役物7が動作し易くなるように構成されている。
サブCPU131は、演出役物7を動作させると判定した場合(ステップS1044:YES)、すなわち、取得した動作決定乱数に対応するのが演出役物7の動作有りである場合、演出役物7の初期動作(本実施形態では、初期姿勢から回動姿勢への姿勢変化)の開始を指示する初期動作開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1045)。
このようにしてサブRAM133にセットされた初期動作開始コマンドは、ステップS14の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。
これに対して、ランプ制御基板150のランプCPUは、演出制御基板130からの初期動作開始コマンドを受信すると、演出役物7に初期動作を開始させる。具体的には、受信した初期動作開始コマンドに応じた動作パターンデータをランプROMからランプRAMに読み出し、読み出した動作パターンデータに基づいて、演出役物7を動作させるステッピングモータの駆動を制御する。これにより、演出役物7が初期姿勢から回動姿勢へと姿勢変化して、演出役物7が動作状態となる。
なお、本実施形態では、演出役物7の初期動作の動作パターンが1種類である場合について説明するが、他の実施形態では、演出役物7の初期動作の動作パターンが複数用意されていてもよい。
サブCPU131は、ステップS1045の処理を実行した場合、このステップS1045の処理に応じて演出役物7が動作状態(初期姿勢にない状態)となるため、演出役物7を用いる新たな演出の実行を一時的に禁止するために、サブRAM133に記憶されている禁止フラグを「ON」に設定する(ステップS1046)。
そして、サブCPU131は、液晶画面における演出役物7の動作時間のカウント表示を画像音響制御基板140に開始させる(ステップS1047)。
このように、サブCPU131は、演出役物7の動作が開始された場合に、その演出役物7の動作時間を示唆する示唆画像の液晶画面における表示を開始する。
なお、本実施形態では、禁止フラグが「ON」に設定されている状況では、演出役物7の新たな動作のみならず、今回の対象保留とは異なる保留に関する特別アイコンの新規表示や、今回の対象保留とは異なる保留に関する保留アイコンの保留変化を禁止する場合について説明する。これに対して、他の実施形態では、例えば演出役物7の動作を伴わないことを条件として、今回の対象保留とは異なる保留に関する特別アイコンの新規表示や、今回の対象保留とは異なる保留に関する保留アイコンの保留変化を許可するようにしてもよい。
サブCPU131は、ステップS1047の処理に続いて、当該変動開始前に演出役物7に動作を終了させるか否かを判定する(ステップS1048)。
ところで、本実施形態では、当該変動に関して、概ね、変動時間が長ければ長いほど大当たりの可能性が高まるという傾向がある。これは、「大当たり」の場合には変動時間が短い変動パターンが選択され難いと共に変動時間が長い変動パターンが選択され易く(図5(A)参照)、また、「リーチ有りハズレ」の場合には変動時間が短い変動パターンが選択され易いと共に変動時間が長い変動パターンが選択され難い(図5(B)参照)ためである。
これに対して、当該変動が、変動時間が相対的に短い変動であるにも拘わらず当該変動開始後も演出役物7を動作させ続けてしまうと、当該変動開始後も演出役物7の動作状態が継続しているものの、液晶画面に表示されている演出役物7の動作時間が相対的に長い時間になり難いという状況が多くなってしまう。その結果、当該変動開始後も演出役物7の動作状態が継続しているため、大当たりの期待が持てる何らかのアツい演出が発生するかもしれないといった期待感を遊技者が抱き難くなってしまう可能性がある。
このため、本実施形態では、受信した保留コマンド内の事前判定情報に含まれている情報が示す特別図柄の変動パターンに対応する変動時間が所定時間(例えば60秒)以上である場合には、当該変動開始後も演出役物7の動作を継続させ、逆に、変動時間が所定時間未満である場合には、当該変動開始前に演出役物7の動作を終了させることとしている。
すなわち、事前判定情報に含まれている情報が示す特別図柄の変動パターンに対応する変動時間が所定時間(例えば60秒)未満である場合、ステップS1048の処理で「YES」と判定されて、ステップS1049に処理が進められる。逆に、変動時間が所定時間以上である場合、ステップS1048の処理で「NO」と判定されて、ステップS11に処理が進められる。
このように、サブCPU131は、先読み対象保留に関して特別図柄の変動時間が所定時間未満になることを示す事前判定結果が得られた場合には、後述するステップS1049以降の処理を行うことにより、演出役物7を先読み対象保留に係る当該変動開始前に初期姿勢に復帰させる(図7参照)。その結果、演出役物7の動作時間は、相対的に短い時間となる。
