JP6161877B2 - 発光装置、車両用前照灯および照明装置 - Google Patents

発光装置、車両用前照灯および照明装置 Download PDF

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本発明は、励起光を蛍光体に照射することで発生する蛍光を利用する発光装置、車両用前照灯および照明装置に関するものである。
近年、励起光源が出射する励起光を、蛍光体を含む発光部に照射することによって、蛍光体が発する蛍光を照明光として用いる発光装置の研究が盛んになってきている。これらの発光装置において、励起光源は、発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)、半導体レーザダイオード(LD;Laser Diode)等の半導体発光素子によって構成される。
このような発光装置の一例として特許文献1に記載の灯具、および、特許文献2に記載の白色LED照明がある。特許文献1の図5に記載の灯具50は、グラスファイババンドルから構成されるライトガイド51を備えている。特許文献2に記載の白色LED照明は、LED発光部(ベアチップ)に接続された光ファイバをバンドル化している。
特開2009―193954号公報(2009年8月27日公開) 特開2008―147097号公報(2008年6月26日公開)
上述のように、バンドルファイバを用いて複数の光源からの励起光をまとめたとしても、各光源からの励起光は、バンドルファイバにおいて合波されない。すなわち、不均一な強度分布を有する励起光がバンドルファイバから出射される。蛍光体を含む発光部は、当該励起光によって空間的に不均一に励起される。その結果、発光部において、励起密度が局所的に高いところが生じ、蛍光体の劣化および蛍光体の温度上昇による発光効率の低下が生じる虞がある。
本願発明は、複数の励起光源と、各励起光源から出射される励起光を受けることによって蛍光を出射する発光部とを備える発光装置において、照明光の高出力化を図りつつ、蛍光体の劣化および蛍光体の温度上昇による発光効率の低下を抑制することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る発光装置は、複数の励起光源から出射された励起光を導光する、可撓性を有する複数の第1導光部と、上記複数の第1導光部が導光した励起光を導光する第2導光部と、上記第2導光部が導光した励起光を受けて蛍光を発する発光部とを備え、1つの上記第2導光部に対して上記複数の第1導光部が光学的に結合されており、上記第1導光部は、導光した励起光を出射する出射部を備え、上記第2導光部は、上記第1導光部が出射した励起光を受光する入射部を備え、上記第1導光部の出射部と、上記第2導光部の入射部とは、直接結合されており、上記第1導光部は、光ファイバを含み、当該光ファイバの出射端でバンドルされており、上記第2導光部は、マルチモードファイバであり、バンドルファイバは、複数の上記光ファイバを備えており、上記バンドルファイバの出射部と、上記マルチモードファイバの入射部とは近接するとともに、上記マルチモードファイバにおける上記入射部の開口数は、上記光ファイバにおける上記出射部の開口数より大きく、上記入射部における上記マルチモードファイバが備えるコアの直径は、上記出射部における各上記光ファイバが備える各コアに外接する円の直径より大きいことを特徴としている。
上記の構成によれば、複数の第1導光部および第2導光部は、複数の励起光源が出射する励起光を導光する。発光部は、当該励起光を受けて照明光(またはその一部)として利用される蛍光を発する。上記発光装置は上記複数の励起光源からの励起光を利用するため、1つの励起光源を用いる場合と比較して、容易に高い出力の励起光を発光部に対して照射することができる。
また、上記第1導光部は可撓性を有しているので、各励起光源の設置位置(レイアウト)の自由度を向上させることができ、容易に励起光源の数を増やすことができる。したがって、上記発光装置が発する照明光の高出力化を図ることができる。
さらに、上記複数の第1導光部から出射される各励起光は、上記第2導光部によって導光される際に混合される。すなわち、上記第2導光部は、上記複数の第1導光部から入射した複数の励起光源からの光を混合して上記発光部に照射する。それゆえ、上記発光部の一部が局所的に励起されることがないので、上記発光部は、蛍光体の劣化および蛍光体の温度上昇を抑制することができる。したがって、上記発光装置は、照明光の高出力化を図りつつ、発光部における発光効率の低下を抑制することができる。また、上記の構成によれば、上記光ファイバは可撓性を備えているため、上記複数の励起光源を配置する際の自由度を高めることができる。さらに、出射端でバンドルされていることで容易に高い光パワー密度で出射することができ、高輝度な光源が実現できる。さらに、上記の構成によれば、光学ロッドや反射面である内面を有する中空部材を用いる場合に比べて、マルチモードファイバは可撓性を有し、かつ、光路長を長く設定することが容易である。そのため、複数の励起光源および発光部を配置する際の自由度を、高めるができる。また、より長い上記第2導光部を用いると、その光路内において上記励起光が反射および散乱される回数が増える。したがって、上記第2導光部は、励起光照射面においてより均一な強度分布を有する励起光を生成することができる。さらに、上記の構成によれば、上記第1導光部と上記第2導光部とを結合する際に、レンズなどの光学系を用いなくてもよい。したがって、上記発光装置をコンパクトにすることができる。さらに、上記の構成によれば、バンドルファイバおよびマルチモードファイバを直接結合する際の結合効率を高めることができる。すなわち、励起光を効率よく利用することができる。
