JP6163697B2 - 累進屈折力レンズの設計方法 - Google Patents

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本発明は老視補正用の眼鏡に使用される累進屈折力レンズの設計方法に関するものである。
眼鏡レンズを装用した際に、遠用視状態から近用視状態に視線を移動させると眼が内側に寄る(輻輳する)。一般にどの程度輻輳したかは遠用アイポイント位置(あるいは光学中心)を通る垂直方向(y軸方向)の直線からの近用アイポイント位置の水平方向(x軸方向)の移動量で測定され、この量をインセット(近用内寄せ量)という。また、遠用視状態から近用視状態に視線を移動させると視線は水平方向について輻輳すると同時に垂直方向についても移動することから遠用アイポイントから近用アイポイント(又は近用度数測定位置)の間で視線が斜めに移動を繰り返すこととなる。この移動軌跡は視線が通過する主注視線とされる。つまり、インセットを適切に設定するということは主注視線をどのように設定するかということでもある。インセットの設定手法として例えば引用文献1に記載がある。
特開2010−237402号公報
しかしながら、従来の技術では、どのようにインセットを適切にするか、すなわち、主注視線をどのような軌跡で設定することが好ましいかということが発明の主目的となっており、主注視線をある位置に設定した場合にその周辺部のレンズ形状をどのように制御するかということはそれほど配慮されていなかった。例えば、特許文献1では、主注視線以外の部分はいわゆる「ハッチ」表現になっており、ぼける部分として一括して扱われている。しかし、累進屈折力レンズにおいて、主注視線の側方部の光学性能をどのように定めるかは、累進屈折力レンズの装用感にとって非常に重要である。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、主注視線をある位置に設定する場合において、レンズ側方部の光学性能を好適に設定するための累進屈折力レンズの設計方法を提供することである。
上記課題を解決するために請求項1の発明では、レンズ上方に配置された比較的遠方を見るための遠用部領域と、同遠用部領域よりも下方に配置され同遠用部領域よりも大きな屈折力を有する近用部領域と、これら領域の間に配置され屈折力が累進的に変化する累進帯領域を備え、前記遠用部領域から近用部領域にかけて加入度が徐々に付加されていくように加入勾配が設定された累進面を備え、遠用視状態から近用視状態に視線を移動させる際の眼球の輻輳動作に対応したインセット量が前記累進面上に設定された累進屈折力レンズにおいて、ある基準となる累進面(以下、基準累進面)に設定されたある基準となるインセット(以下、基準インセット)位置からインセット位置を鼻側に変位させた場合に、インセット位置の変位に伴って広くなった領域側の視線が通過する可能性が高くなることに基づいて前記基準累進面について耳側の領域の収差を減少させるようにし、前記基準インセット位置からインセット位置を耳側に変位させた場合にも、インセット位置の変位に伴って広くなった領域側の視線が通過する可能性が高くなることに基づいて鼻側の領域の収差を減少させるようにして前記累進面の収差を最適化するようにしたことをその要旨とする。
また請求項2の発明では請求項1に記載の発明の構成に加え、前記基準インセット位置からインセット位置変位して耳側の領域の収差を減少させる場合には鼻側の領域の収差を増加させるようにし、前記基準インセット位置からインセット位置変位して鼻側の領域の収差を減少させる場合には耳側の領域の収差を増加させるようにしたことをその要旨とする
