JP6164063B2 - 振動体の固定構造、およびその固定構造を用いた自動変速機のシフト装置 - Google Patents

振動体の固定構造、およびその固定構造を用いた自動変速機のシフト装置 Download PDF

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Description

本発明は、固定部材であるモータ等の振動体を被固定部材に固定する固定構造、およびその固定構造を用いた自動変速機のシフト装置に関する。
従来、モータ等の振動体を被固定部材に固定する構造として、例えば、特許文献1に示すものが開示されている。特許文献1では、振動体に相当するモータ1が、被固定部材に相当するハウジング3に固定されている。モータ1は、ボルト取り付け部となるプレート6を備え、プレート6とハウジング3のフランジ35とがモータ1の外周部でボルトによって締結されている。
また、特許文献2では、振動体ではないが固定部材に相当する軸7を、被固定部材に相当するハウジング8a、8bに固定する固定構造が開示されている。軸7は、ハウジング8b側からハウジング8a、8bの貫通孔に挿入されている。軸7のハウジング8b側の端部は拡径されており、当該端部は、ハウジング8bに当接して、軸7の軸線方向における一方への移動を規制している。また、軸7のハウジング8b側の端部には全周に溝が刻設されている。そして、軸7のハウジング8b側の端面がハウジング8bに当接している状態で、溝にCリング様の止め輪1が周知の方法で係入されている。これにより、軸7の他方への移動が規制され、軸7はハウジング8a、8bに固定される。
また、特許文献3では、電磁アクチュエータの構造が開示されており、振動体ではないが固定部材に相当するボールベアリング83が、被固定部材であるロータ25とコア73との間に設けられた環状の嵌合孔に挿入されている。そして、嵌合孔の底面とボールベアリング83との間に配設された皿ばね407がボールベアリング83を嵌合孔の底面から離間する方向に付勢している。皿ばね407に付勢されたボールベアリング83は、嵌合孔の入り口部の内外周面にそれぞれ設けられたスナップリング85,87によって軸線方向の移動が規制され固定されている。
特開2013−100899号公報 実用新案登録第3170325号公報 特開2005−155710号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、ボルトによってモータ1とハウジング3とが固定されているので、モータ1の取り付けには大きなスペースが必要となり、その結果、組立体として大型化する虞がある。また、ボルトを締結するための工具を挿入するスペースも必要となり、さらに組立体が大型化する虞がある。また、ボルトの締結工数も必要であり、コスト上昇の要因となる。
また、特許文献2に開示される技術では、軸7をハウジング8a、8bに固定するために、軸7の一方の端部を拡径している。このため、軸7の製作には拡径された端部の外径を有した素材が必要となり製作コストが上昇してしまう。また、軸7とハウジング8a、8bとの間には、周り止めがない。このため、軸7が振動体であった場合には、軸7はハウジング8a、8bの貫通孔内で、自在に回転してしまい、軸7とハウジング8a、8bとの接触部で磨耗が発生する虞がある。また、軸7は、軸線方向の微小なガタまで規制する構造とはなっていない。このため、軸7は振動が付与されると軸線方向に振動し、軸7とハウジング8a、8bとの接触部で磨耗が発生する虞がある。
また、特許文献3に開示される技術では、固定部材の軸線方向のガタを吸収する構造にはなっているが、被固定部材に対する固定部材の周り止めの構造は有していない。このため、固定部材が振動体であった場合には、振動体は環状の嵌合孔内で自在に回転してしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、振動体を被固定部材に省スペースで低コストかつ簡易に固定する固定構造、および、その固定構造を用いた自動変速機のシフト装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る振動体の固定構造では、嵌合部を有する振動体と、有底の嵌合孔が設けられ前記振動体の嵌合部が軸線方向に挿入され嵌合される被固定部材と、前記嵌合部が前記嵌合孔に予め設定された振動体挿入深さ挿入されると、前記嵌合部に埋設され、弾性力によって前記嵌合部の外周面から突出し前記被固定部材に設けられた凹部に係合して前記振動体の前記軸線方向の移動を規制する突出部材と、前記嵌合孔の底面および当該底面と対向する前記嵌合部の端面の間に配設され、前記振動体が前記嵌合孔に前記振動体挿入深さ挿入された状態において、前記振動体を前記嵌合孔の底面から離間する方向に予め設定された振動体付勢荷重で付勢する皿バネと、前記振動体の嵌合部の前記端面に突設され、前記嵌合孔の底面に設けられた係合孔部と係合して前記振動体の軸線周りの回転を規制するとともに、前記振動体が前記嵌合孔に前記振動体挿入深さ挿入された状態において、前記嵌合孔の内周面との間で前記皿バネを挟持するよう前記皿バネの外周に当接する廻り止め部材と、を備える。
このような構成により、振動体の嵌合部を組み付ける際、突出部材を縮径させながら被固定部材の嵌合孔に振動体の挿入深さ分、挿入するだけで、突出部材が嵌合部の外周面から突出し嵌合孔の凹部に係合して組み付けが完了する。このように、簡易に組み付けを行なうことができる。また、振動体の外周には、従来技術1に示すようなボルト締結用のプレートを有していない。このため、プレートを設けることにより占有されるスペースを低減でき組立体を小型化できる。また、ボルトを締め付ける工数、および工具を挿入するスペースも不要である。さらには、被固定部材にボルト用の雌ねじを加工する必要もない。