また、上記第2導光部は、上記第1導光部から入射した複数の励起光を混合し、上記発光部における励起光照射面において連続したなめらかな強度分布を有する励起光を生成することが好ましい。
上記の構成によれば、上記発光部における励起光照射面において連続したなめらかな強度分布を有する励起光を生成することができるので、発光部の一部が局所的に励起されることがない。したがって、上記発光装置は、照明光の高出力化を図りつつ、蛍光体の劣化および蛍光体の温度上昇による発光効率の低下を更に抑制することができる
上記の構成によれば、上記第2導光部は、上記発光部における励起光照射面において連続したなめらかな強度分布を有する励起光を生成することができる。
また、上記第2導光部は、所望の投光パターンに対応する断面形状を有していてもよい。
上記の構成によれば、第2導光部の断面形状が、所望の投光パターンに対応しているため、発光部に対して照射される励起光の照射パターンが所望の投光パターンに対応するものとなる。そのため、発光部から所望の投光パターンに対応するパターンの光が出射される。この構成では、所望の投光パターンを得るためにシェードを用いる必要がなく、励起光の利用効率を高めることができる。
また、上記第1導光部の出射部の形状は多角形であってもよい。
上記の構成によれば、第1導光部の出射部の形状が多角形(例えば、四角形)であるため、複数の第1導光部を互いに隣接させて配置する場合に、第1導光部の間の隙間を低減できる。
また、上記励起光源は、半導体レーザであることが好ましい。
上記の構成によれば、発光ダイオードなどの励起光源を用いた場合と比較して、励起光源と第1導光部との結合効率を高くすることができる。したがって、上記発光装置が発する照明光を効率よく高出力化することができる。
また、上記発光装置を含む車両用前照灯、および、上記発光装置を含む照明装置も本発明の技術範囲に含まれる。
本発明に係る発光装置は、以上のように、複数の励起光源から出射された励起光を導光する、可撓性を有する複数の第1導光部と、上記複数の第1導光部が導光した励起光を導光する第2導光部と、上記第2導光部が導光した励起光を受けて蛍光を発する発光部とを備え、1つの上記第2導光部に対して上記複数の第1導光部が光学的に結合されており、上記第1導光部は、導光した励起光を出射する出射部を備え、上記第2導光部は、上記第1導光部が出射した励起光を受光する入射部を備え、上記第1導光部の出射部と、上記第2導光部の入射部とは、直接結合されており、上記第1導光部は、光ファイバを含み、当該光ファイバの出射端でバンドルされており、上記第2導光部は、マルチモードファイバであり、バンドルファイバは、複数の上記光ファイバを備えており、上記バンドルファイバの出射部と、上記マルチモードファイバの入射部とは近接するとともに、上記マルチモードファイバにおける上記入射部の開口数は、上記光ファイバにおける上記出射部の開口数より大きく、上記入射部における上記マルチモードファイバが備えるコアの直径は、上記出射部における各上記光ファイバが備える各コアに外接する円の直径より大きい。
それゆえ、照明光の高出力化を図りつつ、蛍光体の劣化および蛍光体の温度上昇による発光効率の低下を抑制する効果を奏する。また、高輝度な光源が実現できるとともに、複数の励起光源および発光部を配置する際の自由度を高めつつ、発光装置をコンパクトにすることができる。また、バンドルファイバおよびマルチモードファイバを直接結合する際の結合効率を高めることができる。すなわち、励起光を効率よく利用することができる。
本発明の一実施形態に係るヘッドランプの構成を示す概略図である。 上記ヘッドランプが備えるバンドルファイバの出射部、および、マルチモードファイバの入射部の形状を示す図である。 本発明の別の実施形態に係るヘッドランプの構成を示す概略図である。 本発明の更に別の実施形態に係るヘッドランプが備えるバンドルファイバの出射部の形状を示す図である。 上記ヘッドランプが備えるマルチモードファイバの入射部および出射部の形状を示す図である。(a)は入射部の形状を示し、(b)は出射部の形状を示す。 本発明の更に別の実施形態に係るヘッドランプが備えるバンドルファイバの出射部の形状を示す図である。 本発明の更に別の実施形態に係るベッドランプの構成を示す概略図である。 本発明の更に別の実施形態に係るベッドランプの構成を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドランプ、および、比較例に係るヘッドランプにおける、励起光出力とヘッドランプが出射する照明光の光束との相関関係を示す図である。
〔実施の形態1〕
(ヘッドランプ1の構成)
本実施形態では、発光装置の一例として、自動車用の走行用前照灯(ハイビーム)の配光特性基準を満たすヘッドランプ(車両用前照灯)1を例に挙げて説明する。ただし、本発明の発光装置は、すれ違い用前照灯(ロービーム)であってもよく、自動車以外の車両・移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケットなど)のヘッドランプとして実現されてもよい。また、その他の照明装置として実現されてもよい。その他の照明装置として、例えば、サーチライト、プロジェクター、家庭用照明器具、商業用照明装置、屋外照明装置を挙げることができる。
図1は、ヘッドランプ1の構成を示す概略図である。図1に示すように、ヘッドランプ1は、複数のレーザ素子(励起光源)2、複数の光ファイバ(第1導光部)41を含むバンドルファイバ4、マルチモードファイバ(第2導光部)5および発光部8を備えている。ヘッドランプ1は、複数のレーザ素子2が出射する励起光を、バンドルファイバ4およびマルチモードファイバ5を介して発光部8に照射し、発光部8が励起光を受けることによって発する蛍光を照明光として利用する発光装置である。図1において、励起光をLEXと記載し、照明光(またはその一部)として利用される蛍光をLPLと記載している。以下において、ヘッドランプ1が備える各部材について、図1および図2を参照しながら説明する。
