JP6164399B2 - 高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents

高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 Download PDF

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Description

この発明は、高熱発生を伴うステンレス鋼等の高速ミーリング加工において、硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具(以下、被覆工具という)に関するものである。
従来、一般に、炭化タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金または炭窒化チタン(以下、TiCNで示す)基サーメットで構成された基体(以下、これらを総称して工具基体という)の表面に、
(a)下部層が、いずれも化学蒸着形成された、Tiの炭化物(以下、TiCで示す)層、窒化物(以下、同じくTiNで示す)層、炭窒化物(以下、TiCNで示す)層、炭酸化物(以下、TiCOで示す)層、および炭窒酸化物(以下、TiCNOで示す)層のうちの2層以上からなり、かつ3〜20μmの合計平均層厚を有するTi化合物層、
(b)上部層が、化学蒸着形成された、1〜15μmの平均層厚を有するα型酸化アルミニウム(以下、Alで示す)層、
以上(a)および(b)で構成された硬質被覆層を形成してなる被覆工具が知られており、この被覆工具が、例えば各種の鋼や鋳鉄などの切削加工に用いられていることも知られている。
例えば、特許文献1に示すように、工具基体表面に、Ti化合物層とAl層を被覆形成した被覆工具において、<001>成長方向の柱状のαAl粒を含むと共に、Al層の組織係数TCについて、TC(006)を1.4より大きくし、さらに、最も好ましくは4.0より大きくすることにより、硬質被覆層の密着性、硬さ、靭性を改善することが提案されている。
また、例えば、特許文献2に示すように、工具基体表面に、Ti化合物層とAl層を被覆形成した被覆工具において、Al層の配向性指数TCについて、TC(006)を2より大きくし、さらに、二番目に大きい配向性指数TC(104)を、2>TC(104)>0.5とした被覆工具が提案されている。
特開2007−125686号公報 特開2009−28894号公報
近年の切削装置の高性能化はめざましく、一方で切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削加工は一段と高速化するとともに、切削時の工具への熱的・機械的負荷も益々増加する傾向にある。
上記の従来被覆工具においては、これを鋼や鋳鉄などの通常の条件での連続切削や断続切削に用いた場合には問題はないが、例えば、これを、ステンレス鋼の高速ミーリング切削加工に用いた場合には、高温時にAl結晶粒の塑性変形(粒界すべり)が発生し、そのため耐摩耗性が不十分となり、工具寿命が短命であるという問題点があった。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記の被覆工具の硬質被覆層の耐摩耗性の改善をはかるべく、硬質被覆層の上部層であるAl層の層構造について鋭意研究を行った結果、高負荷で高熱発生を伴うステンレス鋼の高速ミーリング切削加工において、チッピング、欠損等の発生の恐れがなく、しかも、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮する硬質被覆層の層構造についての知見を得たのである。
つまり、前記特許文献1、2で組織係数あるいは配向性指数と呼ばれているTC値(本発明では、TC値を、以下、「配向性指数」と呼ぶ。)について検討したところ、TC(110)の値が2.0以上で、かつ、TC(006)の値が1.5以上となるようなAl層を上部層として形成することによって、チッピング、欠損等の発生の恐れがなく、しかも、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮する硬質被覆層を備えた被覆工具を提供し得ることを見出したのである。
硬質被覆層の上部層を構成する従来のAl層は、例えば、通常の化学蒸着装置にて、
反応ガス組成:容量%で、AlCl:1〜5%、CO:3〜7%、HCl:0.3〜3%、HS:0.02〜0.4%、H:残り、
反応雰囲気温度:950〜1100℃、
反応雰囲気圧力:6〜13kPa、
の条件(以下、通常条件という)で形成されている。
しかし、本発明者らは、この蒸着条件を変更し、
まず、第1段階として、
反応ガス組成:容量%で、AlCl:1〜5%、CO:0.5〜2%、HCl:0.3〜3%、HS:0.02〜0.4%、H:残り、
反応雰囲気温度:750〜900℃、
反応雰囲気圧力:20〜30kPa、
の条件(通常条件に比して、COガス含有割合が相対的に低く、反応雰囲気圧を相対的に高くした条件)で、Al層の目標層厚の25〜50%の層厚になるまで蒸着を行い、
その後、第2段階として、
反応ガス組成:容量%で、AlCl:1〜5%、CO:3〜7%、HCl:0.3〜3%、HS:0.5〜1%、H:残り、
反応雰囲気温度:950〜1100℃、
反応雰囲気圧力:6〜13kPa、
の条件(通常条件に比して、H2Sガスの含有割合が相対的に高い条件)で、目標層厚になるまで蒸着形成することによって、TC(110)の値が2.0以上で、かつ、TC(006)の値が1.5以上となるようなα型酸化アルミニウム層を上部層として蒸着形成することができること、そして、このような第1段階及び第2段階の条件で順次形成された柱状組織のα型酸化アルミニウム層(以下、このα型酸化アルミニウム層を「改質Al層」という)は、粒界すべりに起因する耐塑性変形性に優れるため、偏摩耗等の発生もなくすぐれた耐摩耗性を発揮することを見出したのである。
本発明の被覆工具は、Ti化合物層からなる下部層と、前記改質Al層からなる上部層を備えることにより、ステンレス鋼の高速切削において、チッピング、欠損等の発生の恐れがなく、しかも、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮することができるのである。
この発明は、上記の知見に基づいてなされたものであって、
「 炭化タングステン基超硬合金で構成された工具基体の表面に、
(a)下部層として、1〜7μmの合計平均層厚を有するTiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層、および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなるTi化合物層、
(b)上部層として、次の(1)式で求められる(110)面の配向性指数TC(110)の値が2.0以上、かつ、次の(2)式で求められる(006)面の配向性指数TC(006)の値が1.5以上である0.5〜5μmの平均層厚を有する柱状組織のα型酸化アルミニウム層、
以上(a)および(b)からなる硬質被覆層が、1.5〜10μmの全体平均層厚で被覆形成されたことを特徴とする表面被覆切削工具。


