JP5842041B2 - 発光装置 - Google Patents

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    • F21S41/10Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by the light source
    • F21S41/14Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by the light source characterised by the type of light source
    • F21S41/16Laser light sources

Description

本発明は、レーザ等の固体発光素子を励起光源として蛍光体を励起することによって白色を得る発光装置、照明装置、及び車両用前照灯に関する。
近年、励起光源としてLED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)等の半導体発光素子を用い、これらの励起光源から生じた励起光を、蛍光体を含む発光部に照射して照明光を発生させる発光装置の研究が行われている。
このような発光装置に関する技術の例として特許文献1が開示されている。
特許文献1の発光装置は、発光素子から射出される励起光を、レンズを介して光ファイバに入光させ、光ファイバの先端に備える蛍光物質に照射して、蛍光物質からの照明光を外部に放出するものである。ここで、励起光は、350nmから500nmに発光ピークを有するレーザ光であることが好ましいとされている。
特開2005−205195号公報(2005年8月4日公開)
しかしながら、特許文献1の技術は、蛍光物質において、励起光を入射する面とは反対側の面から蛍光を取り出す構成(以下、このタイプの発光装置を「透過型」と称する場合がある。)となっている。この構成にはメリットとデメリットがあるが、特に発光面積が小さな高輝度点光源を得ることが難しい点、特にこの光源を点光源として機能させ、超小型のリフレクタ等により白色光を投光する応用を考えた場合には超高輝度光源が必要となるが、その実現が難しい点が課題となる。
すなわち、透過型の発光装置は、励起光を絞って発光部に照射したとしても、励起光は、励起光の照射される発光部の面である照射面から可視光が出射される発光部の出射面(照射面の対向面)まで進むうちに蛍光体により散乱されてしまう。その結果、透過型の発光装置では、散乱励起光および蛍光を出射する出射面の面積が拡大してしまうという問題がある。例えば、蛍光体を励起するための励起光源として集光されたレーザを用いた場合の最大のメリットは、小さな面積を励起することによって超高輝度の点光源を得ることができる点にある。
ここで「点光源」という用語を用いているが、これは、光学的に実質的に点光源として見なせるサイズまで光源サイズが小さいことを示している。光学系が比較的大きければ大きな光源でも実質的に点光源として扱える場合もあるが、光学系が非常に小さい場合には光源サイズが十分に小さくないと実質的に点光源として扱えなくなる。この、光学系のサイズに対して十分に小さな光源サイズを、本願では「点光源」と称している。
しかしながら、透過型により超高輝度の点光源を得る場合には解決されるべき課題がある。そのことを図22により説明する。
図22は、透過型の発光装置において、励起光が発光部の内部で拡散される様子を示す概略図である。図22に示すように、照射面に照射された励起光は、発光部内の蛍光体に衝突すると、一部は蛍光に変換されて様々な角度に放出され、一部は蛍光体の表面に衝突して様々な角度に散乱する。そして、散乱励起光および蛍光を出射する出射面における出射面積は、様々な角度に放出(散乱)された蛍光および散乱励起光の影響により、その面積が拡大する。
また、別の方法として、出射面の面積拡大を防ぐために、発光部のサイズを最初から小さくしておくという方法も考えられる。しかしながら、発光部上へのレーザの照射面積よりも実際の発光点のサイズが大きくなる点には変わりはない。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、高い効率で白色の点光源を得ることができ、得られた白色照明光を高い効率で投光することが可能な発光装置、照明装置、及び車両用前照灯を提供することにある。
本発明の一態様に係る発光装置は、上記の課題を解決するために、白色光を出力可能な発光装置であって、青色の励起光を出射する励起光源と、上記励起光源から出射された励起光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む発光部と、を備え、上記蛍光体は、上記励起光が照射される面である照射面において上記蛍光を発し、上記発光部は、上記照射面に照射された上記励起光を散乱する、上記蛍光体とは異なる励起光散乱体を粒子として上記照射面に含み、上記照射面において、上記蛍光体の粒子および上記励起光散乱体に上記励起光が照射される。
本発明の一態様に係る発光装置は、以上のように、白色光を出力可能な発光装置であって、青色の励起光を出射する励起光源と、上記励起光源から出射された励起光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む発光部と、を備え、上記蛍光体は、上記励起光が照射される面である照射面において上記蛍光を発し、上記発光部は、上記照射面に照射された上記励起光を散乱する、上記蛍光体とは異なる励起光散乱体を粒子として上記照射面に含み、上記照射面において、上記蛍光体の粒子および上記励起光散乱体に上記励起光が照射される。
本発明の一実施形態に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。 パラボラミラーの回転放物面を示す概念図である。 (a)はパラボラミラーの上面図、(b)はパラボラミラーの正面図、(c)はパラボラミラーの側面図である。 自動車におけるヘッドランプに適用した場合の配設方向を示す概念図である。 本発明の一実施例の照明装置を示す概略図である。 本発明の別の実施例の照明装置を示す概略図である。 本発明の別の実施例の照明装置を示す概略図である。 本発明の別の実施例の照明装置を示す概略図である。 本発明の別の実施例の照明装置を示す概略図である。 本発明の別の実施例の照明装置を示す概略図である。 本発明の別の実施例の照明装置を示す概略図である。 本発明の別の実施例の照明装置を示す概略図である。 本発明に係る発光部の実施例を示す概略図であり、(a)は発光部の断面模式図を、(b)は蛍光部の拡大図を、(c)は透明粒子部4bの拡大図である。 本発明に係る発光部の他の実施例を示す概略図である。 本発明に係る発光部の他の実施例を示す概略図である。 発光部を載置する基板の発光部側の面に凹凸が形成されている様子を示す図である。 本発明に係る発光部の他の実施例を示す概略図であり、(a)は、発光部の照射面が凹面形状である場合、(b)は、発光部の照射面が平面形状である場合、(c)は、発光部の照射面が凸面形状である場合の概略図をそれぞれ示す。 発光部の照射面に対するレーザ光の入射角度と鏡面反射光の光強度との関係を示すグラフである。 発光部の照射面に対するレーザ光の入射角度を変えたときの配光特性を示す。 発光部の照射面に対するレーザ光の入射角度が80度の場合における、照射面の算術平均粗さ(Ra)と反射光の光強度との関係を示すグラフである。 発光部の照射面に対するレーザ光の入射角度が80度の場合における、照射面の最大高さ(Ry)と反射光の光強度との関係を示すグラフである。 従来の発光装置において、励起光が発光部の内部で拡散される様子を示す概略図である。
以下、図面を参照しつつ、本実施の形態に係る照明装置1等について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
本発明の実施の一形態について図1等に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
〔照明装置1の構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置1の概略構成を示す断面図である。図1に示すように、照明装置1は、レーザ素子(励起光源、半導体レーザ)2、レンズ3、発光部4、パラボラミラー(反射鏡)5、および金属ベース7を備えている。
本願は、従来の課題を解決するために、つまり効率を大幅に向上させるために、以下の点に特徴がある。
蛍光体を含む発光部において、励起用レーザを照射する側の面と蛍光を取り出す側の面とを同一としている。これにより、従来のように蛍光および散乱励起光の影響により発光面積が拡大する課題が解決され、より超高輝度の白色光源が得られるようになる。
その上で発光部における、レーザ光が照射されかつ蛍光が取り出される面に対向するようにミラー(反射鏡)が設けられている。これにより、射出された白色光をより効率的に一方向へ制御して投光することができるようになり、白色光の利用効率が大きく向上する。
