JP6163241B1 - 食肉の鳥獣脂感改善剤 - Google Patents
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Abstract
Description
ビーフエキスやビーフフレーバーを使用して牛肉の風味を再現した食品(食肉加工品・缶詰、菓子・スナック等)についても人気が高い。
しかし、実際の牛肉の風味を再現することは容易ではなく、ましてや和牛肉の風味を再現する食品の実用化は困難を極めている。
しかしながら、上記技術では実際の和牛香を再現することは困難であった。
本発明の課題は、食肉風味飲食物の鳥獣脂感を、例えば和牛肉に代表される、甘くて自然で天然なジューシー感のある良質な鳥獣脂感に改善することができる鳥獣脂感改善剤、及び当該改善剤を用いた食肉風味飲食物の鳥獣脂感改善方法を提供することにある。
さらに、cis体のみならずtrans−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールも同様の効果をもたらし、さらに(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナール、1−オクテン−3−オン、(E,E)−2、4−デセナールを併用することにより一層優れた和牛肉の風味を再現できることを見出した。
すなわち、cis又はtrans−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナール、1−オクテン−3−オンを、食肉風味飲食物に極めて微量の濃度で添加することにより、食肉風味飲食物の鳥獣脂感を、極めて自然で天然感のある良質な鳥獣脂感に改善でき、馥郁とした豊かな香味が再現された食肉風味飲食物の提供が可能になるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
〔1〕4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールからなることを特徴とする、鳥獣脂感改善剤。
〔2〕4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールと、(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナール及び/又は1−オクテン−3−オンを含有することを特徴とする、鳥獣脂感改善剤組成物。
〔3〕さらに、(E,E)−2,4−デカジエナールを含有することを特徴とする、前記鳥獣脂感改善剤組成物。
〔4〕前記鳥獣脂感改善剤組成物を含有することを特徴とする、食肉風味香味料組成物。〔5〕4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールの含有量が10-6〜100ppmであり、(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールの含有量が10-7〜10ppmであり、1−オクテン−3−オンの含有量が10-4〜10000ppmであり、(E,E)−2,4−デカジエナールの含有量が10-6〜100ppmであることを特徴とする、前
記食肉風味香味料組成物。
〔6〕前記食肉風味香味料組成物を0.01〜1.0質量%添加したことを特徴とする、食肉風味飲食物。
〔8〕食肉風味飲食物に、4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールが10-9〜0.1ppm、(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールが10-10〜10-2ppm、1−オクテン−3−オンが10-7〜10ppm、並びに、(E,E)−2,4−デカジエナールが10-9〜0.1ppmの含有量となるように各化合物を添加することを特徴とする食肉風味飲食物の鳥獣脂感改善方法。
その結果、消費者の選択の幅が広がり、食肉加工食品の一層の需要拡大を図ることができる。
特に、牛肉又は牛肉製品、加工品に使用した場合に、「自然な鳥獣脂感」、「ジューシー感」及び「呈味のボリューム」がバランス良く向上し、和牛肉の風味、和牛香を付与することができ、牛肉製品の価値を一層高めることが可能となる。
<1> 鳥獣脂感改善剤
本発明の鳥獣脂感改善剤の有効成分は、必須化合物の4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールと、付加的な化合物(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナール及び/または1−オクテン−3−オンとの組合せである。
これらの化合物は、既知の合成法によって製造するか、天然物から抽出、減圧条件下での精密蒸留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー等の手段で得るか、香料や試薬として販売されている市販を購入して使用する。