ただし、前記の(1)式、(2)式における(hkl)は(012)、(104)、(110)、(006)、(113)、(202)、(024)、(116)の8面であり、I(hkl)は、上部層のα型酸化アルミニウム層についてX線回折を行った際の(hkl)面から得られるX線回折のピーク強度値、また、I (hkl)は、JCPDSカードNo.46−1212記載の(hkl)面の標準回折強度である。
に特徴を有するものである。
つぎに、この発明の被覆工具の硬質被覆層の構成層について、詳細に説明する。
下部層:
TiC層、TiN層、TiCN層(l−TiCNを含む)TiCO層、TiCNO層のうちの1層または2層以上からなるTi化合物層は、自体が高温強度を有し、これの存在によって硬質被覆層が高温強度を具備するようになるほか、工具基体と上部層であるAl層のいずれにも強固に密着し、よって硬質被覆層の工具基体に対する密着性向上に寄与する作用をもつが、その合計平均層厚が1μm未満では、長期の使用に亘って十分な耐摩耗性を発揮することができず、一方その合計平均層厚が7μmを越えると、ステンレス鋼の高速切削加工でチッピングを起し易くなることから、その合計平均層厚を1〜7μmと定めた。
上部層(改質Al層):
改質Al層からなる上部層は、すぐれた高温硬さと耐熱性を有し、さらに、粒界すべりに起因する塑性変形性にすぐれることによって、偏摩耗の発生もなく、硬質被覆層の耐摩耗性向上に寄与する。
改質Al層は、既に述べたように、例えば、以下の方法によって成膜することができる。
例えば、通常の化学蒸着装置にて、
まず、≪第1段階≫として、
反応ガス組成:容量%で、AlCl:1〜5%、CO:0.5〜2%、HCl:0.3〜3%、HS:0.02〜0.4%、H:残り、
反応雰囲気温度:750〜900℃、
反応雰囲気圧力:20〜30kPa、
の条件(通常条件に比して、COガス含有割合が相対的に低く、反応雰囲気圧を相対的に高くした条件)で、Al層の目標層厚の25〜50%の層厚になるまで蒸着を行い、
その後、≪第2段階≫として、
反応ガス組成:容量%で、AlCl:1〜5%、CO:3〜7%、HCl:0.3〜3%、HS:0.5〜1%、H:残り、
反応雰囲気温度:950〜1100℃、
反応雰囲気圧力:6〜13kPa、
の条件(通常条件に比して、H2Sガスの含有割合が相対的に高い条件)で、目標層厚になるまで蒸着形成することによって、TC(110)の値が2.0以上で、かつ、TC(006)の値が1.5以上となるような改質Al層を上部層として蒸着形成することができる。
この改質Al層は、すぐれた高温硬さと耐熱性を示すばかりでなく、粒界すべりに起因する耐塑性変形性に優れるため、高負荷で高熱発生を伴うステンレス鋼の高速ミーリング切削加工でも、偏摩耗等の発生もなくすぐれた耐摩耗性を発揮する。
また、上記改質Al層について、X線回折により、(012)面、(104)面、(110)面、(006)面、(113)面、(202)面、(024)面及び(116)面の反射強度を求め、これらの値から、(110)面の配向性指数TC(110)および(006)面の配向性指数TC(006)の値を求めたところ、改質Al層ではTC(110)の値が2.0以上で、かつ、TC(006)の値は1.5以上であった。
なお、従来Al層では、TC(110)およびTC(006)の値は、それぞれ、
0.1〜0.8、2.8〜5.7であった(表7参照)。
なお、本発明でいう(110)面の配向性指数TC(110)および(006)面の配向性指数TC(006)は、上部層を構成するAl層についてX線回折を行った際の(hkl)面から得られるX線回折のピーク強度値をI(hkl)、JCPDSカードNo.46−1212記載の(hkl)面の標準回折強度をI(hkl)とした場合、