また本願では、励起用のレーザの波長として青色を選択し、蛍光体の励起に寄与せずに散乱された青色のレーザ光と蛍光体からの蛍光とを混合させることによって白色を得ている。これにより、レーザ光のエネルギーの利用効率が大きく向上する。
さらに、より好ましい構成として、発光部のレーザ照射面とは反対側の面が白色光の出力に直接的に関与していないことから、レーザ照射面とは反対側の面の全体に亘って熱伝導率の高い金属によるヒートシンクを設けることができる。これにより、発光部で発生する熱を効率的に廃熱することができ、レーザによる強励起状態でも蛍光の発光効率の低下が生じない。また、発光部を透過してしまった励起用レーザ光も金属面で反射させて再利用することができるようになるため、レーザ光のエネルギーの利用効率が高くなる。特に平坦な金属面に薄い蛍光体が設けられた点が本願の構成上の特徴である。
以下、各部について、その構成例を示す。
(レーザ素子2)
レーザ素子2は、励起光を出射する励起光源として機能する発光素子である。このレーザ素子2は、複数設けられていてもよい。この場合、複数のレーザ素子2のそれぞれから励起光としてのレーザ光が発振される。レーザ素子2を1つのみ用いてもよいが、高出力のレーザ光を得るためには、複数のレーザ素子2を用いる方が容易である。
レーザ素子2は、1チップに1つの発光点を有するものであってもよく、1チップに複数の発光点を有するものであってもよい。レーザ素子2のレーザ光の波長は、例えば、450nm(青色)であるが、420nm〜490nmの青色領域の波長のレーザを選択することができ、また発光部4に含める蛍光体の種類に応じて適宜選択されればよい。(本願では420nm以上490nm以下の波長範囲を「青色」と定義する)
(レンズ3)
レンズ3は、レーザ素子2から出射したレーザ光が発光部4に適切に照射されるように、当該レーザ光の照射範囲を調節(例えば、拡大)するためのレンズであり、レーザ素子2のそれぞれに配設されている。
(発光部4)
発光部4は、レーザ素子2から出射されたレーザ光を受けて蛍光を発するものであり、レーザ光を受けて発光する蛍光体を含んでいる。具体的には、発光部4は、封止材の内部に蛍光体が分散されているもの、または蛍光体を固めたものである。発光部4は、レーザ光を蛍光に変換するため、波長変換素子であると言える。
この発光部4は、金属ベース7の上かつパラボラミラー5のほぼ焦点位置に配置されている。そのため、発光部4から出射した蛍光は、パラボラミラー5の反射曲面に反射することで、その光路が制御される。
発光部4の蛍光体として、例えば、酸窒化物系蛍光体(例えば、サイアロン蛍光体)またはIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体(例えば、インジュウムリン:InP)を用いることができる。これらの蛍光体は、レーザ素子2から発せられた高い出力(および/または光密度)のレーザ光に対しての熱耐性が高く、レーザ照明光源に最適である。ただし、発光部4の蛍光体は、上述のものに限定されず、窒化物蛍光体など、その他の蛍光体であってもよい。
例えば、黄色の蛍光体(または緑色および赤色の蛍光体)を発光部4に含め、450nm(青色)近傍のレーザ光(本願では420nm以上490nm以下の波長範囲)を照射することでも白色光が得られる。
発光部4の封止材は、例えば、ガラス材(無機ガラス、有機無機ハイブリッドガラス)、シリコーン樹脂等の樹脂材料である。ガラス材として低融点ガラスを用いてもよい。封止材は、透明性の高いものが好ましく、レーザ光が高出力の場合には、耐熱性の高いものが好ましい。
蛍光体を半導体レーザ等で励起することによって白色光を得る場合、種々の励起波長と種々の蛍光体材料との組み合わせが想定される。しかしながら、次のように白色光を得ることもできる。つまり、励起光源として青色光を用いて蛍光体を励起し、蛍光体からの蛍光を照明光の光成分として利用する。そして、蛍光体の励起に寄与しなかった青色光の成分も散乱させることによって照明光の光成分として活用し、散乱された青色光と蛍光体からの蛍光とを混合することによって白色光を得る。このようにして得られる白色光を白色照明光として用いることにより、高効率に白色照明を得ることができる。本願発明者らの検討では、この時に、発光部において励起光を照射した面から蛍光と散乱された青色光を取り出すことで、より高い効率に白色光が得られることを見出したものである。
(パラボラミラー5)
パラボラミラー5は、発光部4が発生させた蛍光を反射し、所定の立体角内を進む光線束(照明光)を形成する。このパラボラミラー5は、例えば、金属薄膜がその表面に形成された部材であってもよいし、金属製の部材であってもよい。
図2は、パラボラミラー5の回転放物面を示す概念図であり、図3(a)はパラボラミラー5の上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。図3(a)〜(c)は、説明図面をわかりやすく例示するよう直方体の部材の内部をくり抜くことでパラボラミラー5を形成した例を示している。
図2に示すように、パラボラミラー5は、放物線の対称軸を回転軸として当該放物線を回転させることによって形成される曲面(放物曲面)を、上記回転軸を含む平面で切断することによって得られる部分曲面の少なくとも一部をその反射面に含んでいる。図3(a)および(c)において、符号5aで示す曲線が放物曲面を示している。また、図3(b)に示すように、パラボラミラー5を正面から見た場合、その開口部5b(照明光の出口)は半円である。
このような形状のパラボラミラー5が、発光部4の、側面よりも面積の広い上面に対向するようにその一部が配置されている。すなわち、パラボラミラー5は、発光部4の上面を覆う位置(レーザ光が照射される発光部4の面である照射面側)に配置されている。別の観点から説明すれば、発光部4の側面の一部は、パラボラミラー5の開口部5bの方向を向いている。
発光部4とパラボラミラー5との位置関係を上述のものにすることで、発光部4の蛍光を所定の立体角内に効率的に投光することができ、その結果、蛍光の利用効率を高めることができる。
なお、ミラーは必ずしもパラボラである必要はなく、照明装置の目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ミラーは、楕円ミラーであってもよい。また、ミラーは、任意の配光を作ることができるマルチファセットミラー、あるいは自由曲面ミラーとすることもできる。
また、レーザ素子2は、パラボラミラー5の外部に配置されており、パラボラミラー5には、レーザ光を透過または通過させる窓部6が形成されている。この窓部6は、開口部であってもよいし、レーザ光を透過可能な透明部材を含むものであってもよい。例えば、レーザ光を透過し、白色光(発光部4の蛍光)を反射するフィルターを設けた透明板を窓部6として設けてもよい。この構成では、発光部4の蛍光が窓部6から漏れることを防止できる。
窓部6は、複数のレーザ素子2に共通のものが1つ設けられていてもよいし、各レーザ素子2に対応した複数の窓部6が設けられていてもよい。
なお、パラボラミラー5の一部にパラボラではない部分を含めてもよい。また、本発明の発光装置が有する反射鏡は、閉じた円形の開口部を有するパラボラミラーまたはその一部を含むものであってもよい。また、上記反射鏡は、パラボラミラーに限定されず、楕円面ミラーや半球面ミラーであってもよい。すなわち、上記反射鏡は、回転軸を中心として図形(楕円、円、放物線)を回転させることによって形成される曲面の少なくとも一部をその反射面に含んでいるものであればよい。
そして、本願発明者らは、以下の点を見出した。
つまり、励起光源として青色光を用いて蛍光体を励起し、蛍光体からの蛍光を照明光の光成分として利用する。そして、蛍光体の励起に寄与しなかった青色光の成分も散乱させることによって照明光の光成分として活用し、散乱された青色光と蛍光体からの蛍光とを混合することによって得られる白色光を白色照明光として用いる。さらに、発光部において励起光を照射した面から蛍光と散乱された青色光とを取り出すことにより高効率に白色光を得る。そして、この白色光をパラボラ等の形状のミラーを用いて投光する場合に、発光部において励起光を照射した面に対向するようにミラーが設置される構成が効率良く白色光を投光することができる。その結果、この構成が、照明装置として好適であることを本願発明者らは見出した。このとき、ミラーは、特にパラボラ形状であることが好ましい。
(金属ベース7)
金属ベース7は、発光部4を支持する板状の支持部材であり、金属(例えば、銅や鉄)からなっている。それゆえ、金属ベース7は熱伝導性が高く、発光部4の発熱を効率的に放熱することができる。なお、発光部4を支持する部材は、金属以外の熱伝導性が高い物質(ガラス、サファイアなど)を含む部材でもよいが、熱伝導率が高い金属であることがより好ましい。ただし、発光部4と当接する金属ベース7の表面は反射面として機能することが好ましい。上記表面が反射面であることにより、発光部4の上面から入射したレーザ光が蛍光に変換された後に、当該反射面で反射させてパラボラミラー5へ向かわせることができる。または、発光部4の上面から入射したレーザ光を上記反射面で反射させて、再度発光部4の内部に向かわせて蛍光に変換することができる。
