JP6163124B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速機に関する。
例えば、特許文献1には、エンジンに接続された入力軸の回転をコネクティングロッドの往復運動に変換し、コネクティングロッドの往復運動をワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換する四節リンク機構型の無段変速機の制御装置が記載されている。
特許文献1の制御装置には、入力部の累積回転回数とピニオンシャフトの累積回転回数とを計数し、それらの差分を用いて回転半径調節機構の回転半径を推定し、その回転半径に基づいて入力軸もしくは出力軸に伝達されるトルクの推定を行うことが開示されている。
特開2012−251608号公報
特許文献1のように入力側の回転数をベースに偏心量R1を算出してから入力/出力トルクを算出する方法の場合、ピニオンギヤと偏心ディスク内歯とのバックラッシや、入力軸部材間の隙間、入力軸のたわみなどによって正確な偏心量R1を推定できず、その結果算出される出力トルクの精度も低下し得る。
また、ワンウェイクラッチが係合するとアウター部材が拡管し、その変位量はワンウェイクラッチの伝達トルクと相関関係がある。この相関関係から、ギャップセンサなどの距離検出部を用いて、変位量を検出して伝達トルクを見積もり、レシオ制御にフィードバックする手法も考えられる。
図6(a)はアウター部材18の近傍に距離検出部50を配置して、アウター部材18の揺動角の時間変化と検出距離(GAP)との関係の測定例を示した図である。図6(b)は、ワンウェイクラッチが無負荷の場合と、エンゲージ状態の場合とを比較した図である。無負荷状態に比べてエンゲージ状態では、出力軸23とアウター部材18との間にローラ25が係合することにより、アウター部材18は半径方向に押圧され、アウター部材18は半径方向に拡がるように変位する。このような特性により、ワンウェイクラッチが低トルクを伝達する場合の変位(GAP)に比べて高トルクを伝達する場合の変位(GAP)は大きくなる傾向を示す(図6(a))。
また、ワンウェイクラッチのローラ25は、出力軸23の円周方向に沿って離散的に配置されているため、同一トルクを伝達する場合でも、距離検出部とローラとの相対的な位置関係により、検出される変位の出力値は異なるものとなる。
図7(a)は距離検出部50の検出面に対してローラ25がずれて配置された状態を示し、図7(b)は、距離検出部50の直下にローラ25が配置された状態を示している。検出面に対してローラ25がずれて配置された場合(図7(a))に比べて検出面の直下にローラ25が配置された場合(図7(b))の変位(GAP)は大きくなる傾向を示す。
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、距離検出部とローラとの位置関係が揃うまでを平均するサイクル数とすることで、ばらつきを低減した変位の計測に基づき出力軸トルクを算出することが可能な無段変速機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された本発明は、走行用駆動源から駆動力が伝達される入力軸(2)と、
前記入力軸(2)の回転中心軸線と平行な回転中心軸線を有する出力軸(23)と、
回転半径を調節自在であり前記入力軸(2)の回転中心軸線を中心として回転可能な回転半径調節機構(4〜7)と、
前記出力軸(23)に連結されたアウター部材(18)と、前記回転半径調節機構(4〜7)と前記アウター部材(18)とを連結するコネクティングロッド(15)とを有し、前記回転半径調節機構(4〜7)の回転運動を前記アウター部材(18)の揺動運動に変換するてこクランク機構(20)と、
前記アウター部材(18)を一方側に揺動させようとしたときに前記出力軸(23)に前記アウター部材(18)を固定し、他方側に揺動させようとしたときに前記出力軸(23)に対して前記アウター部材(18)を空転させる一方向回転阻止機構(17)と、
前記てこクランク機構(20)および前記一方向回転阻止機構(17)を収納する変速機ケース(30)と、を備え、
前記一方向回転阻止機構(17)は、
前記アウター部材(18)の内周に同軸に配置された前記出力軸(23)と、前記アウター部材(18)の内周面および前記出力軸(23)の外周面の間に配置された複数のローラ(25)と、前記複数のローラ(25)を円周方向に付勢し、かつ、前記出力軸(23)と一体で回転する複数の付勢部材(26)と、を備え、前記アウター部材(18)と前記出力軸(23)の前記一方側への相対回転により、前記ローラ(25)を前記アウター部材(18)の内周面と前記出力軸(23)の外周面の間に係合させて駆動力を伝達するワンウェイクラッチであり、
前記アウター部材(18)は、前記コネクティングロッド(15)と連結する揺動端部(18a)と、前記出力軸(23)に連結され、被検出部を備える環状部(18d)を有する無段変速機であって、
前記変速機ケース(30)に固定され前記被検出部までの距離を検出する距離検出部(50)と、
前記距離検出部(50)により検出された値に基づいて、前記出力軸(23)のトルクを算出する出力軸トルク算出制御部(52)と、を備え、
前記出力軸トルク算出制御部(52)は、
前記距離検出部(50)により検出された値のピーク値を所定回数だけ順次記憶するピーク値記憶部(53)と、
前記入力軸(2)の1回転周期を検出する入力側周期検出部(54)と、
前記出力軸(23)の1回転周期を検出する出力側周期検出部(55)と、
前記記憶された所定回数分のピーク値の平均値を算出する平均値算出部(56)と、
前記平均値から前記出力軸(23)のトルクを算出する出力軸トルク算出部(57)と、を備え、
前記所定回数は、前記ピーク値記憶部(53)が最初にピーク値を記憶したときの前記距離検出部(50)と前記ローラ(25)との位置関係を第1状態としたとき、前記第1状態と同様の前記位置関係になる第2状態となるときまでに前記ピーク値が記憶された回数で構成される
ことを特徴とする無段変速機が提案される。
また、請求項2に記載された本発明は、請求項1の構成に加え、前記所定回数は、前記第1状態における前記ローラ(25)の次に配置されているローラが前記第1状態と同様の前記第2状態となるときまでに前記ピーク値が記憶された回数で構成されることを特徴とする無段変速機が提案される。
また、請求項3に記載された本発明においては、請求項1の構成に加え、前記所定回数は、前記出力軸(23)が1回転する前に、前記第1状態における前記ローラ(25)とは異なる他のいずれかのローラが前記第1状態と同様の前記第2状態となるときまでに前記ピーク値が記憶された回数で構成されることを特徴とする無段変速機が提案される。
また、請求項4に記載された本発明においては、請求項1の構成に加え、前記所定回数は、前記第1状態のローラ(25)と前記第2状態のローラ(25)とが同一のローラになるまでの回数であることを特徴とする無段変速機が提案される。
また、請求項5に記載された本発明においては、請求項4の構成に加え、前記所定回数は、前記第1状態のときの前記入力軸の回転位相と前記第2状態のときの前記入力軸の回転位相が同一の位相になるまでの回数であることを特徴とする無段変速機が提案される。