一方、サブCPU131は、先読み対象保留に関して特別図柄の変動時間が所定時間以上になることを示す事前判定結果が得られた場合には、後述するステップS1090(図30参照)以降の処理を行うことにより、演出役物7を先読み対象保留に係る当該変動開始後に(当該変動中に)初期姿勢に復帰させる(図8参照)。その結果、演出役物7の動作時間は、相対的に長い時間となる。
なお、ここでは、演出役物7の初期姿勢への復帰タイミングを当該変動開始前とするか或いは当該変動開始後とするかを、事前判定結果が示す特別図柄の変動パターンに対応する変動時間が所定時間以上であるか否かに基づいて決定する場合に説明した。
これに対して、他の実施形態では、復帰タイミングを当該変動開始前とするか或いは当該変動開始後とするかを、例えば、先読み対象保留に対応する当該変動中に行われるリーチ演出の種類によって決定するようにしてもよい。例えば、リーチ演出としてノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、及びSPSPリーチ演出の3種類がある場合、サブCPU131は、遊技制御基板100から取得した事前判定結果に基づいて、先読み対象保留に係る当該変動中にリーチ演出が行われるか否か、リーチ演出が行われる場合にはどのリーチ演出が行われるかを特定する。そして、先読み対象保留に係る当該変動中にリーチ演出が行われないと特定した場合(リーチ無し演出が行われる場合)、ノーマルリーチ演出しか行われないと特定した場合、演出役物7の初期姿勢への復帰タイミングを当該変動開始前に決定する。一方、先読み対象保留に係る当該変動中にSPリーチ演出やSPSPリーチ演出が行われると特定した場合、演出役物7の初期姿勢への復帰タイミングを当該変動開始後に決定する。
また、事前判定情報を構成する他の情報に基づいて、演出役物7の初期姿勢への復帰タイミングを当該変動開始前にするか否かを決定してもよい。すなわち、例えば特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報に基づいて、復帰タイミングを当該変動開始前にするか否かを決定してもよい。
サブCPU131は、当該変動開始前に演出役物7の動作を終了させると判定した場合(ステップS1048:YES)、演出役物7の復帰動作開始タイミング(=演出役物7が初期姿勢への復帰動作を開始するタイミング)を設定する(ステップS1049)。具体的には、ステップS1039の処理結果を示す設定情報がサブRAM133に記憶されている場合、その設定情報に基づいて、当該変動開始前に保留変化が発生するポイントがあるか否かを判断する。そして、保留変化が発生するポイントがあると判断した場合、そのポイントの直前のタイミングを、演出役物7の復帰動作開始タイミングに設定する。このような設定処理により、例えば図7(D)に例示される演出が実現可能となる。
一方、当該変動開始前に保留変化が発生するポイントがないと判断した場合、又は、ステップS1039の処理結果を示す設定情報が記憶されていない場合、復帰動作開始タイミングをランダムに設定する。例えば、当該領域53に表示されている保留アイコンに対応する変動の残り時間と、第1保留アイコン表示領域51に表示されている各保留アイコンに対応する事前判定情報に含まれている変動パターンを示す情報とに基づいて、先読み対象保留に対応する当該変動が開始されるまでの時間を特定する。そして、その特定した時間に対して、ランダム抽選を行って、演出役物7を初期姿勢に復帰させる復帰動作を開始する復帰動作開始タイミングを決定する。
例えば、第1保留アイコン表示領域51に新たに表示された保留アイコンに対応する当該変動が開始されるまでの時間が15秒ある場合、その保留アイコンが表示されてから5秒が経過したタイミングを第1候補タイミング、10秒が経過したタイミングを第2候補タイミングと仮定した場合に、タイミング決定用の乱数を取得し、その乱数が奇数値であれば第1候補タイミングを動作終了タイミングに設定し、偶数値であれば第2候補タイミングを動作終了タイミングに設定する。このような設定処理により、例えば図7(C)に例示される演出が実現可能となる。
なお、ここで例示した演出役物7の動作終了タイミングの設定方法は単なる一例であって、当該変動開始前における演出役物7の動作終了タイミングは、他の方法で設定されてもよい。
サブCPU131は、演出役物7の復帰動作開始タイミングを設定すると、演出役物7の復帰動作パターンを設定する。すなわち、ステップS1049の処理に続いて、ステップS1049の設定結果に基づいて、演出役物7を保留変化時に初期姿勢に復帰させるか否かを判断し(ステップS1050)、保留変化時に復帰させると判断した場合には(ステップS1050:YES)、保留変化示唆用の復帰動作パターンを示す情報をサブRAM133にセットする(ステップS1051)。この保留変化示唆用の復帰動作パターンは、本実施形態では、演出役物7を回動姿勢付近で所定回数揺動させてから初期姿勢へと復帰させる動作パターンである(例えば図9(C−4)参照)。