4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールは、下記式(1)の化学構造をする不飽和アルデヒドであり、エポキシ環についてcis及びtrans異性体が存在し、trans体は脂質の酸化臭の主香成分であることが知られているが、cis体は今回初めて牛肉より検出された成分である。なお、下記式(1)の左側がcis体、右側がtrans体である。
cis−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールは、メタリック様、アルデヒド様、みずみずしい果汁感を想起させる等の特性を有しており、本化合物を含有する香料組成物は、菓子類、ジュースのような飲食物あるいは香粧品に使用すると、果汁感が強調されたよりナチュラル感が感じられると報告されている(特許文献5)。
しかしながら、当該化合物が、食肉風味飲食物の鳥獣脂感を改善する効果があることは知られていなかった。
cis体とtrans体の効果については、cis体の方がやや嗜好的に好まれる傾向にある。
4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールの添加量が、0.001ppt未満の場合は鳥獣脂感改善効果が十分でない場合があり、一方、添加量が0.1ppmを超えた場合は4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールの香味が浮き出る可能性がある。
(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールは、下記式(2)の化学構造をする不飽和アルデヒドある。
(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールは、アラキドン酸の酸化臭の主香成分であり、その匂いは極めて強く微量でも不快臭を感じるものである。
(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールは、調理したチキンのフレーバーから見いだされ、魚節香料組成物としての利用が提案されている(特許文献8)。
しかしながら、当該化合物が食肉風味飲食物の鳥獣脂感を改善する効果があることは知られていなかった。
(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールの添加量が0.0001ppt未満の場合は鳥獣脂感改善効果が十分でない場合があり、添加量が10ppbを超えた場合は(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールの香味が浮き出る可能性がある。
1−オクテン−3−オンは、下記式(3)の化学構造をする不飽和ケトンである。1−オクテン−3−オンは、脂質の酸化臭の主香成分であり、金属の臭い、血液のような金臭さ、もしくはきのこ様金属臭と表現され、また、エアコン等のカビ臭の原因成分としても報告されている。
しかしながら、当該化合物が食肉風味飲食物の鳥獣脂感を改善する効果があることは知られていなかった。
1−オクテン−3−オンの添加量が0.1ppt未満の場合は鳥獣脂感改善効果が十分でない場合があり、添加量が10ppmを超えた場合は1−オクテン−3−オンの香味が浮き出る可能性がある。
1−オクテン−3−オンは、合成によって得ることもできるが、市販の試薬を使用する方がコスト的に有利である(例えばシグマ−アルドリッチ社製の試薬)。
(E,E)−2,4−デカジエナールは、下記式(4)の化学構造をする不飽和アルデヒドである。(E,E)−2,4−デカジエナールは、リノール酸の酸化臭の主香成分で
あり、その匂いは極めて強く微量でも不快臭を感じるものである。(E,E)−2,4−デカジエナールは、加熱したフライ油のような油臭さと表現され、食用油脂の劣化臭の原因成分としても報告されている。
しかしながら、当該化合物が食肉風味飲食物の鳥獣脂感を改善する効果があることは知られていなかった。
(E,E)−2,4−デカジエナールの添加量が0.001ppt未満の場合は鳥獣脂感改善効果が十分でない場合があり、添加量が100ppbを超えた場合は(E,E)−2,4−デカジエナールの香味が浮き出る可能性がある。
(E,E)−2,4−デカジエナールは、合成によって得ることもできるが、市販の試薬を使用する方がコスト的に有利である(例えばシグマ−アルドリッチ社製の試薬)。
本発明において、4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールは、単独で使用して本発明の効果を奏することができるが、(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナール及び1−オクテン−3−オンの双方、又は両者のいずれか一方と組み合わせて使用することが鳥獣脂感の改善効果の観点から好ましい。