また、振動体を振動体挿入深さ挿入した状態においては、皿バネが付勢する振動体付勢荷重によって突出部材が凹部に当接するよう押圧されて振動体の軸線方向(スラスト方向)のガタが吸収される。また、皿バネが廻り止め部材を軸線の直交方向(ラジアル方向)に押圧するので振動体はラジアル方向のガタが吸収される。このように、簡易な組み付け方法にもかかわらず振動体を被固定部材に廻り止めしながら強固に組み付けることができる。
請求項2に係る請求項1に記載の振動体の固定構造では、前記廻り止め部材は、前記皿バネの外周に対向して複数設けられている。これにより、皿バネを所定の位置で良好に保持できる。
請求項3に係る請求項1または2に記載の振動体の固定構造では、前記突出部材は、Cリングであり、前記凹部は、前記嵌合孔の前記内周面全周に刻設された係合溝である。このように、突出部材として周知のCリングを使用することによって低コストで対応できる。
請求項4に係る請求項1乃至3の何れか1項に記載の振動体の固定構造を適用した自動変速機のシフト装置は、自動変速機を収納するトランスミッションケースと、前記自動変速機の入力軸および出力軸の一方に回転連結され軸線回りに回転可能に軸承された回転軸と、前記回転軸に回転可能に支承され前記入力軸および出力軸の他方に回転連結されたクラッチリングと、前記回転軸に前記クラッチリングと隣接して固定されたクラッチハブと、前記クラッチハブと前記軸線方向に移動可能に噛合されたスリーブと、前記スリーブを前記軸線方向に移動させる軸動装置と、前記クラッチリングに前記スリーブ側に突出して設けられ前記スリーブの軸動に応じて前記スリーブに形成されたスプラインと係脱可能に噛合するドグクラッチ部と、を備え、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の振動体の固定構造を適用した自動変速機のシフト装置であって、前記振動体は、前記前記スリーブを前記軸線方向に進退移動させる前記軸動装置が備えるリニアアクチュエータであり、前記被固定部材は、前記トランスミッションケースである。
このように、請求項1乃至3の何れか1項に記載の振動体の固定構造を、通常、1台の自動変速機に複数設けられているシフト装置に適用するので、得られる効果(請求項1乃至3で説明した効果と同様の効果)は大きなものとなる。特に、リニアアクチュエータの取り付けスペースが小さくなるので、各リニアアクチュエータ間の距離を短縮することができ、自動変速機を小型化することができる。
本発明に係るドグクラッチを有する自動変速機を備えた車両の概略図である。 本発明に係るドグクラッチを有する自動変速機の概要図である。 ドグクラッチ変速機構の一部の分解斜視図である。 図4Aは、図2の4−4断面図(ただし、断面は被固定部材のみ)であり、駆動装置(振動体)をケーシング(被固定部材)の嵌合孔に挿入する直前の状態を示す図である。 図4Bは、図2の4−4断面図(ただし、断面は被固定部材のみ)であり、駆動装置を被固定部材の嵌合孔に挿入中の状態を示す図である。 図4Cは、図2の4−4断面図(ただし、断面は被固定部材のみ)であり、駆動装置が被固定部材の嵌合孔に完全に挿入された状態を示す図である。 図4Cに示す矢視5−5断面図である。 制御装置のブロック図である。 図4Aに示す矢視7−7断面図である。 図5の別の実施例を示す図である。 図2に示す矢視9−9断面図である。 突出部材の別の実施例を説明する図である。
<概要>
以下、本発明に係る振動体の固定構造を適用した自動変速機のシフト装置を備えた実施形態について図面を参照して説明する。図1は、自動変速機が搭載される車両の構成を示す概要図である。車両Mは、図1に示すように、エンジン11、クラッチ12、自動変速機13(TM)、ディファレンシャル装置14、駆動輪(左右前輪)Wfl,Wfrを含んで構成されている。エンジン11は、燃料の燃焼によって駆動力を発生させるものである。エンジン11の駆動力は、クラッチ12、自動変速機13、およびディファレンシャル装置14を介して駆動輪Wfl,Wfrに伝達されるように構成されている、いわゆるFF車両である。
クラッチ12は、制御装置10(ECU)の指令に応じて自動で断接されるように構成されている。自動変速機13は、シフト装置を組み込んで例えば前進6段、後進1段を自動的に選択するものである。ディファレンシャル装置14は、ファイナルギヤおよびディファレンシャルギヤの両方を含んで構成されており、自動変速機13と一体的に形成されている。
<自動変速機>
自動変速機13は、図2に示すように、ケーシング22(本発明のトランスミッションケースに相当するとともに、被固定部材に相当する)に収納されている。自動変速機13は、入力シャフト24(本発明の回転軸および入力軸に相当する)、第1入力ギヤ26、第2入力ギヤ28、第3クラッチリング30(第3入力ギヤ)、第4クラッチリング32(第4入力ギヤ)、クラッチハブ34、スリーブ36、ストロークセンサ38、軸動装置40、出力シャフト42(本発明の回転軸および出力軸に相当する)、第1クラッチリング44(第1出力ギヤ)、第2クラッチリング46(第2出力ギヤ)、第3出力ギヤ48および第4出力ギヤ50を含んで構成されている。
そして、ケーシング22、回転軸である出力シャフト42、第1クラッチリング44、第2クラッチリング46、クラッチハブ34、スリーブ36、ストロークセンサ38、軸動装置40(図9参照)、制御装置10等により第1のシフト装置15が構成される。
また、ケーシング22、回転軸である入力シャフト24、第3クラッチリング30、第4クラッチリング32、クラッチハブ34、スリーブ36、ストロークセンサ38、軸動装置40、および制御装置10等により第2のシフト装置17が構成される。