(レーザ素子2)
レーザ素子2は、励起光を出射する発光素子であり、例えば、半導体レーザである。図1に示すように、ヘッドランプ1は、励起光源として複数のレーザ素子2を備えている。複数のレーザ素子2のそれぞれから励起光であるレーザ光が出射される。複数のレーザ素子2を用いることによって、1つのレーザ素子2を用いる場合と比較して、容易に高出力の励起光を得ることが可能である。図1には、5つのレーザ素子2を備えるヘッドランプ1を示しているが、ヘッドランプ1が備えるレーザ素子2の数は限定されるものではない。所望の励起光の出力などに基づいて、設計者は、レーザ素子2の数を適宜定めることができる。
レーザ素子2が出射する励起光の波長は、例えば、405nm(青紫色)または450nm(青色)である。しかし、励起光の波長はこれらに限定されず、後述する発光部8に含める蛍光体の種類、および、所望する照明光の色度に応じて適宜選択されればよい。
なお、ヘッドランプ1の励起光源としてLEDを用いてもよい。ただし、LEDより半導体レーザの方が、光ファイバ41に対する結合効率が高い。したがって、励起光源として、LEDより半導体レーザを用いることが好ましい。
(放熱部11)
放熱部11は、複数のレーザ素子2を保持する保持部11a、および、複数のレーザ素子2が発する熱を放熱する放熱フィン11bを備える。保持部11aおよび放熱フィン11bは、銅、アルミニウムなどに代表される高い熱伝導率を有する金属により構成されることが好ましい。
複数のレーザ素子2は、それぞれ離間して保持部11aの表面に配設されている。レーザ素子2が発する熱は、保持部11aから放熱フィン11bへ伝導され、大気中に放熱される。したがって、高出力の励起光を得る場合であっても、それぞれのレーザ素子2の温度を適切に管理できるので、レーザ素子2の寿命および発光効率の低下を抑制することができる。
(レンズ3)
レンズ3は、レーザ素子2から出射された励起光を光ファイバ41が有する入射部41aに対して照射する光学部材である。レンズ3は、励起光のスポットサイズを制御して入射部41aに照射する。すなわち、レンズ3は、レーザ素子2と入射部41aとを光学的に結合する光学部材である。レンズ3を介することによって、入射部41aに入射する励起光のスポット径、および、入射角を制御することができる。したがって、レーザ素子2と入射部41aとを高い結合効率で結合することができ、励起光を効率よく利用できる。
レンズ3は、例えば、凸レンズである。それぞれのレンズ3は、各レーザ素子2および各光ファイバ41に対して配設されている。レーザ素子2、レンズ3および入射部41aの位置関係は、レンズ3の一方の焦点位置にレーザ素子2が位置し、他方の焦点位置には入射部41aが位置するように規定されている。また、レンズ3の代わりに凹面鏡などを用いてもよい。
なお、本実施形態ではレンズ3を介してレーザ素子2と入射部41aとを光学的に結合しているが、レンズ3を介さずに直接レーザ素子2と入射部41aとを結合してもよい。この場合、レンズ3は不要となるので、光ファイバ41を配設する際の自由度が高まる。また、ヘッドランプ1をコンパクトに設計することが容易になる。
(バンドルファイバ4)
図2は、バンドルファイバ4の出射部4b、および、後述するマルチモードファイバ5の入射部5aの形状を示す図である。
図1に示すように、バンドルファイバ4は、可撓性を有する複数の光ファイバ(第1導光部)41を備えている。本実施形態において、バンドルファイバ4は、レーザ素子2と同数、すなわち5本の光ファイバ41を備えている。各光ファイバ41は、励起光を入射される入射部41a、および、励起光を出射する出射部41bを備えている。各光ファイバ41は、それぞれの出射端においてバンドルされている(図2参照)。なお、各光ファイバ41をバンドルするための部材は図示していない。本実施形態において、出射部41aの形状は円形であるが、円形に限定されるものではない。一般に半導体レーザから出射されるビームの断面形状は楕円形であるので、出射部41aの形状もビームの形状に対応した楕円にすることで、より細い光ファイバ41を用いることができる。また、本実施形態において出射部41bの形状は円形であるが、円形に限定されるものではない。
図2に示す外接円C4は、各光ファイバ41に外接する円であり、外接円C4’は、各光ファイバ41が備える各コアに外接する円である。また、直径D4は外接円C4の直径を表し、直径D4’は外接円C4’の直径を表す。これらの外接円および直径の好ましいサイズについては後述する。
光ファイバ41は可撓性を有している。したがって、複数のレーザ素子2を配置する際の自由度は向上し、レーザ素子2の数を任意に増やすことが容易になる。すなわち、励起光の出力、および、光パワー密度を高めることが容易であり、高輝度なヘッドランプ1が実現できる。
光ファイバ41から出射される励起光の強度は、出射部41bの中心において最も高く、当該中心から離れるにしたがって低下する。したがって、バンドルファイバ4の出射部4bから出射される励起光の強度分布は、5本の光ファイバ41の中心に対応する位置に局所的なピークを有する。言い換えれば、出射部4bから出射される励起光は、空間的に不均一な強度分布を有している。
本実施形態において、光ファイバ41は、1本の光ファイバからなるものとして説明している。しかし、光ファイバ41は、複数の光ファイバにより構成されてもよい。また、光ファイバ41は、シングルモードファイバであっても、マルチモードファイバであってもよい。
