JP6161055B2 - 体感温度制御システム、体感温度制御方法およびプログラム - Google Patents

体感温度制御システム、体感温度制御方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、周囲環境を制御することにより人の体感温度を制御する技術に関し、より詳細には、本発明は周囲環境を制御することにより、人の体感温度を制御させることで、低炭素消費社会を実現するための技術に関する。
人が周囲環境から感じる温度は、周囲温度が同じでも周囲の温度以外の環境によって様々に変化する。例えば、温度が同じでも涼感のある音や涼感のある色などに接すると、人がその体で感じる温度は、実際の温度よりも低く感じられる場合があることは経験的に知られている。これとは逆に、同じ温度でも暖色系の室内では、体感温度が高くなることが知られている。
以上のように経験的には周囲環境が体感温度に影響を与えることは知られている。このため、例えば空気調和装置による空気調和を行う際に、周囲環境を制御することにより、体感温度を変化させ、これによって空気調和装置の消費電力を低下させることが考えられる。
従来から以上のような観点から種々の検討が行われており、例えば特開平5−87374号公報(特許文献1)では、低温色ランプおよび昼光色ランプを備えた空気調和システムが記載されている。また、特開2002−349474号公報(特許文献2)では、室内エアコンや扇風機に涼感を与える現実に存在する波の音、せせらぎの音などを発生させる機能を追加する技術が提案されている。
これらの技術は、空気調和装置などの付随的な機能として調光機能や音響機能を追加するものである。空気調和装置の付随的な機能として調光機能や音響機能を追加することによってもある程度の効果を提供することができる。しかしながら空気調和装置自体は、その目的が室内空気の直接的な暖房や冷房であり、付随的な機能を追加するにしても限度があり、またそのコストを考慮すると現実的なものと言うことはできない。さらに、付随的な機能では、体感温度に対する影響も局所的なものとなりがちで、室内環境全体にわたって体感温度を制御したり、また局所的に体感温度を制御したりすることなどは不可能であった。
特開平5−87374号公報 特開2002−349474号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて為されたものであり、音響および調光による体感温度制御をより効率的に行うことを可能とする体感温度制御システム、体感温度制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、調光による体感温度への影響と音響による体感温度への影響には、加成性が成立することを見出し、従来のように音響および調光を独立して適用し、体感温度の制御を行うのではなく、調光および音響を相互に利用することにより、より効果的にまた広範囲から局所的な範囲にわたる体感温度の制御を行うことができることを見出し、本発明に至ったものである。
本発明では、空間内の少なくとも温度を制御することにより空気調和を行うための空気調和装置と、
空間内で音響を発生するスピーカ手段と、
空間内を照明する照明手段と、
前記空間内の温度、音響および照明色をそれぞれ検出する複数のセンサ手段と、
前記空間内で人間が感じる体感温度を設定すると共に、温度、音響および照明色をそれぞれ制御するためのコントローラ手段と
を備え、
前記コントローラ手段は、前記空間内の温度に応答して音響の周波数および前記照明色の色相を制御して、設定された体感温度を生じさせるように前記空間内の環境を制御する、体感温度制御システムが提供される。
本発明では、体感温度を増減させるため、発生させる音響の周波数および前記照明色の色相を制御することができる。この際に体感温度を、300Hz以上の周波数成分からなる音響を発生させるか、またはxy色度におけるx座標の値を減少させることにより低下させることができる。また、体感温度を500Hz未満の周波数成分からなる音響を発生させるか、またはxy色度におけるx座標値を増加させることにより増加させても良い。
さらに本発明によれば、
空間内の少なくとも温度を制御することにより空気調和させる工程と、
空間内で音響を発生させる工程と、
空間内を照明する工程と、
前記空間内の温度、音響および照明色をそれぞれ検出する工程と、
検出した温度、音響および照明色をそれぞれ制御して設定した体感温度を提供する工程と
を含み、
設定した体感温度を提供する工程は、前記空間内の温度に応答して前記音響の周波数および前記照明色の色相を制御して、設定された体感温度を生じさせるように前記空間内の環境を制御する工程を含む、体感温度制御方法を提供することができる。