さらに、ケーシング22、回転軸である入力シャフト24、いずれも図略の第5クラッチリング(第5入力ギヤ)、第6クラッチリング(第6入力ギヤ)、クラッチハブ、スリーブ、ストロークセンサ、および軸動装置40(図9参照)、制御装置10等により第3のシフト装置19が構成される。なお、第2のシフト装置17は、図2および図9(全体の概要図)に記載されている。また、第1のシフト装置15は、図2にその一部が記載されているとともに、図9に全体の概要図が記載されている。さらに、第3のシフト装置19については、図9のみに、全体の概要図が記載されている。
第3のシフト装置19は、第1および第2のシフト装置15,17と同様の構成を有しているので詳細な説明は省略する。なお、本実施形態においては、第3のシフト装置19が有する第5クラッチリング、第6クラッチリング、クラッチハブ等は、出力シャフト42に設けられているものとする。ただし、この態様に限らず、第5クラッチリング、第6クラッチリング、クラッチハブ等は、入力シャフト24に設けられていてもよい。第1および第2のシフト装置15,17については後に詳述する。
図2に示すように、ケーシング22は、ほぼ有底円筒状に形成された本体22a、本体22aの底壁である第1壁22b、および本体22a内を入力シャフト24(入力軸)の軸線方向に区画する第2壁22cを含んで構成されている。第2壁22cは、後述する振動体に相当する駆動装置40c(リニアアクチュエータ)が固定される部材である。なお、以降において、軸線方向とのみ記載した場合は、入力シャフト24(入力軸)の軸線方向のことをいうものとする。
入力シャフト24は、ケーシング22に回転自在に支承されている。入力シャフト24の一端(図2における左端)は、軸受22b1を介して第1壁22bに軸承されている。また、入力シャフト24の他端(図2における右端)側は、軸受22c1を介して第2壁22cに軸承されている。入力シャフト24の他端は、クラッチ12を介してエンジン11の出力軸に回転連結されている。よって、エンジン11の出力はクラッチ12が接続されているときに入力シャフト24に入力される。なお、本実施形態における入力シャフト24は、自動変速機13の入力軸に直結して回転連結され、回転軸線(軸線)CL回りに回転可能に軸承されるものである。
入力シャフト24には、第1入力ギヤ26、第2入力ギヤ28、第3クラッチリング30、および第4クラッチリング32が設けられている。第1および第2入力ギヤ26,28は、スプライン嵌合等で入力シャフト24に対して相対回転不能に固定されている。第3入力ギヤは、入力シャフト24に対して回転自在(遊転自在)に支承される第3クラッチリング30の外周に形成されている。第4入力ギヤは、入力シャフト24に対して回転自在(遊転自在)に支承される第4クラッチリング32の外周に形成されている。さらに、入力シャフト24には、第3クラッチリング30と第4クラッチリング32との間に、これらと隣接して、クラッチハブ34がスプライン嵌合等で入力シャフト24と相対回転不能に固定されている。第3クラッチリング30は、第3出力ギヤ48と常時噛合し、第4クラッチリング32は、第4出力ギヤ50と常時噛合している。
ケーシング22には、入力シャフト24と平行に出力シャフト42(出力軸)が支承されている。出力シャフト42は、ケーシング22に回転自在に支承されている。出力シャフト42の一端(図2において左端)は、軸受22b2を介して第1壁22bに軸承されている。また、出力シャフト42の他端(図2において右端)は、軸受22c2を介して第2壁22cに軸承されている。
出力シャフト42には、第1クラッチリング44、第2クラッチリング46、第3出力ギヤ48、第4出力ギヤ50および第5出力ギヤ52が設けられている。第1クラッチリング44は、第1入力ギヤ26と常時噛合するものであり、外周面には第1入力ギヤ26と噛合するヘリカルギヤが形成されている。第2クラッチリング46は、第2入力ギヤ28と常時噛合するものであり、外周面には第2入力ギヤ28と噛合するヘリカルギヤが形成されている。前述したように第3出力ギヤ48は、第3クラッチリング30と常時噛合するものであり、外周面には第3クラッチリング30と噛合するヘリカルギヤが形成されている。第4出力ギヤ50は第4クラッチリング32(第4入力ギヤ)と常時噛合するものであり、外周面には第4クラッチリング32(第4入力ギヤ)と噛合するヘリカルギヤが形成されている。第5出力ギヤ52は、ディファレンシャル装置14の入力ギヤ(図示省略)と常時噛合するものであり、外周面にはその入力ギヤと噛合するヘリカルギヤが形成されている。
第1クラッチリング44と第2クラッチリング46との間には、これらと隣接してクラッチハブ34がスプライン嵌合等によって出力シャフト42に固定されている。第1クラッチリング44、第2クラッチリング46およびクラッチハブ34等の構成は、入力シャフト24における第3クラッチリング30、第4クラッチリング32およびクラッチハブ34と同様である。第3出力ギヤ48、第4出力ギヤ50および第5出力ギヤ52は、スプライン嵌合等によって出力シャフト42に固定されている。エンジン11の駆動力は、入力シャフト24から入力し、出力シャフト42に伝達され最終的に第5出力ギヤ52を介してディファレンシャル装置14に出力される。
なお、第2のシフト装置17と、第1のシフト装置15とは同様の構成なので、以降、第2のシフト装置17を代表として説明する。
<第2のシフト装置>
前述したように、第2のシフト装置17は、ケーシング22、入力シャフト24、第3クラッチリング30、第4クラッチリング32、クラッチハブ34、スリーブ36、ストロークセンサ38、軸動装置40、および制御装置10等により構成されている。
