JP6165616B2 - アンテナ取付装置 - Google Patents
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Description
従来のアンテナ取付装置は、壁面に設けられた第1取付具の中間部材を、アンテナ本体の背面に設けられた第2取付具の延材部の長孔内に挿入して固着しており、アンテナ本体の方向調整を行える構造とされている。しかしながら、壁面に設けられた第1取付具に、アンテナ本体の背面に設けられた第2取付具を取り付ける際に、壁面に対してアンテナ本体をほぼ平行にして取り付けるようになるが、第1取付具および第2取付具の取り付け箇所を目視しながら取り付けるだけの間隔を確保しづらく、多くの場合は目視できない状態で取付作業を行っていた。さらに、固着する際においては壁面とアンテナ本体との狭い間隔内に手を差し入れてパイプ部材に挿入されたボルトを締着することになるが、この際にも目視しながら作業をすることが困難であった。このように、設置作業を目視しながら行うことが困難であることから、簡易に設置作業を行うことができないという問題点があった。
これらの図に示すように、アンテナ本体10を建物等の壁部に取り付けることのできる本発明の実施例にかかるアンテナ取付装置1が、アンテナ本体10の背面の下部に設けられている。アンテナ本体10は薄型アンテナとされ、前ケース11aと後ケース11bとからなる厚さが薄くされ縦に長い直方体状のケース11を備え、ケース11内に平面アンテナ等の厚さが薄く構成されたアンテナ素子が収納されている。このアンテナ素子は、例えば地上デジタルテレビ放送を受信するアンテナ素子とされている。前ケース11aは樹脂製とされ、前面の左寄りから高さの低い山形が縦方向に突出するよう形成されており、背面が開口された箱状とされている。後ケース11bも樹脂製とされて前面が開口されており、前ケース11aの開口面を閉塞するように前ケース11aに嵌合されている。これにより、収納空間が内部に形成されたケース11が構成されている。
図10(a)(b)はアンテナ本体10の構成を示す背面図、上面図であり、図11(a)(b)(c)は、アンテナ本体10の構成を示す左側面図、右側面図、下面図である。これらの図に示すように、アンテナ本体10は前ケース11aと後ケース11bとを備えており、前ケース11aと後ケース11bとが嵌合されることにより、内部にアンテナ素子を収納する収納空間を備えるケース11が構成されている。後ケース11bの背面の中央よりやや上部には、直方体状の突出部11cが後方へ突出するよう形成されており、背面の下部にはほぼ直方体状の矩形状凸部14が後方へ突出するよう形成されている。突出部11cの下面からは、同軸接栓である第1接栓12および第2接栓13が下方へ突出するよう傾斜して設けられている。矩形状凸部14の前面にはほぼ中央に断面がU字状の中央凹部14aが縦方向に形成され、左側には断面がU字状の第1凹部14bが中央凹部14aにほぼ平行に形成され、右側には断面がU字状の第2凹部14cが中央凹部14aにほぼ平行に形成されている。このように、矩形状凸部14の前面には、3本の凹部14a〜14cがほぼ平行に縦方向に形成されており、中央凹部14aの深さが第1凹部14bおよび第2凹部14cより深く形成されている。矩形状凸部14の上面には、中央凹部14aと第1凹部14bとの中間に断面が円形の位置決め用ボス14dが若干突出して形成され、中央凹部14aと第2凹部14cとの中間に図示しないネジ穴が形成されている。また、矩形状凸部14の下面には、中央凹部14aと第1凹部14bとの中間にネジ穴14fが形成され、中央凹部14aと第2凹部14cとの中間に位置決め用ボス14dと同形状の位置決め用ボス14eが形成されている。なお、矩形状凸部14の上面と下面には、上面の位置決め用ボス14dと下面の位置決め用ボス14eとが同形状で点対称に形成されていると共に、上面の図示されていないネジ穴14gと下面のネジ穴14fとが点対称で形成されている。
