[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図10を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。また、図8は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図10はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ機1の外枠2は、図9及び図10等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面右下隅に取付けられており遊技球を遊技盤5の遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット300と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面下部に取付けられている皿ユニット320と、皿ユニット320の中央に取付けられており遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて遊技者に参加型の演出を提示することが可能な演出操作ユニット400と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット530と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット550と、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも上側の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット570と、を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベース600の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット320における上皿321での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861及び満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音用のスピーカ921を有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
パチンコ機1の遊技盤5は、図9及び図10等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する外レール1001及び内レール1002を有した前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1100と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、上皿321に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドル302を回転操作すると、球発射装置680によってハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿321に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿321内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図11乃至図16を参照して説明する。図11はパチンコ機における外枠の正面図であり、図12は外枠の右側面図である。また、図13は外枠を前から見た斜視図であり、図14は外枠を後ろから見た斜視図である。図15は、外枠を分解して前から見た分解斜視図である。図16(a)は外枠における外枠側上ヒンジ部材の部位を、左枠部材を省略して下側から見た斜視図であり、(b)は(a)を分解して示す分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。
外枠2は、図示するように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。また、外枠2は、上枠部材10及び下枠部材20の左右両端面と、左枠部材30及び右枠部材40の左右方向の外側を向いた側面とが、同一面となるように組立てられている。
また、外枠2は、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、外枠側上ヒンジ部材60の下面に取付けられているロック部材66と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、幕板部材50の後側に取付けられていると共に両端が左枠部材30及び右枠部材40に夫々取付けられる幕板補強部材80と、幕板部材50の上面における左右中央から左寄りの位置に取付けられている平板状の左滑り部材81と、幕板部材50の上面における右端付近の位置に取付けられている平板状の右滑り部材82と、を備えている。幕板補強部材80は、中実の部材(例えば、木材、合板、等)によって形成されており、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40に、取付けられている。
更に、外枠2は、上枠部材10と左枠部材30、上枠部材10と右枠部材40、下枠部材20と左枠部材30、及び下枠部材20と右枠部材40を、夫々連結している連結部材85を備えている。また、外枠2は、右枠部材40の内側(左側面側)に取付けられており後述する施錠ユニット700の外枠用鉤703が係止される上鉤掛部材90及び下鉤掛部材91を、備えている。
[2−1.上枠部材]
外枠2の上枠部材10は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この上枠部材10は、左右両端における前後方向の中央に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部11を備えている。この係合切欠部11内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87が取付けられる。また、上枠部材10は、正面視左側端部の上面と前面に、一般面よりも窪んだ取付段部12を備えている。この取付段部12には、外枠側上ヒンジ部材60が取付けられる。
[2−2.下枠部材]
外枠2の下枠部材20は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この下枠部材20は、左右の長さ及び上下の厚さが、上枠部材10の左右の長さ及び上下の厚さと同じ寸法に形成されていると共に、前後の幅が、上枠部材10の前後の幅よりも長く形成されている。下枠部材20は、左右両端における前後方向の中央よりも後側寄りの位置に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部21を備えている。この係合切欠部21内には、連結部材85の後述する左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88が取付けられる。
また、下枠部材20は、左右両端の前面から後方へ窪んだ前端切欠部22を備えている。下枠部材20において、前端切欠部22の後端から下枠部材20の後面までの前後方向の幅が、上枠部材10の前後方向の幅と同じ寸法に形成されている。この下枠部材20は、外枠2に組立てた状態で、左右の前端切欠部22同士の間の部位が、幕板部材50内に挿入される。
[2−3.左枠部材及び右枠部材]
外枠2の左枠部材30及び右枠部材40は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金等の金属の押出形材によって形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、平面視において互いに対称の形状に形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、外枠2として組立てた時に、左右方向の外側となる側面において、前後方向中央に対して後寄りの位置から後端付近までの間に、内側へ窪んだ凹部31,41と、凹部31,41の反対側の側面から膨出しており内部が空洞に形成されている突出部32,42と、を備えている。この左枠部材30及び右枠部材40は、突出部32,42によって、強度・剛性が高められている。また、突出部32,42内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88が挿入されて取付けられる。
また、左枠部材30及び右枠部材40は、表面に上下に延びた複数の溝が形成されている。この複数の溝によって、パチンコ機1を遊技ホール等の島設備に設置したり運搬したりする等の際に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を持ち易くすることができると共に、パチンコ機1の外観の意匠性を高めることとができる。
[2−4.幕板部材]
外枠2の幕板部材50は、後側が開放された箱状に形成されている。幕板部材50は、上面における正面視左端付近に後方へ平板状に延出している後方延出部51と、後方延出部51の左端から遊技球が通過可能な大きさでU字状に切欠かれており上下に貫通している左排出孔52と、後方延出部51における左排出孔52の右側において遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している右排出孔53と、後方延出部51の後端を含む幕板部材50の上面の後端から上方へ平板状に延出している立壁部54と、立壁部54の上端付近から前方へ膨出しており前面が上方へ向かうに従って後方へ向かうように傾斜している返し部55と、を備えている。
幕板部材50は、後方延出部51の前側の上面と、後方延出部51の上面とに、外枠側下ヒンジ部材70が載置されるように、外枠側下ヒンジ部材70の後述する水平部71が取付けられる。また、幕板部材50の左排出孔52は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材70の後述する排出孔74と一致する位置に形成されている。また、右排出孔53は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材70よりも右側となる位置に形成されている。右排出孔53は、左排出孔52よりも大きく形成されている。
また、幕板部材50は、後方延出部51よりも右側の上面が、前端側が低くなるように傾斜している。また、幕板部材50は、上面における後方延出部51よりも右側の部位に左滑り部材81を取付けるための左取付部56と、上面における右端付近に右滑り部材82を取付けるための右取付部57と、を備えている。幕板部材50は、上面に、左滑り部材81及び右滑り部材82を介して本体枠4の下面が載置される。
この幕板部材50は、図示するように、前面に浅いレリーフ状の装飾が形成されている。また、幕板部材50は、図示は省略するが、箱状の内部が複数のリブによって格子状に仕切られており、強度・剛性が高められている。また、幕板部材50は、幕板補強部材80の前側半分を、内部に収容可能に形成されている。
[2−5.外枠側上ヒンジ部材]
外枠2の外枠側上ヒンジ部材60は、図示するように、水平に延びた平板状で外形が四角形の上固定部61と、上固定部61の前端から前方へ延出している平板状の前方延出部62と、前方延出部62の右端から前方へ向かうに従って前方延出部62の左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝63と、上固定部61の平面視左辺から下方へ延びている平板状の横固定部64と、前方延出部62の左端から前端を周って軸受溝63が開口している部位までの端辺から下方へ延びており横固定部64と連続している平板状の垂下部65と、を備えている(図16(b)等を参照)。
外枠側上ヒンジ部材60は、外枠2が組立てられた状態で、上固定部61が、上枠部材10の取付段部12の上面に載置されており、図示しないビスによって固定されている。また、前方延出部62は、上枠部材10の前端よりも前方へ延出している。また、横固定部64は、左枠部材30の外側側面の凹部31内に上側から挿入された状態で、ビスによって左枠部材30に固定されている。
この外枠側上ヒンジ部材60は、軸受溝63内に本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入させることで、外枠側下ヒンジ部材70と協働して本体枠4を開閉可能に支持することができる。この外枠側上ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
[2−6.ロック部材]
外枠2のロック部材66は、図16に示すように、左右が所定幅で前後に延びている帯板状のロック本体66aと、ロック本体66aの後端から右方へ突出している操作部66bと、ロック本体66aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部66cと、ロック本体66aの後端付近で上下に貫通している取付孔66dと、を備えている。このロック部材66は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材66は、取付ビス67によって、外枠側上ヒンジ部材60における前方延出部62の下面に回動可能に取付けられる。
このロック部材66は、取付孔66dを通して、ロック本体66aの後端が、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62における軸受溝63よりも後側の位置に取付けられる。また、ロック部材66を外枠側上ヒンジ部材60に取付けた状態では、ロック本体66aが、平面視で軸受溝63を遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠側上ヒンジ部材60の垂下部65における軸受溝63の開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている(図18を参照)。
また、ロック本体66aの後端から左方へ延びている弾性部66cの先端は、外枠側上ヒンジ部材60における垂下部65の内周面に当接している。このロック部材66は、弾性部66cの付勢力によって取付孔66dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材66のロック本体66aの前端付近の右側面が、垂下部65に当接している(図18を参照)。この状態では、軸受溝63におけるロック本体66aよりも前側の部位に、本体枠側上ヒンジ部材620の後述する本体枠上ヒンジピン622を収容可能な空間が形成される。
このロック部材66は、操作部66bを操作することで、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aを回動させることができる。そして、操作部66bの操作によって、ロック本体66aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝63からロック本体66aを後退させることができ、軸受溝63が全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入したり、軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を外したりすることができる。
[2−7.外枠側下ヒンジ部材]
外枠2の外枠側下ヒンジ部材70は、図示するように、水平に延びている平板状の水平部71と、水平部71の左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上り部72と、水平部71の前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン73と、水平部71を上下に貫通しており遊技球が一つのみ通過可能な大きさの排出孔74と、を備えている。この外枠側下ヒンジ部材70は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン73は、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン73は、水平部71の前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔74は、水平部71において、立上り部72の前後方向中央の部位と接し、水平部71の左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔74は、幕板部材50の左排出孔52と、略同じ大きさに形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70は、外枠2が組立てられた状態では、水平部71が、幕板部材50の左端付近の上面と後方延出部51上に載置されており、水平部71が、幕板部材50の上面を貫通する図示しないビスによって幕板補強部材80に固定されている。また、外枠2が組立てられた状態では、立上り部72が、左枠部材30の内側側面における突出部32よりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠側下ヒンジ部材70は、外枠下ヒンジピン73を、本体枠4の本体枠側下ヒンジ部材640における本体枠用下ヒンジ孔(図示は省略)に挿通させることで、外枠側上ヒンジ部材60と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2が組立てられた状態では、排出孔74が、幕板部材50の左排出孔52と一致している。これにより、水平部71上の遊技球を、排出孔74及び左排出孔52を通して、幕板部材50の後側へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球が、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔74から排出させることができる。この際に、排出孔74が、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球を、排出孔74から排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位に遊技球が留まり難くすることができる。
[2−8.連結部材]
外枠2の連結部材85は、上枠部材10と左枠部材30とを連結する左上連結部材85Aと、上枠部材10と右枠部材40とを連結する右上連結部材85Bと、下枠部材20と左枠部材30とを連結する左下連結部材85Cと、下枠部材20と右枠部材40とを連結する右下連結部材85Dと、がある。
連結部材85は、水平に延びた平板状の水平固定部86と、水平固定部86の左右側辺の何れか一方から上方へ延出している平板状の上横固定部87と、水平固定部86における上横固定部87が延出している部位と同じ側から下方へ延出している平板状の下横固定部88と、を備えている。この連結部材85は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、水平固定部86の前後方向の中央から上横固定部87が上方へ延出していると共に、上横固定部87の前後両側から下横固定部88が下方へ延出している。つまり、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、下横固定部88が前後に離間して二つ備えられている。左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの水平固定部86は、上枠部材10の下面に当接した状態で上枠部材10に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87は、上枠部材10の係合切欠部21内に挿入されて、上枠部材10の左右方向の端部に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの前側の下横固定部88は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に夫々固定される。更に、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42内に挿入されて外側側面から捩じ込まれるビスにより左枠部材30及び右枠部材40に夫々固定される。
左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端が、水平固定部86の後端よりも後方へ突出していると共に、上横固定部87の水平固定部86よりも後方へ突出している部位の下端から下横固定部88が水平固定部86よりも下方へ延出している。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端から水平固定部86と同じ側へ突出している屈曲部89を更に備えている。左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの水平固定部86は、下枠部材20の上面に当接した状態で固定される。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの上横固定部87は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に夫々固定される。更に、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88は、下枠部材20の係合切欠部21内に挿入されて下枠部材20の左右方向の端部面に夫々固定される。
[2−9.外枠側上ヒンジ部材のロック機構]
次に、本実施形態のパチンコ機1の外枠2において、外枠側上ヒンジ部材60におけるロック部材66による本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620に対するロック機構について、図17及び図18を参照して説明する。図17(a)は外枠の外枠側上ヒンジ部材に対して本体枠の本体枠側上ヒンジ部材が取外されている状態を拡大して示す斜視図であり、(b)は外側上ヒンジ部材に本体側上ヒンジ部材が取付けられている状態を拡大して示す斜視図である。図18は、外枠におけるロック部材の作用を示す説明図である。
外枠2におけるロック部材66は、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62に取付けた状態(通常の状態)では、弾性部66cの先端が垂下部65の内周面と当接しており、ロック本体66aがく字状に屈曲した軸受溝63の一部を閉塞するようになっていると共に、ロック本体66aの先端部分が、軸受溝63の最深部分を閉塞した状態とはならず、軸受溝63の最深部分に本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本実施形態における外枠側上ヒンジ部材60とロック部材66とを用いた本体枠上ヒンジピン622の支持機構は、本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の最深部分に挿入されてロック本体66aの前端の右側面が、右側の垂下部65と接近している状態(この状態ではロック本体66aの前端の右側面と右側の垂下部65との間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲している軸受溝63の最深部分に位置する本体枠上ヒンジピン622とロック本体66aの前端面との夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。
そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠4を軸支している本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の前端部分に当接した状態となっているので、本体枠上ヒンジピン622からロック本体66aの前端面への負荷がほとんどかかっていない。つまり、ロック部材66の弾性部66cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ロック本体66aの前端面が円弧状に形成されているため、ロック部材66を回動させるために操作部66bを回動操作した時に、ロック部材66がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、ロック本体66aの前端面の円弧中心が、取付孔66dの中心(ロック部材66の回転中心)とされている。
従って、本体枠上ヒンジピン622がく字状に形成された軸受溝63の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって、ロック本体66aの円弧状の前端面に当接したとき、その作用力Fを、本体枠上ヒンジピン622と円弧状の前端面との当接部分に作用する分力F1(ロック本体66aの前端面の円弧の法線方向)と、本体枠上ヒンジピン622と軸受溝63の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向が取付孔66d(取付ビス67)の中心(ロック部材66の回転中心)を向くため、ロック部材66のロック本体66aの前端が、右側の垂下部65から離れる方向に回転させるモーメントが働かず、本体枠上ヒンジピン622がロック部材66のロック本体66aの前端部と軸受溝63の一側内面との間に挟持された状態が保持される。
このため、通常の軸支状態、或は、本体枠上ヒンジピン622の作用力がロック部材66にかかった状態でも、ロック部材66の弾性部66cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性部66cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って本体枠上ヒンジピン622の軸受溝63からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材66のロック本体66aの前端部が右方へ移動する方向へ回転させられても、ロック本体66aの前端右側面が垂下部65に当接してそれ以上回転しないので、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ないようになっている。
なお、ロック本体66aの前端面の形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材66をその前端部が前方延出部62の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材66の回転中心(取付ビス67により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材66の弾性部66cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材66が回転してもロック本体66aの前端の右側面が垂下部65に当接するだけであるため、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ることもない。
外枠側上ヒンジ部材60の軸受溝63に、本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を支持させる場合は、軸受溝63の開放されている側から軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入する。軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入すると、ロック部材66のロック本体66aの右側面に本体枠上ヒンジピン622が当接し、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66が取付ビス67を中心に回動する。これにより、軸受溝63を閉鎖していたロック本体66aが後退して軸受溝63が開放され、軸受溝63の最深部(前端)へ本体枠上ヒンジピン622を移動させることができるようになる。
そして、軸受溝63の最深部に本体枠上ヒンジピン622を移動させると、本体枠上ヒンジピン622とロック部材66のロック本体66aとの当接が解除され、弾性部66cの付勢力によってロック本体66aの前端が右方へ移動するようにロック部材66が回動し、ロック部材66が通常の状態に復帰する。これにより、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63内におけるロック本体66aの前端よりも前側の空間に収容された状態となり、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63の最深部において回動可能な状態で保持(ロック)された状態となる。
軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を取外す場合は、ロック部材66の操作部66bを操作して、ロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66を回動させ、弾性部66cの付勢力に抗して軸受溝63からロック本体66aを後退させる。これにより、軸受溝63の最深部と開口部とが連通した状態となり、軸受溝63から本体枠上ヒンジピン622を取外すことができる。
[2−10.外枠側下ヒンジ部材の部位における防犯機構と球噛み防止機構]
本実施形態のパチンコ機1における外枠2の外枠側下ヒンジ部材70の部位における防犯機構と外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを防止するための球噛み防止機構について説明する。
外枠2は、組立てた状態では、幕板部材50の上面における正面視左端部に外枠側下ヒンジ部材70が取付けられている。外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、幕板部材50の上面の左端付近と後方延出部51の上面とに載置された状態で取付けられている。この幕板部材50には、上面の後端から上方へ立上っている立壁部54を備えている。これにより、外枠側下ヒンジ部材70と本体枠側下ヒンジ部材640との間の隙間を通して、本体枠4(パチンコ機1)の後側へピアノ線等の不正な工具を侵入させようとしても、不正な工具の先端が幕板部材50の上面の後端から上方へ延出している立壁部54に当接するため、不正な工具がこれ以上後側へ挿入されるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを防止することができる。
また、立壁部54の上端に、前方へ延出している返し部55を備えているため、立壁部54に当接した不正な工具が上方へ曲がった場合、返し部55によって不正な工具の先端を更に前方へ折返させることができるため、本体枠4の後側に不正な工具が侵入させられるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを確実に阻止することができる。
ところで、幕板部材50の上面の後端に上方へ延出している立壁部54を備えるようにした場合、外枠2に対して本体枠4を開いている状態で、遊技球が外枠側下ヒンジ部材70(水平部71)上に落下した場合、水平部71上の遊技球が、立壁部54の存在によって水平部71の後端から後方へ排出されないため、外枠2と本体枠4との間に挟まれてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71と、幕板部材50の後方延出部51とに、遊技球が通過可能な排出孔74、左排出孔52、及び右排出孔53を備えているため、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71上の遊技球を、排出孔74等から下方へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを低減させることができる。
従って、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれることで、外枠側下ヒンジ部材70の周りが破損したり、本体枠4が正常な状態で閉まらずに外枠2と本体枠4との間に隙間ができてしまい、その隙間を使って不正行為が行われてしまったりするのを防止することができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、図19乃至図30を参照して説明する。図19はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図20は扉枠の右側面図であり、図21は扉枠の左側面図であり、図22は扉枠の背面図である。図23は扉枠を右前から見た斜視図であり、図24は扉枠を左前から見た斜視図であり、図25は扉枠を後ろから見た斜視図である。図26は図19におけるA−A線で切断した断面図であり、図27は図19におけるB−B線で切断した断面図であり、図28は図19におけるC−C線で切断した断面図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、図29及び図30等に示すように、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット300と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット320と、皿ユニット320の中央に取付けられている演出操作ユニット400と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット530と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット550と、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット570と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、詳細は後述するが、正面視の外形が上下に延びた長方形(四角形)で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット190と、ガラスユニット190の後面下部を覆う防犯カバー200と、扉枠ベース110の後面に扉枠ベース110を貫通して前方に突出するように取付けられ開閉可能とされている扉枠3と本体枠4、及び本体枠4と外枠2との間を施錠するための開閉シリンダユニット210と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ遊技球を球発射装置680に送るための球送りユニット250と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ球発射装置680により発射されて遊技領域5a内に到達しなかった遊技球を受けて下皿322へ排出させるファールカバーユニット270と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット300は、詳細は後述するが、回転可能なハンドル302を遊技者が回転操作することで、上皿321内に貯留されている遊技球を、ハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
扉枠3の皿ユニット320は、詳細は後述するが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面において貫通口111の下側の部位に取付けられ、前面が前方へ膨出していると共に、左右方向中央の前端に演出操作ユニット400が取付けられる。皿ユニット320は、遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿321と、上皿321の下側に配置されており上皿321やファールカバーユニット270から供給される遊技球を貯留可能な下皿322と、上皿321に貯留されている遊技球を下皿322へ抜くための上皿球抜きボタン327と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残金の範囲内で遊技者に遊技球を貸し出すための球貸ボタン328と、球貸機から貸出された遊技球の分を差し引いた現金やプリペイドカードを返却させるための返却ボタン329と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数等を表示する球貸返却表示部330と、演出提示時に遊技者の操作が受付可能とされている演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332と、下皿322内の遊技球を皿ユニット320の下方へ排出するための下皿球抜きボタン333と、を備えている。
扉枠3の演出操作ユニット400は、皿ユニット320の正面視左右方向中央の前部に取付けられるものであり、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。この演出操作ユニット400は、詳細は後述するが、遊技者が操作可能な大型の操作ボタン410と、操作ボタン410内に遊技者側から視認可能に配置され演出画像を表示可能な扉枠側演出表示装置460と、を備えている。
扉枠3の扉枠左サイドユニット530は、詳細な内容は後述するが、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の左外側を装飾するものである。扉枠左サイドユニット530は、発光装飾可能な左ユニット装飾レンズ部材(図示は省略)を備えている。
扉枠3の扉枠右サイドユニット550は、詳細な内容は後述するが、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の右外側を装飾するものである。この扉枠右サイドユニット550は、扉枠左サイドユニット530よりも前方へ大きく突出しており、左右両面側に備えられている右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557と、前端に備えられている右ユニット装飾レンズ部材561と、を備えている。扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左装飾部材554、右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561を発光装飾させることができる。
扉枠3の扉枠トップユニット570は、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側に取付けられ、扉枠3の上部を装飾するものである。扉枠トップユニット570は、詳細な内容は後述するが、左右に離間した一対の上部スピーカ573と、前面中央で前方へ突出しているトップ中装飾部材576と、トップ中装飾部材576の左右両側を装飾しているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580と、を備えている。扉枠トップユニット570は、トップ中装飾部材576、トップ左装飾レンズ部材579、及びトップ右装飾レンズ部材580を発光装飾させることができる。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠における扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4の前面を閉鎖するように本体枠4に対して開閉可能(ヒンジ回転可能)に取付けられるものである。扉枠ベースユニット100は、前面下隅にハンドルユニット300が、貫通口111の下側前面に演出操作ユニット400が取付けられる皿ユニット320が、貫通口111の左外側前面に扉枠左サイドユニット530が、貫通口111の右外側前面に扉枠右サイドユニット550が、貫通口111の上外側前面に扉枠トップユニット570が、夫々取付けられるものである。
扉枠ベースユニット100は、図32及び図33に等に示すように、正面視の外形が上下に延びた長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており扉枠ベース110から前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視左側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板160と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット190を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材170と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット300を取付けるための筒状のハンドル取付部材180と、扉枠ベース110の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット190と、ガラスユニット190の後面下部を覆う防犯カバー200と、扉枠ベース110の後面に扉枠ベース110を貫通して前方に突出するように取付けられる開閉シリンダユニット210と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられる球送りユニット250と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられるファールカバーユニット270と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、図示は省略するが、扉枠3に備えられている各種の装飾基板、球送ソレノイド255、ハンドル回転検知センサ307、ハンドルタッチセンサ310、単発ボタン操作センサ312、球貸ボタン328、返却ボタン329、球貸返却表示部330、演出選択左ボタン331、演出選択右ボタン332、振動モータ424、押圧検知センサ440、扉枠側演出表示装置460(液晶表示装置461)、上部スピーカ573、等と、本体枠4における基板ユニット900の扉枠用中継基板911との接続を中継するための扉本体中継基板を備えている。
[3−1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース110は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース110は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された貫通口111を備えている。貫通口111は、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース110の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース110の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。従って、扉枠ベース110は、前後に貫通している貫通口111により全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース110は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース110は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面112と、ハンドル取付座面112と貫通口111との間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、開閉シリンダユニット210のシリンダ取付板金213が取付けられるシリンダ取付部113と、シリンダ取付部113において前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通孔114と、シリンダ挿通孔114及びハンドル取付座面112の正面視左側で前後に貫通しており球送りユニット250の進入口251a及び球抜口251bを前方に臨ませるための球送り開口115と、を備えている。
また、扉枠ベース110は、扉枠ベース110の左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面112と略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット270の球放出口276を前方に臨ませる下皿用通過口116と、扉枠ベース110の正面視左端付近で貫通口111の下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット270の貫通球通路273を前方に臨ませる上皿用通過口117と、貫通口111の内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット190のガラス枠191が挿入されるガラスユニット取付部118と、扉枠ベース110の左右両上隅において前後に貫通しており扉枠トップユニット570の上部スピーカ573の後端が挿通されるスピーカ挿通口119と、を備えている。
[3−1b.補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の補強ユニット130について、図31及び図33等を参照して詳細に説明する。補強ユニット130は、扉枠ベース110の後側に取付けられることで扉枠ベース110を補強して、扉枠ベース110(扉枠3)の強度剛性を高めている。補強ユニット130は、扉枠ベース110の後面における上辺に沿って取付けられる左右に延びた上補強板金131と、扉枠ベース110の後面における貫通口111の下側に取付けられる左右に延びた中補強板金132と、扉枠ベース110の後面における正面視左辺に沿って取付けられる上下に延びた左補強板金133と、扉枠ベース110の後面における正面視右辺に沿って取付けられる上下に延びた右補強板金134と、右補強板金134の後面に取付けられており施錠ユニット700の扉枠用鉤702が係止される施錠係止部135と、を備えている。
補強ユニット130は、上補強板金131の左右両端が左補強板金133及び右補強板金134の夫々の上端にビスによって連結固定されており、中補強板金132の左端が左補強板金133にビスによって連結固定されている。中補強板金132の右端は、後述する開閉シリンダユニット210のシリンダ取付板金213を介して右補強板金134に連結固定されている。従って、補強ユニット130は、上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、及び右補強板金134等によって、枠状に形成されている。
補強ユニット130の上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、右補強板金134、及び施錠係止部135は、夫々金属板を適宜屈曲させて形成されている。中補強板金132は、扉枠ベース110の上皿用通過口117と対応する位置に、前後に貫通した切欠部132aが形成されている。
補強ユニット130は、詳細な図示は省略するが、各上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、及び右補強板金134において、夫々前後方向に屈曲された部位を有しており、その部位によって、強度剛性が高められていると共に、外部からのピアノ線やマイナスドライバー等の不正な工具の侵入を防止している。
[3−1c.扉枠側上ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠側上ヒンジ部材140について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠ベース110に取付けられ上下に離間している一対の突出片141aを有した扉枠上ヒンジ軸ブラケット141と、扉枠上ヒンジ軸ブラケット141の一対の突出片141aを貫通しており、上端が本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に挿入される円柱状の扉枠上ヒンジピン142と、扉枠上ヒンジピン142における一対の突出片141aの間の位置に取付けられている円盤状の鍔部材143と、鍔部材143と一対の突出片141aのうちの下側の突出片141aとの間に介装されていると共に扉枠上ヒンジピン142が挿通されており、扉枠上ヒンジピン142を上方へ付勢しているロックバネ144と、を備えている。
扉枠上ヒンジ軸ブラケット141は、図示は省略するが一対の突出片141aの後端同士を連結している平板状の取付片を有しており、側面視の形状が前方へ開放されたコ字状に形成されている。扉枠上ヒンジ軸ブラケット141は、一対の突出片141a同士を連結している取付片が、ビスによって扉枠ベース110の後面に取付けられている。
扉枠上ヒンジピン142は、上側の突出片141aよりも上方に突出している部位(上端)が、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に対して回転可能に挿入される。また、扉枠上ヒンジピン142は、図示は省略するが、下側の突出片141aよりも下方に突出している部位が水平方向に屈曲している。この屈曲している部位が下側の突出片141aの下面に当接することで、扉枠上ヒンジピン142の上方への移動を規制している。
鍔部材143は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン142の外周に形成されている溝内に挿入保持されている。ロックバネ144は、扉枠上ヒンジピン142を挿通可能なコイルスプリングとされており、上端が鍔部材143に当接していると共に、下端が下側の突出片141aに当接している。このロックバネ144は、鍔部材143と下側の突出片141aとの間に、圧縮された状態で介装されており、鍔部材143を介して扉枠上ヒンジピン142を上方へ付勢している。
扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142がロックバネ144により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン142における下端の水平に屈曲している部位が下側の突出片141aの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン142の上端が、上側の突出片141aの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142における下端の水平に屈曲している部位を作業者が持って、ロックバネ144の付勢力に抗してその部位を下方へ引っ張ると、扉枠上ヒンジピン142を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン142の上端を、上側の突出片141aの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142の上端を、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠側上ヒンジ部材140の扉枠上ヒンジピン142の上端を、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142における扉枠上ヒンジ軸ブラケット141の一対の突出片141aにより支持されている部位が、後述する扉枠側下ヒンジ部材150の扉枠下ヒンジピン152と同軸上に支持されている。これにより、扉枠側上ヒンジ部材140と扉枠側下ヒンジ部材150とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1d.扉枠側下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠側下ヒンジ部材150について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。扉枠側下ヒンジ部材150は、扉枠ベース110に取付けられ前方に延出している平板状の延出片151aを有している扉枠下ヒンジ軸ブラケット151と、扉枠下ヒンジ軸ブラケットにおける延出片151aの前端部付近から下方に突出している円柱状の扉枠下ヒンジピン152(図21及び図22を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ軸ブラケット151は、水平に延びた平板状の延出片151aの後端から上方に延出した平板状の取付片(図示は省略)を有しており、側面視の全体形状が略L字状に形成されている。この扉枠下ヒンジ軸ブラケット151は、図示しない取付片がビスによって扉枠ベース110の後面に取付けられている。
扉枠下ヒンジピン152は、下端部が、下方へ向かうほど窄まる円錐台状に形成されている。この扉枠下ヒンジピン152は、後述する本体枠4における本体枠側下ヒンジ部材640の扉枠用ヒンジ孔644に、上方から回転可能に挿入される。扉枠下ヒンジピン152は、扉枠側上ヒンジ部材140の扉枠上ヒンジピン142と同軸上に配置されている。
この扉枠側下ヒンジ部材150は、扉枠下ヒンジピン152が本体枠側下ヒンジ部材640の扉枠用ヒンジ孔644に挿入されることで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1e.扉枠左サイド装飾基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠左サイド装飾基板160について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠ベース110の前面において、貫通口111の正面視左側に取付けられている。扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠ベース110における正面視左側のスピーカ挿通口119よりも下側の位置の高さから貫通口111の上下方向の中央付近の高さまで上下に延びている扉枠左サイド上装飾基板161と、扉枠左サイド上装飾基板161の下側の位置の高さから上皿用通過口117の下端と略同じ高さまで上下に延びている扉枠左サイド下装飾基板162と、を備えている。
扉枠左サイド装飾基板160の扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162は、夫々前面に、前方へ光を照射可能な複数のLED161a,162aを備えている。これらLED161a,162aは、フルカラーLEDとされている。
扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠3を組立てた状態で、後述する扉枠左サイドユニット530の後方に位置しており、前面に備えられた(実装された)複数のLED161a,162aを適宜発光させることで、扉枠左サイドユニット530の左ユニット装飾レンズ部材を発光装飾させることができる。
[3−1f.ガラスユニット取付部材]
扉枠ベースユニット100のガラスユニット取付部材170について、主に図31(b)等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット190を着脱可能に取付けるためのものである。ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部171と、基部171から回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部172と、を有している。
ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後面における一対のスピーカ挿通口119の下側で、ガラスユニット取付部118よりも外側の部位に、夫々回転可能に取付けられている。
ガラスユニット取付部材170は、突出部172が基部171から上方へ突出するように回転させた状態とすることで、背面視において扉枠ベース110のガラスユニット取付部118よりも突出部172が外側に位置した状態となり、扉枠ベース110のガラスユニット取付部118に対してガラスユニット190を挿入したり、ガラスユニット取付部118からガラスユニット190を取外したりすることができる。
ガラスユニット取付部材170は、ガラスユニット190を扉枠ベース110のガラスユニット取付部118に挿入させた状態で、突出部172が基部171から下方へ突出するように回転させると、突出部172がガラスユニット190の取付片191aの後側と当接し、ガラスユニット190上部の後方への移動を規制した状態となり、ガラスユニット190を扉枠ベース110に取付けることができる。
ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110に回転可能に取付けられる円盤状の基部171から突出部172が突出しているため、ガラスユニット取付部材170の重心位置が突出部172内に位置している。このことから、ガラスユニット取付部材170が自由に回転できる状態では、突出部172が基部171から下方へ突出した状態で安定することとなる。そして、ガラスユニット取付部材170では、突出部172が基部171から下方へ突出している回転位置の時に、突出部172によりガラスユニット190の後方への移動を規制させるようにしているため、ガラスユニット取付部材170に振動等が作用しても、突出部172が基部171から上方へ突出するように全体が回転することはなく、ガラスユニット190の後方への移動の規制が自然に解除されることはない。
なお、扉枠ベース110からガラスユニット190を取外す場合は、ガラスユニット取付部材170を、突出部172が基部171から上方へ突出するように回転させて、突出部172をガラスユニット190の取付片191aよりも外側へ移動させることで、ガラスユニット190の上部側を後方へ移動させることができるようになり、扉枠ベース110からガラスユニット190を取外すことができる。
[3−1g.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材180は、扉枠ベース110の前面にハンドルユニット300を取付けるためのものである。ハンドル取付部材180は、図32及び図33等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部181と、筒部181の後端から筒部181の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部182と、筒部181内に突出していると共に筒部181の軸方向全長に亘って延びており筒部181の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条183と、筒部181の外周面とフランジ部182の前面とを繋ぎ、筒部181の周方向に対して複数配置された補強リブ184と、を備えている。
ハンドル取付部材180は、フランジ部182の後面を、扉枠ベース110におけるハンドル取付座面112の前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面112に取付けられる。
筒部181は、内径がハンドルユニット300におけるハンドルベース301の基部301aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条183は、一つが筒部181内の上側に備えられており、残り二つが筒部181内の下側に備えられている。これら三つの突条183は、ハンドルベース301における三つの溝部301cと対応する位置に形成されている。従って、ハンドル取付部材180は、三つの突条183と、ハンドルベース301の三つの溝部301cとを一致させた状態でのみ、筒部181内にハンドルベース301の基部301aを挿入させることができ、扉枠ベース110に対してハンドルベース301(ハンドルユニット300)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材180は、フランジ部182の後面に対して、筒部181の軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース110の傾斜したハンドル取付座面112に取付けることで、筒部181の軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット300を同様に傾いた状態で扉枠ベース110に取付けることができる。
[3−1h.ガラスユニット]
扉枠ベースユニット100のガラスユニット190について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット190は、扉枠ベース110の貫通口111を、前方から後方が視認できるように閉鎖するものである。ガラスユニット190は、扉枠ベース110の貫通口111の内周形状よりも大きくガラスユニット取付部118に取付可能な枠状のガラス枠191と、ガラス枠191の枠内を閉鎖し外周がガラス枠191に取付けられている透明な二つのガラス板192と、を備えている。二つのガラス板192は、ガラス枠191の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図26等を参照)。
ガラス枠191は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片191aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片191bと、を有している。ガラス枠191の取付片191aは、ガラスユニット取付部材170の突出部172と当接可能とされている。係止片191bは、扉枠ベース110と補強ユニット130の中補強板金132との間の空間内に挿入可能とされている(図26を参照)。
このガラスユニット190は、扉枠ベース110の後側から、ガラス枠191の係止片191bを、扉枠ベース110と補強ユニット130の中補強板金132との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠191の前端を扉枠ベース110のガラスユニット取付部118の後面に当接させ、ガラスユニット取付部材170を回転させてガラスユニット取付部材170の突出部172をガラス枠191の取付片191aの後面と当接させることで、扉枠ベース110に取付けられる。
ガラスユニット190を扉枠ベース110から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット190は、扉枠ベース110に対して着脱可能となっている。
[3−1i.防犯カバー]
扉枠ベースユニット100の防犯カバー200について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。防犯カバー200は、ガラスユニット190の後面下部を覆うように扉枠ベース110の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー200は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部201と、本体部201の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片202と、左右に離間して配置され本体部201よりも前方に突出し、扉枠ベース110の後側に係止可能とされている一対の係止片203と、を備えている。
防犯カバー200の本体部201は、扉枠ベース110に取付けた状態で下端がガラスユニット190の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部201は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部201の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片202は、本体部201の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー200は、本体部201と後方突片202とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片202は、図33に示すように、本体部201の外周縁とは異なる本体部201の後面の一部からも後方に突出している。この本体部201の後面の一部から後方に突出している後方突片202は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片202は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球(球発射装置680により発射された遊技球)が、防犯カバー200の後方突片202に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球の打込みを阻害することはない。
一対の係止片203は、扉枠ベース110の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー200は、扉枠ベース110に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー200は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部201の前面がガラスユニット190の後面(ガラス枠191の後端)と当接し、本体部201の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片202が、後述する前構成部材1000の防犯凹部1008内に挿入された状態となる。また、防犯カバー200は、本体部201の下辺から後方に突出している後方突片202が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー200と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー200の後方突片202と前構成部材1000の防犯凹部1008とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー200と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片202や防犯凹部1008に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−1j.開閉シリンダユニット]
扉枠ベースユニット100の開閉シリンダユニット210について、主に図31乃至図33等を参照して説明する。開閉シリンダユニット210は、正面視において扉枠ベース110の右端付近で貫通口111とハンドル取付座面112との間の位置のシリンダ取付部113に後側から取付けられ、後述する施錠ユニット700と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉に使用されるものである。
開閉シリンダユニット210は、前面に鍵穴211aを有し前後に延びた円筒状のシリンダ錠211と、シリンダ錠211の後端に取付けられており鍵穴211aに挿入された鍵の回動操作を施錠ユニット700の鍵シリンダ710に伝達させる回転伝達部材212と、シリンダ錠211を扉枠ベース110(補強ユニット130)に取付けるシリンダ取付板金213と、を備えている。
シリンダ錠211は、対応する鍵(図示は省略)を鍵穴211aに差し込むことで、鍵を回転させることができるものであり、対応する鍵であれば、正面視において時計回り及び反時計回りの何れの方向へも所定角度回転させることができる。
回転伝達部材212は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部212aを有している。この回転伝達部材212は、本体枠4における施錠ユニット700の鍵シリンダ710が後方から挿入されるように形成されており、施錠ユニット700の鍵シリンダ710の突起が一対の切欠部212a内に挿入されることで、回転伝達部材212(シリンダ錠211の鍵穴211aに挿入された鍵)の回転を、施錠ユニット700の鍵シリンダ710に伝達させて鍵シリンダ710を回転させることができる。
シリンダ取付板金213は、一枚の金属板を屈曲させて形成されており、平面視の形状が前方へ突出している凸形状に形成されている。詳述すると、シリンダ取付板金213は、正面視において上下に延びた長方形で平板状の前板部213aと、前板部213aの左右両辺から後方へ平板状に延出している一対の側板部213bと、一対の側板部213bの夫々の後辺から互いに遠ざかる方向へ平板状に延出している一対の取付板部213cと、を備えている。シリンダ取付板金213の前板部213aは、上下方向略中央の位置で後方からシリンダ錠211が貫通し、前板部213aの後面にシリンダ錠211の後端が取付けられる。シリンダ取付板金213の一対の取付板部213cは、正面視左側の取付板部213cが補強ユニット130の中補強板金132の右端部に取付けられ、正面視右側の取付板部213cが補強ユニット130の右補強板金134に取付けられる。これにより、シリンダ取付板金213によって、補強ユニット130の中補強板金132と右補強板金134とが連結される。
開閉シリンダユニット210は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、シリンダ取付板金213の前板部213aから前方に突出しているシリンダ錠211の前端が、扉枠ベース110の後側からシリンダ挿通孔114に挿通されて扉枠ベース110の前方へ突出していると共に、シリンダ取付板金213の前板部213a及び一対の側板部213bが後方へ開放されている箱状のシリンダ取付部113内に収容されている。
[3−1k.球送りユニット]
扉枠ベースユニット100の球送りユニット250について、主に図34及び図35を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠ベースユニットの球送りユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送りユニットを後ろから見た斜視図である。図35(a)は球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送りユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送りユニット250は、皿ユニット320の上皿321から供給される遊技球を一つずつ球発射装置680へ供給することができると共に、上皿321内に貯留された遊技球を、上皿球抜きボタン327の操作によって下皿へ抜くことができるものである。
球送りユニット250は、皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球が、皿ユニットベース323の上皿球送り口323d及び扉枠ベース110の球送り開口115を通して供給され前後方向に貫通した進入口251a、及び進入口251aの下側に開口する球抜口251bを有し後方が開放された箱状の前カバー251と、前カバー251の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー251の進入口251aから進入した遊技球を球発射装置680へ供給するための打球供給口252aを有した後カバー252と、後カバー252及び前カバー251の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー251の後側で進入口251aと球抜口251bとの間を仕切る仕切部253aを有した球抜き部材253と、球抜き部材253の仕切部253a上の遊技球を一つずつ後カバー252の打球供給口252aへ送り、前カバー251と後カバー252との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送り部材254と、球送り部材254を回動させる球送ソレノイド255と、を備えている。
この球送りユニット250は、図示するように、正面視で、球送り部材254が進入口251aの右側に配置されており、球送り部材254の左側に球抜き部材253が、球送り部材254の右側に球送ソレノイド255が夫々配置されている。
球送りユニット250の前カバー251は、正面視で球抜口251bの左側に、球抜き部材253の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット251cを備えており、このスリット251cから後述する球抜き部材253の作動棹253cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー251は、進入口251aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、皿ユニットベース323の球送り誘導路323e及び球抜き誘導路323fの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜き部材253は、進入口251aよりも下側で進入口251aと球抜口251bとの間を仕切り上面が球送り部材254の方向へ向かって低くなる仕切部253aと、仕切部253aの球送り部材254とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口251bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部253bと、回動棹部253bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹253cと、作動棹253cよりも下側で回動棹部253bの側面から仕切部253aとは反対側へ突出した錘部253dと、を備えている。球抜き部材253の作動棹253cは、前カバー251に形成された円弧状のスリット251cを通して前方へ突出するように形成されている(図34(a)を参照)。作動棹253cは、扉枠ベース110の球送り開口115を介して皿ユニット320の上皿球抜きボタン327の押圧操作によって動作する作動伝達部327aの上端と当接する。
球送り部材254は、進入口251a及び球抜き部材253の仕切部253aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部254aと、遮断部254aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部254bと、球保持部254bの後端から下方へ延出する棒状の棹部254cと、を備えている。球送り部材254における遮断部254aと球保持部254bは、夫々回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送り部材254の球保持部254bは、一つの遊技球を保持可能な大きさとされている。球送り部材254は、球送ソレノイド255の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部254cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送り部材254は、遮断部254aが仕切部253aの方向を向くと同時に球保持部254bが打球供給口252aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部254bが仕切部253aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送り部材254が供給位置の時には、球保持部254bに保持された遊技球が、打球供給口252aから球発射装置680へ供給されると共に、進入口251aから仕切部253a上に進入した遊技球が、遮断部254aによって球保持部254b(打球供給口252a)側への移動が遮断されて仕切部253a上に留まった状態となる。一方、球送り部材254が保持位置へ回動すると、球保持部254bが仕切部253aの方向を向くと共に、球保持部254bの棹部254c側の端部が打球供給口252aを閉鎖した状態となり、仕切部253a上の遊技球が一つだけ球保持部254b内に保持される。
また、球送りユニット250は、球送ソレノイド255の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送り作動桿256と、球送り作動桿256における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送り部材254を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送りクランク257と、を備えている。球送りクランク257は、球送り作動桿256の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部257aと、係合部257aの球送り作動桿256と係合する側とは反対側に配置され前カバー251と後カバー252との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部257bと、軸部257bから上方へ延出しており、球送り部材254における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部254c(図35(b)を参照)と係合する伝達部257cと、を備えている。
この球送りユニット250は、球送り作動桿256及び球送りクランク257によって、上下方向へ進退する球送ソレノイド255の駆動により揺動する球送り作動桿256の動きを伝達させて球送り部材254を回動させることができる。なお、球送ソレノイド255の非駆動時(通常時)では、球送り作動桿256が球送ソレノイド255の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送り部材254が供給位置に位置した状態となる。また、球送ソレノイド255の駆動時では、球送り作動桿256が球送ソレノイド255の下端に吸引されて先端が上方へ位置した状態となり、球送り部材254が保持位置へ回動する。つまり、球送ソレノイド255が駆動される(ONの状態)と、球送り部材254が遊技球を一つ受入れ、球送ソレノイド255の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送り部材254が受入れた遊技球を球発射装置680側へ送る(供給する)ことができる。この球送りユニット250における球送ソレノイド255の駆動は、払出制御基板951の発射制御部(図示は省略)により発射ソレノイド682の駆動制御と同期して制御される。
また、球送りユニット250における回動可能に軸支された球抜き部材253は、錘部253dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっているが、前方へ突出した作動棹253cが皿ユニット320の上皿球抜きボタン327の押圧操作によって動作する作動伝達部327aの上端と当接することで、その回動が規制されるため、通常時では、球抜き部材253の仕切部253aが進入口251aと球抜口251bとの間を仕切っており、球抜口251b側へ遊技球が侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニット320の上皿球抜きボタン327を下方へ押圧操作すると、上皿球抜きスライダ327bが作動伝達部327aと共に下方へスライドして、作動伝達部327aの下方への移動に伴って作動棹253cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部327aと共に作動棹253cが下方へ移動すると、球抜き部材253が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部253aによる進入口251aと球抜口251bとの間の仕切りが解除される。これにより、進入口251aから進入した遊技球が、球抜口251bから皿ユニット320の球抜き誘導路323fへと排出され、下皿球供給口323cを介して下皿322へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜き部材253の作動棹253cが当接する作動伝達部327aが形成されている上皿球抜きスライダ327bは、上皿球抜きバネ327cによって上方へ付勢されているので、仕切部253a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹253cを介して上皿球抜きバネ327cによって吸収させることができ、球抜き部材253等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部253aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送りユニット250は、後カバー252における打球供給口252aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部252b(図35(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部252b内に不正防止部材260が取付けられている。球送りユニット250の不正防止部材260は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー252の取付凹部252b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。
不正防止部材260は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している上片部261及び下片部262と、上片部261及び下片部262の互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部263と、を備えている。不正防止部材260の上片部261は、不正防止部材260の一般面に対して、正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。下片部262は、不正防止部材260の一般面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、上片部261と下片部262とによって、右方に向かうに従って広がるV字状の溝を形成している。
不正防止部材260は、後カバー252の取付凹部252bに取付けられることで、上片部261と下片部262とで形成されるV字状の溝が、打球供給口252a内と連通した状態となる。
この不正防止部材260によれば、紐を取付けた不正な遊技球を、上皿321から球送りユニット250を介して球発射装置680により遊技領域5a内に打込み、不正な遊技球に取付けられた紐を操作して、不正な遊技球を第一始動口2002等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置680により発射(打球)された不正な遊技球の勢いによって、不正な遊技球に取付けられた紐を、上片部261と下片部262との間に挿入させた上で、上片部261と下片部262とによって形成されたV字状の狭くなった部位により切断させることができ、紐を取付けた不正な遊技球を用いた不正行為が行われるのを防止することができる。
[3−1l.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット270について、図36乃至図38を参照して詳細に説明する。図36(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図37(a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。更に、図38は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。
ファールカバーユニット270は、図示するように、扉枠ベース110の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体271と、ユニット本体271の前面に取付けられている平板状の蓋部材272と、を備えている。ファールカバーユニット270は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861と皿ユニット320の上皿球供給口323aとを連通させる貫通球通路273と、貫通球通路273の正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862と連通可能な満タン球受口274と、を備えている。
また、ファールカバーユニット270は、満タン球受口274の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口275と、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口274及びファール球受口275に受入れられた遊技球を前方へ放出すると共に皿ユニット320の下皿球供給口323cと連通する球放出口276と、を備えている。
更に、ファールカバーユニット270は、ユニット本体271及び蓋部材272によって、満タン球受口274及びファール球受口275と球放出口276との間に形成されており所定量の遊技球を貯留可能な広さを有している貯留通路277と、貯留通路277の内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体271に取付けられている平板状の可動片278と、可動片278の貯留通路277から遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ279と、可動片278を貯留通路277の中心側へ付勢しているバネ280と、を備えている。
このファールカバーユニット270は、皿ユニット320の下皿322内が遊技球で一杯になって、球放出口276から遊技球が下皿322側へ放出されなくなると、貯留通路277内にある程度の数の遊技球を貯留することができる。そして、貯留通路277内にある程度の数の遊技球が貯留されると、遊技球の重さによって可動片278の上端がバネ280の付勢力に抗して貯留通路277から遠ざかる方向へ移動するように可動片278が回動し、その回動が満タン検知センサ279によって検知される。これにより、下皿322が遊技球で満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ279により満タンが検知されると、これ以上の遊技球の払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿322の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット270は、ユニット本体271の後側で貫通球通路273の下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット800における下部満タン球経路ユニット860の誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接可能な扉開閉当接部281を備えている(図112を参照)。扉開閉当接部281は、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部281は、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接するように形成されている。この扉開閉当接部281に誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接することで、誘導路開閉扉863が回動して通常誘導路861及び満タン誘導路862の下流端(前側開口)を開放させることができる。
[3−2.ハンドルユニット]
扉枠3のハンドルユニット300について、主に図39及び図40を参照して詳細に説明する。図39(a)は扉枠におけるハンドルユニットの正面図であり、(b)はハンドルユニットを前から見た斜視図であり、(b)はハンドルユニットを後ろから見た斜視図である。また、図40(a)はハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。ハンドルユニット300は、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿321内の遊技球を遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット300は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材180の筒部181に取付けられるハンドルベース301と、ハンドルベース301の前端に回転可能に取付けられるハンドル302と、ハンドル302の前端側を覆うようにハンドルベース301に取付けられるハンドルカバー303と、を備えている。
また、ハンドルユニット300は、ハンドル302の後側でハンドルベース301の前面に取付けられるインナーベース304と、前端にハンドル302が取付けられると共にインナーベース304とハンドルベース301とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部305aを有している軸部材305と、軸部材305の駆動ギア部305aと噛合している伝達ギア306と、伝達ギア306と一体回転する検知軸307aを有しハンドルベース301とインナーベースとの間に挟持されているハンドル回転検知センサ307と、を備えている。
更に、ハンドルユニット300は、一端側がハンドルベース301に取付けられると共に他端側がハンドル302に取付けられハンドル302を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ308と、一端側がインナーベース304に取付けられると共に他端側が伝達ギア306に取付けられ伝達ギア306を介してハンドル回転検知センサ307の検知軸307aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ309と、インナーベース304の後方でハンドルベース301に取付けられているハンドルタッチセンサ310と、先端側がハンドルベース301の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース304の後方でハンドルベース301に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン311と、単発ボタン311の押圧操作を検知しハンドルベース301に取付けられている単発ボタン操作センサ312と、を備えている。
ハンドルユニット300のハンドルベース301は、前後に延びた円筒状の基部301aと、基部301aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部301bと、円筒状の基部301aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部301cと、を備えている。ハンドルベース301の基部301aは、外径がハンドル取付部材180の筒部181の内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部301cは、ハンドル取付部材180における筒部181の三つの突条183と対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部301cを三つの突条183と一致させた状態で、基部301aをハンドル取付部材180の筒部181内に挿入させることができると共に、三つの溝部301c内に夫々突条183が挿入されることで、ハンドルベース301がハンドル取付部材180に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル302は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起302a、第二突起302b、第三突起302c、及び第四突起302dと、回転軸(軸部材305)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット302eと、スリット302eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ308の他端側が係止される係止突部302fと、を備えている。
四つの第一突起302a、第二突起302b、第三突起302c、及び第四突起302dは、正面視において時計回りの方向に順番に備えられている。詳述すると、第一突起302aは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでいる(抉れている)。第二突起302bは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位が、第一突起302aの最も突出した部位から時計回りの方向へ約85度の回転角度で離れており、第一突起302aよりはやや低く突出している。この第二突起302bは、最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでおり、第一突起302aと相似した形状に形成されている。
第三突起302cは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位が、第二突起302bの最も突出した部位から時計回りの方向へ約70度の回転角度で離れており、第一突起302aの約半分の高さで突出している。この第三突起302cは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、時計回りの方向の側面が反対側である反時計回りの方向の側面よりもなだらかに傾斜している。第四突起302dは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位が、第三突起302cの最も突出した部位から時計回りの方向へ約55度の回転角度で離れており、第一突起302aよりもやや高く突出している。この第四突起302dは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、略二等辺三角形に形成されている。
ハンドルカバー303は、前面の中心が丸く前方へ膨出しており、後方へ突出している三つの取付ボス303aを備えている。三つの取付ボス303aは、ハンドル302のスリット302eを前方から貫通してハンドルベース301の前面に取付けられる。ハンドルカバー303の取付ボス303aが、ハンドル302のスリット302eを貫通していることから、取付ボス303aがスリット302eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル302の回転角度を規制している。本例では、ハンドル302を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
このハンドルユニット300は、扉枠ベース110のハンドル取付座面112に対して、ハンドル取付部材180を介して取付けられる。この扉枠ベース110のハンドル取付座面112は、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材180を介して取付けられるハンドルユニット300も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット300のハンドル302が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
ハンドルユニット300のハンドル回転検知センサ307は、可変抵抗器とされており、ハンドル302を回転させると、軸部材305及び伝達ギア306を介してハンドル回転検知センサ307の検知軸307aが回転する。この検知軸307aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ307の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ307の内部抵抗に応じて後述する球発射装置680における発射ソレノイド682の駆動力が変化して、ハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技領域5a内へ打込まれる。
ハンドル302やハンドルカバー303の外周表面は、導電性のメッキが施されており、遊技者がハンドル302等に接触することでハンドルタッチセンサ310が接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ310が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル302を回動させると、ハンドル回転検知センサ307の検知が受付けられ、ハンドル302の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド682の駆動が制御されて、遊技球を打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル302に触れずに、何らかの方法でハンドル302を回転させて遊技球を遊技領域5a内に打込もうとしても、発射ソレノイド682は駆動されず、遊技球を打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル302を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット300は、遊技者がハンドル302を回転操作中に、単発ボタン311を押圧すると、単発ボタン操作センサ312が単発ボタン311の操作を検知し、払出制御基板951の発射制御部(図示は省略)によって発射ソレノイド682の回転駆動が停止させられる。これにより、ハンドル302の回転操作を戻さなくても、遊技球の発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン311の押圧操作を解除することで、単発ボタン311を操作する前の打込み強さで再び遊技球を遊技領域5a内に打込むことができる。
更に、ハンドルユニット300は、ハンドル302に、四つの第一突起302a、第二突起302b、第三突起302c、及び第四突起302dを備えており、ハンドル302を正面視時計回りの方向へ最も回転させて、遊技球を最も強く遊技領域5a内に打込むようにした(所謂、「右打ち」した)時に、第四突起302dが、ハンドル302を回転させていない時の第一突起302aの位置と、略同じ位置となるため、第四突起302dを第一突起302aとしてハンドル302を持ち替えることで、遊技者が楽な状態で「右打ち」の位置でハンドル302を維持させることができ、遊技者の疲労感を軽減させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−3.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット320について、主に図41乃至図45を参照して詳細に説明する。図41(a)は扉枠の皿ユニットを右前から見た斜視図であり、(b)は皿ユニットを左前から見た斜視図である。また、図42(a)は皿ユニットを右上後ろから見た斜視図であり、(b)は皿ユニットを左下後から見た斜視図である。図43は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図44は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図45は、図28の断面図において下皿カバーを外した状態で下皿の部位を拡大して示す説明図である。皿ユニット320は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面において貫通口111の下側の部位に取付けられ、前面が前方へ膨出している。皿ユニット320の前面には、後述する演出操作ユニット400が取付けられる。
皿ユニット320は、遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿321と、上皿321の下側に配置されており上皿321やファールカバーユニット270から供給される遊技球を貯留可能な下皿322と、を備えている。
皿ユニット320は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110に取付けられる平板状の皿ユニットベース323と、皿ユニットベース323の前面上部に取付けられると共に左右中央より左側が前方へ大きく膨出しており上皿321を形成している上皿本体324と、皿ユニットベース323の前面下部で左右中央よりも左側に取付けられると共に前方へ大きく膨出しており下皿322を形成している下皿本体325と、上皿本体324及び下皿本体325の前側を覆うように皿ユニットベース323の前面に取付けられている皿ユニットカバー326と、を備えている。
また、皿ユニット320は、皿ユニットカバー326の上面における上皿321の正面視右方で上方から押圧操作可能に取付けられている上皿球抜きボタン327と、上皿球抜きボタン327の正面視右方で皿ユニットカバー326の上面に取付けられている球貸ボタン328と、球貸ボタン328の正面視右方で皿ユニットカバー326の上面に取付けられている返却ボタン329と、球貸ボタン328及び返却ボタン329の後方で皿ユニットカバー326の上面に取付けられている球貸返却表示部330と、上皿321の前方で皿ユニットカバー326の前面における皿前上装飾部326bに取付けられている演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332と、下皿322の前方で皿ユニットカバー326の前面から前方に突出しており前方から押圧操作可能に取付けられている下皿球抜きボタン333と、を備えている。
ここで、皿ユニットベース323は、上記貫通口111を塞ぐように配設されるガラス板192から手前側に向けて立設された下側反射立壁部338を有している。この下側反射立壁部338では、平らな面状をなし上記貫通口111に対して臨むように設けられる内側面が光を反射可能な反射面として設けられている。なお、この反射面は、下側反射立壁部338の内側面これ自体を金属や樹脂などの反射用素材から設けることのほか、同内側面に対して反射用シールを取り付けることなどによっても設けることが可能である。
すなわち後述するが、上記貫通口111のうちガラス板192よりも手前側を「開口窓」として呼称するとき、図190に示されるように、このパチンコ機1では、該開口窓の外周に沿うように立設されて少なくともその内側面で光を反射可能に形成された反射立壁部33と、該開口窓の外周内へと外周外から発光するように設けられる外周外発光部34と、該開口窓の外周内からの光をその外周外で検出する外周外光検出部35とを備えている。そして、外周外発光部34から発光されて上記反射立壁部33の内側面で反射された光に関する検出情報を外周外光検出部35から取得することで、該情報に基づいて開口窓近傍における遊技者の操作態様を判別し、該判別した操作態様に応じた演出を実行しうるものとなっている。そして、このような構成の中にあって、上記下側反射立壁部338は、皿ユニットベース323によって形成されて、上記反射立壁部33の一部(下側部分)を担う部分となっている。
[3−3a.上皿]
皿ユニット320の上皿321について、主に図41及び図44等を参照して詳細に説明する。皿ユニット320の上皿321は、皿ユニットベース323と上皿本体324とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿321(上皿本体324)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿321は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球の外径よりも若干大きい誘導通路部321aが形成されている。上皿321は、誘導通路部321aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部321aの正面視右端側が、皿ユニットカバー326の上面(上皿球抜きボタン327)の下方へ潜り込んでいる(図44を参照)。
上皿321は、皿ユニットベース323に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース323の上皿球供給口323aよりも下側の位置から上皿球送り口323dの上端に対して遊技球の外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口323aから前方へ放出された遊技球が、上皿321内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球を誘導通路部321aの右端側から上皿球送り口323dへ供給させることができる。
上皿321は、上述したように、前後方向の奥行が狭くなる誘導通路部321aにおいて、その底面が下方へ向かって低くなるように形成されている。つまり、上皿321の一部が、後述する演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が取付けられる皿ユニットカバー326の取付空間326j内へ、上方から突出している。従って、上皿321において、遊技球の貯留量を十分に確保することができるようになっている。なお、上皿321(上皿本体324)は、皿ユニットカバー326の取付空間326j内へ、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)と接触しないように突出している。
なお、誘導通路部321aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具321bが備えられており、遊技球が接触(転動)することで、遊技球に帯電した静電気を除去させることができる。
[3−3b.下皿]
皿ユニット320の下皿322について、主に図41乃至図45等を参照して詳細に説明する。下皿322は、上皿321の下方で、正面視おいて皿ユニット320(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿322は、遊技球を貯留可能な容器状に形成されており、底壁部325aに上下に貫通し遊技球を排出可能とされた下皿球抜き孔322aと、皿ユニットカバー326に取付けられた演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)との接触を回避させるための逃し部322bと、を備えている。下皿322の逃し部322bは、右前隅が、後方へ向かって円弧状に窪むように形成されている。
下皿322は、上方及び後方が開放されている下皿本体325と、下皿本体325の左端側から上方を覆っている皿ユニットカバー326の下皿カバー部326kと、下皿本体325の開放されている後方を閉鎖している皿ユニットベース323と、下皿本体325における演出操作ユニット取付部326a内に突出している部位の上側を覆う下皿カバー340とによって、形成されており、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dから外方に臨んでいる。下皿322は、図28及び図45に示すように、平面視の外周形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の前辺を底辺とし底辺よりも短い上辺が前方側に配置された台形と、を組合せたような形状に形成されており、台形の斜めに延びた左右の辺が後方へ凹むように湾曲している。この下皿322は、平面視において、前方から後方へ向かうに従って、左右方向の幅が大きくなるように形成されている。
下皿本体325は、図43及び図44等に示すように、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。下皿本体325は、平板状の底壁部325aと、底壁部325aの後端辺を除いた外周端から上方へ延出している本体立壁部325bと、底壁部325aを遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している下皿球抜き孔322aと、を備えている。底壁部325aの外周形状は、左右に延びた四角形と、その四角形の前辺を底辺とし底辺よりも短い上辺が前方側に配置され斜めに延びた左右の辺が後方へ凹むように湾曲した台形と、を組合せたような形状に形成されている。底壁部325a(の上面)は、下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。本体立壁部325bは、底壁部325aから上方へ、遊技球の直径の2倍〜5倍の高さで立上っている。下皿球抜き孔322aは、下皿本体325(底壁部325a)の左右方向中央よりも右寄りの位置に形成されている。下皿本体325では、底壁部325a及び本体立壁部325bにおける正面視右前隅の湾曲している部位が、逃し部322bに相当している。
下皿カバー340は、下皿本体325の上方のおよそ右半部を覆うように形成されている。下皿カバー340は、図43及び図44等に示すように、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から上方へ立上っているカバー立壁部340aと、カバー立壁部340aの上端から略水平に延びている天井部340bと、を備えている。カバー立壁部340aは、下皿本体325の本体立壁部325bにおける前辺側の一部から右辺の後端までの部位から立上っている。下皿カバー340は、皿ユニット320に組立てた状態で、カバー立壁部340a及び天井部340bの後端が、皿ユニットベース323の前面に当接している。また、カバー立壁部340aの前端(前辺における左端側)が、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dの右端辺と当接している。更に、天井部340bの左端が、皿ユニットカバー326の下皿カバー部326kの右端に当接している。この下皿カバー340では、カバー立壁部340aにおける湾曲面状の部位と、その後側においてカバー立壁部340aと天井部340bとの間で斜めに延びている部位とが、逃し部322bに相当している。
下皿322は、前端側の左右に短く延びている部位の正面視左端付近から右側が、皿ユニットカバー326(演出操作ユニット400)によって覆われており、正面視において半分以上が演出操作ユニット400の後方に位置している。つまり、下皿322は、右半分が、演出操作ユニット400の後方へ回り込むように形成されている。従って、下皿322は、図45に示すように、後述する皿ユニットカバー326の下皿開口部326dの後方に位置する下皿第一領域A1(図45においてクロスハッチの領域)と、下皿開口部326dよりも右側(演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側)の後方に位置する下皿第二領域A2(図45において網掛けの領域)と、を有している。換言すると、下皿322は、遊技球を貯留可能な貯留領域(平面視における貯留面積に相当し、下皿第一領域A1と下皿第二領域A2とを合せた領域)の半分以上が、演出操作ユニット400の後方に位置している。なお、図45において点線ハッチの領域は、皿ユニットカバー326における取付空間326jの残りの空間(領域)である。
下皿322は、後壁を形成している皿ユニットベース323の下皿球供給口323cが、後壁の正面視左右方向中央よりも右側に開口している。更に詳述すると、下皿322の下皿球供給口323cは、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方となる下皿第二領域A2に配置されている。これにより、扉枠3を正面から見た時に、下皿球供給口323cが下皿開口部326dを通して遊技者側から見えないようになっている(図19等を参照)。従って、下皿322は、前方に膨出している皿ユニット320(皿ユニットカバー326)の左側面の下皿開口部326dから演出操作ユニット400の後方へ向かって抉れるように形成されており、正面から見える範囲よりも遊技球の貯留容積が大きく形成されている。換言すると、下皿322は、下皿第一領域A1よりも下皿第二領域A2の方が大きく形成されている。これにより、外側(遊技者側)から下皿322を見た時に、見た目以上に下皿322内に多くの遊技球を貯留させることができる。
下皿322は、下皿本体325の左右方向の右側半分(下皿第二領域A2)が、図41(a)に示すように、皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a(取付空間326j)内に突出しており、下皿本体325における演出操作ユニット取付部326a内に突出している部位の上側を、下皿カバー340が覆っている。この下皿カバー340により、下皿開口部326dから下皿322内に遊技者が手指を挿入した時に、その指先が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に触れるのを阻止することができる。
下皿322は、下皿第二領域A2内である下皿球供給口323cの真正面に、上下に貫通している下皿球抜き孔322aを備えている。下皿322の底面は、下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿322の下皿球抜き孔322aは、下皿球抜きボタン333の押圧操作によって動作する蓋部材334によって開閉可能に閉鎖されている。下皿322は、通常の状態では、下皿球抜き孔322aが蓋部材334によって閉鎖されており、下皿322内に遊技球を貯留させることができる。そして、下皿球抜きボタン333を押圧操作して蓋部材334を開動作させると、下皿322内の遊技球を、下皿球抜き孔322aから皿ユニット320の下方へ排出させることができる。
下皿322の下皿球抜き孔322aは、下皿322の後壁を形成している皿ユニットベース323の下皿球供給口323cの前方(真正面)に配置されている。従って、扉枠3に組立てた状態では、下皿球抜き孔322aが、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側で演出操作ユニット400におけるフレームユニット415の後方に位置しているため、遊技者(正面)側からは見えないようになっている。
この下皿322は、上述したように、外周形状が、左右に延びた四角形の前側に、前方側が窄まった台形を組合せた形状に形成されていると共に、底面が、下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。従って、蓋部材334が開いて下皿球抜き孔322aが開放されている状態で、下皿球供給口323cから下皿322内へ供給された遊技球は、下皿球供給口323cの真正面に開口している下皿球抜き孔322aから即座に下方へ排出される。この下皿球抜き孔322aの左端は、下皿球供給口323cの左端よりも若干左方に位置していることから、下皿球抜き孔322aが開放されている状態では、下皿球供給口323cから下皿322へ供給された遊技球が、下皿322内における下皿球抜き孔322aよりも左側の領域へ直接流通することはなく、下皿球抜き孔322aから排出されることとなる。
一方、下皿球抜き孔322aの右端は、下皿球供給口323cの右端よりも左方に位置していることから、下皿球供給口323cの右端付近から下皿322へ供給された遊技球が、本体立壁部325bにおける下皿322の右側の立壁を形成している部位に当接することとなる。この下皿322の右側の立壁は、下皿球抜き孔322aの方向を向くように前後方向に対して斜めに湾曲しているため、下皿球供給口323cから供給された遊技球が、この傾斜している部位に当接すると、下皿球抜き孔322aの方向へ反射することとなり、下皿球抜き孔322aよりも左側の領域へ行くことなく、下皿球抜き孔322aから排出される(図45を参照)。
このように、本実施形態の下皿322は、下皿球供給口323cから供給された遊技球を、下皿球抜き孔322aへ誘導するように形成しているため、下皿球抜き孔322aが開放されている状態では、下皿球供給口323cから供給された遊技球を、下皿322における下皿球抜き孔322aの左側の領域へ侵入させることなく、直ちに下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出させることができる。これにより、下皿球抜き孔322aを開いたままの状態とすると、遊技者側からは下皿322上を流通している遊技球が見えないため、上皿321や払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、本実施形態の下皿322は、下皿本体325の本体立壁部325bと、本体立壁部325bの上端から上方へ延出した下皿カバー340,340Aとを備えているため、下皿322内に供給され遊技球が、下皿322内で跳ねて飛び上がっても、下皿322内から取付空間326j側へ遊技球が侵入するのを防止することができ、下皿322内の遊技球が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に接触するのを阻止することができる。従って、下皿322内に供給された遊技球や下皿322に貯留されている遊技球が、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に当接したり押圧したりするのを防止することができ、遊技球によって演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側が破損するのを防止することができる。
更に、下皿322において、下皿球供給口323cの前方に下皿球抜き孔322aを備えていることから、下皿球抜き孔322aが開いている状態では、下皿球供給口323cから放出された遊技球をそのまま下皿球抜き孔322aに進入させて下方(ドル箱)へ排出させることができるため、遊技球を下皿本体325の本体立壁部325bの前端側に到達し難くすることができる。また、下皿322の前端付近の下皿本体325の底壁部325aが、前方へ向かうほど高くなっているため、下皿本体325の本体立壁部325bの前端側へ向かう遊技球が、傾斜した底面を登ることとなり、遊技球の移動速度を減衰させることができる。従って、下皿球供給口323cから下皿322内に放出された遊技球が、下皿カバー340,340Aや本体立壁部325bに当接した時の衝撃を小さくすることができ、それらを破損し難くすることができる。
なお、本実施形態では、上皿球抜きボタン327に対して、下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334を連動させるようにしても良い。これにより、上皿球抜きボタン327を操作すると、蓋部材334も可動して下皿球抜き孔322aが開くため、上皿321から下皿322へ排出された遊技球が、更に下皿球抜き孔322aから下方のドル箱へ排出されることとなる。つまり、上皿321から遊技球を抜くために上皿球抜きボタン327を操作すると、下皿球抜きボタン333を操作していないにも関わらず、上皿321の遊技球がドル箱に排出されるため、遊技者に対して上皿321の遊技球が直接ドル箱に排出されているように強く錯覚させることができ、上述した作用効果をより一層発揮させることができる。なお、上皿321及び下皿322の球抜きの同時開放は、モータやソレノイド等の駆動源の駆動による同時開放であっても良いし、機械的なリンク機構による同時開放であっても良い。
また、本実施形態では、下皿322を構成している下皿本体325と下皿カバー340とが分解可能な別体のものを示したが、下皿本体325と下皿カバー340とが分解不能な一体のものとしても良い。また、下皿カバー340のカバー立壁部340aが、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から立上った例を示したが、下皿本体325の底壁部325aから下皿カバー340のカバー立壁部340aが立上っていても良い。また、下皿カバー340の天井部340bが、カバー立壁部340aの上端から略水平に延びた例を示したが、下皿カバー340の天井部340bが、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から略水平に延びるようにしても良い。
更に、本実施形態では、下皿322の演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)との接触を回避させるための逃し部322bを備えた例を示したが、逃し部322bを備えていない下皿322としても良い。
また、本実施形態では、下皿322(下皿本体325や下皿カバー340等)として、貫通した孔の無い一様な面状のものを示したが、遊技球が通過不能な複数の貫通した孔を有するものであっても良い。具体的には、下皿322の底壁部325a、本体立壁部325b、カバー立壁部340a、天井部340b等の少なくとも一部を、遊技球が通過不能な隙間を有した、柵状に形成したものや網状に形成したものとしても良い。なお、皿ユニットカバー326(取付空間326j)内に、LED等の発光体を配置し、下皿322の柵状や網状の隙間を通して下皿322内を照らす(発光装飾させる)ようにしても良い。
なお、本実施形態では、夫々別体に形成された下皿本体325、下皿カバー340、皿ユニットベース323、及び皿ユニットカバー326(下皿カバー部326k)によって、下皿322を形成したものを示したが、それら四つの部材が適宜の組合せで一体とされて下皿322を形成するようにしても良い。具体的には、下皿カバー340と下皿本体325とが一体とされたもの、下皿カバー340と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿カバー340と皿ユニットベース323とが一体とされたもの、下皿本体325と皿ユニットベース323とが一体とされたもの、皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と下皿カバー340と皿ユニットベース323とが一体とされたもの、下皿本体325と下皿カバー340と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿カバー340と皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と下皿カバー340と皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、等としても良い。
[3−3b−1.下皿の球誘導部]
皿ユニット320の下皿322において、下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ遊技球を誘導する球誘導部322c等を備えた実施形態について、図46を参照して詳細に説明する。図46(a)は下皿に球誘導部を備えた例を概略で示す説明図であり、(b)は下皿に(a)とは異なる球誘導部を備えた例を概略で示す説明図であり、(c)は更に異なる球誘導部を備えた例を概略で示す説明図である。図46では、上記と同じ構成については、同一の符号を付してある。
図46(a)の下皿322の例は、下皿322の底面における下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとの間の部位に、下皿球抜き孔322aの直径と略同じ距離で左右に離間して配置された一対の球誘導部322cを備えている。一対の球誘導部322cは、下皿322の底面から突出した状態で前後に延びたレール状(突条)に形成されている。また、下皿322は、底面が下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。従って、下皿球供給口323cから下皿322内へ供給された遊技球は、球誘導部322cを乗り越えることなく、一対の球誘導部322cにより下皿球抜き孔322aへ誘導され、下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出される。
そして、この例の下皿322は、上記と同様に、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側の後方(下皿第二領域A2)に、下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとが前後方向へ直線状に並んで配置されている。従って、下皿球供給口323c及び下皿球抜き孔322aは、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側等の被覆壁の後方に位置しており、正面からは見えないようになっている。
このように、本例の下皿322は、一対の球誘導部322cを備えているため、下皿球抜き孔322aが開放されている状態では、下皿球供給口323cから供給された遊技球を、下皿322における下皿球抜き孔322aの左側の領域へ侵入させることなく、直ちに下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出させることができる。そして、遊技者側からは下皿322上を流通している遊技球が見えないため、上皿321や払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
この図46(a)の例では、球誘導部322cとして、レール状のものを示したが、これに限らず、下皿球抜き孔322aへ向かって延びた溝のように、遊技球を下皿球抜き孔322aへ誘導できるものであれば良い。
次に、図46(b)の下皿322の例は、下皿322における下皿球抜き孔322aの右側の壁部を、下皿球供給口323cから右斜め前方へ放出された遊技球が、下皿球抜き孔322aの方向へ反射するような形状に形成していると共に、遊技球が当接する部位に緩衝部322dを備えるようにしたものである。この緩衝部322dは、ゴムや発泡体等で形成されている。
本例の下皿322も上記と同様に、下皿球供給口323cの真正面に下皿球抜き孔322aが配置されていると共に、下皿322の底面が下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。従って。下皿球供給口323cから真直ぐに前方へ放出された遊技球は、そのまま下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出される。一方、下皿球供給口323cから右前方へ放出された遊技球は、緩衝部322dで下皿球抜き孔322aの方向へ反射して、下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出される。この際に、遊技球が緩衝部322dに当接して反射するため、反射時の衝突音が低減される。
更に、この例の下皿322も上記と同様に、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側の後方(下皿第二領域A2である演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側等の被覆壁の後方)に配置されており、正面からは見えないようになっている。
このように、本例の下皿322は、遊技球を反射させる壁部に緩衝部322dを備えているため、下皿球供給口323cから遊技球が真直ぐに前方へ放出されなかった場合でも、緩衝部322dにより音もなく下皿球抜き孔322aの方向へ反射させて下方(ドル箱)へ排出させることができる。従って、上皿321や払出装置830から払出された遊技球等がドル箱へ排出される際に、下皿322から遊技球の衝突音が聞こえないため、恰も直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
続いて、図46(c)の下皿322の例は、下皿322の底面(底壁部325a)における下皿球抜き孔322aを間にして下皿球供給口323cとは反対側の部位から上方へ突出し、下皿球抜き孔322aを飛び越えた遊技球を下皿球抜き孔322a側へ反射させる返し部322eを備えたものである。なお、返し部322eは、下皿322を形成している素材と同じ素材を用いても良いし、ゴムや発泡体等の反射時の衝突音を緩和させる緩衝材を用いても良い。また、返し部322eは、下皿322の側壁を構成していないものとしても良いし、下皿322の側壁(本体立壁部325b)の一部を構成するものとしても良い。
この下皿322では、下皿球供給口323c、下皿球抜き孔322a、及び返し部322eが、後方から前方へ向かって順番に直線上に配置されていると共に、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側の後方(下皿第二領域A2である演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側等の被覆壁の後方)に配置されており、正面からは見えないようになっている。この下皿322では、下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ流通する遊技球が、万が一、下皿球抜き孔322aを飛び越えても、返し部322eにより下皿球抜き孔322a側へ反射させて、下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出させることができる。従って、上記と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、下皿322に対して、上記の球誘導部322cと緩衝部322dとを、適宜に組合せても良い。これにより、上記と同様の作用効果を奏することができる。
[3−3b−2.下皿の別の実施形態]
皿ユニット320の下皿322の別の実施形態について、図47を参照して説明する。図47(a)は分割可能とした下皿を概略で示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの後方の空間の大きさに応じて下皿の貯留領域を拡張した状態を概略で示す説明図であり、(c)は(b)の下皿を概略の斜視図で示す説明図である。図47に示す下皿322は、下皿本体325が下皿第二領域A2内に配置された分割線PLを境に分割可能とされているものである。なお、図47において点線ハッチで示す領域は、取付空間326jの残りの空間を示している。
まず、図47(a)に示す下皿本体325(下皿322)は、下皿第一領域A1及び下皿第二領域A2の一部を構成し下皿球抜き孔322aを有している本体部325Aと、本体部325Aの右側に取付けられており下皿第二領域A2の残りの領域を構成している第一増設部325Bとを備えている。第一増設部325Bは、本体部325Aよりも更に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が収容される取付空間326jの残りの空間(演出操作ユニット400や第二演出操作ユニット400Aの後方の空間)内へ突出している。この第一増設部325Bは、図示するように、前方から後方へ向かうに従って、左右方向の幅が大きくなるように形成されている。また、第一増設部325Bは、右前隅に、第二演出操作ユニット400Aとの接触を回避させるための逃し部322bが形成されている。
次に、図47(b)及び図47(c)の例は、演出操作ユニット400の後端が、下皿322の前端よりも後方へ突出しておらず、図47(a)の例よりも、演出操作ユニット400の後方の空間(取付空間326jの残りの空間)が広くなっている。そして、この下皿本体325(下皿322)は、下皿第一領域A1及び下皿第二領域A2の一部を構成し下皿球抜き孔322aを有している本体部325Aと、本体部325Aの右側に取付けられていると共に下皿第二領域A2の残りの領域を構成しており第一増設部325Bよりも大きい第二増設部325Cとを備えている。この第二増設部325Cは、図示するように、前端から後端までの左右方向の幅が一定に形成されており、第一増設部325Bよりも遊技球の貯留領域が大きく形成されている。また、この下皿322は、第二増設部325Cの形状と対応した形状の下皿カバー340Aが取付けられている(図47(c)を参照)。
図47に示した例では、本体部325Aに第一増設部325Bや第二増設部325Cを取付けることで、夫々の遊技球の貯留領域同士が連続(連通)した状態となり、遊技球の貯留領域が拡大する。また、本体部325Aと、第一増設部325Bや第二増設部325Cとの境が、分割線PLとなっている。また、下皿本体325における第一増設部325B及び第二増設部325Cは、演出操作ユニット400や第二演出操作ユニット400Aの後面との間に、所定の隙間(取付空間326jと連通している空間)が生じるように形成されている。
このように、上記の例では、下皿本体325(下皿322)を分割可能な構成とすると共に、分割された部材の少なくとも一方を交換可能としていることから、下皿322内における遊技球の貯留領域を、必要に応じて、大きくしたり、小さくしたりすることができる。また、下皿本体325(下皿322)を分割可能な構成としているため、皿ユニットカバー326に取付けられる演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方(取付空間326j内)への突出量に応じた大きさの増設部(第一増設部325B又は第二増設部325C)を取付けることができる。
なお、上記の実施形態では、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方となる下皿第二領域A2内に分割線PLを配置したものを示したが、分割線PLを、下皿第一領域A1と下皿第二領域A2との境界線上に配置しても良いし、下皿第一領域A1内に配置しても良い。
また、上記の実施形態では、下皿本体325(下皿322)における本体部325Aに、下皿球抜き孔322aを備えたものを示したが、第一増設部325Bや第二増設部325Cに下皿球抜き孔322aを備えるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、下皿本体325の本体部325Aの右側に、第一増設部325Bや第二増設部325Cを取付けたものを示したが、本体部325Aの右側に、遊技球の貯留領域を有しない、平板状の閉鎖部材を取付けるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、下皿322における下皿本体325について説明したが、下皿カバー340についても、下皿本体325と同様に分割可能としたり、第一増設部325Bや第二増設部325Cの大きさに合せた形状としたりしても良い。
[3−3c.皿ユニットベース]
皿ユニット320の皿ユニットベース323について、主に図41乃至図44等を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース323は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の下側に取付けられ、扉枠ベース110の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース323は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口323aと、上皿球供給口323aの下側で前後に貫通していると共に上下に延びている複数の長穴からなるスピーカスリット323bと、正面視左右中央から左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口323cと、下皿球供給口323cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体324の右端に位置する上皿球送り口323dと、を備えている。
また、皿ユニットベース323は、上皿球送り口323dを通って皿ユニットベース323の後側に送られた遊技球を球送りユニット250の進入口251aへ誘導する球送り誘導路323eと、球送り誘導路323eの下側から垂下した後に下皿球供給口323cの筒状の正面視右側面へ向かって低くなるように略L字状に延びており球送りユニット250の球抜口251bから放出された遊技球を下皿球供給口323cへ誘導する球抜き誘導路323fと、球送り誘導路323eの正面視左方で且つ球送り誘導路323eの下端と球抜き誘導路323fの上端との間の高さの位置で前後に貫通しており球送りユニット250の作動棹253cと当接し上皿球抜きボタン327により動作する作動伝達部327aが後方へ臨むように突出する開口部323gと、を備えている。球抜き誘導路323fは、下流端が下皿球供給口323cにおける筒状の部位内に開口している。
更に、皿ユニットベース323は、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180の筒部181が挿通されるハンドル挿通口323hと、正面視右隅付近で前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通口323iと、を備えている。
皿ユニットベース323の上皿球供給口323aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿321の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース110の上皿用通過口117を前側から貫通してファールカバーユニット270の貫通球通路273の前端と接続している。これにより、払出ユニット800から払出された遊技球が、上皿球供給口323aを通って上皿321内に供給(払出)される。
下皿球供給口323cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿322の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース110の下皿用通過口116を前側から貫通してファールカバーユニット270の球放出口276の前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット270の貯留通路277内を流通する遊技球が、下皿球供給口323cを通って下皿322内に供給される。この下皿球供給口323cは、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方に配置されており、扉枠3を正面から見た時に、下皿開口部326dを通して遊技者側から見えないようになっている。
[3−3d.皿ユニットカバー]
皿ユニット320の皿ユニットカバー326について、主に図41乃至図44等を参照して詳細に説明する。皿ユニットカバー326は、上皿本体324及び下皿本体325の前側を覆うように皿ユニットベース323の前面に取付けられる。皿ユニットカバー326は、左右方向中央が前方へ膨出しており左右方向中央に前方へ大きく開口し演出操作ユニット400が取付けられる演出操作ユニット取付部326aと、演出操作ユニット取付部326aの左右両側における上皿321と略同じ高さに形成されている皿前上装飾部326bと、左右の皿前上装飾部326bの夫々の下側に形成されている皿前下装飾部326cと、を備えている。
演出操作ユニット取付部326aは、左右方向が皿ユニット320の左右方向の全幅に対して約1/3の大きさに形成されていると共に、上下方向が皿ユニット320の上下方向の高さと略同じ高さに形成されている。また、演出操作ユニット取付部326aは、前端が上方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。詳しくは、演出操作ユニット取付部326aの前端は、垂直線に対して27度の角度で傾斜している。
皿前上装飾部326bは、前面が、皿ユニットカバー326の左右方向中央側から左右両端側へ向かうに従って後方へ移動しており、皿ユニットカバー326の左右方向中央側の端部と左右両端側の端部とを結んだ平面に対して、中間部が前方へやや膨出した湾曲面状に形成されている。また、皿前上装飾部326bは、下端が、皿ユニットカバー326の左右方向中央側から左右両端側へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜しており、皿ユニットカバー326の左右方向中央側(演出操作ユニット取付部326a側)から左右両端側へ向かって上下方向が窄まるように形成されている。皿ユニットカバー326は、正面視左側の皿前上装飾部326bに、演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332が取付けられている。
皿前下装飾部326cは、前面が、皿ユニットカバー326の左右方向中央側から左右両端側へ向かうに従って後方へ移動しており、皿ユニットカバー326の左右方向中央側の端部と左右両端側の端部とを結んだ平面に対して、中間部が後方へ窪むような湾曲面状に形成されている。
正面視左側の皿前下装飾部326cには、前後に貫通している下皿開口部326dが形成されており、下皿開口部326dから下皿322が前方に臨んでいる。正面視左側の皿前下装飾部326cでは、下皿開口部326dの下側前面から下皿球抜きボタン333が前方へ突出している。また、正面視左側の皿前下装飾部326cにおける下皿開口部326dの左側には、パンチングメタルからなる下スピーカ口326eが形成されている。下スピーカ口326eは、皿ユニット320に組立てた状態で、皿ユニットベース323のスピーカスリット323bの前方に位置している。
正面視右側の皿前下装飾部326cには、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180の筒部181が挿通されるハンドル挿通口326fと、正面視右隅付近におけるハンドル挿通口326fの上側で前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通口326gと、が形成されている。
皿ユニットカバー326は、正面視右側の皿前上装飾部326bの上端から皿ユニットベース323の前端まで延びた板状の天板部326hを有しており、天板部326hにより上皿321の右側上方を覆っている。この天板部326hに、上皿球抜きボタン327、球貸ボタン328、返却ボタン329、及び球貸返却表示部330が取付けられている。
皿ユニットカバー326は、皿前下装飾部326cの下端から皿ユニットベース323の前面まで延びている平板状の底板部326iを備えている。この底板部326iにより皿ユニット320の下側が閉鎖されている。なお、底板部326iは、下皿322の下方に位置する部位が下方から上方へ凹むように段状に形成されており、その部位に後述する下皿球抜きベース335が取付けられている。また、底板部326iには、下皿322の下皿球抜き孔322aと対応した位置に、上下に貫通した孔が形成されている。
皿ユニットカバー326は、演出操作ユニット取付部326aの部位で前方へ開口しており演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側が挿入(収容)される取付空間326jを備えている。また、皿ユニットカバー326は、下皿開口部326dの左辺及び上辺から後方へ平板状に延出しており、下皿322を覆っている下皿カバー部326kを備えている(図44を参照)。下皿カバー部326kは、左端に、下皿本体325における本体立壁部325bの左辺の上端が当接していると共に、右端に、下皿カバー340における天井部340bの左端が当接するようになっている。
[3−3e.上皿球抜きボタン]
皿ユニット320の上皿球抜きボタン327について、主に図41乃至図44等を参照して詳細に説明する。上皿球抜きボタン327は、上皿321の正面視右側で、皿ユニットカバー326の天板部326hに取付けられており、押圧操作することで、上皿321内の遊技球を下皿322へ抜くことができるものである。上皿球抜きボタン327は、詳細な図示は省略するが、皿ユニットカバー326の天板部326hの下側に取付けられている球抜きボタンホルダによって、天板部326hの下方で後端側が左右に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。上皿球抜きボタン327は、その前端下面に、上下に延びている球抜きレバーの上端が当接している。この球抜きレバーは、上皿球抜きボタン327の下方で皿ユニットベース323の前面に取付けられている球抜きベースによって上下方向へスライド可能に取付けられている。
そして、上皿球抜きボタン327の前端下面に上端が当接している球抜きレバーは、皿ユニットベース323によって上下にスライド可能に取付けられている上皿球抜きスライダ327bの上部に上側から当接している。この上皿球抜きスライダ327bは、後面から後方に突出している作動伝達部327aを備えており、扉枠3を組立てた状態で、この作動伝達部327aが、皿ユニットベース323における開口部323gから臨むように後方に突出すると共に、球送りユニット250における球抜き部材253の作動棹253cに下方から当接する。なお、上皿球抜きスライダ327bは、上皿球抜きバネ327cにより上方へ付勢されており、この上皿球抜きバネ327cの付勢力により、上皿球抜きスライダ327b及び球抜きレバーを介して上皿球抜きボタン327が上昇端に位置している。
従って、上皿球抜きボタン327を、上皿球抜きバネ327cの付勢力に抗して下方へ押圧すると、上皿球抜きスライダ327bの作動伝達部327aが下方へ移動し、作動伝達部327aの上端側に当接している球抜き部材253の作動棹253cも相対的に下方へ移動することとなるため、球抜き部材253が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部253aによる進入口251aと球抜口251bとの間の仕切りが解除され、それらが互いに連通した状態となる。これにより、上皿321内の遊技球が、球送りユニット250の球抜口251bから皿ユニット320の球抜き誘導路323fへと排出され、下皿球供給口323cを介して下皿322へ排出(供給)させることができる。
なお、上皿球抜きボタン327を操作すると、下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334が連動して可動するようにしても良い。これにより、上皿球抜きボタン327を操作すると、蓋部材334も可動して下皿球抜き孔322aが開くため、上皿321から下皿322へ排出された遊技球が、更に下皿球抜き孔322aから下方のドル箱へ排出されることとなる。つまり、上皿321から遊技球を抜くために上皿球抜きボタン327を操作すると、下皿球抜きボタン333を操作していないにも関わらず、上皿321の遊技球がドル箱に排出されるため、遊技者に対して上皿321の遊技球が直接ドル箱に排出されているように強く錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。なお、上皿321及び下皿322の球抜きの同時開放は、モータやソレノイド等の駆動源の駆動による同時開放であっても良いし、機械的なリンク機構による同時開放であっても良い。
[3−3f.球貸ボタン、返却ボタン、及び球貸返却表示部]
皿ユニット320の球貸ボタン328、返却ボタン329、及び球貸返却表示部330について、主に図41を参照して詳細に説明する。球貸ボタン328、返却ボタン329、及び球貸返却表示部330は、図示するように、皿ユニットカバー326の天板部326hにおける上皿球抜きボタン327の正面視右側で、円形状の装飾内に取付けられている。
球貸ボタン328は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、押圧操作することで、所定数の遊技球を皿ユニット320の上皿321内へ貸出す(払出す)ものである。返却ボタン329は、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを投入した状態で押圧操作すると、貸出された遊技球の分を差し引いた上で、現金やプリペイドカードを返却するものである。
球貸返却表示部330は、図示は省略するが、透明な表面の下側に三桁の7セグメントLEDが配置されており、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等、を表示するものである。
[3−3g.演出選択左ボタン及び演出選択右ボタン]
皿ユニット320の演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332について、主に図41等を参照して詳細に説明する。演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332は、図示するように、皿ユニットカバー326における正面視左側の皿前上装飾部326bにおける演出操作ユニット取付部326aに近い右端付近に取付けられている。演出選択左ボタン331は、一つの頂点を左方へ向けた三角形状に形成されている。演出選択右ボタン332は、演出選択左ボタン331の右方で一つの頂点を右方へ向けた三角形状に形成されている。
演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332は、正面視において遊技領域5a内に配置された遊技盤側演出表示装置1600(以下、演出表示装置1600とも言うことがある)や演出操作ユニット400の扉枠側演出表示装置460等において、遊技者に対して選択を促す演出画像が表示されると、押圧操作が受付可能となり、所定時間内に演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作して所望の選択肢を選択するためのものである。
[3−3h.下皿球抜きボタン]
皿ユニット320の下皿球抜きボタン333について、主に図41乃至図44等を参照して詳細に説明する。下皿球抜きボタン333は、下皿322の前方となる皿ユニットカバー326における下皿開口部326dの下側で、正面視左側の皿前下装飾部326cの前面下端から前方に突出している。この下皿球抜きボタン333は、押圧操作することで、下皿322の下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334を回動させることができ、蓋部材334が回動することで下皿球抜き孔322aが開放されて、下皿322内に貯留されている遊技球を、皿ユニット320の下方へ排出させることができる。
下皿球抜きボタン333は、下皿本体325の下側で皿ユニットカバー326の底板部326iに取付けられている下皿球抜きベース335(図42(b)を参照)によって前後方向へスライド可能に取付けられている。下皿球抜きボタン333は、下皿322の下皿球抜き孔322aに対して左方に配置されている(図28等を参照)。
下皿球抜きベース335には、皿ユニットカバー326の底板部326iにおいて、下皿322の下方の位置で下方から上方へ凹むように段状に形成されている部位に収容されるように、底板部326iに取付けられている。下皿球抜きベース335は、下皿322の下皿球抜き孔322aの直下となる位置に、下皿球抜き孔322aと同じ大きさで上下に貫通している排出口335aが形成されている。蓋部材334は、詳細な図示は省略するが、下皿本体325と下皿球抜きベース335との間に配置されている。これにより、下皿322の下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334を開くと、下皿球抜きベース335の排出口335aも開くこととなり、下皿球抜き孔322aと排出口335aとが互いに連通した状態となる。
蓋部材334は、図示は省略するが、平面視において、下皿球抜きボタン333よりも左方の位置を中心として回動可能に下皿球抜きベース335に取付けられている。下皿球抜きボタン333には、蓋部材334における下皿球抜き孔322aを閉鎖する部位と、下皿球抜きベース335により回動可能に取付けられる部位との間の部位が連結されている。これにより、下皿球抜きボタン333を前後方向へ移動させると、蓋部材334が上下に延びた軸周りに回動し、下皿球抜き孔322a(排出口335a)を開閉させることができる。
下皿球抜きベース335には、図示は省略するが、下皿球抜きボタン333を後方へ押圧して移動させた時に、下皿球抜きボタン333を保持する保持装置と、下皿球抜きボタン333を前方へ付勢している下皿球抜きバネと、が取付けられている。下皿球抜きボタン333が前方に突出して下皿球抜き孔322aを蓋部材334により閉鎖している状態で、下皿球抜きボタン333を押圧して後方へ移動させると、蓋部材334が回動して下皿球抜き孔322aが開くと共に、下皿球抜きボタン333が保持装置に保持されて、後方へ移動したままの状態となる。この状態で、下皿球抜きボタン333の押圧を放しても、下皿球抜きボタン333が前方へ移動することはなく、下皿球抜き孔322aが開いたままの状態で維持され、下皿322内の遊技球を下皿球抜き孔322a及び排出口335aを通して皿ユニット320の下方へ排出させることができる。
そして、下皿球抜きボタン333が保持装置に保持されて下皿球抜き孔322aが開いている状態で、下皿球抜きボタン333を後方へ押圧すると、保持装置による保持が解除される。この状態で、下皿球抜きボタン333の押圧を放すと、下皿球抜きボタン333が下皿球抜きバネの付勢力により前方へ移動し、突出した状態に復帰すると共に、蓋部材334が回動して下皿球抜き孔322a(排出口335a)が閉鎖された状態となる。これにより、下皿322内に遊技球を貯留させることができる。
なお、下皿球抜きボタン333の押圧操作とは別に、上皿球抜きボタン327の押圧操作によっても、下皿球抜き孔322a(排出口335a)を閉鎖している蓋部材334が可動して下皿球抜き孔322aが開くようにしても良い。これにより、上皿321に貯留された遊技球を皿ユニット320の下方に配置されたドル箱に排出させたい時に、上皿球抜きボタン327を操作するだけで、下皿322を介してドル箱に排出させることができ、球抜きに係る手間を簡素化することができる。なお、上皿321及び下皿322の球抜きの同時開放は、モータやソレノイド等の駆動源の駆動による同時開放であっても良いし、機械的なリンク機構による同時開放であっても良い。
[3−4.演出操作ユニットの全体構成]
扉枠3における演出操作ユニット400の全体構成について、主に図48乃至図55等を参照して詳細に説明する。図48(a)は扉枠における演出操作ユニットの正面図であり、(b)は演出操作ユニットの右側面図である。また、図49(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図50は、演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。図51は図48(a)におけるD−D線で切断した断面図であり、図52は図48(b)におけるE−E線で切断した断面図である。図53(a)は図48(b)におけるF−F線で切断した断面図であり、(b)は(a)におけるA部の拡大図である。図54は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図55は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット400は、皿ユニット320の正面視左右方向中央の前部に取付けられるものであり、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。
演出操作ユニット400は、外形が円形で外周縁を除いた中央側が透明に形成されており遊技者が押圧操作可能な操作ボタン410と、操作ボタン410の外周を囲み皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる枠状のフレームユニット415と、操作ボタン410よりも後方に配置されており操作ボタン410の外周縁及びフレームユニット415を発光装飾させることが可能な装飾基板ユニット420と、フレームユニット415の後側に取付けられており操作ボタン410及び装飾基板ユニット420が前面に取付けられているベースユニット430と、操作ボタン410を通して遊技者側から視認可能にベースユニット430に取付けられており演出画像を表示可能な扉枠側演出表示装置460と、を備えている。
[3−4a.操作ボタン]
演出操作ユニット400の操作ボタン410について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。図56(a)は操作ボタンを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は操作ボタンを分解して後ろから見た分解斜視図である。操作ボタン410は、外形が皿ユニット320の上下方向の高さよりも若干小さい直径の円形に形成されており、外周縁を除いた中央側が透明に形成されている。操作ボタン410は、外周が円形で中央側が前方へ膨出するように湾曲面状(球面の一部の形状)に形成されている透明なボタンレンズ411と、ボタンレンズ411の外周縁の前側に取付けられている円環状のボタンフレーム412と、ボタンフレーム412の後側にボタンレンズ411の外周縁を挟持するように取付けられている円筒状のボタンベース413と、を備えている。ボタンフレーム412及びボタンベース413は、光を通し難い部材によって形成されている。
ボタンレンズ411は、全体が略一定の厚さに形成されている。また、ボタンレンズ411は、表面側が凹凸の無い滑らかな湾曲面状に形成されている。ボタンレンズ411は、ボタンフレーム412の内周側となる位置に裏面から断面W字状に窪んだ状態で中央側(内側)へ所定長さで延びていると共に周方向に列設されている第一ボタン装飾部411aと、第一ボタン装飾部411aよりも外周側の位置に裏面から断面円弧状に窪んだ状態で中央側へ向かう軸線上に延びていると共に周方向に所定角度範囲内で列設されている複数(六つ)の第二ボタン装飾部411bと、を備えている。
ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aは、図示するように、操作ボタン410に組立てた状態では、ボタンフレーム412の内周から中央側へ延びており、左右両側の一群が、上下両側の一群よりも中央側へ長く延びている。
ボタンレンズ411の複数の第二ボタン装飾部411bは、夫々が同一の円周上において円弧状に延びており、左右両側に夫々三つずつ形成されている。これらの第二ボタン装飾部411bは、ボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨むように形成されていると共に、前面側がボタンフレーム412の前面と略同一面上となるように前方へ突出している。
ボタンレンズ411は、第一ボタン装飾部411a及び第二ボタン装飾部411bの部位において、裏面に形成されている断面W字状や断面円弧状の凹凸により、光が屈折するレンズ効果が発揮されるため、後側が明瞭に見えないようになっている。
ボタンフレーム412は、円環状に形成されており、前後方向に貫通し周方向へ所定長さで円弧状に延びた複数(六つ)のフレーム開口部412aを備えている。六つのフレーム開口部412aは、左右両側に夫々三つずつ備えられており、ボタンレンズ411の六つの第二ボタン装飾部411bと対応している。このボタンフレーム412は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えている。
ボタンベース413は、前後方向に短く延びた略円筒状の本体部413aと、本体部413aの前端から外方へ突出している円環状のフランジ部413bと、フランジ部413bの後側から本体部413aの外周に沿って後方へ円柱状に突出しており周方向に略等間隔で複数(四つ)配置されているガイドボス部413cと、フランジ部413bの後側から本体部413aの外周に沿って後方へ帯板状に突出しており周方向に複数(三つ)配置されている検知片413dと、本体部413aよりも外側でフランジ部413bを前後に貫通していると共に外周に沿って所定長さで延びており周方向に複数(六つ)形成されているベース開口部413eと、本体部413aの前端から前方へ筒状に延出しており前端側がボタンレンズ411の内面に沿うように内側(中央側)へ窄まっている内側延出部413fと、を備えている。
ボタンベース413における内側延出部413fの外周面と、フランジ部413bの前面とにボタンレンズ411の外周縁及びボタンフレーム412が取付けられる。四つのガイドボス部413cは、本体部413aの周方向に対して、上下左右の四隅に相当する部位に夫々配置されている。これら四つのガイドボス部413cは、ベースユニット430におけるユニットベース431の保持孔431b内に夫々摺動可能に挿入される。三つの検知片413dは、本体部413aの周方向に対して、上側に二つ、下側に一つ、配されるように、周方向へ略等間隔に配置されている。これら三つの検知片413dは、操作ボタン410が押圧されると、ベースユニット430の押圧検知センサ440により検知される。
六つのベース開口部413eは、左右両側に夫々三つずつ備えられており、ボタンレンズ411の第二ボタン装飾部411b及びボタンフレーム412のフレーム開口部412aと対応している。ボタンベース413におけるベース開口部413eの部位では、本体部413a及び内側延出部413fの一部が、外周側から内側へ窪んでいる。内側延出部413fは、内側へ窄まっている前端の内径が、ボタンフレーム412の内径と略一致している。
この操作ボタン410は、前面が前方へ湾曲面状(略球面の一部の形状)に膨出していると共に、透明に形成されており、後側に配置されている扉枠側演出表示装置460の表示画面を前方から視認することができる。操作ボタン410は、四つのガイドボス部413cがベースユニット430におけるユニットベース431の保持孔431bに摺動可能に挿入されていると共に、ユニットベース431の保持孔に431bに挿入されている操作ボタンバネ438により前方へ付勢されている。操作ボタン410は、ベースユニット430の操作ボタンバネ438の付勢力により、外周縁の前面側がフレームユニット415に当接することで、前方へのこれ以上の移動が規制されており、操作ボタンバネ438の付勢力に抗して押圧操作することで、後端がベースユニット430の前面に当接するまで後方へ移動する。操作ボタン410は、押圧操作して後方へ移動させると、三つの検知片413dの少なくとも一つがベースユニット430の押圧検知センサ440に検知される。この押圧検知センサ440による検知片413dの検知によって、操作ボタン410が操作されたこととなる。
また、操作ボタン410は、演出操作ユニット400を組立てた状態で、透明なボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周端から中央側へ延びるように全周に亘って形成されている第一ボタン装飾部411aによって、ボタンベース413の内周面と、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432との間の隙間を、遊技者側から見え難くすることができる。
更に、操作ボタン410は、円筒状のボタンベース413の前端開口を、ボタンレンズ411とボタンフレーム412とで閉鎖しており、ボタンレンズ411の外周縁に取付けられているボタンフレーム412により、操作ボタン410の外径に対して、後方が視認可能な透明な部分が、外周から内側へ窄まったように形成されている。このボタンフレーム412の存在によっても、ボタンベース413の内周面と、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432との間の隙間を、遊技者側から見え難くしている。
また、操作ボタン410は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、筒状のボタンベース413(本体部413a)の後端が、装飾基板ユニット420の内周側を通して装飾基板ユニット420の前面よりも後方へ突出した状態となる。これにより、装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に夫々実装されている第一LED422a,423a及び第二LED422b,423bから前方へ照射された光が、ボタンベース413の外側から内側へ漏れるのを防止することができると共に、ベースユニット430の操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されたLEDから前方へ照射された光がボタンベース413の内側から外側へ漏れるのを防止することができる。従って、装飾基板ユニット420の第一LED422a,423a及び第二LED422b,423bやベースユニット430の操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されたLEDが、発光装飾対象としている部位以外が発光装飾されてしまうのを防止することができ、見栄え良く発光装飾を行うことができる。
[3−4b.フレームユニット]
演出操作ユニット400のフレームユニット415について、主に図53乃至図55等を参照して詳細に説明する。フレームユニット415は、操作ボタン410の前方側から外周を囲むように、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに前側から取付けられ、操作ボタン410の外側を装飾している。フレームユニット415は、外形が演出操作ユニット取付部326aの前端側に合せた形状に形成されている。
フレームユニット415は、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられ円形の中央開口部416aを有する枠状のフレーム本体416と、中央開口部416aの左右両側でフレーム本体416に後側から取付けられる透光性を有した一対のフレームサイドレンズ417と、中央開口部416aの上側でフレーム本体416に前側から取付けられる透光性を有したフレームトップレンズ418と、を備えている。
フレーム本体416は、操作ボタン410の外径よりも小径で前後に貫通している円形の中央開口部416aと、中央開口部416aよりも左右両外側で前後に貫通していると共に中央開口部416aの周縁に沿って円弧状に延びており周方向に列設されている複数(六つ)の外周開口部416bと、中央開口部416aの上側前面において所定幅で切欠かれている切欠部416cと、を備えている。中央開口部416aは、操作ボタン410におけるボタンフレーム412のフレーム開口部412aの外周側の直径と略同じ大きさに形成されている。これにより、フレーム開口部412aの外周後側に操作ボタン410におけるボタンベース413のフランジ部413bの前端側が当接できるようになっている。
六つの外周開口部416bは、中央開口部416aの左右両外側に、夫々三つずつ備えられており、後側からフレームサイドレンズ417によって閉鎖されている。切欠部416cは、前後方向にも貫通しており、前側からフレームトップレンズ418が嵌込まれている。
また、フレーム本体416は、中央開口部416aの周縁よりも若干外側の位置から後方へ延出している略筒状の内側筒部416dを備えている。内側筒部416dは、中央開口部416aと外周開口部416bとの間の位置から後方へ延出しており、切欠部416cと対応している部位が切欠かれている。内側筒部416dは、演出操作ユニット400を組立てた状態では、装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aと第二LED422b,423bとの間に位置しており、第一LED422a,423aと第二LED422b,423bとの間を仕切っている(図52を参照)。
更に、フレーム本体416は、外周の左右両側上部において夫々外方へ延出しており、皿ユニット320の皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる一対の取付部416eを備えている。フレーム本体416(演出操作ユニット400)は、一対の取付部416eと切欠部416cの左右両側の部位が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる。
フレーム本体416は、中央開口部416aを間にして切欠部416c側(フレームトップレンズ418が取付けられる側)とは反対側で切欠部416cと同じ幅の部位を除いて、表面の略全体に金属光沢を有したメッキ層が形成されている。
フレームサイドレンズ417は、フレーム本体416の左右に夫々三つずつ形成されている外周開口部416bを後側から閉鎖している。フレームサイドレンズ417は、前面側が凹凸の無い滑らかな面に形成されており、後面側に中央開口部416aの周縁に沿った複数の凹凸が形成されている(図53及び図63を参照)。これら複数の凹凸によって光が屈折することで、フレームサイドレンズ417の後側が見えないようになっている。
フレームトップレンズ418は、フレーム本体416の切欠部416cに前側から嵌込まれるように、外形が略四角形に形成されている。フレームトップレンズ418は、前面側が滑らかに形成されている。また、フレームトップレンズ418は、後面側に中央開口部416aの周縁に沿ってジグザグ状に延びた複数の凹凸が中央開口部416aの半径方向に複数列設されている(図51及び図63を参照)。これら複数の凹凸によって光が屈折することで、フレームトップレンズ418の後側が見えないようになっている。
フレームユニット415は、演出操作ユニット400を組立てた状態で、一対のフレームサイドレンズ417が装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第二LED422b,423bの前方に位置すると共に、フレームトップレンズ418がベースユニット430のフレームトップレンズ装飾基板437の前方に位置し、それらに実装されている第二LED422b,423b等によって夫々が発光装飾可能となっている。
[3−4c.装飾基板ユニット]
演出操作ユニット400の装飾基板ユニット420について、主に図53乃至図57等を参照して詳細に説明する。図57は、演出操作ユニットの装飾基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。装飾基板ユニット420は、フレームユニット415の下方でベースユニット430の前面に取付けられ、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411b及びフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができると共に、演出操作ユニット400に振動を付与させることができるものである。
装飾基板ユニット420は、上方側が開放されたC字状の基板ベース421と、基板ベース421における左右両側の前面に夫々取付けられている操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423と、基板ベース421の前面下部に取付けられている振動モータ424と、振動モータ424の前側を覆うように基板ベース421の前面に取付けられているモータカバー425と、を備えている。
基板ベース421は、内周側が操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aの外径よりも若干大きく形成されていると共に、外周側がボタンベース413におけるフランジ部413bの外径よりも大きく且つフレームユニット415の外径よりも小さく形成されている。
操作ボタン左外装飾基板422は、基板ベース421の前面に沿って円弧状に延びている。操作ボタン左外装飾基板422は、前面側に、基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第一LED422aと、複数の第一LED422aよりも半径方向外側で基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第二LED422bと、を備えている。操作ボタン右外装飾基板423は、基板ベース421の前面に沿って円弧状に延びている。操作ボタン右外装飾基板423は、前面側に、基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第一LED423aと、複数の第一LED423aよりも半径方向外側で基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第二LED423bと、を備えている。これら操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423は、前後両面が白色とされている。
振動モータ424は、回転軸に偏芯した錘424aが取付けられており、この錘424aを回転させることで振動を発生させることができる。
装飾基板ユニット420は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、基板ベース421の内側に、操作ボタン410におけるボタンベース413の筒状の本体部413a後端側が挿入されている。また、装飾基板ユニット420は、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aが操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bの後方に位置し、夫々の第二LED422b,423bがフレームユニット415のフレームサイドレンズ417の後方に位置している。また、演出操作ユニット400に組立てた状態では、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423の夫々の第一LED422a,423aと、夫々の第二LED422b,423bとの間に、フレームユニット415の内側筒部416dが位置している(図52を参照)。
従って、装飾基板ユニット420は、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aからの光によって操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを発光装飾させることができると共に、夫々の第二LED422b,423bからの光によってフレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを発光装飾させることができる。
また、装飾基板ユニット420は、振動モータ424の錘424aを回転させることで、振動を発生させて、演出操作ユニット400全体を振動させることができる。
[3−4d.ベースユニット]
演出操作ユニット400のベースユニット430について、主に図58乃至図60等を参照して詳細に説明する。図58(a)は演出操作ユニットのベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットのベースユニットを後ろから見た斜視図である。図59は、演出操作ユニットのベースユニットを分解して前から見た分解斜視図である。また、図60は、演出操作ユニットのベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット400のベースユニット430は、操作ボタン410を前後方向へ進退可能に取付けていると共に、フレームユニット415の後側に取付けられるものである。
ベースユニット430は、フレームユニット415の後側に取付けられ中央部において上下に延びた略四角形に貫通している貫通孔431a、及び貫通孔431aの外側で前方に開放された止り孔からなる四つの保持孔431bを有する環状のユニットベース431と、ユニットベース431の前面で貫通孔431aを覆うように取付けられており前後に短く筒状延びた透光性を有する操作ボタン内装飾部材432と、操作ボタン内装飾部材432の後方でユニットベース431の前面における貫通孔431aの左右両側に夫々取付けられている操作ボタン左内装飾基板433及び操作ボタン右内装飾基板434と、操作ボタン内装飾部材432の後方でユニットベース431の前面における貫通孔431aの上下両側に取付けられている操作ボタン上内装飾基板435及び操作ボタン下内装飾基板436と、ユニットベース431の前面上部に取付けられているフレームトップレンズ装飾基板437と、を備えている。
また、ベースユニット430は、ユニットベース431の四つの保持孔431b内に夫々挿入されている四つの操作ボタンバネ438と、ユニットベース431の前面に取付けられている三つのセンサホルダ439と、各センサホルダ439に夫々取付けられており操作ボタン410の押圧操作を検知する三つの押圧検知センサ440と、ユニットベース431の後側に取付けられている演出操作ユニット中継基板441と、演出操作ユニット中継基板441の後側を覆うようにユニットベース431の後側に取付けられている中継基板カバー442と、を備えている。
ユニットベース431は、外形が略円形状で、フレームユニット415の外形よりも若干小さく形成されている。ユニットベース431は、中央において前後に貫通しており、上下に延びた略四角形の貫通孔431aが形成されている。この貫通孔431aは、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413a内に収まる大きさで、扉枠側演出表示装置460の表示画面が挿通可能な大きさに形成されている。このユニットベース431の後側に扉枠側演出表示装置460が取付けられる。
ユニットベース431の四つの保持孔431bは、貫通孔431aの外側の上下左右の四隅で、操作ボタン410におけるボタンベース413の四つのガイドボス部413cと対応する位置に形成されている。これら保持孔431bは、内径がガイドボス部413cの外径よりも若干大きく形成されており、ガイドボス部413cを摺動可能に挿入させることができる。
更に詳述すると、四つの保持孔431bのうちの左上側の保持孔431bは、ユニットベース431の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース431の中心に対して反時計周りの方向へ約30度回転した位置に形成されている。また、四つの保持孔431bのうちの右上側の保持孔431bは、ユニットベース431の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース431の中心に対して時計周りの方向へ約47度回転した位置に形成されている。一方、四つの保持孔431bのうちの下側に配置されている二つの保持孔431bは、上側の二つの保持孔431bに対してユニットベース431の中心の反対側の位置に夫々形成されている。
また、ユニットベース431は、前面上部において、操作ボタン上内装飾基板435が取付けられる部位と、フレームトップレンズ装飾基板437が取付けられる部位との間から平板状に前方へ突出している遮光壁部431cを備えている。この遮光壁部431cにより、フレームトップレンズ装飾基板437のみによってフレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。
操作ボタン内装飾部材432は、前後方向へ短く延びた略円筒状の周壁部432aと、周壁部432aの前端側を閉鎖しており中央が前方へ突出するように湾曲面状に形成されている前板部432bと、前板部432bを前後に貫通しており上下延びた四角形状の開口部432cと、周壁部432aの後端から外方へ延出しているフランジ部432dと、フランジ部432dから後方へ突出しておりユニットベース431に取付けられる複数の取付ボス432eと、を備えている。
操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aは、外径が操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内径と略同じ大きさに形成されている。前板部432bを貫通している開口部432cは、扉枠側演出表示装置460の表示画面と略同じ大きさに形成されている。
操作ボタン内装飾部材432は、周壁部432aの外周面と、前板部432bの前面が、凹凸のない滑らかな面に形成されている。
操作ボタン内装飾部材432は、周壁部432aの内周面に形成されており、円弧状に窪んでいると共に前後方向へ延びており、周方向に複数備えられた第一ボタン内装飾部432fと、前板部432bの後面に形成されており、円弧状に膨出し、前板部432bの中央を中心とするような変八角形状に延びていると共に、前板部432bの中央を中心として同心円状に複数備えられている第二ボタン内装飾部432g(図63を参照)と、を備えている。第二ボタン内装飾部432gは、開口部432cの四つの内周辺と平行に延びている部位を有するように形成されている。
操作ボタン内装飾部材432は、透明な部材によって形成されている。操作ボタン内装飾部材432は、周壁部432aの第一ボタン内装飾部432fと、前板部432bの第二ボタン内装飾部432gとによるレンズ効果により、後方が明瞭に視認できないようになっている。
操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436は、夫々前面側に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることができる。この操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることで、操作ボタン410内や扉枠側演出表示装置460の外側を発光装飾させることができる。
フレームトップレンズ装飾基板437は、前面に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで、フレームユニット415におけるフレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。
操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、操作ボタン下内装飾基板436、及びフレームトップレンズ装飾基板437に実装されているLEDは、夫々フルカラーLEDとされている。また、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、操作ボタン下内装飾基板436、及びフレームトップレンズ装飾基板437は、前面が白色とされている。
操作ボタンバネ438は、コイルバネとされており、ユニットベース431における四つの保持孔431b内に前方から挿入されている。操作ボタンバネ438は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、後端が保持孔431bの底面に当接しており、前端が操作ボタン410におけるボタンベース413の本体部413aから後方へ突出しているガイドボス部413cの後端に当接している。これら操作ボタンバネ438により、操作ボタン410を前方へ付勢している。
三つの押圧検知センサ440は、操作ボタン410におけるボタンベース413の三つの検知片413dと対応している位置に配置されている。詳述すると、三つの押圧検知センサ440は、ユニットベース431の前面において、一つが左上の保持孔431bの左下側に、もう一つが右上の保持孔431bの右下側に、残りの一つが左下の保持孔431bの右下側に夫々センサホルダ439を介して取付けられている。三つの押圧検知センサ440は、ユニットベース431の中央を中心として周方向へ略等間隔に取付けられている。これら三つの押圧検知センサ440は、操作ボタン410の三つの検知片413dを検知することができる。
演出操作ユニット中継基板441は、ユニットベース431の後側において、背面視で貫通孔431aの左側(正面視右側)に取付けられている。演出操作ユニット中継基板441は、操作ボタン左外装飾基板422、操作ボタン右外装飾基板423、振動モータ424、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、操作ボタン下内装飾基板436、フレームトップレンズ装飾基板437、押圧検知センサ440、及び扉枠側演出表示装置460と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継するためのものである。
中継基板カバー442は、演出操作ユニット中継基板441の後側を覆う部位の下端から正面視左方に延びており、ユニットベース431の後面下部に取付けられる脚部442aを備えている。中継基板カバー442の脚部442aは、扉枠3に組立てた状態では、下面が略水平に延びていると共に、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の底面を形成している底板部326iとの間で僅かな隙間を形成している(図26を参照)。これにより、操作ボタン410やフレームユニット415を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、脚部442aの下面が皿ユニットカバー326の底板部326iの上面に当接するまでの間では、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等が下方へ撓むことで衝撃を吸収することができる。そして、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接した後では、演出操作ユニット400の下方へ移動が規制され、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させて、それらの破損を防止することができる。
[3−4e.扉枠側演出表示装置]
演出操作ユニット400の扉枠側演出表示装置460について、主に図54及び図55等を参照して詳細に説明する。扉枠側演出表示装置460は、表示画面がベースユニット430における操作ボタン内装飾部材432の開口部432cから前方へ臨むようにユニットベース431の後側に取付けられており、操作ボタン410の透明な中央部分を通して前方側(遊技者側)から表示画面を視認することができると共に、表示画面に演出画像を表示させることができるものである。
扉枠側演出表示装置460は、前面に四角形の表示画面を有した液晶表示装置461と、液晶表示装置461の後側に取付けられていると共に、ベースユニット430のユニットベース431の後側に取付けられる有底角筒状の取付ブラケット462と、を備えている。液晶表示装置461は、縦横の比が、16:9で、対角線の長さが、約4.3inchの市販のカラー液晶ディスプレイである。取付ブラケット462は、外周が液晶表示装置461の外周と同じ形状に形成されており、有底筒状の底部が液晶表示装置461の後面と当接するように取付けられている。
扉枠側演出表示装置460は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、液晶表示装置461がユニットベース431の貫通孔431aを後側から貫通して、操作ボタン内装飾部材432の周壁部432a内に突出している(図51を参照)。液晶表示装置461の前面(表示画面)は、操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aの前端付近に位置しており、前板部432bを貫通している開口部432cから前方に臨んでいる。
扉枠側演出表示装置460は、液晶表示装置461において周辺制御基板1510からの制御信号に基づいた所定の演出画像を表示することができる。
[3−4f.演出操作ユニットの作用効果]
演出操作ユニット400の作用効果について、主に図61乃至図63等を参照して詳細に説明する。図61は、図51の演出操作ユニットの断面図において操作ボタンを押圧した状態を示す説明図である。図62(a)は演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの一部を切欠いて操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。図63(a)は演出操作ユニットの外観を前から見た斜視図で示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの外観を操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。
本実施形態の演出操作ユニット400は、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて演出画像を遊技者に見せることができると共に、遊技者に操作ボタン410の操作をさせて遊技者に提示した演出に遊技者を参加させて楽しませることができるものである。
演出操作ユニット400は、全高が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の貫通口111の下側の部位の高さと略同じ高さに形成されている。また、演出操作ユニット400は、全幅が、扉枠3の全幅の1/3よりも若干大きく形成されている。演出操作ユニット400は、正面視において、遊技領域5a(扉枠ベース110の貫通口111)の下側で左右方向の中央に配置されている。
演出操作ユニット400は、フレームユニット415のフレーム本体416の上部が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられている。演出操作ユニット400は、皿ユニット320に取付けた状態で、底面となる中継基板カバー442の脚部442aの下面が、皿ユニット320の皿ユニットカバー326における底板部326iの上面との間に、隙間が形成されている。つまり、演出操作ユニット400は、皿ユニット320に対して上部のみが取付けられており、吊下げられた状態に取付けられている。
また、演出操作ユニット400は、フレームユニット415の前面(フレーム本体416の中央開口部416aの前端内周により形成される面)が、演出操作ユニット取付部326aの前端開口の傾斜面と平行になるように取付けられている。これにより、演出操作ユニット400は、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明な操作ボタン410の中心軸線CLが、垂直線に対して63度の角度で、前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している。これにより、本パチンコ機1を用いて遊技を行うために本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、遊技者の頭部が皿ユニット320(演出操作ユニット400)の上方に配置されている遊技盤5における遊技領域5aの中央の前方に位置するため、操作ボタン410の中心軸線CLが、遊技者の頭部付近を通ることとなる。従って、遊技者が遊技領域5aから演出操作ユニット400(操作ボタン410)に視線を落すと、操作ボタン410がその正面視(中心軸線CLと平行な方向からの投影視)に可及的に近い状態で見えることとなり、操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460等を良好な状態で視認することができる。
演出操作ユニット400は、操作ボタン410の四つのガイドボス部413cがベースユニット430の四つの保持孔431bに夫々摺動可能に挿入されていると共に、操作ボタンバネ438により前方へ付勢されている。演出操作ユニット400は、通常の状態(操作ボタン410を押圧操作していない状態)では、操作ボタンバネ438の付勢力によって、操作ボタン410のボタンベース413のフランジ部413bの前端が、フレームユニット415のフレーム本体416の後面における中央開口部416a付近の部位に当接している。
演出操作ユニット400は、通常の状態では、操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内周付近から中央側(中心軸線CL側)が、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している。換言すると、操作ボタン410における湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明なボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周(内側)から前方へ突出している部位が、フレームユニット415のフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している(図51等を参照)。
因みに、本実施形態では、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aの直径が約15cmとされており、操作ボタン410の中心軸線CL方向に対してボタンレンズ411(の前端)がフレームユニット415の前面から約4cm前方へ突出している。
通常の状態において、遊技者が演出操作ユニット400の操作ボタン410を押圧操作すると、操作ボタン410は操作ボタンバネ438の付勢力に抗して中心軸線CLに沿って後方へ移動する。そして、操作ボタン410の後端がベースユニット430のユニットベース431の前面に当接すると、後方への移動が規制されて操作ボタン410の後方への移動が停止する。遊技者が操作ボタン410を押圧操作する時には、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出しているボタンレンズ411を押圧する。
この操作ボタン410は、従来のパチンコ機に備えられている演出用の操作ボタンと比較して、外径が非常に大きく形成されているため、ボタンレンズ411の中央部分から離れた周縁付近が押圧される可能性が高い。詳述すると、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、その中心軸線が垂直線と略平行に延びるように取付けられているのに対して、本実施形態の演出操作ユニット400の操作ボタン410は、中心軸線CLが垂直線に対して傾いて取付けられているため、遊技者が従来のパチンコ機と同様に上方から操作ボタン410を押圧すると、図61において白抜きの矢印で示すように、操作ボタン410の中心軸線CLから離れた部位を押圧することとなる。
ところで、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、遊技者が押圧操作する面が平坦な面に形成されていることから、押圧操作する部位を平坦な面としたまま操作ボタンを大きくした場合、操作ボタンの中央から外れた部位を押圧すると、その押圧された部位が先に後退するように押圧操作する面が傾いてしまい、操作ボタンが真直ぐに後退することができなくなって、操作ボタンを押圧操作することができなくなる虞がある。
これに対して、本実施形態の演出操作ユニット400の操作ボタン410は、遊技者が押圧操作する部位(ボタンレンズ411)が、前方へ膨出した湾曲面状(略球面の一部の形状)としているため、操作ボタン410の中央から離れた位置を押圧操作した場合、その力が操作ボタン410の全体に分散されて操作ボタン410が傾き難くなり、操作ボタン410が真直ぐに後方へ移動することができる。従って、操作ボタン410の前面側のどの位置を押圧操作しても、操作ボタン410が傾くことなくスムーズに後退することができるため、押圧操作を確実に検知させることができ、操作ボタン410を押圧操作する演出を十分に楽しませることができる。
また、演出操作ユニット400は、装飾基板ユニット420における基板ベース421の前面下部に振動モータ424が取付けられている上で、上述したように、演出操作ユニット400が吊下げられるように上部のみが皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられているため、振動モータ424により錘424aを回転させて振動を発生させると、取付けられている部位から最も離れた部位で振動が発生することから、演出操作ユニット400全体を大きく(強く)振動させることができ、演出操作ユニット400に触れている遊技者に対して振動を伝達させることができる。また、振動モータ424を、比較的遊技者が押圧操作し易い位置(図61において白抜きの矢印の位置)の直下に配置しているため、操作ボタン410を押圧操作している遊技者に対して強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて演出を楽しませることができる。
更に、演出操作ユニット400は、吊下げられたような状態で皿ユニットカバー326に取付けられていると共に、下面を形成している中継基板カバー442の脚部442aの下面と皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に隙間が形成されているため、操作ボタン410を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接するまでの間、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等が下方へ撓むことで衝撃を吸収することができる。また、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接した後では、演出操作ユニット400の下方への移動を規制し、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させることができ、演出操作ユニット400等の破損を防止することができる。従って、演出操作ユニット400の操作ボタン410を押圧操作する演出を遊技者に提示した時等に、強い力で操作ボタン410が押圧操作されたり叩かれたりしても、操作ボタン410や演出操作ユニット400等が破損することはないため、破損による遊技の中断を回避させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができると共に、破損し難くすることで遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
なお、上述したように、遊技者が押圧操作する操作ボタン410のボタンレンズ411を、前方へ突出している湾曲面状(略球面の一部の形状)に形成しているため、平板状とした場合と比較して強度・剛性が高くなっていると共に、強く叩かれても、その衝撃をボタンレンズ411全体へ分散させることができ、破損し難くなっている。
また、演出操作ユニット400は、図63に示すように、ボタンレンズ411、フレームサイドレンズ417、フレームトップレンズ418、及び操作ボタン内装飾部材432が、透明な部材で構成されているため、それらの裏面側に形成されている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、第一ボタン内装飾部432f、及び第二ボタン内装飾部432g等の凹凸による装飾が、前方側(遊技者側)から視認することができる。また、それら凹凸の装飾が形成されている部位では、板厚が変化していることら光が複雑に屈折するため、凹凸の装飾が形成されている部位を通しては後側が視認し難くなっている。
演出操作ユニット400は、操作ボタン410のボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周から中央側へ延びている第一ボタン装飾部411aを備えているため、この第一ボタン装飾部411aの凹凸の装飾によりボタンレンズ411の内側となる部位の外周縁の部位において後方を見え辛くすることができる。第一ボタン装飾部411aが形成されている部位の後方(中心軸線CL方向の後方)には、操作ボタン410のボタンベース413の本体部413aの内周面と操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aの外周面との間の隙間が位置しているが、その隙間の前方に位置する第一ボタン装飾部411aによって前方側(遊技者側)から、操作ボタン内装飾部材432の外周の隙間を見え難くすることができる。これにより、押圧操作可能な操作ボタン410内に、位置が固定されている操作ボタン内装飾部材432を備えても、操作ボタン410の見栄えの悪化を防止することができ、操作ボタン410を見た遊技者が不快感を抱くのを防止することができると共に、透明な操作ボタン410内に操作ボタン内装飾部材432を問題なく配置することができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。
詳述すると、演出操作ユニット400は、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412によって、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432の外周よりも外側で後方側(奥側)にあるユニットベース431や装飾基板ユニット420等が、透明なボタンレンズ411を通して遊技者側から見えないように形成されている。具体的には、図62において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位が、遊技者側から見えないようにしている。このように、操作ボタン410に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等を備えているため、操作ボタン内装飾部材432の外側や奥側を見え難くして隠すことができ、操作ボタン410、ひいては、演出操作ユニット400全体の見栄えを良くすることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aが、操作ボタン410の中心軸線CLへ向かうように延びていると共に周方向に列設されているのに対して、操作ボタン410の内側後方に配置されている操作ボタン内装飾部材432の前板部432bに形成されている第二ボタン内装飾部432gが中心軸線CLを中心とした変八角形状に延びていると共に同心円状に列設されているため、図63に示すように、第一ボタン装飾部411aの凹凸線と第二ボタン内装飾部432gの凹凸線とが交差することとなり、幾何学的な装飾を遊技者に見せることができる。
また、演出操作ユニット400は、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとが、前後方向(中心軸線CLの延びている方向)に離れているため、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとによって奥行のある立体的な感じの幾何学模様を遊技者に見せることができ、操作ボタン410内を含む装飾を楽しませることができる。
更に、演出操作ユニット400では、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとが前後方向に離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、第一ボタン装飾部411aの凹凸線と、第二ボタン内装飾部432gの凹凸線との重なり具合が変化するため、動きのある装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
このように、演出操作ユニット400は、操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aと操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gとによって、動きがあり立体感のある装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410内(ボタンフレーム412の内側)で、操作ボタン内装飾部材432の後方には、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436が配置されており、それらの前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、操作ボタン410内の操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることができる。つまり、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436によって、操作ボタン410内を発光装飾させることができる。これら操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の前面に実装されているLEDは、図52に示すように、中心軸線CLの延びている方向から見て、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aの内側に配置されているため、それらからの光が本体部413aの外側に漏れることはなく、操作ボタン410内のみを良好に発光装飾させることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410の外周付近に位置するボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨む第二ボタン装飾部411bの後方に、装飾基板ユニット420における操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aが配置されており、それら第一LED422a,423aを発光させることで、操作ボタン410の六つの第二ボタン装飾部411bを発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aは、図52に示すように、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aと、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとの間に位置しており、第一LED422a,423aからの光が本体部413aの内側や内側筒部416dの外側へ漏れることはなく、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを良好に発光装飾させることができる。
更に、演出操作ユニット400は、フレームユニット415におけるフレーム本体416の六つの外周開口部416bから臨むフレームサイドレンズ417の後方に、操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bが配置されており、それら第二LED422b,423bを発光させることでフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bは、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとフレーム本体416の外周との間に位置しており、第二LED422b,423bからの光が内側筒部416dの内側やフレーム本体416の外側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを良好に発光装飾させることができる。
また、演出操作ユニット400は、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に、ベースユニット430におけるフレームトップレンズ装飾基板437が配置されており、フレームトップレンズ装飾基板437の前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。ベースユニット430におけるユニットベース431のフレームトップレンズ装飾基板437が取付けられている部位の下側からは、フレームトップレンズ418の下端後方付近まで平板状の遮光壁部431cが前方へ突出しており、フレームトップレンズ装飾基板437のLEDからの光が操作ボタン410やフレームサイドレンズ417側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームトップレンズ418のみを良好に発光装飾させることができる。
[3−4g.演出操作ユニットの第二実施形態の全体構成]
次に、上記の演出操作ユニット400の第二実施形態である第二演出操作ユニット400Aについて、主に図64乃至図71等を参照して詳細に説明する。図64(a)は図48乃至図63の演出操作ユニットとは実施形態の異なる第二演出操作ユニットの正面図であり、(b)は第二演出操作ユニットの右側面図である。図65(a)は第二演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は第二演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図66は、第二演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。図67は、図64(a)におけるG−G線で切断した断面図である。図68は、図64(b)におけるH−H線で切断した断面図である。図69(a)は図64(b)におけるI−I線で切断した断面図であり、(b)は(a)におけるA部の拡大図である。図70は第二演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図71は第二演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
第二演出操作ユニット400Aは、上記の演出操作ユニット400に替えて皿ユニット320の演出操作ユニット取付部326aに取付けることができるものである。この第二演出操作ユニット400Aは、演出操作ユニット400と同様に、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。以下では、第二演出操作ユニット400Aにおいて、演出操作ユニット400と同一の構成部材については、同一の符号を付して説明する。
第二演出操作ユニット400Aは、外形が円形で外周縁を除いた中央側が透明に形成されており遊技者が押圧操作可能な操作ボタン410と、操作ボタン410の外周を囲み皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる枠状のフレームユニット415と、操作ボタン410よりも後方に配置されており操作ボタン410の外周縁及びフレームユニット415を発光装飾させることが可能な装飾基板ユニット420と、フレームユニット415の後側に取付けられており操作ボタン410及び装飾基板ユニット420が前面に取付けられている第二ベースユニット450と、操作ボタン410を通して遊技者側から視認可能に第二ベースユニット450に取付けられており演出画像を表示可能な扉枠側第二演出表示装置460Aと、扉枠側第二演出表示装置460Aの下面に取付けられている緩衝ユニット510と、を備えている。
また、第二演出操作ユニット400Aは、扉枠側第二演出表示装置460Aの正面視右側面に取付けられている第二演出操作ユニット中継基板515と、第二演出操作ユニット中継基板515の表面を覆うように扉枠側第二演出表示装置460Aの正面視右側面に取付けられている中継基板カバー516と、を備えている。第二演出操作ユニット中継基板515及び中継基板カバー516は、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるプロジェクタ取付部材505の正面視右側面に取付けられている。
第二演出操作ユニット中継基板515は、操作ボタン左外装飾基板422、操作ボタン右外装飾基板423、振動モータ424、押圧検知センサ454、フレームトップレンズ装飾基板482、切替駆動モータ492、プロジェクタ500、及び回転検知センサ507と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継するためのものである。
[3−4g−1.操作ボタン]
第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410について、主に図69乃至図72等を参照して詳細に説明する。図72(a)は第二演出操作ユニットの操作ボタンを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第二演出操作ユニットの操作ボタンを分解して後ろから見た分解斜視図である。第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410は、外形が皿ユニット320の上下方向の高さよりも若干小さい直径の円形に形成されており、外周縁を除いた中央側が透明に形成されている。この操作ボタン410は、外周が円形で中央側が前方へ膨出するように湾曲面状(略球面の一部の形状)に形成されている透明なボタンレンズ411と、ボタンレンズ411の外周縁の前側に取付けられている円環状のボタンフレーム412と、ボタンフレーム412の後側にボタンレンズ411の外周縁を挟持するように取付けられている円筒状のボタンベース413と、を備えており、演出操作ユニット400の操作ボタン410と略同一の構成である。
具体的な相違点は、第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410と、演出操作ユニット400の操作ボタン410とでは、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aの模様と、ボタンベース413のガイドボス部413cの形状が異なっている。
詳述すると、図示するように、第二演出操作ユニット400Aにおける操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aは、ボタンフレーム412の内周と接する部位に、ボタンレンズ411の中央側へ一つの頂点を向けた三角形と、中央とは反対側へ一つの頂点を向けた三角形とが、周方向へ交互に全周に亘って複数列設されたトラス状の模様と、トラス状の模様におけるボタンレンズ411の中央側を向いている底辺と、その底辺の両端からボタンレンズ411の中央側へ延びた辺と、その辺の先端から底辺の中央へ延びている斜辺とで構成された直角三角形状の模様と、直角三角形状の模様の斜辺と、トラス状の模様の三角形の底辺の中央からボタンレンズ411の中央側へ直角三角形状の模様よりも長く延びた辺と、その辺の先端から直角三角形状の模様の斜辺の先端へ延びた辺とで構成された変二等辺三角形状の模様と、で形成されている。
つまり、この第一ボタン装飾部411aは、複数の三角形の組合せによって構成されている。なお、図示は省略するが、第一ボタン装飾部411aを構成している各三角形は、夫々の面が異なる方向を向いており、多面体状に形成されている。これにより、ボタンレンズ411の表面側が滑らかな湾曲面状に形成されているのに対して、裏面側が第一ボタン装飾部411aの部位において多面体状に形成されているため、第一ボタン装飾部411aの部位では、ボタンレンズ411の板厚が複雑に変化しており、この部位を通る光が乱屈折することとなる。従って、第一ボタン装飾部411aの部位では、複数の三角形が組合わされた幾何学模様を遊技者に見せることができると同時に、乱屈折により後側の部材を見え難くすることができる。
第二演出操作ユニット400Aのボタンベース413におけるガイドボス部413cは、後方が開放されている円筒状に形成されている。このガイドボス部413cは、第二ベースユニット450の保持孔451d内に挿入されると共に、筒状の内部に第二ベースユニット450におけるユニットベース451の保持孔451d内に保持されているボタンシャフト452が摺動可能に挿入される。本例では、操作ボタン410が、ガイドボス部413c内に後方から挿入される第二ベースユニット450のボタンシャフト452によって前後方向へ進退可能に取付けられる。
[3−4g−2.フレームユニット]
第二演出操作ユニット400Aのフレームユニット415について、主に図69乃至図71等を参照して説明する。フレームユニット415は、操作ボタン410の前方側から外周を囲むように、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに前側から取付けられ、操作ボタン410の外側を装飾している。フレームユニット415は、外形が演出操作ユニット取付部326aの前端側に合せた形状に形成されている。
第二演出操作ユニット400Aのフレームユニット415は、演出操作ユニット400のフレームユニット415と同一の構成であり、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。
[3−4g−3.装飾基板ユニット]
第二演出操作ユニット400Aの装飾基板ユニット420について、主に図57、図69乃至図71等を参照して説明する。装飾基板ユニット420は、フレームユニット415の下方で第二ベースユニット450の前面に取付けられ、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411b及びフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができると共に、第二演出操作ユニット400Aに振動を付与させることができるものである。
装飾基板ユニット420は、上方側が開放されたC字状の基板ベース421と、基板ベース421における左右両側の前面に夫々取付けられている操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423と、基板ベース421の前面下部に取付けられている振動モータ424と、振動モータ424の前側を覆うように基板ベース421の前面に取付けられているモータカバー425と、を備えている。
第二演出操作ユニット400Aの装飾基板ユニット420は、演出操作ユニット400の装飾基板ユニット420と同一の構成であり、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。
[3−4g−4.第二ベースユニット]
第二演出操作ユニット400Aの第二ベースユニット450について、主に図73等を参照して詳細に説明する。図73は、第二演出操作ユニットの第二ベースユニットを前から見た斜視図である。第二演出操作ユニット400Aの第二ベースユニット450は、操作ボタン410を前後方向へ進退可能に取付けていると共に、扉枠側第二演出表示装置460Aが取付けられ、フレームユニット415の後側に取付けられるものである。
第二ベースユニット450は、フレームユニット415の後側に取付けられるユニットベース451と、ユニットベース451の前面から突出しており操作ボタン410のボタンベース413における円筒状の四つのガイドボス部413c内に後方から摺動可能に夫々挿入される円柱状の四つのボタンシャフト452と、四つのボタンシャフト452の夫々が挿通され操作ボタン410のガイドボス部413cの後端を前方へ付勢している操作ボタンバネ(図示は省略)と、ユニットベース451の前面に取付けられており、操作ボタン410におけるボタンベース413の三つの検知片413dを夫々検知する三つの押圧検知センサ454と、を備えている。
第二ベースユニット450のユニットベース451は、円環状の本体部451aと、本体部451aの内周縁から後方へ半球状に突出しているカバー部451bと、本体部451aの前面に対して垂直方向から見た時に上下に延びた略四角形でカバー部451bを前後に貫通している貫通口451cと、本体部451aの前面から後方へ止り孔状に窪んでいる四つの保持孔451dと、本体部451aの上部において前面から後方へ向かって半円状(U字状)に窪んでいる上軸受部451eと、本体部451aの下部において前面から後方へ向かって上軸受部451eと同軸上で半円状(U字状)に窪んでいる下軸受部451fと、本体部451aの上部前面で上軸受部451eの左右両側に形成されておりスクリーンユニット470の回動を規制する一対の回動規制部451gと、を備えている。
ユニットベース451の円環状の本体部451aは、内周と外周とが、C字状に形成されている装飾基板ユニット420の基板ベース421と略同じ大きさに形成されている。この本体部451aの前面に装飾基板ユニット420が取付けられる。カバー部451bは、上軸受部451e及び下軸受部451fにより回転可能に取付けられる扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470が回転した時に接触せずに収容可能な大きさに形成されている。貫通口451cは、扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ500が後方から通過可能な大きさに形成されている。
ユニットベース451の四つの保持孔451dは、本体部451aの前面の上下左右の四隅で、操作ボタン410におけるボタンベース413の四つのガイドボス部413cと対応する位置に形成されている。これら保持孔451dは、内径がガイドボス部413cの外径よりも大きく形成されており、ガイドボス部413cを挿入させることができる。これら四つの保持孔451d内には、その中心軸と同軸上にボタンシャフト452が取付けられている。保持孔451dに取付けられたボタンシャフト452の前端は、本体部451aの前面よりも前方へ突出している。保持孔451dに取付けられたボタンシャフト452が操作ボタン410の筒状のガイドボス部413c内に挿入されることで、ガイドボス部413cを介して操作ボタン410を前後方向へ摺動可能に取付けることができる。
四つの保持孔451dのうちの左上側の保持孔451dは、ユニットベース451の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース451の中心に対して反時計周りの方向へ約30度回転した位置に形成されている。また、四つの保持孔451dのうちの右上側の保持孔451dは、ユニットベース451の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース451の中心に対して時計周りの方向へ約47度回転した位置に形成されている。一方、四つの保持孔451dのうちの下側に配置されている二つの保持孔451dは、上側の二つの保持孔451dに対してユニットベース451の中心の反対側の位置に夫々形成されている。
また、四つの保持孔451d内には、図示しない操作ボタンバネが夫々挿入されており、これら操作ボタンバネの前端がガイドボス部413cの後端に当接することで、ガイドボス部413cを介して操作ボタン410を前方へ付勢している。
ユニットベース451の上軸受部451e及び下軸受部451fは、前方が開放されて後方へ延びたU字状に形成されている。上軸受部451e及び下軸受部451fは、半円弧状に延びている部位の中心が同軸上に位置している。上軸受部451e及び下軸受部451fは、前方から扉枠側第二演出表示装置460Aの上軸部材473及び下軸部材474が挿入されたうえで、前側から上部軸受部材480及び下部軸受部材485が本体部451aの前面に取付けられることで、扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470を回転可能に支持することができる。
ユニットベース451の一対の回動規制部451gは、夫々の前面が、その延長線(面)が、U字状に後方へ窪んでいる上軸受部451eにおける半円形状の部位の中心軸を通るように形成されており、中心軸を中心として所定角度周方向へ離反している。これら一対の回動規制部451gは、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、スクリーンユニット470における作動ギア部材475のストッパ475bが当接することで、スクリーンユニット470の回動範囲を規制している。本実施形態では、一対の回動規制部451gによりスクリーンユニット470の回動範囲を、90度の角度範囲に規制している。
なお、図示は省略するが、一対の回動規制部451g内には、夫々磁石が埋設されており、ストッパ475bに取付けられている鉄板と磁着することで、回動規制部451gに当接しているストッパ475bを回動規制部451gから離れ難くしている。従って、回動規制部451g内の磁石と、ストッパ475bの鉄板とによって、スクリーンユニット470において、メインスクリーン471を前方へ向けた第一位置の状態、或いは、サブスクリーン472を前方へ向けた第二位置の状態、の何れかにスクリーンユニット470を保持することができ、操作ボタン410の押圧操作や振動モータ424等による振動によって、スクリーンユニット470が回動しようとする動きを抑制して扉枠側第二演出表示装置460Aによる演出画像を良好な状態で楽しませることができる。
三つの押圧検知センサ454は、ユニットベース451の本体部451aの前面において、操作ボタン410におけるボタンベース413の三つの検知片413dと対応している位置に取付けられている。詳述すると、三つの押圧検知センサ454は、ユニットベース451の本体部451aの前面において、一つが左上の保持孔451dの左下側に、もう一つが右上の保持孔451dの右下側に、残りの一つが左下の保持孔451dの右下側に夫々取付けられている。三つの押圧検知センサ454は、ユニットベース451の中央を中心として周方向へ略等間隔に取付けられている。これら三つの押圧検知センサ454は、操作ボタン410の三つの検知片413dを検知することができる。
[3−4g−5.扉枠側第二演出表示装置]
第二演出操作ユニット400Aの扉枠側第二演出表示装置460Aについて、主に図70及び図71等を参照視して詳細に説明する。扉枠側第二演出表示装置460Aは、第二ベースユニット450に取付けられており操作ボタン410の透明な部位を通して遊技者に演出画像を見せることができるものである。扉枠側第二演出表示装置460Aは、第二ベースユニット450の上軸受部451e及び下軸受部451fにより上下に延びた軸線周りを回動可能に取付けられているスクリーンユニット470と、第二ベースユニット450の前面上部に取付けられておりスクリーンユニット470の上部側を第二ベースユニット450と協働して回転可能に取付けている上部軸受部材480と、第二ベースユニット450の前面下部に取付けられておりスクリーンユニット470の下部側を第二ベースユニット450と協働して回転可能に取付けている下部軸受部材485と、を備えている。
また、扉枠側第二演出表示装置460Aは、スクリーンユニット470を回転駆動させ第二ベースユニット450の上部に取付けられている回動駆動ユニット490と、第二ベースユニット450のカバー部451b内に配置され後方からスクリーンユニット470に演出画像を投影表示可能なプロジェクタ500と、プロジェクタ500が取付けられていると共に第二ベースユニット450のカバー部451bを後側から覆うようにユニットベース451の後面取付けられており前方が開放されている箱状のプロジェクタ取付部材505と、第二ベースユニット450の上部における回動駆動ユニット490の正面視左側でスクリーンユニット470の作動ギア部材475を上方から覆うように取付けられている上部カバー506と、上部カバー506に取付けられておりスクリーンユニット470の回動位置(回転位置)を検知する二つの回転検知センサ507と、を備えている。
[3−4g−5a.スクリーンユニット]
扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470は、第二ベースユニット450に上下に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられており、プロジェクタ500から演出画像が投射されることで、その演出画像を遊技者から視認可能に表示(投影表示)することができるものである。
スクリーンユニット470は、半円筒状に形成されており乳白色で透光性を有しているメインスクリーン471と、メインスクリーン471の軸方向一端側を外周の一部としている円盤状で中央部が軸方向外方へ膨出するように湾曲しており乳白色で透光性を有しているサブスクリーン472と、メインスクリーン471の両端部の軸方向中央から軸直角方向外方へ夫々円柱状に突出している上軸部材473及び下軸部材474と、上軸部材473の先端に取付けられており外周の略半周に亘ってギア歯475aが形成されている作動ギア部材475と、サブスクリーン472を貫通する透明で所定のキャラクタ(ドクロ)を模したレリーフ状に形成されているサブスクリーン装飾部材476(図74及び図75等を参照)と、サブスクリーン472の裏面側に取付けられておりサブスクリーン472と対向する面に複数のLED477aが実装されているサブスクリーン装飾基板477(図75等を参照)と、メインスクリーン471のサブスクリーン472とは反対側の端部からメインスクリーン471の中心軸へ向かって短く延びている半円弧状の周縁装飾部材478と、を備えている。
スクリーンユニット470の半円筒状のメインスクリーン471は、半径が第二ベースユニット450のユニットベース451における円環状の本体部451aの内径よりも小さい大きさに形成されている。メインスクリーン471は、軸方向の長さが、半円筒状の半径の約4/3倍の大きさに形成されている。メインスクリーン471は、軸方向の両端が、サブスクリーン472の周縁装飾部472aと周縁装飾部材478とによって、縁取られるように装飾されている。
サブスクリーン472は、その中心軸が延びている方向から見た時に、外形が半円筒状のメインスクリーン471の半径と一致している円形状に形成されている(図74(b)を参照)。サブスクリーン472は、外周から中心側へ所定幅で円環状に形成されており四角錘状の凹凸が周方向に複数列設されている周縁装飾部472aと、周縁装飾部472aの内側を閉鎖している湾曲面状のスクリーン部472bと、を備えている。サブスクリーン472の周縁装飾部472aは、内周側がメインスクリーン471から遠ざかる方向へ突出するように全体が円錐台状に形成されている。スクリーン部472bは、メインスクリーン471から遠ざかる方向へ、半円筒状のメインスクリーン471の半径よりも大きい半径の球面状に膨出している。サブスクリーン472のスクリーン部472bには、貫通した穴が形成されており、その穴を閉鎖するようにサブスクリーン装飾部材476が取付けられている。
上軸部材473及び下軸部材474は、夫々第二ベースユニット450におけるユニットベース451の上軸受部451e及び下軸受部451f内に夫々前方から挿入されて回転可能に取付けられる。
作動ギア部材475は、回動駆動ユニット490の第二伝達ギア495と噛合し略半周に亘って形成されているギア歯475aと、ギア歯475aの周方向端部の一方から外方へ突出しているストッパ475bと、ギア歯475aの周方向端部のストッパ475bとは反対側から外方へ平板状に突出している検知片475cと、を備えている。作動ギア部材475のストッパ475bは、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、上軸部材473の軸芯を中心として円弧状に窪んでいる上部軸受部材480の凹部481a内に位置しており、凹部481a内の両端部に位置している第二ベースユニット450におけるユニットベース451の一対の回動規制部451gに当接することでスクリーンユニット470の回動範囲が規制される。
なお、詳細な図示は省略するが、ストッパ475bにおける回動規制部451gと当接する部位には、鉄板が取付けられており、この鉄板が回動規制部451gに埋設されている磁石と磁着できるようになっている。
このスクリーンユニット470は、メインスクリーン471を前方へ向けた第一位置と、サブスクリーン472を前方へ向けた第二位置との間で回動することができる。検知片475cは、上部カバー506に取付けられている回転検知センサ507により検知される。
サブスクリーン装飾部材476は、サブスクリーン472におけるスクリーン部472bに取付けられている。サブスクリーン装飾部材476は、透明な部材によりドクロを模したレリーフ状に形成されており、その板厚が複雑に変化していることから、透過する光が複雑に乱屈折し、後方が視認し難くなっている。なお、詳細な図示は省略するが、サブスクリーン装飾部材476は、ドクロを模したレリーフ内に「PUSH」の文字が形成されている。
サブスクリーン装飾基板477は、サブスクリーン472の裏面側に、サブスクリーン472との間に隙間が形成されるように取付けられており、前面側(サブスクリーン472を向いている側)に複数のLED477aが実装されている。サブスクリーン装飾基板477は、外形がサブスクリーン装飾部材476よりも小さく形成されており、表面が白色とされている。このサブスクリーン装飾基板477のLED477aを発光させることで、サブスクリーン装飾部材476及びサブスクリーン472を発光装飾させることができる。詳述すると、サブスクリーン装飾基板477は、LED477aを発光させることで、ドクロの「目」の部分と「PUSH」の文字の部分とを、強く発光装飾させることができる。
また、サブスクリーン装飾基板477は、サブスクリーン472に対して比較的接近させて配置していると共に、サブスクリーン472との間に光を拡散させる部材を備えていないことから、LED477aを発光させると、LED477aの点光源を遊技者が認識することができるようになっている。更に、サブスクリーン装飾基板477は、プロジェクタ500からの光を遮ることができる。従って、プロジェクタ500によって、サブスクリーン472にサブスクリーン装飾基板477の影を投影させることができる。
周縁装飾部材478は、サブスクリーン472の周縁装飾部472aの一部と同じ形状に形成されており、周縁装飾部472aと同様に四角錘状の凹凸が円弧の周方向に複数列設されている。
[3−4g−5b.上部軸受部材及び下部軸受部材]
扉枠側第二演出表示装置460Aの上部軸受部材480及び下部軸受部材485について、主に図70及び図71を参照して詳細に説明する。上部軸受部材480及び下部軸受部材485は、第二ベースユニット450のユニットベース451における前方へ開放されている上軸受部451e及び下軸受部451fの前側を閉鎖するように、ユニットベース451の本体部451aの前面に取付けられるものである。また、上部軸受部材480及び下部軸受部材485は、ユニットベース451の上軸受部451e及び下軸受部451fに、スクリーンユニット470の上軸部材473及び下軸部材474を夫々前方から挿入させた状態で、ユニットベース451の前面に取付けることで、上軸部材473及び下軸部材474を第二ベースユニット450に対して回転可能に取付けることができる。
上部軸受部材480は、第二ベースユニット450のユニットベース451の本体部451aの上部に、前方側が開放されている上軸受部451eの前方側を閉鎖するように取付けられる軸受部材481と、軸受部材481の上部前面に取付けられるフレームトップレンズ装飾基板482と、を備えている。軸受部材481は、左右方向中央が最も深くなるように、後面から前方へ向かって円弧状に窪んでいる凹部481aを有している。上部軸受部材480における軸受部材481の凹部481aは、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、スクリーンユニット470の上軸部材473の軸芯を中心とした円弧状に窪んでおり、内部にスクリーンユニット470における作動ギア部材475のストッパ475bが挿入配置されていると共に、凹部481aの円弧の両端にユニットベース451の一対の回動規制部451gが位置している。この円弧状に窪んだ凹部481aにより、作動ギア部材475のストッパ475bが、一対の回動規制部451gの間で良好に回動することができる。
上部軸受部材480のフレームトップレンズ装飾基板482は、表面側に複数のLEDが実装されており、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に位置している。これにより、フレームトップレンズ装飾基板482のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。
下部軸受部材485は、略平板状に形成されており、第二ベースユニット450のユニットベース451における本体部451aの前面に、下軸受部451fの前方を閉鎖するように取付けられる。スクリーンユニット470の下軸部材474を、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の下軸受部451fに挿入させた状態で、下部軸受部材485をユニットベース451の前面に取付けることで、下軸部材474を回転可能に取付けることができる。
[3−4g−5c.回動駆動ユニット]
扉枠側第二演出表示装置460Aの回動駆動ユニット490について、主に図70及び図71を参照して詳細に説明する。回動駆動ユニット490は第二ベースユニット450のユニットベース451の上面に取付けられ、スクリーンユニット470を回動駆動させることができるものである。回動駆動ユニット490は、ユニットベース451の上面に取付けられ内部が中空のユニットケース491と、ユニットケース491の下面に取付けられており回転軸がユニットケース491内に突出している切替駆動モータ492と、切替駆動モータの回転軸に固定されている平歯車状の駆動ギア(図示は省略)と、駆動ギアと噛合しておりユニットケース491内に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア(図示は省略)と、第一伝達ギアと噛合していると共にスクリーンユニット470における作動ギア部材475のギア歯475aと噛合可能とされておりユニットケース491内に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア495と、を備えている。
回動駆動ユニット490は、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、第二伝達ギア495が、スクリーンユニット470における作動ギア部材475のギア歯475aと噛合している。回動駆動ユニット490は、切替駆動モータ492を回転駆動させることで、駆動ギア、第一伝達ギア、第二伝達ギア495、及びギア歯475aを介してスクリーンユニット470を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
[3−4g−5d.プロジェクタ]
扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ500について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。プロジェクタ500は、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の半球状のカバー部451b内に配置されており、プロジェクタ取付部材505を介してユニットベース451の後側に取付けられている。プロジェクタ500は、スクリーンユニット470のメインスクリーン471又はサブスクリーン472へ向かって演出画像を照射することで、メインスクリーン471又はサブスクリーン472に演出画像を投影表示させることができる。
プロジェクタ500は、プロジェクタ取付部材505に取付けられる立方体状のプロジェクタ本体501と、プロジェクタ本体501から円柱状に前方へ突出しており前端から演出画像を前方へ照射するレンズ部502と、を備えている。
このプロジェクタ500は、プロジェクタ本体501の後部がプロジェクタ取付部材505に取付けられ、レンズ部502及びプロジェクタ本体501が、ユニットベース451の貫通口451cを後側から通って、カバー部451b内に配置されるように取付けられる。
プロジェクタ500は、スクリーンユニット470のメインスクリーン471やサブスクリーン472の略前面に亘って演出画像を投影させることができ、演出画像として、静止画や動画を投影表示させることができる。このプロジェクタ500は、市販の液晶型プロジェクタとされており、自動焦点機能を有している。
[3−4g−5e.プロジェクタ取付部材]
扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ取付部材505について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。プロジェクタ取付部材505は、前方が開放された箱状に形成されており、内部にプロジェクタ500が取付けられると共に、第二ベースユニット450のユニットベース451の後側に取付けられるものである。このプロジェクタ取付部材505は、第二ベースユニット450のユニットベース451の後側に取付けられることで、ユニットベース451のカバー部451b及びプロジェクタ500の後側を覆うことができる。
プロジェクタ取付部材505は、底壁が水平方向に延びていると共に、後壁が垂直方向に延びており、プロジェクタ500を、操作ボタン410の傾きと一致するように傾斜させた状態で取付けることができる。プロジェクタ取付部材505の後壁には、前後に貫通している複数のスリット505aが形成されており、プロジェクタ500から放出される熱を、スリット505aを通して外部へ排出させることができる。
プロジェクタ取付部材505の正面視右側面には、第二演出操作ユニット中継基板515及び中継基板カバー516が取付けられる。
[3−4g−5f.上部カバー及び回転検知センサ]
扉枠側第二演出表示装置460Aの上部カバー506及び回転検知センサ507について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。上部カバー506は、スクリーンユニット470の作動ギア部材475の上方を覆うように、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の本体部451aの上面に取付けられている。回転検知センサ507は、スクリーンユニット470の回転位置を検知するためのものであり、上部カバー506の下面に、互いに離間している状態で二つ取付けられている。
二つの回転検知センサ507は、詳細な図示は省略するが、スクリーンユニット470の回転軸を中心にして周方向へ互いに90度の回転角度離れた位置に取付けられており、スクリーンユニット470における作動ギア部材475の検知片475cを検知することができる。具体的には、二つの回転検知センサ507は、スクリーンユニット470のメインスクリーン471が前方を向いている第一位置の時の検知片475cと、サブスクリーン472が前方を向いている第二位置の時の検知片475cと、を夫々検知することができる。これら二つの回転検知センサ507による検知片475cの検知信号に基づいて、回動駆動ユニット490の切替駆動モータ492の回転駆動が制御されている。
[3−4g−6.緩衝ユニット]
第二演出操作ユニット400Aの緩衝ユニット510について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。緩衝ユニット510は、扉枠側第二演出表示装置460Aの下面に取付けられており、上方から第二演出操作ユニット400Aが叩かれたりした時の衝撃を緩和させて、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の底板部326iに伝達させるものである。
緩衝ユニット510は、上面が扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるプロジェクタ取付部材505の下面に接触している弾性変形可能な平板状の緩衝部材511と、緩衝部材511の下面に当接しておりプロジェクタ取付部材505の下面に対して相対的に接近可能に取付けられている緩衝ベース512と、を備えている。
緩衝ユニット510の緩衝ベース512は、緩衝部材511の下面と当接する平板状の本体部512aと、本体部512aの正面視左右両端辺から下方へ突出していると共に前後方向に延びている脚片部512bと、を備えている。緩衝ベース512の脚片部512bは、扉枠3に組立てた状態で、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の底板部326iの上面に接触している。
この緩衝ユニット510は、操作ボタン410やフレームユニット415を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、ベースユニット430に取付けられているプロジェクタ取付部材505が、緩衝ユニット510における緩衝部材511を圧縮するように下方へ移動する。この緩衝部材511が圧縮されることで衝撃が吸収される。そして、プロジェクタ取付部材505が更に下方へ移動した場合、プロジェクタ取付部材505の下面が緩衝ベース512の本体部512aの上面側に当接する。この本体部512aは、左右の脚片部512bによって、皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に隙間が形成されているため、本体部512aの上面側に当接しているプロジェクタ取付部材505が更に下方へ移動すると、平板状の本体部512aが撓むこととなり、本体部512aの撓みによっても衝撃を吸収することができる。更に、プロジェクタ取付部材505が下方へ移動した場合、下方へ撓んでいる本体部512aの下面が、皿ユニットカバー326の底板部326iの上面に当接し、本体部512aのこれ以上の撓みが規制され、衝撃が皿ユニットカバー326に伝達されることとなる。このように、操作ボタン410やフレームユニット415を上方から強く叩かれた時に、その衝撃を多段階で吸収させることができ、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させて、それらの破損を防止することができる。
[3−4g−7.第二演出操作ユニットの作用効果]
第二演出操作ユニット400Aの作用効果について、主に図74乃至図77等を参照して詳細に説明する。図74(a)はスクリーンユニットのメインスクリーンを前方へ向けた状態で操作ボタンの中心軸が延びている方向から第二演出操作ユニットを見た説明図であり、(b)はスクリーンユニットのサブスクリーンを前方へ向けた状態で操作ボタンの中心軸が延びている方向から第二演出操作ユニットを見た説明図である。また、図75(a)は図74(a)におけるJ−J線で切断した断面図であり、(b)は図74(b)におけるK−K線で切断した断面図である。図76(a)はメインスクリーンを前方へ向けた状態で第二演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は(a)の状態の第二演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。図77(a)はサブスクリーンを前方へ向けた状態で第二演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は(a)の状態の第二演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。
本実施形態の第二演出操作ユニット400Aは、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて、操作ボタン410内の装飾を変化させたり、操作ボタン410内に演出画像を表示させたりして遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に操作ボタン410の操作をさせて、遊技者に提示した演出に遊技者を参加させることができるものである。
第二演出操作ユニット400Aは、全高が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の貫通口111の下側の部位の高さと略同じ高さに形成されている。また、第二演出操作ユニット400Aは、全幅が、扉枠3の全幅の1/3よりも若干大きく形成されている。第二演出操作ユニット400Aは、正面視において、遊技領域5a(扉枠ベース110の貫通口111)の下側で左右方向の中央に配置されている。
第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415のフレーム本体416の上部が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられている。第二演出操作ユニット400Aは、皿ユニット320に取付けた状態で、緩衝ユニット510の緩衝ベース512の脚片部512bの下端と、皿ユニット320の皿ユニットカバー326における底板部326iの上面との間に、隙間が形成されている。つまり、第二演出操作ユニット400Aは、皿ユニット320に対して上部のみが取付けられており、吊下げられた状態に取付けられている。
また、第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415の前面(フレーム本体416の中央開口部416aの前端内周により形成される面)が、演出操作ユニット取付部326aの前端開口の傾斜面と平行になるように取付けられている。これにより、第二演出操作ユニット400Aは、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明な操作ボタン410の中心軸線CL(図67を参照)が、垂直線に対して63度の角度で、前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している。これにより、本パチンコ機1を用いて遊技を行うために本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、遊技者の頭部が皿ユニット320(第二演出操作ユニット400A)の上方に配置されている遊技盤5における遊技領域5aの中央の前方に位置するため、操作ボタン410の中心軸線CLが、遊技者の頭部付近を通ることとなる。従って、遊技者が遊技領域5aから第二演出操作ユニット400A(操作ボタン410)に視線を落すと、操作ボタン410がその正面視(中心軸線CLと平行な方向からの投影視)に可及的に近い状態で見えることとなり、操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側第二演出表示装置460A等を良好な状態で視認することができる。
第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410の四つの筒状のガイドボス部413cに、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の四つの保持孔451d内に保持されているボタンシャフト452が夫々摺動可能に挿入されていると共に、図示しない操作ボタンバネにより前方へ付勢されている。第二演出操作ユニット400Aは、通常の状態(操作ボタン410を押圧操作していない状態)では、操作ボタンバネの付勢力によって、操作ボタン410のボタンベース413のフランジ部413bの前端が、フレームユニット415のフレーム本体416の後面における中央開口部416a付近の部位に当接している。
第二演出操作ユニット400Aは、通常の状態では、操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内周付近から中央側(中心軸線CL側)が、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している。換言すると、操作ボタン410における湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明なボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周(内側)から前方へ突出している部位が、フレームユニット415のフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している(図67等を参照)。
因みに、本実施形態では、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aの直径が約15cmとされており、操作ボタン410の中心軸線CL方向に対してボタンレンズ411(の前端)がフレームユニット415の前面から約4cm前方へ突出している。
通常の状態において、遊技者が第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410を押圧操作すると、操作ボタン410は操作ボタンバネの付勢力に抗して中心軸線CLに沿って後方へ移動する。そして、操作ボタン410の後端が第二ベースユニット450のユニットベース451における本体部451aの前面に当接すると、後方への移動が規制されて操作ボタン410の後方への移動が停止する。遊技者が操作ボタン410を押圧操作する時には、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出しているボタンレンズ411を押圧する。
この操作ボタン410は、従来のパチンコ機に備えられている演出用の操作ボタンと比較して、外径が非常に大きく形成されているため、ボタンレンズ411の中央部分から離れた周縁付近が押圧される可能性が高い。詳述すると、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、その中心軸線が垂直線と略平行に延びるように取付けられているのに対して、本実施形態の第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410は、中心軸線CLが垂直線に対して傾いて取付けられているため、遊技者が従来のパチンコ機と同様に上方から操作ボタン410を押圧すると、操作ボタン410の中心軸線CLから離れた部位を押圧することとなる(図61を参照)。
ところで、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、遊技者が押圧操作する面が平坦な面に形成されていることから、押圧操作する部位を平坦な面としたまま操作ボタンを大きくした場合、操作ボタンの中央から外れた部位を押圧すると、その押圧された部位が先に後退するように押圧操作する面が傾いてしまい、操作ボタンが真直ぐに後退することができなくなって、操作ボタンを押圧操作することができなくなる虞がある。
これに対して、本実施形態の第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410は、遊技者が押圧操作する部位(ボタンレンズ411)が、前方へ膨出した湾曲面状(略球面の一部の形状)としているため、操作ボタン410の中央から離れた位置を押圧操作した場合、その力が操作ボタン410の全体に分散されて操作ボタン410が傾き難くなり、操作ボタン410が真直ぐに後方へ移動することができる。従って、操作ボタン410の前面側のどの位置を押圧操作しても、操作ボタン410が傾くことなくスムーズに後退することができるため、押圧操作を確実に検知させることができ、操作ボタン410を押圧操作する演出を十分に楽しませることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、装飾基板ユニット420における基板ベース421の前面下部に振動モータ424が取付けられている上で、上述したように、第二演出操作ユニット400Aが吊下げられるように上部のみが皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられているため、振動モータ424により錘424aを回転させて振動を発生させると、取付けられている部位から最も離れた部位で振動が発生することから、第二演出操作ユニット400A全体を大きく(強く)振動させることができ、第二演出操作ユニット400Aに触れている遊技者に対して振動を伝達させることができる。また、振動モータ424を、比較的遊技者が押圧操作し易い位置(操作ボタン410の上部付近)の直下に配置しているため、操作ボタン410を押圧操作している遊技者に対して強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて演出を楽しませることができる。
更に、第二演出操作ユニット400Aは、吊下げられたような状態で皿ユニットカバー326に取付けられていると共に、扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ取付部材505と皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に、緩衝ユニット510を配置している。この緩衝ユニット510は、弾性変形可能な緩衝部材511を備えていると共に、緩衝部材511が上面に当接している本体部512aと皿ユニットカバー326の底板部326iとの間に隙間を形成しているため、操作ボタン410やフレームユニット415を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、その衝撃を緩衝部材511の弾性変形(圧縮)や、緩衝ベース512の本体部512aの撓み等によって多段階に吸収することができ、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させることができ、第二演出操作ユニット400A等の破損を防止することができる。従って、第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410を押圧操作する演出を遊技者に提示した時等に、強い力で操作ボタン410やフレームユニット415が押圧操作されたり叩かれたりしても、操作ボタン410や第二演出操作ユニット400A等が破損することはないため、破損による遊技の中断を回避させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができると共に、破損し難くすることで遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
なお、遊技者が押圧操作する操作ボタン410のボタンレンズ411を、前方へ突出している湾曲面状(略球面の一部の形状)に形成しているため、平板状とした場合と比較して強度・剛性が高くなっていると共に、強く叩かれても、その衝撃をボタンレンズ411全体へ分散させることができ、破損し難くなっている。
また、第二演出操作ユニット400Aは、ボタンレンズ411、フレームサイドレンズ417、及びフレームトップレンズ418が、透明な部材で構成されているため、それらの裏面側に形成されている第一ボタン装飾部411a、及び第二ボタン装飾部411b等の凹凸による装飾が、前方側(遊技者側)から視認することができる(図63を参照)。また、それら凹凸の装飾が形成されている部位では、板厚が変化していることら光が複雑に屈折するため、凹凸の装飾が形成されている部位を通しては後側が視認し難くなっている。
第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410のボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周から中央側へ延びている第一ボタン装飾部411aを備えているため、この第一ボタン装飾部411aの複数の三角形を組合せた凹凸の装飾によりボタンレンズ411の内側となる部位の外周縁の部位において後方を見え辛くすることができる。第一ボタン装飾部411aが形成されている部位の後方(中心軸線CL方向の後方)には、操作ボタン410のボタンベース413の本体部413aの内周面と、扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470の外周との間の隙間が位置しているが、その隙間の前方に位置する第一ボタン装飾部411aによって前方側(遊技者側)から、スクリーンユニット470の外側や後側の部材を見え難くすることができる。これにより、押圧操作可能な操作ボタン410内に、扉枠側第二演出表示装置460Aを備えても、操作ボタン410の見栄えの悪化を防止することができ、操作ボタン410を見た遊技者が不快感を抱くのを防止することができると共に、透明な操作ボタン410内に扉枠側第二演出表示装置460Aを問題なく配置することができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。