金属ベース7は、パラボラミラー5によって覆われているため、金属ベース7は、パラボラミラー5の反射曲面(放物曲面)と対向する面を有していると言える。金属ベース7の発光部4が設けられている側の表面は、パラボラミラー5の回転放物面の回転軸と概ね平行であり、当該回転軸を概ね含んでいることが好ましい。
(フィン8)
フィン8は、金属ベース7を冷却する冷却部(放熱機構)として機能する。このフィン8は、複数の放熱板を有するものであり、大気との接触面積を増加させることにより放熱効率を高めている。金属ベース7を冷却する冷却部は、冷却(放熱)機能を有するものであればく、ヒートパイプ、水冷方式や、空冷方式のものであってもよい。
そして、本願発明者らは、以下の点を見出した。
つまり、励起光源として青色光を用いて蛍光体を励起し、蛍光体からの蛍光を照明光の光成分として利用する。そして、蛍光体の励起に寄与しなかった青色光の成分も散乱させることによって照明光の光成分として活用し、散乱された青色光と蛍光体からの蛍光とを混合することによって得られる白色光を白色照明光として用いる。さらに、発光部において励起光を照射した面から蛍光と散乱された青色光とを取り出すことにより高効率に白色光を得る。そして、この高効率の白色光源においては、励起光を照射した面とは反対側の面に平坦な金属の部材を配置することにより、蛍光体からの熱を効果的に廃熱することができ、高励起状態であっても高い効率を維持することができる。本願発明者らは、この点を見出した。
このように、上記構成とすることにより、特に効率的に発光する高輝度の白色点光源を得ることができるとともに、その白色光を効率的に投光することが可能となる。
〔ヘッドランプ1の配設方法〕
図4は、この照明装置を自動車用前照灯(ヘッドランプ)に適用した場合の、ヘッドランプの配設方向を示す概念図である。図4に示すように、ヘッドランプは、パラボラミラー5が鉛直下側に位置するように自動車10のヘッドに配設されてもよい。この配設方法では、上述のパラボラミラー5の投光特性により、自動車10の正面が明るく照らされるとともに、自動車10の前方下側がぼんやりと明るくなる。
なお、ヘッドランプを自動車用の走行用前照灯(ハイビーム)に適用してもよいし、すれ違い用前照灯(ロービーム)に適用してもよい。また、自動車10の走行中に、走行状態に応じて、発光部4の照射面に照射されるレーザ光の光強度分布の制御を行ってよい。これにより、自動車10の走行中に任意の投光パターンにより投光することができ、ユーザの利便性を高めることができる。
〔本発明の適用例〕
本発明の発光装置は、車両用前照灯のみならず、その他の照明装置に適用されてもよい。本発明の照明装置は、車両以外の移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケットなど)のヘッドランプとして実現されてもよいし、サーチライト、プロジェクタ、ダウンライト以外の室内照明器具(スタンドランプなど)として実現されてもよい。
〔照明装置の実施例〕
次に、本発明のより具体的な照明装置の実施例について図5等に基づいて説明する。なお、上記の部材と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。また、ここに記載された材質、形状、および各種の数値は、あくまで一例であり、本発明を限定するものではない。
〔照明装置の実施例1〕
図5は、本発明の一実施例の照明装置20を示す概略図である。図5に示すように、照明装置20は、複数のレーザ素子2、発光部4、パラボラミラー5、金属ベース7、フィン8、反射ミラー14a・14b・14c・14d、および立上ミラー50を備えている。
レーザ素子2のレーザ光の出射端部から出射されるレーザ光は、立上ミラー50により反射ミラー14aに向かって立ち上げられる(反射される)。そして、反射ミラー14aで反射したレーザ光は、その後、反射ミラー14b、反射ミラー14c、および反射ミラー14dで反射され、発光部4に導かれる。なお、本実施例では、反射ミラーの数量は4つであるが、レーザ素子2や発光部4の位置などによって、5つ以上、または3つ以下で設けられる構成により実現されてよい。
(レーザ素子2の詳細)
レーザ素子2は、450nmのレーザ光を出射する1W出力のものであり、合計6個設けられている。そのため、レーザ光の総出力は6Wとなる。
(発光部4の詳細)
発光部4は、白色で発光するように、2種類の蛍光体が混合されている。赤色蛍光体CaAlSiN:Eu、緑色蛍光体β−SiAlON:Euである。これら蛍光体の粉末が焼結されて固められている。
発光部4の形状は、例えば、直径2mmで、厚さ0.2mmの円盤状である。
(パラボラミラー5の詳細)
パラボラミラー5の開口部5bは、例えば半径15mmの半円であり、パラボラミラー5の奥行きは例えば30mmである。発光部4は、パラボラミラー5のほぼ焦点位置に配置されている。また、蛍光の分布はランバーシアン分布となり、全光束は2000lmである。
(金属ベース7の詳細)
金属ベース7は、銅からなるものであり、発光部4が配置される側の表面にアルミニウムが蒸着されている。その側面には、フィン8が設けられている。なお、金属ベース7とフィン8とは、一体として形成されていてもよい。また、フィン8は、必ずしも必要ではない。
なお、図5に示す照明装置20は、例えば図6に示すように部品点数を減らしてよりコンパクトにすることもできる。つまり、図6の照明装置25は、反射ミラーの角度、配置を変更することにより、反射ミラーの数量を3つにしている。つまり、図5の照明装置20では4つ必要であった反射ミラーの数量が3つに軽減している。このように、反射装置の構成を変えることにより、部品点数を減らしてコンパクト化を図ることも可能である。
〔照明装置の実施例2〕
図7は、本発明の別の実施例の照明装置21を示す概略図である。図7に示すように、照明装置21は、複数のレーザ素子2、発光部4、パラボラミラー5、金属ベース7、フィン8、反射ミラー14、および立上ミラー50を備えている。
実施例1との大きな違いは、反射ミラーの数量が1つのみであり、反射ミラー14により反射されるレーザ光が、パラボラミラー5に設けられた窓部6を通って発光部4に導かれる点にある。
このように、立上ミラー50から反射ミラー14に反射されるレーザ光の方向等によって、実施例1とは異なる構成で照明装置21を実現することができる。
〔照明装置の実施例3〕
図8は、本発明の別の実施例の照明装置22を示す概略図である。図8に示すように、照明装置22は、レーザ素子2、発光部4、パラボラミラー5、金属ベース7、およびフィン8を備えている。
先述の実施例との大きな違いは、レーザ素子2が単数であり、そのため、反射ミラー14を用いることなく、レーザ素子2から発光部4に対して直接レーザ光を照射している点にある。なお、パラボラミラー5には図示しない窓部6が形成されており、レーザ光は、その窓部6を通って発光部4に導かれる。また、レーザ素子2が単数であるため、全光束は250lmとなり、先の実施例の場合よりも光束が低下する。
〔照明装置の実施例4〕
図9は、本発明の別の実施例の照明装置23を示す概略図である。図9に示すように、照明装置23は、レーザ素子2、発光部4、パラボラミラー5、金属ベース7、およびフィン8を備えている。
実施例3との大きな違いは、発光部4が金属ベース7に対して一定の角度を有している点にある。照明装置23では、この構成により、図8と比較してレーザ光をより水平に近い角度で導入することができるようになる。このため、パラボラミラーの後部の体積を小さくすることができ、システム全体を軽量・コンパクトに設計することができる。また、パラボラミラーの開口部から内部を肉眼で覗き込んだ場合にも発光部においてレーザ光の当たっている最も輝度が高い部分を直接目にすることはないため、網膜障害等が発生しない安全面の利点もある。
なお、図8、図9に示す構成は、例えば図10のように発光体に対するヒートシンクとレーザ素子に対するヒートシンクを兼ねる照明装置26とすることもできる。この場合、さらなる小型化を実現することができる。このように、ヒートシンクを兼ねた構成は、図11のようにレーザ素子が複数個の場合(照明装置27)でも適用可能である。
〔照明装置の実施例5〕
図12は、本発明の別の実施例の照明装置24を示す概略図である。図12に示すように、照明装置24は、レーザ素子2、発光部4、複合ミラー55、金属ベース7、およびフィン8を備えている。
実施例3との大きな違いは、複合ミラー55の形状にある。複合ミラー55は、パラボラミラー55aと楕円面ミラー55bとが複合されてなる。具体的には、複合ミラー55は、パラボラミラー5の一部(パラボラミラー5の開口部とは反対側)が楕円面ミラー55bで構成されている。