また請求項3の発明では、レンズ上方に配置された比較的遠方を見るための遠用部領域と、同遠用部領域よりも下方に配置され同遠用部領域よりも大きな屈折力を有する近用部領域と、これら領域の間に配置され屈折力が累進的に変化する累進帯領域を備え、前記遠用部領域から近用部領域にかけて加入度が徐々に付加されていくように加入勾配が設定された累進面を備え、遠用視状態から近用視状態に視線を移動させる際の眼球の輻輳動作に対応したインセット量が前記累進面上に設定された累進屈折力レンズにおいて、ある基準となる累進面(以下、基準累進面)に設定されたある基準となるインセット(以下、基準インセット)位置からインセット位置を鼻側に変位させた場合に前記基準累進面について鼻側の領域の収差を減少させるようにし、前記基準インセット位置からインセット位置を耳側に変位させた場合には耳側の領域の収差を減少させるようにして、インセット位置の変位に伴い面積が狭くなることによって収差が集中する側の収差を減少させるように前記累進面の収差を最適化するようにしたことをその要旨とする。
また請求項4の発明では請求項3に記載の発明の構成に加え、前記基準インセット位置からインセット位置が変位して鼻側の領域の収差を減少させる場合には耳側の領域の収差を増加させるようにし、前記基準インセット位置からインセット位置が変位して耳側の領域の収差を減少させる場合には鼻側の領域の収差を増加させるようにしたことをその要旨とする。
上記のような構成では、累進屈折力レンズの基準累進面上に設定された基準インセットを鼻側又は耳側に変位させることによってその変位量に応じて基準累進面の収差分布を変化させるようにしたため、基準インセット位置からインセットを変化させた際に累進面の収差を最適化することができる。
ここで、「変位量に応じて基準累進面の収差分布を変化させる」場合にどのような視点から収差分布を変化させるかによって基本的に設計は異なる。
まず、基準インセット位置を鼻側に変位させた場合には基準累進面について耳側の領域の収差を減少させるという発想がある。基準インセット位置を鼻側に変位させると耳側の面積が広く(レンズの中で占める部分が大きくなる)なってこの領域を視線が通過する可能性が高くなるため、レンズ性能を改善する必要が高くなるからである。この場合に鼻側の領域の収差を増加させることで累進面全体の収差バランスを取ることが可能となる。但し、耳側の領域の収差をそれほど減少させずに収差バランスを取ることで鼻側の領域の収差を増加させないようにすることも可能である。
また、基準インセット位置を鼻側に変位させた場合には基準累進面について鼻側の領域の収差を減少させるという発想がある。基準インセット位置よりもより鼻側にインセットすることとなるため、鼻側領域の面積が狭くなり、耳側領域の面積が広くなる。面積が狭いと累進面の形状変化が急になり収差が集中しやすくなる。そこで、収差の集中しやすい面積が狭い領域の収差を減少させるというわけである。この場合に耳側の領域の収差を増加させることで累進面全体の収差バランスを取ることが可能となる。但し、鼻側の領域の収差をそれほど減少させずに収差バランスを取ることで耳側の領域の収差を増加させないようにすることも可能である。
上記各請求項の発明では、インセット位置の鼻側又は耳側への変位に伴って基準累進面の収差分布を変形させることができるため、インセット位置の変位に応じて累進面の収差分布をより好適な設計とすることができ、レンズ全体の使い勝手のバランスを向上させることが出来る。
本発明においてレンズ面の設計手法の一例を説明する説明図。 実施例1の非点収差分布図。 図2の基準累進面を変形させた実施例1−Aの累進面の非点収差分布図。 図2の基準累進面を変形させた実施例1−Bの累進面の非点収差分布図。 図2の基準累進面を変形させた実施例1−Cの累進面の非点収差分布図。 実施例2の非点収差分布図。 図6の基準累進面を変形させた実施例2−Aの累進面の非点収差分布図。 図6の基準累進面を変形させた実施例2−Bの累進面の非点収差分布図。
以下、本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。以下の実施例のレンズは一例としての次のような手法で設計される。
図1に示すように、基準累進面(例えば基準インセット位置を2.0mmとする)上の2次元的な位置が明確な複数の基準点a1〜anを想定する。レンズ面全体の形状データとしてはこれら基準点a1〜anの間を補間計算して求めることができる。