詳述すると、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412によって、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるメインスクリーン471やサブスクリーン472等の外周よりも外側で後方側(奥側)にある第二ベースユニット450、上軸部材473及び下軸部材474等が、透明なボタンレンズ411を通して遊技者側から見えないように形成されている。具体的には、スクリーンユニット470のメインスクリーン471を前方へ向けた第一位置の状態では、メインスクリーン471の上下外側、サブスクリーン472の周縁装飾部472aの左外側、及び周縁装飾部材478の右外側の部位(図76において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位)が、遊技者側から見えないようにしている。
一方、スクリーンユニット470のサブスクリーン472を前方へ向けた第二位置の状態では、サブスクリーン472の円環状の周縁装飾部472aの外側の部位(図76において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位)が、遊技者側から見えないようにしている。このように、操作ボタン410に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等を備えているため、メインスクリーン471やサブスクリーン472の外側や奥側を見え難くして隠すことができ、操作ボタン410、ひいては、第二演出操作ユニット400A全体の見栄えを良くすることができる。
また、メインスクリーン471が前方を向いている第一位置の状態では、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等によって、サブスクリーン472のスクリーン部472b及びサブスクリーン装飾部材476や、上軸部材473及び下軸部材474が、見え難くなっている(図76を参照)。これにより、遊技者が、サブスクリーン472の存在や、メインスクリーン471が回転可能であること等に、気付き難くなるため、スクリーンユニット470を回転させてメインスクリーン471からサブスクリーン472に切替えると、操作ボタン410内において遊技者の予想を超えた動きが行われることで遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、サブスクリーン472が前方を向いている第二位置の状態では、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等によって、上軸部材473及び下軸部材474が見え難くなっている(図77を参照)。これにより、遊技者が、サブスクリーン472(サブスクリーン装飾部材476)が回転可能であることに気付き難くなるため、サブスクリーン472(スクリーンユニット470)を回転させた時のインパクトを高めることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410における後側に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aを視認することができるボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周から中心側へ所定幅の範囲内に、複数の三角形状の面を組合せた多面体状の第一ボタン装飾部411aを備えていると共に、操作ボタン410の内側後方に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aに、複数の四角錘を列設したサブスクリーン472の周縁装飾部472aや、周縁装飾部材478を備えている。これにより、前側に配置された三角形からなる装飾(第一ボタン装飾部411a)と後側に配置された四角形からなる装飾(周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478)とが、交差するように重なって見えることとなり、複雑な幾何学模様を遊技者に見せることができ、見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、三角形を主体とした第一ボタン装飾部411aと、四角形を主体とした周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478とが、前後方向に離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、それらの重なり具合が変化するため、重なって見える幾何学模様が変化して動きのある装飾を遊技者に見せることができると共に、奥行きのある立体的な感じの装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
更に、操作ボタン410の内側後方に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aでは、切替駆動モータ492の駆動によりスクリーンユニット470を回動させてメインスクリーン471を前方へ向けたり、サブスクリーン472を前方へ向けたりすることができ、複数の四角形からなる装飾を変化させることができる。詳述すると、メインスクリーン471を前方へ向けた状態では、図74(a)に示すように、周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478が左右に離間して上下に延びている状態となり、上下に列設された複数の四角錘からなる装飾が、ボタンレンズ411における第一ボタン装飾部411aの円環状に列設された複数の三角形からなる装飾を縦断しているような幾何学模様の装飾を遊技者に見せることができる。一方、サブスクリーン472を前方へ向けた状態では、図74(b)に示すように、周縁装飾部472aが円環状の延びている状態となり、環状に列設された複数の四角錘からなる装飾が、ボタンレンズ411における第一ボタン装飾部411aの円環状に列設された複数の三角形からなる装飾と重なった幾何学模様の装飾を遊技者に見せることができる。従って、スクリーンユニット470を回動させることで、操作ボタン410の装飾(物理的な装飾)を変化させることができるため、装飾の変化によって遊技者の関心を操作ボタン410に引付けたり、装飾の変化によって遊技者にチャンスの到来等を示唆させたりすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410内に備えられている扉枠側第二演出表示装置460Aに、切替可能な形態の異なるスクリーン(メインスクリーン471及びサブスクリーン472)を有したスクリーンユニット470と、スクリーンユニット470に演出画像を投影表示させるプロジェクタ500と、を備えているため、液晶表示装置による演出画像の表示とは全く異なる演出画像を表示させることができ、遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることができる。詳述すると、スクリーンユニット470は、半円筒状のメインスクリーン471と、円盤状で中央にレリーフ状のサブスクリーン装飾部材476を有するサブスクリーン472とが、上軸部材473及び下軸部材474の中心軸を中心として90度の回転角度周方向へ離間して備えられている。
そして、扉枠側第二演出表示装置460Aにおいて、スクリーンユニット470のメインスクリーン471を前方へ向けた第一位置の状態では、半円筒状の中心軸が左右方向へ延びるように位置しており、正面から見ると上下に延びた四角形(長方形)に見える(図74(a)を参照)。このメインスクリーン471の後方に配置されているプロジェクタ500から演出画像を前方へ照射すると、その演出画像がメインスクリーン471の後面に投影され(図75(a)を参照)、透光性を有する乳白色のメインスクリーン471を通して、前方側から投影された演出画像を視認することができる。このメインスクリーン471は、表面が滑らかな半円筒状に形成されていることから、演出画像が表示画面も半円筒状に湾曲している。これにより、一般的な液晶表示装置の表示画面が平面であるのに対して、メインスクリーン471の表示画面が半円筒状に湾曲しているため、遊技者に対して一見して従来の表示画面とは異なるものであることを認識させることができ、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者をメインスクリーン471に注目させることができ、メインスクリーン471に投影表示される演出画像を楽しませることができる。
一方、スクリーンユニット470のサブスクリーン472を前方へ向けた第二位置の状態では、円盤状の中心軸が操作ボタン410の中心軸と略一致しており、正面から見ると円形の操作ボタン410の中央にドクロを模したサブスクリーン装飾部材476が位置した状態に見える(図74(b)を参照)。この状態で後方に配置されているプロジェクタ500から前方へ演出画像を照射すると、その演出画像がサブスクリーン472の後面に投影される。ところで、サブスクリーン472の後側には平板状で不透光性のサブスクリーン装飾基板477が取付けられているため、このサブスクリーン装飾基板477の部位ではプロジェクタ500から照射された演出画像(光)が遮られることとなり、サブスクリーン472の後面の中央部分には、サブスクリーン装飾基板477の影が投影されることとなる(図75(b)を参照)。従って、サブスクリーン472では、サブスクリーン装飾基板477の影が投影される中央部分を除いた外周の部分に、プロジェクタ500からの演出画像が投影表示される。この際に、サブスクリーン装飾基板477の前面に実装されているLED477aを発光させると、その光によってサブスクリーン472の中央部分を発光装飾させることができ、サブスクリーン472の中央に備えられているサブスクリーン装飾部材476を発光装飾させることができる。また、サブスクリーン装飾基板477のLED477aを発光させることで、プロジェクタ500からの光によりサブスクリーン472の後面に投影されるサブスクリーン装飾基板477の影を見え難くすることができ、サブスクリーン472の前面側全体を明るく発光装飾させることができる。
この扉枠側第二演出表示装置460Aは、スクリーンユニット470のサブスクリーン472を前方へ向けた状態で、サブスクリーン装飾基板477のLED477aを発光させると共に、プロジェクタ500から前方へ演出画像(動画)を照射させると、サブスクリーン472におけるサブスクリーン装飾基板477の影が投影されていない部位、つまり、ドクロを模した装飾からなるサブスクリーン装飾部材476の外側の部位に、演出画像が表示され、演出画像の内側となるサブスクリーン装飾部材476がサブスクリーン装飾基板477のLED477aによって発光装飾される。この状態では、固定されたサブスクリーン装飾部材476の発光装飾の外側が、演出画像(動画)によって装飾されることとなり、これまでのパチンコ機における装飾部材の発光装飾とは全く異なった装飾演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、サブスクリーン472に対して遊技者を強く注目させることができる。また、この状態では、演出画像の内側において、LED477aの光が、演出画像の明るさよりも明るく(高輝度で)輝くため、従来の液晶表示装置では成し得ない部分的に高輝度な演出画像を表示させることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者をより楽しませられる演出画像を表示させることができる。
このように、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aと扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるスクリーンユニット470の装飾(周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478)とによって、動きがあり立体感のある装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410内(ボタンフレーム412の内側)の後方には、前面にLED477aが実装されているサブスクリーン装飾基板477や前方へ演出画像等の光を照射可能なプロジェクタ500を有する扉枠側第二演出表示装置460Aを備えており、扉枠側第二演出表示装置460Aによって操作ボタン410内を良好に発光装飾させることができる。
また、第二演出操作ユニット400A、操作ボタン410の外周付近に位置するボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨む第二ボタン装飾部411bの後方に、装飾基板ユニット420における操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aが配置されており、それら第一LED422a,423aを発光させることで、操作ボタン410の六つの第二ボタン装飾部411bを発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aは、図68に示すように、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aと、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとの間に位置しており、第一LED422a,423aからの光が本体部413aの内側や内側筒部416dの外側へ漏れることはなく、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを良好に発光装飾させることができる。
更に、第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415におけるフレーム本体416の六つの外周開口部416bから臨むフレームサイドレンズ417の後方に、操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bが配置されており、それら第二LED422b,423bを発光させることでフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bは、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとフレーム本体416の外周との間に位置しており、第二LED422b,423bからの光が内側筒部416dの内側やフレーム本体416の外側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを良好に発光装飾させることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に、扉枠側第二演出表示装置460Aにおける上部軸受部材480のフレームトップレンズ装飾基板482が配置されており、フレームトップレンズ装飾基板482の前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を良好に発光装飾させることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410の内側後方に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470を回動させることで、互いに形態の異なる表示画面を有したメインスクリーン471又はサブスクリーン472に切替えて演出画像を表示させることができ、表示画面の形状が変化する(切替わる)と言う従来のパチンコ機で有りえない演出を遊技者に提示することができ、遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることができる。
[3−5.扉枠左サイドユニット]
扉枠3の扉枠左サイドユニット530について、主に図78乃至図81を参照して詳細に説明する。図78(a)は扉枠における扉枠左サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図79は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図80は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図81は図78(a)におけるL−L線で切断した断面図である。扉枠左サイドユニット530は、皿ユニット320の上側で扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162(扉枠左サイド装飾基板160)の前側を覆うように扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられるものである。扉枠左サイドユニット530は、扉枠ベース110の貫通口111の正面視左側を装飾するためのものである。
扉枠左サイドユニット530は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視左側に取付けられる上下に延びた帯板状の左ユニットベース531と、左ユニットベース531の前面に取付けられている透明な帯板状の左ユニット拡散レンズ部材532と、左ユニット拡散レンズ部材532の前方に配置されており前端部に多面体状の装飾を有している透光性を有する左ユニット装飾レンズ部材(図示は省略)と、左ユニット装飾レンズ部材の前側から左ユニットベース531の前面上部に取付けられており前方へ筒枠状に突出していると共に上下に延びている左ユニット上装飾ベース534と、左ユニット装飾レンズ部材の前側から左ユニットベース531の前面下部に取付けられており左ユニット上装飾ベース534よりも短く前方へ枠状に突出している左ユニット下装飾ベース535と、左ユニット上装飾ベース534及び左ユニット下装飾ベース535の前側から左ユニット装飾レンズ部材の前端側を覆うように左ユニットベース531の前側に取付けられている透明な左ユニット装飾カバー536と、左ユニット装飾カバー536の前側に取付けられている複数の飾り部材537と、を備えている。
扉枠左サイドユニット530の左ユニットベース531は、後側が開放された浅い箱状に形成されており、前面に前後に貫通している複数の開口部531aを有している。複数の開口部531aは、図示するように、円形状の穴と、上下に延びた四角形状の穴とがある。左ユニットベース531は、扉枠左サイド装飾基板160(扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162)の前面に実装されているLED161a,162aが、複数の開口部531aから前方へ臨むように、扉枠ベース110の前面左側に取付けられる。左ユニットベース531の各開口部531aは、扉枠3に組立てた時に、扉枠左サイド装飾基板160の各LED161a,162aが上下方向の略中央に位置するように夫々形成されている。この左ユニットベース531は、不透光性の部材によって形成されている。
また、左ユニットベース531は、上記貫通口111を塞ぐように配設されるガラス板192から手前側に向けて立設された左側反射立壁部538(図5、図23を参照)を有している。この左側反射立壁部538では、平らな面状をなし上記貫通口111に対して臨むように設けられる内側面が光を反射可能な反射面として設けられている。なお、この反射面は、左側反射立壁部538の内側面これ自体を金属や樹脂などの反射用素材から設けることのほか、同内側面に対して反射用シールを取り付けることなどによっても設けることが可能である。そして後述するが、この左側反射立壁部538は、左ユニットベース531によって形成されて、上述した反射立壁部33の一部(左側部分)を担う部分となっている。
左ユニット拡散レンズ部材532は、透明な部材によって形成されており、上拡散レンズ部材532Aと下拡散レンズ部材532Bとに上下に分割されている。左ユニット拡散レンズ部材532は、左ユニットベース531における円形状の開口部531aと対応している正面視円形の円形レンズ部532aと、四角形状の開口部531aと対応している正面視四角形の角形レンズ部532bと、を備えている。扉枠左サイドユニット530は、扉枠3に組立てた状態で、円形レンズ部532a及び角形レンズ部532bの中央の直後に、扉枠左サイド装飾基板160の夫々のLED161a,162aが位置するように形成されている。
左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aは、前面及び後面が滑らかな凸レンズ状に形成されている。この円形レンズ部532aによって、後方に配置されているLED161a,162aからの光を、点状のまま前方へ照射させることができる。この円形レンズ部532aから前方へ照射された光によって、左ユニット装飾レンズ部材の円形装飾部を発光装飾させることができる。
左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bは、前面中央において円錐状に後方へ窪んだ中央拡散反射部532cと、前面における中央拡散反射部532cの外側に形成されている前面拡散レンズ部532dと、後面中央(中央拡散反射部532cの直後)において湾曲面状に後方へ膨出している入力レンズ部532eと、後面における入力レンズ部532eの外側で全体的に入力レンズ部532eから遠ざかるに従って前方へ移動するように傾斜している前方反射部532fと、を備えている。
角形レンズ部532bの前面拡散レンズ部532dは、中央拡散反射部532cを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。更に詳述すると、前面拡散レンズ部532dは、半径方向に沿って切断した時の断面形状に、溝の部分が後方へ円弧状に窪んでおり、溝と溝の間の山の部分が前方へ円弧状に膨出しており、前面が滑らかな波状に形成されている。また、前面拡散レンズ部532dは、周方向へ分割している放射状に延びた線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に位置するように形成されている。
角形レンズ部532bの前方反射部532fは、入力レンズ部532eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら複数の溝は、後方から前方へ向かってV字状に窪んでおり、最深部が円弧状に形成されている。前方反射部532fは、半径方向に沿って切断した時の断面形状が、溝と溝との間の山の部分が後方へ尖った三角形状に形成されており、鋸状に形成されている。前方反射部532fは、中心から遠ざかるに従って溝及び山の部分が前方へ移動するように形成されている。また、前方反射部532fは、周方向へ分割している放射状に延びた線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に位置するように形成されている。この周方向へ分割している放射状に延びた線は、前面拡散レンズ部532dにおける放射状に延びた分割線と一致している。
この角形レンズ部532bは、扉枠3に組立てた状態で、入力レンズ部532eの直後に、扉枠左サイド装飾基板160の対応しているLED161a,162aが位置している。
角形レンズ部532bは、LED161a,162aから前方へ照射された光が、入力レンズ部532eから角形レンズ部532b内に入力される。この入力レンズ部532eは、後方へ湾曲面状(凸レンズ状)に膨出していることから、LED161a,162aから前方へ広がる光を、前方へ平行に進むように屈折させて、入力された光の略全てを円錐状の中央拡散反射部532cへ導くことができる。そして、中央拡散反射部532cへ導かれた光は、中央拡散反射部532cの傾斜している円錐面により、前後に延びた軸線に対して直角方向(扉枠左サイド装飾基板160の前面と平行な方向)へ拡散するように反射させられ、角形レンズ部532b内をその前面に沿って中央側から外側へ向かって進むこととなる。また、中央拡散反射部532cで反射した光は、角形レンズ部532bの前後方向の厚さ全体に亘って、中央側から外側(中央拡散反射部532cの中心線から遠ざかる方向)へ進む。
角形レンズ部532b内を扉枠左サイド装飾基板160の前面と略平行に中央側から外側へ向かって反射した光が、鋸状の前方反射部532fに到達すると、前方反射部532fの面により前方側へ反射する。この際に、前方反射部532fは、後面が中央拡散反射部532cから遠ざかるに従って前方へ移動するように傾斜していることから、角形レンズ部532bの前後方向の厚が、中央から遠ざかるに従って薄くなっている(図81を参照)。これにより、中央拡散反射部532cにおいて角形レンズ部532bの前後方向の厚さ全体に亘って外側へ向かって反射している光を、中心側から外側へ向かうに従って、前方反射部532fにより順次前方へ反射させることができる。
そして、前方反射部532fにより前方へ向かって反射させられた光は、前面拡散レンズ部532dを通って角形レンズ部532bから前方へ照射される。この際に、前面拡散レンズ部532dは、断面が波状に形成されているため、前方反射部532fで前方へ向かって反射させられた光を様々な方向へ拡散させることができ、角形レンズ部532bの前面から略均一に光を前方(左ユニット装飾レンズ部材の後面)へ照射させることができる。
この角形レンズ部532bは、前面拡散レンズ部532d及び前方反射部532fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、角形レンズ部532bの前面から前方へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を前方へ照射させることができる。これにより、左ユニット装飾レンズ部材における角形レンズ部532bの前方の多面装飾部を略均一に発光装飾させることができる。
図示しない左ユニット装飾レンズ部材は、左ユニット装飾カバー536の前面に沿うように形成されている。左ユニット装飾レンズ部材は、左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aの前方の位置する部位に形成されている円形装飾部と、左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bの前方に位置する部位に形成されている多面装飾部と、を備えている。円形装飾部は、前面が窪み前後に短く延びた円柱状の部位の外周に三角形のリブを周方向に複数備えた形状に形成されている。多面装飾部は、上下に延びた直方体の前面に四角錘状の部位が上下方向に複数列設されていると共に、直方体の部位の左右両側に複数の三角形からなる多面体が上下方向に複数列設したような形状に形成されている。円形装飾部及び多面装飾部は、扉枠右サイドユニット550における右ユニット装飾レンズ部材561の円形装飾部561a及び多面装飾部561bと、同じ形状に形成されている。
左ユニット装飾レンズ部材は、透明な左ユニット装飾カバー536を通して前方側(遊技者側)から視認することができる。また、左ユニット装飾レンズ部材は、円形装飾部が左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aから前方へ照射された光により、多面装飾部が左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bから前方へ照射された光により、夫々発光装飾させられる。
左ユニット上装飾ベース534は、正面視の形状が上下に延びた四角形で、前後に延びた角筒状に形成されている。左ユニット上装飾ベース534は、外周における下面を構成する部位が、前端側から後端側へ向かうに従って下方へ突出するように傾斜していおり、その部位の下部が前後に貫通している。この左ユニット上装飾ベース534は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット下装飾ベース535は、正面視の形状が、上方へ開放されているコ字状に形成されている。左ユニット下装飾ベース535は、前端における上下方向略中央から上側が、上方へ向かうに従って後方へ移動するように後端まで傾斜している。この左ユニット下装飾ベース535は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット装飾カバー536は、扉枠左サイドユニット530の全高に亘って上下に延びている。左ユニット装飾カバー536は、上下方向の中間部が後方へ凹むように屈曲しており、左ユニット上装飾ベース534の前端に沿うように下部が後方へ折れ曲がっているく字状の部位と、左ユニット下装飾ベース535の前端に沿うように上部が後方へ折れ曲がっているく字状の部位と、上側のく字状の部位の下端と下側のく字状の部位の上端とを結んでいる直線状の部位と、で構成されている。
左ユニット装飾カバー536は、上下両端が左ユニット上装飾ベース534の前面と、左ユニット下装飾ベース535の前面とに夫々取付けられる。この左ユニット装飾カバー536は、透明な部材によって形成されており、後側に配置されている左ユニット装飾レンズ部材を前方側から視認することができる。
飾り部材537は、上下に短く延びており、上下方向へ所定間隔で左ユニット装飾カバー536の前面に取付けられている。飾り部材537は、不透光性の部材によって形成されている。
[3−6.扉枠右サイドユニット]
扉枠3の扉枠右サイドユニット550について、主に図82乃至図86等を参照して詳細に説明する。図82(a)は扉枠における扉枠右サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図83は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図84は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図85は、図82(a)におけるM−M線で切断した断面図である。図86(a)は図82(a)におけるN−N線で切断した断面図であり、(b)は図82(a)におけるO−O線で切断した断面図である。扉枠右サイドユニット550は、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の右側に取付けられるものである。
扉枠右サイドユニット550は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視右側に取付けられる上下に延びた箱状の右ユニットベース551と、右ユニットベース551の前面に取付けられている扉枠右サイド装飾基板552と、扉枠右サイド装飾基板552の前側で右ユニットベース551の前面における正面視中央より左側に取付けられており上下方向及び前後方向に延びている透明平板状の右ユニット左拡散レンズ部材553と、右ユニット左拡散レンズ部材553の左側面に取付けられており装飾が施されているシート状の右ユニット左装飾部材554と、右ユニット左装飾部材554の左側を覆うように右ユニット左拡散レンズ部材553に取付けられている透明平板状の右ユニット左カバー555と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット550は、扉枠右サイド装飾基板552の前側且つ右ユニット左拡散レンズ部材553の正面視右側で右ユニットベース551の前面における正面視中央より右側と右ユニット左拡散レンズ部材553とに取付けられており上下方向及び前後方向に延びている透明平板状の右ユニット右拡散レンズ部材556と、右ユニット右拡散レンズ部材556の右側面に取付けられており装飾が施されているシート状の右ユニット右装飾部材557と、右ユニット右装飾部材557の右側を覆うように右ユニット右拡散レンズ部材556に取付けられている透明平板状の右ユニット右カバーと558、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左拡散レンズ部材553と右ユニット右拡散レンズ部材556との間に配置されており前方及び右方が開放された上下方向及び前後方向に延びた浅い箱状で不透光性の右ユニット左遮光部材559と、右ユニット右拡散レンズ部材556の左側で右ユニット左遮光部材559の開放されている右側を閉鎖するように取付けられている不透光性で平板状の右ユニット右遮光部材560と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端に取付けられており前端部に多面体状の装飾を有している透光性を有する右ユニット装飾レンズ部材561と、右ユニット装飾レンズ部材561の左右両側と右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端側を覆うように右ユニットベース551の前面に取付けられている前後に貫通した枠状の右ユニット装飾ベース562と、右ユニット装飾ベース562の前端開口を閉鎖するように右ユニット装飾ベース562の前側に取付けられている透明な右ユニットカバー563と、右ユニットカバー563の前側に取付けられている複数の飾り部材564と、を備えている。なお、図示は省略するが、扉枠右サイドユニット550は、右ユニットベース551を上下に貫通するように取付けられ、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板と、扉枠トップユニット570の扉枠トップユニット中継基板589とを接続するための接続ケーブルを備えている。
扉枠右サイドユニット550の右ユニットベース551は、正面視の形状が上下に長く延びた四角形で、前後に短く角筒状に延びており、前後方向の中央付近が閉鎖された箱状に形成されている。この右ユニットベース551は、不透光性の部材によって形成されている。
また、右ユニットベース551は、上記貫通口111を塞ぐように配設されるガラス板192から手前側に向けて立設された右側反射立壁部568(図6、図24を参照)を有している。この右側反射立壁部568では、平らな面状をなし上記貫通口111に対して臨むように設けられる内側面が光を反射可能な反射面として設けられている。なお、この反射面は、左側反射立壁部538の内側面と同様、右側反射立壁部568の内側面これ自体を金属や樹脂などの反射用素材から設けることのほか、同内側面に対して反射用シールを取り付けることなどによっても設けることが可能である。そして後述するが、この右側反射立壁部568は、右ユニットベース551によって形成されて、上述した反射立壁部33の一部(右側部分)を担う部分となっている。
扉枠右サイド装飾基板552は、上下に延びた帯板状に形成されている。扉枠右サイド装飾基板552は、前面における左右方向中央より左側に実装されている複数の左LED552aと、前面における左右方向中央より右側に実装されている右LED552bと、前面における左右方向中央に実装されている複数の中LED552cと、を備えている。扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aは、右ユニット左拡散レンズ部材553を介して右ユニット左装飾部材554を発光装飾させためのものである。また、右LED552bは、右ユニット右拡散レンズ部材556を介して右ユニット右装飾部材557を発光装飾させるためのものである。中LED552cは、右ユニット装飾レンズ部材561を発光装飾させるためのものである。
扉枠右サイド装飾基板552は、前後両面が白色に形成されている。扉枠右サイド装飾基板552は、上側の扉枠右サイド上装飾基板552Aと、下側の扉枠右サイド下装飾基板552Bとに上下に分割されている。図示は省略するが、扉枠右サイド下装飾基板552Bは、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板に接続されており、扉枠右サイド上装飾基板552Aは、扉枠右サイド下装飾基板552Bに接続されている。
右ユニット左拡散レンズ部材553は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部553aと、本体部553aの後辺から正面視右方へ短く平板状に突出している後壁部553bと、後壁部553bの正面視右端側から左方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部553cと、本体部553aの正面視左面側において右ユニット左装飾部材554を収容可能に浅く窪んでいる収容凹部553dと、本体部553aの後端面から後方へ突出しており上下方向に複数備えられている入力レンズ部553eと、本体部553aの正面視右面側において各入力レンズ部553eが上下方向の中央となるように上下方向に複数配置されている側面反射部553fと、を備えている。
右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されている。また、本体部553aは、図86に示すように、後端側から前方へ向かうに従って、正面視右方へ移動するように全体が、扉枠右サイド装飾基板552の前面の垂直線に対して僅かに傾斜している。本体部553aの前端は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530の前端よりも大きく前方へ突出している。
後壁部553bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その右端が、右ユニットベース551の左右方向略中央まで延びている。この後壁部553bの右端には、右ユニット右拡散レンズ部材556の後壁部556bの左端が当接する。
複数の切欠部553cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、複数の切欠部553cから扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨んでおり、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
収容凹部553dは、底面が平坦面に形成されており、外周の形状が右ユニット左装飾部材554の外形形状に略一致している。これにより、右ユニット左装飾部材554を収容することができる。
複数の入力レンズ部553eは、本体部553aの後端面から上下方向へ所定間隔で後方へ突出している。具体的には、右ユニット左拡散レンズ部材553を上下方向へ6等分した時の夫々の上下方向略中央に形成されている。入力レンズ部553eは、詳細な図示は省略するが、上下に延びた四角形が後方へ突出した直方体の部位と、その直方体の部位の後面から球面状に湾曲するように前方へ向かって窪んでいる部位と、を有している。これら入力レンズ部553eは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aの直前に夫々位置している。これにより、左LED552aからの光を、本体部553a内で広く拡散されるように入力させることができる。
側面反射部553fは、上下方向に複数(六つ)備えられている。各側面反射部553fは、入力レンズ部553eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら同心円弧状の複数の溝は、夫々の溝において、入力レンズ部553eに近い側の面が本体部553aの面に対して傾斜していると共に、入力レンズ部553eから遠い側の面が本体部553aの面に対して垂直に延びており、最深部が円弧状に形成されている。側面反射部553fは、入力レンズ部553eを中心とした半径方向に切断した時に断面形状が、溝と溝との間の山の部分が中心側へ向くような尖った三角形状に形成されており、全体が鋸状に形成されている。また、側面反射部553fは、複数の同心円弧状の溝を周方向に分割している放射状の線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に配置されるように形成されている。
この右ユニット左拡散レンズ部材553は、扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aから前方へ照射された光が、入力レンズ部553eの後面から右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553a内へと入射される。この入力レンズ部553eの後端は、前方へ向かって湾曲状に窪んでいることから、その湾曲面により左LED552aからの光が広がるように屈折し、本体部553a内において、各入力レンズ部553eを中心として前方へ向かって放射状に拡散することとなる。
本体部553aは、全体が前方へ向かうに従って正面視右方へ移動するように、扉枠右サイド装飾基板552の前面から垂直に延びている線に対して僅かに傾斜しているため、扉枠右サイド装飾基板552の前面に実装されている左LED552aから照射されて入力レンズ部553eから本体部553a内に入射された光が、本体部553a内の平坦な左面に当ることとなる。しかしながら、左LED552aからの直接光は、本体部553aの左面に対する入射角度の関係で、本体部553aの左面から外部へ放射されることはなく、左面の内面で側面反射部553f側へ反射することとなる。
そして、入力レンズ部553eから本体部553a内に前方へ向かって入射された光は、鋸状の側面反射部553fに当ることで正面視左方へ反射し、本体部553aの左面から外方へ照射されることとなる。なお、本体部553aの右面(側面反射部553f)からも外方(正面視右方)へ光が照射されるが、本体部553aの右側に配置されている右ユニット左遮光部材559が白色の部材とされているため、右ユニット左遮光部材559の左面が明るく照らされることとなり、右ユニット左遮光部材559で反射した間接光が本体部553aを通って左方側へ照射されることとなる。従って、本体部553aの左面からは、本体部553a内において側面反射部553fにより左方へ反射された光と、側面反射部553fから右方へ照射されて右ユニット左遮光部材559の左面で左方へ反射して本体部553aを通過した光とが、左方へ照射されるため、本体部553aの左側に取付けられている右ユニット左装飾部材554を良好な明るさで発光装飾させることができる。
また、側面反射部553fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、本体部553aの左面から外方(左方)へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を左方へ照射させることができる。これにより、本体部553aの左面の収容凹部553dに収容されている右ユニット左装飾部材554を、略均一に発光装飾させることができる。
なお、右ユニット左拡散レンズ部材553は、透明な部材により形成されているため、本体部553aの正面視左側(収容凹部553dが形成されている側)から、反対側に形成されている側面反射部553fの複数の同心円弧状の溝と放射状に延びている線とからなる模様を視認することができる。従って、右ユニット左装飾部材554において、透明な部分を形成した場合、その透明な部分を通して右ユニット左拡散レンズ部材553の側面反射部553fの模様が視認できることとなり、右ユニット左装飾部材554における透明な部分を側面反射部553fによって装飾することができる。
右ユニット左装飾部材554は、薄いシート状に形成されており、パチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴ、等の装飾が、透光性を有するように施されている。右ユニット左カバー555は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット左装飾部材554の外面を保護している。
右ユニット右拡散レンズ部材556は、右ユニット左拡散レンズ部材553とは略左右対称に形成されており、同じような構成を備えている。詳述すると、右ユニット右拡散レンズ部材556は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部556aと、本体部556aの後辺から正面視左方へ短く平板状に突出している後壁部556bと、後壁部556bの正面視左端側から右方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部556cと、本体部556aの正面視右面側において右ユニット右装飾部材557を収容可能に浅く窪んでいる収容凹部556dと、本体部556aの後端面から後方へ突出しており上下方向に複数備えられている入力レンズ部556eと、本体部556aの正面視左面側において各入力レンズ部556eが上下方向の中央となるように上下方向に複数配置されている側面反射部556fと、を備えている。
右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部556aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553aと外形が略同じ形状に形成されている。また、本体部556aは、図86に示すように、後端側から前方へ向かうに従って、正面視左方へ移動するように全体が、扉枠右サイド装飾基板552の前面の垂直線に対して僅かに傾斜している。本体部556aの前端は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530の前端よりも大きく前方へ突出している。
後壁部556bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その左端が、右ユニットベース551の左右方向略中央まで延びている。この後壁部556bの左端には、右ユニット左拡散レンズ部材553の後壁部553bの右端が当接する。
複数の切欠部556cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。これら複数の切欠部556cは、右ユニット左拡散レンズ部材553の複数の切欠部553cと対応した位置に形成されている。従って、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、右ユニット左拡散レンズ部材553の切欠部553cと、右ユニット右拡散レンズ部材556の切欠部556cとで、前後に貫通している四角い開口部が形成され、その開口部から扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨み、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
収容凹部556dは、底面が平坦面に形成されており、外周の形状が右ユニット右装飾部材557の外形形状に略一致している。これにより、右ユニット右装飾部材557を収容することができる。
複数の入力レンズ部556eは、本体部556aの後端面から上下方向へ所定間隔で後方へ突出している。具体的には、右ユニット右拡散レンズ部材556を上下方向へ6等分した時の夫々の上下方向略中央に形成されている。入力レンズ部556eは、詳細な図示は省略するが、上下に延びた四角形が後方へ突出した直方体の部位と、その直方体の部位の後面から球面状に湾曲するように前方へ向かって窪んでいる部位と、を有している。これら入力レンズ部556eは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、扉枠右サイド装飾基板552の右LED552bの直前に夫々位置している。これにより、右LED552bからの光を、本体部556a内で広く拡散されるように入力させることができる。
側面反射部556fは、上下方向に複数(六つ)備えられている。各側面反射部556fは、入力レンズ部556eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら同心円弧状の複数の溝は、夫々の溝において、入力レンズ部556eに近い側の面が本体部556aの面に対して傾斜していると共に、入力レンズ部556eから遠い側の面が本体部556aの面に対して垂直に延びており、最深部が円弧状に形成されている。側面反射部556fは、入力レンズ部556eを中心とした半径方向に切断した時に断面形状が、溝と溝との間の山の部分が中心側へ向くような尖った三角形状に形成されており、全体が鋸状に形成されている。また、側面反射部556fは、複数の同心円弧状の溝を周方向に分割している放射状の線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に配置されるように形成されている。
この右ユニット右拡散レンズ部材556は、扉枠右サイド装飾基板552の右LED552bから前方へ照射された光が、入力レンズ部556eの後面から右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部556a内へと入射される。この入力レンズ部556eの後端は、前方へ向かって湾曲状に窪んでいることから、その湾曲面により右LED552bからの光が広がるように屈折し、本体部556a内において、各入力レンズ部556eを中心として前方へ向かって放射状に拡散することとなる。
本体部556aは、全体が前方へ向かうに従って正面視左方へ移動するように、扉枠右サイド装飾基板552の前面から垂直に延びている線に対して僅かに傾斜しているため、扉枠右サイド装飾基板552の前面に実装されている右LED552bから照射されて入力レンズ部556eから本体部556a内に入射された光が、本体部556a内の平坦な右面に当ることとなる。しかしながら、右LED552bからの直接光は、本体部556aの右面に対する入射角度の関係で、本体部556aの左面から外部へ放射されることはなく、右面の内面で側面反射部556f側へ反射することとなる。
そして、入力レンズ部556eから本体部556a内に前方へ向かって入射された光は、鋸状の側面反射部556fに当ることで正面視右方へ反射し、本体部556aの右面から外方へ照射されることとなる。なお、本体部556aの右面(側面反射部556f)からも外方(正面視左方)へ光が照射されるが、本体部556aの左側に配置されている右ユニット右遮光部材560が白色の部材とされているため、右ユニット右遮光部材560の右面が明るく照らされることとなり、右ユニット右遮光部材560で反射した間接光が本体部556aを通って右方側へ照射されることとなる。従って、本体部556aの右面からは、本体部556a内において側面反射部556fにより右方へ反射された光と、側面反射部556fから左方へ照射されて右ユニット右遮光部材560の右面で右方へ反射して本体部556aを通過した光とが、右方へ照射されるため、本体部556aの右側に取付けられている右ユニット右装飾部材557を良好な明るさで発光装飾させることができる。
また、側面反射部556fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、本体部556aの右面から外方(右方)へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を右方へ照射させることができる。これにより、本体部556aの右面の収容凹部556dに収容されている右ユニット右装飾部材557を、略均一に発光装飾させることができる。
なお、右ユニット右拡散レンズ部材556は、透明な部材により形成されているため、本体部556aの正面視右側(収容凹部556dが形成されている側)から、反対側に形成されている側面反射部556fの複数の同心円弧状の溝と放射状に延びている線とからなる模様を視認することができる。従って、右ユニット右装飾部材557において、透明な部分を形成した場合、その透明な部分を通して右ユニット右拡散レンズ部材556の側面反射部556fの模様が視認できることとなり、右ユニット右装飾部材557における透明な部分を側面反射部556fによって装飾することができる。
右ユニット右装飾部材557は、薄いシート状に形成されており、パチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴ、等の装飾が、透光性を有するように施されている。右ユニット右カバー558は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット右装飾部材557の外面を保護している。右ユニット右装飾部材557及び右ユニット右カバー558は、右ユニット左装飾部材554及び右ユニット左カバー555とは、略左右対称に形成されている。また、右ユニット左装飾部材554と右ユニット右装飾部材557とに施される装飾は、同じ装飾であっても良いし、異なる装飾であっても良い。
右ユニット左遮光部材559は、側面視の形状が右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の側面視の形状と、略同じ形状に形成されている。右ユニット左遮光部材559は、前方及び右方が開放された浅い箱状に形成されている。右ユニット左遮光部材559は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部559aと、本体部559aの後辺から正面視右方へ短く平板状に突出している後壁部559bと、後壁部559bの正面視右端側から左方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部559cと、本体部559aの右面から右方へ延出していると共に後壁部559bから本体部559aの前端まで延びている平板状の複数の補強部559dと、を備えている。
右ユニット左遮光部材559の本体部559aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部553a,556aと外形が略同じ形状に形成されている。
後壁部559bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その左端が、右ユニットベース551の左右方向略中央よりも右側へ延出している。この後壁部559bの右端には、右ユニット右遮光部材560の左面が当接する。
複数の切欠部559cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。これら複数の切欠部559cは、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の複数の切欠部553c,556cと対応した位置に形成されている。従って、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、複数の切欠部559cから扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨み、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
複数の補強部559dは、左右の幅と略同じ高さで上下方向に離間している一対の補強部559dを一組として、上下方向へ所定距離離間して三組備えられている。各組の補強部559dは、右ユニットカバー563に取付けられる飾り部材564の後方となる位置に夫々形成されている。これら複数の補強部559dによって、扉枠右サイドユニット550の全体の強度・剛性を高めている。
右ユニット右遮光部材560は、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左遮光部材559における本体部559aと略同じ形状に形成されている。右ユニット右遮光部材560は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、浅い箱状に形成されている右ユニット左遮光部材559の右方へ開放されている右側開口を閉鎖している。
右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、白色の部材によって夫々形成されている。右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、図86に示すように、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、夫々の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560が、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部553a,556aと近接するように配置されている。これにより、右ユニット左遮光部材559の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560同士が左右方向に離間しており、左右方向に所定幅で上下方向及び前後方向に延びた空間を形成している。この右ユニット左遮光部材559の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560同士の間に形成された空間を通して、扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cから前方へ放射された光が、右ユニット装飾レンズ部材561の後側に照射される。
また、右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、不透光性の部材によって形成されており、扉枠右サイド装飾基板552における左LED552a、中LED552c、右LED552bから夫々前方へ照射される光が、互いに干渉するのを防止しており、右ユニット左装飾部材554、右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561を、夫々対応している左LED552a、右LED552b、及び中LED552cによってのみ発光装飾させることができる。
更に、右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、三組の補強部559dによって内部空間が上下方向へ四つに分割されているため、分割された夫々の空間の後側に配置されている扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cによって、各空間同士の間で光が干渉しないようにすることができ、右ユニット装飾レンズ部材561の各空間の前方に位置している部位を、夫々独立して発光装飾させることができる。つまり、扉枠右サイドユニット550の前端側において、上下方向へ複数(四つ)の領域に分割して夫々を独立して発光装飾させることができる。
右ユニット装飾レンズ部材561は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端形状に沿った形状に形成されている。右ユニット装飾レンズ部材561は、正面視において円形状に形成されている円形装飾部561aと、上下に延びており複数の多面体が形成されている多面装飾部561bと、を備えている。円形装飾部561aは、前面が窪み前後に短く延びた円柱状の部位の外周に三角形のリブを周方向に複数備えた形状に形成されている。多面装飾部561bは、上下に延びた直方体の前面に四角錘状の部位が上下方向に複数列設されていると共に、直方体の部位の左右両側に複数の三角形からなる多面体が上下方向に複数列設したような形状に形成されている。
詳述すると、右ユニット装飾レンズ部材561は、複数の円形装飾部561a及び多面装飾部561bが、右ユニット左遮光部材559における三組の補強部559dによって四つに分割されている夫々の空間の前方に位置する部位において、上から三つの部位では、上下方向の中央に配置された円形装飾部561aの上下両側に一つずつ多面装飾部561bが配置され、最も下側の部位では、多面装飾部561bのみが配置されるように形成されている。
右ユニット装飾レンズ部材561は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端に取付けられている。右ユニット装飾レンズ部材561は、透明な右ユニットカバー563を通して前方側(遊技者側)から視認することができる。この右ユニット装飾レンズ部材561は、後方に配置されている扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cによって、発光装飾させられる。
右ユニット装飾ベース562は、前後方向に貫通している筒枠状に形成されている。右ユニット装飾ベース562は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端及び上端の形状に沿った形状に形成されている。右ユニット装飾ベース562は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556における前端付近の左右両外側と、右ユニット装飾レンズ部材561の左右両側を被覆可能に形成されている。扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット装飾ベース562の前端よりも、右ユニット装飾レンズ部材561の前端が、僅かに前方へ突出している。この右ユニット装飾ベース562は、不透光性の部材によって形成されている。
右ユニットカバー563は、右ユニット装飾ベース562の前端開口を閉鎖可能に形成されている。この右ユニットカバー563は、透明な部材によって形成されており、後側に配置されている右ユニット装飾レンズ部材561を前方側から視認することができる。
飾り部材564は、上下に短く延びており、上下方向へ所定間隔で右ユニットカバー563の前面に取付けられている。飾り部材564は、不透光性の部材によって形成されている。三つの飾り部材564は、右ユニットカバー563(右ユニット装飾レンズ部材561)を上下方向へ四つに分割している。
扉枠右サイドユニット550は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530よりも前方へ大きく板状に突出しており、皿ユニット320の上皿321前端よりも若干前方へ突出している。扉枠右サイドユニット550は、突出した左右両面側に備えられている右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557と、前端に備えられている右ユニット装飾レンズ部材561と、を夫々独立して発光装飾させることができる。
扉枠右サイドユニット550は、板状で前方へ大きく突出していることから、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠右サイドユニット550が右側に隣接しているパチンコ機との間で仕切りのような作用効果を発揮することができる。これにより、本パチンコ機1で遊技する遊技者に対して、個室で遊技しているように錯覚させることができ、周りの他の遊技者に気兼ねすることなくリラックスした雰囲気で遊技を行わせることができる。
また、扉枠右サイドユニット550は、前方へ大きく突出していることから、パチンコ機1が並んだ状態で設置される遊技ホールでは、本パチンコ機1の前方に位置していなくても、島設備に沿った横方向からでも視認することができ、多数のパチンコ機が列設されている遊技ホール内において本パチンコ機1を目立たせることができる。従って、扉枠右サイドユニット550の左右両面側の右ユニット左装飾部材554や右ユニット右装飾部材557を発光装飾させると、本パチンコ機1の前方近辺に位置していなくても、遠くから本パチンコ機1の存在を知らせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠右サイドユニット550において、本パチンコ機1で球詰りやエラー等の不具合が発生した時に、左右両面側の右ユニット左装飾部材554や右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561等を特有な態様で発光装飾させるようにすることで、遊技ホールの係員に対して、不具合の発生を直ち知らせて認識させることができ、不具合に対して素早い対応ができるようになることから、遊技者の遊技の中断を早期に解決させることができ、遊技者が苛立ちを覚えて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−7.扉枠トップユニット]
扉枠3の扉枠トップユニット570について、主に図87乃至図90等を参照して詳細に説明する。図87(a)は扉枠における扉枠トップユニットの正面図であり、(b)は扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図である。図88は扉枠トップユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図89は扉枠トップユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図90は、図87におけるP−P線で切断した断面図である。扉枠トップユニット570は、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側に取付けられるものである。
扉枠トップユニット570は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側で左右方向の中央に取付けられる中央ベース571と、中央ベース571の左右両側に取付けられていると共に扉枠ベース110の前面に取付けられる一対のサイドベース572と、一対のサイドベース572の前面に夫々取付けられている一対の上部スピーカ573と、左右に延びていると共に左右方向中央が前方へ突出しており後方が開放されている箱状で一対の上部スピーカ573の前方位置で前後に夫々貫通している一対の開口部574a、及び一対の開口部574aよりも左右方向中央寄りの位置から中央付近まで夫々延びていると共に前後方向に夫々貫通しており上下に離間している複数(左右夫々三つ)のスリット574bを有しており中央ベース571及び一対のサイドベース572の前側に取付けられているユニット本体271と、一対の上部スピーカ573の前側に夫々配置されており一対の開口部574aを閉鎖するようにユニット本体271の後側に取付けられているパンチングメタルからなるスピーカカバー575と、を備えている。
ここで、図示は割愛するが、一対のサイドベース572(左側サイドベース572a,右側サイドベース572b)では、開口窓の設けられる側に向けてのみ開口された内部空間をそれぞれ有しており、これらの内部空間において、開口窓の外周内へと外周外から発光するように設けられる上記外周外発光部34(左側外周外発光部34a,右側外周外発光部34b)と、開口窓の外周内からの光をその外周外で検出する外周外光検出部35(左側外周外光検出部35a,右側外周外光検出部35b)とがそれぞれ設けられる構造となっている。
すなわち後述するが、このような構造によれば、外周外発光部34と外周外光検出部35とが上記開口窓の外周外にて配設されるようになることから、正面視で上記開口窓の略全域を遊技者による操作を受ける部分(操作受け部)として機能させることができるようになる。また、外周外光検出部35を、露な状態で配設せず、開口窓の設けられる側に向けてのみ開口されたサイドベース572の内部空間3435(図190参照)にて配設するようにしたことから、該外周外光検出部35にて光を検出するにあたり、外乱になりうる演出光を好適に排除することができるようになる。
また、扉枠トップユニット570は、ユニット本体271の左右方向中央の前面に取付けられており透光性を有しているトップ中装飾部材576と、トップ中装飾部材576の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中装飾基板577と、ユニット本体271の前面に夫々取付けられており複数のスリット574bを夫々閉鎖していると共にトップ中装飾部材576の左右両端付近から開口部574aを跨いでユニット本体271の左右両端付近まで夫々延びている透明平板状の複数(左右夫々三つ)の導光部材578と、ユニット本体271の前面におけるトップ中装飾部材576の左右両側に夫々取付けられており複数(三つ)の導光部材578の前面を夫々覆っているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580と、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の夫々の前方側からユニット本体271の前面に夫々取付けられておりトップ中装飾部材576の左右両側から開口部574aの中央側端部付近まで夫々延びているトップ中左装飾部材581及びトップ中右装飾部材582と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット570は、ユニット本体271における左右両側面の内側に夫々取付けられており複数(三つ)の導光部材578における左右方向外側端部と対面する部位にLEDが夫々実装されている扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ右装飾基板584と、ユニット本体271の後側における左右方向中央の左右両側に夫々形成されている複数(三つの)スリット574bが貫通している部位に夫々取付けられている一対の基板ベース585と、一対の基板ベース585の前面に夫々取付けられておりユニット本体271のスリット574bの後方となる位置に複数のLED586a,587aが実装されている扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587と、扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587の前側でユニット本体271の後側に夫々取付けられている一対の遮光部材588と、を備えている。
また、扉枠トップユニット570は、ユニット本体271内で中央ベース571の前面に取付けられている扉枠トップユニット中継基板589と、扉枠トップユニット中継基板589の前面を覆うように中央ベース571に取付けられている中継基板カバー590と、ユニット本体271の上開口部574cを閉鎖するようにユニット本体271に取付けられている上カバー591と、ユニット本体271の下開口部574dを閉鎖するようにユニット本体271に取付けられている下カバー592と、を備えている。
扉枠トップユニット570の中央ベース571は、正面視の形状が左右に延びた四角形に形成されている。中央ベース571は、後方へ開放された箱状に形成されており、前面に複数の凹凸を備えている。一対のサイドベース572は、中央ベース571の左右両端に夫々取付けられる。一対の上部スピーカ573は、各サイドベース572の前面に夫々取付けられる。一対の上部スピーカ573は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、夫々の前面が、扉枠トップユニット570の左右方向中央に近い側が後方へ移動するように斜めに取付けられている。一対の上部スピーカ573は、広い周波数帯域で音を出力可能なフルレンジのコーン型スピーカである。
ユニット本体271は、正面視の形状が、左右に延びた四角形の左右両端付近の下部が下方へ膨出したような形状に形成されている。換言すると、ユニット本体271は、正面視の形状が、左右に延びた四角形を、下端辺側から上方へ窄まった台形で切欠いたような形状に形成されている。ユニット本体271は、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の前端辺側における左右方向中央を中心にして全幅(左右方向の長さ)の約1/2の部位を底辺とする前方へ突出した台形と、その台形の前端辺を長辺として前方へ短く突出した四角形と、を組合せた形状に形成されている。従って、ユニット本体271は、前面における左右方向中央で前方へ突出した部位の両側が、ユニット本体271の左右方向の端部と、前方へ突出した部位の前端の左右方向端部とを結んだ線よりも後方に位置している(窪んでいる)。
ユニット本体271は、前面における左右方向両端から前方へ突出している部位よりも外側の位置までの部位に、夫々前後に貫通している開口部574aが形成されている。また、ユニット本体271は、前面における前方へ台形に突出している部位の斜めに延びている部位に、上下方向に所定の高さで左右に延びていると共に前後方向に貫通している複数のスリット574bが形成されている。複数のスリット574bは、ユニット本体271の前面における前方へ斜めに延びている部位の前端付近から、開口部574a付近まで左右に延びている。また、複数のスリット574bは、ユニット本体271の左右方向中央の両側に、夫々三つずつ上下に離間して形成されている。
また、ユニット本体271は、上面における左右方向中央に後端から前方へ向かって四角く切欠かれた上開口部574cと、下面における左右方向に後端から前方へ向かって切欠かれた下開口部574dと、を備えている。ユニット本体271の上開口部574cは、上カバー591によって閉鎖される。また、下開口部574dは、下カバー592によって閉鎖される。
また、ユニット本体271は、左右両端に上下に延びたトップ左装飾部574e及びトップ右装飾部574fを備えている。トップ左装飾部574eは、その前面が、開口部574aの形成されている部位の前面と、前後方向が略同じ位置に形成されている。トップ右装飾部574fは、その前面が、開口部574aの形成されている部位の前面よりも前方へ位置するように形成されている。このユニット本体271は、不透光性の部材によって形成されている。
トップ中装飾部材576は、ユニット本体271の前面における左右方向中央において前方へ突出している部位の前端に取付けられる。トップ中装飾部材576は、正面視の形状が、略正方形の下辺の左右方向中央部が下方へ位置するように折れ曲がった変五角形と、変五角形の左右の辺の上端から左右方向外側へ延出した辺の先端と辺五角形の左右の辺の下端とを結んだ略直角三角形と、を組合せたような形状に形成されている。トップ中装飾部材576は、前面の変五角形の部位が、下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。このトップ中装飾部材576は、全体が立体的な形状に形成されており、透光性を有している。
扉枠トップ中装飾基板577は、前面が、トップ中装飾部材576の変五角形の部位の前面と沿うように、下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜した状態でトップ中装飾部材576の後側に取付けられる。扉枠トップ中装飾基板577は、前面に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで、トップ中装飾部材576を発光装飾させることができる。
導光部材578は、透明な部材によって形成されている。導光部材578は、ユニット本体271の前面における前方へ突出した部位の前端よりも左右両外側の形状に沿った形状に形成されている。ユニット本体271の左右方向両端部に近い側を端部側、中央に近い側を中央側として説明すると、導光部材578は、端部側から中央側へ向かって左右に真っすぐに延びた直部578aと、直部578aの中央側の端部側から中央側へ向かうに従って前方へ移動するように半径の大きい円弧状に延びた円弧部578bと、で構成されている。導光部材578は、直部578aでは前後方向の奥行きが上下方向の高さよりも小さく形成されており、円弧部578bでは前後方向の奥行きが上下方向の高さよりも大きく形成されている。また、導光部材578は、直部578aでは上下方向の高さが一定に形成されており、円弧部578bでは上下方向の高さが中央側へ向かうに従って小さくなるように形成されている。導光部材578は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、直部578aがユニット本体271の開口部574aの直前に位置し、円弧部578bがユニット本体271のスリット574bを前方から閉鎖している。
導光部材578は、直部578aの後面に形成されている鋸状の凹凸からなる拡散反射部578cと、円弧部578bの後面側に形成されている複数の凹凸からなる拡散入力部578dと、を備えている。
導光部材578は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、左右方向両外側の端部が、扉枠トップ左装飾基板583又は扉枠トップ右装飾基板584のLED583a,584aと対面していると共に、拡散入力部578dが扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587のLED586a,587aと対面している。この導光部材578は、左右方向両外側の端部から、扉枠トップ左装飾基板583又は扉枠トップ右装飾基板584のLED583a,584aからの光が入射されると、その光が直部578a内を中央側へ進むと共に、直部578aの後面に形成されている拡散反射部578cにより端部側から順次前方へ反射され、直部578aの前面全体から光が前方へ照射される。導光部材578の前方にはトップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580が配置されており、それらのうちの直部578aの前方となる部位が発光装飾させられる。
また、導光部材578は、円弧部578bの後面に形成されている拡散入力部578dから、扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587のLED586a,587aからの光が入射されると、その光が拡散入力部578dの凹凸により円弧部578b内へ広く拡散され、円弧部578bの前面全体から光が前方へ照射される。これにより、トップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580における円弧部578bの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
このように、導光部材578は、扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ中左装飾基板586のLED583a,586a、又は、扉枠トップ右装飾基板584及び扉枠トップ中右装飾基板587のLED584a,587a、からの光を導いて、前方に配置されているトップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580の全体を良好(均一)な状態で発光装飾させることができる。
トップ左装飾レンズ部材579は、ユニット本体271の前面における左右方向中央より左側に配置される三つの導光部材578の前方を覆うように、ユニット本体271の前面に取付けられる。トップ左装飾レンズ部材579は、三つの導光部材578を夫々独立して前方から収容する三つの装飾レンズ部579aを有している。トップ左装飾レンズ部材579の装飾レンズ部579aは、導光部材578に倣った形状に形成されており、導光部材578の前面及び上下両面を被覆している。各装飾レンズ部579aの前面には、前方へ突出した四角錘台の凹凸が左右に列設されている。
トップ左装飾レンズ部材579は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の左端から、ユニット本体271のトップ左装飾部574eの右端まで延びている。つまり、トップ左装飾レンズ部材579は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576よりも左側の略全体を装飾している。このトップ左装飾レンズ部材579は、三つの導光部材578を介して扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ中左装飾基板586のLED583a,586aによって発光装飾させられる。
トップ右装飾レンズ部材580は、ユニット本体271の前面における左右方向中央より右側に配置される三つの導光部材578の前方を覆うように、ユニット本体271の前面に取付けられる。トップ右装飾レンズ部材580は、三つの導光部材578を夫々独立して前方から収容する三つの装飾レンズ部580aを有している。トップ右装飾レンズ部材580の装飾レンズ部580aは、導光部材578に倣った形状に形成されており、導光部材578の前面及び上下両面を被覆している。各装飾レンズ部580aの前面には、前方へ突出した四角錘台の凹凸が左右に列設されている。
トップ右装飾レンズ部材580は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の右端から、ユニット本体271のトップ右装飾部574fの左端まで延びている。つまり、トップ右装飾レンズ部材580は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576よりも右側の略全体を装飾している。このトップ右装飾レンズ部材580は、三つの導光部材578を介して扉枠トップ右装飾基板584及び扉枠トップ中右装飾基板587のLED584a,587aによって発光装飾させられる。
トップ中左装飾部材581は、ユニット本体271の前面における左側の開口部574aとトップ中装飾部材576との間で、トップ左装飾レンズ部材579の前方からユニット本体271の前面に取付けられる。トップ中左装飾部材581は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、トップ左装飾レンズ部材579の三つの装飾レンズ部579aの間を埋めるように取付けられており、前面の中央寄りがトップ左装飾レンズ部材579の前面よりも前方に突出している。このトップ中左装飾部材581は、不透光性の部材によって形成されている。
トップ中右装飾部材582は、ユニット本体271の前面における右側の開口部574aとトップ中装飾部材576との間で、トップ右装飾レンズ部材580の前方からユニット本体271の前面に取付けられる。トップ中右装飾部材582は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、トップ右装飾レンズ部材580の三つの装飾レンズ部580aの間を埋めるように取付けられており、前面の中央寄りがトップ右装飾レンズ部材580の前面よりも前方に突出している。このトップ中右装飾部材582は、不透光性の部材によって形成されている。
扉枠トップ左装飾基板583は、ユニット本体271内における左側面(トップ左装飾部574e)の内側に、LED583aが実装されている面を右方へ向けて取付けられている。扉枠トップ左装飾基板583は、ユニット本体271の左右方向中央より左側の前面に取付けられている三つの導光部材578の左端面と対向する位置にLED583aが実装されている(図90を参照)。三つのLED583aは、夫々独立して発光させることができる。扉枠トップ左装飾基板583のLED583aにより、三つの導光部材578の直部578aを介して、トップ左装飾レンズ部材579におけるユニット本体271の左側の開口部574aの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板584は、ユニット本体271内における右側面(トップ右装飾部574f)の内側に、LED584aが実装されている面を左方へ向けて取付けられている。扉枠トップ右装飾基板584は、ユニット本体271の左右方向中央より右側の前面に取付けられている三つの導光部材578の右端面と対向する位置にLED584aが実装されている(図90を参照)。三つのLED584aは、夫々独立して発光させることができる。扉枠トップ右装飾基板584のLED584aにより、三つの導光部材578の直部578aを介して、トップ右装飾レンズ部材580におけるユニット本体271の右側の開口部574aの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
一対の基板ベース585は、ユニット本体271内における複数のスリット574bが形成されている部位の後側に取付けられるものである。一対の基板ベース585は、互いが略左右対称に形成されている。基板ベース585は、上下及び前後に延びた辺を有する側面視略正方形の側壁と、側壁の後辺から直角に左右方向外方へ延びた正面視四角形の後壁と、側壁の上辺の前端から側壁の上辺途中までを結んだ線を斜辺として側壁と後壁の上辺同士を結んでいる略直角三角形の上壁と、上壁とは反対側で側壁と後壁の下辺同士を結んでいる略直角三角形の下壁と、を備え、上下の斜辺同士の間が開放された三角柱状の箱状に形成されている。基板ベース585は、開放されている部位が、ユニット本体271によって閉鎖されるようにユニット本体271に取付けられる。この基板ベース585は、開放されている部位が閉鎖されるように、扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587が取付けられる。
扉枠トップ中左装飾基板586は、ユニット本体271における左右中央より左側の後側に取付けられる基板ベース585において、箱状の開放されている部位を前方から閉鎖するように、基板ベース585に取付けられる。扉枠トップ中左装飾基板586は、基板ベース585の前面に取付けられることで、前面が、ユニット本体271の左右方向中央側へ向かうに従って前方へ移動するように、左右に延びた面に対して傾斜した状態となる。これにより、扉枠トップ中左装飾基板586は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、その前面が、ユニット本体271の左右方向中央より左側の三つのスリット574bが形成されている部位の面と略平行な状態となる。
扉枠トップ中左装飾基板586は、ユニット本体271の三つのスリット574bと対応している位置に、複数のLED586aが実装されている。これにより、扉枠トップ中左装飾基板586は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、ユニット本体271の中央より左側の三つのスリット574bから、複数のLED586aが前方に臨んだ状態となる。扉枠トップ中左装飾基板586は、複数のLED586aを発光させることで、導光部材578の円弧部578bを介して、トップ左装飾レンズ部材579のトップ中装飾部材576に近い部位を発光装飾させることができる。
扉枠トップ中右装飾基板587は、ユニット本体271における左右中央より右側の後側に取付けられる基板ベース585において、箱状の開放されている部位を前方から閉鎖するように、基板ベース585に取付けられる。扉枠トップ中右装飾基板587は、基板ベース585の前面に取付けられることで、前面が、ユニット本体271の左右方向中央側へ向かうに従って前方へ移動するように、左右に延びた面に対して傾斜した状態となる。これにより、扉枠トップ中右装飾基板587は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、その前面が、ユニット本体271の左右方向中央より右側の三つのスリット574bが形成されている部位の面と略平行な状態となる。
扉枠トップ中右装飾基板587は、ユニット本体271の三つのスリット574bと対応している位置に、複数のLED587aが実装されている。これにより、扉枠トップ中右装飾基板587は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、ユニット本体271の中央より右側の三つのスリット574bから、複数のLED587aが前方に臨んだ状態となる。扉枠トップ中右装飾基板587は、複数のLED587aを発光させることで、導光部材578の円弧部578bを介して、トップ右装飾レンズ部材580のトップ中装飾部材576に近い部位を発光装飾させることができる。
一対の遮光部材588は、扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587とユニット本体271との間の位置で、ユニット本体271の前面後側に取付けられるものである。一対の遮光部材588は、不透光性の部材によって、互いが略左右対称に形成されている。遮光部材588は、ユニット本体271における三つのスリット574bと対応して列設されている扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587の複数のLED586a,587aの上下の間を仕切っている。この遮光部材588により、各導光部材578の直後に位置しているLED586a,587aによってのみ、その導光部材578により光を前方へ誘導させることができ、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の夫々の装飾レンズ部579a,580aを夫々独立させた状態で良好に発光装飾させることができる。
扉枠トップユニット中継基板589は、中央ベース571の前面に取付けられている。扉枠トップユニット中継基板589は、一対の上部スピーカ573、扉枠トップ中装飾基板577、扉枠トップ左装飾基板583、扉枠トップ右装飾基板584、扉枠トップ中左装飾基板586、及び扉枠トップ中右装飾基板587と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継している。扉枠トップユニット中継基板589は、扉枠右サイドユニット550に備えられている図示しない接続ケーブルを介して、扉本体中継基板と接続されている。この扉枠トップユニット中継基板589は、前側が中継基板カバー590によって覆われている。
この扉枠トップユニット570は、左右方向中央において前方へ突出したトップ中装飾部材576を備えていると共に、トップ中装飾部材576の左右両側の前面が後方へ抉れているように湾曲しているため、トップ中装飾部材576のみが前方へ大きく突出しているように遊技者を錯覚させることができ、遊技者の関心を本パチンコ機1に対して強く引付けさせることができる。
また、扉枠トップユニット570は、中央に配置されているトップ中装飾部材576の左右両側を装飾しているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580を、トップ中装飾部材576の左右両側から、ユニット本体271の左右両端に形成されているトップ左装飾部574e及びトップ右装飾部574fまで延びるように形成している。これにより、扉枠トップユニット570によって、扉枠3の前面上部を全体的に装飾することができる。
この際に、扉枠トップユニット570では、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580が配置されている左右方向両端付近の夫々の後方に、パンチングメタルからなるスピーカカバー575により前面が保護された上部スピーカ573を備え、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の上下に離間している三つの装飾レンズ部579a,580aの間からスピーカカバー575が前方へ臨むようにしているため、左右の上部スピーカ573から出力されるサウンドを、良好な状態で遊技者に聴かせることができ、良質なステレオサウンドを楽しませることができる。
また、扉枠トップユニット570は、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の後側に備えられた複数の導光部材578により、扉枠トップ左装飾基板583、扉枠トップ右装飾基板584、扉枠トップ中左装飾基板586、及び扉枠トップ中右装飾基板587からの光を、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580に導くことができ、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の前面全体を良好に発光装飾させることができる。従って、扉枠トップユニット570は、左右の上部スピーカ573の前方を含む扉枠3の上部の前面全体を発光装飾させることができる。
[3−8.扉枠の作用効果]
扉枠3の作用効果について説明する。本実施形態のパチンコ機1における扉枠3は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前後に貫通している貫通口111を、従来のパチンコ機よりは上下及び左右方向へ大きくしており、貫通口111の拡大に合せて、皿ユニット320及び扉枠トップユニット570の上下方向の高さを小さくしていると共に、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の左右方向の幅を小さくしている。これにより、貫通口111(ガラスユニット190)を通して、本体枠4に取付けられた遊技盤5(遊技領域5a)の前面を、可及的に広く遊技者(前方)から見えるようにすることができ、遊技領域5aの広い遊技盤5に対応している。
扉枠3は、貫通口111の下側において、前方へ膨出している皿ユニット320の左右方向中央に大きな半球面状の操作ボタン410を有した演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を備え、演出操作ユニット400の左右両側における下半分(上皿321よりも下側の部分)の前面(皿前下装飾部326cの前面)を、後方へ抉れるように窪んだ形状(皿ユニット320の左右両端の前端と、演出操作ユニット400の左右両端の前端とを結んだ直線よりも、演出操作ユニット400の左右両側の前面が後方へ位置するように凹状に湾曲した形状)に形成されている。これにより、皿ユニット320の左右方向中央の前面に取付けられている演出操作ユニット400が前方へ大きく突出しているように見えるため、遊技者に対して演出操作ユニット400を目立たせて強調して見せることができ、演出操作ユニット400に強く注目させることができる。
扉枠3は、貫通口111よりも下側の皿ユニット320の前面に配置されている演出操作ユニット400を、大きな半球面状の透明な操作ボタン410が、斜め上前方を向くように傾けた状態で取付けているため、本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、操作ボタン410が遊技者の頭部(顔)を向いた状態となり、遊技者が視線を落として演出操作ユニット400を見ると、操作ボタン410が略正面に近い状態で見えることとなり、大きくて丸い操作ボタン410を強烈に視認させることができ、操作ボタン410を用いた演出に対して期待感を高めさせることができると共に、透明な操作ボタン410内に配置されている扉枠側演出表示装置460に表示される演出画像を良好な状態で視認させることができ、演出画像を十分に楽しませることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320の全高と略同じ直径の大きくて前方へ丸く膨出した操作ボタン410を備えているため、操作ボタン410を操作する際に、短い距離の手の移動で操作ボタン410の何れかの部位に触れることができ、操作ボタン410の「早押し」を比較的容易に行うことができる。また、大径で前方へ丸く膨出した操作ボタン410を、傾けた状態で取付けているため、従来のパチンコ機の操作ボタンのように上から押圧操作することができるだけでなく、左方や右方、或いは、前方からでも良好に操作することができ、操作性の良い操作ボタン410によって操作ボタン410を用いた演出をより楽しませることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320によって演出操作ユニット400を、吊り下げたような状態で取付けていると共に、演出操作ユニット400の下部に振動を発生させる振動モータ424を備えているため、遊技状態に応じて振動モータ424を回転させて振動を発生させると、操作ボタン410の上部に触れている遊技者の手に対して、強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて操作ボタン410を用いた演出をより一層楽しませることができる。
更に、扉枠3は、皿ユニット320の前面中央に、皿ユニット320の全高に亘る大きな操作ボタン410(演出操作ユニット400)を備えていることから、従来のパチンコ機と比較して上皿321の下にある下皿322が目立ち難くなるため、従来のパチンコ機を見慣れた遊技者に対して、明らかに異なっていると認識させ易くすることができ、遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320の前面における演出操作ユニット400の左側に開口している下皿開口部326dに対して、下皿322を、演出操作ユニット400の後側へ回り込むように形成しているため、下皿開口部326dの大きさに対して、下皿322の容積を大きくすることができ、下皿322での遊技球の貯留数を十分に確保することができる。また、下皿322の後部が演出操作ユニット400の後側へ回り込んでいることから、遊技者が下皿322内に左手を入れたり、下皿開口部326dに左手の指を掛けたりした時に、指先が下皿322の後の壁に触れ難くなるため、遊技者に対して違和感を与え難くすることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができると共に、下皿開口部326dの大きさに比べて下皿322の容積が大きいことを触覚でも認識させることができる。
更に、扉枠3は、上皿321からの遊技球が下皿322に放出される下皿球供給口323cと下皿322の遊技球を皿ユニット320の下方のドル箱等に抜くための下皿球抜き孔322aとを、前後に直線状に配置すると共に、正面視において下皿開口部326dの右外側(演出操作ユニット400のフレームユニット415の左端よりも右側)に配置している。つまり、下皿球供給口323c及び下皿球抜き孔322aを、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方に配置しているため、遊技者側から下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322aが見えず、皿ユニット320(パチンコ機1)の外観をスッキリさせることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、扉枠3は、下皿322において、下皿球供給口323cの前方(真正面)の下方に下皿球抜き孔322aを配置しているため、下皿球抜き孔322aを開いた状態とすると、上皿321等から下皿322へ放出された遊技球が、下皿322に入ると直ぐに下皿球抜き孔322aから下方のドル箱等へ排出されることとなる。この際に、遊技者側からは、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322aが見えないため、上皿321等から下皿322を通ってドル箱へ排出される遊技球の流れも見ることができない。これにより、遊技者に対して上皿321の遊技球や上皿321が満タンな状態で払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができるため、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、下皿322において、下皿球供給口323cの前方左寄りの位置に下皿球抜き孔322aを配置すると共に、下皿球抜き孔322aよりも右側の下皿322の立上った壁部を下皿球抜き孔322aの方向を向くように斜めに湾曲させているため、下皿球供給口323cから下皿322へ供給された遊技球を、直接的に下皿球抜き孔322aへ誘導したり、右側の壁部に反射させて間接的に下皿球抜き孔322aへ誘導したりすることができる。これにより、下皿球抜き孔322aが開いたままの状態では、下皿球供給口323cから下皿322に供給された遊技球が、下皿322における下皿球抜き孔322aよりも左側の領域(下皿第一領域A1)へ侵入することなく、下皿球抜き孔322aから下方へ排出させることができるため、下皿322内を流通する遊技球を遊技者に見せることなく下皿322の下方(ドル箱)へ遊技球を排出させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、扉枠3は、下皿322が前方へ臨む皿ユニットカバー326の下皿開口部326dを、演出操作ユニット取付部326a(演出操作ユニット400)と下スピーカ口326eとの間に備えているため、遊技者が下皿開口部326dに手を掛けたり、下皿322に手を入れたりしても、下スピーカ口326eの前方が遊技者の手によって遮られることはないため、本体枠4の基板ユニット900におけるスピーカ921からのサウンドを、良好に前方へ出力させることができ、本パチンコ機1によるサウンドを楽しませることができる。また、遊技者が下皿322に手を入れたり近付けたりすると、下スピーカ口326eから前方へ出力されるスピーカ921からの重低音による振動を、遊技者に触覚的に感じさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、貫通口111の右側から板状で前方へ大きく突出している扉枠右サイドユニット550を備えていることから、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠右サイドユニット550が右側に隣接しているパチンコ機との間で仕切りのような作用効果を発揮することができるため、本パチンコ機1で遊技する遊技者に対して、個室で遊技しているような感じに錯覚させることができ、周りの他の遊技者に気兼ねすることなくリラックスした雰囲気で遊技を行わせることができる。
更に、扉枠3は、板状で前方へ大きく突出している扉枠右サイドユニット550の前端や左右両面を、発光装飾させることができるため、パチンコ機1が並んだ状態で設置される遊技ホール内において、本パチンコ機1の前方に位置していなくても、島設備に沿った横方向から等の遠くからでも本パチンコ機1の存在を知らせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、貫通口111の上側の扉枠トップユニット570において、左右方向中央で前方へ突出しているトップ中装飾部材576を備えると共に、トップ中装飾部材576の左右両側の前面を、後方へ抉れるように窪んだ形状(扉枠トップユニット570の左右両端の前端と、トップ中装飾部材576の左右両端の前端とを結んだ直線よりも、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の左右両側の前面が後方へ位置するように凹状に湾曲した形状)に形成されている。これにより、扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576のみが前方へ大きく突出しているように見えるため、遊技者に対してトップ中装飾部材576を目立たせて強調して見せることができ、トップ中装飾部材576に強く注目させることができる。
ところで、従来のパチンコ機における扉枠の上部には、左右に離間した一対の上部スピーカが備えられており二つの上部スピーカが目立っていた。これに対して、本実施形態の扉枠3は、貫通口111の上側に取付けられている扉枠トップユニット570において、左右両端にパンチングメタルからなるスピーカカバー575により前面が保護された一対の上部スピーカ573を備えた上で、中央のトップ中装飾部材576の左右両側からスピーカカバー575の前を通って左右方向両端まで延びたトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580を備え、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の前面全体を、発光装飾できるようにしている。これにより、扉枠3の前面上部を全体的に装飾することができるため、扉枠3の上部において、一対の上部スピーカ573が目立たなくなり、従来のパチンコ機とは明らかに異なる装飾が施されていることを一見して遊技者に認識させることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、一対の上部スピーカ573により良質なステレオサウンドを遊技者に楽しませることができる。
このように、本実施形態の扉枠3は、貫通口111より下側と上側において、皿ユニット320に取付けられている演出操作ユニット400と、扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576とが、夫々左右方向の中央で前方へ大きく突出しているため、左右方向中央を通る仮想線が目立つような上下において統一感のある装飾を遊技者に見せることができると共に、洗練された感じの装飾により他のパチンコ機よりも目立たせることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、左右方向の中央において上下に配置されている扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576と演出操作ユニット400とを、前方へ突出させているため、トップ中装飾部材576及び演出操作ユニット400を発光装飾させると、扉枠3の前面の左右方向中央で上下に延びたような発光ラインを遊技者に見せることができ、遊技者の視線を左右方向中央に配置された演出操作ユニット400の操作ボタン410等に誘導させることができる。
[4.本体枠の全体構成]
本実施形態のパチンコ機1における本体枠4について、図91乃至図94を参照して説明する。図91は本体枠を前から見た斜視図であり、図92は本体枠を後ろから見た斜視図である。また、図93は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図94は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。本実施形態の本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に遊技盤5が着脱可能に収容される。この本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられるものである。
本実施形態の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベース600の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
[4−1.本体枠ベース]
本実施形態における本体枠4の本体枠ベース600は、図91乃至図94に示すように、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されている。この本体枠ベース600は、上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口601と、遊技盤挿入口601の下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部602と、遊技盤載置部602の左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤載置部602の正面視右下側に形成されている球発射装置680を取付けるための発射装置取付部604と、発射装置取付部604の正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口605と、遊技盤載置部602の正面視左右中央から左寄り下側で前後に貫通しており基板ユニット900の扉枠用中継基板911を前方へ臨ませる接続用開口部606と、遊技盤載置部602の正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット900におけるスピーカユニット920を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部607と、を備えている。
更に、本体枠ベース600は、遊技盤挿入口601の正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット700が取付けられると共に、後端に裏カバー980が回動可能に取付けられる後方延出部608を備えている。また、本体枠4の本体枠ベース600は、後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640を取付けるための上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610を備えている。
また、本体枠ベース600は、接続用開口部606を開閉可能に閉鎖する開口カバー615と、遊技盤載置部602の正面視左右中央より左側でやや下側の位置に回動可能に取付けられ、遊技盤挿入口601に挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能な遊技盤ロック部材616と、を備えている。
[4−2.本体枠側上ヒンジ部材及び本体枠側下ヒンジ部材]
本実施形態における本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620と本体枠側下ヒンジ部材640について、図91乃至図94を参照して説明する。この本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640は、本体枠ベース600の上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610に取付けられるものである。
本体枠側上ヒンジ部材620は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体621と、上ヒンジ本体621の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠側上ヒンジ部材60に軸支される本体枠上ヒンジピン622と、本体枠上ヒンジピン622の正面視左側で上ヒンジ本体621を貫通しており扉枠側上ヒンジ部材140を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔623と、を備えている。本体枠側上ヒンジ部材620は、上ヒンジ本体621における下方へ折り曲げられた部位が、本体枠ベース600の上ヒンジ取付部609に取付けられる。
本体枠側下ヒンジ部材640は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体641と、下ヒンジ第一本体641の前端で上下に貫通しており外枠2の外枠側下ヒンジ部材70に軸支される外枠用下ヒンジ孔(図示は省略)と、下ヒンジ第一本体641の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体643と、下ヒンジ第二本体643の前端で上下に貫通しており扉枠3の扉枠側下ヒンジ部材150を軸支するための扉枠用ヒンジ孔644と、下ヒンジ第二本体643の水平に延びている部位における扉枠用ヒンジ孔644よりも後側で左端から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片645と、を備えている。
下ヒンジ第二本体643は、水平に延びた部位が、下ヒンジ第一本体641の水平に延びた部位の上側に一定の間隔を開けた状態で、上方へ折り曲げられた部位が下ヒンジ第一本体641の上方へ折り曲げられた部位の前面に当接している。この本体枠側下ヒンジ部材640は、下ヒンジ第一本体641及び下ヒンジ第二本体643の上方へ折り曲げられた部位が、本体枠ベース600の下ヒンジ取付部610に取付けられる。
[4−3.補強フレーム]
本実施形態における本体枠4の補強フレーム660について、図91乃至図94を参照して説明する。補強フレーム660は、本体枠ベース600の左側面に取付けられるものである。この補強フレーム660は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。また、補強フレーム660には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース600の遊技盤挿入口601に挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置決め部材661が、上下に離間して一組取付けられている。
この補強フレーム660によって本体枠ベース600のヒンジ側(正面視左側)を補強することができると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止することができる。
[4−4.球発射装置]
本実施形態における本体枠4の球発射装置680について、図91、図93及び図94を参照して説明する。球発射装置680は、皿ユニット320の上皿321に貯留されている遊技球を、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むための装置である。この球発射装置680は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット300のハンドル302の回動角度に応じて、遊技球の打込強さが変化する。
球発射装置680は、本体枠ベース600の発射装置取付部604に取付けられる平板状の発射ベース681と、発射ベース681の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース681を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド682と、発射ソレノイド682の回転軸に基端が取付けられている打球槌683と、打球槌683の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース681の前面に取付けられており遊技球が転動可能な発射レール684と、を備えている。
この球発射装置680は、扉枠3の球送りユニット250から遊技球が発射レール684の上面右端に供給されるようになっており、発射レール684の上面右端に遊技球が供給されている状態で、ハンドル302を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド682が駆動して、打球槌683により遊技球を打球する。そして、打球槌683により打たれた遊技球は、発射レール684を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球の打込強さ等の関係で、打球した遊技球が遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール684と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット270のファール球受口275へ落下し、ファールカバーユニット270内を通って下皿322に排出される。
[4−5.施錠ユニット]
本実施形態における本体枠4の施錠ユニット700について、図91乃至図94を参照して説明する。本実施形態の施錠ユニット700は、本体枠4の本体枠ベース600に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠することができる。施錠ユニット700は、本体枠ベース600の後方延出部608の右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース701と、ユニットベース701から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤702と、ユニットベース701から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤703と、ユニットベース701の下部にから前方に円柱状に突出していると共に、前端部から軸直角方向へ突起が突出しており、扉枠3の開閉シリンダユニット210の回転伝達部材212と係合することでシリンダ錠211の回転が伝達され、鍵の回動方向に応じて扉枠用鉤702又は外枠用鉤703の何れかの係止を開錠させる鍵シリンダ710と、を備えている。
[4−6.払出ユニット]
本実施形態における本体枠4の払出ユニット800について、図95乃至図113を参照して説明する。図95は払出ユニットを前から見た斜視図であり、図96は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図97は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図98は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図99(a)は払出ユニットの球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。更に、図100は、球誘導ユニットの分解斜視図である。また、図101(a)は払出ユニットの払出装置を前から見た斜視図であり、(b)は払出装置を後ろから見た斜視図である。また、図102は払出装置を分解して前から見た分解斜視図であり、図103は払出装置を分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図104(a)は払出装置の正面図であり、(b)は(a)におけるQ−Q線で切断した断面図である。また、図105(a)は払出装置において球抜き可動片により球抜き通路を閉鎖した状態を示す説明図であり、(b)は球抜き可動片により球抜き通路を開放した状態を示す説明図である。
また、図106(a)は払出ユニットにおける上部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図107(a)は上部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図108(a)は払出ユニットにおける下部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図109は下部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図110は下部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図111(a)は下部満タン球経路ユニットにおいて誘導路開閉扉が閉じている状態を示す説明図であり、(b)は誘導路開閉扉が開いている状態を示す説明図である。また、図112は、扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。図113は、払出ユニットにおける遊技球の流れを示す説明図である。
本実施形態の払出ユニット800は、図95及び図96等に示すように、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない遊技ホールの島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、を備えている。タンクレール803内では、遊技球を左方へ誘導させながら、上方から揺動可能に垂下している球均し部材804(図113を参照)によって、前後二列に整列させる。
また、払出ユニット800は、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、を備えている。タンクレール803から払出装置830までは、遊技球が二列で流通し、払出装置830からは、遊技球が一つずつ払出される。
更に、払出ユニット800は、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット320における上皿321での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861、満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862、及び通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863、を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
[4−6a.球誘導ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の球誘導ユニット820について、図99及び図100を参照して説明する。球誘導ユニット820は、上下に延びており後側が開放された箱状の前ケース821と、前ケース821の後側に取付けられており前側が開放された箱状の後ケース822と、前ケース821と後ケース822との間に取付けられており前ケース821と後ケース822と間を仕切る平板状の仕切板823と、仕切板823を貫通して前後両端が前ケース821及び後ケース822に取付けられている棒状の軸部材824と、軸部材824によって回動可能に取付けられており前ケース821内及び後ケース822内に夫々配置されている一対の可動片部材前825及び可動片部材後826と、前ケース821内に取付けられており一対の可動片部材前825及び可動片部材後826の回動位置を検知可能な球切れ検知センサ827と、を備えている。
前ケース821は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口821aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口821bと、球誘導入口821aと球誘導出口821bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路821cと、を備えている。誘導通路821cは、球誘導入口821aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部821dと、導入部821dから前ケース821の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部821eと、検知部821eから前ケース821の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部821fと、で構成されている。また、前ケース821は、誘導通路821cにおける検知部821eの正面視右側の壁に切欠部821gを備えている。
後ケース822は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口822aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口822bと、球誘導入口822aと球誘導出口822bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路822cと、を備えている。誘導通路822cは、球誘導入口822aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部822dと、導入部822dから後ケース822の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部822eと、検知部822eから後ケース822の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部822fと、で構成されている。また、後ケース822は、誘導通路822cにおける検知部822eの正面視右側の壁に切欠部822gを備えている。
この後ケース822は、前ケース821に対して左右に略対称に形成されており、球誘導ユニット820に組立てた状態で、誘導通路821cと誘導通路822cとが前後に一致するように形成されている。
軸部材824は、前ケース821及び後ケース822における切欠部821g,822gの上端の下側且つ誘導通路821c,822cの外側の位置に前後の端部が取付けられている。
可動片部材前825は、上下に延びた平板状の可動片825aと、可動片825aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔825bと、可動片825aの上端から可動片825aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部825cと、延出部825cと可動片825aとを連結しており軸孔825bを中心に扇状に延びている連結部825dと、延出部825cの上部及び連結部825dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部825eと、延出部825cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片825fと、連結部825dの外周における可動片825aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片825gと、を備えている。
この可動片部材前825は、軸孔825bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部825dの外周から突出している錘取付部825eが、軸孔825bの直下に位置するように回動し、可動片825aが軸孔825bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部825dが前ケース821の切欠部821gに挿通されて、可動片825aの下端が誘導通路821c内に突出した状態となると共に、ストッパ片825gが誘導通路821c(検知部821e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片825gが誘導通路821cの外壁に当接することで、可動片825aの下端が、誘導通路821c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前825は、可動片825aの下端を、誘導通路821cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片825aの左側の面が、誘導通路821cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前825の検知片825fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路821c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
可動片部材後826は、上下に延びた平板状の可動片826aと、可動片826aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔826bと、可動片826aの上端から可動片826aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部826cと、延出部826cと可動片826aとを連結しており軸孔826bを中心に扇状に延びている連結部826dと、延出部826cの上部及び連結部826dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部826eと、延出部826cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片826fと、連結部826dの外周における可動片826aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片826gと、を備えている。
この可動片部材後826は、軸孔826bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部826dの外周から突出している錘取付部826eが、軸孔826bの直下に位置するように回動し、可動片826aが軸孔826bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部826dが後ケース822の切欠部822gに挿通されて、可動片826aの下端が誘導通路822c内に突出した状態となると共に、ストッパ片826gが誘導通路822c(検知部822e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片826gが誘導通路822cの外壁に当接することで、可動片826aの下端が、誘導通路822c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材後826は、可動片826aの下端を、誘導通路822cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片826aの左側の面が、誘導通路822cの内面と一致する。この状態では、可動片部材後826の検知片826fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路822c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
本実施形態の球誘導ユニット820は、タンクレール803によって複数の遊技球が前後に夫々一列で並ばされた状態で供給され、複数の遊技球が一列に並んだ状態で、前ケース821及び後ケース822によって、前後に二列の状態で下方の払出装置830へ誘導することができる(図113を参照)。この際に、前ケース821と後ケース822とは仕切板823によって仕切られているため、夫々の誘導通路821c,822cを流通する遊技球が、互いに干渉し合うことはなく、良好に流通することができる。
また、球誘導ユニット820の誘導通路821c,822c内を遊技球が流通すると、遊技球が可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aに当接し、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁面と一致する方向へ可動片部材前825及び可動片部材後826が回動する。これにより、可動片部材前825及び可動片部材後826の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となり、誘導通路821c,822c内に遊技球があることが判る。
そして、球誘導ユニット820の下流側の払出装置830により遊技球の払出し等が行われると、誘導通路821c,822c内の遊技球が下流へ流れることとなる。誘導通路821c,822c内を遊技球が流れると、導入部821d,822dを流れる遊技球の勢いが強くなり、導入部821d,822dを流れた遊技球が、検知部821e,822eの上部で可動片825a,826a側へ跳ね返り、可動片825a,826aに当接することとなる。この遊技球の当接により、可動片825a,826aが振動することとなるため、その振動により可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの切欠部821g,822gとの間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片825a,826aが良好に回動できるようになる。
また、球誘導ユニット820は、各誘導通路821c,822c内を流通する遊技球を夫々別々の可動片部材前825及び可動片部材後826によって検知するようにしていると共に、可動片部材前825及び可動片部材後826の夫々の検知片825f,826fを一つの球切れ検知センサ827で検知するようにしているため、何れかの誘導通路821c,822c内の遊技球がなくなると、可動片部材前825又は可動片部材後826の可動片825a,826aが誘導通路821c,822c内へ突出するように回動し、遊技球のなくなった側の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827で検知される。従って、遊技球の球切れを早期に検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
更に、可動片部材前825及び可動片部材後826の錘取付部825e,826eに、錘として金属ビスを捩じ込んで取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材後826と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を、誘導通路821c,822c内に突出する方向へ回動させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路821c,822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826aが回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
このように、本実施形態の球誘導ユニット820は、自重によって下端側が遊技球の流通する誘導通路821c,822c内へ突出する可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aにおいて、遊技球と当接する面の反対側の錘取付部825e,826eに金属ビスからなる錘を取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材後826の自重と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を誘導通路821c,822c内に回動(突出)させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路821c,822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826a(可動片部材前825及び可動片部材後826)が回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部825e,826eに捩じ込んで取付けるため、可動片部材前825及び可動片部材後826が頻繁に回動しても、錘が可動片部材前825及び可動片部材後826(錘取付部825e,826e)から外れることがなく、長期に亘って可動片部材前825及び可動片部材後826を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部825e,826eに金属ビスを捩じ込むだけで、可動片部材前825及び可動片部材後826に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
更に、誘導通路821c,822c内において可動片825a,826aが内部に突出する部位よりも上流側に、可動片825a,826aへ向かって遊技球を誘導させる導入部821d,822dを備えていることから、誘導通路821c,822c内を遊技球が流れることで、遊技球が可動片825a,826aに当接するため、遊技球の当接によって可動片825a,826aを振動させることができる。従って、可動片825a,826aの振動により、可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの壁との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片部材前825及び可動片部材後826が良好に回動するようにできる。
従って、可動片部材前825及び可動片部材後826を良好に回動させることができるため、誘導通路821c,822c内の遊技球の状態(有無)を確実に検知させることができ、遊技球の誤検知等による不具合の発生を抑制させることができる。また、払出装置830へ供給される遊技球が誘導通路821c,822c内からなくなっても、可動片825a,826aを介して確実に誘導通路821c,822c内の有無を検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
[4−6b.払出装置]
本実施形態における払出ユニット800の払出装置830について、図101乃至図105を参照して説明する。払出装置830は、後側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口831a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口831b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口831c、払出入口831aと払出出口831bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路831d、及び払出通路831dの途中から分岐して球抜き出口831cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路831e、を有している前箱831と、前箱831の後側に取付けられており前側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口832a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口832b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口832c、払出入口832aと払出出口832bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路832d、及び払出通路832dの途中から分岐して球抜き出口832cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路832e、を有している後箱832、を備えている。
また、払出装置830は、前箱831の前側に取付けられており後側が開放されている浅い箱状の前カバー833と、前箱831内に取付けられており回転軸が前箱831を貫通して前カバー833内に延出している払出モータ834と、払出モータ834の回転軸に取付けられている駆動ギア835と、駆動ギア835と噛合しており前箱831と前カバー833とで回転可能に取付けられている平歯車状の中間ギア836と、中間ギア836と噛合している従動ギア837と、従動ギア837が回転可能に貫通しており前端が前カバー833に取付けられていると共に後端が前箱831を貫通して後箱832に取付けられている軸部材838と、軸部材838を貫通して回転可能に取付けられていると共に前箱831及び後箱832の払出通路831d,832d内に配置されており従動ギア837と一体回転する払出羽根839と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840と、を備えている。
更に、払出装置830は、前箱831と後箱832の間に取付けられており前箱831の払出通路831dと後箱832の払出通路832dとを仕切る平板状の仕切板841と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転により払出されて払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842と、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位で前箱831と後箱832とによって回動可能に取付けられており球抜き通路831e,832eを閉鎖可能な球抜き可動片843と、前箱831及び後箱832の正面視右側面上部で上下にスライド可能に取付けられており球抜き可動片843を回動可能又は回動不能とする球抜きレバー844と、を備えている。
前箱831の払出通路831dは、払出入口831aから球抜き出口831cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、前箱831の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、前箱831の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口831bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口831bへ垂直に延びている。払出通路831d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路831eは、払出通路831dにおいて払出入口831aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、前箱831は、払出通路831d内の払出出口831bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って後方へ突出している誘導棚831fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部831gと、を備えている。
後箱832の払出通路832dは、払出入口832aから球抜き出口832cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、後箱832の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、後箱832の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口832bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口832bへ垂直に延びている。払出通路832d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路832eは、払出通路832dにおいて払出入口832aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、後箱832は、払出通路832d内の払出出口832bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って前方へ突出している誘導棚832fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部832gと、を備えている。
前箱831及び後箱832の払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eは、同じ形状に形成されている。払出通路831d,832dは、払出羽根839が配置されている部位の上流までが仕切板841によって仕切られている。また、誘導棚831f,832fと払出出口831b,832bとの間に、払出検知センサ842が取付けられている。つまり、前箱831の払出通路831dを流通した遊技球と、後箱832の払出通路832dを流通した遊技球とは、夫々の誘導棚831f,832fによって前箱831と後箱832との前後の境界付近に寄せられて、一つの払出検知センサ842により検知される。
従動ギア837は、中間ギア836と噛合する平歯車状のギア部837aと、ギア部837aの後面から周方向へ60度の角度の間隔で放射状に突出しており羽根回転検知センサ840によって検知可能な複数の検知片837bと、ギア部837aの中心から後方へ円筒状に突出していると共に後端の周面に凹凸が形成されており払出羽根839と連結可能な連結部837cと、を備えている。
払出羽根839は、前後に円筒状に延びており軸部材838が挿通されるベース筒部839aと、ベース筒部839aの前端から周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の前羽根839bと、ベース筒部839aの後端から前羽根839bとは互い違いとなるように周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の後羽根839cと、ベース筒部839aの前端から前方へ筒状に突出していると共に前端の周面に従動ギア837の連結部837cと連結可能な凹凸が形成されている被連結部839dと、を備えている。
払出羽根839の前羽根839b及び後羽根839cは、周方向へ120度の角度の間隔で夫々三つずつ備えられており、互い違いとなるように、前羽根839bに対して後羽根839cが、周方向へ60度の角度でオフセットして外方へ延出している。本実施形態の払出羽根839は、三つの前羽根839b(後羽根839c)同士の間が中心側へ窪んだ円弧によって結ばれており、その円弧の直径が遊技球の直径と同じか若干大きい。これにより、前羽根839b(後羽根839c)同士の間には、遊技球が一つのみ収容することが可能な球収容部839eが形成されている。
また、三つの前羽根839b及び後羽根839cは、ベース筒部839aの軸を中心としたそれらの外周の直径D1が、遊技球の外径の1〜1.4倍に形成されている。また、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)におけるベース筒部839aの軸に最も接近した部位までの、ベース筒部839aの軸を中心とした直径D2は、遊技球の外径の約0.3〜0.4倍に形成されている。つまり、前羽根839b及び後羽根839cの外周から球収容部839eの最も凹んだ部位までの深さ[(直径D1−直径D2)/2]が、遊技球の外径の0.1〜0.4倍とされている。
従って、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)により、遊技球の外周の約3/10(1/4〜1/3の間)を保持することができる。換言すると、遊技球の外径の約1/5(1/7〜1/4)の深さを収容することができる。これにより、払出通路831d,832d内の遊技球を、速やかに前羽根839b(後羽根839c)同士の間(球収容部839e)に収容することができる。
本実施形態の払出羽根839は、払出装置830を組立てた状態で、前羽根839bが前箱831の払出通路831d内に、後羽根839cが後箱832の払出通路832d内に位置し、夫々の払出通路831d,832d内の遊技球を、夫々払出すことができる。また、払出羽根839は、払出通路831d,832dにおいて、前箱831及び後箱832の全高の中央よりも下側でクランク状に折れ曲がっている部位に配置されている。詳しくは、払出通路831d,832dにおいて、前箱831及び後箱832の全高の中央付近から下方へ垂直に延びている部位の直下に、払出羽根839の回転中心が位置している。そして、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位では、払出羽根839から遠い側の壁(内壁)が、払出羽根839の回転中心を中心とし、前羽根839b及び後羽根839cの外周から遊技球の外径よりも小さい距離Sだけ離れた円弧状に形成されている。なお、本実施形態では、距離Sが、遊技球の外径の0.7〜0.9倍とされている。換言すると、球収容部839eの最も凹んだ部位から払出通路831d,832dの円弧状に形成されている部位までの距離が、遊技球の外径の1.03〜1.1倍とされている。
これにより、払出装置830は、払出羽根839上に流下してきた遊技球が、前羽根839b及び後羽根839cの外周に当接すると、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができず、払出出口831b,832bから下方へ放出されることはない。一方、遊技球が、球収容部839eに収容されると、払出羽根839の回転と共に移動し、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができ、払出出口831b,832bから下方へ放出される。
また、払出装置830では、前羽根839b及び後羽根839cの直径D1を、遊技球の外径の約1.2〜1.4倍とすると共に、球収容部839eにより遊技球の外径の1/7〜1/4の深さを収容するようにしているため、払出羽根839の外径を可及的に小さくしつつ、遊技球の収容にかかる時間を短くすることができる。これにより、払出羽根839を速く回転させても、球収容部839eに遊技球を収容させて、払出出口831b,832b側へ送ることができる。従って、従来よりも単位時間当りの遊技球の払出数を多くすることができ、遊技球の払出しにかかる時間を短縮することができる。
球抜き可動片843は、上下及び前後に板状に延びており下部が折れ曲がって正面視く字状に形成されている本体部843aと、本体部843aの上端で前後に筒状に延びており両端が夫々前箱831及び後箱832に回動可能に取付けられる軸筒部843bと、本体部843aのく字状に折れ曲がっている外側面の上部から突出している突出部843cと、本体部843aのく字状に折れ曲がっている下部において前後に貫通している貫通孔からなる錘取付部843d(図105を参照)と、を備えている。
球抜き可動片843は、払出装置830を組立てた状態では、本体部843aの下部が正面視斜め左下へ延びるような向きで、上端の軸筒部843bが、前箱831及び後箱832の払出通路831d,832dにおいて、払出入口831a,832aから正面視右下へ斜めに延びている部位で、且つ、下方へ折れ曲がる部位よりもやや上側の正面視右側の壁の外側の位置で、回動可能に取付けられている。
本実施形態の払出装置830は、通常の状態では、球抜きレバー844を下方へスライドさせた状態としており、球抜きレバー844の下部が球抜き可動片843の突出部843cに正面視右側から当接している。これにより、球抜き可動片843は、正面視反時計回りへの回動が規制されている(図105(a)を参照)。
この通常の状態では、球抜き可動片843のく字状に折れ曲がっている本体部843aにおいて、曲がっている部位よりも上側が垂直に延びていると共に、曲がっている部位の下側が正面視斜め左下へ延びている。そして、本体部843aの下端は、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位の近傍に位置している。従って、球抜き可動片843(本体部843a)によって、球抜き通路831e,832eを閉鎖していると共に、本体部843aの左側を向いた面が、払出通路831d,832dの一部の壁を形成している。
本実施形態の球抜き可動片843は、通常の状態において、球抜き可動片843の重心が、軸筒部843bの中心を通る垂直線の正面視左側に位置するように形成されており、自重によって正面視反時計回りに回転させようとする力が作用しているが、球抜きレバー844によって反時計回りへの回動が規制されているため、通常の状態が維持される。
通常の状態から、球抜きレバー844を上方へスライドさせると、球抜きレバー844の下部が、球抜き可動片843の突出部843cから離れ、球抜き可動片843の正面視反時計回りへの回動の規制が解除される。従って、球抜き可動片843は、重心が軸筒部843bの直下へ位置するように、自重によって反時計回りへ回動することとなる。なお、球抜き可動片843は、本体部843aの下部の右側側面が、前箱831及び後箱832の右側面を形成している部材の左面に当接するまで、反時計回りに回動することができる(図105(b)を参照)。これにより、球抜き通路831e,832eが開放された状態となり、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、払出通路831d,832dの途中で、球抜き可動片843の本体部843aに当接して球抜き可動片843を正面視反時計回りへ回動させて球抜き通路831e,832eを開放し、開放された球抜き通路831e,832eを流通して球抜き出口831c,832cから下方へ放出されることとなる。
本実施形態では、球抜き可動片843に錘取付部843dを備えているため、この錘取付部843dに金属ビスからなる錘を捩じ込んで取付けることで、球抜きレバー844を上方へスライドさせて、正面視反時計回りへの回動の規制を解除した時に、球抜き可動片843の自重と錘の重量とによって、球抜き可動片843の下端を球抜き通路831e,832e内へ突出する方向へ(正面視反時計回りに)回動させ易くすることができる。
また、球抜きレバー844を下方へスライドさせて球抜き通路831e,832eを閉鎖している通常の状態において、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、遊技球の当接によって球抜き可動片843を振動させることができる。従って、球抜き可動片843の下端と球抜き通路831e,832eの内面との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を、球抜き可動片843の振動によって除去することができ、埃やゴミ等を噛み込んで球抜き可動片843が回動できなくなるのを防止することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部843dに捩じ込んで取付けることができるため、球抜き可動片843が頻繁に回動しても、錘が球抜き可動片843(錘取付部843d)から外れることがなく、長期に亘って球抜き可動片843を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部843dに金属ビスを捩じ込むだけで、球抜き可動片843に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
ところで、球抜き可動片843によって球抜き通路831e,832eを長期に亘って閉鎖していると、球抜き可動片843の回転軸に微細な埃が付着したり回転軸が錆びたりして、球抜き可動片843が回動し辛くなることがある。これに対して、本実施形態では、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、球抜き可動片843により球抜き通路831e,832eを閉鎖している状態から、閉鎖を解除する球抜きレバー844を上方へスライドさせてロックを外した時に、遊技球が球抜き可動片843に当接することで、その当接の衝撃によって球抜き可動片843を回動させることができ、球抜き通路831e,832eを確実に開放させることができる。
従って、球抜きレバー844を操作して球抜き通路831e,832eを開放させる際に、球抜き可動片843が良好に回動することができるため、遊技球の抜取り作業を確実に行うことができ、メンテナンス等の際の作業性を良くすることができる。
[4−6c.上部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の上部満タン球経路ユニット850について、図106及び図107を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801において、払出装置830の下側の位置に取付けられるものである。この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース851と、上部満タンベース851の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー852と、上部満タンカバー852の後側に回転可能に取付けられており払出装置830を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材853と、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上面における正面視左右中央から左側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部払出球受口850aと、上面における正面視左右中央から右側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部球抜き入口850bと、上部満タンベース851と上部満タンカバー852との間に形成されており上部払出球受口850aに受けられた遊技球が流通する所定広さの上部球貯留通路850cと、上部球貯留通路850cの下端における上部払出球受口850aの直下の部位で下方へ開口している通常放出口850dと、上部球貯留通路850cの下端における通常放出口850dを除いた部位で下方へ開口している満タン放出口850eと、通常放出口850dと満タン放出口850eとの間から上方へ突出しており上部球貯留通路850c内の下部を左右に仕切っている仕切片850fと、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上部球抜き入口850bから進入した遊技球を下方へ誘導する上部球抜き通路850gと、上部球抜き通路850gの下端で下方へ向かって開口している上部球抜き出口850hと、を備えている。この上部満タン球経路ユニット850は、正面視で左側から、通常放出口850d、満タン放出口850e、上部球抜き出口850hが順に並んで下方へ開口している。また、上部満タン球経路ユニット850は、上部満タンベース851の右端に裏カバー980を取付けるための裏カバー取付部854を備えている。
この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、上部払出球受口850aが、払出装置830の払出出口831b,832bの直下に位置していると共に、上部球抜き入口850bが、払出装置830の球抜き出口831c,832cの直下に位置している。また、上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、通常放出口850d、満タン放出口850e、及び上部球抜き出口850hは、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865の夫々後端開口の直上に夫々開口している(図113を参照)。
上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830によって払出されて払出出口831b,832bから下方へ放出された遊技球が、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入する。上部球貯留通路850cの下端の通常放出口850dが閉鎖されていない状態では、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入した遊技球が、上部払出球受口850aの直下に開口している通常放出口850dから放出される。
扉枠3の上皿321内が遊技球で満たされて遊技球を貯留させることができなくなり、更に、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で満たされると、通常放出口850dが閉鎖された状態となる。この状態で上部球貯留通路850c内に遊技球が進入すると、通常放出口850dの上側に貯留される。そして、通常放出口850dの上側に貯留されている遊技球の量が、仕切片850fよりも高くなると、新たに上部球貯留通路850c内に進入してきた遊技球は、仕切片850fを乗り越えて満タン放出口850eから下方へ放出されることとなり、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862を通って下皿322に送られることとなる。
このように、上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830から払出された遊技球を、扉枠3における上皿321での遊技球の貯留量に応じて、自動的に上皿321から下皿322へ振分けることができる。
[4−6d.下部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の下部満タン球経路ユニット860について、図108乃至図112を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット860は、払出ユニットベース801における上部満タン球経路ユニット850の下側に取付けられるものである。下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861と、上部満タン球経路ユニット850の満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862と、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863と、誘導路開閉扉863を通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖する方向へ付勢している閉鎖バネ864と、を備えている。
また、下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の上部球抜き出口850hから放出された遊技球を前方へ誘導し前後方向の中央右端から基板ユニット900の基板ユニットベース910上へ放出する下部球抜き誘導路865を、備えている。
下部満タン球経路ユニット860は、通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865が、正面視において、左側から順に右側へ並んでいる。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、後端が上方へ向かって開口している。また、通常誘導路861、及び満タン誘導路862は、左右に遊技球が複数並ぶ幅で、前端側が低くなるように本体枠4の前端付近まで前方へ延びている。更に、満タン誘導路862は、通常誘導路861よりも低い位置で前方へ延びている。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、図示するように、上下に分割可能な上ケース866及び下ケース867によって形成されている。
誘導路開閉扉863は、下ケース867の前端における通常誘導路861と満タン誘導路862との間の部位に、回動可能に取付けられており、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されている。更に詳述すると、下部満タン球経路ユニット860の前端において、正面視で通常誘導路861の前端開口の右側に開口している満タン誘導路862は、通常誘導路861に対して一つの遊技球の高さ分低い位置に配置されている。そして、誘導路開閉扉863は、通常誘導路861の下側で、且つ、満タン誘導路862の左側の位置で、前後に延びた軸周りに対して回動可能に取付けられている。
誘導路開閉扉863は、回転可能に取付けられる円盤状の基部863aと、基部863aから斜め左上側に平板状に延びており通常誘導路861の前端開口を閉鎖可能な第一扉板部863bと、基部863aから右側に平板状に延びており満タン誘導路862の前端開口を閉鎖可能な第二扉板部863cと、基部863aから斜め左下側に平板状に延びている延出部863dと、延出部863dの先端部前面から前方へ突出しており扉枠3におけるファールカバーユニット270の扉開閉当接部281と当接可能な作動突部863eと、を備えている。
ここで、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖するとは、開口を密閉する必要はなく、遊技球が通過不能となれば良いことである。作動突部863eは、正面視の形状が、基部863aを中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。
誘導路開閉扉863は、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、第二扉板部863cが、下ケース867の前端における満タン誘導路862の前端開口の下側から前方へ突出しているボス部867aに当接することで、時計回りの方向への回動が規制される。
本実施形態の下部満タン球経路ユニット860は、パチンコ機1を組立てた状態で、前端が、扉枠3のファールカバーユニット270における貫通球通路273、満タン球受口274、及び扉開閉当接部281と対向する位置に取付けられている(図112を参照)。そして、誘導路開閉扉863は、本体枠4に対して扉枠3が開いている状態では、作動突部863eに何も当接していないため、誘導路開閉扉863は閉鎖バネ864の付勢力によって、正面視時計回りの方向へ回動させられ、第二扉板部863cが下ケース867のボス部867aに当接した状態で停止する。この状態では、第一扉板部863bと第二扉板部863cが、通常誘導路861と満タン誘導路862の前端開口の前面に位置しており、前端開口を閉鎖している(図111(a)を参照)。従って、この状態では、通常誘導路861及び満タン誘導路862内の遊技球が、前端開口から前方へ移動することができず、扉枠3を開けても、通常誘導路861や満タン誘導路862から遊技球がこぼれることはない。
そして、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eの前端面に、扉枠3におけるファールカバーユニット270の扉開閉当接部281が当接し、作動突部863eの前端面の傾斜によって、閉鎖バネ864の付勢力に抗して誘導路開閉扉863を正面視反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用する。これにより、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖していた第一扉板部863bと第二扉板部863cが、前端開口から離れる方向へ回動し、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が開放された状態となる(図111(b)を参照)。この状態では、図示するように、第一扉板部863bが通常誘導路861の前端開口の下側に、第二扉板部863cが満タン誘導路862の前端開口の上側に位置している。
この通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開放させた状態では、本体枠4に対して扉枠3が完全に閉じられた状態となっていると共に、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口の前側に、扉枠3におけるファールカバーユニット270の貫通球通路273及び満タン球受口274が位置しており、通常誘導路861及び満タン誘導路862側から、貫通球通路273及び満タン球受口274側へ遊技球を受渡すことができる。
このように、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を上下方向に異ならせると共に、誘導路開閉扉863を回動させることで通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開閉させるようにしているため、誘導路開閉扉863の動作範囲を可及的に狭くすることができ、通常誘導路861及び満タン誘導路862の開閉機構を小型化することができる。従って、相対的に他の部材のためのスペースを広くすることができ、パチンコ機1の内部空間をより有効活用することができる。
本実施形態の払出ユニット800は、扉枠3の上皿321が遊技球で一杯になり、上皿321へ遊技球を放出することができなくなった状態で、払出装置830から更に多くの遊技球が払出されると、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で一杯になるまで遊技球を貯留することができる。そして、通常誘導路861が遊技球で一杯になった状態で払出装置830から更に遊技球が払出されると、上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内において、遊技球が通常放出口850dよりも上側に留って仕切片850fを超えると、満タン放出口850e側へ流通するようになり、満タン放出口850eから、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、ファールカバーユニット270を通って下皿322へ遊技球の払出しが自動的に切換えられる。その後、払出装置830から更に遊技球が払出されて、上皿321に加えて下皿322も遊技球で一杯になって下皿322へ遊技球を供給することができなくなると、ファールカバーユニット270の貯留通路277内に遊技球が貯留される。そして、貯留通路277内に遊技球が貯留されることで可動片278が回動して満タン検知センサ279により検知されると、上皿321及び下皿322が遊技球で満タンであることが報知されると共に、満タン検知センサ279による可動片278の検知が解除されるまで払出装置830による遊技球の払出しが一時的に停止される。
なお、満タン検知センサ279による可動片278の検知に対する払出装置830による遊技球の払出しの停止を、例えば、ファールカバーユニット270の貯留通路277内に可動片278が検知されるまで遊技球が貯留されている状態で、その上流側の貯留通路277、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、及び上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内を満たすことが可能な数の遊技球が払出されると、払出装置830による遊技球の払出しを停止させるようにしても良い。これにより、従来のパチンコ機よりも多くの遊技球を貯留することができるため、大当り遊技中等の多くの遊技球が払出される遊技状態において、遊技球の払出しによって上皿321や下皿322が遊技球で一杯になることに対して気に掛ける必要を低減させることができ、遊技者を大当り遊技に専念させて楽しませることができる。
[4−7.基板ユニット]
本実施形態における本体枠4の基板ユニット900について、図91乃至図94を参照して説明する。本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音用のスピーカ921を有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
基板ユニット900は、基板ユニットベース910の前面で、本体枠ベース600の接続用開口部606から前方へ臨むように取付けられている扉枠用中継基板911を備えている。この扉枠用中継基板911は、払出制御基板951、主制御基板1310、及び周辺制御基板1510と、扉枠3の扉枠ベースユニット100に取付けられている扉本体中継基板との接続を中継するためのものである。払出制御基板ボックス950内に収容された払出制御基板951によって、払出装置830が制御されている。
[5.遊技盤の全体構成]
次に、パチンコ機1の遊技盤5の全体構成について、図114乃至図120等を参照して詳細に説明する。図114は、遊技盤の正面図である。図115は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図116は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図117は表ユニットと裏ユニットを除いた遊技盤の正面図であり、図118は図117の遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図119は図117の遊技盤を分解して後ろから見た分解斜視図である。図120は、遊技盤をパチンコ機に取付けた状態で機能表示ユニットの部位を正面から拡大して示す説明図である。
遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット300のハンドル302を操作することで遊技球が打込まれる遊技領域5aを有している。また、遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球を遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、を備えている。遊技パネル1100の前面において遊技領域5a内となる部位には、遊技球と当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている(図示は省略)。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左下隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に取付けられている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な遊技盤側演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。裏ユニット3000の後面に遊技盤側演出表示装置1600が取付けられていると共に、遊技盤側演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能に常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが何れかにおいて可能となる大入賞口2005と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1126の直上に取付けられており第一始動口2002及び大入賞口2005を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており複数の一般入賞口2001を有しているサイドユニット下2200と、サイドユニット下2200の正面視左端上方に取付けられているサイドユニット上2300と、遊技領域5a内の略中央に取付けられておりゲート部2003、及び第二始動口2004を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており遊技盤側演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端で正面視左辺側の上下方向中央から上寄りに取付けられている裏左中装飾ユニット3050と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏箱3010の後壁付近に取付けられている裏下後可動演出ユニット3100と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で正面視左側に取付けられている裏上左可動演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口部3010aの正面視左側に取付けられている裏左可動演出ユニット3300と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で左右方向中央から正面視右端までにかけて取付けられている裏上中可動演出ユニット3400と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏下後可動演出ユニット3100の前方に取付けられている裏下前可動演出ユニット3500と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
次に、前構成部材1000について、主に図118及び図119等を参照して説明する。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球が当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1008を備えている。この防犯凹部1008は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー200の後方へ突出した後方突片202が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー200と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー200の後方突片202と前構成部材1000の防犯凹部1008とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー200と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片202や防犯凹部1008に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、内レール1002の後端から後方へ突出している複数の位置決め突起1009を備えている。これら位置決め突起1009は、遊技パネル1100におけるパネル板1110に形成されている内レール固定孔1116に挿入させることで、内レール1002をパネル板1110の前面に位置決め固定することができる。
更に、前構成部材1000は、後面から後方へ突出している複数の取付ボス1010を備えている。複数の取付ボス1010は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の取付孔1128に挿入されることで、パネルホルダ1120(遊技パネル1100)との間を位置決めすることができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1011を備えている。この切欠部1011は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の切欠部1127と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、これら切欠部1011,1127を貫通して下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が前方へ臨むようになっている。
[5−2.遊技パネル]
次に、遊技パネル1100について、主に図115及び図116、図118及び図119等を参照して説明する。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダ1120(遊技パネル1150)よりも薄く、障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位に下端から上方へ窪んだアウト凹部1111が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
また、パネル板1110は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔1113と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔1114と、を備えている。これら嵌合孔1113及び長孔1114は、遊技領域5aよりも外側に配置されており、パネルホルダ1120との位置決めを行うものである。また、パネル板1110は、上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部1115が夫々備えられている。これら係合段部1115は、パネル板1110の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1113及び長孔1114と同様に、遊技領域5aよりも外側に配置されており、パネル板1110をパネルホルダ1120へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1110は、所定位置に内レール固定孔1116が複数備えられている。この内レール固定孔1116に内レール1002の後側から突出する位置決め突起1009を嵌合固定させることで、内レール1002を所定の位置に固定することができる。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本例では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1121と、保持段部1121の内側において略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1122と、を備えている。
パネルホルダ1120の保持段部1121は、前面からの深さがパネル板1110の厚さと略同じ深さとされており、保持段部1121内に保持されたパネル板1110の前面が、パネルホルダ1120の前面と略同一面となる。また、保持段部1121は、その前側内周面が、パネル板1110の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさに形成されている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1110が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。
また、パネルホルダ1120は、保持段部1121に保持されるパネル板1110に形成されている嵌合孔1113及び長孔1114と対応する位置に配置され、保持段部1121の前面から前方に向かって延びており、パネル板1110の嵌合孔1113及び長孔1114に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1123を備えている。これらの突出ピン1123をパネル板1110の嵌合孔1113及び長孔1114に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1120とパネル板1110とを互いに位置決めすることができる。
更に、パネルホルダ1120は、パネル板1110の係合段部1115と対応する位置に、係合段部1115と係合する係合爪1124及び係合片1125を備えている。詳述すると、係合爪1124は、パネルホルダ1120の保持段部1121の上部に配置されており、パネル板1110における上側の係合段部1115と対応し、保持段部1121の前面から前方に向かって突出し、係合段部1115と弾性係合するようになっている。この係合爪1124は、先端がパネルホルダ1120の前面から突出しない大きさとされている。
パネルホルダ1120の係合片1125は、パネルホルダ1120の保持段部1121の下部に配置され、パネル板1110における下側の係合段部1115と対応している。この係合片1125は、保持段部1121の前面との間にパネル板1110の係合段部1115が挿入可能な大きさの隙間を形成した状態で、パネルホルダ1120の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びている。これら係合爪1124及び係合片1125にパネル板1110の係合段部1115を係合させることで、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して着脱可能に保持される。
また、パネルホルダ1120は、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位に前後に貫通しているアウト口1126を備えている。パネルホルダ1120は、アウト口1126の後面下側が、アウト口1126と同じ幅で下端まで前方へ窪んでいる。
更に、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1127を備えている。この切欠部1127は、前構成部材1000の切欠部1011と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、これら切欠部1011,1127を貫通して下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が前方へ臨むようになっている。
また、パネルホルダ1120は、前構成部材1000における複数の取付ボス1010と対応している位置に、前後に貫通した複数の取付孔1128を備えている。これら複数の取付孔1128に、前構成部材1000の取付ボス1010を挿入することで、パネルホルダ1120を前構成部材1000の後側に取付けることができると共に、前構成部材1000との間でパネルホルダ1120(遊技パネル1100)を位置決めすることができる。
また、パネルホルダ1120は、切欠部1127の上側で前後方向に貫通している四角い挿通孔1129を備えている。この挿通孔1129は、機能表示ユニット1400の後端が挿通される。
遊技パネル1100は、前構成部材1000の後側に取付けた状態では、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後側にパネルホルダ1120のアウト口1126が開口した状態となる。これにより、遊技領域5aの下端へ流下した遊技球が、アウト誘導部1003によって後側のアウト口1126へ誘導され、アウト口1126を通って遊技パネル1100の後側へ排出される。
[5−2a.遊技パネルの第二実施形態]
次に、上記の遊技パネル1100とは異なる実施形態の遊技パネル1150について、主に図121及び図122を参照して詳細に説明する。図121は、図117とは異なる形態の遊技パネルを、前構成部材、基板ホルダ、及び主制御ユニットと共に前から見た分解斜視図である。図122は、図121を後ろから見た分解斜視図である。この遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニヤ合板等の木質板材によって形成されている。この遊技パネル1150は、上記の遊技パネル1100のパネルホルダ1120と同じ厚さに形成されている。
遊技パネル1150は、外形が前構成部材1000の外形と略同形状に形成されている。遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1000のアウト誘導部1003と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151を備えている。遊技パネル1150は、アウト口1151の後面下側が、アウト口1151と同じ幅で下端まで前方へ窪んでいる。
また、遊技パネル1150は、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1000の切欠部1011と同形状の切欠部1152と、切欠部1152の上側で上下方向に貫通しており機能表示ユニット1400の後端が挿通される四角い挿通孔1153と、を備えている。
また、遊技パネル1150は、前構成部材1000の内レール1002から後方へ突出している複数の位置決め突起1009と対応する位置に、位置決め突起1009を嵌合可能な前後に貫通している複数の内レール固定孔1154を備えている。また、遊技パネル1150は、前構成部材1000における複数の取付ボス1010と対応している位置に、前後に貫通した複数の取付孔1155を備えている。これら複数の取付孔1155に、前構成部材1000の取付ボス1010を挿入することで、遊技パネル1150を前構成部材1000の後側に取付けることができると共に、前構成部材1000との間で遊技パネル1150を位置決めすることができる。
更に、遊技パネル1150は、図示は省略するが、上記の遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112と同様に、表ユニット2000を取付けるための前後に貫通している複数の開口部が備えられている。
遊技パネル1150は、前構成部材1000の後側に取付けた状態で、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後側にアウト口1151が開口した状態となる。これにより、遊技領域5aの下端へ流下した遊技球が、アウト誘導部1003によって後側のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151を通って遊技パネル1150の後側へ排出される。
[5−3.基板ホルダ]
次に、基板ホルダ1200について、主に図118乃至図119等を参照して説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側から覆うことができる。これにより、アウト口1126を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
次に、主制御ユニット1300について、主に図118乃至図119等を参照して説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。この主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する主制御基板1310と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
なお、主制御基板ボックス1320をはじめとした各種の基板ボックス930,950,1320,1520,3042はいずれも、外部からの目視確認が可能とされるように透過性をもった部材として設けられている。すなわち後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特に、上記払出制御基板ボックス950内の払出制御基板951や上記主制御基板ボックス1320内の主制御基板1310において不正抑制性能で劣る表面実装領域が設けられるようになっていることから、後述の不正対策に関わる各種の作用効果を得る上でこのような透過性を確保しておくことは重要である。
[5−5.機能表示ユニット]
次に、機能表示ユニット1400について、主に図118乃至図120等を参照して説明する。機能表示ユニット1400は、図示するように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左下隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、遊技盤5をパチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の貫通口111を通して前方(遊技者側)から視認することができる(図120を参照)。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、図120に示すように、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器1401と、ゲート部2003に対する遊技球の通過により抽選される普通抽選結果を表示する四つのLEDからなる普通図柄表示器1402と、ゲート部2003に対する遊技球の通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器1408と、第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器1403と、第一始動口2002への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器1404と、第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器1405と、第二始動口2004への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器1406と、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する三つのLEDからなるラウンド表示器1407と、を主に備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−6.周辺制御ユニット]
次に、周辺制御ユニット1500について、図116を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられる遊技盤側演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基いて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、図示は省略するが、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部と、演出画像を制御するための演出表示制御部と、を備えている。
[5−7.遊技盤側演出表示装置]
次に、遊技盤側演出表示装置1600について、図115乃至図116を参照して説明する。遊技盤側演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。詳述すると、遊技盤側演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。この遊技盤側演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。この遊技盤側演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとしたフルカラーの液晶表示装置であり、静止画像や動画を表示することができる。
遊技盤側演出表示装置1600は、正面視左側面から外方へ突出している二つの左固定片1601と、正面視右側面から外方へ突出している右固定片1602と、を備えている。この遊技盤側演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の正面視左内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの左固定片1601を挿入した上で、右固定片1602側を前方へ移動させて、右固定片1602をロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を下方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−8.表ユニット]
次に、表ユニット2000について、図114乃至図116を参照して説明する。遊技盤5の表ユニット2000は、遊技パネル1100におけるパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端が開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
本実施形態の表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
複数の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部に配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1126の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における正面視右上で衝止部1006の略直下に配置されている。第二始動口2004は、ゲート部2003の直下から正面視右寄りに配置されている。大入賞口2005は、第一始動口2002とアウト口1126との間に配置されている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1126の直上に取付けられており第一始動口2002及び大入賞口2005を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており複数の一般入賞口2001を有しているサイドユニット下2200と、サイドユニット下2200の正面視左端上方に取付けられているサイドユニット上2300と、遊技領域5a内の略中央に取付けられており、ゲート部2003、及び第二始動口2004を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1126の直上に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002が、遊技球を一度に一つのみ受入可能な大きさで上方に向かって開口しており、大入賞口2005が、遊技球を一度に複数(例えば、4個〜6個)受入可能な大きさで左右に延びており、遊技状態に応じて開閉可能に形成されている。
サイドユニット下2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿って円弧状に延びており、パネル板1110に前方から取付けられている。サイドユニット下2200は、常時遊技球を受入可能な複数の一般入賞口2001を有している。
サイドユニット上2300は、遊技領域5a内において、サイドユニット下2200の正面視左上方で上下方向中央からやや下寄りに前方からパネル板1110に取付けられている。サイドユニット上2300は、パネル板1110の前面に取付けた状態で、棚部の左端が内レール1002に接近しており、内レール1002に沿って流下してきた遊技球を、右方(遊技領域5aの左右方向中央)へ誘導させることができる。
センター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100、及びサイドユニット下2200よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置された遊技盤側演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている演出ユニット等を前方から視認することができる。センター役物2500は、ゲート部2003、及び第二始動口2004を有している。
枠状のセンター役物2500は、下辺を除いた全周が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方へ突出しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、正面視左側の外周面に、遊技領域5a内の遊技球が進入可能に開口しているワープ入口2520と、ワープ入口2520に進入した遊技球を放出可能とされ枠内に開口しているワープ出口2522と、ワープ出口2522から放出された遊技球を左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出するステージ2530と、を備えている。ステージ2530の直下に始動口ユニット2100が配置されており、ステージ2530の中央から遊技球が下方へ放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に遊技球が受入れられる。
[5−9.裏ユニット]
次に、遊技盤5における裏ユニット3000について、図114乃至図116を参照して説明する。裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられている。また、裏ユニット3000の後側に遊技盤側演出表示装置1600及び周辺制御ユニット1500が取付けられている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面で開口部3010aの下辺に沿って左右に延びた軸周りに回動可能に取付けられており演出駆動基板を収容している箱状の演出駆動基板ボックス3042と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端で正面視左辺側の上下方向中央から上寄りに取付けられている裏左中装飾ユニット3050と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏箱3010の後壁付近に取付けられている裏下後可動演出ユニット3100と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で正面視左側に取付けられている裏上左可動演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口部3010aの正面視左側に取付けられている裏左可動演出ユニット3300と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で左右方向中央から正面視右端までにかけて取付けられている裏上中可動演出ユニット3400と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏下後可動演出ユニット3100の前方に取付けられている裏下前可動演出ユニット3500と、を備えている。
裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける背面視左辺において枠内の内側から外方へ向かって窪んでおり遊技盤側演出表示装置1600の左固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの背面視右辺の上下方向中央において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている。
開口部3010aは、遊技盤側演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に遊技盤側演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が上下にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に当接した状態で、パネルホルダ1120に取付けられる。裏箱3010は、各可動演出ユニット等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
裏ユニット3000は、裏下後可動演出ユニット3100、裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、及び裏下前可動演出ユニット3500、等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[6.遊技内容]
次に、本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図114等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット300のハンドル302を遊技者が回転操作することで、皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球が、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球の打込み強さは、ハンドル302の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球、つまり、0.6秒間隔で遊技球を打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘(図示は省略)が遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球が障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘の他に、遊技球の当接により回転する風車(図示は省略)が適宜位置に備えられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球は、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、図示しない複数の障害釘に当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球が、センター役物2500の外周面に開口しているワープ入口2520に進入すると、ワープ出口2522からステージ2530に供給される。
ステージ2530に供給された遊技球は、ステージ2530上を転動して左右に行ったり来たりして前方へ放出される。ステージ2530の中央から遊技球が遊技領域5a内に放出されと、第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿321に払出される。
ステージ2530を転動している遊技球が、中央以外から遊技領域5a内に放出されと、始動口ユニット2100へ向かって流下する。センター役物2500のステージ2530から遊技領域5a内に放出された遊技球は、始動口ユニット2100の第一始動口2002や、開状態の大入賞口2005等に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球が、ワープ入口2520に進入しなかった場合、サイドユニット上2300により左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット下2200の一般入賞口2001や第一始動口2002等に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿321に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球が、センター役物2500の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入する(所謂、右打ちする)と、その下流側に、ゲート部2003と第二始動口2004とが備えられている領域を流下することとなる。
そして、右打した遊技球が、ゲート部2003を通過すると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3〜10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球の受入れが可能となる。そして、第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、4個)の遊技球が、上皿321に払出される。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球が通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
また、遊技球がゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球がゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球が通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動当り」、「時間短縮当り」、等)を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「小当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、等がある。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、特別変動時間の経過後に、大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球の受入れが可能な状態となる。大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出基板によって払出装置830から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球が、上皿321に払出される。従って、大入賞口2005が遊技球を受入可能としている時に、大入賞口2005に遊技球を受入れさせることで、多くの遊技球を払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「小当り」の場合、大入賞口2005が、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、遊技球を受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返す。一方、特別抽選結果が「大当り」の場合、大入賞口2005が、遊技球を受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球の受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球を受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と遊技盤側演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、遊技盤側演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基いて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。遊技盤側演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の図柄からなる図柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各図柄列を変動させ、変動表示されている図柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの図柄列の図柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の図柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの図柄列が停止して各図柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が遊技盤側演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、小当り遊技、大当り遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、遊技盤側演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(図柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、遊技盤側演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット400の操作ボタン410や扉枠側演出表示装置460、センター役物2500の各種装飾体、裏ユニット3000の各種装飾体、裏下後可動演出ユニット3100、裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、及び裏下前可動演出ユニット3500、等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[本実施形態と本発明の関係]
本実施形態における扉枠3は本発明の扉ユニットに、本実施形態における本体枠4は本発明の本体ユニットに、本実施形態の扉枠3における扉枠ベースユニット100の貫通口111は本発明の窓部に、本実施形態の扉枠3における皿ユニット320の皿ユニットカバー326は本発明の膨出部に、本実施形態の演出操作ユニット400及び第二演出操作ユニット400Aにおける操作ボタン410のボタンレンズ411は本発明の第一装飾体に、本実施形態におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aは本発明の第一装飾部に、夫々相当している。
また、本実施形態におけるベースユニットの操作ボタン内装飾部材、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるスクリーンユニット470のメインスクリーン471及びサブスクリーン472は本発明の第二装飾体に、本実施形態における操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432g、スクリーンユニット470の周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、及び周縁装飾部材478は本発明の第二装飾部に、夫々相当している。
更に、本実施形態における操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されている各LEDとサブスクリーン装飾基板477のLED477aとは本発明の発光体に、本実施形態における扉枠側演出表示装置460は本発明の奥側装飾手段に、本実施形態におけるフレームユニット415、ベースユニット430のユニットベース431、及び第二ベースユニット450のユニットベース451は本発明のベース部に、夫々相当している。
[8.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、扉枠3における前方に膨出している皿ユニット320の前面に取付けられている演出操作ユニット400(或いは、第二演出操作ユニット400A)の操作ボタン410のボタンレンズ411を外方から見ると、第一ボタン装飾部411aと操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432g(或いは、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるスクリーンユニット470の周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)とが重なった装飾、第一ボタン装飾部411aと扉枠側演出表示装置460とが重なった装飾、等のこれまでにない遠近感のある装飾性に溢れた装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、ボタンレンズ411(操作ボタン410)の移動方向に操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A(スクリーンユニット470))、及び扉枠側演出表示装置460等を配置していると共に、ユニットベース431(ユニットベース451)によりボタンレンズ411を遊技者の操作によって移動させることができるように支持されているため、遊技者がボタンレンズ411を操作(押圧)して移動させると、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)とが近付いたり離れたりすることとなるため、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)との距離の変化により第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)とが重なって見える装飾の遠近感を変化させることが可能となり、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)とによる装飾(交差態様)を、遊技者自身によって変化させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、ボタンレンズ411の中央を、操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)とは反対側となる外方へ膨出させていることから、第一装飾体と第二装飾体との間に空間が形成されることとなるため、遊技者から見た時に、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aまでの距離と、操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432g(或いは、スクリーンユニット470の周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)までの距離とが、より大きく異なることとなり、ボタンレンズ411を操作して移動させていない状態でも、遊技者の目の位置が移動すると、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、周縁装飾部472a、サブスクリーン装飾部材476、周縁装飾部材478、等)との交差態様(重なり具合)が変化するため、動きのある装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けることができる。
更に、透明なボタンレンズ411の外周縁に、中央へ向かう放射状の装飾を有した第一ボタン装飾部411aを備えているため、ボタンレンズ411における第一ボタン装飾部411aが備えられていない中央側を通して奥側の操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)や扉枠側演出表示装置460を、良好に視認させることができると共に、第一ボタン装飾部411aの放射状の装飾によって遊技者の視線をボタンレンズ411の中央へ向けさせることができ、透明なボタンレンズ411の中央を通して操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)や扉枠側演出表示装置460に対して遊技者の関心を強く向けさせることができる。
また、操作ボタン内装飾部材432に、中央を中心とした同心円状の複数の多角形の装飾を有した第二ボタン内装飾部432gを備えているため、外方から見た時に、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aの装飾と、操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gの装飾とが、互いに交差することとなり、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとによる装飾の遠近感を確実に発揮させることができ、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとによる装飾を目立たせて遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gの装飾に、中央を中心とした同心円状の複数の多角形の装飾を有するようにしているため、第二ボタン内装飾部432gの装飾によって遊技者の視線や関心を操作ボタン内装飾部材432の中央に見える扉枠側演出表示装置460へ向けさせることができ、扉枠側演出表示装置の装飾(演出画像)を楽しませることができる。
更に、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されている各LED(或いは、サブスクリーン装飾基板477のLED477a)を発光させると、その光によって操作ボタン内装飾部材432(或いは、サブスクリーン装飾部材476)を発光装飾させることができると共に、更に、ボタンレンズ411も発光装飾させることができるため、第一ボタン装飾部411aや第二ボタン内装飾部432g(或いは、サブスクリーン装飾部材476)の装飾に加えて発光装飾によっても遊技者を楽しませることができる。この際に、第二ボタン内装飾部432g(或いは、サブスクリーン装飾部材476)によって操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の各LED(或いは、LED477a)からの光を拡散させることができることから、第二ボタン内装飾部432gでは、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の各LED(或いは、LED477a)からの直接的な光により発光装飾させられるのに対して、第一ボタン装飾部411aでは、第二ボタン内装飾部432g(或いは、サブスクリーン装飾部材476)により拡散された間接的な光により発光装飾させられることとなり、第二ボタン内装飾部432g(サブスクリーン装飾部材476)が強く発光装飾されるのに対して第一ボタン装飾部411aが弱く発光装飾されるため、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の各LED(或いは、LED477a)を発光させた状態で、外方から第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432g(或いは、サブスクリーン装飾部材476)とを見ると、より遠近感が強調された装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けさせられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、ボタンレンズ411の移動する方向に操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)を配置しているため、ボタンレンズ411や操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)の外周りよも外側の部位に、ボタンレンズ411が移動するためのスペースを確保する必要がなく、ボタンレンズ411や操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)を外側に広げて、可及的に大きくすることが可能となり、大型化できることでボタンレンズ411や操作ボタン内装飾部材432(或いは、扉枠側第二演出表示装置460A)を目立たせることができる。また、上述したように、ボタンレンズ411の外側に、移動させるためのスペースを確保する必要がないため、ボタンレンズ411の外側の部位に、フレームユニット415を配置することで、パチンコ機1全体の装飾性を高めることができ、見栄えを良くして遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、ボタンレンズ411の中央を外方へ膨出させていることから、遊技者がボタンレンズ411を叩いたりして表面の一部に衝撃を加えた場合、ボタンレンズ411を平坦な形状とした場合と比較して、加えられた衝撃力が、ボタンレンズ411の全体に分散し易くなるため、ボタンレンズ411を壊れ難く(破損し難く)することができる。従って、遊技中にボタンレンズ411が破損することで、遊技が中断してしまい、遊技者によっては苛立ちを覚えて興趣を低下させてしまうのを回避させることができると共に、ボタンレンズ411が破損し難くなることで、本パチンコ機1を設置している遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、本体枠4内に配置されている遊技盤5の遊技領域5aを、前方から貫通口111を通して視認可能としている扉枠3において、貫通口111の下側で前方に膨出している皿ユニット320の皿ユニットカバー326に取付けられている演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)のユニットベース431(第二ベースユニット450)に、外径が10cm〜30cmの範囲内である約15cmの円形状で遊技者が操作することで可動する(進退する)操作ボタン410と、操作ボタン410の透明なボタンレンズ411を通して前方から視認可能な操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)と、操作ボタン410が枠内に配置される枠状のフレームユニット415と、を取付けていることから、従来のパチンコ機において遊技球の貯留皿が目立った位置に、可及的に大きな操作ボタン410を有した演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が見えるため、遊技者に対して一見しただけで従来のパチンコ機とは異なっていることを認識させることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。そして、フレームユニット415に透光性を有したフレームサイドレンズ417を備えると共に、フレームサイドレンズ417と隣接するように操作ボタン410(ボタンレンズ411)の外縁に透光性を有した第二ボタン装飾部411bを備え、フレームサイドレンズ417と第二ボタン装飾部411bの後側でユニットベース431(第二ベースユニット450)に取付けられた操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に第二ボタン装飾部411bを発光装飾させるための第一LED422a,423aと、フレームサイドレンズ417を発光装飾させるための第二LED422b,423bと、を備えた上で、フレームサイドレンズ417と第二ボタン装飾部411bとの間を仕切るフレーム本体416の内側筒部416dと、第二ボタン装飾部411bとボタンレンズ411の中央側とを仕切るボタンベース413の本体部413a及び内側延出部413fとを備えるようにしているため、内側筒部416dと本体部413a及び内側延出部413fとにより、第一LED422a,423aからの光がフレームサイドレンズ417やボタンレンズ411の中央側を照らしたり、第二LED422b,423bからの光が第二ボタン装飾部411bを照らしたりするのを防止することができ、隣接しているフレームサイドレンズ417と第二ボタン装飾部411bとを夫々独立させて発光装飾させることができる。従って、フレームサイドレンズ417や第二ボタン装飾部411bを、夫々くっきりと発光装飾させることができ、見栄えの良い発光演出を行うことができる。また、隣接しているフレームサイドレンズ417と第二ボタン装飾部411bとに対して、消灯、点灯、点滅、明るさ、色、等を適宜組合せることで、多彩なパターンの発光演出を行うことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bを発光装飾させる第一LED422a,423aと、フレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させる第二LED422b,423bとを、一つの操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に備え、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423をユニットベース431(第二ベースユニット450)に取付けているため、第二ボタン装飾部411b(操作ボタン410)に基板を備えた場合と比較して、第二ボタン装飾部411bから第一LED422a,423aを可及的に遠ざけることができ、第一LED422a,423aからの光を十分に拡散させた状態で第二ボタン装飾部411bに照射させることができる。従って、第二ボタン装飾部411bを均一に発光装飾させることができるため、第二ボタン装飾部411bやフレームサイドレンズ417の発光装飾の見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
更に、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423を、ユニットベース431(第二ベースユニット450)に取付けているため、操作ボタン410の進退に伴って操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に接続されている配線が屈曲したり伸展したりすることはなく、疲労による配線の断線を無くすことができる。従って、操作ボタン410(第二ボタン装飾部411b)を可動させても、配線が断線することはないため、操作ボタン410の可動(操作)や、フレームサイドレンズ417及び第二ボタン装飾部411bの発光装飾を、問題なく遊技者に楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410の透明なボタンレンズ411の外縁に第二ボタン装飾部411bが備えられていることから、透明なボタンレンズ411を通して後方の操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を見た時に、操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)の外縁を第二ボタン装飾部411bが装飾している状態となり、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。そして、第一LED422a,423aや第二LED422b,423bを適宜発光させることで、後方に操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)が見える透明なボタンレンズ411の外縁を装飾している第二ボタン装飾部411bやフレームサイドレンズ417を、上述したように、様々なパターンで発光装飾させることができるため、遊技者の関心を操作ボタン410や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)に強く引付けさせることができ、発光演出や操作ボタン410の操作、及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)による演出画像等を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、外縁に第二ボタン装飾部411bが備えられたボタンレンズ411(操作ボタン410)を、遊技者によって操作可能としているため、遊技者参加型演出の実行中に、操作ボタン410を遊技者に操作させるようにすることで、遊技者に対して操作ボタン410の操作(遊技者参加型演出)を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。そして、遊技者参加型演出の実行時に、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bやフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させることで、遊技者の関心を操作ボタン410に引付けることができるため、遊技者に対して操作ボタン410の操作を促すことができ、遊技者を遊技者参加型演出に参加させて楽しませることができる。
更に、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを第一LED422a,423aによって発光装飾可能としている不透光性の本体部413a及び内側延出部413fを備えていため、操作ボタン410における第二ボタン装飾部411bよりも中央側の部位が第一LED422a,423aによって発光装飾させられる(照らされる)ことはなく、操作ボタン410(ボタンレンズ411)の中央側が明るくなることで後方に配置されている操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)が前方から見辛くなるのを防止することができる。従って、第二ボタン装飾部411bを良好な状態で発光装飾させることができると共に、透明なボタンレンズ411を通して後方の操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を良好な状態で視認させることができ、遊技者に対して装飾や発光演出等を十分に楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、内側筒部416dを、フレームサイドレンズ417を備えたフレームユニット415の後側から延びるようにしているため、フレームユニット415の後側では、フレームサイドレンズ417と操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bとの間を内側筒部416dによって完全に仕切ることができる。一方、内側筒部416dにおける操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に近い側の端部(後端部)では、第一LED422a,423aや第二LED422b,423bからの光が拡散範囲よりも内側筒部416dの後端が、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に近い側に位置しているため、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423の前面との間に隙間が形成されていても、第一LED422a,423aからの光がフレームサイドレンズ417を照らしたり、第二LED422b423bからの光が第二ボタン装飾部411bを照らしたりすることはない。従って、内側筒部416dによって光を確実に遮ることができ、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を具現化することができる。
また、ボタンベース413の本体部413a及び内側延出部413fを、操作ボタン410(ボタンレンズ411)の後側から延びるようにしているため、操作ボタン410の後側では、第二ボタン装飾部411bとボタンレンズ411の中央側との間を、本体部413a及び内側延出部413fによって完全に仕切ることができる。一方、本体部413aにおける操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に近い側の端部(後端部)では、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423よりも後方へ延びているため、第一LED422a,423aからの光が本体部413aの後端を潜ることはなく、操作ボタン410のボタンレンズ411の中央側への光の浸入を完全に遮断することができる。従って、第一LED422a,423aによって第二ボタン装飾部411bを良好な状態で発光装飾させることができると共に、透明なボタンレンズ411を通して後方の操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を良好な状態で視認させることができ、遊技者に対して装飾や発光演出等を十分に楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、前方から見た時に、操作ボタン410(ボタンレンズ411)の後方に配置された操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)の外側の部位の前方に第二ボタン装飾部411bが位置することとなるため、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)との間の隙間から、操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)の外側にあるの部材や後側(奥側)を第二ボタン装飾部411bによって見え難くすることができ、操作ボタン410の見栄えの悪化を防止することができる。また、この際に、第一LED422a,423aによって第二ボタン装飾部411bを発光装飾させると、第二ボタン装飾部411bの明るさに対して、操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)の外側や後側が相対的に暗くなるため、操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460A)の外側や後側にある部材を見え難くすることができる。従って、操作ボタン410、フレームユニット415、操作ボタン内装飾部材432及び扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)、等の見栄えをより向上させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410の外周形状を円形状としているため、操作ボタン410(ボタンレンズ411)の外縁に備えられている第二ボタン装飾部411bと、第二ボタン装飾部411bに隣接しているフレームサイドレンズ417が、円弧状に延びた形態となる。従って、第一LED422a,423aや第二LED422b,423bを適宜発光させることで、操作ボタン410の外縁を光がグルグル回るような発光演出や、操作ボタン410の内側から外側へ光が広がるような発光演出や、操作ボタン410の外側から内側へ光が収束するような発光演出、等を遊技者に見せることができるため、多彩な発光演出によって遊技者を飽き難くさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、扉枠3における皿ユニット320の皿ユニットカバー326に、貯留されている遊技球が遊技領域5a内に打込まれて遊技に用いられる上皿321を取付けると共に、上皿321の前側且つ下方に演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を着脱可能に取付けて演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に所定広さの取付空間326jの残りの空間を形成し、その取付空間326jの残りの空間の左側に下皿本体325における下皿第一領域A1に対応する部位を配置すると共に、その部位から取付空間326jの残りの空間内に下皿本体325における下皿第二領域A2に対応する部位を延出させて遊技球を貯留可能な下皿322を取付けるようにしているため、前方から見た時に下皿322が小さく見えることとなり、下皿322を目立ち難くすることができ、相対的に演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立ち易くすることができる。従って、本パチンコ機1を前方から見た時に、従来のパチンコ機では上皿と下皿とが上下に並んで見えていた位置に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が見えるため、遊技者に対して一見しただけで従来のパチンコ機とは異なっていることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、下皿322の下皿本体325における下皿第二領域A2の部位において、外周から上方へ延出した本体立壁部325bの上端から上方へ延出し、取付空間326jの残りの空間側への遊技球の移動を規制する下皿カバー340,340Aを備えているため、下皿322内の遊技球が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に接触するのを阻止することができ、下皿322内に供給された遊技球や下皿322に貯留されている遊技球が、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に当接したり押圧したりするのを防止することができる。従って、遊技球が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に当接することはなく、遊技球によって演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側が破損することはないため、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の破損により遊技が中断することで遊技者の興趣を低下させてしまうのを防止することができると共に、本パチンコ機1を設置している遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
また、下皿322の下皿本体325における下皿第二領域A2の部位に、本体立壁部325bと取付空間326jの残りの空間側へ遊技球が移動するのを規制する下皿カバー340,340Aとを備えているため、遊技球が下皿本体325から取付空間326jの残りの空間内へ侵入する(こぼれる)のを防止することがでる。従って、遊技球が取付空間326jの残りの空間内に侵入することで、遊技者が損した気分になったり、不快な気分になったりするのを防止することができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿カバー340,340Aによって、下皿322における下皿本体325の下皿第二領域A2の部位を覆っているため、下皿322内に供給され遊技球が、下皿322内で跳ねて飛び上がっても、取付空間326jの残りの空間側へ侵入するのを確実に防止することができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、下皿カバー340,340Aによって下皿本体325の下皿第二領域A2の部位を覆っていることから、遊技者が、下皿本体325の下皿第一領域A1側(下皿開口部326d)から下皿第二領域A2の部位内に手を入れた時に、下皿カバー340,340Aにより指先等が取付空間326jの残りの空間側へ侵入するのを規制することができるため、指先等が上皿321の下面や演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側等に触れて怪我をするのを防止することができ、遊技者に対して安全な状態で遊技させることができる。
更に、下皿カバー340,340Aと演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)との間に隙間を有しているため、下皿カバー340,340Aに遊技球の当接による衝撃や圧力等が作用しても、下皿カバー340,340Aから演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)へ伝達されることはなく、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の破損を確実に防止することができる。
また、下皿322の下皿本体325における下皿第二領域A2の部位において、下皿球供給口323cの前方に下皿球抜き孔322aを備えているため、下皿球抜き孔322aが開いている状態では、下皿球供給口323cから放出された遊技球をそのまま下皿球抜き孔322aに進入させて下方(ドル箱)へ排出させることができ、遊技球を下皿本体325の本体立壁部325bの前端側に到達し難くすることができる。たとえ、遊技球が下皿球抜き孔322aを飛び越えたとしても、上述したように下皿カバー340,340Aを備えていることから、遊技球が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に当接するのを阻止することができるため、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の破損を防止することができ、遊技の中断を低減させて遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322の前端付近の下皿本体325の底壁部325aが、前方へ向かうほど高くなっているため、下皿本体325の本体立壁部325bの前端側へ向かう遊技球が、傾斜した底面を登ることとなり、遊技球の移動速度を減衰させることができる。従って、下皿カバー340,340Aに当接する遊技球の速度を遅くすることができるため、下皿カバー340,340Aによって遊技球が取付空間326jの残りの空間側へ移動するのを確実に規制することができると共に、遊技球が下皿カバー340,340Aや本体立壁部325bに当接した時の衝撃を小さくしてそれらが破損するのを抑制させることができる。
また、少なくとも下皿カバー340,340Aを別部材としているため、下皿カバー340,340Aが破損した時に、下皿カバー340,340Aを交換するだけで、容易に修復することができ、本パチンコ機1を設置している遊技ホール側の負担の増加を軽減させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、一般入賞口2001等に遊技球を受入させるような遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの下方に、前面の左右方向中央が最も前方へ膨出した皿ユニット320の皿ユニットカバー326に備えた上で、その最も前方へ膨出した部位に演出操作ユニット400や第二演出操作ユニット400A着脱可能に取付けると共に、皿ユニットカバー326に上皿321と下皿322とからなる遊技球を貯留可能な貯留皿を備え、貯留皿(上皿321及び下皿322)に、正面視において演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の外方に位置する下皿第一領域A1と正面視において演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方となる取付空間326jの後部の空間内に位置する下皿第二領域A2とを有するようにしているため、前方から見た時に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立たせることができると共に、貯留皿(上皿321及び下皿322)を小さく見せて目立ち難くすることができる。従って、従来のパチンコ機では上皿と下皿とが見えていた部位に目立つ演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が見えるため、遊技者に対して従来のパチンコ機とは異なる遊技機であることを一見して認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、皿ユニットカバー326の前面の左右方向中央に演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が取付けられていることから、皿ユニットカバー326の表面における下皿322が開口している部位が小さくなるが、正面視において演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方となる取付空間326jの後部の空間内に位置する下皿第二領域A2を有した下皿本体325の第一増設部325B、第二増設部325C、及び下皿カバー340,340Aを、備えているため、下皿322における前方から見えない範囲(下皿第二領域A2)にも遊技球を貯留することができる。従って、前方からの見た目に反して遊技球の貯留量を十分に確保することができるため、遊技者に対して、下皿322内における遊技球の残量を気にさせることなく遊技に専念させることができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、下皿第一領域A1を有している下皿本体325や本体部325Aに、下皿第二領域A2を有している下皿カバー340,340Aや第一増設部325B及び第二増設部325Cを取付けて(組合せて)下皿322を構成しているため、予め大きさの異なる複数の下皿カバー340,340Aや第一増設部325B及び第二増設部325C等を用意しておき、パチンコ機1のコンセプトや皿ユニットカバー326内の取付空間326jの広さ等に応じた大きさの下皿カバー340,340Aや第一増設部325B及び第二増設部325Cを取付けることで、下皿322の容積を最適なものとすることができる。また、上述したように、下皿カバー340,340Aや第一増設部325B及び第二増設部325Cを組替える(取替える)ことで、取付空間326jの後部の空間の広さに対応させることができ、この後部の空間の広さが演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方への突出量に依存していることから、後方の突出量の異なる様々な演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)に対応可能な下皿322とすることができ、パチンコ機1の汎用性を高めることができる。
また、下皿322に、底壁部325aと、底壁部325aの外周端から立上った本体立壁部325bとを備えているため、下皿322が下方へ窪んだ容器状となり、遊技球を確実に貯留させることができる。また、下皿カバー340,340Aに、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から立上ったカバー立壁部340aを有しているため、予め様々な形状の下皿カバー340,340Aを用意しておき、パチンコ機1のコンセプトや取付空間326jの後部の空間の広さ(形状)等に応じた形状の下皿カバー340,340Aを組合せる(取付ける)ことで、様々な形態に対応させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、下皿本体325と下皿カバー340,340Aとで構成されている下皿322において、下皿本体325の本体立壁部325bの上端に下皿カバー340,340Aを組合せて(取付けて)いることから、下皿322における遊技球が載置される部位が下皿本体325となるため、貯留により多くの遊技球の荷重がかかる部位に、下皿本体325と下皿カバー340,340Aとの境界(繋ぎ目、分割線PL)が位置することはない。従って、貯留された遊技球の荷重を下皿本体325でのみ受けることとなるため、多くの遊技球を貯留させても下皿本体325から下皿カバー340,340Aが引離されるような力が作用することはなく、下皿本体325から下皿カバー340,340Aが外れるのを防止することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、一般入賞口2001等に遊技球を受入させるような遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの下方且つ前方に、遊技球を貯留可能な上皿321と下皿322とを備えていると共に、左右方向中央に配置された演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって下皿322内の下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとを含む下皿322の半分以上を前方(遊技者)から視認困難としている(見え難くしている)ため、パチンコ機1の外観をすっきりさせて見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。また、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ向かう遊技球を視認困難としているため、遊技者に対して下皿322内における遊技球の流れに気付かせ難くして気が散るのを防止することができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって、下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ遊技球を誘導する下皿322における底面の下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとの間の部位、球誘導部322c及び緩衝部322d等の誘導手段により誘導されている遊技球を視認困難としているため、下皿球抜き孔322aを開いたままの状態とすると、下皿球供給口323cから下皿322に供給された遊技球が、誘導手段に誘導されてスムーズ(即座)に下皿球抜き孔322aから下方へ排出されることとなり、遊技者に対して下皿322を通ることなく遊技球が下皿322の下方(ドル箱)へ排出されているように錯覚させることができる。これにより、遊技者に対して、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322a等を含む下皿322の半分以上を前方から視認困難としていることから、蓋然的に、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322a等が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に位置している。つまり、下皿322の半分以上を、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込ませるようにしているため、前方から見える下皿322の大きさに対して、実際の下皿322の大きさ(容量)が大きくなっているため、見た目に比べて下皿322内における遊技球の貯留量を十分に確保することができる。
また、下皿球抜き孔322aが開いている状態では、下皿球供給口323cから下皿322内に放出された遊技球を、下皿322における底面の下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとの間の部位、球誘導部322c及び緩衝部322d等の誘導手段によって下皿球抜き孔322aへスムーズに誘導して下皿322の下方(ドル箱)へ排出させることができるため、遊技球が下皿322内を回るように流通するのを防止することができ、下皿322内を流通する遊技球を前方(遊技者)から確実に視認困難な状態とすることができる。従って、遊技者に対して下皿322内における遊技球の流れに気付かせ難くすることができ、遊技者の気が散るのを防止して遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、下皿球抜き孔322aを開いたままの状態とすると、下皿球供給口323cから下皿322に供給された遊技球を、球誘導部322c等によって遊技者に気付かせることなく即座に下皿球抜き孔322aから下方へ排出させることができるため、遊技者に対して下皿322を通ることなく遊技球が下皿322の下方(ドル箱)へ排出されているように錯覚させることができる。これにより、遊技者に対して、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)によって、下皿322の平面視における遊技球の貯留領域(貯留面積)の半分以上を前方から視認困難としていることから、前方から見える下皿322の大きさに対して、実際の下皿322は、見える大きさの倍以上あるため、従来のパチンコ機の下皿と同様に、遊技球の貯留量を十分に確保することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、一般入賞口2001等に遊技球を受入させるような遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの正面視下方で前方へ膨出している扉枠3の皿ユニット320における皿ユニットカバー326の前面の左右方向中央に、皿ユニットカバー326の全高と同じ高さの大型の演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けるための演出操作ユニット取付部326aを備えていると共に、皿ユニットカバー326の前面における演出操作ユニット取付部326aの左右両側で上下方向略中央よりも下側の皿前下装飾部326cを、後方へ抉れるように凹んだ形状としているため、演出操作ユニット取付部326aに取付けられた演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が、前方へ大きく突出しているように見せることができ、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立たせることができる。従って、従来のパチンコ機において上皿と下皿とが上下に並んで見えていた位置に、大型の演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が強調された状態で見えるため、遊技者に対して一見しただけで従来のパチンコ機とは異なっていることを認識させることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。そして、皿ユニットカバー326の前面における演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の左右両外側で後方へ凹んでいる皿前下装飾部326cから、下皿322を後方へ窪ませていると共に一部を演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込ませており、下皿322内における遊技球の貯留量(下皿322の容積)を十分に確保することができるため、下皿322が遊技球で満杯になるのを気にしながら遊技しなくても良く、遊技者を遊技に専念させることができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322の一部が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込んでいるため、遊技者が前方から下皿322内に手を入れた時に、指先が下皿322の後壁(皿ユニットベース323の前面)や下皿カバー340等に触れ難くすることができる。これにより、遊技者に対して触覚でも遊技球の貯留量が十分に確保されていることを認識させることができると共に、下皿322内に遊技球が貯留されている状態では、下皿322内に多くの遊技球が貯留されていることを認識できるため、遊技者に対して満足感を付与させることができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。また、下皿322に入れた手の指先が、下皿322の後壁や下皿カバー340等に触れ難いことから、遊技者に対して従来のパチンコ機における下皿と同じような感覚を与えることができるため、従来のパチンコ機に慣れた遊技者に対して、違和感を与えてしまうのを低減させることができ、遊技者を安心させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、下皿322を、奥側(後方)へ行くほど広くなるように形成しているため、前側が小さくても、遊技球の貯留量を十分に確保することができる。換言すると、下皿322の前端側の部位を小さくしているため、下皿322が開口している皿ユニットカバー326の前面(皿前下装飾部326c)において、下皿322を目立ち難くすることができ、相対的に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を目立ち易くすることができる。従って、下皿322における遊技球の貯留量を十分に確保しつつ演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を備えることができ、遊技者に対する訴求力を高めることができると共に、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322における演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に回り込んでいる部位の側方及び上方を下皿カバー340で覆っているため、遊技者が下皿322内に手を入れた時に、指先等が皿ユニットカバー326の内面や演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後面等に触れて怪我をするのを防止することができ、遊技者に対して安全な状態で遊技させることができる。また、下皿カバー340により、下皿322から皿ユニットカバー326内へ遊技球が侵入する(こぼれる)のを防止することができる。
更に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を、皿ユニットカバー326の前面の左右方向中央に配置しているため、遊技者側から演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)をより目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)による装飾を見え易くするとことができ、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の装飾や演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、下皿322に、上皿321と連通可能な下皿球供給口323cと、開閉可能に上下へ貫通している下皿球抜き孔322aと、を備えていることから、従来のパチンコ機における下皿と同じ機能を有しているため、従来のパチンコ機に慣れた遊技者が、本パチンコ機1で遊技した時に、下皿322の機能に対して戸惑うことはなく、従来と同じような感じで遊技を行うことができ、遊技者を遊技に専念させて遊技を楽しませることができる。また、下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとを演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方に夫々配置しているため、正面から見ると下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとが、遊技者側から見えず、パチンコ機1の外観をすっきりさせて見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、扉枠3における遊技領域5aが臨むの扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の貫通口111の下側で、前方に膨出している皿ユニット320の皿ユニットカバー326に取付けられている演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)のベースユニット430(第二ベースユニット450)に、遊技者に演出を提示可能な扉枠側演出表示装置460の外側を装飾している操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470)を取付けると共に、操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の外周を囲むように外径が約15cmで中央がベースユニット430(第二ベースユニット450)から遠ざかる方向(外方)へ膨出している透明なボタンレンズ411を有した操作ボタン410を取付け、ボタンレンズ411の外周縁に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412を備えていると共に、ボタンレンズ411側からベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ突出している筒状のボタンベース413を備えているため、第一ボタン装飾部411aやボタンベース413等によってボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン内装飾部材432(扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470)の外縁や奥側(後側)等が見えるのを低減させることができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。従って、操作ボタン410や内部に備えられた操作ボタン内装飾部材432や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)等の見栄えをより向上させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410における第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、ボタンフレーム412、及びボタンベース413によってボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の外縁や奥側等を見え難くすることができることから、操作ボタン410の外径を大きくすることでボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間が相対的に大きくなっても、第一ボタン装飾部411a等によって良好に隠すことができるため、見栄えの悪化を防止しつも、外径が約15cmの大型の操作ボタン410(ボタンレンズ411)を問題なく具現化することができる。従って、操作ボタン410や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を大型化することができるため、本パチンコ機1を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けて訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、ボタンレンズ411側からベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ筒状に突出しているボタンベース413(本体部413a)を備えているため、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の間の隙間を斜めから見た時に、ボタンベース413の内壁によって操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)よりも外側にあるものを遮蔽して見えなくすることができ、操作ボタン410の見栄えをより一層良くすることができる。