これにより、照明装置24は、発光部4上に、パラボラミラー55aによる焦点位置P1および楕円面ミラー55bによる焦点位置P2という2つの焦点位置を有することができる。そして、レーザ光を焦点位置P1に照射すると、複合ミラー55で反射する光を集光させることができ、レーザ光を焦点位置P2に照射すると、複合ミラー55で反射する光を拡散させることができる。つまり照明装置24は、複合ミラー55を備えることいより焦点位置を複数持つことができ、それにより投光特性を変更することができる。
なお、レーザ素子2の位置を変えることにより、焦点位置P1および焦点位置P2の何れにレーザ光を照射するかを選択することができる。また、複合ミラー55は、パラボラミラーと楕円面ミラーとの組み合わせに限らず、パラボラミラー、楕円面ミラー、半球面ミラー、平面ミラー等から選択したミラーを組み合わせることができる。これにより、照明装置24は、発光部4上に複数の焦点位置を有することができ、上記の効果を実現することができる。
また、MEMSミラーを用いることにより、レーザ光の照射位置を焦点位置P1または焦点位置P2に変更することができる。ここで、MEMSミラーとは、シリコン上に銀合金を用いて1個のミラーを形成し、このミラーをPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)薄膜の圧電効果を用いて動かせるようにしたデバイスである。このMEMSミラーによってレーザ素子2から出射されるレーザ光を反射させて、その反射光を発光部4に照射する構成とすることにより、レーザ光の照射位置を焦点位置P1または焦点位置P2に変更することができる。
さらに、発光部4は、照射面に対するレーザ光の照射位置に応じて、含有する蛍光体材料を変化させてよい。例えば、パラボラミラー55aの焦点位置P1に相当する位置は色温度を高く、楕円面ミラー55bの焦点位置P2に相当する位置は色温度を低くするよう、発光部4の蛍光体材料を変えることができる。これにより、レーザ光を照射する焦点位置に応じた投光特性の変更が可能となる。
〔発光部の実施例について〕
次に、本発明のより具体的な発光部の実施例について図13等に基づいて説明する。なお、上述の実施形態における部材と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。また、ここに記載された材質、形状、および各種の数値は、あくまで一例であり、本発明を限定するものではない。
〔発光部の実施例1〕
図13は、本発明に係る発光部4の実施例を示す概略図であり、図13(a)は発光部4の断面模式図を、図13(b)は蛍光部4aの拡大図を、図13(c)は透明粒子部4bの拡大図である。
図13(a)に示すように、本実施例に係る発光部4は、透明粒子部4bからなる領域(第2領域)がスクリーン印刷法などによりパターニングされてなる。そして、隣り合う透明粒子部4bと透明粒子部4bとの間に、蛍光部4aからなる領域(第1領域)がパターニング等により形成されている。つまり、発光部4は、蛍光部4aおよび透明粒子部4bが交互に形成されてなり、この構成により照明装置1等から出射される青色レーザ光(散乱光)と蛍光との比を容易に制御することができ、投光する光の色度を調整することができる。
ここで、蛍光部4aは、図13(b)に示すように、蛍光体およびバインダによって結合されている。また、透明粒子部4bは、図13(c)に示すように、透明粒子(Al、SiO、CaF、NaCO、TiO、SiN、AINなど)およびバインダによって結合されてなる。そして、レーザ光が照射される、蛍光部4aおよび透明粒子部4bの照射面(図面上側)は、その表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)はレーザ光の波長以上であり、最大高さ(Ry)がRaの2倍以上でとなるように形成されている(例えば、算術平均粗さ(Ra)0.5μm以上、最大高さ(Ry)1μm以上)。この照射面は、蛍光部4aと透明粒子部4bとを交互に形成したあとに、サンドブラスト処理を行うことで表面を荒くしたものであってよい。
なお、蛍光部4aおよび透明粒子部4bにおいて用いられるバインダは、例えば、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース系であってよい。また、ポリビニルアルコール、ブチラール化ポリビニルアルコールなどのビニル系、あるいはアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどのアクリル系を用いても良いが、耐熱性が良くないため、寿命の点で言えばセルロース系のバインダを用いる方が好ましい。さらに、透明粒子部4bには、蛍光体が若干含まれていてもよい。
〔発光部の実施例2〕
図14は、本発明に係る発光部4の他の実施例を示す概略図である。実施例1との大きな違いは、実施例2では、実施例1の透明粒子部4bの代わりにバインダが使用されている点にある。このように、透明粒子部4bを用いなくとも、実施例1と同様の特性(効果)を得ることができるため、発光部4の設計、製造等の簡略化を図ることができる。なお、発光部4の照射面は、サンドブラスト処理などを施すことにより、その表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)はレーザ光の波長以上であり、最大高さ(Ry)がRaの2倍以上でとなるように形成されていることが好ましい。例えば、算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上であり、最大高さ(Ry)が1μm以上である。
また、レーザ光が照射される、蛍光部4aおよび透明粒子部4bの照射面に、レーザ光の波長よりも大きい凹凸が形成されていてもよい。それにより、当該照射面に照射されるレーザ光は、広い範囲に散乱される、単位面積当たりのレーザ光のパワー密度を低下させて照明装置の外部に出すことができるため、何らの対策も講じない場合に比べて安全性を高めることができる。
なお、励起光の波長よりも大きい凹凸とは、例えば励起光が450nmの波長であれば、2つの凹間あるいは2つの凸間の距離が450nmよりも大きいことを言う。また、このことは、2つの凹間あるいは2つの凸間すべてが該当する必要はなく、その一部のみが該当する場合であっても、何らの対策を講じていない場合に比べて確実に安全性を高めることができる。
〔発光部の実施例3〕
図15は、本発明に係る発光部4の他の実施例を示す概略図である。実施例1との大きな違いは、実施例3では、発光部4の照射面に450nm用のARコート60が施され、かつ、照射面が平坦に保たれている点にある。ARコート60は、必須ではないが、照射面での反射光を無くすために施されている方が好ましい。さらに、実施例3では、発光部4に、照射面に照射された励起光を散乱する励起光散乱体61が含まれている。その励起光散乱体61は、レーザ光を受けて発光する蛍光体、または、Al、SiO、CaF、NaCO、TiO、SiN、及びAINのうち少なくとも1つであってよい。このように、発光部4が励起光散乱体61を含むことにより、励起光は励起光散乱体61によって散乱されて、外部に射出されることになる。
なお、励起光散乱体61の粒系分布中心は500nm以上であることが好ましく、これにより、青色のレーザ光を確実に散乱させることができる。また、発光部4を載置する基板の発光部4側の面は平坦に形成されていることが好ましい。
ここで、実施例3の利点を図16を用いて説明する。図16は、発光部4を載置する基板62の発光部4側の面に凹凸が形成されている様子を示す図である。下地に凹凸が形成されている場合、蛍光体粒子の密度が高い部分と低い部分とがランダムに生じ、蛍光体から発生する蛍光の強度、および散乱されたレーザ光と蛍光との割合を制御することが難しくなる。
〔発光部の実施例4〕
図17は、本発明に係る発光部4の他の実施例を示す概略図である。このうち、図17(a)は、発光部4の照射面が凹面形状である場合、図17(b)は、発光部4の照射面が平面形状である場合、図17(c)は、発光部4の照射面が凸面形状である場合の概略図をそれぞれ示す。以下、発光部4を図17(a)〜図17(c)に記載の形状とすることによる利点を説明する。
まず、発光部4の照射面が凹面形状である場合(図17(a))、照射面に対する励起光の入射角度に広がりが生じるため、蛍光の放出分布にも拡がりが生じる。拡がった放出分布により広い範囲を照明する照明装置には好適である。
次に、発光部4の照射面が平面形状である場合(図17(b))、図17(a)および図17(c)の発光部に比べて蛍光の放出分布を狭くすることができる。このため、より照明光の利用効率が向上し、効率が最も高くなり、好適である。また製作が容易である。そのため、図17(b)の形状とすることにより、発光部4の製造コスト、及び照明装置のコスト低減に寄与することができる。
続いて、発光部4の照射面が凸面形状である場合(図17(c))、入射角度に広がりが生じるため、蛍光の放出分布にも拡がりが生じる。拡がった放出分布により広い範囲を照明する照明装置には好適である。
〔反射光強度について〕
一般に、レーザ光は、単位面積当たりのパワー密度が高く、コリメートされたレーザ光が鏡面反射して発光装置から出力された場合には安全性を害する危険が高い。