ここで例えば基準累進面(2.0mm)よりもインセットの大きなレンズ(インセット3.0mm)を設計することを考える。基準累進面に対して、レンズの各基準点(a1, a2, a3, ・・・・, an)に加える差分変形量(Cs1, Cs2, Cs3・・・・, Csn)を定義する。この差分変形量としては例えばレンズ各点におけるΔ(デルタ)カーブ値とするが、Δサグ値でも良くあるいはΔプリズム値でも良い。このとき、レンズ各基準点の差分変形量を加える前の値を基準量(A1, A2, A3・・・・, An)とする。尚、Δカーブ値、Δサグ値、Δプリズム値の「Δ」とは、レンズ各点における基準量との差分を示している。
レンズ設計においては、基準累進面の各座標における基準量(A1, A2, A3・・・・, An)に対して、差分変形量(例えばΔカーブ値 (Cs1, Cs2, Cs3・・・・, Csn))を加え、光線追跡を行い、所望の光学性能になっているか、この場合にはインセットが3.0mmになっているかを判定し、所望の光学性能(=インセット3.0mm)になっていない場合には、差分変形量を調整して、光線追跡と評価を繰り返す。このようにして目的のインセットの累進面を設計することが出来る。
ここで目的のインセットの累進面を設計する際に、併せて主注視線からレンズ側方に向かう耳鼻変形関数f(y,x)を考える。yはレンズの上下方向の座標で0の場合に幾何中心、プラスでレンズ上方、マイナスでレンズ下方を示す。xはレンズの左右方向の座標で0の場合には主注視線上の座標を示し、プラスの場合には主注視線から鼻側の座標、マイナスの場合には主注視線から耳側の座標を示す。そして、本発明における設計方法では、基準累進面の各座標における基準量(A1, A2, A3・・・・, An)に対して、差分変形量(Cs1, Cs2, Cs3・・・・, Csn)に耳鼻変形関数f(y,x)掛けた差分変形量(f(y1,x1)×(Cs1, f(y2,x2)×Cs2, f(y3,x3)×Cs3・・・・, f(yn,xn)×Csn))を加え、その光線追跡結果より、インセット量および主注視線から左右方向の収差量が所望の値(設計目標)になっているかを判定し、所望の値からずれている時には差分変形量及び耳鼻変形関数を調整して設計過程を繰り返す。
ここで、耳鼻変形関数f(y,x)においてはx座標の原点を主注視線に一致させ、そこから左右方向に向けての変形量を定義する関数であることがポイントである。例えば、鼻側の収差を増やす場合には耳鼻変形関数f(y,x)がx>0の場合に正の値となるようにする。また、鼻側の収差を減らす場合には耳鼻変形関数f(y,x)がx>0の場合に負の値とする。また、鼻側のみ変形して耳側を変形しない場合には、x<0の場合にf(y,x)=0とする。このようにすることで目的の収差を耳鼻の領域別に制御することが可能となる。
尚、収差は少なければ少ない程良いものではあるが、全て収差を減らすためにf(y,x)の値を負とすることは、設計目標の収差は所望の値に近づけることはできても、その結果、設計目標以外の収差が悪化する場合が多いため一般的に現実的ではない。ある領域の収差を下げる場合には、ある領域の収差を上げるように調整することで、レンズ面全体のバランスを維持しながらレンズ性能を維持しながら面変形を行うことが出来る。
以下、上記本発明の具体的な実施例を図面に基づいて説明する。尚、以下の各レンズは説明上右眼用のレンズのみを図示するが対になる他方のレンズは対称形状に形成されるものとする。
(実施例1)
実施例1の累進屈折力レンズでは基準インセット位置を2.0mmとし、インセット位置を変位させた例として実施例1−A〜1−Cを挙げる。実施例1の共通する主要データは以下の通りである。実施例1の基準累進面の非点収差分布図を図2に示す。実施例1ではインセット位置を変位させた場合に主注視線を挟んで広くなった領域の収差を減少させ、狭くなった領域の収差を増加させるような実施例である。
レンズ種別: 遠近累進レンズ
屈折率:1.60
表カーブ:4カーブ(屈折率1.523換算値)
レンズ直径:75mm(非点収差分布図の表示は50mm)
遠用度数: S−0.00D C−0.00D
加入度:2.00D
累進帯長さ: 13mm
中心厚: 2.0mm
遠用度数測定位置: 幾何中心から8mm上方
フィッティングポイント: 幾何中心から2mm上方
近用度数測定位置: 幾何中心から14mm下方、2.0mm鼻側