また、透明なボタンレンズ411を、ベースユニット430(第二ベースユニット450)から遠ざかる方向(外方)へ膨出した立体形状(半球面体状)としていることから、ボタンレンズ411の外周縁付近の表面が、ボタンベース413の前端側の開口により形成される平面(ベースユニット430(第二ベースユニット450)とボタンレンズ411とが並んでいる方向と直交する平面、つまり、操作ボタン410の進退方向と直交する平面)に対して傾斜している状態となるため、遊技者側から見ると光が屈折し易くなる。従って、外周縁に備えられている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412とボタンベース413とを合せて、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)の外縁や奥側等を見え難くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、ボタンレンズ411を外方へ膨出した立体形状に形成していることから、操作ボタン410内の容積が大きくなるため、操作ボタン410内に配置される操作ボタン内装飾部材432や扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を、より大きくしたり可動させ易くしたりすることが可能となり、操作ボタン410内により遊技者を楽しませられる扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を備え易くすることができ、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1を具現化することができる。
更に、ボタンレンズ411を立体形状に形成しているため、操作ボタン410に意匠性(装飾性)が付与されることとなるため、本パチンコ機1において操作ボタン410を目立たせて遊技者の関心を向けさせることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、ボタンレンズ411の外周縁に備えられている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412において、ボタンフレーム412を不透明としているため、ボタンフレーム412の部位では、ボタンレンズ411と操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間から操作ボタン410や操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)等の奥側が見えるのを確実に隠すことができ、操作ボタン410等の見栄えの悪化を低減させて見栄えを良くすることができる。
また、ボタンレンズ411の外周端から内側へ所定幅で全周に亘って不透明なボタンフレーム412を備えており、第一ボタン装飾部411a及び第二ボタン装飾部411bと協働して、遊技者側から操作ボタン410におけるボタンベース413の本体部413aと操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間を見え難くすることができるため、本体部413aと操作ボタン内装飾部材432(スクリーンユニット470)との間の隙間を大きくすることが可能となり、その分、操作ボタン410や扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470が動くスペースを確保し易くすることができ、それらを良好に可動させることができる。
更に、ボタンレンズ411の外周を円筒状としているため、多角形状とした場合と比較して、外周に方向性が無くなることから操作ボタン410をスムーズに可動させ易くすることができる。従って、操作ボタン410を大型化しても問題なく押圧操作することができ、遊技者に対して操作ボタン410を用いる遊技者参加型演出を確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作ボタン410を大型化していることから、遊技者に対して操作ボタン410を操作させる遊技者参加型演出を実行した時に、操作ボタン410の位置を確認しながら操作しなくても容易に操作ボタン410に触れて押圧操作させ易くすることができるため、遊技者に対して操作ボタン410を用いた遊技者参加型演出に参加させ易くすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、操作ボタン410内に扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を備えているため、遊技状態に応じて演出画像を提示することで、遊技者の関心を操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)に強く引付けさせることができ、扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)による演出を楽しませることができると共に、扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)による演出画像や発光演出等により遊技者に対して操作ボタン410の操作を促すことができ、遊技者参加型演出に遊技者を積極的に参加させて楽しませることで興趣の低下を抑制させることができる。また、操作ボタン410内で演出が実行されることで、遊技者によっては何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、大型の操作ボタン410の透明なボタンレンズ411(第一ボタン装飾部411aよりも内側の部位)を通して扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を視認することができるため、遊技者に対して本パチンコ機1の操作ボタン410が、従来のパチンコ機の操作ボタンとは明らかに異なるものであることを即座に認識させることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、遊技者の操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460(扉枠側第二演出表示装置460A)を用いた演出に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施形態では、操作ボタン410におけるボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周側となる部位に第一ボタン装飾部411aを形成したものを示したが、これに限定するものではなく、第一ボタン装飾部411aが形成されていないボタンレンズ411しても良い。
また、上記の実施形態では、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の外周縁に不透明なボタンフレーム412を取付けたものを示したが、これに限定するものではなく、ボタンフレーム412を取付けずに、ボタンレンズ411におけるボタンフレーム412と対応する部位に、全周に亘って後側を隠すための装飾部を形成するようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、操作ボタン410において、ボタンレンズ411の外周縁から操作ボタン内装飾部材432や扉枠側第二演出表示装置460Aの外周の全周を囲むようにベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ筒状に突出したボタンベース413(本体部413a)を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、操作ボタン内装飾部材432や扉枠側第二演出表示装置460Aの外周の全周に対して一部のみ囲むように少なくとも一つベースユニット430(第二ベースユニット450)側へ突出したものであっても良い。このボタンベース413の形状としては、ボタンレンズ411の外周に沿った形状としても良いし、ボタンレンズ411の外周に沿っていない形状としても良い。ボタンベース413は、少なくとも内壁側に装飾(シールの貼付けや印刷等による平面的な装飾、レリーフ等の凹凸による立体的な装飾)を有していても良い。更に、ボタンベース413は、透光性であっても良いし、不透光性であっても良い。また、ボタンベース413は、有色であっても良いし、無色透明であっても良い。また、ボタンベース413を透明とした場合、内壁側又は外壁側の少なくとも一方に、シボ、スリット、プリズム、等の光拡散加工を施すことが望ましい。
また、上記の実施形態では、下皿322が、皿ユニットカバー326の前面における演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の左外側の部位からのみ後方へ窪んだ例を示したが、これに限定するものではなく、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の左右両側から後方へ窪み、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方において互いに繋がっているような下皿322としても良いし、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の右外側の部位からのみ後方へ窪み、一部が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方へ回り込んでいるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、皿ユニットカバー326の前面における下皿322が後方へ窪んでいる部位(皿前下装飾部326c)の形状(下皿322の前端の形状)を、後方へ湾曲面状に凹んだ例を示したが、これに限定するものではなく、多角柱面状、或いは、多面体状に凹んだ前面としても良い。
また、上記の実施形態では、皿ユニットカバー326の前面に演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けた例を示したが、これに限定するものではなく、「操作ダイヤル、タッチパネル等の操作装置を備えたもの」、「表面に装飾を有した回転体を備えたもの」、「装飾を有した装飾体と、装飾体を可動させる可動装置と、を備えたもの」、「遊技機のコンセプトに沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴ、及びシーン(ジオラマ)等を立体的に模した装飾体を備えたもの」、「遊技機のコンセプトに沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴや、所定の模様、等の装飾がシールや印刷等によって施されたもの」、等を備えたユニット或いはパネル等の部材を取付けても良い。また、取付空間326j(演出操作ユニット取付部326a)に取付けられる部材は、一つである必要はなく、複数(二つ以上)の部材を取付けても良い。例えば、取付空間326jの上半分に取付けられる部材と、取付空間326jの下半分に取付けられる部材とのように、別々の部材を取付けるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、皿ユニットカバー326に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けるための前方へ開口した演出操作ユニット取付部326aを形成したものを示したが、これに限定するものではなく、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を取付けるための開口(演出操作ユニット取付部326a)を有していない皿ユニットカバー(例えば、パネル状のカバー部)とし、皿ユニットカバーの後方に、取付空間326j(或いは、取付空間326jの残りの空間)に相当する空間を形成する構成としても良い。なお、このような皿ユニットカバーの前面には、遊技機のコンセプトに沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴ、所定の模様、等の装飾を、シール、印刷、装飾部材の取付け、等によって施すことが望ましい。
更に、上記の実施形態では、下皿322の平面視における遊技球の貯留領域(貯留面積)の半分よりも若干大きい領域を、被覆部としての演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)により前方から視認困難に被覆する例を示したが、これに限定するものではなく、下皿322における遊技球の貯留領域の半分以下の領域を前方から視認困難とするようにしても良いし、下皿322の全体を前方から視認困難とするようにしても良い。
また、上記の実施形態では、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411b、及びフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を、周方向に対して部分的に備えた円弧状のものを示したが、これに限定するものではなく、第二ボタン装飾部411bやフレームサイドレンズ417が全周に亘って延びた円環状のものとしても良い。
また、上記の実施形態では、演出操作ユニット400における操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gとして、中央を中心とした同心円状の複数の多角形を有した装飾を示したが、これに限定するものではなく、第二ボタン内装飾部432gとして、中央を中心とした同心円状の複数の円形(楕円形を含む)を有した装飾としても良い。
更に、上記の実施形態では、操作ボタン410の透明なボタンレンズ411(前部材)を通して、後側に配置された操作ボタン内装飾部材432や扉枠側演出表示装置460、扉枠側第二演出表示装置460A等の後部材が常に視認できるようにしたものを示したが、これに限定するものではなく、前後(又は上下)に配置された、前部材及び後部材の少なくとも一方を、所定条件の充足により後側が視認可能となる可変光透過手段を有した構成としても良い。ここで、可変光透過手段としては、「マジックミラーのように、前側と後側の明るさの違いにより後側が視認可能となるもの」、「液晶フィルムのように、電源のON/OFFにより透明となったり不透明となったりして後側が視認可能となるもの」、等が挙げられる。なお、前部材と後部材とは、相対的に移動可能としても良いし、相対的に移動できないようにしても良い。
前部材及び後部材の少なくとも一方に可変光透過手段を有するようにすることで、通常の状態では、前部材のみが、或いは、前部材と後部材とが、視認可能な状態となっており、視認可能な部材の装飾を遊技者に見せることができる。そして、特別な状態では、所定条件を充足させることで、通常の状態では見えなかった後側の部材(後部材、或いは、後部材の後側に配置されている部材)が見えることで、前部材と後部材が、或いは、前部材と後部材と後部材の後側の部材とが、重なった装飾を見せることができる。従って、前部材と後部材とを用いて様々な装飾(装飾演出)を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
具体的に詳述すると、例えば、前部材にマジックミラーのような可変光透過手段を有するようにした場合、通常の状態では、前部材の後側を暗くすることで、前部材の装飾のみを遊技者に視認させることができる。そして、前部材と後部材との間、或いは、後部材の後側、をLED等の発光部の光により明るくすると、前部材における可変光透過手段の充足条件が満たされて、前部材を通して後部材が視認できるようになり、前部材の装飾と後部材の装飾とが重なった装飾を遊技者に見せることができる。
或いは、前部材を透明とし、後部材にマジックミラーのような可変光透過手段を有するようにした場合、通常の状態では、前部材を通して後部材の表面が見えるため、前部材の装飾と後部材の表面とによる装飾を遊技者に見せることができる。そして、後部材の後側を、LED等の発光部の光により明るくすると、後部材における可変光透過手段の充足条件が満たされて、後部材を通して後側が視認できるようになり、前部材及び後部材を通して、後部材の後側の部材(例えば、表示装置、キャラクタ等の装飾体)を遊技者に見せることができる。
更には、前部材と後部材の両方に、マジックミラーのような可変光透過手段を有するようにした場合、通常の状態では、前部材の装飾のみを遊技者に見せることができ、前部材と後部材との間を、LED等の発光部の光により明るくすると、前部材における可変光透過手段の充足条件が満たされて、前部材を通して後部材の表面が視認できるようになり、前部材と後部材とによる装飾を遊技者に見せることができる。一方、後部材の後側を、LED等の発光部の光により明るくする(或いは、前部材と後部材との間と後部材の後側とを同時に、LED等の発光部の光により明るくする)と、前部材及び後部材における夫々の可変光透過手段の充足条件が夫々満たされて、前部材及び後部材を通して、後部材の後側の部材(例えば、表示装置、キャラクタ等の装飾体)を遊技者に見せることができる。これにより、発光部の光により明るくする部位を適宜選択することで、視認可能となる範囲を多段階に変化させることができ、多彩な装飾を遊技者に楽しませることができる。
なお、上記の具体例では、可変光透過手段を、マジックミラーのようなものとしていることから、後側を暗くしている状態では、鏡のように見えるため、前部材や後部材の表面においてキラキラした装飾を遊技者に見せることができる。
また、上記の具体例では、可変光透過手段を、マジックミラーのようなものとして説明したが、液晶フィルムのようなものとした場合でも、同様の作用効果を奏することができる。また、液晶フィルムのようなものを可変光透過手段とした場合、不透明な状態でも光を透過させることができる(透光性を有している)ため、前部材と後部材との間や後部材の後側を、LED等の発光部の光により明るくさせる(又は、発光装飾させる)ことができるようにすれば、より多彩な発光演出や装飾演出等の演出を遊技者に見せることができる。
[7.主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図123〜図128を参照して説明する。図123は主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図であり、図124は図123のつづきを示すブロック図であり、図125は主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図であり、図126は図123のつづきを示すブロック図であり、図127は周辺制御MPUの概略を示すブロック図であり、図128は液晶表示制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図である。
パチンコ機1は、その制御構成として、図123に示すように、制御用電源(例えば、+5Vなど)の生成処理のほか、賞球の払出しを含めた遊技に関する制御を行う第1制御部MCGと、該第1制御部MCGによって進行される遊技に関する演出を行う第2制御部SCGとを備えている。
より具体的には、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、複数の基板を用意することにより各種制御が分担される構造を採用しており、上記第1制御部MCGとして、主制御基板1310、払出制御基板951、及び電源基板931を備えており、上記第2制御部SCGとして、周辺制御基板1510を備えている。以下、この実施の形態にかかるパチンコ機1の制御構成を説明するにあたり、まず、主制御基板1310、払出制御基板951、電源基板931の順に上記第1制御部MCGについて説明し、その後、上記第2制御部SCG(周辺制御基板1510)について説明する。
[7−1.主制御基板]
上記第1制御部MCGのうち、遊技の進行を制御する主制御基板1310は、図123に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに遊技動作を制御するメイン制御プログラムなどの各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための主制御出力回路1310cと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路1310dと、予め定めた電圧の停電又は瞬停の兆候を監視する停電監視回路1310eと、を主として備えている。
主制御MPU1310aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ1310af(以下、「主制御内蔵WDT1310af」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU1310aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路1310an(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路1310an」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値32767という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されておらず(つまり、初期値が固定されておらず)、主制御MPU1310aがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(後述する主制御水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路1310anが繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路1310bは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路1310cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き主制御出力回路1310caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし主制御出力回路1310cbと、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路1310caは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路1310caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし主制御出力回路1310cbは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路1310cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
図114に示した、第一始動口2002に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ4002、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ4004、及び一般入賞口2001に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ4020からの検出信号や停電監視回路1310eからの信号は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。また、図114に示した、ゲート部2003を通過した遊技球を検出するゲートセンサ4003、大入賞口2005に入球した遊技球を検出するカウントセンサ4005、及び図9に示した裏ユニット3000に取り付けられて磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出センサ4024からの検出信号は、遊技盤5に取り付けられたパネル中継基板4161、そして主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU1310aは、これらの各スイッチからの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから主制御ソレノイド駆動回路1310dに制御信号を出力し、主制御ソレノイド駆動回路1310dからパネル中継基板4161を介して始動口ソレノイド2107及びアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caからパネル中継基板4161、そして機能表示ユニット1400を介して第一特別図柄表示器1403、第二特別図柄表示器1405、第一特別保留数表示器1404、第二特別保留数表示器1406、普通図柄表示器1402、状態表示器1401、及びラウンド表示器1407に駆動信号を出力したりする。
また、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから払出制御基板951に遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから停電監視回路1310eに信号(停電クリア信号)を出力したりする。
なお、本実施形態において、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、ゲートセンサ4003、及びカウントセンサ4005には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ4020,4020には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球するし、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ4003による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ4003には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2005が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントセンサ4005による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントセンサ4005にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2001,2201には、一般入賞口センサ4020,4020による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ4020,4020には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路1310cbに払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板951に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。払出制御基板951は、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板1310に出力する。この信号(払主ACK信号)が主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、払出制御基板951からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路1310bで受信することにより、主制御入力回路1310bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。主制御MPU1310aは、払出制御基板951からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力し、リセット機能付き主制御出力回路1310caから払出制御基板951に信号(主払ACK信号)を出力する。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路1310cbに遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路1310cbから周辺制御基板1510に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
ここで、周辺制御基板1510へ各種コマンドをシリアルデータとして送信する主周シリアル送信ポートについて簡単に説明する。主制御MPU1310aは、主制御CPUコア1310aaを中心として構成されており、主制御内蔵RAMのほかに、主制御各種シリアルI/Oポートの1つである主周シリアル送信ポート1310ae等がバス1310ahを介して回路接続されている(図133を参照)。主周シリアル送信ポート1310aeは、周辺制御基板1510へ各種コマンドを主周シリアルデータとして送信するものであり、送信シフトレジスタ1310aea、送信バッファレジスタ1310aeb、シリアル管理部1310aec等を主として構成されている(図133を参照)。主制御CPUコア1310aaは、コマンドを送信バッファレジスタ1310aebにセットして送信開始信号をシリアル管理部1310aecに出力すると、このシリアル管理部1310aecが送信バッファレジスタ1310aebにセットされたコマンドを送信バッファレジスタ1310aebから送信シフトレジスタ1310aeaに転送して主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信開始する。本実施形態では、送信バッファレジスタ1310aebの記憶容量として32バイトを有している。主制御CPUコア1310aaは、送信バッファレジスタ1310aebに複数のコマンドをセットした後にシリアル管理部1310aecに送信開始信号を出力することによって複数のコマンドを連続的に周辺制御基板1510に送信している。
なお、主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板931は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図129を参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU1310aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。主制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に後述する払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されると、操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)が払出制御基板951から出力され、主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、主制御MPU1310aによって主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[7−2.払出制御基板]
上記第1制御部MCGのうち、遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板951は、図124に示すように、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部952と、各種機能を兼用する操作スイッチ954と、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器860bと、を備えている。また、RAMクリアスイッチとしての機能を兼ね備える操作スイッチ954は、操作されることによって出力された検出信号に基づいて、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号を出力する。
[7−2−1.払出制御部]
払い出しに関する各種制御を行う払出制御部952は、図124に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技媒体の払出動作を制御する払出制御プログラムを含む各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU952aと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路952bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための払出制御出力回路952cと、図103に示した払出装置830の払出モータ834に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路952dと、CRユニット6との各種信号をやり取りするためのCRユニット入出力回路952eと、を備えている。払出制御MPU952aには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御によって、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドをそれぞれ払出制御入力回路952bを介して主払シリアルデータ受信信号としてシリアル方式でシリアルデータを受信する。また、払出制御プログラムは、遊技球の払出動作にエラーが発生したことを契機として枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)を生成したり、エラー解除部としての操作スイッチ954の操作信号(検出信号)に基づいて16ビット(2バイト)のエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)を作成し、これらエラー発生コマンド及びエラー解除ナビコマンドをそれぞれ、払主シリアルデータ送信信号としてシリアル方式のシリアルデータとして、払出制御I/Oポート952bを介して主制御基板1310の受信ポートに対して出力する(コマンド送信手段)。また、この払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、即ち、払出制御部メイン処理が実行されたり払出制御部タイマ割り込み処理が実行されて払出制御が開始された後に、その払出動作に関してエラーが発生した場合、操作スイッチ954の操作に伴って発生した検出信号に基づいて当該エラーを解除するとともに当該エラーに応じた警告情報の出力などを停止させる(エラー解除制御手段)。
また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその開放操作に伴う検出信号(扉枠開放検出信号)が入力されると扉枠開放コマンドの(第1の扉開放コマンド)を出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその開放操作に伴う検出信号(本体枠開放検出信号)が入力されると本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を出力する。一方、また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその閉鎖操作に伴う検出信号(扉枠閉鎖検出信号)が入力されると扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)のを出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその閉鎖操作に伴う検出信号(本体枠閉鎖検出信号)が入力されると本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を出力する。
払出制御入力回路952bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路952bは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、払出制御入力回路952bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路952cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き払出制御出力回路952caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし払出制御出力回路952cbと、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路952caは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路952caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし払出制御出力回路952cbは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路952cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出ユニット800の球誘導ユニット820の供給通路内の遊技球の球切れを検知する球切れ検知センサ827、及び払出装置830の払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842、払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840からの検出信号は、払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。なお、後述の説明上、羽根回転検知センサ840を、この明細書において単に回転検知センサ840ということにする。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、図1に示したファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ279からの検出信号は、まずハンドル中継端子板315、電源基板931、そして払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU952aは、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを、払出制御入力回路952bを介して、そのシリアル入力ポートの入力端子でシリアルデータ方式で受信したり、操作スイッチ954の操作信号(検出信号)を払出制御入力回路952bを介して主制御基板1310に対して出力する。払出制御MPU952aは、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから主制御基板1310に信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU952aは、そのシリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路952cbに送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。主制御基板1310は、払出制御基板951からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板951に出力する。この信号(主払ACK信号)が払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU952aは、その所定の出力ポートの出力端子から、払出モータ834を駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号を払出モータ駆動回路952dに出力し、払出モータ駆動回路952dから駆動信号を払出モータ834に出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器860bに表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したりする。
エラーLED表示器860bは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器860bが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れ検知センサ827からの検出信号に基づいて払出装置830の供給通路内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転検知センサ840からの検出信号に基づいて払出装置830の供給通路と連通する振分空間の入り口において払出回転体と遊技球とがその入り口近傍でかみ合って払出回転体が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「払出検知センサエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ842からの検出信号に基づいて払出検知センサ842に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ279からの検出信号に基づいてファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板951からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中(賞球ストック(未払出)あり)」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
また、払出制御MPU952aは、その所定の出力ポートの出力端子から、実際に払い出した遊技球の球数等をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから図示しない抵抗を介して外部端子板784に実際に払い出した遊技球の球数等を出力したりする。
また、払出制御基板951は、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して外部端子板784に出力している。外部端子板784は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに遊技球の球数等及び各種情報(遊技情報、遊技球の払出動作に関するエラー内容或いはエラーがあった旨)をそれぞれ伝えるようになっている。外部端子板784とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ機1の外部端子板784を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっているし、ホールコンピュータからパチンコ機1の外部端子板784を経由して遊技を進行する主制御基板1310や払出等を制御する払出制御基板951に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数等やパチンコ機1の遊技情報を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
球貸ボタン328からの遊技球の球貸要求信号、及び返却ボタン329からのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主扉中継端子板880、そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板951にシリアル方式で送信し、この信号がCRユニット入出力回路952eを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。また、CRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を球貸返却表示部330に表示するための信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が球貸返却表示部330に入力されるようになっている。また、球貸返却表示部330に隣接するCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの供給電圧が遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されるようになっている。
なお、払出制御基板951に各種電圧を供給する電源基板931は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板951に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図129を参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU952aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶することができるようになっている。払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ954が操作されると、その操作信号が払出制御入力回路952bを介して、払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、払出制御MPU952aは払出制御内蔵RAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号として判断し、これを契機として、払出制御MPU952aによって払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし払出制御出力回路952cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に出力されるようにもなっている。
[7−2−2.遊技球等貸出装置接続端子板との各種信号のやり取り]
ここで、払出制御部952とCRユニット6とにおける各種信号のやり取り、及びCRユニット6と度数表示板365とにおける各種信号のやり取りについて、図125に基づいて説明する。遊技球等貸出装置接続端子板869は、図125に示すように、CRユニット6と払出制御基板951との基板間の電気的な接続を中継するほかに、CRユニット6と度数表示板365との基板間の電気的な接続も中継している(正確には、遊技球等貸出装置接続端子板869は、主扉中継端子板880を介して度数表示板365と電気的に接続されており、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続され、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880とが電気的に接続され、そして主扉中継端子板880と度数表示板365とが電気的に接続されている)。CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と払出制御基板951との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880との基板間、及び遊技球等貸出装置接続端子板869と度数表示板365との基板間は、各配線(ハーネス)によって電気的にそれぞれ接続されている。また、電源基板931からの後述するAC24Vが遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に供給されている。CRユニット6は、この供給されたAC24Vから所定電圧VL(本実施形態では、直流+12V(DC+12V、以下「+12V」記載する。))を、内蔵する図示しない電圧作成回路により作成してグランドLGとともに、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板951に供給する一方、遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して度数表示板365に供給している。
度数表示板365は、その部品面に、の球貸ボタン328と対応する位置に押ボタンスイッチである球貸ボタン328が実装され、貸球ユニット360の返却ボタン329と対応する位置に押ボタンスイッチである返却ボタン329が実装され、貸球ユニット360の貸出残表示部363と対応する位置にセグメント表示器である球貸返却表示部330が実装されている。
球貸ボタン328及び返却ボタン329は、CRユニット6からのグランドLGが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して電気的に接続されている。球貸ボタン328は、球貸ボタン328が押圧操作されると、球貸ボタン328のスイッチが入り(ONし)、球貸ボタン328からの球貸操作信号TDSが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。返却ボタン329は、返却ボタン329が押圧操作されると、返却ボタン329のスイッチが入り(ONし)、返却ボタン329からの返却操作信号RESが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。
球貸返却表示部330は、セグメント表示器が3個一列に並設されたものであり、これら3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器ずつ順次駆動する、いわゆるダイナミック点灯方式によって3桁のセグメント表示器が点灯制御されるようになっている。このような点灯制御によって、球貸返却表示部330は、CRユニット6に挿入されたプリペイドカードの残額を表示したり、CRユニット6のエラーを表示したりする。球貸返却表示部330は、3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器を指定するためのデジット信号DG0〜DG2(計3本の信号)と、この指定した1桁のセグメント表示器を点灯させて表示させる内容を指定するためのセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−G(計7本の信号)と、がCRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されると、この入力された、デジット信号DG0〜DG2及びセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gに従って1桁のセグメント表示器が順次発光され、これらの3桁のセグメント表示器の発光による内容が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。
なお、球貸返却表示部330に隣接してCRユニットランプ365dが度数表示板365に実装されている。このCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの所定電圧VLが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されている。所定電圧VLは、CRユニットランプ365dを介して遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸可能信号TDLとしてCRユニット6に入力されている。CRユニット6は、内蔵する電圧作成回路で電源基板931から供給されたAC24Vから所定電圧VLを作成しており、球貸ボタン328及び返却ボタン329が有効である球貸可能な状態である場合には球貸可能信号TDLの論理を制御してCRユニットランプ365dを発光させ、この発光が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。また、セグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gは、遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸返却表示部330に入力されている。
CRユニット6は、球貸ボタン328が押圧操作されて球貸ボタン328からの球貸操作信号TDSが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、貸球要求信号であるBRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951(払出制御MPU952a)に出力するようになっている。そしてCRユニット6は、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951(払出制御MPU952a)に出力するようになっている。BRDY及びBRQが入力される払出制御基板951(払出制御MPU952a)は、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるための信号であるEXSを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したり、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるための信号であるPRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したりする。なお、例えば、球貸ボタン328が押圧操作されると、200円分の遊技球が払い出されるように、ホールの店員等がCRユニット6に予め設定している場合には、1回の払出動作が連続して2回行われるようになっており、100円分の25球が払い出されると、続けて100円分の25球が払い出され、計200円分の50球が払い出されることとなる。
CRユニット6は、返却ボタン329が押圧操作されて返却ボタン329からの返却操作信号RESが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、プリペイドカードを図示しない挿入口から排出して返却するようになっている。この返却されたプリペイドカードは、球貸ボタン328が押圧操作された結果、払い出された遊技球の球数に相当する金額が減算された残額が記憶されている。
[7−3.電源基板931]
次に、上記第1制御部MCGのうち、電源基板931について簡単に説明する。電源基板931は、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を電気的に接続したり、電気的に遮断したりすることができる電源スイッチ934と、各種電源を生成する電源制御部935と、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド682による発射制御及び図1に示した球送りユニット250の球送ソレノイド255による球送制御を行う発射制御部953と、を備えている。
[7−3−1.電源制御部]
電源制御部935は、電源スイッチ934が操作されてパチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)を整流する同期整流回路935aと、同期整流回路935aで整流された電力の力率を改善する力率改善回路935bと、力率改善回路935bで力率が改善された電力を平滑化する平滑化回路935cと、平滑化回路935cで平滑化された電力から各種基板に供給するための各種直流電源を作成する電源作成回路935dと、を備えている。
[7−3−2.発射制御部]
発射ソレノイド682による発射制御と、球送ソレノイド255による球送制御と、を行う発射制御部953は、発射制御回路953aを主として構成されている。発射制御回路953aは、ハンドル302の回転位置に応じて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す強度(発射強度)を電気的に調節するハンドル回転検知センサ307からの操作信号と、ハンドル302に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ310からの検出信号と、遊技者の意志によって遊技球の打ち出し(発射)を強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ312からの検出信号と、がハンドル中継端子板315を介して、入力されている。また、発射制御回路953aは、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続されると、その旨を伝えるCR接続信号が払出制御基板951を介して入力されている。
発射制御回路953aは、ハンドル回転検知センサ307からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド682に出力する制御を行っている一方、ハンドル中継端子板315を介して球送ソレノイド255に一定電流を出力することにより球送りユニット250の球送部材が皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る制御を行っている。
[7−4.周辺制御基板]
こうした第1制御部MCGに対し、上記第2制御部SCGのうちの周辺制御基板1510では、図126に示すように、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて演出制御を行い、かつ、図19に示す扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う演出表示駆動基板4450と制御コマンドや各種情報(各種データ)をやり取りする周辺制御部1511と、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行う一方、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音制御を行う液晶表示制御部1512と、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するリアルタイムクロック(以下、「RTC」と記載する。)制御部4165と、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節する音量調整ボリューム1510aと、を備えている。
[7−4−1.周辺制御部]
演出制御を行う周辺制御部1511は、図126に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU1511aと、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに演出動作を制御するサブ制御プログラムなどの各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータを記憶する周辺制御ROM1511bと、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理をまたいで継続される各種情報(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に描画する画面を規定するスケジュールデータや各種LED等の発光態様を規定するスケジュールデータなどを管理するための情報など)を記憶する周辺制御RAM1511cと、日をまたいで継続される各種情報(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)を記憶する周辺制御SRAM1511dと、周辺制御MPU1511aが正常に動作しているか否かを監視するための周辺制御外部ウォッチドックタイマ1511e(以下、「周辺制御外部WDT1511e」と記載する。)と、を備えている。
周辺制御RAM1511cは、瞬停が発生して電力がすぐ復帰する程度の時間しか記憶された内容を保持することができず、電力が長時間遮断された状態(長時間の電断が発生した場合)ではその内容を失うのに対して、周辺制御SRAM1511dは、電源基板931に設けられた図示しない大容量の電解コンデンサ(以下、「SRAM用電解コンデンサ」と記載する。)によりバックアップ電源が供給されることにより、記憶された内容を50時間程度、保持することができるようになっている。電源基板931にSRAM用電解コンデンサが設けられることにより、遊技盤5をパチンコ機1から取り外した場合には、周辺制御SRAM1511dにバックアップ電源が供給されなくなるため、周辺制御SRAM1511dは、記憶された内容を保持することができなくなってその内容を失う。
周辺制御外部WDT1511eは、周辺制御MPU1511aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御MPU1511aは、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)に周辺制御外部WDT1511eのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御外部WDT1511eに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御MPU1511aは、一定期間内にクリア信号を周辺制御外部WDT1511eに出力するときには、周辺制御外部WDT1511eのタイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御MPU1511aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310からの各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから図示しない周辺制御出力回路を介してランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路を介してモータ駆動基板4180に送信したり、扉枠3に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データを枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したり、扉枠3の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データを枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したりする。
主制御基板1310からの各種コマンドは、図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートに入力されている。また、演出操作ユニット400に設けられた、ダイヤル操作部401の回転(回転方向)を検出するための回転検出スイッチからの検出信号、及び押圧操作部405の操作を検出するための押圧検出スイッチからの検出信号は、枠装飾駆動アンプ基板194に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された演出操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板882、枠周辺中継端子板868、そして周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aの演出操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されている。
遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチ(例えば、フォトセンサなど。)からの検出信号は、モータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された可動体検出データが遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートに入力されている。周辺制御MPU1511aは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの入出力を切り替えることにより周辺制御基板1510とモータ駆動基板4180との基板間における各種データのやり取りを行うようになっている。
なお、周辺制御MPU1511aは、ウォッチドックタイマを内蔵(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)しており、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDT1511eとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[7−4−1a.周辺制御MPU]
次に、マイクロコンピュータである周辺制御MPU1511aについて説明する。周辺制御MPU1511aは、図127に示すように、周辺制御CPUコア1511aaを中心として、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御DMA(Direct Memory Accessの略)コントローラ1511ac、周辺制御バスコントローラ1511ad、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御アナログ/デジタルコンバータ(以下、周辺制御A/Dコンバータと記載する)1511ak等から構成されている。
周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御DMAコントローラ1511acに対して、内部バス1511ahを介して、各種データを読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511akに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、各種データを読み書きする。
また、周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御ROM1511bに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして外部バス1511hを介して、各種データを読み込む一方、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511dに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして外部バス1511hを介して、各種データを読み書きする。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う専用のコントローラであり、DMA0〜DMA3という4つのチャンネルを有している。
具体的には、周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御MPU1511aに内蔵される周辺制御内蔵RAM1511abの記憶装置と、周辺制御MPU1511aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御内蔵RAM1511abの記憶装置に対して、内部バス1511ahを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び周辺バス1511aiを介して、読み書きする。
また、周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御MPU1511aに外付けされる、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御MPU1511aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び外部バス1511hを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び周辺バス1511aiを介して、読み書きする。
周辺制御バスコントローラ1511adは、内部バス1511ah、周辺バス1511ai、及び外部バス1511hをコントロールして周辺制御MPUコア1511aaの中央処理装置と、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の各種装置間において、各種データのやり取りを行う専用のコントローラである。
周辺制御各種シリアルI/Oポート1511aeは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポート、モータ駆動基板用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、主制御基板用シリアルI/Oポート、演出操作ユニット情報取得用シリアルI/Oポートを有している。
周辺制御内蔵ウォッチドックタイマ(周辺制御内蔵WDT)1511afは、周辺制御MPU1511aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御CPUコア1511aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせた場合には、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)にそのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御内蔵WDT1511afに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御CPUコア1511aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせて一定期間内にクリア信号を周辺制御内蔵WDT1511afに出力するときには、タイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agは、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号、扉側モータ駆動発光ラッチ信号等の各種ラッチ信号を出力するほかに、周辺制御外部WDT1511eにクリア信号を出力したり、遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチからの検出信号をモータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化して、このシリアル化された可動体検出データを遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御MPU1511aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートで受信するための可動体情報取得ラッチ信号を出力したりする。このLEDは、高輝度の白色LEDであり、大当り遊技状態の発生が確定している旨を伝えるための確定告知ランプとなっている。本実施形態では、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agとが電気的に直接接続された構成を採用することにより、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agとの経路を短くすることで遊技上重量な意味を持つLEDの点灯制御についてノイズ対策を講ずることができる。なお、LEDの点灯制御については、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理において実行されるようになっており、このLEDを除く他のLED等は、後述する周辺制御部定常処理において実行されるようになっている。
周辺制御A/Dコンバータ1511akは、音量調整ボリューム1510aと電気的に接続されており、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変し、つまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512(後述する音源内蔵VDP1512a)を制御してスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整によりスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、本実施形態では、音楽や効果音のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりする等。)ための告知音もスピーカ921及び上部スピーカ573から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512(後述する音源内蔵VDP1512a)を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
[7−4−1b.周辺制御ROM]
周辺制御ROM1511bは、周辺制御部1511、液晶表示制御部1512、RTC制御部4165等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータを予め記憶されている。各種スケジュールデータには、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
なお、周辺制御ROM1511bに記憶されている各種制御プログラムは、周辺制御ROM1511bから直接読み出されて実行されるものもあれば、後述する周辺制御RAM1511cの各種制御プログラムコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されて実行されるものもある。また周辺制御ROM1511bに記憶されている、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータも、周辺制御ROM1511bから直接読み出されるものもあれば、後述する周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されるものもある。
また、周辺制御ROM1511bには、RTC制御部4165を制御する各種制御プログラムの1つとして、遊技盤側演出表示装置1600の使用時間に応じて遊技盤側演出表示装置1600の輝度を補正するための輝度補正プログラムが含まれている。この輝度補正プログラムは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側演出表示装置1600の経年変化にともなう輝度低下を補正するものであり、後述するRTC制御部4165の内蔵RAMから遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時、現在の日時、輝度設定情報等を取得して、この取得した輝度設定情報を補正情報に基づいて補正する。この補正情報は、周辺制御ROM1511bに予め記憶されている。輝度設定情報は、後述するように、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものであり、例えば、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。
[7−4−1c.周辺制御RAM]
周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cは、図127に示すように、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア1511caと、このバックアップ管理対象ワークエリア1511caに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccと、周辺制御ROM1511bに記憶されている各種制御プログラムがコピーされたものを専用に記憶する各種制御プログラムコピーエリア1511cdと、周辺制御ROM1511bに記憶されている、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータ等がコピーされたものを専用に記憶する各種制御データコピーエリア1511ceと、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっていないものを専用に記憶するバックアップ非管理対象ワークエリア1511cfと、が設けられている。
なお、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)には、バックアップ非管理対象ワークエリア1511cfに対して値0が強制的に書き込まれてゼロクリアされる一方、バックアップ管理対象ワークエリア1511ca、バックアップ第1エリア1511cb、及びバックアップ第2エリア1511ccについては、パチンコ機1の電源投入時に主制御基板1310からの電源投入時状態コマンド(図143を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図123に示した操作スイッチ954が操作された時における演出の開始を指示したりするものである)であるときにはゼロクリアされる。
バックアップ管理対象ワークエリア1511caは、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理において更新される各種情報である演出情報(1fr)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1fr)と、後述する1msタイマ割り込みが発生するごとに実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理において更新される各種情報である演出情報(1ms)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1ms)と、から構成されている。ここで、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア1511cbからバックアップ第2エリア1511ccに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(1fr)」は、後述するように、音源内蔵VDP1512aが1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力すると、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU1511aに出力するようになっているため、Vブランク信号が入力されるごとに、換言すると、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1fr)や後述する演出バックアップ情報(1fr)についても、同一の意味で用いる)。「(1ms)」は、後述するように、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1ms)や後述する演出バックアップ情報(1ms)についても、同一の意味で用いる)。
Bank0(1fr)には、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cab、受信コマンド記憶領域1511cac、RTC情報取得記憶領域1511cad、及びスケジュールデータ記憶領域1511cae等が設けられている。ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaには、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATがセットされる記憶領域であり、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabには、扉枠3の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATがセットされる記憶領域であり、受信コマンド記憶領域1511cacには、主制御基板1310から送信される各種コマンドを受信してその受信した各種コマンドがセットされる記憶領域であり、RTC情報取得記憶領域1511cadには、RTC制御部4165(後述するRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aa)から取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、スケジュールデータ記憶領域1511caeには、主制御基板1310(主制御MPU1310a)から受信したコマンドに基づいて、この受信したコマンドと対応する各種スケジュールデータがセットされる記憶領域である。スケジュールデータ記憶領域1511caeには、周辺制御ROM1511bから各種制御データコピーエリア1511ceにコピーされた各種スケジュールデータが読み出されてセットされるものもあれば、周辺制御ROM1511bから各種スケジュールデータが直接読み出されてセットされるものもある。
Bank0(1ms)には、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cag、可動体情報取得記憶領域1511cah、及び演出操作ユニット情報取得記憶領域1511cai、及び描画状態情報取得記憶領域1511cak等が設けられている。枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafには、扉枠3に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされる記憶領域であり、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagには、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされる記憶領域であり、可動体情報取得記憶領域1511cahには、遊技盤5に設けた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiには、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいてダイヤル操作部401の回転(回転方向)及び押圧操作部405の操作等を取得した各種情報(例えば、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成するダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)がセットされる記憶領域であり、描画状態情報取得記憶領域1511cakには、演出表示駆動基板4450が周辺制御基板1510の音源内蔵VDP1512aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する後述するLOCKN信号に基づいて周辺制御基板1510と演出表示駆動基板4450との接続間における不具合の頻度や不具合の発生状態を取得した各種情報がセットされる記憶領域である。
なお、Bank0(1fr)のランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa及び枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabと、Bank0(1ms)の枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf及びモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagとは、第1領域及び第2領域という2つの領域にそれぞれ分割されている。
ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaは、後述する周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域に、遊技盤側発光データSL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域、第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理においてランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域にセットした遊技盤側発光データSL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabは、周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域に、扉側発光データSTL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域、第2領域に扉側発光データSTL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理において枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域にセットした扉側発光データSTL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafは、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域に、扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域、第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理において枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域にセットした扉側モータ駆動データSTM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域に、遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域、第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理においてモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域にセットした遊技盤側モータ駆動データSM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア1511caに記憶されている各種情報である演出情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccについて説明する。バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccは、2つのバンクを1ペアとする2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア1511cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア1511ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア1511cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア1511ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
また、本実施形態では、通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるようになっているが、これらの周辺制御DMAコントローラ1511acによる高速コピーを実行するプログラムは共通化されている。つまり本実施形態では、演出情報(1fr)、演出情報(1ms)を、共通の管理手法(共通のプログラムの実行)で情報を管理している。
[7−4−1d.周辺制御SRAM]
周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御SRAM1511dは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア1511daと、このバックアップ管理対象ワークエリア1511daに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcと、が設けられている。なお、周辺制御SRAM1511dに記憶された内容は、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)に主制御基板1310からの電源投入時状態コマンド(図143を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図123に示した操作スイッチ954が操作された時における演出の開始を指示したりするものである)ときにおいても、ゼロクリアされない。この点については、上述した周辺制御RAM1511cのバックアップ管理対象ワークエリア1511ca、バックアップ第1エリア1511cb、及びバックアップ第2エリア1511ccがゼロクリアされる点と、全く異なる。また、パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで、周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容(項目)ごとに(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴など。)クリアすることができる一方、周辺制御RAM1511cに記憶されている内容(項目)については、全く表示されず、設定モードにおいてクリアすることができないようになっている。この点についても、周辺制御RAM1511cと周辺制御SRAM1511dとで全く異なる。
バックアップ管理対象ワークエリア1511daは、日をまたいで継続される各種情報である演出情報(SRAM)(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(SRAM)から構成されている。ここで、Bank0(SRAM)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、上述したように、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア1511dbからバックアップ第2エリア1511dcに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(SRAM)」は、周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている各種情報がバックアップ対象となっていることから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(SRAM)や後述する演出バックアップ情報(SRAM)についても、同一の意味で用いる)。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア1511daに記憶されている各種情報である演出情報(SRAM)がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcについて説明する。バックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcは、2つのバンクを1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容である演出情報(SRAM)は、演出バックアップ情報(SRAM)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア1511dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア1511dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア1511dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア1511dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
[7−4−2.液晶表示制御部]
遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御とスピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶表示制御部1512は、図126に示すように、音楽や効果音等の音制御を行うための音源が内蔵(以下、「内蔵音源」と記載する。)されるとともに遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行う音源内蔵VDP(Video Display Processorの略)1512aと、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示される画面の各種キャラクタデータに加えて音楽や効果音等の各種音データを記憶する液晶及び音制御ROM1512bと、シリアル化された音楽や効果音等をオーディオデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するオーディオデータ送信IC1512cと、扉枠側演出表示装置460へシリアル化された描画データを扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450へ向かって送信する扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データをプラス信号とマイナス信号とに差動化する差動化回路1512eと、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号のほかに、差動化回路1512eからの信号が入力されるとともに、差動化回路1512eからの信号が入力されているときには、この信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eからの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続する強制切替回路1512fと、を備えている。この液晶及び音制御ROM1512bには、後述する画面や画像の表示に用いるスプライトデータとして、例えばリング状表示物(環状の表示物)の表示に用いる環状画像データ、後述する操作メニュー背景画像の表示に用いる操作メニュー背景画像データ、後述する少なくとも1つの選択表示物の表示に用いる選択表示物画像データ、後述するボリュームスケールを含む音量調整画面の表示に用いる音調調整背景画像データ、後述する音量調整アイコンの表示に用いる音量設定アイコン画像データ等の他、遊技者から見て本体枠4の背面における各部位の位置が視認可能な本体枠背面画像の表示に用いる本体枠背面画像データ、サービスモード画面の表示に用いるサービスモード画面画像データ、休憩タイマー設定画面の表示に用いる休憩タイマー設定画面画像データ、及び、休憩中画面の表示に用いる休憩中画面画像データが格納されている。なお、液晶及び音制御ROM1512bは、演出操作ユニット400の押圧操作部405(操作部)を操作すべき旨を促すための示唆表示物の表示に用いる示唆表示物画像データをも格納している。
周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からのコマンドと対応する画面生成用スケジュールデータを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータの先頭の画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力した後に、後述するVブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って先頭の画面データに続く次の画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。このように、周辺制御MPU1511aは、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って、この画面生成用スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の画面データから1つずつ音源内蔵VDP1512aに出力する。
また、周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からのコマンドと対応する音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力した後に、Vブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って先頭の音指令データに続く次の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。このように、周辺制御MPU1511aは、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って、この音生成用スケジュールデータに時系列に配列された音指令データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の音指令データから1つずつ音源内蔵VDP1512aに出力する。
[7−4−2a.音源内蔵VDP]
音源内蔵VDP1512aは、上述した内蔵音源のほかに、周辺制御MPU1511aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、図128に示すように、液晶及び音制御ROM1512bから遊技盤側キャラクタデータ及び上皿側キャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを生成するためのVRAMも内蔵(以下、「内蔵VRAM」と記載する。)している。音源内蔵VDP1512aは、内蔵VRAM上に生成した描画データのうち、遊技盤側演出表示装置1600に対する描画データをチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する描画データをチャンネルCH2から、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して、扉枠側演出表示装置460に出力(送信)することで、遊技盤側演出表示装置1600と扉枠側演出表示装置460との同期化を図っている。
チャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるのに対して、チャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板1510から、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)される。このように、チャンネルCH1から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるため、周辺制御基板1510及び遊技盤側演出表示装置1600は遊技盤5にそれぞれ取り付けられていることによりチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600までの経路に要する配線の長さが短いものの、チャンネルCH2から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板1510から扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力されるため、周辺制御基板1510は遊技盤5に取り付けられているのに対して、演出表示駆動基板4450は扉枠3の皿ユニット320内に収納されていることによりチャンネルCH2から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして演出表示駆動基板4450までの経路に要する配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなることでノイズの影響を極めて受けやすくなる。このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。
チャンネルCH1は、LVDS(Low Voltage Differential
Signaling)というシリアル方式による差動インターフェースを使用しているのに対して、チャンネルCH2は、パラレル方式によるインターフェースを使用している。チャンネルCH2から出力される描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、扉枠側演出用トランスミッタIC4610dでシリアル化されて、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。そして、このシリアル化された各種信号は、演出表示駆動基板4450においてパラレル信号に復元されて扉枠側演出表示装置460に出力されるようになっている。
このように、周辺制御MPU1511aが遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力すると、音源内蔵VDP1512aは、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM1512bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成し、この生成した描画データうち、遊技盤側演出表示装置1600に対する画像データをチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)する。つまり、「1画面分(1フレーム分)の画面データ」とは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成するためのデータのことである。
また、音源内蔵VDP1512aは、1画面分(1フレーム分)の描画データを、チャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)すると、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU1511aに出力する。本実施形態では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が出力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号が入力されたことを契機として、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理を実行するようになっている。ここで、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の液晶サイズによって多少変化する。また、周辺制御MPU1511aと音源内蔵VDP1512aとが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合がある。
なお、音源内蔵VDP1512aは、フレームバッファ方式が採用されている。この「フレームバッファ方式」とは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の画面に描画する1画面分(1フレーム分)の描画データをフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持し、このフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持した1画面分(1フレーム分)の描画データを、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力する方式である。
また、音源内蔵VDP1512aは、主制御基板1310からのコマンドに基づいて周辺制御MPU1511aから上述した音指令データが入力されると、図128に示すように、液晶及び音制御ROM1512bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データをトラックに組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定してスピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。演出音のサブボリューム値は、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで後述する設定モードへ移行して調節することができるようになっている。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
ここで、演出音がスピーカ921及び上部スピーカ573から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
つまり、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけスピーカ921及び上部スピーカ573から流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れるようになっている。
このように、演出音がスピーカ921及び上部スピーカ573から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音がスピーカ921及び上部スピーカ573から流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過してスピーカ921及び上部スピーカ573から流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
[7−4−2b.液晶及び音制御ROM]
液晶及び音制御ROM1512bは、図128に示すように、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に描画するための遊技盤側キャラクタデータと、扉枠側演出表示装置460の表示領域に描画するための上皿側キャラクタデータと、が予め記憶されるとともに、音楽、効果音、報知音、及び告知音等の各種の音データも予め記憶されている。
[7−4−2c.オーディオデータ送信IC]
オーディオデータ送信IC1512cは、音源内蔵VDP1512aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信するとともに、左側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信する。これにより、スピーカ921及び上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されるようになっている。
なお、オーディオデータ送信IC1512cは、周辺制御基板1510から枠装飾駆動アンプ基板194に亘る基板間を、左右それぞれ差分方式のシリアルデータとしてオーディオデータを出力することにより、例えば、左側オーディオデータのプラス信号、マイナス信号にノイズの影響を受けても、プラス信号に乗ったノイズ成分と、マイナス信号に乗ったノイズ成分と、を枠装飾駆動アンプ基板194で合成して1つの左側オーディオデータにする際に、互いにキャンセルし合ってノイズ成分が除去されるようになっているため、ノイズ対策を講じることができる。
[7−4−2d.扉枠側演出用トランスミッタIC]
扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、図128に示すように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データが入力されている。チャンネルCH2は、上述したように、パラレル方式によるインターフェースが使用されている。描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビット、計24ビットで構成されている。本実施形態では、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットが扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力されている。下位2ビットは、人間の目にとって判別困難な極めて微弱な色情報であるため、音源内蔵VDP1512aから出力されているものの、微弱な色情報を含む下位2ビットを無効化している。
音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データである、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力されると、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、がザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化して差動1ペアケーブルのみでこれらの各種信号を、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信する。
上述したように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるため、チャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600までの経路(第1経路)に要する配線の長さが短いものの、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)されるため、チャンネルCH2から扉枠側演出表示装置460までの経路(第2経路)に要する配線の長さが第1経路に要する配線の長さより極めて長くなることによりノイズの影響を極めて受けやすくなる。
具体的には、図1に示した本体枠4に対して開閉自在に扉枠3が軸支されているため、本体枠4の開放側辺に沿って図5に示した施錠ユニット700の反対側である閉塞側に、例えば本体枠4に装着される遊技盤5に備える周辺制御基板1510から扉枠3に備える皿ユニット320に収納される演出表示駆動基板4450などの、本体枠4側に備える各種基板と扉枠3側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線を通す必要がある。ところが、本体枠4の閉塞側には、払出装置830のほかに、この払出装置830によって払出された遊技球を、皿ユニット320の上皿321へ誘導することができると共に上皿321が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿322側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770が配置されている。また、本体枠4の下側には、パチンコ島設備から電源が供給される図6に示した電源基板931等を一纏めにしてユニット化した図5に示した払出ユニット800が配置されている。このように、本体枠4側に備える各種基板と扉枠3側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線は、払出装置830、満タン分岐ユニット770、電源基板931等の近傍に引き回されることとなり、払出装置830に備える払出モータ834が駆動されることによるノイズのほかに、遊技球による静電放電によるノイズやパチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等を受ける環境下にある。
このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。本実施形態では、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続するための配線として、上述したように、差動1ペアケーブルを用いているが、この差動1ペアケーブルは、2本の配線が単に平行に設けられる平行線ではなく、ツイストペアケーブルである。このツイストペアケーブルは、2本の配線を撚り合わせたケーブルであって、撚り対線とも呼ばれるものである。
ここで、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして平行線を採用した場合について簡単に説明する。描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとしても、このようなハードウェアによる構成だけでは、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、平行線におけるシリアルデータが影響を受けると、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されないため、シリアルデータが影響を受けた状態のまま扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されることとなり、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データが正規なものと異なる乱れたものとして扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信され、扉枠側演出表示装置460の表示領域では、いわゆる砂嵐のような画像が表示されて何の画像であるのかを全く認識することができなくなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。これにより、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、ツイストペアケーブルにおいてシリアルデータが影響を受けたとしても、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されるようになっているため、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データは、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で確実に受信されて扉枠側演出表示装置460に出力されることにより、扉枠側演出表示装置460において、液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aが生成した画像を確実に表示することができる。ノイズをキャンセル(除去)することにより、砂嵐のような何の画像であるのかを全く認識することができなくなるような画像が扉枠側演出表示装置460で表示されることを防止することができるため、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。したがって、ノイズの影響による遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間においては、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882が介在している。これは、本体枠4と扉枠3とが一体的に構成されるものではなく、別々に組み立てられたものを、本体枠4に扉枠3を取り付けるという構造を採用しているため、本体枠4に扉枠3を取り付ける作業のあとに、扉枠3側に備える各種基板からのハーネスやツイストケーブルなどの各種配線を本体枠4側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠4側に備える各種基板と、扉枠3側に備える各種基板と、を電気的に接続することができるようになっている。このような構成により、本体枠4から扉枠3を開放して各種配線を取り外す作業を行ったあとに、本体枠4から扉枠3を取り外すことで、本体枠4や扉枠3のメンテナンスを行うことができるし、扉枠3に生じた不具合が解消することができない場合には、この不具合のある扉枠3に替えて他の扉枠3’を本体枠4に取り付けて、扉枠3’側に備える各種基板からの各種配線を本体枠4側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠4側に備える各種基板と、扉枠3’側に備える各種基板と、を電気的に接続することができる。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。具体的には、周辺制御基板1510と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882と演出表示駆動基板4450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されている。これにより、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882とには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送するための映像伝送用配線パターンのほかに、電源用配線パターンやその他の各種信号を伝送するための各種信号用配線パターンと、が混在している。このため、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882には、電源用配線パターンや各種信号用配線パターンから所定寸法だけ離して上述した映像伝送用配線パターンがそれぞれ形成されている。トランスミッタからレシーバまでの経路には、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882という複数の中継端子板をまたぐこととなるため、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンの入出力間において、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送する信号の一部が反射されてノイズとなったり、その信号の出力レベルが低下するという問題が生ずる。そこで、本実施形態では、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンには、インピーダンス整合が施されている。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板1510と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882と演出表示駆動基板4450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されているが、ツイストペアケーブルのうち、一方の配線を赤色とし、他方の配線を灰色とするとともに、ハーネスのうち、電源を供給する配線を赤色とし、他の複数の配線を灰色としている。なお、電源を供給する配線を赤色とせず、黄色としてもよい。
[7−4−2e.強制切替回路、差動化回路]
扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号は、強制切替回路1512f、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信されるようになっている。この強制切替回路1512fには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号のほかに、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されて入力されている。この差動化回路1512eでは、LOCKN信号出力要求データをディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化している。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として送信されるものである。強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。周辺制御MPU1511aは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、LOCKN信号出力要求データを、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450(実際には、周辺制御基板1510に備える差動化回路1512e)に向かって送信する。
扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450は、周辺制御基板1510からのシリアル信号(シリアルデータ)を後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信すると、シリアル化された各種信号をパラレル信号に復元して扉枠側演出表示装置460に出力する液晶モジュール回路4450Vと、から主として構成されている。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、音源内蔵VDP1512aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝える後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。周辺制御MPU1511aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を伝えるための画像を音源内蔵VDP1512aを制御して生成して遊技盤側演出表示装置1600に出力することにより遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して報知する。
また、扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、受信したその2つの信号がLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。これにより、周辺制御MPU1511aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に不具合が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御して遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御してオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより扉枠3に設けたスピーカから報知音が流れる。これにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示される報知画像と、扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し流れる報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯してもよい。
[7−4−3.RTC制御部]
年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するRTC制御部4165は、図126に示すように、RTC4165aを中心として構成されている。このRTC4165aには、カレンダー情報と時刻情報とが保持されるRAM4165aaが内蔵(以下、「RTC内蔵RAM4165aa」と記載する。)されている。RTC4165aは、駆動用電源及びRTC内蔵RAM4165aaのバックアップ用電源として電池4165b(本実施形態では、ボタン電池を採用している。)から電力が供給されるようになっている。つまりRTC4165aは、周辺制御基板1510(パチンコ機1)からの電力が全く供給されずに、周辺制御基板1510(パチンコ機1)と独立して電池4165bから電力が供給されている。これにより、RTC4165aは、パチンコ機1の電力が遮断されても、電池4165bからの電力供給により、カレンダー情報や時刻情報を更新保持することができるようになっている。
周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、RTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報や時刻情報を取得して上述した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにセットし、この取得したカレンダー情報や時刻情報に基づく演出を遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げることができるようになっている。このような演出としては、例えば、12月25日であればクリスマスツリーやトナカイの画面が遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられたり、大晦日であれば新年カウントダウンを実行する画面が遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられたりする等を挙げることができる。カレンダー情報や時刻情報は、工場出荷時に設定される。
なお、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合にはLEDの輝度設定情報が記憶保持されている。周辺制御MPU1511aは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、RTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得してバックライトの輝度調整をPWM制御により行う。輝度設定情報は、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれている。
また、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報、時刻情報や輝度設定情報のほかに、カレンダー情報、時刻情報、及び輝度設定情報をRTC内蔵RAM4165aaに最初に記憶した年月日及び時分秒の情報として入力日時情報も記憶されている。
周辺制御MPU1511aは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトが冷陰極管タイプのものが装着されている場合には、バックライトのON/OFF制御もしくはONのみとするようになっている。
RTC内蔵RAM4165aaに記憶される、カレンダー情報、時刻情報、輝度設定情報、及び入力日時情報等の各種情報は、遊技機メーカの製造ラインにおいて設定される。製造ラインにおいては、例えば遊技盤側演出表示装置1600の表示テスト等の各種テストを行うため、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時として入力日時情報が製造ラインで入力された年月日及び時分秒である製造日時に設定される。
このように、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合における輝度設定情報、及び入力日時情報等、パチンコ機1の機種情報(例えば、低確率や高確率における大当り遊技状態が発生する確率など)とは独立して維持が必要な情報を記憶保持することができるようになっている。
また、RTC内蔵RAM4165aaに記憶保持される輝度設定情報等は、パチンコ機1が設置されるホールの環境によっては製造日時に設定された遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度では明るすぎたり、暗すぎたりする場合もある。そこで、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行してバックライトの輝度を所定の輝度に調節することができるようになっている。パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することでカレンダー情報、時刻情報を再設定したり、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を所望の輝度に調節したりすることができる。この調節された遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの所望の輝度は、輝度設定情報に記憶されるLEDの輝度としてそれぞれ上書き(更新記憶)されるようになっている。
なお、設定モードでは、周辺制御MPU1511aは、上述した輝度補正プログラムを実行することにより、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側演出表示装置1600の経年変化にともなう輝度低下を補正する。周辺制御MPU1511aは、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、入力日時情報を取得して遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時を特定し、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定し、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度とを有する輝度設定情報を取得する。この取得した輝度設定情報を周辺制御ROM1511bに予め記憶されている補正情報に基づいて補正する。
例えば、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。
なお、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、直接、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定してもいいし、後述する周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1002の現在時刻情報取得処理において周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにおける、カレンダー情報記憶部にセットされて周辺制御基板1510のシステムにより更新される現在のカレンダー情報と、時刻情報記憶部にセットされて周辺制御基板1510のシステムにより更新される現在の時刻情報と、を取得して現在の日時を特定してもいい。
[834.音量調整ボリューム]
音量調整ボリューム1510aは、上述したように、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節することができるようになっている。音量調整ボリューム1510aは、上述したように、そのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変するようになっており、電気的に接続された周辺制御A/Dコンバータ1511akがつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、上述したように、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512(音源内蔵VDP1512a)を制御してスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整によりスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。また、本実施形態では、上述したように、音楽や効果音のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したり等。)ための告知音もスピーカ921及び上部スピーカ573から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512(音源内蔵VDP1512a)を制御して調整することができるようになっている。
このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
なお、本実施形態では、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節するようになっていることに加えて、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して音楽や効果音の音量を調節することができるようになっている。パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができる。具体的には、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、周辺制御A/Dコンバータ1511akがアナログ値からデジタル値に変換して、この変換した値に対して、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることができるようになっている。この調節された音量は、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックのうち、音楽や効果音等の演出音の音データが組み込まれたトラックに対して、サブボリューム値として設定更新されて演出音の音量の調節に反映されるものの、上述した報知音や告知音の音量に調節に反映されないようになっている。
このように、本実施形態では、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を直接回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、の2つの方法がある。音量調整ボリューム1510aは、周辺制御基板1510に実装されているため、本体枠4を外枠2から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作することができるのは、ホールの店員となる。ところが、ホールの店員が調節した音量では、遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合もあるし、遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合もある。そこで、パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したり、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したりした場合には、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示され、この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。これにより、遊技者は所望の音量に音楽や効果音の音量を調節することができるため、ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
また、本実施形態では、パチンコ機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが繰り返し行われると(例えば、10回)、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化されるようになっている。この音量の初期化では、ホールの店員が調節した音量、つまりホールの店員が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を直接回動操作して調節した音量となるようになっている。これにより、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
[8.電源システム]
次に、パチンコ機1の電源システムについて、図129及び図130を参照して説明する。図129はパチンコ機の電源システムを示すブロック図であり、図130は図129のつづきを示すブロック図である。まず、電源基板931について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。なお、各種基板のグランド(GND)や各種端子板のグランド(GND)は、電源基板931のグランド(GND)と電気的に接続されており、同一グランド(GND)となっている。
[8−1.電源基板931]
電源基板931は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグがパチンコ島設備の電源コンセントに差し込まれている。電源スイッチ934を操作すると、パチンコ島設備から供給されている電力が電源基板931に供給され、パチンコ機1の電源投入を行うことができる。
電源基板931は、図129に示すように、電源制御部935、発射制御部953を備えている。電源制御部935は、パチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)から各種直流電圧を作成したり、主制御基板1310や払出制御基板951へのバックアップ電源を供給する回路であり、発射制御部953は、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド682や図1に示した球送りユニット250の球送ソレノイド255を駆動制御する回路である。
電源制御部935は、同期整流回路935a、力率改善回路935b、平滑化回路935c、電源作成回路935d、キャパシタBC0,BC1を備えている。パチンコ島設備から供給されているAC24Vは、電源基板931を介して遊技球等貸出装置接続端子板869に供給されるとともに、同期整流回路935aに供給されている。この同期整流回路935aは、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を整流して力率改善回路935bに供給している。この力率改善回路935bは、整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路935cに供給している。この平滑化回路935cは、供給される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて発射制御部953の発射制御回路953a及び電源作成回路935dにそれぞれ供給している。
キャパシタBC0は、主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給し、キャパシタBC1は、払出制御基板951における払出制御部952の払出制御MPU952aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給している。
発射制御部953の発射制御回路953aは、平滑化回路935cから供給される+37Vを駆動電源として、ハンドル302の回転位置に見合う打ち出し強度(発射強度)で遊技球を図1に示した遊技領域5aに向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド682に出力する制御を行う一方、球送りユニット250の球送ソレノイド255に一定電流を出力することにより球送りユニット250の球送部材が皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る制御を行う。
電源作成回路935dは、平滑化回路935cから供給される+37Vから直流+5V(DC+5V、以下、「+5V」と記載する。)、直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)、及び直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)をそれぞれ作成して払出制御基板951及び枠周辺中継端子板868にそれぞれ供給している。+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ライン、+12Vが印加されて供給される電源系統が+12V電源ライン、そして+24Vが印加されて供給される電源系統が+24V電源ラインとなる。
電源作成回路935dで作成される+5Vは、後述するように、払出制御基板951に供給されている。払出制御基板951に供給される+5Vは、払出制御フィルタ回路951aを介して払出制御MPU952aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。電源作成回路935dで作成される+12Vは、払出制御基板951を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gに供給されている。この+5V作成回路1310gは、払出制御基板951からの+12Vから主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを作成している。+5V作成回路1310gで作成される+5Vは、主制御フィルタ回路1310hを介して主制御MPU1310aの電源端子に供給されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAMの電源端子に供給されるようになっている。
電源基板931のキャパシタBC1のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC1のプラス端子は、払出制御基板951の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板951のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5Vは、払出制御MPU952aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC1は、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5Vが払出制御基板951、そして再び払出制御基板951から電源基板931に戻ってくるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源作成回路935dで作成される+5Vが払出制御基板951に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板951に供給されるようになっているため、払出制御MPU952aの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU952aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板931のキャパシタBC0のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC0のプラス端子は、払出制御基板951を介して主制御基板1310の主制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板1310のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5V作成回路1310gで作成される+5Vは、主制御MPU1310aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5V作成回路1310gで作成される+5Vが主制御基板1310、そして払出制御基板951から電源基板931に供給されるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+12Vが払出制御基板951を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gに供給されなくなって+5V作成回路1310gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして、払出制御基板951を介して、主制御基板1310に供給されるようになっているため、主制御MPU1310aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU1310aが作動しないものの、主制御内蔵RAMの電源端子には主VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、主制御内蔵RAMに対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路は、上記ダイオードMD0と上記キャパシタBC0とによって構成されている。
[8−2.各制御基板等に供給される電圧]
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板に供給される電圧、そして主制御基板に供給される電圧について説明する。
電源基板931の電源作成回路935dで作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図129に示すように、払出制御基板951に供給され、これら3種類の電圧のうち、+12V及び+24Vという2種類の電圧は、払出制御基板951を介して主制御基板1310に供給されている。また電源基板931の電源作成回路935dで作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、枠周辺中継端子板868に供給されるとともに、この枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510及び周辺扉中継端子板882にそれぞれ供給されている。
周辺制御基板1510に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図130(a)に示すように、ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170a及びモータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aにそれぞれ供給されている。ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170aは、遊技盤5の各種装飾基板に点灯信号、点滅信号や階調点灯信号等の各種信号を出力し、モータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aは、遊技盤5のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号を出力する。
周辺制御基板1510は、枠周辺中継端子板868から供給される+5Vから直流3.3V(DC+3.3V、以下、「+3.3V」と記載する。)を作成する+3.3V作成回路1510bを備えている。+3.3V作成回路1510bが作成する+3.3Vは、遊技盤側演出表示装置1600の液晶モジュール1600aに供給されている。また、周辺制御基板1510に供給される+12Vは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライト電源1600bに供給されている。
これに対して、周辺扉中継端子板882に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図130(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に供給されている。枠装飾駆動アンプ基板194は、周辺扉中継端子板882から供給される+12Vから直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成する+9V作成回路194aを備えている。+9V作成回路194aが作成する+9Vとともに、周辺扉中継端子板882から供給される+5V、+12V、及び+24Vという計4種類の電圧が扉枠3の各種装飾基板等に供給されている。
また、周辺扉中継端子板882に供給される+12Vは、上皿側液晶モジュール電源回路4450xに供給されている。上皿側液晶モジュール電源回路4450xは、+12Vから+3.3Vを作成している。上皿側液晶モジュール電源回路4450xが作成した+3.3Vは、図128に示した液晶モジュール回路4450Vを構成する各種電子部品にそれぞれ供給されているほかに、上皿側液晶モジュールバックライト電源回路4450yや扉枠側演出表示装置460にそれぞれ供給されている。上皿側液晶モジュールバックライト電源回路4450yが作成した電圧は、扉枠側演出表示装置460に供給されている。
[8−2−1.払出制御基板に供給される電圧]
払出制御基板951は、図129に示すように、払出制御MPU952a等のほかに、払出制御フィルタ回路951a等を備えている。この払出制御フィルタ回路951aは、電源基板931からの+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードPD0を介して電源基板931のキャパシタBC1に供給されるほかに、例えば、払出制御部952の払出制御MPU952a等に供給されている。電源基板931からの+12Vは、例えば、払出制御部952の払出制御入力回路952b等に供給されるとともに、払出制御基板951を介して、外部端子板784の外部通信回路784aに供給されている。この外部端子板784の外部通信回路784aは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を伝える信号を遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータへ出力する回路である。ホールコンピュータは、外部通信回路784aから出力される信号から、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。なお、電源基板931からの+24は、払出制御基板951において何ら使用されずに、払出制御基板951を介して、主制御基板1310に供給されている。
[8−2−2.主制御基板に供給される電圧]
主制御基板1310は、図129に示すように、主制御MPU1310a等のほかに、+5V作成回路1310g、主制御フィルタ回路1310h、停電監視回路1310e等を備えている。+5V作成回路1310gは、電源基板931からの+12Vが払出制御基板951を介して供給され、この+12Vから主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板1310において、+5V作成回路1310gが作成する+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ラインとなる。本実施形態では、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5V電源ラインと、主制御基板1310の+5V作成回路1310gで作成される+5V電源ラインと、が電気的に接続されることがないように回路構成されているため、電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5V電源ラインが主制御基板1310の各種電子部品と電気的に接続されることがないし、主制御基板1310の+5V作成回路1310gで作成される+5V電源ラインが主制御基板1310を除く他の基板等の各種電子部品と電気的に接続されることもない。
主制御フィルタ回路1310hは、+5V作成回路1310gで作成される+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードMD0を介して電源基板931のキャパシタBC0に供給されるほかに、例えば、主制御MPU1310a等に供給されている。払出制御基板951からの+12Vは、例えば、主制御入力回路1310b等に供給され、払出制御基板951からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路1310d等に供給されている。
停電監視回路1310eは、電源基板931からの+12V及び+24Vが払出制御基板951を介して供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU1310aに出力する。停電予告信号は、主制御基板1310、そして払出制御基板951の払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aに入力される。また、停電予告信号は、主制御基板1310を介して周辺制御基板1510に入力される。また、停電予告信号は、周辺制御基板1510、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、図130(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に入力されるとともに、この枠装飾駆動アンプ基板194を介して、扉枠の装飾基板等にそれぞれ入力されるようになっている。
本実施形態では、停電監視回路1310eは、+12V電源ラインと+24V電源ラインとの2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+24V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比べて、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができる。
[9.主制御基板の回路]
次に、図123に示した主制御基板1310の回路等について、図131〜図133を参照して説明する。図131は主制御基板の回路を示す回路図であり、図132は停電監視回路を示す回路図であり、図133は主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路を示す回路図である。まず、図129に示した主制御フィルタ回路1310hについて説明し、続いて主制御基板1310で作成された電源、主制御システムリセット、主制御水晶発振器、主制御入力回路、停電監視回路、主制御MPUへの各種入出力信号、そして主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間の通信用インターフェース回路について説明する。
主制御基板1310は、図123及び図129に示した、主制御MPU1310a、主制御入力回路1310b、主制御出力回路1310c、主制御ソレノイド駆動回路1310d、停電監視回路1310e、+5V作成回路1310g、及び主制御フィルタ回路1310hのほかに、周辺回路として、図131に示すように、リセット信号を出力する主制御システムリセットMIC1、クロック信号を出力する主制御水晶発振器MX0(本実施形態では、24メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。
[9−1.主制御フィルタ回路]
主制御フィルタ回路1310hは、図131に示すように、主制御3端子フィルタMIC0を主として構成されている。この主制御3端子フィルタMIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。主制御3端子フィルタMIC0は、その1番端子に、+5V作成回路1310gで作成される+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)と接地され、その3番端子からノイズ成分を除去した+5Vが出力されている。1番端子に印加される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサMC1及び電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、主制御システムリセットMIC1の電源端子、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。なお、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。
主制御MPU1310aのVDD端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU1310aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、主制御MPU1310aのVDD端子は、コンデンサMC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードMD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードMD0のカソード端子は、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC4の他端と電気的に接続されている。この主制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードMD0のカソード端子及びコンデンサMC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗MR0を介して、図129に示した電源基板931のキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、主制御フィルタ回路1310hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、主制御MPU1310aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して、主制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図129に示した電源基板931の電源作成回路935dで作成される+12Vが払出制御基板951を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gに供給されなくなって+5V作成回路1310gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板1310に供給されるようになっているため、主制御MPU1310aのVDD端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU1310aが作動しないものの、主制御内蔵RAMのVBB端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[9−2.主制御システムリセット]
主制御フィルタ回路1310hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図131に示すように、主制御システムリセットMIC1の電源端子に印加されている。主制御システムリセットMIC1は、主制御MPU1310a及びリセット機能付き主制御出力回路1310caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。主制御システムリセットMIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサMC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、主制御システムリセットMIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
主制御システムリセットMIC1の出力端子は、主制御MPU1310aのリセット端子であるSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサMC6によりリップルが除去されて平滑化されている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗MR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が主制御MPU1310aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が主制御MPU1310aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子にそれぞれ入力される。主制御MPU1310aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、主制御MPU1310a及びリセット機能付き主制御出力回路1310caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−3.主制御水晶発振器]
主制御フィルタ回路1310hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図131に示すように、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子に印加されている。このVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC8の他端と電気的に接続されており、VDD端子に入力される+5Vは、さらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VDD端子のほかに、出力周波数選択端子であるA端子、B端子、C端子及びST端子にもそれぞれ印加されている。主制御水晶発振器MX0は、これらのA端子、B端子、C端子及びST端子に+5Vがそれぞれ印加されることにより、24MHzのクロック信号を出力端子であるF端子から出力する。
主制御水晶発振器MX0のF端子は、主制御MPU1310aのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、24MHzのクロック信号が入力されている。なお、主制御水晶発振器MX0の接地端子であるGND端子はグランド(GND)と接地されており、主制御水晶発振器MX0のF端子の分周波を出力するD端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−4.主制御入力回路]
主制御入力回路1310bは、図123に示した、一般入賞口センサ4020,4020、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、磁気検出センサ4024、カウントセンサ4005、ゲートセンサ4003からの検出信号のほかに、図124に示した払出制御基板951に備える操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)等が入力される回路である。各スイッチからの検出信号が入力される回路構成は、同一であるため、ここでは、操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路について説明する。
[9−4−1.操作スイッチからの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路]
まず、操作スイッチ954は、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板951の払出制御MPU952aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。主制御基板1310には、払出制御基板951が有するエラー解除を行う機能を有していないため、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ954からの操作信号が入力されると、主制御内蔵RAMをクリアするためのRAMクリア信号として判断して主制御内蔵RAMをクリアする処理を行う。
主制御基板1310には、操作スイッチ954が操作されていないときには払出制御基板951から論理がLOWとなった操作信号が入力される一方、操作スイッチ954が操作されているときには払出制御基板951から論理がHIとなった操作信号が払出制御基板951から入力されるようになっている(この点の詳細な説明について後述する)。
電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板951に備える操作スイッチ954からの操作信号を伝える伝送ラインは、図131に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR3を介してトランジスタMTR0のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のベース端子は、抵抗MR3と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR4の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR0のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR5の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC10(非反転バッファICMIC10は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC10A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。
払出制御基板951における操作スイッチ954からの操作信号を出力する回路は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、操作スイッチ954からの操作信号を伝える伝送ラインがプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。主制御基板1310は、操作スイッチ954が操作されていないときには払出制御基板951からの操作信号がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなって入力される一方、操作スイッチ954が操作されているときには払出制御基板951からの操作信号がプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなって入力される。
抵抗MR3,MR4、及びトランジスタMTR0から構成される回路は、操作スイッチ954からの操作信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
操作スイッチ954が操作されていないときには、論理がLOWとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作スイッチ954からの操作信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチ954からの操作信号の論理値がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものでないと判断する。
一方、操作スイッチ954が操作されているときには、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった操作スイッチ954からの操作信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチ954からの操作信号の論理値がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
なお、操作スイッチ954からの操作信号は、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。これは、操作スイッチ954からの操作信号が払出制御基板951を介して入力されているためである。つまり、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて信号の信頼性を高めている。そこで、本実施形態では、主制御基板1310に直接入力される、一般入賞口センサ4020、第一始動口センサ4002、及び第二始動口センサ4004からの検出信号は、プルアップ抵抗により+5V側に引き上げられる一方、図123に示したパネル中継基板4161を介して入力される、磁気検出センサ4024、カウントセンサ4005、一般入賞口センサ4020、及びゲートセンサ4003からの検出信号は、主制御基板1310に直接入力されないため、操作スイッチ954からの操作信号と同様に、プルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
[9−5.停電監視回路]
主制御基板1310は、図129に示したように、電源基板931から+12V及び+24Vという2種類の電圧が払出制御基板951を介して供給されており、+12V及び+24Vが停電監視回路1310eに入力されている。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を、主制御MPU1310aのほかに、払出制御基板951の払出制御MPU952aや周辺制御基板1510に出力する。ここでは、まず停電監視回路の構成について説明し、続いて+24Vの停電又は瞬停の監視、+12Vの停電又は瞬停の監視、そして停電予告信号の出力について説明する。
[9−5−1.停電監視回路の構成]
停電監視回路1310eは、図132に示すように、シャント式安定化電源回路MIC20、オープンコレクタ出力タイプのコンパレータMIC21、DタイプフリップフロップMIC22、トランジスタMTR20〜MTR23を主として構成されている。
シャント式安定化電源回路MIC20の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR20の他端と電気的に接続されて+5Vが印加されており、REF端子に入力される電流が抵抗MR20により制限されている。K端子は、コンパレータMIC21の比較基準電圧となるリファレンス電圧Vref(本実施形態では、2.495Vが設定されている。)を出力する。K端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC20の他端と電気的に接続されており、K端子から出力されるリファレンス電圧Vrefは、コンデンサMC20によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。なお、シャント式安定化電源回路MIC20のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
コンパレータMIC21は、2つの電圧比較回路を備えており、その1つ(MIC21A)を、+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いているとともに、残りの1つ(MIC21B)を、+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いている。MIC21Aのプラス端子である3番端子は、+24Vの監視電圧V1が印加され、MIC21Aのマイナス端子である2番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。MIC21Bのプラス端子である5番端子は、+12Vの監視電圧V2が印加され、MIC21Bのマイナス端子である6番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。これらの比較結果は、DタイプフリップフロップMIC22に入力されている。このDタイプフリップフロップMIC22は、2つのDタイプフリップフロップ回路を備えており、その1つ(MIC22A)を本実施形態に用いている。コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC21の他端と電気的に接続されており、コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC21によりリップルが除去されて平滑化され、コンパレータMIC21のグランド端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地されている。
[9−5−2.+24Vの停電又は瞬停の監視]
+24Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Aが+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+24Vの監視電圧V1が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子は、図132に示すように、一端が+24V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR21の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR22の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR21,MR22の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC23の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子に印加される+24Vの監視電圧V1は、抵抗MR21,MR22による抵抗比によって+24Vが分圧され、コンデンサMC23によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR21,MR22の値は、+24Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+24Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V1pf(本実施形態では、21.40Vに設定されている。)となったときに、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子は、オープンコレクタ出力となっており、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[9−5−3.+12Vの停電又は瞬停の監視]
+12Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Bが+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+12Vの監視電圧V2が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子は、図132に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR24の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR25の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR24,MR25の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC25の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子に印加される+12Vの監視電圧V2は、抵抗MR24,MR25による抵抗比によって+12Vが分圧され、コンデンサMC25によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR24,MR25の値は、+12Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+12Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V2pf(本実施形態では、10.47Vに設定されている。)となったときに、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子は、オープンコレクタ出力となっており、上述したMIC21Aの出力端子である1番端子と電気的に接続されているため、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、上述したように、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[9−5−4.停電予告信号の出力]
DタイプフリップフロップMIC22は、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化により、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶し、この記憶値(論理)を、出力端子である1Q端子から出力するとともに、その記憶値(論理)を反転させた値を、出力端子である負論理1Q端子から出力する。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、ラッチ状態を解除してプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理を反転させた信号を出力端子である1Q端子から出力する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号、つまりプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理と同一の論理となった信号を負論理1Q端子から出力する)一方、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されると、ラッチ状態をセットする。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されてラッチ状態をセットするようになっている際に、プリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、論理をHIとする信号を出力端子である1Q端子から出力する状態を維持する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号を負論理1Q端子から出力する状態を維持する)。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、D入力端子である1D端子、及びクロック入力端子である1CK端子は、グランド(GND)とそれぞれ接地されているため、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化がなく、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶して出力端子である1Q端子から出力することがないように回路構成されている。DタイプフリップフロップMIC22は、プリセット端子であるPR端子に、上述したように、+24Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子からの信号と、+12Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子からの信号と、が入力され、これらの信号に基づいて、出力端子である1Q端子から信号を出力する。なお、電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC22の他端と電気的に接続されており、DタイプフリップフロップMIC22の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC22によりリップルが除去されて平滑化され、接地端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地され、出力端子である1Q端子の論理を反転する負論理1Q端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、クリア端子であるCLR端子に主制御MPU1310aからの停電クリア信号がリセット機能付き主制御出力回路1310caを介して入力されている。この停電クリア信号は、主制御MPU1310aが行う後述する主制御側電源投入時処理において、出力開始されて所定時間経過後に停止されるようになっている。CLR端子は負論理入力であるため、主制御MPU1310aからの停電クリア信号は、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介してその論理がLOWとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されると、ラッチ状態を解除するようになっており、このとき、プリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する。
一方、主制御MPU1310aからの停電クリア信号の出力が停止されると、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介してその論理がHIとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されないときには、ラッチ状態をセットするようになっており、PR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチする。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号が停電予告信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、リセット機能なし主制御出力回路1310cbと電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号をリセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板951に払出停電予告信号として出力するとともに、周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力する。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子と、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と、を電気的に接続する主制御入力回路1310bは、図132に示すように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR26の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR27を介してトランジスタMTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のベース端子は、抵抗MR27と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR28の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23(非反転バッファICMIC23は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC23A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。
抵抗MR27,MR28、及びトランジスタMTR20から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がOFFする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR29により+5V側に引き上げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がONする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がLOWとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板951に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbは、図132に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路1310bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR30を介して前段のトランジスタMTR21のベース端子と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のベース端子は、抵抗MR30と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR31の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR32の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR33を介して後段のトランジスタMTR22のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のベース端子は、抵抗MR33と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR34の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC26の他端と電気的に接続され、そして配線(ハーネス)を介して払出制御基板951と電気的に接続されている。なお、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板951と電気的に接続されると、払出制御基板951における図124に示した払出制御部952の払出制御入力回路952bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図124に示した払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR30,MR31、及び前段のトランジスタMTR21から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗MR33,MR34、及び後段のトランジスタMTR22から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするものである。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、前段のトランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて前段のトランジスタMTR21がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタMTR22がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR21がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタMTR22がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がOFFする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がONする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板951においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がONする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)に引き下げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がOFFする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板951における払出制御部952の払出制御入力回路952bにおいてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbは、図132に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路1310bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR35を介してトランジスタMTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のベース端子は、抵抗MR35と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR36の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510と電気的に接続されている。なお、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510と電気的に接続されると、図126に示した周辺制御基板1510における周辺制御部1511の図示しない周辺制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図126に示した周辺制御MPU1511aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR35,MR36、及びトランジスタMTR23から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がOFFする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510における周辺制御部1511の払出制御入力回路においてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板1510に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がONする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板1510に入力される。
このように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を主制御MPU1310aに停電予告信号として伝える主制御入力回路1310bと、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbと、にはトランジスタがそれぞれ1つであり、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号と周辺制御基板1510に入力される周辺停電予告信号との論理が同一論理となっているのに対して、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板951に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbにはトランジスタが前段と後段との2つであり、払出停電予告信号の論理は、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号の論理と周辺制御基板1510に入力される周辺停電予告信号の論理とを反転させた論理となっており、停電予告信号の論理及び周辺停電予告信号の論理と異なっている。
また、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されているのに対して、リセット機能なし主制御出力回路1310cbの後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板951における払出制御部952の払出制御入力回路952bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されているとともに、リセット機能なし主制御出力回路1310cbのトランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板1510における周辺制御部1511の払出制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗と電気的に接続されている。これは、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20のコレクタ端子と主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1との端子間においては、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20と主制御MPU1310aとが主制御基板1310に実装されているため、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行うのに対して、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間、及び主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310a、払出制御MPU952a、及び周辺制御MPU1511aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行っている。
[9−6.主制御MPUへの各種入出力信号]
次に、主制御MPU1310aへの各種入出力信号について、図131を参照して説明する。主制御MPU1310aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXA端子は、図123に示した払出制御基板951からのシリアルデータが主制御入力回路1310bを介して払主シリアルデータ受信信号として受信される。一方、主制御MPU1310aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXA端子及びTXB端子は、TXA端子から、払出制御基板951に送信するシリアルデータを主払シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路1310cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板951に主払シリアルデータ送信信号を送信し、TXB端子から、図123に示した周辺制御基板1510に送信するシリアルデータを主周シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路1310cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路1310cbから周辺制御基板1510に主周シリアルデータ送信信号を送信する。
主制御MPU1310aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した操作信号(RAMクリア信号)が入力されるほかに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払出制御基板951からの払主ACK信号が主制御入力回路1310bを介して入力されたり、図123に示した第一始動口センサ4002等の各種スイッチからの検出信号が主制御入力回路1310bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの各出力端子からは、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主払ACK信号をリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから主払ACK信号を払出制御基板951に出力したり、図123に示した、始動口ソレノイド2107に対して、リセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから主制御ソレノイド駆動回路1310dを介して始動口ソレノイド2107に駆動信号を出力したり、図123に示した第一特別図柄表示器1403等の各種表示器に対して、リセット機能付き主制御出力回路1310caにそれぞれ駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから各種表示器に駆動信号をそれぞれ出力したり、遊技に関する各種情報(遊技情報)をリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから遊技に関する各種情報(遊技情報)を払出制御基板951に出力したり等する。
[9−7.主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路]
次に、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間の通信用インターフェース回路について、図133を参照して説明する。主制御基板1310は、図129に示した電源基板931からの+12Vが払出制御基板951を介して供給され、+5V作成回路1310gは、この+12Vから主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
具体的には、主制御基板1310は、リセット機能なし主制御出力回路1310cbを通信用インターフェース回路として機能させており、通信用インターフェース回路は、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50を主として構成されている。これに対して、周辺制御基板1510には、通信用インターフェース回路として、ダイオードAD10、電解コンデンサAC10(本実施形態では、静電容量:47μF)、フォトカプラAIC10(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)を主として構成されている。
主制御基板1310のダイオードMD50のアノード端子には、電源基板931から供給される+12Vが払出制御基板951を介して印加され、ダイオードMD50のカソード端子には、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサMC50(本実施形態では、静電容量:220マイクロファラッド(μF))のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードMD50のカソード端子は、電解コンデンサMC50のプラス端子と電気的に接続されるほかに、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10のアノード端子(1番端子)と電気的に接続されている。これにより、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板931からの電力が払出制御基板951を介して主制御基板1310に供給されなくなった場合には、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板1310から周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加し続けることができるようになっている。
このように、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生した場合に、図131に示した電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470μF)に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeは、少なくとも、その送信バッファレジスタ1310aebに主制御CPUコア1310aaがセットしたコマンドをシリアル管理部1310aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ1310aeaから主周シリアルデータとして送信完了することができる。
主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、上述したように、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
そこで、本実施形態では、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板1310から周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加されるようになっているため、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeは、その送信バッファレジスタ1310aebに主制御CPUコア1310aaがセットしたコマンドをシリアル管理部1310aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ1310aeaから主周シリアルデータとして送信すると、トランジスタMTR50のコレクタ端子から+12Vにより論理をHIとする主周シリアルデータ送信信号を送信することができるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeの送信バッファレジスタ1310aebの記憶容量が32バイトを有しており、また1パケットが3バイトのデータから構成されているため、送信バッファレジスタ1310aebに最大で10パケット分のデータが記憶されるようになっている。また、本実施形態では、主制御MPU1310aから送信される主周シリアルデータの転送ビットレートが19200bpsに設定されている。
フォトカプラAIC10のカソード端子(3番端子)は、抵抗AR10、そしてその配線(ハーネス)を介して、主制御基板1310のトランジスタMTR50のコレクタ端子と電気的に接続されている。周辺制御基板1510の抵抗AR10は、フォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。
図131に示した主制御MPU1310aから主周シリアルデータ送信信号を出力するTXB端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR50の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR51を介してトランジスタMTR50のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のベース端子は、抵抗MR51と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR52の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地されている。
抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成される回路はスイッチ回路であり、主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れないため、フォトカプラAIC10がOFFする。一方、主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れるため、フォトカプラAIC10がONする。
周辺制御基板1510のダイオードAD10のアノード端子には、電源基板931から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して印加されて、ダイオードAD10のカソード端子が、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードAD10のカソード端子は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるほかに、フォトカプラAIC10の電源端子であるVcc端子(6番端子)と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10のエミッタ端子(4番端子)は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラAIC10のコレクタ端子(5番端子)は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10がON/OFFすることによりフォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主周シリアルデータ送信信号として周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。
これにより、上述したように、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板931から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して周辺制御基板1510に供給されなくなった場合には、電解コンデンサAC10に充電された電荷が+5VとしてフォトカプラAIC10のVcc端子に印加し続けることができるようになっている。電又は瞬停が発生した際に、電解コンデンサAC10からの+5Vが印加されることにより、主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeの送信バッファレジスタ1310aebにセットされたデータが送信完了することができるようになっており、送信途中の主周シリアルデータ送信信号、つまり主周シリアルデータが寸断されることなく、また欠落されることなく周辺制御基板1510で確実に受信されるようになっている。
主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFすることでフォトカプラAIC10がOFFするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される一方、主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONすることでフォトカプラAIC10がONするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される主周シリアルデータ送信信号の論理は、主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理と、同一の論理となっている。
このように、本実施形態では、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vが印加される+5V電源ラインと、ダイオードMD50を介して印加される通信用電圧である+12Vが印加される+12V電源ラインと、が停電又は瞬停が発生して制御基準電圧及び通信用電圧が低下した際の対策が施されている。つまり、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeに対しては、+5V電源ラインと、主制御フィルタ回路1310hの電解コンデンサMC2を第1の補助電源とする電解コンデンサMC2のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+5V電源ラインから印加される制御基準電圧が低下しても、第1の補助電源である主制御フィルタ回路1310hの電解コンデンサMC2のプラス端子からの制御基準電圧が印加されることによって、制御基準電圧が印加された状態を維持することができるようになっているし、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路1310cbに対しては、+12V電源ラインに印加される+12Vが通信用電圧としてダイオードMD50のアノード端子に印加され、このダイオードMD50のカソード端子と、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+12V電源ラインからダイオードMD50を介して印加される通信用電圧が低下しても、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子からの通信用電圧が印加されることによって、通信用電圧が印加された状態を維持することができるようになっている。これにより、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信中のコマンドの寸断を防止することができ、また欠落を防止することができるため、周辺制御基板1510は、送信中のコマンドを確実に受信することができる。したがって、停電の発生直後や瞬停時におけるコマンドの取りこぼしを解消することができる。
また、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeの送信バッファレジスタ1310aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべて、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路1310cbを介して、周辺制御基板1510へ送信完了することができるように、主制御フィルタ回路1310hの電解コンデンサMC2の静電容量として470μFが設定され、電解コンデンサMC50の静電容量として220μFが設定されている。これにより、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信中に停電又は瞬停が発生しても、送信バッファレジスタ1310aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべてインターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路1310cbを介して周辺制御基板1510へ送信完了することができるため、周辺制御基板1510は、送信バッファレジスタ1310aebにセットされた複数のコマンドを寸断することなく、また欠落することなく確実に受信することができる。
[10.払出制御基板の回路]
次に、図124に示した払出制御基板951の回路等について、図134〜図139を参照して説明する。図134は払出制御部の回路等を示す回路図であり、図135は払出制御入力回路を示す回路図であり、図136は図135の続きを示す回路図であり、図137は払出モータ駆動回路を示す回路図であり、図138はCRユニット入出力回路を示す回路図であり、図139は主制御基板との各種入出力信号、及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図である。まず、払出制御フィルタ回路について説明し、続いて払出制御部の回路、そして主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号について説明する。
[10−1.払出制御フィルタ回路]
払出制御フィルタ回路951aは、図134に示すように、払出制御3端子フィルタPIC0を主として構成されている。この払出制御3端子フィルタPIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。払出制御3端子フィルタPIC0の1番端子は、図129に示した電源基板931からの+5Vが印加されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC0の他端と電気的に接続されており、電源基板931からの+5VがコンデンサPC0により、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。払出制御3端子フィルタPIC0の2番端子は、グランド(GND)と接地され、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、ノイズ成分を除去した+5Vを出力している。
払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサPC1、及び電解コンデンサPC2(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子から出力される+5Vからさらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、後述する、払出制御システムリセットPIC1の電源端子、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子、払出制御MPU952aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。なお、払出制御MPU952aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサPC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。
払出制御MPU952aのVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5VはコンデンサPC3によりさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU952aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、払出制御MPU952aのVDD端子は、コンデンサPC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードPD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードPD0のカソード端子は、払出制御MPU952aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC4の他端と電気的に接続されている。この払出制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードPD0のカソード端子及びコンデンサPC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗PR0を介して、図129に示した電源基板931のキャパシタBC1のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、払出制御フィルタ回路951aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、払出制御MPU952aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して、払出制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図129に示した電源基板931の電源作成回路935dで作成される+5Vが払出制御基板951に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板951に供給されるようになっているため、払出制御MPU952aのVDD端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU952aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMのVBB端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、払出制御内蔵RAMに対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路は、上記ダイオードPD0と上記キャパシタBC1とによって構成されている。
[10−2.払出制御部の回路]
払出制御部952は、払出制御MPU952a、払出制御入力回路952b、払出制御出力回路952c、払出モータ駆動回路952d、CRユニット入出力回路952eのほかに、周辺回路として、図134に示すように、リセット信号を出力する払出制御システムリセットPIC1、クロック信号を出力する払出制御水晶発振器PX0(本実施形態では、8メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。ここでは、まず払出制御システムリセットについて説明し、続いて払出制御水晶発振器、払出制御入力回路、払出モータ駆動回路、CRユニット入出力回路、そして払出制御MPUへの各種入出力信号について説明する。
[10−2−1.払出制御システムリセット]
払出制御フィルタ回路951aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図134に示すように、払出制御システムリセットPIC1の電源端子に印加されている。払出制御システムリセットPIC1は、払出制御MPU952a及びリセット機能付き払出制御出力回路952caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。払出制御システムリセットPIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサPC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、払出制御システムリセットPIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
払出制御システムリセットPIC1の出力端子は、払出制御MPU952aのリセット端子であるSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサPC6は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗PR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が払出制御MPU952aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が払出制御MPU952aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子にそれぞれ入力される。払出制御MPU952aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、払出制御MPU952a及びリセット機能付き払出制御出力回路952caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[10−2−2.払出制御水晶発振器]
払出制御フィルタ回路951aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図134に示すように、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子に入力されている。このVCC端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC8の他端と電気的に接続されており、VCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VCC端子のほかに、払出制御水晶発振器PX0の出力許可(Output Enable)端子であるOE端子にも印加されている。払出制御水晶発振器PX0は、そのOE端子に+5Vが印加されることにより、8MHzのクロック信号を出力端子であるOUT端子から出力する。
払出制御水晶発振器PX0のOUT端子は、払出制御MPU952aのクロック端子であるMCLK端子と電気的に接続されており、8MHzのクロック信号が払出制御MPU952aに入力されている。なお、払出制御水晶発振器PX0の接地端子であるGND端子はグラント(GND)と接地されている。
[10−2−3.払出制御入力回路]
払出制御入力回路952bは、図124に示した、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619、図129に示した主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの払出停電予告信号が入力される回路、図124に示したハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して満タン検知センサ279からの検出信号が入力される回路、操作スイッチ954からの操作信号が入力される回路等である。まず、扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路について説明し、続いて本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路、停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路、満タン検知センサからの検出信号が入力される回路、そして操作スイッチからの操作信号が入力される回路について説明する。なお、満タン検知センサ279や、図124に示した、球切れ検知センサ827、払出検知センサ842、回転検知センサ840等の各種検出スイッチは、出力端子がオープンコレクタ出力タイプであるため、各種検出スイッチからの検出信号が入力される回路構成はほぼ同一であるため、ここでは、満タン検知センサからの検出信号が入力される回路について説明する。
[10−2−3(a).扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
扉枠開放スイッチ618は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、図1に示した、扉枠3が本体枠4から開放された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。扉枠開放スイッチ618の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR20の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のベース端子は抵抗PR21と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR22の他端と電気的に接続されている。また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC20の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR23の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC20(非反転バッファICPIC20は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC20A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。トランジスタPTR20がON/OFFすることによりトランジスタPTR20のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が扉開放信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のベース端子は抵抗PR24と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR25の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR21がON/OFFすることによりトランジスタPTR21のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
更に、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるとともに、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR26を介してトランジスタPTR22のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のベース端子は抵抗PR26と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR27の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して図123に示した主制御基板1310と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されると、図123に示した主制御基板1310の主制御入力回路1310bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR22がON/OFFすることによりトランジスタPTR22のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板1310に入力される。
プルアップ抵抗PR20及びコンデンサPC20から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、扉枠3が本体枠4から開放される際に、又は扉枠3が本体枠4に閉鎖される際に、扉枠開放スイッチ618を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による扉枠開放スイッチ618からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR21,PR22、及びトランジスタPTR20から構成される回路と、抵抗PR24,PR25、及びトランジスタPTR21から構成される回路と、抵抗PR26,PR27、及びトランジスタPTR22から構成される回路と、は扉枠開放スイッチ618からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR23により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR21がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR22がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
一方、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR21がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR22がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
このように、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONすることにより、論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される一方、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFすることにより、論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
[10−2−3(b).本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
本体枠開放スイッチ619は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、図1に示した、本体枠4が外枠2から開放された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。本体枠開放スイッチ619の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR28の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のベース端子は抵抗PR29と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR30の他端と電気的に接続されている。また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC21の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR21のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR23がON/OFFすることによりトランジスタPTR23のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR31を介してトランジスタPTR24のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のベース端子は抵抗PR31と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR32の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR22のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して図123に示した主制御基板1310と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されると、図123に示した主制御基板1310の主制御入力回路1310bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR24がON/OFFすることによりトランジスタPTR24のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板1310に入力される。
プルアップ抵抗PR28及びコンデンサPC21から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、本体枠4が外枠2から開放される際に、又は本体枠4が外枠2に閉鎖される際に、本体枠開放スイッチ619を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による本体枠開放スイッチ619からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR29,PR30、及びトランジスタPTR23から構成される回路と、抵抗PR31,PR32、及びトランジスタPTR24から構成される回路と、は本体枠開放スイッチ619からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR24がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
一方、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR24がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
このように、本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONすることにより、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される一方、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFすることにより、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
本実施形態では、上述したように、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態と、本体枠4が外枠2から開放された状態と、のうち、いずれか一方の状態又は両方の状態となった場合でも、主制御基板1310に対しては主枠扉開放信号が入力されるようになっているため、図123に示した主制御基板1310の主制御MPU1310aは、主枠扉開放信号に基づいて、扉枠3が本体枠4から開放された状態であるか、それとも本体枠4が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができるし、外部端子板784に対しては外端枠扉開放情報出力信号が入力されるようになっているため、この外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784を介してホールコンピュータに伝わり、ホールコンピュータは、外端枠扉開放情報出力信号に基づいて、扉枠3が本体枠4から開放された状態であるか、それとも本体枠4が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができる。
また、本実施形態では、上述したように、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用したことにより、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、扉枠3が本体枠4から開放された状態となり、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、本体枠4が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用することにより、短絡時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板1310に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
なお、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチから、常開形(ノーマルオープン(NO))のスイッチ(扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’)に替えると、扉枠開放スイッチ618’は、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠3が本体枠4に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。本体枠開放スイッチ619’は、本体枠4が外枠2から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠4が外枠2に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。そうすると、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、扉枠3が本体枠4から開放された状態となるし、また、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、本体枠4が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’をノーマルオープンのスイッチを採用しても、断線時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板1310に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
[10−2−3(c).停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路]
主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの払出停電予告信号を伝える伝送ラインは、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR40の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR41を介してトランジスタPTR40のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のベース端子は抵抗PR41と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR42の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR40のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR43の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。トランジスタPTR40がON/OFFすることによりトランジスタPTR40のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が払出停電予告信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
抵抗PR41,PR42、及びトランジスタPTR40から構成される回路は、主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの払出停電予告信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
停電監視回路1310eは、上述したように、電源基板931からの+12V及び+24Vという2種類の電圧の停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、リセット機能なし主制御出力回路1310cbを介して停電予告として払出停電予告信号を払出制御基板951に出力する。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候を監視し、上述したように、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板951においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力される一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して上述したプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力される。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、つまり+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力されるため、トランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR40がOFFし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR43により+5V側に引き上げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子から論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、つまり+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板951に入力されるため、停電監視回路1310eからの払出停電予告信号によりトランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることでトランジスタPTR40がONし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子の論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
このように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。これは、上述したように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっているため、停電監視回路1310eからの停電予告による、払出制御MPU952aに入力される払出停電予告信号の論理と、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号の論理と、が同一論理となっている。
[10−2−3(d).満タン検知センサからの検出信号が入力される回路]
図1に示したファールカバーユニット270に備える満タン検知センサ279からの検出信号は、図1に示したハンドル中継端子板315、そして図6に示した電源基板931を介して、払出制御基板951に入力されている。この満タン検知センサ279の出力端子は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、払出制御基板951において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR44aの他端と電気的に接続されるとともに満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されている。この満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。
満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の2番端子は、グランド(GND)と接地され、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の3番端子は、抵抗PR44bを介して、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されるとともに、抵抗PR45を介してトランジスタPTR41のベース端子と電気的に接続されている。これにより、満タン検知センサ279の検出信号は、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去されてトランジスタPTR41のベース端子に入力される。トランジスタPTR41のベース端子は、抵抗PR45が電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)に接地される抵抗PR46の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC40の他端と電気的に接続されている。コンデンサPC40は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。トランジスタPTR41のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR41のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR47の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2と電気的に接続されている。トランジスタPTR41がON/OFFすることによりトランジスタPTR41のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が満タン信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
抵抗PR45,PR46、及びトランジスタPTR41から構成される回路は、満タン検知センサ279からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
満タン検知センサ279は、上述したように、ファールカバーユニット270の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものである。本実施形態では、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タン検知センサ279の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して、払出制御基板951においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が払出制御基板951に入力される一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タン検知センサ279の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して、払出制御基板951においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が払出制御基板951に入力される。
収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タン検知センサ279の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して、払出制御基板951においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった満タン信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タン検知センサ279の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板931を介して、払出制御基板951においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR47により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった満タン信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
なお、本実施形態では、満タン検知センサ279からの検出信号は、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50を介して、抵抗PR45、抵抗PR46、及びトランジスタPTR41から構成されるスイッチ回路に入力される回路構成としていたが、図124に示した、球切れ検知センサ827、払出検知センサ842等の各種検出スイッチからの検出信号は、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50のようなT型フィルタ回路を介さずに各スイッチ回路に直接入力される回路構成となっている。満タン検知センサ279は、扉枠3に取り付けられるファールカバーユニット270に設けられているため、本体枠4に取り付けられる払出装置830に設けられる球切れ検知センサ827、払出検知センサ842等と比べると、検出信号を伝送する経路が極めて長くなり、ノイズの影響を極めて受けやすい。
満タン検知センサ279は、ファールカバーユニット270の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものであり、払出制御MPU952aは、満タン検知センサ279からの検出信号に基づいて、収容空間が貯留された遊技球で満タンであると判断すると、払出モータ834の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止する制御を行うようになっている。つまり、満タン検知センサ279からの検出信号を伝える伝送経路(伝送ライン)にノイズが侵入すると、払出制御MPU952aは、収容空間が貯留された遊技球で満タンでもないのに、払出モータ834の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止するという場合もあるし、収容空間が貯留された遊技球で満タンであるにもかからず、払出モータ834を駆動制御して払出回転体を回転させて遊技球の払い出しを継続することにより上述した賞球通路の上流側まで遊技球で満たされると、払出回転体そのものが回転することができなくなって払出モータ834に負荷が異常にかかり、払出モータ834が過負荷となって異常発熱して故障したり、払出モータ834の回転軸を払出回転体の回転運動に伝達する機構等が故障したりするという場合もある。そこで、本実施形態では、このような問題が発生しないように、満タン検知センサ279からの検出信号を、まず満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去するように回路構成を採用した。
[10−2−3(e).操作スイッチからの操作信号が入力される回路]
操作スイッチ954の出力端子である1番端子及び2番端子は、グランド(GND)に接地され、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されている。前段のトランジスタPTR42のベース端子は、抵抗PR49と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR50の他端と電気的に接続されている。また、操作スイッチ954の出力端子である4番端子は、プルアップ抵抗PR48と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC41の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタPTR42のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR51の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR52を介して後段のトランジスタPTR43のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のベース端子は、抵抗PR52と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR53の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR54の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3と電気的に接続されている。前段及び後段のトランジスタPTR42,PTR43がON/OFFすることにより後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRWMCLR信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。
また、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されるほか、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR55を介してトランジスタPTR44のベース端子と電気に接続されている。トランジスタPTR44のベース端子は、抵抗PR55と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR56の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR44のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されると、図131に示した、主制御基板1310の主制御入力回路1310bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR44がON/OFFすることによりトランジスタPTR44のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRAMクリア信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
プルアップ抵抗PR48及びコンデンサPC41から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、操作スイッチ954が押圧操作される際に、操作スイッチ954を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による操作スイッチ954からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR49,PR50、及びトランジスタPTR42から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗PR52,PR53、及びトランジスタPTR43から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、抵抗PR55,PR56、及びトランジスタPTR44から構成される回路はスイッチ回路であり、操作スイッチ954からの操作信号によりON/OFFするものである。
操作スイッチ954は、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板951の払出制御MPU952aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。操作スイッチ954からの操作信号は、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能においては、RAMクリア信号となる一方、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能においては、エラー解除信号となる。
操作スイッチ954が操作されていないときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられることで論理がHIとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタPTR43がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR54により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRWMCLR信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU952aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときにはエラー解除を行うことを指示するものではないと判断する。
また、操作スイッチ954が操作されていないときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御基板1310に入力される。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がLOWであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図131に示した、この論理がLOWであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断する。
一方、操作スイッチ954が操作されているときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR51により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタPTR43がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRWMCLR信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU952aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときにはエラー解除を行うことを指示するものであると判断する。
また、操作スイッチ954が操作されているときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48によりグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御基板1310に入力される。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がHIであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図131に示した、この論理がHIであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
[10−2−4.払出モータ駆動回路]