また、請求項6に記載された本発明においては、請求項1乃至3のいずれか1項の構成に加え、前記所定回数は、前記出力軸(23)の1回転周期/前記入力軸(2)の1回転周期/前記複数のローラ(25)の数で算出されることを特徴とする無段変速機が提案される。
また、請求項7に記載された本発明においては、請求項4の構成に加え、前記所定回数は、前記出力軸(23)の1回転周期/前記入力軸(2)の1回転周期で算出されることを特徴する無段変速機が提案される。
また、請求項8に記載された本発明においては、請求項5の構成に加え、前記所定回数は、前記入力軸(2)の1回転周期と前記出力軸(23)の1回転周期との最小公倍数/前記入力軸(2)の1回転周期で算出されることを特徴とする無段変速機が提案される。
また、請求項9に記載された本発明においては、請求項6乃至8のいずれか1項の構成に加え、前記出力側周期検出部(55)の検出結果に基づき、前記出力軸(23)の回転速度を判定する出力軸速度判定部(58)と、
前記判定に基づき、前記所定回数の算出方法を設定する所定回数設定部(59)と、を更に備え、
前記平均値算出部(56)は、前記設定された算出方法に従って前記所定回数を算出することを特徴とする無段変速機が提案される。
請求項1乃至請求項3の構成によれば、距離検出部とローラとの位置関係が揃うまでを平均するサイクル数とすることで、ばらつきを低減した変位の計測に基づき出力軸トルクを算出することが可能になる。
また請求項4の構成によれば、請求項1の効果に加えて、それぞれのローラ形状のばらつきによる距離検出部の検出値のばらつきを解消して、出力軸トルクを算出することが可能になる。
また、請求項5の構成によれば、請求項4の効果に加えて、アウター部材の外形形状のばらつきによる距離検出部の検出値のばらつきを解消して、出力軸トルクを算出することが可能になる。
また、請求項6の構成によれば、請求項1の効果に加えて、距離検出部とローラとの位置関係が揃うまでの所定回数を算出することが可能になる。
また、請求項7の構成によれば、請求項4の効果に加えて、同じローラについて、距離検出部とローラとの相対的な位置関係が同じ状態となるまでの所定回数を算出することが可能になる。
また、請求項8の構成によれば、請求項5の効果に加えて、同じローラについて、ローラの位置を合わせるとともに、アウター部材の位相を合わせるまでの所定回数を算出することが可能になる。
また、請求項9の構成によれば、出力軸の回転速度に応じた所定回数の算出方法により、距離検出部の検出値の平均を求めることが可能になる。
本実施形態の無段変速機の構造を示す断面図。 図1の無段変速機の偏心量調節機構、コネクティングロッド及び揺動リンクを軸方向から見た図。 図1の無段変速機の偏心量調節機構による偏心量の変化を示す図。 本実施形態の偏心量調節機構による偏心量の変化と、揺動リンクの揺動運動の揺動角度範囲の関係を示す図。 出力軸トルク算出制御部の機能構成を説明する図。 第1実施形態にかかる距離検出部とローラとの相対的な位置関係とピーク値の検出について説明する図。 (a)アウター部材の揺動角の時間変化と変位(GAP)との関係を例示した図、(b)ワンウェイクラッチが無負荷の場合と、エンゲージ状態の場合とを比較した図。 (a)距離検出部に対してローラがずれて配置された状態を示す図、(b)距離検出部の直下にローラが配置された状態を示す図。 入力側周期検出部、および出力側周期検出部の構成を説明する図。 第1実施形態の出力軸トルク算出制御部による処理を説明する図。 第1実施形態にかかるグループの例を示す図。 (a)出力軸の出力トルクの算出処理の流れを説明する図であり、(b)GAP量と出力トルクとの相関関係を例示する図。 第2実施形態にかかる距離検出部とローラとの相対的な位置関係とピーク値の検出について説明する図。 ローラのばらつきと、距離検出部の出力の変化との関係を例示する図。 第2実施形態の出力軸トルク算出制御部による処理を説明する図。 第2実施形態にかかるグループの例を示す図。 第3実施形態にかかる距離検出部とローラとの相対的な位置関係とピーク値の検出について説明する図。 第3実施形態にかかるピーク値の例を示す図。 第3実施形態の出力軸トルク算出制御部による処理を説明する図。 第4実施形態の出力軸トルク算出制御部の機能構成を説明する図。
以下、本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
<無段変速機の構造>
まず、図1および図2を参照して、本実施形態の無段変速機の構造について説明する。本実施形態の無段変速機1は、変速比i(i=入力軸の回転速度/出力軸の回転速度)を無限大(∞)にして出力軸の回転速度を「0」にできる変速機、いわゆるIVT(Infinity Variable Transmission)の一種である。
本実施形態の無段変速機1は、入力軸2と、出力軸23と、6つの偏心量調節機構4とを備える。
入力軸2は中空の部材からなり、エンジンやモータ等の走行用駆動源からの駆動力を受けて回転中心軸線P1を中心として回転駆動される。
出力軸23は、入力軸2とは水平方向に離れた位置に入力軸2に平行に配置され、デファレンシャルギヤ等を介して自動車の車軸に駆動力を伝達する。
偏心量調節機構4はそれぞれ駆動力入力部であり、入力軸2の回転中心軸線P1を中心として回転するように設けられ、カム部としてのカムディスク5と、偏心部材としての偏心ディスク6と、ピニオンシャフト7とを有する。回転半径調節機構(4〜7)は、回転半径を調節自在であり入力軸2の回転中心軸線を中心として回転可能に構成されている。
カムディスク5は、円盤形状であり、入力軸2の回転中心軸線P1から偏心して入力軸2と一体的に回転するように入力軸2に2個1組で設けられている。各1組のカムディスク5は、それぞれ位相を60°異なるように設定され、6組のカムディスク5で入力軸2の周方向を一回りするように配置されている。
偏心ディスク6は、円盤形状であり、その中心P3から偏心した位置に受入孔6aが設けられ、その受入孔6aを挟むように、1組のカムディスク5が回転可能に支持されている。
偏心ディスク6の受入孔6aは、その中心が、入力軸2の回転中心軸線P1からカムディスク5の中心P2(受入孔6aの中心)までの距離Raとカムディスク5の中心P2から偏心ディスク6の中心P3までの距離Rbとが同一となるように形成されている。また、偏心ディスク6の受入孔6aには、1組のカムディスク5に挟まれた内周面に、内歯6bが形成されている。
ピニオンシャフト7は、入力軸2の中空部内に、入力軸2と同心に配置され、ピニオン軸受7bを介して入力軸2の内周面に相対回転可能に支持されている。また、ピニオンシャフト7の外周面には、外歯7aが設けられている。さらに、ピニオンシャフト7には、差動機構8が接続されている。
入力軸2における1組のカムディスク5の間には、カムディスク5の偏心方向に対向する箇所に内周面と外周面とを連通させる切欠孔2aが形成されており、この切欠孔2aを介して、ピニオンシャフト7の外歯7aは、偏心ディスク6の受入孔6aの内歯6bと噛合している。
差動機構8は、遊星歯車機構であり、サンギヤ9と、入力軸2に連結された第1リングギヤ10と、ピニオンシャフト7に連結された第2リングギヤ11と、サンギヤ9及び第1リングギヤ10と噛合する大径部12aと、第2リングギヤ11と噛合する小径部12bとからなる段付きピニオン12を自転及び公転可能に軸支するキャリア13とを有している。また、差動機構8のサンギヤ9は、ピニオンシャフト7駆動用の電動機からなる偏心駆動部14(偏心量調節用駆動源)の回転軸14aに連結されている。