第2取付金具30は金属板を加工することにより形成されており、これらの図に示すように、前板35は矩形状とされており、前板35の上辺からほぼ直角に折曲されて形成された上板31と、前板35の下辺からほぼ直角に折曲されて形成された下板32と、前板35の右側辺からほぼ直角に折曲されて形成された右側板33と、前板35の左側辺からほぼ直角に折曲されて形成された左側板34とから構成されている。すなわち、第2取付金具30は、背面が開口された直方体状に形成されている。上板31にはほぼ中央に先端が半円状とされた中央溝31aが奥行き方向に形成され、中央溝31aの左側に先端が半円状とされた第1溝31bが中央溝31aにほぼ平行にやや短く形成され、中央溝31aの右側に先端が半円状とされた第2溝31cが中央溝31aにほぼ平行にやや短く形成されている。中央溝31aないし第2溝31cの3つの溝の前板35側の端は、前板35側に寄って上板31に横方向に形成されている連通溝31dにより互いに連通されている。また、下板32にもほぼ中央に先端が半円状とされた中央溝32aが奥行き方向に形成され、中央溝32aの左側に先端が半円状とされた第1溝32bが中央溝32aにほぼ平行にやや短く形成され、中央溝32aの右側に先端が半円状とされた第2溝32cが中央溝32aにほぼ平行にやや短く形成されている。中央溝32aないし第2溝32cの3つの溝の前板35側の端は、前板35側に寄って下板32に横方向に形成されている連通溝32dにより互いに連通されている。なお、連通溝31d,32dは、上板31および下板32における右側板33側の側端まで形成されており、側端の近傍においては湾曲して形成されている。この場合、2つの連通溝31d,32dは上板31と下板32とを重ねた際に同形状になるよう対称に形成されている。
また、上板31の背面側の端部には、中央溝31aを挟むように左側に係合部31fが右側に挿通孔31eが形成され、下板32の背面側の端部には、中央溝32aを挟むように左側に挿通孔32eが右側に係合部32fが形成されている。係合部31f,32fは、後ケース11bの矩形状凸部14に形成されている位置決め用ボス14d,14eがそれぞれ係合可能なU字状の溝とされており、挿通孔31e,32eは、挿通したネジを後ケース11bの矩形状凸部14の上面と下面とに形成されているネジ穴14f,14gに螺着することができる円形の孔とされている。なお、上板31の係合部31fと下板32の係合部32fとは同形状で点対称に第2取付金具30形成されていると共に、上板31の挿通孔31eと下板32の挿通孔32eとは同形状で点対称に第2取付金具30形成されている。
さらに、上板31ないし前板35で構成される第2取付金具30においてほぼ直角に折曲されている各角部には、クサビ状に打ち込まれて形成された補強部36が複数ずつ形成されている。また、右側板33、左側板34、前板35は矩形や円形に切り抜かれた切り抜き部が形成されているが、切り抜き部は第2取付金具30を十分な機械的強度を保ちながら軽量にするために設けられている。
第1取付金具20は金属板を加工することにより形成されており、これらの図に示すように、縦長の矩形状とされた取付面板21と、取付面板21の上端においてほぼ直角に前方へ折曲されて山形状に延伸された第1取付足22と、取付面板21の下端においてほぼ直角に前方へ折曲されて山形状に延伸され、第1取付足22と対面するようほぼ平行に設けられた第2取付足23とから構成されている。平面状とされた取付面板21のほぼ中央部にくの字状に凹んだ凹部21bが長軸方向に形成されており、凹部21bを挟んで両側に一対のネジ穴21aが短軸方向に並んで形成されている。このネジ穴21aが形成されている位置に相当する取付面板21の第1取付足22および第2取付足23が延伸している側の面には六角ナットがそれぞれ溶接されて設けられている。取付面板21の周囲はほぼ直交して前方へ折曲された壁部が形成されて機械的強度が向上されている。
図4に示すように、アンテナ本体10における後ケース11bの背面の下部に形成されている矩形状凸部14に、第2取付金具30を背面側から嵌挿していく。第2取付金具30を矩形状凸部14に押し込んでいくと、矩形状凸部14の上面のネジ穴14g上に第2取付金具30の上板31に形成された挿通孔31eが重なると共に、矩形状凸部14の上面に形成された位置決め用ボス14dが上板31に形成された係合部31fに嵌入されて係合するようになる。また、図示されていないが矩形状凸部14の下面のネジ穴14fに第2取付金具30の下板32に形成された挿通孔32eが重なると共に、矩形状凸部14の下面に形成された位置決め用ボス14eが下板32に形成された係合部32fに嵌入されて係合するようになる。次いで、挿通孔31e,32eにそれぞれ固定ネジ51を挿通して、2本の固定ネジ51をネジ穴14g,14fにそれぞれ締着する。