次に、図5に示した払出装置830の払出モータ834に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路952dについて説明する。払出モータ駆動回路952dは、図137に示すように、電圧切替回路952da、ドライブICPIC60を主として構成されている。電圧切替回路952daの電源入力端子1,2は、+12V電源ライン及び+5V電源ラインとそれぞれ電気的に接続されて+12及び+5Vがそれぞれ印加され、電圧切替回路952daの接地端子は、グランド(GND)と接地されている。電圧切替回路952daの電源切替入力端子は、電圧切替信号が入力される。この電圧切替信号は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路952caから電圧切替回路952daの電源切替入力端子に出力されるようになっている。電圧切替回路952daの電源出力端子は、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、払出モータ834の電源端子と電気的に接続され、電圧切替回路952daの電圧切替入端子に入力される電圧切替信号に基づいて、+12V又は+5Vを、モータ駆動電圧として、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子にそれぞれ供給するとともに、払出モータ834に供給する。
ドライブICPIC60は、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、ドライブICPIC60のエミッタ端子である6番端子及び7番端子は、それぞれグランド(GND)と接地され、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子は、払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力される。ドライブICPIC60のコレクタ端子である2番端子、4番端子、9番端子、そして11番端子は、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子とそれぞれ対応しており、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子に払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力されると、励磁信号である駆動パルスを払出モータ834と対応する各相(/B相、B相、A相、/A相)にそれぞれ出力する。この払出モータ駆動信号は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路952caから抵抗PR60〜PR63を介してドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子にそれぞれ出力されるようになっている。これらの駆動パルスは、払出モータ834の各相(/B相、B相、A相、/A相)に流す励磁電流のスイッチングにより行われ、払出モータ834を回転させる。なお、このスイッチングにより各相(/B相、B相、A相、/A相)の駆動パルス(励磁信号)を遮断したときには逆起電力が発生する。この逆起電力がドライブICPIC60の耐圧を超えると、ドライブICPIC60が破損するため、保護として、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子の前段に上述したツェナーダイオードPZD0を電気的に接続する回路構成を採用した。
[10−2−5.CRユニット入出力回路]
次に、図125に示したCRユニット6との各種信号を入出力するためのCRユニット入出力回路952eについて説明する。払出制御基板951は、CRユニット6から、上述したように、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、貸球要求信号であるBRDYと、1回の払出動作開始要求信号であるBRQと、が入力され、また図125に示した電源基板931から供給されるAC24Vから作成した、所定電圧VL(+12V)及びグランドLGが供給される一方、払出制御基板951から、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号と、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号と、を出力する。これらの各種信号等を入出力する入出力回路は、図138に示すように、フォトカプラPIC70〜PIC74(赤外LEDとフォトトランジスタとが内蔵されている。)を主として構成されている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、抵抗PR70を介して、フォトカプラPIC70のアノード端子に印加されている。フォトカプラPIC70のカソード端子は、CRユニット6からのグランドLGと電気的に接続されている。抵抗PR60は、フォトカプラPIC70の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときには、フォトカプラPIC70がONする一方、フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFするようになっている。フォトカプラPIC70のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71を介してトランジスタPTR70のベース端子と電気的に接続されるほかに、抵抗PR72を介してトランジスタPTR71のベース端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR73の他端と電気的に接続されている。
トランジスタPTR70のベース端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR74の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR70のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR70のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR75の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して図134に示した払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR70がON/OFFすることによりトランジスタPTR70のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号1として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、トランジスタPTR71のベース端子は、抵抗PR72と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR76の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR71のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板931と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板931と電気的に接続されると、電源基板931において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR71がON/OFFすることによりトランジスタPTR71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号として電源基板931に入力される。
抵抗PR71,PR74、及びトランジスタPTR70から構成される回路は、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR70がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号1が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR70のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR70がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PTR75により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号1が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
抵抗PR72,PR76、及びトランジスタPTR71から構成される回路も、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR71がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板931においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号が電源基板931に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR71のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR71がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板931のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号が電源基板931に入力される。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子のほかに、抵抗PR77を介して、フォトカプラPIC71のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC71のカソード端子は、CRユニット6からのBRDYが入力されている。抵抗PR77は、フォトカプラPIC71の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONする一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするようになっている。フォトカプラPIC71のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC71のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR78の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC71がON/OFFすることによりフォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRDY信号として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRDY信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR78により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRDY信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力されるBRDY信号の論理は、CRユニット6からのBRDYの論理と同一の論理となっている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子、及びフォトカプラPIC71のアノード端子のほかに、抵抗PR79を介して、フォトカプラPIC72のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC72のカソード端子は、CRユニット6からのBRQが入力されている。抵抗PR79は、フォトカプラPIC72の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONする一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするようになっている。フォトカプラPIC72のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC72のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR80の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC72がON/OFFすることによりフォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRQ信号として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRQ信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR80により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRQ信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力されるBRQ信号の論理は、CRユニット6からのBRQの論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号は、リセット機能なし払出制御出力回路952cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから抵抗PR81を介してフォトカプラPIC73のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC73のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR82の他端と電気的に接続されている。抵抗PR82は、フォトカプラPIC73の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONする一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするようになっている。フォトカプラPIC73のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC73のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR83により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC73がON/OFFすることによりフォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がEXSとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR83により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力されるEXSの論理は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号は、抵抗PR84を介して、フォトカプラPIC74のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC74のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR85の他端と電気的に接続されている。抵抗PR85は、フォトカプラPIC74の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONする一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするようになっている。フォトカプラPIC74のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC74のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR86により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC74がON/OFFすることによりフォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がPRDYとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR86により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力されるPRDYの論理は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理と同一の論理となっている。
[10−2−6.払出制御MPUへの各種入出力信号]
次に、払出制御MPU952aの各種入出力ポートの入出力端子から入出力される各種入出力信号について説明する。
払出制御MPU952aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXD端子は、図134に示すように、主制御基板1310からのシリアルデータが払出制御入力回路952bを介して主払シリアルデータ受信信号として受信される。一方、払出制御MPU952aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXD端子からは、主制御基板1310に送信するシリアルデータを払主シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし払出制御出力回路952cbに送信してリセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に払主シリアルデータ送信信号を送信する。
払出制御MPU952aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した、RWMCLR信号、払出停電予告信号、扉開放信号、満タン信号、CRユニット6からの各種信号(BRQ信号、BRDY信号、CR接続信号1等)等がそれぞれ入力されるほかに、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主制御基板1310からの主払ACK信号が払出制御入力回路952bを介して入力されたり、図124に示した、球切れ検知センサ827、払出検知センサ842、回転検知センサ840等からの検出信号が払出制御入力回路952bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの各出力端子からは、上述したEXS信号及びPRDY信号をリセット機能なし払出制御出力回路952cbにそれぞれ出力してリセット機能なし払出制御出力回路952cbからEXS信号及びPRDY信号をCRユニット入出力回路952eに出力したり、上述した電圧切替信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから電圧切替信号を電圧切替回路952daに出力したり、払出モータ駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから払出モータ駆動信号を払出モータ駆動回路952dを介して払出モータ834に出力したりするほかに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払主ACK信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから払主ACK信号を主制御基板1310に出力したり、図124に示したエラーLED表示器860bの駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したり等する。
[10−3.主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号]
次に、払出制御基板951と主制御基板1310との各種入出力信号と、払出制御基板951から外部端子板784への各種出力信号について、図139を参照して説明する。
[10−3−1.主制御基板との各種入出力信号]
払出制御基板951は、主制御基板1310と各種入出力信号のやり取りを行う。具体的には、図139(a)に示すように、払出制御基板951は、上述した、払主シリアルデータ送信信号、払主ACK信号、操作信号(RAMクリア信号)、主枠扉開放信号等を、主制御基板1310に出力する。これらの出力される信号は、主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
一方、払出制御基板951は、上述した、主払シリアルデータ受信信号、主払ACK信号、及び操作信号(RAMクリア信号)のほかに、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号、及び2ラウンド大当り情報出力信号等の大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する遊技情報信号や払出停電予告信号等が主制御基板1310から入力される。これらの入力される信号は、払出制御基板951の払出制御部952の払出制御入力回路952bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
[10−3−2.外部端子板への各種出力信号]
払出制御基板951は、外部端子板784に各種信号を出力する。具体的には、図139(b)に示すように、上述した外端枠扉開放情報出力信号のほかに、払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとに出力される賞球数情報出力信号、主制御基板1310から払出制御基板951を介して、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号との大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号等の遊技情報信号を、外部端子板784に出力する。これらの出力される信号は、外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。つまり外部端子板784には、払出制御基板951側からの外端枠扉開放情報出力信号、及び賞球数情報出力信号という2つの信号が出力され、主制御基板1310側からのメイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号という8つの信号が払出制御基板951を介して(通過して)出力されるようになっている。
外部端子板784から出力される信号は、図示しない遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに伝わるようになっており、ホールコンピュータは、遊技者の遊技等を監視している。なお、15ラウンド大当り情報出力信号又は2ラウンド大当り情報出力信号を1つの大当り情報出力信号としてホールコンピュータに出力する場合には、ホールコンピュータは、ラウンドが2回となった大当りの回数(2ラウンド大当りの発生回数)と、ラウンドが15回となった大当りの回数(15ラウンド大当りの発生回数)と、が合算されたものがパチンコ機1の大当りの回数となる。このため、ホールコンピュータは、その合算された大当り回数から、2ラウンド大当りの発生回数や15ランド大当りの発生回数を把握することができないので、実際にパチンコ機1で発生した大当り回数が多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができない。またパチンコ機1の上方に図示しないデータカウンタが配置されており、遊技者の中には、このデータカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数等を参考にして遊技を行うか否かを選択する者もいる。
ところが、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、実際には2ラウンド大当りの発生回数に偏っている場合もあるので、遊技者が遊技を開始しても、2ラウンド大当りばかり発生して15ラウンド大当りがなかなか発生しないこともある。このように、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、遊技者に期待感を与えることはできるものの、必要以上に遊技者の射幸心をあおりかねない。
そこで、本実施形態では、大当り情報出力信号として、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号とを別々にホールコンピュータに出力することにより、ホールコンピュータは、2ラウンド大当りの発生回数と、15ラウンド大当り発生回数と、を正確に把握することができるようになっている。したがって、ホールコンピュータは、実際にパチンコ機1で発生した大当り回数の多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができるし、データカウンタには15ラウンド大当りの発生回数と2ラウンド大当りの発生回数とを別々に又は15ラウンド大当りの発生回数のみを大当り遊技状態の発生回数として表示することができるので、必要以上に遊技者の射幸心をあおることもない。
なお、本実施形態では、2ラウンド大当り情報出力信号は2ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっており、15ラウンド大当り情報出力信号も15ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっている。本実施形態のように、2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号をホールコンピュータに出力する方法のほかに、例えば、2ラウンド大当りが発生すると、2ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とし、15ラウンド大当りが発生すると、15ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とする、このような2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号を同一の所定期間だけホールコンピュータに出力する方法も挙げることができる。
[11.外部端子板の出力端子の配列]
次に、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータへ各種信号を出力する外部端子板784の出力端子の配列について、図140を参照して説明する。外部端子板784は、、本体枠ベース600の後面に取り付けられる賞球ベースの後面に取り付けられるとともに、その後側が外部端子板カバー786により覆われている。図140は外部端子板の出力端子の配列を示す図である。
外部端子板784は、上述したように、外端枠扉開放情報出力信号、賞球数情報出力信号、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号との大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号を払出制御基板951から入力されると、パチンコ機1の外部へ出力するものである。
これらの各種信号について、簡単に説明すると、外端枠扉開放情報出力信号は、図1に示した扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを伝える信号であり、賞球数情報出力信号は、図5に示した払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、メイン賞球数情報出力信号は、図8に示した第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、15ラウンド大当り情報出力信号は、15ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、2ラウンド大当り情報出力信号は、2ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、確率変動中情報出力信号は、確率変動が発生している状態である旨を伝える信号であり、特別図柄表示情報出力信号は、図10に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、普通図柄表示情報出力信号は、図10に示した機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、時短中情報出力信号は、時短状態が発生している旨を伝える信号であり、始動口入賞情報出力信号は、図8に示した第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球するごとにその旨を伝える信号である。
外部端子板784には、図140に示すように、出力端子PT1〜PT10が一列に水平に並んで配置されている。出力端子PT1は、白色に施されて賞球数情報出力信号が出力されるものである。賞球数情報出力信号は、上述したように、図5に示した払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT1から0.105秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの賞球数情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、賞球数情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ機1の払出モータ834が賞球として10球の遊技球を賞球として払い出したことを把握することができるとともに、その払い出した遊技球の球数をカウントしてパチンコ機1が払い出した遊技球の総球数を把握することができる。
出力端子PT2は、緑色に施されて外端枠扉開放情報出力信号が出力されるものである。外端枠扉開放情報出力信号は、上述したように、図1に示した扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT2から扉枠3及び/又は本体枠4が開放されている間、出力されるようになっている。外部端子板784からの外端枠扉開放情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、外端枠扉開放情報出力信号が入力されている間、パチンコ機1の扉枠3及び/又は本体枠4が開放されていることを把握することができる。
出力端子PT3は、灰色に施されて特別図柄表示情報出力信号が出力されるものである。特別図柄表示情報出力信号は、上述したように、図10に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT3から機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405における特別図柄の変動表示の終了(停止)時に0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの特別図柄表示情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、特別図柄表示情報出力信号が入力されると、パチンコ機1の機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405において特別図柄の変動表示が終了(停止)したことを把握することができるとともに、その回数をカウントしてパチンコ機1の機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403や第二特別図柄表示器1405において特別図柄を変動表示した総回数を把握することができる。
出力端子PT4は、黄色に施されて始動口入賞情報出力信号が出力されるものである。始動口入賞情報出力信号は、上述したように、図8に示した第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT4から第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球するごとに0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの始動口入賞情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、始動口入賞情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ機1の第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球したことを把握することができるとともに、始動口入賞情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1の第一始動口2002又は第二始動口2004に入球した遊技球の総球数を把握することができる。
出力端子PT5は、黒色に施されて15ラウンド大当り情報出力信号が出力されるものである。15ラウンド大当り情報出力信号は、上述したように、15ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT5から15ラウンド大当りが発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの15ラウンド大当り情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、15ラウンド大当り情報出力信号が入力されている間、パチンコ機1に15ラウンド大当りが発生している状態であることを把握することができるとともに、15ラウンド大当り情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に15ラウンド大当りが発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT6は、桃色に施されて2ラウンド大当り情報出力信号が出力されるものである。2ラウンド大当り情報出力信号は、上述したように、2ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT6から2ラウンド大当りが発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの2ラウンド大当り情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、2ラウンド大当り情報出力信号が入力されている間、パチンコ機1に2ラウンド大当りが発生している状態であることを把握することができるとともに、2ラウンド大当り情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に2ラウンド大当りが発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT7は、青色に施されて普通図柄表示情報出力信号が出力されるものである。普通図柄表示情報出力信号は、上述したように、図10に示した機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT7から機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402における普通図柄の変動表示の終了(停止)時に0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの普通図柄表示情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、普通図柄表示情報出力信号が入力されると、パチンコ機1の機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402において普通図柄の変動表示が終了(停止)したことを把握することができるとともに、その回数をカウントしてパチンコ機1の機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402において普通図柄を変動表示した総回数を把握することができる。
出力端子PT8は、赤色に施されて時短中情報出力信号が出力されるものである。時短中情報出力信号は、上述したように、時短状態が発生している旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT8から時短状態が発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの時短中情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、時短中情報出力信号が入力されると、パチンコ機1に時短状態が発生していることを把握することができるとともに、時短中情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に時短状態が発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT9は、橙色に施されて確率変動中情報出力信号が出力されるものである。確率変動中情報出力信号は、上述したように、確率変動が発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT9から確率変動が発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの確率変動中情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、確率変動中情報出力信号が入力されると、パチンコ機1に確率変動が発生している状態であることを把握することができるとともに、確率変動中情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に確率変動が発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT10は、水色に施されてメイン賞球数情報出力信号が出力されるものである。メイン賞球数情報出力信号は、上述したように、図8に示した第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出される予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT10から0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からのメイン賞球数情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、メイン賞球数情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ機1が賞球として10球の遊技球を賞球として払い出す予定であることを把握することができるとともに、その払い出す予定の遊技球の球数をカウントしてパチンコ機1が払い出す予定の遊技球の総球数を把握することができる。なお、例えば第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が20球以上に達してメイン賞球数情報出力信号を複数回出力するとき場合には、メイン賞球数情報出力信号が0.256(=0.128秒間×2回)秒間、1つの連続した信号とならにように、0.128秒間という間隔をあけて出力するようになっている。
外部端子板784の出力端子PT1〜PT10のうち、出力端子PT1,PT2は、払出制御基板951側において出力される各種信号が出力されるのに対して、出力端子PT3〜PT10は、主制御基板1310側において出力される各種信号が払出制御基板951を介して(通過して)出力されるように配置されている。出力端子PT1〜PT10は、それぞれ色が施され、これらの色と同一色に施されたコネクタを有する配線を出力端子PT1〜PT10にそれぞれ電気的に接続することにより、他の配線を誤って電気的に接続することを防止することができるようになっている。そして、払出制御基板951側において出力される各種信号と、主制御基板1310側において出力される各種信号と、を混在しないように、払出制御基板951側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための出力端子PT1,PT2を外部端子板784の左側に一列に配置するとともに、主制御基板1310側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための出力端子PT3〜PT10を外部端子板784の中央左寄りから右側に向かって一列に配置することにより、この点においても、払出制御基板951側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための配線と、主制御基板1310側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための配線と、を誤って電気的に接続することを防止することができるようになっている。
なお、本実施形態では、払出制御基板951側において出力される賞球数情報出力信号と、主制御基板1310側において出力されるメイン賞球数情報出力信号と、がそれぞれ外部端子板784からホールコンピュータへ伝えるように構成されている。これは、例えば、パチンコ島設備に何らかのトラブルにより図1に示した賞球タンク720にパチンコ島設備側からの遊技球が供給されなくなっている状態において、賞球タンク720に貯留されている遊技球が残り少なくなった時点において、たまたまパチンコ機1に15ラウンド大当りが発生すると、遊技球を賞球として払い出すための賞球タンク720に貯留されている遊技球の球数が不足するため、払い出すことができなくなる(また、例えば払出装置830内において球詰まりや球がみが発生すると、これを解消することができないと、遊技球を払い出すことができない)。そうすると、払出制御基板951側において出力される賞球数情報出力信号は、上述したように、図5に示した払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であるため、遊技球を払い出すことができなくなることにより払出制御基板951は賞球数情報出力信号を出力して外部端子板784を介してホールコンピュータへ伝えることができなくなる。遊技球が払い出されない状態となると、遊技者がホールの店員等を呼び出す。ホールの店員などは、例えば、パチンコ島設備から賞球タンク720へ遊技球を供給するためのホース状の補給ノズル等をチェックして球詰まりの位置を特定(また、例えば払出装置830内において発生した、球詰まりの位置や球がみの位置を特定)して解消することにより、遊技球が払い出される状態に復帰することとなる。
しかし、ホールの店員等が作業をすすめている状況であっても、主制御基板1310による遊技は進行しているため、15ラウンド大当り終了したのちに、ホールの店員等の作業により遊技球が払い出される状態に復帰すると、払出制御基板951は未払い出しの遊技球を次々と払い出すこととなり、15ラウンド大当り終了して15ラウンド大当りが発生していない時期であるにもかかわらず、払出制御基板951は、払出モータ834が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える賞球数情報出力信号を出力して外部端子板784を介してホールコンピュータへ伝えることとなる。そうすると、15ラウンド大当りが発生していない時期であるにもかかわらず、極めて多くの遊技球を払い出すこととなるため、パチンコ機1の遊技状態と、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数と、の関係をホールコンピュータが正確に把握することができないという問題が生ずる。
そこで、本実施形態では、払出制御基板951により払出モータ834が駆動制御されて賞球として実際に払い出したか否かに関係なく、つまり払出制御基板951が出力する賞球数情報出力信号とは別の信号として、主制御基板1310は、図8に示した第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号としてメイン賞球数情報出力信号を出力して払出制御基板951、そして外部端子板784を介して、ホールコンピュータへ伝えるという仕組みを採用した。これにより、仮に、上述したトラブル(補給ノズル等における球詰まり、払出装置830内における球詰まりや球がみ等のトラブル)が発生したとしても、パチンコ機1の遊技状態と、この遊技状態における払い出す予定の遊技球の球数と、の関係を正確にホールコンピュータへ伝えることができる。したがって、パチンコ機1の遊技状態と、遊技状態における払い出される遊技球の球数と、の関係をホールコンピュータが正確に把握することができる。
[12.演出表示駆動基板の回路]
次に、扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う演出表示駆動基板4450の回路について、図141を参照して説明する。演出表示駆動基板4450は、上述したように、扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納されており、扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う液晶モジュール回路450Vを主として構成されている。図141は上皿側液晶表示装置の表示領域の描画を行う液晶モジュール回路を示す回路図である。
[12−1.液晶モジュール回路]
演出表示駆動基板4450の液晶モジュール回路450Vは、図141に示すように、扉枠側演出用レシーバICSDIC0を主として構成されている。
液晶モジュール回路450Vは、図128に示した周辺制御基板1510の扉枠側演出用トランスミッタIC1512dからザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式によるシリアル信号(シリアルデータ)がプラス信号とマイナス信号として送信されると、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、コモンモードチョークコイルSDL0にそれぞれ入力され、このコモンモードチョークコイルSDL0によりプラス信号とマイナス信号とからノイズをそれぞれ分離することができるようになっている。ノイズが分離されたプラス信号とマイナス信号とは、扉枠側演出用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力されている。RXIN+端子とRXIN−端子との間には抵抗SDR0が電気的に接続されている。この抵抗SDR0は、終端抵抗(ターミネータ)であり、プラス信号とマイナス信号とがRXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ反射するのを防ぎ、シリアル信号の乱れを防止している。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、に復元する(つまり、シリアル化される前のパラレル信号に復元する)。なお、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号は、上述したように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビットであるものの、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットの信号となっている。
液晶モジュール回路450Vは、周辺制御基板1510の扉枠側演出用トランスミッタIC1512dからの信号のほかに、上述したように、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが周辺制御基板1510の差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号も入力されるようになっている。周辺制御基板1510の強制切替回路1512fは、上述したように、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450の液晶モジュール回路450Vに送信される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450の液晶モジュール回路450Vに送信される。
強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号、つまり扉枠側演出用トランスミッタIC1512dからザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式によるシリアル信号(シリアルデータ)がプラス信号とマイナス信号として、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、コモンモードチョークコイルSDL0に入力され、そして扉枠側演出用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して入力されているときには、この2つの信号がコモンモードチョークコイルSDL0に入力され、そして扉枠側演出用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力される。扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、LOCKN信号の出力要求であることを判断して、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。
なお、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データは、上述したように、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として送信されるものである。本実施形態におけるLOCKN信号出力要求データは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されるものの、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号、つまり上述したザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)とデータ形式が全く異なる構造としている。このため、LOCKN信号出力要求データが扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されると、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号でないものと判断し、異常なデータであるとして、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を出力することとなる。換言すると、本実施形態では、受信したデータが異常なデータであると判断したときにLOCKN信号を出力するという扉枠側演出用レシーバICSDIC0の機能を利用して、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を強制的に出力させるために、わざわざ、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号とデータ形式が異なる構造のLOCKN信号出力要求データを、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力することにより、扉枠側演出用レシーバICSDIC0というデバイスが正常に動作しているか否かを確認することができるようになっている。これにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認することができる。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0のVDD端子、VDDO端子、LVDSVDD端子、PLLVDD端子、及びPDWN端子は、図130に示した上皿側液晶モジュール電源回路4450xが作成した+3.3Vがそれぞれ供給され、扉枠側演出用レシーバICSDIC0のGND端子、GNDO端子、LVDSGND願紙、PLLGND端子、EDGE端子、OE端子、MODE0、及びMODE1端子がそれぞれグランドに接地されている。
VDD端子は、デジタル回路用の電源端子であり、このデジタル回路用のグランドとなるGND端子との端子間にコンデンサSDC0が電気的に接続されており、VDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
VDDO端子は、TTL(Transistor−Transistor Logic)出力用の電源端子であり、このTTL出力用のグランドとなるGNDO端子との端子間にコンデンサSDC1が電気的に接続されており、VDDO端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
LVDSVDD端子は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)入力用の電源端子であり、このLVDS入力用のグランドとなるLVDSGND端子との端子間にコンデンサSDC2が電気的に接続されており、LVDSVDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
PLLVDD端子は、PLL(Phase Locked Loop)回路用の電源端子であり、このPLL回路用のグランドとなるPLLGND端子との端子間にコンデンサSDC3が電気的に接続されており、PLLVDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
PDWN端子は、+3.3Vが供給(印加)されることにより論理がHIとなって通常動作する旨を伝える一方、+3.3の供給が停止されて論理がLOWとなってパワーダウンする旨を伝える端子である。PDWN端子は、+3.3Vが抵抗SDR1を介して供給されるとともに、一端がグランドに接地されたバリスタSDZ0の他端と電気的に接続されている。このバリスタSDZ0は、抵抗SDR1を介して供給される+3.3Vの電電ラインのノイズや過電圧を抑えている。
EDGE端子は、後述する、CLKOUT端子から出力されるクロック信号DCLKに基づく各種出力端子(DE端子、SYNC0端子〜SYNC2端子、及びD0端子〜D17端子)から出力される各種信号の伝送を、立ち上がりエッジとする(論理がLOWからHIへ遷移する)場合、又は立ち下がりエッジとする(論理がHIからLOWへ遷移する)場合のいずれかを指定するための端子であり、本実施形態では、上述したように、EDGE端子をグランドに接地することにより立ち下がりエッジを指定している。因みに、EDGE端子を+3.3Vに接続すると、立ち上がりエッジを指定することができる。
OE端子は、後述する各種出力端子(DE端子、SYNC0端子〜SYNC2端子、D0端子〜D17端子、及びCLKOUT端子)の出力を許可するか否かを指示するものであり、本実施形態では、上述したように、OE端子をグランドに接地することにより、常に、出力可能状態としている。因みに、OE端子を+3.3Vに接続すると、出力することができない状態となる。
MODE0端子、及びMODE1端子は、動作モードを選択する端子であり、ともにグランドに接地することで動作モードを選択することができる。動作モードには、ノーマルモードとシェイクハンドモードとがある。ノーマルモードでは、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号(3ビットの同期信号)と、から構成されるパラレル信号に扉枠側演出用レシーバICSDIC0が復元するという通常動作するモードである。シェイクハンドモードでは、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求する旨をLOCKN端子からLOCKN信号を出力するモードである。このシェイクハンドモードは、自動的に切り替わるようになっている。
例えば、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号(3ビットの同期信号)と、から構成されるパラレル信号に扉枠側演出用レシーバICSDIC0が復元したものが、何らかの理由により、異常なデータで扉枠側演出表示装置460に描画することが困難である場合には、ノーマルモードからシェイクハンドモードに自動的に切り替わってLOCKN端子からLOCKN信号を出力する。このLOCKN信号は、ダンピング抵抗である抵抗SDR2、周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に入力され、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。周辺制御MPU1511aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに伝えるために、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子に接続確認信号を出力する。この接続確認信号がINIT端子に入力されると、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信する。このような所定のデータパターン(SYNCパターン)が扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されることにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続を容易に回復することができるようになっている。所定のデータパターン(SYNCパターン)は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに予め記憶されている。なお、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子と、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子と、を枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して電気的に直接接続してもよい。
LOCKN端子は、上述したように、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求する旨を出力する端子である。LOCKN端子から出力されるLOCKN信号は、演出表示駆動基板4450のダンピング抵抗である抵抗SDR2、周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に入力され、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。
SYNC0端子〜SYNC2端子は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて復元された水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号を出力する端子である。本実施形態では、復元された、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号を使用しないため、SYNC0端子〜SYNC2端子が未接続端子となっている。
DE端子は、後述する、CLKOUT端子から出力されるクロック信号、データ出力端子であるD0端子〜D17端子から出力されるデータが有効又は無効であることを伝えるDE信号を出力する端子である。DE端子から出力されるDE信号は、ダンピング抵抗である抵抗SDR3を介して扉枠側演出表示装置460に入力される。
CLKOUT端子は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0に内蔵されるPLL回路により生成されるクロック信号DCLKを出力する端子である。CLKOUT端子から出力されるクロック信号DCLKは、ダンピング抵抗である抵抗SDR4を介して扉枠側演出表示装置460に入力される。
D0端子〜D17端子は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて復元された赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)を出力するデータ出力端子である。D0端子〜D5端子という6ビットのデータ出力端子から青色映像信号B0〜B5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この青色映像信号B0〜B5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA0を介して扉枠側演出表示装置460にそれぞれ入力される。D6端子〜D11端子という6ビットのデータ出力端子から緑色映像信号G0〜G5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この緑色映像信号G0〜G5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA1を介して扉枠側演出表示装置460にそれぞれ入力される。D12端子〜D17端子という6ビットのデータ出力端子から赤色映像信号R0〜R5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この赤色映像信号R0〜R5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA2を介して扉枠側演出表示装置460にそれぞれ入力される。
なお、周辺制御基板1510、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、演出表示駆動基板4450、及び扉枠側演出表示装置460のグランドは、電気的に接続されており、同一グランドとなっている。
[第1制御部MCG,第2制御部SCGが有する各電子部品の実装態様]
ところで、一般に、電子部品を表面実装した場合、集積化によってハードウェア回路の小型化を好適に図ることができる点で有益であることが知られている。ただし、電子部品のうちの集積回路部品(複数種別の単機能素子(抵抗素子、ダイオード素子、若しくはコンデンサ素子など)が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入される部品)では、その性質上、ディスクリート部品(一の単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入される部品)よりもパッケージが自ずと大きくなることから、パッケージの裏側には比較的大きなスペースが生み出される。そして、このようなパッケージの裏側のスペースは、表面実装の状態では、視認によって確認し難い箇所(電子部品(不正部品)が不正に搭載され易い箇所)になってしまう。このため、遊技機の分野においては、長年にわたって、電子部品をベース板(いわゆるベース基板など)に対して表面実装ではなく挿入実装することがなされている。
すなわち、挿入実装される電子部品は、パッケージとベース板との間に比較的大きな隙間を生み出す傾向にある。したがって、電子部品を挿入実装するようにすることで、実装状態においても、パッケージの裏側のスペースを視認によって確認し易い箇所として維持することが可能であり、これによって不正部品が搭載されることが好適に抑制されるようにしている。
ただし近年、遊技機の分野では、演出に供される空間のさらなる大型化が進んでいることなどもあり、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつも、ハードウェア回路の小型化を図ることが求められるようになってきている。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図123に示される上記第1制御部MCGと上記第2制御部SCGとのうち、遊技に関する演出制御を行うものでしかない上記第2制御部SCGについては遊技者が得る特典とは直接的に関係しておらず不正の対象とされ難いことに鑑み、まず、当該第2制御部SCGについてはこれを表面実装によって構成することとしている。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかる第2制御部SCGは、図123に示されるように、上記周辺制御基板1510を備えて構成されている。そして、第2制御部SCGは、周辺制御基板1510のベース基板に対して実装される各種の集積回路部品や各種のディスクリート部品を用いることによって上記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行可能とされている。
ここで、周辺制御基板1510のベース基板に対して実装される各種の集積回路部品としては、例えば、図126に示される周辺制御MPU1511aや、周辺制御ROM1511bなどがある。また、周辺制御基板1510のベース基板に対して実装される各種のディスクリート部品としては、例えば、図133に示される抵抗AR10,AR11や、ダイオードAD10、電解コンデンサAC10などがある。
この点、この実施の形態にかかる第2制御部SCGでは、そのベース板(ここでは、周辺制御基板1510のベース基板)に、各種の電子部品のリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域のみが形成されるようにしている。すなわちこの場合、周辺制御基板1510が有する上述した各種の電子部品としても、表面実装タイプの部品(SMD)がそれぞれ用いられることとなる。ただし、これらの電子部品は、遊技者が得る特典とは直接的に関係しておらず不正の対象とされ難いものであることから、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を落とすことなく、当該パチンコ機1に搭載されるハードウェア回路の小型化を図ることができるようになる。
これに対し、この実施の形態にかかる第1制御部MCGは、図123に示されるように、上記主制御基板1310、上記払出制御基板951、及び上記電源基板931を備えて構成されている。そして、第1制御部MCGは、これら基板1310,951,931のベース基板に対して実装される各種の集積回路部品や各種のディスクリート部品を用いることによって上記制御用電源(例えば、+5Vなど)の生成処理や、賞球の払出しを含めた遊技に関する処理が実行可能とされている。しかしながら、第1制御部MCG側におけるこうした処理は、遊技者の特典付与に直結するものであることから、当該第1制御部MCGは不正の対象とされ易いものとなっている。したがって、ハードウェア回路の小型化が求められるとは言え、第1制御部MCGを単純に表面実装によって集積化してしまうと、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能が著しく低下してしまい、遊技興趣の低下が避けられなくなるといった実情にある。
ただしその一方で、このような第1制御部MCGであっても、そのベース板(主制御基板1310のベース基板や、払出制御基板951のベース基板、電源基板931のベース基板)に実装される各種の電子部品のうちのディスクリート部品は、集積回路部品よりもパッケージが小さくなっており、その裏側に電子部品が不正に搭載されたとしても視認によって容易に確認することが可能であることから、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能として比較的高い性能を有した部品であるといえる。
すなわち、発明者は、第1制御部MCGに搭載される電子部品のなかには、不正に対するセキュリティ性能の高い部品(ディスクリート部品)と、不正に対するセキュリティ性能の低い部品(集積回路部品)とが混在していることに着目し、ハードウェア回路としてのさらなる集積化を、不正に対するセキュリティ性能の高い部品(ディスクリート部品)のみで図るようにすれば、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつも、ハードウェア回路の小型化を図ることが可能であることを見出した。
図188は、第1制御部MCGにあって、不正に対するセキュリティ性能の高い部品(ディスクリート部品)のみで集積化が図られている様子を模式的に示す図である。以下、同図188を参照して、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが可能であることについて説明する。
同図188に示されるように、この実施の形態にかかる第1制御部MCGは、ベース板BBと、該ベース板BBに対して実装される各種の電子部品Dとを備えて構成されている。なお、同図188は、本願にかかる特徴的な技術の原理を説明するための模式図でしかなく、例えば、ベース板BBは、実際には、主制御基板1310のベース基板と、払出制御基板951のベース基板と、電源基板931のベース基板との3つのベース基板を有して構成されるものであるが、本願にかかる特徴的な技術をこのような実施形態に適用した例については後述することとして、ここでは、まず、説明の便宜上、それらが1つのベース基板により構成される例を想定して説明することとする。
ここで、上記ベース板BBには、
・電子部品に設けられたリード部が当該ベース板BB内に挿入されるかたちで実装されて、集積性能では劣るものの不正抑制性能に優れる挿入実装領域THと、
・電子部品に設けられたリード部が当該ベース板BBの表面上に置かれるかたちで実装されて、配線パターンの多段積層化などによって集積性能には優れるものの不正抑制性能で劣る表面実装領域SMと
の両方が区分けされるかたちでそれぞれ設けられている。
このような構成によれば、不正対象にされ難い電子部品を表面実装領域SMに実装可能としつつも、集積化よりも不正抑制を追及するべき電子部品についてはこれを挿入実装領域TH側に実装することが可能とされることから、ハードウェア回路の小型化を実現可能としつつも、不正部品の搭載に対する抑制性能についてはこれを好適に維持することができるようになる。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、上記各種の電子部品Dとして、
・複数種別の単機能素子が集積化されるかたちで相対的に大きいパッケージに封入されており、不正な搭載に対するセキュリティ性能の低い集積回路部品D1と、
・単機能素子が相対的に小さいパッケージに封入されるだけであり、不正な搭載に対するセキュリティ性能の高いディスクリート部品D2と
を備えている。
この点、本願にかかる特徴的な1つ目の技術として、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、上記セキュリティ性能の低い集積回路部品D1についてはこれを上記挿入実装領域THと上記表面実装領域SMとのうちの不正抑制性能に優れる挿入実装領域THのみに実装するとともに、不正抑制性能に劣る表面実装領域SMにおいては、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品のみを実装することとしている。これにより、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることを可能ならしめている。
また、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、同図188に示されるように、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品D2として、表面実装領域SMに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2aと、挿入実装領域THに実装される挿入実装タイプのディスクリート部品D2bとを有している。
すなわち上述の通り、電子部品に関しては、一般的に、挿入実装タイプではなく、表面実装タイプを用いたほうが集積化を図ることはできる。ただし、上記ベース板BBとして、挿入実装領域THと表面実装領域SMとの両方を区分けして備えるようにした場合、回路設計上、例えば、電気的に接続される集積回路部品D1の設けられる位置や、これに関連した配線パターンの設けられるスペースなどとの兼ね合いから、表面実装領域SMではなく、挿入実装領域THに電子部品を配置させるようにしたほうが集積化を逆に図ることができるような場合も生じうる。
この点、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、ディスクリート部品D2の全てを表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして用いるのではなく、集積化を図る上で最も適した態様となるようにその一部に挿入実装タイプのディスクリート部品D2bをあえて用いることとしている。これにより、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化をより好適に図ることが期待されるようになる。
またさらに、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、同図188に示されるように、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品D2であっても、コンデンサ素子のうち容量値の大きいコンデンサ素子(バックアップ電源用など)については、その他の素子(抵抗素子やダイオード素子、容量値の小さいコンデンサ素子(フィルタ回路用など)など)よりも相対的に大きい形状とされていることに鑑みて、表面実装領域SMに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2aとしては用いず、挿入実装領域THに実装される挿入実装タイプのディスクリート部品D2b−Cとしてのみ用意することとしている。これにより、ハードウェア回路の小型化を図るにあたり、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能をより好適に維持することができるようになる。
ただし、容量値の大きいコンデンサ素子が他の素子(ディスクリート部品)よりも大型であるとは言え、集積回路部品D1と比較すれば、パッケージとベース板との間にそれほど大きな隙間が生まれることもない。したがって、該コンデンサ素子を、表面実装領域SMに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして用いるようにしてもよく、この場合であっても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持することは可能である。
しかも、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、上述した本願にかかる特徴的な1つ目の技術とは異なる観点をもとになされた、特徴的な2つ目の技術が内在されている。
すなわち、同図188に示されるように、この実施の形態にかかる第1制御部MCGでは、特定の電気的機能(例えば、バックアップ電源供給機能)を発揮することを目的とした一のハードウェア回路を、ディスクリート部品D2によって電気的に構成されるディスクリート回路(集積回路部品D1を用いないハードウェア回路)DHCとして有している。ただし、このディスクリート回路DHCは、挿入実装領域THと表面実装領域SMとに分けられるかたちでそれぞれ実装された複数のディスクリート部品D2によって構成される電気的構造をもって設けられている。
すなわちこの場合、特定の電気的機能(例えば、バックアップ電源供給機能)を発揮することを目的とした一のディスクリート回路DHCであるにもかかわらず、ベース板BB上では、挿入実装領域THに対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品D2bと、表面実装領域SMに対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品D2aとが混在するようになる。したがって、第1制御部MCGのベース板BBを第三者が視認したときに、それらが特定の電気的機能(例えば、バックアップ電源供給機能)を発揮するために電気的に密接な役割を持っていることを想起し難くさせることができるようになり、こうした回路理解の困難性が高められることでも不正の抑制が期待されうるようになる。また、表面実装領域SMに対して電子部品の一部が実装されることで、ハードウェア回路の小型化も期待されうるようになる。
以上、説明したとおり、この実施の形態にかかるパチンコ機1によれば、電子部品に対する不正を抑制しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることができるようになる。
ただし上述の通り、図188に示した例は、本願にかかる特徴的な2つの技術の原理を説明するためのものであるから、次に、上記各技術を本願の実施形態に適用した例について説明する。
この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、まず、第1制御部MCGのベース板BBは、主制御基板1310のベース基板と、払出制御基板951のベース基板と、電源基板931のベース基板との3つのベース基板を有して構成されている。そして、これらのベース基板に、挿入実装領域THと表面実装領域SMとの両方が区分けされるかたちで設けられるようにしている。
ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上記3つのベース基板のうち、上記電源基板931についてはそのベース基板に上記挿入実装領域THのみが形成されており、上記主制御基板1310のベース基板と上記払出制御基板951のベース基板とにおいて、挿入実装領域THと表面実装領域SMとの両方がそれぞれ区分けされるかたちで設けられる。
そして、第1制御部MCGのベース板BBに実装される各種の電子部品Dのうち、上述した「主制御内蔵RAMに対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路」のうちのダイオードMD0(図129参照)を、上記主制御基板1310のベース基板のうちの表面実装領域SMに対し、表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして実装することとしている。また、これと同様、上述した「払出制御内蔵RAMに対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路」のうちのダイオードPD0(図129参照)を、上記払出制御基板951のベース基板のうちの表面実装領域SMに対し、表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして実装することとしている。
このような構成によれば、上記セキュリティ性能の低い集積回路部品D1と上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品D2とのうち、ディスクリート部品D2(ダイオードMD0,ダイオードPD0)のみが表面実装タイプのディスクリート部品D2aとして表面実装領域SM(主制御基板1310,払出制御基板951)にそれぞれ実装されるようになる。これにより、不正の対象となり易い上記第1制御部MCG側においても、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが可能とされるようになる(本願にかかる特徴的な1つ目の技術)。
しかも、この実施形態に適用した例では、第1制御部MCGのベース板BBに形成される表面実装領域SMには、特定種類のディスクリート部品(ここでは、ダイオードMD0及びダイオードPD0はいずれもショットキーダイオード素子)のみが複数個実装されるようになる。すなわちこの場合、不正抑制性能で劣る表面実装領域SMに実装される電子部品はいずれも同じ形状を持つこととなることから、不正確認に要する手間が省かれることが期待されるようになる。
また、上記構成では、電源基板931が本来は有するべきディスクリート部品(電源供給機能の一部を担う電子部品)を、該電源基板931とは異なる基板(主制御基板1310)側にあえて実装するようにしている。すなわち、電源基板931に表面実装領域SMを形成するだけのスペース的な余裕が無かったとしても、他の基板に表面実装領域SMを形成してそこに表面実装タイプのディスクリート部品D2として実装することが可能であり、第1制御部MCG全体としての回路設計にかかる自由度の向上を図ることができるようになる。
またさらに、上記構成では、バックアップ電源供給機能を発揮することを目的として、複数のディスクリート部品D2(ここでは、コンデンサ素子、及びショットキーダイオード素子)を有した一のディスクリート回路DHC(バックアップ電源回路)が設けられるにもかかわらず、該ディスクリート回路DHCを構成する上記複数のディスクリート部品D2については、挿入実装領域TH(コンデンサ素子)と表面実装領域SM(ショットキーダイオード素子)とに分けてそれぞれ実装することとしている。
このような構成によれば、バックアップ電源供給機能を発揮することを目的とした一のディスクリート回路DHC(バックアップ電源回路)であるにもかかわらず、ベース板BB上では、挿入実装領域TH(電源基板931)に対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品D2bと、表面実装領域SM(主制御基板1310,払出制御基板951)に対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品D2aとが混在するようになる。したがって、第1制御部MCGのベース板BBを第三者が視認したときに、それらが特定の電気的機能(例えば、バックアップ電源供給機能)を発揮するために電気的に密接な役割を持っていることを想起し難くさせることができるようになり、こうした回路理解の困難性が高められることでも不正の抑制が期待されうるようになる(本願にかかる特徴的な2つ目の技術)。
しかも、この実施形態に適用した例では、バックアップ電源供給機能を発揮することを目的とした一のディスクリート回路DHC(バックアップ電源回路)が有する複数のディスクリート部品D2を、挿入実装領域TH(コンデンサ素子)と表面実装領域SM(ショットキーダイオード素子)とに分けて実装することのみならず、それらディスクリート部品D2を異なる2つの基板(主制御基板1310,払出制御基板951(ショットキーダイオード素子)、電源基板931(コンデンサ素子)にさらに分けて実装することとしている。すなわちこの場合、表面実装用と挿入実装用とで混在する電子部品D2a,D2bが、さらに異なるベース基板にそれぞれ実装されるようになることから、回路理解の困難性が益々高められるようになり、不正の抑制がさらに期待されうるようになる。
また、上記実施形態では、図188から明らかであるように、第1制御部MCGのベース板BBにおける表面実装領域SMの実装面は、第1制御部MCGのベース板BBにおける挿入実装領域THの実装面よりも小さい面積となるように設けられている。したがって、不正抑制性能に劣る表面実装領域SMが設けられるものであることが第三者に気付き難くされるようになり、不正行為の抑制が期待されうるようになる。
また、上記実施形態では、図188から明らかであるように、第1制御部MCGのベース板BBにおける表面実装領域SMに実装される電子部品の種類の数は、第1制御部MCGのベース板BBにおける挿入実装領域THに実装される電子部品の種類の数よりも少なくなるように設けられている。したがって、相対的にセキュリティ性能に劣る表面実装領域SMに実装される電子部品に対して不正な行為がなされていないかの目視チェックの対象とされる電子部品の種類が相対的に少なくされることで、目視チェックの容易化を図ることができるようになる。
また、上記実施形態では、図188から明らかであるように、第1制御部MCGのベース板BBにおける表面実装領域SMに実装される電子部品の総数は、第1制御部MCGのベース板BBにおける挿入実装領域THに実装される電子部品の総数よりも少なくなるように設けられている。したがって、相対的にセキュリティ性能に劣る表面実装領域に実装される電子部品に対して不正な行為がなされていないかの目視チェックの対象とされる電子部品の総数が相対的に少なくされることで、目視チェックにかかる負荷を軽減させることができるようになる。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、表面実装領域SMを、主制御基板1310のベース基板と払出制御基板951のベース基板とにそれぞれ設けることとしたが、電源基板931のベース基板に形成してもよい。
また、特定のベース基板にのみ表面実装領域SMを形成し、該特定のベース基板に、他のベース基板に本来は実装されるべき表面実装タイプのディスクリート部品D2もまとめて配設するようにしてもよい。このような構成によれば、不正な搭載がされていないか否かを確認するに際して、特定のベース基板に形成された表面実装領域SMのみを重点的に確認すればよくなることから、不正確認に要する手間が省かれることが期待されるようになる。
ただし、上記3つのベース基板のいずれにおいても集積回路部品D1が実装されることに鑑みれば、不正を好適に抑制する上では、3つのベース基板のいずれにおいても少なくとも挿入実装領域THは形成されなければならない。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1制御部MCGのベース板BBを、主制御基板1310のベース基板と、払出制御基板951のベース基板と、電源基板931のベース基板との3つのベース基板によって構成されるものとしたが、図188に模式的に示したように、それらを一のベース基板上でまとめて構成するようにしてもよい。
また、本願にかかる「第1制御部MCGのベース板BB」とは、要は、表面実装領域SMと挿入実装領域THとが区分けされるものであればよく、これを複数のベース基板によって設けるようにしてもよいし、一のベース基板によって設けるようにしてもよい。
例えば、主制御基板1310のベース基板として、挿入実装領域THのみが形成された第1のベース基板と、表面実装領域SMのみが形成された第2のベース基板とを備え、該第2のベース基板を、上記第1のベース基板の挿入実装領域THに対して挿入実装することによって、電子部品の不正な搭載に対するセキュリティ性能を維持しつつ、上記第1のベース基板に挿入実装されている電子部品と上記第2のベース基板に表面実装されている電子部品とが互いに電気的に接続されるような構造が採用されることも想定されうるが、この場合における「第1制御部MCGのベース板BB」とは、挿入実装領域THのみが形成された第1のベース基板と、表面実装領域SMのみが形成された第2のベース基板との両方を少なくとも含む概念である。すなわち、このような態様も、「第1制御部MCGのベース板BBには、挿入実装領域THと表面実装領域SMとの両方がそれぞれ区分けされるかたちで設けられる」といった態様のうちの一の態様として含まれるものである。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、不正抑制性能に劣る表面実装領域SMに実装される部品(表面実装部品)として、相対的に小さいパッケージに封入される電子部品であるディスクリート部品のみが用いられるようにすることで、不正部品が搭載されるだけのスペースを排除(裏面側のスペースを小さく)しつつ、ハードウェア回路の小型化を実現可能としている。
ただし、このようなセキュリティ性能に優れたディスクリート部品(表面実装部品)であっても、その裏側には、小さいスペースではあるものの、表面実装領域SMに実装された状態では視認によって確認し難い箇所が依然として残される。したがって、パチンコ機1の運用・管理を行うホール側としては、「ディスクリート部品(表面実装部品)の裏側には不正部品が搭載されるだけのスペースは残されていない」といったことは理解できたとしても、「極めて小さな不正部品が生み出されてこれが不正に搭載されるかもしれない」などといった不安感を完全に捨て切ることはできず、視認によって確認することが困難とされる状況のなかでの確認を強いられるなど、当該パチンコ機1の運用・管理が煩雑になってしまうことが懸念される。
そこで、主制御基板1310や払出制御基板951の各ベース基板については、上述した態様に代えて、以下の態様で設けるようにすることがより望ましい。
[主制御基板1310や払出制御基板951の各ベース基板についての変形例]
図189は、変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBについて、該ベース基板MBにおける一部領域を示す図である。以下、同図189を参照して、主制御基板1310のベース基板MBについての変形例を説明する。なお、払出制御基板951のベース基板の変形例については説明を割愛することとするが、以下に説明する主制御基板1310のベース基板MBと同様の内容で変形させることが可能である。
同図189に示されるように、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBは、集積性能では劣るものの不正抑制性能に優れる挿入実装基板THBを少なくとも備えて構成されている。
そして、この変形例にかかる挿入実装基板THBにおいても、上記実施形態の挿入実装基板THと同様、複数種の電子部品(挿入実装部品)が挿入されるかたちで実装されている。また、これも同様、それらの電子部品(挿入実装部品)のなかには、上記セキュリティ性能の低い集積回路部品D1と、上記セキュリティ性能の高いディスクリート部品D2bとの両方が含まれている。
ただし、同図189を見ると明らかであるように、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBでは、挿入実装基板THBと、該挿入実装基板THBに対して挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される電子部品とがそれぞれ設けられるに留まっている。すなわち、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBは、表面実装領域と該領域に実装される表面実装部品とをそれぞれ有するものであるにもかかわらず、一見するだけでは、それらのいずれもが設けられていないように見える特殊な実装構造を採用することとしている。
より具体的には、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBは、上記挿入実装部品としての集積回路部品D1やディスクリート部品D2bのほか、特殊実装部品D3(図中では、特殊実装部品D3a,特殊実装部品D3b)を有している。この特殊実装部品D3は、不正抑制性能に劣る表面実装領域に実装される電子部品(表面実装部品)を内蔵しているにもかかわらずこれが隠匿された状態にて上記挿入実装基板THBに対して後述の特殊挿入実装用リード部TLを介して挿入実装されるものとなっている。
このような特殊実装部品D3によれば、後述の表面実装領域と該表面実装領域に実装される電子部品(表面実装部品)とがその内部にそれぞれ設けられるものであるにもかかわらず、不正抑制性能に優れる挿入実装基板THBに実装される一の挿入実装部品であるかのように見える外観形状を有するようになることから、悪意のある者による不正目的の対象部品から外されることが期待されうるようになる。なお、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBにおいては、上記挿入実装基板THBのうち、このような特殊実装部品D3が挿入実装される部分が、表面実装部品が実装される表面実装領域として機能することとなる。
しかも、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBでは、このような特殊実装部品D3を、1箇所に纏めて(隣接して)配設せず、当該ベース基板MB上における複数箇所に分散させるとともに、特殊実装部品D3の少なくとも1つ(図中では、特殊実装部品D3a)は、挿入実装部品D1,D2bが挿入実装される比較的大きな領域(挿入実装領域)に囲まれるように配設することとしている。
すなわちこの場合、不正抑制性能に劣る表面実装領域や該表面実装領域に実装される電子部品(表面実装部品)が小分けになって目立たなくなることはもとより、上述の外観形状と相まって、不正抑制性能に優れて相対的に大きな領域として設けられる挿入実装領域のなかにうまく紛れ込むようになることから、悪意のある者が主制御基板1310のベース基板MBを見たときに表面実装領域が存在していることにさらに気付き難くさせることができるようになり、これによって不正部品の搭載に対する抑制性能をより好適に維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
また後述するが、この変形例にかかる特殊実装部品D3aの内部には、図188にて示した表面実装タイプのディスクリート部品D2aとしてのダイオードMD0(図129参照)が封入されている。そして、このようなダイオードMD0が、バックアップ電源供給機能を発揮することを目的とした一のディスクリート回路(バックアップ電源回路)に用いられるものであることは上述した通りである。それにもかかわらず、この変形例においても、一のディスクリート回路(バックアップ電源回路)を構成する複数のディスクリート部品については、挿入実装領域(コンデンサ素子(キャパシタBC0))と表面実装領域(ショットキーダイオード素子(ダイオードMD0))とに分けてそれぞれ実装することとしている。しかも、挿入実装領域に挿入実装されるコンデンサ素子(キャパシタBC0)については、挿入実装領域のうち、ショットキーダイオード素子(ダイオードMD0)を内蔵する特殊実装部品D3aと隣接しない位置(電源基板931など)にて実装されるようにしている。
このように、特殊実装部品D3aに内蔵されている電子部品が特定の電気的機能(バックアップ電源供給機能)を発揮するものであることを想起し難くさせて回路理解の困難性を高めるようにしたことで、不正抑制性能に劣る表面実装領域が存在していることに気付かれた場合であっても、不正の抑制が期待されうるようになる。
次に、この変形例にかかる特殊実装部品D3aの構造についてその一例を説明する。なお、図189には、説明の便宜上、特殊実装部品D3aが実装されている部分を拡大するとともに、特殊実装部品D3aの外側パッケージOPが一部割愛されてその内部構造が露にされている説明図(点線で囲まれている部分)が含まれている。
同説明図に併せて示されるように、この変形例にかかる特殊実装部品D3aは、表面実装タイプの電子部品(表面実装部品)が実装される表面実装基板としての特殊表面実装基板SMBと、該特殊表面実装基板SMBに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2aと、上記挿入実装基板THBのスルーホール(特定の挿入孔)内に挿入される挿入実装用リード部としての特殊挿入実装用リード部TLと、これらの各部位をモールド樹脂によってモールドする外側パッケージOPとを備えている。
ここで、上記特殊表面実装基板SMBは、当該基板上に実装される電子部品(表面実装タイプのディスクリート部品D2a)に設けられる表面実装用リード部SLと上記特殊挿入実装用リード部TLとを電気的に接続するように形成された配線パターンHPを有するとともに、その実装面が上記挿入実装基板THBにおける実装面と概ね直交する関係となるように設けられている。
特殊表面実装基板SMBの実装面における表面積は、表面実装タイプのディスクリート部品D2aが実装されるだけの大きさに留まっており、例えば、主制御MPU1310aを構成する集積回路部品が実装されるときに必要とされる面積よりも小さな面積の実装面しか持たないようにされている。すなわち、挿入実装基板THBでは、パチンコ機1を稼動させるために要する全ての電子部品が実装された状態においても他の電子部品をさらに実装するだけの余裕スペースが残されているのに対し、特殊表面実装基板SMBにおいては、その小型化を図るために、実装対象とされる電子部品(表面実装タイプのディスクリート部品D2a)が実装された状態では他の電子部品をさらに実装するだけの余裕スペースは残されていない。
このような構成によれば、特殊表面実装基板SMBに対して何らかの不正を施すことが困難とされるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制を図りつつ、ハードウェア回路のさらなる小型化が期待されるようになる。
また、上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aは、これ自体がモールド樹脂によりモールドされるパッケージ構造(内側パッケージ)を有している。そして、その内部では、一のディスクリート回路(バックアップ電源回路)に含まれるショットキーダイオード素子(ダイオードMD0)がボンディングワイヤによって表面実装用リード部SLと電気的に接続されている。すなわち、表面実装タイプのディスクリート部品D2aには、内側パッケージ(モールド樹脂)の外側へと引き出されるように形成された上記表面実装用リード部SLが設けられており、この表面実装用リード部SLが上記特殊表面実装基板SMB上に形成された配線パターンHPを介して上記特殊挿入実装用リード部TLと電気的に接続されることで、上記挿入実装基板THBに実装されている他の電子部品と上記ショットキーダイオード素子(ダイオードMD0)とが電気的に接続されて互いに連携した処理を行いうるようになっている。
またさらに、上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aは、扁平な外観形状(パッケージ形状)をなして設けられており、上記特殊表面実装基板SMBに対してその扁平面が対向するかたちで半田付けされることにより表面実装されている。ただし上述の通り、表面実装タイプのディスクリート部品D2aが実装される特殊表面実装基板SMBは、その実装面が上記挿入実装基板THBにおける実装面と概ね直交する関係となっている。したがって、当該特殊実装部品D3内に設けられる表面実装タイプのディスクリート部品D2aは、上記挿入実装基板THBに対しては、その扁平面ではなく、肉薄とされる側の面(肉薄面)が対向するかたちとなるように実装されることとなる。
このような構成では、相対的に大きな面積を有する扁平面ではなく、相対的に小さな面積しか有していない肉薄面が上記挿入実装基板THBと対向するようになる。したがって、図189に示されるように、挿入実装基板THBにおいて、1個分のディスクリート部品(挿入実装タイプ)が実装可能とされるだけのような僅かな領域(スルーホール2個分)しか残されていない状況であっても、該僅かな領域(スルーホール2個分)に対して上記特殊実装部品D3を配設することができるようになる。
なお、この変形例にかかる表面実装タイプのディスクリート部品D2aこれ自体の大きさ(図中、横方向の長さ)は、当該特殊実装部品D3aが上記挿入実装基板THBに対して実装されるときに上記特殊挿入実装用リード部TLが挿入されるスルーホール間のピッチ(特定の挿入孔の設置間隔)よりも小さいものとなっている。
また、上記特殊挿入実装用リード部TLは、一端側が、上記特殊表面実装基板SMBをその両面側から挟み込む二股構造になっており、上記特殊表面実装基板SMBのうち上記配線パターンHPが形成されている箇所において半田付けされることで、上記特殊表面実装基板SMBに対して固着されるとともに、上記配線パターンHPを介して上記表面実装用リード部SLと電気的に接続されるようになっている。これに対し、他端側は、上記挿入実装基板THBのスルーホールに挿入された状態にて半田付けされることで、上記挿入実装基板THBに対して固着されるとともに、該挿入実装基板THB側の配線パターンを介して各種の電子部品と電気的に接続されるようになっている。
また、上記外側パッケージOPは、上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aこれ自体がモールド樹脂によりモールドされるパッケージ構造(内側パッケージ)を有しているにもかかわらず、該モールド樹脂とは別のモールド樹脂によって、その実装対象とされる上記特殊表面実装基板SMB共々に上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aをさらにモールド(二重モールド)するものとなっている。
このような構成では、不正抑制性能に劣る表面実装基板に対して何らかの不正を施すことが極めて困難とされるようになる。
特に、この変形例にかかる特殊実装部品D3aでは、二重モールドのうちの外側パッケージOPによって生み出される外観形状は、内部で表面実装される特定種別の表面実装部品これ自体の外観形状と異なっている。すなわちこの場合、ディスクリート部品D2aこれ自体の外観形状を隠匿した状態にて実装することができるようになることから、当該特殊実装部品D3aに内蔵される特定種別の表面実装部品が実装されていないように見えるなど、回路理解の困難性が高められるようになり、不正の抑制が期待されうるようになる。
しかも、上記外側パッケージOPは、その内部に設けられる上記特殊挿入実装用リード部TLと上記表面実装用リード部SLとのうち上記特殊挿入実装用リード部TLのみが当該外側パッケージOP(モールド樹脂)の外側に引き出されるかたちとなるように上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aを上記特殊表面実装基板SMBとともに一体にモールドしており、これによって当該特殊実装部品D3aが挿入実装用リード部(特殊挿入実装用リード部TL)を有する一の電子部品として挿入実装基板THBに実装されるようにしている。
このような構成によれば、不正抑制性能に劣る表面実装基板や該基板に実装される電子部品(表面実装部品)が内部に設けられるものであるにもかかわらず、当該特殊実装部品D3aを、不正抑制性能に優れる挿入実装領域に実装される一の挿入実装部品であるかのように機能させることができるようになることから、悪意のある者の不正目的の対象から外されることが期待されうるようになる。また、物流面や実装時などにおいても一の挿入実装タイプのディスクリート部品と同等に扱うことが可能であるから、このような扱い易さの面でも優れているといえる。
またさらに、上記外側パッケージOPは、スルーホール間のピッチよりも小さい横幅とされる上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aに対し、該ディスクリート部品D2aこれ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によってその実装対象とされる特殊表面実装基板SMBとともに一体にモールドすることで、スルーホール間のピッチ内に収まらない大きさをもった一の電子部品としての外観形状を持たせるようにもしている。
すなわち、図188に示されるように、表面実装タイプのディスクリート部品を、挿入実装領域におけるスルーホール間のピッチ(挿入孔の設置間隔)よりも小さい外観形状のままにしておいた場合、主制御基板1310のベース基板MB内に不正抑制性能で劣る表面実装領域が設けられていることを第三者に気付かれやすくなってしまい、ひいては不正行為を助長しかねない。
この点、上記構成では、スルーホール間のピッチよりも小さい横幅とされる上記表面実装タイプのディスクリート部品D2aについては、スルーホール間のピッチ内に収まらない大きさをもった一の電子部品としての外観形状を持たせた上で実装させるようにしている。すなわちこの場合、図189に示されるように、主制御基板1310のベース基板MB上には、スルーホール間のピッチよりも小さい横幅とされる外観形状をもった電子部品が存在しなくなり、挿入実装タイプの電子部品(挿入実装部品)のみが実装されているかのように見せることができるようになることから、不正部品の搭載に対する抑制性能を向上させることができるようになる。
またさらに、このような外側パッケージOPによって生み出される外観形状は、内部で表面実装される電子部品の外観形状と異なっていることはもとより、挿入実装基板THBに実装される全ての挿入実装部品(特殊実装部品D3を除く電子部品)のいずれとも異なるユニークな外観形状とされている。すなわち、この変形例にかかる特殊実装部品D3aでは、演算処理装置などと比較して限定的な機能しか持ち得ない単なるディスクリート部品D2aに対し、二重のモールド樹脂で保護するといった過剰なセキュリティ性能を付与した上で、悪意ある者の注意をあえて引きつける外観形状としてユニークであり且つ比較的大きな外観形状を持たせるようにしている(トラップ)。
このような構成によれば、主制御基板1310のベース基板MB上にて施された過剰なセキュリティ性能を第三者に見せ付けることができるようになることから、不正行為を行おうとする意欲の減退が期待されうるようになる。
またさらに、外側パッケージOPには、当該特殊実装部品D3aとしての電子部品の種別を示す識別番号が付されるが、この変形例では、該識別番号の内容(○3213)を、上記内側パッケージ(特殊表面実装基板SMBに実装される表面実装タイプのディスクリート部品D2a)に付される識別番号の内容(SD)と異ならせるようにしている。
このような構成によれば、特定種別の表面実装部品に対して付される識別番号の内容(SD)が現れないようになることから、外側パッケージOPによって生み出される外観形状と内部で表面実装される特定種別の表面実装部品の外観形状とが異なっていることと相まって(二重モールドの構造と相まって)、特定種別の表面実装部品が実装されていないように見せることができるようになる。また、挿入実装タイプの電子部品(挿入実装部品)のみが実装されているかのようにも見せることができるようになり、不正部品の搭載に対する抑制性能を向上させることができるようになる。
また、この変形例にかかる特殊実装部品D3aでは、特殊表面実装基板SMBの厚さ方向の長さを、表面実装タイプのディスクリート部品D2aの厚さ方向の長さよりも小さくなるようにしている。そしてこの上で、特殊表面実装基板SMBの扁平面における一方側にのみ電子部品や配線パターンが設けられる実装面が形成されるようにしており、その裏面側にはモールド樹脂が直接付されるようになっている。
すなわち、このような構成を採用することによって、ユニークであり非対称性の外観形状をかたちづくることはもとより、特殊実装部品D3aの厚さ方向の長さが、挿入実装領域THに実装される挿入実装タイプのディスクリート部品D2bの厚さ方向の長さよりも小さくなっている。これにより、互いの実装面を直交させる上述の構造と相まって、挿入実装基板THBに対して特殊実装部品D3aを実装するにあたり、特別な実装スペースを確保しておくなどの必要性がなくなり、多くの挿入実装部品が実装されるなかに当該特殊実装部品D3aを紛れ込ませることができるようになる。
なお、この変形例にかかる特殊実装部品D3aは、上述の通り、外観上は、一の挿入実装タイプのディスクリート部品として見えるものであるが、実際は、特殊表面実装基板SMBと表面実装タイプのディスクリート部品D2aとをその内部にそれぞれ含んでいるものである。すなわち、特殊実装部品D3aでは、特殊挿入実装用リード部TLがその内部にて特殊表面実装基板SMBに対して固着されて上記配線パターンHPを介して上記表面実装用リード部SLと電気的に接続される構造となっているのに対し、挿入実装部品では、挿入実装用リード部がその内部にてボンディングワイヤによって特定の電子部品と電気的に接続される構造となっている。
また、この変形例にかかる主制御基板1310のベース基板MBにおいては、図189に示されるように、このような内部構造を有する特殊実装部品D3として、ショットキーダイオード素子(ダイオードMD0)を内部で表面実装する特殊実装部品D3aのほか、容量値の小さいコンデンサ素子を内部で表面実装する特殊実装部品D3bが設けられている。
すなわち、この変形例にかかる特殊実装部品D3bは、挿入実装領域THに実装される挿入実装タイプのディスクリート部品D2bのうち、抵抗素子として設けられるディスクリート部品D2bとの間で、特定のデータラインに対するフィルタ回路を形成するものとなっている。このようなフィルタ回路にかかる構成であっても、一のディスクリート回路に含まれる電子部品が特定の電気的機能(フィルタ機能)を発揮するために電気的に密接な役割を持っていることを想起し難くさせることが可能であり、こうした回路理解の困難性を高めることで、不正の抑制が期待されうるようになる。
なお、特殊実装部品D3bについては、フィルタ回路を構成する抵抗素子とコンデンサ素子との両方が内部で特殊表面実装基板SMBに対してそれぞれ表面実装されるものであってもよい。ただしこの場合、各電子部品については横並びで一列に配設されるようにするなど、少なくとも、挿入実装基板THBに挿入実装される電子部品(挿入実装部品)のうち最も高さのある電子部品(例えば、図中は割愛されているコンデンサ素子など)よりも低い外観形状のままにしておくことが、主制御基板1310のベース基板MBの小型化を図る上で望ましい。
また、特殊実装部品D3については、このように複数種の電子部品を内蔵するものであってもよいし、一種類の電子部品を複数内蔵するものであってもよい。いずれにしろ、複数個の電子部品が内蔵される場合は、それら複数個の電子部品が一枚の特殊表面実装基板SMBに対して横並びに一列で表面実装されるようにするとともに、それらの電子部品と特殊表面実装基板SMBとを纏めてモールド樹脂によりモールドしてパッケージ化するようにすることが望ましい。
ただし、特殊実装部品D3内に複数の電子部品を内蔵するようにした場合は、その外観形状が自ずと大きくなり、「この程度の大きさ且つ形状で挿入実装されるタイプの電子部品なのだから、一の挿入実装タイプのディスクリート部品なのだろう」などといった、先入観を利用した幻惑効果を期待することができなくなってしまう懸念が生じる。したがって、このような先入観を利用した幻惑効果を好適に得る上では、一の表面実装タイプのディスクリート部品をこれ単体で、上述の二重モールドの構造によって、その外観形状を異ならしめ、且つその肉薄面を挿入実装基板THに対して対向させるかたちで実装させるようにすることが望ましい。
また、上述の二重モールドの外側パッケージOPをモールド樹脂などの透明でない材料で形成することはもとより、一の表面実装タイプのディスクリート部品これ自体に付される識別番号とは異なる識別番号を外側パッケージOPに付すようにすることで、回路理解の困難性を高めるようにすることも重要であるといえる。
なお、この変形例にかかる特殊実装部品D3とは、その内部に、「一の挿入実装タイプのディスクリート部品」よりも小さい「一の表面実装タイプのディスクリート部品」を有する構造であるから、これを二重モールドしたときの大きさが「一の挿入実装タイプのディスクリート部品」と同じくらいの大きさになり、これによって上述のような優れた作用効果を奏することが期待できるようになるものである。したがって、その内部に「一の挿入実装タイプのディスクリート部品」を有してこれを二重モールドするような構成では、その大きさが「一の挿入実装タイプのディスクリート部品」よりも大きくなってしまうことが明らかであるから、上述のような優れた作用効果を奏することは期待できない。
次に、上記実施形態及び変形例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
[技術思想1−1]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域と
を有しており、
前記複数の電子部品のうち前記表面実装領域に実装される表面実装部品の少なくとも1つは、当該表面実装部品これ自体がモールド樹脂によってモールドされてなるものであるにもかかわらず、該モールド樹脂とは別のモールド樹脂によっても、その実装対象とされる前記表面実装領域共々にモールドされる
ことを特徴とする遊技機。
[技術思想1−2]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる第1制御部と、
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって前記遊技の進行処理の結果に応じた演出の進行処理が実行されうる第2制御部と
を備え、
前記遊技の進行処理の結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記第2制御部のベース板には、電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域とのうち、前記表面実装領域のみが設けられており、
前記第1制御部のベース板には、前記挿入実装領域と前記表面実装領域との両方が設けられており、
前記複数の電子部品のうち前記第1制御部のベース板に設けられる前記表面実装領域に実装される第1側表面実装部品と、前記第2制御部のベース板に設けられる前記表面実装領域に実装される第2側表面実装部品とはいずれもそれ自体がモールド樹脂によってモールドされてなるものであるにもかかわらず、前記第1側表面実装部品と前記第2側表面実装部品とのうちの前記第1側表面実装部品については、さらに、当該第1側表面実装部品それ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によっても、その表面実装領域共々にモールドされる
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想1−1,1−2では、不正抑制性能に劣る表面実装領域に実装される表面実装部品については、これ自体がモールド樹脂によってモールドされてなるものであるにもかかわらず、該モールド樹脂とは別のモールド樹脂によって、その実装対象とされる上記表面実装領域とともに一体にモールドされるようにしたことから、不正抑制性能に劣る表面実装領域に対して何らかの不正を施すことが極めて困難とされるようになる。
[技術思想2]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品のうちの挿入実装部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される挿入実装板と、
電子部品のうちの表面実装部品に設けられた表面実装用リード部が表面上に置かれるかたちで実装される表面実装板と
を有しており、
前記表面実装板には、
当該表面実装板から外側へと延びて前記挿入実装板に挿入可能とされるように形成された特殊挿入実装用リード部を有する特殊表面実装板
が少なくとも含まれており、
前記特殊表面実装板上には、
当該特殊表面実装板に実装される表面実装部品の表面実装用リード部と前記特殊挿入実装用リード部とを電気的に接続するように形成された配線部
が設けられており、
前記特殊表面実装板に実装される表面実装部品は、
前記表面実装用リード部と前記特殊挿入実装用リード部とのうち前記特殊挿入実装用リード部のみがモールド樹脂の外側に引き出されるかたちとなるように前記特殊表面実装板とともに一体にモールドされ、前記特殊挿入実装用リード部を有する一の電子部品として前記挿入実装板に実装される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想2では、不正抑制性能に劣る表面実装領域に実装される表面実装部品を、不正抑制性能に優れる挿入実装領域に実装される一の挿入実装部品であるかのように機能させることができるようになることから、悪意のある者の不正目的の対象から外されることが期待されうるようになる。
[技術思想3]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品のうちの挿入実装部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される挿入実装板と、
電子部品のうちの表面実装部品に設けられた表面実装用リード部が表面上に置かれるかたちで実装される表面実装板と
を有しており、
前記表面実装部品には、
単機能素子がモールド樹脂によりモールドされてなるディスクリート表面実装部品が少なくとも含まれており、
前記ディスクリート表面実装部品は、
当該ディスクリート表面実装部品これ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によってその実装対象とされる表面実装板とともに一体にモールドされることにより相対的に大きな外観形状であり、且つ前記特定制御部のベース板に実装される全ての電子部品のいずれとも異なる外観形状を有する
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想3では、演算処理装置などと比較して限定的な機能しか持ち得ない単なるディスクリート表面実装部品に対し、二重のモールド樹脂で保護するといった過剰なセキュリティ性能を付与した上で、悪意ある者の注意をあえて引きつける外観形状としてユニークであり且つ比較的大きな外観形状を持たせるようにしている(トラップ)。すなわちこの場合、特定制御部内にて施された過剰なセキュリティ性能を第三者に見せ付けることができるようになることから、不正行為を行おうとする意欲の減退が期待されうるようになる。
[技術思想4]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域と
を有しており、
前記特定制御部のベース板において、前記表面実装領域は、各々の領域が相対的に小さな領域となるように複数箇所に分散して設けられるのに対し、前記挿入実装領域は、前記分散して設けられる表面実装領域の少なくとも1つを囲む相対的に大きな領域として設けられる
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想4では、不正抑制性能に劣る表面実装領域を、一箇所に纏めず、分散させることによりこれを小分けにして目立たなくさせた上で、不正抑制性能に優れて相対的に大きな領域として設けられる挿入実装領域のなかに紛れ込ませるかたちで配置させるようにしている。したがって、悪意のある者が特定制御部のベース板を見たときに表面実装領域が存在していることに気付き難くさせることができるようになり、不正部品の搭載に対する抑制性能を維持しつつ、ハードウェア回路の小型化を図ることが期待されるようになる。
[技術思想5]
複数の電子回路が形成されるベース板を有し、それらの電子回路を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記複数の電子回路には、
前記制御用電源が遮断されるときに所定の記憶部に対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源回路が、いずれも単機能素子の電子部品であるコンデンサ及びダイオードを少なくとも有するディスクリート回路として含まれており、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板内に挿入されるかたちで実装される挿入実装領域と、
電子部品に設けられたリード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装領域と
を有し、
前記挿入実装領域は、
前記表面実装領域に実装される電子部品が当該挿入実装領域に実装される電子部品のいくつかと隣接するように、前記表面実装領域を囲む相対的に大きな領域として設けられており、
前記バックアップ電源回路は、
前記制御用電源が遮断されるときに所定の記憶部に対してバックアップ電源を供給するバックアップ電源供給機能をもったディスクリート回路として設けられるにもかかわらず、該ディスクリート回路が有する前記コンデンサ及び前記ダイオードのうちの一方の電子部品は、前記挿入実装領域によって囲まれる前記表面実装領域に対して実装され、他方の電子部品は、前記挿入実装領域のうち、前記表面実装領域に実装される前記一方の電子部品と隣接しない位置にて実装される
ことを特徴とする遊技機。
このような技術思想5では、特定の電気的機能(バックアップ電源供給機能)を発揮することを目的とした一のディスクリート回路であるにもかかわらず、ベース板上では、挿入実装領域に対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品と、表面実装領域に対する実装を可能ならしめる形状を持った電子部品とが混在するようになる。したがって、特定制御部のベース板を第三者が視認したときに、それらが特定の電気的機能(バックアップ電源供給機能)を発揮するために電気的に密接な役割を持っていることを想起し難くさせることができるようになり、こうした回路理解の困難性を高めることで、不正の抑制が期待されうるようになる。
しかも、不正抑制性能に劣る表面実装領域を、不正抑制性能に優れて相対的に大きな領域として設けられる挿入実装領域のなかに紛れ込ませるかたちで配置させた上で、特定の電気的機能(バックアップ電源供給機能)を発揮することを目的とした一のディスクリート回路に含まれるコンデンサ及びダイオードを互いに隣接させないかたちとなるように配置させるようにしている。したがって、不正抑制性能に劣る表面実装領域の存在に気付き難くさせることができるとともに、該存在に気付かれた場合であっても、表面実装領域に実装されている電子部品が他の電子部品と連携して、いかなる電気的機能を発揮するために実装されているものであるかを想起し難くさせることができるようになり、こうした回路理解の困難性を一層高めることで、不正の抑制が好適に期待されうるようになる。
[技術思想6]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される挿入実装板と、
電子部品に設けられた表面実装用リード部が表面上に置かれるかたちで実装される表面実装板と
を有しており、
前記表面実装板には、
当該表面実装板から外側へと延びて前記挿入実装板に挿入可能とされるように形成された特殊挿入実装用リード部を有する特殊表面実装板
が少なくとも含まれており、
前記特殊表面実装板は、
当該特殊表面実装板に実装される電子部品の表面実装用リード部と前記特殊挿入実装用リード部とを電気的に接続するように形成された配線部を有するとともに、前記挿入実装板に対して互いの実装面が概ね直交するかたちとなるように前記特殊挿入実装用リード部が前記挿入実装板に挿入されて配設される。
ことを特徴とする遊技機。
一般に、表面実装板に実装される部品は、扁平な形状を有していることが多い。この点、上記技術思想6では、挿入実装板に対して互いの実装面が概ね直交するかたちとなるように上記特殊表面実装板を配設するようにしている。すなわちこの場合、相対的に大きい面積を有する扁平面ではなく、相対的に小さな面積しか有していない肉薄面が上記挿入実装板に対向するようになることから、挿入実装板として電子部品を実装可能な領域(表面積)が僅かしか残されていない状況においても上記特殊表面実装板を配設することができるようになる。
[技術思想7]
複数の電子部品が実装されるベース板を有し、それらの電子部品を用いることによって制御用電源の生成処理と遊技の進行処理とがそれぞれ実行されうる特定制御部を備え、
前記遊技の進行処理が実行された結果として特別の遊技結果が得られた場合、遊技者に対して特典を付与しうる遊技機であって、
前記特定制御部のベース板は、
電子部品に設けられた挿入実装用リード部が挿入されるかたちで実装される挿入実装板と、
電子部品に設けられた表面実装用リード部が当該ベース板の表面上に置かれるかたちで実装される表面実装板と
を有しており、
前記複数の電子部品のうち前記表面実装板に実装される表面実装部品には、前記挿入実装板に設けられる特定の挿入孔の設置間隔内に収まる大きさをもった特定の表面実装部品が含まれており、
前記特定の表面実装部品は、
前記特定の挿入孔の設置間隔内に収まる大きさであるにもかかわらず、当該特定の表面実装部品これ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によってその実装対象とされる表面実装板とともに一体にモールドされることにより、前記特定の挿入孔の設置間隔内に収まらない大きさをもった一の電子部品としての外観形状を有する
ことを特徴とする遊技機。
すなわち、特定の表面実装部品を上記挿入実装板における挿入孔の設置間隔よりも小さい外観形状のままにしておいた場合、特定制御部内に不正抑制性能に劣る表面実装領域が設けられていることを第三者に気付かれやすくなってしまい、ひいては不正行為を助長しかねない。
この点、上記技術思想7では、特定の表面実装部品を、当該特定の表面実装部品これ自体のモールド樹脂とは別のモールド樹脂によってその実装対象とされる表面実装板とともに一体にモールドすることで、特定の挿入孔の設置間隔内に収まらない大きさをもった一の電子部品としての外観形状が現れるようにしたことから、特定制御部内に不正抑制性能に劣る表面実装領域が設けられていることを第三者に気付かれ難くすることができるようになる。
[13.主制御基板の送受信に関する各種コマンド]
次に、主制御基板1310から払出制御基板951へ送信される各種コマンドと、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される各種コマンドについて、図142〜図145を参照して説明する。図142は主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図143は主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図144は図143の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルであり、図145は主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。まず、主制御基板から払出制御基板へ送信される払い出しに関するコマンドである賞球コマンドについて説明し、続いて主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドについて説明し、主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドについて説明する。
[13−1.主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンド]
主制御基板1310の主制御MPU1310aは、図123に示した、一般入賞口センサ4020,4020、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びカウントセンサ4005等の各種入賞スイッチからの検出信号が入力されると、これらの検出信号に基づいて、予め定めた球数の遊技球を賞球として払い出すための賞球コマンドを払出制御基板へ送信する。この賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドである。本実施形態では、パチンコ機1とCRユニット6(パチンコ機1と通信して、パチンコ機1(払出装置830)の払出モータ834を駆動して貯留皿である、上皿321や下皿322に貸球として遊技球を払い出す装置)とが電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ機を「CR機」という。)、図142(a)に示すように、主制御基板1310から払出制御基板951に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板951は、払出モータ834を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ機1と球貸し機(遊技球を貯留皿である、上皿321や下皿322に貸球として直接払い出す装置)とが遊技場(ホール)に隣接して設置され、パチンコ機1と球貸し機が電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ機を「一般機」という。)、図142(b)に示すように、主制御基板1310から払出制御基板951に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板951は、払出モータ834を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンドとして、図142(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。送信側は、コマンド送信後、所定期間、受信側からコマンドの受け取り確認として出力するACK信号が入力されない場合に、コマンド30Hを送信して、ACK信号が入力されるか否かをチェックすることで接続状態を確認する。本実施形態におけるCR機の場合では、払出制御基板951がCRユニット6との接続状態を確認する。
[13−2.主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンド]
次に、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される各種コマンドについて説明する。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、遊技の進行に基づいて周辺制御基板1510に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、図143及び図144に示すように、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、から構成されている。
各種コマンドは、図143及び図144に示すように、特図1同調演出関連、特図2同調演出関連、大当り関連、電源投入、普図同調演出関連、普通電役演出関連、報知表示、状態表示、及びその他に区分されている。
[13−2−1.特図1同調演出関連]
特図1同調演出関連は、図123に示した第一始動口センサ4002からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図143に示すように、図123に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403に関する、特図1同調演出開始、特別図柄1指定、特図1同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「A*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図1同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄1指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図1同調演出終了コマンドは、特図1同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。なお、確率及び時短状態には、低確率状態であって時短状態であることを指示する低確率時短状態と、高確率状態であって時短状態であるを指示する高確率時短状態と、低確率状態であって時短状態でないことを指示する低確率非時短状態と、高確率状態であって時短状態でないことを指示する高確率非時短状態と、から構成されている(通常遊技状態としては、低確率非時短状態が設定されている)。ここで、高確率状態は、大当りする確率が低確率状態(通常遊技状態)と比べて高く設定されるという状態であり、時短状態は、例えば、図10に示した普通図柄表示器1402による普通図柄を変動表示する時間を、非時短状態(通常遊技状態)と比べて、短くして普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示することにより、所定時間における後述する普通抽選による普通抽選結果の停止表示回数を非時短状態と比べて多くするとともに、さらに、図8に示した一対の可動片を開閉動作させる期間を、非時短状態(通常遊技状態)と比べて、長くして図8に示した第二始動口2004への遊技球の受入率(入球率)を高めることにより持ち球を減らさず特別図柄の抽選機会を得ることができるという状態(換言すると、非時短状態と比べて、一対の可動片を開閉動作させるか否かの決定を多くするとともに、一対の可動片を開閉動作させる場合には一対の可動片の開閉動作の期間を長くすることにより、第二始動口2004への遊技球の受入率(入球率)を高めるという状態)である。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図1同調演出開始コマンドは、特別図柄1変動開始時に送信され、特別図柄1指定コマンドは、特図1同調演出開始の直後に送信され、特図1同調演出終了コマンドは、特別図柄1変動時間経過時(特別図柄1確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、特図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−2.特図2同調演出関連]
特図2同調演出関連は、図123に示した第二始動口センサ4004からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図143に示すように、図123に示した機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405に関する、特図2同調演出開始、特別図柄2指定、及び特図2同調演出終了という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「B*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図2同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄2指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図2同調演出終了は、特図2同調演出終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図2同調演出開始コマンドは、特別図柄2変動開始時に送信され、特別図柄2指定コマンドは、特図2同調演出開始の直後に送信され、特図2同調演出終了コマンドは、特別図柄2変動時間経過時(特別図柄2確定時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−3.大当り関連]
大当り関連という区分には、図143に示すように、大当りオープニング、大入賞口1開放N回目表示、大入賞口1閉鎖表示、大入賞口1カウント表示、大当りエンディング、大当り図柄表示、小当りオープニング、小当り開放表示、小当りカウント表示、及び小当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「C*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始を指示するものであり、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放中開始(図8に示した、始動口ユニット2100の大入賞口2005のN回目のラウンドの開放中又は開放開始)を指示するものであり、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、ラウンド間の大入賞口1閉鎖中開始(始動口ユニット2100の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖中又は閉鎖開始)を指示するものであり、大入賞口1カウント表示コマンドは、カウント0〜10個の遊技球の球数をカウントした旨(図123に示したカウントセンサ4005によって検出された、大入賞口2005に入球した遊技球の球数)を伝えるものであり、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始を指示するものであり、大当り図柄表示コマンドは、大当り図柄情報表示を指示するものである。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始を指示するものであり、小当り開放表示コマンドは、小当り開放中開始(小当り時における、始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放中又は開放開始)を指示するものであり、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞演出(小当り中における、大入賞口2005に入球した遊技球がカウントセンサ4005によって検出された場合における演出)を指示するものであり、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始時に送信され、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放時(始動口ユニット2100の大入賞口2005のN回目のラウンドの開放時)に送信され、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、大入賞口1閉鎖時(始動口ユニット2100の大入賞口2005の閉鎖開始)に送信され、大入賞口1カウント表示コマンドは、大入賞口1開放時及び大入賞口1へのカウント変化時(始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放時、及び大入賞口2005に入球した遊技球がカウントセンサ4005によって検出された時)に送信され、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始時に送信され、大当り図柄表示コマンドは、大入賞口開放時(始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放時)に送信される。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始時に送信され、小当り開放表示コマンドは、小当り開放時(小当り時における、始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放時)に送信され、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞時(小当り中における、大入賞口2005に入球した遊技球がカウントセンサ4005によって検出された時)に送信され、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−4.電源投入]
電源投入という区分には、図143に示すように、電源投入時状態、及び電源投入時主制御復帰先という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「D*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
電源投入時状態コマンドは、RAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである。電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、図124に示した払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。このパチンコ機の機種コードは、例えば、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など)であるのか、を特定するものである。つまり、パチンコ機の機種コードの情報は、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、から主として構成されている。
電源投入時主制御復帰先コマンドは、主制御基板1310自体の復帰先を指示するものである。電源投入時主制御復帰先コマンドは、図123に示した始動口ソレノイド2107の駆動状態を指示する情報と、図123に示したアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する情報と、を主としてから構成されている。
電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に送信される。具体的には、パチンコ機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信される。
[13−2−5.普図同調演出関連]
普図同調演出関連は、図123に示したゲートセンサ4003からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図143に示すように、図123に示した機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402に関する、普図同調演出開始、普図柄指定、普図同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「E*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで普図同調演出開始を指示するものであり、普図柄指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、普図同調演出終了コマンドは、普図同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。なお、確率及び時短状態には、上述したように、低確率状態であって時短状態であることを指示する低確率時短状態と、高確率状態であって時短状態であるを指示する高確率時短状態と、低確率状態であって時短状態でないことを指示する低確率非時短状態と、高確率状態であって時短状態でないことを指示する高確率非時短状態と、から構成されている(通常遊技状態としては、低確率非時短状態が設定されている)。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図同調演出開始コマンドは、普通図柄1変動開始時に送信され、普図柄指定コマンドは、普図同調演出開始の直後に送信され、普図同調演出終了コマンドは、普通図柄変動時間経過時(普通図柄確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、普図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−6.普通電役演出関連]
普通電役演出関連は、図123に示した始動口ソレノイド2107の駆動により開閉される図8に示した一対の可動片に関するものであり、その区分には、図143に示すように、普図当りオープニング、普電開放表示、及び普図当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「F*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始を指示するものであり、普電開放表示コマンドは、普電開放中開始(一対の可動片が始動口ソレノイド2107の駆動により左右方向へ拡開した状態、又は拡開する時)を指示するものであり、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始時に送信され、普電開放表示コマンドは、普電開放時(一対の可動片が始動口ソレノイド2107の駆動により左右方向へ拡開する時)に送信され、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−7.報知表示]
報知表示の区分には、図144に示すように、入賞異常表示、接続異常表示、断線・短絡異常表示、磁気検出スイッチ異常表示、扉開放、及び扉閉鎖という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「6*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時(大当り中でもないのに、始動口ユニット2100の大入賞口2005に遊技球が入球してその遊技球をカウントセンサ4005が検出した時)に入賞異常報知の開始を指示するものであり、接続異常表示コマンドは、例えば、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間に亘る経路において電気的な接続異常がある場合に接続異常報知の開始を指示するものであり、断線・短絡異常表示コマンドは、例えば、主制御基板1310と、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、カウントセンサ4005等との電気的な接続の断線・短絡が生じた場合に断線・短絡異常表示の開始を指示するものであり、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、図123に示した磁気検出センサ4024に異常が生じた場合に磁気検出スイッチ異常報知の開始を指示するものである。
また、扉開放コマンドは、図124に示した、払出制御基板951を介して入力される扉枠開放スイッチ618からの検出信号(開放信号)に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して開放された状態である場合に、扉開放報知を指示するものであり、扉枠閉鎖コマンドは、その扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態である場合に扉開放報知終了を指示するものである。一方、本体枠開放コマンドは、図124に示した、払出制御基板951を介して入力される本体枠開放スイッチ619からの検出信号(開放信号)に基づいて、本体枠4が外枠2に対して開放された状態である場合に、本体枠開放報知を指示するものであり、本体枠閉鎖コマンドは、その本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して閉鎖された状態である場合に本体枠開放報知終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時に送信され、接続異常表示コマンドは、主制御基板1310から払出制御基板951へのコマンド送信時に払出制御基板951からのACK返信(ACK信号)がなかった時に送信され、断線・短絡異常表示コマンドは、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、カウントセンサ4005等のうち、いずれが断線または短絡状態となった時に送信され、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、磁気検出センサ4024の異常を検知した時に送信される。また、扉開放コマンドは、扉開放を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して開放された状態である場合)に送信され、扉枠閉鎖コマンドは、扉閉鎖を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。本体枠開放コマンドは、本体枠開放を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して開放された状態である場合)に送信され、本体枠閉鎖コマンドは、本体枠閉鎖を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−8.状態表示]
状態表示の区分には、図144に示すように、枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)、エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)及び枠状態2コマンドという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「7*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンドは、それぞれ、払出制御基板951から送信された1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、これらの詳細な説明は、後述する。なお、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、払出制御基板951からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、図144に示すように、「7*H」をステータスとして設定するとともに、その受信したコマンドをそのままモードとして設定する。つまり、主制御MPU1310aは、払出制御基板951からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、これら受信したコマンドに付加情報である「7*H」を付加することにより、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドに整形する。
整形された、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これら整形された、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−9.テスト関連]
テスト関連の区分には、図144に示すように、テストという名称の各種コマンドから構成されている。このテストコマンドには、ステータスとして「8*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
テストコマンドは、周辺制御基板1510の各種検査を指示するものである(例えば、図126に示した、周辺制御部1511、液晶表示制御部1512、ランプ駆動基板4170、モータ駆動基板4180、及び枠装飾駆動アンプ基板194等の各種基板の検査を行うものである)。
テストコマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理でテストコマンドが送信される。
[13−2−10.その他]
その他の区分には、図144に示すように、始動口入賞、変動短縮作動終了指定、高確率終了指定、特別図柄1記憶、特別図柄2記憶、普通図柄記憶、特別図柄1記憶先読み演出、及び特別図柄2記憶先読み演出という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「9*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
始動口入賞コマンドは、始動口入賞演出開始を指示するものであって、第一始動口センサ4002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した場合における演出の開始と、第二始動口センサ4004からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した場合における演出の開始と、をそれぞれ指示するものであり、変動短縮作動終了指定コマンドは、変動短縮作動状態から変動短縮非作動状態への状態移行を指示するものであり、高確率終了指定コマンドは、高確率状態から低確率状態への状態移行を指示するものであり、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1保留0〜4個(図8に示した第一始動口2002に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2保留0〜4個(図8に示した第二始動口2004に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1保留0〜4個(図8に示したゲート部2003を遊技球が通過して機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1保留が機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく第一特別図柄表示器1403による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものであり、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2保留が機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく第二特別図柄表示器1405による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、始動口入賞コマンドは、始動口入賞時(第一始動口センサ4002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した時や、第二始動口センサ4004からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した時)に、図5に示したスピーカ921及び図2に示した上部スピーカ573から主に音声でその旨を報知するために送信され、変動短縮作動終了指定コマンドは、規定回数の変動短縮を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、高確率終了指定コマンドは、「高確率N回」の場合の高確率回数を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1作動保留球数変化時(第一始動口2002に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第一始動口2002に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2作動保留球数変化時(第二始動口2004に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第二始動口2004に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1作動保留球数変化時(ゲート部2003を遊技球が通過して機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらにゲート部2003を遊技球が通過して保留数が増加した時や、その保留数から普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1作動保留球数増加時(第一始動口2002に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信され、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2作動保留球数増加時(第二始動口2004に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
ところで、始動口入賞コマンドは、上述したように、始動口入賞時(第一始動口センサ4002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した時や、第二始動口センサ4004からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した時)に、スピーカ921及び上部スピーカ573から主に音声でその旨を報知するために送信されるが、図126に示した周辺制御基板1510が始動口入賞コマンドをどのように利用するかについては、パチンコ機の仕様によって異なる場合もある。例えば、本実施形態におけるパチンコ機1では、スピーカ921及び上部スピーカ573から音声で報知するほかに、不正行為の有無を監視するためにも利用するという仕様のものである。これに対して、他のパチンコ機では、周辺制御基板1510が始動口入賞コマンドを単に受信するだけで、スピーカ921及び上部スピーカ573から音声で報知しない仕様のものもある。
[13−3.主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンド]
次に、主制御基板1310が受信する払出制御基板951からの各種コマンドについて説明する。
払出制御基板951からの各種コマンドの区分には、図145に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ及び枠状態2という名称のコマンドから構成されており、枠状態1、エラー解除ナビ、そして枠状態2の順で優先順位が設定されている。
枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)には、球切れ、満タン、50個以上のストック中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、満タンではビット1(B1)に値1がセットされ、50個以上のストック中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。枠状態1コマンドのビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)には、球がみ、払出検知センサエラー及びリトライエラーが用意されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、払出検知センサエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライエラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「払出検知センサエラー」とは、図124に示した払出検知センサ842の不具合が生じているか否かを示すものである。「リトライエラー」とは、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球の払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。エラー解除ナビコマンドのビット(B0)、ビット(B1)、及びビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B0に値0、B1に値0、B5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
枠状態2コマンドには、球抜き中が用意されており、球抜き中ではビット0(B0)に値1がセットされる。枠状態2コマンドのビット1(B1)〜ビット7(B7)には、B1に値0、B2に値0、B3に値0、B4に値0、B5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS558のコマンド送信処理で送信される。
[14.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて、図123に示した主制御基板1310が行う各種制御処理について、図146〜図148を参照して説明する。図146は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図147は図146の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図148は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。
[14−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、図123に示した、第一特別図柄表示器1403及び第二特別図柄表示器1405で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに第一特別図柄表示器1403及び第二特別図柄表示器1405で導出表示される大当り図柄の決定に用いるための大当り図柄用乱数と、この大当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数、小当り遊技状態を発生させるときに第一特別図柄表示器1403及び第二特別図柄表示器1405で導出表示される小当り図柄の決定に用いるための小当り図柄用乱数、この小当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための小当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、図8に示した可動片を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数と、図123に示した普通図柄表示器1402で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
このような遊技制御に用いられる各種乱数のうち、大当り判定用乱数はハードウェアにより更新されるものに対して、他の各種乱数はソフトウェアにより更新されるようになっている。
例えば、大当り判定用乱数は、図123に示した主制御MPU1310aに内蔵される主制御内蔵ハード乱数回路1310anによりハードウェアにより直接更新されるようになっている。この主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、上述したように、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(図131に示した主制御水晶発振器MX0から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路1310anが繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
これに対して、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、図124に示した払出制御基板951の操作スイッチ954が電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において図123に示した主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合には、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、図123に示した主制御MPU1310aがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPU1310aを製造したメーカによって主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティー対策と、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティー対策と、による2段階のセキュリティー対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを普通図柄当り判定用初期値決定用乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤5を入手して分解し、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤5’に備える主制御MPU1310a’に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤5’においては、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤5のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤5を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤5’、つまり他のパチンコ機1’において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、図8に示したゲート部2003に遊技球を通過させたとしても、図8に示した可動片を開閉動作させて第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態を発生させることができない。
[14−2.主制御側電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、デフォルトとして予め定めたアドレスにスタックポインタが設定されるように主制御MPU1310aが回路構成されている。このスタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。
そして上述したメイン制御プログラムが、主制御基板1310の主制御MPU1310aによる制御の下、図146及び図147に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、メイン制御プログラムは、主制御MPU1310aの制御の下、RAMアクセス許可の設定を行う(ステップS10)。このRAMアクセス許可の設定により主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に対する更新を行うことができる。
ステップS10に続いて、メイン制御プログラムは、図123に示した主制御内蔵WDT1310afの初期値設定及び起動設定を行う(ステップS12)。ここでは、主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視する主制御内蔵WDT1310afに初期値を設定するために主制御MPU1310aに内蔵されるウオッチドックタイマコントロールレジスタ(以下、「WDTコントロールレジスタ」と記載する。)にタイマ設定値を設定して主制御内蔵WDT1310afを起動させて主制御MPU1310aをリセットするまでの計時を開始する。主制御内蔵WDT1310afが起動すると、主制御内蔵WDT1310afによる計時が開始され、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでに、主制御MPU1310aに内蔵されるウオッチドックタイマクリアレジスタ(以下、「WDTクリアレジスタ」と記載する。)にタイマクリア設定値をセットしないと、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされるようになっている。これに対して、主制御内蔵WDT1310afが起動して計時が開始されると、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでにWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすると、主制御内蔵WDT1310afによる計時がクリアされて、再び計時が開始されるようになっている。このように、主制御内蔵WDT1310afによる計時をタイマ設定値で設定された時間に達するまでにクリアして再び計時を開始するという処理を繰り返し行うことにより主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視することができる。
ステップS12に続いて、メイン制御プログラムは、停電クリア処理を行う(ステップS14)。この電電クリア処理では、まず、図132に示した停電監視回路1310eに停電クリア信号の出力を開始する。この停電監視回路1310eは、電圧比較回路であるコンパレータMIC21と、DタイプフリップフロップMIC22と、から構成されている。電圧比較回路であるコンパレータMIC21は、+24Vとリファレンス電圧との電圧を比較したり、+12Vとリファレンス電圧との電圧を比較したりすることで、その比較結果を出力する。この比較結果は、停電又は瞬停が発生していない場合ではその論理がHIとなってDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される一方、停電又は瞬停が発生した場合ではその論理がLOWとなってDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるようになっている。
電電クリア処理では、まず停電監視回路1310eに停電クリア信号の出力を開始することにより、このDタイプフリップフロップMIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を開始する。この停電クリア信号は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子からその論理をLOWとして、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介して、DタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU1310aは、DタイプフリップフロップMIC22のラッチ状態を解除することができ、ラッチ状態をセットするまでの間、DタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する状態とすることができ、その1Q端子からの信号を監視することができる。
続いて、電電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。停電予告信号が入力されているか否かの判定では、停電予告信号として、上述したDタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力されている信号に基づいて行う。
電源投入後に電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待っても停電予告信号の入力がなかったときには、メイン制御プログラムは、DタイプフリップフロップMIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を停止する。ここでは、停電クリア信号は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子からその論理をHIとして、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介して、DタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU1310aは、DタイプフリップフロップMIC22をラッチ状態にセットすることができる。DタイプフリップフロップMIC22は、そのプリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチすると、出力端子である1Q端子から停電予告信号を出力する。
ステップS14に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って主制御内蔵RAM(遊技記憶部)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(遊技側電源投入時操作制御手段)。具体的には、メイン制御プログラムは、まず、図124に示した払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されているか否かを判定する(ステップS16)。この判定では、メイン制御プログラムが、払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されたことに伴う操作信号(検出信号)に基づくエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)が主制御MPU1310aに入力されているか否かにより行う。メイン制御プログラムは、その操作信号の論理値に基づいて、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ954が操作されていないと判定する一方、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ954が操作されていると判定する。
ステップS16において、メイン制御プログラムは、上記操作スイッチ954が操作されているときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットする(ステップS18)。一方、メイン制御プログラムは、ステップS16で操作スイッチ954が操作されていないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS20)。即ち、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って、主制御MPU1310aに内蔵されたRAM(つまり、主制御内蔵RAM(遊技記憶部))の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(遊技制御側電源投入時操作制御手段)。上述したRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報を消去するか否かを示すフラグであり、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS18及びステップS20でセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS18又はステップS20に続いて、メイン制御プログラムは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、図126に示した、周辺制御基板1510の液晶表示制御部1512による遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として2.5秒(s)が設定されている。
ステップS22に続いて、メイン制御プログラムは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから入力される。ステップS24の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。ステップS24の判定で停電予告信号の入力があるときには、メイン制御プログラムは、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行う。これにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることとなる。その後メイン制御プログラムが、主制御基板1310の主制御MPU1310aによる制御の下、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS24の判定がステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS24の判定で停電予告信号の入力がないときには、メイン制御プログラムは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS26)。上述したように、RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS26でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり遊技情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS28)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS28に続いて、メイン制御プログラムは、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS30)。一致しているときには、このメイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS32)。このバックアップフラグBK−FLGは、遊技情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、主制御基板1310の製造ラインの検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、についての詳細な説明を後述する。
ステップS32でバックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したときには、メイン制御プログラムは、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS34)。この設定は、主制御MPU1310aに内蔵されたROM(つまり、主制御内蔵ROM)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、不正手段(例えば、不正行為者が腕の裾に隠した高周波出力装置)からの高周波が主制御基板1310に照射されて主制御MPU1310a自体がリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS34に続いて、メイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGに値0をセットする(ステップS36)。これにより、これ以後の各種処理が行われることにより遊技情報、チェックサムの値(サム値)等が変更されるため、後述する主制御側電源断時処理を正常に終了してバックアップフラグBK−FLGに値1がセットされないと、後述するように、主制御内蔵RAMの全領域がクリアされることとなる。
一方、ステップS26でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり遊技情報を消去するときには、或いはステップS30でチェックサムの値(サム値)が一致していないときには、又はステップS32でバックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、メイン制御プログラムは、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS38)。即ち、メイン制御プログラムは、上述した操作スイッチ954の操作に伴う検出信号の入力を契機として遊技制御側RAMクリア処理を実行している(払出制御側電源投入時操作制御手段)。具体的には、メイン制御プログラムは、値0を主制御内蔵RAMに書き込むことよって行う。なお、その代わりに、メイン制御プログラムは、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい。また、主制御MPU1310aは、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がRAMクリアを指示するもので遊技情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPU1310aの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を行い、この固定値を、上述した普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットする。
ステップS38に続いて、メイン制御プログラムは、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS40)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットされることにより実施される。
ステップS36又はステップS40に続いて、メイン制御プログラムは、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、4ミリ秒(ms)に設定されている。
ステップS42に続いて、メイン制御プログラムは、シリアル通信初期設定を行う(ステップS44)。ここでは、主制御MPU1310aに内蔵される各種シリアル入出力ポート(例えば、払出制御基板951に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)、周辺制御基板1510に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)に対応する、送信シリアルポートプリスケーラに通信速度の設定やパリティ有無の設定等を行うとともに、送信シリアルポートコントロールレジスタに送信回路の初期化の設定や送信許可の設定等を行う。
ステップS44に続いて、メイン制御プログラムは、試験信号出力ポート初期化設定を行う(ステップS46)。ここでは、遊技機の試験機関において、各種検査情報を出力するための図示しない試験信号出力ポートを、電源投入時に初期化設定(OFFデータ出力に設定)等を行う。
ステップS46に続いて、メイン制御プログラムは、図123に示した主制御内蔵ハード乱数回路1310anの起動設定を行う(ステップS48)。ここでは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数を、ハードウェアにより更新するために主制御MPU1310aに内蔵される、ハード乱数コントロールレジスタに乱数をラッチして取得するという設定等を行うとともに、ハード乱数設定レジスタに主制御内蔵ハード乱数回路1310anの起動等を設定する。これらの設定により主制御内蔵ハード乱数回路1310anが起動すると、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(図131に示した主制御水晶発振器MX0から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。なお、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから乱数(乱数値)を取得するときには、主制御内蔵ハード乱数回路1310anにラッチ信号を出力し、このラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した乱数(乱数値)を、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得するようになっている。主制御MPU1310aは、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。
ステップS48に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時に送信するコマンドの予約設定を行う(ステップS50)。ここでは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図143に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信されることとなる。これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。なお、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS50に続いて、メイン制御プログラムは、割り込み許可設定を行う(ステップS52)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに後述する主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS52に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間を経過すると、つまり、主制御側メイン処理が開始されると、操作スイッチ954(操作スイッチ)の操作に伴うエラー解除ナビコマンドの受け取りを契機とした遊技制御側RAMクリア処理の実行を規制することとなる(通常時操作制御手段)。以上のように、メイン制御プログラムは、操作スイッチ954の操作に伴って入力される検出信号を、タイムシェアリングの概念により、上述のように電源投入時から所定時間に亘ってエラー解除ナビコマンドの入力を契機としてRAMクリア処理を実行させたり(遊技制御側電源投入時操作制御手段)、当該所定時間の経過後は当該エラー解除ナビコマンドの入力があってもRAMクリア処理の実行を規制し(遊技制御側通常時操作制御手段)、発生したエラーに伴うエラー報知を解除するための解除スイッチとして取り扱っている。つまり、本来、払出動作に関して発生したエラーを解除するために使用されるはずであった操作スイッチ954(エラー解除部)を、電源投入時から所定時間に亘って、その代わりに、遊技記憶部としての主制御内蔵RAM(及び後述する払出記憶部としての払出制御内蔵RAM)の初期化を開始させるためのRAMクリア処理を実行するための操作部として機能させたり、当該所定時間の経過後に、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除するための操作部として機能させることができるようになっている。
次にメイン制御プログラムは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから入力される。ステップS54の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS54で停電予告信号の入力がないときには、メイン制御プログラムは非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数をソフトウェアにより更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS56に続いて、再びステップS54に戻り、メイン制御プログラムは、停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS54〜ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS54〜ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54で停電予告信号の入力があったときには、メイン制御プログラムは、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、遊技情報の書き換えを保護している。
ステップS58に続いて、メイン制御プログラムは、停電クリア信号を出力開始する(ステップS60)。ここでは、ステップS14の停電クリア処理において停電クリア信号を出力開始した処理と同一の処理を行う。これにより、メイン制御プログラムは、主制御MPU1310aの制御の下、DタイプフリップフロップMIC22のラッチ状態を解除することができる。
ステップS60に続いて、メイン制御プログラムは、図123に示した、始動口ソレノイド2107、アタッカソレノイド2108、第一特別図柄表示器1403、第二特別図柄表示器1405、第一特別保留数表示器1404、第二特別保留数表示器1406、普通図柄表示器1402、普通図柄記憶表示器1188、状態表示器1401、ラウンド表示器1407等に出力している駆動信号を停止する(ステップS62)。
ステップS62に続いて、メイン制御プログラムは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS64)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS64に続いて、メイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする(ステップS66)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS66に続いて、メイン制御プログラムは、RAMアクセス禁止の設定を行う(ステップS68)。このRAMアクセス禁止の設定により主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に対するアクセスが行うことができなくなることよって主制御内蔵RAM(遊技記憶部)の内容の更新を防止することができる。
ステップS68に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることとなる。その後メイン制御プログラムが、主制御基板1310の主制御MPU1310aによる制御の下、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
パチンコ機1(主制御MPU1310a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS30では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS32では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
ここで、ステップS24の停電予告信号の有無の判定をステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行う点について説明する。まず、ステップS24の停電予告信号の有無の判定がない場合における問題点について、つまりステップS22のウェイト時間待機処理に続いてステップS26のRAMクリアフラグの値の判定を行ってその後の処理をすすめる場合における問題点について説明する。
主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、図131に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。つまり、瞬停や停電によりパチンコ島設備からの電源が遮断された状態であっても、電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されることにより、パチンコ島設備からの電源が遮断されてから約7msという時間が経過するまでの期間内に、主制御側電源断時処理を完了することができるようになっている。これは、遊技者が遊技を行っている際に、つまり、主制御側メイン処理又は後述する主制御側タイマ割り込み処理を行っている際に、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合において、主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。
ところが、極めて稀な現象として、復電時にステップS22のウェイト時間待機処理において、図126に示した、周辺制御基板1510の液晶表示制御部1512による遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)までの待機時間(ブートタイマ:本実施形態では、2.5秒が設定されている。)を計時開始し、その待機時間に達する直前で、仮に瞬停又は停電が発生すると、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されるものの、約7msという期間内に、ステップS42で割り込み初期設定が行われ、その後、ステップS52で割り込み許可設定が行われることにより、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われて、主制御内蔵RAMの内容が更新されても、主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を完了することができなくなる場合がある。このため、主制御内蔵RAMの内容に基づく、チェックサムを算出した値が記憶されることなく再び復電時に主制御側電源投入時処理を開始することとなる。
そうすると、今回の復電時において主制御側電源投入時処理を開始して、瞬停や停電が発生することなく、ステップS22のウェイト時間待機処理を完了し、その後、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出した値と、瞬停又は停電が発生した直前における主制御内蔵RAMに記憶されている値と、をステップS30で比較判定すると、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域をクリアすることなる。換言すると、復電時に操作スイッチ954がホールの店員等により操作されてRAMクリアというホールの店員等による意思表示がなくても、強制的に主制御内蔵RAMに記憶されている情報を消去(クリア)することとなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うようになっている。これにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることができるようになっている。ステップS22のウェイト時間待機処理を行う前に、ステップS18又はステップS20においてRAMクリア報知フラグRCL−FLGに値が設定されるものの、RAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、上述したように、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶されるため、ステップS10でRAMアクセス許可の設定が行われていても、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されない。
このように、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されているときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されるとステップS24の判定により判定されたときには)、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、主制御基板1310の主制御MPU1310aを強制的にリセットして主制御基板1310を再起動することができるようになっているため、遊技の進行を行うことができず、遊技情報が更新されることを防止することができ、チェックサムの算出結果に変動が生ずることがないようになっている。これにより、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。したがって、復電時において、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報が初期化されることを防止することができる。
また、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されていないときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されないとステップS24の判定により判別されたときには)、主制御基板1310の主制御MPU1310aが遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断されても、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、図131に示した電解コンデンサMC2による電源の供給により、この遊技の進行による遊技情報を記憶するためのバックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPU1310aが完了することができるようになっているため、主制御MPU1310aの主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、バックアップ処理においてチェックサムの算出結果(つまり、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値)と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。つまり、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報に復元されて主制御基板1310を起動することができるようになっている。
更に、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていると判定したときには主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることで主制御内蔵RAMの内容を全く更新することなく再び主制御側電源断時処理を開始することができる一方、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていないと判定したときにはこれまで通りハードウェアによる約7msという「瞬停又は停電時電源確保期間」以内に主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。つまり、本実施形態では、復電時に主制御側電源投入時処理を行っている際に瞬停や停電が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合であって、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、図131に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっているため、電解コンデンサMC2というハードウェアによる約7msという「瞬停又は電源確保期間」内において主制御側電源断時処理を完了することができない場合においては、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後におけるステップ24で停電予告信号が入力されているか否かの判定を行い、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることができるようになっている。このようなソフトウェアによる主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることでステップS24より後のステップ(具体的には、ステップS42で割り込み初期設定を行って、その後に、ステップS52で割り込み許可を設定して後述する主制御側タイマ割り込み処理を開始するという制御フロー)への進行を阻止することで主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が更新されることを回避することができるという仕組みを採用した。このように停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された際に、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されないようにソフトウェアで賄う部分と、主制御側電源断時処理を確実に完了して主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されないようにハードウェアで賄う部分と、に2つに分けて構成することにより、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が変更されることを確実に防止することができるようになっている。
次に、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点について説明する。ステップS50では、上述したように、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図143に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。この電源投入時主制御復帰先コマンドは、上述したように、始動口ソレノイド2107の駆動状態を指示する情報と、図123に示したアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する情報と、主として構成されている。ここでは、まず電源投入時主制御復帰先コマンドに、始動口ソレノイド2107の駆動状態を指示する情報と、図123に示したアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する情報と、が含まれていない場合における問題点、つまり、ステップS50において電源投入時主制御復帰先コマンドが電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われない場合における問題点について説明する。
例えば、周辺制御基板1510が大当り遊技状態の画面(例えば、大当り遊技演出の画面)を図8に示した遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310がアタッカソレノイド2108を駆動して図8に示した大入賞口2005が開閉部材2107により開放されているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、アタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として大当り遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、大当り遊技状態のどのラウンドであるか全く表示することができない。つまり、例えば大入賞口2005に遊技球が入球して図123に示したカウントセンサ4005によって検出され、大入賞口2005に入球した遊技球の球数を伝える大入賞口1カウント表示コマンドを主制御基板1310が周辺制御基板1510に送信して周辺制御基板1510が受信したとしても、周辺制御基板1510は、確率及び時短状態に応じて画面に大入賞口2005に入球した遊技球の球数が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示することができても、大当り遊技状態のどのラウンド(つまり、何回目のラウンド)であるか全く表示することができない。
このような状況において、主制御基板1310は、例えば大当り遊技状態の4ラウンド(4回目のラウンド)を終了するときには、アタッカソレノイド2108の駆動を停止して大入賞口2005が開閉部材2107により開放されている状態から閉鎖されている状態へ移行する旨(つまり、始動口ユニット2100の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖開始)を指示する大入賞口1閉鎖表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信し、主制御基板1310が大当り遊技状態の5ラウンド(5回目のラウンド)を開始するときには、アタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨(つまり、大入賞口2005の5回目のラウンドの開放開始)を指示する大入賞口開放5回目表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信する。これにより、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の5ラウンドの開始という画面を、上述した確率及び時短状態に応じた画面からようやく切り替えて遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示することととなる。
また、例えば、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面(例えば、可動片が拡開されている旨を遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310が始動口ソレノイド2107を駆動して図8に示した一対の可動片を左右方向へ拡開させた状態となっているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、始動口ソレノイド2107の駆動を開始して一対の可動片が略垂直に立上った状態から左右方向へ拡開させた状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面を周辺制御基板1510が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に全く表示することができない。このため、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生したことに驚いて、復電時において、瞬停や停電が発生する直前における第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態であることを忘れている場合もあり、このような場合には、復電時における遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態に復帰されているにもかかわらず、復電時に遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に遊技を指示する画面(つまり、第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示する画面)が表示されないことにより、遊技者がどのような遊技を行えば分からなくなるという問題もあった。
このように、上述した2つ例においては、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができないという問題があった。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いするという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、図143に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、周辺制御基板1510は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとに基づいて、例えば、上述した例では、大当り遊技状態の4ラウンドにおいて、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、アタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨を周辺制御基板1510に伝えることができるため、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の4ラウンドである旨を特定した画面(つまり、何回目のラウンドであるかを示す画面)を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示することができないものの、大当り遊技状態であってアタッカソレノイド2108の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により開放されている状態である旨を伝える画面(例えば、「大当りです。大入賞口が開放されています。大入賞口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において大入賞口2005に遊技球を入球させるという遊技を指示することができるし、また例えば、上述した例では、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている状態において、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、始動口ソレノイド2107の駆動を開始して一対の可動片を左右方向へ拡開させた状態となっている旨を伝える画面(例えば、「可動片を拡開させています。下始動口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示することができる。これにより、瞬停や停電が発して、その後に復電する際に、周辺制御基板1510の復帰先を主制御基板1310側で細かく指示することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができる。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いすることを防止することができる。
次に、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、について説明する。主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述した、バックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPU1310aは、一度も実行していない状態であるため、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出しても、ステップS30で比較判定において、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域を必ずクリアすることなる。これにより、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、図143に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドという2つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となる。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において、まず電源投入時状態コマンドが送信され、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドが送信されるようになっている。これを利用して、主制御基板検査工程においては、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、主制御基板1310から最初のコマンドとして電源投入時状態コマンドが主制御基板検査工程の検査装置へ送信されることとなる。
ところで、電源投入時状態コマンドは、上述したように、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、図124に示した払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。ここでは、電源投入時状態コマンドにパチンコ機の機種コードを示す情報が含まれていない場合における問題点について説明する。
パチンコ機の機種コードは、上述したように、パチンコ機1(正確には、主制御基板1310)として、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など))であるのか、を特定することができるものである。
パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいては、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在する場合がある。そうすると、製造ラインの作業者は、複数種類の作品の版権(例えば、映画A、映画B、ドラマC、映画D、漫画E、及び漫画Fという作品の版権)のうち、どの作品の版権に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているのか分からなくなったり、複数種類の作品の版権のうち、一の版権(例えば、映画Dという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているにもかかわらず、他の版権(例えば、漫画Fという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているという思い込みや勘違いもある。このため、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、製造ラインの作業者は、製造ラインで製造した主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを確認することができないし、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを確認することもできない。これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在したまま、遊技盤5に主制御基板1310を取り付けるための遊技盤組立ラインへ送られることとなる。このため、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付ける場合もあった。これにより、結果として、遊技盤5の生産効率が低下するという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、パチンコ機の機種コードを示す情報を含む電源投入時状態コマンドを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、図143に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインの作業者は、製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、主制御基板1310を電源投入することにより、検査装置が主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、検査モニタに表示する詳細な機種情報を目視することにより、主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを判別することができるとともに、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを判別することもできるようになっている。これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在しても、製造ラインの主制御基板検査工程の作業者は、検査モニタを目視して主制御基板1310の機種タイプ、作品の版権、及び遊技仕様を正確に判別することができることによって、作品の版権に対する主制御基板1310ごとに分別して後続の遊技盤組立ラインへ送ることができる。そして、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応する主制御基板1310を遊技盤5に確実に取り付けることができ、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付けるという作業によって生ずる遊技盤5の生産効率の低下を防止することができる。したがって、遊技盤5の生産効率の向上に寄与することができる。
[14−3.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図146及び図147に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御基板1310では、メイン制御プログラムが、主制御MPU1310aの制御の下、図148に示すように、レジスタバンクの切替を行う(ステップS100)。主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)には、第1のレジスタバンクと第2のレジスタバンクとから構成される2つのレジスタバンクがある。第1のレジスタバンクは上述した主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用される一方、第のレジスタバンクは本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において使用される。ステップS100では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において第2のレジスタバンクを使用するため、主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用されている第1のレジスタバンクから第2のレジスタタンクへのレジスタバンクの切り替えを行う。なお、本実施形態では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されるときに、各レジスタをスタックに退避する処理は必要ないようになっている。
ステップS100に続いて、メイン制御プログラムは、タイマ減算処理を行う(ステップS102)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って第一特別図柄表示器1403及び第二特別図柄表示器1405が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1402が点灯する時間のほかに、主制御基板1310(主制御MPU1310a)が送信した各種コマンドを払出制御基板951が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS102に続いて、メイン制御プログラムは、スイッチ入力処理を行う(ステップS104)。このスイッチ入力処理では、主制御MPU1310aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、このメイン制御プログラムは、例えば、図8に示した一般入賞口2001,2201に入球した遊技球を検出する図123に示した一般入賞口センサ4020,4020からの検出信号、図8に示した大入賞口2005に入球した遊技球を検出する図123に示したカウントセンサ4005からの検出信号、図8に示した第一始動口2002に入球した遊技球を検出する図123に示した第一始動口センサ4002からの検出信号、図8に示した第二始動口2004に入球した遊技球を検出する図123に示した第二始動口センサ4004からの検出信号、図8に示したゲート部2003を通過した遊技球を検出する図123に示したゲートセンサ4003からの検出信号、図123に示した磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出センサ4024からの検出信号や後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを図123に示した払出制御基板951が正常に受信した旨を伝える払出制御基板951からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。また、第一始動口2002に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ4002からの検出信号、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ4004からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応する図144に示したその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。つまり、第一始動口センサ4002からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるし、第二始動口センサ4004からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、一般入賞口2001,2201に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ4020,4020からの検出信号、大入賞口2005に入球した遊技球を検出するカウントセンサ4005からの検出信号、第一始動口2002に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ4002からの検出信号、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ4004からの検出信号、及びゲート部2003を通過した遊技球を検出するゲートセンサ4003からの検出信号は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、メイン制御プログラムが、一般入賞口センサ4020,4020、カウントセンサ4005、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ4003からの検出信号を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるようになっているため、一般入賞口センサ4020,4020、カウントセンサ4005、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ4003からの検出信号の信頼性を高めることができる。
ステップS104に続いて、メイン制御プログラムは、当落乱数更新処理を行う(ステップS106)。この当落乱数更新処理では、上述した、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図147に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数は、当落判定(大当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。
例えば、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数は更新される。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
本実施形態では、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図147に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS106の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS56の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS56の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS106に続いて、メイン制御プログラムは、賞球制御処理を行う(ステップS108)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための図142に示した賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している場合には、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間の接続状態を確認するための図142に示したセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板951に送信する。例えば、図8に示した大入賞口2005に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているため、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶し、賞球コマンドを払出制御基板951に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板951が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板1310と払出制御基板951との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板951に送信したりする。なお、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成する場合のように、賞球として払い出す遊技球の球数が10球を超える場合には、その超えた球数に、次回のこの賞球制御処理において、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が加算されて、この加算された遊技球の球数がに達しているときには、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶することとなる。
ステップS108に続いて、メイン制御プログラムは、枠コマンド受信処理を行う(ステップS110)。払出制御基板951では、払出制御プログラムが、図145に示した状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(例えば、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。一方、後述するように払出制御プログラムは、払出動作にエラーが発生した場合にエラー発生コマンドを出力したり、操作スイッチ954の検出信号に基づいてエラー解除ナビコマンドを出力する。上述した枠コマンド受信処理では、メイン制御プログラムが、この各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板951に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、メイン制御プログラムは、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(図144の状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。なお、ここでいう枠状態1コマンドは第1のエラー発生コマンドに相当するとともに、エラー解除ナビコマンドは第1のエラー解除コマンドに相当する。
ステップS110に続いて、メイン制御プログラムは、不正行為検出処理を行う(ステップS112)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合にカウントセンサ4005からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2005に遊技球が入球するとき)等には、異常状態として図144に示した報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS112に続いて、メイン制御プログラムは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS114)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、図123に示した主制御内蔵ハード乱数回路1310anにラッチ信号を出力し、ラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した乱数(乱数値)を、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得し、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。そして大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定(「特別抽選」という。))したり、大当り図柄用乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている確変当り判定値と一致するか否かを判定(確率変動を発生させるか否かの判定)したりする。ここで、「確率変動」とは、大当りする確率が通常時(低確率)にくらべて高く設定された高確率(確変時)に変化することである。本実施形態では、上述した大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)として、低確率では値32668〜値32767が設定されており、通常時判定テーブルから読み出されるのに対して、高確率では値31768〜値32767が設定されており、確変時判定テーブルから読み出される。このように、ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理では、大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定するときには、大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)が大当り判定範囲に含まれているか否かにより行う。
これらの判定結果が第一始動口センサ4002によるものである場合には図143に示した特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その抽選結果が第二始動口センサ4004によるものである場合には図143に示した特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するするとともに、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405を点灯させるよう第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、図143に示した大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、図8に示した開閉部材2107を開閉動作させるようアタッカソレノイド2108への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2005が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、図10に示したラウンド表示器1407の2ラウンド表示ランプ1407aを点灯させるよう2ラウンド表示ランプ1407aへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、図10に示したラウンド表示器1407の15ラウンド表示ランプ1407bを点灯させるよう15ラウンド表示ランプ1407bへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、確率変動の発生の有無を所定の色で点灯させるよう状態表示器1401への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS114に続いて、メイン制御プログラムは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS116)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいてゲート入賞処理を行う。このゲート入賞処理では、入力情報からゲートセンサ4003からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出してゲート情報として主制御内蔵RAMのゲート情報記憶領域に記憶する。
このゲート情報記憶領域には、第0区画〜第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順にゲート情報が格納されるようになっている。例えばゲート情報がゲート情報記憶の第0区画〜第2区画に格納されている場合、ゲートセンサ4003からの検出信号が入力端子に入力されていたときにはゲート情報をゲート情報記憶の第3区画に格納する。
ゲート情報はゲート情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。このゲート情報がセットされると、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画に、ゲート情報記憶の第3区画のゲート情報がゲート情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされてゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、ゲート情報記憶の第1区画〜第2区画にゲート情報が記憶されている場合には、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされてゲート情報記憶の第2区画及びゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、ゲート情報記憶の第1区画〜第3区画にゲート情報が格納されていると、格納されたゲート情報の総数を保留球として普通図柄記憶表示器1188を点灯させるよう、上述したゲート情報に基づいて普通図柄記憶表示器1188の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ゲート入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされたゲート情報を読み出し、この読み出したゲート情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、一対の可動片が左右方向へ拡開した状態となることで第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、図143に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って普通図柄表示器1402を点灯させるよう普通図柄表示器1402への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、図143に示した普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、可動片を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2107への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、図143に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1402を点灯させるよう普通図柄表示器1402への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS116に続いて、メイン制御プログラムは、ポート出力処理を行う(ステップS118)。このポート出力処理では、主制御MPU1310aの各種出力ポートの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。このメイン制御プログラムは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板951からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板951に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2005の開閉部材2107の開閉動作を行うアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力したり、可動片の開閉動作を行う始動口ソレノイド2107に駆動信号を出力したりするほかに、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力情報、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板951に出力したりする。
ステップS118に続いて、メイン制御プログラムは、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS120)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、このメイン制御プログラムが、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、図143に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド(例えば、大入賞口2005(図8参照)に入球した遊技球を検出した際にカウントセンサ4005(図123参照)からの検出信号に基づ大入賞口カウントコマンドに相当する大入賞口1カウント表示コマンド)、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図144に示した、報知表示に区分される各種コマンド(扉開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンドなど)、状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンド)、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドが記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、主周シリアルデータとして各種コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生した場合に、図131に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、図133に示した、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeは、少なくとも、その送信バッファレジスタ1310aebに主制御CPUコア1310aaがセットしたコマンドをシリアル管理部1310aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ1310aeaから主周シリアルデータとして送信完了することができるようになっている。停電又は瞬停が発生して電力が回復する復電時には、図147に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、復電した旨を伝えるために、図143に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶しているため、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。なお、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、主制御側電源投入時処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信されることとなる。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド)を送信する(エラーコマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図145に示す形態である枠状態1コマンドを、図144に示す形態の枠状態1コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
またその一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951からエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510に対してエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)を送信する(エラーコマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図145に示す形態であるエラー解除ナビコマンドを、図144に示す形態のエラー解除ナビコマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
またさらに、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して本体枠開放コマンド(第2の本体枠開放コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第2の本体枠送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図145に示す形態である本体枠開放コマンドを、図144に示す形態である本体枠開放コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して本体枠閉鎖コマンド(第2の本体枠閉鎖コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第2の本体枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図145に示す形態である本体枠閉鎖コマンドを、図144に示す形態である本体枠閉鎖コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
また、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から扉開放コマンド(第1の扉開放コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して扉開放コマンド(第2の扉枠開放コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第2の扉枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図145に示す形態である扉枠閉鎖コマンドを、図144に示す形態である扉閉鎖コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板951から扉閉鎖コマンド(第1の扉閉鎖コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して扉閉鎖コマンド(第2の扉閉鎖コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第2の扉枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板951から受け取った図145に示す形態である扉閉鎖コマンドを、図144に示す形態である扉閉鎖コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
ステップS120に続いて、メイン制御プログラムは、図123に示した主制御内蔵WDT1310afのクリアを行い(ステップS122)、このルーチンを終了する。ステップS22の主制御内蔵WDT1310afのクリアは、主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることにより行う。これにより、主制御内蔵WDT1310afによる計時がクリアされる。そして、主制御内蔵WDT1310afによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされずに済む。
なお、主制御基板1310は、上述したように、遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断される前に、遊技の進行による遊技情報を記憶するための上述したバックアップ処理を実行して完了することができるとともに、復電時において、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先として、バックアップ処理を実行した遊技情報に基づいて、パチンコ機1への電源が遮断される際における、本ルーチンにおけるステップS118のポート出力処理による電気的駆動源である始動口ソレノイド2107やアタッカソレノイド2108の駆動状態を指示する図143の電源投入時主制御復帰先コマンドを周辺制御基板1510へ出力することができるようになっている。つまり、主制御基板1310は、図147の主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、同処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図143の電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。このため、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からの電源投入時主制御復帰先コマンドに基づいて、復電時における主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において演出表示することができる。これにより、遊技者が遊技を行っている際に、瞬停や停電が発生して、その後に復電するときに、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができるとともに、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において演出表示して報知することができるため、パチンコ機1のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に遊技者に見えて故障したと勘違いされることを防止することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することにより、遊技者に故障したと勘違いされることを防止することができる。
また、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述したように、図146の主制御側電源投入時処理におけるステップS38で主制御内蔵RAMの全領域を必ずクリアすることなる。これにより、同処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、図143に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドという2つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となり、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信する。主制御基板検査工程の検査装置は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、主制御基板検査工程の検査モニタに詳細な機種情報を表示するようになっている。
[15.払出制御基板の各種制御処理]
次に、図124に示した払出制御基板951が行う各種制御処理について、図149〜図165を参照して説明する。図149は払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図150は図149の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図151は図150に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図152は払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図153は回転検知センサ履歴作成処理の一例を示すフローチャートであり、図154はスプロケット定位置判定スキップ処理の一例を示すフローチャートであり、図155は球がみ判定処理の一例を示すフローチャートであり、図156は賞球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図157は貸球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図158はストック監視処理の一例を示すフローチャートであり、図159は払出球がみ動作判定設定処理の一例を示すフローチャートであり、図160は払出設定処理の一例を示すフローチャートであり、図161は球がみ動作設定処理の一例を示すフローチャートであり、図162はリトライ動作監視処理の一例を示すフローチャートであり、図163は不整合カウンタリセット判定処理の一例を示すフローチャートであり、図164はエラー解除操作判定処理の一例を示すフローチャートであり、図165は球貸しによる払出動作時の信号処理(ア)、CRユニットからの入力信号確認処理(イ)を示すタイミングチャートである。
まず、払出制御部電源投入時処理について説明し、続いて払出制御部タイマ割り込み処理、球抜きスイッチ操作判定処理、回転検知センサ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球がみ動作判定設定処理、払出設定処理、球がみ動作設定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除操作判定処理について説明する。なお、球抜きスイッチ操作判定処理、回転検知センサ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球がみ動作判定設定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除操作判定処理は、後述する払出制御部電源投入時処理におけるステップS562の主要動作設定処理の一処理として行われ、回転検知センサ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除操作判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、そして払出球がみ動作判定設定処理の順番で優先順位が設定されている。
[15−1.払出制御部電源投入時処理]
パチンコ機1に電源が投入されると、払出制御基板951における払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図149〜図151に示すように、払出制御部電源投入時処理を行う。この払出制御部電源投入時処理が開始されると、払出制御プログラムは、払出制御MPU952aは、割り込みモードの設定を行う(ステップS500)。この割り込みモードは、払出制御MPU952aの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御部タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理を行う。
ステップS500に続いて、払出制御プログラムは、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS502)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPU952aの各種入力ポート及び各種出力ポートの設定等を行う。
ステップS502に続いて、払出制御プログラムは、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS506)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS508)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、図123に示した主制御基板1310の停電監視回路1310eから停電予告として停電予告信号(払出停電予告信号)が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると主制御基板1310の停電監視回路1310eから停電予告信号(払出停電予告信号)が入力される。そこで、ステップS506のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS508の判定では、主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号(払出停電予告信号)に基づいて行う。
ステップS508に続いて、払出制御プログラムは、操作スイッチ954が操作されているか否かを判定する(ステップS512)。この判定は、操作スイッチ954からの操作信号の論理値に基づいて、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ954が操作されていないと判定する一方、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ954が操作されていると判定する。
ステップS512で操作スイッチ954が操作されているときには、払出制御プログラムは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値1をセットする(ステップS514)。即ち、払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って、払出制御MPU952aに内蔵されたRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(払出制御側電源投入時操作制御手段)。一方、ステップS512で操作スイッチ954が操作されていないときには、払出制御プログラムは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値0をセットする(ステップS516)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU952aの払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶されている、例えば、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS514及びステップS516でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU952aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS514又はステップS516に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS518)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS518に続いて、払出制御プログラムは、スタックポインタの設定を行う(ステップS520)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS520では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS520に続いて、払出制御プログラムは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS522)。上述したように、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS522で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないときには、払出制御プログラムは、チェックサムの算出を行う(ステップS524)。このチェックサムは、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS524に続いて、払出制御プログラムは、算出したチェックサムの値が後述する払出制御部電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS526)。一致しているときには、払出制御プログラムは、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS528)。この払出バックアップフラグHBK−FLGは、払出情報、チェックサムの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御部電源断時処理において払出制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御部電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御部電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS528で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるとき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了したときには、払出制御プログラムは、復電時として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS530)。この設定では、払出バックアップフラグHBK−FLGに値0がセットされる他に、払出制御MPU952aに内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報が読み出され、この復電時情報が払出制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている上述した払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報、時間管理情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタリセット判定時間等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS522で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去するときには、又はステップS526でチェックサムの値が一致していないときには、又はステップS528で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了していないときには、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS532)。即ち、払出制御プログラムは、操作スイッチ954の操作信号の検出を契機として払出制御側RAMクリア処理を実行する(払出制御側電源投入時操作制御手段)。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報がクリアされる。
ステップS532に続いて、払出制御プログラムは、初期設定として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS534)。この設定は、払出制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS530又はステップS534に続いて、払出制御プログラムは、割り込み初期設定を行う(ステップS536)。この設定は、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、2msに設定されている。
ステップS536に続いて、払出制御プログラムは、割り込み許可設定を行う(ステップS538)。この設定によりステップS536で設定した割り込み周期、つまり2msごとに払出制御部タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS538に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットする(ステップS539)。このウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS539に続いて、払出制御プログラムは、停電予告信号(払出停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS540)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号(払出停電予告信号)が主制御基板1310の停電監視回路1310eから入力される。ステップS540の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS540で停電予告信号の入力がないときには、払出制御プログラムは、2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS542)。この2ms経過フラグHT−FLGは、後述する、2msごとに処理される払出制御部タイマ割り込み処理で2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値0であるとき、つまり2ms経過していないときには、ステップS540に戻り、払出制御プログラムは、停電予告信号(払出停電予告信号)が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、払出制御プログラムは、2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットする(ステップS544)。