そして、この偏心駆動部14の回転速度を入力軸2の回転速度と同一にした場合、サンギヤ9と第1リングギヤ10とが同一速度で回転することとなり、サンギヤ9、第1リングギヤ10、第2リングギヤ11及びキャリア13の4つの要素が相対回転不能なロック状態となって、第2リングギヤ11と連結するピニオンシャフト7が入力軸2と同一速度で回転する。
また、偏心駆動部14の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くした場合、サンギヤ9の回転数をNs、第1リングギヤ10の回転数をNR1、サンギヤ9と第1リングギヤ10のギヤ比(第1リングギヤ10の歯数/サンギヤ9の歯数)をjとすると、キャリア13の回転数が(j・NR1+Ns)/(j+1)となる。また、サンギヤ9と第2リングギヤ11のギヤ比((第2リングギヤ11の歯数/サンギヤ9の歯数)×(段付きピニオン12の大径部12aの歯数/小径部12bの歯数))をkとすると、第2リングギヤ11の回転数が{j(k+1)NR1+(k−j)Ns}/{k(j+1)}となる。
したがって、偏心駆動部14の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くした場合であって、カムディスク5が固定された入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とが同一である場合には、偏心ディスク6はカムディスク5と共に一体に回転する。一方で、入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とに差がある場合には、偏心ディスク6はカムディスク5の中心P2を中心にカムディスク5の周縁を回転する。
図2に示すように、偏心ディスク6は、カムディスク5に対して、P1からP2までの距離RaとP2からP3までの距離Rbとが同一となるように偏心されている。そのため、偏心ディスク6の中心P3を入力軸2の回転中心軸線P1と同一線上に位置させて、入力軸2の回転中心軸線P1と偏心ディスク6の中心P3との距離、すなわち、偏心量R1を「0」にすることもできる。
偏心ディスク6の外縁部には、コネクティングロッド15が回転可能に支持されている。コネクティングロッド15は、一方の端部に大径の大径環状部15aを有し、他方の端部に小径の小径環状部15bを有している。コネクティングロッド15の大径環状部15aは、コンロッド軸受16を介して偏心ディスク6の外縁部に支持されている。
<一方向クラッチ17>
出力軸23には、一方向回転阻止機構としての一方向クラッチ17(ワンウェイクラッチ)を介して、アウター部材18が連結されている。一方向クラッチ17は、出力軸23の回転中心軸線P4を中心として一方側に回転しようとする場合に出力軸23に対してアウター部材18を固定し、他方側に回転しようとする場合に出力軸23に対してアウター部材18を空転させる。
アウター部材18には、揺動端部18aが設けられ、揺動端部18aには、小径環状部15bを軸方向で挟み込むことができるように形成された一対の突片18bが設けられている。一対の突片18bには、小径環状部15bの内径に対応する貫通孔18cが穿設されている。貫通孔18c及び小径環状部15bに連結ピン19が挿入されることによって、コネクティングロッド15とアウター部材18とが連結されている。また、アウター部材18には、環状部18dが設けられている。
一方向クラッチ17は、アウター部材18の内周に同軸に配置された出力軸23と、アウター部材18の内周面および出力軸23の外周面の間に配置された複数のローラ25を備える。また、一方向クラッチ17は、複数のローラ25を円周方向に付勢し、かつ、出力軸23と一体で回転する複数の付勢部材26とを備える。一方向クラッチ17は、アウター部材18と出力軸23の一方側への相対回転により、ローラ25をアウター部材18の内周面と出力軸23の外周面の間に係合させて駆動力を伝達する。
<てこクランク機構20>
次に、図2〜図4を参照して、本実施形態の無段変速機のてこクランク機構20について説明する。
図2に示すように、本実施形態の無段変速機1において、偏心量調節機構4と、コネクティングロッド15と、アウター部材18とが、てこクランク機構20(四節リンク機構)を構成している。
てこクランク機構20によって、入力軸2の回転運動は、出力軸23の回転中心軸線P4を中心とするアウター部材18の揺動運動に変換される。本実施形態の無段変速機1は、図1に示すように、合計6個のてこクランク機構20を備えている。
てこクランク機構20では、偏心量調節機構4の偏心量R1が「0」でない場合に、入力軸2とピニオンシャフト7を同一速度で回転させると、各コネクティングロッド15が60度ずつ位相を変えながら、入力軸2と出力軸23との間で出力軸23側に押したり、入力軸2側に引いたりを交互に繰り返して、アウター部材18を揺動させる。
そして、アウター部材18と出力軸23との間には一方向クラッチ17が設けられているので、アウター部材18が押された場合には、アウター部材18が固定されて出力軸23にアウター部材18の揺動運動によるトルクが伝達されて出力軸23が回転し、アウター部材18が引かれた場合には、アウター部材18が空回りして出力軸23にアウター部材18の揺動運動によるトルクが伝達されない。6つの偏心量調節機構4は、それぞれ60度ずつ位相を変えて配置されているので、出力軸23は6つの偏心量調節機構4により順に回転駆動される。本実施形態の無段変速機1において、てこクランク機構20および一方向クラッチ17は、変速機ケース30に収納されている。
また、本実施形態の無段変速機1では、図3に示すように、偏心量調節機構4によって偏心量R1が調節可能である。
図3(a)は、偏心量R1を「最大」とした状態を示し、入力軸2の回転中心軸線P1とカムディスク5の中心P2と偏心ディスク6の中心P3とが一直線に並ぶように、ピニオンシャフト7と偏心ディスク6とが位置する。この場合の変速比iは最小となる。図3(b)は、偏心量R1を図3(a)よりも小さい「中」とした状態を示し、図3(c)は、偏心量R1を図3(b)よりも更に小さい「小」とした状態を示している。変速比iは、図3(b)では図3(a)の変速比iよりも大きい「中」となり、図3(c)では図3(b)の変速比iよりも大きい「大」とした状態を示している。図3(d)は、偏心量R1を「0」とした状態を示し、入力軸2の回転中心軸線P1と、偏心ディスク6の中心P3とが同心に位置する。この場合の変速比iは無限大(∞)となる。
図4は、本実施形態の偏心量調節機構4による偏心量R1の変化と、アウター部材18の揺動運動の揺動角度範囲の関係を示している。
図4(a)は偏心量R1が図3(a)の「最大」である場合(変速比iが最小である場合)を示している。図4(b)は偏心量R1が図3(b)の「中」である場合(変速比iが中である場合)を示している。図4(c)は偏心量R1が図3(c)の「小」である場合(変速比iが大である場合)の、偏心量調節機構4の回転運動に対するアウター部材18の揺動範囲θ2を示している。ここで、出力軸23の回転中心軸線P4からコネクティングロッド15と揺動端部18aの連結点、すなわち、連結ピン19の中心P5までの距離が、アウター部材18の長さR2である。