であるとして定義される。ここで、(hkl)は(012)、(104)、(110)、(006)、(113)、(202)、(024)、(116)の8面である。
上記改質Al層の配向性指数TC(110)およびTC(006)について、TC(110)が2未満である場合には、Al結晶粒の粒界すべりを抑制するには十分でないため、偏摩耗の発生を防止することができず、そのため、長期の使用に亘って十分な耐摩耗性を発揮することができず、また、TC(006)が1.5未満である場合には、Al層の靭性が不足するため、十分な耐チッピング性、耐欠損性を発揮することができない。
したがって、本発明では、上部層の改質Al層の配向性指数TC(110)およびTC(006)を、それぞれ、2.0以上、1.5以上と定めた。
上部層である改質Al層の平均層厚は、0.5μm未満では長期の使用に亘って十分な耐摩耗性を発揮することはできず、一方、5μmを超えると耐チッピング性が低下するため、改質Al層の平均層厚は0.5〜5μmと定めた。
また、下部層と上部層からなる硬質被覆層の全体平均層厚は、1.5μm未満では長期の使用に亘っての十分な耐摩耗性を発揮し得ず、一方、全体平均層厚が10μmを超えると、チッピング、欠損が発生し易くなることから、硬質被覆層の全体平均層厚は、1.5〜10μmと定めた。
また、本発明は、切削工具の使用前後の識別を目的として、黄金色の色調を有するTiN層を、必要に応じて蒸着形成してもよいが、この場合の平均層厚は0.1〜1μmでよく、これは0.1μm未満では、十分な識別効果が得られず、一方前記TiN層による前記識別効果は1μmまでの平均層厚で十分であるという理由からである。
さらに、本発明は、改質Al層の表面に、表面の平滑化等の目的で、機械的処理(例えば、ウエットブラスト処理、ブラシ処理、弾性砥石処理)等を施すことを何ら制限するものではない。
この発明の被覆工具は、高負荷で高熱発生を伴うステンレス鋼の高速ミーリング切削加工に供した場合でも、硬質被覆層の上部層の改質Al層が、すぐれた硬度と耐熱性に加え、すぐれた耐塑性変形性を示すことから、チッピング、欠損、偏摩耗等の発生もなく、長期の使用に亘って、すぐれた耐摩耗性を発揮するものである。
つぎに、この発明の被覆工具を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも2〜5μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、表面を研磨し、切刃部にホーニング加工を施すことによりISO・SEEN1203に規定するインサート形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A〜Cをそれぞれ製造した。
(a) つぎに、これらの工具基体A〜Cの表面に、通常の化学蒸着装置を用い、硬質被覆層の下部層として、Ti化合物層を表2に示される条件で、表5に示される組み合わせで、かつ同じく表5に示される目標層厚で蒸着形成し、
(b)ついで、改質Al層を、表3に示す条件、即ち、
まず、第1段階として、
反応ガス組成:容量%で、AlCl:1〜5%の範囲内の所定量、CO:0.5〜2%の範囲内の所定量、HCl:0.3〜3%の範囲内の所定量、HS:0.02〜0.4%の範囲内の所定量、H:残り、
反応雰囲気温度:750〜900℃の範囲内の所定温度、
反応雰囲気圧力:20〜30kPaの範囲内の所定圧力、
の条件で、目標層厚の約25〜50%の層厚となるまで蒸着し、
その後、第2段階として、
反応ガス組成:容量%で、AlCl:1〜5%の範囲内の所定量、CO:3〜7%の範囲内の所定量、HCl:0.3〜3%の範囲内の所定量、HS:0.5〜1%の範囲内の所定量、H:残り、
反応雰囲気温度:950〜1100℃の範囲内の所定温度、
反応雰囲気圧力:6〜13kPaの範囲内の所定圧力、
の条件で、表6に示される目標層厚になるまで蒸着形成することにより、本発明被覆工具1〜10をそれぞれ製造した。
また、比較の目的で、硬質被覆層の下部層として、Ti化合物層を表2に示される条件で、表5に示される組み合わせで、かつ同じく表5に示される目標層厚で蒸着形成し、さらに上部層としてのAl層を、表4に示される条件で、かつ表7に示される目標層厚で蒸着形成することにより、従来被覆工具1〜10をそれぞれ製造した。
上記本発明被覆工具および従来被覆工具のAl層についてX線回折を行い、(012),(104),(110),(006),(113),(202),(024),(116)の各面からのX線回折強度を測定することにより、TC(110)、TC(006)をそれぞれ求めた。
表6、7にこれらの値を示す。
さらに、上記の本発明被覆工具1〜10および従来被覆工具1〜10の硬質被覆層の構成層の厚さを、走査型電子顕微鏡を用いて測定(同じく縦断面測定)したところ、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均層厚(5点測定の平均値)を示した。
つぎに、上記本発明被覆工具1〜10及び従来被覆工具1〜10について、以下に示す条件で、乾式高速ミーリング切削加工試験を実施し、加工パス数をカウントした。(加工する面を1回切削することを1パスとしている)
加工パス数のカウントは、切れ刃逃げ面の摩耗量が基準摩耗量である0.3mmに達した時点における加工パス数を基本とするが、加工の途中で切れ刃の欠損が生じた場合には、その時点で終了している加工パス数をカウントすることとする。なお、加工途中については、加工パス数としてカウントしない。
被削材:JIS・SUS304のブロック材(幅50mm 長さ200mm)
切削速度:350m/min、
切り込み:ae 50mm、ap 1.5mm、
一刃送り量:0.2mm/刃、
(通常の切削速度は、200m/min)、
表8に、上記切削試験の結果を示す。








