JP6165195B2 - コンクリート製壁の背面又は下面の土砂利中の水を抜く水抜き構造及びその施工方法 - Google Patents
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本発明の第3の観点は、図1に示すように、コンクリート製壁11の背面又は下面の土砂利12中の水を抜く水抜き構造の施工方法において、コンクリート製壁11を貫通し基端側が開放されかつ先端側が土砂利12で閉止されたコア孔11aをコンクリート製壁11に穿設する工程と、両端が開口する管状部材13の外周面にゴム製の2本のリング部材16,17を管状部材13の長手方向に間隔をあけて嵌着する工程と、コンクリート製壁11の背面又は下面の土砂利12中の水を管状部材13内に導く水導入部材14の基端に、管状部材13の先端を連結して連通接続した状態で、水導入部材14及び管状部材13をこの順にコア孔11aに挿入して、水導入部材14の先端をコア孔11aの先端又は先端近傍のコア孔11a内に位置させる工程とを含み、リング部材16,17が嵌入された管状部材13を水導入部材14とともにコア孔11aに挿入するときに、リング部材16,17を弾性変形させて管状部材13及びコア孔11a間に圧縮した状態で介装することにより、管状部材13の孔芯がコア孔11aの孔芯に一致しかつ管状部材13の基端面がコア孔11aの基端面に一致するように、管状部材13をコア孔11a内に位置決め固定し、この位置決め固定は、管状部材13及び水導入部材14の再挿入のために引抜き可能に位置決め固定されたことを特徴とする。
図1に示すように、コンクリート製壁は、この実施の形態では、土留擁壁11である。この土留擁壁11の背面の土砂利12中の水を抜く水抜き構造は、土留擁壁11に穿設されたコア孔11aに挿入される管状部材13と、コア孔11aに挿入され土留擁壁11の背面の土砂利12中の水を管状部材13内に導く水導入部材14とを備える。上記コア孔11aは、土留擁壁11にこの擁壁11を水平方向に貫通して穿設される。また、コア孔11aの基端側は開放され、コア孔11aの先端側は土砂利12で閉止される。
図2は本発明の第2の実施の形態を示す。図2において図1と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、水導入部材24が、内部に空洞が形成され外周面に複数の小孔24bが形成された先細りの円錐部24aと、この円錐部24aの外周面を覆う不織布製のフィルタ部24cとを有する。管状部材23は、第1の実施の形態の管状部材より長く形成され、水導入部材24は、第1の実施の形態の水導入部材より短く形成される。また、円錐部24aの基端には、管状部材23の先端が嵌着可能な管状部材23より小径の被嵌着部24dが円錐部24aと一体的に設けられる。上記管状部材23は、塩化ビニル等のプラスチック管により形成され、円錐部24aはポリエチレン等のプラスチックにより形成されることが好ましい。また、管状部材23の外周面には第1の実施の形態と同一形状の2本のゴム製のリング部材16,17が嵌着される。これらのリング部材16,17のうち一方のリング部材16は管状部材23の基端に嵌着され、他方のリング部材17は管状部材23の中央に嵌着される。管状部材23の先端は水導入部材24の円錐部24aの基端に連結して連通接続される。具体的には、水導入部材24の円錐部24a基端の被嵌着部24dに、管状部材23の先端が嵌着されることにより連結され、これにより管状部材23の先端が水導入部材24の基端に連通接続される。更に、円錐部24aの先端はコア孔11aの先端に位置するように構成され、フィルタ部24cは水の通過を許容しかつ土砂利12の通過を阻止するように構成される。なお、この実施の形態では、円錐部の先端がコア孔の先端に位置するように構成したが、円錐部の先端がコア孔の先端近傍のコア孔内に位置するように構成してもよい。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
図3は本発明の第3の実施の形態を示す。図3において図1と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、コンクリート製用水路31が一対の側壁31aとこれらの側壁31aの下端同士を接続する単一の底壁31bとを有し、コンクリート製壁がこの用水路31の側壁31aである。この側壁31a背面の土砂利32中の水を抜く水抜き構造は、用水路31の側壁31aに穿設されたコア孔31cに挿入される管状部材33と、コア孔31cに挿入され用水路31の側壁31a背面の土砂利32中の水を管状部材33内に導く水導入部材34とを備える。上記コア孔31cは、用水路31の側壁31aにこの側壁31aを水平方向に貫通して穿設される。また、コア孔31cの基端側は開放され、コア孔31cの先端側は土砂利32で閉止される。