図示していないが、これらの図に示す第1取付金具20は建物等の壁面に取り付けられている。また、第1取付金具20の第1取付足22と第2取付足23との間に軸ボルト24が予め装着されているが、第1取付金具20における第1取付足22と第2取付足23との間隔は、第2取付金具30の高さ以上となるよう軸ボルト24のナット25への螺合状態が調整されている。壁面に取り付けられている第1取付金具20にアンテナ本体10に組み付けられた第2取付金具30を組み付ける時には、把持したアンテナ本体10を長軸を回転軸として回転させて、第1取付金具20が取り付けられている壁面に対してアンテナ本体10をほぼ直交するよう斜めにする。この状態において第1取付金具20に装着された軸ボルト24に第2取付金具30の右側板33の側を相対させるが、アンテナ本体10が壁面に対してほぼ直交するよう斜めになっていることから、軸ボルト24に対する右側板33の位置を横方向から目視しながら合わせることができる。そして、軸ボルト24が右側板33と上板31および下板32との間隙である上下の切欠部33bから第2取付金具30における上板31および下板32の連通溝31d,32d内に導入されるようアンテナ本体10を移動させていく。
さらに、軸ボルト24を第1溝31bに挿入した状態おいて、アンテナ本体10の方向調整を行える範囲を上面図で図9(b)に示す。図9(b)は正面へ向けたアンテナ本体10を上から見て右方向に回転できる角度がθ2であることを示している。θ2は、例えば約60°とされ、軸ボルト24を第1溝31bに挿入した場合は、正面方向から右方向に約60°の角度範囲で方向調整を行えるようになる。
図19に示す工程では第2取付金具30の下板32を上にすると共に上板31を下にして、第2取付金具30を矩形状凸部14に挿入していく。第2取付金具30を矩形状凸部14に押し込んでいくと、矩形状凸部14の上面のネジ穴14g上に第2取付金具30の下板32に形成された挿通孔32eが重なると共に、矩形状凸部14の上面に形成された位置決め用ボス14dが下板32に形成された係合部32fに嵌入されて係合するようになる。また、図示されていないが矩形状凸部14の下面のネジ穴14fに第2取付金具30の上板31に形成された挿通孔31eが重なると共に、矩形状凸部14の下面に形成された位置決め用ボス14eが上板31に形成された係合部31fに嵌入されて係合するようになる。次いで、挿通孔31e,32eにそれぞれ固定ネジ51を挿通して、2本の固定ネジ51をネジ穴14g,14fにそれぞれ締着する。このようにして第2取付金具30をアンテナ本体10に組み付けた場合も、第2取付金具30が矩形状凸部14を覆うように固着されて、アンテナ本体10の背面の下部に第2取付金具30が組み付けられる。第2取付金具30を上下反対にしてもアンテナ本体10を矩形状凸部14に組み付けられるのは、上面の位置決め用ボス14dおよびネジ穴14gと、下面の位置決め用ボス14eおよびネジ穴14fとが、同形状で点対称に矩形状凸部14に形成されていると共に、上板31の係合部31fおよび挿通孔31eと、下板32の係合部32fおよび挿通孔32eとが、同形状で点対称に第2取付金具30に形成されているからである。
この場合において、アンテナ本体10に組み付けられた第2取付金具30を第1取付金具20に組み付ける時は、第2取付金具30の右側板33が右側に位置することから、軸ボルト24に対する右側板33の位置を背面から見て左側の横方向から目視しながら合わせることができる。そして、右側板33と下板32および上板31との間隙である上下の切欠部33bから軸ボルト24が第2取付金具30の連通溝32d,31d内に挿入されるようアンテナ本体10を移動させていく。アンテナ本体10に組み付けられた第2取付金具30を第1取付金具20に組み付けた後に行う方向調整および軸ボルト24の締着作業は、上記した通りであるのでその説明は省略する。なお、上記したアンテナ本体10の取付作業は目視しながら行うことができることから、容易に取付作業を行うことができる。このように、上下反対にした第2取付金具30をアンテナ本体10に組み付けるのは、アンテナ本体10を第1取付金具20に組み付ける際に、左側にしか設置作業を行う場所がない設置場所にアンテナ本体を取り付ける場合に好適とされる。
図20に示すように、第3取付金具40の前面は横長の平面状とされており、前面の両側には円形の挿通穴40bがそれぞれ形成されている。第3取付金具40の前面の上端および下端は後方へ折曲されて後方へ突出する挟持部40aがそれぞれ形成されている。この挟持部40aは斜面が階段状とされた山形に凹んでいる。この2つの挟持部40aに図示しないアンテナポールを当接し、2つの挿通穴40bにそれぞれ取付ボルト41を挿通して、第1取付金具20における取付面板21の両側のほぼ中央に形成されている2つのネジ穴21aに、2本の取付ボルト41の先端部をそれぞれ螺着する。これにより、第3取付金具40の2つの挟持部40aと、第1取付金具20のほぼ中央に縦方向に形成されている凹部21bとの間にアンテナポールが挟持されて固着されるようになる。この場合、挟持部40aの階段状の斜面がアンテナポールに喰い込んで強固に固着される。次いで、アンテナポールに取り付けられた第1取付金具20に、アンテナ本体10に組み付けられた第2取付金具30を組み付けることにより、アンテナ本体10をアンテナポールに取り付けることができる。なお、アンテナ本体10に組み付けられた第2取付金具30を第1取付金具20に組み付ける工程は、上記した通りであるのでその説明は省略する。