そのため、発光部4の照射面でレーザ光を広い範囲に散乱させて拡散光とすることができれば、単位面積当たりのパワー密度を低下させて発光装置の外部に出すことができるため、何らの対策も講じない場合に比べて安全性を高めることができる。
そこで、鏡面反射光の光強度を小さくするための構成を図18〜図21により説明する。
〔反射光強度の入射角依存線〕
図18は、発光部4の照射面に対するコリメートされたレーザ光の入射角度と鏡面反射光の光強度との関係を示すグラフである。なお、横軸は入射角を、縦軸は反射光の光強度を示す。また、発光部4の照射面は平坦であり、レーザ光の波長は445nmである。このことは、図19〜図21においても同様である。
図18に示すように、鏡面反射光の光強度は、入射角度が大きくなるにつれ数値が低下する。そして、入射角度が20度を越えると、鏡面反射光の光強度はほぼ0となる。つまり、入射角度が照射面に対して20度以上であれば鏡面反射光が抑制され、照明装置1等の安全性を十分に確保できることが図18から分かる。したがって、発光部4の照射面に対するレーザ光の入射角度は20度以上とすることが好ましい。
図19は、発光部4の照射面に対するレーザ光の入射角度を変えたときの配光特性を示す。入射角度は、58°、46°、32°、14°、および4°であり、レーザ光の光出力は50mWである。また、配光先の角度範囲は0〜180度であり、配光先における光強度は縦軸に表されている。
図中に示すように、発光部4の照射面に対するレーザ光の入射角度が14°、および4°のときにレーザ光の鏡面反射光が認められ、58°、46°、および32°のときには鏡面反射光が認められない。つまり、この結果は、入射角度が14°〜32°の間に鏡面反射光が0となる臨界的数値が存在することを示し、図18を参照して説明した、入射角度が20度を越えると鏡面反射光の光強度はほぼ0となる、との結果を裏付けるものと言える。
〔反射光強度−算術平均荒さ(Ra)依存性〕
図20は、発光部4の照射面に対するレーザ光の入射角度が80度の場合における、照射面の算術平均粗さ(Ra)と反射光の光強度との関係を示すグラフである。なお、横軸は照射面の算術平均粗さ(Ra)を、縦軸は反射光の光強度を示す。
図20に示すように、反射光の光強度は、算術平均粗さ(Ra)が大きくなるにつれ数値が低下する。そして、算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上になると、反射光の光強度は0となる。つまり、算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上であれば、照明装置1等の安全性を十分に確保できることが図20から分かる。このことから、算術平均粗さ(Ra)は0.5μm以上とすることが好ましいと言える。
〔反射光強度−最大高さ(Ry)依存性〕
図21は、発光部4の照射面に対するレーザ光の入射角度が80度の場合における、照射面の最大高さ(Ry)と反射光の光強度との関係を示すグラフである。なお、横軸は照射面の最大高さ(Ry)を、縦軸は反射光の光強度を示す。
図21に示すように、反射光の光強度は、最大高さ(Ry)が大きくなるにつれ数値が低下する。そして、最大高さ(Ry)が1μm以上になると、反射光の光強度は0となる。つまり、最大高さ(Ry)が1μm以上であれば、照明装置1等の安全性を十分に確保できることが図21から分かる。このことから、最大高さ(Ry)は1μm以上とすることが好ましいと言える。
さらに、図20および図21の結果から、照射面の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)がレーザ光の波長以上であり、最大高さ(Ry)が算術平均粗さの2倍以上である場合に反射光の光強度は0となり、照明装置1等の安全性を十分に確保できることが分かる。
〔照明装置1等によって得られる効果〕
以下、照明装置1等によって得られる効果を説明する。
照明装置1は、白色光を出力可能な照明装置であって、青色のレーザ光を出射するレーザ素子2と、レーザ素子2から出射されたレーザ光を受けて蛍光を発する発光部4と、レーザ光が照射される発光部4の面である照射面側に配置され、発光部4が発生させた蛍光を反射するパラボラミラー5とを備えることを特徴としている。
上記構成によれば、照明装置1では、パラボラミラー5は、レーザ光が照射される発光部4の面である照射面側に配置され、発光部4が発生させた蛍光を反射する構成である。つまり、照明装置1は、従来の照明装置(以下、「透過型」と称する場合もある。)を脱却した新たなタイプの照明装置である。
したがって、本願発明に係る照明装置は、従来の照明装置が有する課題を解決することができる。
具体的には、従来の照明装置には、散乱レーザ光および蛍光を出射する出射面の面積が拡大してしまうという問題がある。
これに対して、照明装置1には次のような利点があることから、従来の課題を解決することができる。
まず、上記構成とすることにより、レーザ光を照射する側の面と蛍光を取り出す側の面とを同一としている。つまり、照明装置1は、発光部4の照射面にレーザ光を照射するとともに、その照射面から蛍光を取り出す構成である。これにより、従来のように蛍光および散乱レーザ光の影響により発光面積が拡大してしまうという課題が解決され、より高輝度の白色光源が得られる。
その上で、レーザ光が照射される発光部4の面である照射面側にパラボラミラー5が配置されている。これにより、射出された白色光をより効率的に一方向へ制御して投光することができ、白色光の利用効率を大きく向上させることができる。
さらに、青色のレーザ光を出射するレーザ素子2を用い、発光部4での蛍光の発生に寄与することなく散乱された青色のレーザ光と発光部4で発生した蛍光とを混合させて白色光を出力するため、レーザ光のエネルギーの利用効率を大きく向上させている。
このように、照明装置1は、従来の照明装置の課題を解決し、さらに、効率的に高輝度の白色光を得ることを可能とし、かつ、得られた白色光を効率的に投光することができるという効果を奏する。
さらに、照明装置1では、発光部4の、照射面とは反対側の面が金属に接する構成であってよい。
上記構成によれば、発光部4の、レーザ光の照射面とは反対側の面は白色光の出力に直接的に関与しておらず、その反対側の面が金属に接することにより、発光部4で発生する熱を効率的に廃熱することができる。これにより、たとえレーザ光としてレーザ光が用いられる強励起状態であっても、蛍光の発光効率の低下は生じない。また、発光部4を透過してしまったレーザ光を金属面で反射させて再利用する構成も実現可能であるため、レーザ光のエネルギーの利用効率をさらに高めることができる。
さらに、照明装置1では、発光部4の、照射面とは反対側の面が平坦である構成であってよい。
上記構成とすることにより、当該反対側の面と、その面と当接する金属等との間の接触面積とを大きくすることができるため、発光部4で発生する熱を効率的に廃熱することが可能となる。これにより、たとえレーザ光としてレーザ光が用いられる強励起状態であっても、蛍光の発光効率の低下を起こさせることもなく、効率的な廃熱を行うことができる。
さらに、照明装置1では、励起光源は、半導体レーザであってよい。
上述したように、照明装置1は、透過型の照明装置の課題を解決し、さらに、効率的に高輝度の白色光を得ることを可能とし、得られた白色光を効率的に投光することができる。このとき、レーザ素子2がレーザ光であれば、例えばLEDがレーザ素子2として用いられている場合に比べて、小さな面積を励起することによって超高輝度の点光源を得ることができ、さらに高い効率で白色照明光を得ることができる。
さらに、照明装置1では、発光部4が、照射面に照射されたレーザ光を散乱する透明粒子4bを含む構成であってよい。
たとえばレーザ光がレーザ光である場合、レーザ光は、単位面積当たりのパワー密度が高く、レーザ光が反射光として照明装置から出力された場合には安全性を害する危険が高い。
そのため、発光部4の照射面でレーザ光を広い範囲に散乱させることができれば、単位面積当たりのパワー密度を低下させて照明装置の外部に出すことができるため、何らの対策も講じない場合に比べて安全性を高めることができる。
したがって、発光部4が、照射面に照射されたレーザ光を散乱する透明粒子4bを含むことにより、発光部4の照射面でレーザ光が散乱され、照明装置の安全性を高めることができるという効果を有する。
さらに、照明装置1では、照射面の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)がレーザ光の波長以上であり、最大高さ(Ry)が算術平均粗さの2倍以上であってよい。
照射面の表面粗さにおいて、算術平均粗さ(Ra)がレーザ光の波長以上であり、最大高さ(Ry)が算術平均粗さの2倍以上であることにより、発光部4の照射面でレーザ光を広い範囲に散乱させることができ、安全性の高い照明装置を実現できることが本願発明の発明者らによって見出された。