その場合、例えば4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールに対して、1−オクテン−3−オンと(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールの合計量が、質量部として1:0.1〜109:0.0001〜106の範囲で用いることが好ましく、特に1:10〜100:0.01〜1の範囲で用いることが好ましい。
(E,E)−2,4−デカジエナールを使用する場合は、4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールと同様の添加量で用いることが好ましい。
(1) 4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール
(2) 4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール+(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナール
(3) 4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール+1−オクテン−3−オン
(4) 4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール+E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナール+1−オクテン−3−オン
(5) 上記(1)〜(4)のいずれか+(E,E)−2,4−デカジエナール
本発明の鳥獣脂感改善剤には、上記の有効成分以外に、飲食品用として通常用いられている他の成分を添加することができる。付加的に用いられる任意成分としては、例えば溶
剤としてエタノールや水、甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、苦味料、酸味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤及び可塑剤などであり、これらを添加して各種製剤・剤型として用いることもできる。
本発明の鳥獣脂感改善剤は、上記のように単独で食肉風味飲食物に用いることもできるが、任意成分として他の食品用香料を添加し、食肉風味香味料組成物として用いることにより、より高い効果を引き出すことができる。
本発明でいう食肉風味香味料組成物とは、文字通りの生肉又は調理した食肉自体の風味を再現した香味料組成物にとどまらず、生肉又は調理した食肉の風味を引き立てるために用いられる風味香味料組成物をいい、典型的にはハンバーグ、ソーセージ、ミートボール、シチュー、カレールウ、スープ類、惣菜類、スナック菓子類、ソース類(グレービーソース、ウスターソース、ケチャップソース、マヨネーズソース、ホワイトソースなど)、たれ類用の香味料組成物などが例示される。
(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールの添加量が0.1ppt未満の場合は鳥獣脂感改善効果が十分でない場合があり、添加量が10ppmを超えた場合は(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールの香味が浮き出る可能性がある。
1−オクテン−3−オンの添加量が0.1ppb未満の場合は鳥獣脂感改善効果が十分でない場合があり、添加量が10000ppmを超えた場合は1−オクテン−3−オンの香味が浮き出る可能性がある。
(E,E)−2,4−デカジエナールの添加量が1ppt未満の場合は鳥獣脂感改善効果が十分でない場合があり、添加量が100ppmを超えた場合は(E,E)−2,4−デカジエナールの香味が浮き出る可能性がある。
本発明の鳥獣脂感改善の対象とされる食肉とは、牛肉、豚肉、鳥肉(鶏、七面鳥、ガチョウ、ウズラ、ホロホロ鳥等)、馬肉、羊肉、山羊肉、イノブタ(加工肉、ミンチを含む)、鯨肉等の他、ジビエ(狩猟肉)と呼ばれる野生の獣肉(例えば、ウサギ、シカ、イノシシ、クマ、カモ、キジ、ハト等)が含まれる。
〔1〕4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール
非特許文献3(J. Agric. Food Chem., 2006, 54(13), 4795-4801)に記載の方法で合成した。
具体的には、4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールは、下記反応式に示すように、2.6gの2−オクテン−1−オールをエポキシ化し、2,3−エポキシオクタン−1−オールとした後、酸化することにより2,3−エポキシオクタナールを得、最後に増炭する事により、1.7gのシス体及びトランス体の4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールを合成した。
非特許文献4(J. Agric. Food Chem., 2001, 49(6), 2959-2965)に記載の方法を参考に合成した。