以上説明した本発明のアンテナ取付装置は、建物等の壁部やアンテナポール、さらにベランダなどの被取付物にアンテナ本体を取り付けることができる。また、建物の壁面の隅やベランダの隅などの、片側の一方に床がなく取付作業を他方の片側からしか行えない場合においても、第2取付金具の上下を変更してアンテナ本体に組み付けることで、他方の片側から視認しながら取付作業を行えるようになる。
また、以上説明した本発明のアンテナ取付装置の第2取付金具においては、右側板と上板および下板との境界である角部を切り欠いて切欠部を形成したが、左側板と上板および下板との境界である角部を切り欠いて切欠部を形成しても良い。この場合は、連通溝を上板および下板に右側板側の側端まで形成することに替えて、上板および下板に左側板側の側端まで連通溝を形成するようにする。
Claims (5)
- アンテナ本体に組み付けられる第2取付金具と、被取付物に取り付けられる第1取付金具とからなるアンテナ取付装置であって、
被取付物に取り付け可能な平面状の取付面板と、該取付面板の上端および下端においてほぼ直角に折曲されて互いに対面するよう延伸された第1取付足および第2取付足とを有し、該第2取付足の先端部に軸ボルトを挿通可能な挿通孔が形成され、該第1取付足の先端部に前記軸ボルトが螺合可能な螺着手段が設けられている前記第1取付金具と、
矩形状の前板と、該前板の4辺からほぼ直角に折曲されて形成された上板、下板、左側板、右側板とからなり、前記左側板および前記右側板の一方と前記上板および前記下板との角部に切欠部がそれぞれ形成され、前記上板および前記下板には、奥行き方向に形成された複数本の溝と、該複数本の溝の前記前板側の端部を連通すると共に、前記切欠部が形成されている側の前記上板および前記下板の側端まで連通溝が形成されている前記第2取付金具とを備え、
前記第2取付金具は、前記アンテナ本体の背面に形成されている凸部に嵌挿されるように組み付けることができ、前記アンテナ本体に組み付けられた前記第2取付金具を、被取付物に取り付けられた前記第1取付金具に組み付ける際に、前記第1取付金具の前記挿通孔に挿通されて前記螺着手段に螺着された前記軸ボルトを、前記切欠部から前記連通孔内に導入して、前記複数本の溝の内の選択した一つの溝に前記軸ボルトを挿入することにより、前記アンテナ本体を所定角度範囲において方向調整することが可能とされ、前記軸ボルトを締着することにより、前記第1取付足および前記第2取付足の間に前記上板および前記下板とを挟持して固着できることを特徴とするアンテナ取付装置。 - 前記アンテナ本体の背面に形成されている前記凸部には、前記第2取付金具が組み付けられた際に、前記上板および前記下板に形成されている前記複数本の溝のそれぞれに上端と下端とが重なるようになる複数の凹部が縦方向に形成されており、前記複数本の溝の内の選択した一つの溝に前記軸ボルトを挿入した際に、当該選択した一つの溝に対応する前記複数の凹部の内の一つの凹部内に前記軸ボルトが挿入されることを特徴とする請求項1記載のアンテナ取付装置。
- 前記アンテナ本体の背面に形成されている前記凸部の上面および下面には、位置決め用ボスとネジ穴とが形成されており、前記第2取付金具の前記上板および前記下板には、挿通孔と係合部がそれぞれ形成されており、前記第2取付金具が組み付けられた際に、前記位置決め用ボスが前記係合部に係合すると共に、前記ネジ穴に前記挿通孔が重なって、前記挿通孔に挿通した固定ネジを前記ネジ穴に締着することにより、前記凸部に前記第2取付金具が組み付けられることを特徴とする請求項1または2記載のアンテナ取付装置。
- 前記位置決め用ボスと前記ネジ穴とは、前記凸部の上面および下面に点対称に形成されていると共に、前記挿通孔と前記係合部とは、前記第2取付金具の前記上板および前記下板に点対称に形成されて、前記第2取付金具の上下を反対にして前記凸部に組み付けることが可能とされていることを特徴とする請求項3記載のアンテナ取付装置。
- 前記上板および前記下板に形成された前記複数本の溝は、ほぼ中央に形成された中央溝と、左右に形成された第1溝および第2溝とされており、互いにほぼ平行に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のアンテナ取付装置。
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