入力シャフト24(回転軸)とスプライン嵌合(図略)によって一体回転可能に支持されるクラッチハブ34は、図3に示すように、平歯車状に形成され、クラッチハブ34の外周面にはスプライン歯34aが形成されている。スプライン歯34aは、円周方向に同一のピッチで12本形成され、各スプライン歯34aは同一の歯先円の径で形成されている。スプライン歯34aの歯底円の径は、スリーブ36の高歯36a1および低歯36a2が、噛合可能な深さの噛合溝34a1、34a2に対応して形成されている。クラッチハブ34のスプライン歯34aにはスリーブ36の内歯36a(スプライン)がスライド自在に係合される。
スリーブ36は略円環状に形成され、スリーブ36の外周には、シフトフォーク41a(図2参照)が摺動可能に係合する外周溝36bが円周方向に形成されている。スリーブ36の内周に形成された内歯36a(スプライン)は、図3に示すように、歯底円の径が同一に形成されるとともに、円周方向に同一のピッチで合計12本形成されている。内歯36aは歯丈の異なる高歯36a1と低歯36a2とを備えている。歯丈の高い高歯36a1は円周上に180度で対向して一対形成されている。その他10本の低歯36a2は同一の歯丈で高歯36a1よりも低い歯丈で形成されている。
隣り合う高歯36a1と低歯36a2との間、および隣り合う低歯36a2同士の間には歯溝36a5が形成されている。これらの歯溝36a5には、後述する第4クラッチリング32のクラッチ前歯32b1およびクラッチ後歯32b2が嵌合する。また、同様に、歯溝36a5には、第3クラッチリング30のクラッチ前歯およびクラッチ後歯(いずれも図略)が嵌合する。スリーブ36の高歯36a1および低歯36a2は、前述したようにクラッチハブ34の噛合溝34a1、34a2にスライド可能に係合する。
第3クラッチリング30および第4クラッチリング32は、入力シャフト24においてクラッチハブ34の両側に隣接して設けられている。なお、第3クラッチリング30と第4クラッチリング32とは、クラッチハブ34を中心にして略対称の構造なので、第4クラッチリング32についてのみ説明する。
第4クラッチリング32は、入力シャフト24に、図略のベアリングを介して相対回転自在かつ回転軸線CL方向へ相対移動不能に設けられている。つまり、第4クラッチリング32の外周面に形成された第4入力ギヤは、入力シャフト24に対して相対回転自在に回転する遊転ギヤを構成する。第4クラッチリング32のクラッチハブ34と対向する面(噛合部)にはリング状の第4ドグクラッチ部32aが形成されている。第4ドグクラッチ部32aの外周にはスリーブ36の内歯36aと噛み合う複数のドグクラッチ歯32bが形成されている。ドグクラッチ歯32bは、歯丈の異なる2種類のクラッチ前歯32b1およびクラッチ後歯32b2を備えている。また、ドグクラッチ歯32bは、それぞれ同一の歯底円の径で、かつ円周方向に同じピッチで形成されている。
クラッチ前歯32b1は、円周方向に180度回転した対向位置に一対(2本)設けられている。クラッチ前歯32b1は、歯先円の外径が、スリーブ36の高歯36a1の歯先円の内径より大きく、かつ、低歯36a2の歯先円の内径より小さく形成されている。クラッチ前歯32b1は、噛合部を構成する第4ドグクラッチ部32aの前端面FEより回転軸線CL方向に第4ドグクラッチ部32aの後端位置REまで延在して形成される。
クラッチ前歯32b1の前端面32b5とクラッチ前歯32b1のスリーブ36と噛合する側の両側面32b9との間には、回転方向に対して45度傾斜する第1面取部32b3がそれぞれ形成されている。第4クラッチリング32に対してスリーブ36が相対回転しながら接近した場合に、クラッチ前歯32b1は、スリーブ36の高歯36a1と係合し、低歯36a2とは係合しないようになっている。
クラッチ後歯32b2は、図3に示すように、2本のクラッチ前歯32b1間に等間隔で各5本ずつ合計10本配設されている。そして、各歯先円の外径がスリーブ36の低歯36a2の歯先円の内径より大きく形成されている。クラッチ後歯32b2は、噛合部を構成する第4ドグクラッチ部32aの前端面FEから回転軸線CL方向に所定量t後退した位置から第4ドグクラッチ部32aの後端位置REまで延在して形成される。
クラッチ後歯32b2の前端面32b6とクラッチ後歯32b2のスリーブ36と噛合する側の両側面32b7との間には、回転方向に45度傾斜する第2面取部32b4が設けられている。第4クラッチリング32に対してスリーブ36が相対回転しながら接近し、第4クラッチリング32の所定量t後退した位置まで高歯36a1および低歯36a2が進入すると、クラッチ後歯32b2はスリーブの高歯36a1および低歯36a2と係合を開始する。その後、クラッチ後歯32b2がスリーブの高歯36a1および低歯36a2と完全に係合することにより、スリーブ36と第4クラッチリング32との間では、大きな回転トルクを安全かつ確実に伝達できる。
また、図2に示すように、ストロークセンサ38は、フォークシャフト41bの近傍に配置され、フォークシャフト41bの移動量、即ちスリーブ36の軸線方向の移動量を検出する。ストロークセンサ38は、制御装置10に接続され、検出データを制御装置10に送信している(図2破線参照)。なお、ストロークセンサ38の構造は、どのようなものでもよい。
図2に示す軸動装置40は、スリーブ36を軸線方向に沿って往復動させるものである。軸動装置40は、スリーブ36を軸線方向に付勢し、第3クラッチリング30または第4クラッチリング32に押圧させている際に、第3クラッチリング30または第4クラッチリング32から反力が加わるとスリーブ36がその反力によって移動することを許容するように構成されている。