図4から明らかなように、偏心量R1が小さくなるのに伴い、アウター部材18の揺動角度範囲θ2が狭くなり、偏心量R1が「0」になった場合には、アウター部材18は揺動しなくなる。
[第1実施形態]
<出力軸トルク算出制御部52の構成>
次に、無段変速機1の出力軸23の出力トルクを算出する出力軸トルク算出制御部52を説明する。出力軸トルク算出制御部52は、距離検出部50により検出された値に基づいて、出力軸23の出力トルクを算出する。
ここで、距離検出部50は変速機ケース30に固定され、アウター部材18までの距離を検出する。距離検出部50は、ギャップ(GAP)センサなどで構成することが可能である。アウター部材18は、コネクティングロッド15と連結する揺動端部18aと、出力軸23に連結され距離検出部50により距離が検出される被検出部を備える環状部18dを有する。
図5Aは出力軸トルク算出制御部52の機能構成を説明する図であり、出力軸トルク算出制御部52は、ピーク値記憶部53、入力側周期検出部54、出力側周期検出部55、平均値算出部56および出力軸トルク算出部57を備える。出力軸トルク算出制御部52の機能構成は、各種センサ、メモリ、およびメモリに記憶された検出結果等に基づいて、中央演算処理装置(CPU)の制御の下、制御プログラムが各種演算処理を実行することにより実現されるものとする。
ピーク値記憶部53は、距離検出部50により検出されたピーク値を所定回数だけ順次記憶する。本実施形態において、所定回数は、ピーク値記憶部53が最初にピーク値を記憶したときの距離検出部50とローラ25との位置関係を第1状態としたとき、第1状態と同様の位置関係になる第2状態となるときまでにピーク値を記憶した回数である。所定回数については、後に図5Bを参照して詳細に説明する。
平均値算出部56は、ピーク値記憶部53に記憶された所定回数分のピーク値の平均値を算出する。出力軸トルク算出部57は、平均値算出部56で算出された平均値から出力軸23のトルクを算出する。
図11(a)は、出力軸23の出力トルクの算出処理の流れを説明する図であり、ステップS51で、距離検出部50は、それぞれアウター部材18の被検出部までの距離を検出する。
ステップS52で、出力軸トルク算出制御部52の平均値算出部56は、距離検出部50で検出された所定回数のピーク値の平均値を算出する。そして、出力軸トルク算出部57は、算出された平均値から出力軸23のトルクを算出する。アウター部材18の変位量(GAP量)は無段変速機のワンウェイクラッチの伝達トルクと相関関係がある。図11(b)は、GAP量と出力トルクとの相関関係を例示する図であり、出力軸トルク算出部57は、この相関関係を、ワンウェイクラッチの特性データ(OWC特性データ)として、メモリのルックアップテーブルに記憶している。
出力軸トルク算出部57は、ルックアップテーブルを参照して、平均値算出部56で算出された平均値をGAP量(正GAP値)として、GAP量(正GAP値))に対応する出力軸のトルクを算出する。出力軸トルク算出制御部52は、出力軸トルク算出部57で算出された出力軸のトルクをレシオ制御にフィードバックすることが可能である。
<所定回数の説明>
次に、本実施形態の所定回数を説明するため、距離検出部50とローラ25との相対的な位置関係とピーク値の検出について具体的に説明する。本実施形態では、距離検出部50とローラとの相対的な位置関係が同じ状態となるまでのピーク値の平均を出力トルクの算出に用いるものである。本実施形態における出力トルクの算出は極低車速の場合に適用可能である。
図5Bは距離検出部50とローラ25との相対的な位置関係とピーク値の検出について説明する図である。図5Bに示すように、距離検出部50は、変速機ケース30に固定されており、アウター部材18の環状部に対向して配置されている。一方向クラッチ17(ワンウェイクラッチ)には、12個のローラ25が配置されている。アウター部材18の内周面と出力軸23の外周面の間でローラが係合したとき、図6(b)で示したように、アウター部材18の環状部に拡管が生じ、この拡管が距離検出部50によりピーク値として検出される。図5Bでは12個のローラのそれぞれを区別するために、1から12の番号を付して示している。以下、ローラの表記は同様である。
入力軸2が1回転すると、一方向クラッチ17(ワンウェイクラッチ)は揺動を1往復行い、1往復の揺動の間にエンゲージ(係合)とディスエンゲージ(係合解除)が行われる。図5B(a)は、1番目のローラが距離検出部50の直下にある状態(TOP)を示している。この状態で一方向クラッチ17は係合して、アウター部材18の環状部に拡管が生じ、この拡管が距離検出部50によりピークPeak1(極小値)として検出される。
その後、係合が解除されると、距離検出部50の出力は、ピークPeak1(極小値)から無負荷状態の信号出力を示すG0まで低下する。
図5B(b)は、入力軸2の次の1回転により一方向クラッチ17が係合したときの状態を示している。出力軸23の回転によりローラの位置も変わり、図5B(a)の状態で距離検出部50の直下にあった1番目のローラは距離検出部50の直下から、ずれた位置に移動している。図5B(b)の状態は、距離検出部50の直下にローラが無い状態(Brige)となる。
一方向クラッチ17が係合して、アウター部材18の環状部に拡管が生じ、この拡管が距離検出部50によりピークPeak2(極小値)として検出される。そして、係合が解除されると、距離検出部50の出力は、ピークPeak2(極小値)から無負荷状態の信号出力を示すG0まで低下する。
図5B(c)は、入力軸2の次の1回転により一方向クラッチ17が係合したときの状態を示している。出力軸23の回転によりローラの位置も更に変わり、図5B(b)の状態で距離検出部50の直下から、ずれた位置の1番目のローラは更に移動して、距離検出部50の直下は1番目のローラと2番目のローラとの間となる。図5B(c)の状態も、距離検出部50の直下にローラが無い状態(Brige)となる。
一方向クラッチ17が係合して、アウター部材18の環状部に拡管が生じ、この拡管が距離検出部50によりピークPeak3(極小値)として検出される。そして、係合が解除されると、距離検出部50の出力は、ピークPeak3(極小値)から無負荷状態の信号出力を示すG0まで低下する。
図5B(a)〜(c)のピーク(Peak1〜3)を1つのグループとして示している。
図5B(d)は、入力軸2の次の1回転により一方向クラッチ17が係合したときの状態を示している。出力軸23の回転によりローラの位置も更に変わり、図5B(c)の状態で、距離検出部50の直下は1番目のローラと2番目のローラとの間であったが、図5B(d)では、距離検出部50の直下に2番目のローラが移動した状態になっている。すなわち、図5B(d)の状態は、ローラが距離検出部50の直下にある状態(TOP)になる。
一方向クラッチ17が係合して、アウター部材18の環状部に拡管が生じ、この拡管が距離検出部50によりピークPeak4(極小値)として検出される。そして、係合が解除されると、距離検出部50の出力は、ピークPeak4(極小値)から無負荷状態の信号出力を示すG0まで低下する。
距離検出部50により検出されたピーク値(極小値)は、ピーク値記憶部53により所定回数だけ順次記憶される。
出力軸23が1回転するとローラも1回転する。出力軸23の1回転により、ピークPeak1(極小値)の検出時に距離検出部50の直下にあった1番目のローラが、再び距離検出部50の直下の位置に移動する。
