JP6164942B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents
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しかし、トラネキサム酸を配合した製剤は日光暴露条件下や高温下に保存すると褐変化する傾向があり、商品の品質上問題があった。
たとえば、特許文献1には、トラネキサム酸の着色防止剤として亜硫酸水素ナトリウムを用いることが記載されている。しかし、トラネキサム酸の着色は抑えられるものの、亜硫酸水素ナトリウムに由来する特異臭が生じるという問題があった。
また、トラネキサム酸の安定化(結晶の抑制)のためにpHを調整することが特許文献2に記載されている。しかし、pH調整に有機酸及び/又は無機酸、を配合してもトラネキサム酸の経時での着色を防止することはできなかった。
さらに、特許文献3にはカルボキシビニルポリマーとトラネキサム酸を含有するゲル組成物が記載されている。しかし、この組成物ではトラネキサム酸の褐変は抑制されておらず、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールについても記載されていない。
例えば、特許文献4には、トラネキサム酸を含有する石鹸系乳化物において、中和剤として2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを用いることによりトラネキサム酸の配合によって生じる「べたつき」を抑制できることが記載されている。しかしながら、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを配合しても、トラネキサム酸の褐変化は抑制されない。
すなわち、トラネキサム酸を安定に配合し、においの問題も発生しない皮膚外用剤の開発は未だ達成されていない。
すなわち、本発明は、(A)トラネキサム酸、及び(B)2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールを含有し、亜硫酸水素ナトリウム、及びピロ亜硫酸ナトリウムのいずれも含有しないことを特徴とする皮膚外用剤に関する。当該組成物はトラネキサム酸を安定に配合することができる。
本発明に用いるトラネキサム酸はトランス−4−アミノメチルシクロヘキサン−1−カルボン酸であり、化粧品配合成分として公知の薬剤である。美白剤として配合されることが多い。市販品としては「トラネキサム酸」(丸善製薬株式会社)等が挙げられる。
皮膚外用剤中へのトラネキサム酸の配合量は特に限定されないが、皮膚外用剤全体の重量を基準として、通常は0.0001〜30質量%、好ましくは0.01〜10質量%、特に好ましくは0.2〜3重量%である。
2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールは、従来から中和剤(アルカリ剤)として使用されているものである。市販品としては「2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール」(関東化学株式会社)が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤における2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールの配合量は特に限定されず、皮膚外用剤全体の重量を基準として、通常は0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%。特に好ましくは0.25〜0.55質量%とする。
また、(B)/(A)の重量比を0.005乃至0.50とすることが好ましい。
特開2011−195460号公報にはトラネキサム酸の安定化(結晶の抑制)のためにpHを調整することが記載されている。しかし、pH調整剤として有機酸及び/又は無機酸を配合しても、トラネキサム酸に由来する着色を防止することはできない。そこで本発明においては、好ましくは、トラネキサム酸(A)以外の有機酸、及び無機酸のいずれも含有しない。
本発明において「油剤」というときは、一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源の固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油溶性紫外線吸収剤等をいう。本発明においては、好ましくは、このような油剤のいずれも含有しない。
陰イオン界面活性剤として、例えばセチル硫酸塩、N−ステアロイル−L−グルタミン酸塩、ココイルグルタミン酸塩等が挙げられる。
非イオン界面活性剤として、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとして例えばポリソルベート80、ソルビタン脂肪酸エステルとして例えばオレイン酸ソルビタンが挙げられる。
陽イオン界面活性剤として、例えばテトラアルキルアンモニウム塩が挙げられる。
両性界面活性剤として、例えばベタイン型、スルホベタイン型、アミノ酸型、スルホアミノ酸型等の界面活性剤が挙げられる。
天然系界面活性剤として、例えばレシチン、水素添加レシチン、リゾフォスファチジルコリン、セラミド、セレブロシド等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤として、例えばポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等が挙げられる。
下記の表1に掲げた組成を有する皮膚外用剤を調製した。これらの皮膚外用剤の着色防止効果、においを比較した。各評価は以下の評価基準に基づいてランク付けした。結果を表1に示す。
<着色防止効果の評価>
60℃に2週間保管した試作品について、目視により着色の程度を評価した。
◎:まったく着色が見られない
○:ほとんど着色が見られない
△:若干着色が見られる
×:着色が見られる
60℃に2週間保管した試作品について、官能によりにおいの程度を評価した。
◎:まったくにおいがない
○:ほとんどにおいがない
△:若干においがある
×:においがある
比較例1に対して2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3プロパンジオール(B)を添加した実施例1では、着色防止効果もにおいの評価も顕著に改善された。しかしながら、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3プロパンジオール(B)の代わりに2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを配合しても、トラネキサム酸の褐変化は抑制されない(比較例2)。これは、両者の構造が類似しているだけに予想外の結果である。
特許2906269には、トラネキサム酸の着色防止剤として亜硫酸水素ナトリウムを用いることが記載されている。しかし、トラネキサム酸の着色は抑えられるものの、亜硫酸水素ナトリウムに由来する特異臭が生じるという問題があった(比較例4〜6)。
特開2011−195460号公報にはトラネキサム酸の安定化(結晶の抑制)のためにpHを調整することが記載されている。しかし、pH調整に有機酸及び/又は無機酸、を配合してもトラネキサム酸の経時での着色を防止することはできなかった(比較例7〜10)。
Claims (4)
- (A)トラネキサム酸、及び(B)2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールを含有し、亜硫酸水素ナトリウム、及びピロ亜硫酸ナトリウムのいずれも含有しないことを特徴とする皮膚外用剤であって、
カルボキシビニルポリマーを更に含有し、及び油剤を含まない、皮膚外用剤。
- (B)/(A)の重量比が0.005乃至0.50であることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
- 界面活性剤を更に含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
- (A)以外の有機酸、及び無機酸のいずれも含有しないことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
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