基準インセット位置: 2.0mm
(実施例1−A)
図3は実施例1の基準インセット位置2.0mmをインセット位置1.0mmとして実施例1の基準累進面をインセットの量に応じて変形させた非点収差分布図である。基準インセット位置2.0mmに比べてインセット位置1.0mmでは耳側領域が狭くなっており、逆に鼻側領域が広くなっている。そして、狭くなった耳側領域について収差が増加し、広くなった鼻側領域について収差が減少している。
(実施例1−B)
図4aは実施例1の基準インセット位置2.0mmをインセット位置3.0mmとして実施例1の基準累進面をインセットの量に応じて変形させた非点収差分布図である。基準インセット位置2.0mmに比べてインセット位置3.0mmでは耳側領域が広くなっており、逆に鼻側領域が狭くなっている。そして、広くなった耳側領域について収差が減少し、狭くなった鼻側領域について収差が増加している。
図4bは実施例1−Bの比較例として実施例1の累進屈折力レンズを回転させて近用度数測定位置でのインセット量を3.0mmとしたものである。従って、図4bは基準累進面のままであって累進面は変化していない。このように近用アイポイント位置においてインセット位置を変位させた累進屈折力レンズと同じになるように回転させて比較することによって、変化の度合いを比較することができる。図4bの累進屈折力レンズの累進面に比べて図4aの累進屈折力レンズの累進面はインセット位置は同じでもかなり累進面の特性に差があるのがわかる。
(実施例1−C)
図5は実施例1の基準インセット位置2.0mmをインセット位置4.0mmとして実施例1の基準累進面をインセットの量に応じて変形させた非点収差分布図である。図5では耳側領域が広くなっており、逆に鼻側領域が狭くなっている。そして、広くなった耳側領域について収差が減少し、狭くなった鼻側領域について収差が増加している。特に実施例1−Cでは基準累進面の収差分布に対する変化度合いも大きく、等高線の間隔の変化から歪曲収差も耳側領域で減少し、鼻側領域で増加していることもわかる。
(実施例2)
実施例2の累進屈折力レンズでは基準インセット位置2.0mmとし、インセット位置を変位させた例として実施例2−A及び2−Bを挙げる。実施例2の共通する主要データは以下の通りである。実施例2の基準累進面の非点収差分布図を図6に示す。実施例2は実施例1とは逆にインセット位置を変位させた場合に主注視線を挟んで広くなった領域の収差を増加させ、狭くなった領域の収差を減少させるような実施例である。
レンズ種別: 中近累進レンズ
レンズ直径:75mm(非点収差分布図の表示は50mm)
遠用度数: S−0.00D C−0.00D
加入度:2.00D
累進帯長さ: 23mm
中心厚: 2.0mm
遠用度数測定位置: 幾何中心から16mm上方
フィッティングポイント: 幾何中心から2mm上方
近用度数測定位置: 幾何中心から14mm下方、2.0mm鼻側
基準インセット位置: 2.0mm
(実施例2−A)
図7は実施例2の基準インセット位置2.0mmをインセット位置1.0mmとして実施例2の基準累進面をインセットの量に応じて変形させた非点収差分布図である。基準インセット位置2.0mmに比べてインセット位置1.0mmでは耳側領域が狭くなっており、逆に鼻側領域が広くなっている。そして、狭くなった耳側領域について収差が減少し、広くなった鼻側領域について収差が増加している。
(実施例2−B)
図8は実施例2の基準インセット位置2.0mmをインセット位置3.0mmとして実施例2の基準累進面をインセットの量に応じて変形させた非点収差分布図である。基準インセット位置2.0mmに比べてインセット位置3.0mmでは耳側領域が広くなっており、逆に鼻側領域が狭くなっている。そして、広くなった耳側領域について収差が増加し、狭くなった鼻側領域について収差が減少している。
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上記手法以外で本発明の累進屈折力レンズを設計するようにしてもよい。
・上記実施例1及び2では、インセット位置を変位させた場合にその量に応じて主注視線を挟んだ両領域ともに収差を変化させるようにしていたが、片方だけを変化させるような設計としてもよい。