ステップS544に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットする(ステップS546)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS539においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS546に続いて、払出制御プログラムは、ポート出力処理を行う(ステップS548)。このポート出力処理では、払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御MPU952aの各種出力ポートの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(図142に示した、賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ834への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ834が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器860bに表示するLED表示情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板1310に出力したり、払出モータ834に駆動信号を出力したり、払出モータ834が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報信号として外部端子板784に出力したり(本実施形態では、払出モータ834が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板784に賞球数情報信号を出力している。具体的には、賞球数情報を出力するための賞球数情報信号出力判定用カウンタが設けられており、この賞球数情報信号出力判定用カウンタは、払出モータ834が実際に払い出した遊技球の球数を、後述するステップS550のポート入力処理で図124に示した払出検知センサ842からの検出信号に基づいて、カウントするものであり、払出モータ834が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)により払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新されている。この払出モータ834が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)は、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶される賞球数情報信号出力判定用カウンタの値に、後述するステップS550のポート入力処理で図124に示した払出検知センサ842からの検出信号に基づいて、払出モータ834が実際に払い出した遊技球の球数を加算して記憶更新する。ステップS548では、この賞球情報記憶領域から賞球数情報信号出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出した賞球数情報信号出力判定用カウンタの値が値10を超えているときには、外部端子板784に賞球数情報信号を出力するとともに、その超えた球数を、賞球数情報信号出力判定用カウンタの値として、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新するようになっている。)、エラーLED表示器860bに表示信号を出力したりする。
ステップS548に続いて、払出制御プログラムは、ポート入力処理を行う(ステップS550)。このポート入力処理では、払出制御MPU952aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、操作スイッチ954の操作信号、回転検知センサ840からの検出信号、払出検知センサ842からの検出信号、満タン検知センサ279からの検出信号、CRユニット6からのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板1310が正常に受信した旨を伝える主制御基板1310からの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS550に続いて、払出制御プログラムは、タイマ更新処理を行う(ステップS552)。このタイマ更新処理では、払出モータ834の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球がみ判定時間、払出回転体の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、、賞球タンク720及びタンクレール803に貯留されている遊技球を排出する際に設定されている球抜き判定時間、図1に示したファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球切れ検知センサ827からの検出信号により払出装置830の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行うほかに、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に払出検知センサ842で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを監視するための不整合カウンタINCCをリセットするか否かの判定を行う際にその判定条件と設定されている不整合カウンタリセット判定時間の時間管理を行う。例えば、球がみ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球がみ判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球がみ判定時間を正確に計っている。
本実施形態では、スキップ判定時間が22.75ms、球抜き判定時間が60060ms、満タン判定時間が504ms、球切れ判定時間が119ms、不整合カウンタリセット判定時間が7000s(約2時間)にそれぞれ設定されており、このタイマ更新処理を行うごとに球抜き判定時間、満タン判定時間、球切れ判定時間及び不整合カウンタリセット判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球抜き判定時間、満タン判定時間、球切れ判定時間及び不整合カウンタリセット判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS552に続いて、払出制御プログラムは、CR通信処理を行う(ステップS554)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニット6からの各種信号(BRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号)が入力されているか否かを判定する。CRユニット6からの各種信号に基づいて、払出制御MPU952aは、CRユニット6と各種信号のやり取りを行う。ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。
この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元することができる。これにより、払出装置830による遊技球の払出動作を実行している際に、瞬停又は停電して払出動作を続行することができなくなっても、復電時に、その払出動作を続行することができるため、過不足なく遊技球を上皿321や下皿322に払い出すことができる。換言すれば、払出制御MPU952aは、CR通信処理において、CRユニット6と各種信号のやり取りを行いながら、遊技球を上皿321や下皿322に払い出している際に、瞬停又は停電してCRユニット6と各種信号のやり取りが遮断され、遊技球の払い出しを続行することができなくなっても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値が、払出バックアップ情報として記憶された、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元されることによって、瞬停又は停電する直前における、パチンコ機1(払出制御MPU952a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りを、復電時から継続することができるとともに、遊技球の払い出しを引き続き行うことができるようになっている。
このように、パチンコ機1(払出制御MPU952a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りは、瞬停又は停止しても、復電時に、瞬停又は停止する直前の状態に復元されるようになっており、瞬停又は停止による影響によってパチンコ機1(払出制御MPU952a)とCRユニット6とによる各種信号が変化しないようになっている。したがって、パチンコ機1(払出制御MPU952a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りの信頼性を高めることができる。
また、CR通信情報記憶領域に記憶される各種情報は、上述したように、払出バックアップ情報に含まれている。CR通信処理では、復電時に、ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において設定された、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、例えば貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、そのPRDY信号を払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する。そして、主要動作設定処理の一処理として行われる、例えばリトライ動作監視処理において、払出バックアップ情報に含まれている、払出制御内蔵RAMに記憶されている賞球情報記憶領域の不整合カウンタINCCの値に基づいて、この不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かを判定し、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断して、つまり払出装置830による遊技球の払出動作が異常状態であると判断して、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし、払出球がみ動作判定設定処理において、CRユニット6へのエラー状態の出力の設定として、例えばCRユニット6と通信中でないときには貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態(LOW)をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。
これにより、CR通信処理では、復電時から次のタイマ割り込みで、このPRDY信号の論理の状態を、CR通信情報記憶領域から読み出してそのPRDY信号を払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する。このように、例えば、瞬停する直前において、払出装置830による遊技球の払出動作が異常状態であった場合には、復電時に、その状態が復元されるため、復電してから極めて早い段階で、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号を払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力することができ、CRユニット6に払出装置830による遊技球の払出動作が異常状態である旨を伝えることができる。これにより、復電時から極めて早い段階で、CRユニット6からの無駄な貸球要求信号であるBRDYが出力されるのを防止することができる。
また、CR通信処理では、ステップS550のポート入力処理で、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域からCR接続信号を読み出してこのCR接続信号に基づいて、その論理がHIであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板951とCRユニット6とが遊技球等貸出装置接続端子板869を介して電気的に接続されているときには、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をHIとして払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する一方、その論理がLOWであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板951とCRユニット6とが遊技球等貸出装置接続端子板869を介して電気的に接続されていないときには、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をLOWとして払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する。なお、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号の論理の状態は、EXS信号出力設定情報として払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域に記憶され、払出制御基板951とCRユニット6とが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号は、CR接続情報として状態情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS554に続いて、払出制御プログラムは、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS556)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タン検知センサ279からの検出信号により上述したファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球切れ検知センサ827からの検出信号により上述した払出装置830の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、ファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ279からの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ279からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タン検知センサ279からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間(504ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ279からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タン検知センサ279からの検出信号がONであるときには、ファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タン検知センサ279からの検出信号がOFFであるときには、ファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
払出装置830の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れ検知センサからの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れ検知センサからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切れ検知センサ827からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間(119ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切れ検知センサ827からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切れ検知センサ827からの検出信号がONであるときには、払出装置830の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切れ検知センサ827からの検出信号がOFFであるときには、払出装置830の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS556に続いて、払出制御プログラムは、コマンド受信処理を行う(ステップS558)。このコマンド受信処理では、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(図142に示した、賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS558に続いて、払出制御プログラムは、コマンド解析処理を行う(ステップS560)。このコマンド解析処理では、ステップS558で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS560に続いて、払出制御プログラムは、主要動作設定処理を行う(ステップS562)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球がみ等の動作設定を行ったり、リトライ動作の判定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。
ステップS562に続いて、払出制御プログラムは、LED表示データ作成処理を行う(ステップS564)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板951のエラーLED表示器860bに表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に基づいて、払出装置830の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、対応する表示データ(本実施形態では、表示値1(数字「1」))を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS564に続いて、払出制御プログラムは、コマンド送信処理を行う(ステップS566)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいて図145に示した状態表示に区分される各種コマンド(扉開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンド、枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)、エラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)及び枠状態2コマンド)を作成して主制御基板1310に送信する。例えば、状態情報記憶領域から球切れ情報を読み出すと、この球切れ情報に基づいて、払出装置830の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、枠状態1コマンドを作成して主制御基板1310に送信したりする。また、このコマンド送信処理においては、この払出制御プログラムは、例えば遊技球の払出動作に関するエラーが発生したなどの枠状態の変化があると、この払出動作に関して発生したエラーの発生部位に関する情報(以下「エラー発生位置情報」という)を含めた枠状態1コマンド(第1のエラー解除コマンド)を生成している(エラー発生コマンド生成手段)。一方、このコマンド送信処理では、払出制御プログラムが、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値1であると、即ち、操作スイッチ954の操作に応じた操作信号が検出されていると、上述したエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)を出力する(コマンド送出手段)。また、この払出制御プログラムは、本体枠開放スイッチ619からの本体枠開放検出信号が入力されると、本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第1の本体枠コマンド送出手段)。イ歩婦、この払出制御プログラムは、本体枠開放スイッチ619からの本体枠閉鎖検出信号が入力されると、本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第1の本体枠コマンド送出手段)。また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からの扉枠開放検出信号が入力されると、扉枠開放コマンド(第1の扉枠開放コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第1の扉枠コマンド送出手段)。一方、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からの扉枠閉鎖検出信号が入力されると、扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第1の扉枠コマンド送出手段)。また、この払出制御プログラムは、上述したコマンド送信処理(ステップS566)において、上述した状態情報記憶領域からエラー内容を含むエラー情報を読み出し、他のパチンコ機と自らを識別するための台番号情報及び当該エラー情報に基づくエラー情報信号を外部端子板784を経由してホールコンピュータに出力する。なお、ホールコンピュータは、このエラー情報信号を受け取ると、ホール店員が所持する無線装置に、上記台番号情報及びエラー情報を提供し、このホール店員が、この台番号情報に基づく台番号のパチンコ機において、エラー情報に含まれるエラー内容が発生していることを認識可能とすることができる。
ステップS566に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットする(ステップS568)。ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS546においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS568に続いて、再びステップS539に戻り、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットし、ステップS540で停電予告信号(払出停電予告信号)が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号(払出停電予告信号)の入力がなければ、ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定し、この2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、ステップS544で2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし、ステップS546でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットし、ステップS548でポート出力処理を行い、ステップS550でポート入力処理を行い、ステップS552でタイマ更新処理を行い、ステップS554でCR通信処理を行い、ステップS556で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS558でコマンド受信処理を行い、ステップS560でコマンド解析処理を行い、ステップS562で主要動作設定処理を行い、ステップS564でLED表示データ作成処理を行い、ステップS566でコマンド送信処理を行い、ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットし、ステップS539〜ステップS568を繰り返し行う。なお、このステップS539〜ステップS568の処理を「払出制御部メイン処理」という。
主制御基板1310による遊技の進行に応じて払出制御部メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPU952aの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPU952aは、ステップS548のポート出力処理において、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板1310に出力している。これにより、払出制御MPU952aは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS540で停電予告信号(払出停電予告信号)の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS570)。この設定により後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。
ステップS570に続いて、払出制御プログラムは、払出モータ834への駆動信号の出力を停止する(ステップS574)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。
ステップS574に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS576)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS576に続いて、払出制御プログラムは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS578)。このチェックサムは、ステップS524で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値の記憶領域を除く、払出制御内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS578に続いて、払出制御プログラムは、払出バックアップフラグHBK−FLGに値1をセットする(ステップS580)。これにより、払出バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS580に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS582)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。
ステップS582に続いて、払出制御プログラムは、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、払出制御MPU952aにリセットがかかり、その後、払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御の下、この払出制御部電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS570〜ステップS582の処理及び無限ループを「払出制御部電源断時処理」という。
パチンコ機1(払出制御MPU952a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御部電源投入時処理を行う。
なお、ステップS526では払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS528では払出制御部電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[15−2.払出制御部タイマ割り込み処理]
次に、払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御部タイマ割り込み処理は、図149〜図151に示した払出制御部電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、2ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御部タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御基板951の払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図152に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS590)。ここでは、上述した払出制御部メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御部タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS590に続いて、払出制御プログラムは、2ms経過フラグHT−FLGに値1をセットする(ステップS592)。この2ms経過フラグHT−FLGは、この払出制御部タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり2msごとに2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS592に続いて、払出制御プログラムは、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS594)。この復帰は、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタから汎用記憶素子(汎用レジスタ)に切り替える。この汎用レジスタを払出制御部メイン処理で使用することにより補助レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS594に続いて、払出制御プログラムは、割り込み許可の設定を行い(ステップS596)、このルーチンを終了する。
[15−3.回転検知センサ履歴作成処理]
次に、回転検知センサ履歴作成処理について説明する。この回転検知センサ履歴作成処理では、図124に示した回転検知センサ840からの検出信号の履歴を作成する。
回転検知センサ履歴作成処理が開始されると、払出制御基板951における払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図153に示すように、払出制御内蔵RAMから回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS610)。この回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTは、1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有しており、回転検知センサ840からの検出信号の履歴を回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTとして払出制御内蔵RAMの回転検知センサ履歴情報記憶領域に記憶されている。ステップS610では、この回転検知センサ履歴情報記憶領域から回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出している。
ステップS610に続いて、払出制御プログラムは、回転検知センサ840からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS612)。この判定は、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理において回転検知センサ840からの検出信号に基づいて行われる。具体的には、その検出信号は、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS612では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して回転検知センサ840からの検出信号があるか否かの判定を行う。入力情報に回転検知センサ840からの検出信号があるときには、払出制御プログラムは、払出モータ834の回転軸の回転が伝達される払出回転体の回転位置を把握する検出スリットが回転検知センサ840の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であると判定する。一方、入力情報に回転検知センサ840からの検出信号がないときには、払出制御プログラムは、検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態と判定する。
ステップS612で検出スリットが回転検知センサ840の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であるときには、払出制御プログラムは、回転検知センサ検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS614)。この回転検知センサ検出履歴情報のシフト処理では、ステップS610で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS614に続いて、払出制御プログラムは、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの最下位ビットB0に値1をセットし(ステップS616)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS612で検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であるときには、払出制御プログラムは、回転検知センサ検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS618)。この回転検知センサ検出履歴情報のシフト処理では、払出制御プログラムは、ステップS614の回転検知センサ検出履歴情報のシフト処理と同一の処理を行い、ステップS610で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS618に続いて、払出制御プログラムは、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの最下位ビットB0に値0をセットし(ステップS620)、このルーチンを終了する。
このように、この回転検知センサ履歴作成処理が行われるごとに、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、検出スリットが回転検知センサ840の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態又は検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態に応じて最下位ビットB0に値1又は値0がセットされるため、回転検知センサ840からの検出信号の履歴を作成することができる。
[15−4.スプロケット定位置判定スキップ処理]
次に、スプロケット定位置判定スキップ処理について説明する。このスプロケット定位置判定スキップ処理は、払出モータ834の回転軸の回転が伝達される払出回転体が定位置にあるか否かの判定を、所定の条件が成立しているときにスキップする。なお、払出回転体の定位置判定は、払出装置830による遊技球の払い出しが終了した際に行われるようにもなっている。これにより、球がみが発生していない状態で払出モータ834の回転軸の回転を確実に開始することができる。
スプロケット定位置判定スキップ処理が開始されると、払出制御基板951における払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図154に示すように、定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS630)。この定位置判定スキップフラグSKP−FLGは、払出回転体の定位置判定を行うか否かを示すフラグであり、払出回転体の定位置判定を行わないとき(スキップするとき)値1、払出回転体の定位置判定を行うとき(スキップしないとき)値0にそれぞれ設定される。
ステップS630で定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0であるとき(スキップしないとき)、つまり払出回転体の定位置判定を行うときには、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの回転検知センサ履歴情報記憶領域から回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出し(ステップS632)、定位置判定値と一致しているか否かを判定する(ステップS634)。この定位置判定値は、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS634の判定では、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ここで、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0が値1となる場合は、4回のタイマ割り込み周期で続けて、上述した、検出スリットが回転検知センサ840の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であることを意味している。この4回のタイマ割り込み周期の発生では、図124に示した払出モータ834が4ステップ回転している。払出モータ834の回転は、第1ギア、第2ギア、第3ギアを介して回転検出盤の払出回転体の回転となる。これらの第1ギア、第2ギア、第3ギアには遊び(バックラッシュ)があるため、払出回転体が時計方向又は反時計方向に回転することとなるものの、このバックラッシュによる払出回転体の回転は、払出モータ834の約2ステップの回転に相当する程度となるように設計されているため、本実施形態では、払出回転体の定位置判定を行う場合には、回転検知センサ840からの検出信号の履歴、図153で示した回転検知センサ履歴作成処理で回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを作成し、作成した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0、つまり最新の4回のタイマ割り込み周期の発生によるからの検出信号に基づいて行っている。これにより、4回のタイマ割り込み周期では、払出モータ834が4ステップ回転しているため、バックラッシュによる払出回転体の回転より多く回転しており、バックラッシュによる払出回転体の回転を吸収することができる。したがって、バックラッシュによる払出回転体の定位置の誤検出を防ぐことができるため、払出回転体の回転位置を払出モータ834の回転位置で正しく管理することができる。なお、本実施形態では、4回のタイマ割り込み周期は8ms(=2ms×4回)であり、バックラッシュ吸収時間として設定されている。
ステップS634で、ステップS632で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、定位置判定スキップフラグSKP−FLGに値1をセットする(ステップS636)。これにより、払出回転体の定位置判定を行わない(スキップする)ように設定することができる。なお、払出制御MPU952aは、ステップS636における払出回転体の回転位置を払出回転体の定位置に設定する。
ステップS636に続いて、払出制御プログラムは、スキップ判定時間を有効に設定し(ステップS638)、このルーチンを終了する。ここで、検出スリットは、払出回転体の凹部と同じ数の3個であり、回転検出盤の外周に等分(120度ごと)に形成されている。また、払出モータ834の回転は、上述したように、第1ギア、第2ギア、第3ギアを介して回転検出盤の払出回転体の回転となる。本実施形態では、回転検出盤(払出回転体)の各検出スリット間(120度)の回転は、払出モータ834の18ステップの回転に相当するように設計されている。
払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御の下、払出回転体の回転位置を払出モータ834のステップ数に基づいて管理している。具体的には、(1)検出スリットが回転検知センサ840の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移し出す過渡状態(「エッジ検出状態」という。)と、(2)検出スリットが回転検知センサ840の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態(「定位置確定状態」という。)と、(3)検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態(「定位置判定スキップ状態」)と、の3つの状態で管理している。(1)のエッジ検出状態では払出モータ834の1ステップの回転に相当し、(2)の定位置確定状態では払出モータ834の4ステップの回転に相当し、(3)の定位置判定スキップ状態では払出モータ834の13ステップの回転に相当し、計18ステップの回転で回転検出盤の各検出スリット間(120度)の回転位置、つまり払出回転体の回転位置を管理している。
(3)の定位置判定スキップ状態では、検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であるため、スキップ判定時間は、払出モータ834の13ステップ回転する時間が設定されている。上述したように、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、スキップ判定時間が26ms(=2ms×13ステップ)となる。
ステップS638でスキップ判定時間が有効になることによって、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理でスキップ判定時間の減算が行われる。なお、払出制御MPU952aは、スキップ判定時間を減算し、その減算結果が値0になると、定位置判定スキップフラグSKP−FLGに初期値0をセットする。
一方、ステップS630で定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0でない(値1である)とき(スキップするとき)、つまり払出回転体の定位置判定を行わないときには、又はステップS634で、ステップS632で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する。なお、ステップS636でセットされた定位置判定スキップフラグSKP−FLGは、払出制御MPU952aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
パチンコ島設備から供給された遊技球は、賞球タンク802及びタンクレール803に貯留され、払出装置830の供給通路に取り込まれ、払出装置830に導かれる。遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生する。このため、払出装置830はノイズの影響を受けやすり環境下にある。払出装置830には、回転検知センサ840が設けられており、この回転検知センサ840からの検出信号は遊技球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。
そこで、本実施形態では、ノイズの影響による誤検出を抑制するために、上述した(3)の定位置判定スキップ状態、つまり検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態では、払出回転体の定位置判定を行わないようにしている。これにより、払出回転体の定位置判定の精度を高めている。なお、払出回転体の定位置を検出するために必要な周期や期間は、上述したように、予め計算によって求めることができるため、スキップ判定時間を簡単に設定及び調整するこができる。
[15−5.球がみ判定処理]
次に、球がみ判定処理について説明する。この球がみ判定処理は、払出モータ834の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを判定する。
球がみ判定処理が開始されると、払出制御基板951における払出制御部952の払出制御MPU952aは、図155に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転検知センサ履歴情報記憶領域から回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS640)。
ステップS640に続いて、払出制御プログラムは、上述した回転検知センサ840からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS642)。この判定は、ステップS640で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS642の判定では、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS642で、ステップS640で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態、つまり払出回転体が回転している状態であり、球がみ状態が生じていないとして、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS642で、ステップS640で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、球がみ中フラグPBE−FLGに値1をセットする(ステップS644)。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ834が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS644に続いて、払出制御プログラムは、球がみ判定時間を有効に設定し(ステップS646)、このルーチンを終了する。この球がみ判定時間が有効になることによって、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で球がみ判定時間の減算が行われる。
[15−6.各種賞球ストック数加算処理]
次に、各種賞球ストック数加算処理について説明する。この各種賞球ストック数加算処理には、賞球用賞球ストック数加算処理と貸球用賞球ストック数加算処理とがあり、賞球用賞球ストック数加算処理は主制御基板1310からの後述する賞球コマンドに基づいて払い出す球数を加算する処理であり、貸球用賞球ストック数加算処理はCRユニット6からの貸球要求信号に基づいて払い出す球数を加算する処理である。まず、賞球用賞球ストック数加算処理について説明し、続いて貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。なお、本実施形態では、賞球用賞球ストック数加算処理が優先的に行われるように設定されており、この賞球用賞球ストック数加算処理で加算された賞球ストック数に応じた遊技球が払出装置830で払い出されたあと、貸球用賞球ストック数加算処理を行うように設定されている。
[15−6−1.賞球用賞球ストック数加算処理]
賞球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板951における払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図156に示すように、賞球コマンドがあるか否かを判定する(ステップS650)。この判定は、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS560のコマンド解析処理で解析したコマンドに基づいて行う。具体的には、その解析したコマンドは受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶されている。ステップS650では、払出制御プログラムが、この受信コマンド情報記憶領域から受信コマンド情報を読み出して賞球コマンドであるか否かの判定を行う。
ステップS650で受信コマンド情報が賞球コマンドでないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS650で受信コマンド情報が賞球コマンドであるときには、払出制御プログラムは、この賞球コマンドに対応する賞球数PBVを、賞球数情報テーブルから読み出す(ステップS652)。この賞球数情報テーブルは、その詳細な説明を後述するが、賞球コマンドと賞球数PBVとを対応付けて払出内蔵ROMに予め記憶されている情報テーブルである。
ステップS652に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出す(ステップS654)。この賞球ストック数PBSは、払出装置830で遊技球を未だ払い出していない数、つまり未払い出しの球数を表しており、本実施形態では、2バイト(16ビット)の記憶容量を有している。これにより、賞球ストック数PBSは、値0〜値32767個までの未払い出しの球数を記憶することができるようになっている。なお、賞球ストック数PBSは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS652では、この賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出している。
払出制御プログラムは、ステップS654で読み出した賞球ストック数PBSにステップS652で読み出した賞球数PBVを加算し(ステップS656)、このルーチンを終了する。なお、ステップS656で加算したあと、ステップS650で読み出した賞球コマンドを受信コマンド情報記憶領域から消去する。
[15−6−2.貸球用賞球ストック数加算処理]
次に、貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。この貸球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板951における払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図157に示すように、貸球要求信号があるか否かを判定する(ステップS660)。この判定は、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理でCRユニット6からの貸球要求信号に基づいて行われる。具体的には、その貸球要求信号は入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS660では、払出制御プログラムは、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して貸球要求信号があるか否かの判定を行う。
ステップS660で貸球要求信号がないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS660で貸球要求信号があるときには、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS662)、この賞球ストック数PBSに貸球数RBVを加算し(ステップS664)、このルーチンを終了する。貸球数RBVは固定値であり、払出内蔵ROMに予め記憶されている。本実施形態では、貸球数RBVとして値25が設定されている。なお、ステップS664で加算したあと、払出制御プログラムは、ステップS660で読み出した貸球要求信号を入力情報記憶領域から消去する。また、本実施形態では、賞球を優先している(賞球と貸球とを区別して管理している)ため、貸球要求信号があるときであっても、貸球要求信号を保持し、賞球の払い出しの完了をもって貸球の払い出しを行う。したがって、本実施形態では、賞球ストック数PBSが値0になってから貸球の払い出しを行うようになっている。
[15−7.ストック監視処理]
次に、ストック監視処理について説明する。このストック監視処理は、遊技者が遊技中に、図1に示したファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンにした状態(ストックした状態)で遊技を続けていないか監視する処理である。
ストック監視処理が開始されると、払出制御基板951における払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図158に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS670)、読み出した賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH以上であるか否かを判定する(ステップS672)。注意的しきい値THは、固定値であり、払出内蔵ROMに予め記憶されている。本実施形態では、注意的しきい値THとして値50が設定されている。
ステップS672で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH以上であるときには、払出制御プログラムは、注意フラグCA−FLGに値1をセットし(ステップS674)、このルーチンを終了する。この注意フラグCA−FLGは、遊技者がファールカバーユニット270の収容空間に遊技球のストックを開始し、遊技球の未払い出し数(上述した賞球ストック数)が注意的しきい値TH以上に達している旨を示すフラグであり、注意的しきい値TH以上に達しているとき値1、注意的しきい値TH以上に達していないとき値0にそれぞれ設定される。
一方、ステップS672で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH未満であるときには、払出制御プログラムは、注意フラグCA−FLGに値0をセットし(ステップS676)、このルーチンを終了する。
遊技状態が大当りとなり、遊技者がリラックスして図126に示した遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられる演出に見入ったりしていると、遊技者は、うっかりして1ラウンドの間、賞球として払い出された遊技球を、下皿322から下皿球抜きボタン354を操作して抜かないことがある。この状態で遊技を続けると、下皿322が遊技球で満タンとなり、そしてファールカバーユニット270の収容空間に遊技球が溜まり出す。ファールカバーユニット270の収容空間が遊技球で満タンになると、上述したように、賞球ストック数PBSの値が増加して注意的しきい値TH以上となり、注意演出として扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDが点滅する。この点滅によって、例えばホールの店員に対して遊技者の遊技を注意する旨を伝えることができる。これにより、ホールの店員は遊技者に下皿322から遊技球を抜く旨を伝えることができ、遊技者は下皿322(ファールカバーユニット270の収容空間)に遊技球を満タンにした状態で遊技を継続することを防止することができる。
なお、本実施形態では、注意的しきい値THは、1バイト(8ビット)で表せる上限値255の約5分の1に相当する値50に設定されている。これにより、ホールの店員に対してできるだけ早い段階で遊技者の遊技に注意を促す旨を伝えることができるようになっている。
[15−8.払出球がみ動作判定設定処理]
次に、払出球がみ動作判定設定処理について説明する。この払出球がみ動作判定設定処理は、払出モータ834で遊技球を、上皿321や下皿322に払い出すか、球がみ動作を行うか、又はこのような払い出しや排出等を行わないか、いずれかに設定する処理である。
払出球がみ動作判定設定処理が開始されると、払出制御基板951における払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図159に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転検知センサ履歴情報記憶領域から回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS680)。
ステップS680に続いて、払出制御プログラムは、図103に示した回転検知センサ840からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS682)。この判定は、ステップS680で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS682の判定では、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS682で、払出制御プログラムは、ステップS680で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、リトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS684)。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、後述するリトライ動作が異常動作しているか否かを示すフラグであり、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定される。
ステップS682で、ステップS680で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、又は、ステップS684で、リトライエラーフラグRTERR−FLGが値1でない(値0である)とき、つまりリトライ動作が異常動作していないときには、払出制御プログラムは、球がみ中フラグPBE−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS686)。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出モータ834の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ834が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS686で球がみ中フラグPEB−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり球がみ動作を行っていないときには、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS688)、読み出した賞球ストック数PBSが値0より大きいか否かを判定する(ステップS690)。この判定では、払出モータ834による遊技球の払い出しにおいて未払い出しの球数があるか否かが判定されている。
ステップS690で賞球ストック数PBSが値0より大きいとき、つまり未払い出しの球数があるときには、払出制御プログラムは、ファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを判定する(ステップS692)。この判定では、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS556の満タン及び球切れチェック処理で記憶された満タン情報に基づいて行われる。具体的には、満タン情報は上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶されている。ステップS692では、この状態情報記憶領域から満タン情報を読み出してファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを判定する。
ステップS692でファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンでないときには、払出制御プログラムが後述する払出設定処理を行い(ステップS694)、このルーチンを終了する。この払出設定処理では、上皿321や下皿322に遊技球を払い出す払出動作を行う。
一方、ステップS692でファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する。本実施形態のパチンコ機1では、ファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンになると、払出モータ834を強制停止する。この払出モータ834が強制停止中に賞球が発生すると、払出モータ834による未払い出しの球数が増え、図156に示した賞球用賞球ストック数加算処理によって賞球ストック数PBSが加算されて増加することとなる。
一方、ステップS690で賞球ストック数PBSが値0より大きくない(値0である)とき、つまり未払い出しの球数がないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する。これにより、遊技球の払い出しを行わない。
一方、ステップS686で球がみ中フラグPBE−FLGが値1、つまり球がみ動作を行っているときには、払出制御プログラムが、後述する球がみ動作設定処理を行い(ステップS700)、このルーチンを終了する。この球がみ動作設定処理では、払出装置830の払出回転体による球がみ状態を解消する球がみ動作を行う。
一方、ステップS684で、リトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、払出制御プログラムは、払出モータ834への駆動信号の出力停止(停止)を設定する(ステップS702)。この設定では、払出モータ834に駆動信号を停止する駆動情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS702に続いて、払出制御プログラムは、CRユニット6へのエラー状態の出力を設定し(ステップS704)、このルーチンを終了する。ステップS704では、現在、球貸しができない状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)にはPRDY信号の論理をLOW、つまり立ち下げた状態を保持し、PRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図151の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御部952の払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)にはEXS信号の論理の状態を維持し、EXS信号の論理の状態をEXS信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図151の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からEXS信号出力設定情報を読み出してこの読み出したEXS信号出力設定情報、つまり論理が維持されたEXS信号を、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。なお、「EXS信号の論理の状態を維持」とは、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
[15−8−1.払出設定処理]
次に、払出設定処理について説明する。この払出設定処理では、払出モータ834を駆動して遊技球を払い出す設定を行う処理である。
払出設定処理が開始されると、払出制御基板951における払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図160に示すように、払出制御内蔵RAMから駆動指令数DRVを読み出す(ステップS710)。この駆動指令数DRVは、払出モータ834で払い出す遊技球の球数を指令するものであり、賞球ストック数PBSと同値である。なお、駆動指令数DRVは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS710では、この賞球情報記憶領域から駆動指令数DRVを読み出している。
ステップS710に続いて、払出制御プログラムは、駆動指令数DRVが値0であるか否かを判定する(ステップS712)。この判定は、払出モータ834で払い出す遊技球の球数が残っているか否かを駆動指令数DRVに基づいて判定される。
ステップS712で駆動指令数DRVが値0であるとき、つまり払出モータ834で払い出す遊技球の球数がゼロ個であるときには、払出制御プログラムは、払出モータ834への駆動信号の出力停止(停止)を設定する(ステップS714)。この設定では、払出モータ834に駆動信号を停止する駆動情報が設定されて、上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
ステップS714に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS716)、実球計数PBを読み出す(ステップS718)。この実球計数PBは、払出モータ834が実際に払い出した遊技球の球数をカウントしたものである。このカウントは、その詳細な説明を後述するが、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で図124に示した払出検知センサ842からの検出信号に基づいて行う。なお、実球計数PBは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS718では、この賞球情報記憶領域から実球計数PBを読み出している。
ステップS718に続いて、払出制御プログラムは、ステップS716で読み出した賞球ストック数PBSからステップS718で読み出した実球計数PBを引いた値を、賞球ストック数PBS及び駆動指令数DRVにセットし(ステップS720)、実球計数PBに値0をセットし(ステップS722)、このルーチンを終了する。なお、駆動指令数DRV及び実球計数PBが値0であるときには、ステップS722では、ステップS716で読み出した賞球ストック数PBSの値がそのまま駆動指令数DRVにセットされる。
一方、ステップS712で駆動指令数DRVが値0でないとき、つまり払出モータ834で払い出す遊技球の球数があるときには、払出制御プログラムは、払出モータ834への駆動信号の出力を設定する。(ステップS724)。この設定では、払出モータ834に駆動信号を出力する駆動情報が設定されて払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
ステップS724に続いて、払出制御プログラムは、駆動指令数DRVから値1だけ引き(デクリメントし、ステップS726)、払出検知センサ842からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS728)。この判定は、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理において払出検知センサ842からの検出信号に基づいて行われる。具体的には、その検出信号は入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS728では、払出制御プログラムが、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して払出検知センサ842からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS728で払出検知センサ842からの検出信号があるときには、払出制御プログラムが、実球計数PBに値1だけ足し(インクリメントし、ステップS730)、このルーチンを終了する。ステップS730で実球計数PBをインクリメントすることで実球計数PBをカウントアップすることとなる。
一方、ステップS728で払出検知センサ842からの検出信号がないときには、払出制御プログラムが、そのままこのルーチンを終了する。このように、払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御の下、ステップS726で駆動指令数DRVをデクリメントする場合であって、ステップS728の判定で払出検知センサ842からの検出信号がないとき、つまり実球計数PBにインクリメントしない場合には、払出モータ834の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に遊技球が受け止められていなかったために遊技球を1球が払い出すことができなかったと判断する。そこで、払出制御プログラムは、その払い出されるはずの1球をもう一度払い出すために、上述したステップS720で、賞球ストック数PBSから実球計数PBを引いた値を駆動指令数DRVにセットする。これにより、ステップS728の判定で払出検知センサ842からの検出信号がないとき、つまり実球計数PBにインクリメントしないときには、その払い出されるはずの1球である値1を賞球ストック数PBSに含めることができ、換言すれば、その払い出されるはずの1球である値1を賞球ストック数PBSにまるめ込むことができるため、その払い出されるはずの1球を再び払い出すリトライ動作を行うことができる。このリトライ動作を行うことによって、遊技者への遊技球の未払い出しが生ずるおそれを極めて小さくすることができ、遊技球の未払い出しによる遊技者の不利益を防止することができる。
[15−8−2.球がみ動作設定処理]
次に、球がみ動作設定処理について説明する。この球がみ動作設定処理では、払出装置830の払出モータ834の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態を解消する設定を行う処理である。
球がみ動作設定処理が開始されると、払出制御基板951における払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図161に示すように、球がみ判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS750)。この判定は、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で減算された球がみ判定時間に基づいて行われる。具体的には、その球がみ判定時間は、時間管理情報として上述した払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS750では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して球がみ判定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS750で球がみ判定時間が経過していないときには、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの回転検知センサ履歴情報記憶領域から回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS752)。
ステップS752に続いて、払出制御プログラムは、上述した回転検知センサ840からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS754)。この判定は、ステップS752で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かが判定される。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS754の判定では、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS754で、ステップS752で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、払出制御プログラムは、球がみ動作を行うよう払出モータ834への駆動信号の出力を設定し(ステップS756)、このルーチンを終了する。この設定では、払出モータ834に駆動信号を出力する駆動情報が設定されて上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
一方、ステップS754で、ステップS752で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、払出モータ834への駆動信号の停止を設定する(ステップS758)。この設定では、払出モータ834に駆動信号を停止する駆動情報が設定されて払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
ステップS758に続いて、払出制御プログラムは、球がみ動作の終了として球がみ中フラグPBE−FLGに値0をセットし(ステップS760)、このルーチンを終了する。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ834が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき(球がみ動作の終了)値0にそれぞれ設定される。
一方、ステップS750で球がみ判定時間が経過したときには、払出制御プログラムは、払出モータ834への駆動信号の停止を設定する(ステップS762)。この設定では、払出モータ834に駆動信号を停止する駆動情報を設定して払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS762に続いて、払出制御プログラムは、CRユニット6へのエラー状態の出力を設定する(ステップS764)。ここでは、現在、球貸しができない状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、払出制御MPU952aは、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)にはPRDY信号の論理をLOW、つまり立ち下げた状態を保持し、PRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図151の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御部952の払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)にはEXS信号の論理の状態を維持し、EXS信号の論理の状態をEXS信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図151の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からEXS信号出力設定情報を読み出してこの読み出したEXS信号出力設定情報、つまり論理が維持されたEXS信号を、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。なお、「EXS信号の論理の状態を維持」とは、上述したように、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
ステップS764に続いて、払出制御プログラムは、球がみ動作の終了として球がみ中フラグPBE−FLGに値0をセットし(ステップS766)、このルーチンを終了する。
[15−9.リトライ動作監視処理]
次に、リトライ動作監視処理について説明する。このリトライ動作監視処理では、払い出されるはずの遊技球を再び払い出すリトライ動作が正常に行われているか否かを監視する処理である。
リトライ動作監視処理が開始されると、払出制御基板951における払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図162に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転検知センサ履歴情報記憶領域から回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS770)。
ステップS770に続いて、払出制御プログラムは、上述した回転検知センサ840からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS772)。この判定は、ステップS770で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出制御内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS772の判定では、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS772において、ステップS770で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、不整合カウンタINCCに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS774)。この不整合カウンタINCCは、払出モータ834の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、払出検知センサ842で検出された球数と、の差を算出するためのカウンタであり、通常、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、払出検知センサ842で検出された球数と、が一致しているため、値0となる。払出制御プログラムは、図160に示した払出設定処理において、リトライ動作を行うため、このリトライ動作によって、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に払出検知センサ842で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを不整合カウンタINCCで監視して判断している。なお、不整合カウンタINCCは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS774では、払出制御プログラムは、この賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCをインクリメントしている。
ステップS774に続いて、又はステップS772で、ステップS770で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、払出制御プログラムは、払出検知センサ842からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS776)。この判定は、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で払出検知センサ842からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は、上述したように、入力情報として上述した払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS776では、払出制御プログラムが、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して払出検知センサ842からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS776で払出検知センサ842からの検出信号があるときには、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCから値1だけ引く(デクリメントし、ステップS778)。
ステップS778に続いて、又はステップS776で払出検知センサ842からの検出信号がないときには、払出制御プログラムは、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かの判定する(ステップS780)。パチンコ機1では、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率が数百万分の1程度であることが実験によって得られており、本実施形態では、不整合しきい値INCTHとして値5が設定されている。
図151の払出制御部電源投入時処理におけるステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、復電時に、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに基づいてこのリトライ動作監視処理に使用する情報が設定される。この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における不整合カウンタINCC等の値に復元することができるようになっている。これにより、ステップS780の判定では、瞬停又は停電する直前まで行っていた、払出装置830による遊技球の払出動作(リトライ動作)の監視を、復電時から継続することができるようになっている。このため、例えば、瞬停又は停電する直前において、ステップS780の判定で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいときには、リトライ動作が正常動作していると判断し、つまり払出装置830による遊技球の払出動作が正常状態であると判断し、復電時においても、ステップS780の判定で払出装置830による遊技球の払出動作が正常状態であると判断することができる。一方、ステップS780の判定で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断し、つまり払出装置830による遊技球の払出動作が異常状態であると判断し、復電時においても、ステップS780の判定で払出装置830による遊技球の払出動作が異常状態であると判断することができる。
ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、払出制御プログラムは、「リトライエラー」である旨を報知するために、払出制御基板951に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860bに数字「5」を表示するリトライエラー情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する(ステップS782)。一方、「賞球ストック中」である旨を報知する場合には、払出制御プログラムは、エラーLED表示器860bに数字「9」を表示する賞球ストック中情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する(ステップS782)。
ステップS782に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに値0(初期値0)をセットする(ステップS784)。ステップS784では、不整合カウンタINCCは、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、この内的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。なお、不整合カウンタINCCは、電源投入時において操作スイッチ954がRAMクリアするために操作されると、この外的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。操作スイッチ954が電源投入時に操作されると、上述したように、その操作に対応した操作信号がRAMクリア信号として図123に示した主制御基板1310の主制御MPU1310aに入力される。上述したメイン制御プログラムは、主制御MPU1310aの制御の下、上述したように、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報をすべて消去し、RAMクリア報知コマンドを、図123に示した周辺制御基板1510に出力する。これにより、図91に示したスピーカ921及び図88に示した上部スピーカ573からRAMクリア報知音が流れるようになっている。
ステップS784に続いて、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし(ステップS786)、このルーチンを終了する。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、リトライ動作が異常動作しているか否かを示すフラグであり、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定される。
なお、払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御の下、ステップS782で払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域にセット(記憶)したリトライエラー情報(或いは賞球ストック中情報)を、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理でリトライエラーの状態コマンドを作成して主制御基板1310に送信し、同処理におけるステップS564のLED表示データ作成処理でエラーLED表示器860bに表示する表示データを作成してLED表示情報として出力情報記憶領域に記憶し、同処理におけるステップS548のポート出力処理で出力情報記憶領域に記憶されたLED表示情報に基づいてエラーLED表示器860bに駆動信号を出力し、このエラーLED表示器860bに数字「5」を表示する。状態コマンドを受信した主制御基板1310では、メイン制御プログラムが、図148に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で周辺制御基板1510に送信する。この周辺制御基板1510は、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDを所定の色(本実施形態では、赤色)で発光させる、点灯信号を出力する扉枠側点灯点滅コマンドを図126に示した枠装飾駆動アンプ基板194に出力し、複数のLEDを所定の色で発光させる。この複数のLEDの発光に気付いたホールの店員等は、上述したように、本体枠4を外枠2に対して開放することで払出制御基板951に実装されたエラーLED表示器860bに数字「5」が表示されることを目視することによって「リトライエラー」が発生していることを確認することができる。これにより、ホールの店員等は、その発生原因を調べるために、払出検知センサ842の不具合や、払出検知センサ842からの払出制御基板951まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等の確認作業を、複数のLEDの発光とエラーLED表示器860bの表示内容とが報知されない場合と比べると、極めて早く行うことができる。
また、払出検知センサ842を意図的に非作動状態とすることによって、払出モータ834の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球を検出困難として上述したリトライ動作を強制的に発生させて、このリトライ動作によって払い出される遊技球を不正に獲得する不正行為が行われたとしても、上述した不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となると、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDが発光するため、ホールの店員等がパチンコ機1の状態を確認するために駆け付けることとなる。そうすると、不正行為を行う遊技者は、その行為が発見されないように中断せざるを得なくなり、不正行為による不正な遊技球を継続して獲得することができない。不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHと一致しても、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数は不整合しきい値INCTHと同一となるため、つまり5球であるため、払出検知センサ842を意図的に非作動状態とする行為によるホールの損害を極めて小さく抑えることができる。
更に、不整合カウンタINCCは、上述したように、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となったという内的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。これにより、不整合カウンタINCCは、例えば、エラー解除するために操作スイッチ954を操作したという外的要因が発生したことを契機として初期化されないようになっている。したがって、操作スイッチ954等を不正に改造して、その操作信号が払出制御MPU952aに入力されるようにしても、このような不正行為によって、不整合カウンタINCCが強制的に初期化されることがない。
[15−10.不整合カウンタリセット判定処理]
次に、不整合カウンタリセット処理について説明する。この不整合カウンタリセット処理では、払出モータ834の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、払出検知センサ842で検出された球数と、の差を算出する不整合カウンタINCCを、リセットするか否かを判定する処理である。
不整合カウンタリセット判定処理が開始されると、払出制御基板951における払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図163に示すように、不整合カウンタリセット判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS790)。この判定は、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で更新された不整合カウンタリセット判定時間に基づいて行われる。具体的には、その不整合カウンタリセット判定時間は、時間管理情報として上述した払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS790では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して不整合カウンタリセット判定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS790で不整合カウンタリセット判定時間が経過していないときには、払出制御プログラムが、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS790で不整合カウンタリセット判定時間が経過したときには、払出制御プログラムが不整合カウンタリセット判定時間の初期化を行う(ステップS792)。この初期化によって、不整合カウンタリセット判定時間に初期値である7000s(約2時間)がセットされる。
ステップS792に続いて、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに値0(初期値0)をセットし(ステップS794)、このルーチンを終了する。不整合カウンタINCCは、上述したように、払出モータ834の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、払出検知センサ842で検出された球数と、の差を算出するためのカウンタであり、通常、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、払出検知センサ842で検出された球数と、が一致しているため、値0となる。払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御によって、図160に示した払出設置処理において、リトライ動作を行うため、このリトライ動作によって、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に払出検知センサ842で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを不整合カウンタINCCで監視して判断している。本発明のパチンコ機1では、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率が数百万分の1程度であることが実験によって得られている。
ここで、パチンコ機1は、上述したように、遊技盤5と、遊技盤5が装着される本体枠4等の枠体と、からなり、遊技盤5を交換(新台入替)することにより遊技仕様を変更できるように構成されているため、払出装置830を制御する払出制御基板951、払出装置830の駆動電源や払出制御基板951の制御電源を生成する電源基板931は、共通の機能として枠体側に装備されている。払出制御基板951における払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、上述したように、不整合カウンタINCCを監視することによって、リトライ動作を繰り返し行っているか否かの異常動作を判定することができるようになっており、図151に示した払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理では電源遮断時に遮断直前の不整合カウンタINCCを記憶する一方、図150に示した払出制御部電源投入時処理におけるステップS530の処理(RAM作業領域の復電時設定)では電源投入時にその記憶した不整合カウンタINCCから再び処理を開始するようになっている。
そうすると、電源を遮断してパチンコ機1に装着されている遊技盤5から、この遊技盤5と異なる他の遊技仕様の遊技盤5’に交換して電源を投入する場合には、払出制御基板951における払出制御部952の払出制御MPU952aは、遊技盤5がパチンコ機1に装着されたときに記憶された不整合カウンタINCCから再び処理を開始することとなる。つまり、遊技盤5’が装着されたパチンコ機1を遊技者が遊技すると、交換前の遊技盤5が装着されたパチンコ機1における不整合カウンタINCCをそのまま受け継ぐこととなる。このため、遊技盤5’が装着されたパチンコ機1を遊技者が遊技して、たまたま数百万分の1という確率で、つじつまの合わない遊技球の球数が生じて不整合カウンタINCCが増加し、この不整合カウンタINCCが上述した不整合しき値INCTH以上となると、遊技盤5から遊技盤5’に交換して短い期間で、払出制御MPU952aによって、リトライ動作の異常動作として判定されるおそれがある。つまり、遊技盤5から遊技盤5’に交換されてから間もない期間で、払出検知センサ842の不具合や、払出検知センサ842からの払出制御基板951まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていないにもかかわらず、突然、リトライ動作の異常動作として判定されるおそれがある。
このように、遊技盤5から遊技盤5’に交換して短い期間でリトライ動作の異常動作として判定されると、交換された遊技盤5’は新しいにもかかわらず、故障しやすいという印象を遊技者に与えかねない。リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される数百万分の1という確率は、パチンコ機1をホールに設置して、1週間、ホールの営業時間中、連続稼働させた場合における、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率と同一であるため、図162に示したリトライ動作監視処理におけるステップS778の処理で不整合カウンタINCCから数百万分の1の確率で値1だけ引かれない状態となる。そうすると、1週間では不整合カウンタINCCに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値1となり、2週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値2となり、3週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値3となり、4週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値4となり、5週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値5となって上述した不整合しきい値INCTHと一致することとなる。つまり5週間が経過すると、不整合カウンタINCCが不整合しきい値INCTHと一致するために、払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御の下、図162に示したリトライ動作監視処理におけるステップS776の判定で、払出検知センサ842からの検出信号がないものとして判定することとなり、払出検知センサ842の不具合や、払出検知センサ842からの払出制御基板951まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていると判断して、図162に示したリトライ動作監視処理におけるステップS782の処理で、「リトライエラー」である旨を報知するために、払出制御基板951に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860bに数字「5」を表示するリトライエラー情報を設定して払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)することとなる。
そこで、払出制御MPU952aは、この不整合カウンタリセット判定処理におけるステップS790の判定で不整合カウンタリセット判定時間が経過したと判定したときには、つまり7000s(約2時間)ごとに、繰り返し、不整合カウンタリセット判定処理におけるステップS794の処理で不整合カウンタINCCに値0を強制的にセット、つまり強制的にリセットすることによって、上述した数百万分の1という確率で発生する不整合カウンタINCCのインクリメントを無効化している。これにより、払出検知センサ842の不具合や、払出検知センサ842からの払出制御基板951まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていないにもかかわらず、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライエラー情報を払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)することを防止することができる。
なお、払出検知センサ842を意図的に非作動状態とすることによって、払出モータ834の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球を検出困難として上述したリトライ動作を強制的に発生させ、このリトライ動作によって払い出される遊技球を不正に獲得する不正行為が行われても、払出検知センサ842を意図的に短時間繰り返し非作動状態とする場合では、上述したように、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となると、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDが発光するため、ホールの店員等がパチンコ機1の状態を確認するために駆け付けることとなる。そうすると、不正行為を行う遊技者は、その行為が発見されないように中断せざるを得なくなり、不正行為による不正な遊技球を継続して獲得することができない。一方、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上とならないよう払出検知センサ842を意図的に長時間繰り返し非作動状態する場合では、7000s(約2時間)ごとに、不整合カウンタINCCがリセットされるものの、この間に、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数は、上述したように、不整合カウンタINCCが不整合しきい値INCTHまでであり、払出検知センサ842を意図的に長時間繰り返し非作動状態としても、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数を極めて少なくすることができる。
[15−11.エラー解除操作判定処理]
次に、エラー解除操作判定処理について説明する。このエラー解除操作判定処理では、図124に示した操作スイッチ954が操作されているか否かを判定する。
エラー解除操作判定処理が開始されると、払出制御基板951における払出制御部952では、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図164に示すように、操作スイッチ954がエラー解除するために操作されているか否かを判定する(ステップS800)。この判定は、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で操作スイッチ954からの操作信号に基づいて行われる。具体的には、その操作信号は入力情報として上述した払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS800では、払出制御プログラムが、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がHIであるときにはエラー解除を行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ954が操作されていないと判定する一方、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がLOWであるときにはエラー解除を行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ954が操作されていると判定する。
ステップS800で操作スイッチ954が操作されていないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS800で操作スイッチ954が操作されているときには、払出制御プログラムは、エラーフラグ状態確認処理を行う(ステップS802)。このエラーフラグ状態判定処理では、払出装置830に関する各種エラー情報に対応するエラーフラグの状態を確認する。例えば、リトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGの状態を確認する。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、上述したように、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定されるため、払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御の下、リトライエラーフラグRTERR−FLGの値が値0であるか、又は値1であるか、を確認している。
ステップS802に続いて、払出制御プログラムが状態情報設定処理を行う(ステップS804)。この状態情報設定処理では、ステップS802で確認したエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグに対応する状態情報を、上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する。これにより、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理で、上記状態情報記憶領域から各種情報(状態情報)を読み出し、この読み出した状態情報に基づいて状態コマンドを作成して主制御基板1310に送信することとなる。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライエラー情報を、払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)すると、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理で、リトライエラーの状態コマンドを作成して主制御基板1310に送信することとなる。
なお、リトライエラー情報を受信した主制御基板1310は、メイン制御プログラムが、図148に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で周辺制御基板1510に送信し、周辺制御基板1510では、サブ制御プログラムが、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライ動作エラー報知処理を行う。このリトライ動作エラー報知処理では、「賞球ユニットを確認してください。」、そして「払出制御基板のハーネスを確認してください。」のリトライ動作のエラー報知アナウンスを、所定回数(本実施形態では、2回。)繰り返し図91に示したスピーカ921及び図88に示した上部スピーカ573から流れることによって、ホールの店員等に報知するようになっている。このリトライ動作のエラー報知アナウンスを聞いたホールの店員等は、図124に示した払出検知センサ842の不具合や、払出検知センサ842からの払出制御基板951まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等を、スピーカ921及び上部スピーカ573からリトライ動作のエラー報知アナウンスが流れない場合と比べると、極めて早く確認することができる。またリトライ動作エラー報知処理では、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDを所定の色(本実施形態では、赤色)で発光させている。
ステップS804に続いて、払出制御プログラムが解除設定処理を行う(ステップS806)。この解除設定処理では、ステップS802で確認した各種エラー情報に対応するエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグに対応するエラーがすでに払出制御基板951に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860bによって表示されている内容を強制的に停止したり、球貸しができる状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、上述したPRDY信号の論理をHI、つまり立ち上げた状態を保持し、払出制御部952の払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力したりする。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、すでにエラーLED表示器860bによって表示されている「リトライエラー」である旨を報知する数字「5」を強制的に停止するために、上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶されているリトライエラー情報を、「正常」である旨を報知する図形「−」が表示される情報に強制的に上書きする。また、球貸しができる状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、PRDY信号の論理をHI、つまり立ち上がった状態を保持し、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。
ステップS806に続いて、払出制御プログラムがエラーフラグ初期化処理を行い(ステップS808)、このルーチンを終了する。このエラーフラグ初期化処理では、ステップS802で確認した各種エラー情報に対応するエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグを初期化する。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値0をセットして初期化する。このとき、上述した、PRDY信号の論理をHI、つまり立ち上がった状態を保持し、このPRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図151の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。
このように、リトライエラーフラグRTERR−FLGは、図162に示したリトライ動作監視処理におけるステップS780の判定で、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、この内的要因が発生したことを契機として同処理のステップS786の処理でリトライエラーフラグRTERR−FLGに値1がセットされる一方、操作スイッチ954が操作されると、これを契機として、つまりこの外的要因が発生したことを契機としてリトライエラーフラグRTERR−FLGに値0がセットされて初期化されるようになっている。なお、リトライエラーフラグRTERR−FLGは、電源投入時において操作スイッチ954がRAMクリアするために操作されると、これを契機として、つまり操作スイッチ954がエラーを解除するためにRAMクリアするために操作スイッチ954が操作された場合と同様に、この外的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。
以上のようにパチンコ機1は、本来、払出動作に関して発生したエラーを解除するために使用されるはずであった操作スイッチ954(操作スイッチ)を、電源投入時から主制御側メイン処理が実行されるまでの所定時間に亘って、その代わりに、主制御内蔵RAM(遊技記憶部)及び払出制御内蔵RAM(払出記憶部)の初期化を開始させるためのRAMクリア機能を発揮させるための操作部として機能させている。またこのパチンコ機1は、当該所定時間の経過後に、この操作スイッチ954を、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除するための操作部として機能させている。ここで、ホール店員が仮にパチンコ機の操作に慣れていない者であっても、遊技機の背面における操作スイッチ954の位置さえ覚えていれば、この操作スイッチ954を操作したタイミングに応じて、それが電源投入時から所定時間を経過していれば、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除する機能を発揮させる一方、操作スイッチ954を操作したタイミングに応じて、それが電源投入時から所定時間内であれば、記憶部を初期化する機能を発揮させることができる。従って、ホール店員は、このような遊技機においてエラーが発生した場合でも、エラー対応時におけるスイッチ操作の効率化が図られてスイッチ操作に迷うことなく適切に対処することができるため、遊技が中断された遊技者が遊技意欲を損なう前に遊技を再開させることができる。
[15−12.CRユニットとの各種信号のやり取り]
次に、図151の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理についてタイミングチャートを用いて説明する。このCR通信処理では、図125に示した、払出制御基板951とCRユニット6との各種信号のやり取りを行う。まず、球貸しによる払出動作時の信号処理について説明し、続けてCRユニット6からの入力信号確認処理について説明する。ここでは、金額として200円分の遊技球の球数(本実施形態では、50球であり、金額として100円分の25球の払出動作を2回行っている。)を貸球数として、、上皿321や下皿322に払い出す場合について説明する。なお、CRユニット6からのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号は、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの読み出した入力情報に記憶されているものであり、CR通信処理は、割り込みタイマ周期である2msごとに、入力情報からBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号の論理の状態を確認している。
[15−12−1.球貸しによる払出動作時の信号処理]
払出制御基板951における払出制御部952の払出制御MPU952aは、払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、貸球を払い出すための払出動作が可能状である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、図165(d)に示すように、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理をHIとして、つまり立ち上げて保持して払出制御部952の払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH0)。この状態で、例えば遊技者によって球貸ボタン328が押圧操作されると、球貸ボタン328のスイッチが入る(ONする)ようになっており、この球貸操作信号が図125に示したTDSとして度数表示板365から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力される。このTDSが入力されたCRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すため、図165(a)に示すように、貸球要求信号であるBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951(払出制御MPU952a)に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH1)。このBRDYは、BRDY信号として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
このBRDY信号が入力された払出制御MPU952aは、払出制御プログラムが、図165(b)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HA(本実施形態では、20ミリ秒(ms)〜58msに設定されている。)が経過するまでに、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQが立ち上がるか否かを監視する。
CRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数のうち、まず100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すため、図165(b)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HAが経過するまでに、BRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH2)。このBRQは、BRQ信号として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
払出制御MPU952aは、図165(c)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HAが経過するまでにBRQ信号が立ち上がると、タイミングH2からBRQ要望了解ACK監視時間HB(本実施形態では、20ms±1msに設定されている。)が経過するまでに、1回の払出動作を開始した旨を伝えるために、EXS信号の論理をHIとして、つまり立ち上げた状態を保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH3)。
このEXSが入力されたCRユニット6は、図165(b)に示すように、タイミングH3から貸出指示監視時間HC(本実施形態では、20ms〜58msに設定されている。)が経過するまでに、タイミングH2から立ち上げて保持したBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951に出力し、その信号を立ち下げて保持する(タイミングH4)。
払出制御MPU952aは、図165(c)に示すように、タイミングH4から払出監視時間HD(本実施形態では、球払出時間に設定されている。)が経過するまでに、1回の払出動作を行って所定の貸球数だけ、つまり100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出す。そして払出監視時間HDが経過すると、タイミングH3から立ち上げて保持したEXS信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH5)。
CRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数のうち、残り100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すため、図165(b)に示すように、タイミングH5から次要求確認タイミングHE(本実施形態では、最大268msに設定されている。)が経過するまでに、BRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951(払出制御MPU952a)に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH6)。
払出制御MPU952aは、上述した方法を用いて同様に、残り100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すと、図165(c)に示すように、立ち上げて保持したEXS信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH7)。
CRユニット6は、タイミングH7からCRユニット貸出完了監視時間HF(本実施形態では、最大268msに設定されている。)が経過するまでに、図165(a)に示すように、タイミングH1から立ち上げて保持したBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951(払出制御MPU952a)に出力し、その信号を立ち下げて保持する(タイミングH8)。
上述した、貸出要望監視時間HA、BRQ要望了解ACK監視時間HB、貸出指示監視時間HC、払出監視時間HD、次要求確認タイミングHE、CRユニット貸出完了監視時間HFは、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で計時されている。
なお、払出制御MPU952aは、球切れ、球がみ、払出検知センサエラー、リトライエラー、満タン等が生じているとき場合には、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)には、図165(d)に示すように、タイミングH1から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH9)。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)には、図示しないが、EXS信号の論理の状態を維持し、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する。「EXS信号の論理の状態を維持」とは、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
このように、CRユニット6は、払出制御基板951における払出制御部952の払出制御MPU952aと各種信号のやり取りを行い、払出制御MPU952aが金額として200円分の遊技球の球数を、金額として100円分の25球の払出動作を2回行うことによって、貸球数が50球となる遊技球を上皿321や下皿322に払い出している。なお、CRユニット6の正面側に設けられている、図示しない設定部をホールの店員等が操作して、例えば、金額として100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すように設定した場合には、払出制御MPU952aが金額として100円分の25球の払出動作を1回行い、金額として500円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すように設定した場合には、払出制御MPU952aが金額として100円分の25球の払出動作を5回行い、金額として1000円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すように設定した場合には払出制御MPU952aが金額として100円分の25球の払出動作を10回行うこととなる。
[15−12−2.CRユニットからの入力信号確認処理]
払出制御基板951における払出制御部952の払出制御MPU952aは、上述した貸出要望監視時間HAが経過しても、CRユニット6がBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951に出力し、その信号を立ち上げていない場合や、上述した貸出指示監視時間HCが経過しても、CRユニット6がBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951に出力し、その信号を立ち下げていない場合や、上述した次要求確認タイミングHEが経過しても、CRユニット6がBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951に出力し、その信号を立ち上げていない場合や、上述したCRユニット貸出完了監視時間HFが経過しても、CRユニット6がBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951に出力し、その信号を立ち下げていない場合には、上述した、PRDY及びEXSを用いて、BRQ及びBRDYが正常であるか否かの確認を行う。具体的には、払出制御MPU952aは、図165(e),(f)に示すように、BRQ及びBRDYが正常でないと判断すると(タイミングJ0)、このタイミングJ0から所定期間JA(本実施形態では、200ms±1msに設定されている。)の経過後に、PRDY信号の論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態を保持して払出制御部952の払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力し、EXS信号の論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態を保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ1)。
続いて払出制御MPU952aは、タイミングJ1から所定期間JB(本実施形態では、200ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ1から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ2)。
続いて払出制御MPU952aは、タイミングJ2から所定期間JC(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ2から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ3)。
続いて払出制御MPU952aは、タイミングJ3から所定期間JD(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ3から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ4)。
続いて払出制御MPU952aは、タイミングJ4から所定期間JE(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ4から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ5)。
続いて払出制御MPU952aは、タイミングJ5から所定期間JF(本実施形態では、10000ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ5から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ6)。
上述した、所定期間JA〜所定期間JFは、図151に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で計時されている。
[16.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、図123に示した、主制御基板1310(主制御MPU1310a)から各種コマンドを受信する周辺制御基板1510の各種処理について、図166〜図174を参照して説明する。図166は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図167は周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図168は周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図169は周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図170は周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図171はLOCKN信号履歴作成処理の一例を示すフローチャートであり、図172は接続不具合判定処理の一例を示すフローチャートであり、図173は接続回復処理の一例を示すフローチャートであり、図174は扉枠側演出用トランスミッタICのINIT端子に対して接続確認信号を出力するタイミングを説明するタイミングチャートである。
周辺制御基板1510は、図126に示したように、周辺制御部1511と液晶表示制御部1512とから構成されており、ここでは、周辺制御部1511の各種制御処理について説明する。まず、周辺制御部電源投入時処理について説明し、続いて周辺制御部Vブランク割り込み処理、周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部停電予告信号割り込み処理、LOCKN信号履歴作成処理、接続不具合判定処理、接続回復処理について説明する。LOCKN信号履歴作成処理は、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1110の描画状態情報取得処理の一処理として実行され、接続不具合判定処理及び接続回復処理は、後述する周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行され、接続不具合判定処理に続いて接続回復処理が実行されるようになっている。なお、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部停電予告信号割り込み処理が最も高く設定され、続いて周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、そして周辺制御部Vブランク割り込み処理という順番に設定されている。
[16−1.周辺制御部の各種制御処理]
[16−1−1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図166を参照して説明する。パチンコ機1に電源が投入されると、図126に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図166に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、演出制御プログラムが周辺制御MPU1511aの制御の下、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理では、演出制御プログラムが、周辺制御MPU1511a自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理等を行う。周辺制御MPU1511aは、まず自身を初期化する処理を行うが、この周辺制御MPU1511aを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御MPU1511aを初期化することができる。これにより、周辺制御MPU1511aは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板1310から出力される、図143及び図144に示した、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ホットスタート/コールドスタートの判定処理では、図127に示した周辺制御RAM1511cついては、そのバックアップ第1エリア1511cbにおける、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、そのバックアップ第2エリア1511ccにおける、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、この比較した内容が一致しているときには図127に示した周辺制御RAM1511cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)に対してBank1(1fr)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1fr)と、Bank0(1ms)に対してBank1(1ms)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1ms)と、をそれぞれコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御RAM1511cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)に対してそれぞれ値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。
またホットスタート/コールドスタートの判定処理では、図127に示した周辺制御SRAM1511dについても、そのバックアップ第1エリア1511dbにおける、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較するとともに、そのバックアップ第2エリア1511dcにおける、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較する。この比較した内容が一致しているときには図127に示した周辺制御SRAM1511dの通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対してBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(SRAM)をコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御SRAM1511dの通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対して値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。このようなホットスタート又はコールドスタートに続いて、図127に示した周辺制御RAM1511cのバックアップ非管理対象ワークエリア1511cfに対して値0を強制的に書き込んでゼロクリアする。そして周辺制御MPU1511aは、この初期化設定処理を行った後に、図127に示した周辺制御内蔵WDT1511afと、図126に示した周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1000に続いて、演出制御プログラムは現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図126に示したRTC制御部4165のRTC41654aのRTC内蔵RAM4165aaから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、図127に示した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadに、現在のカレンダー情報としてカレンダー情報記憶部にセットするとともに、現在の時刻情報として時刻情報記憶部にセットする。また、現在時刻情報取得処理では、液晶表示装置の輝度設定処理も行う。この液晶表示装置の輝度設定処理では、周辺制御MPU1511aがRTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得して、この取得した輝度設定情報に含まれるLEDの輝度となるように、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する処理を行う。輝度設定情報は、上述したように、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものである。
液晶表示装置の輝度設定処理では、具体的には、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が80%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。なお、この液晶表示装置の輝度設定処理では、上述した、遊技盤側演出表示装置1600の使用時間に応じて遊技盤側演出表示装置1600の輝度を補正するための輝度補正プログラムと同様な補正が全く行われないようになっている。これは、この液晶表示装置の輝度設定処理に輝度補正プログラムと同様な補正プログラムが組み込まれることにより、液晶表示装置の輝度設定処理が実行されるごとに、LEDの輝度が100%に向かって補正されるのを防止するためである。
本実施形態では、周辺制御MPU1511aがRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御MPU1511aは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、周辺制御内蔵WDT1511afと周辺制御外部WDT1511eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、演出制御プログラムは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットする(ステップS1006)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB−FLGは、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP1512aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB−FLGを一度初期化している。また周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットした後に、周辺制御内蔵WDT1511afと周辺制御外部WDT1511eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006に続いて、演出制御プログラムは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1008)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1でない(値0である)ときには、再びステップS1008に戻ってVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定した後に、周辺制御内蔵WDT1511afと周辺制御外部WDT1511eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行するときには、まず定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS1009)。この定常処理中フラグSP−FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1009に続いて、演出制御プログラムは1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、演出制御プログラムは、ランプデータ出力処理を行う(ステップS1012)。このランプデータ出力処理では、演出制御プログラムが図126に示したランプ駆動基板4170へのDMAシリアル連続送信を行う。ここでは、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用してランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、図127に示した周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cのランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaに、図8に示した遊技盤5に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。
図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの先頭アドレスに格納された遊技盤側発光データSL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaに格納された残りの遊技盤側発光データSL−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またランプデータ出力処理では、演出制御プログラムが、図126に示した枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用して枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、図127に示した周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cの枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabに、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。
周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの先頭アドレスに格納された扉側発光データSTL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabに格納された残りの扉側発光データSTL−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1012に続いて、演出制御プログラムは、演出操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この演出操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における演出操作ユニット情報取得処理において、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて操作ボタン410の操作等を取得した各種情報がセットされる図127に示した周辺制御RAM1511cの演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiに基づいて、操作ボタン410の操作有無を監視し、操作ボタン410の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。
ステップS1014に続いて、演出制御プログラムは、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理で音源内蔵VDP1512aの内蔵VRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを音源内蔵VDP1512aが図128に示したチャンネルCH1,2から遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力する。これにより、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460にさまざまな画面が描画される。なお、表示データ出力処理では、音源内蔵VDP1512aの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、ステップS1012のランプデータ出力処理による、図8に示した遊技盤5に設けた各種装飾基板の複数のLED、及び扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDによる演出と、後述する音データ出力処理による、図5に示したスピーカ921及び図2に示した上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等による演出と、の同期を優先することができる仕組みとなっている。
ステップS1016に続いて、演出制御プログラムは、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、演出制御プログラムが、後述する音データ作成処理で音源内蔵VDP1512aに設定された音楽及び効果音等の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力したり、音楽及び効果音のほかに報知音や告知音の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力したりする。このオーディオデータ送信IC1512cは、音源内蔵VDP1512aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するとともに、左側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信する。これにより、スピーカ921及び上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されたりするほかに報知音や告知音もステレオ再生されたりする。
ステップS1018に続いて、演出制御プログラムはスケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、演出制御プログラムが図127に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、先頭の発光データから何番目の発光データを各種LEDの発光態様とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において強制的に本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、演出制御プログラムは、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、演出制御プログラムが、演出表示駆動基板4450から周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して送信された情報や、主制御基板1310から送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理(コマンド受信手段)において受信した各種コマンドの解析を行う(コマンド解析手段)。演出制御プログラムは、演出表示駆動基板4450から周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して送信された情報に基づいて、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットする。また、演出制御プログラムは、この周辺制御部コマンド割り込み処理で受信された主制御基板1310からのコマンドが、例えば、始動口入賞演出の開始を指示するための始動口入賞コマンド、普通図柄の保留数(0〜4個)を識別するための普通図柄記憶コマンド、図柄同調演出の開始を指示するための図柄同調演出開始コマンド、始動保留数が変化すると出力される図柄記憶コマンド、大入賞口2005に遊技球が受け入れられる度に出力された大入賞口1カウント表示コマンド(大入賞口カウントコマンド)、または、図144に示される満タンという内容を示す枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド、満タンエラー発生コマンド)であるか否かを解析し(コマンド解析手段)、現在、どの遊技状態であるかを認識する。また、この演出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、この周辺制御部コマンド受信割り込み処理によって受信されたコマンドが本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンド、扉開放コマンドまたは扉枠閉鎖コマンドであるか否かを解析する。主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて図127に示した周辺制御RAM1511cの受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、演出制御プログラムが、受信コマンド記憶領域1511cacに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、図143に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図144に示した、報知表示に区分される各種コマンド、上述した扉枠開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド及び本体枠閉鎖コマンド並びにエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンドに相当)及び枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンドに相当)などの状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。
ステップS1022に続いて、演出制御プログラムが警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、さらに、演出制御プログラムが、上述のようにステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、図144に示した報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットする。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
またさらに、この警告処理では、電源投入時から所定時間が経過した後に、演出制御プログラムが、上述した受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析したコマンドが、図144に示した状態表示に区分される各種コマンド、例えばエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)である場合、演出動作に伴う通常の演出態様とは異なる態様で液晶表示制御部1512を制御することにより、例えば、遊技盤側演出表示装置1600(演出装置)、扉枠側演出表示装置460(演出装置)、ランプ(演出装置)を用いて視覚的に外部に警告したり、スピーカを用いて聴覚的に外部に警告する(エラー報知手段)。このようにすると、悪意のある遊技者が、遊技状態であるにも拘わらず払出制御基板951の操作スイッチ954を操作することにより主制御基板1310にエラー解除ナビコマンドを入力しようと試行した際に、パチンコ機1が外部に警告を行う構成となっているため、遊技の進行に影響を及ぼしかねない主制御基板1310に対する不正行為が抑止されるようになる。
次に、上述したステップS1024に続いて、演出制御プログラムはRCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、演出制御プログラムが、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して図127に示した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにセットした、カレンダー情報記憶部に記憶されたカレンダー情報と時刻情報記憶部に記憶された時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、時刻情報記憶部に記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいてカレンダー情報記憶部に記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、演出制御プログラムはランプデータ作成処理を行う(ステップS1028)。このランプデータ作成処理では、この演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、そのポインタが指示する発光データに基づいて、図8に示した遊技盤5に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成するとともに、図127に示した周辺制御RAM1511cのランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaにセットするとともに、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成して、図127に示した周辺制御RAM1511cの枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabにセットする。
ステップS1028に続いて、演出制御プログラムは表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。音源内蔵VDP1512aは、周辺制御MPU1511aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM1512bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上に生成する。
ステップS1030に続いて、演出制御プログラムは音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。音源内蔵VDP1512aは、周辺制御MPU1511aから音指令データが入力されると、液晶及び音制御ROM1512bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、図127に示した周辺制御A/Dコンバータ1511akを起動し、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理しており、基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aを制御して、上述したステップS1018の音データ出力処理で音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより、スピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
また、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aを制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
ステップS1032に続いて、演出制御プログラムはバックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、演出制御プログラムが、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbと、バックアップ第2エリア1511ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbと、バックアップ第2エリア1511dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM1511cについて、図127に示した、バックアップ対象ワークエリア1511caにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1fr)に含まれる、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cab、受信コマンド記憶領域1511cac、RTC情報取得記憶領域1511cad、及びスケジュールデータ記憶領域1511caeに記憶されている内容である演出情報(1fr)を、演出バックアップ情報(1fr)として、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(1fr)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
またバックアップ処理では、周辺制御SRAM1511dについて、図127に示した、バックアップ対象ワークエリア1511daにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出情報(SRAM)を、演出バックアップ情報(SRAM)として、バックアップ第1エリア1511dbのBank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511dcのBank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(SRAM)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbのBank1(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511dbのBank1(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbのBank2(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511dbのBank2(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511dcのBank3(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511dcのBank3(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511dcのBank4(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511dcのBank4(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1034に続いて、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、周辺制御内蔵WDT1511afと、周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、演出制御プログラムが、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1006に戻り、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで、ステップS1008の判定を繰り返し行う。つまりステップS1008では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行い、再びステップS1006に戻る。このように、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1009〜ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
この周辺制御部定常処理は、演出制御プログラムが、まずステップS1009で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1012、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP1512aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[16−1−2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、図126に示した、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図167に示すように、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP−FLGは、上述したように、図166の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1009〜ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であるときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したときには、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットすると、図166の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図166の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1009で定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図166の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図166の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図166の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[16−1−3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図166の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、図126に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図168に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図166の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンタである。本実施形態では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図166の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、モータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、図126に示した、枠装飾駆動アンプ基板194及びモータ駆動基板4180のモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。
具体的には、モータ及びソレノイド駆動処理では、枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでは、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用して枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、演出操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成するとともに、図127に示した周辺制御RAM1511cの枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafにセットする。そして周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの先頭アドレスに格納された扉側モータ駆動データSTM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafに格納された残りの扉側モータ駆動データSTM−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またモータ及びソレノイド駆動処理では、モータ駆動基板4180へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用してモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、図8に示した遊技盤5に設けられる各種可動体を可動させるためのモータやソレノイドへの駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成するとともに、図127に示した周辺制御RAM1511cのモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagにセットする。そして周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にモータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの先頭アドレスに格納された遊技盤側モータ駆動データSM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagに格納された残りの遊技盤側モータ駆動データSM−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1104に続いて、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤5に設けた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの可動体情報取得記憶領域1511cahにセットする。この可動体情報取得記憶領域1511cahにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報から遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得することができる。
ステップS1106に続いて、演出操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この演出操作ユニット情報取得処理では、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、操作ボタン410の操作履歴情報など。)を作成し、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiにセットする。この演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報から操作ボタン410の操作有無を取得することができる。
ステップS1108に続いて、描画状態情報取得処理を行う(ステップS1110)。この描画状態情報取得処理では、図141に示した演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴情報を作成し、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの描画状態情報取得記憶領域1511cakにセットする。LOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。描画状態情報取得記憶領域1511cakにセットされるLOCKN信号の履歴情報から周辺制御基板1510と演出表示駆動基板4450との接続間における不具合の頻度や不具合の発生状態を取得して扉枠側演出表示装置460の描画状態を取得することができる。
ステップS1110に続いて、バックアップ処理を行い(ステップS1112)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbと、バックアップ第2エリア1511ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbと、バックアップ第2エリア1511dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM1511cについて、図127に示した、バックアップ対象ワークエリア1511caにおける、1ms割り込みタイマが発生するごとに、つまり本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1ms)に含まれる、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cag、可動体情報取得記憶領域1511cah、及び演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiに記憶されている内容である演出情報(1ms)を、演出バックアップ情報(1ms)として、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(1ms)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank1(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank2(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank2(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank3(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank4(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank4(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1104〜ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図166の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1012〜ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、演出の進行状態を確実に整合させることができる。
また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御MPU1511aと音源内蔵VDP1512aとが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収することができるようになっている。
[16−1−4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板1310からの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。図126に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として主周シリアルデータを周辺制御MPU1511aに内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図169に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であるときには、周辺制御MPU1511aの内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ機1は、パチンコ島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。そこで、本実施形態では、周辺制御部1511側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの受信コマンド記憶領域1511cacに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。この受信コマンド記憶領域1511cacは、リングバッファとして用いており、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとは、受信コマンド記憶領域1511cacの周辺制御部受信リングバッファに記憶される。この「周辺制御部受信リングバッファ」とは、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われるバッファのことであり、バッファの先頭から順次データを記憶し、バッファの最後まできたら最初に戻って記憶する。なお、周辺制御MPU1511aは、ステップS1216で周辺制御部受信リングバッファに記憶する際に、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を対応付けて記憶しており、3バイト目として割り振られたサム値を破棄する。
一方、ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えているときには、又はステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
[16−1−5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、図129に示した、主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号(周辺停電予告信号)が主制御基板1310から入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると、図126に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1320)、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。この判定で停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されていないときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302で停電予告信号が入力されているときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1320で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304で2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されているときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304で本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトの消灯、遊技盤5に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ機1の電力が遮断されても周辺制御MPU1511aが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。このコマンド受信待機処理では、主制御基板1310が送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御MPU1511aが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの受信コマンド記憶領域1511cac(周辺制御部受信リングバッファ)に受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、図127に示した、バックアップ対象ワークエリア1511caにおけるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1310に続いて、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。この判定で停電予告信号が入力されているときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、周辺制御MPU1511aは、図127に示した周辺制御内蔵WDT1511afと、図126に示した周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されていないとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312で停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されていないときには、周辺制御MPU1511aは、周辺制御内蔵WDT1511afと、周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御MPU1511aにリセットがかかる一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されているときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御MPU1511aにリセットがかからない。なお、周辺制御MPU1511aにリセットがかかると、図166に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号(周辺停電予告信号)の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、周辺制御内蔵WDT1511afと、周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号(周辺停電予告信号)の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御MPU1511aにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応することができるようになっている。
[16−1−6.LOCKN信号履歴作成処理]
次に、図168に示した周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1110の描画状態情報取得処理の一処理として実行するLOCKN信号履歴作成処理について説明する。このLOCKN信号履歴作成処理では、図141に示した演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴を作成する。このLOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、図128に示した周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。
LOCKN信号履歴作成処理が開始されると、図126に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図171に示すように、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの描画状態情報取得記憶領域1511cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出す(ステップS1500)。このLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTは、1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有しており、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴がLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTとして描画状態情報取得記憶領域1511cakに記憶されている。
ステップS1500に続いて、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号があるか否かを判定する(ステップS1502)。この判定は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断して、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していると判定する一方、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータでない(正常なデータである)と判断して、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していないと判定する。
ステップS1502で扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、LOCKN信号検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1504)。このLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理では、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、ステップS1500で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1504でLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTをシフトした場合には、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの最下位ビットB0に値1をセットし(ステップS1506)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1502で扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、LOCKN信号検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1508)。このLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理では、ステップS1504のLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理と同一の処理を行い、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、ステップS1500で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1508でLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTをシフトした場合には、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの最下位ビットB0に値0をセットし(ステップS1510)、このルーチンを終了する。
このように、このLOCKN信号履歴作成処理が実行されるごとに、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、最下位ビットB0に値1又は値0がセットされるため、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号の履歴を作成することができる。
[16−1−7.接続不具合判定処理]
次に、図166に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する接続不具合判定処理について説明する。この接続不具合判定処理では、図141に示した演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴に基づいて、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否か判定する。
接続不具合判定処理が開始されると、図126に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図172に示すように、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの描画状態情報取得記憶領域1511cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出す(ステップS1520)。このLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTには、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴が記憶されている。このLOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。
ステップS1520に続いて、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるか否かを判定する(ステップS1522)。この判定は、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTが接続確認判定値と一致しているか否かを判定する。この接続確認判定値は、図126に示した周辺制御ROM1511bに予め記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS1522の判定では、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していない状態であると判定して、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定して通信チェックカウンタCC−CNTに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1524)。この通信チェックカウンタCC−CNTは、本ルーチンが実行されるごとに、ステップS1522の判定において、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数をカウントアップする(累積回数を数える)ものである。なお、通信チェックカウンタCC−CNTは、パチンコ機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信チェックカウンタCC−CNTの値に復元されるようになっている。
ステップS1524に続いて、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいか否かを判定する(ステップS1526)。この判定では、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないと判定する一方、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)ときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していると判定する。
ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、通信異常フラグCC−FLGに値0をセットし(ステップS1528)、このルーチンを終了する。一方、ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているときには、通信異常フラグCC−FLGに値1をセットし(ステップS1530)、このルーチンを終了する。通信異常フラグCC−FLGは、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達してトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているか否かを示すフラグであり、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているとき値1、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、通信異常フラグCC−FLGは、パチンコ機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信異常フラグCC−FLGの値に復元されるようになっている。
[16−1−8.接続回復処理]
次に、図166に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する接続回復処理について説明する。この接続回復処理では、図172に示した接続不具合判定処理に続いて実行され、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するために所定のデータパターン(SYNCパターン)を出力する一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続が異常であるときにその旨を報知する。
接続回復処理が開始されると、図126に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図173に示すように、図166に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図127に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた各種スケジュールデータのうち、画面生成用スケジュールデータを起動中であるか否かを判定する(ステップS1540)。この判定では、スケジューラ更新処理において、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタが更新されているか否かを判定する。換言すると、スケジューラ更新処理において、ポインタを更新しているときには画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているため、画面生成用スケジュールデータが起動中であると判定する一方、画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているときには画面生成用スケジュールデータが未起動であると判定する。なお、この判定では、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間であるか否かを、画面生成用スケジュールデータに基づいて判断することができるようになっており、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間であるときには、後述するステップS1542へ進む一方、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間でないとき(単なる、客待ちの待機した状態であるとき)には、そのままこのルーチンを終了するようになっている。
ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが起動中であるときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが未起動であるときには、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないか否かを判定する(ステップS1542)。この通信チェックカウンタCC−CNTは、上述したように、図172に示した接続不具合判定処理が実行されるごとに、同処理におけるステップS1522の判定において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数をカウントアップする(累積回数を数える)ものである。この判定では、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったか否かを判定する。
ステップS1542で通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回もないときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1542で通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったときには、通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるか否かを判定する(ステップS1544)。この通信異常フラグCC−FLGは、上述したように、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達してトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているか否かを示すフラグであり、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているとき値1、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を行い(ステップS1546)、このルーチンを終了する。このSYNCパターン出力処理では、周辺制御MPU1511aが周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子に対して接続確認信号を出力することにより、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dが演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0に対して所定のデータパターン(SYNCパターン)を出力する。この所定のデータパターン(SYNCパターン)は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに予め記憶されているものであって扉枠側演出用レシーバICSDIC0に対して出力されるものであり、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復するものである。
一方、ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているときには、通信エラー表示処理を行い(ステップS1548)、このルーチンを終了する。この通信エラー表示処理では、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している旨を伝えるために、図8に示した遊技盤5に備える遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に描画する処理を行う。例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示される。また、通信エラー表示処理では、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として、周辺制御MPU1511aからLOCKN信号出力要求データを送信し、扉枠側演出用レシーバICSDIC0がLOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN端子からLOCKN信号を周辺制御MPU1511aに出力し、このLOCKN信号が入力されていないときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして扉枠側演出表示装置460に不具合が発生していると判断し、その旨を、報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)が遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示する処理を行うとともに、報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)が扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し流れる処理を行う。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯する処理を行うようにしてもよい。
次に、周辺制御MPU1511aが図128に示した周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子に対して接続確認信号を出力するタイミングについて図174のタイミングチャートを用いて説明する。
まず、図8に示した遊技盤5に備える遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に変動表示される装飾図柄について簡単に説明すると、図166に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理等により装飾図柄の変動表示が実行されるようになっており、図123に示した主制御基板1310の主制御MPU1310aよる図147に示した主制御側電源投入時処理の主制御側メイン処理や図148に示した主制御側タイマ割り込み処理等により図8に示した第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は図8に示した第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果が「大当り」となると、図8に示した大入賞口2005の開閉動作の繰返し回数(ラウンド数)が1ラウンド〜15ラウンドまでの計15ラウンドとなり、各ラウンドでは、所定時間(例えば、30秒間)内において、大入賞口2005に遊技球が入球して、その球数が所定個数(例えば、9球)となると、そのラウンドが消化するようになっており、大入賞口2005に遊技球が1球入球するごとに、所定個数(例えば、15球)の遊技球が払い出されるようになっている。
第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて、周辺制御基板1510の周辺制御部1511が液晶表示制御部1512を制御することにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域の左側には左側装飾図柄、中央には中央装飾図柄、そして右側には右側装飾図柄の変動表示が開始され、所定時間経過した後に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が停止されて第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を遊技者が認識することができるようになっており、このとき、図120に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405で表示された第一特別図柄又は第二特別図柄においても第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を確認することができるようになっている。左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が変動表示されているときには背景画像が視認できる程度に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が半透明な態様となり、左側装飾図柄は表示領域の左上側から左下側に向かって、中央装飾図柄は表示領域の中央上側から中央下側に向かって、右側装飾図柄は表示領域の右上側から右下側に向かってそれぞれリールが回転しているかのような態様で変動表示されるとともに、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されると、停止表示された左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄と対応する位置における背景画像が視認困難となるように左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が不透明な態様となるようになっている。このように、図120に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において変動表示開始されて停止表示される第一特別図柄又は第二特別図柄と、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域で変動表示開始されて停止表示される左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄と、が同期化されている。
周辺制御基板1510の周辺制御部1511は、第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を伝える主制御基板1310からのコマンドを受信すると、この受信したコマンドに基づいて、液晶表示制御部1512を制御することにより、図174に示すように、図8に示した遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されると(タイミングK0)、図166に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図127に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタが更新されているため、つまりスケジューラ更新処理において、ポインタを更新しているときには画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているため、画面生成用スケジュールデータが起動中であり、画面生成用スケジュールデータが起動中である間、つまり左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、図166に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理において、図173に示した接続回復処理を実行しても、この接続回復処理におけるステップS1540の判定で、そのままルーチンを強制的に終了するようになっている。
これにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないときであっても、つまり周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもある場合であっても、接続回復処理におけるステップS1546のSYNCパターン出力処理を行わず、トランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行わないようになっているし、接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を行わず、例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示されないようになっているため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を無効化するとともに、扉枠側演出表示装置460は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データに基づいて画像を表示する。
遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されると(タイミングK1)、図166に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図127に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているため、つまりスケジューラ更新処理において、画面生成用スケジュールデータが未起動であり、画面生成用スケジュールデータが未起動である間においては、図166に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する図173に示した接続回復処理におけるステップS1540の判定で、同処理におけるステップS1542の処理へ進み、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回もないときには、そのままルーチンを終了する一方、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったときには、同処理におけるステップS1544の処理へ進み、通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、同処理におけるステップS1546の処理へ進み、上述したSYNCパターン出力処理を行い、ルーチンを終了する一方、通信異常フラグCC−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生しているときには、同処理におけるステップS1548の処理へ進み、上述した通信エラー表示処理を行い、ルーチンを終了する。換言すると、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されている間においては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を必ず行うことにより、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行う一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているとき(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している)には、通信エラー表示処理を必ず行うことにより、例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを表示して報知する処理を行うようになっており、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を有効化している。
遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示され、再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されるまでのインターバル期間においては、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されている間であるため、上述したように、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が有効化され、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を必ず行うことにより、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行う一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているとき(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に不具合が発生している)には、通信エラー表示処理を必ず行うことにより、例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを表示して報知する処理を行うようになっている。
再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されると(タイミングK2)、上述したように、画面生成用スケジュールデータが起動中であるため、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示される(タイミングK3)までの間においては、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないときであっても、つまり周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に不具合が発生している状態であると判定した回数が1回でもある場合であっても、接続回復処理におけるステップS1546のSYNCパターン出力処理を行わず、トランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行わないようになっているし、接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を行わず、例えば、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示されないようになっているため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を無効化するとともに、扉枠側演出表示装置460は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データに基づいて画像を表示する。
このように、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示され、再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されるまでのインターバル期間においては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が有効化される一方、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が無効化されるようになっている。これは、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域において左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の停止表示される組み合わせ結果が遊技者には最も関心のある情報であり、遊技者に利益が付与される大当り遊技状態が発生するか否かを遊技者が判断することができるため、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が変動表示されると、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されるまでは、扉枠側演出表示装置460の表示領域に描画される演出の画像がノイズの影響等により乱れて正しく描画できない状態となったとしても、途中で演出を中断し、正しく描画できる状態に回復する処理を行うのではなく、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄を停止表示させることにより、遊技者の最も関心のある情報を描画完了させている。
この点においては、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aが、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、LOCKN信号出力要求データを、周辺制御基板1510に備える差動化回路1512eに送信する場合と大きく異なっている。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御MPU1511aから送信されるものであって、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として送信されるものである。
周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが周辺制御基板1510に備える差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されると、上述したように、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が周辺制御基板1510に備える強制切替回路1512fに入力される。強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。そして演出表示駆動基板4450に備える液晶モジュール回路4450Vの扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、受信したその2つの信号がLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、そもそも、LOCKN信号出力要求データは、上述したように、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号とデータ形式が異なる構造であるため、異常なデータであると判断され、LOCKN信号を周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに出力する。これにより、周辺制御MPU1511aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとして演出表示駆動基板4450に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして演出表示駆動基板4450に不具合が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御して遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御してオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより扉枠3に設けたスピーカ等から報知音が流れる。これにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示される報知画像と、扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し流れる報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯してもよい。
このように、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、シリアルデータであるLOCKN信号出力要求データを送信すると、強制切替回路1512fがLOCKN信号出力要求データを扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信することができるように回路接続し、LOCKN信号出力要求データを受信した扉枠側演出用レシーバICSDIC0が応答信号として扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子からLOCKN信号を周辺制御MPU1511aに出力するようになっているため、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとして扉枠側演出表示装置460に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして扉枠側演出表示装置460に不具合が発生していると判断することができる。そして、周辺制御MPU1511aは、扉枠側演出表示装置460に不具合が発生していると判断したときには報知処理として、図173の接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を実行することができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU1511aは、扉枠側演出表示装置460の不具合を発見すると、その旨を、報知処理を実行することにより、ホールの店員等に報知することができるようになっているため、ホールの店員等は、遊技者が遊技を行う前に、扉枠側演出表示装置460に不具合が発生しているか否かを極めて簡単にチェックすることができ、そのチェックに手間がかからないようになっている。したがって、扉枠側演出表示装置460の不具合を手間をかけずに発見することができる。
また、LOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号であるため、扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから送信される画像を正常に受信できないときには扉枠側演出用レシーバICSDIC0と扉枠側演出用トランスミッタIC1512dとの画像通信間において通信不具合が発生して受信した描画データが異常なデータとなる旨を伝えるために、LOCKN信号を周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに出力することができるようになっている。これにより、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU1511aは、所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから扉枠側演出用レシーバICSDIC0へ送信開始する旨を伝える接続確認信号を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに出力することにより、画像通信間における通信不具合を解消させることができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU1511aは、画像通信間における通信不具合による扉枠側演出表示装置460の不具合を早期に発見して、その不具合を解消させるように扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに働きかけることができるようになっている。したがって、扉枠側演出表示装置460の不具合を発見して解消することにより遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
更に、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから送信される画像を受信して扉枠側演出表示装置460に出力する扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから送信される画像を正常に受信できないときには扉枠側演出用レシーバICSDIC0と扉枠側演出用トランスミッタIC1512dとの画像通信間において通信不具合が発生している旨を伝える通信不具合発生信号であるLOCKN信号を演出制御マイクロプロセッサである周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに出力することができるようになっているため、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU1511aは、液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aを制御して通信不具合が発生している旨を伝える画像である「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを生成し、この生成した画像を遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して報知することができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU1511aは、画像通信間における通信不具合による扉枠側演出表示装置460の不具合を早期に発見して、その旨を、パチンコ機1の前面に着座する遊技者に報知してその遊技者がホールの店員等に伝えたり、パチンコ機1の前をたまたま通りかかったホールの店員等に直接報知することができるようになっているため、ホールの店員等は、その不具合が発生して早い段階でその不具合を解消するための作業に取り掛かることができる。したがって、扉枠側演出表示装置460の不具合を早期発見して解消することにより遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
更にまた、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、LOCKN信号を有効化して画像通信間における通信不具合を解消するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信開始する旨を伝える接続確認信号を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに、その累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達するまで、繰り返し出力し続けることができるようになっている。これにより、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し接続確認信号を出力し続けることができるため、通信不具合が解消される方向へ向かわせることができる。
そして、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、LOCKN信号を有効化して画像通信間における通信不具合を解消するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信開始する旨を伝える接続確認信号を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに、その累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達するまで、繰り返し出力し続けている際に、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して遊技の進行を再び実行開始したときには接続確認信号の出力を停止し、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、周辺制御MPU1511aから出力される接続確認信号が停止されて接続確認信号が入力されなくなると、所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信するのを停止して液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aが生成する画像を扉枠側演出用レシーバICSDIC0に出力することができるようになっている。これにより、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し不具合解消信号である接続確認信号を出力し続けることにより、通信不具合が解消される方向へ向かわせることができるようになっているため、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し接続確認信号を出力し続けている際に、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1403又は第二特別図柄表示器1405において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して遊技の進行を再び実行開始したとしても、扉枠側演出表示装置460の表示画面において進行する演出の歪み(画像の乱れ)は、主制御基板1310の主制御MPU1310aが遊技の進行を再び実行開始して終了するごと(タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)となるごと)に、解消する方向へ向かわせることができる。
以上のような実施形態によれば、パチンコ機1が図123の主制御基板1310及び図124の払出制御基板951を備えている。主制御基板1310は、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに向かって打球発射装置650によって発射される遊技球が遊技領域5aに設けられる始動領域である第一始動口2002や第二始動口2004に入球したことに基づいて遊技の進行を制御する遊技制御マイクロプロセッサである図123の主制御MPU1310aが実装されている。払出制御基板951は、主制御基板1310からの払出指令である図142(a),(b)の賞球コマンドに基づいて払出装置830による遊技球の払い出しを制御する払出制御マイクロプロセッサである図124の払出制御MPU952aが実装されている。
遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aは、少なくとも、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)を備えている。主制御内蔵RAMは、電源遮断後においても遊技に関する情報を記憶することができるようになっている。
払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aは、少なくとも、払出制御MPU952aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)を備えている。払出制御内蔵RAMは、電源遮断後においても払い出しに関する情報を記憶することができるようになっている。
本実施形態のパチンコ機1は、さらに、図124の操作スイッチ954を備えている。操作スイッチ954は、電源投入時から図146の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間内に操作されると、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技に関する情報を消去するための図131のRAMクリア信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310a出力するとともに、電源投入時から図149の払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間内に操作されると、払出制御内蔵RAMに記憶されている払い出しに関する情報を消去するためのRAMクリア信号として図136のRWMCLR信号を払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するRAMクリア機能と、電源投入時から図146の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間(又は、電源投入時から図149の払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間)が経過した後に操作されると、払出装置830に関して発生したエラーを解除するためのエラー解除信号として図136のRWMCLR信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aに出力せずに払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するエラー解除機能と、を兼備するものである。
このように、操作スイッチ954は、電源投入時から図146の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間内に操作されると、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技に関する情報を消去するための図131のRAMクリア信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aに出力するとともに、電源投入時から図149の払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間内に操作されると、払出制御内蔵RAMに記憶されている払い出しに関する情報を消去するためのRAMクリア信号として図136のRWMCLR信号を払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するRAMクリア機能と、電源投入時から図146の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間(又は、電源投入時から図149の払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間)が経過した後に操作されると、払出装置830に関して発生したエラーを解除するためのエラー解除信号として図136のRWMCLR信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aに出力せずに払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するエラー解除機能と、を兼備しているため、1つの操作スイッチ954による操作により、RAMクリア機能とエラー解除機能との2つの異なる機能をそれぞれパチンコ機1に設けることができる。したがって、コスト削減に寄与しながらRAMクリア機能及びエラー解除機能を設けることができる。
[パネル中継基板4161のセンサ信号入力部]
パネル中継基板4161のセンサ信号入力部は、遊技盤に配された各種検出センサ、例えば、一般入賞口センサ4020、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、カウントセンサ4005、振動検出センサ、磁気検出センサ4024等からの検出信号が入力される回路である。各検出センサからの検出信号が入力される回路構成は、同一であるため、ここでは、検出センサの一例として磁気検出センサ4024を挙げ、磁気検出センサ4024からの検出信号が入力される回路について説明する。
遊技機において、遊技領域に打ち込まれた遊技球に対し、磁石(例えば、永久磁石や電磁石)を近づける等して、遊技球の流下状態を欲しいがままに操り、不当な利益を得ようとする不正な遊技行為が後を絶たない。
このような不正な遊技行為を検知し、発光手段や音声による警報等によって不正行為を抑制するために、遊技領域の所定位置に対応させて、磁気を検出可能な磁気検出センサ4024が設けられている。
[従来の磁気センサ入力回路]
図175は遊技機に配備された従来の磁気センサ入力回路の一例を示す回路図である。遊技機は主制御基板1310とパネル中継基板4161とを有している。図示するように、磁気検出センサ4024には、+5V作成回路1310gで作成された電圧+5Vが供給されている。
磁気検出センサ4024は、磁気センサMGSと内蔵型のトランジスタSTRとにより構成されている。磁気センサMGSは、例えば、磁気抵抗効果素子等からなり、所定値以上の磁気を検出しないときは所定の電圧(例えば、+5V)を出力し、所定値以上の磁気を検出したときは電圧を出力しない(0V)ようになっている。
トランジスタSTRのベース端子は磁気センサMGSの出力端子に接続され、トランジスタSTRのエミッタ端子は接地されている。トランジスタSTRのコレクタ端子はコネクタCON1を介してパネル中継基板4161に配備されたプルアップ抵抗IR0の一端に接続され、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。これにより、トランジスタSTRがオフ状態である場合には、トランジスタSTRのコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR0により+12V側に引き上げられている(第1の電圧に相当する)。
トランジスタSTRは、磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧によりオンし、コレクタ端子からエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタSTRは、磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの出力が停止されることによりオフし、コレクタ端子からエミッタ端子への電流の流れが停止される。
また、トランジスタSTRのコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR0と接続されるほかに、抵抗IR1の一端と接続され、抵抗IR1の他端はトランジスタITR0のベース端子に接続されている。トランジスタITR0のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR0のコレクタ端子はプルアップ抵抗IR2の一端に接続され、プルアップ抵抗IR2の他端には+12Vが印加されている。これにより、トランジスタITR0がオフ状態である場合には、トランジスタITR0のコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられている。
また、トランジスタITR0のコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR2と接続されるほかに、後段にあるトランジスタITR1のベース端子と接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bに接続されている。
主制御入力回路1310bは、プルアップ抵抗NR1、抵抗NR2、トランジスタNTR1により構成されており、プルアップ抵抗NR1の一端がコネクタCON2を介してパネル中継基板4161の前段のトランジスタITR1のコレクタ端子と接続され、プルアップ抵抗NR1の他端には、+12Vが印加されている。これにより、前段のトランジスタITRがオフ状態である場合には、トランジスタITR1のコレクタ端子は、プルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられている。
また、トランジスタITR1のコレクタ端子は、プルアップ抵抗NR1と接続されるほかに、抵抗NR2の一端と接続され、抵抗NR2の他端はトランジスタNTR1のベース端子に接続されている。トランジスタNTR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタNTR1のコレクタ端子は、主制御MPU1310aの入力ポートに電気的に接続されている。
同図において、検出センサ部は磁気検出センサ4024が該当し、電圧出力部4163は、磁気検出センサ4024と接続され、+12Vが印加されたプルアップ抵抗IR0が該当する。また、検知回路部4164は、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されると共に、+12Vが印加されたプルアップ抵抗IR2と、トランジスタITR0のコレクタ端子にベース端子が接続されたトランジスタITR1とにより構成された回路が該当する。
また、検知回路部4164の前段において、コネクタCON1、電圧出力部4163、抵抗IR1及びトランジスタITR0により構成された回路によりセンサ信号入力部4162が構成されている。このように、パネル中継基板4161には、センサ信号入力部4162及び検知回路部4164が配備されていることになる。
[検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、トランジスタSTRのコレクタ端子にトランジスタITR0のベース端子が接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子に印加される電圧も接地側に引き下げられる。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されているトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子にトランジスタITR0のベース端子が接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子に印加される電圧も+12V側に引き上げられる(第1の電圧に相当する)。これにより、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されているトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR2により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
以上に説明した、磁気センサMGS、内蔵のトランジスタSTR、トランジスタITR0、トランジスタITR1、トランジスタNTR1の作動状態を図179に表形式で示している。なお、磁気検出センサ4024がパネル中継基板4161に対して断線した場合も磁気センサMGSが磁気を検出したときの作動と同様に、トランジスタITR0がオンし、トランジスタITR1がオフし、トランジスタNTR1がオンする。
ところで、コネクタ部材によって信号伝達を行っている場合、コネクタ部材が腐食したり、コネクタ接続部分に塵埃が入り込むと、接触抵抗が発生する。コネクタ部材には、コネクタ部材の接触部端子の形状によってピンコンタクトタイプとベローズコンタクトとがあるが、ベローズコンタクトタイプの場合では、接続作業等の際にコネクタ部材に付帯するハーネスを引っ張ると、ピンコンタクトタイプに比べ隙間が開きやすい。隙間が開くと、この部分から塵埃等が入り込みやすくなる。
また、コネクタ部材に振動が加わる場合も同様に接触抵抗が発生する。例えば、右打ちをして遊技しているとき、多数の遊技球が連続的に集中して流下する遊技領域の特定部分からの振動がコネクタ部材に加わることで微摺動摩耗が発生した場合にも、これによって接触抵抗が発生する虞がある。
ここで、磁気検出センサ4024とパネル中継基板4161の電圧出力部4163とを電気的に接続しているコネクタ部材(コネクタCON1)にこのような接触抵抗RRが発生した場合の従来の磁気センサ入力回路の動作について説明する。例えば、図175においては、コネクタ部材に接触抵抗RRが発生した場合、接触抵抗RRが鎖線にて示されている。なお、接触抵抗RRの大きさは、コネクタの接触が正常な場合の100倍〜1000倍となる。
先に説明したように、磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、内蔵のトランジスタSTRがオンする。内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗RR(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう。図175においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0と抵抗IR1との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗RRに電流が流れることで第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い電圧がトランジスタITR0のベース端子に印加されることになる。そして、接触抵抗RRによって持ち上げられた電圧がトランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間の規定電圧に達することが起こると、トランジスタITR0がオン状態となる。そのため、磁気検出センサ4024が非検出状態であるにもかかわらず、トランジスタITR0がオン状態となる虞がある。即ち、パネル中継基板4161に配備された従来のセンサ信号入力部4162では、接触抵抗RRが発生するとセンサの信号を誤検知する虞がある。
[磁気センサ入力回路の実施例1]
図176は実施形態の遊技機に配備された磁気センサ入力回路の一例(実施例1)を示す回路図である。本実施形態における実施例1の磁気センサ入力回路は、図175の従来の磁気センサ入力回路の磁気検出センサ4024、コネクタCON1、パネル中継基板4161の電圧出力部4163、検知回路部4164、主制御基板1310の主制御入力回路1310bは同一の回路構成である。そのため、同一の回路構成部分には、同一の符号を使用する。
なお、磁気検出センサ4024は遊技領域内の複数箇所、例えば、第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001、大入賞口2005、アウト口1126等の近傍にそれぞれ設置されることになる。
本実施形態の磁気センサ入力回路が従来の磁気センサ入力回路と異なる点は、電圧出力部4163と検知回路部4164との間に、磁気検出センサ4024が磁気を検出しない非検出状態のときに、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子が接地側に引き下げられる電圧(第2の電圧)よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が印加されても、検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避する電圧かさ上げ部4166が備えられ、電圧かさ上げ部4166を介して電圧出力部4163と検知回路部4164とが電気的に接続されている点である。
この実施例1では、電圧かさ上げ部4166は、前記所定の電圧よりもツェナー電圧が高いツェナーダイオードZD0で構成されている例である。具体的には、ツェナーダイオードZD0のカソード端子は電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端と接続され、接続部分の前段においてコネクタCON1を介して磁気検出センサ4024の内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子と接続されている。
ツェナーダイオードZD0のアノード端子は、後段に配されているトランジスタITR0のベース端子と接続されている。また、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。トランジスタITR0のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR0のコレクタ端子は、検知回路部4164において、+12Vが他端に印加されたプルアップ抵抗IR2の一端に接続されるとともに、検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続されている。なお、コネクタCON1、電圧出力部4163、電圧かさ上げ部4166によりセンサ信号入力部4162が構成されている。
[コネクタの接触が正常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、トランジスタSTRのコレクタ端子はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR0のベース端子が接続されていることで、ツェナー電圧が第2の電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0は非導通状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気センサMGS部が磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR0のベース端子と接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子にはツェナー電圧が印加される(第1の電圧に相当する)。これにより、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されている検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
そして、主制御MPU1310aが、このような異常な状態であると判定した場合には、上記の例では、磁気検出スイッチ信号の論理がHIであると判定した場合には、主制御部MPU1310aが周辺制御部1511にエラーコマンドを送信し、外部端子板784からホールコンピュータにその旨の信号を出力する処理等を行う。周辺制御部1511がエラーコマンドに応じて、遊技盤側演出表示装置1600や扉枠側演出表示装置460、警報ランプ、音声等で異常を報知する。
[コネクタの接触が異常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。
内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗RR(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がる。図176においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0とツェナーダイオードZD0との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗に電流が流れることで第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧がツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加されることになる。第2の電圧よりも高い所定の電圧が印加されても、所定の電圧よりもツェナー電圧が高いため、ツェナーダイオードZD0は非導通状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。つまり、電圧かさ上げ部4166により検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
なお、後段の検知回路部4164と主制御入力回路1310bの動作は、コネクタの接触が正常な場合の検出動作と同じとなる。
これにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため(電圧変化がないため)、コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
なお、従来と同様に、磁気センサMGSによる異常が検知された場合には、主制御MPU1310aが周辺制御部1511にエラーコマンドを送信し、周辺制御部1511が送信されたエラーコマンドに応じて、磁石を用いた不正な遊技行為が行われたこと、または磁気検出センサ4024に断線が生じていることを遊技盤側演出表示装置1600や扉枠側演出表示装置460、警告表示器、音声等で報知する。また、外部端子板784からホールコンピュータにエラー信号を出力する。
[磁気センサ入力回路の実施例2]
図177は実施形態の遊技機に配備された磁気センサ入力回路の一例(実施例2)を示す回路図である。実施例2の磁気センサ入力回路は、図175の従来の磁気センサ入力回路の磁気検出センサ4024、コネクタCON1、パネル中継基板4161の電圧出力部4163、検知回路部4164、主制御基板1310の主制御入力回路1310bは同一の回路構成である。そのため、同一の回路構成部分には、同一の符号を使用する。
この実施例2では、電圧かさ上げ部4166は、一端が電圧出力部4163に接続された第1の抵抗IR1と、第1の抵抗IR1の他端に一端が接続され、他端が接地された第2の抵抗IR3とを含んで構成されている。本実施例2のセンサ信号入力部4162と、図175の従来のセンサ信号入力部4162とを比較すると、他端が接地された抵抗IR3の一端が、抵抗IR1の他端と後段に配されたトランジスタITR0のベース端子との接続点に、接続されている点で異なっている。すなわち、実施例2では、電圧かさ上げ部4166は、前記所定の電圧が印加されたときに接地に電流を流して落としてしまう抵抗IR3で構成されている例である。
なお、第1の抵抗IR1の一端は、電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端と接続され、接続部分の前段においてコネクタCON1を介して磁気検出センサ4024の内蔵トランジスタSTRのコレクタ端子と接続されている。
また、トランジスタITR0のコレクタ端子は、検知回路部4164において、+12Vが他端に印加されたプルアップ抵抗IR1の一端に接続されるとともに、トランジスタITR1のベース端子に接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続されている。なお、コネクタCON1、電圧出力部4163、電圧かさ上げ部4166によりセンサ信号入力部4162が構成されている。
[コネクタの接触が正常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、トランジスタSTRのコレクタ端子はトランジスタITR0のベース端子に接続されていることで、接地側に引き下げられた電圧がトランジスタITR0のベース端子に印加される。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気検出センサ4024が磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。
また、+12Vの電圧がプルアップ抵抗IR0、電圧かさ上げ部4166の第1の抵抗IR1、第2の抵抗IR3で構成された直列抵抗回路に印加され、プルアップ抵抗IR0、電圧かさ上げ部4166の第1の抵抗IR1、第2の抵抗IR3を経由して電流が接地に流れる。第2の抵抗IR3に電流が流れることにより、第2の抵抗IR3の両端間に発生する電位差が、トランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間に印加されることで、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されている検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
[コネクタの接触が異常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。
内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がる。図177においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0と第1の抵抗IR1との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗RRに電流が流れることで第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が第1の抵抗の一端に印加されることになる。この電圧は、磁気検出センサ4024の内蔵のトランジスタがオフしたときに印加される電圧に比べて十分に低い電圧となる。
第2の電圧よりも高い所定の電圧が第1の抵抗の一端に印加されると、第1の抵抗IR1に電流が流れ、さらにこの電流は第2の抵抗IR3を通じて接地に流れる。つまり、第2の抵抗IR3の他端が接地されているため、印加された第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧による電流がほぼ接地に落ちて、第2の抵抗IR3の後段のトランジスタITR0のベース端子には電流がほとんど流れ込まない。よって、後段のトランジスタITR0はオンしない。この結果、後段のトランジスタITR0はオフ状態を維持する。つまり、電圧かさ上げ部4166により、検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
なお、後段の検知回路部4164と主制御入力回路1310bの動作は、コネクタの接触が正常な場合の検出動作と同じとなる。
これにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため(電圧変化がないため)、コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
[磁気センサ入力回路の実施例3]
図178は実施形態の遊技機に配備された磁気センサ入力回路の一例(実施例3)を示す回路図である。実施例3の磁気センサ入力回路は、図175の従来の磁気センサ入力回路の磁気検出センサ4024、コネクタ、パネル中継基板4161の電圧出力部4163、検知回路部4164、主制御基板1310の主制御入力回路1310bは同一の回路構成である。そのため、同一の回路構成部分には、同一の符号を使用する。
この実施例3では、電圧かさ上げ部4166は、第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧よりも高い動作電圧に設定されたダーリントン回路を構成する2つのトランジスタITR0、ITR2と抵抗IR1、IR4、IR5を含んで構成されている。前述の実施例2と比較すると、実施例3では、他端が接地された抵抗IR3に代えて直列接続した抵抗IR4と抵抗IR5とをダーリントン回路を構成する2つのトランジスタITR0、ITR2に各々並列に接続している。すなわち、実施例3では、電圧かさ上げ部4166は、前記所定の電圧が印加されたときに接地に電流を流して落としてしまう抵抗IR4と抵抗IR5で構成されている例である。
より具体的には、抵抗IR1の一端が電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端に接続され、抵抗IR1の他端がダーリントン回路の前段のトランジスタITR0のベース端子に接続されている。トランジスタITR0のエミッタ端子は、ダーリントン回路の後段のトランジスタITR2のベース端子と接続され、トランジスタITR2のエミッタ端子は接地されている。
また、抵抗IR1の他端は前段のトランジスタITR0のベース端子と接続されるほかに、抵抗IR4の一端に接続され、抵抗IR4の他端は前段のトランジスタITR0のエミッタ端子と接続されている。また、前段のトランジスタITR0のエミッタ端子には、抵抗IR5の一端が接続され、抵抗IR5の他端は接地されている。
つまり、前段のトランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間に抵抗IR4が並列接続され、後段のトランジスタITR2のベース端子とエミッタ端子間に抵抗IR5が並列接続されていることになる。また、2つのトランジスタITR0、ITR2のコレクタ端子は、検知回路部4164の+12Vが他端に印加されたプルアップ抵抗IR2の一端にされるとともに、トランジスタITR1のベース端子と接続されている。
[コネクタの接触が正常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。トランジスタSTRのコレクタ端子にトランジスタのベース端子が接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子に印加される電圧も接地側に引き下げられる。これにより、トランジスタITR0がオフし、トランジスタITR2もオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気検出センサ4024が磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。
また、+12Vの電圧がプルアップ抵抗IR0、電圧かさ上げ部4166の抵抗IR1、抵抗IR4、抵抗IR5で構成された直列抵抗回路に印加され、プルアップ抵抗IR0、電圧かさ上げ部4166の抵抗IR1、抵抗IR4、抵抗IR5を経由して電流が接地に流れる。抵抗IR4に電流が流れることにより、抵抗IR4の両端間に発生する電位差が、前段のトランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間に印加される。これにより、前段のトランジスタITR0がオンする。
前段のトランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子、抵抗IR5を経由して接地に電流が流れる。抵抗IR5に電流が流れることにより、抵抗IR5の両端間に発生する電位差が、後段のトランジスタITR2のベース端子とエミッタ端子間に印加される。これにより、後段のトランジスタITR2がオンする。
後段のトランジスタITR2がオンすると、プルアップ抵抗IR2、後段のトランジスタITR2のコレクタ端子、トランジスタITR2のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR2がオンすることで、後段のトランジスタITR2のコレクタ端子に接続されている検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
[コネクタの接触が異常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。
内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗RR(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がる。図178においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0と抵抗IR1との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗に電流が流れることで第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が抵抗IR1の一端に印加されることになる。この電圧は、磁気検出センサ4024の内蔵のトランジスタがオフしたときに印加される電圧に比べて十分に低い電圧となる。
第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が抵抗IR1の一端に印加されると、抵抗IR1に電流が流れ、さらにこの電流は抵抗IR4及び抵抗IR5を通じて接地に流れる。つまり、抵抗IR5の他端が接地されているため、印加された所定の電圧による電流のほとんどが接地に落ちて、抵抗IR1の後段にあたるダーリントン回路の前段のトランジスタITR0のベース端子にはほとんど電流が流れ込まない。よって、前段のトランジスタITR0はオンしない。また、後段のトランジスタITR2もオンしない。この結果、ダーリントン回路の2つのトランジスタITR0、ITR2はオフ状態を維持する。つまり、電圧かさ上げ部4166が検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
なお、後段の検知回路部4164と主制御入力回路1310bの動作は、コネクタの接触が正常な場合の検出動作と同じとなる。
これにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため(電圧変化がないため)、コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
また、図180に示すように、複数の磁気検出センサ4024の各々にそれぞれ接続された複数のオープンコレクタ型のセンサ信号入力部4162が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に複数並列に接続されている。これらセンサ信号入力部4162のいずれか1つが、磁気を検出してオンしたときに、検知回路部4164のトランジスタITR1がオフするものである。
なお、磁気検出センサ4024とセンサ信号入力部4162との結線のいずれか1つが断線した場合も同様に、断線した磁気検出センサ4024に対応するセンサ信号入力部4162がオンすることで検知回路部4164のトランジスタITR1がオフする。また、センサが複数ある場合、これら複数のセンサに対して電圧出力部4163をそれぞれ設け、それぞれ設けた電圧出力部4163を、ダーリントン回路を複数有するトランジスタアレイ、例えば「TD62083AP」(市販品、TOSHIBA社製)に接続して用いることができる。
以上、本実施形態のパネル中継基板4161に配備されたセンサ信号入力部4162について説明したが、センサ信号入力部4162に適用できる検出センサは、磁気検出センサ4024に限定されるものではなく、コネクタ部材により検出センサからセンサ信号の伝達を行うものであればよく、各種センサ、例えば、一般入賞口センサ4020、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、カウントセンサ4005、振動検出センサ、接触センサ等を適用することが可能である。
[パネル中継基板4161のセンサ信号入力部4162が適用可能である応用例]
以上に説明した実施例1〜実施例3のセンサ信号入力部4162は、コネクタの接触が異常な場合に発生する接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止するものとして説明した。ところで、実施例1〜実施例3のセンサ信号入力部4162の適用可能な部位は、コネクタの接触部分に限られるものではない。
先に説明したが、遊技機では、検出センサは遊技領域内の複数箇所(例えば、始動口、入賞口、大入賞口、アウト口等の近傍にそれぞれ配置させる)を設置対象とする事情がある。そのため、検出センサと検出センサからの検出信号を検出する検出回路部(例えば、パネル中継基板のトランジスタ等)との電気的接続は、検出センサの設置個所により、種々の回路パターンや配線(ハーネス)の長さが適宜選択される。この点については、遊技機の機種の違いにより様々な形態を取ることになる。
ところで、使用されている電気部品(例えば、コネクタや検出センサ)並びに配線パターンの経年変化や、配線(ハーネス)の長さにより、抵抗値が変化することで検出センサに流れる電流が変化して設計値と異なることで正常に回路が動作しなくなる虞がある。また、開発途中の仕様変更により、例えば、検出センサの種類、配置箇所、配線(ハーネス)の長さを設計変更するような場合にも、抵抗値が変化する。そのため、検出センサに流れる電流が変化する。また、検出センサの配置箇所の変更したり、ハーネスの長さを延長したり、ハーネスを引き回す場所が変わることによっては、ノイズを拾いやすい箇所がある場合があり、ノイズの影響度も変化する。