軸動装置40は、駆動装置40c(本発明の振動体に相当する)、シフトフォーク41aおよびフォークシャフト41b等を含んで構成されている。シフトフォーク41aの先端部は、スリーブ36の外周溝36bの外周形状にあわせて形成されている。シフトフォーク41aの基端部は、フォークシャフト41bに固定されている。フォークシャフト41bは、ケーシング22に軸線方向に沿って摺動自在に支承されている。具体的には、フォークシャフト41bの一端(図2における左端)側は、軸受21b3を介して第1壁21bに支承されている。また、フォークシャフト41bの他端(図2における右端)側は、駆動装置40cを構成する軸線方向に進退自在な可動シャフト43bと所定の手段によって回転連結されている。駆動装置40cは本発明にかかる固定構造によって第2壁22cの被嵌合部22c3に固定されている(後に詳述する)。
駆動装置40cは、リニアアクチュエータを駆動源とするリニア駆動装置である。リニアアクチュエータとしては、例えば、特開2008−259413号公報に記載されているものが利用可能である。リニアアクチュエータは、円筒状の本体部43aの内周面に図略の複数のコイルが軸線方向に沿って並設されて円筒状のコアが形成されている。そして、そのコアの貫通穴を貫通している可動シャフト43bに複数のN極磁石とS極磁石を交互に並設することで構成されている。コネクタ43eを介して供給する各コイルへの通電を制御して、設定された付勢荷重Fで可動シャフト43bを軸線方向に往復動させることも、任意の位置に位置決め固定させることも可能である。
駆動装置40c(リニアアクチュエータ)は、図2の破線に示すように、コネクタ43eが制御装置10に電気接続され、制御装置10からの指令によって作動される。
なお、本実施形態では、軸動装置40の駆動装置40cとしてリニアアクチュエータを採用したが、これに限るものではない。例えば、スリーブ36を、設定された付勢荷重Fで付勢しているとき、第3クラッチリング30または第4クラッチリング32から反力が加わった場合に、スリーブ36がその反力によって移動することを許容するように構成されているものであればよい。具体的には、油圧式駆動装置でもよい。また、軸が回転駆動するモータの動きを直線方向の動きに変換する駆動装置でもよい。
<駆動装置40cの固定構造>
次に、振動体に相当する駆動装置40c(リニアアクチュエータ)の固定構造について詳細に説明する。なお、固定構造についての説明であるので、駆動装置40c(リニアアクチュエータ)の内部に関する詳細な説明は省略する。これにより、図4等の断面図においても、駆動装置40cは断面図として記載しないことを断っておく。駆動装置40c(リニアアクチュエータ)は、図2、図4A乃至図4Cに示すように、主にリニアアクチュエータの円筒状のコアを収容する本体部43aと、軸線方向に進退移動する可動シャフト43bと、を備えている。
本体部43aは、駆動装置40cを第2壁22cの被嵌合部22c3に固定するための嵌合部43a1および端面43dを備えている。嵌合部43a1は、円柱状を呈している。嵌合部43a1には、Cリング54(本発明の突出部材に相当する)が埋設されている。具体的には、嵌合部43a1の外周面43cには、全周に亘って周知のCリング54を係入するための嵌合溝56が刻設され、当該嵌合溝56にCリング54が係入されている。このとき、Cリング54はどのようなものでもよい。
嵌合溝56の深さは、Cリング54の外径が、所定の付勢力の付与によって縮径されたときには、少なくとも、Cリング54が嵌合部43a1の外周面から飛び出ない深さとする。また、嵌合溝56の深さは、Cリング54を縮径させていた付勢力を除去し、Cリング54を自身の弾性力によって拡径させたときには、少なくとも、Cリング54の外周の一部が嵌合部43a1の外周面から外径方向に飛び出ることを可能とする深さとする。
また、端面43dには、廻り止め部材であるピン57が3本、図4A、図5に示すように突設されている。各ピン57は端面43dに所定の手段によって固定されており、ピン57と嵌合部43a1は一体的に形成されている。各ピン57は、駆動装置40cの嵌合部43a1を被嵌合部22c3の嵌合孔62(後に詳述する)に挿入したときに、嵌合孔62の底面62aに設けた各係合孔62c1、62c2、62c3(係合孔部に相当)とそれぞれ係合する。これにより、駆動装置40c(リニアアクチュエータ)の軸線周りの回転を規制する。また、各ピン57は、嵌合部43a1を嵌合孔62に挿入したときに、各ピン57と嵌合孔62の内周面62eとの間で後述する皿バネ64を挟持するよう皿バネ64の外周に対向して当接する(図5参照)。なお、詳細については、後述する。
次に、被固定部材に相当するケーシング22の被嵌合部22c3について説明する。被嵌合部22c3には、駆動装置40cの嵌合部43a1が軸線方向に挿入される有底の嵌合孔62が設けられている。嵌合孔62は、嵌合部43a1が挿入される際の入り口部に、予め設定された大きさのテーパ62bを有している。テーパ62bの形状および大きさは、上述したCリング54の一部が嵌合部43a1の外周面43cから外径方向に飛び出した状態で、嵌合部43a1を嵌合孔62に嵌合させるよう挿入したとき、飛び出したCリング54をテーパ62bに沿って縮径可能な形状および大きさとする(図4B参照)。これにより、テーパ62bの終点(最小径部であり嵌合孔62の内径と同径)においては、Cリング54が嵌合溝56に収納される。