具体的には、(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールは、下記反応式に示すように、アルデヒド基をジエチルアセタールで保護した1,1−ジエトキシ−2−プロピンにさらにアルキンを導入して1,1−ジエトキシウンデカ−2,5−ジインとし、還元することで(Z,Z)−1,1−ジエトキシウンデカ−2,5−ジエンを得、脱保護、増炭、還元、最後にアルデヒド基へと酸化する事により(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールを合成した。
シグマ−アルドリッチ社製の試薬を購入して使用した。
シグマ−アルドリッチ社製の試薬を購入して使用した。
4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールを、1ppbになるように中鎖脂肪酸トリグリセライド(花王社製:以下、「MCT」という。)に添加して、本発明の鳥獣脂感改善剤のMCT溶液を調製した。
4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール及び1−オクテン−3−オンを、各々、1ppb、100ppbとなるようにMCTに添加して、本発明の鳥獣脂感改善剤組成物のMCT溶液を調製した。
4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール及び(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールを、各々、1ppb、0.1ppbとなるようにMCTに添加して、本発明の鳥獣脂感改善剤組成物のMCT溶液を調製した。
4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、1−オクテン−3−オン及び(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールを、各々、1ppb、100ppb、0.1ppbとなるようにMCTに添加して、本発明の鳥獣脂感改善剤組成物のMCT溶液を調製した。
実施例1〜4の鳥獣脂感改善剤組成物について、市販のビーフコンソメスープ(株式会社明治製の即席スープに熱湯を加え、20倍に希釈したもの)に0.1質量%添加し、その効果を官能試験により評価した。
評価は9名の専門パネルにより行い、評価項目は、「自然な鳥獣脂感」、「ジューシー感」、「呈味のボリューム」とし、評価の基準は以下の7段階とした。
比較のため、MCTのみを0.1質量%加えたビーフコンソメスープを調製し、比較例
1とした。
各評価点の平均値を表1に示した。
2点:弱い
3点:やや弱い
4点:普通
5点:やや強い
6点:強い
7点:極めて強い
4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、1−オクテン−3−オン、(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールおよび(E,E)−2,4−デカジエナールを、各々表2の濃度となるようにMCTに添加して、本発明の鳥獣脂感改善剤組成物のMCT溶液を調製した。
実施例5〜7の鳥獣脂感改善剤組成物について、市販のビーフコンソメスープ(株式会社明治製の即席スープに熱湯を加え、20倍に希釈したもの)に0.1質量%添加し、その効果を官能試験により評価した。評価は試験例1と同様に行い、各評価点の平均値を表2に示した。
表3に示す処方により、本発明の食肉風味(ビーフ風味)香味料組成物(実施例8)を調製した。比較のため、4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、1−オクテン−3−オン、(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールをMCTに替えた食肉風味(ビーフ風味)香味料組成物(比較例2)を調製した。
実施例8及び比較例2の食肉風味(ビーフ風味)香味料組成物について、市販のビーフコンソメスープ(明治社製の即席スープに熱湯を加え、20倍に希釈したもの)に0.1質量%添加し、その効果を官能試験により評価した。評価は試験例1と同様に行い、各評価点の平均値を表3に示した。
表4に示す処方により、本発明の食肉風味(ポーク風味)香味料組成物(実施例9)を調製した。比較のため、4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、1−オクテン−3−オン、(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールをMCTに替えた食肉風味(ポーク風味)香味料組成物(比較例3)を調製した。
実施例9及び比較例3の食肉風味(ポーク風味)香味料組成物について、市販の豚骨ラーメンスープ(エバラ食品社製の即席ラーメンの液体豚骨ラーメンスープに熱湯を加え、20倍に希釈したもの)に0.1質量%添加し、その効果を官能試験により評価した。評価は試験例1と同様に行い、各評価点の平均値を表4に示した