逆に、保留変化時の復帰ではないと判断した場合(ステップS1050:NO)、ガセ用復帰動作パターンを示す情報をサブRAM133にセットする(ステップS1052)。このガセ用復帰動作パターンは、本実施形態では、演出役物7を回動姿勢から初期姿勢へと一定速度で復帰させる動作パターンである(例えば図9(A−4)参照)。
ところで、演出役物7を当該変動中に初期姿勢に復帰させるタイミングとしては、本実施形態では、当該変動中の保留変化タイミング(図8(C)参照)の他に、ゾーン突入の直前のタイミング(図8(D)参照)、所定の予告演出が行われる直前のタイミング(図8(E)参照)、リーチ成立の直前のタイミング(図8(F)参照)、リーチ発展の直前のタイミング(図8(G)参照)が挙げられる。そして、これらの各種演出は、当該変動中に実行するか否かと、当該変動中のどのタイミングで実行するかとが、当該変動開始時に決定される。
このため、サブCPU131は、当該変動開始後に演出役物7を初期姿勢に復帰させる場合、すなわち、ステップS1048で「NO」と判定した場合、当該変動開始時において、演出役物7の復帰動作開始タイミング及び復帰動作パターンを設定する。この復帰動作開始タイミング及び復帰動作パターンを設定する処理については、図30に基づいて後に詳述する。
[演出制御基板130による変動演出開始処理]
以下、図30を参照しつつ、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドを受信した演出制御基板130において実行される変動演出開始処理について説明する。ここで、図30は、図28のステップS108における変動演出開始処理の詳細フローチャートである。
サブCPU131は、遊技制御基板100から受信したコマンドが、ステップS311(図22参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS107:YES)、上述した乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1081)。そして、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS1082)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、装飾図柄の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS1083)。
図には示されていないが、サブROM132には、特別図柄の変動表示に伴う変動演出に関して、大当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、及びハズレリーチ無し演出テーブルの少なくとも3つの演出テーブルが記憶されている。これらの演出テーブルの各々には、遊技制御基板100において決定される変動パターン(変動時間)に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、大当たり演出テーブルには、60秒用、80秒用、120秒用、及び160秒用のテーブルが設けられている。
サブCPU131は、これら複数のテーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、1のテーブルを選択する。例えば、設定情報に「大当たり」を示す情報、変動時間が60秒である大当たり用の変動パターンを示す情報が含まれている場合、サブCPU131は、60秒用の大当たり演出テーブルを選択する。また、設定情報に「ハズレ」を示す情報、遊技状態が時短遊技状態であることを示す情報、変動時間が10秒であるハズレ用の変動パターンを示す情報が含まれている場合、サブCPU131は、10秒用のハズレリーチ無し演出テーブルを選択する。
演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。サブCPU131は、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、ステップS1081の処理によって取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。
このような変動演出パターン設定処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、リーチ成立のタイミング、リーチ演出が発展するか否か、リーチ演出が発展する場合にはどのリーチ演出からどのリーチ演出に発展するか等が決定される。
また、サブCPU131は、ステップS1083の設定結果に基づいて、装飾図柄の変動演出中に実行される各種予告演出の演出パターンを設定する予告演出パターン設定処理を実行する(ステップS1084)。