(マルチモードファイバ5の構成)
図1に示すように、第2導光部であるマルチモードファイバ5は、バンドルファイバ4が導光する励起光を受光する入射部5aと、励起光を出射する出射部5bとを備えている。図2に示すように、入射部5aの形状が円形であるマルチモードファイバ5を用いて説明するが、入射部5aの形状は円形に限定されるものではない。また、入射部5aおよび出射部5bは互いに異なる形状であってもよい。図2に示すように、直径D5はマルチモードファイバ5の直径を表し、直径D5’はマルチモードファイバ5が備えるコアの直径を表す。
本実施形態では、バンドルファイバ4の出射部4bと、マルチモードファイバ5の入射部5aとを、近接または当接することによって、バンドルファイバ4およびマルチモードファイバ5を光学的に結合している。これらの構成によれば、レンズなどの光学系は不要であり、ヘッドランプ1をコンパクトに設計可能である。
この際、マルチモードファイバ5における入射部5aの開口数は、光ファイバ41における出射部41bの開口数より大きいことが好ましい。また、入射部5aにおける直径D5’は、出射部4bにおける直径D4’より大きいことが好ましい。これらの構成によれば、バンドルファイバ4およびマルチモードファイバ5を直接結合する際の結合効率を高めることができる。すなわち、励起光を効率よく利用することができる。なお、バンドルファイバ4およびマルチモードファイバ5を結合する方法は特に限定されるものではなく、例えば、レンズなどの光学系を用いて互いに結合してもよい。
マルチモードファイバ5は、複数の光ファイバ41を介して入射された励起光を導光し、導光した励起光を後述する発光部8に照射する。複数の励起光は、マルチモードファイバ5中を伝搬する際に反射を繰り返す。したがって、複数の励起光は、マルチモードファイバ5を介して導光されることによって混合される。すなわち、マルチモードファイバ5は、出射部4bから出射された際に不均一な強度分布を有する励起光から、連続したなめらかな強度分布を有する励起光を生成する。
なお、励起光の出力を高めるために、バンドルファイバとマルチモードファイバのセットは、複数設けられていてもよい。
(発光部8)
発光部8は、バンドルファイバ4およびマルチモードファイバ5を介して、レーザ素子2から出射された励起光を受けて蛍光を発するものである。以下において、発光部8における励起光を照射される領域を励起光照射面と表現する。発光部8は、励起光を受けて発光する蛍光体を含んでいる。具体的には、発光部8は、封止材の内部に蛍光体が分散されているもの、または蛍光体を固めたものである。発光部8は、短い波長を有する励起光を、より長い波長を有する蛍光に変換する波長変換素子であると言える。
図1に示すように、発光部8は、後述する反射板6、ミラー9およびフィルタ10が形成する空間の内部に配置される。この際、発光部8は、金属ベース7を介して反射板6に配置されてもよいし、金属ベース7を介さずに反射板6に配置されてもよい。発光部8は、後述するミラー9の焦点位置に配置されていることが好ましい。当該構成によれば、発光部8が発する蛍光は、ミラー9の反射曲面によって反射されることで、その光路が制御される。発光部8の励起光照射面には、励起光の反射を防止するための反射防止構造が形成されていてもよい。
発光部8が含む蛍光体として、例えば、酸窒化物蛍光体(例えば、サイアロン蛍光体)、窒化物蛍光体(例えば、CASN(CaAlSiN)蛍光体)を用いることができる。また、III−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体(例えば、インジュウムリン:InP)も上記蛍光体として用いることができる。ただし、発光部8の蛍光体は、上述のものに限定されず、その他の蛍光体であってもよい。
また、ヘッドランプ1が照射する照明光は、所定の範囲の色度を有する白色にしなければならないことが、法規により規定されている場合がある。そのため、発光部8が発する蛍光が所定の白色となるように、発光部8は、適宜選択された蛍光体を含んでいる。
例えば、青色、緑色および赤色の蛍光を発する蛍光体をそれぞれ発光部8に含め、405nmのレーザ光を発光部8に照射する。その結果として、発光部は白色光を発する。または、黄色の蛍光体(または緑色および赤色の蛍光体)を発光部8に含め、450nm(青色)のレーザ光(または、440nm以上490nm以下の波長範囲にピーク波長を有する、いわゆる青色近傍のレーザ光)を照射することでも白色光が得られる。
発光部8の封止材は、例えば、ガラス材(無機ガラス、有機無機ハイブリッドガラス)、シリコーン樹脂等の樹脂材料である。ガラス材として低融点ガラスを用いてもよい。封止材は、透明性の高いものが好ましく、レーザ光が高出力の場合には、耐熱性の高いものが好ましい。
(マルチモードファイバ5の効果)
バンドルファイバ4から出射されるような強度分布が不均一な励起光を発光部8に照射すると、発光部8の一部が局所的に強く励起される虞がある。発光部8において、局所的に強く励起された領域の温度は著しく高くなり、その結果として、発光部8の発光効率が低下する、発光部8の寿命が短くなる、などの弊害を生じる虞がある。
一方、上述のように、マルチモードファイバ5は、不均一な強度分布を有する励起光から、連続したなめらかな強度分布を有する励起光を生成する。したがって、発光部8の励起光照射面における励起光の強度分布も連続したなめらかな形状である。このことによって、高い出力の励起光を発光部8に照射しても、発光部8の一部が局所的に励起されることがない。したがって、ヘッドランプ1は、蛍光の高出力化を図りつつ、発光部の劣化および蛍光体の温度上昇による発光効率の低下を抑制することができる。