上記実施例1及び2では、インセット位置2.0mmを基準インセット位置としたが、どのように基準インセット位置を設定するかは自由である。
・実施例1では遠近累進レンズの例を示し、実施例2は中近累進レンズの例を示した。このように本発明は累進屈折力レンズのレンズ種別にとらわれる事はない。
・本実施例では非点収差図を用いて説明を行ったが、収差は非点収差に限定されない。例えば、実施例1−Cで示したように、非点収差図を用いて歪曲収差を見積もることが可能である。また、度数分布図(パワーエラー)を設計に用いる場合であってもインセット位置に応じて耳側、鼻側の収差量の適切に配分することが出来るのも同様である。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。

Claims (4)

  1. レンズ上方に配置された比較的遠方を見るための遠用部領域と、同遠用部領域よりも下方に配置され同遠用部領域よりも大きな屈折力を有する近用部領域と、これら領域の間に配置され屈折力が累進的に変化する累進帯領域を備え、前記遠用部領域から近用部領域にかけて加入度が徐々に付加されていくように加入勾配が設定された累進面を備え、遠用視状態から近用視状態に視線を移動させる際の眼球の輻輳動作に対応したインセット量が前記累進面上に設定された累進屈折力レンズにおいて、
    ある基準となる累進面(以下、基準累進面)に設定されたある基準となるインセット(以下、基準インセット)位置からインセット位置を鼻側に変位させた場合に、インセット位置の変位に伴って広くなった領域側の視線が通過する可能性が高くなることに基づいて前記基準累進面について耳側の領域の収差を減少させるようにし、前記基準インセット位置からインセット位置を耳側に変位させた場合にも、インセット位置の変位に伴って広くなった領域側の視線が通過する可能性が高くなることに基づいて鼻側の領域の収差を減少させるようにして前記累進面の収差を最適化するようにしたことを特徴とする累進屈折力レンズの設計方法。
  2. 前記基準インセット位置からインセット位置が変位して耳側の領域の収差を減少させる場合には鼻側の領域の収差を増加させるようにし、前記基準インセット位置からインセット位置が変位して鼻側の領域の収差を減少させる場合には耳側の領域の収差を増加させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の累進屈折力レンズの設計方法。
  3. レンズ上方に配置された比較的遠方を見るための遠用部領域と、同遠用部領域よりも下方に配置され同遠用部領域よりも大きな屈折力を有する近用部領域と、これら領域の間に配置され屈折力が累進的に変化する累進帯領域を備え、前記遠用部領域から近用部領域にかけて加入度が徐々に付加されていくように加入勾配が設定された累進面を備え、遠用視状態から近用視状態に視線を移動させる際の眼球の輻輳動作に対応したインセット量が前記累進面上に設定された累進屈折力レンズにおいて、
    ある基準となる累進面(以下、基準累進面)に設定されたある基準となるインセット(以下、基準インセット)位置からインセット位置を鼻側に変位させた場合に前記基準累進面について鼻側の領域の収差を減少させるようにし、前記基準インセット位置からインセット位置を耳側に変位させた場合には耳側の領域の収差を減少させるようにして、インセット位置の変位に伴い面積が狭くなることによって収差が集中する側の収差を減少させるように前記累進面の収差を最適化するようにしたことを特徴とする累進屈折力レンズの設計方法。
  4. 前記基準インセット位置からインセット位置が変位して鼻側の領域の収差を減少させる場合には耳側の領域の収差を増加させるようにし、前記基準インセット位置からインセット位置が変位して耳側の領域の収差を減少させる場合には鼻側の領域の収差を増加させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の累進屈折力レンズの設計方法。
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