このようなことが原因となって変化する抵抗値に電流が流れると、検出センサに流れる電流が本来の設計値と異なる虞がある。即ち、検出センサの信号を誤検知する虞がある。また、ノイズの影響によっても、正常に回路が動作しなくなって、検出センサの信号を誤検知する虞がある。
実施例1〜実施例3の電圧かさ上げ部4166を備えたセンサ信号入力部4162は、使用されている電気部品(例えば、コネクタや検出センサ)並びに配線パターンの経年変化や、配線(ハーネス)の長さにより、抵抗値が変化する場合においても、経年変化やノイズによる検出センサからの信号の誤検知を防止でき、検出回路を汎用化できるものでもある。なお、図175の従来例及び図176の実施例において、変化する抵抗値を二点鎖線による囲みで示した。
以下では、ハーネスにノイズが載った場合を一例として説明することとする。また、図181(A)は従来例におけるセンサ信号入力部4162に入力される信号波形を示し、図181(B)は実施例におけるセンサ信号入力部4162に入力される信号波形を示している。図181(A)の左側はノイズがない場合に入力される信号波形であり、右側はノイズが載った場合に入力される信号波形である。
図181(A)に示すように、従来例では、ノイズなしの場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態では、ローレベル(0.4V)であり、図175のトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)よりも低いレベルを維持できる。磁気検出センサ4024が磁気を検出した状態では、ハイレベル(12V)であり、トランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)よりも高いレベルとなり、トランジスタITR0はオンする。
一方、従来例では、ノイズが載った場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態であっても、ハッチング部分で示すようにノイズ波形のピークがトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)を超えてしまうため、トランジスタITR0がオンしてしまい、オフ状態を維持できない。よって、センサの信号を誤検出してしまう。
また、ノイズに限らず、例えば、図181(A)に示すように、オーバーシュートが発生した場合、磁気を検出した状態では、誤検出にならないが、アンダーシュートが発生した場合、トランジスタITR0がオンしてしまい、オフ状態を維持できない。よって、センサの信号を誤検出してしまう。
図181(B)に示すように、実施例では、電圧かさ上げ部4166により、図176のトランジスタITR0のベース端子に入力可能な電圧が、0.8Vよりも高い電圧の一例として2Vにかさ上げされている。検出動作は、ノイズなしの場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態では、ローレベル(0.4V)であり、かさ上げされた電圧2Vよりも低いので、トランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)よりも低いレベルを維持できる。磁気検出センサ4024が磁気を検出した状態では、ハイレベル(12V)であって、かさ上げされた電圧2Vよりも高いので、電圧かさ上げ部4166がオンするとともにトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)よりも高いレベルとなり、トランジスタITR0はオンする。
一方、実施例では、ノイズが載った場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態であっても、ノイズ波形のピークがトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)を超えてしまっても、かさ上げされた電圧2Vよりも低いので、電圧かさ上げ部4166がオフ状態を維持する。そのため、トランジスタITR0はオフ状態を維持できる。よって、誤検出を防止できる。
次に、例えば、経年変化によって抵抗値が上昇したことによる電圧上昇が起きた場合を一例として説明することとする。また、図182(A)は従来例におけるセンサ信号入力部4162に入力される信号波形を示し、図182(B)は実施例におけるセンサ信号入力部4162に入力される信号波形を示している。図182(A)の左側は正常な場合に入力される信号波形であり、右側は経年変化によって抵抗値が上昇したことによる電圧上昇が起きた場合に入力される信号波形である。
従来例では、経年変化によって抵抗値が上昇したことによる電圧上昇が起きた場合、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態であっても、ハッチング部分で示すように入力される電圧がトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)を超えてしまうため、トランジスタITR0がオンしっぱなしになってしまい、オフ状態を維持できない。よって、センサの信号を誤検出してしまう。
一方、実施例では、経年変化によって抵抗値が上昇したことによる電圧上昇が起きた場合であっても、磁気検出センサ4024が磁気を検出していない状態では、入力される電圧がトランジスタITR0がオンする電圧(0.8V)を超えてしまっても、かさ上げされた電圧2Vよりも低いので、電圧かさ上げ部4166がオフ状態を維持する。そのため、トランジスタITR0はオフ状態を維持できる。よって、誤検出を防止できる。
このように、実施例1〜実施例3のセンサ信号入力部4162は、電圧かさ上げ部4166を備えているため、経年変化やノイズによる検出センサからの信号の誤検知を防止できる。また、センサ信号入力部4162は、電圧かさ上げ部4166を備えているため、検出センサの配置箇所の変更したり、ハーネスの長さを延長したり、ハーネスを引き回す場所が変わることによっては、ノイズを拾いやすい箇所がある場合があっても、センサ信号入力部4162はノイズの影響を防止できる。このため、パネル中継基板4161に配備される回路部(センサ信号入力部4162及び検知回路部4164)を汎用化できる。そのため、開発途中での設計変更に余裕度を持たすことが可能になる。
[別実施例のセンサ信号入力部4162′]
以上に説明した実施例1〜実施例3で示した磁気検出センサ4024は、内蔵のトランジスタSTRを備え、磁気を検出しないときに内蔵のトランジスタSTRがオンする一方、磁気を検出したときに内蔵のトランジスタSTRがオフするものを用いているが、換言すると、センサ信号入力部4162では、磁気を検出しないときに入力がロー、磁気を検出したときに入力がハイとなるものを用いているが、これに代えて、磁気を検出しないときに入力がハイ、磁気を検出したときに入力がローとなる磁気センサ、換言すると、磁気を検出しないときにはオフし、磁気を検出したときにオンする磁気センサを用いることも可能である。
図183は、別実施例の磁気センサ入力回路の一例を示す回路図である。磁気センサMGSは、所定値以上の磁気を検出しないときはオフし、所定値以上の磁気を検出したときはオンするようになっている。
磁気センサMGSの入力端子は、コネクタCON1を介してパネル中継基板4161に配備されたプルアップ抵抗IR0の一端に接続され、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。また、磁気センサMGSの出力端子は接地されている。
電圧かさ上げ部4166は、先に説明した実施例1〜実施例3のものを用いることが可能である。この別実施例では、電圧かさ上げ部4166は、前記所定の電圧よりもツェナー電圧が高いツェナーダイオードZD0で構成されている例である。具体的には、ツェナーダイオードZD0のカソード端子は電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端と接続され、接続部分の前段においてコネクタCON1を介して磁気センサMGSの入力端子に接続されている。
ツェナーダイオードZD0のアノード端子は、後段に配されているトランジスタITR0のベース端子と接続されている。なお、別実施例では、検知回路部4164′はトランジスタITR0で構成されている。また、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続され、+12Vが一端に印加されたプルアップ抵抗NRに接続されている。ここで、主制御基板1310の主制御入力回路1310bの回路構成は実施例1〜実施例3と同様である。なお、別実施例では、電圧出力部4163と電圧かさ上げ部4166とによりセンサ信号入賞部4162′が構成され、トランジスタITR0によって検知回路部4164′が構成されている。
[正常な場合の検出動作]
磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSはオフしている。これにより、プルアップ抵抗IR0により+12V側に引き上げられた電圧が、ツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加される(第1の電圧に相当する)。この印加電圧はツェナー電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0はオンとなり、ツェナーダイオードZD0のアノード端子を介して検知回路部4164のトランジスタITR0のベース端子に印加されることで、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、検知回路部4164′のランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSはオンする。磁気センサMGSがオンすると、+12Vが印加されているプルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、磁気センサMGSの入力端子、磁気センサMGSの出力端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端の電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、プルアップ抵抗IR0の一端はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR1のベース端子が接続されていることで、ツェナー電圧が第2の電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0はオフ状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
[抵抗値の変化に起因する異常な場合の検出動作]
磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSはオフしている。これにより、プルアップ抵抗IR0により+12V側に引き上げられた電圧が、ツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加される(第1の電圧に相当する)。この印加電圧はツェナー電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0はオンとなり、ツェナーダイオードZD0のアノード端子を介して検知回路部4164のトランジスタITR0のベース端子に印加されることで、トランジスタITR0がオンする。
このときに、磁気センサMGSからのハーネスにノイズが載っていたとしても、ツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加される(第1の電圧に相当する)の方が高い電圧であるため、ツェナーダイオードZD0のアノード端子を介して検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧に影響はなく、トランジスタITR0がオンすることに変わりはない。つまり、電圧かさ上げ部4166により検知回路部4164′に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
一方、磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSはオンする。磁気センサMGSがオンすると、+12Vが印加されているプルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、磁気センサMGSの入力端子、磁気センサMGSの出力端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端の電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、プルアップ抵抗IR0の一端はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR1のベース端子が接続されていることで、ツェナー電圧が第2の電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0はオフ状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。
このときに、磁気センサMGSからのハーネスにノイズが載っていたとしても、ツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加されるノイズによる所定の電圧は、第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧であり、この所定の電圧がツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加されることになる。第2の電圧よりも高い所定の電圧が印加されても、所定の電圧よりもツェナー電圧が高いため、ツェナーダイオードZD0はオフ状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。つまり、電圧かさ上げ部4166により検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。なお、主制御入力回路1310bの動作は、正常な場合の検出動作と同じとなる。
[パネル中継基板4161に複数のセンサ信号入力部4162を配置した例]
次に、図184は、請求項1に係る発明の回路構成の一例を示す図である。図184に示すように、同一基板(パネル中継基板4161上に)、電圧出力部4163と電圧かさ上げ部4166と、検知回路部4164との3つを配置している例をしめしているが、これに限られることはなく、例えば、同一の基板上に、電圧かさ上げ部4166と、電圧出力部4163と検知回路部4166との少なくとも一方が配置されている、構成としてもよい。図185は、同一の基板(パネル中継基板4161)上に電圧かさ上げ部4166と検知回路部とを4164を配置し、電圧出力部4163を別基板(例えば、センサ基板)に配置した回路構成の例を示す図である。
また、図186は、同一の基板(パネル中継基板4161)上に電圧出力部4163と電圧かさ上げ部4166とを配置し、検知回路部4164を別基板(例えば、メイン制御基板1310)上に配置した回路構成の例を示す図である。このように、電圧出力部4163と検知回路部4164との配置位置は種々に変更が可能である。
図185は、本発明の実施例に係る発明の回路構成の別の一例を示す図である。経年変化や配線長さにより変化する抵抗値は、磁気検出センサ4024又は磁気センサMGSと、これらからパネル中継基板4161までの配線(ハーネス)と、コネクタCON1とを含むものである。遊技盤5aにおける所定位置に配置された検出センサ部は、図184では実施例1〜実施例3の磁気検出センサ4024で構成されている。
電圧出力部4163は、検出センサ部が第1の状態のときは第1の電圧を出力する一方、検出センサ部が第2の状態のときは第1の電圧よりも低い電圧である第2の電圧を出力する。例えば、図184に示す回路では、磁気検出センサ4024が磁気を検出しない状態のときは、ローレベルの電圧(例えば、0.4V)を出力する一方、磁気検出センサ4024が磁気を検出した状態のときは、ハイレベルの電圧(例えば、12V)を出力する。
検知回路部4164は、電圧出力部4163から出力された第1の電圧または第2の電圧に対応して検出信号の出力のオンオフを切り換える。図184の検知回路部4164では、実施例1〜実施例3で説明した検知回路部4164を用いているため、+12Vにプルアップされたプルアップ抵抗IR2がトランジスタITR1のベース端子の前段に接続されている。
そうして、電圧出力部4163の後段に対して、第2の電圧(各実施例においては例えば0.4Vとなっている)よりも高く第1の電圧(各実施例においては例えば12Vとなっている)よりも低い所定の電圧(一例として0.8V以上で2.0V未満の電圧を図182にて図示した)が印加されても、検知回路部4164に対する所定の電圧による作用を回避する電圧かさ上げ部4166が備えられている。
さらに、図184に示すように、同一の基板(パネル中継基板4161上)上に、一つの検知回路部4164と、複数の電圧出力部4163及び複数の電圧かさ上げ部4166とが配置されている。なお、本例では、電圧出力部4163と、電圧出力部4163の後段に配された電圧かさ上げ部4166とでセンサ信号入力部4162が構成されている。また、複数の電圧かさ上げ部4166、・・・各々が一つの検知回路部4164に電気的に並列接続されている。
具体的には、図184に示すように、複数の磁気検出センサ4024または磁気センサMGSの各々にそれぞれ接続された複数のオープンコレクタ型のセンサ信号入力部4162が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に複数並列に接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続されている。
図184において、これらセンサ信号入力部4162のいずれか1つでも磁気を検出してオンしたときには、検知回路部4164のトランジスタITR1がオフし、これにより主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1がオンするものである。よって、複数の検出センサ部のいずれについても誤検知することなく検出信号を検知することができる。このように、電圧かさ上げ部4166を備えたセンサ信号入力部4162を用いると、図示するように変化する抵抗値を考慮する必要がなくなる。そのため、一つの基板上(パネル中継基板4161上)に複数のセンサ信号入力部4162を集約させることができ、様々な機種の遊技機にパネル中継基板4161を共通して使用(汎用化)することが可能となる。そのため、開発途中の設計変更や製造に係る工数の削減に貢献するものである。
図187は、図183で説明した別実施例の磁気センサMGSを複数個を設け、複数個の磁気センサMGSを電圧出力部4163に電気的に各々並列に接続した例を示している。また、図187では別実施例の磁気センサMGSで構成されている。図187の別例では、磁気センサMGSが磁気を検出した状態のときは(磁気センサMGSがオン)、電圧出力部4163はローレベルの電圧(例えば、0.4V)を出力する一方、磁気センサMGSが磁気を検出しない状態のときは(磁気センサMGSがオフ)、電圧出力部4163はハイレベルの電圧(例えば、12V)を出力する。
一方、図187では、別実施例で説明した検知回路部4164′を用いているため、+12Vにプルアップされたプルアップ抵抗IR2がない点が異なっており、主制御入力回路1310aの一端に+12Vが印加されたプルアップ抵抗NR1によって、トランジスタITR0のコレクタ端子が+12Vに引き上げられている。
図187おいて、これら磁気センサMGSのいずれか1つでも磁気を検出してオンしたときには、検知回路部4164′のトランジスタITR0か゛オフし、これにより主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1がオンするものである。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ機1において、遊技進行や演出にかかる制御について総括する。
上述の通り、主制御基板1310は、パチンコ機1全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、周辺制御基板1510は、主制御基板1310が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置1600の表示態様(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの表示画像など)や、演出に寄与する各種部材(演出操作ユニット400や可動部材など)の表示態様や動作態様を制御する。
特に、主制御基板1310では、割込処理が行われる都度、特別図柄プロセス処理を行う。この特別制御処理では、まず、第一・第二始動口入賞処理を行う。この第一・第二始動口入賞処理では、始動口に遊技球が入賞したか否かの判断が行われ、入賞した旨判断したときには該当する特別図柄側の保留数を1増加させる処理などが行われる。
第一・第二始動口入賞処理を終えたとき、処理フラグが0であれば、変動開始処理を実行する。この変動開始処理では、保留数が1以上であることを条件に、保留状態にある大当り判定を消化してこれを実行し、この大当り判定(当落や、その種別など)の結果を記憶した後、処理フラグを「1」に更新する。
一方、第一・第二始動口入賞処理を終えたとき、処理フラグが1であれば、変動パターン設定処理を実行する。この変動パターン設定処理では、上記記憶した大当り判定の結果や現在の遊技状態などに基づいて第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器に表示される特別図柄(識別図柄)の変動パターン(特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの変動時間など)や停止図柄(大当り図柄やハズレ図柄など)を決定・設定した後、処理フラグを「2」に更新する。
また一方、第一・第二始動口入賞処理を終えたとき、処理フラグが2であれば、変動中処理を実行する。この変動中処理では、変動パターン設定処理にて決定・設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を停止させる。そしてこの後、変動開始処理にて記憶した大当り判定の結果が大当りであるときには、処理選択フラグを「3」に更新し、変動開始処理にて記憶した大当り判定の結果が大当りでないとき(ハズレ)には、処理選択フラグを「0」に更新する。すなわちこの場合、次の割込処理では、変動開始処理から再びやり直すこととなる。
また一方、第一・第二始動口入賞処理を終えたとき、処理フラグが3であれば、大当り遊技処理を実行する。この大当り遊技処理では、大当り遊技を実行するための条件の一つである条件装置を作動させて、当選した大当りの種別に基づいて決定された大当り遊技の態様(例えばラウンド数)をセットし、これに基づいて開閉部材2106にかかる開閉動作が制御される。また、大当り遊技が終了する場合には、条件装置の作動を停止させる処理を行ったり、当選した大当りの種別が特別種別であるときには時短状態や確変状態などの有利状態に制御されていることを示すように遊技状態フラグの更新を行った後、処理フラグが「0」に更新される。すなわちこの場合、次の割込処理では、変動開始処理から再びやり直すこととなる。
なお、変動パターンとしては、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、特別図柄の図柄変動が開始してから終了するまでの時間を決定付けるものであるほか、周辺制御基板1510に対してその情報が送信されることで、演出表示装置1600において現れる演出パターンの種類を決定しうるものである。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用変動パターン、はずれリーチ変動用変動パターン、及びはずれ変動用変動パターンに分類できる。大当り変動は、大当り判定の結果が大当りであるときに行われる変動であり、演出表示装置1600では、リーチ演出を経て、装飾図柄の変動表示が最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれリーチ変動は、大当り判定の結果がハズレであり、且つリーチ乱数に基づくリーチ判定にてリーチを行う旨判断されたときに行われる変動であり、演出表示装置1600では、リーチ演出を経て、装飾図柄の変動表示が最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれ変動は、大当り判定の結果がハズレであり、且つリーチ乱数に基づくリーチ判定にてリーチを行う旨判断されなかったときに行われる変動であり、演出表示装置1600では、リーチ演出を経ないで、装飾図柄の変動表示が最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。また、変動パターンは、第1特別図柄側と第2特別図柄側とのいずれの変動パターンであるかを特定可能なように規定されている。
すなわち、周辺制御基板1510では、主制御基板1310から大当り判定の結果などの遊技情報を取得してこれを参照することで、こうした装飾図柄の変動パターンを出現可能としている。また、周辺制御基板1510では、該取得した遊技情報に基づいて演出表示装置1600にて装飾図柄の変動パターンを出現させるほか、期待度に関わる演出表示(背景や保留画像)を変化させたり、演出操作ユニット400における態様(表示や動き)を変化させたり、裏下後可動演出ユニット3100などの可動部材を動作させたりする制御を実行する。
また、周辺制御基板1510では、操作ボタン410に対する操作情報や、開口窓近傍における遊技者の操作情報を取得し、これらの情報に応じた演出にかかる制御も実行しうる。
ここで、開口窓近傍における操作情報の取得原理について説明する。図190は、開口窓近傍における操作情報の取得原理を説明するための模式図であり、操作情報の取得原理を説明する上で関係のない部材を割愛しているほか、関係のある部材についてもこれらを模式的に示している。また、図191は、図190におけるA−A矢視断面図である。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、本体枠4内に収められ、遊技球が流下する遊技領域5aが形成された遊技盤5と、遊技領域5aが視認可能とされる開口窓を有し本体枠4に対して開閉可能に設けられる扉枠3とを備えている。そして、扉枠3には、図190及び図191に示されるように、開口窓の外周に沿うように立設されて少なくともその内側面で光を反射可能に形成された反射立壁部33が設けられている。なお、開口窓は、貫通口111のうちガラス板192よりも手前側(表側)となる部分である。
ここで、反射立壁部33は、枠装飾として設けられている。より具体的には、反射立壁部33は、下皿ユニットベース323によって形成される下側反射立壁部338と、左ユニットベース531によって形成される左側反射立壁部538と、右ユニットベース551によって形成される右側反射立壁部568とを備えており、これらの部材を、開口窓の外周周縁に沿うように略コの字状(開口窓の上方側には反射立壁部を設置しない態様)で配することによって構成されている。そして、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568では、それらの内側面が、一の特定仮想平面P(図191)に対していずれも略垂直の関係となる光の反射面となるように設けられている。
このような構成によれば、略コの字状に形成された反射立壁部33のうち、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568のいずれも設けられていない部分(開口窓の上方側)が、「開口窓の外周外にある所定光源からの光が、上記一の特定仮想平面P上を進行して開口窓の外周内に取り込まれ、ひいては反射立壁部33で反射されるようにする」ことを可能ならしめる第一部分として機能するとともに、「反射立壁部33で反射された光が上記一の特定仮想平面P上を進行して開口窓の外周外で検出されるようにする」ことを可能ならしめる第二部分としても機能するようになる。
またさらに、この実施の形態にかかる反射立壁部33では、3つの別部材(下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、右側反射立壁部568)の各内側面に跨って一の反射用部材36(例えば、反射用シール)が取り付けられる構造を採用しており、これによって3つの別部材のつなぎ目も含めて当該反射立壁部33としての反射性能を好適に確保するようにしている。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図190に示されるように、扉枠3のうち上記開口窓の外周外となる上部左側にて設けられる左側サイドベース572a(図23参照)の内部空間3435aにおいて、左側外周外発光部34aと左側外周外光検出部35aとを備えている。なお、左側サイドベース572aこれ自体は、光の透過率が極めて低い(若しくは、0)部材によって設けられている。
ここで、上記内部空間3435aは、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568とそれぞれ交わる上記一の特定仮想平面Pを含む空間であり、且つ開口窓の設けられる側に向けてのみ開口されて該開口窓側に向けて光が進行可能とされるとともに該開口窓側からの光が取り入れられる空間として設けられている。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような内部空間3435aを左側上部スピーカ573裏に設けるようにしつつも該スピーカ573裏からの不正行為を抑制するべく、開口窓との間に透過性が極めて高く且つ光の進行方向への影響も極めて低くなるように設計された透過部材3436aを配設するようにしている。
また、上記左側外周外発光部34aは、上記左側外周外光検出部35aとユニット化されており、上記一の特定仮想平面P上のうち少なくとも開口窓の設けられる側の広い範囲に向けて光が進行可能とされるように設けられている。
また、上記左側外周外光検出部35aは、上記左側外周外発光部34aとユニット化されており、開口窓の設けられる側からの光を少なくとも上記一の特定仮想平面P上にて検出可能とされるように設けられている。
このような構成によれば、左側外周外発光部34aからの光は、開口窓側へと進行した後に反射立壁部33で反射され、該反射立壁部33からの反射光となって上記内部空間3435aに取り入れられる。この点、内部空間3435aでは、上記左側サイドベース572aによって開口窓側からの光のみが取り入れられるようになっていることから、外乱が好適に抑制されているなかで、上記左側外周外発光部34aから発光されて上記反射立壁部33で反射された光を上記左側外周外光検出部35aによって検出することが可能とされるようになる。
またさらに、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図190に示されるように、扉枠3のうち上記開口窓の外周外となる上部右側にて設けられる右側サイドベース572b(図23参照)の内部空間3435bにおいて、右側外周外発光部34bと右側外周外光検出部35bとを備えている。なお、右側サイドベース572bこれ自体も、光の透過率が極めて低い(若しくは、0)部材によって設けられている。
ここで、上記内部空間3435bは、内部空間3435aと同様、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568とそれぞれ交わる位置にある上記一の特定仮想平面Pを含む空間であり、且つ開口窓の設けられる側に向けてのみ開口されて該開口窓側に向けて光が進行可能とされるとともに該開口窓側からの光が取り入れられる空間として設けられている。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような内部空間3435bを右側上部スピーカ573裏に設けるようにしつつも該スピーカ573裏からの不正行為を抑制するべく、開口窓との間に透過率が極めて高く且つ光の進行方向への影響も極めて低くなるように設計された透過部材3436bを配設するようにしている。
また、上記右側外周外発光部34bは、上記右側外周外光検出部35bとユニット化されており、上記一の特定仮想平面P上のうち少なくとも開口窓の設けられる側の広い範囲に向けて光が進行可能とされるように設けられている。
また、上記右側外周外光検出部35bは、上記右側外周外発光部34bとユニット化されており、開口窓の設けられる側からの光を少なくとも上記一の特定仮想平面P上にて検出可能とされるように設けられている。
このような構成によれば、右側外周外発光部34bからの光は、開口窓側へと進行した後に反射立壁部33で反射され、該反射立壁部33からの反射光となって上記内部空間3435bに取り入れられる。この点、内部空間3435bでは、上記右側サイドベース572bによって開口窓側からの光のみが取り入れられるようになっていることから、外乱が好適に抑制されているなかで、上記右側外周外発光部34bから発光されて上記反射立壁部33で反射された光を上記右側外周外光検出部35bによって検出することが可能とされるようになる。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあっては、下側反射立壁部338、左側反射立壁部538、及び右側反射立壁部568によってそれらの高さ幅分だけ三方向から囲まれる領域(図191において点々模様で記されている領域)が、遊技者による操作を検出可能な特別操作受け部3333として機能しており、この特別操作受け部3333に対する遊技者の操作態様が判定されることで、該判定に応じた演出制御が実行可能とされている。
例えば、特別操作受け部3333に対して遊技者による操作が行われない場合、左側外周外発光部34aから広い角度範囲で照射される光は、何らかの物理オブジェクトによって遮られることなく、反射立壁部33における様々な角度(少なくとも一の特定仮想平面P上における様々な角度)からの反射光となって左側外周外光検出部35aに向かうこととなる。すなわち、左側外周外光検出部35aでは、光学レンズなどを用いてこのような様々な角度からの反射光を複数の受光素子(少なくとも一の特定仮想平面P上に並んでいる複数の受光素子)にて別個に検出可能な構造を有しており、該別個の検出信号に基づいて特別操作受け部3333において物理オブジェクトが何ら存在していない旨の情報を周辺制御基板1510に対して出力する。
またこの際、右側外周外発光部34bから広い角度範囲で照射される光も、何らかの物理オブジェクトによって遮られることなく、反射立壁部33における様々な角度(少なくとも一の特定仮想平面P上における様々な角度)からの反射光となって右側外周外光検出部35bに向かうこととなる。すなわち、右側外周外光検出部35bも、光学レンズなどを用いてこのような様々な角度からの反射光を複数の受光素子(少なくとも一の特定仮想平面P上に並んでいる複数の受光素子)にて別個に検出可能な構造を有しており、該別個の検出信号に基づいて特別操作受け部3333において物理オブジェクトが何ら存在していない旨の情報を周辺制御基板1510に対して出力する。
一方、特別操作受け部3333に対して図190に示される態様で遊技者による操作があった場合、左側外周外発光部34aから広い角度範囲で照射される光の一部が遊技者の指(物理オブジェクト)によって遮られることとなり、その遮られた方向(角度範囲)に向かった光以外の光のみが反射立壁部33における反射光となって左側外周外光検出部35aに向かうこととなる。すなわちこの場合、左側外周外光検出部35aでは、上記複数の受光素子(少なくとも一の特定仮想平面P上に並んでいる複数の受光素子)からの情報に基づいて、上記左側外周外発光部34aから発光された光の遮られた方向(角度)とその大きさ(角度範囲)を判定することで、上記左側外周外発光部34aから見たときにいずれの方向にどれだけの大きさの物理オブジェクトが存在しているかについての情報を周辺制御基板1510に対して出力する。
またこの際、右側外周外発光部34bから広い角度範囲で照射される光の一部も遊技者の指(物理オブジェクト)によって遮られることとなり、その遮られた方向(角度範囲)に向かった光以外の光のみが反射立壁部33における反射光となって右側外周外光検出部35bに向かうこととなる。すなわちこの場合、右側外周外光検出部35bでは、上記複数の受光素子(少なくとも一の特定仮想平面P上に並んでいる複数の受光素子)からの情報に基づいて、上記右側外周外発光部34bから発光された光の遮られた方向(角度)とその大きさ(角度範囲)を判定することで、上記右側外周外発光部34bから見たときにいずれの方向にどれだけの大きさの物理オブジェクトが存在しているかについての情報を周辺制御基板1510に対して出力する。
周辺制御基板1510では、このような左側外周外光検出部35aからの情報と右側外周外光検出部35bからの情報とをそれぞれ取得してこれを解析することで、特別操作受け部3333において物理オブジェクトが存在しているか否かの情報(特別操作受け部3333に対する操作が行われたか)はもとより、特別操作受け部3333において物理オブジェクトが存在しているときにはその座標位置(x、y)及び大きさに関わる情報を取得することができるようになる。そして後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、こうした情報を定期的に取得するようにしており、これによって特別操作受け部3333における物理オブジェクトの移動や、物理オブジェクトの大きさの変化などの操作ジェスチャーを判定可能しており、該判定に応じた演出制御を実行するものとなっている。
なお、これらの解析処理については、周辺制御基板1510側で必ずしも行わなくてもよく、左側外周外光検出部35a及び右側外周外光検出部35bからの情報を取得する外部手段で行うようにして該外部手段から周辺制御基板1510がその解析結果を取得するようにしてもよいし、外部手段と周辺制御基板1510とで分担して解析するようにしてもよい。
また、左側外周外発光部34aからの発光と右側外周外発光部34bからの発光とをそれぞれ点滅態様とし、左側外周外発光部34aが発光状態にあり且つ右側外周外発光部34bが消灯状態にある期間と、左側外周外発光部34aが消灯状態にあり且つ右側外周外発光部34bが発光状態にある期間とが交互に発生するようにしてもよい。すなわちこの場合、左側外周外発光部34aが発光状態にあるときの反射光を左側外周外光検出部35a側で検出し、右側外周外発光部35aが発光状態にあるときの反射光を右側外周外光検出部35b側で検出してこれらの情報をもとに解析するようにすれば、左側外周外発光部34aからの光と右側外周外発光部34bからの光とが干渉することがなくなりその分だけより精度の高い検出情報を得ることが期待されるようになる。
またさらに、左側外周外発光部34aからの発光と右側外周外発光部34bからの発光とをそれぞれ点滅態様とし、左側外周外発光部34aが発光状態にあり且つ右側外周外発光部34bが消灯状態にある期間と、左側外周外発光部34aが消灯状態にあり且つ右側外周外発光部34bが発光状態にある期間と、左側外周外発光部34aが消灯状態にあり且つ右側外周外発光部34bも消灯状態にある期間とが順次に発生する1つのサイクルが繰り返し現れるようにしてもよい。すなわちこの場合、左側外周外発光部34aが発光状態にあるときの反射光を左側外周外光検出部35a側で検出し、右側外周外発光部35aが発光状態にあるときの反射光を右側外周外光検出部35b側で検出し、左側外周外発光部34a及び右側外周外発光部35aが消灯状態にあるときのオフセット分も検出してこれらの情報をもとに解析するようにすれば、左側外周外発光部34aからの光と右側外周外発光部34bからの光とが干渉することがなくなるとともに検出したオフセット分も排除してから判定することができるようになりその分だけより精度の高い検出情報を得ることが期待されるようになる。
また、左側外周外発光部34a及び右側外周外発光部34bからの光として可視光線を用いるようにしてもよい。ただし、パチンコ機1にあっては、様々な箇所で光による演出を行っていることに鑑みれば、赤外線などの不可視光線を用いるようにすることが、これらの演出光からの外乱や該演出光に対する悪影響を好適に抑制する上でより望ましい。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、「開口窓の外周外にある所定光源からの光が、上記一の特定仮想平面P上を進行して開口窓の外周内に取り込まれ、ひいては反射立壁部33で反射されるようにする」ことを可能ならしめる第一部分と、「反射立壁部33で反射された光が上記一の特定仮想平面P上を進行して開口窓の外周外で検出されるようにする」ことを可能ならしめる第二部分とを、略コの字状に形成された反射立壁部33のうちの同じ部位として設けることとした。ただし、開口窓の外周内と外周外との間で光の進行が許容される領域を、反射立壁部33に対して複数設けて、それらの領域の別に外周外発光部と外周外光検出部とをそれぞれ配置するようにしてもよい。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、反射立壁部33を、上方が開口された略コの字状に形成することとしたが、開口窓上部のうち内部空間3435aと内部空間3435bの間の周縁にも反射立壁部33を形成するようにしてもよい。ただし、内部空間3435a及び内部空間3435bが開口される方向は下向きの方向となるように設けられるようにすることが、照明などからの直接光が取り込まれて外乱となることを抑制する上で望ましい。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、左側外周外発光部34a及び左側外周外光検出部35aと、右側外周外発光部34b及び右側外周外光検出部35bとを用いることで、特別操作受け部3333における操作を検出可能ならしめるようにしたがこれに限られない。すなわち、特別操作受け部3333における操作を検出可能ならしめる構造であればよく、例えば、左側外周外発光部34aからの反射光と右側外周外光検出部35bからの反射光とを1つの外周外光検出部で検出し、その検出結果から物理オブジェクトの座標(x、y)や大きさを判定するようなものであってもよい。
このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、開口窓の外周外に設けられる外周外発光部34(左側外周外発光部34a,右側外周外発光部34b)からの光を、開口窓の外周に沿うように立設されて少なくともその内側面で光を反射可能に形成された反射立壁部33からの反射光として、開口窓の外周外に設けられる外周外光検出部35(左側外周外光検出部35a,右側外周外光検出部35b)で検出することで、開口窓近傍を特別操作受け部3333として機能させ、該特別操作受け部3333における遊技者の操作態様に応じた演出を実行可能としている。
そして、外周外光検出部35を、露な状態で配設せず、開口窓の設けられる側に向けて開口されたサイドベース572の内部空間3435にて配設することで、外周外光検出部35にて光を検出するにあたり、外乱になりうる演出光を好適に排除することができるようにしていることも上述した。
ただし、このような構成であったとしても、内部空間3435のうち開口窓の設けられる側に向けて開口された部分からは、外周外発光部34からの光が反射立壁部33によって反射された光のほか、演出光も取り込まれうる構造となっていることから、こうした演出光が外乱となって外周外光検出部35による検出精度に悪影響を及ぼすことが懸念される。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図191に示されるように、本体枠4の右ユニットベース551に設けられる枠側発光部L1については、まず、上記一の特定仮想平面P上を進行する光を照射することができない位置にて配設されるようにしている。より具体的には、枠側発光部L1は、特別操作受け部3333よりも前方側となる位置にて設けられて光の透過率が極めて低い(若しくは、0)ベース部BL1に対し、その前方側に取り付けられている。ベース部BL1は、枠側発光部L1よりも幅広形状になっていることから、枠側発光部L1からの光が後方側(開口窓の設けられる側)に進行することは困難とされており、これによって上記枠側発光部L1からの光は上記内部空間3435に取り込まれ難くなっている。
しかも、この実施の形態にかかる右ユニットベース551では、上記枠側発光部L1からの光が高い透過率で進行可能とされる素材によって設けられた第1右側飾りベース部551aと、上記枠側発光部L1からの光の進行を妨げる低い透過率(若しくは、透過率が0)の素材(例えば、金属)によって設けられた第2右側飾りベース部551bとを有している。そして、第1右側飾りベース部551aは、上記枠側発光部L1を囲むように形成されて枠側発光部L1からの光が演出光として寄与しうるようにするのに対し、第2右側飾りベース部551bは、上記枠側発光部L1と開口窓との間にて形成されて上記枠側発光部L1からの光が開口窓の設けられる側に向けて進行し難くなるようにしており、これによっても上記枠側発光部L1からの光は上記内部空間3435に取り込まれ難くなっている。
特に、この実施の形態にかかる第2右側飾りベース部551bは、上記枠側発光部L1からの光が第1右側飾りベース部551aを通して遊技者側に進行可能となるようにしつつも、第1右側飾りベース部551aに対してその前面側の一部にまで延びるように設けられており、これによって枠側発光部L1からの光が開口窓に進行することを好適に抑制するようにしている。
なお、この実施の形態に係るパチンコ機1では、右ユニットベース551において、ベース部BL1と第2右側飾りベース部551bとの両方を備えるようにしたが、これらのいずれかのみを備えるようにした場合であっても、上記枠側発光部L1からの光を上記内部空間3435に取り込まれ難くすることは可能である。
これに対し、本体枠4の左ユニットベース531に設けられる枠側発光部L2は、光の透過率が極めて低い(若しくは、0)ベース部BL2に対し、その前方側に取り付けられるが、上記一の特定仮想平面P上を進行する光を照射することができる位置にある。ただし、図191から明らかであるように、枠側発光部L2と開口窓との間には上記反射用部材36が設けられることから、該枠側発光部L2からの光が開口窓の設けられる側に進行することは困難とされており、これによって上記枠側発光部L2からの光は上記内部空間3435に取り込まれ難くなっている。
ただし、上記反射用部材36は、高さ幅が低くなっていることから、枠側発光部L2からの光が他の部材などで反射されて開口窓のほうに向かうことが懸念される。そこで、この実施の形態にかかる左ユニットベース531でも、上記枠側発光部L2からの光が高い透過率で進行可能とされる素材によって設けられた第1左側飾りベース部531aと、上記枠側発光部L2からの光の進行を妨げる低い透過率(若しくは、透過率が0)の素材(例えば、金属)によって設けられた第2左側飾りベース部531bとを有している。そして、第1左側飾りベース部531aは、上記枠側発光部L2を囲むように形成されて枠側発光部L2からの光が演出光として寄与しうるようにするのに対し、第2左側飾りベース部531bは、上記枠側発光部L2と開口窓との間にて形成されて上記枠側発光部L2からの光が開口窓の設けられる側に向けて進行し難くなるようにしており、これによっても上記枠側発光部L2からの光は上記内部空間3435に取り込まれ難くなっている。
特に、この実施の形態にかかる第2左側飾りベース部531bは、上記枠側発光部L2からの光が第1左側飾りベース部531aを通して遊技者側に進行可能となるようにしつつも、第1左側飾りベース部531aに対してその前面側の一部にまで延びるように設けられており、これによって枠側発光部L2からの光が開口窓に進行することを好適に抑制するようにしている。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、左ユニットベース531にて第2左側飾りベース部531bを設けるとともに、右ユニットベース551にて第2右側飾りベース部551bを設けることとしたが、これらの部材については必ずしも設けなくてもよく、この場合であっても、上記内部空間3435に演出光が取り込まれ難くなっていることは上述した通りである。そして、第2左側飾りベース部531bと第2右側飾りベース部551bとを設けないようにした場合、上記反射用部材36については、第1左側飾りベース部531aや第1右側飾りベース部551aの外面(外部から接触可能な面)に取り付けるのではなく、第1左側飾りベース部531aや第1右側飾りベース部551aの内面(外部から接触不可能な面)に取り付けるようにすれば、外部からの直接的な物理的接触によって反射性能が劣化することを回避することが期待されるようになる。なおこの場合、外周外発光部34(左側外周外発光部34a,右側外周外発光部34b)からの光は、第1左側飾りベース部531aや第1右側飾りベース部551aを透過してから上記反射用部材36で反射されて、第1左側飾りベース部531aや第1右側飾りベース部551aを再び透過してから上記内部空間3435に取り込まれるようになる。
また、左ユニットベース531にて第2左側飾りベース部531bを設けるとともに、右ユニットベース551にて第2右側飾りベース部551bを設けるようにする場合は、反射用部材36を割愛し、第2左側飾りベース部531b及び第2右側飾りベース部551b自体を金属などの素材を用いた反射用部材としても機能させるようにしてもよい。このような構成によれば、反射用部材(第2左側飾りベース部531b、第2右側飾りベース部551b)を備えるだけで、枠側発光部L1,L2からの演出光が外乱になることを好適に抑制しつつ、反射用部材(第2左側飾りベース部531b、第2右側飾りベース部551b)からの反射光によって外周外光検出部35による検出精度を好適に確保することができるようになる。
この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、このような開口窓近傍における操作情報の取得原理を利用することで、開口窓近傍に位置する物理オブジェクトの座標や大きさなどの情報を得ることができるようになっており、これによって開口窓の略全域(ガラス板192の正面視で視認可能とされる略全域)を特別操作受け部3333として用いた、よりダイナミックで自由度の高い操作性とこれに適した演出性とを実現可能としている。
以下、このような特別操作受け部3333を用いることにより実現可能とされる操作性と演出性とについて説明する。図192〜図198は、特別操作受け部3333を用いることにより実現可能とされる操作性と演出性とを説明するための模式図であり、操作性と演出性とを説明する上で関係のない部材を割愛しているほか、関係のある部材についてもこれらを模式的に示している。
図192は、パチンコ機1を正面視で見たときの特別操作受け部3333と、該特別操作受け部3333に対して正面視で重なる位置にて配されている各種の演出部材A〜Eとを模式的に示している。なお、同図中における矢印は、演出部材A〜Eのうちの各種可動体の可動範囲を簡単に示すものである。
同図192に示されるように、この説明例にかかる特別操作受け部3333を正面視で見た場合、ガラス板192を挟んだ奥側には、大当り判定の結果に応じた演出に寄与しうる部材として、可動体A1,A2,B,Cと、表示部Dと、遊技球が流下しうる部分やそれ以外の部分にて発光可能に設けられた盤面発光部Eとが配設されている。図192中の矢印は、可動体A1,A2,B,Cの可動範囲を模式的に示したものである。
なお、これらの部材は、本願の技術説明をするための一例として示したものであり、図114などを用いて先に説明した実施例とは必ずしも一致しない。ただし基本的には、可動体A1,A2,B,Cは、「裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500などの可動部材」に相当するものであり、表示部Dは、「演出表示装置1600」に相当するものであり、盤面発光部Eは、「遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LED」に相当するものである。なお、盤面発光部Eは、遊技盤5に必ずしも備えられなくてもよく、例えば、遊技盤5よりも前側に設けられる部材(導光板など)であってもよい。
ここで、周辺制御基板1510では、まず、大当り判定の結果に応じた演出表示が行われる表示部Dを操作演出の対象として位置付けており、特別操作受け部3333のうち表示部Dと正面視で重なる座標領域に対して遊技者が操作を行ってこれが物理オブジェクトとして検出されると、該操作に応じた演出変化が表示部Dにて現れるように制御可能となっている。
以下、特別操作受け部3333に対する操作によって表示部Dで演出変化を生じさせる場合の演出制御の例について説明する。
[表示部Dに対する第1の操作制御態様]
例えば、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図192及び図193(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて第1の演出条件が満たされた場合、特別操作受け部3333を正面視で見たときの全座標領域(図190を参照)のうち、表示部Dの第1表示領域と対向する第1座標領域Z1を演出受付可能に設定(制御)するとともに、表示部Dの第1表示領域において特定の操作指示画像S1を表示する。そして、該特定の操作指示画像S1が表示されている所定期間において、特別操作受け部3333のうちの第1座標領域Z1内のどこかに対して操作(例えば、ガラス板192に対するタッチ操作(厳密には、特別操作受け部3333内に指などあればよく、必ずしもタッチしなくてもよい))が行われてこれが物理オブジェクトとして検出されると、上記特定の操作指示画像S1を非表示にして第1座標領域Z1に対する演出受付を終了させるとともに上記表示部Dにおいて演出変化を生じさせ、該生じた演出変化の種別によって大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能としている。
この際、特別操作受け部3333のうちの第1座標領域Z1内のどこかに対して操作が行われたことに基づいて演出変化を生じさせるにあたり、該演出変化を、少なくとも上記表示部Dのうちの第1座標領域Z1と対向する第1表示領域内において生じさせるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、遊技者が自らの指などによって第1表示領域を正面視で視認し難くしているときに少なくとも該第1表示領域内にて演出変化が生じるようになることから、遊技者が自らの指をずらしたり、正面視ではなく斜め方向から(ガラス板192と表示部Dとの間の空間を利用して)第1表示領域を視認するまでの間、該第1表示領域にて現れている演出変化を認識し難くさせることができるようになる。若しくは、遊技者は、第1座標領域Z1に対して指を置いたままで自らは第1表示領域内の演出変化を確認せずに遊技を進行させたり、当該パチンコ機1の正面に位置していない第3者に対して該第1表示領域内の演出変化を確認してもらうなどの楽しみ方も選択することができるようになり、遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
なお、特定の操作指示画像S1が出現してから所定期間が経過(特定のタイミングが到来)するまでの間、遊技者による操作が検出されなかった場合は、特定の操作指示画像S1が非表示にされるとともに、第1座標領域Z1に対する演出受付が終了されるようになっている。このとき、第1座標領域Z1に対する演出受付があった場合に現れる演出変化を生じさせるようにしてもよいし、第1座標領域Z1に対する演出受付があったときに現れる演出変化を生じさせずに第1座標領域Z1に対する演出受付を終了させるようにしてもよい。
[表示部Dに対する第2の操作制御態様]
また、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図192及び図193(b)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて第2の演出条件が満たされた場合、特別操作受け部3333を正面視で見たときの全座標領域(図190を参照)のうち、「上記表示部Dの第2表示領域と対向する第2座標領域Z2」と「上記表示部Dの第3表示領域と対向する第3座標領域Z3」との両方を演出受付可能に設定(制御)するとともに、上記表示部Dの第2表示領域において第2の操作指示画像S2を表示し、第3表示領域において第3の操作指示画像S3を表示する。そして、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3との両方が表示されている所定期間において、特別操作受け部3333のうちの第2座標領域Z2または第3座標領域Z3内のどこかに対して操作(例えば、ガラス板192に対するタッチ操作(厳密には、特別操作受け部3333内に指などあればよく、必ずしもタッチしなくてもよい))が行われてこれが物理オブジェクトとして検出されると、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3との両方を非表示にして第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3の演出受付を終了させるとともに上記表示部Dにおいて特定演出(選択した側(物理オブジェクトが検出された座標領域側)に応じた演出)を発生させ、該生じた特定演出において大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能としている。
なお、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3との両方が出現してから所定期間が経過(特定のタイミングが到来)するまでの間、遊技者による操作が検出されなかった場合は、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3との両方が非表示にされるとともに、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3に対する演出受付が終了されるようになっている。この際、第2座標領域Z2または第3座標領域Z3に対する演出受付があった場合に現れる特定演出を生じさせるようにしてもよいし、特定演出を生じさせないようにしてもよい。ただし、第2座標領域Z2または第3座標領域Z3に対する演出受付があった場合に現れる特定演出を生じさせる場合は、該特定演出の実行に先立って、第2の操作指示画像S2に対する操作が受け付けられたときに発生させる表示(エフェクトなど)、または第3の操作指示画像S3に対する操作が受け付けられたときに発生させる表示(エフェクトなど)を出現させるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3のいずれに対しても操作していないなかで、エフェクトが発生した側の演出が強制実行されていることを把握することができるようになることから、何の演出が実行されているのかがわからずに遊技興趣が低下することが抑制されるようになる。
また、表示部Dに対する第1の操作制御態様や第2の操作制御態様では、第1座標領域Z1や、第2座標領域Z2、第3座標領域Z3に対する演出受付を許容するのみならず、同じ期間内において、操作ボタン410などの他の操作手段に対しても同じ演出受付を許容するようにしてもよい。
例えば、表示部Dに対する第1の操作制御態様では、上記第1の演出条件が満たされた場合、第1座標領域Z1と操作ボタン410との両方を演出受付可能とし、特定の操作指示画像S1が表示されている所定期間において、第1座標領域Z1に対する操作(物理オブジェクトの検出)ではなく、操作ボタン410に対する押圧操作(ボタンスイッチの検出)が行われた場合であっても、上記特定の操作指示画像S1を非表示にして第1座標領域Z1及び操作ボタン410の演出受付を終了させるとともに上記表示部Dにおいて演出変化を生じさせ、該生じた演出変化の種別によって大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
なお、第1座標領域Z1に対する操作(物理オブジェクトの検出)があった場合も、上記特定の操作指示画像S1を非表示にして第1座標領域Z1及び操作ボタン410の演出受付を終了させるとともに上記表示部Dにおいて演出変化を生じさせ、該生じた演出変化の種別によって大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
また、表示部Dに対する第2の操作制御態様では、上記第2の演出条件が満たされた場合、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3と、操作ボタン410とをいずれも演出受付可能とする。そして、特定の操作指示画像S2及び特定の操作指示画像S3が表示されている所定期間において、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3のいずれかに対する操作(物理オブジェクトの検出)ではなく、操作ボタン410に対する押圧操作(ボタンスイッチの検出)が行われた場合、特定の操作指示画像S2を選択している状態にあることを示す第2選択画像と、特定の操作指示画像S3を選択している状態にあることを示す第3選択画像との間での切り替え表示を行う。そして、第2選択画像と第3選択画像とのいずれかが表示されている状態で、特定の操作指示画像S2及び特定の操作指示画像S3が表示されてからの所定期間が経過すると、選択画像が現れている側の操作指示画像S2,S3に対する操作が受け付けられたことを把握可能な表示(エフェクトなど)を発生させるとともに、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3と選択画像(第2選択画像、第3選択画像)をいずれも非表示にして第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3と操作ボタン410とに対する演出受付を終了させる。そしてこの後、上記表示部Dにおいて特定演出(選択した側の演出)を発生させ、該生じた特定演出において大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
なお、上記所定の期間内に、さらに別の操作手段に対する操作(いずれかの決定を受け付ける操作)を演出受付可能とし、該別の操作手段に対する操作があった場合に、選択画像が現れている側の操作指示画像S2,S3に対する操作が受け付けられたことを把握可能な表示(エフェクト)を発生させるとともに、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3と選択画像(第2選択画像、第3選択画像)をいずれも非表示にして第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3や、操作ボタン410や、さらに別の操作手段に対する演出受付を終了させるようにしてもよい。そしてこの後、上記表示部Dにおいて特定演出(選択した側の演出)を発生させ、該生じた特定演出において大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
また、特定演出が出現されるまでの上記所定の期間内であれば、第2選択画像と第3選択画像とのいずれが現れている場合であっても、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3は演出受付可能とされている。そして、第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3のいずれかに対する操作が検出された場合は、第2選択画像と第3選択画像とのいずれが現れている状態にあったかは関係無しで、演出受付がなされた側の表示(エフェクトなど)を出現させ、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3と選択画像(第2選択画像、第3選択画像)とをいずれも非表示にして第2座標領域Z2及び第3座標領域Z3や、操作ボタン410や、さらに別の操作手段に対する演出受付を終了させる。なおこの際、第2の操作指示画像S2と第3の操作指示画像S3と選択画像(第2選択画像、第3選択画像)とをいずれも非表示にするのに先立って、操作が検出された側の選択画像(第2選択画像、第3選択画像)が現れるように切り替え表示を行うようにしてもよい。そしてこの後、上記表示部Dにおいて特定演出(選択した側の演出)を発生させ、該生じた特定演出において大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうる制御を実行可能とする。
このような構成によれば、第1座標領域Z1や、第2座標領域Z2、第3座標領域Z3に対する演出受付を許容するのみならず、操作ボタン410などの他の操作手段に対しても、同じ演出受付が可能とされる。この点、第2の操作制御態様では、同じ演出受付を可能としつつも、第2座標領域Z2または第3座標領域Z3に対する操作を行うようにした場合は、第2座標領域Z2または第3座標領域Z3に対して1度の操作(物理オブジェクトの検出)が受け付けられるだけで、遊技者による好みに応じた側の演出を発生させることが可能である。すなわち、他の操作手段を用いた場合には、「特定の操作指示画像S2及び特定の操作指示画像S3が表示されてからの所定期間が経過するまでの間、遊技者による好みに応じた側の演出を発生させることができない」か、「少なくとも2回以上の操作を複数の操作手段を用いて行う」ことが求められるのに対し、特定の操作受け部3333を用いた場合にはこれよりも少ない回数(この演出例では、1回)の操作だけで遊技者による好みに応じた表示態様を出現させることが可能であるから、より複雑な演出性を簡単な操作性で実現することが期待されるようになる。
また、こうした効率的な操作性を提供しつつも、少なくとも2回以上の操作を複数の操作手段を用いて行うことによって所望の操作を達成しうる操作性をも同時提供するようにした場合、遊技者は、所望の操作に至るまでの過程段階にある操作を行いながら、所望の操作としていずれを選択すべきかを悩むことができるようになる。すなわちこの場合、所望の操作に至るまでの過程段階にある操作を行うなかで、選択した後の演出状況をイメージし易くなり、所定の期間内で余裕を持っていずれの操作にすべきかを悩むことができるようになる。このように、遊技者が、即決できる状態にあるか、悩んでいる状態にあるかに応じて、求められる操作回数の異なる操作手段を選択的に用いることができることから、遊技興趣が維持されうるようになる。
このように、周辺制御基板1510では、表示部Dを、特別操作受け部3333を用いた操作演出の対象とすることで、これまでにない面白みのある演出を実現可能としている。ただし上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、特別操作受け部3333を、表示部Dよりも正面視で大きな操作受付範囲(検出対象とされる座標範囲は、ガラス板192の略全域)を持つように設けており、このような特殊な関係性を利用した演出を実現することによって、よりダイナミックで自由度の高い操作性とこれに適した演出性とを実現可能としている。
[表示部Dに対する第3の操作制御態様]
例えば、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図192及び図194(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて第3の演出条件が満たされた場合、特別操作受け部3333を正面視で見たときの全座標領域(図190を参照)のうち、表示部Dの第4表示領域と対向する第4座標領域Z4を演出受付可能に設定(制御)するとともに、表示部Dの第4表示領域において特定の操作対象画像S4を表示し、表示部Dの他の表示領域において特定の操作対象画像S4を可動体Bまで動かすように操作すべきことを促す特定画像を表示する。
そして、該特定の操作対象画像S4が表示されてからの所定期間において、特別操作受け部3333のうちの第4座標領域Z4内のどこかに対して操作(例えば、ガラス板192に対するタッチ操作(厳密には、特別操作受け部3333内に指などがあればよく、必ずしもタッチしなくてもよい))が行われてこれが物理オブジェクトとして検出されると、図194(b)に示されるように、演出受付可能とされる座標領域を、表示部D内の限られた第4座標領域Z4ではなく、少なくとも表示部D外に設けられる可動体Bと対向する座標領域を含む大きな第5座標領域Z5に設定変更する。なお、この説明例の第5座標領域Z5は、第4表示領域と対向する座標領域(第4座標領域Zと必ずしも一致しなくてもよい)から表示部D外に設けられる可動体Bと対向する座標領域までを含むものとなっており、可動体B、表示部D、及び盤面発光部Eを跨ぐかたちで設定されている。
なおこの際、特別操作受け部3333のうちの第4座標領域Z4内のどこかに対して操作があったことに基づいて、特定の操作対象画像S4の表示態様を変化(例えば、色を変化させたり、振動態様で表示)させて、当該特定の操作対象画像S4が、遊技者による操作によって移動可能な状態になっていることを認識可能とするようにしてもよい。
すなわち、この第3の操作制御態様では、特別操作受け部3333内に指などの物理オブジェクトを留めた状態で、該物理オブジェクトを、第5座標領域Z5内の上記可動体Bと対向する座標位置まで移動させると、表示部D内にて現れていた特定の操作対象画像S4が、表示部D外にて設けられる可動体Bに作用して該可動体Bにおける演出が開始されるかのような演出を実現している。
したがって、特別操作受け部3333内に指などの物理オブジェクトを留めた状態で該物理オブジェクトを第5座標領域Z5内で移動させると、周辺制御基板1510では、こうした物理オブジェクトの移動を検出し、該検出された物理オブジェクトの移動に追従するように上記特定の操作対象画像S4を上記表示部D内で移動させる制御を実行可能としている。これにより、特定の操作対象画像S4は、物理オブジェクトが上記可動体Bと対向する座標位置まで移動し終わっていない移動途中の段階にあるときから、こうした物理オブジェクトの上記特別操作受け部3333内における正面視での移動に追従するように上記表示部D内を移動するようになる。
より具体的には、特別操作受け部3333内に指などの物理オブジェクトを留めた状態で、該物理オブジェクトを第5座標領域Z5内の図194(b)に示される位置から図195(a)に示される位置まで移動させると、周辺制御基板1510では、このような物理オブジェクトの移動に追従するように上記特定の操作対象画像S4を上記表示部D内で移動させる。ただし、指などの物理オブジェクトが図195(a)に示される位置にある場合に、該位置に対向する表示領域において特定の操作対象画像S4を表示しようとすると、該特定の操作対象画像S4の一部が上記表示部Dからはみ出てしまい、その全体を表示することはできない。そこで、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、上記表示部Dにおいては表示することのできる部分だけ特定の操作対象画像S4を表示し、表示部Dからはみ出ている部分については、その存在が認識可能とされるように盤面発光部Eのうちの該当する部分を発光させる制御を行うこととしている。より具体的には、表示部Dの縁部と対向する座標位置に物理オブジェクトが近づくにつれて、特定の操作対象画像S4が上記表示部Dに表示される部分を少なくさせていき、盤面発光部Eの発光領域として該当する部分を多くさせていくように制御することとなる。
このような構成によれば、表示部Dにおける特定の操作対象画像S4が、遊技者による操作によって今まさに表示部D外に飛び出そうとしている様子を表現することができるようになり、表示部Dこれ単体に収まらない、よりダイナミックで自由度の高い操作性とこれに適した演出性とが実現されるようになる。
特に、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図195(a)に示されるように、遊技者の指などの物理オブジェクトが第5座標領域Z5内の表示部Dと対向する座標位置に置かれている状態にあるにもかかわらず、該表示部Dだけではなく、該表示部Dとは異なる部材(盤面発光部E)に対して演出制御を行うようにしている。したがって、特別操作受け部3333のうち複数の部材と対向する座標領域で物理オブジェクトを移動させた場合であっても、該移動に応じた演出が出現していることを認識し易くなり、これによってダイナミックな操作性に適した演出性を好適に実現することができるようになる。
なお、遊技者の指などの物理オブジェクトを第5座標領域Z5内の図195(a)に示される位置から少しだけ上方に移動させた場合、該物理オブジェクトは、表示部Dではなく遊技盤5(ここでは、盤面発光部E)と対向する座標位置に置かれる状態になる。ただしこの場合も、特定の操作対象画像S4の全てを突然に非表示にして盤面発光部Eのみを発光させるのではなく、表示部Dと対向する座標位置から物理オブジェクトが離れるにつれて、特定の操作対象画像S4が上記表示部Dにおいて表示される部分を少なくさせていき、盤面発光部Eの発光領域として該当する部分を多くさせていくように制御する。すなわちこの場合、表示部Dと対向する座標位置から物理オブジェクトが特定距離だけ離れたときに、表示部Dと盤面発光部Eとのうちの盤面発光部Eのみに演出(ここでは、発光)を生じさせることとなり、これによって特定の操作対象画像S4が表示部D外に移動したかのような演出を表現することができるようになる。
そして、遊技者の指などの物理オブジェクトが第5座標領域Z5内をさらに上方に移動して図195(b)に示される位置に到達すると、周辺制御基板1510では、該物理オブジェクトと対向する位置にある盤面発光部Eと可動体Bとの両方を発光させる制御を行う。すなわち、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、盤面発光部Eと可動体Bとの間でも、表示部Dと盤面発光部Eとの間で行った上述の演出制御と同様の制御を行うようにしている。より具体的には、遊技盤5(ここでは、盤面発光部E)と対向する座標領域内にある物理オブジェクトが上記可動体Bと対向する座標領域に対して所定距離まで近づくと、物理オブジェクトこれ自体は盤面発光部Eと対向する座標領域内にあるにもかかわらず、該盤面発光部Eだけではなく、該盤面発光部Eとは異なる部材(可動体B)に対して演出制御を行うようにしている。したがって、特別操作受け部3333のうち盤面発光部Eと可動体Bとの両方と対向する座標領域内で物理オブジェクトを移動させた場合であっても、該移動に応じた演出(ここでは、表示部D外に移動した特定の操作対象画像S4)が出現(移動)していることを認識し易くなり、これによってダイナミックな操作性に適した演出性を好適に実現することができるようになる。
そして、遊技者の指などの物理オブジェクトが第5座標領域Z5内をさらに上方に移動して図196に示される位置に到達すると、周辺制御基板1510では、特定の操作対象画像S4を可動体Bまで移動させたかのような操作が適正に行われた旨判断し、当該第3の操作制御態様における条件が満たされたとして、上記第5座標領域Z5に対する演出受付を終了させる。また、当該第3の操作制御態様における条件(特定の操作対象画像S4を可動体Bまで移動させる)が満たされたことを認識可能な表示を表示部Dにおいて出現させ、可動体Bを用いた演出を開始させる制御を実行する。可動体Bを用いた演出は、例えば、可動体Bを所定の態様で発光させる演出や、可動体Bを所定の態様で動作させる演出などとして実現することが可能であり、こうした演出を通じて大当り判定の結果に対する期待度が示唆されうるようにする。
なお、当該第3の操作制御態様において物理オブジェクトが上記特別操作受け部3333内を移動しているなかで、該物理オブジェクトが第5座標領域Z5から外れた場合(特別操作受け部3333から指を離した場合も含む)は、図194(a)に示した状態からやり直しにすることが望ましい。すなわち後述するが、周辺制御基板1510は、基本的には、演出の実行状況にかかわらず物理オブジェクトの位置情報などを定期的に取得しており、これによって物理オブジェクトが第5座標領域Z5内を移動している旨の情報や、第5座標領域Z5外に移動した旨の情報などを得るようになっている。
また、物理オブジェクトの移動に追従するように上記特定の操作対象画像S4を移動させるようにしたが、これに限られず、例えば、物理オブジェクトの特定方向成分の移動のみに追従するように上記特定の操作対象画像S4を移動させるようにしてもよい。
また、第5座標領域Z5については、特別操作受け部3333の全座標領域であってもよい。また、物理オブジェクトの置かれた座標位置と対抗する側に、特定の操作対象画像S4が存在することを示唆する演出表現のできる部位が無かった場合は、物理オブジェクトの置かれた座標位置と近い部位にて特定の操作対象画像S4が存在することを示唆する演出表現を行うようにしてもよい。
また、この説明例では、表示部Dと可動体Bとの間に、演出表現(発光)することが可能な盤面発光部Eが置かれているが、該盤面発光部Eは必ずしもなくてもよい。すなわちこの場合、表示部Dに特定の操作対象画像S4が表示されなくなってから、可動体Bと対向する座標位置(若しくは、近傍の座標位置)に物理オブジェクトが移動されるまでの間、遊技者は、特定の操作対象画像S4が移動しているイメージを頭の中で持ちながら操作を継続することとなる。
また、表示部Dにおいて、表示部Dと可動体Bとの位置関係を把握可能なマップを表示し、物理オブジェクトの移動に応じて特定の操作対象画像S4がどの位置に存在するかをマップ内で示唆する演出表示を行うようにしてもよい。
なお、図193〜図196の図中では、各座標領域Z1〜Z5が記されているが、実際には、遊技者が視認することができないものである。
一方、周辺制御基板1510では、図192に示される各種の演出部材のうち、大当り判定の結果に応じた演出動作が行われる可動体A1,A2,Cも操作演出の対象として位置付けており、特別操作受け部3333のうち可動体A1,A2,Cと正面視で重なる座標領域に対して遊技者が操作を行ってこれが物理オブジェクトとして検出されると、該操作に応じた演出動作が現れるように制御可能となっている。したがって、遊技者は、複数の可動体のいずれか1つを選択しながら適宜の態様(速度、移動量)で操作することが可能である。
[可動体Cに対する第4の操作制御態様]
例えば、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図192及び図197(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて第4の演出条件が満たされた場合、特別操作受け部3333を正面視で見たときの全座標領域(図190を参照)のうち、可動体Cの一部と対向する第6座標領域Z6を演出受付可能に設定(制御)する。なおこの際、可動体Cを動作させるべく第6座標領域Z6が演出受付可能とされていることを遊技者側が認識可能とすべく、表示部Dにおいて特定の表示画像を出現させたり、可動体Cを第1態様で発光(例えば、点滅態様での発光)させたり、振動させたりすることが望ましい。
そして、第6座標領域Z6が演出受付可能に設定されてからの所定期間において、該第6座標領域Z6内のどこかに対して操作(例えば、ガラス板192に対するタッチ操作(厳密には、特別操作受け部3333内に指などあればよく、必ずしもタッチしなくてもよい))が行われてこれが物理オブジェクトとして検出されると、図197(b)に示されるように、演出受付可能とされる座標領域を、上記第6座標領域Z6ではなく、少なくとも可動体Cの可動範囲CTを含む大きな第7座標領域Z7に設定変更する。なおここでは、第7座標領域Z7は、第6座標領域Z6の全てを含む座標領域として設定されている。
すなわち、この第4の操作制御態様では、特別操作受け部3333内に指などの物理オブジェクトを留めた状態で、該物理オブジェクトを、第7座標領域Z7内の可動体Cの可動範囲CTの末端部分と対向する座標位置まで移動させると、該物理オブジェクトの移動に追従するように可動体Cを移動させうる演出を実現している。
したがって、図197(b)に示される状態になった場合は、第7座標領域Z7において指などの物理オブジェクトが検出されており、該物理オブジェクトの移動によって可動体Cを移動させる状態にあることを認識可能とする制御を行うようにすることが望ましい。なお、図197(b)に示される例では、可動体Cを第2態様で発光(例えば、常時態様での発光)させるようにしている。
ただし、遊技者側からすれば、該可動体Cにどのような可動範囲CTが設けられているのかを把握しておらず、第6座標領域Z6において指などの物理オブジェクトが検出されてから該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTに沿うように移動させようとしてもこれを適正に行うことができないことが懸念される。そしてこの結果、可動体Cの可動範囲CTに沿うように操作を行う意思はあるにもかかわらず、遊技者の指などの物理オブジェクトが第7座標領域Z7から外れてしまうと(特別操作受け部3333から指を離した場合も含む)、遊技者の意図に反して図197(a)に示した状態からやり直しになり、遊技興趣が低下しかねない。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、図197(a)、(b)に示されるように、当該第4の操作制御態様における第7座標領域Z7を、その制御対象とされる可動体Cの可動範囲CTが延びる上方側とは逆側となる方向を含めて、第6座標領域Z6が正面視での全方位にわたって少なくとも第1距離分は拡大された範囲にて設定することとしている。
このような構成によれば、可動体Cにどのような可動範囲CTが設けられているのかを遊技者が把握していなかった場合であっても、可動体Cの可動範囲CTからズレた方向側へと指(物理オブジェクト)を移動させたときには、演出受付がなされているにもかかわらず(図197(a)に示した状態からやり直しにならないにもかかわらず)、可動体Cが移動しない現象が生じるようになることから、こうした現象の確認を通じて可動体Cの可動範囲CTを推測して操作を行うことができるようになる。
また、周辺制御基板1510では、可動体Cに対して設定されている可動範囲CTのなかで、該可動体Cを、予め定められた複数位置(図197(b)に示される第1位置(原位置)、図197(c)に示される第2位置、図198(a)に示される第3位置、及び図198(b)に示される第4位置(末端位置))のいずれかに位置させる制御を実行可能とする。そしてこの上で、第7座標領域Z7を、第1位置(原位置)と対向する部分を含んだ第1駆動座標領域Z7−1、第2位置と対向する部分を含んだ第2駆動座標領域Z7−2、第3位置と対向する部分を含んだ第3駆動座標領域Z7−3、及び第4位置と対向する部分を含んだ第4駆動座標領域Z7−4に分類可能とし、それらの駆動座標領域Z7−1〜Z7−4のいずれまで上記第6座標領域Z6にて検出された物理オブジェクトが移動したかを判定することで、該判定に応じた駆動座標領域まで可動体Cを移動させる制御を実行可能としている。
ここで、可動範囲CT内の第1位置(原位置)と対向する部分を含んだ第1駆動座標領域Z7−1は、図197(a)、(b)に示されるように、その制御対象とされる可動体Cの可動範囲CTが延びる上方側を除いた左、右、下方向に対して上記第6座標領域Z6から少なくとも第1距離分だけ広がった範囲として設定されている。
このような構成によれば、第6座標領域Z6(図197(a))において指などの物理オブジェクトが検出されて第7座標領域Z7(図197(b))に設定変更された以降、該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTが延びる方向とは異なる方向に移動(第1距離未満の移動)させたとしても、該物理オブジェクトは、単一の第1駆動座標領域Z7−1内にて検出されるだけであるから、可動体Cは、移動することなく、該物理オブジェクトが検出された第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置(原位置)にて留まり続けるようになる。すなわちこの場合、遊技者による操作が演出受付がなされているにもかかわらず(図197(a)に示した状態からやり直しにならないにもかかわらず)、可動体Cが移動しない現象が生じるようになることから、こうした現象の確認を通じて可動体Cの可動範囲CTが延びる方向を推測して操作を行うことができるようになる。
その一方で、第6座標領域Z6(図197(a))において指などの物理オブジェクトが検出されて第7座標領域Z7(図197(b))に設定変更された以降、該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTが延びる方向に移動(第1距離未満の移動)させた場合は、該物理オブジェクトは、上記第1距離よりも短い第2距離を移動するだけで、図197(b)に示される第1駆動座標領域Z7−1から図197(c)に示される第2駆動座標領域Z7−2に到達するようになる。すなわちこの場合、該物理オブジェクトが第2駆動座標領域Z7−2内にて検出されたことに基づいて、可動体Cは、第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置(図197(b))から、第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置(図197(c))に移動することとなる。
ここで、図197(c)に示されるように、可動範囲CT内の第2位置と対向する部分を含んだ第2駆動座標領域Z7−2も、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向と直交する左、右方向については上記第1駆動座標領域Z7−1と同じ距離分だけ広がる範囲を有している。これに対し、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向は、左右方向の長さよりも短くなるように設定されている。
このような構成によれば、第2駆動座標領域Z7−2にて検出されている物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向のいずれとも異なる方向に移動させる場合、該物理オブジェクトは、単一の第2駆動座標領域Z7−2内にて検出されるに留まり易くなり、可動体Cは、移動することなく、該物理オブジェクトが検出された第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置にて留まり続けるようになる。すなわちこの場合、遊技者による操作が演出受付がなされているにもかかわらず(図197(a)に示した状態からやり直しにならないにもかかわらず)、可動体Cが移動しない現象が生じるようになることから、こうした現象の確認を通じて可動体Cの可動範囲CTが延びる方向を推測して操作を行うことができるようになる。
しかも、このように可動体Cの可動範囲CTからズレた左右の範囲にまで第2駆動座標領域Z7−2が広げられて設定されることで、第6座標領域Z6(図197(a))において指などの物理オブジェクトが検出されてから該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTに沿うように移動させるときの操作として適正と判断される基準が緩和されるようになる。これにより、可動体Cにどのような可動範囲CTが設けられているのかを把握していないなかでこれを推測しながら物理オブジェクトを移動させるときの困難性を和らげることができるようになり、遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
なお、可動体Cが第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置に移動したときには、可動体Cが第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置に位置していたときの発光態様(例えば、青色)とは異なる態様(例えば、緑色)で発光させるようにしてもよい。またこの際、可動体Cが第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置まで移動し終わるよりも前の、第2駆動座標領域Z7−2内で物理オブジェクトが検出されたとき(可動体Cが第2駆動座標領域Z7−2に向けて移動し始めるとき)に発光態様を変化(例えば、青色から緑色)させるようにすれば、遊技者による操作が適正に演出受付されたことを早い段階から認識することができるようになり、遊技者の指などによる素早い操作に対して発生することが避けられない可動体の挙動遅れによるイライラ感を抑制することができるようになる。
また、可動体の移動速度を超える速度で物理オブジェクトの移動があった場合、該物理オブジェクトに追従させるように可動体を移動させることはできないが、この場合は、予め定められた移動速度で、最新の検出位置まで移動させる制御を行うこととなる。
そして、遊技者による指などの操作によって第2駆動座標領域Z7−2(図197(c))内にある物理オブジェクトが上方側へと移動して第3駆動座標領域Z7−3(図198(a))内にて検出されると、可動体Cは、第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置(図197(c))から、第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置(図198(a))に移動することとなる。
ここで、図197(c)に示されるように、可動範囲CT内の第3位置と対向する部分を含んだ第3駆動座標領域Z7−3は、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向と直交する左、右方向については上記第1駆動座標領域Z7−1や第2駆動座標領域Z7−2よりも長い距離にわたって広がる範囲を有している。これに対し、可動体Cの可動範囲CTが延びる当該第3駆動座標領域Z7−3内の上下方向は、左右方向の長さよりも短くなるように設定されている。
すなわち上述の通り、表示手段などとは異なり操作方向を指示し得る術を持たない可動体を操作対象とする場合、どのような可動範囲が設けられているのかを把握していないなかでこれを推測しながら物理オブジェクトを移動させなければならない。そこで、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、第1駆動座標領域Z7−1及び第2駆動座標領域Z7−2において、可動体Cの可動範囲CTからズレた左右の範囲にまで演出受付範囲を広げることで、可動体Cの可動範囲CTに沿うように移動させるときの操作として適正と判断される基準を緩和していることも上述した。
しかしながら、第6座標領域Z6(図197(a))において指などの物理オブジェクトが検出されてから該物理オブジェクトを可動体Cの可動範囲CTに沿うように移動させる場合、該第6座標領域Z6から離れるにつれて可動範囲CTからのズレが大きくなる傾向がある。したがって、第3駆動座標領域Z7−3(図198(a))では、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向と直交する左、右方向に、第1駆動座標領域Z7−1や第2駆動座標領域Z7−2よりも長い距離にわたって広がる範囲を有することで、第6座標領域Z6からの物理オブジェクトの移動距離が大きくなり可動範囲CTからのズレも次第に大きくなるような操作であったとしても、これを適正な演出操作として受け付け可能としている。これにより、可動体Cにどのような可動範囲CTが設けられているのかを把握していないなかでこれを推測しながら物理オブジェクトを長い距離にわたって移動させるときの困難性を和らげることができるようになり、遊技興趣の維持を図ることができるようになる。例えば、可動体Cの可動範囲CTとは対向しない座標範囲を物理オブジェクトが上方向に移動した場合であっても、可動体Cは、上方向へと移動するようになる。
なお、可動体Cが第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置に移動するときには、可動体Cが第1位置に位置していたときの発光態様(例えば、青色)や第2位置に位置していたときの発光態様(例えば、緑色)とのいずれとも異なる発光態様(例えば、赤色)で発光させるようにしてもよい。また、可動体Cが第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置まで移動し終わるよりも前の、第3駆動座標領域Z7−3内で物理オブジェクトが検出されたとき(可動体Cが第3駆動座標領域Z7−3に向けて移動し始めるとき)に発光態様を変化(例えば、青色から緑色)させるようにしてもよい。
そして、第4駆動座標領域Z7−4も、これと同様の理由で、可動体Cの可動範囲CTが延びる上下方向と直交する左、右方向に、第3駆動座標領域Z7−3よりもさらに長い距離にわたって広がる範囲を有している。ただし、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、遊技者による指などの操作によって第3駆動座標領域Z7−3内にある物理オブジェクトが上方側へと移動して第4駆動座標領域Z7−4内にて検出された場合、可動体Cを、第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置(図198(a))から、第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置(図198(b))へと必ずしも移動させない。そればかりか、遊技者による指などの操作によって第3駆動座標領域Z7−3内にある物理オブジェクトが上方側へと移動して第4駆動座標領域Z7−4内にて検出された場合、可動体Cを、第3駆動座標領域Z7−3に対応する第3位置(図198(a))から、第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置(図198(c))へと移動させうるものとなっている。
すなわち、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、大当り判定の結果に基づいて、可動体Cを、第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置まで移動可能とするか否かを決定しており、該決定済みとされているなかで、可動体Cを用いたこのような演出を遊技者に対して提供するものとなっている。そして、第6座標領域Z6で検出された物理オブジェクトが遊技者による指などの操作によって第4駆動座標領域Z7−4で検出されたときに、該可動体Cが、第4位置(図198(b))まで移動する演出が現れるのか、それとも第4位置まで移動することなく第1位置(図198(c))に戻ってしまう演出が現れるのかによって期待度(特定結果が得られていることを確定的に示すものであってもよい)を示唆するようにしている。
なお、周辺制御基板1510では、遊技者による指などの操作によって第3駆動座標領域Z7−3内にある物理オブジェクトが上方側へと移動して第4駆動座標領域Z7−4内にて検出された場合、当該第4の操作制御態様における条件が満たされたとして、上記第7座標領域Z7に対する演出受付を終了させる。そして、可動体Cが第4位置まで移動可能である旨決定されているときは、図198(b)に示されるように、演出受付可能とされる領域が設定されていないなかで可動体Cを第4位置まで移動させる制御を行うこととなる。これに対し、可動体Cが第4位置まで移動可能でない旨決定されているときは、図198(c)に示されるように、演出受付可能とされる領域が設定されていないなかで可動体Cを第1位置まで移動させる制御を行うこととなる。
ただしこの際、可動体Cが第4位置まで移動可能である旨決定されている場合であっても、可動体Cが下方向へと一旦移動する動き(可動体Cが第4位置(図198(b))まで移動するか否かの演出)を見せるようにしたり、可動体Cが第4位置まで移動可能でない旨決定されている場合であっても、可動体Cが上方向へと一旦移動する動き(可動体Cが第4位置(図198(b))まで移動するか否かの演出)を見せるようにすることが、遊技興趣の向上を図る上で望ましい。
そして、可動体Cが第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置に移動するときには、可動体Cが第1位置に位置していたときの発光態様(例えば、青色)や第2位置に位置していたときの発光態様(例えば、緑色)や第3位置に位置していたときの発光態様(例えば、赤色)とのいずれとも異なる発光態様(例えば、レインボー色)で発光させるようにしてもよいが、そのタイミングとしては、第1〜第3位置の場合とは異なり、第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが検出されたときではなく、それよりも遅いタイミング(可動体Cの動きから第4位置まで移動することが確定的に把握可能となるタイミング)以降で出現させるようにすることが望ましい。また、これと同様、可動体Cが第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置に移動するときも、第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが検出されたときではなく、それよりも遅いタイミング(可動体Cの動きから第4位置まで移動しないことが確定的に把握可能となるタイミング)以降で発光を終了させるようにすることが望ましい。
周辺制御基板1510は、可動体Cを、第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置に移動させた後は、所定時間の経過後、第1位置(原位置)まで移動させる制御を行うことで、当該第4の操作制御態様が終了されるようになる。
ところで、この第4の操作制御態様では、大当りの期待度にかかわらず、可動範囲CTの第1位置(図197(b))〜第3位置(図198(a))までの間は可動体Cを自在に動かすことが可能である。例えば、可動体Cを第2位置(図197(c))まで移動させた後に物理オブジェクトを第1駆動座標領域Z7−1側に戻すように操作した場合、周辺制御基板1510は、第1駆動座標領域Z7−1で物理オブジェクトが再び検出されたことに基づいて、可動体Cを、第2位置(図197(c))から第1位置(図197(b))まで移動させる制御を行う。また、可動体Cを第3位置(図198(a))まで移動させた後に物理オブジェクトを第2駆動座標領域Z7−2側に戻すように操作した場合、周辺制御基板1510は、第2駆動座標領域Z7−2で物理オブジェクトが再び検出されたことに基づいて、可動体Cを、第3位置(図198(a))から第2位置(図197(c))まで移動させる制御を行うこととなる。
このような構成によれば、可動体Cが第4位置(図198(b))まで移動するか否かの演出として、可動体Cを上下に小刻みに移動させる駆動態様を、遊技者の好みに応じて出現させたり、遊技者の好みに合った時間だけ行うことができるようになることから、演出で最終結果が現れるまでの「間」を操ることができるようになり、遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。なお、第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが検出された以降は、当該第4の操作制御態様に対する演出受付は終了されることから、可動体Cを自在に操ることはできなくなる。
なお、第6座標領域Z6(図197(a))が演出受付可能に設定(制御)されてから所定期間が経過(特定のタイミングが到来)するまでの間に第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが適正に検出されなかった場合は、第6座標領域Z6または第7座標領域Z7に対する演出受付が終了されるようになっている。この際、第4駆動座標領域Z7−4で物理オブジェクトが適正に検出された場合に現れる可動体Cの挙動を生じさせるようにしてもよいし、こうした挙動を生じさせることなく、可動体Cを、予め定められた複数位置(図197(b)に示される第1位置(原位置)に位置させるように制御してもよい。
また、この説明例にかかる第4の操作制御態様では、大当りの期待度にかかわらず、可動範囲CTの第1位置(図197(b))〜第3位置(図198(a))までの間は可動体Cを自在に動かすことを可能としたが、これに代えて、可動範囲CTの第1位置(図197(b))〜第4位置(図198(b))の範囲内で上方側に位置するほど示唆される大当りの期待度が高くなるようにしてもよい。すなわちこの場合、周辺制御基板1510では、大当り判定の結果に基づいて大当り期待度の異なる複数の演出パターンのいずれかを選択し、該選択した演出パターンにより定められる位置(第1位置〜第4位置)まで可動体Cを動作可能に制御することとなる。なおこの際、物理オブジェクトが第1駆動座標領域Z7−1から第2駆動座標領域Z7−2に移動するときや、第2駆動座標領域Z7−2から第3駆動座標領域Z7−3に移動するときにも、可動体Cが次の位置まで移動するか否かの演出(行ったり来たりする挙動)を出現させるようにしてもよい。
また、表示部Dに対する第1〜第3の操作制御態様では、画像S1〜S4を演出受付可能にするときに正面視でこれら画像S1〜S4よりも大きな座標領域Z1〜4を発生させるのに対し、可動体Cに対する第4の操作制御態様では、可動体Cを演出受付可能にするときに正面視で該可動体Cよりも小さな第6座標領域Z6を発生させることとした。すなわち、可動体では、相対的に大きな移動量をもった部位と相対的に小さな移動量をもった部位などを含むことが多いことから、例えば、相対的に小さな移動量をもった部位を演出受付の対象から外すようにすることが遊技興趣の低下を抑制する上で望ましい。これに対し、表示部では、演出受付可能にする画像の大きさに合わせて座標領域を設定しようとすると、操作性を好適に維持するために大きな画像にすることが求められることとなり、他の表示画像とのバランスが悪くなったりすることが懸念されることから、演出受付可能にする画像については座標領域の設定範囲と切り離してその大きさを独自設定するようにすることが望ましい。
ただし、特定の座標領域(ここでは、第1駆動座標領域Z7−1〜第4駆動座標領域Z7−4)内で物理オブジェクトの移動を検出してこれに応じた演出を出現させる制御を行う場合は、例えば、第1駆動座標領域Z7−1で検出されていた物理オブジェクトが移動して、第2駆動座標領域Z7−2や第3駆動座標領域Z7−3を経ることなく第4駆動座標領域Z7−4で突然に検出される事態が生じるようなことも想定される。こうした事態は、例えば、第1駆動座標領域Z7−1で右手を検出対象とした後、この右手を移動させずに第4駆動座標領域Z7−4で左手を検出対象とした場合などに生じうるものであるから、物理オブジェクトは移動していないと判定し、該移動に応じた演出(可動体Cの移動など)を実行すべきではない。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、上述の周辺制御部定常処理(33.3ms毎)を実行しているなかで、4ms毎の割込タイマ処理を発生させ、この割込タイマ処理内で左側外周外光検出部35aからの情報と右側外周外光検出部35bからの情報とをそれぞれ取得して物理オブジェクトが検出された座標位置が示される座標情報として記憶する。そして、上述の周辺制御部定常処理内で、前回の周辺制御部定常処理が終了してから4ms毎に記憶された複数個(8,9個)の座標情報を解析することで特定の座標領域(例えば、第1駆動座標領域Z7−1〜第4駆動座標領域Z7−4)内で物理オブジェクトが適正に移動しているか否かを判定するとともに、該判定の結果に応じてアクチュエータに対する制御データをセットする。そして、1ms毎の割込処理内において、こうしてセットされた制御データに基づいて可動体Cを駆動させる制御が行われることで、可動体Cが、物理オブジェクトが第4駆動座標領域Z7−4まで移動し終わっていない移動途中の段階にあるときから、物理オブジェクトの上記第6座標領域Z6内における正面視での移動に追従するように移動するようになる。なお、座標情報は、座標位置が取得された時系列順に記憶されている。
例えば、第1駆動座標領域Z7−1で物理オブジェクトが検出された後に第4駆動座標領域Z7−4内で物理オブジェクトが検出された場合であっても、該第4駆動座標領域Z7−4内で物理オブジェクトが検出されるよりも前のタイミングで、第2駆動座標領域Z7−2内で物理オブジェクトが検出されたことを示す座標情報と、第3駆動座標領域Z7−3内で物理オブジェクトが検出されたことを示す座標情報とがそれぞれ存在しなければ、物理オブジェクトは適正に移動しなかった旨判定されて、可動体Cを動作させないように制御することとなる。
すなわち、上記第4の操作制御態様にあって、可動体Cが、第1駆動座標領域Z7−1に対応する第1位置から第4駆動座標領域Z7−4に対応する第4位置までの移動を行う場合とは、第1駆動座標領域Z7−1で検出された物理オブジェクトが、第2駆動座標領域Z7−2内、第3駆動座標領域Z7−3内、及び第4駆動座標領域Z7−4内で時系列順でそれぞれ検出されている場合であり、例えば、第3駆動座標領域Z7−3内での検出がなければ、第2駆動座標領域Z7−2に対応する第2位置までしか可動体Cは移動しないようになっている。これにより、特別操作受け部3333に対して適正な操作があった場合に限り、適正な演出を出現させることができるようになる。
また、第4の操作制御態様では、各座標領域Z7−1〜Z7−4で物理オブジェクトが検出されたかに応じて可動体Cを移動させる制御を行うこととしたが、これに限られず、例えば、可動体Cの可動範囲CT内で、第4駆動座標領域Z7−4に向かう方向へのベクトル成分をもった物理オブジェクトの移動が検出されたかに応じて可動体Cを移動させる制御を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、取得された時系列順に記憶されている座標位置に基づいて物理オブジェクトのベクトル成分を解析することとなる。
なお、この第4の操作制御態様で用いられた座標領域の設定制御や、物理オブジェクトの移動検出や、可動体Cの演出制御については、例えば、上述の第3の操作制御態様において、表示部内の画像S4に対して適用するようにしてもよい。
また、上記第3の操作制御態様や第4の操作制御態様では、特別操作受け部3333において物理オブジェクトの移動が開始されてからの該移動に関する検出(演出受付)が終了しておらず未だ継続されている間に、既に検出済みとされた物理オブジェクトの少なくとも移動方向と移動量とに応じた態様で演出対象(表示画像や可動体)を移動させる制御を行うこととした。このような構成では、遊技者自らが演出を作り上げるかのような演出性を生み出すことができるようになることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
ところで、第1の操作制御態様、第2の操作制御態様、第3の操作制御態様、及び第4の操作制御態様において、特別操作受け部3333に対する演出受付は、その際に設定されている座標領域内に限られる。ただし、特別操作受け部3333における物理オブジェクトの検出これ自体は常時(4ms毎に)行われており、検出された座標情報は、取得された時系列に対応付けして記憶されている。そして、周辺制御基板1510では、周辺制御部定常処理(33.3ms毎)内で、時系列に対応付けして記憶されている座標情報に基づいて物理オブジェクトの位置や動きなどを解析する。この点、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、特別操作受け部3333内に物理オブジェクトが検出された場合、解析内容が異なる複数の解析処理のいずれかを実行可能としており、特別操作受け部3333における物理オブジェクトの動きとして同じ動きが検出されたとしても解析結果に応じて異なる制御を行いうるものとなっている。
図199は、周辺制御部定常処理内で実行される物理オブジェクトの検出情報解析処理について、その制御例を示すフローチャートである。
すなわち、周辺制御基板1510では、まず、大当り判定の結果に応じた特定の演出条件が満たされたことに基づいて発生する操作演出受付期間にあるか否かを判断する(ステップS3301)。そしてこの結果、操作演出受付期間にある場合は、上述の通り、時系列に対応付けして記憶されている座標情報に基づいて、演出受付可能とされる座標領域内で物理オブジェクトが検出されているか否かを解析するとともに、演出受付可能とされる座標領域内に物理オブジェクトが検出されている場合には該物理オブジェクトの移動態様や大きさなどをさらに解析する(ステップS3302)。そして、こうした演出用の解析結果に基づいて、演出受付可能とされる座標領域に関する制御(再設定や、終了)や、表示画像や可動体などの演出対象に演出変化を生じさせる制御や、現状の演出状態を維持する制御を行うこととなる(ステップS3303)。なお、ステップS3302の処理が行われた結果、演出受付可能とされる座標領域内に物理オブジェクトが検出されなかった場合であっても、演出受付可能とされる座標領域に関する制御(再設定や、終了)や、表示画像や可動体などの演出対象を原位置に戻す制御(例えば、可動体Cを図197(a)に示される第1位置に移動させる制御)などを行う場合がある。
これに対し、ステップS3301の処理において、特別操作受け部3333に対して演出受付可能とされる座標領域が設定されている操作演出受付期間にない旨判断された場合は、上記演出用の解析内容とは異なる内容で解析を行う(ステップS3312)。すなわち、この実施の形態にかかる特別操作受け部3333は、遊技盤5全域と対向するかたちで設けられている。したがって、遊技球の入賞を不正に容易化させるべく特別操作受け部3333のうち各種の入賞口と対向する座標位置に磁石を置く行為や、扉枠3とガラス板192との隙間から針金などを侵入させて不正時に警報音を発するスピーカを破壊するような行為などが行われることが想定されうる。
そこで、上記ステップS3312の処理では、時系列に対応付けして記憶されている座標情報に基づいて、特別操作受け部3333内で不正行為が行われている可能性があるかについての解析を行うようにしている。例えば、特別操作受け部3333内で物理オブジェクトが検出されているか否かを判断するとともに、特別操作受け部3333内で物理オブジェクトが検出されている場合には該物理オブジェクトの移動態様や大きさなどが不正行為が行われているときに現れうる移動態様や大きさなどと一致するかを解析する。そして、こうした不正対策用の解析結果、不正行為が行われている可能性がある旨判定された場合は、不正行為が行われている旨を示す外部出力を実行したり警報音や警報光を発するなどの不正対策が行われるように制御し(ステップS3313)、不正行為が行われている可能性がある旨判定されなかった場合は、こうした不正対策が行われないように制御する(ステップS3313)。
このような不正対策用の解析手順(ステップS3312)としては、例えば、まず、特別操作受け部3333内で物理オブジェクトが検出されたときに、該検出された座標位置を解析用基準位置として設定(記憶)する。次いで、該解析用基準位置を含んで該解析用基準位置から所定距離分だけ広がる解析用座標範囲を設定し、上記検出された物理オブジェクトが該解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けるか(物理オブジェクトがほとんど移動しないか)を監視する。そしてこの結果、上記検出された物理オブジェクトが該解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けた場合は、該解析用座標範囲内で何らかの不正行為が行われている可能性がある旨判定するようにする手法を採用することが可能である。なおこの際、物理オブジェクトの大きさが不正行為を行い得ない大きさ(極めて薄い形状をしているなど)であるときには、こうした移動態様が検出された場合であっても不正行為が行われている可能性がある旨判定しないようにしてもよい。これにより、ガラス板192に汚れなどが付着したときに誤って不正報知されるようなことを抑制することができるようになる。
このような構成によれば、操作演出受付期間にある場合は、あらゆる行為が行われていたとしても不正行為として判断されることはなく、演出行為としてのみの解析が行われて該解析の結果に応じた演出制御が行われるのに対し、操作演出受付期間にない場合は、あらゆる行為を不正行為の解析対象として判定し、該解析の結果に応じた不正対策用の制御が行われうるようになる。したがって、特別操作受け部3333において一の事象(例えば、30秒にわたって特定の座標領域にて物理オブジェクトが検出される事象)が発生してこれが検出された場合であっても、演出状況によっては、演出行為とみなされて特定の演出変化を生じさせることもあれば、不正行為とみなされて不正報知されてしまうこともありえるようになる。このように、一の検出情報を、異なる複数の目的(ここでは、演出目的と不正対策目的)に遊技や演出の状況に応じて使い分けるようにしたことで、より少ない検出情報でより多くの目的を達成し得るようになり、効率的な制御構造を実現することができるようになる。
なお、この説明例では、大当り判定の結果に応じた特定の演出条件が満たされたことに基づいて発生する操作演出受付期間にないときは、特別操作受け部3333に対する操作によって演出変化を生じさせないものとして説明したが、該操作演出受付期間にないときにも(常時)、特別操作受け部3333における物理オブジェクトの検出によって表示画像が変化したり、可動体が発光、移動したりするようにしてもよい。ただしこの場合、操作演出受付期間にないときは、あらゆる行為を不正行為の解析対象として判定するほか、演出行為の解析対象としても判定し、これらの判定の結果に応じた制御をそれぞれ行うこととなる。したがって、特別操作受け部3333において一の事象が発生したときに演出変化と不正報知との両方が出現しうるようになる。
また、物理オブジェクトが解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けるかの監視をしている途中段階で、大当り判定の結果に応じた特定の演出条件が満たされたことに基づいて操作演出受付期間が発生した場合は、当該不正対策用の解析処理を終了させず、物理オブジェクトが解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けるかの監視を、該操作演出受付期間が発生した以降も継続して行うようにすることが望ましい。すなわちこの場合、操作演出受付期間にあるときに、演出用の解析処理とその結果に応じた制御を行うほか、物理オブジェクトが解析用座標範囲内に所定時間(例えば、30秒)にわたって留まり続けるかの監視を継続し、該監視の結果によっては不正報知を行うこととなる。
ところで、特別操作受け部3333において第1の演出事象(例えば、可動体を移動させる演出)に関する演出受付が許容される第1演出期間にあるときに、特別操作受け部3333とは異なる操作手段(例えば、操作ボタン410)において第2の演出事象(例えば、表示画像を変化させる演出)に関する演出受付が許容される第2演出期間をさらに発生させる制御を行うようにしてもよい。
例えば、図200(a)に示されるように、タイミングt1において、特別操作受け部3333において第1の演出事象(例えば、可動体を移動させる演出)に関する演出受付(パネル操作受付)が許容される第1演出期間が発生したとする。なお、この第1演出期間では、当該期間が発生してから第1の受付時間が経過したタイミングt2が到来するまでの間、特別操作受け部3333において物理オブジェクトの移動が開始されてからの該移動に関する検出(解析)が終了しておらず未だ継続されている間に、既に検出(解析)済みとされた物理オブジェクトの少なくとも移動方向と移動量とに応じた態様で可動体を動作させる制御(例えば、物理オブジェクトの移動に追従するように特定の可動体を移動させる制御など)が実行可能とされる。
この点、周辺制御基板1510では、大当り判定の結果に基づいて特定の演出条件が満たされた旨判断した場合は、上記第1演出期間を発生させてこれが未だ終了されずに継続されている間に、特別操作受け部3333とは異なる操作手段(例えば、操作ボタン410)において第2の演出事象(例えば、表示画像を変化させる演出)に関する演出受付(ボタン操作受付)が許容される第2演出期間を発生させるように定められている演出パターンや予告演出などを設定する制御を実行可能としている。
すなわちこの場合、第1演出期間が発生している間にタイミングt11が到来すると、操作ボタン410において第2の演出事象(例えば、表示画像を変化させる演出)に関する演出受付(ボタン操作受付)が許容される第2演出期間を発生させる制御を行う。そして、こうして第2演出期間が発生してから第2の受付時間が経過したタイミングt12が到来するまでの間に操作ボタン410に対する操作が受け付けられたときには、その時点で当該第2演出期間を終了させる。若しくは、タイミングt12が到来するまでの間に操作ボタン410に対する操作が受け付けられたなかったときには、タイミングt12が到来したときに当該第2演出期間を終了させることとなる。
このような構成によれば、第1の演出事象に関する演出受付が第1の操作部位(ここでは、特別操作受け部3333)で許容される第1演出期間と、第2の演出事象に関する演出受付が第2の操作部位(ここでは、操作ボタン410)で許容される第2演出期間との両方が同時発生するようになる(図200(a)に示されるタイミングt11〜t12)。しかも、上記構成では、第1演出期間と第2演出期間との終了タイミングが異なっており、第1演出期間に遅れて発生した第2演出期間のほうが先に終了されるようになっている。すなわちこの場合、第1演出期間に遅れて第2演出期間が発生すると、第1の操作部位を操作している途中であったとしても該操作を中断して第2の操作部位を操作するか、第1の操作部位と第2の操作部位とを同時に異なる態様で操作することが求められることとなり、これまでに無い面白みのある演出操作性を提供して遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
なお、このような演出操作性を好適に実現する上では、図200(b)に示されるように、第2の演出事象に関する演出受付(相対的に短時間の経過で終了される側の演出受付)については、第2の操作部位(ここでは、操作ボタン410)で所定回数(好ましくは1回)や所定量の操作(有限量の操作)が行われたことが検出されたときに演出実行条件が満たされたとして、それ以降は操作を必要とせずに第2の演出事象(例えば、表示画像を変化させる演出動作)を発生させる制御を行うようにすることが望ましい。例えば、操作ボタン410に対して1回の押圧操作が検出されると、タイミングt12が到来するよりも前に第2演出期間を終了させ、これ以降は操作を必要とせず、表示画像に演出変化を生じさせる制御などがこれに該当する。
これに対し、第1の演出事象に関する演出受付(相対的に長時間の経過で終了される側の演出受付)については、少なくとも第2演出期間が終了するまでの間、さらにはそれ以降も第1の操作部位に対する操作回数や操作量などにかかわらず第1の演出事象に関する演出受付を終了させずに継続し、該継続されている間に第1の操作部位に対する操作が行われる都度、該操作に応じた演出変化を反映させる制御を行うようにすることが望ましい。例えば、特別操作受け部3333内で検出される物理オブジェクトの移動を解析し、該物理オブジェクトの移動態様(移動量など)に応じて演出受付を終了させることなくこれを継続し、こうして物理オブジェクトの移動が定期的(33.3ms毎)に解析される都度、該解析された最新の座標位置まで可動体を移動させる処理を繰り返し実行する制御などがこれに該当する。
このような構成によれば、第1演出期間に遅れて第2演出期間が発生したときに第1の操作部位に対する操作を中断した場合であっても、第1の操作部位に対する操作機会は失われないことを好適に保証することができることから、該中断による遊技興趣の低下が抑制されるようになる。また、第1の操作部位に対する操作を中断した後、第2の操作部位を操作すれば比較的早い段階で第2演出期間を終了させることができ、それ以降は該第2の操作部位に対する操作を必要とせずに該操作に応じた演出変化(第2の演出事象)が生じるようになることから、第1の操作部位に対する操作を比較的早い段階で再開させることができるようになり、第1の操作部位に対する操作機会についてもこれが好適に確保されるようになる。
そしてこの場合、第1の操作部位に対する操作が再開される状況では、第2の操作部位に対する操作に応じた演出変化(第2の演出事象)が今まさに開始されるところとなり、第1の操作部位に対する操作機会が提供されるなかで第2の演出事象を楽しむことができる、といった特殊な演出状況を発生させることができるようになる。この点、「第2の操作部位に対する操作を行うと特定表示画像の大きさが変化する演出事象が発生するようにしておき、第1の操作部位に対する操作を行うと特定表示画像が特定位置まで移動する演出事象が発生するようにする」など、上記第2の演出事象の演出対象の態様に影響を及ぼすこと(変化させること)を上記第1の演出事象として設定するようにすれば、上記特殊な演出状況において、第1の操作部位に対する操作によって上記第2の演出事象の演出対象の態様を変化させながら、第2の演出事象を楽しむことができるようになり、よりダイナミックで自由度の高い操作性とこれに適した演出性とが実現されるようになる。
ここで、第1の操作部位に対する操作を行ったときに上記第2の演出事象の演出対象の態様に影響を及ぼすこと(変化させること)の例としては、例えば、第2の演出事象の演出対象(表示画像や、可動体など)の移動量、移動方向、移動速度、発光態様(光の色や進行方向、光量など)、大きさ、または形状の少なくとも1つを変更することを挙げることができるが、これらに限られず、第2の演出事象の演出対象(表示画像や音響演出、可動体など)に何らかの影響を及ぼすことができるものであればよい。すなわち、第1の操作部位に対する操作演出の対象と、第2の操作部位に対する操作演出の対象とを同じ演出対象にしながらも、該演出対象に生じさせる演出の態様(例えば、第1の操作部位に対する操作演出では大きさを変化させ、第2の操作部位に対する操作演出では表示位置を変化させる)を互いに異ならせるようにしておけばよい。また、第1演出期間については、必ずしも有限の時間として設定されるものでなくてもよく、第2演出期間が終了した以降も第1の操作部位に対する操作を受け付けるものであり、第2の演出事象が発生しているときに第1の操作部位に対する操作を行うことができるものであればよい。
また、第1演出期間と第2演出期間との両方が同時発生している期間では、第1の演出事象に関する演出受付と第2の演出事象に関する演出受付とのうち、第2の演出事象に関する演出受付についてのみ、操作指示を促す表示や、上記第2演出期間としての最大残り時間を示唆する表示を行うようにすることが、第1の操作部位に対する操作の中断を好適に促すようにする上で望ましい。
なお、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、こうした演出の関係性を好適に実現するために、第1演出期間に遅れて第2演出期間を発生させる制御を行うことはあっても、第2演出期間に遅れて第1演出期間を発生させることはないように制御することとしている。
また、上記説明例では、第1演出期間と第2演出期間との両方が同時発生するようにしたが、第1演出期間に遅れて第2演出期間が発生する場合は、第1演出期間を一時終了させ、第2演出期間が終了するときに第1演出期間を再び発生させるようにしてもよい。この場合であっても、第1の操作部位に対する操作を行ったときに上記第2の演出事象の演出対象の態様に影響を及ぼすようにした上述の操作性と演出性とを実現することは可能である。
また、上記説明例では、第1の操作部位に対する操作が行われる都度、該操作に応じた演出変化を反映させる制御を行うこととしたが、第1の操作部位に対して複数回の操作があったときに、該操作に応じた演出変化を反映させる制御を行うようにしてもよい。
そして、この実施の形態にかかる周辺制御基板1510では、上述した各説明例にかかる制御手法を適宜に用いて、以下のような様々な操作受付演出を実現可能としている。
[特別操作受け部3333を用いた演出例1]
例えば、いま、図201(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて演出例1の演出パターン(演出例1の変動パターン)が設定され、表示部Dにおいて該演出例1の演出パターンで装飾図柄SZの変動が行われているとする。すると、周辺制御基板1510では、該演出例1の演出パターンが現れている期間内において、特別操作受け部3333のうち可動体A1,A2と対向する座標領域(図示略)を演出受付可能に設定(制御)する操作演出期間を発生させる。
ここで、演出例1の演出パターンとしては、少なくとも、可動体A1を動作させるように定められている演出例1の演出パターンA1と、可動体A2を動作させるように定められている演出例1の演出パターンA2とが含まれている。ただし、可動体A1は、遊技盤5の表側にて遊技者側から視認可能に設けられているのに対し、可動体A2は、遊技盤5の背後側で遊技者側から視認し難くされており且つ正面視で可動体A1と重なる位置にて設けられている。したがって、周辺制御基板1510では、上記演出例1の演出パターンとしていずれの演出パターンA1,A2が行われる場合であっても、表示部Dにおいては、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライドさせる操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG1を表示することとしている。またこれも同様、いずれの演出パターンA1,A2が行われている場合であっても、可動体A1を発光させてこれと対向する座標領域(図示略)を操作すべき旨を示唆するようにしている。
そして、演出パターンA1が行われているなかでこうしたスライド操作が適正に受け付けられた場合、周辺制御基板1510では、図201(b)に示されるように、遊技者によるスライド操作に追従させるかたちで可動体A1の左方向への移動を開始させるように制御する。なおこの状況においても、表示部Dでは、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライド操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG1が表示されるとともに、可動体A1は、発光状態にされている。
そして、演出パターンA1が行われているなかでこうしたスライド操作が特定箇所まで達すると、周辺制御基板1510では、図202(a)に示されるように、遊技者によるスライド操作に追従させるかたちで可動体A1を特定の演出位置まで移動させた後、該可動体A1に対する演出受付が許容される操作演出期間を終了させるように制御する。なおこの状況においては、表示部Dでは、可動体A1を特定の演出位置まで移動させることに成功して大当り判定に対する期待度が高いことが示唆される表示が現れるとともに、可動体A1では、発光の態様や形状が変化するなどの演出が行われるようにすることが望ましい。
ただし、演出パターンA1が行われているなかで遊技者によるスライド操作が特定箇所まで達した場合であっても、所定の演出条件が満たされていない場合は、周辺制御基板1510では、図202(b)に示されるように、遊技者のスライド操作に対する可動体A1の追従移動が中断されるべく可動体A1に対する演出受付が許容される操作演出期間を終了させ、該可動体A1を原位置に戻すように移動させる制御を行う。そしてこの場合、表示部Dでは、可動体A1を特定の演出位置まで移動させることに失敗して大当り判定に対する期待度が低いことが示唆される表示が現れるとともに、可動体A1では、発光が終了されるように制御することとなる。
これに対し、演出パターンA2が行われているなかで遊技者のスライド操作が適正に受け付けられた場合、周辺制御基板1510では、図201(c)に示されるように、遊技者によるスライド操作に追従させるかたちで可動体A2の左方向への移動を開始させるように制御する。なおこの状況においても、表示部Dでは、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライド操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG1が表示されるとともに、可動体A1は、発光状態にされている。ただしこれに加えて、可動体A2も、発光状態にされるように制御されている。
そして、演出パターンA2が行われているなかでこうしたスライド操作が特定箇所まで達すると、周辺制御基板1510では、図202(c)に示されるように、遊技者によるスライド操作に追従させるかたちで可動体A2を特定の演出位置まで移動させた後、該可動体A2に対する演出受付が許容される操作演出期間を終了させるように制御する。なおこの状況においては、表示部Dでは、可動体A2を特定の演出位置まで移動させることに成功して大当り判定に対する期待度が極めて高いことが示唆される表示が現れるとともに、可動体A2では、発光の態様や形状が変化するなどの演出が行われるようにすることが望ましい。
ただし、演出パターンA2が行われているなかで遊技者によるスライド操作が特定箇所まで達した場合であっても、所定の演出条件が満たされていない場合は、周辺制御基板1510では、図202(b)に示されるように、遊技者のスライド操作に対する可動体A2の追従移動が中断されるべく可動体A2に対する演出受付が許容される操作演出期間を終了させ、該可動体A2を原位置に戻すように移動させる制御を行う。そしてこの場合、表示部Dでは、可動体A2を特定の演出位置まで移動させることに失敗して大当り判定に対する期待度が低いことが示唆される表示が現れるとともに、可動体A1,A2では、発光が終了されるように制御することとなる。
このような演出例1によれば、可動体A1が動作するかのように見せる図201(a)に示される状況が現れているなかで、遊技者によるスライド操作が行われると、可動体A1ではなく、視認し難くされていた可動体A2が突然に登場するかたちで移動するようになることから、このような演出対象が入れ替わったかのようなサプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、図示は割愛するが、このような演出例1によれば、図201(a)の状況が現れてから図201(c)の状況が現れるまでの期間内で、遊技者によるスライド操作によって可動体A2が移動開始しているもののこれが未だ視認し難い位置(遊技盤5の背後側)にあり、遊技者側から見ると、何らの演出変化も発生していないかのように見える状況が現れうるようになる。すなわちこの場合、遊技者によるスライド操作が適正に行われているにもかかわらず何らの演出変化も発生していないことへの落胆を生じさせてから、可動体A2が表示部Dの前方側へと出現するようになることから、このようなサプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下がより好適に抑制されうるようになる。
また、上記演出例1では、図202(a),(c)に示されるように、可動体A1,A2を、変動状態にある装飾図柄SZと重なる位置にまで進出させるようにしていることから、装飾図柄SZから可動体A1,A2へと遊技者による注視を移すことが促されるようになり、可動体A1,A2のいずれが出現したのかを見逃し難くすることができるようになる。
しかも、上記構成では、可動体A1が出現した場合と可動体A2が出現した場合とで装飾図柄SZと重なる態様が異なるようになっていることから、装飾図柄SZから可動体A1,A2へと遊技者による注視を移すことに失敗した場合であっても、装飾図柄SZが視認し難くされた部分の大きさや位置などを確認することで、可動体A1,A2のいずれが出現したのかを予測することができるようになり、可動体A1,A2のいずれが出現したのかを見逃したときの遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
なお、上記演出例1では、可動体A1を遊技盤5よりも前側に配設するとともに、可動体A2を遊技盤5よりも背後側に配設することとしたが、遊技盤5よりも前側に可動体A1,A2をいずれも配設することとしてもよいし、遊技盤5よりも背後側に可動体A1,A2をいずれも配設することとしてもよい。
ここで、遊技盤5よりも前側に可動体A1,A2をいずれも配設する場合は、可動体A2を視認し難くなるようにその前側に可動体A1を配設することとなり、該可動体A1が移動するときにもその可動ベース部(移動しない部分)などが可動体A2の前側にて位置し続けるようにすることで、可動体A2の視認し難さを維持することが望ましい。
これに対し、遊技盤5よりも背後側に可動体A1,A2をいずれも配設する場合は、遊技者による操作によって可動体A1,A2のいずれが現れるかについての楽しみを付与することができるようになる。なおこの場合は、遊技盤5のうち可動体A1,A2の前側に位置する部分を発光させるようにして、該部分に対向する座標領域(特別操作受け部3333)への操作を促すようにすることが望ましい。
また、上記演出例1では、可動体A1,A2の可動方向(左方向)が同じになるように設定することとしたが、これに限られない。例えば、可動体A1の可動方向を左方向に設定し、可動体A2の可動方向を上方向に設定した場合は、左方向を示唆する操作指示(示唆画像HG1)に促されて左方向に遊技者によるスライド操作が行われたにもかかわらず、可動体A2が上方向に移動することとなり、このようなサプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下がより好適に抑制されうるようになる。若しくは、可動方向が左方向に設定されている可動体A1に対する操作が促されているにもかかわらず、上方向を示唆する操作指示を出現させるようにして、上方向に遊技者によるスライド操作が行われると、視認し難くされていた可動体A2が上方向に移動して出現するようにしてもよい。
また、上記演出例1では、遊技者による操作によって可動体A2が出現するとき、可動体A1が動作しないようにしたが、これに限られない。例えば、遊技者による操作によって可動体A2を移動させるときに可動体A1も遊技者によるスライド操作に追従して移動させるようにする。そして、可動体A1,A2が所定距離だけ移動した後、可動体A1のみを原位置まで戻るように移動させるようにしても、サプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下がより好適に抑制されうるようになる。若しくは、遊技者による操作によって可動体A2を移動させるにあたり、まずは、可動体A1のみを遊技者によるスライド操作に追従して移動させるようにする。そして、可動体A1が所定距離だけ移動した後、可動体A1を原位置まで戻るように移動させるとともに、可動体A2を遊技者によるスライド操作に追従して移動させるようにしても、サプライズ性のある可動演出によって遊技興趣の低下がより好適に抑制されうるようになる。ただし、遊技者による操作対象を可動体A1,A2の間で入れ替える際には、遊技者による操作を所定箇所にて所定時間(可動体A2が所定箇所に移動するまでに要する時間)にわたって留まらせる演出を実行するようにすることが望ましい。
また、上記演出例1では、可動体A2が移動している状況において(図201(c)、図202(c)を参照)、可動体A1及び可動体A2をそれぞれ発光させることとしたが、該状況においては可動体A1は必ずしも発光しなくてもよい。すなわちこの場合、可動体A1と対向する座標領域(特別操作受け部3333)で物理オブジェクトの検出があったタイミングや、可動体A2が表示部Dの前方側へと進出を開始して原位置にあるときよりも視認し易くされたタイミング(所定位置まで移動したタイミング)などで可動体A1の発光を終了させる制御を行うこととなる。
また、上記演出例1やその別例では、可動体A2を、可動体A1と正面視で重なる後方側に配設することとしたが、可動体A1に代えて盤面発光部Eを配設するようにしてもよい。すなわちこの場合、可動体A2を移動させるにあたり(図201(a)に示される状況において)、可動体A2の前側に位置する盤面発光部Eを発光させることで、視認し難い状態にある可動体A2と対向する座標領域(特別操作受け部3333)への操作を促すこととなる。
また、上記演出例1にかかる表示部Dでは、図201(a)〜(c)に示される各状況において、可動体A1,A2の位置する箇所にかかわらず、示唆画像HG1においては一の演出状況(いずれの可動体も動作していない初期状況)を示すようにした。ただしこれに代えて、可動体A1,A2の位置する箇所に応じて示唆画像HG1の表示態様を変化させ、該示唆画像HG1を見るだけでも可動体A1,A2の移動状況を認識可能とするようにしてもよい。
[特別操作受け部3333を用いた演出例2]
例えば、いま、図203(a)に示されるように、大当り判定の結果に基づいて演出例2の演出パターン(演出例2の変動パターン)が設定され、表示部Dにおいて該演出例2の演出パターンで装飾図柄SZの変動が行われているとする。すると、周辺制御基板1510では、該演出例2の演出パターンが現れている期間内において、特別操作受け部3333のうち可動体A1と対向する座標領域(図示略)を演出受付可能に設定(制御)する操作演出期間を発生させる。
ここで、演出例2の演出パターンとしては、少なくとも、可動体A1を動作させるように定められている演出例2の演出パターンA1と、可動体A1と可動体Bとをそれぞれ動作させるように定められている演出例2の演出パターンABとが含まれている。そして、演出例2の演出パターンA1では、上述の演出例1の演出パターンA1の場合と同様、図201(a),(b)、及び図202(a)(若しくは、図202(b))に示される態様で可動体A1に対する操作演出の受付機会が提供されて、可動体A1が移動するようになっている。これに対し、演出例2の演出パターンABでは、可動体A1に対する操作演出の受付機会が提供された後、可動体Bに対する操作演出の受付機会が提供されるようになっている。したがって、周辺制御基板1510では、上記演出例2の演出パターンとしていずれの演出パターンA1,ABが行われる場合であっても、表示部Dにおいては、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライドさせる操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG1を表示することとしている。またこれも同様、いずれの演出パターンA1,ABが行われている場合であっても、可動体A1を発光させてこれと対向する座標領域(図示略)を操作すべき旨を示唆するようにしている。
ただし、演出例2の演出パターンABでは、可動体A1と対向する座標領域(図示略)への操作が受け付けられると(物理オブジェクトが検出されると)、可動体A1に対して特定の演出事象を発生させず、まずは、図203(b)に示されるように、表示部Dにおける示唆画像HG1を非表示にし、可動体A1と対向する座標領域における演出受付を中断させる制御を行う。なおこの際、表示部Dにおける装飾図柄SZについては、視認可能ではあるものの視認し難い態様で表示(半透明での表示など)されるようにすることが望ましく、可動体A1の発光状態も中断させるようにすることが望ましい。
そして次に、図203(c)に示されるように、こうして示唆画像HG1が非表示にされた表示部Dにおいて、特別操作受け部3333とは別の操作手段(操作ボタン410など)に対する操作を促す操作指示画像SGを表示するとともに、該別の操作手段(操作ボタン410など)を用いた特定演出の操作受付期間を発生させる。そして、該特定演出の操作受付期間において別の操作手段(操作ボタン410など)に対する操作が受け付けられると、図204(a)に示されるように、表示部Dにおける操作指示画像SGを非表示にするとともに、当初演出対象として示されていた可動体A1とは異なる可動体Bを動作させるように制御する。なお、この演出例2では、表示部Dの前方側まで可動体Bを所定時間だけ進出させるようにしている。
そして、演出例2の演出パターンABでは、こうして可動体Bが動作した後に、図204(b)に示されるように、表示部Dにおいて、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライドさせる操作を行うべき旨を示唆する示唆画像HG2を表示するとともに、特別操作受け部3333のうち可動体A1と対向する座標領域(図示略)を演出受付可能に設定(制御)する操作演出期間を再び発生させる。なおこの際、可動体A1の演出操作の機会が再び付与されることとなるが、図203(a)に示される状況が現れた以降、可動体Bが動作せずに可動体A1が動作する上記演出例2の演出パターンA1よりも、可動体Bが動作した後に可動体A1が動作する当該演出例2の演出パターンABのほうが期待度が高くなるように設定することが望ましい。そしてこの場合、図204(b)に示されるように、示唆画像HG2の表示態様を、図203(a)に示した示唆画像HG1と異なるようにして期待度が高い演出パターンであることを示唆するようにしたり、可動体A1の発光態様を、図203(a)に示した可動体A1の発光態様と異なるようにして期待度が高い演出パターンであることを示唆するようにすることが望ましい。
なお、演出例2の演出パターンABでは、図204(b)に示される状況が現れた以降は、上述の演出例1の演出パターンA1の場合と同様、図201(b)、及び図202(a)(若しくは、図202(b))に示される態様で可動体A1に対する操作演出の受付機会が提供されて、可動体A1が移動するようになっている。また、図204(b)に示される状況が現れた以降、上述の演出例1の演出パターンA2の場合と同様、図201(c)、及び図202(c)(若しくは、図202(b))に示される態様で可動体A1に対する操作演出の受付機会が提供されて、可動体A1が移動する演出パターンが現れるようにしてもよい。
特に、この演出例2の演出パターンABでは、図204(b)に示したように、期待度が高い演出パターンであることを示唆する示唆画像HG2を出現させたり、可動体A1の発光態様を異ならせるようにしていることから、可動体A1と対向する座標領域(図示略)において可動体A1の可動方向(ここでは、左方向)にスライドさせる操作を行ったときに現れる可動演出としてもこれを演出例2の演出パターンA1の場合とは異なる特別な実行態様で行うようにすることが望ましい。
このような演出例2の演出パターンABによれば、第1の操作部位(ここでは、特別操作受け部3333)を用いた第1の演出機会をまずは付与する(この状況では、第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)に対する第2の演出機会は付与されていない)にもかかわらず、第1の操作部位を操作してこれが演出受付されると、該第1の操作部位とは異なる第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)に対する第2の演出機会が付与されて上記第1の演出機会は一旦喪失されるようになる。そして、第1の演出機会が一旦喪失されている状況において第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)を操作してこれが演出受付されると、該演出受付に応じた第2の演出事象(ここでは、可動体Bの動作)が発生するようになる。すなわちこの場合、第1の操作部位に対する演出受付がなされたときに第2の操作部位に対する第2の演出機会が付与されるか否かについての演出性を生じさせることができるようになり、複数の操作部位を用いた斬新な操作性が提供されるようになる。
なお、このような複数の操作部位を用いた斬新な操作性を好適に実現する上では、第2の操作部位については常には物理的に操作し難い態様にて設けるようにすることが望ましい。そして、第2の操作部位に対する第2の演出機会を付与する旨判断された場合は、第1の操作部位に対する演出受付がなされたことに基づいて第2の操作部位を物理的に操作し難い態様から操作し易い態様へと制御し、該操作し易い態様にあるときに該第2の操作部位に対する演出受付を許容するようにすることが望ましい。ここで、「物理的に操作し難い態様」とは、例えば、第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)が他の部材によって覆われて操作困難とされる態様や、第2の操作部位が既に操作されたときの状態で位置している態様などのことであり、「物理的に操作し難い態様から操作し易い態様へと制御」とは、例えば、第2の操作部位これ自体を他の部材によって覆われない位置まで動作させる制御や、第2の操作部位を覆っている他の部材を該第2の操作部位を覆わない位置まで動作させる制御や、第2の操作部位を操作されたときの状態とは異なる位置まで動作させる制御などとして実現可能である。またこの場合、第2の操作部位を物理的に操作し難い態様から操作し易い態様へと制御する契機としては、必ずしも第1の操作部位に対する演出受付がなされたときでなくてもよく、特定の演出パターンが実行されてから特定の時間が経過したときなどであってもよい。いずれにしろ、第1の操作部位に対する演出受付がなされたときに第2の操作部位に対する第2の演出機会を付与するにあたり、第2の操作部位これ自体やその近傍に設けられる部材を動作させるようにすることは、第1の操作部位から第2の操作部位へと操作の対象が変更されたことや該変更によって期待度が高くなることを示唆する上で望ましい。
また、上記演出例2の演出パターンABでは、第1の操作部位(ここでは、特別操作受け部3333)を用いた第1の演出機会を付与した後、第1の操作部位を操作してこれが演出受付されたことに基づいて第2の演出機会を付与することとした。ただし、第1の操作部位(ここでは、特別操作受け部3333)を用いた第1の演出機会を付与してから(若しくは、示唆画像HG1を表示してから)所定時間の経過後に該第1の操作部位とは異なる第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)に対する第2の演出機会が付与されて上記第1の演出機会が一旦喪失されるようにしてもよい。なおこの場合、所定時間が経過するまでの間は第1の操作部位に対する操作によって第1の演出事象を発生させることとなるが、所定時間が経過したことに基づいて第1の演出事象を終了(演出対象が可動体である場合は、可動体を原位置まで戻すように制御)させることとなる。若しくは、第1の操作部位を用いた第1の演出機会は付与せず、示唆画像HG1を表示してから所定時間の経過後に該第1の操作部位とは異なる第2の操作部位(例えば、操作ボタン410)に対する第2の演出機会が付与されるようにしてもよい。すなわちこの場合、示唆画像HG1が表示されているにもかかわらず第1の操作部位に対する操作によって演出受付がなされないときの遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、上記演出例2の演出パターンABでは、示唆画像HG1を表示した後、該示唆画像HG1を非表示にすることとしたがこれに限られず、例えば、示唆画像HG1を表示したままで図203に示される操作指示画像SGをさらに表示するようにしてもよい。このような構成によれば、示唆画像HG1がより期待度の高い示唆画像HG2に変化する様子を描写することができることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。ただしこの際、第1の操作部位に対する演出受付が行われない状態において示唆画像HG1を表示する場合は、該示唆画像HG1の表示態様を変化(例えば、カラー表示から白黒表示にしたり、半透明などの相対的に視認し難い表示態様にしたりするなど)させるようにすることが望ましい。またさらに、示唆画像HG1の表示残り時間(第1の操作部位に対する演出受付がなされる残り時間)が示される計時画像を併せて表示させておき、第1の操作部位に対する演出受付が行われない状態においては該残り時間が減少しない様子を該計時画像によって示すようにすれば、第1の操作部位に対する演出受付が行われる残り期間が減らない状態にあることを遊技者に認識させることができるようになり、安心して別の操作手段(例えば、操作ボタン410)を用いた遊技を楽しませることができるようになる。なおこの場合、第1の操作部位に対する演出受付が行われない状態にあるにもかかわらず該演出受付がなされる残り時間が所定量だけ減少したように見せてから、該残り時間が減少しない様子を上記計時画像によって示すようにすれば、より面白みのある演出性を提供することができるようになる。
また、上記演出例2の演出パターンABでは、示唆画像HG1を表示した後、第1の操作部位に対する演出受付が行われたことに基づいて第1の操作部位に対する演出受付が行われない所定の期間を発生させ、該所定の期間において示唆画像HG1の表示態様を変化(例えば、カラー表示から白黒表示にしたり、半透明などの相対的に視認し難い表示態様にしたりするなど)させるとともに、計時画像によって残り時間が減少しない様子(表示メータが減少せず静止状態になるなど)を示すようにしてもよい。またこの際、表示部Dにおける示唆画像HG1とは異なる画像の表示態様も変化させるようにすることが望ましい。なおこの場合、第2の演出機会が提供された後に所定の期間が終了すると、示唆画像HG1の表示態様をより期待度の高い態様に変化させ、第1の操作部位に対する演出受付が再び行われるようにしてもよい。
また、上記演出例2の演出パターンでは、可動体A1を演出対象とする操作を促す示唆画像HG1を表示した後(若しくは、示唆画像HG1が表示されている状態で)、可動体Bを動作させうるようにしたが、該可動体Bについては、遊技者による操作によって動作するものでなくてもよく、例えば、所定の動作条件が満たされるかの判定で特別結果が得られたことに基づいて動作する非操作可動体であってもよい。このような非操作可動体を採用する場合、動作することが決定された(特別結果が得られた)としても該非操作可動体についての操作指示が行われることはなく、操作受付がなされることもない。この点、非操作可動体についての所定の動作条件が満たされるかの判定を、演出パターンの実行状況に関わらずに適宜に発生させるようにしておけば、他の演出対象(可動体や表示画像など)についての示唆画像HG1が表示されている状態で非操作可動体を動作させる旨の決定が密かに行われうるようになることから、他の演出対象に関する操作指示が出現して操作が受け付け可能とされているなかで、これとは関係のない非操作可動体が突如として動作する可能性や、特殊可動体と他の演出対象とが同時に動作する可能性などを持たせることができるようになり、こうした意外性のある操作演出によって遊技興趣の向上が図られることを期待できるようになる。
また、表示部D内に示唆画像HG1,HG2や、操作指示画像SGが現れている場合、その対象とされる操作部位(特別操作受け部3333のうちの特定の座標領域や、操作ボタン410など)のみを演出受付可能とするのではなく、示唆画像HG1,HG2や、操作指示画像SGが現れている部分と対向する座標領域(特別操作受け部3333)においても演出受付可能とするようにしてもよい。このような構成によれば、操作部位を認識することができなかった場合であっても、表示部D内に現れる特定画像(示唆画像HG1,HG2や、操作指示画像S)を操作するだけで同様の演出を発生させることができるようになり、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
上記実施の形態では、特別操作受け部3333において物理オブジェクトの移動が開始されてからの該移動に関する検出が終了しておらず未だ継続されている間に、既に検出済みとされた物理オブジェクトの少なくとも移動方向と移動量とに応じた態様で演出対象(表示画像や可動体)を移動させる制御を実行可能としたが、該演出対象の移動にかかる制御を行うにあたり、物理オブジェクトの移動速度を検出し、該移動速度の高低を可動体の動きに反映させるようにしてもよい。
また、上記実施の形態にかかるパチンコ機1では、特別操作受け部3333を用いた操作演出を実現するにあたり、該特別操作受け部3333のうち操作対象とされる部位と対向する座標領域にて演出受付がなされるようにしたが、必ずしも操作対象とされる部位と対向する座標領域でなくてもよく、特別操作受け部3333のうちの特定の座標領域にて演出受付がなされるようにしてもよい。
また、上記実施の形態にかかるパチンコ機1では、特別操作受け部3333に対する操作(指などの物理オブジェクト)によって生じる光の変化を外周外光検出部35で検出してこれを周辺制御基板1510で解析することで、特別操作受け部3333に対する操作態様(指などの物理オブジェクトの移動情報など)を判定することとしたが、例えば、ガラス板192に対して設置されたタッチパネルを用いて特別操作受け部3333に対する操作態様(この場合は、ガラス板192に対するタッチ操作の態様)を判定するようにしてもよい。ただしこの場合、ガラス板192を通した遊技領域や表示領域などの視認性に悪影響が及ぼされる懸念はある。
次に、本実施例におけるパチンコ機1の遊技制御について詳述する。図205は、特別図柄及び特別電動役物制御処理(図148:ステップS114)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、メイン制御プログラムにおいて、特別図柄及び特別電動役物制御処理(図148:ステップS114)に移行されたとすると、主制御基板1310の主制御MPU1310aはまず、図205に示されるように、上記第一始動口センサ4002による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS5231におけるYES)、第一大当り判定用乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS5232)。また、上記第二始動口センサ4004による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS5233におけるYES)、第二特別図柄の第二特別乱数(第二大当り判定用乱数)を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS5234)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS5235)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS5240a)を実行する。
なお、この実施の形態にかかる大当り制御処理では、図211に示されるように、
・第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての判定処理の結果が「8R確変大当りA」、及び「8R通常大当り」のいずれかを示唆する態様となったときに、大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返す8R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての判定処理の結果が「16R確変大当り」を示唆する態様となったときに、大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を16回繰り返す16R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての判定処理の結果が「8R確変大当りB」を示唆する態様となったときに、大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返す8R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての判定処理の結果が「2R通常大当り」を示唆する態様となったときに、大入賞口2005を短時間開放(例えば0.6秒)した後に閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を2回繰り返す2R大当り遊技状態に制御する。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上記時短制御が実行される状況においては左打ちよりも右打ちが遊技者にとって有利であり、上記時短制御が実行されない状況においては右打ちよりも左打ちが遊技者にとって有利であることは上述した通りである。この点、左打ち状態では、第一始動口2002への遊技球の受け入れに応じた第一特別図柄についての抽選の結果として大当りが当選されたとしても最大で8ラウンドの長時間開放の大当り遊技状態(概ね1000個の遊技球が獲得可能)しか発生しない。
これに対し、右打ち状態では、第二始動口2004への遊技球の受け入れに応じた第二特別図柄についての抽選において、大当りが当選されると、概ね50%の確率(当選種の割り振り率)で16ラウンドの長時間開放の大当り遊技状態(概ね2000個の遊技球が獲得可能)が実行されるようになっているなど、大当りに当選したときに獲得可能とされる賞球の期待値が多くなっているため、右打ち状態に移行制御された場合には左打ち状態にあるときよりも多量の賞球獲得が期待できるようになっている。
なお、大当り制御処理では、このような大入賞口2005の開放制御を開始させるにあたり、まず、条件装置の作動を開始させる処理、後述の変動回数カウンタをリセットする処理、等々といった処理が行われる。
また、大当り制御処理では、このような大入賞口2005の開放制御を行った後、図211に示されるように、当該大当り遊技が行われる契機となった大当りの当選種に応じて、高確率フラグ、時短フラグの各セット処理を実行する。
高確率フラグは、高確率状態であることを示すフラグであって、後述する図210に示す大当り判定処理で用いられるものであり、大当り遊技状態終了後に確変制御する大当り(8R確変大当りA、16R確変大当り、8R確変大当りB)に基づく大当り遊技状態を終了するときにセットされ、次に大当りとなったときに後述する図215に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
時短フラグは、時短制御の実行中(低確率時短状態、高確率時短状態)であることを示すフラグであり、図211に示されるように、大当り遊技状態終了後に時短制御(高確率時短状態)する大当り(8R確変大当りA、16R確変大当り、8R確変大当りB)に基づく大当り遊技状態を終了するときにセットされ、次に大当りとなったときに後述する図215に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。若しくは、低確率時短状態が発生してから大当りに当選しないままで特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)が100回消化されたときに後述する図215に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
変動回数カウンタは、該変動回数カウンタがリセットされてからの特別図柄の変動回数を示すカウンタであって、後述する図213に示す第1変動パターン設定処理(第2変動パターン設定処理)で用いられるものであり、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動が行われるときに更新(例えば、カウントアップ)されるとともに、少なくとも特定種別の大当り(16R確変大当り、8R確変大当りB)に基づく大当り遊技状態を開始するときにリセットされる。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ(ステップS5235におけるNO)、次にステップS5236の処理として、小当り遊技状態に制御している旨を示す小当り実行中フラグがセットされているか否かを判別する。そしてこの結果、小当り実行中フラグがセットされていれば、小当り遊技状態の制御を行う小当り制御処理(ステップS5240b)を実行する。なお、小当り制御処理では、大入賞口2005を特定の開放時間(例えば1.8秒)だけ開放させる処理が行われる。
ここで、小当り制御処理(ステップS5240b)では、大当り制御処理(ステップS5240a)の場合とは異なり、このような大入賞口2005の開放制御が行われた後、高確率フラグ、時短フラグ、時短回数カウンタなどの各セット処理が行われることはない。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図211(a)に示されるように、大当り判定にて小当りに当選することはない。
また、小当り実行中フラグがセットされていなければ(ステップS5236におけるNO)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二大当り判定用乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS5237)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS5238)。
これに対し、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二大当り判定用乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でない場合は(ステップS5237)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS5239)。これにより、保留状態にされている第二特別図柄についての抽選が無くならないように遊技している限りは(第二特別保留数カウンタの値が「0」でない限りは)、第一特別図柄についての抽選の保留状況にかかわらず、第二大当り判定用乱数についての抽選のみが途切れることなく連続して行われるようになる(優先実行)。
したがって、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技者は、時短状態(高確率時短状態)においてはセンター役物2500の右側への遊技球の打込み(右打ち)を維持するだけで、第二大当り判定用乱数についての抽選(判定処理)のみを途切れることなく連続して行うことができるようになる。
なお、第2特図(第二特別図柄)を用いた特図ゲーム(図柄変動)が第1特図(第一特別図柄)を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば、第一始動口2002や第二始動口2004を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
図206は、上記第一始動口通過処理(ステップS5232)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS5231の処理において、上記第一始動口センサ4002がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図206に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5241の処理として、まず、第一特別図柄側の各乱数(大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、大当り図柄用乱数、変動表示パターン用乱数)を上記乱数カウンタから取得する。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一特別図柄の保留数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS5242)。このステップS5242の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示(第一特別図柄についての判定処理)を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS5243〜S5245の処理を行うこととなる。
すなわち、まず、上記ステップS5243の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS5244の処理として、上記ステップS5241で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
そして次に、第1特図側の先読み演出を実行するための第1特図先読み処理を実行し、処理を終了する(ステップS5245)。後述するが、第1特図側の先読み演出は、第一特別図柄の変動表示を開始する前に第一特別図柄の判定結果(若しくは、その期待度)を事前に示唆する演出である。この第1特図先読み処理では、周辺制御基板1510側で先読み演出の実行有無や演出内容などを決定するために必要とされる情報(先読み判定用の当落に関する情報、先読み判定用の図柄種別に関する情報、先読み判定用の変動パターン番号に関する情報等)を生成し、周辺制御基板1510に対する送信情報として対応する記憶領域に記憶する。この際、第一特別図柄の判定結果そのものの代わりに、大当り遊技の種別を示唆している情報として特別図柄の停止図柄に関する情報をコマンドに含めるようにしてもよい。例えば、変動パターンのうちのSPリーチ群、ノーマルリーチ群、図柄種別のうちの潜確当り群、小当り群といった、最終的に決定される前の段階の情報を先読みコマンドとして送信してもよい。
一方、上記ステップS5242の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示は新たに保留されない。すなわち、ステップS5243〜ステップS5245の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示を新たに保留の状態としない。
図207は、上記第二始動口通過処理(ステップS5234)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS5233の処理において、上記第二始動口センサ4004がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図207に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5251の処理として、まず、上記第二特別図柄側の各乱数(第二大当り判定用乱数、第二リーチ判定用乱数、第二大当り図柄用乱数、第二変動表示パターン用乱数)を上記乱数カウンタから取得する。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS5252)。このステップS5252の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御(第二特別図柄についての抽選)を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS5253〜S5255の処理を行うこととなる。
すなわち、まず、上記ステップS5253の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS5254の処理として、上記ステップS5251で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
そして次に、第2特図側の先読み演出を実行するための第2特図先読み処理を実行し、処理を終了する(ステップS5255)。後述するが、第2特図側の先読み演出は、第二特別図柄の変動表示を開始する前に第二特別図柄の判定結果(若しくは、その期待度)を事前に示唆する演出である。この第2特図先読み処理では、周辺制御基板1510側で先読み演出の実行有無や演出内容などを決定するために必要とされる情報(当落情報、図柄種別、変動パターン番号等)を生成し、周辺制御基板1510に対する送信情報として対応する記憶領域に記憶する。この際、第二特別図柄の判定結果そのものの代わりに、大当り遊技の種別を示唆している情報として特別図柄の停止図柄に関する情報をコマンドに含めるようにしてもよい。例えば、変動パターンのうちのSPリーチ群、ノーマルリーチ群、図柄種別のうちの潜確当り群、小当り群といった、最終的に決定される前の段階の情報を先読みコマンドとして送信してもよい。また、このステップS5255の処理内では後述の一変演出を実現するための処理(図247)が行われうる。
一方、上記ステップS5252の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS5253〜ステップS5255の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて第一特別図柄の保留数が変化すると上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第一特別図柄の保留数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信する。また、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二特別図柄の保留数が変化すると上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第二特別図柄の保留数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信する。
図208は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS5238)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5238で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5239で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5238で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上記第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御内蔵RAMに格納されている第一特別図柄に対応する大当り判定用乱数を読み出し、読み出した大当り判定用乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS5280)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての判定処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS5281)
3.変動表示パターン用乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器1403に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置(遊技盤側演出表示装置)1600に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS5282)
4.第一特別図柄表示器1403における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS5283)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての判定処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器1403に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS5284)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグの初期値は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS5280)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図209は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS5280)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図209に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS5301の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示があると判断された場合には、次にステップS5302の処理として、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一大当り判定用乱数、第一リーチ判定用乱数、第一大当り図柄用乱数、第一変動表示パターン用乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同主制御内蔵RAMから読み出す。そして次に、ステップS5303及びS304の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(例えば、第一大当り判定用乱数、第一リーチ判定用乱数、第一大当り図柄用乱数、第一変動表示パターン用乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域d)を有し、第一始動口2002への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示の保留が解除されるようになる。同様に第二特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第二特別図柄保留記憶領域a〜第二特別図柄保留記憶領域d)を有し、第二始動口2004への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第二特別図柄の変動表示の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS5305の処理として、上記読み出された第一大当り判定用乱数に基づいて上記大当りの当落についての判定処理である大当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS5281)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS5306)、この処理を終了する。
図210は、上記大当り判定処理(ステップS5305)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS5311)、図211(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS5312)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS5311)、図211(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS5313)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した大当り判定用乱数とを比較する(ステップS5314)。
図211(A)に示すように大当り判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、特別乱数の種類毎(第一大当り判定用乱数、第二大当り判定用乱数)に遊技状態が低確率時(低確率非時短状態、低確率時短状態)の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、第一大当り判定用乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、204種類の第一大当り判定用乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、65332種類の第一大当り判定用乱数が上記ハズレであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一大当り判定用乱数(65536種類)がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率;概ね「321分の1」)。これに対し、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5239で実行される第二特別図柄プロセス処理内において第二特別図柄の大当り判定用乱数(第二大当り判定用乱数)と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、204種類の第二大当り判定用乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、65332種類の第二大当り判定用乱数が上記ハズレであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二大当り判定用乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率;概ね「321分の1」)。
また、第一大当り判定用乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、2040種類の第一大当り判定用乱数が大当り判定値と一致し、63496種類の第一大当り判定用乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一大当り判定用乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率;概ね「32分の1」)。これに対し、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS5239で実行される第二特別図柄プロセス処理内において第二大当り判定用乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、2040種類の第二大当り判定用乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、63496種類の第二大当り判定用乱数が上記ハズレであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二大当り判定用乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率;概ね「32分の1」)。なお、第一大当り判定用乱数と比較するために参照される大当り判定テーブルと、第二大当り判定用乱数と比較するために参照される大当り判定テーブルに設定される大当り判定値(大当り判定値の個数を同数として大当り判定値を異ならせるものであってもよいし(大当り確率は同一)、大当り判定値の個数を異ならせるものであってもよい(大当り確率を異ならせる))を異ならせるようにしてもよく、この場合には低確率時の大当り判定テーブルと高確率時の大当り判定テーブルのうち少なくとも一方の大当り判定値を異ならせるようにすればよい(両方異ならせるようにしてもよい)。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した大当り判定用乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS5315)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS5316)、大当り判定処理を終了する。
また、上記ステップS5315で、大当りに落選した旨判断された場合は、選択した大当り判定テーブルに基づいて、上記読み出した大当り判定用乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致するか否かの判断を行う(ステップS5317)。ただし上述の通り、本例の第一特別図柄通常処理(第二特別図柄プロセス処理)のステップS5302においては小当り判定値と一致する大当り判定用乱数が読み出されることはないので(小当り確率;65536分の0)、このステップS5317では、小当りに当選されていない旨判断される(ハズレ判定される)こととなる。
一方、上記ステップS5317で、ハズレとすると判定した場合には、リーチ判定テーブルとステップS5302で読み出したリーチ判定用乱数とを比較する(ステップS5319)。
図示しないリーチ判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、遊技状態が高確率非時短状態時の場合に使用する高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が高確率時短状態時の場合に使用する高確率時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が低確率状態時(低確率非時短状態)の場合に使用する低確率状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。
ここで、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ判定用乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ判定用乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ判定用乱数がそれぞれ関連付けされている。ただし、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルでは、時短状態にあるときの遊技の進行スピードを最大限まで高めるべく、72種類のリーチ判定用乱数の全てがリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するようにして、リーチすることを示すリーチ判定値と一致することがないようにしてもよい。
また、低確率状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ判定用乱数と同一のリーチ判定用乱数を含む5種類のリーチ判定用乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ判定用乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ判定用乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、低確率状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が高確率時短状態時よりも高められ、所定の確率で得られるようになっている。
さらに、高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時及び低確率状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ判定用乱数と同一のリーチ判定用乱数を含む5種類のリーチ判定用乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ判定用乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ判定用乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が低確率非時短状態と同じとされている。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択したリーチ判定テーブルとステップS5302で読み出したリーチ判定用乱数との比較の結果(ステップS5319)、リーチハズレとすると判定した場合には(ステップS5120におけるYES)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS5121)。
図212は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS5281)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図212に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS5305)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS5331)を判別することにより行う。
主制御MPU1310aは、ステップS5331で大当りフラグがセットされていれば、図211(B)に示す図柄決定テーブルを選択して、第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した第一大当り図柄用乱数と選択した図柄決定テーブルとを比較することにより第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)としての大当り図柄を決定する(ステップS5332)。
図211(B)に示すように、第一特別図柄側の図柄決定テーブルには、判定結果(8R確変大当りA,8R通常大当り)に対して第一大当り図柄用乱数(ここでは、総数200個の第一大当り図柄用乱数)がそれぞれ関連付けされるかたちで記憶されている。なお、図211(C)に示すように、第二特別図柄側の図柄決定テーブルには、判定結果(16R確変大当り,8R確変大当りB,2R通常大当り)に対して第二大当り図柄用乱数(ここでは、総数200個の第二大当り図柄用乱数)がそれぞれ関連付けされるかたちで記憶されている。
主制御基板1310の主制御MPU1310aでは、取得した大当り図柄用乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一大当り図柄用乱数に基づいて決定される大当りの種類と第二大当り図柄用乱数に基づいて決定される大当りの種類とが異なるように設定している。より具体的には、高確率状態への移行契機となる確変大当りと、高確率状態への移行契機とならない通常大当りとの振分け率(割り振り)は同じとされているが、第一大当り図柄用乱数に基づいて決定される大当りによって獲得可能とされる遊技球の期待値よりも、第二大当り図柄用乱数に基づいて決定される大当りによって獲得可能とされる遊技球の期待値のほうが大きくなっている。
大当りの種類毎の具体的な遊技・演出内容を簡潔にまとめると以下の通りである。
1.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な8R大当り遊技状態に制御し、この8R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、8R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが勝利するバトル演出(バトル勝利演出)を行い、高確率時短状態においては相対的に有利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される8R確変大当りA
2.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な8R大当り遊技状態に制御し、この8R大当り遊技状態の後は、特別図柄の変動表示が100回消化される(若しくは、100回消化されるまでの期間内で大当りに当選する)まで低確率時短状態に制御するとともに、8R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが敗北するバトル演出(バトル敗北演出)を行い、低確率時短状態においては、相対的に不利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される8R通常大当り
3.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を16回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な16R大当り遊技状態に制御し、この16R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、16R大当り遊技状態の実行期間中はラウンド数が8ラウンドを超えるか(16ラウンドになるか)についての演出(成功演出)が行われる上乗せチャレンジ演出を行い、高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過した以降は相対的に有利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される16R確変大当り
4.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な8R大当り遊技状態に制御し、この8R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、8R大当り遊技状態の実行期間中はラウンド数が8ラウンドを超えるか(16ラウンドになるか)についての演出(失敗演出)が行われる上乗せチャレンジ演出を行い、高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過した以降は相対的に有利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される8R確変大当りB
5.演出表示装置1600において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を短時間開放(例えば0.6秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ4005で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を2回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球され難い2R大当り遊技状態に制御し、この2R大当り遊技状態の後は、特別図柄の変動表示が100回消化される(若しくは、100回消化されるまでの期間内で大当りに当選する)まで低確率時短状態に制御するとともに、2R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが敗北するバトル演出(バトル敗北演出)を行い、低確率時短状態においては、相対的に不利な状態であることが演出表示装置1600において示される演出モードに制御される2R通常大当り
なお、上記左打ち状態では遊技球がゲート部2003を通過することがなく、第二始動口2004を開状態にする可動片(図示略)の駆動は行われない。そのため、左打ち状態では第二始動口2004への遊技球の入賞は発生せず、第一始動口2002への遊技球の入賞のみが発生することになり、第二特別図柄の保留球がある場合を除き第一特別図柄表示器1403における第一特別図柄の変動表示のみが実行され、第一特別図柄に関連した大当り(8R確変大当りA,8R通常大当り)が発生することになる。同様に、上記右打ち状態では第一始動口2002に遊技球は入賞しない。そのため、右打ち状態では第二始動口2004への遊技球の入賞のみが発生することになり、第一特別図柄の保留球がある場合を除き第二特別図柄表示器1186における第二特別図柄の変動表示のみが実行され、第二特別図柄に関連した大当り(16R確変大当り,8R確変大当りB,2R通常大当り)が発生することになる。
また、第一特別図柄に関連した大当りでは最大で大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを8回繰り返して概ね1000個の遊技球しか払い出されないのに対し、第二特別図柄に関連した大当りでは最大で大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを16回繰り返して概ね2000個の遊技球を払い出し可能である。
なお、第一特別図柄停止図柄設定処理において8R確変大当りAに決定した場合には大当り図柄として8R確変大当りA図柄に決定し、8R通常大当りに決定した場合には大当り図柄として8R通常大当り図柄に決定する。また、図示しないが第二特別図柄停止図柄設定処理において16R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として16R確変大当り図柄に決定し、8R確変大当りBに決定した場合には大当り図柄として8R確変大当りB図柄に決定し、2R通常大当りに決定した場合には大当り図柄として2R通常大当り図柄に決定する。
また、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5331で大当りフラグがセットされていなければ、次にステップS5333の処理として、小当りフラグがセットされているか否かを判断する。そしてこの結果、第二特別図柄プロセス処理(ステップS5239)内の当該ステップS5333に相当する処理にて小当りフラグがセットされていれば、第二特別図柄の変動停止時の態様として小当り図柄(特有の図柄停止態様)に決定した後(ステップS5334)、ステップS5337に移行する。
またさらに、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5333で小当りフラグがセットされていなければ、特別図柄の変動停止時の態様としてハズレ図柄に決定した後(ステップS5336)、ステップS5337に移行する。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5337の処理として、上記抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS5338の処理として、上記第1変動パターン設定処理(ステップS5282)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
なお、周辺制御MPU1511aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて演出表示装置1600を表示制御する(左・中・右の装飾図柄を変動表示して左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示させる(なお左・中・右の装飾図柄を同一図柄で同期して変動表示し同時に停止表示する場合もある))。例えば、周辺制御MPU1511aは、大当りとして2R通常大当り以外の種別に当選した場合には左・中・右の装飾図柄が3つ揃いとなる組合わせに決定する。これに対し、2R通常大当りが得られた場合は、特定の図柄組合わせ(左・中・右の装飾図柄の少なくとも1つが他の図柄と同じとならない組合わせ)に決定する。また、リーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(左・右の装飾図柄が「0」〜「9」の同一の図柄の組み合わせであって中装飾図柄が異なる図柄の組み合わせ;リーチハズレ図柄)に決定し、はずれを特定した場合には、リーチを伴わないはずれ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定する。こうして決定された停止図柄は、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)において演出表示装置1600に表示される。
いずれにせよ、周辺制御MPU1511aは、遊技が進行された結果として当りが得られたときは、大当り遊技が開始されるよりも前に当り時の演出表示(特別表示態様)を出現させ、大当り遊技が開始された後に大当り遊技中の演出表示を出現させるようになっている。
図213は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS5282)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図213に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS5341)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS5332で決定した大当りの種類に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS5342)、小当りフラグがセットされていれば(ステップS5343)、小当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS5344)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS5345)、リーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS5346)、大当りフラグと小当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS5347)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した変動表示パターン用乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS5348)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器1403に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS5349)。また、主制御MPU1310aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS5350)。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS5283)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS5355)、この処理を終了する。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器1403にて第一特別図柄の変動表示制御が行われるとともに該特別図柄の変動表示に同期して上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、大当り判定用乱数(第一大当り判定用乱数、第二大当り判定用乱数)及び大当り図柄用乱数(第一大当り図柄用乱数、第二大当り図柄用乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記第一変動表示パターン用乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU1310aは、大当り判定用乱数及び大当り図柄用乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS5302で読み出した変動表示パターン用乱数とを比較し、上記読み出した変動表示パターン用乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての判定処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶されている。
ただし上述の通り、本例では小当りに当選することがないことから、小当り時の変動パターンテーブルが用いられることはない。本例では、小当りに当選することはないが、小当りに当選するようにしてもよい。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動表示パターン用乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、非時短状態においては、241種類の変動表示パターン用乱数のうち164種類の変動表示パターン用乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜163)として設定され、59種類の変動表示パターン用乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164〜222)として設定され、18種類の変動表示パターン用乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223〜240)として設定される。
なお、スーパーリーチ演出(SP演出)とは、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、大当り遊技状態の発生を望む遊技者に対してはスーパーリーチ演出が実行されたときに大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。すなわち、このようなスーパーリーチ演出は、大当り時の変動パターンテーブルにおいて最も選択率が高いものとなっており、これによって最終的にはハズレが表示されたとしても大当り遊技状態に対する遊技者の期待度を高めることができるようになる。ただし実際には、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度を十分に高める上では、スーパーリーチ演出が実行されている期間中に、変動パターンとは別抽選とされている高期待の予告演出が出現する(複合する)ことが求められる。
また、第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄用乱数に対応して設けられて第一特別図柄の変動時間を決定するときに用いられるはずれ時の変動パターンテーブルでは、非時短状態と時短状態とに共通して12秒の変動時間が設定されている。一方、第二大当り判定用乱数及び第二図柄乱数に対応して設けられて第二特別図柄の変動時間を決定するときに用いられるはずれ時の変動パターンテーブルでは、時短状態として0.1秒〜12秒の変動時間が設定可能とされ、非時短状態として12秒の変動時間が設定されている。このように第一特別図柄の変動時間は、時短状態中と非時短状態中とで同一とされ、時短状態において第一特別図柄の変動中に、第二始動口2004への遊技球の入賞を促すとともに遊技者が第二始動口2004へ遊技球を入賞させるための時間を確保している。
また、第二特別図柄のハズレ時の変動時間のうち0.1秒が選択される場合、時短状態(高確率時短状態など)において遊技領域5aに0.6秒間隔で打ち込まれる各遊技球が抽選処理に供されないままで排出されてしまうようなことが抑制されるようになる。
すなわち、右打ちされた遊技球は、ゲート部2003の直上となる領域に供給される。そして、時短状態(高確率時短状態など)にあるときに、この領域からゲート部2003に同遊技球が受け入れられると、普通図柄としての当りが得られて(例えば、当選確率が100%)、第二始動口2004の開閉に関わる可動片が長期間(本例では5.5秒間)に亘って開状態にて維持されるようになる。これにより、第二始動口2004に連続して次々と受け入れられうる状況下(センター役物2500の右側へ打込まれた遊技球の略全てが第二始動口2004に受け入れられうる時短状態)にあっても、それら遊技球の受け入れがある都度、「概ね32分の1」前後の高い大当り確率(高確率状態での確率)で第二特別図柄側の抽選が次々と消化されうる制御が実行可能とされるようになる。
そして本例では、遊技者がハンドル302を操作しているときには0.6秒間隔で遊技球が発射されるようになっていることから、時短状態(高確率時短状態など)においては、第二始動口2004には0.6秒間隔で遊技球が受け入れられることが多くなる。この点、本例では上記したように第二始動口2004への遊技球の入賞に基づく第二特別図柄のはずれ時の変動パターンテーブルには時短状態(高確率時短状態など)の変動時間として極めて短い0.1秒に設定可能とされている。すなわちこの場合、ハズレが得られたときは、遊技球の発射間隔(0.6秒)未満の時間(0.1秒)だけで図柄変動が終了されるようになることから、0.6秒間隔で打ち出される遊技球が第二始動口2004に次々と受け入れるような状況であっても、それらの遊技球が抽選処理に供されないままで排出されてしまうようなことが抑制されるようになる。
図214は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS5283)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図214に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS5371の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS5282)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そしてこの結果、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS5372)、次にステップS5373の処理に移行する。すなわち、このステップS5373の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS5284)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
なお、変動タイマを1減算したにもかかわらず(ステップS5371)、変動時間タイマが0になっていないときは、変動時間タイマが0になるまで(図柄を確定停止させるべき時間になるまで)、当該タイマ割り込み処理が行われる都度、上記ステップS5371,S5372の処理が行われることとなる。
図215は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS5284)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図215に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS5381の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器1403に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS5382)。
また、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS5386におけるYES)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS5387)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS5388)。そして、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットするとともに上記高確率フラグがセットされていれば当該高確率フラグをリセットし、また、上記時短フラグがセットされていれば当該時短フラグをリセットし(ステップS5389)、さらに上記変動回数カウンタをリセットし、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS5394)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS5235の処理にて大当り実行中フラグがセットされている旨判断されることとなり、上述の大当り制御処理(ステップS5240a)にて大当り遊技状態が実行されるようになる。
なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS5387では、大当りの種類(8R確変大当りA、8R通常大当り、16R確変大当り、8R確変大当りB、2R通常大当り)に応じた大当り開始コマンド(8R確変大当りAコマンド、8R通常大当りコマンド、16R確変大当りコマンド、8R確変大当りBコマンド、2R通常大当りコマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出(バトル演出や上乗せチャレンジ演出)が演出表示装置1600、各ランプ・LED及び各スピーカ等により実行される。
一方、上記ステップS5386の処理において、大当りフラグがセットされていない旨判断されたときは(ステップS5386におけるNO)、まず、低確率時短状態にあるか否かを判断する(ステップS5390)。そして、低確率時短状態にあるときには、低確率時短状態に制御されてから消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(ここでは100回)に達したか否かを判断する(ステップS5391)。すなわち、低確率時短状態に制御されてから消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(100回)に達したときには、低確率時短状態を終了させるべき条件が成立したとして、時短機能を停止させて通常遊技状態(低確率非時短遊技状態)に移行させることとなる(ステップS5392)。
そして、こうして時短機能に関する処理が行われた後は、小当りフラグがセットされているか否かを判断する(ステップS5393)。そしてこの結果、小当りフラグがセットされている旨判断されたときは(ステップS5393におけるYES)、小当り遊技状態を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS5394)、小当り遊技状態の開始までの待機時間(小当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS5395)。そして、小当り遊技状態の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットし(ステップS5396)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS5394)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS5236の処理にて小当り実行中フラグがセットされている旨判断されることとなり、上述の小当り制御処理(ステップS5240b)にて小当り遊技状態が実行されるようになる。ちなみに、大当りが当選された場合とは異なり、このような小当り遊技状態の実行に際しては、遊技状態が変更されるようなことはない。
他方、大当りフラグと小当りフラグとのいずれもセットされていない旨判断されたときは(ステップS5393におけるNO)、ハズレであるとして、大当りや小当りに関する処理を行うことなく、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS5394)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、大当り実行中フラグや小当り実行中フラグがセットされていない旨判断されることとなり(ステップS5235,S236)、保留の状況にしたがって新たな遊技(抽選や、図柄制御)の進行にかかる処理が行われるようになる(ステップS5237〜S5239)。
図216は、上記普通図柄及び普通電動役物制御処理(ステップS116)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS5401の処理において、上記ゲートセンサ4003による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図216に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5402の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPU1310aのRAMに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS5403)
2.普図変動乱数に基づいて上記普通図柄表示器1402に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS5404)
3.普通図柄表示器1402における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS5405)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記普通図柄表示器1402に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS5406)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記可動片が開状態になって第二始動口2004への遊技球の受け入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS5407)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、その初期値が、上記普通図柄通常処理(ステップS5403)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図217は、上記ゲート部通過処理(ステップS5402)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS5401の処理において、上記ゲートセンサ4003による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図217に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS5411の処理として、まず、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU1310aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS5411の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS5412〜S5414の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS5412の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS5413の処理として、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS5414の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU1310aのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS5411の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS5412〜ステップS5414の処理を実行しないことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図218は、上記普通図柄通常処理(ステップS5403)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図218に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS5421の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS5422の処理として、上記主制御MPU1310aのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS5423及びS5424の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU1310aのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2003への遊技球の通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2003に遊技球が通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、現在の遊技状態が時短状態(高確率時短状態)であれば(ステップS5426)、時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS5426)、現在の遊技状態が非時短状態(低確率非時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS5425)、非時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS5427)、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS5422で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS5428)。
なお、普図当り判定テーブルは、上記主制御MPU1310aのROMに記憶され、遊技状態が時短時(高確率時短状態)の場合に使用する時短時の普図当り判定テーブルと、遊技状態が非時短時(低確率非時短状態、高確率非時短状態)の場合に使用する非時短時の普図当り判定テーブルと、を備えている。そして、普通乱数と比較するために参照される時短時の普図当り判定テーブルでは、255種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致し、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致することがないように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、時短時では、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったとき、普図当りに必ず当選し、上記可動片が開状態になって第二始動口2004への遊技球の受け入れを可能に制御している。255種類の全てではなく、非時短状態のときよりも多くの普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致するようにしてもよい。
また、普通乱数と比較するために参照される非時短時の普図当り判定テーブルでは、255種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致することがなく、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致するように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、非時短時では、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったとしても、普図当りに当選することがないため、上記可動片2106が開状態になって第二始動口2004への遊技球の受入れを可能に制御することがない。ただし上述の通り、非時短状態においても普通図柄の当りが得られるようにしてもよく、この場合には時短状態よりも低い当選確率(例えば50%)とし、普通図柄の抽選結果が当りとなったときに上記第二始動口2004の可動片を時短状態よりも短い時間、例えば、2秒間開状態にさせて第二始動口2004への遊技球の受入れを可能とした後に再び前進させて第二始動口2004への遊技球の受入れを不能にするようにしてもよい。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS5422で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当りとすると判定した場合には(ステップS5429)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットした後(ステップS5430)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図当り図柄を決定する(ステップS5431)、一方、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS5422で読み出した普通乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図はずれ図柄を決定する(ステップS5432)。そしてその後、上記普通図柄変動時間決定処理(ステップS5404)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS5433)、この処理を終了する。
そして、このような主制御MPU1310aによる制御が行われるなかで、周辺制御MPU1511aでは、該主制御MPU1310aから送信される上述の各種コマンドを取得することで上記周辺制御部定常処理(受信コマンド解析処理(ステップS1022))内でその都度の遊技状況を把握し、該遊技状況に応じた演出を実行可能としている。
より具体的には、周辺制御MPU1511aは、まず、始動入賞が発生した状況にあるかを判断し、該状況にあるときには始動入賞に応じた保留表示や先読み演出に関する制御を行う。そしてこの後、把握した遊技状況に基づいてプロセスフラグを更新することで、以下の変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄変動開始処理、演出図柄変動中処理、演出図柄変動停止処理、大当り表示処理、大当り遊技中処理、及び大当り終了演出処理のいずれかを実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理:主制御MPU1310aから変動パターンに関する変動パターンコマンドを受信するまでの間、図柄が変動状態になく且つ大当りに関する制御が行われていないときの演出(デモ演出など)にかかる制御を行うとともに、主制御MPU1310aから変動パターンに関する変動パターンコマンドを受信するとプロセスフラグを演出図柄変動開始処理に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理:変動パターンコマンドなどに基づいて図柄変動期間における各種の演出内容(演出パターンや予告演出など)を決定するとともに、該決定した演出内容に基づいて装飾図柄の変動が開始されるように制御する。そしてこの後、プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理:演出図柄変動開始処理にて決定した各種の演出内容を、図柄変動期間中のそれぞれのタイミングで開始させる制御などを行うとともに、変動時間が終了するとプロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理:全図柄停止を指示するコマンド(図柄確定コマンド)の受信に基づいて装飾図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御などを行う。そして、装飾図柄を大当り図柄で停止させる場合はプロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値に更新し、装飾図柄をハズレ図柄で停止させる場合はプロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値に更新する。
大当り表示処理:装飾図柄が大当り図柄で停止してから大当り遊技が開始されるまでの期間における演出(演出表示装置1600に大当りの発生を報知する表示演出など)を制御する。そしてこの後、プロセスフラグの値を大当り遊技中処理に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理:大当り遊技状態の発生期間中における各種演出にかかる制御を行う。大当り遊技状態が終了すると、プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理:演出表示装置1600において、大当り遊技状態が終了してから変動許容状態になるまでの期間における演出(大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示演出など)を制御する。そして、プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値に更新する。
図219は、通常遊技状態にあるときに上記演出図柄変動開始処理で参照される演出パターン(変動演出)の判定テーブルT1を示す図である。
同図219に示されるように、判定テーブルT1では、変動パターンコマンドにより示される変動番号1〜22の各別にそれぞれ演出パターン(変動演出)が対応付けされている。したがって、周辺制御MPU1511aでは、主制御MPU1310aから変動パターンコマンドを取得すると、該変動パターンコマンドに対応付けされている演出パターン(変動演出)を上記判定テーブルT1に基づいて決定し、該決定した演出パターン(変動演出)に基づいて装飾図柄の変動が開始されるように制御することとなる。
なお、演出パターン(変動演出)については、上記変動パターンコマンドにより示される変動番号との間で必ずしも一対一で対応するものでなくてもよい。例えば、変動パターンコマンドによって示される一の変動番号に対して複数の演出パターン(変動演出)を対応付けておき、これら演出パターン(変動演出)のいずれかを演出抽選や遊技状況などに基づいて決定するようにしてもよい。後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aも、変動番号1〜22のうちの一部については複数の演出パターンが対応付けられるようにしている。
また、これも後述するが、周辺制御MPU1511aでは、こうして演出パターン(変動演出)を決定した後に、大当り判定の結果や図柄種別、変動パターンに基づいて予告抽選(予告演出の判定処理)を行うとともに、該予告抽選で当選した予告演出を、上記決定された演出パターン(変動演出)が行われるなかでの所定タイミングで出現させる制御(演出図柄変動中処理)を行うことで、複数の演出内容を複合可能としてそれらの出現態様などによって大当り図柄の現れる期待度を示唆するようにしている。
そして従来、このような複合演出のなかには、同じ特定予告演出(例えば、タイマ演出)でありながらも一の演出パターン(変動演出)が実行されている間に複数出現させて実行することがあり、これによって遊技興趣の維持を図ることが期待されるようにしている。しかしながら、大当り図柄の現れる期待度が高いときにしか予告演出は複合可能とされないため、一の演出パターン(変動演出)が実行されている間に複数のタイマ演出が実行される頻度は自ずと低くなり、遊技興趣の向上を十分に図ることは困難とされていた。
なお後述するが、「タイマ演出」とは、演出パターン(変動演出)の実行中に現れる所定の演出を対象とし、該所定の演出が行われるタイミングに向けてのカウント表示を第一の所定数値(例えば「60秒」)から第二の所定数値(例えば「0秒」)まで行うカウント演出表示として実行されたり、カウント表示を開始する前の待機表示(準備中など)として実行されたりするものである。すなわちこの場合、タイマ演出として第一の所定数値からのカウント表示(例えば、カウントダウン)が開始されると、第二の所定数値になったときに何らかの演出が必ず発生することが保証されるようになる。若しくは、遊技者にとって相対的に不利な演出態様(期待度の低い演出態様)と有利な演出態様(期待度の高い演出態様)とのいずれかを出現させる演出(例えば、会話予告やカットインA,Bなど)がタイマ演出の対象とされる場合には、第二の所定数値になったときに有利な演出結果が必ず発生することが保証されるようになる。ただし、タイマ演出(特に、予告抽選の結果として実行される予告側タイマ演出)においては、少なくともカウント表示が開始される時点ではその演出対象となっている演出がいずれであるのかについて秘匿とされるようにすることが望ましい。また、「タイマ演出の演出対象」とは、タイマ演出として第一の所定数値からのカウント表示(例えば、カウントダウン)が第二の所定数値(例えば「0秒」)になったときに現れる演出のことであり、タイマ演出では、該演出対象の発生するタイミングに向けてカウント表示を行うこととなる。
なお、この実施の形態にかかる「タイマ演出」では、カウント開始されてからの時間経過を小数点第2位まで表示して秒数などを正確に表示するものとなっている。ただし、必ずしもこのようなタイマ演出として実行されるものでなくてもよく、カウントアップまたはカウントダウンなどによるカウント表示が行われるカウント演出として実行されるものであれば、カウント開始されてからの時間経過(秒数など)を正確に示すものでなくてもよい。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、予告抽選で当選したときにのみ現れる演出内容としてのタイマ演出(予告側タイマ演出)のほか、判定テーブルT1に基づいて決定された上記演出パターン(変動演出)の演出内容として予め組み込まれているタイマ演出(変動側タイマ演出)を実行可能としている。すなわちこの場合、カウント演出表示を、「変動パターンコマンドに基づいて決定された演出パターンに対し、大当り期待度が上積みされるように機能する予告演出の演出内容」として実行する予告側タイマ演出のみならず、「変動パターンコマンドに基づいて決定された演出パターンそのものの演出内容」としても実行するようにしたことで、変動パターンコマンドに基づいて決定された演出パターンによって示される大当り期待度からその期待度を無駄に上積み(「予告抽選での当選」という条件を満たすことによる期待度の上積み)することなくカウント演出表示(タイマ演出)を出現させることが可能とされるようになる。例えば、変動パターンコマンドに基づいて決定された特定の演出パターンが出現したときの大当り期待度が「20%」である場合、予告側タイマ演出をさらに実行すると複合演出の機能によって大当り期待度が上積みされて例えば「40%」になってしまいその分だけ出現頻度を低くせざるを得ないのに対し、特定の演出パターンこれ自体の演出内容として変動側タイマ演出が実行される場合には大当り期待度を「20%」としたままでタイマ演出を実行することが可能(特定の変動パターンが選択されるだけで出現可能)であり出現頻度を好適に維持することができるようになる。
なお、判定テーブルT1において演出パターン(変動演出)が出現したときの大当り期待度は、変動番号(さらには演出パターン)に応じてそれぞれ異なっており、基本的には変動番号が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなる傾向が持たされている。例えば、変動番号5(6),9(10),17(18)に対応する演出パターンではその演出内容としていずれも「会話予告」が演出対象とされる変動側タイマ演出が実行されるが、その出現比率は、変動番号5(6)>変動番号9(10)>変動番号17(18)であるのに対し、出現時の大当り期待度は、変動番号5(6)<変動番号9(10)<変動番号17(18)となるように設定されている。またここでは、説明の便宜上、通常遊技状態のときに参照される判定テーブルしか詳述しないが、低確率時短状態や高確率時短状態において参照される判定テーブルにおいても、演出パターンこれ自体の演出内容として変動側タイマ演出が実行されうる演出パターン(カウント変動パターン)が含まれるようになっており、通常遊技状態にあるときとは異なる確率で出現可能とされている。
また、判定テーブルT1において、変動番号3〜6はいずれも同じノーマルリーチ演出が行われる点で同じであるが、変動番号5,6は、会話予告を演出対象とした変動側タイマ演出が実行されうる点で変動番号3,4と異なっている。また、変動番号7〜14はいずれも同じキャラリーチ演出が行われる点で同じであるが、変動番号9,10は、会話予告を演出対象とした変動側タイマ演出が実行され、変動番号11,12は、カットインAを演出対象とした変動側タイマ演出が実行され、変動番号13,14は、会話予告とカットインAとが実行されるとともにそれらを演出対象とした変動側タイマ演出が実行されうる点で異なっている。また、変動番号15〜22はいずれも同じSPリーチ演出が行われる点で同じであるが、変動番号17,18は、会話予告を演出対象とした変動側タイマ演出が実行され、変動番号19,20は、カットインBを演出対象とした変動側タイマ演出が実行され、変動番号21,22は、会話予告とカットインBとが実行されるとともにそれらを演出対象とした変動側タイマ演出が実行されうる点で異なっている。なお、会話予告を演出対象とした変動側タイマ演出が実行される場合よりも、カットインA,Bを演出対象とした変動側タイマ演出が実行される場合のほうが大当り期待度が高くなり、さらには会話予告とカットインA,Bとの両方を演出対象とした変動側タイマ演出が実行される場合のほうが大当り期待度が高くなる傾向を持つように設定されている。
なお、「会話予告」とは、演出パターン(装飾図柄の変動演出)が実行されてから相対的に早い段階で出現可能とされ、且つ相対的に低い期待度の上積みがなされることが多い演出であるのに対し、カットインA,Bとは、演出パターン(装飾図柄の変動演出)が実行されてから相対的に遅い段階で出現可能とされ、且つ相対的に高い期待度の上積みがなされることが多い演出(若しくは、相対的に高い期待度の上積みが必ずなされる演出)である。したがって、「会話予告」は、これよりも期待度の高い他の演出(カットインA,Bや、後述の役物A動作,Bなど)よりも出現割合(実行確率)が高くなるように設定されるものとなっている。また、変動演出の内容として出現する「カットイン」は、キャラリーチでは、予告演出の演出内容として出現するカットインAに相当するように実行されるものであるのに対し、SPリーチでは、予告演出の演出内容として出現するカットインAではなくカットインBに相当するように実行されるものである。
しかも、この実施の形態にかかる判定テーブルT1では、同図219に示されるように、複数の変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)に対してその演出内容(演出パターン)を変動側タイマ演出として割り当てるようにしている。そしてこの上で、変動パターンが「短縮変動や期待度の低いノーマルリーチ演出などの予め定められた種別(例えば、変動番号1〜6など)」である場合は予告側タイマ演出としてのカウント演出表示が演出当選されないようにして(プレミアム度合いを高めて)該予告側タイマ演出が出現したときの期待度UPを好適に確保しているなかで、変動パターンが「変動側タイマ演出を実行する変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22などのカウント変動パターン)」である場合は、このようなカウント変動パターンでない場合に比べて当該変動パターンが上記予め定められた種別(例えば、変動番号1〜6など)に該当する割合が低くなるようにしている。
なおここでは、変動側タイマ演出が実行されるカウント変動パターンとしては14個の変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)が用意されているが、そのうちの2個(0個に設定してもよい)の変動パターン(変動番号5,6)しか上記予め定められた種別(変動番号1〜6など)に該当しないから、その該当割合は「2/14」である。これに対し、変動側タイマ演出が実行されない変動パターンとしては8個の変動パターン(変動番号1〜4,7,8,15,16)が用意されており、そのうちの4個の変動パターン(変動番号1〜4)が上記予め定められた種別(変動番号1〜6など)に該当するから、その該当割合は「4/8」である。
このような構成では、変動パターンの演出内容がカウント演出表示(変動側タイマ演出)を行いうるもの(カウント変動パターン)であるときには、変動側タイマ演出を行わない変動パターンである場合よりも、予告演出の演出内容としてカウント演出表示(予告側タイマ演出)が実行し得ないと判断される割合が低くなる。したがって、期待度を無駄に上積みさせて出現頻度を低くすることなく、一の演出パターン(変動演出)内で複数のカウント表示が出現することを促すことができるようになる。
また後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上記演出図柄変動開始処理において決定された演出パターン(変動演出)がカウント変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)である場合であっても、該カウント変動パターンがいずれのカウント変動パターンであるかに応じて上記予告側タイマ演出の出現する割合が異なるようにしている。例えば、同図219に示されるように、変動番号5,6に対応する演出パターンが実行されるときには上記予告側タイマ演出は全く出現されず、変動番号9〜14に対応する演出パターンが実行されるときには上記予告側タイマ演出は中程度の抽選確率で出現可能とされており、変動番号17〜22に対応する演出パターンが実行されるときには上記予告側タイマ演出は高い抽選確率で出現可能とされている。
なお、変動番号5,6に対応する演出パターンが実行されるときにも、低確率で上記予告側タイマ演出が出現されるようにしてもよい。また、高い抽選確率で上記予告側タイマ演出が出現可能とされる変動番号15〜22に対応する演出パターンのいずれかが実行される場合であっても、実際には、ハズレの場合よりも大当りに当選している演出パターンのほうがより高い抽選確率で上記予告側タイマ演出が出現可能とされるし、変動番号16よりも変動番号22のほうがさらに高い抽選確率で出現可能とされるようになっている。
このような構成では、変動パターンが第1のカウント変動パターン(例えば、変動番号10)及び第2のカウント変動パターン(例えば、変動番号22)のいずれであるかによっても、カウント演出表示を予告演出の演出内容(予告側タイマ演出)として実行する割合が異なるようになる。したがって、一の演出パターン(変動演出)内で複数のカウント表示の出現する割合が高くされている上記カウント変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)のなかでも、その種別によっては複数のカウント表示が出現する割合をより一層高くすることができるようになることから、遊技興趣の好適な維持を図ることが期待されるようになる。
特に、後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、同じリーチ種別の演出内容が現れる演出パターン(例えば、キャラリーチ、SPリーチ)であっても、変動側タイマ演出が演出内容として含まれる演出パターン(例えば、変動番号17〜22)では、変動側タイマ演出が演出内容として含まれない演出パターン(例えば、変動番号15,16)に比べて当該演出パターンの実行期間内に予告側タイマ演出の出現する割合(予告抽選にて予告側タイマ演出を実行する旨決定される割合)が高くなるようにしている。すなわちこの場合、予告抽選にて一の予告側タイマ演出が当選されるだけの大当り期待度を要するだけで一の演出パターン内に2つのタイマ演出(変動側タイマ演出、予告側タイマ演出)を出現させることができるようになり、ひいてはダブルタイマの演出機会を、大当り期待度の無駄な上積みをすることなく実現することができるようになる。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上記演出図柄変動開始処理において決定された演出パターン(変動演出)がカウント変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)である場合であっても、「会話予告」が演出対象とされる変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)と「カットイン」が演出対象とされる変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)とではカウント表示の態様(カウント数字の形態や色など)が異なるようにしている。すなわちこの場合、同じリーチ演出を演出内容とする演出パターン(例えば、変動番号9,11)が実行される場合であっても変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)のカウント表示の態様を確認することで、「いずれのカウント変動パターンであるかに応じて上記予告側タイマ演出の出現する割合が異なるようにされていること」と相まって、予告側タイマ演出の出現し易さを認識して期待することができるようになる。
なお、予告側タイマ演出(予告側カウント演出表示)で現れるカウント表示の態様については、その演出対象が同じ(会話予告、カットイン)であるか否かにかかわらず、変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)で現れるカウント表示の態様(会話予告、カットイン)と異なる(若しくは、少なくともいずれかと異なる)ようにしてもよいし、同態様と同じ(若しくは、少なくともいずれかと同じ)にしてもよい。
ただし、予告側タイマ演出(予告側カウント演出表示)として実行されるカウント表示については、その演出対象となる演出の種別にかかわらず共通の態様で実行されるようにすることが、相対的に期待度が高く設定される予告側タイマ演出が出現している状態にあることを遊技者に認識させて期待感の向上を図る上で有益である。この意味では、予告側タイマ演出については、変動側タイマ演出(変動側カウント演出表示)で現れるカウント表示の態様(会話予告、カットイン)のいずれとも異なるようにすることがより望ましい。予告側タイマ演出(予告側カウント演出表示)としての上記共通の態様については、期待度の異なる複数の態様(例えば、青色カウントや赤色カウントなど)が用意されており、それらのいずれかを実行するようにしてもよい。
また、予告側タイマ演出が実行されていることをより好適に認識可能とする上では、予告側タイマ演出が実行されるときのカウント表示と、変動側タイマ演出が実行されるときのカウント表示とでカウント速度(例えば、カウントアップやカウントダウンにおいて数字が変化する速度)を異ならしめるようにすることが望ましい。このような構成では、タイマ演出が開始された以降、カウント表示が進行されている期間中においても当該タイマ演出のカウント速度に注視させて、相対的に期待度の低い変動側タイマ演出と相対的に期待度の高い予告側タイマ演出とのいずれが実行されているのかについての興味を持たせることができるようになり、タイマ消化期間中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
またこの際、変動側タイマ演出においては、その演出対象(会話予告、カットイン)に応じて、予告側タイマ演出のカウント速度と相対的に近い速度(若しくは同じ速度)でカウント表示される態様(カットイン)と、予告側タイマ演出のカウント速度と相対的に近くない速度でカウント表示される態様(会話予告)とでカウント表示するようにすれば、予告側タイマ演出が実行されているか否かの判断し難さを異ならせて面白みを付与することができるようになる。また、変動側タイマ演出(または予告側タイマ演出)においてはカウント数字の出現と消去の繰り返しによってカウント表示するのに対し、予告側タイマ演出(または変動側タイマ演出)においてはカウント数字を継続的に表示することによってカウント表示するようにしてもよい。
このような構成によれば、変動側タイマ演出のカウント表示と予告側タイマ演出のカウント表示とが同時に実行される状況が発生すると、予告側タイマ演出が実行されているのか否かを容易に把握することができるようになり、遊技興趣の向上が図られることが期待される。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動側タイマ演出に対応する変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22などのカウント変動パターン)に対しては、カウント表示の開始タイミングまたは終了タイミング(カウント総数、または全カウント消化に要する時間)が異なる複数の演出パターンを選択可能な演出パターンとして設定している。そして、変動側タイマ演出に対応する変動パターンを取得した場合は、演出用の乱数などに基づいて上記複数の演出パターンのいずれかを決定するようにして変動側タイマ演出のカウント表示と予告側タイマ演出のカウント表示との同時実行のし易さ(例えば、カウント総数が大きいほうが重なり易いなど)を異ならせるようにすることで、予告側タイマ演出が実行されているか否かの判断容易性を異ならせて面白みを付与するようにしている
なお、この実施の形態では、一の変動パターンに対してカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミング(カウント総数、または全カウント消化に要する時間)が異なる複数の演出パターン(タイマ演出の演出対象と、リーチ演出の内容は同じ)を用意することとしたが、カウント表示の開始タイミングまたは終了タイミング(カウント総数、または全カウント消化に要する時間)が異なる複数の演出パターン(ただし、タイマ演出の演出対象にされる演出の種別と、変動パターンの演出内容として実行されるリーチ演出の種別とは、各演出パターンで同じ)の別に異なる複数の変動パターンを用意して一対一対応させるようにしてもよい。
また、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで出現したときのカウント表示数(カウント総数)を異ならせるようにしたり、同じ特定カウント表示数を選択可能であったとしても変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで特定カウント表示数の選択率を異ならせるようにすれば、予告側タイマ演出が実行されているか否かの判断し難さを異ならせて面白みを付与することができるようになる。
また、予告側タイマ演出をカウントダウン表示で実行するのに対し、変動側タイマ演出についてはカウントアップ表示で実行するようにすれば、予告側タイマ演出が実行されているのか否かを確定的に把握することができるようになり、遊技興趣の向上を大幅に図ることが期待される。また、予告側タイマ演出をカウントダウン表示で実行するのに対し、特定演出(例えば、会話予告)を対象とした変動側タイマ演出についてはカウントアップ表示で実行し、特定演出とは異なる演出(例えば、カットイン)を対象とした変動側タイマ演出についてはカウントダウン表示で実行するようにすれば、予告側タイマ演出が実行されているか否かの判断し難さを演出対象に応じて異ならせて面白みを付与することができるようになる。
また、後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出を演出対象にする場合と、異なる演出を演出対象にする場合とがあるように制御する。そして、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)を演出対象にする場合は、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで異なる演出を対象にする場合に比べて大当り期待度が低くなる割合が高くなるように設定するとともに、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)を演出対象にする場合であっても、各カウント表示の終了タイミングを異ならせるようにしている。
すなわちこの場合、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)が演出対象にされていたとしても、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との一方が先に所定数値に達して終了されるのに対し他方のカウント表示は継続されるようになることから、この時点では、あたかも異なる演出を演出対象としている(相対的に期待度の高い態様でタイマ演出が実行されている)かのように見える。そしてこの後、継続されていた他方のカウント表示も同じ演出(例えば、会話予告)を演出対象としていることが明らかとされる態様で所定数値に達して終了されるようになることから、先に終了した側のタイマ演出によって相対的に期待度の低い会話予告が演出対象とされていることが明らかにされた場合であっても、その後に出現可能とされる異なる演出を演出対象としている(相対的に期待度の高い態様でタイマ演出が実行されている)ことへの期待感を維持して遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
また、このように変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)が演出対象にされる場合、変動側タイマ演出が所定数値に達するタイミングと、予告側タイマ演出が所定数値に達するタイミングとでそれぞれ別個のカウント終了対応表示(例えば、「カウント成功!」、「チャンスUP!」など)を出現させるようにすることが望ましい。
より具体的には、変動側または予告側の演出として実行される「会話予告」を演出対象にした変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とを一の演出パターン内でそれぞれ出現させる。そしてこの場合、変動側タイマ演出のカウント表示と予告側タイマ演出のカウント表示とがそれぞれ同時進行されることとなるが、変動側タイマ演出では、「会話予告」に関連して変動側の演出として発生する変動側特定演出(「カウント成功!」や、会話予告の出現に合わせたエフェクトなど)に合わせてカウント表示を進行させるのに対し、予告側タイマ演出では、「会話予告」に関連して予告側の演出として発生する予告側特定演出(「チャンスUP!」や、会話予告の開始タイミング(若しくは、演出開始の所定数秒前)に合わせて出現するタイマ終了表示など)に合わせてカウント表示を進行させることで、それぞれ別個のカウント終了対応表示を異なるタイミングで出現させることとなる。
ところで、会話予告及びカットインの各演出については、変動側タイマ演出の演出対象にされる場合(カウント変動パターンが決定された場合)は必ず実行されることが求められるものである。特に、会話予告やカットインは、期待度の異なる複数の態様で実行可能とされる演出であるから、変動側タイマ演出の演出対象とされる場合にはカウント表示が所定数値に達するときに相対的に期待度の高い態様で出現させることが求められる。したがって、変動側タイマ演出の演出対象にされる演出については、上記演出パターン(変動演出)の演出内容として予め組み込んでおき、該演出パターンが実行されるだけで変動側タイマ演出とその演出対象とされる演出(相対的に期待度の高い態様)とがそれぞれ出現可能とされるようにすることが望ましい。ただしこれに代えて、変動側タイマ演出が実行されるときには予告抽選にてその演出対象にされる演出(相対的に期待度の高い態様)が必ず選択されるように制御することも可能である。
なお、会話予告及びカットインの各演出は、変動側タイマ演出の演出対象にされない場合は、後述の予告抽選において予告側の演出内容として出現させるか否かの判定が行われることはもとより、予告側の演出内容としていかなる態様(相対的に期待度の高い態様または低い態様)で出現させるかについての判定が行われ、該判定の結果に基づいて出現にかかる制御が行われるようになっている。
以下、図219を用いた演出パターンの決定処理について総括する。
すなわち、周辺制御MPU1511aでは、主制御MPU1310aから変動パターンコマンドや図柄種別コマンドなどを取得すると、まず、変動パターンコマンドにより示される変動番号や図柄種別コマンドにより示される図柄種別などに基づいて、現在の遊技状態に応じた判定テーブルを参照する。例えば、図柄種別に基づいて演出パターンを決定するようにすれば、特定の演出パターンが出現したときの確変期待度や大当り遊技状態におけるラウンド数などに偏り(期待度)を持たせることができるようになる。
そして次に、変動番号に対応付けされている演出パターンとして、複数の演出パターン(変動側タイマ演出で出現するカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミングが異なる複数の演出パターンなど)が選択可能に用意されている場合には、大当り判定の当落に基づいてカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミングが異なる複数の演出パターンのいずれかを選択する。なおこの際、大当り判定に当選している場合にはカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミングが遅くなる割合が高くなるように演出パターンを設定することとしており、これによってカウント表示の開始タイミングまたは終了タイミングが遅くなるほど大当り図柄が現れる可能性が高くなる傾向を持たせるようにしている。
また後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、特別な演出条件が成立しているときには、カウント変動パターン(変動番号5,6,9〜14,17〜22)が取得されている場合であっても、複数の演出パターンのうち、変動側タイマ演出が出現しないように設定されている演出パターンを選択する。
そして、周辺制御MPU1511aでは、図柄変動中に現れる演出パターン(装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出)がこうして選択された後に、該演出パターンの実行期間内でどのような予告演出をどのような態様で付加的に実行するのか(複合させるのか)を決定することとなる(予告抽選)。
図220は、演出パターンの実行期間(図柄の変動時間)内で現れる予告演出に関する抽選(演出図柄変動開始処理内で行われる予告抽選)について、その処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する予告抽選の処理手順はあくまでも一例にすぎず、予告演出としての所期の目的を達成しうるものであれば、予告抽選の処理手順としてはこれに限られない。
同図220に示されるように、予告抽選に際しては、まず、開始待ちとなっている当該変動(消化される保留)が後述するタイマ先読み演出の対象になっているか否かを判断する(ステップS5501)。そしてこの結果、タイマ先読み演出の対象になっている場合は第1タイマ予告抽選を行うのに対し(ステップS5502)、タイマ先読み演出の対象になっていない場合は第2タイマ予告抽選を行う(ステップS5521)。
すなわち、タイマ先読み演出の対象になっている場合(第1タイマ予告抽選)は、タイマ先読み演出の対象になっていない場合(第2タイマ予告抽選)に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が高くなるように設定されている。なお、該割合については100%で決定される割合も含むようにしてもよい。また、第1タイマ予告抽選と第2タイマ予告抽選とのいずれにおいても、遊技状態の別に異なる決定テーブルが用意されており、これによって遊技状態に応じて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合(例えば、高確率時短遊技状態においては、通常遊技状態よりも低い割合(0%で決定される割合も含む)で予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる)が異なるようになっている。
図221は、通常遊技状態において当該変動(消化される保留)がタイマ先読み演出の対象になっていない場合(第2タイマ予告抽選)に参照されるタイマ予告決定テーブルT2の一例を示す図である。
同図221に示されるように、この実施の形態にかかる第2タイマ予告抽選では、予め定められた種別の変動パターンコマンド(ここでは変動番号1〜6)が取得されているときには予告側タイマ演出を実行する旨の決定をすることはない。この点については、第1タイマ予告抽選や他の遊技状態にある場合においても同様である。
また、図219に併せて示されるように、第2タイマ予告抽選では、同じリーチ種別の演出内容が現れる演出パターン(例えば、変動番号15〜22に対応するSPリーチ)であっても、変動側タイマ演出が演出内容として含まれる演出パターン(例えば、変動番号17〜22)では、変動側タイマ演出が演出内容として含まれない演出パターン(例えば、変動番号15,16に対応するSPリーチ)に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が高くなるように設定されている。すなわちこの場合、予告抽選にて後述のダブルタイマ演出に当選せずとも、一の演出パターン内に2つのタイマ演出(変動側タイマ演出、予告側タイマ演出)を出現させることができるようになり、ひいてはダブルタイマの演出機会を、大当り期待度の無駄な上積み(ダブルタイマ演出に当選)をすることなく実現することができるようになる。この点については、第1タイマ予告抽選や他の遊技状態にある場合においても同様である。
ただし、第1タイマ予告抽選では、このような第2タイマ予告抽選で参照されるタイマ予告決定テーブルT2に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が総じて高くなっている。より具体的には、第1タイマ予告抽選では、変動番号7〜22のいずれが選択されている場合であっても、第2タイマ予告抽選で参照されるタイマ予告決定テーブルT2に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が高くなっている。
また、後述するが、この実施の形態にかかるタイマ先読み演出では、該先読みの対象とされる変動において予告側タイマ演出の実行される割合が異なる複数の態様(低期待態様、高期待態様、確定態様)のいずれかで実行されるようになっている。そして、第1タイマ予告抽選では、まず、タイマ先読み演出がいずれの態様で実行されているかを判定するとともに、該先読みが低期待態様で実行されている場合であっても、第2タイマ予告抽選で参照されるタイマ予告決定テーブルT2に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が総じて高くなるように設定されている。なお、タイマ先読み演出が高期待態様で実行される場合は、低期待態様で実行される場合に比べて予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされる割合が総じて高くなり、タイマ先読み演出が確定態様で実行される場合は、変動パターン(変動番号1〜22)にかかわらず予告側タイマ演出を実行する旨の決定が必ずなされるように設定されている。
そして、こうしたタイマ予告抽選(第1タイマ予告抽選、第2タイマ予告抽選)の結果として予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされた場合は(ステップS5503におけるYES)、ステップS5504の処理として第1ミッション演出抽選を行うのに対し、予告側タイマ演出を実行する旨の決定がなされなかった場合は(ステップS5503におけるNO)、ステップS5551の処理として第2ミッション演出抽選を行う。
すなわち上述の通り、タイマ演出では、カウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が大きいほど(タイマの時間消費に要する時間が長いほど)、大当り期待度が高くなる傾向を持つように設定される。ただしこれでは、カウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が小さかったときには、大当り期待度が低い傾向になってしまうことからタイマ演出が実行されるにもかかわらず遊技興趣の低下が懸念されていた。