1番目のローラがTOPの位置にあり、ピークPeak1(極小値)が検出された状態から2番目のローラがTOPの位置にあり、ピークPeak4(極小値)が検出されるまでの時間は、出力軸1回転に要した時間/ローラ数(例えば、ローラ数:12)となる。
ピーク値記憶部53が最初にピーク値Peak1を記憶したときの距離検出部50とローラ25との位置関係を第1状態とする。第1状態と同様の位置関係になる第2状態(例えば、2番目のローラがTOP状態)となるときまでにピーク値を記憶した回数が所定回数である(図5Bの場合は所定回数N=3)。この所定回数が変位の平均値を求める際の1つのグループとなる。
図10は第1実施形態にかかるグループの例を示す図である。図10は所定回数をN=3としたきのピーク値(極小値)の例を示しており、3つのピーク値(極小値)を1つのグループとする。グループ内のピーク値(極小値)を平均化したデータを、ばらつきの影響が低減された正しいギャプ値(正GAP値)とする。
<入力側周期検出部54、出力側周期検出部55の構成>
次に、入力側周期検出部54、および出力側周期検出部55について説明する。図8は、入力側周期検出部54、および出力側周期検出部55の構成を説明する図である。入力側周期検出部54は入力軸2の1回転周期を検出し、出力側周期検出部55は出力軸23の1回転周期を検出する。
入力側周期検出部54は、入力軸2の1回転周期(Ti)を、例えば、無段変速機(トランスミッション)の間の入力軸側に設けられた回転パルサ(クランクパルサ81)を用いて検出可能である。回転パルサ(クランクパルサ81)を用いた場合、回転パルサの歯数(Zi)と出力信号の周期(δi)の検出値を用いる。入力側周期検出部54は、入力軸2の1回転周期(Ti)を、Ti=Zi×δiにより算出することができる。
あるいは、入力側周期検出部54は、トランスミッションの出力軸側に設けられた距離検出部50(GAPセンサ)を用いて検出可能である。入力側周期検出部54の構成として、距離検出部50(GAPセンサ)を用いた場合、図5Bで説明したような出力信号波形のピーク値(極小値)の時間間隔を、入力軸2の1回転周期(Ti)として取得することができる。入力側周期検出部54は取得した入力軸2の1回転周期(Ti)を記憶する。
出力側周期検出部55は、出力軸23に設けられた回転パルサ(車速センサ)を用いて構成することが可能あり、回転パルサ(車速センサ82)の歯数(Zo)と出力信号の周期(δo)の検出値を用いる。出力側周期検出部55は、出力軸23の1回転周期(To)を、To=Zo×δoにより算出することができる。
<出力軸トルク算出制御部52の処理>
次に、本実施形態の出力軸トルク算出制御部52による処理の流れを図9のフローチャートを用いて説明する。
ステップS91で、ピーク値記憶部53は、距離検出部50(GAPセンサ)により検出された極小値Peak(N)を所定回数だけ順次記憶する。この所定回数は、図5Bを用いて説明した回数である。
ステップS92で、入力側周期検出部54は、距離検出部50(GAPセンサ)の出力信号波形の極小値の時間間隔を入力軸2の1回転周期(Ti)として記憶する。尚、ステップS92の代わりに、ステップS94で、入力側周期検出部54は、入力軸上の回転パルサ(クランクパルサ81)の検出値を用いて入力軸2の1回転周期(Ti)を算出し、記憶することも可能である。
ステップS93で、出力側周期検出部55は、出力軸上の回転パルサ(車速センサ82)から出力軸23の1回転周期(To)を算出し、記憶する。入力側周期検出部54および出力側周期検出部55の具体的な処理は図8で説明したとおりである。
ステップS95で、平均値算出部56は入力側周期検出部54から入力軸2の1回転周期(Ti)を取得し、また、出力側周期検出部55から出力軸23の1回転周期(To)を取得し、入力軸サイクル数N(所定回数)を以下の(1)式により算出する。
N=To/Ti/ローラ数(小数点以下切り捨て) ・・・(1)
ステップS96で、平均値算出部56は、ピーク値記憶部53に記憶されている極小値Peak(N)と、ステップS95で算出した入力軸サイクル数Nとを取得して、以下の(2)式により、出力値のばらつきを低減した変位値(正GAP値)を算出する。
正GAP値=ΣPeak(N)/N ・・・(2)
ΣPeak(N)はN個の極小値の加算を意味する。この正GAP値は、距離検出部50とローラとの位置関係が揃うまでの極小値Peak(N)を平均化したものである。
尚、図5Bの例では、1番目のローラのTOP状態と2番目のローラのTOP状態とが揃うまでの極小値Peak(N)について説明したが、本実施形態の構成はこの例に限定されるものではない。例えば、1番目のローラと3番目のローラ、1番目のローラと4番目のローラなど、ローラが1周する範囲で任意の一つのローラと、異なる他のローラとの関係で位置関係が揃うまでの極小値Peak(N)を求めてもよい。
ステップS97で、出力軸トルク算出部57は、出力軸トルクとGAP値との関係を示すワンウェイクラッチの特性データ(OWC特性データ)を参照して、算出された正GAP値に対応する出力トルクを算出する。
本実施形態によれば、距離検出部とローラとの位置関係が揃うまでを平均するサイクル数とすることで、ばらつきを低減した変位の計測に基づき出力軸トルクを算出することが可能になる。
[第2実施形態]
次に、本実施形態の係る出力軸トルクを算出するための構成について説明する。図13は、ローラの外形形状ばらつきと、距離検出部50(GAPセンサ)の出力の変化との関係を例示するものであり、図13(a)のローラ25aは図13(b)のローラ25bより、寸法精度のばらつき等により直径が小さくなっている。ローラ25a、25bは距離検出部50(GAPセンサ)の直下にあり、いずれもTOPの状態にあるが、ローラ径が異なるため、距離検出部50により検出される最大変位は、図13(b)のほうが大きくなる。
<所定回数の説明>
次に、本実施形態の所定回数を説明するため、距離検出部50とローラ25との相対的な位置関係とピーク値の検出について具体的に説明する。本実施形態は、このようなローラのばらつきの影響を受けないように、同じローラについて、距離検出部50とローラとの相対的な位置関係が同じ状態となるまでのピーク値の平均を出力トルクの算出に用いるものである。本実施形態における出力トルクの算出は、例えば、加減速中や変速中など、運転条件に変化が生じる中・高車速の場合に適用可能である。
本実施形態において、無段変速機1は、距離検出部50と出力軸トルク算出制御部52とを備えるもので、以下の説明において、第1実施形態と同一の構成については、同一の参照番号を付するものとし、重複した説明は省略するものとする。
図12は距離検出部50とローラ25との相対的な位置関係とピーク値の検出について説明する図である。図5Bの場合と比べて、図12は車速が異なる状態を示しているため、図12における距離検出部50(GAPセンサ)の出力波形は図5Bの出力波形と異なったものとなる。
入力軸2が1回転すると、一方向クラッチ17は揺動を1往復行い、1往復の揺動の間にエンゲージ(係合)とディスエンゲージ(係合解除)が行われる。図12(a)は、1番目のローラが距離検出部50の直下にある状態(TOP)を示している。この状態で一方向クラッチ17は係合して、アウター部材18の環状部に拡管が生じ、この拡管が距離検出部50によりピークPeak1(極小値)として検出される。距離検出部50で検出されたピークPeak1(極小値)は、ピーク値記憶部53に記憶される。