表5に示す処方により、本発明の食肉風味(チキン風味)香味料組成物(実施例10)を調製した。比較のため、4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、1−オクテン−3−オン、(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールをMCTに替えた食肉風味(チキン風味)香味料組成物(比較例4)を調製した。
実施例10及び比較例4の食肉風味(チキン風味)香味料組成物について、市販のチキンクリームシチュー(ハウス食品社製の即席シチューミックスに熱湯を加え、20倍に希釈したもの)に0.1質量%添加し、その効果を官能試験により評価した。評価は試験例1と同様に行い、各評価点の平均値を表5に示した
強力粉1400質量部に、水に溶解させた生イースト40質量部を加えてよく撹拌し、28℃で4時間発酵させた。
得られた生地に強力粉600質量部、砂糖100質量部、市販のビーフコンソメ100質量部、食塩30質量部、実施例8で調製した食肉風味(ビーフ風味)香味料組成物または比較例2で調製した食肉風味(ビーフ風味)香味料組成物を各々0.1質量部添加し、生地をよくこねた後、容器に詰め、38℃で40分間発酵後、220℃で40分間焼成し、本発明の牛肉風味食パン1及び比較品の牛肉風味食パン2を得た。
専門パネラー7名による官能評価試験を行ったところ、牛肉風味食パン1の方が自然な鳥獣脂感やジューシー感が強く感じられ、呈味のボリュームが増し嗜好性が向上したと評価された。
ショートニング15質量部、砂糖30質量部、全卵3質量部、食塩1質量部、味噌0.5質量部、実施例8で調製した食肉風味(ビーフ風味)香味料組成物または比較例2で調製した食肉風味(ビーフ風味)香味料組成物を各々0.1質量部添加し、30分間撹拌後、30分間エージングを行った。
得られた生地を型に流し入れ、220℃で5分間焼成し、本発明の牛肉風味ハードビスケット1及び比較品の牛肉風味ハードビスケット2を調製した。
専門パネラー7名による官能評価試験を行ったところ、牛肉風味ハードビスケット1の方が自然な鳥獣脂感やジューシー感が強く感じられ、呈味のボリュームが増し嗜好性が向上したと評価された。
濃口醤油10質量部、薄口醤油15質量部、砂糖5質量部、食塩1質量部、みりん5質量部、片栗粉2質量部、水100質量部、実施例8で調製した食肉風味(ビーフ風味)香味料組成物または比較例2で調製した食肉風味(ビーフ風味)香味料組成物を各々0.1質量部添加し、撹拌混合を行った。
串切り玉ねぎ35質量部と、薄切り牛肉25質量部を湯通ししたのち、混合した調味料を加えて15分間煮込み、本発明の牛肉風味牛丼の具1及び比較品2を調製した。
専門パネラー7名による官能評価試験を行ったところ、牛肉風味牛丼の具1の方が自然な鳥獣脂感やジューシー感が強く感じられ、呈味のボリュームが増し嗜好性が向上した。
ヘット32質量部と小麦粉13質量部を焙煎して得た小麦粉ルーに、食塩7質量部、砂糖8質量部、カレー粉10質量部、調味料2質量部、オニオンパウダー6質量部、香辛料・果実ミックスパウダー4質量部、ビーフエキス3質量部、ビーフ香味油3質量部、澱粉7質量部、粉乳5質量部並びに実施例8の食肉風味(ビーフ風味)香味料組成物0.1質量部を配合し、110℃達温まで加熱混合処理した後、冷却固化して本発明のビーフカレールウを調製した。
専門パネラー7名による官能評価試験を行ったところ、このビーフカレールウは、牛脂の自然な鳥獣脂感やジューシー感が強く感じられ、呈味のボリュームが増し、嗜好性が高いものであった。
合い挽き肉35質量部、タマネギ(みじん切り)29質量部、水14.6質量部、パン粉8質量部、卵4.3質量部、大豆タンパク4質量部、脱脂粉乳3質量部、ビーフエキス0.8質量部、食塩0.5質量部、旨味調味料0.5質量部、胡椒0.1質量部、ナツメグ0.1質量部及び実施例8の食肉風味(ビーフ風味)香味料組成物0.1質量部を配合し、フードミキサーで混合後成形して、170℃7分間焼成し、本発明のハンバーグを調製した。
専門パネラー7名による官能評価試験を行ったところ、このハンバーグは、牛脂と豚脂の自然な鳥獣脂感やジューシー感が強く感じられ、呈味のボリュームが増し、嗜好性が高いものであった。
豚赤肉65質量部、豚脂肪22質量部、氷10質量部をチョッパーにかけた後、食塩1.2質量部、トリポリリン酸ナトリウム0.3質量部、グラニュー糖1.2質量部、亜硝酸ナトリウム0.1質量部、胡椒0.1質量部及び実施例9の食肉風味(ポーク風味)香味料組成物0.1質量部を配合し、カッターでカッティングしてペースト状とし、これを充填機を用いてケーシングに詰め、次いで、スモーク、加熱、冷却を行って本発明のソーセージを調製した。
専門パネラー7名による官能評価試験を行ったところ、このソーセージは、豚脂の自然な鳥獣脂感やジューシー感が強く感じられ、呈味のボリュームが増し、嗜好性が高いものであった。