そこで、後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、演出表示装置1600において「第一演出を出現させろ」といったような「第一演出に関連した特定表示」を表示させ、該特定表示の表示中に第一演出が発生(出現)すると「ミッション成功」といったような特別表示を出現させることで、大当りに当選していることを確定示唆するミッション演出を実行可能としている。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上記タイマ演出の演出対象にされる演出種別のうち相対的に早い段階で出現する演出種別(ここでは、会話予告)を上記第一演出として採用することとしている。すなわちこの場合、「会話予告(第一演出)を出現させろ」といったような特定表示が出現しているなかで(ミッション演出が出現しているなかで)タイマ演出が実行された場合は、カウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が仮に小さかったとしても当該タイマ予告の演出対象が「相対的に早い段階で出現する会話予告」であること(ミッション成功によって大当りに当選していることが確定示唆されること)を期待できるし、カウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が大きくて会話予告が終了した以降もカウント表示が継続される場合であっても大当り期待度が高くなることを期待できることから、タイマ演出が実行されたときの遊技興趣を安定的に高めることができるようになる。
しかも、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、このようなタイマ演出とミッション演出とによって生じる相乗効果をより好適に奏するようにするべく、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるときには、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されないときに比べてタイマ演出の出現割合が高くなるように予告抽選(図220に示される各処理)を行うこととしている。これにより、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるだけでタイマ演出が実行されることへの期待感を持つことができることから、遊技興趣の低下を好適に抑制することができるようになる。ミッション表示の対象にされる第一演出については、「会話予告」でなくてもよく、例えば、図231に示される各演出のいずれかに代えて実行するようにしてもよい。
なお、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるときには、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されないときに比べてタイマ演出の出現割合を高くする方法としてはいかなる方法を採用してもよいが、例えば、以下の方法のいずれかを採用することによって実現可能である。
a.ミッション演出を行うかをまずは決定するとともに、該ミッション演出を行うことが決定されたときには、ミッション演出を行うことが決定されなかったときに比べてタイマ演出の出現率が高くなるようにタイマ演出を出現させるかを決定する手法
b.タイマ演出を行うかをまずは決定するとともに、該タイマ演出を行うことが決定されたときには、タイマ演出を行うことが決定されなかったときに比べてミッション演出の出現率が高くなるようにミッション演出を出現させるかを決定する手法
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上記手法bを採用している。したがって、ステップS5503の処理において予告側タイマ演出に当選している旨判断した場合における第1ミッション演出抽選(ステップS5504)では、ステップS5503の処理において予告側タイマ演出に当選している旨判断しなかった場合における第2ミッション演出抽選(ステップS5551)に比べて第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)を表示(ミッション表示)する旨の決定がなされる割合が高くなるように、当該変動(演出パターン)内においてミッション表示するか否かの判定が行われる。
なお、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)と、予告側タイマ演出が実行されることを示唆する後述のタイマ先読み演出(第1先行態様、第2先行態様、第3先行態様)とは同時に表示されうるものとなっている。また、所定条件下では、出現すると第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が現れる割合が高くなる所定表示(ミッション示唆表示)を表示するようにしてもよい。
また、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)については、例えば、該ミッション演出の対象になる保留情報(ミッション演出を発生させる保留情報)が得られたときに該保留情報が消化されるまでの複数回の変動表示に跨って表示されうるようにしてもよい。またこの際、ミッション演出の対象になる保留情報(ミッション演出を発生させる保留情報)が大当りになる保留情報であるときには、該大当りになる保留情報が消化されるよりも前に実行されている変動表示内において会話予告を出現させて特別表示(ミッション成功)を表示するようにしてもよい。ただし、このように特別表示(ミッション成功)を先行して表示させる場合(ミッション演出を発生させる保留情報が未だ消化されていないときにミッション成功を表示させる場合)は、ハズレ変動表示が実行されているときに限られるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、特別表示(ミッション成功)が表示されたにもかかわらず該特別表示の現れた変動表示ではハズレ図柄(ハズレ演出)が現れることとなるが、こうして特別表示(ミッション成功)が表示されている状態でミッション演出の対象になる保留情報が消化されて該変動表示において大当り図柄(大当り演出)が表示されるようにすることで、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
このような構成によれば、複数変動にわたってミッション演出とタイマー先読み演出とが実行されるなかで、タイマー演出のカウント表示が開始されるよりも前にミッション成功したとしてもその変動表示ではハズレ図柄を表示させて、タイマー演出のカウント表示が開始される変動表示が現れるまで大当り図柄の現れる変動表示が持ち越されているかのような演出を実現することができるようになる。
図222(a)は、通常遊技状態において予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出決定テーブルT3a(第1ミッション演出抽選)の一例を示す図であり、図222(b)は、通常遊技状態において予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出決定テーブルT3b(第2ミッション演出抽選)の一例を示す図である。
同図222(a),(b)から明らかであるように、まず、予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出決定テーブルT3aでは、予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出決定テーブルT3bに比べて第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)を表示(ミッション表示)する旨の決定がなされる割合が高くなるように設定されている。この点については、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
また、図219に併せて示されるように、変動番号5,6は「会話予告」を変動演出として出現させる変動パターンに対応するものであるにもかかわらず、該変動番号5,6が取得されているときには、第1ミッション演出決定テーブルT3a及び第2ミッション演出決定テーブルT3bのいずれにおいても第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるミッション演出を実行しないように設定されている。すなわち、変動番号5,6とは、いわゆるノーマルリーチ演出(期待度の低いリーチ種別)であるから、このような期待度の低いリーチ演出でタイマ演出とミッション演出との両方が発生してミッション成功になると、「より期待度の高い種別のリーチ演出でこのような演出を見たかった」といった願望が満たされなかったことによって遊技興趣が低下してしまう懸念がある。このため、変動番号5,6では、「会話予告」を演出対象にした変動側タイマ演出が行われるリーチ演出ではあるものの、第1ミッション演出決定テーブルT3a及び第2ミッション演出決定テーブルT3bのいずれにおいても第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示される演出を実行しないように設定することが望ましい。この点については、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
また、図219に併せて示されるように、変動番号9,13,17,21も「会話予告」を変動演出として出現させる変動パターンに対応するものではあるが、これらの変動番号が取得されているときも、第1ミッション演出決定テーブルT3a及び第2ミッション演出決定テーブルT3bのいずれにおいても第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるミッション演出を実行しないように設定されている。これは、変動番号9,13,17,21がハズレ時の変動パターンであり、演出上、ミッション成功(大当りに当選していることを確定示唆)の旨を表示することはできないからである。この点についても、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
また、図219に併せて示されるように、変動番号10,14,18,22は「会話予告」を変動演出として出現させる当り変動パターンに対応するものであり、これらの変動番号10,14,18,22が取得されているときに第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されると、ミッション成功(大当りに当選していることを確定示唆)の旨が表示されることとなる。したがって、予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出抽選(ステップS5504)では、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させる当り変動パターン(変動番号10,14,18,22)が取得されているときには、予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出抽選(ステップS5551)に比べて実行確率が大幅に高くなるように設定(3倍)されている。このような制御を通じて、タイマ演出が出現するときにはミッション演出が出現し易くなっているという印象を持たせることができるようになる。この点についても、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
これに対し、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させない当り変動パターン(変動番号8,12,16,20)の実行中に第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されると、「ミッション表示されたにもかかわらず会話予告を出現させることができず、ミッション失敗となった後に大当り図柄が表示される」といったような違和感のある演出状況が発生しかねない。したがって、予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出抽選(ステップS5504)であっても、「会話予告」を変動演出として出現させない当り変動パターン(変動番号8,12,20など)が取得されているときには、予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出抽選(ステップS5551)に比べて実行確率がそれほど高確率化されないように設定(2倍)されている。この点についても、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
ただし後述するが、「会話予告」を変動演出として出現させない当り変動パターン(変動番号8,12,20など)が取得されてミッション演出が実行されることが決定されたときには、相対的に高い確率で予告演出の演出内容として「会話予告」が実行される確率が高くなるように制御されることとなる(後述のステップS5509やステップS5534)。このような制御が行われることに鑑みれば、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させない当り変動パターン(変動番号8,12,20など)についても、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させる当り変動パターン(変動番号8,12,20など)と比べて同程度の実行確率でミッション演出を行うようにしてもよい。
これに対し、変動番号7,11,15,19は「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させないハズレ時のリーチ演出である。このようなリーチ演出は、「会話予告」を出現させずミッション演出が失敗とされるかたちでハズレ時の演出を実行することができるものであることから、予告側タイマ演出が行われるときに参照される第1ミッション演出抽選では、予告側タイマ演出が行われないときに参照される第2ミッション演出抽選(ステップS5551)に比べて実行確率が大幅に高くなるように設定(3倍)されている。このような制御を通じて、タイマ演出が出現するときにはミッション演出が出現し易くなっているという印象を持たせることができるようになる。この点についても、他の遊技状態にあるときに参照される各テーブルにおいても同様である。
なお後述するが、「会話予告」を変動演出の演出内容として出現させないハズレ時のリーチ演出(変動番号7,11,15,19など)が取得されてミッション演出が実行されることが決定されたときには、予告演出の演出内容として「会話予告」が実行される確率が0になるように制御されることとなる。これは、ハズレ時のリーチ演出では、演出上、ミッション成功(大当りに当選していることを確定示唆)の旨を表示することはできないからである。
このようなミッション演出にかかる構成によれば、常には(ミッション演出が出現しないときには)、タイマ演出(カウント演出表示)の演出対象は、第一演出(会話予告)よりも第二演出(会話予告よりも期待度の高い演出(例えば、カットインや後述の役物動作))であることのほうが期待感を得る上で望ましくなっており、タイマ演出(カウント演出表示)の演出対象が第一演出(会話予告)であるときには期待感を好適に得ることはできない。ただし、第一演出(会話予告)に関わる特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されたときにタイマ演出(カウント演出表示)が実行された場合は、該タイマ演出の演出対象が第一演出(会話予告)と第二演出(カットイン)とのいずれであっても、少なくとも第二演出(カットイン)で得られる期待感以上の期待感を得ることができるようになることから、タイマ演出を安心して楽しむことができるようになる。
しかも、このような第一演出(会話予告)に関わる特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されたときには、図柄演出において第一演出(会話予告)に関わる特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されないときに比べてタイマ演出(カウント演出表示)の出現割合が高くなっていることから、第一演出(会話予告)に関わる特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されるだけで遊技興趣の低下を好適に抑制することができるようになる。なお、このような演出制御を実現する上で、変動側タイマ演出は必ずしも実行可能に用意しなくてもよく、予告側タイマ演出のみによってこれを実現するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、一の演出パターン内で会話予告とカットイン(または、後述の役物動作)との両方が実行可能とされており、会話予告はカットイン(または、後述の役物動作)よりも前のタイミングで出現されるようになっている。したがって、ミッション表示(会話予告を出現させろ)が実行されている場合、タイマ演出のカウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が小さかったとしてもミッション成功の可能性が意識されることから期待感の低下が抑制されるようになる。また、タイマ演出のカウント表示が開始されるときに表示されるカウント表示数(カウント総数)が大きいときにはそれだけで期待感を好適に維持することができることから、タイマ演出が出現したときの遊技興趣を安定的に維持することが期待されるようになる。
また、これも後述するが、第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)を表示(ミッション表示)するタイミングとしては、該特定表示の対象とされる図柄変動が行われている期間中のみならず、該特定表示の対象とされる図柄変動が未だ保留の状態にされている期間中においても出現しうるようになっている。また、当該ミッション演出の対象とされる図柄変動が未だ保留の状態にされている期間中に第一演出に関連した特定表示(会話予告を出現させろ)が表示されている状況において第一演出が発生(出現)して「ミッション成功」といったような特別表示を出現させうる場合があることについても後述することとする。
そして、図220に示されるように、こうして第1ミッション演出抽選(ステップS5504)が行われると、次にステップS5505の処理として予告側タイマ演出の実行態様を決定するべく予告側タイマ種別抽選を行う。
図223は、予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)において参照される予告側タイマ種別決定テーブルT4の一例を示す図である。
同図223に示されるように、この予告側タイマ種別決定テーブルT4では、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行するのかそれともダブルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行するのかが、取得されている変動番号の別に異なる配分にて演出乱数が割り振られている。この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動パターンコマンドにより示される変動番号に基づいて予告側タイマ種別決定テーブルT4を参照し、取得した演出乱数の値がシングルタイマの態様とダブルタイマの態様とのいずれに割り振られているかを判定することで、当該予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)を実行する。
なお、当該予告側タイマ種別抽選において判定対象とされる「シングルタイマ」とは「一の演出パターン内に一の予告側タイマ演出が実行される態様」に相当するものであり、「ダブルタイマ」とは「一の演出パターン内に演出対象の異なる2つの予告側タイマ演出が実行される態様」に相当するものである。この予告側タイマ種別決定テーブルT4では、「シングルタイマ」よりも「ダブルタイマ」のほうが出現したときの大当り期待度が高くなるように各変動番号毎の演出乱数の割り振りがなされている。
また上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動パターンの種別(変動番号)によっては上述の変動側タイマ演出を実行しうるものとなっている。したがって、このようなカウント変動パターンが選択されているときに予告側タイマ演出がシングルタイマの態様で実行する旨決定されると、一の演出パターン内に変動側タイマ演出及び予告側タイマ演出が現れることによってダブルタイマ(若しくは、トリプルタイマ)の態様でタイマ演出が実行されることとなる。また、これと同様、カウント変動パターンが選択されているときに予告側タイマ演出がダブルタイマの態様で実行する旨決定されると、一の演出パターン内に変動側タイマ演出及び予告側タイマ演出が現れることによってトリプルタイマ(若しくは、クアドラプルタイマ)の態様でタイマ演出が実行されることとなる。
すなわちこの場合、カウント変動パターンが選択されているか否かにかかわらず予告側タイマ演出の出現数(シングル、ダブル)を決定するようにしてしまうと、「一の演出パターン内に現れるタイマ演出の出現数が多いほど大当り期待度が高くなる」といった関係性が崩壊しかねず、これではタイマ演出が実行されたときの演出の意味合い(いずれの態様が高期待度であるのか)を理解できなくなることによる遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、この実施の形態にかかる予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)では、図219に併せて示されるように、予告側タイマ演出が出現可能とされる変動パターン(変動番号7〜22)のうち変動側タイマ演出を実行しない変動パターン(変動番号7,8,15,16)が選択されているときには、リーチ種別(相対的に期待度の低いキャラリーチ、相対的に期待度の高いSPリーチ)に応じて相対的に期待度の高いSPリーチのほうがダブルタイマの態様が選択され易くなるようにしている。
一方、予告側タイマ演出が出現可能とされる変動パターン(変動番号7〜22)のうち、演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出を実行する変動パターン(変動番号13,14,21,22)が選択されているときには、リーチ種別(相対的に期待度の低いキャラリーチ、相対的に期待度の高いSPリーチ)に応じて相対的に期待度の高いSPリーチの場合に限りダブルタイマの態様が選択されるようにしている。すなわちこの場合、一の演出パターン内に演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出と2つの予告側タイマ演出が現れることによってクアドラプルタイマの態様が現れると、相対的に期待度の高いSPリーチの種別で演出パターンが実行されることが確定的に示唆されるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。ただしこれに代えて、一の演出パターン内に演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出と2つの予告側タイマ演出が現れることによってクアドラプルタイマの態様が現れると、大当り図柄が現れることが確定的に示唆されるようにしてもよい。
なお、演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出を実行する変動パターン(変動番号13,14,21,22)が選択されているときには、当該予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)においてシングルタイマの態様が選択された場合であっても、一の演出パターン内に演出対象の異なる2つの変動側タイマ演出と1つの予告側タイマ演出が現れることによってトリプルタイマの態様が現れることとなる。このようなトリプルタイマの態様が出現したときの期待度を維持するべく、上述のタイマ予告抽選(第1タイマ予告抽選、第2タイマ予告抽選)では、相対的に期待度の低い変動パターンに相当する変動番号13,14が選択されているときには、同じキャラリーチの変動番号7〜12と比較して相対的に低い確率でしか予告側タイマ演出を実行する旨の決定(トリプルタイマにする決定)がなされないようにしている(図221の変動番号13の振分態様を参照)。
また一方、予告側タイマ演出が出現可能とされる変動パターン(変動番号7〜22)のうち、1つの変動側タイマ演出を実行する変動パターン(変動番号9〜12,17〜20)が選択されているときには、相対的に期待度の低いキャラリーチ(変動番号9〜12)の場合におけるダブルタイマの態様の選択確率を大幅に低く設定するとともに、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号17〜20)のほうがダブルタイマの態様の選択確率が大幅に高くなるように設定されている。すなわちこの場合、上述した図221の変動番号13の振分態様と相まって、一の演出パターン内にトリプルタイマの態様(1つの変動側タイマ演出と2つの予告側タイマ演出、または2つの変動側タイマ演出と1つの予告側タイマ演出)が現れると、相対的に期待度の低いキャラリーチではなく相対的に期待度の高いSPリーチの出現する割合が高くなることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、この実施の形態にかかる予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)では、予告側タイマ演出の種別として、シングルタイマとダブルタイマとのいずれかを選択する処理のみを行うこととした。ただし、当該予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)については、トリプルタイマ以上の予告側タイマ演出が実行されうるように抽選処理を行ってもよいし、予告側タイマ演出のカウント表示の態様を期待度の異なる複数態様(例えば、色違いなど)のいずれで実行するかについての抽選処理として実行するようにしてもよい。
そして、図220に示されるように、こうして予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)が行われた後は、該予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)の結果としてシングルタイマの態様とダブルタイマの態様とのいずれで予告側タイマ演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5506)、さらには第1ミッション演出抽選(ステップS5504)の結果としてミッション演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5507,S532)の各結果に応じた内容(テーブル)でタイマ対象候補演出(予告側タイマ演出の演出対象になりうる予告演出)を対象にした演出抽選(ステップS5508,S5509,S5523,S5524,S5533,S5534,S5543,S5544)を行う。
より具体的には、以下のいずれかの処理を実行することとなる。
・シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5507におけるYES)がなされている第1の処理状況にある場合は、まず、該第1の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5508)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5509)。
・シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況にある場合は、まず、該第2の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5523)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5524)。
・ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5532におけるYES)がなされている第3の処理状況にある場合は、まず、該第3の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5533)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5534)。
・ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5532におけるNO)がなされている第4の処理状況にある場合は、まず、該第4の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5543)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5544)。
図224は、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされているときとミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされていないときとで、リーチ種別や処理状況(第1〜第4の処理状況のほか、後述の第5の処理状況及び第6の処理状況)などに応じて定められるタイマ対象候補演出の出現上限数を比較して示す図である。
同図224に示されるように、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされているときは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされていないときに比べてタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が多くなるように制御するようにしている。
すなわち、予告側タイマ演出を実行するか否かや、予告側タイマ演出がシングルタイマの態様で実行されるか否かや、リーチ種別が相対的に期待度の高いリーチ演出であるか否か、等々といった判定結果がいずれの場合であっても、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされているときは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされていないときに比べてタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が多くなるようになっている。
なお、このような処理設定は、上述の予告側タイマ演出実行時の演出抽選(ステップS5508,S5509,S5523,S5524,S5533,S5534,S5543,S5544)や、後述の予告側タイマ演出非実行時の演出抽選(ステップS5553,S5554,S5563,S5564)で参照される各テーブルの設定を通じて実現される。
このような構成によれば、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行されると予告演出の出現割合が高くなって平均出現数が多くなることによる遊技興趣の向上を図ることが期待されることはもとより、「これだけ予告演出が頻出するのであれば、それら予告演出のなかでも相対的に期待度の低い会話予告も出現してミッション成功になるかもしれない」といった期待感を持たせることができるようになる。なお上述の通り、ミッション表示の対象にされる演出は、会話予告などの相対的に期待度の低い演出であることが求められるが、必ずしも期待度が最も低いものでなくてもよく、予告側タイマ演出の演出対象とされうる演出の種別を期待度に応じて2つのグループに分類したときに相対的に期待度が低い側のグループに分類される程度のものであってもよい。若しくは、リーチ演出が開始された後に現れる相対的に期待度の高い特定演出と比較して、これよりも期待度が低くてリーチ演出が開始されるよりも前のタイミングで現れる予告演出であってもよい。
図225は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5507におけるYES)がなされている第1の処理状況にある場合にステップS5508の処理において参照されるテーブルT5aの一例を示す図である。
まず、同図225に示されるように、テーブルT5aは、予告側タイマ演出やミッション演出が実行される場合に参照されるものであるから、予告側タイマ演出を実行し得ない変動パターンに相当する変動番号1〜6や、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときには当該テーブルT5aが参照されることはない。
また、テーブルT5aでは、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、少なくとも1つのタイマ対象候補演出は選択されるように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。ただし、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が出現する変動番号については、必ずしも予告演出の演出内容としてタイマ対象候補演出が選択されないようにしてもよい。
また、テーブルT5aでは、キャラリーチ演出に相当する変動番号7,8,10〜12,14のなかでも、変動番号7,8のうちの当り演出に対しては最大4つのタイマ対象候補演出が割り振られているのに対し、変動番号10〜12のうちの当り演出に対しては最大3つのタイマ対象候補演出が割り振られており、変動番号14に至っては最大2つのタイマ対象候補演出しか割り振られていない。ただし、変動番号7,8では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットインA)が現れないものであるのに対し、変動番号10〜12では、変動演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(会話予告またはカットインA)が現れるようになっており、変動番号14に至っては変動演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出(会話予告及びカットインA)が現れるようになっている。したがって、変動番号10〜12では、実質的に1つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義であり、変動番号14では、実質的に2つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義である。
そうすると、例えば、変動番号14では、実質的には、予告数3に対して「400」の演出乱数が割り振られており、予告数4に対して「600」の演出乱数が割り振られているのと同義になることから、当該キャラリーチ演出に相当する変動番号7,8,10〜12,14のなかでは最も予告演出が数多く出現し易くなるように割り振られていると言える。
ちなみに、変動番号10のときに現れる演出パターン(キャラリーチ+会話予告)は、変動番号11,12のときに現れる演出パターン(キャラリーチ+カットインA)に比べて大当り期待度が低く設定されていることは上述した通りである。ただし、上記第1の処理状況にあるときに参照される当該テーブルT5aにあって、変動番号10とは、「ミッション成功(特別表示)が表示され、その後に大当り図柄で停止される演出パターンとして実行されるもの」であることに鑑み、変動番号11,12の場合(ミッション成功(特別表示)が表示されない場合)に比べて予告演出の出現数や出現確率が高くなるようにしており、これによってミッション成功(特別表示)が表示されたときの遊技興趣の向上が図られるようにしている。
これに対し、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号15,16,18〜20,22)においても、このようなキャラリーチ内の各変動番号の関係と概ね同じ関係が設定されている。ただし、SPリーチのうち変動番号18が上記変動番号10に相当し、変動番号19,20が上記変動番号11,12に相当するものであるが、上記キャラリーチの場合とは異なり、当り時の変動番号18よりも当り時の変動番号20のほうが予告演出の出現数や出現確率が高くなっている(大当り期待度の高い変動番号ほど予告数が多くなり易くなっている)。また、SPリーチでは、キャラリーチに比べて予告数の出現割合(平均出現数)が高くなっている。
なお後述するが、第1の処理状況にあるときのキャラリーチでは、図柄変動が停止されるまでの間に最大5つのタイマ対象候補演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ)が出現しうるタイミングが到来するようになっている。ただし、最大5つのタイマ対象候補演出のうち1つは大当り確定演出(特別タイマ)であるほか、会話予告が選択されたときにもミッション成功による大当り演出として機能することとなることから、タイマ対象候補演出が4つ以上出現するときには大当り確定の予告演出が現れることとなる。したがって、テーブルT5aでは、ハズレ時のキャラリーチである変動番号7では、タイマ対象候補演出が最大3つまでしか出現可能とされておらず、ハズレ時のキャラリーチ(カットインA)である変動番号11では、タイマ対象候補演出が最大2つ(実質では最大3つ)までしか出現可能とされていない。
これに対し、第1の処理状況にあるときのSPリーチでは、図柄変動が停止されるまでの間に最大6つのタイマ対象候補演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作)が出現しうるタイミングが到来するようになっている。ただし、会話予告が選択されたときにはミッション成功による大当り演出として機能することとなることから、タイマ対象候補演出が6つ出現するときには大当り確定の予告演出が現れることとなる。したがって、テーブルT5aでは、ハズレ時のSPリーチである変動番号15では、タイマ対象候補演出が最大5つまでしか出現可能とされておらず、ハズレ時のキャラリーチ(カットインB)である変動番号19では、タイマ対象候補演出が最大4つ(実質では最大5つ)までしか出現可能とされていない。
なお、上記タイマ対象候補演出として用意されている各演出についてその一例を下記に記載する。
・会話予告:演出表示装置1600において所定キャラクタのセリフが表示されるものでありセリフの内容に応じて大当り期待度が変化しうるが、当該会話予告が出現したときの大当り期待度は、他の演出(保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作)に比べて低く設定されている。
・保留変化:保留消化に応じて行われる図柄変動中においても該消化対象になった保留表示に対応した表示(既に保留状態ではないが、保留状態にあったときの保留表示に対応した表示)が表示されているなかで、該消化対象になった保留表示の表示態様(色など)を変化させるものであり変化後の表示態様に応じて示唆される大当り期待度が変化しうるが、当該保留変化が出現した時点での大当り期待度は、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作に比べて低く設定されている。
・カットインA:図柄変動中に行われている演出に対して優先表示されるかたちで特定画像Aを表示させるものであり、当該カットインAが出現したときの大当り期待度は、役物A動作、カットインB、役物B動作に比べて低く設定されている。
・役物A動作:上述した演出用可動体のいずれかを動作させるものであり、当該役物A動作が出現したときの大当り期待度は、役物B動作に比べて低く設定されている。
・カットインB:図柄変動中に行われている演出に対して優先表示されるかたちで特定画像Bを表示させるものであり、当該カットインBが出現したときの大当り期待度は、役物A動作、役物B動作に比べて低く設定されている。
・役物B動作:上述した演出用可動体のいずれかを動作させるものであり、当該役物B動作が出現したときの大当り期待度は、他の演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB)に比べて高く設定されている。当該役物B動作で動作させる演出用可動体については、役物A動作で用いられる演出用可動体と異なっていても同じであってもよいが、同じ演出用可動体を用いる場合には動作態様を異ならせることとなる。
なお、これらの各演出は、タイマ対象の演出として実行されうるものであることはもとより、カウント表示が実行される前や、実行中、実行された後の期間、若しくはタイマ演出が実行されない変動期間においてもタイマ対象でない演出として実行されうるものとなっている。また、これらの各演出は、例えば、青色のカットインA、赤色のカットインAなど、期待度の異なる複数の演出態様のいずれかで実行可能とされるものであってもよい。また、保留変化については、出現すると大当り確定となるプレミア態様(特別態様)を含むようにしてもよい。ただしこの場合、カウント表示の実行中にプレミア態様(特別態様)が現れるとカウント表示が所定値になったときにタイマ演出の対象として保留変化が実行されることはなくなることとなる。
図226は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況にある場合にステップS5523の処理において参照されるテーブルT5bの一例を示す図である。
まず、同図226に示されるように、テーブルT5bは、予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、予告側タイマ演出を実行し得ない変動パターンに相当する変動番号1〜6が取得されているときには当該テーブルT5bが参照されることはない。ただし、ミッション演出が実行されないときに参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときにも当該テーブルT5bは参照される。したがって、テーブルT5bでは、変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている。
また、テーブルT5bも同様、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、少なくとも1つのタイマ対象候補演出は選択されるように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。ただし、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が出現する変動番号については、必ずしも予告演出の演出内容としてタイマ対象候補演出が選択されないようにしてもよい。
また、これも同様、テーブルT5bでは、キャラリーチ演出に相当する変動番号7〜14のなかでも、変動番号7〜12に対しては最大2つのタイマ対象候補演出が割り振られているのに対し、相対的に期待度の高い変動番号13,14に対しては最大1つのタイマ対象候補演出しか割り振られていない。ただし、変動番号7,8では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が現れないものであるのに対し、変動番号9〜12では、変動演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(会話予告またはカットイン)が現れるようになっており、変動番号13,14に至っては変動演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出(会話予告及びカットイン)が現れるようになっている。したがって、変動番号9〜12では、実質的に1つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義であり、変動番号13,14では、実質的に2つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義である。
そうすると、例えば、変動番号14では、実質的には、予告数3に対して「1000」の演出乱数が割り振られているのと同義になることから、当該キャラリーチ演出に相当する変動番号7〜14のなかでは最も予告演出が数多く出現し易くなるように割り振られていると言える。
なお、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号15〜22)においても、このようなキャラリーチ内の各変動番号の関係と概ね同じ関係が設定されている。ただし、SPリーチでは、キャラリーチに比べて予告数の出現割合(平均出現数)が高くなっている。
その他、テーブルT5bでは、テーブルT5aと概ね同じ態様で演出乱数の振り分けがなされているが、ミッション演出が実行されないときに参照されるものであることから、ミッション演出が実行されないときに参照されるテーブルT5aよりもタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が少なくなるようになっている。
図227は、ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5532におけるYES)がなされている第3の処理状況にある場合にステップS5533の処理において参照されるテーブルT5cの一例を示す図である。
まず、同図227に示されるように、テーブルT5cも、予告側タイマ演出やミッション演出が実行される場合に参照されるものであるから、予告側タイマ演出を実行し得ない変動パターンに相当する変動番号1〜6や、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときには当該テーブルT5cが参照されることはない。
ただし、テーブルT5cでは、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、少なくとも2つのタイマ対象候補演出は選択されるように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。ただし、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が出現する変動番号については、必ずしも予告演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出を割り振らなくてもよく、変動演出の演出内容に応じて予告演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(変動番号9,17)を割り振ったり、タイマ対象候補演出を割り振らない(変動番号13,21)ようにしてもよい。
また、テーブルT5cでは、キャラリーチ演出に相当する変動番号7,8,10〜12,14のなかでも、変動番号7,8のうちの当り演出に対しては最大5つのタイマ対象候補演出が割り振られているのに対し、変動番号10〜12のうちの当り演出に対しては最大4つのタイマ対象候補演出が割り振られており、変動番号14に至っては最大3つのタイマ対象候補演出しか割り振られていない。ただし、変動番号7,8では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が現れないものであるのに対し、変動番号10〜12では、変動演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(会話予告またはカットイン)が現れるようになっており、変動番号14に至っては変動演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出(会話予告及びカットイン)が現れるようになっている。したがって、変動番号10〜12では、実質的に1つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義であり、変動番号14では、実質的に2つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義である。
そうすると、例えば、変動番号14では、実質的には、予告数4に対して「400」の演出乱数が割り振られており、予告数5に対して「600」の演出乱数が割り振られているのと同義になることから、当該キャラリーチ演出に相当する変動番号7,8,10〜12,14のなかでは最も予告演出が数多く出現し易くなるように割り振られていると言える。
また、第3の処理状況にあるときのキャラリーチでは、図柄変動が停止されるまでの間に最大5つのタイマ対象候補演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ)が出現しうるタイミングが到来するようになっている。ただし、最大5つのタイマ対象候補演出のうち1つは大当り確定演出(特別タイマ)であるとともに、会話予告が選択されたときにはミッション成功による大当り演出として機能することとなることから、タイマ対象候補演出が4つ以上出現するときには大当り確定の予告演出(ミッション成功または特別タイマ)が現れることとなる。したがって、テーブルT5cでは、ハズレ時の変動番号では最大でも3つまで(変動側のタイマ対象候補演出の数と、予告側のタイマ対象候補演出の数の合計が3つまで)しかタイマ対象候補演出が出現可能とされていない。
しかも、最大5つのタイマ対象候補演出のうち1つは大当り確定演出(特別タイマ)であるから、変動番号8のときに予告数5が選択された場合や、変動番号10,12のときに予告数4が選択された場合、変動番号14のときに予告数3が選択された場合は、大当り確定演出(特別タイマ)を実行することが確定されることとなる。このように、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合は、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に比べて後述の特別タイマの出現する割合が高くなることから、大当りに当選することだけではなく高確率時短状態に移行することや16ラウンドの大当り遊技が実行されることへの期待感を持つことができるようになる。特に、ダブルタイマの態様であり且つミッション演出が実行されるときには、より一層、このような期待感を持つことができるようになることから、そもそも期待度の低いミッション演出をうまく利用して効果的な演出状況を生み出すことができるようになる。
ちなみに、変動番号10のときに現れる演出パターン(キャラリーチ+会話予告)は、変動番号11,12のときに現れる演出パターン(キャラリーチ+カットイン)に比べて大当り期待度が低く設定されていることは上述した通りである。ただし、上記第3の処理状況にあるときに参照される当該テーブルT5cにあって、変動番号10とは、「ミッション成功(特別表示)が表示され、その後に大当り図柄で停止される演出パターンとして実行されるもの」であることに鑑み、変動番号11,12の場合(ミッション成功(特別表示)が表示されない場合)に比べて予告演出の出現数や出現確率が高くなるようにしており、これによってミッション成功(特別表示)が表示されたときの遊技興趣の向上が図られるようにしている。
これに対し、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号15,16,18〜20,22)においても、このようなキャラリーチ内の各変動番号の関係と概ね同じ関係が設定されている。ただし、SPリーチのうち変動番号18が上記変動番号10に相当し、変動番号19,20が上記変動番号11,12に相当するものであるが、上記キャラリーチの場合とは異なり、当り時の変動番号18よりも当り時の変動番号20のほうが予告演出の出現数や出現確率が高くなっている(大当り期待度の高い変動番号ほど予告数が多くなり易くなっている)。また、SPリーチでは、キャラリーチに比べて予告数の出現割合(平均出現数)が高くなっている。
なお後述するが、第3の処理状況にあるときのSPリーチでは、図柄変動が停止されるまでの間に最大6つのタイマ対象候補演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作)が出現しうるタイミングが到来するようになっている。ただし、会話予告が選択されたときにはミッション成功による大当り演出として機能することとなることから、タイマ対象候補演出が6つ出現するときには大当り確定の予告演出が現れることとなる。したがって、テーブルT5cでは、ハズレ時のSPリーチに相当する変動番号では最大でも5つまで(変動側のタイマ対象候補演出の数と、予告側のタイマ対象候補演出の数の合計が5つまで)しかタイマ対象候補演出が出現可能とされていない。
図228は、ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5532におけるNO)がなされている第4の処理状況にある場合にステップS5543の処理において参照されるテーブルT5dの一例を示す図である。
まず、同図228に示されるように、テーブルT5dは、予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、予告側タイマ演出を実行し得ない変動パターンに相当する変動番号1〜6が取得されているときには当該テーブルT5dが参照されることはない。ただし、ミッション演出が実行されないときに参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときにも当該テーブルT5bは参照される。したがって、テーブルT5dでは、変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている。
また、テーブルT5dも同様、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合に参照されるものであるから、少なくとも2つのタイマ対象候補演出は選択されるように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。ただし、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が出現する変動番号については、必ずしも予告演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出を割り振らなくてもよく、変動演出の演出内容に応じて予告演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(変動番号9,17)を割り振ったり、タイマ対象候補演出を割り振らない(変動番号13,21)ようにしてもよい。
また、これも同様、テーブルT5dでは、キャラリーチ演出に相当する変動番号7〜14のなかでも、変動番号7,8のうちの当り演出に対しては最大4つのタイマ対象候補演出が割り振られているのに対し、変動番号10〜12のうちの当り演出に対しては最大3つのタイマ対象候補演出が割り振られており、変動番号13,14の当り演出に至っては最大2つのタイマ対象候補演出しか割り振られていない。ただし、変動番号7,8では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットイン)が現れないものであるのに対し、変動番号9〜12では、変動演出の演出内容として1つのタイマ対象候補演出(会話予告またはカットイン)が現れるようになっており、変動番号13,14に至っては変動演出の演出内容として2つのタイマ対象候補演出(会話予告及びカットイン)が現れるようになっている。したがって、変動番号9〜12では、実質的に1つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義であり、変動番号13,14では、実質的に2つ多くの予告演出がそれぞれ割り振られているようになっているのと同義である。
そうすると、例えば、変動番号14では、実質的には、予告数4に対して「1000」の演出乱数が割り振られているのと同義になることから、当該キャラリーチ演出に相当する変動番号7〜14のなかでは最も予告演出が数多く出現し易くなるように割り振られていると言える。
なお、相対的に期待度の高いSPリーチ(変動番号15〜22)においても、このようなキャラリーチ内の各変動番号の関係と概ね同じ関係が設定されている。ただし、SPリーチでは、キャラリーチに比べて予告数の出現割合(平均出現数)が高くなっている。
その他、テーブルT5dでは、テーブルT5cと概ね同じ態様で演出乱数の振り分けがなされているが、ミッション演出が実行されないときに参照されるものであることから、ミッション演出が実行されないときに参照されるテーブルT5cよりもタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が少なくなるようになっている。
そして、図220に示されるように、こうして予告側タイマ種別抽選(ステップS5505)の結果としてシングルタイマの態様とダブルタイマの態様とのいずれで予告側タイマ演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5506)、さらには第1ミッション演出抽選(ステップS5504)の結果としてミッション演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5507,S5532)の各結果に応じた内容(テーブルT5a〜d)でタイマ対象候補演出(予告側タイマ演出の演出対象になりうる予告演出)の出現数を決定した後に(ステップS5508,S5523,S5533,S5543)、該決定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるか、さらにはそのうちのいずれの予告演出をタイマ演出の演出対象にするかについての判定処理を行う(ステップS5509,S5524,S5534,S5544)。
図229は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5507におけるYES)がなされている第1の処理状況において、ステップS5508の処理を実行した結果として予告数を1にすることが決定された場合(ステップS5509)に参照されるテーブルT6a−1の一例を示す図である。
例えば、同図229に示されるように、このテーブルT6a−1(ステップS5509:予告数1)では、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、タイマ対象候補演出として実行することが決定された1つの予告演出が、予告側タイマ演出の演出対象として自ずと設定されることとなる(図中、○印が予告側タイマ演出の演出対象として実行されることを示している)。これに対し、図示は割愛するが、タイマ対象候補演出としてN個(2以上)の予告演出を決定することが求められる場合は(ステップS5509:予告数N)、タイマ対象候補演出としてN個の予告演出を決定するとともにそのうちの1つを予告側タイマ演出の演出対象として決定することとなる。
なお、タイマ対象候補演出としてN個(2以上)の予告演出を決定することが求められる場合であって、そのうちのN−1個(シングル態様のときは1個、ダブル態様のときは2個)以下の数の演出を予告側タイマ演出の演出対象とするときには(ステップS5509,S524,S534,S544)、タイマ対象候補演出としてN個分の同じ演出組み合わせの演出を選択した場合であっても、それら演出のいずれを予告側タイマ演出として決定するかに応じて大当り期待度が異なるようにすることが望ましい。例えば、一の演出パターンのなかで相対的に早いタイミングで出現する先演出(例えば、会話予告)と、一の演出パターンのなかで相対的に遅いタイミングで出現する後演出(例えば、役物A動作)とがタイマ対象候補演出として選択された場合は、先演出(例えば、会話予告)を予告側演出タイマの演出対象にするときよりも後演出(例えば、役物A動作)を予告側演出タイマの演出対象にするときのほうが大当り図柄(特別表示態様)の現れる割合が高くなるように設定することとなる(ステップS5509,S5524,S5534,S5544)。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動演出の演出内容として「会話予告」や「カットインA,B」を実行する変動番号が取得されている場合であっても、予告演出の演出内容として「会話予告」や「カットインA,B」を決定しうるものとなっている。ただしこの結果、変動演出の演出内容と予告演出の演出内容との両方で同じ演出を出現させることが決定された場合は、予告演出の演出内容としてこれを別個に出現させる制御はせず、変動演出の演出内容として現れる演出(会話予告、カットインA,B)を予告側タイマ演出の演出対象として設定する処理が行われる(ステップS5509,S524,S534,S544)。
例えば、テーブルT6a−1(予告数1)の例では、変動番号10,14,18,22で「会話予告」が予告演出の演出内容として決定された場合や、変動番号11〜14で「カットインA」が予告演出の演出内容として決定された場合や、変動番号19〜22で「カットインB」が予告演出の演出内容として決定された場合は、変動演出の演出内容と予告演出の演出内容との両方で同じ演出を出現させることが決定されることとなる。ただしここでは、予告演出の演出内容として別個に出現させる制御は行われず、変動演出の演出内容として現れる演出(会話予告、カットインAまたはカットインB)を予告側タイマ演出の演出対象として設定する処理が行われるようになっている。
なお、変動演出の演出内容と予告演出の演出内容との両方で特定演出(会話予告、カットインAまたはカットインB)を出現させることが決定された場合、予告演出の演出内容としてこれを別個に出現させる制御を行うようにして、該別個に出現させる側の特定演出(予告演出の演出内容)を予告側タイマ演出の演出対象として設定するようにしてもよい。
また、このテーブルT6a−1(予告数1)では、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、図219に併せて示されるように、変動演出の内容として「会話予告」を実行する変動番号10,14,18,22が取得されている場合や、タイマ対象候補演出(予告演出の内容)として「会話予告」を選択した場合(PTN1)は、特別表示(ミッション成功)が表示されて大当り図柄が現れることが確定的に示唆されるようになる。
この点、変動演出の内容として「会話予告」を実行する当り時の変動番号10,14,18,22では、変動演出の内容として「会話予告」を実行しない当り時の変動番号8,12,16,20に比べて予告演出の演出内容として「会話予告」を決定する割合が低くなるように設定されている。すなわち上述の通り、変動番号10,14,18,22において予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されると変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が「会話予告」を演出対象として実行されることとなるが、このように2つのタイマ演出が同じ演出を演出対象にする場合は、基本的には、2つのタイマ演出が異なる演出を演出対象にする場合に比べて大当り期待度が低くなるように設定しているためである。これにより、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が「会話予告」を演出対象とする場合における特別表示(ミッション成功)の出現割合を相対的に低くすることができるようになる。
このような「会話予告」以外の変動演出の演出内容なども同様であり、例えば、SPリーチに相当する変動番号15〜22のうち変動演出の演出内容として「カットインB」を実行しない変動番号15,16のうち、ハズレ時の変動番号15には150個の演出乱数が割り振られているのに対し、当り時の変動番号16には250個もの演出乱数が割り振られている。一方、SPリーチに相当する変動番号15〜22のうち変動演出の演出内容として「カットインB」を実行する変動番号19,20のうち、ハズレ時の変動番号19には250個の演出乱数が割り振られているのに対し、当り時の変動番号20には200個の演出乱数しか割り振られていない。
すなわちこの場合、変動番号15,16で変動側タイマ演出によってのみ「カットインB」が演出対象にされる場合は、変動番号19,20で変動側タイマ演出及び予告側タイマ演出の両方が出現してこれらの両方が「カットインB」を演出対象にする場合に比べて大当り図柄の現れる割合が高くなるようになる。これにより、2つのタイマ演出が同時にカウント表示される状況においてはそれらのタイマ演出が同じ演出対象で所定数値に達してしまうのか否かが重要な演出要素として機能するようになり、カウント表示中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、キャラリーチに相当する変動番号7〜14のうち当り時の変動番号8,10,12,14では、演出パターンにおいて大当り図柄(特別表示態様)が停止されるまでの間(図柄変動中)に出現する演出ではなく演出パターンにおいて大当り図柄(特別表示態様)が停止された後に現れる演出(例えば、大当り遊技中の確変示唆演出や高ラウンド示唆演出など)を演出対象にする特別タイマの態様で予告側タイマ演出を実行することが決定されうるようになっている。この特別タイマについては後述することとするが、この実施の形態では、当該ステップS5509の処理において特別タイマを発生させることが決定された場合であっても特別タイマを出現させないことがあり、その実行の有無を含めて、特別タイマの実行態様については後のステップS5514の処理にて決定されることとなる。
ここで、予告側タイマ演出は、カウント表示が開始されてから終了されるまでのカウント総数が少なくても大当り期待度が相対的に高い場合(変動表示の途中から開始される場合など)があるのに対し、変動側タイマ演出では、カウント表示が開始されてから終了されるまでのカウント総数が少ない場合は多い場合よりも該タイマ演出にて示唆される期待度が必ず低くなるように制御してもよい。
なお後述するが、このような特別タイマは、演出パターンにおいて大当り図柄(特別表示態様)が現れることを確定的に示唆するものであることはもとより、出現したときには高確率時短遊技状態や16ラウンド大当り遊技が実行される割合が相対的に高くなる点で、他の演出を演出対象にするタイマ演出に比べて遊技者にとって有益なものであると言える。なお、該割合については100%を含むようにしてもよい。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、ミッション演出において特別表示(ミッション成功)が現れるときには、特別表示(ミッション成功)が現れないときに比べて特別タイマの出現割合が高くなるように制御することで、特別表示(ミッション成功時)が現れたときの期待感がより好適に奏されるようにしている(ステップS5509,S5534)。例えば、テーブルT6a−1(予告数1)においては、特別タイマが出現しうるキャラリーチに相当する変動番号7〜14のうち、会話予告を演出対象にした変動側タイマ演出(ミッション成功)が出現する当り時の変動番号10、14には100個の演出乱数が特別タイマに対して割り振られているのに対し、会話予告を演出対象にした変動側タイマ演出(ミッション成功)が出現しない当り時の変動番号8、12には50個の演出乱数しか特別タイマに対して割り振られていない。
またさらに、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、特別表示(ミッション成功)が現れなかったとしてもミッション演出(会話予告を出現させろ)が行われるときには(ステップS5509,S5534)、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が行われないとき(ステップS5524、S5544)に比べて特別タイマの出現割合が高くなるように制御することで、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が現れたときの期待感がより好適に奏されるようにしている。
また、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とによるダブルの態様でタイマ演出が行われる場合は、予告側タイマ演出のみによるダブルの態様でタイマ演出が行われる場合に比べて特別タイマの出現割合が低くなるように設定されている。また、1つの変動側タイマ演出と2つの予告側タイマ演出とによるトリプルの態様でタイマ演出が行われる場合であっても、予告側タイマ演出の1つが変動側タイマ演出と同じ演出を演出対象にする場合には、予告側タイマ演出と変動側タイマ演出とで同じ演出を演出対象にしない場合に比べて特別タイマの出現割合が低くなるように設定されている。
図230は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、ステップS5523の処理を実行した結果として予告数を1にすることが決定された場合(ステップS5524)に参照されるテーブルT6b−1の一例を示す図である。
同図230に示されるように、このテーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)では、特別タイマが出現しうるキャラリーチに相当する変動番号7〜14のうち、変動番号10、14には50個の演出乱数が割り振られており、変動番号8、12には20個の演出乱数が割り振られている。このように、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が行われないとき(テーブルT6b−1)では、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が行われるとき(テーブルT6b−1)に比べて特別タイマの出現割合が低くなるように設定されていることは明らかである。
また、このテーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)は、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行されないときに参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときにも当該テーブルT6b−1(予告数1)は参照される。したがって、テーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)では、変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている。
しかも、変動番号9,10,13,14,17,18,21,22では、変動演出の演出内容として「会話予告」を演出対象にした変動側タイマ演出を出現させるものであるから、予告演出の演出内容として「会話予告」が選択されるときには変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が「会話予告」を演出対象として実行されることとなるものである。したがって、テーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)では、変動番号9,10,13,14,17,18,21,22において「会話予告」が選択されるときには、その他の変動番号において「会話予告」が選択されるときに比べて大当り期待度が低くなるように演出乱数の振り分けがなされている。
このような「会話予告」以外の変動演出の演出内容なども同様であり、例えば、SPリーチにおいて変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が演出対象にしうる「カットインB」についても、上述のテーブルT6a−1(予告数1)の場合と同じ態様での割り振りがなされている。
また、これも同様、このテーブルT6b−1(ステップS5524:予告数1)も、シングルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、タイマ対象候補演出として実行することが決定された1つの予告演出が、予告側タイマ演出の演出対象として自ずと設定されることとなる。これに対し、図示は割愛するが、タイマ対象候補演出としてN個(2以上)の予告演出を決定することが求められる場合は(ステップS5524:予告数N)、タイマ対象候補演出としてN個の予告演出を決定するとともにそのうちの1つを予告側タイマ演出の演出対象として決定する点も同様である。
このようなシングルの態様で予告側演出タイマが行われるときのタイマ対象予告抽選(ステップS5509,S5524)に対し、ダブルの態様で予告側演出タイマが行われるときのタイマ対象予告抽選(ステップS5534,S5544)においても、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が同じ演出を演出対象にする場合、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とが異なる演出を演出対象にする場合に比べて大当り期待度が低くなるように設定されている点など、基本的には同じ態様で演出乱数の振り分けがなされている。
図231は、ダブルタイマの態様であり(ステップS5506におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5532におけるNO)がなされている第4の処理状況において、ステップS5543の処理を実行した結果として予告数を2にすることが決定された場合(ステップS5544)に参照されるテーブルT6d−2の一例を示す図である。
同図231に示されるように、このテーブルT6d−2f(ステップS5544:予告数2)では、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、タイマ対象候補演出として実行することが決定された2つの予告演出はいずれも、予告側タイマ演出の演出対象としてそれぞれ自ずと設定されることとなる。これに対し、図示は割愛するが、タイマ対象候補演出としてN個(3以上)の予告演出を決定することが求められる場合は(ステップS5544:予告数N)、タイマ対象候補演出としてN個の予告演出を決定するとともにそのうちの2つを予告側タイマ演出の演出対象として決定することとなる。このような処理は、他の演出状況におけるタイマ対象予告抽選においても実行されるものである。
また、同図231に示されるように、このテーブルT6d−2fにおいても、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との両方が同じ演出を演出対象にする場合、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とが異なる演出を演出対象にする場合に比べて大当り期待度が低くなるように設定されている。
また、予告側演出タイマとして選択される2つの予告演出の一方が変動側演出タイマと同じ演出対象になっている場合は、特別予告側演出タイマとして選択される2つの予告演出の一方が変動側演出タイマと同じ演出対象になっていない場合に比べて特別タイマの選択割合が低くなっている。
特に、変動番号13,14,21,22において、予告側演出タイマとして選択される2つの予告演出の両方が一の演出パターン内で現れる2つの変動側演出タイマと同じ演出対象になっている場合は、大当り期待度が大幅に低くなっている。
そして、図220に示されるように、こうしたタイマ対象予告抽選(ステップS5509,S5524,S5534,S5544)が行われた結果、タイマ対象候補演出のいずれの演出を出現させるかと、予告側タイマ演出の演出対象をいずれにするかがそれぞれ決定されると、次にステップ510の処理としてカウント表示抽選を行う。
このカウント表示抽選(ステップ510)では、タイマ対象候補演出として出現させる旨の決定がなされた各演出を一の演出パターン(変動パターン)内のいずれのタイミングでそれぞれ出現させるか、さらには演出対象に向けてカウント表示する予告側タイマ演出を一の演出パターン(変動パターン)内のいずれのタイミングから実行させるかについての決定が行われる。なお、この決定では、予告側タイマ演出の演出対象とされる演出の出現タイミングが遅いときには、予告側タイマ演出の演出対象とされる演出の出現タイミングが早いときに比べて大当り図柄(特別表示態様)の出現割合が高くなるように行われることが望ましい。
図232は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、キャラリーチに相当する変動番号が選択されているときに行われるカウント表示抽選(ステップ510)の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
例えば、このような第2の処理状況においてキャラリーチに相当する変動番号7〜14が選択されているときには、同図232に示されるように、まず、変動演出(演出パターン)側の演出として、
・通常演出が行われる通常演出期間、
・通常演出時の背景のもとで装飾図柄がリーチ態様になった以降の通常リーチ演出期間、・通常演出時とは異なる背景に切り替わって演出進展されるキャラリーチ演出期間、及び・大当りの当落が示されるように装飾図柄が確定停止(大当り図柄、ハズレ図柄)される図柄停止期間
といった各期間が、50秒の変動時間(図柄変動が行われる期間)内で順次に現れることが決定済みとされている処理状況にある(同図中における「変動時間」、「変動PTN演出」の行を参照)。
また、この処理状況においては、例えば、変動番号14が取得されているときには、演出パターンとして、図柄変動の開始に合わせて変動側タイマ演出を開始させてこれを10秒にわたって表示した後に「会話予告」を出現させることと、所定時間経過後に変動側タイマ演出を再び開始させてこれを10秒にわたって表示した後に「カットインA」を出現させることなども決定済みとされている。
なお上述の通り、一の変動パターン(変動番号)であったとしても演出パターンについてはこれに限られず、図柄変動の開始から所定時間後に変動側タイマ演出を開始させてこれを5秒にわたってカウント表示した後に「会話予告」を出現させるような、他の演出パターンも選択可能とされている。また、これも上述したが、このような演出パターンの選択は、当該予告演出に関する抽選(図220に示される各処理)よりも前に実行済みとなっている。
そして、カウント表示抽選(ステップ510)では、このような各演出期間が順次現れることや変動側の演出内容が決定済みとされているなかで、タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)で決定された予告側演出タイマの演出対象と、該演出対象に向けてカウント表示する予告側演出タイマとをどのようなタイミングでそれぞれ出現させるかについての判定が行われることとなる。なお、タイマ対象予告抽選において予告側演出タイマの演出対象になるタイマ対象候補演出のほか、演出対象にならないタイマ対象候補演出がさらに決定されている場合には該演出対象にならないタイマ対象候補演出の出現タイミングについても当該カウント表示抽選(ステップ510)で決定することとなる。
例えば、上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)において上記予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されている場合は、同図232に示されるように、会話予告1〜4のいずれの態様で会話予告と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定する。なお、この実施の形態では、図中における会話予告1〜4のうち会話予告1の態様が最も大当り期待度の低い態様になっており、数が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなるように選択確率が設定されている。したがって、このカウント表示抽選(ステップ510)では、大当りの当落や変動パターン(変動番号7〜14)などに基づいて会話予告1〜4のいずれか1つを選択することとなり、大当りの当落の別に異なる選択テーブルに基づいて当該カウント表示抽選を行うようにすることが望ましい。
ただしこの際、変動演出の演出内容として会話予告が出現する変動番号9,10,13,14が取得されているときに、上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)においても上記予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されている場合は、会話予告1の態様を必ず選択する。そしてこの場合、変動演出の演出内容として行われる会話予告とは別に、変動演出の演出内容として会話予告を出現させず、変動演出の演出内容として行われる会話予告に向けてタイマ演出のカウント表示が行われる制御を実行することとなる(図中における会話予告1の態様)。
また、同図232に示されるように、キャラリーチに相当する変動番号7〜14が取得されているときに上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)において上記予告演出の演出内容として「保留変化」が決定されている場合は保留変化1〜5のいずれの態様で保留変化と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「カットインA」が決定されている場合はカットインA1〜3のいずれの態様でカットインAと予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「役物A動作」が決定されている場合は役物A動作1〜4のいずれの態様で役物A動作と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「特別タイマ」が決定されている場合は特別タイマ1,2のいずれの態様で予告側タイマ演出を実行するのかを決定することとなる。
なお、この実施の形態では、図中における保留変化1〜5、カットインA演出1〜3、役物A動作1〜4のいずれの演出選択においても、最も数の小さい態様が最も大当り期待度の低い態様になっており、数が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなるようにそれぞれ選択確率が設定されている。これに対し、特別タイマ1,2はいずれも大当り図柄(特別表示態様)が必ず現れることを示す演出である。
また、同図232に示されるように、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、一の演出パターン(ここでは、キャラリーチ)が行われるなかで予告側タイマ演出の出現しうるタイミングを3つ用意しているが(変動開始時、予告E2の出現タイミングの少し前、予告Fの出現タイミングの少し前)、それらの出現タイミングは、複数種のタイマ対象予告(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ)でそれぞれ兼用されるかたちとなっている。そして、こうした複数の出現タイミング(変動開始時、予告E2の出現タイミングの少し前、予告Fの出現タイミングの少し前)では、予告側タイマ演出が出現するときのカウント表示総数としてもこれが複数用意(10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、70秒など)されるとともに、それらのカウント表示総数のいずれが表示されたとしても、その演出対象がいずれの演出であるのかを予測し難い構成とされるようにしている。
例えば、同図232に示されるように、キャラリーチに相当する変動番号7〜14が取得されているときには、上記複数の出現タイミングのうち予告E2の出現タイミングの少し前に到来するタイミングで10秒,20秒,30秒のいずれかのカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現しうるようになっている。ただし、10秒のカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現したときには、キャラリーチの演出パターンのなかだけでも会話予告3及び保留変化3のいずれの態様が実行されているのかを予測し難くなっているし、20秒のカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現したときにも、キャラリーチの演出パターンのなかだけでも保留変化4及びカットインA2のいずれの態様が実行されているのかを予測し難くなっている。
この点、上記複数の出現タイミングのうち予告E2の出現タイミングの少し前に到来するタイミングで30秒のカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現したときには、キャラリーチの演出パターンのなかだけを見ると役物A動作2の態様しか実行され得ない。ただし、後述のSPリーチの演出パターン(図233を参照)を見ると変動開始から同じタイミングで役物A動作2の態様が実行されうるようになっていることから、予告E2の出現タイミングの少し前に到来するタイミングで30秒のカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現した場合であっても、キャラリーチであるのかSPリーチであるのかも含めていずれの態様で予告側タイマ演出が実行されるのかを予測することは困難とされている。
このような構成によれば、予告側タイマ演出が出現したときにいずれの演出を演出対象としているのか(演出対象とされる演出の種別によって大当り期待度が異なる)を不明のままとすることができることから、当該タイマ演出のカウント表示が特定数値(ここでは0)になるまで遊技興趣を好適に維持することができるようになる。なお、この実施の形態では、同じタイミングで同じカウント表示総数をもった予告側タイマ演出が出現した場合、基本的には(ミッション演出などとの兼ね合いがなければ)、演出対象が会話予告であるときが最も大当り期待度が低くなっており、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作の順に次第に大当り期待度が高くなるように設定されている。
また、上記構成によれば、予告側タイマ演出が出現するときには、いずれの出現タイミングであっても複数のカウント表示総数(秒数の長さによって大当り期待度が異なる)が用意されていることから、予告側タイマ演出が出現するときにはカウント表示総数がいずれであるのかについての興味を持たせることができるようになり、予告側タイマ演出の出現時の遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、この実施の形態では、いずれのタイミングで出現する予告側タイマ演出であっても、出現時にはその演出対象が予測困難とされるようにしているが、カウント表示総数に対して一の演出対象(例えば、特別タイマ)しか対応付けせずに演出対象を予測可能として設定された態様も含まれるようにしてもよい。また、予告側タイマ演出が出現しうる出現タイミングとして、一のカウント表示総数しか現れない出現タイミングが含まれるようにしてもよい。
また、図232に示される例(キャラリーチ:予告数1)では、説明の便宜上、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出を演出対象にしている場合に、図中においては、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ秒数分だけカウント表示したり、同じタイミングでカウント表示が終了されるかのように記載している。ただし上述の通り、実際は、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出(例えば、会話予告)を演出対象にする場合であっても、各カウント表示の終了タイミングを異ならせるようにしており、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出との一方が先に特定数値(ここでは0)に達して終了されるのに対し他方のカウント表示は継続させるようにしている。
また、図232に示される例(キャラリーチ:予告数1)では、秒単位でタイマ演出のカウント表示がなされるかのように記載されているが、カウント表示で現れる数字の単位としては「秒」に限られない。したがって、例えば、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とでカウント表示の数字変化に要する時間が異なっていてもよいし、変動側タイマ演出で現れるカウント表示において各数字の変化に要する時間が一定でなくてもよい。
また、図232に示される例(キャラリーチ:予告数1)では、上記予告演出の演出内容として「特別タイマ」が決定されている場合は特別タイマ1,2のいずれの態様で予告側タイマ演出を実行するのかを決定することとしている。すなわちこの場合、当該演出パターン(キャラリーチ)において大当り図柄(特別表示態様)が現れた後、20秒が経過したとき(大当り遊技の実行期間中)にカウント表示が特定数値(ここでは0)に達することとなる。そしてこの後、大当りの種別として遊技者に有利な種別であることを示唆する演出(例えば、高確率時短状態に移行させる当り種別や、16ラウンドの大当り遊技が行われる当り種別など)が開始されることとなるが、このような特別タイマの態様については後述のステップS5514にて設定される。
なお、この実施の形態では、カウント表示抽選(ステップS5511)内にて特別タイマ1,2の態様のいずれを選択するかを決定することとしているが、この決定にかかる処理も含めて、後述のステップS5514にて設定するようにしてもよい。
また、保留情報に応じた変動表示が開始されるタイミングではなく、変動表示が開始されてから所定時間経過後にカウント表示を開始させるときは、後述のタイマ先読み演出が実行されていない場合であっても該カウント表示が開始されるまでの所定時間にわたって後述のタイマ先読み演出で表示される態様(例えば、タイマ準備中)を出現(例えば、所定確率で出現)させるようにしてもよい。
図233は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、SPリーチに相当する変動番号が選択されているときに行われるカウント表示抽選(ステップ510)の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
例えば、このような第2の処理状況においてSPリーチに相当する変動番号15〜22が選択されているときには、同図233に示されるように、まず、変動演出(演出パターン)側の演出として、
・通常演出が行われる通常演出期間、
・通常演出時の背景のもとで装飾図柄がリーチ態様になった以降の通常リーチ演出期間、・通常演出時とは異なる背景に切り替わって演出進展されるキャラリーチ演出期間、
・キャラリーチ演出期間内で装飾図柄が確定停止されず、さらに演出進展されるかたちで現れるSPリーチ演出期間、及び
・大当りの当落が示されるように装飾図柄が確定停止(大当り図柄、ハズレ図柄)される図柄停止期間
といった各期間が、90秒の変動時間(図柄変動が行われる期間)内で順次に現れることが決定済みとされている処理状況にある(同図中における「変動時間」、「変動PTN演出」の行を参照)。
また、この処理状況においては、例えば、変動番号22が取得されているときには、演出パターンとして、図柄変動の開始に合わせて変動側タイマ演出を開始させてこれを10秒にわたって表示した後に「会話予告」を出現させることと、所定時間経過後に変動側タイマ演出を再び開始させてこれを10秒にわたって表示した後に「カットインB」を出現させることなども決定済みとされている。
なお、この例(SPリーチ:予告数1)においても、図232に示される例(キャラリーチ:予告数1)の場合と同様、一の変動パターン(変動番号)であったとしても演出パターンについてはこれに限られず、図柄変動の開始から所定時間後に変動側タイマ演出を開始させてこれを5秒にわたってカウント表示した後に「会話予告」を出現させるような、他の演出パターンも選択可能とされている。
そして、この例(SPリーチ:予告数1)においては、例えば、上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)において上記予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されている場合は、同図233に示されるように、会話予告1〜6のいずれの態様で会話予告と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定する。なお、この実施の形態では、図中における会話予告1〜6のうち会話予告1の態様が最も大当り期待度の低い態様になっており、数が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなるように選択確率が設定されている。したがって、このカウント表示抽選(ステップ510)では、大当りの当落や変動パターン(変動番号15〜22)などに基づいて会話予告1〜6のいずれか1つを選択することとなり、大当りの当落の別に異なる選択テーブルに基づいて当該カウント表示抽選を行うようにすることが望ましい。
ただし、これも同様、変動演出の演出内容として会話予告が出現する変動番号17,18,21,22が取得されているときに、上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)においても上記予告演出の演出内容として「会話予告」が決定されている場合は、会話予告1の態様を必ず選択する。そしてこの場合、変動演出の演出内容として行われる会話予告とは別に、変動演出の演出内容として会話予告を出現させず、変動演出の演出内容として行われる会話予告に向けてタイマ演出のカウント表示が行われる制御を実行することとなる(図中における会話予告1の態様)。
また、同図233に示されるように、キャラリーチに相当する変動番号15〜22が取得されているときに上記タイマ対象予告抽選(ここでは、ステップS5524)において上記予告演出の演出内容として「保留変化」が決定されている場合は保留変化1〜7のいずれの態様で保留変化と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「カットインA」が決定されている場合はカットインA1〜5のいずれの態様でカットインAと予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「役物A動作」が決定されている場合は役物A動作1〜4のいずれの態様で役物A動作と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「カットインB」が決定されている場合はカットインB1〜5のいずれの態様でカットインBと予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定し、上記予告演出の演出内容として「役物B動作」が決定されている場合は役物B動作1〜4のいずれの態様で役物B動作と予告側タイマ演出とをそれぞれ実行するのかを決定することとなる。
なお、このSPリーチの例でも、図中における保留変化1〜7、カットインA1〜5、役物A動作1〜4、カットインB1〜5、役物B動作1〜4のいずれの演出選択においても、最も数の小さい態様が最も大当り期待度の低い態様になっており、数が大きくなるにつれて大当り期待度が高くなるようにそれぞれ選択確率が設定されている。
また、図233に示される例では、一の演出パターン(ここでは、SPリーチ)が行われるなかで予告側タイマ演出の出現しうるタイミングを6つ用意しているが(変動開始時、予告E2の出現タイミングの少し前、予告Fの出現タイミングの少し前、通常リーチ演出期間が終了する少し前、キャラリーチ演出期間内、SPリーチ演出期間が開始されるタイミング)、これらのタイミングにおいて予告側タイマ演出が出現されるときにはその演出対象がいずれの演出であるのかを予測し難い構成とされている点なども、図232に示した例の場合と同様である。
ただし、図233に示される例では、カウント表示総数に対して一の演出対象しか対応付けせずに演出対象を予測可能として設定された態様(例えば、カットインBのタイマ40秒)や、予告側タイマ演出が出現しうる出現タイミングとして、一のカウント表示総数しか現れない出現タイミング(例えば、SPリーチ演出期間が開始されるタイミングでの10秒)が含まれている。
このように、カウント表示抽選(ステップS5510)では、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出や予告側タイマ演出の出現時期などが決定される。この点、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出の数が2つ以上の場合には予告側タイマ演出の演出対象とされる演出のほか、予告側タイマ演出の演出対象とされない演出の出現時期なども併せて決定される。また、ダブルタイマの態様で予告側タイマ演出が実行される場合には、2つの予告側タイマ演出とそれらの演出対象となる演出をそれぞれどのようなタイミングで出現させるか(2つの予告側タイマ演出のカウント表示を重なる時期に実行するか否かも含めて)などもさらに決定されることとなる。
ただし、このカウント表示抽選(ステップS5510)では、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出の数や、ダブルタイマの態様であるか否かや、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行されるか否かなどの処理状況に応じて、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出や予告側タイマ演出の出現時期などが異なる態様で決定されるようにすることが望ましい。例えば、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行される処理状況においては、変動開始されてから比較的早い段階で会話予告が出現すると演出的な盛り上がりに欠けることから、変動開始されてから比較的遅い段階で出現する会話予告が選択され易くすることが望ましい。また、ダブルタイマの態様では、一の演出パターン内で各カウント表示が重ならない期間でそれぞれ実行される場合よりも、各カウント表示が同時に進行される状況が現れたほうが2つのタイマ演出が実行されていることへの実感を持たせることができることから、各カウント表示が同時に進行される状況が現れない場合よりも各カウント表示が同時に進行される状況が現れる場合のほうが選択割合が高くなるようにすることが望ましい。また、タイマ対象予告抽選で決定された予告演出の数が2つ以上の場合には、予告演出が同時期に出現しないようにそれらの予告演出の出現時期を決定することとなる。
なお、予告側タイマ演出の出現しうるタイミング(例えば、変動開始時、予告E2の出現タイミングの少し前、予告Fの出現タイミングの少し前、通常リーチ演出期間が終了する少し前、キャラリーチ演出期間内、SPリーチ演出期間が開始されるタイミング)については、各予告演出(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作)が行われうる期間内に設定することが望ましい。すなわちこの場合、特定のタイミングで予告演出が出現しなかったとしても予告側タイマ演出が開始されたり、特定のタイミングで予告側タイマ演出が開始されなかったとしても予告演出が行われたりすることで遊技興趣の低下が抑制されることが期待できるようになる。また、特定のタイミングで予告演出が出現し、さらには予告側タイマ演出が開始される演出状況も発生しうることから、遊技興趣の向上を図ることも期待されるようになる。そしてこの場合、変動開始から所定時間が経過しているときに(特定のタイミングで)予告演出が実行されているときには、変動開始から所定時間が経過しているときに予告演出が実行されていないときよりも予告側タイマ演出が開始される割合が高くなるように設定することが望ましい。
そして、図220に示されるように、こうしてカウント表示抽選(ステップS5510)が行われると、次にステップS5511の処理として、上記カウント表示抽選で決定された予告側タイマ演出の態様が特殊タイマになりうるものであるかを判定する。
すなわち、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、図232及び図233に併せて示されるように、タイマ対象候補演出(予告側タイマ演出の演出対象になりうる予告演出)とは別に、非対象予告演出(予告側タイマ演出の演出対象になりえない予告演出)として非対象予告E1,E2,E3及び非対象予告Fを実行可能としている。そしてこのうち、非対象予告E2は、予告側タイマ演出のカウント表示が行われていない状況では非対象予告Fと比べて大当り期待度が低くなるように設定されるのに対し、予告側タイマ演出のカウント表示が行われている状況では非対象予告Fと比べて大当り期待度が高くなるように設定されるものとなっている。
このような構成では、カウント表示が行われていない間に非対象予告E2(第一演出)が実行されたときにはカウント表示が行われていない間に非対象予告F(第二演出)が実行されたときに比べて大当り図柄(特定の図柄態様)が現れる期待度が低くなる関係があるなかで、カウント表示が行われている間に非対象予告E2(第一演出)が実行されたときにはカウント表示が行われている間に非対象予告F(第二演出)が実行されたときに比べて大当り図柄(特定の図柄態様)が現れる期待度が高くされるように、予告側タイマ演出(カウント演出表示)が実行可能とされるようになる。そこで、このように非対象予告E2(第一演出)が出現したときの期待度を大幅に高くするかたちでカウント表示が行われる予告側タイマ演出(カウント表示の実行期間中に非対象予告E2(第一演出)が開始され且つ終了されるタイマ演出)を「特殊タイマ」と呼称することとしている。
すなわちこの場合、カウント表示が行われていない間は、非対象予告E2(第一演出)が非対象予告F(第二演出)よりも期待度の低い演出として機能するのに対し、カウント表示が行われている間は、非対象予告E2(第一演出)が非対象予告F(第二演出)よりも期待度の高い演出として機能するようになる。したがって、予告側タイマ演出(カウント演出表示)の演出対象にならず本来関係のない非対象予告E2(第一演出)ではあるものの、カウント表示が消化されるまでの間に該非対象予告E2(第一演出)が出現するか否かの興味を抱かせることができるようになり、これによってカウント表示が消化されて所定の演出(タイマ対象候補演出)が行われるまでの期間における遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。
また、予告側タイマ演出が少ないカウント総数でカウント表示を開始した場合、予告側タイマ演出が多いカウント総数でカウント表示を開始した場合よりも大当り期待度が低くなる傾向に設定されているなかで、このような特殊タイマにかかる制御を実現するようにしたことで、予告側タイマ演出が少ないカウント総数でカウント表示を開始した場合であっても該カウント表示が実行されている間に非対象予告E2が出現する可能性を意識させることができるようになり、遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。この意味では、カウント表示が実行されている間に非対象予告E2が出現する場合は、その後のタイマ演出の対象となる演出(会話予告やカットイン、役物動作など)で大当り確定のプレミア態様が出現する割合が高くなるように制御することが望ましい。なお、該割合については100%を含むようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、非対象予告E1〜E3は、いわゆるステップ演出として実行されるものとなっており、非対象予告E2(第一演出)は、非対象予告E1が出現したことを条件に出現可能とされるものとなっている。また、非対象予告E3は、非対象予告E1,E2がそれぞれ出現したことを条件に出現可能とされるものとなっており、この実施の形態では該非対象予告E3が出現すると必ず大当り図柄が現れるようにしている。このような構成によれば、予告側タイマ演出のカウント表示が行われている間に非対象予告E1(特定の演出)が出現すると、非対象予告E2が出現するかについての興味を持たせることができるようになり、カウント消化期間中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
ただし、非対象予告E1〜E3は、いわゆるステップ演出として必ずしも実行されるものでなくてもよいし、非対象予告E2と非対象予告Fとの間での上述した演出関係を実現する上では非対象予告E1,E3については必ずしも用意されなくてもよい。また、非対象予告E2(第一演出)が出現した後に非対象予告Fを出現させる順番になっているが、これに限られず、例えば、非対象予告F(第二演出)が出現した後に非対象予告E2(第一演出)が出現するようにしてもよい。要は、非対象予告E2は、全ての予告演出の中で最初に出現するものであってもよいし、全ての予告演出の中で最後に出現するものであってもよく、その出現タイミングについては適宜に設定すればよい。また、非対象予告E2は、当該変動表示にて実行されるリーチ演出の種別に関連(示唆)する画像であってもよい。
また、非対象予告E2をいわゆるステップ演出として実現しない場合は、大当り期待度の異なる複数の態様のいずれかで当該非対象予告E2が行われるようにすることが望ましい。そしてこの際、非対象予告E2が最も大当り期待度の高い態様で出現したときには、カウント表示が行われていない状況にあったとしても非対象予告Fより大当り期待度が高くなるようにしてもよい。ただし、カウント表示が行われていない状況での非対象予告E2の出現時に期待できる大当り期待度(全態様を含めた期待度)と非対象予告Fの出現時に期待できる大当り期待度とで比較すると、非対象予告Fの出現時のほうが大当り期待度が高くなっていることが求められる。
この点、カウント表示が行われている状況で非対象予告E2を出現させる場合(特殊タイマの場合)、非対象予告E2を、大当り期待度の低い態様も含めて複数の態様のいずれかで出現させるようにするとともに、いずれの態様が出現した場合であっても非対象予告Fよりも大当り期待度が高くなるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、大当り期待度の低い態様で非対象予告E2が実行されているにもかかわらず大当り期待度が飛躍的に高くなる演出状況が創出されるようになることから、低期待の態様が現れたことで一瞬がっかりすることがあったとしてもカウント表示が実行されていることが確認されることでサプライズ的に遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。この意味では、このような特殊タイマの状況であっても大当り期待度の低い態様で非対象予告E2が実行されうるようにした上で、該低い態様を含めたいずれの態様で非対象予告E2が実行されたとしても(さらには、他の予告演出が発生したか否かにかかわらず)大当り図柄の現れる期待度が同じになるようにすることが望ましい。なお、該期待度については100%を含むようにしてもよい。ただしこの場合であっても、カウント表示が行われている状況で非対象予告E2を出現させる場合は、複数の態様のうち高期待の態様が出現し易くなるように設定することが望ましい。
また、非対象予告E2を跨ぐカウント表示を実行する場合、例えば、カウント表示が異なるカウント総数(例えば、「10」、「5」)のいずれで開始される場合であっても、同じ数字(例えば「1」)になっているときに非対象予告E2が出現されるように制御することが望ましい。またこの際、カウント表示の開始時に現れるカウント総数としての候補(例えば、「20」、「10」、「5」)のうち、最もカウント総数の小さい候補(例えば、「5」)の半分未満の数字(2.5未満の数字)になっているときに非対象予告E2が出現されるように制御することが望ましい。このように、カウント表示が消化し終わるギリギリまで非対象予告E2が出現されないようにすることで、カウント表示が消化し終わるまでの期間における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
なお、非対象予告Fについても大当り期待度の異なる複数の態様のいずれかで実行可能とされるようにしてもよいが、特殊タイマの状況では、当該非対象予告Fが最も大当り期待度の高い態様で出現していたとしても、該非対象予告Fが非対象予告E2(例えば、最も大当り期待度の低い態様)よりも大当り期待度が高くならないように設定することが求められる。
また、非対象予告E2については、変動表示が開始されたときから複数のタイミングのいずれかで出現可能とされるようにしてもよい。すなわちこの場合、同じタイミングでカウント表示が同じカウント総数で出現したとしても、非対象予告E2を跨ぐときと跨がないときとが生じるようになり、カウント表示が実行されているときの遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、変動側タイマ演出については、その実行態様(演出パターン)として選択可能な候補のなかにカウント表示の実行期間内で非対象予告E2が現れる関係となるような態様が含まれないようにしている。
そして、図220に示されるように、ステップS5511の処理において、上記カウント表示抽選(ステップS5510)で決定された予告側タイマ演出の態様が特殊タイマになりうるものである旨判定した場合はステップS5512の処理として第1のタイマ非対象予告抽選を行うとともに、上記カウント表示抽選(ステップS5510)で決定された予告側タイマ演出の態様が特殊タイマになりうるものでない旨判定した場合はステップS5525の処理として第2のタイマ非対象予告抽選を行うこととなる。
なお、特殊タイマになりうるものである旨判定される場合とは、例えば、図232や図233に示される例では、複数の演出態様のうち太字且つ斜字で示される演出態様(例えば、図232に示される会話予告2,3、保留変化2〜4、カットインA1,2、役物動作1,2など)が選択されている場合であり、特殊タイマになりうる演出態様であるか否かは予め分類されている。
図234は、第1のタイマ非対象予告抽選(ステップS5512)で参照されるテーブルT7aの一例を示す図であり、図235は、第2のタイマ非対象予告抽選(ステップS5525)で参照されるテーブルT7bの一例を示す図である。
同図234及び図235に示されるように、タイマ非対象予告抽選(ステップS5512、S5525)では、大当りの当落結果や変動パターン(変動番号)などに基づいて予告側タイマ演出の演出対象となりえない演出として用意されている非対象演出E1〜E3,Fのうちいずれの演出を実行するかについての判定処理が行われる。
そしてこのうち、特殊タイマ時に参照されるテーブルT7a(第1のタイマ非対象予告抽選)では、特殊タイマでないときに参照されるテーブルT7b(第2のタイマ非対象予告抽選)に比べて予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときの大当り期待度が大幅に高くなっている。より具体的には、予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときには、予告Fを実行する態様(PTN5,6)が選択されたときに比べて大当り期待度が高くなっている。
これに対し、特殊タイマでないときに参照されるテーブルT7b(第2のタイマ非対象予告抽選)では、予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときには、予告Fを実行する態様(PTN5,6)が選択されたときに比べて大当り期待度が低くなっている。
なお、この実施の形態では、特殊タイマ時に参照されるテーブルT7aと特殊タイマでないときに参照されるテーブルT7bとを比較すると、予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときには演出乱数の振り分けに変化があり大当り期待度に変化があるが、予告Fを実行する態様(PTN5,6)が選択されたときには大当り期待度に変化がないことはもとより演出乱数の振り分けにすら変化はなく同じになっている。
そして、こうしてタイマ非対象予告抽選(第1のタイマ非対象予告抽選、第2のタイマ非対象予告抽選)が行われて非対象予告のいずれを実行するかが決定されると、次にステップS5513の処理として上述の特別タイマを実行する旨決定された状態にあるか否かを判断する。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、特定種別のリーチ演出(キャラリーチ)が選択されている状況において、大当り判定の結果(当落や変動パターンなど)に基づいて予告側タイマ演出(カウント演出表示)を開始してそのカウント表示を演出パターン(演出表示)において大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降も継続させる制御を実行可能としている。すなわちこの場合、大当り判定の結果に応じた演出パターン(演出表示)が終了して非表示とされた以降も、カウント表示が継続されるようになることから、カウント表示の残り時間などから特別図柄の変動時間(リーチの種別)を予測することが困難とされるようになり、例えば、図柄停止後の大当り遊技状態中の演出に図柄変動中に開始されたカウント表示が関わっていく演出が実現可能とされるなど、その後の演出展開に面白みを持たせることができるようになる。
より具体的には、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、まず、大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降(例えば、図柄が確定停止された以降の大当り遊技の開始インターバル期間や大当り遊技期間)において、出現すると高確率時短遊技状態に移行させる種別に当選している割合が高くなる第1特別演出や、出現すると賞として獲得可能な量の期待値が大きいラウンド数(16ラウンド)が実行される割合が高くなる第2特別演出を実行可能としている。なお、これらの割合については100%を含むようにしてもよい。そして、このような大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降に開始される演出を演出対象とした予告側タイマ演出を、大当り図柄(特別表示態様)が現れるよりも前から開始させてそのカウント表示を大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降も継続的に実行する制御を行うこととしている。
すなわちこの場合、大当り図柄(特別表示態様)が現れるよりも前から開始された予告側タイマ演出のカウント表示が大当り図柄(特別表示態様)が現れるときに終了されず該大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降も継続的に実行された後に特定数値(ここでは0)に達すると、上記第1特別演出または上記第2特別演出が出現するようになる。したがって、このような特別タイマが現れると、演出パターンにおいて大当り図柄(特別表示態様)が現れることを確定的に示唆するものであることはもとより、出現したときには高確率時短遊技状態や16ラウンド大当り遊技が実行される割合が相対的に高くなることから、遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
ただし、このような特別タイマを実現するためには、まず、大当り判定で大当りに当選していることはもとより、該大当りが特定種別(高確率時短遊技状態を発生させる種別や、16ラウンド大当り遊技を発生させる種別)であるか否かを判断し、該特定種別である旨判断したときには、該特定種別でない旨判断したときに比べて高い実行確率で特別タイマを出現させるように制御することが求められる。
したがって、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、ステップS5513の処理において上述の特別タイマの実行が決定されているときには、次にステップS5514の処理として、特別タイマを出現させるか否かの実行の有無を含めて、特別タイマの実行態様を決定することとしている。
例えば、このステップS5514の処理では、まず、大当りが特定種別(高確率時短遊技状態を発生させる種別や、16ラウンド大当り遊技を発生させる種別)であるか否かを判断する。そしてこの結果、大当りが特定種別でないときには所定の確率で特別タイマを出現させない旨の決定を行うことで、こうして間引きされる分だけ、特別タイマが出現すると大当りが特定種別である期待度を高くすることができるようになる。なお、該期待度は100%であってもい。また、特別タイマを出現させない旨の決定を行った場合、特別タイマではなく他の予告演出(タイマ対象候補演出、非対象予告)や予告側タイマ演出を出現させるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、タイマ対象予告抽選にて特別タイマを実行する旨の決定を一旦行った後のステップS5514の処理において、大当りの種別を判定してその結果に基づいて特別タイマを実行するか否かを改めて決定し直すこととしたが、大当りの当落のほか、大当りの種別にも基づいてタイマ対象予告抽選を行うようにすることで、ステップS5514の処理において特別タイマを実行するか否かを改めて決定し直さないようにしてもよい。
また、大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降(例えば、図柄が確定停止された以降の大当り遊技の開始インターバル期間や大当り遊技期間)の第1特別演出または第2特別演出については、大当りが特別種別である期待度の異なる複数の態様のいずれかで実行するようにしてもよい。すなわちこの場合、特別タイマが現れたときにはそのカウント表示が特定数値(ここでは0)に達すると、上記第1特別演出または上記第2特別演出が複数の態様のうち高期待の態様で実行されることとなる。
また、この実施の形態では、大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降の演出(第1特別演出または第2特別演出)については、大当り図柄(特別表示態様)が現れてから所定時間が経過したタイミング(図232に示す例では、20秒が経過したタイミング)で出現させることとしたが、大当り図柄(特別表示態様)が現れてからの複数のタイミング(例えば、15秒が経過した第1タイミングと、30秒が経過した第2タイミング)で出現させるようにしてもよい。すなわちこの場合、特別タイマとしては、大当り図柄(特別表示態様)が現れてから15秒が経過するとき(若しくは、その少し前)に特定数値(ここでは0)に達する第1態様と、大当り図柄(特別表示態様)が現れてから30秒が経過するとき(若しくは、その少し前)に特定数値(ここでは0)に達する第2態様とのいずれかを選択して出現させることとなる。
なおこの際、第1タイミングで演出が現れる場合よりも第2タイミングで演出が現れる場合のほうが特別種別の大当りが得られている割合が高くなるように設定しておき、大当りが特定種別であるときには、第1態様よりも第2態様で特別タイマを出現させる割合が高くなるように実行するようにすれば、大当り図柄(特別表示態様)が現れた以降のカウント表示がどこまで継続されるかの面白みを付加的に持たせることができるようになる。なお、これらの割合については100%を含むようにしてもよい。ちなみに、第1タイミングと第2タイミングとのいずれにおいても演出が出現しなかった場合、第1タイミングで演出が現れる場合よりも特別種別の大当りが得られている割合が低く設定されることとなる。
また、特別タイマについては、大当り図柄(特別表示態様)が現れるよりも前の変動表示の実行期間においては、例えば、「タイマ準備中」として表示しておき、該「タイマ準備中」と表示されているままで大当り図柄(特別表示態様)を出現させた後にカウント表示を開始するようにしてもよい。すなわち、大当り遊技中は、各ラウンド遊技の消化に要する時間が遊技進行に応じて変動するようになっていることから、大当り図柄(特別表示態様)が現れるよりも前の変動表示の実行期間においてカウント表示を開始させてしまうと、特定のラウンド遊技中に特別タイマのカウント表示が所定数値に達するようにすること、さらには演出対象になる演出を開始させるように設定することは困難である。この点、大当り図柄(特別表示態様)を出現させた後にカウント表示を開始させるようにすれば、例えば、大当り遊技中の特定のラウンド遊技が開始されるまでは「タイマ準備中」の状態を維持し、該特定のラウンド遊技が開始されるのに合わせてカウント表示を開始させるようにすることで、特定のラウンド遊技中にカウント表示が所定数値に達して演出対象になる演出が実行されるように設定することが可能とされるようになる。なおこの際、大当り図柄(特別表示態様)を出現させた後にカウント表示が開始されるまでの間、「タイマ準備中」などの表示を何ら行わないようにしてもよい。
また、このように大当り図柄(特別表示態様)を出現させた後にカウント表示を開始するようにした場合、大当り図柄(特別表示態様)を出現させるよりも前の変動表示の実行期間中においても別の予告側タイマ演出のカウント表示を開始させるようにしてもよい。該別の予告側タイマ演出については、大当り図柄(特別表示態様)が出現するよりも前にそのカウント表示が消化し終わって演出対象になる演出が現れるものであってもよいし、大当り図柄(特別表示態様)が出現した後にそのカウント表示が消化し終わって演出対象になる演出が現れるもの(ダブル特別タイマ)であってもよい。
なお、変動表示中の演出と大当り遊技中の演出とは異なる演出内容が現れるものであり、通常、それらの間にはいずれの演出とも異なる演出切替時の演出(例えば、オープニング演出など)が実行されることが多い。この点、このような演出切替時の演出が実行される切替期間内ではいずれのタイマ演出もそのカウント表示が所定数値に達しないように設定した上で、該切替期間内ではカウント表示が非表示にされるようにすることが、2つの演出(ここでは、変動表示中の演出と大当り遊技中の演出)が互いに繋がっていないことを遊技者に認識させるようにする上で望ましい。ただしこの場合、タイマ演出のカウント表示が非表示にされている間も、時間が経過した分だけカウント表示が消化されるようにして、カウント表示が再び表示されるときには非表示にされた時点での数値よりも少ない値(カウントダウンではなく、カウントアップのときは多い値)になっているように制御することが望ましい。
そして、こうして特別タイマの実行態様が決定されるか(ステップS5514)、特別タイマの実行が決定されていないとき(ステップS5513におけるNO)は、次にステップS5515の処理として上記タイマ対象予告抽選やカウント表示抽選などで決定された予告演出を所定の記憶領域にセットした後、当該予告抽選にかかる処理を終了する。これにより、当該予告抽選にて決定された演出に相当する描画データなどが作成されて演出図柄変動中処理においてそれぞれの演出を出現させるべきタイミングで開始させる制御が行われるようになる。
一方、予告側タイマ演出に当選していない旨判断した場合(ステップS5503におけるNO)における上記第2ミッション演出抽選(ステップS5551)が行われた後は、予告側タイマ演出に関する各種の抽選(予告側タイマ種別抽選やシングル抽選など)を行うことなく、該第2ミッション演出抽選の結果としてミッション演出を行う旨の決定がなされたか(ステップS5552)に応じた内容(テーブル)でタイマ対象候補演出(予告側タイマ演出の演出対象になりうる予告演出)を対象にした演出抽選(ステップS5553,S5554,S5563,S5564)を行う。
より具体的には、以下のいずれかの処理を実行することとなる。
・予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5552におけるYES)がなされている第5の処理状況にある場合は、まず、該第5の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5553)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5554)。
・予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5552におけるNO)がなされている第6の処理状況にある場合は、まず、該第6の処理状況にあるときに参照される予告数決定テーブルに基づいて、一の演出パターンの実行中にどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5563)。次いで、該判定処理にて判定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるかについての判定処理を行う(ステップS5564)。
そして、図224を参照して上述した通り、予告側タイマ演出を実行しない第5,第6の処理状況であっても(ステップS5503におけるNO)、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされているときは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定がなされていないときに比べてタイマ対象候補演出の出現上限数(平均出現数)が多くなるように制御するようにしている。
図236は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5552におけるYES)がなされている第5の処理状況にある場合にステップS5553の処理において参照されるテーブルT5eの一例を示す図である。また、図237は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5552におけるNO)がなされている第6の処理状況にある場合にステップS5563の処理において参照されるテーブルT5fの一例を示す図である。
まず、図236に示されるように、テーブルT5eは、ミッション演出が実行される場合に参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときには当該テーブルT5eが参照されることはない。これに対し、図237に示されるように、テーブルT5fでは、ミッション演出が実行されない場合に参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21が取得されているときにも当該テーブルT5fは参照される。したがって、テーブルT5fでは、変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている。
また、テーブルT5e及びテーブルT5fではいずれも、予告側タイマ演出が実行されない第5,第6の処理状況にあるときに参照されるものであり、これらの処理状況においては、予告側タイマ演出の演出対象になりうるタイマ対象候補演出のいずれかを選択することが必須ではない。したがって、テーブルT5e及びテーブルT5fではいずれも、タイマ対象候補演出を必ずしも選択しなくてもいいように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている(予告数0)。
その他、テーブルT5e及びテーブルT5fにおいて同じリーチ演出の内容(キャラリーチやSPリーチ)のなかでも、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットインA)が現れない変動番号では、変動演出の演出内容としてタイマ対象候補演出(会話予告やカットインA)が現れない変動番号に比べて多くの数のタイマ対象候補演出が選択される割合が高くなっている点や、ハズレ時のキャラリーチである変動番号7では、タイマ対象候補演出が最大3つまでしか出現可能とされない点や、ハズレ時のSPリーチである変動番号15では、タイマ対象候補演出が最大5つまでしか出現可能とされない点などは、上述したテーブルT5aなどと同じである。
そして、図220に示されるように、こうして予告側タイマ演出が実行されない第5,第6の処理状況にあるときにどれだけの数の上記タイマ対象候補演出を予告演出の演出内容として出現させるかについての判定処理(ステップS5553,S5563)が行われた後に、該決定された数だけ上記タイマ対象候補演出としていずれの種別の予告演出を出現させるかについての判定処理(ステップS5554,S5564)を行う。ただし、上記予告数決定処理(ステップS5553,S5563)の結果としていずれのタイマ対象候補演出も出現させない旨の決定がなされた場合(予告数0)、タイマ対象予告抽選(ステップS5554,S5564)では、変動番号にかかわらずタイマ対象候補演出をいずれも選択しない一の処理結果を必ず選択することとなる。
図238は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5552におけるYES)がなされている第5の処理状況において、ステップS5553の処理を実行した結果として予告数を1にすることが決定された場合(ステップS5554)に参照されるテーブルT6e−1の一例を示す図である。また、図239は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行する旨の決定(ステップS5552におけるYES)がなされている第5の処理状況において、ステップS5553の処理を実行した結果として予告数を2にすることが決定された場合(ステップS5554)に参照されるテーブルT6e−2の一例を示す図である。
また、図240は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5552におけるNO)がなされている第6の処理状況において、ステップS5563の処理を実行した結果として予告数を1にすることが決定された場合(ステップS5564)に参照されるテーブルT6f−1の一例を示す図である。また、図241は、予告側タイマ演出を実行させず(ステップS5503におけるNO)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5552におけるNO)がなされている第6の処理状況において、ステップS5563の処理を実行した結果として予告数を2にすることが決定された場合(ステップS5564)に参照されるテーブルT6f−2の一例を示す図である。
例えば、同図238〜図241に示されるように、第5,第6の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6e,T6fは、予告側タイマ演出を実行しないことが決定されているときに参照されるものであることから、タイマ対象候補演出として実行することが決定されたN個の予告演出がいずれも予告側タイマ演出の演出対象として設定されることはなく、それらの全てが通常の予告演出の態様として実行されることとなる(図中、×印が通常の予告演出の態様として実行されることを示している)。
また、同図238〜図241に示されるように、第5,第6の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6e,T6fでは、変動側タイマ演出と予告側タイマ演出とで同じ演出を演出対象にすることがないことから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させる変動パターンに相当する変動番号9,10,13,14,17,18,21,22が取得されているときには、実行すべき予告演出として会話予告が選択されることがないように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。また、これも同様、該テーブルT6e,T6fでは、変動演出の演出内容としてカットインA,Bを出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号11〜14,19〜22が取得されているときには、実行すべき予告演出としてカットインA,Bが選択されることがないように各変動番号の別に演出乱数が割り振られている。
また、同図238〜図241に示されるように、第5,第6の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6e,T6fは、予告側タイマ演出が実行されないときに参照されるものであるから、選択対象とされる予告演出のなかに予告側タイマ演出を行うことを前提とした演出(ここでは、特別タイマ)が含まれていない。
その他、第5の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6eでは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行することが決定されているときに参照されるものであることから、図219に併せて示されるように、変動演出の内容として「会話予告」を実行する変動番号10,14,18,22が取得されている場合や、タイマ対象候補演出(予告演出の内容)として「会話予告」を選択した場合(PTN1)は、特別表示(ミッション成功)が表示されて大当り図柄が現れることが確定的に示唆される点などは、上述のテーブル6aの場合と同じである。
また、第6の処理状況にあるときに参照されるテーブルT6fでは、ミッション演出(会話予告を出現させろ)が実行されないときに参照されるものであるから、変動演出の演出内容として会話予告を出現させるハズレ変動パターン(ミッション成功し得ない変動パターン)に相当する変動番号9,13,17,21に対しても演出乱数が各予告数の別にそれぞれ割り振られている点などは、上述のテーブル6aの場合と同じである。
そして、図220に示されるように、上記ステップS5503の処理において予告側タイマ演出を実行しないことが決定された場合においても、こうしてタイマ対象予告抽選(ステップS5554,S5564)が行われた後は、大当りの当落結果や変動パターン(変動番号)などに基づいて予告側タイマ演出の演出対象となりえない演出として用意されている非対象演出E1〜E3,Fのうちいずれの演出を実行するかについての判定処理(第3のタイマ非対象予告抽選:ステップS5555)が行われる。
なお、ステップS5555で参照されるテーブルは割愛するが、基本的には、特殊タイマでないときに参照されるテーブルT7b(第2のタイマ非対象予告抽選)と同じ態様になっており、例えば、予告E2を実行する態様(PTN3,4,8)が選択されたときには、予告Fを実行する態様(PTN5,6)が選択されたときに比べて大当り期待度が低くなっている。
そして、こうして第3のタイマ非対象予告抽選(ステップS5555)が行われた後は、次にステップS5515の処理として上記タイマ対象予告抽選(ステップS5554,S5564)や第3のタイマ非対象予告抽選(ステップS5555)などで決定された予告演出を所定の記憶領域にセットした後、当該予告抽選にかかる処理を終了する。これにより、当該予告抽選にて決定された演出に相当する描画データなどが作成されて演出図柄変動中処理においてそれぞれの演出を出現させるべきタイミングで開始させる制御が行われるようになる。
なお、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、ステップS5503の処理において予告側タイマ演出を実行しないことが決定された場合、タイマ対象予告抽選と第3のタイマ非対象予告抽選とを別の処理として行うこととした。ただし、ステップS5503の処理において予告側タイマ演出を実行しないことが決定された場合は、予告側タイマ演出との関係で非対象演出E1〜E3,Fの実行態様を決定する必要がないことから、タイマ対象予告抽選と第3のタイマ非対象予告抽選とを一の抽選処理内で実行するようにしてもよい。
また、上述の特殊タイマの態様(非対象予告E2は、予告側タイマ演出のカウント表示が行われていない状況では非対象予告Fと比べて大当り期待度が低くなるように設定されるのに対し、予告側タイマ演出のカウント表示が行われている状況では非対象予告Fと比べて大当り期待度が高くなるように設定される)を採用しないようにする場合も、予告側タイマ演出との関係で非対象演出E1〜E3,Fの実行態様を決定する必要がないことから、タイマ対象予告抽選と第3のタイマ非対象予告抽選とを一の抽選処理内で実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、予告側タイマ演出の実行有無を決定した後に、予告演出としていずれの演出をどのような態様で実行するかについての判定処理を行うこととしたが、予告演出としていずれの演出をどのような態様で実行するかを決定した後に予告側タイマ演出の実行有無や実行態様を決定するようにしてもよい。
ところで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上述の通り、始動口2002,2004への入賞(遊技球の受け入れ)が発生したとき、該入賞に応じた保留情報についての先読み演出を行うか否かについての判定処理を行う(ステップS5245,S5255)。この点、この判定処理では、保留情報に含まれる大当り判定の当落や変動パターンにかかる情報などに基づいて、先読み演出の対象とされる保留表示の表示態様(色や形態など)を変化させる保留変化演出についての抽選(実行の有無や、表示態様についての抽選)や、複数変動に跨る先読みゾーン演出についての抽選(実行の有無や、実行態様(色や連続実行数など)についての抽選)などを行うほか、該保留情報に応じた変動表示を「タイマ先読み演出」の対象にするか否かについての抽選を行うこととしている。
ここで、タイマ先読み演出とは、出現すると保留状態にあった変動表示(演出対象の変動表示)が実行中になったときに該変動時間内で予告側タイマ演出が出現する割合が高くなる演出のことであり、例えば、演出表示装置1600などにおいて、入賞したタイミング(タイマ先読み演出に当選したタイミング)以降に開始される特別図柄の変動表示の開始タイミングで、所定画像(例えば、「タイマ準備中」など)を表示することによって実行される。なお、入賞したタイミング(タイマ先読み演出に当選したタイミング)で所定画像(例えば、「タイマ準備中」など)を出現させない理由は、いずれの保留情報に対応したタイマ先読み演出であるのかを遊技者側に認識し難くするためである。
このようなタイマ先読み演出によれば、いずれの保留表示に対応したものであるかを不特定としたままで複数回の変動表示にわたって予告側タイマ演出の出現する割合が高いことを示唆することができるようになることから、複数回の変動表示にわたって遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。しかしながら、先行演出(先読み演出)のうち、このようなタイマ先読み演出を含めて、いずれの保留表示に対応したものであるかを特定せず複数回の変動表示にわたって連続(または継続)させるタイプの演出(先行期間演出)を実行する場合は、同じタイプの演出(先行期間演出)とその実行期間が重なってしまうようなことがあると、演出が複雑になりすぎて何を対象・目的にした演出であるのかを理解できず遊技興趣が低下してしまう懸念がある。
したがって、このような先行期間演出を実行するか否かの判断(入賞時の先読み判定)に際しては、先に入賞された他の保留情報に応じた先行期間演出が実行されておらず且つ実行待ちの状態にもなっていないかについての判断を行う。そして、先に入賞された他の保留情報に応じた先行期間演出が実行されておらず且つ実行待ちの状態にもなっていないことを少なくとも条件として、上記タイマ先読み演出などの先行期間演出を新たに発生させる旨の判断を行いうるようにしている。これにより、2つの先行期間演出が重なって実行されることが回避されるようになり、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
なお、先行期間演出としては、例えば、上記タイマ先読み演出のほか、複数変動にわたって停止図柄の少なくとも一部を同じ態様(数字の色など)として出現させる同態連続先読み演出や、複数変動にわたって背景画像を特別な態様に変化させる先読みゾーン演出などを採用することが可能である。そして、上記処理(入賞時の先読み判定)では、これらの先行期間演出のうち、同種別の先行期間演出が重なって出現しないことはもとより、異種別の先行期間演出であってもこれらの実行期間が重ならないように制御されることとなる。先読み演出のうち、いずれの保留表示に対応したものであるかを特定して複数回の変動表示にわたって行われるタイプの演出(例えば、保留変化演出など)については、これらの先行期間演出の実行状況にかかわらず出現可能としうるようにすることが望ましいが、先行期間演出が実行中または実行待ちの状況にあるときに新たな入賞が発生した場合は、該状況にないときに新たな入賞が発生した場合に比べて該入賞に応じた先読み演出として当該タイプの演出(例えば、保留変化演出など)の出現割合が低くなるように、上記入賞時の先読み判定を行うようにすることが望ましい。
このように、タイマ先読み演出などの先行期間演出(いずれの保留表示に対応したものであるかを特定せず複数回の変動表示にわたって連続(または継続)させるタイプの演出)が実行されている間は遊技球の入賞が新たに発生したとしてもこれに対応する先行期間演出についてはこれが発生しないようにする禁止制御を行うようにしたことで、2つの先行期間演出が干渉してしまうことによる遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。しかしながら、このような禁止制御を行うようにすると先行期間演出が禁止制御の対象にされる分だけ、上記先行演出として先行期間演出が行われる頻度が低くなってしまい、遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、保留情報に対応する特別図柄の変動表示が未だ開始されていないなかで該保留情報に対応した先行期間演出を実行するときには、まず、特定の演出制限状況にある旨を示す情報を設定する。そして、先に記憶された保留情報によって該情報が設定されているときに保留情報が新たに記憶された場合、該先に記憶された保留情報に対応する特別図柄の変動表示が少なくとも終了されるまでの間は上記新たに記憶された保留情報に対応した先行期間演出は実行されない一方で、上記先に記憶された保留情報に対応する特別図柄の変動表示が終了した以降に上記新たに記憶された保留情報に対応した先行期間演出が実行されうるように制御することとしている。
すなわちこの場合、保留情報が新たに記憶された時点では該保留情報に対応した先行期間演出の実行が許容されない旨の判断が一旦なされたとしても、その後、遊技が進行されて先に記憶された保留情報に対応した先行期間演出との間での演出干渉が発生する懸念がなくなった遊技状況になると、実行が許容されない旨の判断が一旦なされた上記先行期間演出の実行が許容されるようになることから、先行期間演出に対する禁止制御を行いつつも該先行期間演出が行われる頻度を好適に維持することができるようになり、これによって遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
より具体的には、新たな入賞が発生した場合における第1特図先読み処理(図206:ステップS5245)や第2特図先読み処理(図207:ステップS5255)では、まず、上記第一特別保留数カウンタまたは上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値などに基づいて該新たな入賞の保留順位(消化順位)が何番目であるかを判断する。例えば、第1特図先読み処理の場合であれば、まず、新たな入賞に応じた保留情報が上記第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域dのいずれに記憶されている状態にあるかを判断する。そしてこの後、新たな入賞よりも先に記憶されており変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報とのなかに上記先行期間演出の実行対象になっているものがあるかを判断する。そしてこの結果、上記先行期間演出の実行対象になっている特定の保留情報がある場合であっても新たな入賞に応じた先行期間演出の実行を全面的に禁止にするのではなく、上記特定の保留情報に応じた変動表示が終了した以降の期間においては新たな入賞に応じた先行期間演出の実行が許容されるように制御することとしている。
以下、こうした制御を実現する手法について、より詳細な遊技状況を例に挙げて説明する。
図242(a)は、変動表示が実行中の状態にある保留情報(第1特別図柄)と変動表示が未実行の状態にある3つの保留情報(いずれも第1特別図柄)とが記憶されている状態において新たな入賞(第1特別図柄)が発生したときに第1特図先読み処理内で参照されるテーブルT7aについてその一例を示す図である。また、図242(b)は、変動表示が実行中の状態にある保留情報(第1特別図柄)と変動表示が未実行の状態にある2つの保留情報(いずれも第1特別図柄)とが記憶されている状態において新たな入賞(第1特別図柄)が発生したときに第1特図先読み処理内で参照されるテーブルT7bについてその一例を示す図である。
同図242(a)に示されるように、このテーブルT7aでは、変動表示が実行中の状態にある保留情報(第1特別図柄)と変動表示が未実行の状態にある3つの保留情報(いずれも第1特別図柄)とのうちのいずれが先行期間演出の対象になっているのか、またはいずれも先行期間演出の対象になっていないのかに応じて、新たな入賞(第1特別図柄)に応じた保留情報をどのタイミングから先行期間演出の対象にすることができるのか(先読み可能変動数)についての判定を行いうるものとなっている。
例えば、テーブルT7aにおいては、変動表示が実行中の状態にある保留情報(第1特別図柄)と変動表示が未実行の状態にある3つの保留情報(いずれも第1特別図柄)とのいずれもが先行期間演出の対象になっていなければ、保留1(第一特別図柄保留記憶領域aに記憶されている1番目の保留情報)に応じた変動表示と、保留2(第一特別図柄保留記憶領域bに記憶されている2番目の保留情報)に応じた変動表示と、保留3(第一特別図柄保留記憶領域bに記憶されている3番目の保留情報)に応じた変動表示と、当該新たな入賞に応じた保留4(第一特別図柄保留記憶領域dに記憶されている4番目の保留情報)に応じた変動表示との4つの変動表示期間にわたって、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることが判定(先読み変動可能数が4である旨の判定)される。すなわちこの場合、実行中の状態にあった変動表示が終了し、1番目の保留情報に応じた変動表示が開始される以降のタイミングで、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行が許容されることとなる。
また、テーブルT7aにおいて、変動表示が実行中の状態にある保留情報が先行期間演出の対象になっている場合は、保留2に応じた変動表示と、保留3に応じた変動表示と、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示との3つの変動表示期間にわたって、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることが判定(先読み変動可能数が3である旨の判定)される。すなわちこの場合、実行中の状態にあった変動表示が終了し、1番目の保留情報に応じた変動表示がさらに終了して、2番目の保留情報に応じた変動表示が開始される以降のタイミングで、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行が許容されることとなる。
ここで、変動表示が実行中の状態にある保留情報が先行期間演出の対象になっている場合であっても、保留1に応じた変動表示と、保留2に応じた変動表示と、保留3に応じた変動表示と、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示との4つの変動表示期間にわたって、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることを判定(先読み変動可能数が4である旨の判定)するようにしてもよい。ただしこの場合、実行中の状態にある変動表示で現れていた先行期間演出と、保留1に応じた変動表示で開始される新たな先行期間演出とが連続して実行されることとなり、これらの先行期間演出が同じ演出であるのか(前の先行期間演出が継続しているのか)、それとも別の先行期間演出が新たに開始されているのか(前の先行期間演出は終了しているのか)の見分けがし難くなることから、先行期間演出が終了してからの最初の変動表示では先行期間演出が新たに発生しないようにこれを禁止期間として設定する手法(テーブルT7aで採用される手法)を採用するようにすることがより望ましい。なお、こうした手法は、テーブルT7aのみならず、他のテーブルT7(テーブルT7bのほか、図示しないテーブル)においても採用されている。
また、テーブルT7aにおいて、保留1が先行期間演出の対象になっている場合は、保留3に応じた変動表示と、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示との2つの変動表示期間にわたって、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることが判定(先読み変動可能数が2である旨の判定)される。すなわちこの場合、実行中の状態にあった変動表示が終了し、1番目の保留情報に応じた変動表示が終了し、2番目の保留情報に応じた変動表示がさらに終了して、3番目の保留情報に応じた変動表示が開始される以降のタイミングで、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行が許容されることとなる。
また、テーブルT7aにおいて、保留2が先行期間演出の対象になっている場合は、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示の期間のみで、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出を実行可能であることが判定(先読み変動可能数が1である旨の判定)される。すなわちこの場合、実行中の状態にあった変動表示が終了し、1番目の保留情報に応じた変動表示が終了し、2番目の保留情報に応じた変動表示が終了し、3番目の保留情報に応じた変動表示がさらに終了して、4番目の保留情報に応じた変動表示が開始される以降のタイミングで、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行が許容されることとなる。
また、テーブルT7aにおいて、保留3が先行期間演出の対象になっている場合は、当該新たな入賞を対象にした先行期間演出が実行可能でないことが判定(先読み変動可能数が0である旨の判定)される。すなわちこの場合、当該新たな入賞に応じた保留4に応じた変動表示を対象にした先行期間演出の実行は許容されない。
これに対し、テーブルT7bでは、先行期間演出の対象になっているかの判定対象として保留3が含まれておらず、上記テーブルT7aと比べるとその分だけ判定結果として得られる先読み可能変動数が少なくなっているが、基本的には、テーブルT7aと同様であるから、説明は割愛することとする。また、保留2入賞時や保留1入賞時にもこれらと同様のテーブルが用意されているが説明は割愛する。
ちなみに、保留4の入賞時などには、先行期間演出の対象になっている保留情報が2つ存在する場合も想定されるが、この場合は、保留順の遅い側の保留情報に基づいていずれの先読み可能変動数にするかを決定する。例えば、保留4の入賞時、テーブルT7aにおいて、変動保留と保留2とがそれぞれ別の先行期間演出の対象になっている場合は、保留順の遅い側の保留2が先行期間演出の対象になっているときの「先読み可能変動数=1」を決定することとなる。
また上述の通り、このような先行期間演出の禁止期間にかかる制御は、いずれの保留表示に対応したものであるかを特定せず複数回の変動表示にわたって連続(または継続)させるタイプの演出の実行状況をもとに、該タイプの演出の禁止期間を設定することを目的としてなされるものである。したがって、いずれの保留表示に対応したものであるかを特定するタイプの演出(保留変化演出)などの実行状況によって先行期間演出の禁止期間が発生することはないし、先行期間演出の実行状況(先読み可能変動数=0であったとしても)によっていずれの保留表示に対応したものであるかを特定するタイプの演出(保留変化演出)が禁止にされることはない。
また、先行期間演出の禁止期間にある場合であっても、タイマ先読み演出のうち、後述の第1先行態様や第2先行態様で行われるタイマ先読み演出については予告側タイマ演出を出現させることに確実性が求められないことからこれを出現させるようにしてもよい。
なお、先行期間演出の禁止制御として、変動表示が未実行の状態にある保留情報のなかに第2特別図柄側の保留情報が含まれている場合、該第2特別図柄側の保留情報が先行期間演出の対象になっていなかったとしても、該第2特別図柄側の保留情報に応じた変動表示が終了されるまでの間は新たな先行期間演出が開始されないように制御するようにしてもよい。またこの際、第2特別図柄側の保留情報に応じた変動表示が終了した次の変動表示の期間を禁止期間とする必要はなく、該次の変動表示が実行されるときから新たな先行期間演出が開始されることを許容するようにすることが望ましい。
また、このように保留に対して設定されている先読み演出の状況を確認してその結果に応じて先読み変動可能数を決定する処理については、保留消化される都度、または新たな入賞が発生する都度に行うようにすることが望ましい。
そして、第1特図先読み処理(図206:ステップS5245)や第2特図先読み処理(図207:ステップS5255)では、こうして先読み可能変動数が決定されると、該決定された期間(先読み可能変動数)でどのような態様の先行期間演出を実行するか(実行の有無も含めて)についての判定処理を行う。
例えば、まず、新たな入賞に応じた保留情報を対象にしていずれの種別の先行期間演出を実行するかを判定する。上述の通り、先行期間演出の種別としては、複数変動に跨って関連した背景画像を表示する先読みゾーン演出や、予告側タイマ演出が実行される可能性が高いことを示唆する特定先行表示を複数変動に跨って表示するタイマ先読み演出などを選択候補として用意することが可能である。そしてこの結果、先行期間演出の種別が決定されると、該決定された種別の先行期間演出をどのような態様で実行するかについての判定処理が行われることとなる。
図243(a),(b)は、先読み変動可能数が4である状況においてタイマ先読み演出の実行態様を決定するときに参照されるテーブルT8a−1,テーブルT8a−2についてその一例を示す図である。図244(a),(b)は、先読み変動可能数が3である状況においてタイマ先読み演出の実行態様を決定するときに参照されるテーブルT8b−1,テーブルT8b−2についてその一例を示す図である。
上述の通り、タイマ先読み演出とは、出現すると先読み対象になっている保留情報が消化されたときに予告側タイマ演出が出現する割合が高くなる演出のことであり、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、予告側タイマ演出の出現する割合が異なる第1先行態様や第2先行態様、第3先行態様などでタイマ先読み演出を実行するようにしている。
ここで、第1先行態様とは、例えば、演出表示装置1600において「タイマ発生の予感」といった第一態様が表示されるものであり、該第1先行態様でタイマ先読み演出が実行されたときに予告側タイマ演出が実行される確率は概ね20%に設定されている(ステップS5502)。
また、第2先行態様とは、例えば、演出表示装置1600において「タイマ発生チャンス」といった第二態様が表示されるものであり、該第2先行態様でタイマ先読み演出が実行されたときに予告側タイマ演出が実行される確率は概ね80%に設定されている(ステップS5502)。
また、第3先行態様とは、例えば、演出表示装置1600において「タイマ準備中」といった第三態様が表示されるものであり、該第3先行態様でタイマ先読み演出が実行されたときには予告側タイマ演出が必ず(100%でなくても、第2先行態様よりも高い確率であってもよい)実行されるようになっている(ステップS5502)。
そして、先読み判定用の大当りの当落に関する情報や、先読み判定用の変動パターン番号に関する情報などに基づいて、タイマ先読み演出としていずれの実行態様で実行するかを決定することとなる。例えば、先読み変動可能数が4である状況においては、図243(a),(b)に示されるテーブルT8a−1,T8a−2を参照して、変動番号1〜22に相当する先読み用の情報と該情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいていずれかの態様を選択するとともに、先読み変動可能数が3である状況においては、図244に示されるテーブルT8b−1,T8b−2を参照して、変動番号1〜22に相当する先読み用の情報と該情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいていずれかの態様を選択する。
同図243(a)に示されるように、テーブルT8a−1では、最終的に第1先行態様が現れている状態で当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が開始される態様として以下の3つの態様が用意されている。
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3及び保留2の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留1の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示する態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留2の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示してこれを保留1の状態においても継続させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示してこれを保留2、保留1の状態においても継続させる態様
また、テーブルT8a−1では、最終的に第2先行態様が現れている状態で当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が開始される態様としては、以下の6つの態様が用意されている。
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3及び保留2の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留1の状態にあるときにタイマ先読み演出を第2先行態様(タイマ発生チャンス)で表示する態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留2の状態にあるときにタイマ先読み演出を第2先行態様(タイマ発生チャンス)で表示してこれを保留1の状態においても継続させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第2先行態様(タイマ発生チャンス)で表示してこれを保留2、保留1の状態においても継続させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにはタイマ先読み演出をいずれの態様によっても出現させず、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留2の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示するとともに、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留1の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)から第2先行態様(タイマ発生チャンス)に変化させて表示させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示してこれを保留2の状態においても継続させるが、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留1の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)から第2先行態様(タイマ発生チャンス)に変化させて表示させる態様
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示するとともに、当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留2の状態にあるときにタイマ先読み演出を第1先行態様(タイマ発生の予感)から第2先行態様(タイマ発生チャンス)に変化させて表示してこれを保留1の状態においても継続させる態様
なお、これらの第1先行態様及び第2先行態様のタイマ先読み演出については保留1の状態において表示された後、該保留情報が消化されて変動表示が開始された以降も継続して表示されるようにすることが望ましい。また、該保留情報が消化されて開始された変動表示においてさらに態様が変化しうるようにしてもよい。また、当該変動表示において予告側タイマ演出が開始されるときに第1先行態様及び第2先行態様のタイマ先読み演出を非表示にするようにしてもよいが、予告側タイマ演出が開始される場合であっても、該予告側タイマ演出が開始されるよりも前に第1先行態様及び第2先行態様を非表示にする態様や、該予告側タイマ演出が開始された以降も表示が継続されてその後の所定のタイミングで非表示にされるようにすれば、面白みを付与することができるようになる。なお、第1先行態様及び第2先行態様のいずれかでタイマ先読み演出を実行したにもかかわらず予告側タイマ演出が実行されない場合は、図柄変動が開始されてから所定時間が経過したときに非表示にされることとなる。また、この非表示にされるタイミングについては、予告側タイマ演出が実行される場合に非表示にされるタイミング(上記所定のタイミングなど)と同じであることがより望ましい。
この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、いずれも出現すると予告側タイマ演出の実行割合が高くなるタイマ先読み演出であるにもかかわらず、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出と、第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出とを、互いに別の異なる演出として出現させるようにしている。したがって、テーブルT8a−1の内容からも明らかであるように、第1先行態様や第2先行態様が表示されている状態において、タイマ先読み演出をこれらの先行態様から第3先行態様に変更させて表示する態様についてはこれを採用しないようにしている。また、第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出が出現している状況において第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出が出現することや、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出が出現している状況において第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出が出現することが生じうるようになっている。
したがって、先読み変動可能数が4である状況においては、図243(a)に示されるテーブルT8a−1を参照して第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出に関する実行態様を決定することはもとより、図243(b)に示されるテーブルT8a−2を参照して第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出に関する実行態様をさらに決定することとなる。
ここで、図243(b)に示されるように、この実施の形態にかかるテーブルT8aでは、最終的に第3先行態様が現れている状態で当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が開始される態様としては、以下の一の態様しか用意していない。
・当該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報の変動表示が保留3の状態にあるときにタイマ先読み演出を第3先行態様(タイマ準備中)で表示してこれを保留2、保留1の状態においても継続させる態様
ただし、第3先行態様の場合も、上記一の態様に限らず、上述の第1先行態様の場合と同様、保留3や保留2の状態にあるときにはいずれのタイマ先読み演出も出現させず、途中から第3先行態様を表示させる態様なども選択しうるようにしてもよい。
このような構成によれば、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出が実行される場合と、第3先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出が実行される場合と、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出及び第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出の両方がそれぞれ実行される場合とが現れるようになる。そして、第1先行態様(タイマ発生の予感)または第2先行態様(タイマ発生チャンス)のタイマ先読み演出及び第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出の両方がそれぞれ実行される場合は、予告側タイマ演出が実行されることが確定的に示唆されている状況にあることから、第1先行態様から第2先行態様に変化するかなどの演出を余裕や安心感のあるなかで楽しむことができるようになる。
また、第1先行態様のタイマ先読み演出と、第2先行態様のタイマ先読み演出と、第3先行態様のタイマ先読み演出とが同時に出現しうるように制御してもよい。
なお、上記第3先行態様(タイマ準備中)のタイマ先読み演出についても対象になる保留情報が消化されて変動表示が開始された以降も継続して表示されるようにすることが望ましい。そしてこの場合、対象になる保留情報が消化されて変動表示が開始された以降、予告側タイマ演出が開始されるときに第3先行態様(タイマ準備中)が非表示にされることとなる。
また、この実施の形態では、タイマ先読み演出の第3先行態様を、演出表示装置1600において「タイマ準備中」を表示する態様として採用することとしたが、例えば、保留1の状態において、予告側タイマ演出の演出対象にされている演出(未実行の変動表示内で現れる演出)に向けてのカウント表示を開始する態様として採用するようにしてもよい。すなわちこの場合、例えば、保留1の状態が継続される残り時間(保留1の状態にあるときに変動表示の状態にある特別図柄の残り変動時間)と、保留1が消化されてその変動表示が開始されてから予告側タイマ演出の演出対象にされている演出が開始されるまでの時間とを合算した時間にわたってカウント表示が行われることとなり、タイマ先読み演出(第3先行態様)と予告側タイマ演出とが2つの変動表示で連なった一のカウント表示として実行されるようになる。
この点、第3先行態様をこのような予告側タイマ演出と連なった一のカウント表示として実現する場合、保留3や保留2ではカウント表示を実行せず、保留1の状態にあるときにカウント表示を実行するようにすることが望ましい。すなわち、保留3や保留2にあるときにカウント表示を開始するようにしてしまうと、保留1の状態になったときの保留数に応じて「予告側タイマ演出の演出対象にされている演出(未実行の変動表示内の演出)が開始されるまでの残り時間」が変化することで、同演出に向けてのカウント表示(所定数になるまでのカウント表示)を適切に実行することができなくなる懸念があるためである。
なお、図244(a)に示されるテーブルT8b−1や図244(b)に示されるテーブルT8b−2については、図243(a)に示されるテーブルT8a−1や図243(b)に示されるテーブルT8a−2と基本的に同じ関係にあることから、詳述は割愛することとする。
また上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、第1特図先読み処理(図206:ステップS5245)や第2特図先読み処理(図207:ステップS5255)において保留変化演出についての判定処理も行う。この保留変化演出とは、入賞に応じて取得される保留情報に対応する保留表示の態様を通常保留の態様とは異なる複数の態様のいずれかに変化させることで、いずれの態様で保留表示が表示されるかによって該保留表示が消化されたときの大当り期待度を示唆するようにしたものである。
より具体的には、この実施の形態にかかる保留表示としては、保留変化演出が行われないときの通常保留の態様のほかに、白点滅で表示する態様、青色で表示する態様、緑色で表示する態様、赤色で表示する態様、レインボー色で表示する態様のいずれかで表示することが可能となっており、基本的には、白点滅で表示する態様で保留表示されたときの大当り期待度が低くなっており、青色、緑色、赤色の順番で次第に大当り期待度が高くなる関係にあり、レインボー色で表示する態様で保留表示されると保留消化されたときに大当り図柄が現れる確率が100%になる関係となるように設定されている。なお、通常保留の態様に対しても自ずと大当り期待度が設定されることとなるが、該通常保留が表示されているときの大当り期待度については、白点滅で表示する態様より低くするようにしてもよいし、白点滅で表示する態様と同じかそれよりも高くするようにしてもよい。
したがって、通常は、例えば白点滅や青色で表示する態様が現れると、緑色や赤色で表示するときよりも大当り期待度の低い第一の演出状況が提供されることとなる。ただし、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、所定条件下では緑色や赤色ではなく、白点滅や青色で表示する態様が現れると大当り期待度が高くなる第二の演出状況を提供しうる制御を実行可能としている。
図245は、変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報(例えば、保留1〜保留3)とのなかに大当り図柄を出現させるものがないときに参照される通常時保留変化テーブルT9aを示す図である。また、図246は、変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報(例えば、保留1〜保留3)とのなかに大当り図柄を出現させるものがあるときに参照される特別時保留変化テーブルT9bを示す図である。
この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、始動口2002,2004への新たな入賞(遊技球の受け入れ)が発生したとき、第1特図先読み処理(図206:ステップS5245)や第2特図先読み処理(図207:ステップS5255)において、該新たな入賞よりも先に記憶されており変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報(例えば、保留1〜保留3)とのなかに大当り図柄を出現させるもの(大当り判定または先読み判定の結果として大当りに当選する旨の判定がなされたもの)があるかを判断する。そしてこの結果、大当り図柄を出現させるものがない旨判断した場合は、白点滅、青色、緑色、赤色、レインボー色の順番で次第に大当り期待度が高くなる関係に設定されている通常時テーブルT9a(図245)を参照して保留変化演出を実行することで、通常は、例えば白点滅や青色で表示する態様が現れると、赤色で表示するときよりも大当り期待度の低い第一の演出状況が提供されるようにしている。
ただし、新たな入賞よりも先に記憶されており変動表示が実行中の状態にある保留情報と変動表示が未実行の状態にある保留情報とのなかに大当り図柄を出現させるものがある旨判断した場合(稀な事象が発生した場合)は、特別時保留変化テーブルT9b(図246)を参照して保留変化演出を実行することで、上記第二の演出状況を提供するようにしている。
すなわち、図246に示されるように、特別時保留変化テーブルT9bでは、まず、保留表示の態様に関する赤色及びレインボー色については、新たな入賞に応じた保留情報として取得されている「大当りの当落に関する先読み情報」や「変動パターンに関する先読み情報」がいずれの内容を示していたとしてもこれらが選択されることがないように演出乱数の振り分けがなされている。
また、保留表示の態様に関する緑色については、通常時保留変化テーブルT9aでは選択可能とされるように演出乱数が振り分けられている変動パターン(変動番号7〜14)であっても、特別時保留変化テーブルT9bでは選択されることがないように演出乱数の振り分けがなされている。この点、変動パターンに関する先読み情報がSPリーチに相当するものである場合は(変動番号15〜22)、特別時保留変化テーブルT9bにおいても緑色が選択されうるようになっているが、通常時保留変化テーブルT9aと比べて大当りに当選するときも落選するときも緑色の出現確率が低くなるように演出乱数の振り分けがなされている。
これに対し、保留表示の態様に関する白点滅や青色について、特別時保留変化テーブルT9bでは、通常時保留変化テーブルT9aと比べて大当りに当選するときも落選するときもそれらの出現確率が高くなるように演出乱数の振り分けがなされている。また、保留表示の態様に関する白点滅や青色については、通常時保留変化テーブルT9aにおいて選択されることがない変動番号1,2であっても、特別時保留変化テーブルT9bでは、選択可能とされるように演出乱数の振り分けがなされている。
このような構成によれば、例えば、大当り図柄の現れる期待度の高い演出(例えば、SPリーチの変動パターンで役物B動作を対象にした予告側タイマ演出が出現される演出)が実行されている間に新たな入賞が発生した場合(所定条件下にある場合)、該新たな入賞に応じた保留表示として緑色または赤色の態様が現れると当該実行中の高期待演出で大当り図柄が現れることへの期待を持ち難くなってしまうのに対し、白点滅や青色の態様が現れると当該実行中の高期待演出で大当り図柄が現れることへの期待を相対的に持ち易くなる第二の演出状況を提供することができるようになる。
特に、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、上述の通り、タイマ先読み演出の第3先行態様として、保留1の状態が継続される残り時間(保留1の状態にあるときに変動表示の状態にある特別図柄の残り変動時間)と、保留1が消化されてその変動表示が開始されてから予告側タイマ演出の演出対象にされている演出が開始されるまでの時間とを合算した時間にわたってのカウント表示を実行可能としている。すなわちこの場合、演出表示装置1600においてカウント表示が現れたとしても該カウント表示が所定数値に達するよりも前に変動表示が終了して次の変動表示が開始される可能性が生じるようになることから、上述の特別時保留変化テーブルT9bを用いた制御と相まって遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
例えば、保留1として白点滅または青色の保留表示が現れている状況において変動表示(例えば、SPリーチ)の実行中に予告側タイマ演出のカウント表示(若しくは、タイマ準備中)が現れているとすると、以下の第1の遊技進行よりも第2の遊技進行のほうが大当り図柄が現れることへの期待感を持つことができるようになる。
・予告側タイマ演出が、低期待度(白点滅または青色)しか示していない保留1内の演出を演出対象としており、実行中の変動表示(例えば、SPリーチ)がハズレ態様で終了した後に保留1の保留情報に応じた変動表示が開始される第1の遊技進行
・予告側タイマ演出が、低期待度(白点滅または青色)しか示していない保留1内の演出ではなく、実行中の変動表示(例えば、SPリーチ)内の演出を演出対象にしている第2の遊技進行
すなわち、大当り期待度の高い予告側タイマ演出(例えば、出現すると十%以上の確率で大当り図柄が現れる)が実行されるにもかかわらず、該予告側タイマ演出が低期待度(例えば、出現しても数%程度の確率でしか大当り図柄が現れない白点滅または青色)の保留1内の演出を演出対象にするようなことがあると、大当り図柄が現れる可能性が大幅に低減してしまうかのような演出状況になるが、上記第2の遊技進行によれば、このような演出状況が発生することを回避したことによるチャンスアップと、実行中の変動表示が大当りであるからこそ特別時保留変化テーブルT9b(図246)が参照されて保留1の保留表示が(出現確率の高い)白点滅または青色になっている演出状況にあることを期待できることによるチャンスアップ(大当り期待度の高い予告側タイマ演出が「実行中の変動表示内の演出」を演出対象としていることも「実行中の変動表示が大当りである」ことを裏付けているかのように機能する)とのダブルでチャンスアップが生じるようになることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、タイマ先読み演出の第3先行態様はカウント表示ではなく「タイマ準備中」として実行されるようにしてもよい。すなわちこの場合、「タイマ準備中」が表示されている状況からカウント表示に切り替わった時点で当該変動表示内の演出を演出対象にした予告側タイマ演出が実行されることを認識することができるようになることから、該カウント表示が現れた時点で白点滅または青色になっている保留表示があるときには当該変動表示で大当り図柄が現れることを期待することができるようになる。
これに対し、緑色や赤色(特に赤色)の保留表示が表示されている状況において「タイマ準備中」が非表示になってカウント表示が開始されると、予告側タイマ演出が行われるにもかかわらず当該変動表示内で大当り図柄が現れることへの期待感を持ち難くなってしまうことはもとより、緑色や赤色(特に赤色)の保留表示に対してさらなる期待度アップを生じさせるように予告側タイマ演出が機能し得なくなってしまう。したがって、緑色や赤色(特に赤色)の保留表示が表示されている状況において「タイマ準備中」が表示されている場合は、緑色や赤色(特に赤色)の保留表示が消化されるまでの間はカウント表示が開始されないことを願うようになり、カウント表示(予告側タイマ演出)が開始されるまでの期間内での遊技興趣を維持することが期待されるようになる。
また、このような構成によれば、実行中の変動表示で大当り期待度の高い演出が出現したときには、新たな入賞を発生させて白点滅、青色、緑色、赤色などのいずれの態様の保留表示が現れるかを確認するようにすることで、実行中の変動表示で大当り図柄が現れるか否かを所定確率で予測可能となることから遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、このような特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出は、新たな入賞に応じた保留表示に対して実行されるものではあるが、その演出対象は、実際には、「新たな入賞に応じた保留情報(保留変化のあった保留情報)の変動表示で大当り図柄が現れるか」ではなく、「新たな入賞よりも前に記憶されている保留情報(保留変化の対象にならない保留情報)の変動表示で大当り図柄が現れるか」についての演出として機能するようになっている。したがって、新たな入賞が発生したときに何らの保留変化が実行されなかったり上述の先行期間演出の禁止対象にされたりした場合であっても、その後に入賞した保留情報によって特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出が実行されると、何らの先読み演出も実行されなかった保留情報に対して先読み演出が事後的に生じたかのような演出として機能しうるようになることから、先読み演出が行われないことによる遊技興趣を低下させることが期待されるようになる。
なお、特別時保留変化テーブルT9bでは、緑色の態様について、一部のリーチ種別では選択されうるようにしたが、赤色の態様と同様、いずれの変動パターンであっても選択されないようにしてもよい。要は、保留表示として出現しうる期待度の高い態様の出現する割合が、通常時保留変化テーブルT9aに比べて低い割合(0も含む)になっていれば、カウント表示が現れた時点で白点滅または青色になっている保留表示があるときの遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、保留変化については、入賞時や、変動開始時、変動途中の所定タイミングで生じさせることが可能であり、その回数についても複数回にわたって生じさせるようにしてもよい。すなわちこの場合、白点滅または青色になっている保留表示に応じた変動表示において予告側タイマ演出のカウント表示が開始された場合であっても、白点滅または青色が緑色や赤色に変化する可能性があることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。なお、この実施の形態では、保留消化に応じて行われる図柄変動中においても該消化対象になった保留表示に対応した表示(既に保留状態ではないが、保留状態にあったときの保留表示に対応した表示)が表示されることや、該保留表示に対応した表示の態様がさらに変化(保留変化)することは上述した通りである。
ただし、このような特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出を実現した場合、変動表示の実行中に高期待度の特定演出が実行されているなかで新たな入賞が発生して該入賞に応じた保留表示が赤色であるようなことが生じると、高期待度の特定演出(例えば、役物B動作を演出対象にしているタイマ演出など)が実行されている変動表示で大当り図柄が現れないことを確定的に示唆する状況にもなりかねず、遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、タイマ演出のうち少なくとも役物B動作を演出対象にしている特定のタイマ演出が実行されている期間中(高期待度の特定演出が実行されている期間中)では、新たな入賞が発生したとしても該入賞に応じた保留表示が演出表示装置1600において現れずに保留変化の態様が非表示にされるように制御することが望ましい。また、カウント表示が所定数値に達して消化し終わった以降も該保留表示に対する非表示の状態を維持するようにすることが望ましい。
ただしこの場合、非表示にした保留表示を変動表示が終了されるまで継続して非表示にするのではなく、例えば、当該変動表示の期間内において、大当りの当選を示唆する当り演出またはハズレ(大当りの落選)を示唆するハズレ演出が現れるタイミング以降で非表示になっていた保留表示を出現させてその保留変化の態様を表示するようにすることが望ましい。このような構成によれば、新たな入賞に応じた保留表示が赤色であったとしても既にハズレであることが示唆されている状況にあることから遊技興趣が低下しないことはもとより、該保留表示が赤色であることによって保留内に大当り期待度の高い保留情報が含まれていることによる遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、このような保留表示の非表示にかかる制御は、タイマ演出(予告演出)の全てを対象にするのではなく、タイマ演出のうち役物B動作を演出対象にするものなどの比較的大当り期待度の高い特定のタイマ演出(高期待度の予告演出)のみを対象にして実行するようにすることが望ましい。
また上述の通り、特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出を実現した場合、例えば、青色の保留表示が現れているなかで第3先行態様(タイマ準備中など)でタイマ先読み演出が実行されている場合、青色の保留表示が消化されるよりも前の変動表示においてカウント表示(タイマ演出)が開始されて大当り図柄が現れる遊技進行が望まれることとなる。この点、このような遊技進行が行われる遊技状況にある場合であっても、当該変動中にカウント表示(タイマ演出)が開始されるのか、それとも開始されずに青色の保留表示に応じた変動表示でカウント表示が開始されるのかについてのドキドキ感が付与されるように、青色の保留表示が消化されるよりも前にカウント表示(タイマ演出)が開始されて大当り図柄が現れる変動表示においては、該変動表示の開始タイミングに合わせてカウント表示(タイマ演出)が開始される割合(0%も含む)よりも該変動表示が開始されてから所定時間が経過したときにカウント表示(タイマ演出)が開始される割合のほうが高くなるように制御することが望ましい。なお、該割合については100%を含むようにしてもよい。若しくは、赤色の保留表示が現れている場合と比べて該変動表示が開始されてから所定時間が経過したときにカウント表示(タイマ演出)が開始される割合が高くなるように制御することが望ましい。なお、該割合については100%を含むようにしてもよい。
またさらに、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出(テーブルT8a−1,テーブルT8b−1)が実行されている期間中に新たな入賞が発生してこれに応じた保留情報が新たに取得されると当該タイマ先読み演出の対象にされる変動表示が開始されてこれが実行中になったときに予告側タイマ演出が実行される割合が上記新たに取得された保留情報(新たな入賞)に応じて異なるように、タイマ先読み演出を実行可能な制御(一変演出にかかる制御)を行うこととしている。
図247は、このような一変演出を実現するために行われる処理についてその処理手順の一例を示す図である。なお、この処理は、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出(テーブルT8a−1,テーブルT8b−1)が実行されている期間中に特定の始動口への入賞(遊技球の受け入れ)が発生したときに行うようにしてもよいし、該入賞よりも前に保留されている保留情報(演出に関する情報が消去・再設定される保留情報)が消化されるよりも前の期間内の所定タイミングで行われるようにしてもよい。
同図247に示されるように、周辺制御MPU1511aでは、まず、ステップS5601の処理として、新たな入賞に応じた保留情報が特定の遊技情報を示すものであるかを判断する。なお、特定の遊技情報としては、例えば、「該新たな保留情報が消化されたときにSPリーチなどの高期待の特定変動パターンを出現させる遊技情報」であってもよいし、「該新たな保留情報が消化されたときに大当りに当選する遊技情報」であってもよい。ここでは、説明の便宜上、「該新たな保留情報が消化されたときに大当りに当選する遊技情報」を上記特定の遊技情報として説明することとする。
そしてこの結果、新たな入賞に応じた保留情報が特定の遊技情報を示すものである旨判断した場合は、次にステップS5602の処理として、該新たな入賞に応じた保留情報よりも前に記憶されている保留情報のうちタイマ先読み演出(第1先行態様または第2先行態様)の対象にされている保留情報について、演出に関する少なくとも一部の情報を削除して当該一変演出が行われるときの内容に再設定する。
例えば、タイマ先読み演出として第1先行態様(タイマ発生の予感)が設定されているときには該タイマ先読み演出の対象にされている保留情報が消化されると概ね20%の確率で予告側タイマ演出が実行されるようになっており、タイマ先読み演出として第2先行態様(タイマ発生チャンス)が設定されているときには該タイマ先読み演出の対象にされている保留情報が消化されると概ね80%の確率で予告側タイマ演出が実行されるようになっていることは上述した通りである。ただし、ステップS5602の処理においては、これらのタイマ先読み演出に関する情報の全て(若しくは、少なくとも一部)が削除されたり、演出パターン(SPリーチなど)や予告抽選を決定するときに参照されるテーブルを通常時とは異なるものに変更させるための設定(一変フラグの設定など)がなされることとなる。そして、周辺制御MPU1511aでは、こうして改変(削除・設定)された演出情報に基づいて演出にかかる制御(図220)を行うことで、タイマ先読み演出として第1先行態様(タイマ発生の予感)と第2先行態様(タイマ発生チャンス)とのいずれが設定されていたとしても上記ステップS5502(図220)の処理においては概ね50%の確率で予告側タイマ演出が実行されるようになる。また、演出パターンや予告演出などの内容の決定に際しても、例えば、一変フラグが設定されていることに基づいて一変演出時のテーブル(図示略)が参照されて通常時とは異なる態様で各種演出が実行されるようになる。
そして、こうしてタイマ先読み演出の対象にされている保留の演出情報についての改変処理(ステップS5602)が行われた後は、ステップS5603の処理として、背景画像を、一変演出が行われるときの背景画像に変更させるための処理を行う。なおこの際、タイマ先読み演出として現れている表示(第1先行態様,第2先行態様)も非表示にするようにすることが望ましい。すなわちこの場合、新たな入賞が発生したとき(若しくは、該入賞が発生してからタイマ先読み演出の対象になっている保留情報が消化されるまでの間)に、背景画像が一変演出時の背景画像へと突然に変更されるとそれまで現れていた第1先行態様または第2先行態様は非表示とされるが、該一変演出時の背景画像これ自体がタイマ先読み演出の一態様として機能しうるようになる。そして、こうして一変演出時の背景画像が現れている期間においては、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報が消化されたときに予告側タイマ演出が出現するか否か(ガセなのか)に大きな興味を持たせることができるようになり、これによってタイマ先読み演出が行われている期間中における遊技興趣を維持することができるようになる。
これに対し、上記ステップS5601の処理において、新たな入賞に応じた保留情報が特定の遊技情報を示すものでない旨判断した場合は、次にステップS5611の処理として、一変ガセ演出を実行するか否かについての判定処理を行う。この一変ガセ演出とは、上述の保留情報についての改変処理(ステップS5602)を行わないにもかかわらず、ステップS5603の処理において、背景画像を、一変演出が行われるときの背景画像に変更させる演出のことである。
なお、上記ステップS5611の処理において、一変ガセ演出を実行しない旨の判断がなされた場合は、現状のタイマ先読み演出(第1先行態様,第2先行態様)や各種演出の決定態様を継続させるべく、一変演出に関わる処理を何も行うことなく当該処理(図247)を終了させることとなる。
このような構成では、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出(テーブルT8a−1,テーブルT8b−1)が実行されている期間中に新たな入賞が発生すると(特定の始動領域に遊技球が受け入れられてこれに応じた遊技情報が新たに取得されると)当該タイマ先読み演出の対象になっている変動表示が開始されてこれが実行中になったときに上記予告側タイマ演出が実行される割合が上記新たに取得された遊技情報(保留情報)に応じて異なるように、上記予告側タイマ演出を実行可能としている。すなわちこの場合、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出が実行されている期間で保留情報が新たに取得されると、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報ではなく該新たに取得された保留情報が特定の遊技情報(SPリーチなどの特定の変動パターンを示す情報、または大当りを示す情報、または大当りの種別が高確率時短遊技状態に移行させるものであることを示す情報など)であるかに応じて、タイマ先読み演出の対象になっている変動表示の実行中に予告側タイマ演出が実行される割合が変化するようになることから、タイマ先読み演出の対象になっている変動表示が実行されるまでの間に他の演出に対する期待を持たせることができるようになり、該期間における遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、上記構成では、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出が実行されている期間で保留情報が新たに取得されると、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報ではなく該新たに取得された保留情報が特定の遊技情報であるかに応じて、上記改変処理(ステップS5602)を行った上で、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報が消化されるよりも前に背景画像を一変演出時の背景画像に変化させるとともにタイマ先読み演出にかかる表示を非表示にするようにしている。すなわちこの場合、一変演出が開始されるまでの間は、演出の主体がタイマ先読み演出になっており該タイマ先読み演出の対象になっている保留情報に対して期待感を持たせる演出状況が提供されるのに対し、一変演出が開始された以降は演出の主体が一変演出へと変更されて、上記タイマ先読み演出も含めて、新たに取得された保留情報に対して期待感を持たせるために各種の演出が行われる演出状況へと移行されることとなる。したがって、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報よりも高期待の保留が取得されたときに演出の主体を機動的に変化させることが可能とされるようになり、既に設定済みとされている演出によって期待度の高い保留情報に対する演出時間が奪われてしまうようなことが回避されるようになる。
なお、このような一変演出は、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報が大当りに当選することを示すものであったとしても実行するようにしてもよい。すなわちこの場合、演出の主体が新たに入賞した保留情報に移ったにもかかわらずそれよりも前に消化される保留にて大当り演出が出現するようになることから、サプライズ的な演出が実現されるようになり遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、この実施の形態では、第1先行態様または第2先行態様のタイマ先読み演出が実行されている期間で保留情報が新たに取得されたときに上記一変演出にかかる処理(図247)を実行することとしたが、第3先行態様のタイマ先読み演出が実行されている期間で保留情報が新たに取得されたときにも上記一変演出にかかる処理(図247)を実行するようにしてもよい。
また、一変演出時の背景画像については、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報に応じた変動表示が終了した以降も継続させるようにしてもよい。すなわちこの場合、タイマ先読み演出の対象になっている保留情報に応じた変動表示が終了した以降に消化される保留情報に対しては、一変ガセ演出として機能するようになる。
また、このような一変演出については、タイマ先読み演出が実行されていないときも、上記新たな入賞が発生して特定の条件が満たされたことを条件に実行するようにしてもよい。なおこの場合、例えば、新たな入賞よりも前に記憶されている全ての保留情報について演出パターン(SPリーチなど)や予告抽選を決定するときに参照されるテーブルを通常時とは異なるものに変更させるための設定(一変フラグの設定など)がなされることとなり、これによって一変ガセ演出でない限りは各種演出の出現確率が変化するようになる。
また、上記実施の形態では、一変演出時に、予告側タイマ演出が実行される割合を変化させるようにしたが、一変フラグの設定時には通常時とは異なる演出パターンを決定することで、変動側タイマ演出が実行される割合を変化させるようにしてもよい。これにより、一変演出の非実行時に変動側タイマ演出を出現させない変動番号であっても一変演出の実行時には変動側タイマ演出を出現させる、または一変演出の非実行時に変動側タイマ演出を出現させる変動番号であっても一変演出の実行時には変動側タイマ演出を出現させないように制御することが可能とされるようになる。
なお、このような一変演出を行うようにした場合、一変演出の非実行時にはタイマ演出を出現させるようになっていたとしても、一変演出の実行時には変動側タイマ演出を出現させないようになる可能性もあり遊技興趣の低下が懸念されることから、一変演出の実行時には、通常時(一変演出の非実行時)には出現し得ない特別な予告演出に関する抽選を行って当選すると該特別な予告演出が出現しうるように制御してもよい。
また、一変演出時にタイマ先読み演出の対象になっていた変動表示において予告側タイマ演出が実行される割合については必ずしも一定(ここでは50%)でなくてもよく、例えば、該タイマ先読み演出の対象になっていた変動表示で大当り図柄が現れるか否かに応じて異なるように制御してもよい。
以下、図248,図249を参照して上述のタイマ演出例についてその演出内容を詳述する。ここで、上述の各演出にかかる処理例とは、あくまでも一例に過ぎず、例えば、予告演出の内容として上記した種別以外の演出を実行するようにしてもよいし、各予告演出の出現タイミングや出現条件なども同じ技術思想の範囲内であれば適宜に変更するようにしてもよい。したがって、以下に説明する演出例では、上述の各演出にかかる処理内容とは辻褄が合わないものも含まれうるが、同じ技術思想の範囲内であり且つ当業者であれば実施可能な範囲内で処理内容を適宜に変更しただけであるから問題はない。また、以下の「タイマ演出」とは、基本的には、予告側タイマ演出または変動側タイマ演出でカウント表示が実行されることを意味するものであるが、該カウント表示中の演出のほか、タイマ先読み演出を包含する意味を持つ場合もある。また、「カウント表示」の態様としても、以下では「秒数」をカウントすることとしているがこれに限られない。
図248(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。図248(B)は、図248(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に2つの入賞が発生してそれらの入賞に応じた保留情報が記憶され、1番目に入賞した保留1に対応する保留表示が通常保留の態様、2番目に入賞した保留2に対応する保留表示が赤色の態様で表示された演出状況を示している。図248(C)は、図248(B)で示した演出状況において変動表示の状態にあった装飾図柄SZがハズレ図柄で停止表示された後、保留情報がそれぞれ先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作されて保留1として記憶されていた保留情報が消化されて変動状態になった演出状況を示している。なお、この演出例では、図中から明らかであるように、保留1の保留情報が消化されて変動表示の状態(保留0の状態)になった状況においても、保留1のときに示されていた保留表示の態様を遊技者が認識可能とされるように表示制御が行われるようになっている(保留0の保留表示)。また、この保留0の保留表示は、このような変動表示の状態においても保留変化の態様(白色点滅、青色、緑色、赤色、レインボー色)でさらに変化しうるようになっていることは上述した通りである。
ここで、図248(C)に示される演出状況においては、図248(A),(B)のときに保留1の状態にあった保留情報が消化されて変動表示が開始されるのに合わせて、若しくは同変動表示が開始されてからの所定時間経過後に保留先読み演出が実行されている。保留先読み演出の態様としては上述の第1先行態様,第2先行態様,第3先行態様のいずれで実行されるものであってもよいが、図248(C)に示される演出状況において保留先読み演出が現れたということは、保留0(変動表示の状態にある)の保留情報または保留1の保留情報が当該保留先読み演出の対象にされていることを意味することとなる(ここでの例では、保留1の保留情報が当該保留先読み演出の対象にされている)。
図248(D)は、図248(C)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に1つの入賞が発生して該入賞に応じた保留情報が保留2に対応する保留表示として通常保留の態様で表示された演出状況を示している。ただし、この保留2に対応する保留表示が特定の遊技情報(ここでは、大当り情報)を示すものであり上述の一変演出の実行条件を満たすものであるとすると、図248(E)に示されるように、保留2に対応する保留情報(遊技情報)に基づいて一変演出にかかる制御が実行されることとなる。
なお上述の通り、一変演出とは、該一変演出を発生させる保留情報(ここでは保留2)よりも前に記憶されて保留状態にある保留情報(ここでは保留1)の内容を改変して保留消化させるものである。これに対し、上述の一変ガセ演出とは、例えば、保留2に対応する保留表示が特定の遊技情報(ここでは、大当り情報)を示すものでないときに発生して該一変ガセ演出を発生させる保留情報(ここでは保留2)よりも前に記憶されて保留状態にある保留情報(ここでは保留1)の内容を改変させずに保留消化させるものである。すなわちこの場合、一変演出と一変ガセ演出とのいずれが行われるかによって保留1が消化されたときに各種演出の発生し易さが異なるようになることから、これらの演出の発生状況から特定の遊技情報を示す保留が含まれているか否か(一変演出と一変ガセ演出とのいずれが行われているか)を遊技者側が推測可能とし、遊技興趣の低下が抑制されうるようにしている。一変演出と一変ガセ演出とのいずれにおいても、それらの演出に対応する保留表示(ここでは、保留2)については大当り判定の結果に関わらず保留変化が生じないように制御することが望ましい。
したがって、このような保留2に対応する保留情報(遊技情報)に基づいて一変演出にかかる制御が実行されるタイミングについては、保留情報の改変対象にならない保留0の変動表示が終了した後であり、且つ保留情報の改変対象になる保留1の変動表示が開始されるよりも前であることが望ましい。この点、この実施の形態では、保留0の変動表示でハズレ図柄が停止された後であるが保留1の保留表示が未だシフト表示されていないときに当該一変演出にかかる制御を実行することで、保留1の保留情報(特に、演出に関わる情報)を改変することはもとより、図248(E)に示されるように、それまで表示されていたタイマ先読み演出や保留変化の態様(赤色)を非表示にする(通常保留の態様で表示する)とともに、背景画像を一変演出が行われるときの背景画像に変更させることとしている。またこの際、所定の表示画像(ここでは、「一変」)が所定時間だけ表示される。
また、このような演出状況(図248(E))では、保留0の変動表示が終了されるまでの間にそれまで出現していたタイマ先読み演出がカウント表示を開始することなく表示を継続させていたことから、該タイマ先読み演出の対象は保留1であることが認識可能とされている。
図248(F)は、図248(E)で示した一変演出背景の出現後、保留情報がそれぞれシフト操作されることにより保留1として記憶されていた保留情報が消化されて変動状態になった演出状況を示している。
ここで、図248(F)に示される演出状況においては、図248(E)のときに保留1の状態にあった保留情報が消化されて変動表示が開始されるのに合わせて、若しくは同変動表示が開始されてからの所定時間経過後にタイマ演出のカウント表示が開始されている。また、これと同様、図248(F)に示される演出状況においては、第一演出(ここでは、「会話予告」)に関連した特定表示(ここでは、「会話予告を出現させろ」)が表示されている。特定表示(会話予告を出現させろ)が出現するタイミングについては、タイマ演出(カウント表示)が出現するタイミングより前であってもよいし、タイマ演出(カウント表示)が出現するタイミングより後であってもよく、適宜のタイミングで出現可能とされるものである。
なお、タイマ演出は、タイマ先読み演出の態様にある場合(図248(D))も含めて、他の予告演出や装飾図柄などよりも優先的に表示されるものとなっており、ここでは、いわゆるティッカーの態様(スライド映像)で「会話予告を出現させろ」を表示する予告演出のうちの一部表示範囲(左部分)が、これよりも優先的に表示されるタイマ演出によって非表示にされている。
また、この演出状況(図248(F))では、タイマ演出が「10秒」といった相対的に少ないカウント数でカウント表示を開始していることから、これだけを見れば低期待度の演出を当該タイマ演出の対象にしている可能性が高くなっており遊技興趣の低下が懸念される。ただし、この演出状況(図248(F))では、タイマ演出の演出対象にされる演出種別のうち相対的に早い段階で出現する演出種別(会話予告)を出現させる旨の特定表示(会話予告を出現させろ)が出現しており、当該タイマ演出の演出対象が「相対的に早い段階で出現する会話予告」でありミッション成功によって大当りに当選していることが確定示唆されることが期待されることから、遊技興趣の低下は抑制されるようになる。
しかも、一変演出が実行されているときには上述の通り、通常時とは異なる確率でタイマ演出が出現するようになっている。例えば、図248(D)で表示されていたタイマ先読み演出が第1先行態様(タイマ発生の予感)で表示されていたときには、通常時であれば概ね20%の確率でしかタイマ演出が出現しないのに対し、一変演出が実行されているときには概ね50%の確率でタイマ演出が出現するようになる。したがって、こうした一変演出背景が現れているなかでタイマ演出が出現した場合は、タイマ演出の出現確率が変化しない一変ガセ演出(概ね20%)ではなく、タイマ演出の出現確率が変化する一変演出(概ね50%)が実行されている期待感、ひいては大当りに当選することへの期待感(一変演出実行時は大当りの保留情報が含まれていることが確定されるため)が高まるようになる。ただしこの際、こうした一変演出背景が現れているなかでタイマ演出が出現しなかった場合は、タイマ演出の出現確率が変化する一変演出(概ね50%)ではなく、タイマ演出の出現確率が変化しない一変ガセ演出(概ね20%)が実行されている懸念度が高まる結果になる。
なお、図248(D)で表示されていたタイマ先読み演出が第3先行態様(タイマ準備中)で表示されていたときには、通常時であれば100%の確率でタイマ演出が出現するのに対し、一変演出が実行されているときには概ね50%の確率でしかタイマ演出が出現しないようになる。したがって、こうした一変演出背景が現れているなかでタイマ演出が出現しなかった場合は、タイマ演出の出現確率が変化しない一変ガセ演出(概ね100%)ではなく、タイマ演出の出現確率が変化する一変演出(概ね50%)が実行されていること、ひいては大当りに当選する保留情報が含まれていることが確定的に示唆されるようになる。ただしこの際、こうした一変演出背景が現れているなかでタイマ演出が出現した場合は、タイマ演出の出現確率が変化する一変演出(概ね50%)ではなく、タイマ演出の出現確率が変化しない一変ガセ演出(概ね100%)が実行されている懸念度が高まる結果になる。
図249(G)は、図248(F)で実行されているタイマ演出のカウント表示が所定数値(ここでは0)に達し、該所定数値(ここでは0)に達した旨を示唆するタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が出現された演出状況を示している。なお、所定数値(ここでは0)に達した旨を示唆するタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)は、タイマ演出のカウント表示が非表示にされてから出現してもよい。
この図249(G)に示される演出状況では、ミッション表示(会話予告を出現させろ)が未だ表示されている間にカウント表示が所定数値に達していることから、タイマ演出の演出対象として何らかの演出が今まさに出現しようとしている状況にあることは確定的に示唆されている状況であり、該演出として会話予告が出現するか否かに大きな注目が集まる状況であるといえる。
図249(H)は、図249(G)で所定数値に達したタイマ演出とそのタイマ関連表示とがそれぞれ非表示にされた後、該タイマ演出の演出対象となる演出として会話予告(ここでは「チャンスかもしれないわ」)が出現した演出状況を示している。なおこの直後、ミッション演出(会話予告を出現させろ)にてミッション成功したことを示す特別表示が現れることとなる。
この図249(H)に示される演出状況では、ミッション演出(会話予告を出現させろ)にてミッション成功したことが示されることから、大当りに当選することが確定的に示唆されるようになる。
図249(I)は、図249(H)でミッション成功した後、特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)が現れている状況にあるにもかかわらず当該変動表示がハズレ図柄で停止された演出状況を示している。
すなわち上述の通り、この実施の形態では、第一演出(ここでは、「会話予告」)に関わる特定表示(ここでは、「会話予告を出現させろ」)については、その演出対象にされる保留情報(図249(I)に示される状況では保留1)に応じた変動表示の期間内で出現可能とされることはもとより、所定条件下では該変動表示よりも前の保留情報(図249(I)に示される状況では保留0)に応じた変動表示の期間内においても先行して出現可能とされている。しかも、該第一演出(ここでは、「会話予告」)が表示されて特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)を出現させるタイミングこれ自体も、その演出対象にされる保留情報(大当りになる保留情報)に応じた変動表示の期間内で出現可能とされることはもとより、所定条件下では該変動表示よりも前の保留情報(大当りにならない保留情報)に応じた変動表示の期間内においても先行して出現可能とされている。
このような構成によれば、ミッション演出において特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)が現れて大当りになることが確定的に示唆されたにもかかわらず、当該変動表示がハズレ図柄で終了(停止)されるようになることから、遊技者としては不測の事態が生じることとなる。ただしこの後、次の変動表示が開始されると該変動表示が大当り図柄で終了(停止)されるようになることから、絶望状態に一旦落とされてからの幸福感が付与されるようになる。これにより、大当りになることが確定的に示唆された後にも演出的な抑揚を付けることが可能とされるようになり、大当り図柄が停止されるまでの遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
しかしながら、このように特別表示を先行して出現させる場合、当該変動表示がハズレ図柄で終了(停止)された時点でホール側に対する遊技者側の苦情が発生することが懸念される。したがって、特別表示が先行して出現されるハズレ変動においてはその変動表示の実行期間内に次の変動表示(大当りになる変動表示)にまで跨る先読み演出が実行される割合が特別表示が現れないときよりも高くなるように設定することが望ましい。なお、この演出例では、図249(I)に示されるように、図249(H)でミッションが達成された後、該変動表示がハズレ図柄で終了(停止)されるまでの期間内でタイマ先読み演出を新たに発生させることとしている。このような構成によれば、タイマー演出のカウント表示が開始されるよりも前にミッション成功したとしてもその変動表示ではハズレ図柄を表示させて、タイマー演出のカウント表示が開始される変動表示が現れるまで大当り図柄の現れる変動表示が持ち越されているかのような演出を実現することができるようになる。これにより、変動表示がハズレ図柄で終了(停止)された時点でホール側に対する遊技者側の苦情が発生することが抑制されうるようになる。
ただし、こうした複数回の変動表示(大当りになる変動表示まで)に跨る先読み演出は必ずしも実行されなくてもよく、この意味では、図249(J)に示されるように、大当り図柄が現れる保留情報が消化されてその変動表示が開始された以降も、ハズレ図柄が現れる変動表示の実行期間内で現れた特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)を表示し続けるようにすることが望ましい。この点、こうした特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)を、大当り図柄が現れる変動表示において大当り図柄が現れるまで継続して表示させるようにすると、大当り図柄が停止されるまでの間に演出的な抑揚が付けられずに遊技興趣の低下が懸念されることから、図249(K)に示されるように、演出パターン内の演出として大当りに当選することが確定的に示唆される演出画像が現れるよりも前のタイミングで特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)を非表示にすることが望ましい。これにより、特別表示(ここでは、「ミッション成功!」)が非表示にされた以降、図249(K)に示される演出画像(演出パターン内の演出内容として大当りに当選することが確定的に示唆される演出画像)が現れるまでの間、大当り図柄が現れることへの不安感が多少なりとも増大するようになり、図249(L)に示される演出状況(大当り図柄が停止される演出状況)になるまでの間の遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
なお、図249(J)では、30秒のタイマ演出のカウント表示が開始されており、この図249(J)に示される演出状況が現れた以降、図249(K)に示される演出状況が現れるまでの間には、当該30秒のタイマ演出のカウント表示が終了してタイマ関連表示(ここでは、「ゆくぞ」)が表示されるとともに、その演出対象になる演出が発生していることは言うまでもない。
次に、図248及び図249に示したタイマ演出例とは別のタイマ演出例を図250,図251を参照して詳述する。
図250(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。図250(B)は、図250(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に3つの入賞が発生してそれらの入賞に応じた保留情報が記憶され、1番目に入賞した保留1に対応する保留表示が通常保留の態様、2番目に入賞した保留2に対応する保留表示が赤色の態様、3番目に入賞した保留3に対応する保留表示が青色の態様で表示された演出状況を示している。図250(C)は、図250(B)で示した演出状況において変動表示の状態にあった装飾図柄SZがハズレ図柄で停止表示された後、保留情報がそれぞれ先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作されて保留1として記憶されていた保留情報が消化されて変動状態になった演出状況を示している。なお、この演出例でも、図中から明らかであるように、保留1の保留情報が消化されて変動表示の状態(保留0の状態)になった状況においても、保留1のときに示されていた保留表示の態様を遊技者が認識可能とされるように表示制御が行われるようになっている(保留0の保留表示)。また、この保留0の保留表示は、このような変動表示の状態においても保留変化の態様(白色点滅、青色、緑色、赤色、レインボー色)でさらに変化しうるようになっていることは上述した通りである。また、図250及び図251では、図248及び図249においては説明の便宜上、割愛されていた演出用の可動体KTが図中にて記されている。なお、可動体KTは、例えば、「裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500などの可動部材」などに相当するものである
ここで、図250(C)に示される演出状況においては、図250(A),(B)のときに保留1の状態にあった保留情報が消化されて変動表示が開始されるのに合わせて、若しくは同変動表示が開始されてからの所定時間経過後に保留先読み演出が実行されている。保留先読み演出の態様としては上述の第1先行態様,第2先行態様,第3先行態様のいずれで実行されるものであってもよいが、図250(C)に示される演出状況において保留先読み演出が現れたということは、保留0(変動表示の状態にある)の保留情報または保留1の保留情報、保留2の保留情報のいずれかが当該保留先読み演出の対象にされていることを意味することとなる(ここでの例では、保留1の保留情報が当該保留先読み演出の対象にされている)。
ここで、保留先読み演出の態様として、対応する保留表示(ここでは、保留1の保留情報)が未だ保留状態にあるときからカウント表示を実行するようにしてもよい。すなわちこの場合、カウント表示が所定数値(ここでは「0」)に達した後に装飾図柄SZの変動表示が終了する事象が発生しうることはもとより、カウント表示が所定数値(ここでは「0」)に達するよりも前に装飾図柄SZの変動表示が終了する事象が発生しうるようになることから、カウント表示が実行中になっても該タイマ演出の対象がいずれの保留情報を対象にしているのかを把握し難くすることができるようになる。
ただし、この演出例では、保留先読み演出の態様として、第1先行態様(タイマ発生の予感)、第2先行態様(タイマ発生チャンス)、及び第3先行態様(タイマ発生チャンス)のいずれかが表示されうる。
この点、図250(C)に示される演出状況では、保留情報0,1,2のうち、保留情報1が赤色の態様になっており最も大当り期待度の高い保留表示の態様になっていることに鑑みれば、遊技者側からすれば、タイマ先読み演出が、保留情報1を対象にしており赤色の保留表示との複合演出を発生させるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、複合演出によって保留情報1で大当りの得られる期待度がさらに高いことが示されるようになることから、通常保留の態様の保留0や、期待度の低い青色の保留2をタイマ先読み演出の対象にして大当り期待度が分散されてしまう場合よりも保留情報0〜2のいずれかで大当り図柄が現れる期待度を高くすることができるようになる。また、期待度の低い青色の保留2がタイマ先読み演出の対象になってしまうと遊技興趣の低下が懸念されることから、遊技興趣の維持を図る上では期待度の低い青色の保留2がタイマ先読み演出の対象にならないように演出進展することも重要である。
しかも、上述の通り、この実施の形態では、大当り図柄の現れる保留情報(大当り保留)が記憶されているときに新たな入賞が発生すると、通常時テーブルT9a(図245)ではなく、大当り保留時専用のテーブル(図246:特別時保留変化テーブルT9b)を参照して保留変化演出を実行するようにしている。この特別時保留変化テーブルT9bを用いた保留変化演出では、大当り保留が既に含まれているときには(赤色の態様の保留1が大当りであるときには)、保留2の態様として赤色や緑色は出現し難くなっており且つ青色や白色点滅の態様が相対的に出現し易くなる。したがって、図250(C)に示される演出状況において、タイマ先読み演出が、保留情報1を対象にしており大当り期待度を高くするように機能した場合は、期待度の低い青色の保留2をタイマ対象にすることによる遊技興趣の低下を回避したことによるチャンスアップと、赤色の態様の保留1の保留情報が大当りであるからこそ特別時保留変化テーブルT9b(図246)が参照されて青色の態様の保留2の保留表示が(出現確率の高い)青色になっている演出状況にあることを期待できることによるチャンスアップ(大当り期待度の高い予告側タイマ演出が「実行中の変動表示内の演出」を演出対象としていることも「実行中の変動表示が大当りである」ことを裏付けているかのように機能する)とのダブルでチャンスアップが生じるようになることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
したがって、図250(B)や(C)に示される演出状況においては、新たな入賞を発生させたときに青色や白色点滅の保留表示が新たに発生するのか、若しくは緑色や赤色の保留表示が新たに発生するのかを確認するようにすれば、大当り保留が含まれているのかを認識することが可能であり、新たな入賞が促される演出状況にあるともいえる。
図250(D)は、図250(C)で示したタイマ先読み演出の態様が維持されたままで(カウント開始しないままで)、実行中の状態にあった装飾図柄SZの変動表示がハズレ図柄で終了(停止)した後、保留情報がそれぞれシフト操作されることにより保留1として記憶されていた保留情報が消化されて変動状態になった演出状況を示している。
この図250(D)に示される演出状況になると、遊技者は、タイマ先読み演出の対象が、赤色の態様である保留0(変動表示の状態にある)の保留情報、及び青色の態様である保留1の保留情報のいずれかであることを認識可能となり、赤色の態様である保留0の保留情報に応じた当該変動表示の実行期間内でカウント表示が実行されることを願うようになる。
なお、この演出例においても、タイマ演出は、タイマ先読み演出の態様にある場合(図250(D))も含めて、他の予告演出や装飾図柄などよりも優先的に表示されるものとなっており、ここでは、会話予告における女性キャラクタのセリフ部分の一部範囲(左部分)が、これよりも優先的に表示されるタイマ演出によって非表示にされている。
図250(E)は、図250(D)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中にタイマ先読み演出が終了してタイマ演出のカウント表示が実行中になっている演出状況を示している。
ただし上述の通り、赤色の保留情報の消化に応じた当該装飾図柄SZの変動表示の実行中にカウント表示が開始されるか否か(タイマ先読みが赤色の保留情報を対象にしたものであるか)は遊技者にとって関心度の極めて高い事項となっている。そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、こうしたカウント表示が実行中の状態になっていることが遊技者側から視認し難くされるように、該実行中の状態になっているカウント表示の前方にまで演出用の可動体KTを移動させて所定時間にわたって位置させるように制御可能としている。このような構成によれば、タイマ演出(タイマ先読み演出、カウント表示)が実行されており遊技者にドキドキ感を与えているなかでタイマ演出のカウント表示が実行されているか否かの確認がし難くなることで、該タイマ演出への注目をさらに強くしてドキドキ感を高めることができるようになる。
なお、このような演出を好適に実現する上では、タイマ演出は実行されているがそのカウント表示が未だ実行されていない状況(タイマ先読み演出の実行中など)においては上記演出用の可動体KTを動作(移動)させないように制御することが望ましい。すなわちこの場合、演出用の可動体KTの存在を遊技者側が気にしていないところで該演出用の可動体KTが突然に移動してカウント表示が見難くされるようになることから、遊技者にとっては最も悪いタイミングで発生するこのようなサプライズ的な演出によってタイマ演出への注目をさらに強くしてドキドキ感を高めることができるようになる。
また、該演出用の可動体KTによる動作演出については、タイマ演出のうちタイマ先読み演出を視認し易くしてカウント表示を視認し難くする演出としてのみ機能させるようにしてもよいが、上述の非対象予告E2(第一演出)としても機能させるようにしてもよい。すなわちこの場合、タイマ演出の演出対象にならず本来関係のない非対象予告E2(第一演出)ではあるものの、カウント表示の実行中に非対象予告E2(第一演出)が実行される演出状況(図250(E))になることで、例えば、次の演出状況(図250(F))で示されるカットイン演出よりも高い大当り期待度が示されるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお上述の通り、この非対象予告E2(ここでは、演出用の可動体KTによる動作演出)については、期待度の異なる複数の態様のいずれかで実行するようにすることが望ましく、例えば、カウント表示が非実行の状態においては、演出用の可動体KTが動作したときの発光態様(青色、緑色、赤色)のいずれが出現したかによって大当り期待度を示すようにすることが望ましい。このとき、赤色の発光態様で演出用の可動体KTが動作すると、次の演出状況(図250(F))で示されるカットイン演出よりも高い大当り期待度を示すようにしてもよいが、演出用の可動体KTによる動作演出が発生したときの大当り期待度の期待値は、次の演出状況(図250(F))で示されるカットイン演出の大当り期待度の期待値よりも低くなっていることが求められる。ただし、これも上述した通り、カウント表示の実行中に演出用の可動体KTによる動作演出を実行する場合は、発光態様として青色、緑色、赤色のいずれが現れたとしても、当該演出用の可動体KTによる動作演出によって示される大当り期待度は同じ(例えば、70%)であるように制御することが望ましい。このような構成によれば、カウント表示の実行中は、演出用の可動体KTによる動作演出でいかなる態様が現れるかではなく、演出用の可動体KTによる動作演出これ自体が発生するかに注目が集まるようになることから、該演出用の可動体KTによる動作演出が発生したときの態様によって遊技興趣が低下するようなことが回避されるようになる。
ところで、図250(E)に示される演出状況では、タイマ先読み演出の対象が青色の態様の保留2ではなく赤色の保留1であることによる上述のダブルでのチャンスアップに成功していることに加えて、カウント表示の実行中に非対象予告E2(ここでは、演出用の可動体KTによる動作演出)が実行されたことによるチャンスアップにも成功している。したがって、仮に、このような期待度の高い演出状況にあるにもかかわらず該変動表示では大当りに当選しない可能性が高いことが示唆されるようなことがあれば、本来、遊技興趣が高められるはずの変動表示において、遊技興趣が著しく低下することは避けられない。この点、大当り保留(保留0も含む)が含まれているときに参照される上述の特別時保留変化テーブルT9b(図246)では、新たな入賞が発生したときに緑色や赤色の態様の保留情報が出現し難くなっていることから、図250(E)に示される演出状況において新たな入賞が発生したことに応じた保留2が赤色の態様で保留表示されてしまうと大当り保留が含まれていないことが遊技者側に露にされる事態が発生しかねない。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイマ演出のうち、期待度の高い態様とされる特定のタイマ演出のカウント表示が実行される期間中や、それ以降の期間においては新たな入賞が発生したとしてもその態様(白色点滅、青色、緑色、赤色、レインボー色)が認識し難くなるとともに、既に表示されていた保留表示がさらに保留変化したとしてもその態様が認識し難くなる制御を行うこととしている。なお、図250(E)に示される例では、保留1,2が隠されてその影によって表示することで保留表示の態様を認識し難くしているが、演出表示装置1600において保留表示これ自体を非表示にするようにしてもよい。これにより、期待度の高いカウント表示が実行されているにもかかわらず、新たな入賞が発生したときに緑色や赤色の保留表示が現れることで遊技興趣が低下するようなことが回避されるようになる。
図250(F)は、図250(E)で示したタイマ演出のカウント表示が所定数値(ここでは「0」)に達してタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる演出(味方キャラクタによるカットイン演出)が実行されている演出状況を示している。同図250(F)に示されるように、タイマ演出の演出対象になる演出(味方キャラクタによるカットイン演出)が実行されている状況においても、保留1,2は隠されたままでありその影によって保留表示の態様は認識し難くされている。
図251(G)は、図251(F)においてタイマ演出の演出対象になる演出(味方キャラクタによるカットイン演出)が実行された後、その味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することで当該変動表示が大当り図柄で確定停止されることが示されている演出状況を示している。
この図251(G)に示される演出状況においては、大当りになることが確定的に示唆されていることから、保留1,2の態様としていずれの態様が現れていたとしても遊技興趣が低下するようなことはない。したがって、認識し難くされている保留1,2については、このように大当りになるか否かが示される演出が表示された以降に、いずれの態様が現れているのかを認識可能な態様で表示されるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北することで当該変動表示がハズレで確定停止されることが示されたとしても、その時点で保留1,2の態様が認識可能となった結果、保留1,2のいずれかが赤色やレインボー色の態様であることが認識されるような場合もあることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、図251(G)に示される演出状況では、新たなタイマ演出が発生してそのカウント表示が開始されている状態にある。このカウント表示は、大当り図柄が確定停止されて変動表示が終了される図251(H)に示される演出状況においても、残りカウント数を残したまま(カウント表示の開始時に表示されるカウント数のうち、最も少ないカウント数(10秒)よりも多くのカウント数を残したまま)になっており、タイマ演出の演出対象になる演出も何ら発生させないままで、当該変動表示が終了した以降も継続して実行される上述の特別タイマ演出として実行されている。
ただしこの後、図251(I)に示される演出状況においてオープニング演出が実行される期間中は、タイマ演出のカウント表示を非表示にするようにしている。これにより、図251(H)に示される演出状況で終了した変動表示(図柄演出)と、図251(J)に示される演出状況で開始される大当り遊技中の演出(大当り遊技演出)とが互いに繋がりのない演出であることが認識可能とされるようになり、遊技者は、こうして新たに開始される演出を新鮮な気持ちで楽しむことができるようになる。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイマ演出のカウント表示が非表示にされる期間(オープニング演出の実行期間)中も時間経過に応じてカウント表示を密かに実行するようにしており、図251(J)に示される演出状況で開始される大当り遊技中の演出(大当り遊技演出)において上記タイマ演出のカウント表示を再表示させるときには、カウント表示の数値がその分だけ進行されているようにしている。そうすると、タイマ演出のカウント表示が所定数値に達するまでの残り時間が急激に減少したかのような演出状況が生み出されるようになることから、遊技者側の気持ちの準備ができていない状態でカウント表示を所定数値に達するようにすることが可能とされるようになり、変動表示の状態から継続されているタイマ演出がマンネリになってしまうことが好適に回避されるようになる。
そして、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、こうして変動表示の状態から継続されているタイマ演出を、そのカウント表示が大当り遊技の実行期間内で所定数値に達するように制御する。なおこの際、所定数値(ここでは0)に達した旨を示唆するタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)を出現させる点は、変動表示の期間内で行われるタイマ演出と同様である。
図251(K)は、図251(J)で示したタイマ演出のカウント表示が所定数値(ここでは「0」)に達してタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる特定演出(上述の第1特別演出や第2特別演出に相当、図中では「CHANCE」の表示)が実行されている演出状況を示している。
同図251(K)に示されるように、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、大当り遊技の実行期間内で特定演出(「CHANCE」の表示)を実行可能としており、該特定演出(「CHANCE」の表示)が実行されると、当選した大当りが遊技者に有利な大当り種別(例えば、当該大当り遊技のラウンド数が16ラウンドである種別や、当該大当り遊技の終了後に高確率時短遊技状態が発生する種別)である期待度が高いことが示されるようにしている。なお、該割合については100%であってもよい。このように、大当り遊技が開始された以降にまでカウント表示が継続される上述の特別タイマ演出が実行されると、大当り確定であることはもとより、当選した大当りが遊技者に有利な大当り種別である期待度も高くなることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
そしてこの後、特定のラウンド遊技などで味方キャラクタが敵キャラクタと戦う演出が行われて、その結果として味方キャラクタが勝利すると(図251(L))、当選した大当りが遊技者に有利な大当り種別であることが示されるようになる。なお、当該演出において味方キャラクタが敗北したときは、当選した大当りが遊技者に有利な大当り種別でないことが示されることとなる。
こうして大当り遊技中の演出の結果が現れると、該結果に応じた内容で遊技が進行されるようになり、例えば、味方キャラクタが勝利する結果が得られた場合は、16ラウンドまで大当り遊技が実行されたり、該大当り遊技の終了後に高確率時短状態に制御されるようになる。これに対し、味方キャラクタが敗北する結果が得られた場合は、8ラウンドで大当り遊技が終了されたり、該大当り遊技の終了後に高確率時短状態よりも有利度合いの低い遊技状態(例えば、低確率時短状態など)に制御されるようになる。
ここで、図251(K)に示される特定演出(「CHANCE」の表示)の演出内容については、特定のラウンド遊技において味方キャラクタが敵キャラクタと戦う演出に関連するものであってもよい。例えば、図251(K)に示される特定演出で味方キャラクタが武器を獲得する演出内容を設定しておき、特定のラウンド遊技において獲得した武器を使って敵キャラクタと戦う演出を実行するようにすれば、図251(K)に示される特定演出においてその後の戦いで味方キャラクタが勝利する可能性が高まったことを暗示させることができるようになる。
次に、このようなタイマ演出を実行するときに出現しうる該タイマ演出これ自体の各種態様や、該タイマ演出に関連して行われる各種演出について記載する。なお、以下に説明する各演出は、それら演出の間で適宜に組み合わせて実行することが可能であるとともに、上述した各演出との間でも適宜に組み合わせて実行することが可能である。また、以下の各演出例では、予告側タイマ演出として実行される場合について記載しているが、予告側タイマ演出ではなく、変動側タイマ演出として実行されるようにしてもよい。すなわちこの場合、以下の各演出例にかかる演出内容を変動パターンの演出内容として予め定めておくこととなる。
[タイマ対象除外演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、タイマ対象となる演出候補として複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作など)を用意しており、それら演出態様のいずれかをタイマ対象(カウント対象)にして(タイマ対象予告抽選)、該タイマ対象にした演出態様が現れるタイミングに向けてのカウント表示が行われるタイマ演出を実行する。この点、この実施の形態にかかるタイマ演出では、複数の演出態様(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作(役物A予告)、特別タイマ、カットインB、役物B動作(役物B予告))のいずれがタイマ対象になっているかを不明にしたまま行われるようになっており、このような演出状況にあるなかでタイマ対象になっていない演出態様(タイマ対象予告抽選でタイマ対象として決定されなかった演出態様)がいずれであるかを示唆する表示を行いうる(タイマ対象除外演出)。
すなわちこの場合、タイマ演出における残りカウントを消化している段階で、タイマ対象になっている演出態様がいずれであるかについての推測材料が提供されるようになる。例えば、タイマ対象になっていない演出態様として、低期待の演出態様(例えば、会話予告)が示唆された場合には、その時点で、低期待の演出態様がタイマ対象として出現する可能性が排除されることとなることから、タイマ演出における残りカウントを消化している段階でありながらも高期待の演出態様(例えば、役物B動作など)がタイマ対象として出現することに対する期待感によって遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。また、タイマ対象になっていない演出態様として、高期待の演出態様(例えば、役物B動作など)が示唆された場合には、その時点で、当該タイマ演出には期待が持てないとして他の演出に着目させることができるようになり、カウント表示が所定値に達したときの遊技興趣の低下を抑制することが期待される。このような構成によれば、残りカウントを消化している間に、カウント表示これ自体の態様を変化させることなく、当該タイマ演出に対する期待感を適宜に変動させることができるようになる。
図252(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし キャラリーチ」に相当する変動番号7,8(図219参照)が選択されているときに行われるタイマ対象除外演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。図252(b)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし SPリーチ」に相当する変動番号15,16(図219参照)が選択されているときに行われるタイマ対象除外演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図252(a)に示す例では、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(「保留変化5」、「役物A動作3」、「特別タイマ1」のいずれか)が選択された場合(図232を参照)にタイマ対象除外演出を実行するようになっており、図252(b)に示す例でも、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(「保留変化5」、「役物A動作3」、「役物B動作1」のいずれか)が選択された場合(図232を参照)にタイマ対象除外演出を実行するようになっている。
ただし、タイマ対象除外演出については、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときに行うようにするのではなく、例えば、タイマ種別は関係なしで、変動パターンの種別や大当り判定の結果などに基づく所定の演出抽選で特別結果が得られたことに基づいて行うようにしてもよい。また後述するが、タイマ対象除外演出は、タイマ演出が実行されないことが決定されている変動パターン内で出現させるようにしたり、タイマ演出が実行されるよりも前のタイミングで出現させるようにしてもよい。このような構成によれば、タイマ演出のカウント表示が(タイマ対象先出し演出に対して)事後的に実行されると仮定した場合(実行されるか不明であるが)、タイマ対象として出現しない演出態様がいずれの種別であるのかを先行して示すことができるようになる。なお、タイマ演出が未だ実行されていない状態(タイマ先読み演出の表示すら現れていない状態)でタイマ対象除外演出が出現したときには、タイマ対象除外演出が出現しなかった場合に比べてその後にタイマ演出が実行される割合が高くなるようにしておき、タイマ演出が実行されることを先行示唆する演出としても実行されるようにすることが望ましい。
まず、図252(a)に示す例のうち、「保留変化5」または「役物A動作3」の態様でタイマ演出が実行される例では、図柄変動が開始されてから20秒が経過したあたりのタイミングで、20秒のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっている演出態様(「保留変化5」または「役物A動作3」)が現れるようになっている。
また、図252(b)に示す例のうち、「保留変化5」または「役物A動作3」の態様でタイマ演出が実行される例においても同様、図柄変動が開始されてから20秒が経過したあたりのタイミングで、20秒のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっている演出態様(「保留変化5」または「役物A動作3」)が現れるようになっている。
この点、これらの例の場合、図柄変動が開始されてから10秒が経過したタイミングで、タイマ演出が未実行の状態(タイマ先読み演出の表示すら現れていない状態)にされているにもかかわらず1回目のタイマ対象除外演出が発生しうる。1回目のタイマ対象除外演出では、例えば、「会話予告」がタイマ対象の候補になっていないことが示されるようになっており、これによって当該変動内でタイマ演出が発生したときにはタイマ対象の候補が保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作のいずれかに絞られたことを遊技者に把握可能とされるようになる。すなわちこの場合、複数の演出態様(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作)のうち低期待の演出態様がタイマ対象の候補から外れたこと(高期待の演出態様がタイマ対象の候補とされている期待を持てること)を認識しうるようになることから、遊技者としては、当該変動内でタイマ演出が発生することを願うようになり、タイマ演出(カウント表示)が未実行の状態とされているときの遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
なお、カウント表示が未実行の状態とされている期間(この例では、図柄変動が開始されてから20秒が経過するまでの期間)では、上述のタイマ先読み演出(第1先行態様、第2先行態様、第3先行態様)が表示されるようにしてもよい。
次いで、図柄変動が開始されてから20秒が経過したタイミングでは、タイマ演出におけるカウント表示が開始されるのに合わせて2回目のタイマ対象除外演出が発生しうる。2回目のタイマ対象除外演出では、1回目のタイマ対象除外演出で除外済みとなっている演出(会話予告)以外の演出が除外されることとなる。例えば、2回目のタイマ対象除外演出では、「特別タイマ」がタイマ対象の候補になっていないことが示されると、タイマ対象の候補が保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作のいずれかに絞られたことを遊技者に把握可能とされるようになる。そしてこの場合、複数の演出態様(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作)のうち大当り確定となる演出態様がタイマ対象の候補から外れたことを認識しうるようになることから、1回目のタイマ対象除外演出が実行されたときから一転してタイマ対象として高期待の演出が現れるかについての不安感を煽ることができるようになる。
そして次に、図柄変動が開始されてから30秒が経過したタイミングで3回目のタイマ対象除外演出が発生しうる。3回目のタイマ対象除外演出では、1,2回目のタイマ対象除外演出で除外済みとなっている演出(会話予告、特別タイマ)以外の演出がさらに除外されることとなる。例えば、「カットインB」がタイマ対象の候補になっていないことが示されると、タイマ対象の候補が保留変化、カットインA、役物A動作、役物B動作のいずれかに絞られたことを遊技者に把握可能とされるようになる。
そして、図柄変動が開始されてから40秒が経過したタイミングでは、カウント表示が所定値(ここでは0)に達することとなり、タイマ対象予告抽選で決定済みとなっている演出態様(「保留変化5」の場合は保留変化が発生し、「役物A動作3」の場合は役物A動作が発生する)がタイマ対象の演出として実行されることとなる。
ところで、図252(a),(b)に示す「保留変化5」や「役物A動作3」のタイマ演出では、図柄変動が開始されてからいずれも40秒が経過したときにタイマ対象の演出が実行されるものであるが、図232、図233に併せて示されるように、このような態様のタイマ演出(40秒が経過したときにタイマ対象の演出が実行されるタイマ演出)では、タイマ演出の対象として会話予告、保留変化、役物動作の3つしか用意されていないことがわかる。すなわちこの場合、経験豊かな遊技者は、図柄変動が開始されてから40秒のタイミングでカウント表示が所定値に達する態様のタイマ演出が発生したことを確認した時点で、タイマ対象は、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作の7つのいずれかではなく、会話予告、保留変化、役物A動作の3つのいずれかであることを見抜くことが想定される。そしてこの際、会話予告、保留変化、役物A動作のうち2つの演出を上記タイマ対象除外演出によってそれぞれ除外するようなことがあると、カウント表示が所定値に達したときにいずれの演出が出現するか暴露されてしまうことから、少なくとも2つ以上の演出がタイマ演出の候補として残されるように上記タイマ対象除外演出を実行するようにすることが望ましい。
このようなタイマ対象除外演出によれば、タイマ演出(カウント表示)が未実行の状態とされているときやカウント表示の実行中における期待感や不安感に抑揚(いずれの演出がタイマ対象から外されるかに応じて)を持たせることができるようになることから、カウント表示が所定値に達するまでの間における遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。
しかも、図252(a),(b)に示した例では、タイマ対象除外演出を発生させるタイミングを、タイマ演出におけるカウント表示が所定値(ここでは0)に達するタイミング(若しくは、タイマ対象の演出が出現するタイミング)の候補として用意されている複数のタイミング(変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒など)のいずれかが到来するときに合わせて設定することとしている。
例えば、図232及び図233に示されるタイムチャートを見ると、変動開始から45秒が経過した時点では、その後にカウント表示が0になったとしてもタイマ対象の演出として「役物A動作」が出現する可能性がないことがわかる。このように、タイマ演出では通常、カウント表示が所定値(ここでは0)に達するタイミングの候補として用意されている各タイミング(この例では、変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒など)が過ぎ去っていくにつれてタイマ対象として出現し得る演出の種別も絞られていく関係性がある。この点、タイマ対象除外演出を行うようにしたことで、初心者であっても、カウント表示が所定値(ここでは0)に達するタイミングの候補として用意されている各タイミング(この例では、変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒など)が過ぎ去っていくにつれてタイマ対象として出現し得る演出の種別が絞られていくことを認識してタイマ演出を高度に楽しむことができるようになる。
したがって、図252(a)に示す例のうち、「特別タイマ1」の態様でタイマ演出が実行される例(キャラリーチの図柄変動の開始に合わせて70秒のカウント数をもったカウント表示が行われる例)では、変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒が経過する都度、1回目のタイマ対象除外演出、2回目のタイマ対象除外演出、3回目のタイマ対象除外演出、4回目のタイマ対象除外演出がそれぞれ実行されることとなる。また、図252(b)に示す例のうち、「役物B動作1」の態様でタイマ演出が実行される例(SPリーチの図柄変動の開始に合わせて70秒のカウント数をもったカウント表示が行われる例)では、変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒、50秒が経過する都度、1回目のタイマ対象除外演出、2回目のタイマ対象除外演出、3回目のタイマ対象除外演出、4回目のタイマ対象除外演出、5回目のタイマ対象除外演出がそれぞれ実行されることとなる。
なお、この実施の形態にかかるタイマ対象除外演出では、図柄変動が開始されてから予め定められている複数のタイミングが到来する都度、カウント演出においてタイマ対象になっていない一の演出態様を示唆するようにした。ただし、予め定められている複数のタイミングが到来する度にタイマ対象除外演出を必ずしも実行しなくてもよく、変動パターンの種別や大当り判定の結果などに基づいてそれらタイミングが到来する度に所定確率でタイマ対象除外演出が現れるようにしたり、タイマ対象除外演出を実行するタイミングをそれらタイミングから選択するようにしてもよい。またこの際、予め定められている複数のタイミングの別にタイマ対象除外演出の実行確率を異ならせるようにしてもよい。例えば、図柄変動が開始されてから相対的に早いタイミング(例えば、図252(a)に示される1回目のタイマ対象除外演出が発生しうるタイミング)では、図柄変動が開始されてから相対的に遅いタイミング(例えば、図252(a)に示される4回目のタイマ対象除外演出が発生しうるタイミング)に比べてタイマ対象除外演出の実行される割合が高くなるようにしておけば、一の演出態様がタイマ対象になっていないことが示唆されている状態で相対的に長い時間にわたってカウント表示を消化することができるようになる。ただしこの場合、1回目のタイマ対象除外演出が発生しうるタイミングでタイマ対象除外演出が実行されたときと、4回目のタイマ対象除外演出が発生しうるタイミングでタイマ対象除外演出が実行されたときとで(若しくは、いずれのタイミングでタイマ対象除外演出が実行されたとしても)、大当り図柄の現れる割合(期待度)は同じになるようにすることが望ましい。この場合、該期待度については100%を含むようにしてもよい。このような構成によれば、カウント表示が開始されてから(図柄が変動開始されてから)早いタイミング(タイマ対象除外演出の実行される割合が高くされている間)でタイマ対象除外演出が出現することを意識するようになることから、演出の序盤にあるときから遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
このような演出を実現する場合、周辺制御MPU1511aでは、まず、大当り判定の結果、変動パターンの種別、またはタイマ演出の態様(例えば、キャラリーチの「保留変化5」など)に基づいて、タイマ対象除外演出を発生させるのか、さらにはタイマ対象除外演出をいずれのタイミング(図252(a)の例では、最大3個のタイミング(10秒、20秒、30秒))で発生させるかについての判定処理を行う。次いで、タイマ対象除外演出を発生させる旨の決定をした各タイミングでいずれの演出態様をタイマ対象となっていない演出態様として示唆するのかについての判定処理を行うこととなる。なお、これらの判定処理は、例えば、図220に示される各処理が行われた後、若しくはステップS5510が行われた後であり且つステップS5511が行われるよりも前のタイミングで、それ以前の各処理の結果情報に基づいて行うことが可能である。
若しくは、特定の演出態様(例えば、会話予告)がタイマ対象となっていないことを示唆する専用(会話予告専用)のタイマ対象除外演出を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、周辺制御MPU1511aでは、まず、大当り判定の結果、変動パターンの種別、またはタイマ演出の態様(例えば、キャラリーチの「保留変化5」など)に基づいて、専用のタイマ対象除外演出を発生させるのか、さらには専用のタイマ対象除外演出をいずれのタイミングで発生させるかについての判定処理を行うこととなる。
いずれにせよ、タイマ対象となっていない演出態様として示唆された演出態様が相対的に低期待の演出態様のものであるときは、示唆された演出態様が相対的に高期待の演出態様のものであったときに比べて、高期待の演出態様がタイマ対象の演出として出現する割合が高くなるようにすることが望ましい。このような構成によれば、低期待の演出態様(会話予告)を除外する専用のタイマ対象除外演出が現れたときには遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、上記複数のタイミングのうち少なくとも特定のタイミングでは、特定の演出態様(例えば、想定的に低期待の演出態様である「会話予告」)のみがタイマ対象となっていない演出態様として示唆されうるように設定してもよい。すなわちこの場合、タイマ対象除外演出が特定のタイミングで発生した時点で、特定の演出態様(例えば、想定的に低期待の演出態様である「会話予告」)がタイマ対象となっていないことが把握可能とされるようになることから、タイマ対象の演出が高期待の演出態様となっていることに対する期待感を持たせて遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
また、この実施の形態にかかるタイマ対象除外演出では、タイマ対象となっていない演出として一の演出態様を示唆するようにしたが、所定条件下では、タイマ対象となっていない演出として2つ以上の演出態様を示唆するようにしてもよい。例えば、2つの低期待演出が示唆されるようなことがあれば、タイマ演出における残りカウントを消化している段階でありながらも遊技興趣を大きく高めることができるようになる。
また、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」については、カウント表示が開始されてからカウント表示が所定値(ここでは0)に達するまでの期間内(若しくは、タイマ対象になっている演出が実行されるまでの期間内)にて出現させ、同期間内においてはその表示を維持するようにすることが望ましい。またさらに、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」については、タイマ対象になっている演出が実行された以降もその表示を維持するようにすれば、タイマ演出の対象がいずれの演出態様であったかを思い出すときの材料として用いることができるようになる。
また、所定の演出条件が満たされたときは、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」をカウント表示の残りカウントを消化している間(例えば、特定のタイマ種別のタイマ演出が実行される場合、カウント表示が所定値に達するよりも前の特定カウント値に達したとき)の所定タイミング(特定のカウント値になったタイミングなど)で非表示にして該非表示が維持されているままでカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達してタイマ対象とされている演出を実行するようにしてもよい。すなわちこの場合、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」がいつ非表示にされるかわからないなかでカウント表示の残りカウントが消化されていくこととなることから、同期間(マンネリ化し易い期間)における緊張感を維持することが期待されるようになる。なお、このような作用効果を得る上では、非表示にした「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」については、カウント表示が所定値に達してタイマ対象になっている演出態様が出現した以降もその非表示の状態を維持するようにすることが望ましい。ただし、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」が非表示にされたとしても、タイマ対象になっていない演出態様として一旦示唆された演出がタイマ対象の演出として現れることはないように制御することが重要であり、非表示にされた演出態様についての記憶を忘却しなければ安心してタイマ演出を楽しむことは可能である。また、非表示にした「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」については、カウント表示が所定値に達してタイマ対象になっている演出態様が出現した以降もその非表示の状態を維持した後(例えば、所定時間の経過後)であれば、図柄が確定停止されるよりも前のタイミングで再び表示されるようにして、遊技者の記憶が正しかったかの確認を行うことができるようにすることが望ましい。
また、タイマ演出(カウント表示)が未実行の状態とされているときに「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」を出現させた場合も、所定の演出条件が満たされたときは、タイマ演出(カウント表示)が未実行の状態とされている間にこれを非表示とするようにしてもよい。すなわちこの場合、カウント表示が開始されるよりも前からタイマ演出に関しての緊張感を持たせることができるようになり、メリハリのある演出を提供することができるようになる。
なお後述するが、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」については、図269(C)〜(K)や図271(B)〜(J)に示されるように、カウント表示が0になったときにその演出態様が発生しないことを把握可能なものであればよい。その他の手法としては、例えば、演出表示装置1600において演出態様の名称を表示してこれに×印を付すような手法のほか、カウント表示が0に達するよりも前のタイミングで会話予告やカットインを行うときに用いる女性キャラクタや男性キャラクタが死亡した様子を見せて会話予告やカットインが実行され得ないことを示唆する手法や、カウント表示が0に達するよりも前のタイミングで保留表示がモノクロで表示されて色変化し得なくされるようにする手法や、カウント表示が0に達するよりも前のタイミングで役物A,Bが故障して動作不可能な状態になっていることを見せて役物A動作,Bが行われ得ないことを示唆する手法などを採用するようにしてもよい。要は、タイマ対象の演出として選択されているときにはカウント表示が0に達するよりも前のタイミングで出現し得ない特別態様を用意しておき、カウント表示が0に達するよりも前のタイミングでこの特別態様で会話予告や保留変化などのタイマ対象になっていない演出を実行するようにすれば、「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」を実現することができる。
また、タイマ対象除外演出を発生させた場合は、該タイマ対象除外演出が発生しなかった場合に比べて、カウント表示が所定値に達したときにタイマ対象として高期待の演出態様が現れ易くするように制御するようにすれば、カウント表示が残りカウントを消化しているときの遊技興趣の向上をより好適に図ることが期待されるようになる。
ところで、タイマ対象除外演出にて当り確定の演出態様(特別タイマ)がタイマ対象になっていないことが示唆されると、カウント表示が所定値に達したときに他のいずれの演出態様が現れたとしても、当り確定の演出態様(特別タイマ)と見比べてしまい、遊技興趣が低下する懸念がある。そこで、当り確定の演出態様(特別タイマ)がタイマ対象になっていないことが示された場合には、カウント表示が所定値に達したときに他のいずれの演出態様が現れたとしても当該図柄変動が大当り図柄で必ず停止されるようにしてもよい。
若しくは、タイマ対象除外演出を発生させた場合は、カウント表示が所定値(ここでは「0」)に達したときにタイマ対象としていずれの演出態様が現れた場合であっても、大当り図柄の現れる割合(期待度)が同じになるようにしてもよい。この場合、該期待度については100%を含むようにしてもよい。すなわちこの場合、カウント表示が所定値に達したときにタイマ対象としていずれの演出態様が出現するかに着目する必要がなくなることから、実質的に、タイマ対象除外演出が現れた時点(カウントの残り時間を消化している段階)でタイマ演出を早期終了させることができるようになる。これにより、カウント表示の残りカウントを消化している段階にありながらも他の演出に注目を移させることができるようになることから、単位時間当たりに出現する演出の種別を多くする演出設計を促すことができるようになる。
また、一の図柄変動期間内で2つ以上のカウント表示(タイマ演出)が現れてタイマ対象除外演出が実行された後にそれらが異なるタイミングで所定値に達する演出状況が発生した場合は、該タイマ対象除外演出にてタイマ対象になっていないことが示唆された演出態様を、いずれのタイマ演出(カウント表示)においてもそのタイマ対象として出現させることがないように制御することが望ましい。