また、嵌合孔62の内周面62eには、内周面62e全周に亘って刻設された係合溝62d(本発明の凹部に相当する)が設けられている。係合溝62dは、嵌合孔62の入り口から予め設定された距離L2進入した位置に設けられる(図4A、図4C参照)。なお、上記において、嵌合溝56が、嵌合孔62の入り口から距離L2だけ嵌合孔62に進入したとき、嵌合部43a1の端面は、嵌合孔62の入り口から距離L1だけ進入しており、このL1を振動体挿入深さと称す。
また、前述したように、嵌合孔62の底面62aには、各ピン57と対応してそれぞれと係合する3つの係合孔62c1、62c2、62c3(係合孔部に相当)が穿設されている(図5参照)。各係合孔62c1、62c2、62c3の径は、駆動装置40cの組み付け性を考慮して、ピン57の外径よりも若干大きくなっている。このため、各ピン57を各係合孔62c1、62c2、62c3にそれぞれ係合させた状態では、駆動装置40cは、各ピン57と各係合孔62c1、62c2、62c3との間の隙間分だけガタを有している。
皿バネ64は、周知の皿ばねであって、嵌合孔62の底面62aと嵌合部43a1の端面43dとの間に配設される。詳細には、皿バネ64は、図5に示すように、底面62aと端面43dとの間で、3本の各ピン57と嵌合孔62の内周面62eとによって囲繞される範囲内に配設される。
図7に示す皿バネ64は、底面62aと端面43dとの間に挟持されていないときには初期状態であり外周の径は小さくなっている。しかし、嵌合部43a1が嵌合孔62に挿入され、底面62a上に載置される皿バネ64の上端面に、嵌合部43a1の端面43dが当接し始めて、少しずつ皿バネ64が圧縮されると、皿バネ64の外径は拡大していく。本実施形態では、このように拡径される途中の皿バネ64を各ピン57と嵌合孔62の内周面62eとの間で挟持するため各ピン57を図5に示すように、皿バネ64の外周に当接させるよう配置する。
また、駆動装置40cの嵌合部43a1が、嵌合孔62の入り口端面から予め設定された振動体挿入深さL1だけ挿入されたときにおける、駆動装置40cを嵌合孔62の底面62aから離間させる方向への皿バネ64の付勢力は、予め設定された振動体付勢荷重Faとなるよう設定する。このとき、振動体付勢荷重Faは、駆動装置40cの振動や、ケーシング22側(被固定部材側)の振動によって、両者が相対振動を生じない程度の大きさとすることが好ましい。
図2に示すように、フォークシャフト41bの第1壁22b付近には、ディテント機構58が設けられている。ディテント機構58は、図略のばねによってフォークシャフト41bを軸線と直交する方向に付勢するストッパ58aを備えている。ストッパ58aは、フォークシャフト41bの表面上に軸線と直行するように複数形成された三角溝59に係合されている。これにより、フォークシャフト41bの軸線方向の移動を、任意の位置で停止させ位置決め可能としている。
<制御装置>
制御装置10は、図6に示すように、記憶部16、演算部18および制御部20を有している。記憶部16は、入力部であるストロークセンサ38が検出したフォークシャフト41bの位置信号を取得し記憶する。
演算部18は、記憶部16からフォークシャフト41bの位置信号を取得する。そして、フォークシャフト41bの位置信号から演算したスリーブ36の先端部と、第4ドグクラッチ部32aのクラッチ前歯32b1の先端部、クラッチ後歯32b2の先端部および第4ドグクラッチ部32aの後端位置REとの相対位置を演算するとともに、演算結果である相対位置信号を記憶部16に逐次送信する。なお、この形態に限らず、演算部18は、クラッチ後歯32b2の先端部および第4ドグクラッチ部32aの後端位置REの絶対位置を基準としてスリーブ36の絶対位置を演算してもよい。
制御部20は、記憶部16から相対位置信号を受信し、当該受信した相対位置信号に基づいて軸動装置40を駆動させるリニアアクチュエータの推力荷重値および位置を制御する。これにより、ドグクラッチを噛合させる。なお、このような常時噛み合い方式の変速機における変速方法については、周知であるので、詳細な説明は省略する。
<作用>
次に、第2のシフト装置17の駆動装置40c(リニアアクチュエータ)を第2壁22cの被嵌合部22c3に固定する場合について図4A〜図4Cに基づいて説明する。まず、組み付けの前提として、第2壁22cの被嵌合部22c3の嵌合孔62の開口が重力方向上方を向くよう第2壁22cを設置する。なお、図4A〜図4Cは、嵌合孔62の開口が重力方向上方を向く図とはなっていない。しかし、図の右方向が重力方向上方であるものとして説明を行なう。そして皿ばね64を、嵌合孔62の底面62a上に皿ばね64の外周線が底面62aに接するよう載置する(図4A参照)。ただし、この態様に限らず、皿ばね64の上下を入れ替えて嵌合孔62の底面62a上に載置してもよい。
このとき、皿ばね64は、嵌合孔62の底面62aに設けられた係合孔62c1、62c2、62c3(係合孔部)と嵌合孔62の内周面62eとの間に形成される2点鎖線で示される範囲内で、外周の一点が内周面62eと接するように載置されるのが好ましい(図7参照)。
また、組み付けの前提として、図4Aに示すように、駆動装置40cが備える本体部43aの嵌合部43a1の嵌合溝56に、例えば所定の工具を用いてCリング54を拡径させ係入させておく。このとき、本実施形態においては、Cリング54の外周部の多くの部分が嵌合部43a1の外周面43cから突出している。
このような状態において、駆動装置40cの組み付けを開始する。まず、図4Aの状態から駆動装置40cの嵌合部43a1を端面43d側から被嵌合部22c3の嵌合孔62に挿入していく。すると、図4Bに示すように、外周面43cから突出しているCリング54の外周が嵌合孔62の入り口のテーパ62bに当接する。しかし、テーパ62bは、Cリング54を縮径可能に形成されている。これにより、Cリング54はテーパ62bに沿って縮径され、やがて嵌合部43a1の外周面43c内に収容される。