また、発光部8の一部が局所的に励起されることがないので、照明光の輝度ムラを抑制することができる。
なお、連続したなめらかな強度分布とは、励起光照射面内に局所的な強度のピークや局所的に強度が低下する部分を含まず、励起光照射面の外周部近傍を除く領域における強度がおよそ一定である強度分布(たとえばトップハット分布)を意味する。
ただし、第2導光部は、その光路内において励起光を繰り返し反射および散乱することによって、局所的であった強度分布を、連続したなめらかな強度分布に変換する。したがって、より連続してなめらかな強度分布を得るために、第2導光部における光路長を長く設計することが好ましい。マルチモードファイバ5は、光路長を設定する際の自由度が高く、長い光路長を備える第2導光部を形成することが容易である。したがって、第2導光部としてマルチモードファイバ5を用いることが好ましい。
(金属ベース7)
金属ベース7は、発光部8を支持するくさび状または板状の支持部材であり、熱伝導率が高い金属(例えば、アルミニウムや銅)からなっている。それゆえ、金属ベース7は、発光部8が励起光を受けることによって発する熱を効率的に放熱する。
なお、発光部8を支持する部材は、金属からなるものに限定されず、金属以外の熱伝導性が高い物質(炭化珪素や窒化アルミニウムなど)を含む部材でもよい。ただし、発光部8と当接する金属ベース7の表面は、励起光および蛍光を反射する反射面として機能することが好ましい。上記表面が反射面であることにより、発光部8が発する蛍光の一部を反射させて、ミラー9の方向へ導光することができる。または、蛍光に変換されずに金属ベース7に達した励起光を反射することによって、励起光を再び発光部8の内部に導光し蛍光に変換することができる。
(ミラー9)
図1に示すミラー9は、発光部8が発する蛍光を反射し、所定の立体角内を進む光線束(照明光)を形成する。このミラー9は、例えば、金属薄膜がその表面に形成された部材であってもよいし、金属製の部材であってもよい。すなわち、発光部8が発する蛍光に対して高い反射率を有する部材であればよい。
ミラー9は、放物線の対称軸を回転軸として、当該放物線を回転させることによって形成される曲面(放物曲面)を、上記回転軸を含む平面で切断することによって得られる部分曲面の少なくとも一部をその反射面に含んでいる。なお、ミラー9の一部に放物曲面ではない部分を含めてもよい。図1に示すミラー9は、上記放物曲面を、上記回転軸を含む平面で二等分したハーフミラーであるが、放物曲面をそのまま用いたフルミラーであってもよい。また、ミラー9は、マルチモードファイバ5を通すための開口部を備えている。
なお、発光部8が発する蛍光を所望の方向へ投光する投光部材として、レンズ、または、レンズおよびミラーの組み合わせを用いてもよい。
(フィルタ10)
図1に示すフィルタ10は、例えば、励起光の波長(例えば405nm)近傍の光、および、短波長側の光を遮断する短波長カットフィルタである。当該構成によれば、なんらかの理由により励起光、または、励起光の波長近傍の光がヘッドランプ1の外側へ照射され得る状態においても、フィルタ10が当該光を遮断し、ヘッドランプ1の外側へ照射されることを防止する。なお、意図的に励起光の一部をヘッドランプ1の外側に出射する場合、たとえば、青色の励起光で黄色の蛍光体(または緑色および赤色の蛍光体)を励起して白色光を出射する場合には、フィルタ10は配置しない。
〔実施の形態2〕
本実施形態では、図3を参照しながらヘッドランプ21について説明する。図3は、ヘッドランプ21の構成を示す概略図である。図3において、励起光をLEXと記載し、照明光(またはその一部)として利用される蛍光をLPLと記載している。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。ヘッドランプ21は、ヘッドランプ1と比較して、マルチモードファイバ5の出射部5bと発光部28との相対位置関係を固定するための構造が異なる。
(ミラー29)
図3に示すように、ミラー29は、放物曲面を備えるフルミラーである。ミラー29の開口部には、図示しない透光板が設置されており、ミラー29および当該透光板によって閉空間が形成されている。ミラー29の一部には穴が設けられており、マルチモードファイバ5は、当該穴から上記閉空間に導入される。
ミラー29は、発光部28が発する蛍光を反射し、所定の立体角内を進む光線束(照明光)を形成する。このミラー29は、例えば、金属薄膜がその表面に形成された部材であってもよいし、金属製の部材であってもよい。すなわち、発光部28が発する白色光に対して高い反射率を有する部材であればよい。
(金属ベース27および発光部28)
ミラー29の焦点位置に、金属ベース27を介して発光部28は配設されている。より具体的には、金属ベース27の形状は円筒であり、その中心線と、ミラー29における回転軸とが一致するように金属ベース27は配設されている。以下において、上記回転軸の延伸方向を回転軸方向と定義する。さらに、金属ベース27には回転軸方向に貫通する空洞部が設けられている。発光部28は、当該空洞部の内部に密接して配設されている。
マルチモードファイバ5の出射部5bは、上記空洞部に嵌入され、発光部28に当接して固定されている。言い換えれば、発光部28が有する、回転軸方向に垂直な2つの面のうち、一方の面に出射部5bは当接している。当該一方の面が、発光部28における励起光照射面である。
発光部28が有する回転軸方向に垂直な2つの面のうち他方の面は、ミラー29の開口部に対向している。以下において、当該他方の面を、蛍光出射面と表現する。