この予告演出パターン設定処理は、公知な処理であるため、ここでの詳細な説明は省略するが、予告演出パターン設定処理が実行されることにより、各種予告演出を実行するか否か、各種予告演出を実行する場合にはそれらの実行タイミング、当該変動中にゾーン演出に突入させるか否か、突入させる場合にはその突入タイミング等が決定される。例えば、擬似連続予告演出については、擬似連続予告演出を実行するか否か、擬似連続予告演出を実行する場合には何連目まで発展させるか等が決定される。
ステップS1084の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS1083の処理で設定した変動演出パターンの変動演出の開始、及びステップS1084の処理で設定した予告演出パターンの予告演出の実行を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1085)。この変動演出開始コマンドは、ステップS1083の処理によって設定された変動演出パターンを示す情報、及びステップS1084の処理によって設定された予告演出パターンを示す情報を含むものであり、ステップS14の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出パターンが決定された変動演出及びこれに伴う予告演出が、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によって実現されることになる。
ステップS1085の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている保留数を「1」減算する(ステップS1086)。具体的には、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドが第1特別図柄判定に係る図柄変動の開始を通知するものである場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。一方、受信した変動開始コマンドが第2特別図柄判定に係る図柄変動の開始を通知するものである場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。
なお、第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に保留アイコンが表示された状態で変動演出開始コマンドが画像音響制御基板140に送信されると、装飾図柄の変動表示の開始に伴い、第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示されているアイコンのシフト処理が画像音響制御基板140によって行われる。このアイコンのシフト処理については、上述した通りである。
次に、サブCPU131は、禁止フラグが「ON」に設定されているか否かを判断する(ステップS1088)。ここで、禁止フラグが「ON」に設定されていないと判断された場合(ステップS1088:NO)、演出役物7は動作中ではなく、演出役物7の動作終了タイミングや初期姿勢への復帰動作パターンを設定する必要がないため、変動演出開始処理が終了してステップS11に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、禁止フラグが「ON」に設定されていると判断した場合(ステップS1088:YES)、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている情報と、サブRAM133に記憶されている先読み対象保留に係る事前判定情報とが対応するものであるか否かに基づいて、今回の変動開始が、先読み対象保留を消化するものであるか否かを判定する(ステップS1089)。ここで、先読み対象保留を消化するものではないと判定された場合(ステップS1089:NO)、ステップS11に処理が進められる。
ところで、先読み対象保留の当該変動開始時に禁止フラグが「ON」に設定されている場合、当該変動開始後も演出役物7が動作中であるため、演出役物7の復帰動作に関する設定が行われていない状態である。このため、サブCPU131は、今回の変動開始が、先読み対象保留を消化するものであると判定した場合(ステップS1089:YES)、演出役物7の復帰動作により出現を示唆する演出を選択する(ステップS1090)。言い換えれば、演出役物7が復帰動作を開始した直後に発生することになる演出を、保留変化、ゾーン突入示唆演出、予告演出、リーチ成立演出、及びリーチ発展演出のいずれかから選択する。