ここで、発光部4の照射面の表面粗さを規定するの数値範囲は、単位面積当たりのパワー密度が高いレーザ光がレーザ光である場合を考慮したものである。それゆえ、単位面積当たりのパワー密度がレーザ光よりも低いLEDをレーザ光として用いたときであっても、安全性は十分に担保される。
さらに、照明装置1では、照射面に対するレーザ光の照射角度は、20度以上であることが好ましい。
上述したように、レーザ光がレーザ光である場合、発光部4の照射面でレーザ光が反射してそのまま照明装置の外部に出ると安全性を害する危険が高い。
この点、本願発明者らは、照射面に対するレーザ光の照射角度を20度以上とすることにより、照射面でのレーザ光の反射を抑えることができること、それにより照明装置の安全性が担保されることを見出した。
そして、照射面に対するレーザ光の照射角度を規定するの数値範囲は、単位面積当たりのパワー密度が高いレーザ光がレーザ光である場合を考慮したものである。それゆえ、単位面積当たりのパワー密度がレーザ光よりも低いLEDをレーザ光として用いたときであっても、十分に安全性が担保される。
さらに、照明装置1では、励起光散乱体は、レーザ光を受けて発光する蛍光体であることが好ましい。
上述したように、発光部4が、照射面に照射されたレーザ光を散乱する励起光散乱体を含むことにより、発光部4の照射面でレーザ光が散乱され、照明装置の安全性を高めることができる。そして、励起光散乱体が蛍光体であることにより、蛍光体にレーザ光が入射することで、レーザ光の散乱に加え、さらに蛍光体から蛍光を発生させることもできる。
これにより、照明装置の安全性を高めることができ、かつ、発光効率の高い照明装置を実現することができる。
さらに、照明装置1では、励起光散乱体は、Al、SiO、CaF、NaCO、TiO、SiN、及びAINのうち少なくとも1つであることが好ましい。
上記構成によれば、蛍光体は、レーザ光を受けて発光するとともに、さらに、照射面に照射されたレーザ光を散乱する。
これにより、例えば、レーザ光がレーザ光である場合、単位面積当たりのパワー密度を低下させることができるため、照明装置の安全性を高めることができる。さらに、このとき、発光部4の照射面の表面粗さ、及び照射面に対するレーザ光の照射角度からは独立した方法として、各構成を位置付けることができる。
これにより、照明装置1は、白色光を出力するとともに、安全性が担保された装置をユーザに提供することができる。
さらに、励起光散乱体は、Al、SiO、CaF、NaCO、TiO、SiN、及びAINのうち少なくとも1つであってよい。
これらの材料は入手しやすいため、励起光散乱体を含む発光部4を容易に実現することができる。このうち、Alは、熱伝導率が高いことから最も望ましい。また、SiN、AlNは、レーザ光の吸収体になる可能性があることを勘案して、励起光散乱体として用いればよい。
さらに、照明装置1では、レーザ光が照射される照射面が、レーザ光を受けて発光する蛍光体を含有する第1領域と、当該蛍光体が含有されていない第2領域とを有する構成であってよい。
照明装置1では、必ずしも照射面すべてがレーザ光を受けて発光する蛍光体を含有する必要はない。すなわち、蛍光体を含有しない領域を照射面に設けてよく、それにより蛍光体の材料費を低減することができる。また、蛍光体を含有しない領域を有することにより、後述の構成・効果を実現させることができる。
さらに、照明装置1では、レーザ光が照射される照射面が、レーザ光を受けて発光する蛍光体を含有する第1領域と、当該蛍光体が含有されていない第2領域とを有し、
第2領域には、励起光散乱体が含有されている構成であってよい。
たとえばレーザ光がレーザ光である場合、レーザ光は、単位面積当たりのパワー密度が高く、レーザ光が反射光として照明装置から出力された場合には安全性を害する危険が高い。そのため、発光部4の照射面で励起光散乱体によってレーザ光を広い範囲に散乱させることができれば、単位面積当たりのパワー密度を低下させて照明装置の外部に出すことができるため、何らの対策も講じない場合に比べて安全性を高めることができる。
一方で、照射面に蛍光体が含有されていれば、その蛍光体にレーザ光が照射されることにより、蛍光体から蛍光を発生させることができる。
したがって、照明装置1は、上記構成を備えることにより、安全性を高めつつ、さらに、照射面で励起光散乱体によって散乱されるレーザ光と、第1領域に含有される蛍光体からの発光とにより混色された光を生成することができる。
さらに、照明装置1では、第2領域の表面に、レーザ光の波長よりも大きい凹凸が形成されている構成であってよい。
第2領域の表面にレーザ光の波長よりも大きい凹凸が形成されていることにより、当該表面に照射されるレーザ光は、広い範囲に散乱されることを本願発明の発明者らは見出した。これにより、単位面積当たりのレーザ光のパワー密度を低下させて照明装置の外部に出すことができるため、何らの対策も講じない場合に比べて安全性を高めることができる。
なお、レーザ光の波長よりも大きい凹凸とは、例えばレーザ光が450nmの波長であれば、2つの凹間あるいは2つの凸間の距離が450nmよりも大きいことを言う。また、このことは、2つの凹間あるいは2つの凸間すべてが該当する必要はなく、その一部のみが該当する場合であっても、何らの対策を講じていない場合に比べて確実に安全性を高めることができる。
さらに、照明装置1では、照射面で散乱されるレーザ光と、第1領域に含有される蛍光体から出射される発光との光量に係る比率が、第1領域および第2領域によって制御される構成であってよい。
照射面で散乱されるレーザ光と、第1領域に含有される蛍光体から出射される発光との光量に係る比率を、例えば第1領域および第2領域の面積、配置、各領域の形成方法を変更することにより、適宜制御することができる。このように、照明装置1は、光量に係る比率を制御することにより、ユーザの求める色の光を生成することができる。
さらに、照明装置1では、パラボラミラー5は、回転軸を中心として図形を回転させることによって形成される曲面を有し、発光部4は、照射面とは反対側の面が、回転軸と曲面との距離が大きくなる方向を向いている構成であってよい。
上記構成とすることにより、パラボラミラー5の対称軸に対するレーザ光の光軸の角度をより小さい角度にすることができる。これにより、レーザ素子2の配設位置をより柔軟に変更することが可能となるため、照明装置を計量・コンパクトに設計することができる。さらに、上記構成とすることで、パラボラミラー5の開口部から内部を肉眼で覗き込んだ場合にも、発光部4においてレーザ光の当たっている最も輝度が高い部分を直接目にすることはないため、網膜障害等が発生しない安全面の利点も得られる。
さらに、照明装置1では、反射鏡は、パラボラミラーであってよい。
反射鏡がパラボラミラーであれば、パラボラミラーの焦点位置に発光部4を配置することにより、発光部4から出射した光をパラボラミラーの反射曲面に反射させて、その光路を制御することができる。また、パラボラミラーの焦点位置に発光部4を配置することにより、発光部4の蛍光を所定の立体角内に効率的に投光することができ、その結果、蛍光の利用効率を高めることができる。
さらに、照明装置1では、反射鏡5は、発光部4上に複数の焦点位置を有する形状であることが好ましい。
反射鏡5の形状が複数の焦点位置を有するのであれば、それぞれの焦点位置に対応する位置に載置された発光部4にレーザ素子2を照射すると、照明装置から出力される白色光の投光特性を異なるものとすることができる。
したがって、照明装置1は、上記構成とすることにより、バリエーション豊かな投光パターンを実現することができる。
なお、パラボラミラー5の形状は、発光部4上に複数の焦点位置を有するのであれば、特に限定されない。
さらに、照明装置1では、レーザ素子2は、反射鏡5の形状に応じて、照射面に対するレーザ光の照射位置を調整可能であることが好ましい。
上記構成によれば、照射面に対するレーザ光の照射位置を調整することができるため、パラボラミラー5の形状が変わることでパラボラミラー5の焦点位置に変化が生じた場合であっても、容易に対応することができる。それゆえ、パラボラミラー5の形状に係らず、バリエーション豊かな投光パターンを実現する構成を保持することができる。
さらに、照明装置1では、発光部4は、照射面に対するレーザ光の照射位置に応じて、含有する蛍光体材料が異なることが好ましい。
同じレーザ光を照射しても、蛍光材料が異なれば出力される白色光の色度などは相違する。そのため、照明装置1は、照射面に対するレーザ光の照射位置に応じて含有する蛍光体材料が異なることにより、レーザ光の照射位置によって出力する白色光に変化を与えることができる。そして、バリエーション豊かな投光パターンをユーザに提供することができる。
さらに、本発明は、車両用前照灯であってよい。
さらに、本発明は、照明装置であってよい。
照明装置1は、車両用前照灯や照明装置などに好適に適用することができる。これにより、照明装置1を車両用前照灯に適用した場合、透過型の発光装置の課題を解決することができ、かつ、青色の励起光から白色光を出力することが可能な車両用前照灯を実現することができる。
〔本発明の別表現〕