そして、発光部28において、回転軸方向と平行な面は、金属ベース27と密接している。当該回転軸方向と平行な面と、金属ベース27とが密接していることによって、高出力の励起光が照射された際に発光部28が発する熱を、効果的に放熱することができる。したがって、発光部28の劣化、発光効率の低下、および、寿命が短くなることなどの弊害を抑制することができる。
より効果的に放熱するために、金属ベース27は高い熱伝導率を有していることが好ましく、たとえば、銅、アルミニウム、銀などを金属ベース27として用いればよい。また、発光部28が発する蛍光をより効率よく照明光として利用するために、金属ベース27は、蛍光に対する高い反射率(および低い吸収率)を有していることが好ましい。これらの点においても、銅、アルミニウム、銀などは、金属ベース27として好適に用いることができる。
(ヘッドランプ21の投光パターン)
発光部28は、出射部5bから入射する励起光を受け、白色の蛍光を発する。この際、発光部28の回転軸方向と平行な面は金属ベース27と密接しているため、蛍光は、蛍光出射面のみからミラー29が備える開口部の方向へ進む。蛍光のうち一部は、ミラー29によって反射されることなくミラー29の開口部からヘッドランプ21の外部に出射される。また、残りの蛍光は、ミラー29によって反射された後に、ミラー29の開口部からヘッドランプ21の外部に出射される。このようにして、所定の立体角内を進む光線束が形成される。
当該構成によれば、出射部5bの形状に対応して、ヘッドランプ21が照射する照明光の投光パターンが決定される。出射部5bの形状は、図2に示す入射部5aと同様に円形であるので、ヘッドランプ21が照射する照明光の投光パターンは、およそ円形になる。このように、マルチモードファイバ5の断面形状と、ヘッドランプ21が照射する照明光の投光パターンとは対応している。
なお、ヘッドランプ21において、出射部5bから入射される励起光は発光部28によって蛍光に変換されるが、一部の励起光は発光部28で吸収されずに、直接または、ミラー29で反射されてミラー29の開口部に到達する。このような、吸収されなかった励起光はフィルタ10により遮断され、ヘッドランプ21の外側へは照射されない。なお、励起光の一部をヘッドランプ外に出射する構成である場合、ヘッドランプ21はフィルタ10を備えない。このような構成の一例は、青色の励起光と、黄色の蛍光体(または緑色および赤色の蛍光体)を含む発光部とを用いて白色光を出射する構成である。
〔実施の形態3〕
図4および5を参照しながら、実施の形態1・2に記載したヘッドランプ1・21の別の形態について説明する。図4は、ヘッドランプ1・21が備えるバンドルファイバ4’の出射部4b’を出射端から見た際の形状を表す図である。図5の(a)は、ヘッドランプ1・21が備えるマルチモードファイバ5’の入射部5a’を入射端から見た際の形状を示す図であり、(b)はマルチモードファイバ5’の出射部5b’を出射端から見た際の形状を示す図である。本実施形態において、ヘッドランプ1・21は、バンドルファイバ4の代わりに、バンドルファイバ4’を備えている。また、マルチモードファイバ5の代わりに、マルチモードファイバ5’を備えている。
自動車が備えるすれ違い用前照灯(ロービーム)は、対向車の眩惑を防止するために、所定の範囲に収まる投光パターンを満足するように設計されている。一般的には、照明光の一部をシェードで遮蔽することによって、上記投光パターンを満足するヘッドランプを得ている。しかし、シェードによる遮蔽では、一部の照明光を無駄にせざるを得ない。すなわち、ヘッドランプの電力効率は低下する。
本実施形態に記載のヘッドランプ1・21が備えるマルチモードファイバ5’は、所望の投光パターンに対応する断面形状を有している。したがって、発光部28に対して照射される励起光の照射パターンは、所望の投光パターンに対応するものとなり、発光部28から所望の投光パターンの光が出射される。この構成では、所望の投光パターンを得るためにシェードを用いる必要がなく、励起光の利用効率を高めることができ、電力効率の低下を抑制することができる。
図5には、マルチモードファイバ5’が有する入射部5a’および出射部5b’の形状の一例として、すれ違い用前照灯(ロービーム)の配光パターンに対応する多角形が示されている。マルチモードファイバ5’の断面形状(入射部5a’および出射部5b’の形状)は、任意の形状に成形可能である。入射部5a’および出射部5b’の形状は、特に限定されるものではない。
また、バンドルファイバ4’の出射部4b’は、入射部5a’の形状に対応する形状を有する(図4参照)。すなわち、複数の光ファイバ4の出射部41bは、マルチモードファイバ5’の入射部5a’の形状に対応するように配置されている。このような形状を有する出射部4b’と入射部5a’とを当接することによって、結合効率の低下を抑制可能である。
なお、実施の形態1に記載したヘッドランプ1に対して、マルチモードファイバ5’を適用してもよい。
〔実施の形態4〕
図6を参照しながら、実施の形態1・2に記載したヘッドランプ1・21の別の形態について説明する。図6は、ヘッドランプ1・21が備えるバンドルファイバ4’の出射部4b”を出射端から見た際の形状を示す図である。本実施形態において、ヘッドランプ1・21は、バンドルファイバ4の代わりにバンドルファイバ4”を備え、マルチモードファイバ5の代わりにマルチモードファイバ5’を備えている。ヘッドランプ1・21が、マルチモードファイバ5’を備えているため、ヘッドランプ21から所望の投光パターンの照明光が出射されることは上述した通りである。