具体的には、サブCPU131は、演出役物7の復帰動作により示唆可能な演出が何種類あるかを特定する。すなわち、ステップS1039(図29参照)の処理によって決定された先読み演出に関する設定情報がサブRAM133に記憶されている場合、その設定情報に基づいて、先読み対象保留に対応する当該変動中に、先読み対象保留の保留変化の演出が行われるように設定されているか否かを判断する。ここで、先読み対象保留の保留変化の演出が行われるように設定されている場合、保留変化の演出が、演出役物7の復帰動作により示唆可能な演出の1つであると判断することができる。
また、サブCPU131は、上述したステップS1083の設定処理とステップS1084の設定処理とによって設定された当該変動中に行われる予定の演出に関して、演出役物7の復帰動作により示唆可能な演出が何種類含まれているかを特定する。具体的には、上記2つの設定処理の内容を示す設定情報がサブRAM133に記憶されており、サブCPU131は、ゾーン突入示唆演出、所定の予告演出、リーチ成立演出、及びリーチ発展演出のうち、上記の設定情報が示す演出に何種類の演出が含まれているかを特定する。例えば、リーチが成立してノーマルリーチ演出からSPSPリーチ演出に発展することを示す設定情報が記憶されている場合、演出役物7の復帰動作により示唆可能な演出が2種類あると特定される。また、例えば、擬似連続予告演出が行われた後にノーマルリーチ演出が行われ、ハズレと見せ掛けてSPSPリーチ演出へと発展することを示す設定情報が記憶されている場合、演出役物7の復帰動作により示唆可能な演出が3種類あると特定される。なお、予告演出が複数含まれている場合には、演出の種類としては1種類としてカウントし、例えばいずれか1つをランダムに選択して以降の処理を行う。
このように、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている先読み演出に関する設定情報(S1039の決定結果を示す情報)と、同じくサブRAM133に記憶されている変動演出に関する設定情報(ステップS1083とステップS1084の設定結果)とに基づいて、演出役物7の復帰動作により示唆可能な演出の種類(演出数)を特定する。
次に、サブCPU131は、特定した演出の中から、演出役物7の復帰動作により示唆する1の演出を選択する。その際、特定した演出が1つである場合、その演出を示唆対象の演出に選択して、その選択結果を示す情報を設定情報としてサブRAM133にセットする。
また、サブCPU131は、特定した演出が複数ある場合、示唆対象演出選択テーブル(図31参照)を参照して、いずれか1つの演出を選択する。ここで、図31は、演出役物7の復帰動作によって発生を示唆する演出の種類を決定する処理に使用される示唆対象演出選択テーブルについて説明するための説明図である。図31(A)〜(D)に例示される示唆対象演出選択テーブルは、それぞれ、演出役物7の復帰動作により示唆可能な演出の実行順の種別と、選択用乱数とが対応付けられている。ここで、選択用乱数は、演出役物7の復帰動作により示唆する1の演出を選択する処理に使用される乱数であり、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値を選択用乱数として取得する。なお、選択用乱数の取り得る範囲は、本実施形態では「0」〜「99」である。
図31(A)は、演出役物7の復帰動作により示唆可能な演出が2つある場合に、示唆対象の演出を選択する処理に使用される選択テーブルの一例を示す図である。この2種用示唆対象演出選択テーブルでは、2つの演出のうちの1番目の演出の直前で演出役物7が復帰動作を開始する割合が30%となり、2番目の演出の直前で演出役物7が復帰動作を開始する割合が70%となるように、「0」〜「29」の乱数値が1番目の演出に対応付けられると共に、「30」〜「99」の乱数値が2番目の演出に対応付けられている。
演出役物7の復帰動作により示唆可能な演出が2つある場合、サブCPU131は、2種用示唆対象演出選択テーブルをサブROM132からサブRAM133に読み出してセットする。そして、先読み対象保留に対応する変動開始コマンドを受信した際に取得した選択用乱数に対応する実行順種別を読み出すことによって、示唆対象の演出を選択する。例えば、取得した選択用乱数が「20」である場合、2つある演出のうちの1番目の演出を示唆対象の演出として選択する。また、取得した選択用乱数が「57」である場合、2つある演出のうちの2番目の演出を示唆対象の演出として選択する。
同様に、演出役物7の復帰動作により示唆可能な演出が3つある場合には、3種用示唆対象演出選択テーブル(図31(B)参照)を用いて示唆対象の演出を選択する。また、示唆可能な演出が4つある場合には、4種用示唆対象演出選択テーブル(図31(C)参照)を用いて示唆対象の演出を選択する。また、示唆可能な演出が5つある場合には、5種用示唆対象演出選択テーブル(図31(D)参照)を用いて示唆対象の演出を選択する。