その後、係合が解除されると、距離検出部50の出力は、ピークPeak1(極小値)から無負荷状態の信号出力を示すG0まで低下する。
以下同様に入力軸2の回転に応じてピーク(極小値)の検出が行われ、距離検出部50で検出されたピーク値(極小値)は、ピーク値記憶部53に順次加算され、記憶される。
出力軸23が1回転するとローラも1回転し、出力軸23の1回転により、例えば、ピークPeak1(極小値)の検出時に距離検出部50の直下にあった1番目のローラが、再び距離検出部50の直下の位置に移動する。
図12(b)は、出力軸23の1回転により、距離検出部50の直下に1番目のローラが移動した状態になっている。すなわち、図12(b)の状態は、1番目のローラが距離検出部50の直下にある状態(TOP)になる。
ピーク値記憶部53が最初にピーク値Peak1を記憶したときの距離検出部50とローラ(例えば、1番目のローラ)との位置関係を第1状態とする。第1状態と同様の位置関係になる第2状態(例えば、1番目のローラが1回転して、距離検出部50の直下に1番目のローラが移動した状態)となるときまでにピーク値を記憶した回数が所定回数である(図12の場合は所定回数N=4)。
尚、入力軸の回転と出力軸の回転との関係で、相対位相は一致せず、位相差PHが生じ得る。このため、図12(c)、(d)で示すように、1番目のローラは、距離検出部50の直下ではなく、ローラ位置は距離検出部50の直下の位置とは異なる。各グループにおいて、ローラ位置は完全に一致しないが、ローラの大小関係のパターンが概ね一致するグループに距離検出部50(GAPセンサ)の出力波形のピーク値(極小値)を分けることができ、この1つのグループ内のデータの平均を求める。
図15は第2実施形態にかかるグループの例を示す図である。図15は所定回数をN=4としたきのピーク値(極小値)の例を示しており、4つのピーク値(極小値)を1つのグループとする。グループ内のピーク値(極小値)を平均化したデータを、ばらつきの影響が低減された正しいギャプ値(正GAP値)とする。
<出力軸トルク算出制御部52の処理>
次に、本実施形態の出力軸トルク算出制御部52による処理の流れを図14のフローチャートを用いて説明する。
ステップS141で、ピーク値記憶部53は、距離検出部50(GAPセンサ)により検出された極小値Peak(N)を所定回数だけ順次記憶する。この所定回数は、図12を用いて説明した回数である。
ステップS142で、入力側周期検出部54は、距離検出部50(GAPセンサ)の出力信号波形の極小値の時間間隔を入力軸2の1回転周期(Ti)として記憶する。尚、ステップS142の代わりに、ステップS144で、入力側周期検出部54は、入力軸上の回転パルサ(クランクパルサ81)の検出値を用いて入力軸2の1回転周期(Ti)を算出し、記憶することも可能である。
ステップS143で、出力側周期検出部55は、出力軸上の回転パルサ(車速センサ82)から出力軸23の1回転周期(To)を算出し、記憶する。入力側周期検出部54および出力側周期検出部55の具体的な処理は図8で説明したとおりである。
ステップS145で、平均値算出部56は入力側周期検出部54から入力軸2の1回転周期(Ti)を取得し、また、出力側周期検出部55から出力軸23の1回転周期(To)を取得し、入力軸サイクル数N(所定回数)を以下の(3)式により算出する。
N=To/Ti(小数点以下切り捨て) ・・・(3)
ステップS146で、平均値算出部56は、ピーク値記憶部53に記憶されている極小値Peak(N)と、ステップS95で算出した入力軸サイクル数Nとを取得して、以下の(4)式により、出力値のばらつきを低減した変位値(正GAP値)を算出する。
正GAP値=ΣPeak(N)/N ・・・(4)
ΣPeak(N)はN個の極小値の加算を意味する。この正GAP値は、同じローラについて、距離検出部50とローラとの相対的な位置関係が同じ状態となるまでの極小値Peak(N)を平均化したものである。
ステップS147で、出力軸トルク算出部57は、出力軸トルクとGAP値との関係を示すワンウェイクラッチの特性データ(OWC特性データ)を参照して、算出された正GAP値に対応する出力トルクを算出する。
本実施形態によれば、距離検出部とローラとの位置関係が揃うまでを平均するサイクル数とすることで、ばらつきを低減した変位の計測に基づき出力軸トルクを算出することが可能になる。
また、ローラ形状のばらつきによる距離検出部の検出値のばらつきを解消して、出力軸トルクを算出することが可能になる。
[第3実施形態]
次に、本実施形態の係る出力軸トルクを算出するための構成について説明する。先の第2実施形態では、図12に示すように、入力軸の回転と出力軸の回転との関係で相対位相は一致せず、位相差PHが生じ得る。
アウター部材18の外形形状にばらつきがある場合、例えば、アウター部材18が最大拡管の場合と拡管途上の場合とで、距離検出部50による検出値もばらつきが生じ得る。位相差PHにより、距離検出部50がアウター部材18の異なる被検出部(最大拡管時の被検出部と拡管途上時の被検出部)を計測しているとすると、外形形状のばらつきが距離検出部50の検出結果に重畳することなり、検出精度の低減が生じ得る。
本実施形態では、同じローラについて、ローラの位置を合わせるとともに、アウター部材の位相を合わせるまでのピーク値の平均を出力トルクの算出に用いるものである。本実施形態における出力トルクの算出は、例えば、クルーズ状態など、運転条件に変化が少ない車速、もしくは高車速の場合に適用可能である。
以下の説明において、第1実施形態および第2実施形態と同一の構成については、同一の参照番号を付するものとし、重複した説明は省略するものとする。
<所定回数の説明>
図16は距離検出部50とローラ25との相対的な位置関係とピーク値の検出について説明する図である。図5Bの場合と比べて、図16は車速が異なる状態を示しているため、図16における距離検出部50(GAPセンサ)の出力波形は図5Bの出力波形と異なったものとなる。
入力軸2が1回転すると、一方向クラッチ17は揺動を1往復行い、1往復の揺動の間にエンゲージ(係合)とディスエンゲージ(係合解除)が行われる。図16(a)は、1番目のローラが距離検出部50の直下にある状態(TOP)を示している。この状態で一方向クラッチ17は係合して、アウター部材18の環状部に拡管が生じ、この拡管が距離検出部50によりピークPeak1(極小値)として検出される。この状態は、アウター部材18の拡管が最大となる状態(最大拡管)を示している。
その後、係合が解除されると、距離検出部50の出力は、ピークPeak1(極小値)から無負荷状態の信号出力を示すG0まで低下する。
以下同様に入力軸2の回転に応じてピーク(極小値)の検出が行われ、距離検出部50で検出されたピーク値(極小値)は、ピーク値記憶部53に順次加算され、記憶される。
出力軸23が1回転するとローラも1回転し、出力軸23の1回転により、例えば、ピークPeak1(極小値)の検出時に距離検出部50の直下にあった1番目のローラが、再び距離検出部50の直下の位置に移動する。
図16(b)は、出力軸23の1回転により、距離検出部50の直下に1番目のローラが移動した状態になっている。すなわち、図16(b)の状態は、1番目のローラが距離検出部50の直下にある状態(TOP)になる。