その後、Cリング54が外周面43c内に収容されたまま、さらに嵌合部43a1を挿入していく。そして、嵌合部43a1が嵌合孔62の入り口から振動体挿入深さL1挿入されると、Cリング54係入位置(嵌合溝56位置)と嵌合孔62の係合溝62d位置とが一致する。これにより、図4Cに示すように、Cリング54は自身の有する弾性力によって拡径し、外周部が外周面43cから突出する。突出したCリング54の外周部は係合溝62d内に係入される。これにより、駆動装置40cの嵌合孔軸線方向への移動が規制される。
また、上記のCリング54の外周部が係合溝62d内に係入される状態に至る嵌合部43a1の挿入途中においては、嵌合部43a1の端面43dから突設される各ピン57を各ピン57と対応するようそれぞれ設けられた各係合孔62c1、62c2、62c3(係合孔部)に係合させる工程がある。
ここで、各ピン57が各係合孔62c1、62c2、62c3にそれぞれ係合されると、係合孔62c1、62c2、62c3と嵌合孔62の内周面62eとの間に形成される図7の2点鎖線の範囲に載置された皿ばね64は、各ピン57に自由な移動を阻まれながら、挿入される嵌合部43a1の端面43dに上面が当接され押圧されていく。
前述したように、端面43dが皿ばね64の上面と当接せず、皿ばね64が底面62aと端面43dとの間に挟持されていないときには、皿バネ64は初期状態であり皿バネ64の外周の径は小さくなっている。
しかし、皿バネ64の上端面に、嵌合部43a1の端面43dが当接し始めて、少しずつ皿バネ64が軸線方向に圧縮されると、皿バネ64の外径は拡大していく。そして、やがて皿バネ64の外周は、図5に示すように、内周面62eと各ピン57とに当接する。このため、各ピン57および内周面62eは、皿バネ64の中心と、各ピン57および内周面62eと皿バネ64の外周面との接点と、を結んだ各線分の各外径方向に皿バネ64から付勢される(図5中矢印参照)。
これにより、各ピン57は各係合孔62c1、62c3、62c3内で、上述した隙間分だけ移動して嵌合孔62の軸線方向に直交する方向へのガタが吸収される。それに伴い各ピン57が固定される駆動装置40cの、嵌合孔62の軸線方向に直交する方向へのガタが吸収されて固定される。なお、このとき、本実施形態では、ピンは3本設け、嵌合孔62の内周面62eも含めて4点で皿バネ64の外周に対向し当接するようにした。しかし、この態様に限らず、図8に示すように、ピン57は1本でもよい。また、ピン57は、3本を越えて設けてもよい。
また、このとき、駆動装置40cは、皿バネ64によって嵌合孔62の底面62aから離間する方向に、予め設定された振動体付勢荷重Faによって付勢されている。これにより、駆動装置40cは、Cリング54の端面が嵌合孔62の係合溝62dの端面に押圧されて固定され、振動発生時における駆動装置40cと被嵌合部22c3との間の相対振動を良好に抑制することができる。
このようにして、第1および第3のシフト装置15、19の駆動装置40c(リニアアクチュエータ)も、第2壁22cの図略の被嵌合部に同様に固定する。このため、図9に示すように、3つの各シフト装置15、17、19が備える各駆動装置40c、40c、40cは、従来技術の各駆動装置に対して相互の距離を短縮した状態で組み付けを行なうことができる。これにより、自動変速機の体格を縮小することができる。なお、図9においては、各駆動装置40c、40c、40cに従来技術のボルト取り付け部を付加した状態を2点鎖線で記載した。この記載から明らかなように、本実施形態では、ボルト取り付け部を付加した状態では、到底近づけられない距離まで各駆動装置40c、40c、40c同士を接近させることができることがわかる。
<効果>
上述の説明から明らかなように、本実施形態では、駆動装置40c(リニアアクチュエータ、振動体)の嵌合部43a1を第2壁22cの被嵌合部22c3(被固定部)の嵌合孔62に振動体挿入深さL1挿入するだけで、Cリング54(突出部材)が嵌合部43a1の外周面43cから突出し嵌合孔62の係合溝62d(凹部)に係合して組み付けが完了する。このように、簡易に組み付けを行なうことができる。また、リニアアクチュエータ40c(振動体)の外周には、従来技術1に示すようなボルト締結用のプレートを有していない。このため、従来技術のように、ボルトを締め付けるためのプレートを設けることにより占有されるスペースを低減でき、組立体である自動変速機13を小型化できる。また、ボルトを締め付ける工数、および工具を挿入するスペースも不要である。さらには、ケーシング22の被嵌合部22c3(被固定部材)にボルト用の雌ねじを加工する必要もない。
また、リニアアクチュエータ40c(振動体)を振動体挿入深さL1挿入した状態においては、皿バネ64が付勢する振動体付勢荷重FaによってCリング54(突出部材)が係合溝62d(凹部)に当接するよう押圧される。これにより、リニアアクチュエータ40c(振動体)の軸線方向(スラスト方向)のガタが吸収される。また、皿バネ64がピン57(廻り止め部材)を軸線に直交方向(ラジアル方向)に押圧するのでリニアアクチュエータ40c(振動体)はラジアル方向のガタが吸収される。このように、簡易な組み付け方法にもかかわらず振動体40cを被固定部材22に廻り止めしながら強固に組み付けることができる。
また、本実施形態では、ピン57(廻り止め部材)は、皿バネ64の外周に対向して複数設けられている。これにより、皿バネ64を所定の位置で良好に保持できる。
また、本実施形態では、突出部材は、Cリング54であり、凹部は、嵌合孔62の内周面62e全周に刻設された係合溝62dである。このように、突出部材として周知のCリングを使用することによって低コストで対応できる。