例えば、示唆可能な3つの演出を実行順に並べると、予告演出、保留変化、リーチ成立の順となり、3種用示唆対象演出選択テーブルに基づいて2番目の演出が選択された場合、先読み対象保留が当該領域53で保留変化する際に演出役物7に復帰動作を行わせるという設定情報がサブRAM133にセットされることになる。この場合、液晶画面上でカウントされる演出役物7の動作時間は、予告演出の直前に演出役物7が復帰動作を行う場合よりも長く、且つ、リーチ成立の直前に演出役物7が復帰動作を行う場合よりも短くなる。
また、例えば、示唆可能な4つの演出を実行順に並べると、保留変化、予告演出、リーチ成立、リーチ発展の順となり、4種用示唆対象演出選択テーブルに基づいて4番目の演出が選択された場合、リーチ演出が発展する直前に演出役物7に復帰動作を行わせるという設定情報がサブRAM133にセットされることになる。この場合、液晶画面上でカウントされる演出役物7の動作時間は、保留変化の直前に演出役物7が復帰動作を行う場合よりも長く、予告演出の直前に演出役物7が復帰動作を行う場合よりも更に長く、リーチ成立の直前に演出役物7が復帰動作を行う場合よりも更に長くなる。
このように、示唆対象の演出として何番目の演出が選択されるかによって、液晶画面上でカウントされる演出役物7の最終的な動作時間が変化することになる。なお、本実施形態では、図31(A)〜(D)の表記から明らかなように、実行順が後の方である演出の方が、実行順が前の方である演出よりも選択割合が高めに設定されているので、当該変動開始後も演出役物7が動作を継続する場合には、その動作時間が長くなり易くなっている。
ステップS1090の処理に続いて、サブCPU131は、演出役物7の復帰動作開始タイミングを設定する(ステップS1091)。具体的には、ステップS1090の処理で選択した演出が先読み対象保留に関する当該変動中のどのタイミングで実行されるかを、サブRAM133に記憶されている変動演出に係る設定情報に基づいて特定する。そして、特定したタイミングの直前のタイミング(例えば2秒前のタイミング)を復帰動作開始タイミングに決定して、その時間情報を設定情報としてサブRAM133にセットする。
ステップS1091の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS1090の処理によってサブRAM133にセットされた設定情報に基づいて、示唆対象の演出が保留変化であるか否かを判断する(ステップS1092)。
サブCPU131は、示唆対象の演出が保留変化であると判断した場合(ステップS1092:YES)、保留変化示唆用の復帰動作パターンを示す情報をサブRAM133にセットする(ステップS1093)。なお、保留変化後の特別アイコンの表示色毎に復帰動作パターンを用意しておき、保留変化後の特別アイコンの表示色に応じた復帰動作パターンを選択してセットするようにしてもよい。
また、サブCPU131は、示唆対象の演出が保留変化ではないと判断した場合(ステップS1092:NO)、ステップS1090の処理によってサブRAM133にセットされた設定情報に基づいて、示唆対象の演出が予告演出であるか否かを判断する(ステップS1094)。ここで、示唆対象の演出が予告演出であると判断した場合(ステップS1094:YES)、予告演出示唆用の復帰動作パターンを示す情報をサブRAM133にセットする(ステップS1095)。なお、本実施形態では、示唆対象となる予告演出が複数あるため、予告演出毎に復帰動作パターンを用意しておき、今回の示唆対象となる予告演出に応じた復帰動作パターンを選択してセットする。
サブCPU131は、示唆対象の演出が予告演出ではないと判断した場合(ステップS1094:NO)、ステップS1090の処理によってサブRAM133にセットされた設定情報に基づいて、示唆対象の演出がゾーン突入示唆演出であるか否かを判断する(ステップS1096)。ここで、示唆対象の演出がゾーン突入示唆演出であると判断した場合(ステップS1096:YES)、ゾーン突入示唆用の復帰動作パターンを示す情報をサブRAM133にセットする(ステップS1097)。
また、サブCPU131は、示唆対象の演出がゾーン突入示唆演出ではないと判断した場合(ステップS1096:NO)、ステップS1090の処理によってサブRAM133にセットされた設定情報に基づいて、示唆対象の演出がリーチ成立演出であるか否かを判断する(ステップS1098)。ここで、示唆対象の演出がリーチ成立演出であると判断した場合(ステップS1098:YES)、リーチ成立示唆用の復帰動作パターンを示す情報をサブRAM133にセットする(ステップS1099)。逆に、示唆対象の演出がリーチ成立演出ではないと判断した場合(ステップS1098:NO)、すなわち、示唆対象の演出がリーチ発展演出である場合、リーチ発展示唆用の復帰動作パターンを示す情報をサブRAM133にセットする(ステップS1100)。
[演出制御基板130による役物動作制御処理]