図4は本発明の第4の実施の形態を示す。図4において図3と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、管状部材33及び逆止弁36が第3の実施の形態の管状部材及び逆止弁と同一形状に形成され、水導入部材44の先端がコア孔31cの先端に位置するように構成され、更に管状部材33の先端が水導入部材44の基端に連結して連通接続される。具体的には、管状部材33の内周面に突設された内周リブ33aより先端側の管状部材33が水導入部材44の基端に嵌入されることにより、水導入部材44の基端に管状部材33の先端が連結される。また、水導入部材44は、先端がコア孔31cの先端に位置するプラスチック製の円筒部44aと、この円筒部44aの先端を閉止するように円筒部44aの先端に取付けられた目皿44bとを有する。円筒部44aは塩化ビニル等のプラスチック製の管により形成される。更に、目皿44bはポリエチレン等のプラスチックにより形成され、この目皿44bには複数の小孔44cが形成される。上記以外は第3の実施の形態と同一に構成される。
図5は本発明の第5の実施の形態を示す。図5において図3と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、コンクリート製用水路51が一対の側壁51aと単一の底壁51bとを有し、コンクリート製壁がコンクリート製用水路51の底壁51bである。この用水路51の底壁51b背面の土砂利52中の水を抜く水抜き構造は、用水路51の底壁51bに穿設されたコア孔51cに挿入される管状部材53と、コア孔51cに挿入され用水路51の底壁51b下面の土砂利52中の水を管状部材53内に導く水導入部材54とを備える。上記コア孔51cは、用水路51の底壁51bにこの底壁51bを鉛直方向に貫通して穿設される。また、コア孔51cの上端側(基端側)は開放され、コア孔51cの下端側(先端側)は土砂利52で閉止される。
図6は本発明の第6の実施の形態を示す。図6において図4と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、コンクリート製用水路31の側壁31aに無収縮セメントペースト75を充填するための充填孔31dが形成される。この充填孔31dは、その基端が用水路31の側壁31aの基端面のうちコア孔31cより所定の距離だけ上方に位置し、先端がコア孔31cの内周面と管状部材33の外周面との間の隙間18のうち管状部材33の長手方向中央より基端寄りに臨むように、基端から先端に向って下方に傾斜して形成される。なお、管状部材33内に第4の実施の形態と同一形状の逆止弁36が引抜き可能に収容される。また、水導入部材64は円筒部64aと目皿64bとを有する。そして、円筒部64aは、第1の実施の形態の水導入部材と同様に、外周面に複数の山部及び谷部が交互に形成された蛇腹管状の外管64cと、内面が平滑に形成され外管64cに引抜き可能に挿入された円筒管状の内管64dとからなるポリエチレン製の2重管構造であり、複数の小孔64eが円筒部64aの外周面のうち谷部に形成される。また、水導入部材64の目皿64bは、第1の実施の形態の目皿とは異なり、複数の小孔64fを有する半球板状に形成される。また、管状部材33の外周面には、リング状に形成された外周リブ33bより管状部材33の基端側に短管65が嵌入される。この短管65は管状部材33及び逆止弁36を補強するために設けられる。これにより管状部材33の外周面に嵌着された2本のゴム製のリング部材66,67のうち、管状部材33の基端に嵌着された一方のリング部材66は第3の実施の形態のリング部材より外径が小さく形成され、管状部材33の先端に嵌着された他方のリング部材67は第4の実施の形態のリング部材と外径が同一に形成される。上記以外は第4の実施の形態と同一に構成される。
図7は本発明の第7の実施の形態を示す。図7において図6と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、管状部材33内に第6の実施の形態と同一形状の逆止弁36が引抜き可能に収容される。また、水導入部材84は円筒部84aと目皿84bとを有する。そして、円筒部84aは、第1の実施の形態の水導入部材と同様に、外周面に複数の山部及び谷部が交互に形成された蛇腹管状の外管84cと、内面が平滑に形成され外管84cに取外し可能に挿入された円筒管状の内管84dとからなるポリエチレン製の2重管構造であり、複数の小孔84eが円筒部84aの外周面のうち谷部に形成される。この円筒部84aは、2重管構造の基端に厚さの大きい円筒状の肉厚部84fが一体的に設けられる。そして、円筒部84aの肉厚部84fに管状部材33の外周リブより先端側を挿入することにより、管状部材33の先端を水導入部材84の基端に連結して連通接続される。また、水導入部材84の目皿84bは、第6の実施の形態の目皿と同様に、複数の小孔84gを有する半球板状に形成される。更に、管状部材33の外周面のうち外周リブ33bより基端側に1本のゴム製のリング部材86が嵌着される。なお、図8中の符号85は、コア孔31cの内周面と管状部材33の外周面との間の隙間18のうちリング部材86より基端側に充填されたエポキシ樹脂製又はポリウレタン樹脂製の充填材である。直射日光が当たらない場合には、エポキシ樹脂製の充填材85が用いられ、耐候性が要求される場合には、ポリウレタン樹脂製の充填材85が用いられる。上記以外は第6の実施の形態と同一に構成される。