バンドルファイバ4”は、図6に示すように、出射部42bが四角形の光ファイバ4を備えている。より具体的には、出射部42bが四角形の光ファイバ4を、入射部5a’に対応する形状にバンドルすることによって、バンドルファイバ4”の出射部4b”は形成されている。出射部42bの形状は四角形であるため、複数の光ファイバ4を互いに隣接させて配置する場合に、各光ファイバ4間の隙間を低減できる。すなわち、出射部4b”は、出射部4b’と比較して、強度変化の小さい励起光を入射部5a’に入射する。したがって、マルチモードファイバ5’が出射する励起光の強度分布は、さらに連続したなめらかな分布となり、発光部28をより均一に励起することができる。したがって、得られる投光パターンも均一なものとなる。
なお、光ファイバの出射部42bの形状は四角形に限定されるものではなく、隣接する光ファイバ間の隙間を低減できる形状であればよい。たとえば、出射部42bの形状が三角形、六角形などの多角形である光ファイバ4を用いてバンドルファイバ4”を構成してもよい。出射部42bの形状が正三角形、正方形および正六角形であれば、隣接する光ファイバ間の隙間をなくすことができるのでより好ましい。
〔実施の形態5〕
実施の形態1・2に記載したヘッドランプ1・21は、いずれも、1つのレーザ素子2と1本の光ファイバ41とが光学的に結合する構成である。しかし、複数のレーザ素子と1本の光ファイバとが結合する構成であってもよい。以下に、ヘッドランプ1・21の更に別の形態について説明する。図7は、ヘッドランプ1・21が備える励起光源および第1導光部の構成を示す概略図である。より具体的には、2つのレーザ素子102aおよび102bがそれぞれ出射する励起光が、バンドルファイバ4を構成する複数の光ファイバ41のうちの1本に入射する様子を示している。
図7に示すように、ヘッドランプ1・21は、2つのレーザ素子102aおよび102bを備えている。レーザ素子102aおよび102bがそれぞれ備えるコリメートレンズ103aおよび103bは、励起光の指向性を制御し、略平行光である励起光を出射するためのレンズである。図7において、レーザ素子102aが出射する励起光をLEXaと記載し、レーザ素子102bが出射する励起光をLEXbと記載する。本実施形態において、レーザ素子102aおよび102bが出射する励起光の波長は同一である(たとえば405nm)。しかし、レーザ素子102aおよび102bが出射する励起光の波長は、それぞれ異なる構成であってもよい。
ヘッドランプ1・21は、ミラー104、偏光ミラー105および軸外し放物ミラー106を備えている。ミラー104は、レーザ素子102aから出射された励起光を、軸外し放物ミラー106の方向へ反射する。偏光ミラー105は、レーザ素子102bから出射された励起光を軸外し放物ミラー106の方向へ反射する。その一方、ミラー104によって反射された励起光は、偏光ミラー105を透過する。このようにして、レーザ素子102aおよび102bが出射した励起光は、軸外し放物ミラー106に入射する。軸外し放物ミラー106は、それぞれの励起光を入射部41aに集光する。なお励起光を集光する際に、軸外し放物ミラー106の代わりにレンズを用いてもよい。
この構成によれば、レーザ素子102aおよび102bが出射する励起光を、同一光軸によって光ファイバ41に入射させることができる。したがって、レーザ素子102aおよび102bが出射する励起光と、光ファイバ41との結合効率を高めることができる。また、複数の励起光を光ファイバ41に入射するので、1つのレーザ素子と1本の光ファイバとを結合する場合と比較して、同一のバンドルファイバ4を用いても励起光の出力を高くすることができる。したがって、発光部8における励起密度をより高めることができ、より高輝度なヘッドランプを実現可能である。図7には2つのレーザ素子が出射する励起光を1本の光ファイバに入射させる第1導光部の構成を示したが、レーザ素子の数は限定されるものではない。所望の励起光の出力などに基づいて、設計者は、レーザ素子の数を適宜定めることができる。
〔実施の形態6〕
実施の形態1に記載のヘッドランプ1・21の別の形態について、図8を参照しながら説明する。図8は、ヘッドランプ1・21が備える励起光源および第1導光部の構成を示す概略図である。より具体的には、3つのレーザ素子112a、112bおよび112cがそれぞれ出射する励起光が、バンドルファイバ4を構成する複数の光ファイバ41のうちの1本に入射する様子を示している。
本実施形態に係るヘッドランプ1・21は、それぞれ波長の異なる励起光を出射するレーザ素子112a、112bおよび112cを備えている。図8において、レーザ素子112aが出射する励起光をLEXaと表し、レーザ素子112bが出射する励起光をLEXbと表し、レーザ素子112cが出射する励起光をLEXcと表している。
ヘッドランプ1・21は、ダイクロイックミラー114aおよび114bを備えている。ダイクロイックミラーは、特定の波長領域の光のみを反射し、それ以外の光は透過するミラーである。ダイクロイックミラー114aは、レーザ素子112bが出射するLEXbを反射し、レーザ素子112aが出射するLEXaを透過する。また、ダイクロイックミラー114bは、レーザ素子112cが出射するLEXcは反射し、上述のLEXb、LEXaは透過する。このようにして、3つのレーザ素子112a、112bおよび112cがそれぞれ出射する波長の異なる励起光は、軸外し放物ミラー106に入射する。軸外し放物ミラー106は、それぞれの励起光を入射部41aに集光する。
ヘッドランプ1・21は、軸外し放物ミラー106ではなく、レンズを用いて各励起光を集光してもよい。ただし、レンズを用いて集光すると色収差が生じるため、各励起光が光ファイバ41に入射する際の効率は低下する。波長の異なる各励起光と、光ファイバ41との結合効率をよくするためには、レンズより軸外し放物ミラー106を用いることが好ましい。