以下、図32を参照しつつ、演出制御基板130において実行される役物動作制御処理について説明する。ここで、図32は、図27のステップS13における役物動作制御処理の詳細フローチャートである。
サブCPU131は、ステップS12の処理を実行した場合、又は演出ボタン26と十字キー27がどちらも操作されていないと判定した場合(ステップS11:NO)、サブRAM133に記憶されている禁止フラグが「ON」に設定されているか否かを判断する(ステップS1031)。すなわち、演出役物7が動作中であるか否かを判断する。ここで、禁止フラグが「ON」に設定されていないと判断された場合(ステップS1301:NO)、後述するステップS1305に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、禁止フラグが「ON」に設定されていると判断した場合(ステップS1301:YES)、ステップS1049(図29参照)の処理又はステップS1091(図30参照)の処理に応じてセットされた復帰動作開始タイミングを示す情報がサブRAM133に記憶されているか否かに基づいて、復帰動作タイミングが設定済であるか否かを判断する(ステップS1302)。ここで、復帰動作タイミングが設定済ではないと判断された場合(ステップS1302:NO)、ステップS1305に処理が進められる。
サブCPU131は、復帰動作タイミングが設定済であると判断した場合(ステップS1302)、すなわち、復帰動作開始タイミングを示す情報がサブRAM133に記憶されている場合、その情報に基づいて、演出役物7の復帰動作開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS1303)。ここで、演出役物7の復帰動作開始タイミングではないと判定された場合(ステップS1303:NO)、ステップS1305に処理が進められる。
サブCPU131は、復帰動作開始タイミングであると判定した場合(ステップS1303:YES)、演出役物7の初期姿勢への復帰動作の開始を指示する復帰動作開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1304)。なお、サブRAM133に復帰動作タイミングを示す情報が記憶されている場合、ステップS1051(図29参照)の処理によってセットされた復帰動作パターン、ステップS1052(図29参照)の処理によってセットされた復帰動作パターン、ステップS1093(図30参照)の処理によってセットされた復帰動作パターン、ステップS1095(図30参照)の処理によってセットされた復帰動作パターン、ステップS1097(図30参照)の処理によってセットされた復帰動作パターン、ステップS1099(図30参照)の処理によってセットされた復帰動作パターン、及びステップS1100(図30参照)の処理によってセットされた復帰動作パターンのいずれかを示す情報がサブRAM133に記憶されているので、サブCPU131は、記憶されている復帰動作パターンを示す情報を含む復帰動作開始コマンドをセットする。
このようにしてサブRAM133にセットされた復帰動作開始コマンドは、ステップS14の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。
これに対して、ランプ制御基板150のランプCPUは、演出制御基板130からの復帰動作開始コマンドを受信すると、演出役物7に復帰動作を開始させる。具体的には、受信した復帰動作開始コマンドに含まれている復帰動作パターンを示す情報に対応する動作パターンデータをランプROMからランプRAMに読み出し、読み出した動作パターンデータに基づいて、演出役物7を動作させるステッピングモータの駆動を制御する。これにより、演出役物7が示唆対象である演出に応じた動作パターンで初期姿勢へと復帰する。
サブCPU131は、ステップS1304の処理を実行した場合、禁止フラグが「ON」に設定されていないと判断した場合(ステップS1301:NO)、復帰動作タイミングが設定済ではないと判断した場合(ステップS1302:NO)、演出役物7の復帰動作開始タイミングではないと判定した場合(ステップS1303:NO)、演出役物7の復帰動作中であるか否かを判定する(ステップS1305)。具体的には、例えば、復帰動作開始コマンドをセットしてからの経過時間を計測し、その経過時間が、その復帰動作開始コマンドに応じた復帰動作で演出役物7が初期姿勢に復帰するのに要する時間に達したか否かに基づいて、演出役物7が復帰動作中であるか否かを判定する。ここで、演出役物7が復帰動作中ではないと判定された場合(ステップS1305:NO)、ステップS14に処理が進められる。