図8及び図9は本発明の第8の実施の形態を示す。図8及び図9において図4と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、管状部材93に、浮子式の逆止弁ではなく、フラップ式の逆止弁96が収容される。管状部材93の内周面には長手方向中央にリング状の内周リブ93aが突設され、管状部材93の外周面には長手方向中央にリング状の外周リブ93bが突設され、内周リブ93aより基端側の管状部材93に上記フラップ式の逆止弁96が引抜き可能に収容される。この逆止弁96は、管状部材93内に取出し可能に挿入された円筒状の筐体96aと、この筐体96aの長手方向略中央に筐体96a内を左右に仕切るた仕切壁96bと、仕切壁96bの中央から下部に掛けて形成された複数の通孔96cと、仕切壁96bより基端側に筐体96a内に収容され上部が仕切壁96bの上部にビス96dにより取付けられ更に複数の通孔96cを閉止可能な弁本体96eとを有する。上記仕切壁96bはプラスチックにより筐体96aと一体的に形成される。また仕切壁96bは、上端が筐体96aの長手方向中央に位置し下端が筐体96aの長手方向中央より筐体96aの基端側に位置するように、上端から下端に向うに従って次第に管状部材93の基端側に移行するように僅かに傾斜して形成される。更に、弁本体96eは、仕切壁96bにビス96dにより取付けられた固定部96fと、仕切壁96bの複数の通孔96cを開閉する可動部96gと、可動部96gを固定部96fに連結し可動部96gの固定部96fに対する相対的な回動を許容するヒンジ部96hと、可動部96gに内蔵された金属板96iとからなる。上記固定部96f、可動部96g及びヒンジ部96hはゴムにより一体的に形成される。上記金属板96iは可動部96gの反りを防止するとともに、可動部96gが複数の通孔96cを閉止したときの止水効果を保つために設けられる。
11a,31c,51c コア孔
12,32,52 土砂利
13,23,33,53,93 管状部材
14,24,34,44,54,64,84 水導入部材
16,17,66,67,86 リング部材
18,58 隙間
31,51 コンクリート製用水路
31a 側壁(コンクリート製壁)
36,56,96 逆止弁
51b 底壁(コンクリート製壁)
Claims (3)
- コンクリート製壁の背面又は下面の土砂利中の水を抜く水抜き構造において、
前記コンクリート製壁を貫通し基端側が開放されかつ先端側が前記土砂利で閉止されたコア孔が前記コンクリート製壁に穿設され、
両端が開口する管状部材の外周面にゴム製の2本のリング部材が前記管状部材の長手方向に間隔をあけて接着剤で接着されることにより嵌着され、
前記リング部材が嵌着された前記管状部材が前記コア孔の基端側に挿入され、
前記コンクリート製壁の背面又は下面の土砂利中の水を前記管状部材内に導く水導入部材が前記コア孔の先端側に設けられ、
前記管状部材の先端が前記水導入部材の基端に連結して連通接続され、
前記水導入部材の先端が前記コア孔の先端又は先端近傍の前記コア孔内に位置し、
前記リング部材が嵌入された前記管状部材を前記水導入部材とともに前記コア孔に挿入したときに、前記リング部材が弾性変形して圧縮された状態で前記管状部材及び前記コア孔間に介装されることにより、前記管状部材の孔芯が前記コア孔の孔芯に一致しかつ前記管状部材の基端面が前記コア孔の基端面に一致するように、前記管状部材が前記コア孔内に位置決め固定され、
前記位置決め固定は、前記管状部材及び前記水挿入部材の再挿入のために引抜き可能に位置決め固定されたことを特徴とする水抜き構造。 - 前記コンクリート製壁がコンクリート製用水路の側壁又は底壁であり、前記土砂利中の水圧が前記コンクリート製用水路内の水圧以下であるときに前記管状部材内を閉止しかつ前記土砂利中の水圧が前記コンクリート製用水路内の水圧より高くなったときに前記管状部材内を開放する逆止弁が前記管状部材内に引抜き可能に収容された請求項1記載の水抜き構造。
- コンクリート製壁の背面又は下面の土砂利中の水を抜く水抜き構造の施工方法において、
前記コンクリート製壁を貫通し基端側が開放されかつ先端側が前記土砂利で閉止されたコア孔を前記コンクリート製壁に穿設する工程と、
両端が開口する管状部材の外周面にゴム製の2本のリング部材を前記管状部材の長手方向に間隔をあけて嵌着する工程と、
前記コンクリート製壁の背面又は下面の土砂利中の水を前記管状部材内に導く水導入部材の基端に、前記管状部材の先端を連結して連通接続した状態で、前記水導入部材及び前記管状部材をこの順に前記コア孔に挿入して、前記水導入部材の先端を前記コア孔の先端又は先端近傍の前記コア孔内に位置させる工程とを含み、
前記リング部材が嵌入された前記管状部材を前記水挿入部材とともに前記コア孔に挿入するときに、前記リング部材を弾性変形させて前記管状部材及び前記コア孔間に圧縮した状態で介装することにより、前記管状部材の孔芯が前記コア孔の孔芯に一致しかつ前記管状部材の基端面が前記コア孔の基端面に一致するように、前記管状部材を前記コア孔内に位置決め固定し、
前記位置決め固定は、前記管状部材及び前記水挿入部材の再挿入のために引抜き可能に位置決め固定されたことを特徴とする水抜き構造の施工方法。
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