なお、本発明は、以下のようにも表現され得る。
すなわち、本発明に係る発光装置は、白色光を出力可能な発光装置であって、青色の励起光を出射する励起光源と、上記励起光源から出射された励起光を受けて蛍光を発する発光部と、上記励起光が照射される上記発光部の面である照射面側に配置され、上記発光部が発生させた蛍光を反射する反射鏡とを備えることを特徴としている。
上記構成によれば、本発明に係る発光装置では、反射鏡は、励起光が照射される発光部の面である照射面側に配置され、発光部が発生させた蛍光を反射する構成である。
本願発明に係る発光装置は、従来の発光装置が有する種々の課題を解決することができる。
具体的には、従来の発光装置には、散乱励起光および蛍光を出射する出射面の面積が拡大してしまい、レーザを用いた光源に特有の超高輝度を得ることが困難という問題がある。また、その問題を解決しようとすると、発光効率が低下してしまうという問題がある。
これに対して、本発明に係る発光装置には次のような利点があることから、上記従来の課題を解決することができる。
まず、上記構成とすることにより、励起光を照射する側の面と蛍光を取り出す側の面とを同一としている。つまり、本発明に係る発光装置は、発光部の照射面に励起光を照射するとともに、その照射面から蛍光を取り出す構成である。これにより、従来のように蛍光および散乱励起光の影響により発光面積が拡大してしまうという課題が解決され、より超高輝度の白色光源が得られる。
その上で、励起光が照射される発光部の面である照射面側に反射鏡が配置されている。これにより、射出された白色光をより効率的に一方向へ制御して投光することができ、白色光の利用効率を大きく向上させることができる。
さらに本発明では、青色の励起光を出射する励起光源を用い、発光部での蛍光の発生に寄与することなく散乱された青色の励起光と発光部で発生した蛍光とを混合させて白色光を出力するため、励起光のエネルギーの利用効率を大きく向上させている。
このように、本発明に係る発光装置は、従来の発光装置の課題を解決し、さらに、効率的に高輝度の白色光を得ることを可能とし、かつ、得られた白色光を効率的に投光することができるという効果を奏する。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記発光部の、上記照射面とは反対側の面が金属に接する構成であってよい。
上記構成によれば、発光部の、励起光の照射面とは反対側の面は白色光の出力に直接的に関与しておらず、その反対側の面が金属に接することにより、発光部で発生する熱を効率的に廃熱することができる。これにより、たとえ励起光としてレーザ光が用いられる強励起状態であっても、蛍光の発光効率の低下は生じない。また、発光部を透過してしまった励起光を金属面で反射させて再利用する構成も実現可能であるため、励起光のエネルギーの利用効率をさらに高めることができる。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記発光部の、上記照射面とは反対側の面が平坦である構成であってよい。
上記構成とすることにより、当該反対側の面と、その面と当接する金属等との間の接触面積とを大きくすることができるため、発光部で発生する熱を効率的に廃熱することが可能となる。これにより、たとえ励起光としてレーザ光が用いられる強励起状態であっても、蛍光の発光効率の低下を起こさせることもなく、効率的な廃熱を行うことができる。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記励起光源は、半導体レーザであってよい。
上述したように、本発明に係る発光装置は、透過型の発光装置の課題を解決し、さらに、効率的に高輝度の白色光を得ることを可能とし、得られた白色光を効率的に投光することができる。このとき、励起光源がレーザ光であれば、例えばLEDが励起光源として用いられている場合に比べて、小さな面積を励起することによって超高輝度の点光源を得ることができ、さらに高い効率で白色照明光を得ることができる。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記発光部が、上記照射面に照射された励起光を散乱する励起光散乱体を含む構成であってよい。
たとえば励起光がレーザ光である場合、レーザ光は、単位面積当たりのパワー密度が高く、レーザ光が反射光として発光装置から出力された場合には安全性を害する危険が高い。
そのため、発光部の照射面でレーザ光を広い範囲に散乱させることができれば、単位面積当たりのパワー密度を低下させて発光装置の外部に出すことができるため、何らの対策も講じない場合に比べて安全性を高めることができる。
したがって、発光部が、照射面に照射された励起光を散乱する励起光散乱体を含むことにより、発光部の照射面でレーザ光が散乱され、発光装置の安全性を高めることができるという効果を有する。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記照射面の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)が上記励起光の波長以上であり、最大高さ(Ry)が上記算術平均粗さの2倍以上であってよい。
照射面の表面粗さにおいて、算術平均粗さ(Ra)が上記励起光の波長以上であり、最大高さ(Ry)が上記算術平均粗さの2倍以上であることにより、発光部の照射面でレーザ光を広い範囲に散乱させることができ、安全性の高い発光装置を実現できることが本願発明の発明者らによって見出された。
ここで、発光部の照射面の表面粗さを規定する上記の数値範囲は、単位面積当たりのパワー密度が高い励起光がレーザ光である場合を考慮したものである。それゆえ、単位面積当たりのパワー密度がレーザ光よりも低いLEDを励起光として用いたときであっても、安全性は十分に担保される。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記照射面に対する上記励起光の照射角度は、20度以上であることが好ましい。
上述したように、励起光がレーザ光である場合、発光部の照射面でレーザ光が反射してそのまま発光装置の外部に出ると安全性を害する危険が高い。
この点、本願発明者らは、照射面に対するレーザ光の照射角度を20度以上とすることにより、照射面でのレーザ光の反射を抑えることができること、それにより発光装置の安全性が担保されることを見出した。
そして、照射面に対する励起光の照射角度を規定する上記の数値範囲は、単位面積当たりのパワー密度が高い励起光がレーザ光である場合を考慮したものである。それゆえ、単位面積当たりのパワー密度がレーザ光よりも低いLEDを励起光として用いたときであっても、十分に安全性が担保される。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記励起光散乱体は、上記励起光を受けて発光する蛍光体であることが好ましい。
上述したように、発光部が、照射面に照射された励起光を散乱する励起光散乱体を含むことにより、発光部の照射面でレーザ光が散乱され、発光装置の安全性を高めることができる。そして、励起光散乱体が蛍光体であることにより、蛍光体に励起光が入射することで、励起光の散乱に加え、さらに蛍光体から蛍光を発生させることもできる。
これにより、発光装置の安全性を高めることができ、かつ、発光効率の高い発光装置を実現することができる。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記励起光散乱体は、Al、SiO、CaF、NaCO、TiO、SiN、及びAINのうち少なくとも1つであることが好ましい。
上記構成によれば、蛍光体は、上記励起光を受けて発光するとともに、さらに、上記照射面に照射された励起光を散乱する。
これにより、例えば、励起光がレーザ光である場合、単位面積当たりのパワー密度を低下させることができるため、発光装置の安全性を高めることができる。さらに、このとき、発光部の照射面の表面粗さ、及び照射面に対するレーザ光の照射角度からは独立した方法として、上記各構成を位置付けることができる。
これにより、本発明に係る発光装置は、白色光を出力するとともに、安全性が担保された装置をユーザに提供することができる。
さらに、上記励起光散乱体は、Al、SiO、CaF、NaCO、TiO、SiN、及びAINのうち少なくとも1つであってよい。
これらの材料は入手しやすいため、励起光散乱体を含む発光部を容易に実現することができる。このうち、Alは、熱伝導率が高いことから最も望ましい。また、SiN、AlNは、励起光の吸収体になる可能性があることを勘案して、励起光散乱体として用いればよい。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記励起光が照射される上記照射面が、上記励起光を受けて発光する蛍光体を含有する第1領域と、当該蛍光体が含有されていない第2領域とを有する構成であってよい。