また、本実施形態では、振動体の固定構造を、通常、1台の自動変速機に複数設けられているシフト装置に適用するので、得られる効果は大きなものとなる。特に、リニアアクチュエータ40c(振動体)の取り付けスペースが小さくなるので、各リニアアクチュエータ40c(振動体)間の距離を短縮することができ、自動変速機を小型化することができる。
なお、本実施形態では、突出部材としてCリング54を適用した。しかし、この態様に限らず図10に示す構造としてもよい。図10に示す突出部材は、ピンおよびコイルスプリングから構成され、振動体の嵌合部の外周面周方向に複数個所(例えば3箇所)等間隔に配置される収容孔にそれぞれ収容される。図10では、ピンが振動体の嵌合部内に収納されている状態を示している。なお、ピンが収容孔から脱落しないよう所定の脱落防止機構(図略)が設けられている。この構成によれば、振動体が被固定部材の嵌合孔に挿入される際、嵌合部の外周面から図10中の矢印方向に突出するピンが嵌合孔の入り口のテーパによって外周面内に押し込まれ収容される(図10に示す状態)。そして、嵌合部が嵌合孔内に進入し、ピンが嵌合孔内の凹部に到達すると、ピンはコイルスプリングの弾性力によって外周面の外径方向に突出し凹部と係合する。これによっても上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態におけるシフト装置は、クラッチ方式がドグクラッチによるものであった。しかし、これに限らず、クラッチ方式はシンクロメッシュ機構によるものでもよい。これによっても上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態においては、振動体をリニアアクチュエータとして説明した。しかし、この態様に限らず、振動体は、自身の作動によって振動が生じるものであればどのようなものでもよい。また、この態様だけに限らず、自身の作動によって振動は発生させないが、振動体が固定される被固定部材側の振動によって振動される部材であってもよい。
10・・・制御装置、13・・・自動変速機、15・・・第1のシフト装置、17・・・第2のシフト装置、19・・・第3のシフト装置、22・・・トランスミッションケース・被固定部材(ケーシング)、24・・・入力軸・回転軸(入力シャフト)、30・・・第3クラッチリング、32・・・第4クラッチリング、34・・・クラッチハブ、36・・・スリーブ、40・・・軸動装置、40c・・・振動体(駆動装置・リニアアクチュエータ)、42・・・出力軸(出力シャフト)、43a・・・本体部、43a1・・・嵌合部、43b・・・可動シャフト、43c・・・外周面、43d・・・端面、54・・・突出部材(Cリング)、56・・・嵌合溝、57・・・廻り止め部材(ピン)、62・・・嵌合孔、62a・・・底面、62b・・・テーパ、62c・・・係合孔部(係合孔)、62d・・・凹部(係合溝)、62e・・・内周面、64・・・皿バネ、Fa・・・振動体付勢荷重、L1・・・振動体挿入深さ。

Claims (4)

  1. 嵌合部を有する振動体と、
    有底の嵌合孔が設けられ前記振動体の嵌合部が軸線方向に挿入され嵌合される被固定部材と、
    前記嵌合部が前記嵌合孔に予め設定された振動体挿入深さ挿入されると、前記嵌合部に埋設され、弾性力によって前記嵌合部の外周面から突出し前記被固定部材に設けられた凹部に係合して前記振動体の前記軸線方向の移動を規制する突出部材と、
    前記嵌合孔の底面および当該底面と対向する前記嵌合部の端面の間に配設され、前記振動体が前記嵌合孔に前記振動体挿入深さ挿入された状態において、前記振動体を前記嵌合孔の底面から離間する方向に予め設定された振動体付勢荷重で付勢する皿バネと、
    前記振動体の嵌合部の前記端面に突設され、前記嵌合孔の底面に設けられた係合孔部と係合して前記振動体の軸線周りの回転を規制するとともに、前記振動体が前記嵌合孔に前記振動体挿入深さ挿入された状態において、前記嵌合孔の内周面との間で前記皿バネを挟持するよう前記皿バネの外周に当接する廻り止め部材と、
    を備える振動体の固定構造。
  2. 前記廻り止め部材は、前記皿バネの外周に対向して複数設けられている、請求項1に記載の振動体の固定構造。
  3. 前記突出部材は、Cリングであり、前記凹部は、前記嵌合孔の前記内周面全周に刻設された係合溝である、請求項1または2に記載の振動体の固定構造。
  4. 自動変速機を収納するトランスミッションケースと、前記自動変速機の入力軸および出力軸の一方に回転連結され軸線回りに回転可能に軸承された回転軸と、前記回転軸に回転可能に支承され前記入力軸および出力軸の他方に回転連結されたクラッチリングと、前記回転軸に前記クラッチリングと隣接して固定されたクラッチハブと、前記クラッチハブと前記軸線方向に移動可能に噛合されたスリーブと、前記スリーブを前記軸線方向に移動させる軸動装置と、前記クラッチリングに前記スリーブ側に突出して設けられ前記スリーブの軸動に応じて前記スリーブに形成されたスプラインと係脱可能に噛合するドグクラッチ部と、を備え、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の振動体の固定構造を適用した自動変速機のシフト装置であって、
    前記振動体は、前記前記スリーブを前記軸線方向に進退移動させる前記軸動装置が備えるリニアアクチュエータであり、
    前記被固定部材は、前記トランスミッションケースである自動変速機のシフト装置。
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