また、タイマ対象除外演出にてタイマ対象になっていないことが示唆された演出態様については、カウント表示が所定値に達するタイミングとは異なるタイミングであっても、その後に出現することがないように制御する(タイマ対象でない演出としても出現させないように制御する)ことが望ましい。
また、タイマ対象除外演出の実行に際しては、タイマ対象になっていないことを示唆するか否かの先行演出を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、先行演出にて所定の態様が現れなかったときにはタイマ対象除外演出は実行されず、先行演出にて所定の態様が現れた後にタイマ対象除外演出が実行されることとなる。
また、この実施の形態では、タイマ演出におけるカウント表示が所定値(ここでは0)に達するタイミングの候補として用意されている複数のタイミングのいずれかに合わせてタイマ対象除外演出を実行するようにしたが、予め定められている複数のタイミングのいずれかに合わせてタイマ対象除外演出を実行するものであればよく、必ずしもこれらのタイミングに合わせて行わなくてもよい。ただし、カウント表示が実行されている期間内であっても、残りカウントが少なくなっている期間などの特定の演出期間にあるときには、タイマ対象除外演出が実行されないようにすることが望ましい。
また、カウント表示抽選(ステップS5510)で決定されるタイマ種別のなかには、カウント表示が実行されている全期間にわたってタイマ対象除外演出の実行が許容されないものや、カウント表示が実行されている期間のうちの一部期間でタイマ対象除外演出の実行が許容されないものがあるようにしてもよい。このような特殊なタイマ種別も用意するようにすることで、該タイマ種別が現れたときにはカウント表示を消化していく様子に集中することができるようになり、本来のタイマ演出を楽しむことができるようになる。なお、このような作用効果を得る上では、タイマ対象除外演出が発生し得ない特殊な期間にあるときには、該特殊な期間にないときとは異なる演出態様を出現させて該特殊な期間にあることを遊技者が認識しうるようにすることが重要であると言える。またその一方で、カウント表示が実行されている全期間にわたってタイマ対象除外演出の実行が許容されないタイマ種別であったとしても、カウント表示が開始されるよりも前の期間においては、タイマ演出に対する集中が殺がれる懸念は無いことから、タイマ対象除外演出の実行が許容されるようにすることが望ましい。
なお、上述した「タイマ対象になっていない演出態様がいずれであるかを示唆する表示」を非表示にする期間を、タイマ対象除外演出の実行が許容されない期間と同じ期間として制御するようにしてもよい。
また、タイマ演出におけるカウント表示を少なくとも第1の態様と第2の態様とを含む複数の態様のいずれかで実行するようにしておき、第2の態様でカウント表示が行われる場合、第1の態様でカウント表示が行われる場合に比べてタイマ対象除外演出が実行される割合が高くなるように制御することとしてもよい。この場合、該割合については100%を含むようにしてもよい。すなわちこの場合、カウント表示の態様によってタイマ対象除外演出が行われることを示唆することができるようになり、カウント表示の態様によってカウント表示中の演出に注目させることができるようになる。
タイマ対象除外演出については、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときに行うようにするのではなく、例えば、タイマ種別は関係なしで、変動パターンの種別や大当り判定の結果などに基づく所定の演出抽選で特別結果が得られたことに基づいて行うようにしてもよい。また後述するが、タイマ対象除外演出は、タイマ演出が実行されないことが決定されている変動パターン内で出現させるようにしたり、タイマ演出が実行されるよりも前のタイミングで出現させるようにしてもよい。
また、上述したが、タイマ演出が未だ実行されていない状態(タイマ先読み演出の表示すら現れていない状態)でタイマ対象除外演出が出現したときには、タイマ対象除外演出が出現しなかった場合に比べてその後にタイマ演出が実行される割合が高くなるようにしておき、タイマ演出が実行されることを先行示唆する演出としても実行されるようにすることが望ましい。この意味では、タイマ対象除外演出については、タイマ先読み演出のうちの第1先行態様または第2先行態様として実行されるものであってもよい。すなわちこの場合、タイマ演出が実行される図柄変動が開始されておらずこれが未だ保留状態にあるときに、該タイマ演出でタイマ対象にされない特定の演出態様が示唆されうるようになることから、変動中にある図柄変動でタイマ演出が出現するのか、保留状態にある図柄変動でタイマ演出が出現するのか、若しくはタイマ演出が出現しないのか、などといった思惑と共に特定の演出態様がタイマ対象にされていないタイマ演出が発生するまでの間における遊技興趣を維持することが期待されるようになる。
[タイマ対象先出し演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、特定装飾部材(役物B)を用いた所定の演出(役物B動作)をカウント対象にしており、該所定の演出が現れるタイミングに向けてのカウント表示を図柄演出が行われている期間内で所定値まで実行する。この点、この実施の形態にかかるタイマ演出では、図柄演出が行われる期間のうち、カウント表示が所定値になり所定の演出が現れることとなるタイミングが到来するよりも前の期間内で、特定装飾部材を用いた演出を出現させることで、所定の演出がカウント対象にされていることを示唆しうる(タイマ対象先出し演出)。
すなわちこの場合、カウント表示における残りカウントを消化している段階にあるときにどのような演出が出現するかに着目するようにすることで、カウント表示が所定値になったときに現れる演出の種別を予測することができるようになることから、カウント表示が開始されてからこれが所定値になるまでの間の遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
図253は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし SPリーチ」に相当する変動番号15,16(図219参照)が選択されているときに行われるタイマ対象先出し演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図253に示す例では、説明の便宜上、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として図233で例示しなかった特定のタイマ種別(先出しタイマ1〜6)のいずれかが選択された場合にタイマ対象先出し演出を実行するようになっている。また、先出しタイマ1〜6のうちの先出しタイマ4〜6では、タイマ対象の演出として、「役物A動作」で用いられる役物Aと「役物B動作」で用いられる役物Bとの両方を動作させる「役物A&B動作」といった演出が行われるようになっている。
ただし、タイマ対象先出し演出については、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(先出しタイマ1〜6)が決定されたときに行うようにするのではなく、例えば、図233で例示したタイマ種別のいずれかが選択された場合にタイマ対象先出し演出を行うようにしてもよいし、タイマ種別は関係なしで、変動パターンの種別や大当り判定の結果などに基づく所定の演出抽選で特別結果が得られたことに基づいて行うようにしてもよい。また後述するが、タイマ対象先出し演出は、タイマ演出が実行されないことが決定されている変動パターン内で出現させるようにしたり、タイマ演出が実行されるよりも前のタイミングで出現させるようにしてもよい。このような構成によれば、タイマ演出のカウント表示が(タイマ対象先出し演出に対して)事後的に実行されると仮定した場合(実行されるか不明であるが)、そのタイマ演出のカウント表示が所定値になったときに現れる演出態様がいずれの種別であるのかを先行して示すことができるようになる。そしてこの場合、タイマ演出が未だ実行されていない状態(タイマ先読み演出の表示すら現れていない状態)でタイマ対象先出し演出が出現したときには、タイマ対象先出し演出が出現しなかった場合に比べてその後にタイマ演出が実行される割合が高くなるようにしておき、タイマ演出が実行されることを先行示唆する演出としても実行されるようにすることが望ましい。
図253に示す例のうち、まず、先出しタイマ1,4の態様でタイマ演出が実行される例では、図柄変動が開始されてから20秒が経過したあたりのタイミングで、50秒のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっている演出態様(「役物B動作」または「役物A&B動作」)が現れるようになっている。これに対し、先出しタイマ2,5の態様でタイマ演出が実行される例では、図柄変動の開始タイミングに合わせて70秒のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっている演出態様(「役物B動作」または「役物A&B動作」)が現れるようになっている。一方、先出しタイマ3,6の態様でタイマ演出が実行される例では、図柄変動の開始タイミングに合わせてタイマ先読み演出の表示(第1先行態様、第2先行態様、または第3先行態様)が現れるとともに、該タイマ先読み演出の表示が現れているなかで50秒が経過したあたりのタイミングで該タイマ先読み演出が非表示とされ且つ20秒のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっている演出態様(「役物B動作」または「役物A&B動作」)が現れるようになっている。
この点、先出しタイマ1,4の態様の場合、図柄変動が開始されてからタイミングTa1(例えば、7秒)が経過したタイミングで、タイマ演出が未実行の状態(タイマ先読み演出の表示すら現れていない状態)にされているにもかかわらず1回目のタイマ対象先出し演出が発生しうる。1回目のタイマ対象先出し演出では、例えば、先出しタイマ1,4のタイマ対象の演出である「役物B動作」や「役物A&B動作」で用いられる役物Bを、第1位置若しくはその近傍にてガタガタと振動させる演出(役物Bガタガタ)が行われる。
すなわち、先出しタイマ1のタイマ対象の演出である「役物B動作」は、「役物Bを第1位置から第2位置まで変位させる演出」であり、先出しタイマ4のタイマ対象の演出である「役物A&B動作」は、「役物Bを第1位置から第2位置まで変位させるとともに、役物Aを第3位置から第4位置まで変位させる演出」であるのに対し、1回目のタイマ対象先出し演出では、それら演出で用いられる役物Bを用いる点では共通しているものの、それら演出のいずれとも異なる演出(役物Bガタガタ)を行うこととしている。このような構成によれば、タイマ演出が実行されるよりも前の段階にありながらも、その後にタイマ演出が行われる可能性を示唆することができることはもとより、該タイマ演出での対象演出がいずれの演出態様であるかを示唆(役物Bを用いた演出であることを示唆)することができるようになる。また、1回目のタイマ対象先出し演出では、役物Bを用いてタイマ対象の演出(役物B動作、役物A&B動作)とは異なる演出(役物Bガタガタ)を行うようにしたことで、タイマ演出での対象演出が役物Bを用いた演出であることを示唆するようにしつつも、カウント表示が所定値に達したときに役物Bがどのように動作するかについてはこれを秘匿にすることができるようになり、カウント表示が所定値に達してタイマ対象の演出が行われるまでの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、先出しタイマ1,4の態様の場合、図柄変動が開始されてからタイミングTa2(例えば、27秒)が経過したタイミングでは、タイマ演出のカウント表示が行われているなかで2回目のタイマ対象先出し演出が発生しうる。2回目のタイマ対象先出し演出では、例えば、先出しタイマ1,4のタイマ対象の演出である「役物B動作」や「役物A&B動作」で用いられる役物Bを、「第1位置」から「第1位置と第2位置との間にある第1の中途位置」まで変位させる演出(役物B途中動作(小))が行われる。
すなわち、2回目のタイマ対象先出し演出も、「役物B動作」や「役物A&B動作」で用いられる役物Bを用いる点では共通しているものの、それら演出のいずれとも異なる演出(役物B途中動作(小))を行うこととしている。このような構成によれば、カウント表示が所定値に達するよりも前の特定のカウント値になったとき(残りカウントを消化しているとき)にその対象演出がいずれの演出態様であるかを示唆(役物Bを用いた演出であることを示唆)することができるようになる。また、2回目のタイマ対象先出し演出でも、役物Bを用いてタイマ対象の演出(役物B動作、役物A&B動作)とは異なる演出(役物B途中動作(小))を行うようにしたことで、タイマ演出での対象演出がいずれの演出態様であるかを示唆するようにしつつも、カウント表示が所定値に達したときに役物Bがどのように動作するかについてはこれを秘匿にすることができるようになり、カウント表示が所定値に達してタイマ対象の演出が行われるまでの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
しかも、2回目のタイマ対象先出し演出では、1回目のタイマ対象先出し演出(「第1位置」近傍でガタガタ)よりも役物Bを用いた演出の範囲(「第1位置」から「第1の中途位置」までの変位)が大きくなっており、「役物B動作」や「役物A&B動作」が行われるときに現れる演出の範囲(「第1位置」から「第2位置」までの変位)に近づく態様となっている。したがって、1回目のタイマ対象先出し演出と2回目のタイマ対象先出し演出とを見比べるようにすることで、タイマ対象の演出(「役物B動作」や「役物A&B動作」)で役物Bがどのような態様で動作するかについての推測材料を提供することができるようになる。
また、先出しタイマ1,4の態様の場合、図柄変動が開始されてからタイミングTa3(例えば、57秒)が経過したタイミングでは、タイマ演出のカウント表示が行われているなかで3回目のタイマ対象先出し演出が発生しうる。3回目のタイマ対象先出し演出では、例えば、先出しタイマ1,4のタイマ対象の演出である「役物B動作」や「役物A&B動作」で用いられる役物Bを、第1位置から「第1の中途位置と第2位置との間にある第2の中途位置」まで変位させる演出(役物B途中動作(大))が行われる。
すなわち、3回目のタイマ対象先出し演出も、「役物B動作」や「役物A&B動作」で用いられる役物Bを用いる点では共通しているものの、それら演出のいずれとも異なる演出(役物B途中動作(大))を行うこととしている。このような構成によれば、カウント表示が所定値に達するよりも前の特定のカウント値になったとき(残りカウントを消化しているとき)にその対象演出がいずれの演出態様であるかを示唆(役物Bを用いた演出であることを示唆)することができるようになる。また、3回目のタイマ対象先出し演出でも、役物Bを用いてタイマ対象の演出(役物B動作、役物A&B動作)とは異なる演出(役物B途中動作(大))を行うようにしたことで、タイマ演出での対象演出がいずれの演出態様であるかを示唆するようにしつつも、カウント表示が所定値に達したときに役物Bがどのように動作するかについてはこれを秘匿にすることができるようになり、カウント表示が所定値に達してタイマ対象の演出が行われるまでの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
しかも、3回目のタイマ対象先出し演出では、1,2回目のタイマ対象先出し演出よりも役物Bを用いた演出の範囲(「第1位置」から「第2の中途位置」までの変位)が大きくなっており、「役物B動作」や「役物A&B動作」が行われるときに現れる演出の範囲(「第1位置」から「第2位置」までの変位)により一層近づく態様となっている。したがって、1〜3回目のタイマ対象先出し演出とを見比べるようにすることで、タイマ対象の演出(「役物B動作」や「役物A&B動作」)で役物Bがどのような態様で動作するかについてのより多くの推測材料を提供することができるようになる。
これに対し、先出しタイマ2,5の態様の場合も、タイミングTa1(例えば、7秒)、タイミングTa2(例えば、27秒)、タイミングTa3(例えば、57秒)において、「役物Bガタガタ」、「役物B途中動作(小)」、「役物B途中動作(大)」といった各演出が、1回目〜3回目のタイマ対象先出し演出として行われる。ただし、図253に示されるように、先出しタイマ2,5の態様の場合は、タイミングTa1〜Ta3のいずれのタイミングにおいても、カウント表示が残りのカウントを消化している状況においてタイマ対象先出し演出が行われることとなる。
一方、先出しタイマ3,6の態様の場合も、タイミングTa1(例えば、7秒)、タイミングTa2(例えば、27秒)、タイミングTa3(例えば、57秒)において、「役物Bガタガタ」、「役物B途中動作(小)」、「役物B途中動作(大)」といった各演出が、1回目〜3回目のタイマ対象先出し演出として行われる。ただし、図253に示されるように、先出しタイマ3,6の態様の場合は、タイミングTa1,Ta2の各タイミングにおいては、カウント表示が未実行の状態にあり、且つタイマ先読み演出が表示されているもとで1,2回目のタイマ対象先出し演出が行われることとなる。このような構成によれば、カウント表示が未実行の状態にあるときにタイマ対象先出し演出が実行されることにはなるものの、タイマ先読み演出すら表示されていない先出しタイマ1,4の態様の場合と比べて、「タイマ対象先出し演出が実行されたにもかかわらずタイマ演出これ自体が実行されなかった」といった事象が発生する割合が少なくなることから、遊技者としても、より高い期待感を持ってタイマ対象先出し演出を楽しむことができるようになる。
そして、図253に示す各例では、こうして1回目〜3回目のタイマ対象先出し演出が実行された後にカウント表示が所定値に達する。そしてこの後、タイマ対象の演出が実行された後に図柄変動が停止されることとなる。
なお、この実施の形態にかかるタイマ対象先出し演出では、図柄変動が開始されてから予め定められている複数のタイミングta1〜ta3が到来する都度、「役物B動作」や「役物A&B動作」で用いられる役物Bを用いた演出を行うこととした。ただし、予め定められている複数のタイミングta1〜ta3が到来する度にタイマ対象先出し演出を必ずしも実行しなくてもよく、変動パターンの種別や大当り判定の結果などに基づいてそれらタイミングta1〜ta3が到来する度に所定確率でタイマ対象先出し演出が現れるようにしたり、タイマ対象先出し演出を実行するタイミングをそれらタイミングから選択するようにしてもよい。またこの際、予め定められている複数のタイミングta1〜ta3の別にタイマ対象先出し演出の実行確率や演出内容の選択割合を異ならせるようにしてもよい。
このような演出を実現する場合、周辺制御MPU1511aでは、まず、大当り判定の結果、変動パターンの種別、またはタイマ演出の態様(例えば、SPリーチの「先出しタイマ1」など)に基づいて、タイマ対象先出し演出を発生させるのか、さらにはタイマ対象先出し演出をいずれのタイミングで発生させるかについての判定処理(図254を参照)を行う。次いで、タイマ対象先出し演出を発生させる旨の決定をした各タイミングでいずれの演出態様をタイマ対象先出し演出として実行するのかについての判定処理(図255,図256を参照)を行うこととなる。なお、これらの判定処理は、例えば、図220に示される各処理が行われた後、若しくはステップS5510が行われた後であり且つステップS5511が行われるよりも前のタイミングで、それ以前の各処理の結果情報に基づいて行うことが可能である。
図254は、タイマ対象先出し演出を発生させるのか、さらにはタイマ対象先出し演出をいずれのタイミングで発生させるかについての判定処理の内容(テーブルT10)についてその一例を示す図である。
上述の通り、タイマ対象先出し演出とは、図柄演出が行われる期間のうち、カウント表示が所定値になりタイマ対象の演出が現れることとなるタイミングが到来するよりも前の期間内で、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材を用いた演出を出現させることで、特定装飾部材を用いた演出がタイマ対象にされていることを示唆する演出のことであり、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、このようなタイマ対象先出し演出が出現しうるタイミングとして3つのタイミングTa1〜Ta3を用意することとしている。
したがって、周辺制御MPU1511aでは、まず、図254に示されるテーブルT10を参照し、当落情報や、変動パターンの種別に関する情報、タイマ種別に関する情報と、それらの情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいてタイミングTa1〜Ta3のいずれでタイマ対象先出し演出を実行するか(または、タイミングTa1〜Ta3のいずれでもタイマ対象先出し演出を実行しないか)を選択することとなる。
同図254に示されるように、テーブルT10では、タイマ対象先出し演出の実行に関する選択候補として、「タイミングTa1〜Ta3のいずれにおいてもタイマ対象先出し演出を実行しない(図中では「なし」)」、「タイミングTa1〜Ta3のうちのタイミングTa1においてのみタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta1」)」、「タイミングTa1〜Ta3のうちのタイミングTa2においてのみタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta2」)」、「タイミングTa1〜Ta3のうちのタイミングTa3においてのみタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta3」)」、「タイミングTa1〜Ta3のうちのタイミングTa1、Ta2においてタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta1&2」)」、「タイミングTa1〜Ta3のうちのタイミングTa1、Ta3においてタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta1&3」)」、「タイミングTa1〜Ta3のうちのタイミングTa2、Ta3においてタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta2&3」)」、「タイミングTa1〜Ta3の全てでタイマ対象先出し演出を実行する(図中では「Ta1&2&3」)」といった選択候補が用意されている。
なお、テーブルT10の例では、カウント表示が未実行の状態にあり、且つタイマ先読み演出が表示されていない状態にあるときには、タイマ対象先出し演出が行われないように演出乱数が振り分けられている。したがって、テーブルT10の例では、特別タイマ1,4のタイマ種別の場合、タイミングT1,タイミングT1&T2,タイミングT1&T3,タイミングT1&T2&T3においてタイマ対象先出し演出が行われることはない。ただし、これらのタイミングでタイマ対象先出し演出を行ってもよいことは上述した通りである。
また、テーブルT10の例では、大当り図柄が現れる変動パターンが選択されているときは、大当り図柄が現れない変動パターンが選択されているに比べて、タイマ対象先出し演出が実行される割合が高くなるように設定されるとともに、タイマ対象先出し演出が実行される回数も多くなる傾向になるように設定されている。
また、テーブルT10の例では、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材が「役物A&B」であるとき、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材が「役物B」であるときに比べて、タイマ対象先出し演出が実行される割合が高くなるように設定されるとともに、タイマ対象先出し演出が実行される回数も多くなる傾向になるように設定されている。
そして、周辺制御MPU1511aでは、こうしてテーブルT10に基づく判定処理を行った結果、少なくともタイミングTa1〜Ta3のいずれかでタイマ対象先出し演出を行う旨の判定がなされた場合、タイマ対象先出し演出を出現させるときの演出種別についての判定処理をさらに行う。
図255は、タイミングTa1〜Ta3のいずれか1つのタイミングでタイマ対象先出し演出を行う場合、該タイミングで発生させる演出態様をいずれの種別にするかについての判定処理の内容(テーブルT11)についてその一例を示す図である。
すなわち、タイミングTa1〜Ta3のいずれか1つのタイミングでタイマ対象先出し演出を行う旨の判定がなされた場合、周辺制御MPU1511aでは、図255に示されるテーブルT11を参照する。そして、当落情報や、変動パターンの種別に関する情報、タイマ種別に関する情報と、それらの情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいて、いずれの種別の演出態様(「役物Bガタガタ」、「役物B途中動作(小)」、「役物B途中動作(大)」)を、上記判定済みとされている一のタイミングで出現させるかについての判定を行うこととなる。
図256は、タイミングTa1〜Ta3のいずれか2つのタイミングでタイマ対象先出し演出を行う場合、それらタイミングで発生させる演出態様をいずれの種別にするかについての判定処理の内容(テーブルT12)についてその一例を示す図である。
すなわち、タイミングTa1〜Ta3のいずれか2つのタイミングでタイマ対象先出し演出を行う旨の判定がなされた場合、周辺制御MPU1511aでは、図256に示されるテーブルT12を参照する。そして、当落情報や、変動パターンの種別に関する情報、タイマ種別に関する情報と、それらの情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいて、いずれの種別の演出態様(「役物Bガタガタ→役物Bガタガタ」、「役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)」、「役物B途中動作(小)→役物B途中動作(小)」、「役物Bガタガタ→役物B途中動作(大)」、「役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大)」、「役物B途中動作(大)→役物B途中動作(大)」)を、上記判定済みとされている2つのタイミングでそれぞれ出現させるかについての判定を行うこととなる。
例えば、テーブルT12に基づいて「役物Bガタガタ→役物Bガタガタ」を出現させる旨の判定がなされたときには、上記判定済みとされている2つのタイミングのいずれにおいても「役物Bガタガタ」をタイマ対象先出し演出として実行することとなり、テーブルT12に基づいて「役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)」を出現させる旨の判定がなされたときには、上記判定済みとされている2つのタイミングのうちの先のタイミングで「役物Bガタガタ」をタイマ対象先出し演出として実行し、上記判定済みとされている2つのタイミングのうちの後のタイミングで「役物B途中動作(小)」をタイマ対象先出し演出として実行することとなる。
図257は、タイミングTa1〜Ta3の全てのタイミングでタイマ対象先出し演出を行う場合、それらタイミングで発生させる演出態様をいずれの種別にするかについての判定処理の内容(テーブルT13)についてその一例を示す図である。
すなわち、タイミングTa1〜Ta3の全てのタイミングでタイマ対象先出し演出を行う旨の判定がなされた場合、周辺制御MPU1511aでは、図257に示されるテーブルT13を参照する。そして、当落情報や、変動パターンの種別に関する情報、タイマ種別に関する情報と、それらの情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいて、いずれの種別の演出態様(「役物Bガタガタ→役物Bガタガタ→役物Bガタガタ」、「役物Bガタガタ→役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)」、「役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(小)」、「役物B途中動作(小)→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(小)」、「役物Bガタガタ→役物Bガタガタ→役物B途中動作(大)」、「役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大)」、「役物B途中動作(小)→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大)」、「役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大)→役物B途中動作(大)」、「役物B途中動作(大)→役物B途中動作(大)→役物B途中動作(大)」)を、上記判定済みとされている3つのタイミングでそれぞれ出現させるかについての判定を行うこととなる。
例えば、テーブルT13に基づいて「役物Bガタガタ→役物Bガタガタ→役物Bガタガタ」を出現させる旨の判定がなされたときには、上記判定済みとされている3つのタイミングのいずれにおいても「役物Bガタガタ」をタイマ対象先出し演出として実行することとなり、テーブルT13に基づいて「役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大)」を出現させる旨の判定がなされたときには、上記判定済みとされている3つのタイミングのうちの1番目のタイミングで「役物Bガタガタ」をタイマ対象先出し演出として実行し、上記判定済みとされている3つのタイミングのうちの2番目のタイミングで「役物B途中動作(小)」をタイマ対象先出し演出として実行し、上記判定済みとされている3つのタイミングのうちの3番目のタイミングで「役物B途中動作(大)」をタイマ対象先出し演出として実行することとなる。
なお、テーブルT11,T12の例では、タイミングTa1〜Ta3のいずれでタイマ対象先出し演出を出現させる旨判定されているかにかかわらず、当該判定処理を同じ態様(選択割合)で行うこととしたが、タイミングTa1〜Ta3のいずれでタイマ対象先出し演出を出現させる旨判定されているかに応じて、当該判定処理を別の態様(選択割合)で行うようにしてもよい。例えば、タイマ対象先出し演出を出現させる旨判定されているタイミングが遅いタイミングであるときほど、演出範囲の大きい演出態様が選択される割合が高くなる態様で当該判定処理を行うようにすれば、タイマ対象の演出が行われるまでの残り時間がどの程度残されているかをタイマ対象先出し演出で現れた演出の範囲の大きさに基づいて推測することができるようになる。そしてこの場合、図270(G)を参照して後述するが、タイマ演出のカウント表示に対して正面視で重なる態様で特定装飾部材(ここでは、役物B)を動作させることにより当該タイマ対象先出し演出(役物B途中動作(小)、「役物B途中動作(大))の実行中はカウント表示が視認し難くされるようにすることが、このような作用効果を好適に得る上で望ましい。これにより、カウント表示にあまり注目せずにタイマ対象先出し演出が実行されたような場合は、同じタイミングでタイマ対象先出し演出が実行されていたとしてもそのときに現れる演出の種別によってタイマ対象の演出がもうすぐ行われることを覚悟したり(演出の範囲が大きかったとき)、タイマ対象の演出が行われるまでに時間的な余裕が残されていると感じたり(演出の範囲が小さかったとき)するようになり、その後に正確な残りカウントを把握したときとのギャップが生じうるようにすることで面白さを持たせることが期待されるようになる。またこの際、タイマ対象先出し演出の実行中はカウント表示が非表示とされるようにして、タイマ対象先出し演出が終了したときにカウント表示が再表示されるようにしてもよい。
ただし、タイマ演出のカウント表示に対して正面視で重なる態様で特定装飾部材(ここでは、役物B)を動作させてタイマ対象先出し演出の実行中はカウント表示が視認し難くされるようにすると(若しくは、カウント表示が非表示にされると)、タイマ対象先出し演出が実行されているにもかかわらずカウント表示が所定値に達してタイマ対象の演出が実行されている状態にあると誤認してしまう懸念がある。そこで、タイマ対象先出し演出の実行中はカウント表示が視認し難くされるようにする一方で、カウント表示の実行に合わせて発生するカウント音についてはこれを継続して実行するようにすることが望ましい。すなわち、このようなカウント音は、カウント表示が所定値に達したときにその出力が終了されることとなり、タイマ対象の演出が行われるときにこれが出力されることはないことから、タイマ対象先出し演出の実行中にカウント音を継続して出力させるようにすることで、タイマ対象の演出が実行されている状態にあると誤認してしまうことを抑制することが期待されるようになる。
また、テーブルT11〜T13の例では、大当り図柄が現れる変動パターンが選択されているときは、大当り図柄が現れない変動パターンが選択されているに比べて、タイマ対象先出し演出において演出範囲の大きい演出態様が選択される割合が高くなるように設定されている。
また、テーブルT11〜T13の例では、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材が「役物A&B」であるとき、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材が「役物B」であるときに比べて、タイマ対象先出し演出において演出範囲の大きい演出態様が選択される割合が高くなるように設定されている。
また、テーブルT12,T13の例では、タイミングTa1〜Ta3のうちの遅いタイミングであるとき、タイミングTa1〜Ta3のうちの早いタイミングであるときに比べて、タイマ対象先出し演出において演出範囲の大きい演出態様が選択される割合が高くなるように設定されている。したがって、タイマ対象の演出が行われるまでの残り時間があまり残されていないか否かをタイマ対象先出し演出で現れた演出の範囲の大きさに基づいて推測することができるようになる。
また、テーブルT12,T13の例では、基本的に、時間が経過するにつれてタイマ対象先出し演出における演出の範囲(役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大))が広がっていくようになっており、現状維持(役物Bガタガタ→役物Bガタガタなど)はあったしてもその逆(演出範囲が狭まる態様)が発生しないように設定されている。すなわちこの場合、時間が経過するにつれて、タイマ対象の「役物B動作」や「役物A&B動作」が行われるときに現れる演出の範囲に近づく態様とされることから、複数回のタイマ対象先出し演出を確認するようにすることで、タイマ対象の「役物B動作」や「役物A&B動作」が行われるまでの残り時間が少なくなっていることを認識することができるようになる。
また、この実施の形態にかかるタイマ対象先出し演出では、タイマ対象の演出(例えば、役物B動作)時に用いられる特定装飾部材(役物B)を必ず用いることとしたが、タイマ対象の演出(例えば、役物B動作)時に用いられる特定装飾部材(役物B)を用いずにこれとは異なる装飾部材(例えば、役物A)を用いてタイマ対象先出し演出を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、タイマ対象先出し演出では、カウント表示が所定値に達したときに現れる演出の種別を所定精度で示唆する演出として機能することとなる。そして、このようなタイマ対象先出し演出を実現する場合は、該タイマ対象先出し演出として出現させる演出の種別(役物Bガタガタ、役物B途中動作(小)、役物B途中動作(大))や、その実行回数の多少によって、示唆された演出の種別がカウント表示が所定値に達したときに現れる割合(精度)を異ならせるようにすることが望ましい。例えば、演出の範囲が大きい演出の種別(役物B途中動作(大))が現れたときには、演出の範囲が小さい演出の種別(役物Bガタガタ)が現れたときに比べて、タイマ対象先出し演出で用いられた特定装飾部材(役物B)を用いた演出(役物B動作、役物A&B動作)がカウント表示が所定値に達したときに現れる割合が高くなるようにしたり、一の変動内におけるタイマ対象先出し演出の実行回数が多いときは、その実行回数が少ないときに比べて、それらタイマ対象先出し演出で用いられた特定装飾部材(役物B)を用いた演出(役物B動作、役物A&B動作)がカウント表示が所定値に達したときに現れる割合が高くなるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、カウント表示が所定値に達したときに「役物B動作」、「役物A&B動作」を含めた複数の演出態様(「役物B動作」、「役物A&B動作」以外は、役物Bを用いない演出態様)のいずれかが現れうるようになっていることを前提として、タイマ対象先出し演出として特定装飾部材(役物B)を用いた演出を行うこととした。ただし、役物Bを用いた演出態様としては「役物B動作」、「役物A&B動作」のいずれかのみが用意されていることを前提として、タイマ対象先出し演出として特定装飾部材(役物B)を用いた演出を行うようにしてもよい。
例えば、役物Bを用いた演出態様としては「役物A&B動作」のみがタイマ対象の演出として出現しうるようになっているなかで、タイマ対象先出し演出として特定装飾部材(役物B)を用いた演出を行うようにした場合は、タイマ対象の演出(役物A&B動作)で用いられる装飾部材の一部(役物B)のみがタイマ対象先出し演出にて用いられるようになる。すなわちこの場合、タイマ対象先出し演出によってカウント表示が所定値に達したときに「役物Bを用いた演出」が現れることを示唆するようにしつつも、当該「役物Bを用いた演出」の全貌(役物B以外に、役物Aも用いること)を予測することを一層困難としてこれを秘匿にすることができるようになる。したがって、複数回のタイマ対象先出し演出(役物Bガタガタ→役物B途中動作(小)→役物B途中動作(大))によって、カウント表示が所定値に達したときの役物Bの演出範囲に近づく演出が実行されてその予測が可能とされたとしても、役物Aについてはその演出範囲はもとより、その存在すら秘匿にされることから、カウント表示が所定値に達したときのタイマ対象の演出の内容(役物A&B動作)を秘匿の状態にて好適に維持することができるようになる。なおこの際、役物A&B動作が行われるときの役物Bの動作態様を、タイマ対象先出し演出として行うようにしてもよい。
このような構成によれば、タイマ対象の演出である「役物A&B動作」で用いられる役物A,Bの一部(役物B)のみを用いてタイマ対象先出し演出が行われるようになることはもとより、該タイマ対象先出し演出では、「役物A&B動作」で用いられる役物A,Bの一部(役物B)のみを用いて「役物A&B動作」における役物Bの演出範囲の一部のみで演出(役物B途中動作(小)、役物B途中動作(大))が現れるようになる。そして、複数回のタイマ対象先出し演出によってこのような小さな演出範囲が次第に広がっていった後、タイマ対象の演出である「役物A&B動作」が行われることによってより大きな演出範囲で役物Bだけでなく役物Aをも用いた演出が現れるようになることから、残りカウントを消化しているときにタイマ対象先出し演出を行うことによってタイマ対象の演出が行われるときの目新しさが喪失されるようなことがなく遊技興趣を好適に維持することが期待される。
また、この実施の形態では、タイマ対象先出し演出で用いられる特定装飾部材と、タイマ対象の演出(カウント表示が所定値に達したときの演出)で用いられる特定装飾部材とを完全一致させることとしたが、これらについては必ずしも完全一致するものでなくてもよく、タイマ対象の演出としていずれの演出態様が現れるかをタイマ対象先出し演出によって示唆可能なものであればよい。例えば、扇形状の役物として「相対的に小さな扇形状の役物」と「相対的に大きな扇形状の役物」とが正面視で重なって配設されているなかで、タイマ対象先出し演出で用いられる特定装飾部材を「相対的に小さな扇形状の役物」とし、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材を「相対的に大きな扇形状の役物」とするようにした場合であっても、タイマ対象の演出として扇形状の役物を用いた演出が行われるよりも前の段階(カウント表示が実行されている間)で、タイマ対象先出し演出として扇形状の役物を用いた演出を行うことは可能である。
また、この実施の形態では、特定装飾部材として役物を用いることとしたが、これに代えて特定装飾部材として表示手段を用いるようにしてもよい。特定装飾部材として表示手段を用いる場合、表示が現れる範囲(演出の範囲)を大きくしたり、その表示内容を異ならせたりすることによって、上述した役物を用いた演出と同様の演出を実現することが可能である。
ちなみに、タイマ対象先出し演出として行われる「特定装飾部材を用いた演出」については、所定時間の経過後に終了させるようにすることが望ましい。特定装飾部材が役物である場合には、所定時間の経過後、特定装飾部材を原位置まで戻らせる制御を行うとともに、特定装飾部材が表示手段である場合には、所定時間の経過後、タイマ対象先出し演出としての表示を非表示にする制御を行うこととなる。そしてこの際、タイマ対象先出し演出に要する上記所定時間については、カウント表示が所定値に達したときに現れる演出(タイマ対象の演出)に要する時間よりも短くすることが望ましい。このように、時間の長短によって異なる演出態様を実現するようにすることで、タイマ対象先出し演出では、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材が、あまり満足できない程度のチョイ見せに留められるようになることから、カウント表示が所定値に達することを待ち遠しいようにして遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
[復活タイマ演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、カウント表示が非表示にされると複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作など)の少なくとも1つが現れるカウント演出を実行可能としている。この点、この実施の形態にかかるタイマ演出では、カウント表示が所定値に達してこれが非表示にされた後、複数の演出態様のうち第1の演出態様(例えば、会話予告)が現れた場合であっても、この後にカウント表示が再表示されて当該タイマ演出をさらに継続させる。そして、カウント表示が再表示されてから所定時間の経過後にカウント表示を再び非表示にして複数の演出態様のうち第2の演出態様(例えば、役物A動作(役物A予告))が現れるようにしている(復活タイマ演出)。
すなわちこの場合、第1の演出態様がタイマ対象(カウント対象)であったかのように見せた後、カウント表示が再表示されて当該タイマ演出をさらに継続させ、第1の演出態様とは異なる第2の演出態様がタイマ対象であることが示されるようになることから、相対的に期待度の低い演出が出現するタイミングでカウント表示が所定値に達してこれが非表示にされた場合であっても、その後にタイマ対象が変更される可能性を意識付けすることができるようになり、遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
図258(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、予告数が2つであることが決定され(ステップS5523)、且つ先のタイミングで「会話予告」を行うとともに後のタイミングで「役物A動作1」を行うことが決定されており、「タイマなし キャラリーチ」に相当する変動番号7,8(図219参照)が選択されているときに行われる復活タイマ演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図258(a)に示す例では、説明の便宜上、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(役物A動作1だけでなく複数あってもよい)が選択された場合(図232を参照)に復活タイマ演出に関する下記処理を実行するようになっている。ただし、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときに復活タイマ演出に関する下記処理を行うのではなく、いずれのタイマ種別が決定された場合であっても復活タイマ演出に関する下記処理を実行するようにしてもよい。
図258(a)に示されるように、いま、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として「役物A動作1」のタイマ種別が選択されたとすると、周辺制御MPU1511aでは、次の処理として、該選択した「役物A動作1」を、復活タイマ演出の態様を含めた複数の演出態様(「役物A動作1−1」,「役物A動作1−2」,「役物A動作1−3」,「役物A動作1−4」)のいずれで実行するかについての判定処理を行う。なお、該判定処理は、大当り判定の結果や所定の抽選の結果に基づいて行われるようにすることが望ましい。
図258(a)に示す例のうち、「役物A動作1−1」の態様では、図柄変動の開始に合わせて40秒のカウント数をもったカウント表示が開始された後、20秒が経過したときにタイマ対象になっていない「会話予告」が実行されるとともに、40秒が経過したときに所定値に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「役物A動作(役物A予告)」が実行される。
これに対し、「役物A動作1−2」の態様では、図柄変動の開始に合わせて20秒のカウント数をもったカウント表示が開始された後、20秒が経過したときに所定値に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっていない「会話予告」(第1の演出態様)が実行されるが、該「会話予告」が終了されるとカウント表示は再表示されて当該タイマ演出が継続することとなり、所定時間の経過後(20秒のカウント数をもったカウント表示が開始されてからの40秒の経過後)にカウント表示を再び非表示にしてタイマ対象になっている「役物A動作(役物A予告)」(第2の演出態様)が実行される。
一方、「役物A動作1−3」の態様では、図柄変動の開始に合わせて12秒のカウント数をもったカウント表示が開始された後、12秒が経過したときに所定値に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象の演出になり得ない非対象予告としての予告E2(第1の演出態様)が実行されるが、該予告E2(非対象予告)が終了されるとカウント表示は再表示されて当該タイマ演出が継続することとなり、所定時間の経過後(12秒のカウント数をもったカウント表示が開始されてからの40秒の経過後)にカウント表示を再び非表示にしてタイマ対象になっている「役物A動作(役物A予告)」(第2の演出態様)が実行される。
また一方、「役物A動作1−4」の態様では、図柄変動の開始に合わせて8秒のカウント数をもったカウント表示が開始された後、8秒が経過したときに所定値に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象の演出になり得ない非対象予告としての予告E1(第1の演出態様)が実行されるが、該予告E1(非対象予告)が終了されるとカウント表示は再表示されて当該タイマ演出が継続することとなり、所定時間の経過後(8秒のカウント数をもったカウント表示が開始されてからの40秒の経過後)にカウント表示を再び非表示にしてタイマ対象になっている「役物A動作(役物A予告)」(第2の演出態様)が実行される。
すなわち、「役物A動作1」に対応して用意されている複数の演出態様のうち、「役物A動作1−2」、「役物A動作1−3」、及び「役物A動作1−4」の態様が復活タイマ演出に相当している。そして、これらの復活タイマ演出では、カウント表示が開始されてからタイマ対象の演出(役物A動作)が行われるまでの間にカウント表示が一旦非表示にされてタイマ対象になっていない演出(会話予告、予告E2、または予告E1)が現れることから、該演出が現れた時点で当該タイマ演出が終了したかのように思わせることができるようになる。
この点、「役物A動作1−2」の態様では、タイマ対象として採用されうる複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作など)のうち、タイマ対象になっている演出(役物A動作)よりも大当り期待度の低い演出(会話予告)を対象(第1の演出態様)にして復活タイマ演出を行うこととしている。すなわちこの場合、大当り期待度の低い演出(会話予告)がタイマ対象の演出として現れたかのように見せた後、該演出(会話予告)はタイマ対象の演出でないことが示されることはもとより(カウント表示を再表示)、該演出(会話予告)よりも大当り期待度の高い演出(役物A動作)がタイマ対象の演出(第2の演出態様)として現れるようになることから(カウント表示を再び非表示)、こうした逆転性のある演出によって遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
また、「役物A動作1−3」や「役物A動作1−4」の態様では、タイマ対象として採用され得ない複数の演出態様(例えば、予告E1、予告E2、予告E3、予告Fなど)のいずれかを対象(第1の演出態様)にして復活タイマ演出を行うこととしている。このような構成では、タイマ対象として採用され得ない演出態様(ここでは、予告E2または予告E1)がタイマ対象の演出であるかのように現れた時点で、タイマ演出がこのタイミングでは終了されずに継続されることが示唆されるようになる。すなわちこの場合、特に、「役物A動作1−4」の態様が実行されるときに現れる予告E1はこれ自体の期待度は低いが、タイマ演出がこのタイミングでは終了されずに継続されることを示唆する演出として機能することで遊技興趣の向上に寄与することができるようになる。なお、タイマ対象として採用され得ない複数の演出態様(例えば、予告E1、予告E2、予告E3、予告Fなど)は、タイマ演出が行われないときにも出現しうるものである。
また、この実施の形態にかかる「役物A動作1−2」,「役物A動作1−3」,「役物A動作1−4」の各態様では、カウント表示を開始させるときに現れる数値を40秒とは異なる数値(20秒、12秒、8秒など)で表示しているが、周辺制御MPU1511aとしては、制御上は40秒の演出用タイマを秘かに設定しており、カウント表示が一旦非表示にされている間も内部的には該演出用タイマを継続して更新させる処理を行うことで、カウント表示が開始されてから40秒が経過したときにタイマ対象の演出(役物A動作)が現れるようにしている。このような構成によれば、「役物A動作1−1」,「役物A動作1−2」,「役物A動作1−3」,「役物A動作1−4」のいずれの態様で役物A動作1を実行した場合であっても、変動開始から同じタイミングでカウント表示を再び非表示にしてタイマ対象の演出(役物A動作)を出現させることができるようになる。
そして、このような復活タイマ演出では、「一旦非表示にされるよりも前に現れていたカウント表示」と「一旦非表示とされてから再表示されたカウント表示」とが別のカウント消化をしているのではなく、同じカウント消化をしていることを認識可能とされるようにすることが、タイマ演出が途中で終了しておらず継続していることを示唆する上で重要である。
例えば、図258(a)に示されるように、「役物A動作1−2」の態様では、20秒のカウント数をもったカウント表示が「0秒」になるとカウント表示が非表示にされて「会話予告」が実行されることとなるが、該「会話予告」が終了した後には、カウント表示をマイナス表記にして再表示することで、非表示になったときの「0秒」ではカウント消化が終わっておらずこれが継続している様子を表現するようにしている。
また、図258(a)に示されるように、「役物A動作1−2」の態様では、カウント表示が非表示にされている間もカウント消化が秘かに継続されるようにしており、非表示にされていた時間分だけカウント消化された状態からカウント表示を再表示するようにしている。より具体的には、「役物A動作1−2」の態様では、カウント表示が「0秒」で非表示になり、該非表示の状態が2秒にわたって維持された後に該カウント表示が再表示されるようになっているが、カウント表示が再表示されると「−2秒」から18秒間にわたってマイナスカウントによるカウント消化が行われるようになっている。
そして、図258(a)に示す各例では、こうしてタイマ対象の演出が実行された後に図柄変動が停止されることとなる。
このような復活タイマ演出を実現する場合、周辺制御MPU1511aでは、まず、大当り判定の結果、変動パターンの種別、またはタイマ演出の態様(例えば、キャラリーチの「役物A動作1」など)に基づいて、復活タイマ演出を発生させるのか、さらには復活タイマ演出をいずれの態様で発生させるかについての判定処理(図258(b)を参照)を行うこととなる。なお、この判定処理は、例えば、図220に示されるステップS5510が行われた後であり且つステップS5511が行われるよりも前のタイミングで、それ以前の各処理の結果情報に基づいて行うことが可能である。
図258(b)は、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として「役物A動作1」のタイマ種別が選択された場合、該「役物A動作1」を、復活タイマ演出の態様を含めた複数の演出態様のいずれで実行するかについての判定処理の内容(テーブルT14)についてその一例を示す図である。
上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、キャラリーチの「役物A動作1」が選択された場合、該「役物A動作1」を、「役物A動作1−1」,「役物A動作1−2」,「役物A動作1−3」,「役物A動作1−4」のいずれかの態様で実行するものとなっている。
したがって、周辺制御MPU1511aでは、まず、図258(b)に示されるテーブルT14を参照し、当落情報や、変動パターンの種別に関する情報、タイマ種別に関する情報と、それらの情報に対して割り振られている演出乱数とに基づいて、「役物A動作1−1」,「役物A動作1−2」,「役物A動作1−3」,「役物A動作1−4」のいずれの態様でタイマ演出を実行するかを選択することとなる。
そしてこの結果、「役物A動作1−3」,「役物A動作1−4」のいずれかの態様でタイマ演出を実行する旨の判定がなされた場合は、ステップS5512,S5525の処理において、該判定された種別に基づいて非対象予告の種別を決定することとなる。例えば、「役物A動作1−3」の態様でタイマ演出を実行する旨の判定がなされた場合は、ステップS5512,S5525の処理において非対象予告として少なくとも予告E2を実行する旨の判定がなされることとなり、「役物A動作1−4」の態様でタイマ演出を実行する旨の判定がなされた場合は、ステップS5512,S5525の処理において、非対象予告として少なくとも予告E1を実行する旨の判定がなされることとなる。
なお、テーブルT14の例では、タイマ対象として採用され得る演出態様(会話予告)を対象にした復活タイマ演出が実行される場合は、タイマ対象として採用され得ない演出態様(予告E1,E2)を対象にした復活タイマ演出が実行される場合に比べて、大当り期待度が高くなるように設定されている。また、タイマ対象として採用され得ない演出態様(予告E1,E2)のうち期待度の高い演出態様を対象にした復活タイマ演出が実行される場合は、タイマ対象として採用され得ない演出態様(予告E1,E2)のうち期待度の低い演出態様を対象にした復活タイマ演出が実行される場合に比べて、大当り期待度が高くなるように設定されている。また、テーブルT14の例では、大当り図柄が現れる変動パターンが選択されているときは、大当り図柄が現れない変動パターンが選択されているに比べて、復活タイマ演出が実行される割合が高くなるように設定されている。
このような復活タイマ演出によれば、カウント表示の非表示によって期待度の低い演出態様(第1の演出態様)が一旦現れることとなり、一時的に遊技者に残念感を与えるものの、その後にカウント表示を再表示してこれを続行し、その所定時間後に続行したカウント表示を再び非表示にして期待度の高い演出態様(第2の演出態様)を出現させることとなる。これにより、カウント表示に注目していた遊技者に一時的に残念感を与えつつも、カウントの継続および逆転演出による意外性や驚きを与えることが可能となり、従来に比べて、遊技興趣が低下することを抑制することができる。
この意味では、期待度の高い演出態様(第2の演出態様)を2つの異なる装飾部材を用いた演出として実行するようにした上で、期待度の低い演出態様(第1の演出態様)を上記2つの異なる装飾部材のうちの一方(若しくは、これに関連した装飾部材)のみを用いた演出として実行するようにすることが、復活タイマ演出による逆転性を表現する上で望ましい。なおこの際、上記2つの異なる装飾部材のうちの一方については、第2の演出態様で用いるときと第1の演出態様で用いるときとで必ずしも完全一致するものでなくてもよい。例えば、扇形状の役物として「相対的に小さな扇形状の役物」と「相対的に大きな扇形状の役物」とが正面視で重なって配設されているなかで、第1の演出態様で用いられる装飾部材を「相対的に小さな扇形状の役物」とし、第2の演出態様で用いられる装飾部材を「相対的に大きな扇形状の役物」とするようにした場合であっても、第1の演出態様として行われる演出のほうが期待度が低いことを明示することは可能である。
また、このような復活タイマ演出にあって、「一旦非表示にされるよりも前に現れていたカウント表示」と「一旦非表示とされてから再表示されたカウント表示」とが別のカウント消化をしているのではなく、同じカウント消化をしていることを認識可能とされるようにする上では、カウント表示が非表示にされている間も、カウント音を、「一旦非表示にされるよりも前に現れていたカウント表示」と「一旦非表示とされてから再表示されたカウント表示」とにわたって継続して実行するようにすることが望ましい。
また、この実施の形態では、一の図柄変動が行われる期間内で復活タイマ演出を1回だけ行うようにしたが、該復活タイマ演出については、一の図柄変動が行われる期間内で複数回にわたって実行されるようにしてもよい。またこの際、カウント表示が非表示にされる都度、同じ演出態様を繰り返し表示させるようにしてもよい。そして、一の図柄変動が行われる期間内で復活タイマ演出が実行される回数が多くなるにつれて、タイマ対象の演出として期待度の高い演出態様(演出種別や演出内容(カットインの態様など))が出現する割合が高くなるようにすることが望ましい。
また、復活タイマ演出では、カウント表示を非表示にしてから第1の演出態様(会話予告,予告E1,E2など)を出現させるまでの時間と、再表示したカウント表示を再び非表示にしてから第2の演出態様(役物A動作)を出現させるまでの時間との長さを異ならせるようにして、タイマ対象の演出が出現している状態にあるか否かを認識可能とするようにすることが望ましい。
また、タイマ演出としての遊技興趣の向上を図る上では、タイマ対象として採用され得る演出態様(会話予告)を対象にした復活タイマ演出が実行される場合は、タイマ対象として採用され得ない演出態様(予告E1,E2)を対象にした復活タイマ演出が実行される場合に比べて、タイマ対象の演出としてより期待度の高い演出態様(演出種別や演出内容(カットインの態様など))が現れる割合が高くなるように制御することが望ましい。また、タイマ対象として採用され得ない演出態様(予告E1,E2)のうち期待度の高い演出態様を対象にした復活タイマ演出が実行される場合は、タイマ対象として採用され得ない演出態様(予告E1,E2)のうち期待度の低い演出態様を対象にした復活タイマ演出が実行される場合に比べて、タイマ対象の演出としてより期待度の高い演出態様(演出種別や演出内容(カットインの態様など))が現れる割合が高くなるように制御することが望ましい。
また、この実施の形態にかかる復活タイマ演出では、カウント表示が所定値(ここでは「0」)に達してこれが非表示とされた後に第1の演出態様を出現させるとともに、該第1の演出態様が終了されるとカウント表示を再表示してこれをマイナスカウントさせてこれが特定のマイナス値に達してこれが非表示とされた後に第2の演出態様を出現させることとしたが、カウント表示が非表示とされているもとで第1の演出態様や第2の演出態様を出現させるものであれば、第1の演出態様や第2の演出態様を出現させるにあたってカウント表示が非表示とされるときの各カウント値については適宜に設定するようにしてもよい。
[タイマ対象抑制制御]
すなわち、タイマ演出の対象(カウント対象)にされる演出は、タイマ演出が行われていないときにも実行されうるものであることが多く、例えば、変動パターンに基づいて所定タイミングで実行される特定演出(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)や、入賞時のタイミングで実行される所定演出(例えば、保留変化など)などが用意される。ただしこのうち、「変動パターンに基づいて所定タイミングで実行される特定演出」がタイマ演出の対象(カウント対象)にされている状況下にあって、カウント表示が所定値に達するときに新たな入賞が偶然発生してしまいこれによって所定演出(例えば、保留変化など)が発生するようなことがあると、タイマ演出の対象としてカウント表示が所定値に達したのに関係して所定演出が発生したのか、それともタイマ演出とは関係のない演出として新たな入賞の発生に起因して所定演出が発生したのか把握困難な事態(混同する事態)が生じうることとなり、ひいてはタイマ演出の対象(カウント対象)にされている特定演出(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)を見逃すことにもなりかねない。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、特定演出をタイマ対象にした特定種別のタイマ演出が実行される場合、該特定種別のタイマ演出におけるカウント表示が所定値に達するまでの残り時間が比較的多い第1期間にあるときは新たな入賞が発生したときにタイマ対象でない所定演出の表示を許容するが、第1期間が終了し、該特定種別のタイマ演出におけるカウント表示が所定値に達するまでの残り時間が比較的少ない第2期間になったときは新たな入賞が発生したとしてもタイマ対象でない所定演出の表示を許容しないようにしている(タイマ対象抑制制御)。これにより、特定演出をタイマ対象にした特定種別のカウント演出が実行される状況において新たな入賞の発生に起因したタイマ対象でない所定演出の発生を許容しつつも、タイマ演出の対象としてカウント表示が所定値に達したのに関係して所定演出が発生したのか、それともタイマ演出とは関係のない演出として新たな入賞の発生に起因して所定演出が発生したのか把握困難となってしまう(混同してしまう)ようなことを好適に回避することができるようになる。
図259(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、特定の変動番号が選択されているときに行われるタイマ対象抑制制御の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
同図259(a)に示されるように、特定のタイマ種別では、まず、図柄変動が開始されてから所定のタイミング(例えば、10秒)が経過したタイミングで20秒のカウント数をもったカウント表示が開始される。そして、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっている特定演出が現れるようになっている。この点、周辺制御MPU1511aでは、図柄変動が開始されてからカウント表示が所定値(ここでは「0秒」)に達するよりも前の特定カウント値(例えば、「5秒」)になるまでの期間(第1期間)は、新たな入賞が発生したときにタイマ対象でない所定演出の表示を許容するが(許容期間)、カウント表示が特定カウント値(例えば、「5秒」)になった以降の所定期間(第2期間)では、新たな入賞が発生したとしてもタイマ対象でない所定演出の表示を許容しないタイマ対象抑制制御を行うこととしている(抑制期間)。
しかも、同図259(a)に示されるように、この実施の形態にかかるタイマ対象抑制制御では、所定演出の表示が許容されない抑制期間(第2期間)を、「カウント表示が特定カウント値(例えば、「5秒」)になってから、該カウント表示が所定値(例えば、「0秒」)に達してタイマ対象である特定演出が実行(終了)されるまでの期間」のみならず、「該特定演出が終了した以降の期間」にまでわたって継続させることとしている。すなわちこの場合、カウント表示が所定値(例えば、「0秒」)に達してタイマ対象である特定演出が発生した以降は、演出発生これ自体が抑制されるようになることから、タイマ対象である特定演出が貴重な演出発生機会として機能するようになり、該特定演出に対する注目度を向上させてカウント表示が所定値(例えば、「0秒」)に達したときの遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
ただし、同図259(a)に示されるように、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイマ対象である特定演出が終了してから所定時間((例えば、「5秒」)が経過したとき、タイマ対象でない所定演出の表示を許容しない抑制期間(第2期間)を終了させるようにしている。このようなタイマ対象抑制制御によれば、こうして抑制期間が終了してから図柄変動が停止されるまでの期間では、新たな入賞が発生したときにタイマ対象でない所定演出の表示が再び許容されるようになる。
ところで、上記抑制期間においては、新たな入賞が発生したとしてもタイマ対象でない所定演出の表示を許容しないことは上述した通りである。ただしこの場合、新たな入賞を発生させても所定演出の表示が許容されない抑制期間においては、遊技者によって新たな入賞を発生させない遊技が行われる懸念があり、ひいては単位時間当たりの遊技の進行速度が低下してホール側の不利益が発生しかねない。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、抑制期間にあるときに新たな入賞が発生したとしてもこれに起因した所定演出の表示を許容しないが、該許容しなかった所定演出の表示については、該所定演出の表示これ自体を破棄するのではなく、該表示を行う時期を当該抑制期間が終了するときまで遅らせる(持ち越す)制御を行うこととしている。このような構成によれば、抑制期間にあるときに新たな入賞が発生したとしてもこれに起因した所定演出の表示を許容しないようにしつつも、該所定演出の表示についてはこれを好適に実行することができるようになることから、抑制期間にあるときに新たな入賞を発生させない遊技を行うことが抑制されるようになる。
なお、許容期間内で新たな入賞が発生して所定演出の表示を行う場合は、該所定演出の表示に合わせた音響出力を行うのに対し、抑制期間内で新たな入賞が発生して所定演出の表示を当該抑制期間が終了するときまで遅らせる(持ち越す)ようにする場合は、該所定演出の表示を行うときに該表示に合わせた音響出力を行わないようにすることが望ましい。これにより、所定演出の表示を、通常(入賞時)とは異なるタイミングで秘かに行うことができるようになり、遊技者が知らない間に表示されている所定演出を見たときにサプライズ性を付与して遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
また、タイマ対象である演出の実行期間が開始されるよりも前のタイミング(特定カウント値)から該実行期間が終了されるよりも後のタイミングにまでわたって発生する抑制期間については、タイマ対象である演出が行われるときに必ずしも発生しないように制御することが望ましい。
例えば、タイマ演出が行われるときに所定確率でこのような抑制期間が発生するようにするとともに、大当り判定にて大当りに当選しているときは、大当りに落選(ハズレ)しているときに比べて、このような抑制期間が発生する割合が高くなるようにすれば、タイマ対象の演出が行われる前後あたりのタイミングを狙って入賞を発生させたときに該入賞に起因した所定演出が発生するか否か(抑制期間が発生しており大当りに当選している可能性が高い状況にあるか否か)を確認することが促されるようになり、抑制期間にあるときに新たな入賞を発生させない遊技が行われてしまうことが抑制されるようになる。
また、タイマ対象の演出として現れる演出態様の種別(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)によって抑制期間が発生する割合を異ならせるようにすれば、タイマ対象の演出が行われるよりも前の期間内で入賞を発生させたときに該入賞に起因した所定演出が発生する否か(抑制期間が発生しており特定種別の演出がタイマ対象として実行される可能性が高い状況にあるか否か)を確認することが促されるようになり、抑制期間にあるときに新たな入賞を発生させない遊技が行われてしまうことが抑制されるようになる。
図259(b)は、タイマ対象の演出として現れる演出態様の種別によって抑制期間が発生する割合を異ならせるときのタイマ対象抑制制御において参照されるテーブル(テーブルT15)についてその一例を示す図である。
上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイマ対象の演出として、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作などが用意されている。
この点、図259(b)に示されるテーブルT15では、基本的に、大当り期待度の低い演出態様であるほど、タイマ対象の演出の実行前後にわたる抑制期間を発生させる割合が低くなり、大当り期待度の高い演出態様であるほど、タイマ対象の演出の実行前後にわたる抑制期間を発生させる割合が高くなるように設定されている。
より具体的には、タイマ対象の演出が「会話予告」であるときには抑制期間を必ず発生させないようになっており、タイマ対象の演出が「カットインA」であるときには抑制期間を20%の割合で発生させるようになっており、タイマ対象の演出が「カットインB」であるときには抑制期間を40%の割合で発生させるようになっており、タイマ対象の演出が「役物A動作」であるときには抑制期間を60%の割合で発生させるようになっており、タイマ対象の演出が「役物B動作」であるときには抑制期間を80%の割合で発生させるようになっており、タイマ対象の演出が「特別タイマ」であるときには抑制期間を必ず発生させるようになっている。
このような構成によれば、大当り期待度の高い演出態様であるほどタイマ対象の演出の実行前後にわたる抑制期間を発生させる割合が高くなることから、新たな入賞によって所定演出が発生してしまいこの結果として大当り期待度の高い演出態様を見逃してしまうようなことを抑制することができるようになる。逆に言えば、大当り期待度の低い演出態様であるほどこれを見逃してしまう可能性が高くなるようになることから、カウント表示が所定値に達したときに大当り期待度の低い演出態様が現れていたことを秘匿にしたまま演出を進行させることができるようになり、図柄が停止されるときまで遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
また、図259(b)に示されるテーブルT15では、大当りに当選しているか否かにかかわらず、タイマ対象の演出として現れる演出態様の種別に応じて抑制期間の発生割合を決定付けるようにしている。したがって、大当りに当選しているときも落選(ハズレ)しているときも、タイマ対象の演出として現れる演出態様の種別が同じであれば、同じ割合で抑制期間を発生させることができるようになる。
ところで、図259(b)に示されるテーブルT15では、タイマ対象の演出が「保留変化」であるときには、大当り期待度が相対的に低い演出態様であるにもかかわらず、抑制期間を必ず発生させるようにしている。すなわち、この実施の形態にかかる「保留変化」は、タイマ対象である特定演出として表示されうるものであることはもとより、新たな入賞が発生したときにタイマ対象でない所定演出としても表示されうるものであるから、このような「保留変化」が発生したときに抑制期間が発生しないようなことがあると、カウント表示が所定値に達したときにタイマ対象としての「保留変化(変動中の図柄に対応した保留表示の変化)」と新たな入賞に起因した「保留変化(保留中の図柄に対応した保留表示の変化)」とが同時発生しうる可能性がありそれらの混同が生じる懸念がある。したがって、タイマ対象の演出が「保留変化」であるときには抑制期間を必ず発生させるようにすることが望ましい。ただし上述の通り、「保留変化」についても、「会話予告」と同様、これを見逃してしまう可能性をあえて高くして、カウント表示が所定値に達したときに大当り期待度の低い演出態様が現れていたことを秘匿にしたまま演出進行させることを狙うのであれば、タイマ対象の演出が「保留変化」であるときにも抑制期間が発生しないように制御するようにしてもよい。
なお、図259(b)に示されるテーブルT15の例では、タイマ対象の演出として現れる演出態様の種別によって抑制期間が発生する割合を異ならせるようにしたが、これに加えて、同じ種別の演出態様であっても、カウント表示抽選(図220:ステップS5510)で決定されるタイマ種別によって抑制期間が発生する割合をさらに異ならせるようにしてもよい。
例えば、タイマ対象の演出として「会話予告」が選択されている場合であっても、該「会話予告」が、図232に示される「会話予告1〜4」、さらには図233に示される「会話予告1〜6」のいずれに該当するものであるかに応じて抑制期間の発生割合を異ならせるようにすることが望ましい。この場合、該発生割合については100%や0%を含むようにしてもよい。
また、タイマ対象の演出が「会話予告」、「保留変化」、「カットインA」、「特別タイマ」、「役物A動作」、「カットインB」、「役物B動作」のいずれかであるとき、所定の割合で、タイマ対象の演出の実行前後にわたる所定期間のみならず、図柄変動が開始されてから停止されるまでの全期間にわたって上記抑制期間を発生させるようにしてもよい。特に、タイマ対象の演出が最も大当り期待度の高い「特別タイマ」であるときには、図柄変動が開始されてから停止されるまでの全期間にわたって上記抑制期間を必ず発生させるようにして、「特別タイマ」が行われることへの期待感を高めるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、抑制期間にあるときに新たな入賞が発生したとしてもこれに起因した所定演出の表示これ自体を破棄せず、該表示を行う時期を当該抑制期間が終了するときまで遅らせる(持ち越す)制御を行うこととしたが、所定演出の表示これ自体を破棄して行わないようにしてもよい。
[新タイマを演出対象にしたタイマ演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、図柄演出が行われている期間内でカウント表示を実行しているなかで、カウント対象の候補として用意されている複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)の少なくとも1つが現れるタイミングに合わせて該カウント表示を非表示にするタイマ演出を実行可能としている。この点、この実施の形態にかかるタイマ演出では、カウント表示が所定値に達したときに現れる上記複数の演出態様の1つとして「特定の演出態様」を用意した上で、該「特定の演出態様」が現れるとそれまでのカウント表示(第1カウント表示)とは別のカウント表示(第2カウント表示)を新たに開始させるようにしている。
すなわちこの場合、タイマ演出としてのカウント表示が、第1カウント表示と第2カウント表示とに分かれるかたちで実行されるようになることから、該タイマ演出としての全体に要する時間は同じであっても、一のカウント表示(第1カウント表示または第2カウント表示)の消化に要する時間これ自体は短くすることができるようになり、カウント表示を消化している間における単調さを解消して遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
図260(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし キャラリーチ」に相当する変動番号7,8(図219参照)が選択されているときに行われる新タイマを演出対象にしたタイマ演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。図260(b)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし SPリーチ」に相当する変動番号15,16(図219参照)が選択されているときに行われる新タイマを演出対象にしたタイマ演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図260(a),(b)に示す例では、説明の便宜上、各変動パターンに対して「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」の種別を1つのパターンのみ用意することとしているが、第1カウント表示の発生時期(例えば、図柄変動の途中から第1カウント表示が開始されるパターン)や終了時期が異なっている複数の種別(新タイマ1、新タイマ2など)を用意するようにして、それらを抽選(図220:ステップS5510)によって選択するようにしてもよい。
図260(a)に示される「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」では、まず、図柄変動の開始に合わせて30秒のカウント数をもった第1カウント表示が開始される。そして、該第1カウント表示が所定値になりこれが非表示にされた後にタイマ対象となっている「特定の演出態様」が現れる。こうして「特定の演出態様」が現れた後、それまで現れていた第1カウント表示(非表示)とは別のカウント表示(40秒のカウント数をもった第2カウント表示)を新たに表示させてこれを開始させることとしている(新タイマ)。なお、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、「特定の演出態様」が現れた場合は必ず、それまで現れていた第1カウント表示(非表示)とは別のカウント表示(第2カウント表示)を新たに表示させてこれを開始させるようになっている。ただし、こうして第1カウント表示が所定値になったにもかかわらずこれとは別のカウント表示(第2カウント表示)を新たに開始させるようにしただけでは、タイマ対象とされている演出の実行がお預けにされたかのような感覚を覚えかねず、遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、この実施の形態にかかる「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」では、まず、第1カウント表示が所定値に達してこれが非表示にされたときに現れる「特定の演出態様」として、何らの期待度も示さない「失敗演出」を出現させることとしている。すなわちこの場合、第1カウント表示が所定値に達したとき、タイマ対象の演出として期待度を持った演出(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)を発生させることに失敗したかのような残念な演出状況が生み出されることとなるが、該演出状況においては第2カウント表示が新たに開始されるようになることから、遊技者としては失敗したタイマ演出に再びチャレンジすることができるような感覚を覚えるようになり、このような気持ちの抑揚を通じて遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
ただし、図260(a)に示される「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」では、「失敗演出」の後に開始させた第2カウント表示を図柄変動の期間内で終了させず、残りカウントを消化し終わっていない状態で図柄停止(大当り図柄またはハズレ図柄)が行われるようにしている。このような構成によれば、第2カウント表示が所定値(ここでは「0」)に達したときにいかなる期待度をもった演出が現れるかを遊技者が楽しみにしていたとしても、カウント消化よりも先に図柄停止(大当りの当落)が表示された時点で大当り期待度に関する興味を完全喪失させることができるようになるから、遊技興趣の低下を招くことなく何らの演出も出現させずに当該タイマ演出を終了させることができるようになる。第2カウント表示が全て消化されるよりも先に現れる図柄停止では、ハズレ図柄のほか、大当り図柄も現れうるようになっていることから、特に、大当り図柄が現れた場合には遊技興趣が一切低下するようなことはない。
換言すると、図260(a)に示される「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」では、タイマ対象として期待度を持った演出を何ら出現させないにもかかわらず図柄変動のほぼ全期間(少なくとも半分以上の期間)にわたってカウント表示(第1カウント、第2カウント)を行うこととなるが、
・その中途段階で何らかの期待度を持った演出が出現するかもしれない可能性を意識付けする演出(第1カウントが所定値に達する演出)を行うことに加えて、
・新たに開始させた第2カウント表示がカウント数を残したまま図柄停止されるようにする
といった構成を備えることで、タイマ対象の演出がもうすぐ発生することへの期待感を図柄変動のほぼ全期間にわたって持続させることができるようになる。また、第1カウント表示と第2カウント表示とのいずれにおいても期待度を持った演出を発生させないことに起因した遊技興趣の低下についてもこれが好適に抑制される仕組みになっていることは上述した通りである。
これに対し、図260(b)に示される「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」においても、図260(a)に示した例と同様、図柄変動の開始に合わせて30秒のカウント数をもった第1カウント表示が開始される。そして、該第1カウント表示が所定値になりこれが非表示にされた後にタイマ対象となっている「特定の演出態様(失敗演出)」が現れる。こうして「特定の演出態様(失敗演出)」が現れた後、それまで現れていた第1カウント表示(非表示)とは別のカウント表示(40秒のカウント数をもった第2カウント表示)を新たに表示させてこれを開始させる点も、図260(a)に示した例と同様である。
ただし、図260(b)に示される例では、「失敗演出」の後に開始させた第2カウント表示が図柄変動の期間内で所定値(ここでは「0」)に達した後に図柄停止が発生するようになっている。この点、「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」とは、上述の通り、タイマ対象として期待度を持った演出を何ら出現させることなくタイマ対象の演出がもうすぐ発生することへの期待感を持続させることに技術的特徴を有するものであるから、図柄変動の期間内で第2カウント表示が所定値(ここでは「0」)に達したとしても、期待度を持った演出を出現させることはしない。その一方で、図柄変動の期間内で第2カウント表示が所定値(ここでは「0」)に達したときに、期待度を持った演出を単に出現させない処理が行われるだけでは、タイマ対象の演出がもうすぐ発生することへの期待感を持続させることはできない。
そこで、図260(b)に示される例では、「失敗演出」の後に開始させた第2カウント表示が図柄変動の期間内で所定値(ここでは「0」)に達した場合、該第2カウント表示を非表示にせず所定値(ここでは「0」)に達している表示のままで維持し、該表示が維持されている状態で図柄停止が行われるようにしている。第2カウント表示が所定値に達してこれが維持されている状態では、遊技者側からすれば、第2カウント表示が所定値に達したことに応じた演出(カウント対象の演出)がいつ現れてもおかしくない状態であるように見えることとなることから、図柄停止が行われるときまでタイマ対象の演出がもうすぐ発生することへの期待感を好適に持続させることができるようになる。そして、このような構成であっても、第2カウント表示が非表示にされるよりも先に図柄停止(大当りの当落)が表示された時点で大当り期待度に関する興味を完全喪失させることができるようになるから、遊技興趣の低下を招くことなく何らの演出も出現させずに当該タイマ演出を終了させることができるようになる。
ところで、図260(a),(b)に示した例では、「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」を確認済みの遊技者にとっては、失敗演出や第2カウント表示が発生した時点で何らの演出も発生しないことが見抜かれてしまう懸念がある。したがって、第2カウント表示が残りカウントを消化している間(第2カウント表示が所定値に達した状態の表示が維持されている期間を含む)に大当り図柄が停止されたときに限り、第2カウント表示に対応する演出として特別の演出を発生させるようにしてもよい。若しくは、特別の演出が発生する割合が高くなるようにしてもよい。このような構成によれば、第2カウント表示は、第1カウント表示とはカウント目的が異なるものとなり、該第2カウント表示が残りカウントを消化している期間内で大当り図柄が停止されるか否かの面白みを付与することができるようになる。この意味では、第1カウント表示と第2カウント表示とではそれらの表示の態様(形態や位置、大きさなど)を互いに異ならせるようにしてもよい。
なお、特別の演出は、第2カウント表示が残りカウントを残しておりこれが実行中の状態にあるときに発生させるようにしてもよい。ただし、第2カウント表示に対応する演出として特別の演出を発生させることに鑑みれば、大当り図柄が停止されたときには第2カウント表示を非表示にした後に(第2カウント表示が残りカウントを残した状態であったとしてもこれを非表示にした後に)、特別の演出を実行するようにすることが望ましい。そして、こうして実行された特別の演出については、大当り遊技の実行期間やその後の遊技期間を含めてこれを継続して表示するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」に関する処理とは別の処理内で所定の条件が満たされたときに特別の演出を終了させることとなる。
特別の演出については、図柄変動の期間内に発生させるようにしてもよい。この場合、図柄変動の期間内で大当り図柄を出現(例えば、仮停止の状態で表示)させ且つ第2カウント表示を非表示にした後、特別の演出を実行するようにすることが望ましい。ただし、図柄変動の期間内で大当り図柄を出現(例えば、仮停止の状態で表示)させ、特別の演出を実行した後に第2カウント表示を非表示にするようにしてもよい。
そして、第2カウント表示が残りカウントを消化している間に大当り図柄が停止されたときに特別の演出の発生割合(100%を含む)が高くなるようにするのであれば、図柄停止が行われるよりも前に第2カウント表示が所定値に達したときにこれを非表示にし、該非表示にされた状態で図柄停止が行われるようにしてもよい。このような場合であっても、第2カウント表示が行われている間は遊技興趣を維持することが可能とされるようになる。ただし、第2カウント表示が所定値に達してこれが非表示にされた後に図柄停止で大当り図柄が現れたとしても、特別の演出が発生する割合は相対的に低いままとされることとなる。この場合、該割合については0%を含むようにしてもよい。
このような「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」を実現する場合、特に、第1カウント表示が所定値に達したときに何らの期待度も示さない「失敗演出」を出現させることとするのであれば、他の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)を出現させる上述のタイマ演出の場合とは異なり(これらとは別抽選で)、大当り判定の結果や変動パターンの種別などとは一切関係のない所定の演出条件が満たされたことに基づいて当該「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」を行う旨の判定がなされるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、図柄変動が停止されたときに大当りとハズレとのいずれもが停止されうる状況(大当り抽選の確率通りで大当り図柄が現れる可能性がある状況)にあるなかで、「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」を発生させることができるようになり、これによって第1カウント表示が所定値に達したときに何らの期待度も持たない失敗演出を出現させることができるようになる。これにより、タイマ対象として期待度を持った演出を何ら出現させることなくタイマ対象の演出がもうすぐ発生することへの期待感を図柄変動が行われる期間にわたって持続させることができるようになる。
ただし、このような作用効果を奏することを求めないのであれば、第1カウント表示が所定値に達したときに出現させる「特定の演出態様」を、何らの期待度も持たない失敗演出ではなく、他の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)として実行するようにしてもよい。この場合、他の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)を出現させる上述のタイマ演出を行う場合と同様の処理を通じて「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」を実行することとなる。
なお、図260(a)では、第1の変動パターン(タイマなし キャラリーチ)が選択された例において、「失敗演出」の後に開始させた第2カウント表示が所定値に達するよりも前に図柄変動が停止されるようにし、図260(b)では、第2の変動パターン(タイマなし SPリーチ)が選択された例において、第2カウント表示が所定値に達した後に図柄変動が停止されるようにした。ただし、第1の変動パターン(タイマなし キャラリーチ)が選択された例において、第2カウント表示が所定値に達した後に図柄変動が停止されるパターンが現れうるようにしてもよいし、第2の変動パターン(タイマなし SPリーチ)が選択された例において、「失敗演出」の後に開始させた第2カウント表示が所定値に達するよりも前に図柄変動が停止されるようにしてもよい。また、これらの変動パターンとは異なる変動パターンが選択されたときに、「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」を行うようにしてもよい。
また、第1カウント表示については、カウント表示の実行途中で図柄停止されうる第2カウント表示よりも短いカウント数をもったカウント表示として実行されるようにすることが、タイマ対象の演出がもうすぐ発生することへの期待感を持続させるようにする上で望ましい。
この実施の形態では、「失敗演出」が行われた後に発生させたカウント表示では、該カウント表示が消化し終わる前に図柄停止された場合、大当り図柄とハズレ図柄とのいずれかが現れうるようにしたが、「失敗演出」とは無関係で発生する通常のカウント表示では、該カウント表示が消化し終わる前に図柄停止された場合、大当り図柄が必ず現れるようにすることが望ましい。
第1カウント表示については、そのカウント数として複数の態様(例えば、10秒、20秒、30秒)を有し、それらのいずれかで実行するようにしてもよいが、第2カウント表示については、第1カウント表示で実行されたカウント数にかかわらず一の態様(例えば、40秒)のみで実行されるようにすることが、第1カウント表示と第2カウント表示とが別のカウント表示として実行されるものであることを認識可能とする上で望ましい。
また、第1カウント表示と第2カウント表示とが別のカウント表示として実行されるものであることに鑑みれば、第1カウント表示が行われる期間にあるときと、第2カウント表示が行われる期間にあるとき(所定値に達している表示のままで維持されている期間を含む)とで背景画像などの表示の態様(色違いやエフェクトを含む)を異ならせる処理を行うようにすることが望ましい。このような処理では、第1カウント表示が行われる期間内でリーチ演出が発生してリーチ演出用の背景画像に移行した場合であっても、その後に第2カウント表示が実行されるときにはそれまでと異なる表示の態様を出現させることとなり、第2カウント表示が行われる期間内でリーチ演出が発生してリーチ演出用の背景画像に移行した場合であっても、第2カウント表示が実行されるときに出現させたそれまでと異なる表示の態様をリーチ演出の期間においても維持させ、当該第2カウント表示が非表示にされるときまで維持するようにすることとなる。
なお、この実施の形態にかかる「新タイマを演出対象にしたタイマ演出」では、第1カウント表示が所定値に達してこれが非表示にされたときに現れる「特定の演出態様」として、何らの期待度も示さない「失敗演出」を出現させることとしたが、これに代えて、それまで実行されていたカウント表示とは別のカウント表示が新たに開始されることを示唆する別カウント開始示唆演出を出現させるようにしてもよい。そしてこの場合、該別カウント開始示唆演出によって期待度を示すようにしてもよいし、期待度を示さないようにしてもよい。
[タイマモード演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、図柄演出が行われている期間内で、カウント対象の候補として用意されている複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)の少なくとも1つが現れるタイミングに向けてのカウント表示が所定値まで行われるタイマ演出を実行可能としている。この点、この実施の形態にかかるタイマ演出では、所定の演出条件が満たされた場合、カウント表示が所定値(ここでは「0」)になるよりも前の期間内で、カウント表示が所定値になったときにタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様(演出種別や演出内容(カットインの態様など))の現れる割合が相対的に低い地獄タイマモード(第1タイマモード表示)と、カウント表示が所定値になったときにタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様の現れる割合が相対的に高い天国タイマモード(第2タイマモード表示)とのいずれかが表示されうるようにしている(タイマモード演出)。
すなわちこの場合、カウント表示の残り時間が消化されているときに当該タイマ演出に関して有利度合いの異なるタイマモード表示のいずれかが表示されるようになることから、カウント表示が開始されてからこれが所定値(ここでは「0」)になるまでの間における遊技興趣が維持されることが期待されるようになる。
図261は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし SPリーチ」に相当する変動番号15,16(図219参照)が選択されており、タイマ対象の演出として「カットインB1」を行うことが決定されているときに行われるタイマモード演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図261に示す例では、説明の便宜上、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(実際は、カットインB1だけでなく複数ある)が選択された場合(図232を参照)にタイマモード演出に関する下記処理を実行するようになっている。ただし、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときにタイマモード演出に関する下記処理を行うのではなく、いずれのタイマ種別が決定された場合であってもタイマモード演出に関する下記処理を実行するようにしてもよい。
図261に示されるように、いま、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として「カットインB1」のタイマ種別が選択されたとすると、周辺制御MPU1511aでは、次の処理として、該選択した「カットインB1」を、タイマモード演出の態様を含めた複数の演出態様(「カットインB1−1」,「カットインB1−2」,「カットインB1−3」,「カットインB1−4」)のいずれで実行するかについての判定処理を行う。なお、該判定処理は、大当り判定の結果や所定の抽選の結果に基づいて行われるようにすることが望ましい。
図261に示す例のうち、「カットインB1−1」の態様では、図柄変動の開始に合わせて「50」のカウント数をもったカウント表示が開始された後、50秒が経過したときに所定値(ここでは「0」)に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB(カットB予告)」が実行される。
これに対し、「カットインB1−2」の態様では、図柄変動の開始に合わせて「50」のカウント数をもったカウント表示が開始された後、20秒が経過してこれが第1の特定カウント値(ここでは「30」)になったときにカウント消化が進行されているなかで地獄タイマモード(第1タイマモード表示)の表示が行われるとともに、カウント表示が開始されてから50秒が経過して所定値(ここでは「0」)に達するとこれが非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB」が実行されるが、地獄タイマモード(第1タイマモード表示)の表示についてはこれが非表示にされることなく「カットインB」が非表示になった以降も維持される。
一方、「カットインB1−3」の態様では、図柄変動の開始に合わせて「50」のカウント数をもったカウント表示が開始された後、18秒が経過してこれが第1の特定カウント値よりも前の第2の特定カウント値(ここでは「32」)になったときにカウント消化が進行されているなかで天国タイマモードが表示されるか否かの天国チャレンジ演出が行われて該天国チャレンジ演出に失敗した結果として地獄タイマモード(第1タイマモード表示)の表示が行われるとともに、カウント表示が開始されてから50秒が経過して所定値(ここでは「0」)に達すると該カウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB」が実行されるが、地獄タイマモード(第1タイマモード表示)の表示についてはこれが非表示にされることなく「カットインB」が非表示になった以降もその表示が維持される。
また一方、「カットインB1−4」の態様では、図柄変動の開始に合わせて「50」のカウント数をもったカウント表示が開始された後、18秒が経過してこれが第1の特定カウント値よりも前の第2の特定カウント値(ここでは「32」)になったときにカウント消化が進行されているなかで天国タイマモードが表示されるか否かの天国チャレンジ演出が行われて該天国チャレンジ演出に成功した結果として天国タイマモード(第2タイマモード表示)の表示が行われるとともに、カウント表示が開始されてから50秒が経過して所定値(ここでは「0」)に達すると該カウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB」が実行されるが、天国タイマモード(第2タイマモード表示)の表示についてはこれが非表示にされることなく「カットインB」が非表示になった以降もその表示が維持される。
すなわち、「カットインB1」に対応して用意されている複数の演出態様のうち、「カットインB1−2」、「カットインB1−3」、及び「カットインB1−4」の態様がタイマモード演出に相当している。そして、これらのタイマモード演出では、カウント消化が進行されているなかで天国タイマモードまたは地獄タイマモードが発生して、それらタイマモードのいずれかの表示が現れているなかでタイマ対象の演出が実行されることとなる。したがって、カウント表示が残りカウントを消化しているときにもタイマ演出に関連したタイマモード演出によって当該タイマ演出に演出性を持たせることができるようになる。
より具体的には、タイマモード演出の種別として天国タイマモードが現れた場合は、地獄タイマモードが現れた場合に比べて、タイマ対象の演出としてより期待度の高い演出種別が出現する割合が高くなったり、タイマ対象の演出であるカットインBの態様(演出内容)として期待度の高い態様が現れる割合が高くなるようになることから、カウント表示が所定値に達するタイミングが到来することが待ち遠しいようになり、タイマ演出に対してより一層注視させることができるようになる。これに対し、タイマモード演出の種別として地獄タイマモードが現れた場合は、天国タイマモードが現れた場合に比べて、タイマ対象の演出これ自体に期待が持てなくなることから、タイマ演出とは異なる演出のほうに注視を向けさせることができるようになり、これによってカウント表示が所定値に達したときに低期待の演出態様が現れたとしても遊技興趣が低下することが抑制されうるようになる。
なお、このような天国タイマモードと地獄タイマモードとをより有効に機能させる上では、天国タイマモードが表示されているときと地獄タイマモードが表示されているときとでタイマ対象の演出として同じ演出態様が現れた場合であっても、天国タイマモードが表示されているときに該演出態様が現れた場合のほうがその後の図柄停止時に大当り図柄の現れる割合が高くなるように制御することが望ましい。
また、この実施の形態にかかるタイマモード演出(図261に示した例では、「カットインB1−2」、「カットインB1−3」、及び「カットインB1−4」の態様)では、タイマ対象の演出が実行されてこれが非表示にされた以降も、タイマモードの種別(天国タイマモード,地獄タイマモード)に関する表示を維持するようにしている。したがって、タイマ演出が終了した以降もタイマ関連の演出が表示されているもとで演出進行させることができるようになり、天国タイマモードと地獄タイマモードとのいずれによってタイマ演出が実行された演出状況にあるかを遊技者に認識させた状態で図柄停止が行われるようになる。なお、天国タイマモードや地獄タイマモードの表示については、カウント表示が所定値に達するよりも前(タイマ対象の演出が発生するよりも前)に非表示にしたり、図柄停止が表示されるよりも前のタイミングで非表示にするようにしてもよいし、図柄停止が表示されているときにも表示を維持して図柄停止が終了したときに非表示にするようにしてもよい。
また、天国タイマモードや地獄タイマモードの表示、または天国チャレンジ演出については、カウント表示が実行されるよりも前(例えば、タイマ先読み演出の実行中など)に発生させるようにしてもよい。また、カウント表示が実行されていない状態で天国タイマモードや地獄タイマモードの表示、または天国チャレンジ演出を行う場合、それらの演出が実行されてから図柄停止されるまでの間にタイマ演出を必ずしも発生させないようにしてもよい。ただし、カウント表示が実行されていない状態で天国タイマモードや地獄タイマモードの表示、または天国チャレンジ演出を行う場合は、カウント表示が実行されていない状態でそれらの演出が実行されない場合に比べて、図柄停止されるまでの間にタイマ演出が実行される割合が高くなるようにしておき、タイマ演出が実行されることを先行示唆する演出としても実行されるようにすることが望ましい。
また、「カットインB1−3」、「カットインB1−4」の態様では、カウント表示が第2の特定カウント値になったときに天国チャレンジ演出を行って、その後、カウント表示が第1の特定カウント値になったときに天国チャレンジ演出の結果として天国タイマモードまたは地獄タイマモードを表示するのに対し、「カットインB1−2」の態様では、カウント表示が第2の特定カウント値になったときに天国チャレンジ演出を行わず、その後、カウント表示が第1の特定カウント値になったときに地獄タイマモードを表示するようにしている。
このような構成によれば、カウント表示が開始された後は、まず、第2の特定カウント値になったときに天国チャレンジ演出が出現するか否かに注視させることができるようになる。そしてこの結果、第2の特定カウント値になったときに天国チャレンジ演出が出現しなければ、天国タイマモードが発生する可能性が喪失されることとなる。すなわちこの場合、カウント表示が第1の特定カウント値になったときに地獄タイマモードが発生するか、若しくはタイマモード演出これ自体が発生しないこととなることから、カウント表示が第1の特定カウント値になったときに地獄タイマモードが発生するか否かにさらに注視させることができるようになる。
なお、タイマモード演出これ自体が発生しないときは、地獄タイマモードが発生する場合に比べてタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様が現れる割合が高くなるようにすることが望ましい。たたし、タイマモード演出これ自体が発生しない場合と、地獄タイマモードが発生する場合とでタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様が現れる割合を異ならせるようにしておけば、その逆の関係性を採用した場合であっても、カウント表示が第1の特定カウント値になったときに地獄タイマモードが発生するか否かにさらに注視させることは可能である。
これに対し、第2の特定カウント値になったときに天国チャレンジ演出が出現した場合には、カウント表示が第1の特定カウント値になったときにタイマモード演出として天国タイマモード及び地獄タイマモードのいずれかが実行されるようになることから、カウント表示が第1の特定カウント値になったときに現れるタイマモード演出の種別にさらに注視させることができるようになる。
このようなタイマモード演出によれば、カウント表示が所定値に達したときだけではなく、該所定値とは異なるいくつかの特定カウント値(第1の特定カウント値、第2の特定カウント値)に達したときにも当該タイマ演出(カウント値)やこれに関連した演出に面白みを持たせてこれに注視させることができるようになることから、カウント表示が実行されている期間中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
そして、図261に示す各例では、こうしてタイマ演出のカウント表示が第2の特定カウント値、第1の特定カウント値に順次に達し、さらに所定値に達するとタイマ対象の演出が実行され、その後に図柄変動が停止されることとなる。
なお、この実施の形態では、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(実際は、カットインB1だけでなく複数ある)が選択された場合(図232を参照)に、該特定のタイマ種別(図261に示す例では、カットインB1)としていずれの態様(カットインB1−1、カットインB1−2、カットインB1−3、カットインB1−4)で実行するかを決定することとしたが、カウント表示抽選(ステップS5510)の選択候補として、カットインB1に代えて、カットインB1−1、カットインB1−2、カットインB1−3、カットインB1−4を用意して、これら候補の中からいずれのタイマ種別にするかを決定するようにしてもよい。この処理手法については、他の演出(例えば、復活タイマ演出など)の実行にかかる処理においても同様に採用可能である。
図261に示した例では、天国タイマモードが表示されている場合にタイマ対象の演出が行われると、地獄タイマモードが表示されている場合に比べて、特定種別の演出(カットインB)として期待度の高い内容(期待度の高い色でカットインBが行われるなど)にされる割合が高くなるようにした。ただしこれに代えて、天国タイマモードが表示されている場合にタイマ対象の演出が行われると、地獄タイマモードが表示されている場合に比べて、複数の演出種別(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、特別タイマ、役物A動作、カットインB、役物B動作など)のうち期待度の高い演出種別が現れる割合が高くなるようにしてもよい。若しくは、天国タイマモードにおいては、タイマ対象の演出として、期待度の高い演出種別が現れる割合が高くなり、且つ期待度の高い内容にされる割合が高くなるようにしてもよい。
また、タイマ対象の演出として複数の演出種別(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、特別タイマ、役物A動作、カットインB、役物B動作など)のうちの特定演出種別が選択された場合、若しくはカウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が選択された場合は、カウント表示の実行期間内で天国タイマモード及び地獄タイマモードのいずれかが必ず発生するようにしてもよい。なおこの際、天国チャレンジ演出が行われることなく地獄タイマモードが発生するパターンも現れうるようにすることが望ましい。
また、天国チャレンジ演出が実行される第2の特定カウント値に達するよりも前の期間内で天国タイマモード及び地獄タイマモードのいずれかが必ず発生することを示す演出を行うようにしてもよい。
また、所定の演出条件が満たされた場合、通常時に比べて、天国チャレンジ演出が発生したときに該天国チャレンジ演出に成功する割合(天国タイマモードに表示される割合)が高くなる天国高確率モードに移行させるようにしてもよい。すなわちこの場合、天国高確率モードにおいては、天国タイマモードを表示させない場合における天国チャレンジ演出これ自体の発生確率を低くするか(天国チャレンジ演出を発生させずに地獄タイマモードを発生させる確率や、タイマモード演出を発生させない確率を高くするか)、天国タイマモードにあるときに発生したタイマ対象演出これ自体の期待度を通常時に比べて低くすることで、天国高確率モードを実現することとなる。
また、天国チャレンジ演出では、遊技者による操作を演出受付可能な期間を設定し、該期間内において遊技者による操作が行われたことに基づいて天国チャレンジ演出にかかる成否の結果(天国タイマモード、地獄タイマモードのいずれが発生するか)を表示するようにしてもよい。
また、タイマ演出のカウント表示が開始されるのと同時に天国チャレンジ演出が発生するなどカウント表示におけるカウント実行済み数が比較的少ない状況にあるときに天国チャレンジ演出が発生した場合は、カウント表示におけるカウント実行済み数が比較的多い状況にあるときに天国チャレンジ演出が発生した場合に比べて、該天国チャレンジ演出に成功する割合(天国タイマモードに表示される割合)が高くなるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、タイマ演出の対象となっている演出の出現間際では該演出が近々発生することに対する期待感によって遊技興趣を維持することが可能であり、タイマ演出の対象となっている演出が出現するまでに長い時間(カウント数)を要するときには天国チャレンジ演出が発生することに対する期待感によって遊技興趣を維持することが期待されるようになる。なおこの場合、タイマ対象の演出が実行された後に、天国チャレンジ演出を発生させるようにしてもよく、この場合、天国チャレンジ演出で成功する割合は最も低くされるとともに、既に実行済みのタイマ対象の演出に対して天国タイマモードまたは地獄タイマモードが後追いのかたちで発生することとなる。
また、タイマ演出の対象演出の1つとして天国チャレンジ演出を発生させるようにしてもよい。なお、タイマ演出の対象演出として天国チャレンジ演出が実行された場合には、該天国チャレンジ演出で成功する割合(天国タイマモードに表示される割合)を100%とし、天国タイマモードが表示された以降の図柄変動期間内においては、タイマ対象にならなかったものの、タイマ対象の候補の1つとして用意されている演出のうち高期待の演出(例えば、役物B動作)が出現する割合が当該演出が出現しなかった場合よりも高くなるようにすることが望ましい。
[カウント出力中止制御]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、図柄演出が行われている期間内でカウント表示を実行しているなかで、カウント対象の候補として用意されている複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)の少なくとも1つが現れるタイミングに合わせて該カウント表示を非表示にするタイマ演出を実行可能としている。この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、カウント表示の実行中にタイマ演出とは異なる所定演出(所定の期待度をもった演出であることが望ましいが、必ずしもそれに限られない)が実行される場合、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を所定値になるまで継続させる演出態様と、該カウント表示にかかる出力を所定値になるまで行わず所定演出の実行に際してその中途段階でこれを出力中止にする演出態様とのいずれかを選択的に出現させるようにしている(カウント出力中止制御)。
このような構成によれば、タイマ演出においてカウント表示にかかる出力が行われたとしても該カウント表示は必ずしも所定値になるまで行われず、その途中で出力中止にされて所定演出にかかる出力が行われうるようになることから、タイマ演出のカウント表示にかかる出力が行われておりこれが所定値に達するまでの間(カウント消化期間)における遊技興趣が維持されることが期待されるようになる。
図262(a)〜(c)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、特定の変動番号が選択されているときに行われるカウント出力中止制御の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
同図262(a)に示されるように、特定のタイマ種別では、まず、図柄変動が開始されてから所定のタイミング(例えば、5秒)が経過したタイミングで20秒のカウント数をもったカウント表示が開始される。そして、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっているタイマ対象の演出が現れるようになっている。
この点、周辺制御MPU1511aでは、図262(b)に示されるように、タイマ演出のカウント表示が実行されている間に所定演出が実行される場合は、該所定演出を出現させる時点での演出状況が予め定められた特定の演出状況にあるかを判断する。そしてこの結果、特定の演出状況にあるときには、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止して所定演出を実行する制御を行うこととしている。なお、タイマ演出のカウント表示にかかる出力をその途中で中止させるか否かの判断に供される「予め定められた特定の演出状況」とは、例えば、タイマ演出のカウント表示が実行されている領域を利用して所定演出を実行する場合など、タイマ演出と所定演出との間で演出出力に関して競合が発生する演出状況のことである。
また、図262(b)に示されるように、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止して所定演出を実行するようにした場合は、該所定演出にかかる出力が終了した以降もタイマ演出のカウント表示が再出力されることがないようにしている。その一方で、周辺制御MPU1511aでは、カウント表示にかかる出力を中止した以降も、内部的には、カウント表示が開始されてからの時間(若しくは、変動開始からの時間)を秘かに計時しておりこれが所定値(カウント表示が開始されてから20秒が経過したときの値)に達したときには、出力中止されたカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達するタイミングが到来したとして、タイマ対象の演出を出現させるようにしている。
このような構成によれば、所定演出が実行された以降、カウント表示にかかる出力の中止状態を維持しつつも、該カウント表示が出力中止されていなければ所定値(ここでは「0」)に達していたはずのタイミングが到来したときにタイマ対象の演出が出現されるようになる。すなわちこの場合、所定演出の実行によって中途終了されてしまったかのように見せていたタイマ演出が秘かに継続されていたサプライズ性によってタイマ対象の演出が現れたときの遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
ただし、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、図262(c)に示されるように、タイマ演出のカウント表示が実行されている間に所定演出が実行される場合であっても、該所定演出を出現させる時点での演出状況が予め定められた特定の演出状況にないときには、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止することなくこれが所定値になるまで継続させ、該カウント表示が消化されているなかで所定演出を実行することとなる。
より具体的には、所定演出が「特定の領域に敵キャラクタを登場させる演出」であったり、「特定の領域に向けて攻撃する演出」であったり、「特定の領域において演出失敗時の表示や音楽を出力する演出」であるとした場合、特定の領域でカウント表示が実行されているときにこのような所定演出を実行してしまうと、遊技者としては、タイマ演出(カウント表示)に対して何らかの演出上の悪影響(例えば、タイマ演出としての期待度が下がってしまうなど)を及ぼしてしまうのではないか、といった懸念が生じかねない。そこで、このような懸念が生じかねない演出状況にあるときには、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止して所定演出を実行するようにすることで、タイマ演出に対して何らかの悪影響を演出的に及ぼすかのようなイメージを生じさせることなく、所定演出を実行することができるようになる(図262(b)の演出態様)。しかも、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、カウント表示にかかる出力中止の状態を維持したままでタイマ対象の演出をサプライズ的に出現させるようにしたことから、このような所定演出を利用して遊技興趣を逆に向上させることが期待できるようになる(図262(b)の演出態様)。
ただし、このような所定演出が実行される都度、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止させるようにしてしまうと、該所定演出これ自体の演出イメージが悪くなってしまい、遊技興趣の低下が懸念がされる。したがって、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、所定演出の実行に際して、タイマ演出のカウント表示が出力されている特定の領域とは異なる領域に空き(何らの演出も出力されていない領域)がある場合は、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止せずにこれを維持したまま、上記特定の領域ではなく、空きのある領域で当該所定演出を出力するようにしている(図262(c)の演出態様)。これにより、所定演出は、タイマ演出のカウント表示の実行をその途中で中止させる演出ではないことが明らかとされるようになり、当該所定演出が実行されるときに遊技興趣が低下するようなことが回避されるようになる。
そして、図262に示す各例では、こうしてタイマ対象の演出が実行された後に図柄変動が停止されることとなる。
図263は、このようなカウント出力中止制御を実現するときの処理手順について、その一例を示すフローチャートである。
同図263に示されるように、いま、大当り判定の結果や変動パターンの種別に基づいて所定演出を実行する旨の判断がなされた状態にあるとすると、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、まず、図柄変動の実行期間内で所定演出を発生させるべきタイミングが到来したときに、該所定演出にかかる出力を開始するのに先立って、特定の演出状況にあるか否かの判断を行う(ステップS5701)。
ここで、「特定の演出状況」とは、所定演出を新たに出力するにあたり、該所定演出を新たに出力するために必要な領域が他の各種演出(ここでは、タイマ演出のカウント表示など)によって全て使用されており、該所定演出を新たに出力するための空きがなくなってしまっている状況のことであることは上述した通りである。例えば、後述の図272(G),(H)に示される例では、大砲による「弾丸発射演出」が所定演出に相当している。そして、弾丸発射演出では、表示領域内の左上の領域、右上の領域、左の領域、右の領域、下の領域のうち空き(未使用)となっている領域を弾丸の発射先として選択的に使用可能となっており、通常は、該未使用の領域を使用して弾丸発射の演出を行うこととなる。ただし、後述の図272(G)に示される状況では、このような弾丸発射演出を新たに出力するために必要な領域が他の各種演出(カウント表示(左上の領域)、図柄変動(右上の領域)、タイマモード演出(左の領域)、タイマ対象除外演出(右の領域)、保留表示(下の領域))によって全て使用されており、該所定演出を新たに出力するための空きがなくなってしまっており、これが上述の「特定の演出状況」に相当している。そして、このような特定の演出状況にあるままで弾丸発射を仮に行ってしまったとすると、弾丸の発射先で既に出力状態にある演出(例えば、カウント表示)が、発射された弾丸によって故障・破壊されてしまい(タイマ演出と所定演出との間での演出出力に関しての競合が発生してしまい)、その結果として大当り期待度が下がってしまうのではないか、といったような懸念が生じかねないことも上述した。
したがって、図263に示されるように、所定演出にかかる出力を開始するのに先立って、特定の演出状況にある旨判断したときは(ステップS5701におけるYES)、該所定演出とは別の、既に出力状態にある演出(ここでは、カウント表示)を出力中止させ(ステップS5702)、これによって生まれる空き領域を利用して所定演出の出力にかかる処理を行うこととなる(ステップS5703)。
これに対し、所定演出にかかる出力を開始するのに先立って、特定の演出状況にない旨判断したときは(ステップS5701におけるNO)、演出出力するために必要な領域のなかに他の演出によって使用されていない未使用の領域が存在していることから、該所定演出とは別の演出を出力中止させることなく、該未使用の領域を用いて所定演出の出力にかかる処理を行うこととなる(ステップS5713)。
ここで、上記ステップS5703の処理を通じて所定演出が実行される場合は、上記ステップS5713の処理を通じて所定演出が実行される場合に比べて、該所定演出が実行された後に遊技者に有利な演出態様が現れる割合が高くなるようにすることが望ましい。例えば、図262(b),(c)の例であれば、カウント表示にかかる出力が中止されたもとでタイマ対象の演出が突然実行される図262(b)の演出態様が現れた場合は、図262(c)の演出態様が現れた場合に比べて、タイマ対象の演出として期待度の高い演出態様(演出種別や演出内容)が現れる割合が高くなるように制御することが望ましい。
なお、ステップS5702とステップS5703との処理については、一の処理として実行するようにしてもよい。例えば、カウント表示の出力データが記憶されている処理領域に、所定演出の出力データを上書きするようにすれば、カウント表示にかかる出力は自ずと中止されることとなり、この出力中止された状態で当該所定演出にかかる出力を行うことができるようになる。
また、この実施の形態では、特定の演出状況にあるときにはカウント表示にかかる出力を中止して所定演出を実行することとしたが、出力中止の対象とされる演出としてはこれに限られず、他の演出にかかる出力を中止するようにしてもよい。
ステップS5702の処理では、所定演出を出力するために必要な領域を使用している(出力状態にある)複数の演出のなかから出力中止させる演出種別を選択し、該選択した演出を出力中止して所定演出を出力するようにしてもよい。なおこの場合、出力中止の選択候補とされる複数の演出に対して予め優先順位を設定しておき、該優先順位に基づいて出力中止させる演出種別を選択するようにすることが望ましい。この優先順位については、遊技者にとってより重要度の高い演出であるかを基準としてプログラム上で予め設定させておくことが望ましい。優先順位を判断した結果、出力状態にある他の演出の全てが所定演出よりも優先順位が高い場合、他の演出にかかる出力を維持して所定演出の出力を行わないようにすることとなる。
そして、出力中止させることとなった演出種別が、演出内容に関連性があり繋がった複数演出として実行されるものであり(例えば、カウント表示とタイマ対象演出とで繋がったタイマ演出など)、それら演出のうちの先に出現する演出中(例えば、カウント表示の実行中)にこれが出力中止とされて、且つ後に出現する演出(例えば、タイマ対象演出)が開始されるよりも前に上記所定演出が終了される場合は、後に出現する演出についてはこれを出力中止にせずに実行するようにすることが望ましい。
また、所定演出を実行するときに出力中止の対象とされる演出や所定演出については、画像表示による演出のほか、役物動作による演出や、音楽による演出、盤面ランプによる演出などであってもよい。また、所定演出を実行するときに出力中止の対象とされる演出や所定演出が、画像表示、役物動作、音楽、及び盤面ランプなどの各演出要素のうちの少なくとも2つ以上を複合させた複合演出として実行されるものである場合は、それら複合させた演出要素のうちの少なくとも1つを出力中止するだけであってもよい。例えば、所定演出が後述の図272(G)に示される「弾丸発射演出」であり、出力中止の対象とされる演出が「画像表示と盤面ランプとの複合演出」である場合は、複合演出のうち画像表示にかかる出力のみを中止し、盤面ランプにかかる出力についてはこれを維持するようにしたとしても、表示領域内の画像表示としての弾丸が届かないところにある盤面ランプによる演出に悪影響(演出による競合)が生じる懸念が発生することはないといえる。
[タイマプラス演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、まず、複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、カットインB、役物B動作など)の少なくとも1つをカウント対象にしており、図柄演出が行われる期間内でカウント表示を表示可能であり、該カウント表示を所定時間だけ表示してからこれを非表示にして該非表示の状態でカウント対象の演出を出現させるカウント演出を実行可能としている。この点、カウント演出では、特定カウント値(例えば「0」)になったカウント表示を非表示にした後、上記複数の演出態様のいずれかを出現させるだけでなく、特定カウント値(例えば「0」)よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示することによりカウント演出を継続させる演出を実行可能とした(タイマプラス演出)。
すなわちこの場合、カウント表示が特定カウント値(例えば「0」)になってこれが非表示とされているもとで複数の演出態様のいずれかを出現させる状況になったとしても、該カウント表示が特定カウント値よりも大きなカウント値を持って再表示されてカウント演出がさらに継続される可能性(より期待度の高い演出態様がさらに出現する可能性)が生じるようになることから、カウント表示が非表示になった以降の遊技興趣の維持を図ることが期待されるようになる。
図264(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、特定の変動番号(タイマなし SPリーチ)が選択されているときに行われるタイマプラス演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図264(a)に示す例では、説明の便宜上、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(カットインB2だけでなく複数あってもよい)が選択された場合(図233を参照)にタイマプラス演出に関する下記処理を実行するようになっている。ただし、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときにタイマプラス演出に関する下記処理を行うのではなく、いずれのタイマ種別が決定された場合であってもタイマプラス演出に関する下記処理を実行するようにしてもよい。
図264(a)に示されるように、いま、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として「カットインB2」のタイマ種別が選択されたとすると、周辺制御MPU1511aでは、次の処理として、該選択した「カットインB2」を、タイマプラス演出の態様を含めた複数の演出態様(「カットインB2−1」,「カットインB2−2」)のいずれで実行するかについての判定処理を行う。なお、該判定処理は、大当り判定の結果や所定の抽選の結果に基づいて行われるようにすることが望ましい。
図264(a)に示す例のうち、「カットインB2−1」の態様では、図柄変動から所定時間の経過後に「40」のカウント値をもったカウント表示が表示された後、40秒が経過したときに所定値(ここでは「0」)に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB(カットB予告)」が実行される。
これに対し、「カットインB2−2」の態様では、図柄変動から所定時間の経過後に、「カットインB2−1」の態様よりも大幅にカウント数が少なくされたカウント表示を表示することとしている。一般に、このようなタイマ演出では、カウント表示が実行されてからカウント表示が所定値に達するまでの期間は何らの演出も行われないことが多いことから、該期間における遊技興趣の低下が懸念される。そこで、図264(a)に示されるタイマプラス演出(「カットインB2−2」の態様)では、まず、図柄変動から所定時間経過後に比較的小さい第1のカウント値(ここでは「4」)をもったカウント表示を表示してこれが非表示にされた後、該非表示の状態で、第1のダブル対応演出を、カウント表示が表示されていた時間(ここでは4秒間)よりも長い時間(例えば9秒間)にわたって実行することとしている。
ここで、第1のダブル対応演出では、まず、第1のカウント値(ここでは、「4」)をもったカウント表示に対応する演出(第1のタイマ対象演出)として、カットインBの演出を実行する。ただし、当該第1のタイマ対象演出では、カットインBの態様として、比較的期待度の低い態様(青色のオーラをまとったキャラクタ)を出現させる。そしてこの後、第1のカウント値よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)を実行することとなる。なお、カウント表示を再表示するか否かについての演出としては、例えば、特定の表示画像(カウントアップ画像)が現れるか否かや、特定の可動役物(カウントアップ役物)が動作するか否かなどの演出として実現することが可能である。
なお、カウント表示を再表示するか否かについての演出(カウントアップ演出)では、非表示の状態にあるカウント表示が再表示される都度、それに先立って実行されることとなるが、特定の表示画像(カウントアップ画像)や特定の可動役物(カウントアップ役物)を用いた演出として出現させるときの演出態様(色や発光態様など)については、該再表示された回数に応じて異ならせるようにすることが望ましい。また、特定の可動役物(カウントアップ役物)をカウント表示が再表示されることを示す役物として採用する場合、該特定の可動役物(カウントアップ役物)については、当該カウントアップ演出のみならず、例えば、大当り確定などの他の演出にも用いられるようにすることが望ましい。ただしこの場合、特定の可動役物(カウントアップ役物)の動作態様を異ならせることはもとより、該特定の可動役物(カウントアップ役物)のほか、これとは異なる可動役物をさらに動作させてそれらで協働した可動演出を行うようにすることが、カウントアップ演出の実行中でないことを把握させるようにする上で望ましい。
このような構成によれば、カウント「4」の対象として2つの異なる演出(期待度が示される第1のタイマ対象演出(カットインB),カウント表示が再表示されるかについての第2のタイマ対象演出(カウントアップ演出))が行われるようになることから、比較的短い時間のカウント表示(カウント「4」)が実行されると、これよりも長い時間にわたるタイマ対象演出を楽しむことができるようになる。したがって、タイマ演出としての総時間を維持しつつもカウント表示が実行されるのに要する時間を削減して、カウント表示が所定値に達するまでの期間における遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
この点、「カットインB2−2」の態様では、第1のダブル対応演出において上記カウント表示を再表示することに成功する演出結果が現れるようになっており、該演出結果が現れると第1のカウント値よりも大きな第2のカウント値(ここでは、「5」)を持たせるかたちでカウント表示が再表示されることでタイマ演出を継続させる。ただし、第1のダブル対応演出においては、上記カウント表示を再表示することに失敗する演出結果が現れる演出パターンも用意しておき、該演出パターンが現れたときにはカウント表示が再表示されることなくこの時点でタイマ演出が終了とされるようにすることが望ましい。
そしてこの後、第2のカウント値(ここでは、「5」)を持たせたカウント表示が所定時間後に非表示にされると、該非表示の状態で、第2のダブル対応演出を、カウント表示が表示されていた時間(ここでは5秒間)よりも長い時間(例えば9秒間)にわたって実行することとしている。
この第2のダブル対応演出においても、まず、第2のカウント値(ここでは、「5」)をもったカウント表示に対応する演出(第3のタイマ対象演出)として、カットインBの演出を実行する。ただし、当該第3のタイマ対象演出では、カットインBの態様として、第1のタイマ対象演出よりも期待度の高い態様(緑色のオーラをまとったキャラクタ)を出現させる。そしてこの後、第2のカウント値よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示するか否かについての演出(第4のタイマ対象演出)を実行することとなる。
このような構成によれば、第1のカウント値(ここでは、「4」)よりも長い時間を要する第2のカウント値(ここでは、「5」)のカウント表示が実行されることとはなるが、これと引き換えに、第1のタイマ対象演出よりも期待度の高い態様でカットインBの演出が実行されるようになる。したがって、タイマ演出としての総時間を維持するにあたりカウント消化に要する時間の引き延ばしを図りながらも、該カウント表示が所定値に達するまでの期間における遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
この点、「カットインB2−2」の態様では、第2のダブル対応演出において上記カウント表示を再表示することに成功する演出結果が現れるようになっており、該演出結果が現れると第2のカウント値よりも大きな第3のカウント値(ここでは、「7」)を持たせるかたちでカウント表示が再表示されることでタイマ演出を継続させる。ただし、第2のダブル対応演出においても上記カウント表示を再表示することに失敗する演出結果が現れる演出パターンを用意しておき、該演出パターンが現れたときにはカウント表示が再表示されることなくこの時点でタイマ演出が終了とされるようにすることが望ましい。
そしてこの後、第3のカウント値(ここでは、「7」)を持たせたカウント表示が非表示にされると、該非表示の状態で、第3のダブル対応演出を、カウント表示が表示されていた時間(ここでは7秒間)よりも長い時間(例えば9秒間)にわたって実行することとしている。
ここで、第3のダブル対応演出にあっても、まず、第3のカウント値(ここでは、「7」)をもったカウント表示に対応する演出(第5のタイマ対象演出)として、カットインBの演出を実行する。ただし、当該第3のタイマ対象演出では、カットインBの態様として、第1,2のタイマ対象演出よりも期待度の高い態様(赤色のオーラをまとったキャラクタ)を出現させる。そしてこの後、第3のカウント値よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示するか否かについての演出(第6のタイマ対象演出)を実行することとなる。
このような構成によれば、第1,2のカウント値(ここでは、「4」,「5」)よりもさらに長い時間を要する第3のカウント値(ここでは、「7」)のカウント表示が実行されることとはなるが、これと引き換えに、第1,2のタイマ対象演出よりもさらに期待度の高い態様でカットインBの演出が実行されるようになることから、カウント表示が所定値に達するまでの期間における遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
この点、「カットインB2−2」の態様では、第3のダブル対応演出において上記カウント表示を再表示することに失敗する演出結果が現れるようになっており、この時点でタイマ演出が終了とされることとなる。すなわちこの場合、当該タイマ演出では、タイマ対象の演出として、赤色のオーラをまとったキャラクタによるカットインBが最終的に実行されることとなるが、該態様によるカットインBが現れるまでの間に比較的短い時間のカウント表示を複数回にわたって表示するとともに、それらのカウント表示に対応する演出を複数回にわたって実行するようにしたことから、タイマ演出が開始されてからこれが終了されるまでの間における遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
しかも、カウント表示が再表示される都度、そのカウント値を大きくして演出全体としての尺を稼ぎつつも、カウント表示が表示される総時間これ自体はカウント表示が非表示にされる総時間よりも短くなっており、カウント表示が非表示にされる都度、より期待度の高い態様でタイマ対象演出を実行するようにしたことから、タイマ演出を、長い時間にわたって遊技興趣の維持を図りつつ実行することができるようになる。
また、「カットインB2−2」の態様では、カウント表示が非表示にされる都度、同じ演出(カットインB)を対象としてその態様(色)を変化させることによって期待度が次第に高くなっていく様子を表現するようにしたことから、それら複数回のカウント表示を「カットインB」を対象にした一のタイマ演出として実行させることができるようになり、最終的に表示された演出(赤色のオーラをまとったキャラクタによるカットインB)が当該タイマ演出の演出対象であることを認識させることができるようになる。
なお、第3のダブル対応演出においては、上記カウント表示を再表示することに成功する演出結果が現れる演出パターンも用意しておき、該演出パターンが現れたときにはカウント表示を再表示してタイマ演出を継続させるようにすることが望ましい。ただし、カウント表示が再表示される最大回数に達したときには、それまで実行していたカットインBの演出ではなく、これとは異なる演出(カットインBのいずれの態様よりも期待度が演出であり、タイマ対象の候補として用意されていない特別演出)を実行するようにして最大回数に達したことを認識可能とされるようにすることが望ましい。この場合、特別演出が実行された後にカウント表示を再表示するか否かについての演出は出現されないこととなるが、該特別演出に要する時間については、それまでに出現したダブル対応演出(2つのタイマ対象演出が実行される演出)よりも長い時間にわたって実行されるようにして、それまでに出現した演出(赤色のオーラをまとったキャラクタによるカットインB)よりも期待度が高いことを示唆するようにすることが遊技興趣の向上を図る上で望ましい。この場合、期待度は100%であってもよい。
図264(b)は、タイマプラス演出の変形例を説明するためのタイムチャートである。
上記タイマプラス演出については、図264(b)に示される態様で行うようにしてもよい。すなわち、図264(b)に示される態様では、変動開始から所定時間の経過後に第1のカウント値(ここでは「4」)をもったカウント表示が開始されると、第1のカウント値(ここでは「4」)に対応するカウント「4」対応演出(4秒タイマ時演出)を実行するようにしている。
ここで、カウント「4」対応演出(4秒タイマ時演出)では、第1のカウント値(ここでは「4」)が消化されるのに要する時間分だけの演出期間が設定されており、この演出期間内においてカットインBなどのタイマ対象演出が所定の態様(青色のオーラをまとったキャラクタなど)で実行される。
このような構成によれば、カウント表示が実行されている状況においてタイマ対象の演出を実行することができるようになることから、カウント消化中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
しかも、このようなカウント「4」対応演出(4秒タイマ時演出)が終了されると、カウント「4」のカウント表示も所定値(ここでは「0」)に達する頃合になることから、タイマ演出のカウント表示を確認せずとも、当該カウント「4」対応演出(4秒タイマ時演出)を確認するだけで、カウント表示が所定値(ここでは「0」)に達したことを容易に認識することができるようになる。
そして、こうしてカウント「4」対応演出(4秒タイマ時演出)が終了されるタイミングが到来した後には(カウント「4」のカウント表示が所定値に達した後には)、第1のカウント値(ここでは「4」)よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示するか否かについての演出(第1のカウントアップ演出)を実行することとなる。この第1のカウントアップ演出は、図264(a)の例における「カウント表示を再表示するか否かについての演出」と同じ演出として実行されるものであり、その演出結果として上記カウント表示を再表示することに失敗する演出パターンが現れたときには、カウント表示が再表示されることなくこの時点でタイマ演出が終了されるようになる。
ただし、第1のカウントアップ演出の結果、上記カウント表示を再表示することに成功する演出パターンが現れたときには、第1のカウント値(ここでは「4」)よりも大きな第2のカウント値(ここでは、「5」)を持たせるかたちでカウント表示が再表示されることでタイマ演出を継続させる。この点、この変形例では、第2のカウント値(ここでは「5」)を持たせるかたちでカウント表示が再表示された場合、第2のカウント値(ここでは「5」)に対応するカウント「5」対応演出(5秒タイマ時演出)を実行する。
ここで、カウント「5」対応演出(5秒タイマ時演出)では、第2のカウント値(ここでは「5」)が消化されるのに要する時間分だけの演出期間が設定されており、この演出期間内においてカットインBなどのタイマ対象演出を、上記カウント「4」対応演出(4秒タイマ時演出)の場合に比べて期待度の高い態様(緑色のオーラをまとったキャラクタなど)で出現させることとなる。
そして、カウント「5」対応演出(5秒タイマ時演出)が終了されるタイミングが到来した後には(カウント「5」のカウント表示が所定値に達した後には)、第2のカウント値(ここでは「5」)よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のカウントアップ演出)を実行することとなる。この第2のカウントアップ演出も、図264(a)の例における「カウント表示を再表示するか否かについての演出」と同じ演出として実行されるものであり、その演出結果として上記カウント表示を再表示することに失敗する演出パターンが現れたときには、カウント表示が再表示されることなくこの時点でタイマ演出が終了されるようになる。
ただし、第2のカウントアップ演出の結果、上記カウント表示を再表示することに成功する演出パターンが現れたときには、第2のカウント値(ここでは「5」)よりも大きな第3のカウント値(ここでは、「7」)を持たせるかたちでカウント表示が再表示されることでタイマ演出を継続させる。この点、この変形例では、第3のカウント値(ここでは「7」)を持たせるかたちでカウント表示が再表示された場合、第3のカウント値(ここでは「7」)に対応するカウント「7」対応演出(7秒タイマ時演出)を実行する。
ここで、カウント「7」対応演出(7秒タイマ時演出)では、第3のカウント値(ここでは「7」)が消化されるのに要する時間分だけの演出期間が設定されており、この演出期間内においてカットインBなどのタイマ対象演出を、上記カウント「5」対応演出(5秒タイマ時演出)の場合に比べて期待度の高い態様(赤色のオーラをまとったキャラクタなど)で出現させることとなる。
そして、カウント「7」対応演出(7秒タイマ時演出)が終了されるタイミングが到来した後には(カウント「7」のカウント表示が所定値に達した後には)、第3のカウント値(ここでは「7」)よりも大きなカウント値を持たせるかたちで上記カウント表示を再表示するか否かについての演出(第3のカウントアップ演出)が実行される場合がある。この第3のカウントアップ演出も、図264(a)の例における「カウント表示を再表示するか否かについての演出」と同じ演出として実行されるものであり、その演出の結果として上記カウント表示を再表示することに失敗する演出パターンが現れたときには、カウント表示が再表示されることなくこの時点でタイマ演出が終了されるようになる。
この点、この変形例では、カウント「7」対応演出(7秒タイマ時演出)が終了されるタイミングが到来した後に(カウント「7」のカウント表示が所定値に達した後に)、さらなるカウントアップの可能性を示唆するカウントアップ演出これ自体が出現しなかった例を示している。このように、カウントアップ演出これ自体が出現しなかった場合も、カウントアップ演出においてカウント表示を再表示することに失敗する演出パターンが現れた場合と同様、カウント表示が再表示されることなくこの時点でタイマ演出が終了されるようになる。
このような変形例にかかるカウントアップ演出によれば、所定数のカウント値をもったカウント表示が表示されると、該カウント値が表示されてすぐにそのカウント値に対応して予め定められている時間分の演出内容をもったカウント対応演出(カットインBなど)が開始されるようになることから、カウント表示の実行中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。また、こうしたカウント対応演出が終了されると(カウント表示が所定値に達すると)、カウント表示により大きなカウント値を持たせて再表示させるかについての演出が行われ、これら2つの演出が交互に現れることによってタイマ演出が実行、継続されるようになることから該タイマ演出においてカウント表示がひたすら行われて演出が何ら行われない状況が発生することが抑制されるようになり、遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
なお、この変形例では、表示されたカウント値(例えば「4」)に対応して予め定められている時間(例えば4秒)分の演出内容をもったカウント対応演出(例えば、カウント「4」対応演出)を実行している間、カウント表示の消化(4→3→2→1→0のカウントダウン)も合わせて行うようにしている。ただし上述の通り、この変形例にかかるカウント対応演出(例えば、カウント「4」対応演出)は、表示されたカウント値(例えば「4」)が消化し終わるタイミングに合わせて演出終了されるように実行されるものであることから、カウント表示については、その出現時のカウント値(例えば「4」)のみを所定時間にわたって表示することとし、カウント消化中のカウント表示(4→3→2→1→0のカウントダウン)についてはこれを必ずしも行わないようにすることが、カウント対応演出(例えば、カウント「4」対応演出)に対する注視を促すようにする上でより望ましい。
そして、図264(a),(b)に示す各例では、こうしてタイマ演出が実行された後、図柄変動が停止されることとなる。
なお、上記タイマプラス演出のうち、カウント表示を再表示するか否かについての演出では、所定時間の演出受付期間を設定し、該期間内において遊技者による操作が行われたことに基づいてカウント表示が再表示されることを示唆する演出(成功演出)か、カウント表示が再表示されないことを示唆する演出(失敗演出)を出現させるようにしてもよい。すなわちこの場合、成功演出が現れた後に、カウント数が大きくなるかたちでカウント表示を再表示してタイマ演出を継続させることとなり、失敗演出が現れたときにはその後にカウント表示が再表示されることはない。このような演出を採用した場合、演出受付期間内で遊技者による操作が行われなかったとしても、該期間の経過後の所定タイミングで予め定められている演出結果(成功演出または失敗演出)を表示させることとなる。
また、上記実施の形態では、第1〜第3のダブル対応演出に要する時間をそれぞれ同じ時間に設定することとしたが、各カウント表示(「4」,「5」,「7」)に対応する演出時間として互いに異なる時間に設定するようにしてもよい。例えば、カウント表示が再表示される都度、各カウント表示のカウント値が次第に大きくなっていくことに伴って、各カウント値に対応したダブル対応演出としてもこれに要する時間が次第に大きくなっていくように設定するようにすれば、カウント表示に要する総時間これ自体は比較的短い時間のままにして遊技興趣の維持を図りつつ演出全体としての尺を好適に引き伸ばすことができるようになる。
また、カウント表示を再表示するか否かについての演出では、その演出結果を表示するにあたり、カウント数が大きくなるかたちでカウント表示が再表示される割合(期待度)の異なる複数の演出態様のいずれかを表示するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、カウント表示が再表示される都度、前回のカウント表示が表示されたときのカウント値よりも大きいカウント値を持たせたカウント表示を出現させることとしたが、前回のカウント表示が表示されたときのカウント値よりも必ずしも大きいカウント値を持たせたカウント表示を再表示するようにしなくてもよい。すなわち、カウント表示が所定値に達してタイマ対象演出が実行された場合であっても、その後に所定の演出画像が現れるとカウント表示が再表示されるようにするだけでも、遊技興趣の向上を図ることは期待できる。ただし、前回のカウント表示が表示されたときのカウント値よりも小さいカウント値を持たせたカウント表示を再表示するにもかかわらず、前回のカウント表示よりもタイマ対象演出として期待度の高い演出が出現する割合(100%であってもよい)が高くなるようにすれば、カウント表示が表示されてからタイマ対象演出が出現するまでのスピード感が高まることと相まって、遊技興趣のさらなる向上を図ることができるようになる。そして、このような小さいカウント値を持たせたカウント表示での再表示を繰り返し実行するようにした場合は、カウント表示が最初に表示されたときからタイマ対象演出の出現タイミングが次第に短くなっていくようになることから、このような加速度的なタイマ演出によって遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
[タイマ停滞演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、まず、複数の演出態様(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作など)のいずれかをカウント対象にしており、図柄演出が行われる期間内においてカウント表示を実行し、該カウント表示が所定値になると上記複数の演出態様のうちカウント対象にしている演出態様を出現させることとしている。この点、この実施の形態にかかるタイマ演出では、カウント表示を開始させてからこれが所定値になるまでの間に該カウント表示を非表示にすることを可能とした上で、該カウント表示は、第1の時間にわたって非表示にされる場合と、該第1の時間よりも長い第2の時間にわたって非表示にされる場合とがあるようにした(タイマ停滞演出)。
すなわちこの場合、カウント表示が所定値になるとカウント対象として複数の演出態様のいずれかが出現するようになっているなかで、該所定値になるまでの間にカウント表示が第1の時間またはこれよりも長い第2の時間にわたって非表示にされる場合があることから、複数の演出態様のいずれかが発生するまでの残り時間を把握困難にしてカウント対象の演出が実行されるまでの緊張感を持続させることができるようになる。
図265(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、「タイマなし キャラリーチ」に相当する変動番号7,8(図219参照)が選択されているときに行われるタイマ停滞演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図265(a)に示す例では、説明の便宜上、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別(役物A動作2だけでなく複数あってもよい)が選択された場合(図232を参照)にタイマ停滞演出に関する下記処理を実行するようになっている。ただし、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときにタイマ停滞演出に関する下記処理を行うのではなく、いずれのタイマ種別が決定された場合であってもタイマ停滞演出に関する下記処理を実行するようにしてもよい。
図265(a)に示されるように、いま、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として「役物A動作2」のタイマ種別が選択されたとすると、周辺制御MPU1511aでは、次の処理として、該選択した「役物A動作2」を、復活タイマ演出の態様を含めた複数の演出態様(「役物A動作2−1」,「役物A動作2−2」のいずれで実行するかについての判定処理を行う。なお、該判定処理は、大当り判定の結果や所定の抽選の結果に基づいて行われるようにすることが望ましい。
図265(a)に示す例のうち、「役物A動作2−1」の態様では、図柄変動の開始から所定時間後に「30」のカウント値をもったカウント表示が開始された後、30秒が経過したときに所定値(ここでは「0」)に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「役物A動作(役物A予告)」が実行される。
これに対し、「役物A動作2−2」の態様では、図柄変動の開始から所定時間後に「10」のカウント値をもったカウント表示が開始された後、5秒が経過してそのカウント値が「5」になるとこれが非表示にされ、該非表示の状態が6秒間にわたって維持されると「4」のカウント値をもって当該カウント表示を再表示させる。そしてこの後、2秒が経過してそのカウント値が「2」になるとこれが再び非表示にされ、該非表示の状態が16秒間にわたって維持されると「1」のカウント値をもって当該カウント表示を再表示し、その1秒後に「0」に達した後に、カウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「役物A動作(役物A予告)」が実行されるようになっている。
このような「役物A動作2−2」の態様によれば、図265(a)に示されるように、図柄変動の開始から所定時間後に「10」のカウント値をもったカウント表示が開始される態様であるにもかかわらず、「30」のカウント値をもったカウント表示が開始される場合と同様、そのカウント表示が開始されてから30秒が経過したときに所定値(ここでは「0」)に達してタイマ対象の演出が実行されるようになる。すなわちこの場合、比較的小さいカウント値をもったカウント表示が現れたとしても、該カウント表示が消化されるなかでこれを所定時間にわたって非表示にさせる演出(タイマ停滞演出)が発生すれば、カウントの進行速度がその時間分だけ停滞されるようになり、比較的大きいカウント値をもったカウント表示が現れた場合と同様の時間を要したタイマ演出として実行されることが期待されるようになる。そして上述の通り、タイマ演出では、これに要する時間が長いほど期待度の高いタイマ対象の演出態様が現れる割合が高くなる傾向が持たされているが、カウント消化が行われるなかでこのようなタイマ停滞演出を発生させうるようにしたことで、比較的小さいカウント値をもったカウント表示が現れたときの遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。また、カウント表示が非表示にされる時間を加えることによってタイマ演出全体としての時間を引き伸ばすようにしたことから、カウント表示が実行される間における遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
また、「役物A動作2−2」の態様では、図265(a)に示されるように、カウント表示が所定値(ここでは「0」)になるまでの間に第1の時間(6秒間)にわたってカウント表示を非表示にする期間(カウント値「5」→「4」の間の期間)と、該第1の時間よりも長い第2の時間(16秒間)にわたってカウント表示を非表示にする期間(カウント値「2」→「1」の間の期間)とを出現可能としているが、それら時間(第1の時間、第2の時間)の長短にかかわらず、カウント表示が「非表示状態」から「表示状態」に戻るときには最小単位である特定数(ここでは「1」)分しかカウント値が進展(変化)しないようにしている。すなわちこの場合、カウント表示が「非表示状態」で維持される時間が長くなれば長くなるほどカウントの進行速度がその時間分だけ停滞されることとなり、ひいては期待度の高い演出態様が現れる割合が高くなることが期待されるようになることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、「役物A動作2−2」の態様では、タイマ演出におけるカウント値が進展するにつれて、カウント表示が非表示にされたときにこれが「非表示状態」で維持される時間が長くなるように設定することとしている。すなわちこの場合、比較的小さいカウント値をもったカウント表示が実行されているなかでそのカウント消化が終わりそうな状況(あと少しで所定値に達する状況)になった場合であっても、この時点でタイマ停滞演出が出現すれば当該タイマ演出に要する時間が大幅に上増しされて期待度が大幅向上するようになることから、カウント表示が所定値に達するまでの期間にわたって遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、「役物A動作2−2」の態様では、カウント表示が非表示にされた後、該カウント表示を再表示して所定値に達した後にタイマ対象演出を実行するようにした。ただし、カウント表示が非表示にされた後、該カウント表示を必ずしも再表示しないようにして、タイマ対象演出を実行せずにこの時点でタイマ演出が中途終了される演出パターンも出現しうるようにしてもよい。この演出パターンが現れたときには、所定値に達してタイマ対象演出が実行される場合に比べて大当り図柄で図柄変動が停止される割合は低くなるが、こうした演出パターンを用意することで、タイマ演出これ自体の発生頻度を高くすることはできるようになる。しかも、カウント表示が非表示にされた以降(タイマ演出が中途終了された以降)、該カウント表示が再表示されるのを待っているなかで、大当り図柄で図柄変動が停止される場合も生じうるようになることから、このようなサプライズ性のある演出が実現されることで、遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
また、「役物A動作2−2」の態様では、カウント表示が表示されている総時間(10秒間)よりも、カウント表示が非表示にされている総時間(22秒間)のほうが長くなるようになっており、これによってカウント表示が実行されている間における遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
図265(b)は、カウント表示が再表示されるまでの時間(非表示状態が維持される時間)と、カウント表示が再表示されないリスク度合いとの関係について、その一例を、カウント表示が非表示にされるときのカウント値の別に示す表H1である。すなわち、周辺制御MPU1511aでは、表H1に示される関係が現れるように、大当り判定の結果や変動パターンの種別などに基づいて、タイマ停滞演出の態様を含めたタイマ演出の種別やその実行態様にかかる処理を行うようにすることが望ましい。
このような表H1に示される態様によれば、カウント値が進展するにつれて(所定値に近づくにつれて)非表示にされたときの維持時間が長くなる傾向が持たされるのに対し、非表示にされたままカウント表示が再表示されることなく当該タイマ演出が終了されてしまうリスクも次第に高くなる傾向が持たされるようになっている。すなわちこの場合、カウント値があまり進展していない段階で非表示にされるとタイマ演出としての総時間は僅かではあるが終了リスクの少ないなかで手堅く延ばすことができるのに対し、カウント値が大きく進展した段階で非表示にされると終了リスクも大きいがタイマ演出としての総時間を大きく延ばすことができるようになることから、カウント値が進展するにつれてタイマ停滞演出としての演出性を徐々に変化させていくことができるようになり、これによってカウント表示が実行される間における遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
なお、表H1では、各カウント値に対して一の非表示時間を対応させることとしたが、各カウント値に対して複数の非表示時間を対応させ、それら非表示時間のいずれかでタイマ停滞演出を発生させるようにしてもよい。
また、カウント表示が実行されている間のいずれのタイミング(カウント値)で該カウント表示を非表示状態にするかや、非表示にする回数については、大当り判定の結果や変動パターンの種別などに基づいて図柄変動の開始に際して決定するようにすることが望ましい。
また、このようなタイマ停滞演出では、カウント表示が非表示にされる間にこれに対応する演出を行うようにしてもよい。例えば、カウント値「6」で6秒間にわたって非表示にされる場合には、カウント値「6」に対応する非表示用演出を6秒間にわたって行うとともに、カウント値「2」で16秒間にわたって非表示にされる場合には、カウント値「2」に対応する非表示用演出(カウント値「6」に対応する非表示用演出とは演出態様が異なる演出)を16秒間にわたって行うようにすれば、カウント表示が非表示状態にあるときの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。またこの際、非表示用演出においてカウント表示が再表示されるか否かの演出を出現させ、その演出結果に応じてカウント表示が再表示されたり、タイマ演出が終了されるようにしてもよい。
より好ましくは、カウント表示が開始されてからこれが所定値に達するまでの期間のうち、カウント表示が表示状態にあるときには大当り期待度を示唆する演出(タイマ演出とは別の演出)が何ら新たに開始されないようにしておき、カウント表示が非表示状態にあるときには大当り期待度を示唆する演出(タイマ演出とは別の演出)が新たに開始されうるようにすれば、残りカウントを気にすることなくタイマ演出とは別の演出を楽しむことができるようになる。また、タイマ停滞演出が発生したことこれ自体による期待度アップに加えて、タイマ演出とは別の演出が行われることによる期待度アップを楽しむことができるようになり、タイマ停滞演出に対する期待感をより一層高くすることができるようになる。
そして、カウント表示が非表示状態にあるときに出現する別の演出には、当該タイマ演出とは別の新たなタイマ演出が含まれるようにしてもよい。ただしこの場合、非表示状態になっているカウントの進展速度よりも高速でカウントを進展させ、非表示状態になっているカウント表示が再表示されるタイミングが到来するよりも前に、新たなタイマ演出のカウント表示が所定値に達してその対象演出を出現させるようにすることが望ましい。なお、新たなタイマ演出の対象演出として、非表示状態になっているカウント表示を再表示させる演出を行うようにしてもよい。
[タイマ対象演出へと繋がる進展演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、まず、図柄演出が行われる期間内において所定値までのカウント表示を実行し、該カウント表示に対応する演出の候補として用意されている複数の演出態様の少なくとも1つをタイマ対象の演出として出現させるタイマ演出を実行可能としている。この点、本願にかかるタイマ演出では、上記タイマ対象の演出(例えば、会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作など)を含めた一連のタイマ対応演出を、カウント表示が所定値になる前から開始させ、カウント表示が所定値になった後に終了可能としている(タイマ対象演出へと繋がる進展演出)。
すなわちこの場合、カウント表示が所定値になるよりも前からタイマ演出に対応する一連のタイマ対応演出が実行されるようになることから、カウント表示が所定値になるまでの間における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
図266は、タイマ対象演出へと繋がる進展演出について、その具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
同図266に示されるように、いま、図柄の変動期間内において特定のタイマ種別でタイマ演出が実行されており、カウント表示のカウント値が第1特定値(ここでは、カウント「6」)まで進展したとすると、周辺制御MPU1511aでは、まず、カウント表示のカウント値が所定値(ここでは、カウント「0」)になった後に現れるタイマ対象演出の演出内容へと繋がる進展演出(一連のタイマ対応演出)を開始させる。
ここで、この説明例では、同図266に示されるように、カウント表示のカウント値が所定値(ここでは、カウント「0」)になった後に現れるタイマ対象演出として、味方キャラクタによるカットインが行われる表示画像SEG3−1が表示されるようになっている。この点、この説明例にかかるタイマ演出では、カウント表示のカウント値が所定値(ここでは、カウント「0」)になるよりも前の、カウント消化中の期間において、味方キャラクタによるカットインが行われる状況へと至った経緯を演出画像として表示するようにしている(タイマ対象演出の演出内容へと繋がる進展演出)。
例えば、この説明例では、カウント表示のカウント値が所定値(ここでは、カウント「0」)になるよりも前の、カウント表示のカウント値が第1特定値(ここでは、カウント「6」)になったときはこれに対応する演出として、味方キャラクタに対して助けを求める人物を描写する表示画像SEG1が表示される。
次いで、カウント表示のカウント値が所定値(ここでは、カウント「0」)になるよりも前の、カウント表示のカウント値が第2特定値(ここでは、カウント「3」)になったときはこれに対応する演出として、助けを求める人物からの依頼を受諾して味方キャラクタが敵キャラクタと対峙する様子を描写する表示画像SEG2が表示される。
すなわち、カウント表示が所定値に向けて進展されるなかでこのような表示画像SEG1,SEG2を順次出現させることで、カウント表示がさらに進展して所定値に達すると味方キャラクタによるカットイン(ここでは、敵キャラクタを倒すべく味方キャラクタがオーラを纏う演出)が行われる表示画像SEG3−1が表示されることを期待することができるようになり、これによってカウント表示が実行されている間における遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
ただし、図266に示される説明例では、第2特定値(ここでは、カウント「3」)に対応する表示画像SEG2が現れたとしても、カウント表示が所定値になったときに味方キャラクタによるカットインが行われる表示画像SEG3−1ではなく、味方キャラクタが敵前逃亡する様子を描写した表示画像SEG3−2が表示される演出パターンも用意されている。このような構成によれば、カウント表示が所定値に達するよりも前の期間でタイマ演出の対象としていずれの演出が出現するのかの目星を付けることを可能としつつも、カウント表示が所定値に達したときに現れる演出態様を特定するまでには至らなくなることから、カウント表示が所定値になった以降の遊技興趣についてもこれを好適に維持することができるようになる。なお、表示画像SEG3−2については必ずしも用意しなくてもよく、カウント表示が所定値に達すれば表示画像SEG3−1が必ず現れるようにしてもよい。
この点、この説明例では、第1特定値(ここでは、カウント「6」)に対応する表示画像SEG1が現れた後や、第2特定値(ここでは、カウント「3」)に対応する表示画像SEG2が現れた後に、カウント表示がそれ以上進展せず所定値に達するよりも前に中途終了される演出パターンを用意することとしている。このような構成によれば、所定値に達するよりも前に現れるこうした演出進展が行われるなかで、タイマ対象演出が現れることなく当該タイマ演出が中途終了してしまうリスクを抱えながらカウント表示の進展を楽しむことができるようになる。なお、タイマ演出が中途終了される演出パターンについては必ずしも用意しなくてもよく、カウント表示が所定値に必ず達してタイマ対象の演出が現れるようにしてもよい。
また、図266に示される説明例にあって、第1特定値(ここでは、カウント「6」)に対応する表示画像SEG1は、味方キャラクタによるカットインが行われる表示画像SEG3−1のほか、図示は割愛するが、タイマ対象演出として用意されている異なる表示画像(例えば、異なるキャラクタによるカットイン)にも繋がる演出画像として表示されるようになっている。例えば、後述の図275(C)〜(F),図276(G)〜(I)に示される例では、図275(D)に示される3人の味方キャラクタのいずれかが、助けを求める人物からの依頼を受諾するようになっており、その受諾した味方キャラクタが敵キャラクタと対峙してカットイン演出を行う流れとなっている。
したがって、図266に示される説明例にあって、第1特定値(ここでは、カウント「6」)に対応する表示画像SEG1が表示された後には、第2特定値(ここでは、カウント「3」)に対応する表示画像として、表示画像SEG2ではなくこれとは別の表示画像が表示されることがあり、該別の表示画像が表示された場合は、所定値に達したときに表示画像SEG3−1とは別の表示画像(例えば、異なるキャラクタによるカットイン)へと繋がるように演出進展がなされることとなる。なお、表示画像SEG1は、味方キャラクタによるカットインが行われる表示画像SEG3−1へと必ず繋がる演出として実行されるようにしてもよい。
なお、カウント表示が実行されている間にいずれの経路で演出進展させるかについては、図柄変動に際して、大当り判定の結果や変動パターンの種別などに基づいて決定するようにすることが望ましい。タイマ対象の演出が実行されない演出パターンが出現した場合は、所定値に達してタイマ対象演出が実行される場合に比べて大当り図柄で図柄変動が停止される割合は低くなるが、こうした演出パターンを用意することで、タイマ演出これ自体の発生頻度を高くすることはできるようになる。
また、第1特定値(ここでは、カウント「6」)に対応する表示画像SEG1が現れた後、カウント表示が第2特定値(ここでは、カウント「3」)になるまでの間は、カウント表示が非表示にされるようにしてもよい。例えば、図266に示される説明例にあって、カウント「6」が表示されると、該カウント「6」に対応する表示画像SEG1を、カウント「5」〜「4」が消化される時間分にわたって表示するとともに、該表示画像SEG1が表示される間はカウント表示を非表示にする。そしてこの後、カウント数が「3」になるタイミングに合わせてカウント表示を表示するとともに、該カウント「3」に対応する表示画像SEG2を、カウント「2」〜「1」が消化される時間分にわたって表示し、該表示画像SEG2が表示される間はカウント表示を非表示にする。そしてこの後、カウント数が「0」になるタイミングに合わせてカウント表示を表示するとともに、該カウント「0」に対応する表示画像SEG3−1(タイマ対象演出)を実行するようにすれば、所定値に向けたカウント消化を気にせずにカウント数に対応する演出進展を楽しむことができるようになる。
なお、表示画像SEG1,表示画像SEG2,表示画像SEG3−1などについては、静止画像として表示するようにしてもよいし、所定時間を要した動画として表示するようにしてもよい。静止画像として表示する場合は、特定カウント値(第1特定値や第2特定値)に対応する所定時間内に複数の静止画像を順次表示するようにしてもよい。
また、第1特定値に対応する表示画像SEG1が表示される時間や、第2特定値に対応する表示画像SEG2が表示される時間や、所定値に対応する表示画像SEG3−1が表示される時間については、それらが互いに異なる時間として設定されるようにすることが望ましい。
また、この実施の形態では、タイマ対象演出へと繋がる進展演出として、複数種類のタイマ対象演出のいずれかへと繋がる複数種類の進展演出を用意することとしたが、特定のタイマ対象演出が現れるときに限り、カウント表示が所定値になるよりも前から該特定のタイマ対象演出へと繋がる進展演出を実行可能とするようにしてもよい。
また、図266に示される説明例では、カウント数が「6」のときからタイマ対象演出へと繋がる進展演出を実行することとしたが、これに限られない。例えば、残りカウントが相対的に少ない第1の特定カウント数(例えば、「3」)のときと、残りカウントが相対的に多い第2の特定カウント数(例えば、「6」)のときとでタイマ対象演出へと繋がる進展演出を実行可能としておき、残りカウントが相対的に多い第2の特定カウント数(例えば、「6」)のときにタイマ対象演出へと繋がる進展演出が実行されると大当り期待度が相対的に高くなるようにすれば、大当り期待度が高くなるかのように継続されるカウント数が多いなかで演出がより多く進展されるようになることから遊技興趣をより好適に維持することができるようになる。
[タイマ内操作演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、まず、図柄演出が行われる期間内において所定値までのカウント表示を実行し、該カウント表示の対象とされるカウント対象演出を実行可能である。この点、本願にかかるタイマ演出では、カウント表示の実行中に操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作を演出受付可能な期間を設定可能であり、該期間内において操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作が行われると、カウント表示が所定値になったときにカウント対象演出として期待度の高い演出態様(例えば、カットインB)が出現する割合が異なる複数の操作時演出態様のいずれかを発生させる。また、演出受付可能な期間として、カウント表示が第1カウント値のときから第2カウント値のときまでの第1期間と、カウント表示が上記第2カウント値よりも後にカウントされる第3カウント値のときから第4カウント値のときまでの第2期間とが少なくとも設定可能な期間として用意している。そしてこの上で、カウント対象演出として期待度の高い演出態様(例えば、カットインB)が出現することが決定されている図柄演出期間中のうち、カウント表示が第1カウント値のときから第2カウント値のときまでの上記第1期間にあるときに上記操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作が行われてこれが演出受付された場合と、カウント表示が第3カウント値のときから第4カウント値のときまでの上記第2期間にあるときに上記操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作が行われてこれが演出受付された場合とで、それら演出受付の結果として特定の操作時演出態様(例えば、期待度の高い特定演出がタイマ対象演出として出現する割合が高いことを示唆する態様)が発生する割合が異なるようにしている(タイマ内操作演出)。
すなわちこの場合、カウント対応演出として期待度の高い演出(例えば、カットインB)が出現することが決定されていたとしても、カウント表示が第1カウント値のときから第2カウント値のときまでに操作手段(例えば、操作ボタン410)を操作した場合と、カウント表示が第3カウント値のときから第4カウント値のときまでに操作手段(例えば、操作ボタン410)を操作した場合とで、特定の操作時演出態様の発生し易さが異なることから、カウント表示が第1カウント値のときから第2カウント値のときまでに操作手段(例えば、操作ボタン410)を操作するべきか、カウント表示が第3カウント値のときから第4カウント値のときまでに操作手段(例えば、操作ボタン410)を操作するべきか、若しくはそれらの両方で操作手段(例えば、操作ボタン410)を操作するべきかといった遊技戦略に面白みを持たせることができるようになる。
例えば、特定の操作時演出態様が発生し易い期間内で操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作を行った場合は、特定の操作時演出態様が出現しないという演出リスクを抑えることはできるが、該特定の操作時演出態様が発生し易くなっている分だけこれが現れたとしてもカウント対象演出として期待度の高い演出(例えば、カットインB)が出現することへの期待感を持ち難い。これに対し、特定の操作時演出態様が発生し難い期間内で操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作を行った場合は、特定の操作時演出態様が出現しないという演出リスクは高くなるものの、該特定の操作時演出態様が発生し難くなっている分だけこれが現れたときにはカウント対応演出として期待度の高い演出(例えば、カットインB)が出現することへの期待感を持ち易くなる。
そして、こうした性格の異なる2つの期間(第1カウント値のときから第2カウント値のときまでと、第3カウント値のときから第4カウント値のときまで)がカウント表示が所定値になるまでの間に現れうることとなることから、これら2つの期間に対して操作手段(例えば、カットインB)をどのように操作するかについての面白みを持たせてカウント消化中における遊技興趣を維持することが期待されるようになる。
図267(a)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、特定の変動番号(タイマなし SPリーチ)が選択されているときに行われるタイマ内操作演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
なお、図267(a)に示す例では、説明の便宜上、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が選択された場合(図233を参照)にタイマ内操作演出に関する下記処理を実行するようになっている。ただし、タイマ内操作演出が「タイマ対象演出として特定演出が現れる期待度を示唆する演出」として機能するものであることに鑑みれば、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として特定のタイマ種別が決定されたときにタイマ内操作演出に関する下記処理を行うのではなく、タイマ対象演出としてカットインBではなく、他の演出態様が現れるタイマ種別が決定された場合にもタイマ内操作演出に関する下記処理を実行する。なお、カットインBよりも期待度の低い演出がタイマ対象演出として現れるタイマ種別が決定されている場合は、カットインBがタイマ対象演出として現れるタイマ種別が決定されている場合に比べて、演出受付がなされたときに特定の操作時演出態様が発生する割合が低くされることとなる。
図267(a)に示されるように、いま、カウント表示抽選(ステップS5510)の結果として「カットインB2」のタイマ種別が選択されたとすると、周辺制御MPU1511aでは、次の処理として、該選択した「カットインB2」を、タイマ内操作演出の態様を含めた複数の演出態様(「カットインB2−11」,「カットインB2−12」)のいずれで実行するかについての判定処理を行う。なお、該判定処理は、大当り判定の結果や所定の抽選の結果に基づいて行われるようにすることが望ましい。
図267(a)に示す例のうち、「カットインB2−11」の態様では、図柄変動から所定時間の経過後に「40」のカウント値をもったカウント表示が表示された後、40秒が経過したときに所定値(ここでは「0」)に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB(カットB予告)」が実行される。
これに対し、「カットインB2−12」の態様も、図柄変動から所定時間の経過後に「40」のカウント値をもったカウント表示が表示された後、40秒が経過したときに所定値(ここでは「0」)に達してカウント表示が非表示にされているもとでタイマ対象になっている「カットインB(カットB予告)」が実行される。ただし、「カットインB2−12」の態様では、カウント表示のカウント値が「35(第1カウント値)」のときから「25(第2カウント値)」のときまでの第1期間と、同カウント値が「15(第3カウント値)」のときから「5(第4カウント値)」のときまでの第2期間とで、操作ボタン410)に対する操作があったときにタイマ内操作演出に関しての演出受付がなされるようになっており、該演出受付が許容される状態にあることを示唆する表示が現れるようになっている。なお、演出受付が許容される状態にあることを示唆する表示としては、特定の表示画像を表示する手法のほか、「35(第1カウント値)」のときから「25(第2カウント値)」のときまで、さらには「15(第3カウント値)」のときから「5(第4カウント値)」のときまでのカウント値の表示態様(大きさや形状、色など)を変化させることによっても実現可能である。
すなわち、「カットインB2−12」の態様では、第1期間(カウント値が「35」〜「25」)と、第2期間(カウント値が「15」〜「5」)とのいずれかの期間内において操作ボタン410に対する操作が行われると、タイマ内操作演出としての演出受付がなされることとなり、該演出受付に基づいて、カウント対象演出として期待度の高い特定演出が出現する割合が異なる複数の操作時演出態様のいずれかを発生させる。なお、複数の操作時演出態様については、例えば、所定のランプを青色、赤色(特定の操作時演出態様)のいずれかで点灯させる態様として採用することが可能であり、青色で点灯する態様が現れるとカウント対象演出として期待度の高い特定演出が出現する割合が最も低く、赤色(特定の操作時演出態様)で点灯する態様が現れるとカウント対象演出として期待度の高い特定演出が出現する割合が最も高くなるように設定することが可能である。
図267(b)は、第1期間にあるときに演出受付された場合と、第2期間にあるときに演出受付された場合とで操作時演出態様としていずれの演出態様を出現させるかを決定するときに参照されるテーブル(テーブルT16)についてその一例を示す図である。
上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、操作時演出態様として、所定のランプを青色、赤色(特定の操作時演出態様)のいずれかで点灯させる態様が用意されている。
この点、図267(b)に示されるテーブルT16では、タイマ対象演出として「カットインB」が現れる演出パターン(カットインB2−12)において、第1期間にあるときに演出受付されると「30/100」の割合で青色(低期待態様)を選択し、「70/100」の割合で赤色(高期待態様)を選択するようになっており、第2期間にあるときに演出受付されると「70/100」の割合で青色(低期待態様)を選択し、「30/100」の割合で赤色(高期待態様)を選択するようになっている。したがって、第1期間で操作ボタン410に対する操作を行った場合は、赤色(高期待態様)が出現しないという演出リスクを抑えることはできるが、該赤色(高期待態様)が発生し易くなっている分だけこれが現れたとしてもカウント対象演出として期待度の高い演出(例えば、カットインB)が出現することへの期待感を持ち難い。これに対し、第2期間で操作ボタン410に対する操作を行った場合は、赤色(高期待態様)が出現しないという演出リスクは高くなるものの、赤色(高期待態様)が発生し難くなっている分だけこれが現れたときにはカウント対象演出として期待度の高い演出(例えば、カットインB)が出現することへの期待感を持ち易くなる。
すなわち、図示は割愛するが、タイマ対象演出として「カットインB」よりも期待度の低い演出態様が現れる演出パターンにおいては、例えば、第1期間にあるときに演出受付されると「50/100」の割合で青色(低期待態様)を選択し、「50/100」の割合で赤色(高期待態様)を選択するようになっており、第2期間にあるときに演出受付されると「90/100」の割合で青色(低期待態様)を選択し、「10/100」の割合で赤色(高期待態様)を選択するようになっている。したがって、第2期間で赤色(高期待態様)が現れたときには、タイマ対象演出として「カットインB」が現れる演出パターン(カットインB2−12)が選択されている期待感を持つことができるようになる。
なお、この実施の形態では、特定のタイマ種別が決定されているときにその変動時間内で第1期間と第2期間との2つの期間を発生させることとしたが、大当り判定の結果や変動パターンの種別、またはタイマ種別などに基づいて第1期間と第2期間との少なくとも一方を発生させるようにしてもよい。例えば、第1期間しか発生しないようにしたときには、演出受付がなされたときに赤色(高期待態様)が出現しないリスクは抑えられるが、赤色(高期待態様)が出現したときの期待度もそれほど高くならないという単一条件のもとでのみ操作機会が付与されることとなり、第2期間しか発生しないようにしたときには、演出受付がなされたときに赤色(高期待態様)が出現しないリスクは高いが、赤色(高期待態様)が出現したときの期待度は高くなるという単一条件のもとでのみ操作機会が付与されることとなる。すなわちこの場合、遊技者の好みによっては、第1期間側で操作したい場合であっても第2期間側でしか操作機会が付与されなかったり、第2期間側で操作したい場合であっても第1期間側でしか操作機会が付与されなかったりするようになることから、カウントが消化されるなかで好みでない側での期間内で操作するか否かの葛藤を生じさせて、カウント表示が実行される間における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、第1期間や第2期間においては、演出受付が許容される状態にあることを示す表示を必ずしも行わないようにしてもよい。すなわちこの場合、第1期間と第2期間とのいずれで演出受付が許容されるのか、若しくは第1期間と第2期間とのいずれにおいても演出受付が許容されるのかを不明にした状態でカウント表示が進展されるようになることから、タイマ演出に対してより興味を持たせることができるようになり、カウント表示が実行される間における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
また、第1期間と第2期間とについては、それらの期間で演出受付が許容される時間長さを同じに設定することが望ましい。このような構成によれば、第1期間と第2期間とのいずれであっても同じ時間分だけ演出受付が許容されるようになることから、カウント値が特定数分(ここでは「10」)だけ進展する期間を「操作を行うのかのシンキングタイム」として提供することができるようになり、このような演出要素の付加を通じてカウント表示が実行される期間中における遊技興趣の維持を図ることできるようになる。
また、第1期間や第2期間においては、遊技者による操作を複数回にわたって演出受付することが可能であり、複数回の演出受付を通じて演出態様に変化(例えば、青色→緑色→赤色)が生じるほど、カウント対象演出として期待度の高い演出(例えば、カットインB)が出現する割合が高くなるようにしてもよい。ただしこの場合、複数回の演出受付がなされたとしても、第1期間と第2期間とでは、最終的に現れる演出態様の出現し易さは互いに異なるように設定することとなる。
[タイマ隠匿演出]
上述の通り、周辺制御MPU1511aでは、まず、図柄演出が行われる期間内において所定値までのカウント表示を実行し、該カウント表示に対応したタイマ対象演出を実行可能としている。この点、本願発明では、カウント表示の実行中、該カウント表示の前方側で装飾体によるカウント前方演出が実行されうるようにしている。
すなわちこの場合、カウント表示が所定値になるとカウント対象演出が実行される状況にあるなかで、カウント表示が所定値になるまでの間に該カウント表示を視認し難くするかたちでの装飾体によるカウント前方演出が行われるようになることから、カウント表示によるカウント値が飛び飛びでしか把握できなくなるなど、カウント対象演出が実行されるまでの残り時間を少しの間(装飾体によるカウント前方演出中)だけ把握し難くさせてカウント表示に対する興味を増大させることができるようになる。
また、カウント表示を視認し難くする代わりに、装飾体によるカウント前方演出を通じて大当り図柄が現れることに対する期待感を高くするようにしたことから、カウント表示を視認し難くしたことによる遊技興趣の低下についてはこれを抑制することが期待されるようになる。
図268(a)〜(c)は、シングルタイマの態様であり(ステップS5506におけるYES)、且つミッション演出(会話予告を出現させろ)を実行しない旨の決定(ステップS5507におけるNO)がなされている第2の処理状況において、特定の変動番号が選択されているときに行われるタイマ隠匿演出の具体的内容を説明するためのタイムチャートである。
図268(a)に示されるタイマ演出例では、まず、図柄変動が開始されてから所定のタイミング(例えば、5秒)が経過したタイミングで「30」のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっているタイマ対象演出が現れるようになっている。ただし、同図268(a)に示される演出パターンでは、カウント表示の実行中における所定タイミングで該カウント表示の前方側で装飾体によるカウント前方演出が実行されうるようにしている。
ここで、このような装飾体によるカウント前方演出としては、例えば、後述の図277(B),(C)の例では、カウント表示の前方にまで演出用の可動体KTを移動させて所定時間にわたってこれを位置させるカウント数侵食演出などとして実現可能である。装飾体については、必ずしも可動体として設けられるものでなくてもよく、演出時には非演出時よりもカウント表示を相対的に視認し難くするものであればよい。
図268(a)に示される演出例では、装飾体によるカウント前方演出は、カウント値が「10」になるまで演出状態(カウント表示が視認し難くされる状態)として実行されるようになっており、該演出状態では、装飾体による動作態様または発光態様などによってタイマ対象演出として期待度の高い特定演出の出現し易さを示唆するようにしている。
そして、図268(a)に示される演出例では、装飾体によるカウント前方演出が終了されると、カウント表示が視認し易い状態のもとでカウント値が「10」から「0」になるまで進展することとなり、その後、タイマ対象演出として複数の演出態様のいずれかが現れるようになっている。
これに対し、図268(b)に示されるタイマ演出例も、まず、図柄変動が開始されてから所定のタイミング(例えば、5秒)が経過したタイミングで「30」のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっているタイマ対象演出が現れるようになっている。また、カウント表示の実行中に該カウント表示の前方側で装飾体によるカウント前方演出が実行される点も、図268(a)に示されるタイマ演出例の場合と同様である。
ただし、図268(b)に示されるタイマ演出例にあって、装飾体によるカウント前方演出は、比較的短い時間で終了されるようになっており、装飾体によるカウント前方演出が終了されると、カウント表示が視認し易い状態のもとでカウント値が「15」から「0」になるまで進展し、その後、タイマ対象演出として複数の演出態様のいずれかが現れるようになっている。
一方、図268(c)に示されるタイマ演出例では、まず、図柄変動が開始されてから所定のタイミング(例えば、5秒)が経過したタイミングで「25」のカウント数をもったカウント表示が開始され、該カウント表示が「0」になった後にタイマ対象となっているタイマ対象演出が現れるようになっている。カウント表示の実行中に該カウント表示の前方側で装飾体によるカウント前方演出が実行される点については、図268(a),(b)に示されるタイマ演出例の場合と同様である。
ただし、図268(c)に示されるタイマ演出例にあって、装飾体によるカウント前方演出は比較的早い段階で発生・終了するようになっており、装飾体によるカウント前方演出が終了されると、カウント表示が視認し易い状態のもとでカウント値が「20」から「0」になるまで進展し、その後、タイマ対象演出として複数の演出態様のいずれかが現れるようになっている。
ところで、タイマ演出では、カウント表示が開始されるときのカウント値が大きいほど、タイマ対象演出として期待度の高い演出対象が出現される割合が高くなっていることは上述した通りである。この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、装飾体によるカウント前方演出が発生すると、カウント表示が開始されるときのカウント値を基準とするのではなく、カウント前方演出が終了して視認し易くされたときのカウント値が大きいほど、タイマ対象演出として期待度の高い演出対象が出現される割合が高くなる関係が現れるように設定することとしている。該割合については100%を含むようにしてもよい。
例えば、上述の図268(a),(b)の演出例では、いずれの演出パターンにおいてもカウント表示が開始されるときのカウント値は「30」で一致しているが、図268(a)の演出例ではカウント前方演出が終了して視認し易くされるときのカウント値が「10」であるのに対し、図268(b)の演出例ではカウント前方演出が終了して視認し易くされるときのカウント値が「15」になっていることから、図268(b)の演出例のほうがタイマ対象演出として期待度の高い演出が出現する割合が高くなっている。
このような構成によれば、カウント表示の実行中にカウント前方演出が発生すると、カウント開始時に現れていたカウント数の大きさとしての演出価値が毀損され、カウント前方演出が終了するときのカウント数の大きさが再注目されるようになることから、カウント表示の実行中における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
例えば、上述の図268(c)の演出例では、カウント開始時には比較的小さいカウント値である「25」が表示されるが、カウント前方演出が終了するときには該演出の終了時としては比較的大きいカウント値である「20」が表示されるようになっており、図268(a),(b)の演出例に比べて、タイマ対象演出として期待度の高い演出が出現する割合が高くされている。
すなわちこの場合、カウント前方演出が発生すれば、カウント開始時に比較的大きいカウント値が表示された場合よりもタイマ対象演出として期待度の高い演出が現れる割合が高くなる可能性が生じるようになることから、カウント開始時に比較的小さいカウント値が表示されたときの遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
ただし、カウント開始時に比較的大きいカウント値が表示された場合は、カウント開始時に比較的小さいカウント値が表示された場合に比べて、その後にカウント前方演出が発生するとその終了時にも比較的大きいカウント値が現れる割合が高くなるように設定することが望ましい。
また、上述の図268(a)〜(b)の演出例では、カウント表示が開始されてからカウント前方演出が発生するまでの時間として複数の時間が用意されていることから、カウント表示が実行されている長い期間にわたってカウント前方演出が発生するかもしれない可能性を意識付けさせて遊技興趣を維持することができるようになる。
また、上述の図268(a)〜(b)の演出例では、カウント前方演出が開始されてから終了されるまでの時間として複数の時間が用意されていることから、カウント前方演出が開始された時点で終了時のカウント値を予測し難くなり、カウント前方演出が終了されるまでの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
なお、カウント前方演出については、カウント表示の実行中のほか、カウント表示が実行されるよりも前の期間、例えば、出現するとタイマ演出が出現する割合が高くなるタイマ先読み演出の実行中に現れるようにしてもよい。ただし、カウント表示の実行中にカウント前方演出を出現させることでカウント進展を視認し難くして演出としての面白みを狙うようにした本願にかかる構成に鑑みれば、カウント表示が開始される前よりも、カウント表示がカウントされた後の方が高い割合でカウント前方演出が実行されるようにすることが望ましい。また、一の図柄変動内の期間においてタイマ先読み演出が実行されているなかでカウント前方演出が実行された場合、該カウント前方演出が終了するときにカウント表示が未だ開始されておらずタイマ先読み演出が実行されている状態にあるときは、カウント前方演出が終了するときにカウント表示が実行されている状態にあるときに比べて、タイマ対象演出として期待度の高い演出が出現する割合が高くなるように設定することが望ましい。
また、タイマ先読み演出が実行されている状態でカウント前方演出を実行するとした場合、タイマ先読み演出とカウント表示とについてはそれらの表示箇所を異なる位置にて表示するようにした上で、タイマ先読み演出の実行中には該タイマ先読み演出の表示位置の前方側で装飾体によるカウント前方演出を実行し、カウント表示の実行中には該タイマ先読み演出の表示位置の前方側で装飾体によるカウント前方演出を実行するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、装飾体は、例えば、タイマ先読み演出の実行中であるか、カウント表示の実行中であるかに応じて異なる位置まで移動することとなるが、タイマ先読み演出の前方側で装飾体が位置している状況にあるときにタイマ先読み演出が終了すると、これまで視認し難くされていたタイマ先読み演出とは異なる位置でカウント表示が開始されるようになる。このような構成によれば、タイマ先読み演出が実行されている状態でカウント前方演出が発生した場合は、カウント前方演出が未だ実行中の状態にありこれが終了されていない段階でカウント表示が開始されたとしても、カウント表示のカウント値をその開始時から視認し易い状態にすることができるようになることから、カウント開始時におけるカウント数の大きさとしての演出価値が毀損されてしまう可能性が排除されているもとでカウント前方演出を楽しむことができるようになる。
また、カウント前方演出については、カウント表示が開始されてからあまり時間の経過していない比較的早い段階よりも、カウント表示が開始されてからある程度の時間が経過した比較的遅い段階にあるときのほうがカウント前方演出が実行される割合が高くなるようにすることが望ましい。
また、タイマ対象演出が実行されるまでの残りカウント(残り時間)が比較的少ない状況でカウント前方演出が実行されると、これが終了されるときに現れるカウント値の大きさに期待が持てないことに加えて、タイマ対象演出と混同しかねない懸念が生じることから、残りカウント数が所定数未満の状況になるよりも前にカウント前方演出を終了させるとともに、残りカウント数が所定数未満の状況においてはカウント前方演出が新たに実行されないようにすることが望ましい。
また、カウント前方演出については、複数のカウント表示が実行されているときにそれらのカウント表示に跨ってその前方側に装飾体が位置されるかたちで行うようにしてもよい。
なお、タイマ演出のうち、特定カウント値になったときに所定の演出画像(例えば、タイマ対象除外演出、タイマモード演出など)や所定の演出可動体(タイマ対象先出し演出)を出現させる種別のタイマ演出が実行される場合は、装飾体によるカウント前方演出の実行中であっても、それらの関連演出によって現在のカウント値を実質的に露にすることが可能であり、これによってカウント表示が視認し難くされてからどの程度のカウント進展がなされているかを予測することができるようになる。ただしこれに代えて、カウント値の前方側でのみ装飾体によるカウント前方演出を行うのではなく、特定カウント値になったときに所定の演出画像(例えば、タイマ対象除外演出、タイマモード演出など)や所定の演出可動体(タイマ対象先出し演出)を出現させる位置にまで跨ってその前方側に装飾体が位置されるかたちでカウント前方演出を行うようにして、カウント表示が視認し難くされてからどの程度のカウント進展がなされているかを予測し難くするようにしてもよい。
カウント表示の前方側で演出を行う装飾体については、1つに限らず、複数の装飾体がいずれもカウント表示の前方側にて位置するようにカウント前方演出を行うようにしてもよい。この場合、複数の装飾体がいずれもカウント表示の前方側にて位置する態様のほか、複数の装飾体のいずれかのみがカウント表示の前方側にて位置する態様など、複数の態様のいずれかでカウント前方演出が選択的に実行されるようにしてもよい。
以下、図269〜図278を参照して上述のタイマ演出これ自体の各種態様や、該タイマ演出に関連して行われる各種演出についてその演出内容を詳述する。ここで、上述の各演出にかかる処理例とは、あくまでも一例に過ぎず、例えば、演出の内容として上記した種別以外の演出を実行するようにしてもよいし、各演出の出現タイミングや出現条件なども同じ技術思想の範囲内であれば適宜に変更するようにしてもよい。したがって、以下に説明する演出例では、上述の各演出にかかる演出内容とは辻褄が合わないものも含まれうるが、同じ技術思想の範囲内であり且つ当業者であれば実施可能な範囲内で処理内容を適宜に変更しただけであるから問題はない。また、以下の「タイマ演出」とは、基本的には、予告側タイマ演出または変動側タイマ演出でカウント表示が実行されることを意味するものであるが、該カウント表示中の演出のほか、タイマ先読み演出を包含する意味を持つ場合もある。また、「カウント表示」の態様としても、以下では「秒数」をカウントすることとしているがこれに限られない。
図269(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示(例えば、SPリーチ)が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。なお、図269及び図270においては説明の便宜上、割愛されていた演出用の特定装飾部材SDYが図中にて記されている。なお、特定装飾部材SDYは、例えば、「裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500などの可動部材」などに相当するものである
図269(B)は、図269(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、タイマ演出が「70」のカウント数をもって表示されて、そのカウント表示(ここでは、カウントダウン)が開始される演出状況を示している。
ここで、図269(B)に示される演出状況においては、タイマ演出(カウント数)が表示されるのに合わせて、該タイマ演出のカウント表示が所定値になったときに該タイマ演出の対象として出現しうる演出種別の候補が表示されており、カウント表示が実行されるなかでそれら候補のいずれがタイマ対象の演出として出現するかを不明としつつも、それら候補のいずれかがタイマ対象の演出として出現することを認識可能としている。なお、図中における「会話」が会話予告に相当しており、図中における「保留」が保留変化に相当しており、図中における「カットA」がカットインAに相当しており、図中における「役A」が役物A動作に相当しており、図中における「マル秘」が特別タイマに相当しており、図中における「カットB」がカットインBに相当しており、図中における「役B」が役物B動作に相当している。
図269(C)は、図269(B)で示したカウント数が「60」になったときに上述のタイマ対象除外演出が実行される演出状況を示している。
なお上述の通り、タイマ対象除外演出とは、タイマ対象の演出がいずれの演出態様であるかが不明にされているなかで、タイマ対象として選択されていない演出態様(タイマ対象予告抽選でタイマ対象として決定されなかった演出態様)のうちの少なくとも1つ(2つ以上を示唆するようにしてもよい)を示唆する表示を行いうるものである。
ここで、これも上述したが、タイマ演出では通常、カウント表示が所定値(ここでは0)に達してタイマ対象の演出が出現しうるタイミングの候補として用意されている各タイミング(この例では、変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒、50秒など)が過ぎ去っていくにつれてタイマ対象として出現し得る演出の種別も絞られていく関係性がある。したがって、図269(C)の演出例では、タイマ対象除外演出を発生させるタイミングを、タイマ対象の演出が出現しうるタイミングの候補として用意されている複数のタイミング(変動開始から10秒、20秒、30秒、40秒など)が到来するときに合わせて設定することとしている。
例えば、図269(B)に示した例では、タイマ演出を「70」のカウント数をもって表示させる演出パターンを記載している。ただし、このタイミングでは、タイマ演出に「70」のカウント数を持たせるのではなく、「10」、「20」、「30」、「40」、または「50」などの他のカウント数を持たせて表示させる演出パターンも発生しうるようになっている。そしてこのうち、図269(B)に示したタイミングで「10」のカウント数をもったタイマ演出が現れた場合を想定したとすると、該タイマ演出のカウント表示は、図269(C)に示したタイミングで所定値(ここでは「0」)に達することとなり、タイマ対象の演出として、例えば、「会話予告」を出現させることとなる。その一方で、図269(B)に示したタイミングで「10」以外のカウント数をもったタイマ演出が現れた場合は、タイマ対象の演出として「会話予告」を出現させることがないとすると、図269(C)に示したタイミングでカウント数を残した状態でこれが過ぎ去った時点で、タイマ対象として出現し得る演出の種別から「会話予告」は実質的に除外されることとなり、タイマ対象の演出として出現しうる候補が絞られたといえる。この点、図269(C)に示す例では、「60」のカウント数を残した状態でカウント表示が実行されている演出状況にあることから、このタイミングでは、タイマ対象の演出候補から実質的に除外されている演出種別(会話予告)がいずれであるかを示唆する演出(タイマ対象除外演出)を行うようにすることが望ましい。これにより、遊技者の置かれている演出状況を適正に表現することができるようになる。
ただし、図269(C)に示される1回目のタイマ対象除外演出では、このタイミングで「会話予告」ではなく、「特別タイマ」がタイマ対象の演出として選択されていないことを示唆するようにしている。このようなタイマ対象除外演出によれば、「出現すると大当り確定であることを示す演出」がタイマ対象の演出として選択されていないことがカウントの消化途中で明らかとされるようになることから、タイマ対象として高期待の演出が現れるかについての不安感を煽ることができるようになる。
なお、図269,図270に示されるタイマ対象除外演出では、タイマ演出の対象演出の候補を表示している表示画像のうち、「特別タイマ」に対応する表示画像(マル秘)に対して施錠状態にある南京錠を重ねて表示するとともに、「ロック!!」といった表示を行うことで、「特別タイマ」がタイマ対象の演出として選択されていないことを示唆するようにしている。
図269(D)は、図269(C)で示した1回目のタイマ対象除外演出の出現後、カウント表示が特定のカウント値になったときにタイマモード演出が実行される演出状況を示している。
なお上述の通り、タイマモード演出とは、カウント表示が所定値(ここでは「0」)になるよりも前の期間内で、カウント表示が所定値になったときにタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様(演出種別や演出内容(カットインの態様など))の現れる割合が相対的に低い地獄タイマモード(第1タイマモード表示)と、カウント表示が所定値になったときにタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様の現れる割合が相対的に高い天国タイマモード(第2タイマモード表示)とのいずれかを表示させるものである。
ここで、図269(D)に示す例では、まず、カウント消化が進行されているなかで天国タイマモードが表示されるか否かの天国チャレンジ演出を行うこととしており、該天国チャレンジ演出が現れた時点で、地獄タイマモードと天国タイマモードとのいずれかが必ず発生することが示されるようになる。
なお、天国チャレンジ演出では、地獄タイマモードに移行する可能性が高いか、天国タイマモードに移行する可能性が高いかの演出(例えば、悪魔と天使が押し合いを行って、どちらが優勢の状況にあるかを示す演出など)を行うようにしてもよく、この場合は、このような演出を経た後に、地獄タイマモードと天国タイマモードとのいずれが発生するかを示唆することとなる。
ちなみに、図269(D)に示す例では、タイマ対象除外演出で除外された演出種別が示されているもとで天国チャレンジ演出が実行されることから、タイマ対象除外演出でいずれの演出種別が除外されているか(期待度の低い演出種別が除外されているのか、それとも期待度の高い演出種別が除外されているのか)に応じて、地獄タイマモードが発生し易い状況にあるのか、それとも天国タイマモードが発生し易い状況にあるかを一定の精度のもとで予測可能な演出状況にあるといえる。
図269(E)は、図269(D)で示した天国チャレンジ演出に成功した結果(例えば、天使が悪魔との押し合いに勝利した結果)として天国タイマモード(第2タイマモード表示)の表示が行われている演出状況を示している。
この演出状況では、カウント表示が所定値になったときにタイマ対象の演出として期待度の高い演出態様の現れる割合が相対的に高い天国タイマモード(第2タイマモード表示)に移行したことが示される。したがって、天国タイマモード(第2タイマモード表示)にあるときにタイマ対象除外演出が行われると、遊技者にとって有利な結果(ここでは、複数の演出種別のうち低期待の演出がタイマ対象の演出として選択されていないこと)が示唆される割合が高くなり、タイマ対象除外演出が発生したときの期待感を高くすることができるようになる。
これに対し、図示は割愛するが、図269(D)で示した天国チャレンジ演出に失敗した結果として地獄タイマモード(第1タイマモード表示)が現れているもとでタイマ対象除外演出が実行された場合は、遊技者にとって不利な結果(ここでは、複数の演出種別のうち高期待の演出がタイマ対象の演出として選択されていないこと)が示唆される割合が高くなることから、タイマ対象除外演出が発生したときの不安感を煽ることができるようになる。
なお、図269(E)の例では、天国タイマモード(若しくは、地獄タイマモード)に移行したことを、カウント表示の態様として表現するのではなく、変動中の装飾図柄SZの態様若しくはこれに関連させて表現するようにしており、これによって残りカウントの消化中に、他の演出を見逃すことなく天国タイマモード(若しくは、地獄タイマモード)に移行していることを認識可能としている。またこの場合、タイマ対象除外演出が発生したときにも現在のタイマモードの確認を容易に行いうるようになる。
図269(F)は、図269(C)に示した1回目のタイマ対象除外演出の出現後、図269(E)で発生した天国タイマモードが表示されているもとで2回目〜4回目のタイマ対象除外演出が実行され、カウント表示が「20」になったときに5回目のタイマ対象除外演出が実行された演出状況を示している。
ここで、図269(F)に示す例では、タイマ対象の演出候補として用意されている7種類の演出のうち5種類の演出がタイマ対象除外演出によってロック表示されている状態(5種類の演出がタイマ対象になっていないことが示されている状態)にあることから、カウント表示が所定値に達したときには、残りの2種類の演出(保留変化、役物B動作)のいずれかが発生することが認識可能な状態にあるといえる。ただし、図269(F)に示す例では、天国タイマモードが表示されている状況にあることから、天国タイマモードが表示されていない場合に比べて、残りの2種類の演出候補(保留変化、役物B動作)のうち期待度の高い側の演出が発生する割合が高くなっており、カウント表示が所定値に達するまでの期待感を好適に持続させることができるようになる。
なおこの際、図269(F)に示したタイマ対象除外演出の出現後、タイマ対象の演出が出現するまでの間に天国タイマモードの表示を非表示にするようにしてもよい。このような構成によれば、天国タイマモードが表示されていたことを記憶していなければ残りの演出候補のいずれの発生割合が高いのか不明になり、演出に集中していなかった代償として、カウント表示が所定値に達するまでの間の緊張感を持たせることができるようになる。
図270(G)は、図269(F)に示した5回目のタイマ対象除外演出の出現後、カウント表示が所定値になりタイマ対象の演出が現れることとなるタイミングが到来するよりも前の期間内で、特定装飾部材(ここでは、役物Bとしての特定装飾部材SDY)を用いた演出を出現させることで、特定装飾部材SDY(役物B)を用いた演出がタイマ対象にされていることを示唆するタイマ対象先出し演出が実行されている演出状況を示している。
すなわちこの場合、タイマ対象除外演出にかかる表示が現れているなかでタイマ対象先出し演出が実行されることから、タイマ対象除外演出によって絞られた演出候補のいずれがタイマ対象の演出として出現する可能性が高いのかについての判断材料をさらに提供することができるようになる。
そしてこの例では、タイマ対象先出し演出として「役物B途中動作(小)」が実行されていることから、タイマ対象除外演出によって絞られた演出候補(保留変化、役物B動作)のうち特定装飾部材SDY(役物B)を用いる演出である「役物B動作」がタイマ対象の演出として実行される可能性が高い(100%にしてもよい)状況にあることを認識することができるようになる。なお上述の通り、「役物B途中動作(小)」とは、タイマ対象の演出である「役物B動作」が「特定装飾部材SDY(役物B)が第1位置から第2位置まで変位する」ものであるとしたとき、「特定装飾部材SDY(役物B)が第1位置から該第1位置と第2位置との間にある所定位置まで変位する演出」のことである。
ただしこの説明例では、「役物B動作」にかかる演出の内容として、特定装飾部材SDY(役物B)を第1位置から第2位置まで変位させるだけの比較的期待度の低い第一演出内容のほか、特定装飾部材SDY(役物B)を第1位置から第2位置まで変位させることに加えて役物Aを第3位置から第4位置まで変位させる比較的期待度の高い第二演出内容が用意されており、それら演出内容のいずれかで「役物B動作」にかかる演出が実行されるようになっている。
この点、この説明例にかかる天国タイマモードでは、地獄タイマモードが現れた場合に比べて、タイマ対象の演出として「役物B動作」が選択されているときにはその演出内容として比較的期待度の高い第二演出内容が現れる割合が高くなるようにされており、これによってタイマ対象先出し演出によってタイマ対象の演出として出現される演出種別が完全に絞られた場合であっても、当該天国タイマモードとしての遊技者にとって有益な機能が奏されるようになっている。
また、図270(G)に示される例では、特定装飾部材(ここでは、特定装飾部材SDY(役物B))を用いたタイマ対象先出し演出が実行される際、特定装飾部材がカウント消化中のカウント表示に重なるかたちで当該タイマ対象先出し演出に供されるようになっており、これによってカウント表示を視認し難くするようにしている。すなわちこの場合、カウント表示にあまり注目していないなかでこのようなタイマ対象先出し演出が実行されると、タイマ対象の演出で用いられる特定装飾部材SDY(役物B)が演出実行中の状態にあることも相まって、カウント消化中のタイマ対象先出し演出ではなく、カウント表示が所定値に達してこれが非表示とされた後のタイマ対象演出が実行されている状態にあると勘違いし易い演出状況が生み出されることとなる。したがって、図270(G)に示される演出がタイマ対象演出ではなく、タイマ対象先出し演出であることを認識したときには、該タイマ対象先出し演出として特定装飾部材SDY(役物B)が用いられたことを強く印象付けることができるようになり、その後、カウント表示が所定値になるまでタイマ対象先出し演出に関する何らの表示が行われないようにしても、タイマ対象先出し演出として特定装飾部材SDY(役物B)が用いられたことを認識させたもとでタイマ対象演出を発生させることが期待されるようになる。なお、タイマ対象先出し演出が実行される際は、カウント表示を視認し難くするのではなく、当該タイマ対象先出し演出が終了されるまで非表示にするようにしてもよい。
図270(H)は、図270(G)に示したタイマ対象先出し演出が実行された後、カウント表示が所定値(ここでは「0」)よりも前の特定のカウント値(ここでは、「3」)に達した以降に新たな入賞が発生し、該入賞に応じて演出実行(保留変化)させることが決定された状況にあるにもかかわらず、該入賞に応じた演出を抑制させるタイマ対象抑制制御が実行されている演出状況を示している。
すなわち上述の通り、特に、図270(H)に示す例では、タイマモード演出やタイマ対象先出し演出によってタイマ対象の演出として「保留変化」が選択されている可能性は極めて低い状況にあるとは言え、タイマ対象の演出候補として「保留変化」が未だ残されている状況にあることから、カウント表示が所定値に達するタイミング付近で新たな入賞に応じた保留変化が発生するようなことがあると、該保留変化がタイマ対象の演出であると誤認してしまい、この結果としてタイマ対象の演出これ自体を見逃してしまう事態を招きかねない。なお、タイマ対象の演出として「保留変化」が実行される場合は、図中の「保留0」を対象として実行されることから、タイマ対象の演出であるかを見分けることは比較的簡単であるが、残りカウント数の少ない切羽詰ったような状況下ではこれらの保留変化を誤認してしまう可能性は大いにあると考えられる。
そこで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU1511aでは、タイマ演出が実行される場合、該タイマ演出におけるカウント表示が所定値に達するまでの残り時間が比較的多い第1期間(ここでは、カウント数が残り「3」になるまでの期間)にあるときは新たな入賞が発生したことに応じた保留変化を許容するが、該第1期間が終了し、カウント表示が所定値に達するまでの残り時間が比較的少ない第2期間(ここでは、カウント数が残り「3」になった以降の期間)になったときは新たな入賞が発生したとしてもこれに応じた保留変化を許容しないようにすることで、上述の懸念を解消するようにしている(タイマ対象抑制制御)。
図270(I)は、図270(H)に示したタイマ対象抑制制御が実行されている演出状況にあるなかでタイマ演出のカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達してタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる演出(役物B動作)が実行されている演出状況を示している。
図270(I)に示す例では、天国タイマモードにあることが示されているもとで、タイマ対象の演出である役物B動作が、比較的期待度の低い第一演出内容ではなく比較的期待度の高い第二演出内容として実行されている様子を示している。ただしここでは、役物Bが特定装飾部材SDYに相当しており、役物Aが特定装飾部材TGYに相当していることから明らかであるように、第二演出内容であるときの演出に供される特定装飾部材TGYは、第一演出内容と第二演出内容とのいずれの演出にも供される特定装飾部材SDYよりも正面視で奥側となる位置であり、且つその大部分(少なくとも半分以上の面積)が重なる位置で演出するものとなっている。
このような構成によれば、比較的期待度の低い第一演出内容と比較的期待度の高い第二演出内容とのいずれが実行されているか(特定装飾部材TGYが演出状態にあるか否か)については判定し難くすることができるようになり、これによってタイマ対象の演出への集中を促すようにしている。なお、このような作用効果を得る上では、第二演出内容については、特定装飾部材SDY(役物B)とこれよりも奥側で演出しうるものであればよく、この意味では、特定装飾部材SDY(役物B)と特定装飾部材TGY(役物A)との複合演出ではなく、特定装飾部材TGY(役物A)に代えて演出表示装置1600における特定表示演出を用い、該特定表示演出と特定装飾部材SDY(役物B)との複合演出として実行するようにしてもよい。
なお、図270(I)に示す例においても、図270(H)で示したタイマ対象抑制制御は継続して実行されており、新たな入賞が発生したとしてもこれに応じた保留変化が発生することはないし、図270(H)で入賞した保留表示についてもこれを未変化のままで維持させるようになっている。
また、図270(I)に示す例では、タイマ対象の演出候補として残されていた「保留変化」と「役物B動作」とのうち「役物B動作」がタイマ対象の演出として実行されていることを認識可能な表示(図中の「役B」が点滅表示)が現れており、「保留変化」についてはタイマ対象の演出となっていないことを認識可能な表示(図中の「保留」に対して×印が付される表示)が現れている。
図270(J)は、図270(I)においてタイマ対象の演出が実行されてから所定時間が経過したときにタイマ対象抑制制御が非実行とされるときの演出状況を示している。
すなわち、タイマ対象の演出が実行されてから所定時間が経過したときは「保留変化」を実行したとしてもこれがタイマ対象の演出であると誤認される懸念がなくなる。したがって、図270(J)の例では、図270(H)に示されるタイミングで入賞に応じて保留変化させることが決定されていたもののその実行が持ち越されていた保留表示を対象にし、図270(J)に示されるタイミングでこれを保留変化させるようにしている。これにより、タイマ対象の演出が実行されるタイミング付近で保留変化の対象とされる新たな入賞が発生した場合であっても、該保留変化を、タイマ対象の演出でないことを明示しつつ適正に実行することができるようになる。
なお、図270(J)に示される例では、図270(J)に示されるタイミングで、変動中の保留表示(保留0)とは異なる保留表示を対象にしてこれを青色に変化させるようにしているが、大当り保留(保留0も含む)が含まれているときに参照される上述の特別時保留変化テーブルT9b(図246)に鑑みれば、このような青色の保留表示が現れたことは、赤色の保留表示が現れた場合よりも当該変動で大当り図柄が現れる割合が高いことを明示していることから、遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
また、図270(J)に示される例では、タイマ対象の演出が実行されてから所定時間が経過した状態にあるにもかかわらず、タイマ対象除外演出で除外された演出種別がいずれであるかや、タイマ対象の演出がいずれであったかなどを示す表示が継続実行されている。また、天国タイマモードにあることを示唆する表示についても継続実行されている。ただし、天国タイマモードにあることを示唆する表示は、装飾図柄SZがリーチ表示の態様になって縮小表示されているのに合わせてこれも小さくなって表示される態様となっている。
そして、この説明例では、図270(J)に示される状況においてもこうして継続実行されている各表示は、装飾図柄SZが停止された状況においても継続実行されるようにしている(図270(K))。このような構成によれば、例えば、図柄停止された状態(大当り図柄が現れた状態)においても、それまでの演出過程でタイマ演出が実行されたことや、該タイマ演出で対象とされた演出が「役物B動作」であったことを認識することが可能である。
次に、図269及び図270に示したタイマ演出これ自体の各種態様や、該タイマ演出に関連して行われる各種演出とは別の演出例を図271,図272を参照して詳述する。
図271(A)は、通常遊技状態において、保留数が4の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示(例えば、SPリーチ)が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図271(B)は、図271(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、タイマ演出が実行されていない状況にあるにもかかわらず、タイマ対象除外演出が実行される演出状況を示している。
このタイマ対象除外演出では、「役物B動作」がタイマ対象の候補になっていないことが示されるようになっており、これによって当該変動内でタイマ演出が発生したときにはタイマ対象の候補が会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインBのいずれかに絞られたことを遊技者に把握可能とされるようになる。すなわちこの場合、複数の演出態様(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作)のうち比較的期待度の高い演出態様がタイマ対象の候補から外れたことを認識しうるようになることから、遊技者としては、当該変動内でタイマ演出が発生しないことを願うようになり、タイマ演出(カウント表示)が未実行の状態とされているときの遊技興趣を刺激することができるようになる。
なお、図271,図272に示される例では、図269及び図270に示した例とは異なり、タイマ対象除外演出を行うにあたり、タイマ対象の演出候補として用意されている各種演出を示唆する表示は実行されておらず、単に、タイマ対象の演出として少なくとも「役物B動作」は選択されていない状態にあることを示す表示が現れるようになっている。したがって、この例にかかるタイマ対象除外演出では、「役物B動作」がタイマ対象の演出でないことは把握可能であるが、タイマ対象の演出候補として他にいかなる演出種別があるかは不明とされることとなる。
図271(C)は、図271(B)においてタイマ対象除外演出が実行された後、タイマ演出が「15」のカウント数をもって表示されて、そのカウント表示(ここでは、カウントダウン)が開始される演出状況を示している。
ここで、この説明例におけるタイマ対象除外演出では、タイマ対象の演出として少なくとも「役物B動作」は選択されていないことを表示した後(図271(B))、該表示を、タイマ演出(カウント表示)が実行されるまで非表示にせずにこれを継続表示するようになっており、該表示が現れているもとでタイマ演出(カウント表示)を開始させるようにしている。このような構成では、カウント表示が開始されるときからこれがどの程度の期待度を持ったタイマ演出(ここでは、比較的期待度の高い「役物B動作」が実行されないタイマ演出)であるかを認識することができるようになる。
なお、図271(B),(C)に示される例では、タイマ対象の演出として少なくとも「役物B動作」が選択されていないことを示唆する表示を出現させるときと、これを継続表示するときとでそれらの表示にかかる態様を異ならせるようにしているが、必ずしも異ならせなくてもよく、同じであってもよい。
図271(D)は、図271(C)で示したタイマ演出のカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達した後、カウント表示が非表示にされているもとでタイマ演出の演出候補として用意されている「会話予告(第1の演出態様)」が実行されている演出状況を示している。
すなわちこの場合、遊技者側からすれば、「会話予告(第1の演出態様)」としての「チャンスかもしれないわ」といった演出が、タイマ演出の演出対象として実行されていると認識するようになる。ただし、図271(D)で示した「会話予告」は、タイマ演出の演出態様として実行されておらず、次の演出状況(図271(E))から明らかであるように、当該会話予告が終了されると図271(C)で示したタイマ演出のカウント表示が再表示されてさらに継続されるようになっている(復活タイマ演出)。
すなわちこの場合、「会話予告(第1の演出態様)」がタイマ対象(カウント対象)であったかのように見せた後、カウント表示が再表示されて当該タイマ演出をさらに継続させ、第1の演出態様とは異なる第2の演出態様がタイマ対象であることが示されるようになることから、相対的に期待度の低い演出が出現するタイミングでカウント表示が所定値に達してこれが非表示にされた場合であっても、その後にタイマ対象が変更される可能性を意識付けすることができるようになり、遊技興趣を好適に維持することが期待されるようになる。
図271(E)は、図271(D)でカウント表示が非表示とされているもとで実行された「会話予告」が終了した後、非表示とされていたカウント表示を再表示してこれを継続させる演出状況を示している(復活タイマ演出)。
ここで、このような復活タイマ演出では、カウント表示が非表示にされている間(図271(D))もカウント消化が秘かに継続されるようにしており、図271(E)の例では、非表示にされていた時間分(ここでは2秒分)だけカウント消化された状態からカウント表示を再表示するようにしている。すなわちこの場合、「会話予告」が終了した後には、カウント表示をマイナス表記(ここでは、「−2」)にして再表示することとなるが、これによって非表示になったときの「0」ではカウント消化が終わっておらずこれが継続して実行されている様子を表現することができるようになり、ひいては図271(D)で出現した「会話予告」がタイマ対象の演出でなかったことを認識することができるようになる。
また、このような復活タイマ演出にあって、「一旦非表示にされるよりも前に現れていたカウント表示」と「一旦非表示とされてから再表示されたカウント表示」とが別のカウント消化をしているのではなく、同じカウント消化をしていることをより確実に認識可能とされるようにする上では、カウント表示が非表示にされている間も、カウント音を、「一旦非表示にされるよりも前に現れていたカウント表示」と「一旦非表示とされてから再表示されたカウント表示」とにわたって継続して実行するようにすることが望ましい。
また、カウント表示をマイナス表記(ここでは、「−2」)にして実行する場合は、カウント数がどれだけ残っているかを認識可能な表示(例えば、「−2(残り18)」など)を行うようにすることが望ましい。この場合、カウント表示が所定値として「−20(残り0)」に達したとき(「−2」から18秒間にわたってマイナスカウントをしたとき)にこれが非表示とされてタイマ対象の演出が実行されるようになる。
図271(F)は、図271(E)に示したカウント表示が継続されているなかで天国チャレンジ演出(図示略)が発生してその結果として天国タイマモードに移行した演出状況を示している。
このようなタイマモード演出(天国チャレンジ演出、天国タイマモード)が現れたことで、タイマ演出が終了しておらず未だ継続している状況(カウント表示の実行中の状況)にあることをより明確に認識させることができるようになる。なお、図271,図272に示す例では、図269,図270で示した例とは異なり、天国タイマモードの状態にあることを示す表示を装飾図柄SZに関連させるのではなく、表示領域内の左側にてスタンプ表記の態様として表示するようにしている。
図272(G)は、図271(F)で天国タイマモードの状態にあることを示す表示が行われた後、カウント消化が実行されているなかで、タイマ演出とは関係のない別演出(所定演出)として「大砲チャンス演出」が発生した演出状況を示している。
すなわち、この「大砲チャンス演出」では、タイマ演出のカウント表示にかかる出力を所定値(ここでは−20)になるまで継続させる演出態様と、該カウント表示にかかる出力を所定値(ここでは−20)になるまで行わず「大砲チャンス演出」の実行に際してその中途段階でこれを出力中止にする演出態様とのいずれかを選択的に出現させるものとなっている(カウント出力中止制御)。
より具体的には、「大砲チャンス演出」では、表示領域内における中央付近に大砲画像を表示した後、該大砲画像から、表示領域内の左上の領域、右上の領域、左の領域、右の領域、下の領域のうち空き(未使用)となっている領域を弾丸の発射先として選択的に使用して弾丸発射する演出(図272(H)に示される弾丸発射演出(所定演出))が行われるようになっている。ただし、図272(G)に示される状況では、このような弾丸発射演出(図272(H))を新たに出力するために必要な領域が他の各種演出(カウント表示(左上の領域)、リーチ変動(右上の領域)、タイマモード演出(左の領域)、タイマ対象除外演出(右の領域)、保留表示(下の領域))によって全て使用されており、該弾丸発射演出(図272(H)を新たに出力するための空きがなくなってしまっている(特定の演出状況)。そして、このような特定の演出状況にあるままで弾丸発射を仮に行ってしまったとすると、弾丸の発射先で既に出力状態にある演出(例えば、カウント表示)が、発射された弾丸によって故障・破壊されてしまうのではないか(タイマ演出と所定演出との間での演出出力に関しての競合が発生してしまい)、さらにはその結果として大当り期待度が下がってしまうのではないか、といったような懸念が生じかねない。
そこで、この説明例では、弾丸発射演出(所定演出)の実行に際して、その出力のための空きがなくなってしまっている特定の演出状況(図272(G)に示される状況)にある場合は、弾丸の発射先として使用可能な領域(左上の領域、右上の領域、左の領域、右の領域、下の領域)のうち、左上の領域を使用しているカウント表示にかかる出力を所定値(ここでは−20)になるまで行わずこれをその中途段階で出力中止するようにしている(カウント出力中止制御)。
図272(H)は、カウント表示にかかる出力が所定値(ここでは−20)になるまで行われずその中途段階で出力中止されたもとで弾丸発射演出が実行される演出状況を示している。
このようにタイマ演出のカウント表示にかかる出力を中止して弾丸発射演出(所定演出)を実行するようにした場合は、上述の復活タイマ演出の場合とは異なり、該弾丸発射演出にかかる出力が終了した以降にタイマ演出のカウント表示が再出力されることはない。その一方で、カウント表示にかかる出力を中止した以降も、内部的には、カウント表示が開始されてからの時間(若しくは、変動開始からの時間)を秘かに計時しておりこれが所定値(図271(C)でカウント表示が開始されてから35秒が経過したときの値(−20))に達したときには、出力中止されたカウント表示が所定値に達するタイミングが到来したとして、タイマ対象の演出を出現させるようにしている。
図272(I)は、出力中止されたカウント表示が出力中止されていなければ所定値に達していたはずのタイミングが到来した後、タイマ対象の演出としてカットインA(味方キャラクタによるカットイン演出)が実行されている演出状況を示している。なお、上記復活タイマ演出との関係では、該カットインAが「第2の演出態様」として実行されることとなる。
このような演出進展によれば、弾丸発射演出(所定演出)が実行された以降、カウント表示にかかる出力の中止状態を維持しつつも、該カウント表示が出力中止されていなければ所定値に達していたはずのタイミングが到来したときにタイマ対象の演出が出現されるようになる。すなわちこの場合、弾丸発射演出(所定演出)の実行によって中途終了されてしまったかのように見せていたタイマ演出が秘かに継続されていたサプライズ性によってタイマ対象の演出が現れたときの遊技興趣の向上を図ることが期待されるようになる。
なお、図272(G)に示される演出状況において、例えば、タイマモード演出に関する表示が行われておらず左の領域に空きがあった場合は、タイマ演出のカウント表示(左上の領域)についてはその出力を維持したままとし、該空き(左の領域)を使用して弾丸発射演出(所定演出)を出力することとなる。すなわちこの場合、タイマ演出のカウント表示と弾丸発射演出(所定演出)とが同時出力されるかたちで実行されることとなり、タイマ演出のカウント表示は、弾丸発射演出(所定演出)が終了した以降も、所定値(ここでは−20)になるまで継続して実行されることとなる。
このように、弾丸発射演出(所定演出)は、複数の領域のいずれかを使用してその出力を行うものであるが、それら領域のいずれに向けて弾丸発射した場合であっても、該弾丸発射演出(所定演出)によって示される大当り期待度に変化はなく同じにされている。
そして、この説明例においても、図271(B)で実行されたタイマ対象除外演出において除外された演出種別がいずれであるかを示す表示や、図271(F)で表示された天国タイマモードに関する表示については、それらが継続実行されているもとで、装飾図柄SZが停止されるようにしている(図272(J))。
次に、図269〜図272に示したタイマ演出これ自体の各種態様や、該タイマ演出に関連して行われる各種演出とは別の演出例を図273,図274を参照して詳述する。
図273(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図273(B)は、図273(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、タイマ演出が「3」のカウント数をもって表示されて、そのカウント表示(ここでは、カウントダウン)が開始される演出状況を示している。
図273(C)は、図273(B)に示したタイマ演出のカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達してタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる演出(カットインB)が実行されている演出状況を示している。
ここで、図273(C)に示される例では、タイマ対象演出としての「カットインB」が、比較的期待度の低い態様(青色オーラ)で実行されている。そしてこの際、カウント表示も非表示の状態になっていることから、遊技者としては、比較的期待度の低い態様(青色オーラ)とされた「カットインB」の出現によってタイマ演出が終了されたと認識するようになる。ただし、この演出例では、こうしてタイマ対象演出(第1のタイマ対象演出)としての「カットインB」が比較的期待度の低い態様(青色オーラ)で実行された後、カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)をさらに出現させるものとなっている。
図273(D)は、図273(C)に示したタイマ対象演出(第1のタイマ対象演出)としての「カットインB」が表示されているなかで、カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)が実行されている演出状況を示している。
ここで、図273(D)に示される例では、カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)として、遊技者による操作が所定時間にわたって許容される操作系演出を実行しており、該所定時間内に遊技者による操作が行われると、カウント表示を再表示する旨を示す第1演出結果(図示略)、若しくはカウント表示を再表示しない旨を示す第2演出結果(図示略)を出現させるようになっている。また、遊技者による操作が所定時間にわたって許容される操作系演出としては、操作ボタン410を操作することを促す操作指示画像SSGを表示することのほか、該操作ボタン410を操作した場合における第1演出結果の出現し易さ(割合)を示唆する操作期待画像SKGを表示するようにしている。割合については、100%を含むようにしてもよい。
なお、図273(D)に示される例では、操作期待画像SKGとして用意されている複数の演出態様のうち、第1演出結果の出現し易さが最も高くなっている演出態様(好々爺の味方キャラクタ)が出現されている。したがって、タイマ対象演出(第1のタイマ対象演出)としての「カットインB」が比較的期待度の低い態様(青色オーラ)で実行済みとされた状況ではあるものの、カウント表示が再表示されてタイマ演出が継続されることを遊技者に対して強く意識させることのできる状況にあるといえる。しかも、この実施の形態にかかるタイマプラス演出では、1回目のカウント表示で表示されたカウント値(ここでは、図273(B)に示されるカウント値「3」)よりも大きなカウント値を持たせるかたちでカウント表示が再表示されるようになっていることから、より期待度の高い演出態様がタイマ対象演出としてさらに出現することが期待されるようになる。
また、図273(D)に示される例では、図273(C)に示したタイマ対象演出(第1のタイマ対象演出)としての「カットインB(青色オーラ)」が表示されているなかで(表示を非表示とせず)、カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)を実行することとしたが、図273(C)に示したタイマ対象演出(第1のタイマ対象演出)としての「カットインB(青色オーラ)」を非表示にしてから、カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)を実行するようにしてもよい。ただしこの場合、図273(C)に示したタイマ対象演出(第1のタイマ対象演出)から、カウント表示を再表示するか否かについての演出(第2のタイマ対象演出)に演出切替するかたちで実行されるようにすることが、タイマ演出が終了されておらずこれが継続されている(若しくは、継続される可能性がある)ことを遊技者に対して認識させる上で望ましい。
図273(E)は、図273(D)に示した操作系演出においてカウント表示を再表示する旨を示す第1演出結果(図示略)が現れた後、タイマ演出が「5」のカウント数をもって再表示されて、2回目のカウント表示(ここでは、カウントダウン)が表示される演出状況を示している。なお、操作系演出においては、所定時間内に遊技者による操作が受け付けられる場合のほか、所定時間内に遊技者による操作が受け付けられなかった場合も、受け付けられた場合と同じ演出結果(第1演出結果、第2演出結果)が上記所定時間の終了後に現れるようになっている
図273(F)は、図273(E)に示した2回目のカウント表示が所定値(ここでは「0」)に達してタイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる演出(カットインB)が実行されている演出状況を示している。
ここで、図273(F)に示される例では、タイマ対象演出としての「カットインB」が、比較的期待度の高い態様(赤色オーラ)で実行されている。すなわち、この演出例では、1回目のカウント表示と再表示された2回目のカウント表示とでそれらの対象演出を同じ種別の演出として実行するとともに、2回目の対象演出では、1回目の対象演出よりも期待度の高い演出態様に変化(昇格)させるかたちで実行するようにしている。このような構成によれば、タイマ対象演出として同じ種別の演出が実行されることで、1回目のカウント表示と2回目のカウント表示とが繋がった一のタイマ演出として実行されていることを認識させることができるようになるとともに、カウント表示が再表示される回数が多くなるほどタイマ対象演出としての演出態様がより期待度の高い態様に変化(昇格)されることで、タイマ対象演出が発生したときではなくカウント表示が再表示された時点から遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
図274(G)は、図273(F)に示したタイマ対象演出としての「カットインB(赤色オーラ)」が表示されているなかで、カウント表示を再表示するか否かについての演出が実行されている演出状況を示している。
ここで、図274(G)に示される例では、操作期待画像SKGとして用意されている複数の演出態様のうち、図273(D)に示される例よりも第1演出結果の出現し易さが低くなっている演出態様(壮年の味方キャラクタ)が出現されている。したがって、タイマ対象演出としての「カットインB」が比較的期待度の高い態様(赤色オーラ)で実行済みとされた状況にあって、カウント表示が再表示されることはないかもしれないとの意識を持たせる状況にあるといえる。このように、カウント表示が所定値になった後、タイマ対象演出として、一方では、遊技者に相対的に有利な態様(赤色オーラ)をもった演出(カットインB)が実行されるものの、もう一方では、遊技者に相対的に不利な態様(壮年の味方キャラクタ)をもった演出(操作期待画像SKG)が実行されるようになっている。しかも、このようなタイマプラス演出では、一方側で、カウント再表示が繰り返されて「カットインB」が遊技者にとって有利な態様に変化する回数が多くなるほど、もう一方側では、遊技者にとって相対的に不利な態様をもった操作期待画像SKGが現れやすくなっており再表示される割合が低くなるようになっていることから、カウント再表示が行われる都度、遊技興趣を高めることと緊張感を維持させることとの両方を好適に付与することができるようになる。
そして、このような演出の結果、カウント表示が再表示されない場合はタイマ演出がその時点で終了されることとなり、その後、装飾図柄SZが停止される(図274(H))。
次に、図269〜図274に示したタイマ演出これ自体の各種態様や、該タイマ演出に関連して行われる各種演出とは別の演出例を図275,図276を参照して詳述する。
図275(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図275(B)は、図275(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、タイマ演出が「10」のカウント数をもって表示されて、そのカウント表示(ここでは、カウントダウン)が開始される演出状況を示している。
ここで、タイマ演出では、一般に、カウント消化に要する時間が長いほどタイマ対象演出として期待度の高い演出の出現する割合が高くなるようにされていることから、このような小さいカウント数(ここでは「10」)しか持たないカウント表示が表示された場合は遊技興趣の低下が懸念される。そこで、この演出例では、カウント表示を実行するなかで、カウント値を所定時間にわたって非表示にさせる演出を発生させ、カウントの進行速度をその時間分だけ停滞させるようにすることで、カウント消化に要する時間を引き延ばすようにして期待感を維持させるタイマ停滞演出を実行可能としている。
図275(C),(D)は、図275(B)に示したタイマ演出のカウント表示が第1の特定値(ここでは「5」)になったときと、これが非表示にされているときの演出状況を示している。
すなわち、この演出例では、カウント表示が第1の特定値(ここでは「5」)になったとき、カウント表示が所定値(ここでは「0」)になるとタイマ対象演出としていずれの演出種別(会話予告、保留変化、カットインA、役物A動作、特別タイマ、カットインB、役物B動作)が出現するかを示唆する演出(タイマ対象演出へと繋がる進展演出)を開始させるとともに、該演出が実行される間、カウント表示を非表示にするようにしている。タイマ対象演出へと繋がる進展演出については、カウント表示が第1の特定値になった後、これが非表示とされているもとで開始させるようにしてもよい。
この演出例では、タイマ対象演出へと繋がる進展演出として、味方キャラクタに対して助けを求める人物を描写する表示画像SEG11と、助けを求める人物からの依頼を受諾する表示画像SEG12とが順次表示されるようになっている。ここで、表示画像SEG11や表示画像SEG12が表示された時点では、タイマ対象演出としていずれの種別の演出が出現するかをある程度絞ることはできるものの、いずれの種別の演出が出現するかを特定することはできないようにすることが望ましい。例えば、表示画像SEG12では、3人の味方キャラクタが助けを求める人物からの依頼を受諾する様子を示しているが、3人の味方キャラクタのうちの誰かが敵キャラクタと対峙していくことは予測できるものの、3人の味方キャラクタのうちの誰が敵キャラクタと対峙するのか(例えば、カットインA,Bのいずれであるのかなど)は不明にされるようにすることが望ましい。
図275(E)は、図275(C),(D)で示した「タイマ対象演出へと繋がる進展演出(1回目)」が終了した後、カウント表示が「4」のカウント値で再表示される演出状況を示している。
このような構成によれば、カウント値が「10」〜「5」の間は、1秒経過する都度、カウント値も「1」ずつ進展されるのに対し、カウント値が「5」から「4」に進展される際は、カウント値が「5」になったときに出現する「タイマ対象演出へと繋がる進展演出(1回目)」が終了するまでの間(ここでは、6秒間)、カウント値の進展が行われずこれを停滞させることができるようになる。なお、カウント値の進展を停滞させる上では、カウント表示については必ずしも非表示にせず、同じカウント値(ここでは「5」)のままで表示を維持するようにしてもよい。
図275(F),図276(G)は、図275(E)で再表示されたカウント表示が進展されて第2の特定値(ここでは「2」)になったときと、これが非表示にされているときの演出状況を示している。
すなわち、この演出例では、カウント表示が所定値になるまでの間に複数回にわたってカウント表示が非表示にされるようになっており、こうしてカウント表示が非表示にされる都度、タイマ対象演出へと繋がる進展演出が実行されるようになっている。タイマ対象演出へと繋がる進展演出については、カウント表示が第2の特定値になった後、これが非表示とされているもとで開始させるようにしてもよい。
この演出例では、タイマ対象演出へと繋がる進展演出として、図275(D)で描写された3人の味方キャラクタのうち壮年の味方キャラクタが敵キャラクタと対峙する意思を見せる表示画像SEG13と、壮年の味方キャラクタが敵キャラクタと対峙する様子を描写する表示画像SEG14とが順次表示されるようになっている。ここで、表示画像SEG13や表示画像SEG14が表示された時点では、タイマ対象演出として特定種別の演出(カットインB)が出現することを把握することはできるものの、いずれの演出内容(青色のオーラを纏うか、赤色のオーラを纏うかなど)が出現するかを特定することはできないようになっている。
図276(H)は、図275(F)及び図276(G)で示した「タイマ対象演出へと繋がる進展演出(2回目)」が終了した後、カウント表示が「1」のカウント値で再表示される演出状況を示している。
このような構成によれば、カウント値が「2」から「1」に進展される際は、カウント値が「2」になったときに出現する「タイマ対象演出へと繋がる進展演出(2回目)」が終了するまでの間(ここでは、14秒間)、カウント値の進展が行われずこれを停滞させることができるようになる。
図276(I)は、図276(H)で再表示されたカウント表示が進展されて所定値(ここでは「0」)に達し、タイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる演出(カットインB)が実行されている演出状況を示している。
このような構成によれば、カウント表示が所定値になるよりも前からタイマ対象演出に繋がる演出が実行されるようになることから、カウント表示が所定値になるまでの間における遊技興趣を好適に維持することができるようになる。また、タイマ対象演出に繋がる演出が実行される間は、カウント表示が非表示にされてカウント値の進展が停滞されるようになることからその分だけカウント消化に要する時間を長くすることができるようになり、これによって遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
そして、このようなタイマ対象演出が行われた後、装飾図柄SZが停止されることとなる(図276(J))。
次に、図269〜図276に示したタイマ演出これ自体の各種態様や、該タイマ演出に関連して行われる各種演出とは別の演出例を図277,図278を参照して詳述する。なお、図277及び図278においては説明の便宜上、他の図面にて割愛されていた演出用の可動体KTが図中にて記されている。なお、可動体KTは、例えば、「裏下後可動演出ユニット3100や裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、裏下前可動演出ユニット3500などの可動部材」などに相当するものである
図277(A)は、通常遊技状態において、保留数が0の状態で装飾図柄SZ(特別図柄)の変動表示が演出表示装置1600にて行われている演出状況を示している。
図277(B)は、図277(A)に示した装飾図柄SZの変動表示の実行中に、タイマ演出が「40」のカウント数をもって表示されて、そのカウント表示(ここでは、カウントダウン)が開始される演出状況を示している。
ここで、タイマ演出では、一般に、カウント消化に要する時間が長いほどタイマ対象演出として期待度の高い演出の出現する割合が高くなるようにされていることから、このような大きいカウント数(ここでは「40」)を持ったカウント表示が表示されると安心してしまい、カウント数が消化される間における緊張感を好適に維持することができなくなる懸念が生じる。そこで、この演出例では、カウント表示を実行するなかで、該カウント表示を視認し難くするかたちでの装飾体によるカウント前方演出を発生させるようにしており、該カウント前方演出が終了されてカウント表示が再び視認し易くされたときのカウント値が大きいほどタイマ対象演出として期待度の高い演出が出現し易くなるようにしている。
図277(C)は、図277(B)に示したタイマ演出でカウント表示が実行されている間に、該カウント表示の前方側にまで上記装飾体としての可動体KTが変位して所定時間にわたって留まり続ける演出状況(装飾体によるカウント前方演出)を示している。また、図277(D)は、図277(C)に示した可動体KT(装飾体)によるカウント前方演出が終了してカウント表示が視認し易い状態に戻った演出状況を示している。
このような構成によれば、大きなカウント値が一旦表示された場合であってもこれが可動体KT(装飾体)によって侵食されてしまい、より少ないカウント値のカウント表示としてやり直しされるかのような演出性を提供することができるようになることから、カウント数が消化される間における緊張感を好適に維持することができなくなる懸念が生じる。
また、このような可動体KT(装飾体)によるカウント前方演出では、該演出に要する時間が長いほど該演出が終了したときに視認し易くされるカウント値が小さくなり、ひいてはタイマ対象演出として期待度の高い演出が出現し難くされることによる遊技興趣の低下が懸念される。したがって、可動体KT(装飾体)によるカウント前方演出においては、可動体KT(装飾体)側でも、タイマ演出の演出態様の決定にかかる抽選とは別抽選で期待度の異なる複数の演出態様(例えば、可動体KTの動作態様や、発光態様など)のいずれかを出現させるようにすることが望ましい。このような構成によれば、タイマ対象演出として期待度の高い演出が出現し難くされたとしても、別抽選である可動体KT(装飾体)側の演出態様によって大当り期待度が高いことが示されれば遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
この点、この演出例では、カウント値が「35」といった比較的大きいカウント値を維持した状態で視認し易い状態に戻されるようになっていることから、これ以降もタイマ演出に対する期待感を維持した状態でカウント表示が継続されることを期待することができるようになる。
図277(E)は、図277(D)に示したタイマ演出でカウント表示が第1カウント値(ここでは「30」)になったときに操作指示画像SSGを表示し遊技者に対して操作機会が付与される演出状況を示しており、図277(F)は、図277(E)に示した操作機会で遊技者による操作が演出受付されてその演出結果が現れている演出状況を示している。
すなわち、この演出例では、カウント表示が第1カウント値(ここでは「30」)から第2カウント値(ここでは「20」)になるまでの第1期間においては遊技者による操作があると演出受付を許容し、その演出受付の結果として、タイマ対象演出として期待度の高い演出が出現する割合の異なる複数の操作時演出態様(出現する割合が高い順から、例えば、大吉、吉、凶など)のいずれかを出現させるようにしている。
この演出例では、図277(F)に示されるように、カウント値が「23」になったときに遊技者による操作が行われ、その演出結果として遊技者に最も有利な操作時演出態様(大吉)が現れていることから、カウント表示が所定値になるまでの遊技興趣が維持されることが期待されるようになる。なお、カウント表示が第1カウント値(ここでは「30」)から第2カウント値(ここでは「20」)になるまでの第1期間において、遊技者による操作が演出受付されなかったときは、何らの演出結果も出現されないままカウント表示が進展されることとなる。
図278(G)は、図277(F)に示した演出結果が現れてからカウント表示が第3カウント値(ここでは「15」)になったときに操作指示画像SSGを表示し遊技者に対して操作機会が再び付与される演出状況を示しており、図278(H)は、図278(G)に示した操作機会で遊技者による操作が演出受付されてその演出結果が現れている演出状況を示している。
すなわち、この演出例では、カウント表示が第3カウント値(ここでは「15」)から第4カウント値(ここでは「5」)になるまでの第2期間においても遊技者による操作があると演出受付を許容し、その演出受付の結果として、タイマ対象演出として期待度の高い演出が出現する割合の異なる複数の操作時演出態様(出現する割合が高い順から、例えば、大吉、吉、凶など)のいずれかを出現させるようにしている。
この演出例では、図278(G)に示されるように、カウント値が「8」になったときに遊技者による操作が行われ、その演出結果として遊技者に最も有利な特別の操作時演出態様(大吉)が現れていることから、カウント表示が所定値になるまでの遊技興趣が維持されることが期待されるようになる。なお、カウント表示が第3カウント値(ここでは「15」)から第4カウント値(ここでは「5」)になるまでの第2期間において、遊技者による操作が演出受付されなかったときは、何らの演出結果も出現されないままカウント表示が進展されることとなる。
ただし、この演出例では、カウント表示が第1カウント値(ここでは「30」)のときから第2カウント値(ここでは「20」)のときまでの上記第1期間にあるときに操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作が行われてこれが演出受付された場合と、カウント表示が第3カウント値(ここでは「15」)のときから第4カウント値(ここでは「5」)のときまでの上記第2期間にあるときに上記操作手段(例えば、操作ボタン410)に対する操作が行われてこれが演出受付された場合とで、それら演出受付の結果として特別の操作時演出態様(大吉)が発生する割合が異なるようにしている。
より具体的には、第1期間にあるときに演出受付されると特別の操作時演出態様(大吉)の発生割合が相対的に高くなっており、第2期間にあるときに演出受付されると特別の操作時演出態様(大吉)の発生割合が相対的に低くなっている。したがって、第1期間で操作ボタン410に対する操作を行った場合は、特別の操作時演出態様(大吉)が出現しないという演出リスクを抑えることはできるが、該特別の操作時演出態様(大吉)が発生し易くなっている分だけこれが現れたとしてもタイマ対象演出として期待度の高い演出が出現することへの期待感を持ち難い。これに対し、第2期間で操作ボタン410に対する操作を行った場合は、特別の操作時演出態様(大吉)が出現しないという演出リスクは高くなるものの、特別の操作時演出態様(大吉)が発生し難くなっている分だけこれが現れたときにはタイマ対象演出として期待度の高い演出が出現することへの期待感を持ち易くなる。
このような構成によれば、遊技者の好みや、他の演出で示されている期待度などの演出状況に応じて、カウント表示が第1カウント値(ここでは「30」)のときから第2カウント値(ここでは「20」)のときまでの演出リスクの低い第一期間で操作手段(例えば、操作ボタン410)を手堅く操作するべきか、カウント表示が第3カウント値(ここでは「15」)のときから第4カウント値(ここでは「5」)のときまでの演出リスクの高い第二期間で操作手段(例えば、操作ボタン410)を強気に操作するべきか、若しくはそれらの両方で操作ボタン410を操作するべきかといった遊技戦略に面白みを持たせることができるようになる。
図278(I)は、図278(H)に示した演出結果が現れてからカウント表示がさらに進展されて所定値(ここでは「0」)に達し、タイマ関連表示(ここでは「ゆくぞ」)が表示された後、タイマ演出の演出対象になる演出(カットインB)が実行されている演出状況を示している。そして、このようなタイマ対象演出が行われた後、装飾図柄SZが停止されることとなる(図278(I))。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
上記ディスクリート部品とは、単機能素子(一の電気的機能を有する素子(抵抗素子など))のみが封入された電子部品のことであり、例えば、特定機能を持った素子が2,3個で1つのパッケージに封入されるような部品も含む概念である。
すなわち、実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、同様の作用効果を奏することができる。