このとき、アウター部材18の状態は、最大拡管に至る前の拡管途上の状態であり、図16(a)のアウター部材18の最大拡管の状態と異なる。
図16(c)は、アウター部材18が最大拡管の状態を示しているが、1番目のローラの位置は、距離検出部50の直下とは異なる位置に移動している。図16(c)において、距離検出部50の直下には、3番目のローラがある状態である。
図16(d)は、アウター部材18が最大拡管の状態を示し、ローラは、出力軸23の1回転に応じて、1番目のローラが距離検出部50の直下の位置にある状態を示している。
ピーク値記憶部53が最初にピーク値Peak1を記憶したときの距離検出部50とローラ(例えば、1番目のローラ)を第1状態とする。第1状態と同様の位置関係になる第2状態(例えば、距離検出部50の直下に1番目のローラが位置する状態)となり、かつ、第1状態のときの入力軸2の回転位相と第2状態のときの回転位相とが同一となるときまでにピーク値を記憶した回数が所定回数である(図16の場合は所定回数N=12)。
入力軸の回転位相と出力軸の回転位相との関係で、Peak12で相対位相が一致する。図17は所定回数をN=12としたきのピーク値(極小値)の例を示す図であり、12個のピーク値(極小値)を1つのグループとし、この範囲のピーク値(極小値)を平均化したデータを、ばらつきの影響が低減された正しいギャプ値(正GAP値)とする。
<出力軸トルク算出制御部52の処理>
次に、本実施形態の出力軸トルク算出制御部52による処理の流れを図18のフローチャートを用いて説明する。
ステップS181で、ピーク値記憶部53は、距離検出部50(GAPセンサ)により検出された極小値Peak(N)を所定回数だけ順次記憶する。この所定回数は、図16を用いて説明した回数である。N=16の場合、ピーク値記憶部53は16個の極小値を記憶する。
ステップS182で、入力側周期検出部54は、距離検出部50(GAPセンサ)の出力信号波形の極小値の時間間隔を入力軸2の1回転周期(Ti)として記憶する。尚、ステップS182の代わりに、ステップS184で、入力側周期検出部54は、入力軸上の回転パルサ(クランクパルサ81)の検出値を用いて入力軸2の1回転周期(Ti)を算出し、記憶することも可能である。
ステップS183で、出力側周期検出部55は、出力軸上の回転パルサ(車速センサ82)から出力軸23の1回転周期(To)を算出し、記憶する。入力側周期検出部54および出力側周期検出部55の具体的な処理は図8で説明したとおりである。
ステップS185で、平均値算出部56は入力側周期検出部54から入力軸2の1回転周期(Ti)を取得し、また、出力側周期検出部55から出力軸23の1回転周期(To)を取得し、入力軸サイクル数N(所定回数)を以下の(5)式により算出する。
N=TiとToの最小公倍数/Ti ・・・(5)
ステップS186で、平均値算出部56は、ピーク値記憶部53に記憶されている極小値Peak(N)と、ステップS95で算出した入力軸サイクル数Nとを取得して、以下の(6)式により、出力値のばらつきを低減した変位値(正GAP値)を算出する。
正GAP値=ΣPeak(N)/N ・・・(6)
ΣPeak(N)はN個の極小値の加算を意味する。この正GAP値は、同じローラについて、ローラの位置を合わせるとともに、アウター部材18の揺動位相を合わせるまでの極小値Peak(N)を平均化したものである。
ステップS187で、出力軸トルク算出部57は、出力軸トルクとGAP値との関係を示すワンウェイクラッチの特性データ(OWC特性データ)を参照して、算出された正GAP値に対応する出力トルクを算出する。
本実施形態によれば、距離検出部とローラとの位置関係が揃うまでを平均するサイクル数とすることで、ばらつきを低減した変位の計測に基づき出力軸トルクを算出することが可能になる。
また、ローラ形状のばらつきによる距離検出部の検出値のばらつきを解消するとともに、アウター部材の外形形状のばらつきによる距離検出部の検出値のばらつきを解消して、出力軸トルクを算出することが可能になる。
[第4実施形態]
先に説明した第1実施形態では極低車速の場合に適用可能であり、第2実施形態では中・高車速の場合に適用可能であり、第3実施形態では高車速の場合に適用可能であり、それぞれ所定回数(入力軸サイクル数N)の算出方法が異なるものである。これは、正GAP値を算出するためのピーク値の検出頻度が車速に応じて異なるため、それぞれに適した算出方法を適用するためである。
正GAP値の精度だけに着目すると第3実施形態では、ローラの位置を合わせるとともに、アウター部材の位相を合わせるまでのピーク値の平均を求めているため、第1乃至第3実施形態の中で最も精度良く正GAP値を算出することが可能ですが、条件が一致するまでに時間がかかる。このため、数多くのピーク値の検出を行うことが可能な高車速の場合に適用するのが好ましい。
一方、第1実施形態の場合、距離検出部50とローラとの相対的な位置関係が同じ状態となるまでのピーク値の平均を出力トルクの算出に用いるもので、正GAP値の精度に着目すると第3実施形態の場合に比べて精度は粗くなるが、第2実施形態および第3実施形態に比べて少ないピーク値の検出により正GAP値の算出を行うことが可能になる。しかしながら、極低車速のときに、第3実施形態で説明した算出方法を適用しようとすると、ピーク値の検出に長時間を要することとなり、効率よく正GAP値を算出することができない。
本実施形態では、出力軸23の回転速度(運転条件の変化)に応じて、所定回数(入力軸サイクル数N)の算出方法の設定を変更して、ピーク値の平均を求める構成について説明する。図19は4実施形態に係る出力軸トルク算出制御部52の構成を説明する図である。出力軸トルク算出制御部52は、ピーク値記憶部53、入力側周期検出部54、出力側周期検出部55、ピーク値記憶部53、入力側周期検出部54、出力側周期検出部55、平均値算出部56、出力軸トルク算出部57、出力軸速度判定部58および所定回数設定部59を備える。
出力軸トルク算出制御部52の機能構成は、各種センサ、メモリ、およびメモリに記憶された検出結果等に基づいて、中央演算処理装置(CPU)の制御の下、制御プログラムが各種演算処理を実行することにより実現されるものとする。尚、図19の構成において、第1実施形態と同一の構成については、同一の参照番号を付するものとし、重複した説明は省略するものとする。
出力軸速度判定部58は、出力側周期検出部55の検出結果に基づき、出力軸23の回転速度(運転条件の変化)を判定する。
出力軸速度判定部58は、例えば、(1)出力軸23の回転速度が極低車速の場合、(2)加減速中や変速中など、運転条件に変化が生じる中・高車速の場合、あるいは、(3)運転条件に変化が少ない車速、もしくは高車速の場合、のいずれかであるかを判定する。
所定回数設定部59は、出力軸速度判定部58の判定結果に基づき、距離検出部50の検出値の平均値を算出するための所定回数の算出方法を設定する。例えば、出力軸23の回転速度が極低車速の場合、所定回数設定部59は、第1実施形態で説明した所定回数の算出方法を設定する。
加減速中や変速中など、運転条件に変化が生じる中・高車速の場合、所定回数設定部59は、第2実施形態で説明した所定回数の算出方法を設定する。
運転条件に変化が少ない車速、もしくは高車速の場合、所定回数設定部59は、第3実施形態で説明した所定回数の算出方法を設定する。