表6〜8に示される結果から、本発明被覆工具1〜10は、硬質被覆層の上部層が、TC(110)の値が2.0以上、かつ、TC(006)の値が1.5以上である柱状組織の改質Al層で構成されていることから、高熱発生を伴うステンレス鋼の高速ミーリング切削加工でも、前記改質Al層が、粒界すべりの発生に起因する塑性変形による偏摩耗の発生を抑制するとともに、すぐれた耐チッピング性、耐欠損性を発揮することにより、長期の使用に亘って、すぐれた耐摩耗性を発揮する。
これに対して、TC(110)の値が0.1〜0.8、あるいは、TC(006)の値が2.8〜5.7である硬質被覆層の上部層が従来Al層である従来被覆工具1〜10においては、特に、上部層のチッピング、欠損、偏摩耗発生によって、耐摩耗性が劣り、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
上述のように、この発明の被覆工具は、ステンレス鋼の高速ミーリング切削加工においてすぐれた特性を示し、長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮するものであるから、切削装置の高性能化並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。

Claims (1)

  1. 炭化タングステン基超硬合金で構成された工具基体の表面に、
    (a)下部層として、1〜7μmの合計平均層厚を有するTiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層、および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなるTi化合物層、
    (b)上部層として、次の(1)式で求められる(110)面の配向性指数TC(110)の値が2.0以上、かつ、次の(2)式で求められる(006)面の配向性指数TC(006)の値が1.5以上である0.5〜5μmの平均層厚を有する柱状組織のα型酸化アルミニウム層、
    以上(a)および(b)からなる硬質被覆層が、1.5〜10μmの全体平均層厚で被覆形成されたことを特徴とする表面被覆切削工具。


    ただし、前記の(1)式、(2)式における(hkl)は(012)、(104)、(110)、(006)、(113)、(202)、(024)、(116)の8面であり、I(hkl)は、上部層のα型酸化アルミニウム層についてX線回折を行った際の(hkl)面から得られるX線回折のピーク強度値、また、I (hkl)は、JCPDSカードNo.46−1212記載の(hkl)面の標準回折強度である。
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