本発明に係る発光装置では、必ずしも照射面すべてが励起光を受けて発光する蛍光体を含有する必要はない。すなわち、蛍光体を含有しない領域を照射面に設けてよく、それにより蛍光体の材料費を低減することができる。また、蛍光体を含有しない領域を有することにより、後述の構成・効果を実現させることができる。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記励起光が照射される上記照射面が、上記励起光を受けて発光する蛍光体を含有する第1領域と、当該蛍光体が含有されていない第2領域とを有し、
上記第2領域には、上記励起光散乱体が含有されている構成であってよい。
たとえば励起光がレーザ光である場合、レーザ光は、単位面積当たりのパワー密度が高く、レーザ光が反射光として発光装置から出力された場合には安全性を害する危険が高い。そのため、発光部の照射面で励起光散乱体によってレーザ光を広い範囲に散乱させることができれば、単位面積当たりのパワー密度を低下させて発光装置の外部に出すことができるため、何らの対策も講じない場合に比べて安全性を高めることができる。
一方で、照射面に蛍光体が含有されていれば、その蛍光体に励起光が照射されることにより、蛍光体から蛍光を発生させることができる。
したがって、本発明に係る発光装置は、上記構成を備えることにより、安全性を高めつつ、さらに、上記照射面で励起光散乱体によって散乱される上記励起光と、上記第1領域に含有される上記蛍光体からの発光とにより混色された光を生成することができる。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記第2領域の表面に、上記励起光の波長よりも大きい凹凸が形成されている構成であってよい。
第2領域の表面に励起光の波長よりも大きい凹凸が形成されていることにより、当該表面に照射される励起光は、広い範囲に散乱されることを本願発明の発明者らは見出した。これにより、単位面積当たりの励起光のパワー密度を低下させて発光装置の外部に出すことができるため、何らの対策も講じない場合に比べて安全性を高めることができる。
なお、励起光の波長よりも大きい凹凸とは、例えば励起光が450nmの波長であれば、2つの凹間あるいは2つの凸間の距離が450nmよりも大きいことを言う。また、このことは、2つの凹間あるいは2つの凸間すべてが該当する必要はなく、その一部のみが該当する場合であっても、何らの対策を講じていない場合に比べて確実に安全性を高めることができる。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記照射面で散乱される上記励起光と、上記第1領域に含有される上記蛍光体から出射される発光との光量に係る比率が、上記第1領域および上記第2領域によって制御される構成であってよい。
上記照射面で散乱される上記励起光と、上記第1領域に含有される上記蛍光体から出射される発光との光量に係る比率を、例えば第1領域および第2領域の面積、配置、各領域の形成方法を変更することにより、適宜制御することができる。このように、本発明に係る発光装置は、上記光量に係る比率を制御することにより、ユーザの求める色の光を生成することができる。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記反射鏡は、回転軸を中心として図形を回転させることによって形成される曲面を有し、
上記発光部は、上記照射面とは反対側の面が、上記回転軸と上記曲面との距離が大きくなる方向を向いている構成であってよい。
上記構成とすることにより、反射鏡の対称軸に対する励起光の光軸の角度をより小さい角度にすることができる。これにより、励起光源の配設位置をより柔軟に変更することが可能となるため、発光装置を計量・コンパクトに設計することができる。さらに、上記構成とすることで、反射鏡の開口部から内部を肉眼で覗き込んだ場合にも、発光部において励起光の当たっている最も輝度が高い部分を直接目にすることはないため、網膜障害等が発生しない安全面の利点も得られる。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記反射鏡は、パラボラミラーであってよい。
反射鏡がパラボラミラーであれば、パラボラミラーの焦点位置に発光部を配置することにより、発光部から出射した光をパラボラミラーの反射曲面に反射させて、その光路を制御することができる。また、パラボラミラーの焦点位置に発光部を配置することにより、発光部の蛍光を所定の立体角内に効率的に投光することができ、その結果、蛍光の利用効率を高めることができる。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記反射鏡は、上記発光部上に複数の焦点位置を有する形状であることが好ましい。
反射鏡の形状が複数の焦点位置を有するのであれば、それぞれの焦点位置に対応する位置に載置された発光部に励起光源を照射すると、発光装置から出力される白色光の投光特性を異なるものとすることができる。
したがって、本発明に係る発光装置は、上記構成とすることにより、バリエーション豊かな投光パターンを実現することができる。
なお、反射鏡の形状は、発光部上に複数の焦点位置を有するのであれば、特に限定されない。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記励起光源は、上記反射鏡の形状に応じて、上記照射面に対する上記励起光の照射位置を調整可能であることが好ましい。
上記構成によれば、照射面に対する励起光の照射位置を調整することができるため、反射鏡の形状が変わることで反射鏡の焦点位置に変化が生じた場合であっても、容易に対応することができる。それゆえ、反射鏡の形状に係らず、バリエーション豊かな投光パターンを実現する構成を保持することができる。
さらに、本発明に係る発光装置では、上記発光部は、上記照射面に対する上記励起光の照射位置に応じて、含有する蛍光体材料が異なることが好ましい。
同じ励起光を照射しても、蛍光材料が異なれば出力される白色光の色度などは相違する。そのため、本発明に係る発光装置は、照射面に対する励起光の照射位置に応じて含有する蛍光体材料が異なることにより、励起光の照射位置によって出力する白色光に変化を与えることができる。そして、バリエーション豊かな投光パターンをユーザに提供することができる。
さらに、本発明は、車両用前照灯であってよい。
さらに、本発明は、照明装置であってよい。
本発明に係る発光装置は、車両用前照灯や照明装置などに好適に適用することができる。これにより、例えば本発明に係る発光装置を車両用前照灯に適用した場合、透過型の発光装置の課題を解決することができ、かつ、青色の励起光から白色光を出力することが可能な車両用前照灯を実現することができる。
本発明に係る発光装置は、以上のように、青色の励起光を出射する励起光源と、上記励起光源から出射された励起光を受けて蛍光を発する発光部と、上記励起光が照射される上記発光部の面である照射面側に配置され、上記発光部が発生させた蛍光を反射する反射鏡とを備える構成である。
それゆえ、高い効率で白色の点光源を得ることができ、得られた白色照明光を高い効率で投光することが可能な発光装置を実現することができるという効果を奏する。
本発明は、レーザ等の固体発光素子を励起光源として蛍光体を励起することによって高い効率で白色の点光源を得ることができ、得られた白色照明光を高い効率で投光することが可能な発光装置に関し、そのような発光装置、照明装置、及び車両用前照灯に特に好適に適用することができる。
1、20〜24 照明装置
2 レーザ素子(励起光源)
3 レンズ
4 発光部
4a 蛍光部(励起光散乱体)
4b 透明粒子部(励起光散乱体)
5 パラボラミラー(反射鏡)
5a 符号
5b 開口部
6 窓部
7 金属ベース
8 フィン
10 自動車
14、14a・14b・14c 反射ミラー
50 立上ミラー
55 複合ミラー(反射鏡)
55a パラボラミラー(反射鏡)
55b 楕円面ミラー(反射鏡)
60 ARコート
61 励起光散乱体
P1 焦点位置
P2 焦点位置

Claims (2)

  1. 白色光を出力可能な発光装置であって、
    青色の励起光を出射する励起光源と、
    上記励起光源から出射された励起光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む発光部と、を備え、
    上記蛍光体は、上記励起光が照射される面である照射面において上記蛍光を発し、
    上記発光部は、上記照射面に照射された上記励起光を散乱する、上記蛍光体とは異なる励起光散乱体を粒子として上記照射面に含み、
    上記照射面において、上記蛍光体の粒子および上記励起光散乱体に上記励起光が照射されることを特徴とする発光装置。
  2. 上記照射面における上記蛍光体を含む領域と、上記励起光散乱体を含む領域との面積比により、上記発光装置から出力される光の色度が調整されることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
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