サブCPU131は、演出役物7の復帰動作中であると判定した場合(ステップS1305:YES)、例えば、復帰動作開始コマンドをセットしてからの経過時間が、その復帰動作開始コマンドに応じた復帰動作で演出役物7が初期姿勢に復帰するのに要する時間に達したか否かに基づいて、演出役物7の復帰動作が完了したか否かを判定する(ステップS1306)。ここで、演出役物7の復帰動作が完了していないと判定された場合(ステップS1306:NO)、ステップS14に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、演出役物7の復帰動作が完了したと判定した場合(ステップS1306:YES)、サブRAM133に記憶されている禁止フラグを「OFF」に変更し(ステップS1307)、液晶画面上における演出役物7の動作時間のカウント表示を画像音響制御基板140に終了させる(ステップS1308)。これにより、演出役物7が動作を開始してから終了するまでの総動作時間が、液晶画面に所定時間(例えば5秒間)表示されてから消去されることになる。
なお、他の実施形態においては、演出役物7の復帰動作が完了した段階で液晶画面上における動作時間のカウントアップを完了させて、その時点で表示されている動作時間を、当該変動の終了まで表示させ続けるようにしてもよい。
ステップS1308の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている演出役物7の動作に関する設定情報(復帰動作開始タイミングを示す情報、復帰動作パターンを示す情報など)を破棄する(ステップS1309)。
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、保留アイコンの保留変化や他の演出が発生する前は、演出役物7が初期姿勢とは異なる姿勢にある状態が継続する。このため、遊技者は、保留アイコンの保留変化や他の演出が発生することへの期待感を持ち続けて遊技を楽しむことが可能である。また、保留変化や他の演出が発生する際に演出役物7が初期姿勢に戻されるので、遊技者は、演出役物7の復帰動作に基づいて、保留変化や他の演出の発生を容易に認識することが可能である。このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1によれば、保留アイコンの保留変化や他の演出の発生を効果的に示唆することができる。
ところで、演出役物7を初期姿勢に戻す際には必ず保留変化が発生するといった構成を安易に採用してしまうと、保留変化が発生するかもしれないといったドキドキ感を遊技者が感じ難くなり、保留変化の演出の演出効果が低下してしまうおそれがある。これに対して、本実施形態では、演出役物7が初期姿勢に戻される際に保留変化が発生しない場合があるため(例えば図7(C)参照)、保留変化の演出の演出効果が低下するのを効果的に抑制することができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、演出役物7の動作時間をカウントアップする場合について説明したが、先読み対象保留に対応する当該変動が開始されるまでの時間と、その当該変動が開始されてから終了するまでの時間とを正確に特定できる場合には、演出役物7の動作開始時に演出役物7の総動作時間を設定し、液晶画面に表示される動作時間を、その総動作時間からカウントダウンしていくようにしてもよい。また、他の実施形態では、演出役物7の動作時間を表示しない構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、大当たりの可能性がある場合やその可能性が相対的に高い場合には演出役物7の動作時間を相対的に長くし、大当たりの可能性が相対的に低い場合には演出役物7の動作時間を相対的に短くする場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、例えば、大当たりの可能性がある場合やその可能性が相対的に高い場合には演出役物7の動作時間を相対的に短くし、大当たりの可能性が相対的に低い場合には演出役物7の動作時間を相対的に長くしてもよい。
また、本実施形態では、保留変化以外の演出の発生については、先読み対象保留に対応する当該変動中に行われる演出に関してその演出の発生を演出役物7の復帰動作により示唆する場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、先読み対象保留に対応する当該変動開始前に行われる演出に関して、その発生を示唆するようにしてもよい。例えば、先読み対象保留の当該変動が開始される前にゾーン演出が開始されるような場合には、そのゾーン演出の開始に先立って、演出役物7に復帰動作を行わせることが考えられる。
また、他の実施形態では、特別図柄判定が保留されていることを、液晶表示装置5に代えて、例えばLED等の他の表示器を用いて表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上記実施形態で例示した画面図等も単なる一例であって、他の態様であってもよい。