この構成によれば、レーザ素子112a、112bおよび112cが出射する励起光を、同一光軸によって光ファイバ41に入射させることができる。したがって、レーザ素子112a、112bおよび112cがそれぞれ出射する各励起光と、光ファイバ41との結合効率を高めることができる。また、複数種類の蛍光体を含む発光部を励起する場合、それぞれの蛍光体の発光効率は、異なる波長依存性を有する。したがって、発光部8が含む各蛍光体に最適な励起光の波長を選択することによって、波長の同じ励起光を用いる場合より、発光部8の発光効率を高めることができる。
なお、本実施形態において、ダイクロイックミラー114aおよび114bが反射する光の波長は、3つの各励起光源がそれぞれ出射する励起光の波長に応じて、適宜設定すればよい。図8には3つのレーザ素子が出射する励起光を1本の光ファイバに入射させる第1導光部の構成を示したが、レーザ素子の数は限定されるものではない。所望の励起光の出力などに基づいて、設計者は、レーザ素子の数を適宜定めることができる。
実施の形態1に記載したヘッドランプ1の実施例を、図9を参照しながら説明する。図9は、ヘッドランプ1および比較例のヘッドランプaにおける、発光部8に照射する励起光出力と、照明光の光束との相関関係を示す図である。ヘッドランプ1およびヘッドランプaは、レーザ素子2が出射した励起光を導光する部分の構成のみが異なる。具体的には、ヘッドランプ1は、バンドルファイバ4およびマルチモードファイバ5を介して励起光を発光部8に照射する構成であるのに対して、ヘッドランプaは、バンドルファイバ4のみを介して励起光を発光部8に照射する。ヘッドランプ1およびヘッドランプaは、BaMgAl1017:Eu(青色蛍光体)およびCa−αSiAlON:Eu(黄色蛍光体)を含む発光部8を備えている。
図9に示すように、発光部8に照射する励起光の出力を1W〜8Wの範囲で変化させた際に、ヘッドランプ1が出射する照明光の光束は、励起光出力に対してほぼ線形な正の相関を示した。一方、ヘッドランプaが出射する照明光の光束は、励起光の出力が1W〜3Wの範囲ではほぼ線形な正の相関を示したが、4W〜8Wの範囲では飽和する傾向を示した。すなわち、ヘッドランプaが備える発光部8の発光効率は、励起光の出力増加に伴い低下した。一方、ヘッドランプ1が備える発光部8の発光効率は、少なくとも実験で用いたレーザ素子2の出力範囲において、励起光の出力増加に依存しなかった。以上のように、ヘッドランプ1は、ヘッドランプaと比較して、高出力の励起光を用いた際により高い光束の照明光を得た。
(付記事項)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、発光装置や照明装置、特に車両用等のヘッドランプに適用することができる。
1 ヘッドランプ
2 レーザ素子(励起光源)
3 レンズ
4 バンドルファイバ
4b 出射部
41 光ファイバ(第1導光部)
41a 入射部
5 マルチモードファイバ(第2導光部)
5a 入射部
5b 出射部
6 反射板
7 金属ベース
8 発光部
9 ミラー
10 フィルタ
11 放熱部
11a 保持部
11b 放熱フィン

Claims (7)

  1. 複数の励起光源から出射された励起光を導光する、可撓性を有する複数の第1導光部と、
    上記複数の第1導光部が導光した励起光を導光する第2導光部と、
    上記第2導光部が導光した励起光を受けて蛍光を発する発光部とを備え、
    1つの上記第2導光部に対して上記複数の第1導光部が光学的に結合されており、
    上記第1導光部は、導光した励起光を出射する出射部を備え、
    上記第2導光部は、上記第1導光部が出射した励起光を受光する入射部を備え、
    上記第1導光部の出射部と、上記第2導光部の入射部とは、直接結合されており、
    上記第1導光部は、光ファイバを含み、当該光ファイバの出射端でバンドルされており、
    上記第2導光部は、マルチモードファイバであり、
    バンドルファイバは、複数の上記光ファイバを備えており、
    上記バンドルファイバの出射部と、上記マルチモードファイバの入射部とは近接するとともに、
    上記マルチモードファイバにおける上記入射部の開口数は、上記光ファイバにおける上記出射部の開口数より大きく、
    上記入射部における上記マルチモードファイバが備えるコアの直径は、上記出射部における各上記光ファイバが備える各コアに外接する円の直径より大きいことを特徴とする発光装置。
  2. 上記第2導光部は、上記第1導光部から入射した複数の励起光を混合し、上記発光部における励起光照射面において連続したなめらかな強度分布を有する励起光を生成することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 上記第2導光部は、所望の投光パターンに対応する断面形状を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 上記第1導光部の出射部の形状は多角形であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 上記励起光源は、半導体レーザであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発光装置を含むことを特徴とする車両用前照灯。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発光装置を含むことを特徴とする照明装置。
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