タマネギ(みじん切り)40質量部、豚挽肉30質量部、でんぷん8質量部、水8質量部、冷凍すり身6質量部、大豆タンパク3質量部、食塩1質量部、砂糖1質量部、ショウガ1質量部、ゴマ油1質量部、ポークエキス0.5質量部、旨味調味料0.3質量部、胡椒0.1質量部及び、実施例9の食肉風味(ポーク風味)香味料組成物0.1質量部を配合し、フードミキサーで混合後シュウマイの皮に包み、85℃で10分蒸し、本発明のシュウマイを調製した。
専門パネラー7名による官能評価試験を行ったところ、このソーセージは、豚脂の自然な鳥獣脂感やジューシー感が強く感じられ、呈味のボリュームが増し、嗜好性が高いものであった。
鶏胸挽肉76質量部、大豆タンパク3質量部、加工澱粉1.5質量部、水82質量部、タマネギ(みじん切り)12質量部、パン粉6質量部、食塩0.3質量部、MSG0.2質量部、チキンエキス0.3質量部、香辛料0.3質量部、日持ち向上剤0.5質量部、胡椒0.1質量部、醤油0.5質量部、ゴマ油0.3質量部及び実施例10の食肉風味(チキン風味)香味料組成物0.1質量部を配合し、フードミキサーで混合後、球状に成形後フライし、本発明のチキンミートボールを調製した。
専門パネラー7名による官能評価試験を行ったところ、このチキンミートボールは、鶏脂の自然な鳥獣脂感やジューシー感が強く感じられ、呈味のボリュームが増し、嗜好性が高いものであった。
バター25質量部、パーム脂25質量部、小麦粉50質量部を弱火で炒め、牛乳500質量部、水590質量部、チキンコンソメ2質量部、食塩6質量部を加え、弱火で粘度が出るまで加熱しホワイトソースとする。
鶏肉(2cm角)100質量部、玉ねぎスライス100質量部、人参(ダイス状)30質量部、じゃがいも(ダイス状)70質量部を湯通しし、ホワイトソースに添加し、実施例10の食肉風味(チキン風味)香味料組成物1質量部を配合して15分煮込み、本発明のクリームシチューを調製した。
専門パネラー7名による官能評価試験を行ったところ、このクリームシチューは、鶏脂の自然な鳥獣脂感やジューシー感が強く感じられ、呈味のボリュームが増し、嗜好性が高いものであった。
小麦粉100質量部とベーキングパウダー1質量部をふるいにかけ、食塩1質量部、砂糖1質量部、水15質量部並びに実施例8の食肉風味(ビーフ風味)香味料組成物0.1質量部を配合し、よく混ぜて成形後、170℃の油で揚げてスナック菓子を調製した。
専門パネラー7名による官能評価試験を行ったところ、このスナック菓子は、牛脂の自然な鳥獣脂感やジューシー感が強く感じられ、呈味のボリュームが増し、嗜好性が高いものであった。
Claims (5)
- 4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールからなることを特徴とする鳥獣脂感改善剤。
- 4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールと、(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナール及び/又は1−オクテン−3−オンからなることを特徴とする鳥獣脂感改善剤。
- 付加的な有効成分として(E,E)−2,4−デカジエナールを含有することを特徴とする請求項2に記載の鳥獣脂感改善剤。
- 食品用香料及び請求項3に記載の鳥獣脂感改善剤を含有する食肉風味香味料組成物であって、
4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールの含有量が10-6〜100ppmであり、(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールの含有量が10-7〜10ppmであり、1−オクテン−3−オンの含有量が10-4〜10000ppmであり、(E,E)−2,4−デカジエナールの含有量が10-6〜100ppmであることを特徴とする上記の食肉風味香味料組成物。 - 食肉風味飲食物に、4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールが10-9〜0.1ppm、(E,Z,Z)−2,4,7−トリデカトリエナールが10-10〜10-2ppm、1−オクテン−3−オンが10-7〜10ppm、並びに、(E,E)−2,4−デカジエナールが10-9〜0.1ppmの含有量となるように各化合物を添加することを特徴とする食肉風味飲食物の鳥獣脂感改善方法。
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IMRE BLANK ET AL.: "Identification of Potent Odorants Formed by Autoxidation of Arachidonic Acid: Structure Elucidation", J. AGRIC. FOOD CHEM, vol. 49巻, JPN6017004176, 2001, pages 959 - 2965 * |
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