所定回数設定部59が設定した所定回数の算出方法は、平均値算出部56に入力される。平均値算出部56は、設定された所定回数の算出方法に従って、入力軸サイクル数を算出する。
第1実施形態で説明した所定回数の算出方法が設定された場合、平均値算出部56は、第1実施形態の(1)式に従い、入力軸サイクル数Nを算出する。
第2実施形態で説明した所定回数の算出方法が設定された場合、平均値算出部56は、第2実施形態の(3)式に従い、入力軸サイクル数Nを算出する。
第3実施形態で説明した所定回数の算出方法が設定された場合、平均値算出部56は、第3実施形態の(5)式に従い、入力軸サイクル数Nを算出する。
そして、平均値算出部56は、ピーク値記憶部53に記憶されている極小値Peak(N)と、算出した入力軸サイクル数Nとを取得して、以下の(7)式により、出力値のばらつきを低減した変位値(正GAP値)を算出する。
正GAP値=ΣPeak(N)/N ・・・(7)
ΣPeak(N)はN個の極小値の加算を意味する。出力軸トルク算出部57は、出力軸トルクとGAP値との関係を示すワンウェイクラッチの特性データ(OWC特性データ)を参照して、算出された正GAP値に対応する出力トルクを算出する。
本実施形態によれば、出力軸23の回転速度(運転条件の変化)に応じた所定回数(サイクル数)の算出方法により、距離検出部の検出値の平均を求めることが可能になる。
また、第1乃至第3実施形態それぞれの特性を活かし、それぞれの運転状態にとって最適な正GAP値の算出方法を選択することで正GAP値を効率良く算出することができ、最適な算出方法で算出した正GAP値を出力軸トルクの算出およびレシオ制御にフィードバックすることが可能になる。
50 距離検出部
52 出力軸トルク算出制御部
53 ピーク値記憶部
54 入力側周期検出部
55 出力側周期検出部
56 平均値算出部
57 出力軸トルク算出部

Claims (9)

  1. 走行用駆動源から駆動力が伝達される入力軸(2)と、
    前記入力軸(2)の回転中心軸線と平行な回転中心軸線を有する出力軸(23)と、
    回転半径を調節自在であり前記入力軸(2)の回転中心軸線を中心として回転可能な回転半径調節機構(4〜7)と、
    前記出力軸(23)に連結されたアウター部材(18)と、前記回転半径調節機構(4〜7)と前記アウター部材(18)とを連結するコネクティングロッド(15)とを有し、前記回転半径調節機構(4〜7)の回転運動を前記アウター部材(18)の揺動運動に変換するてこクランク機構(20)と、
    前記アウター部材(18)を一方側に揺動させようとしたときに前記出力軸(23)に前記アウター部材(18)を固定し、他方側に揺動させようとしたときに前記出力軸(23)に対して前記アウター部材(18)を空転させる一方向回転阻止機構(17)と、
    前記てこクランク機構(20)および前記一方向回転阻止機構(17)を収納する変速機ケース(30)と、を備え、
    前記一方向回転阻止機構(17)は、
    前記アウター部材(18)の内周に同軸に配置された前記出力軸(23)と、前記アウター部材(18)の内周面および前記出力軸(23)の外周面の間に配置された複数のローラ(25)と、前記複数のローラ(25)を円周方向に付勢し、かつ、前記出力軸(23)と一体で回転する複数の付勢部材(26)と、を備え、前記アウター部材(18)と前記出力軸(23)の前記一方側への相対回転により、前記ローラ(25)を前記アウター部材(18)の内周面と前記出力軸(23)の外周面の間に係合させて駆動力を伝達するワンウェイクラッチであり、
    前記アウター部材(18)は、前記コネクティングロッド(15)と連結する揺動端部(18a)と、前記出力軸(23)に連結され、被検出部を備える環状部(18d)を有する無段変速機であって、
    前記変速機ケース(30)に固定され前記被検出部までの距離を検出する距離検出部(50)と、
    前記距離検出部(50)により検出された値に基づいて、前記出力軸(23)のトルクを算出する出力軸トルク算出制御部(52)と、を備え、
    前記出力軸トルク算出制御部(52)は、
    前記距離検出部(50)により検出された値のピーク値を所定回数だけ順次記憶するピーク値記憶部(53)と、
    前記入力軸(2)の1回転周期を検出する入力側周期検出部(54)と、
    前記出力軸(23)の1回転周期を検出する出力側周期検出部(55)と、
    前記記憶された所定回数分のピーク値の平均値を算出する平均値算出部(56)と、
    前記平均値から前記出力軸(23)のトルクを算出する出力軸トルク算出部(57)と、を備え、
    前記所定回数は、前記ピーク値記憶部(53)が最初にピーク値を記憶したときの前記距離検出部(50)と前記ローラ(25)との位置関係を第1状態としたとき、前記第1状態と同様の前記位置関係になる第2状態となるときまでに前記ピーク値が記憶された回数で構成される
    ことを特徴とする無段変速機。
  2. 前記所定回数は、前記第1状態における前記ローラ(25)の次に配置されているローラが前記第1状態と同様の前記第2状態となるときまでに前記ピーク値が記憶された回数で構成されることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記所定回数は、前記出力軸(23)が1回転する前に、前記第1状態における前記ローラ(25)とは異なる他のいずれかのローラが前記第1状態と同様の前記第2状態となるときまでに前記ピーク値が記憶された回数で構成されることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
  4. 前記所定回数は、
    前記第1状態のローラ(25)と前記第2状態のローラ(25)とが同一のローラになるまでの回数であることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
  5. 前記所定回数は、
    前記第1状態のときの前記入力軸の回転位相と前記第2状態のときの前記入力軸の回転位相が同一の位相になるまでの回数であることを特徴とする請求項4に記載の無段変速機。
  6. 前記所定回数は、
    前記出力軸(23)の1回転周期/前記入力軸(2)の1回転周期/前記複数のローラ(25)の数で算出されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無段変速機。
  7. 前記所定回数は、前記出力軸(23)の1回転周期/前記入力軸(2)の1回転周期で算出されることを特徴する請求項4に記載の無段変速機。
  8. 前記所定回数は、前記入力軸(2)の1回転周期と前記出力軸(23)の1回転周期との最小公倍数/前記入力軸(2)の1回転周期で算出されることを特徴とする請求項5に記載の無段変速機。
  9. 前記出力側周期検出部(55)の検出結果に基づき、前記出力軸(23)の回転速度を判定する出力軸速度判定部(58)と、
    前記判定に基づき、前記所定回数の算出方法を設定する所定回数設定部(59)と、を更に備え、
    前記平均値算出部(56)は、前記設定された算出方法に従って前記所定回数を算出することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の無段変速機。
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