この際、体感温度を増減させるため、発生させる前記音響の周波数および前記照明色の色相を制御する工程を含むことができ、
当該音響の周波数および前記照明色の色相を制御する工程は、
前記体感温度を、300Hz以上の周波数成分からなる音響を発生させるか、またはxy色度におけるx座標の値を減少させることにより低下させる工程と、
体感温度を500Hz未満の周波数成分からなる音響を発生させるか、またはxy色度におけるx座標値を増加させることにより増加させる工程を含むことができる。
さらに本発明によれば、
装置が体感温度を制御する方法を実行するための装置実行可能なプログラムであって、前記装置が、
空間内の少なくとも温度を制御することにより空気調和させる工程と、
空間内で音響を発生させる工程と、
空間内を照明させる工程と、
前記空間内の温度、音響および照明色をそれぞれ検出する工程と、
検出した前記温度、音響および照明色をそれぞれ制御して設定した体感温度を提供する工程と
を実行し、
前記設定した体感温度を提供する工程は、前記空間内の温度に応答して前記音響の周波数および前記照明色の色相を制御して、設定された体感温度を生じさせるように前記空間内の環境を制御する工程を含む、装置実行可能なプログラムが提供できる。
本発明によれば、調光および音響を相互に利用することにより、より効果的にまた広範囲から局所的な範囲にわたる体感温度の制御を行うことができ、より省エネルギー効果の高い、体感温度制御システム、体感温度制御方法およびプログラムを提供することができる。
本実施形態の体感温度制御システム100の実施形態の概略図を示す図。 本実施形態のコントローラ200のユーザインタフェースの概略図を示す図。 図2のコントローラ200の機能ブロック図。 本実施形態の体感温度制御方法のフローチャート。 例示的な目的で例示的な音源に対する被験者の印象を示す図。 標準音に対してHPFを聴取させたときの体感温度差およびLPFを聴取させたときの体感温度差の出現頻度を縦軸とし、横軸を体感温度差としたヒストグラムを示す図。 音響の周波数分布による体感温度の変化を示す概略図を示す図。 色空間をxy色度図により示した、所謂馬蹄形の表色空間を示す図。 図8に示したR、Y、G、B、Wの色調の環境で被験者が感じる体感温度の変化をx値に対してプロットした図である。 照明色による体感温度の変化を示した図。 本実施形態における体感温度制御の機能を説明する図。 本実施形態で使用する図3で示したデータマップ316の概略的な実施形態を示す図。
以下、本発明を実施形態によって説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、本実施形態の体感温度制御システム100の実施形態の概略図を示す。図1に示す体感温度制御システム100(以下、説明の便宜上、単にシステム100として参照する。)は、室内における空気調和装置(以下、AC装置として参照する。)と共に使用されており、室内の体感温度を制御してAC装置の省電力動作をサポートする。
システム100は、照明装置101、AC装置102、環境センサ106、スピーカ103といった音響発生装置などを含んで構成されている。照明装置101は、例えばLEDアレイを含んで構成されており、システム100のコントローラ200からの指令により、体感温度に影響するような波長の光を発生する。また、AC装置102は、室内の温度をコントローラ200の指令により制御しており、体感温度制御の設定に従って、室内の設定温度をオーバーライドして、環境により与えられる体感温度となるように制御している。
環境センサ106は、室内の照明色、室温、音響などを検知して、コントローラ200に現在の室内環境により与えられる体感温度を、照明色、音響または室温設定を制御することにより、コントローラ200に対して居住者107が設定した体感温度を与えることを可能としている。スピーカ103は、図示した実施形態では壁内に埋め込まれた埋設型スピーカとされていて、体感温度に影響を与える音響を室内に向けて発生させている。
その他室内には、テレビ用のモニタ装置104やオーディオ装置用のスピーカ103などが設置されていても良く、これらの機能手段は、コントローラ200により制御され、体感温度を制御するための照明色や音響を発生させるために使用されても良い。また、音響、照明色、および室温の各センサは、それぞれ照明装置101、AC装置102、スピーカ103に分離して搭載されていても良く、この場合、ユビキタス基盤に基づいて各装置から例えば無線通信や赤外線通信などにより検知したデータを送付し、体感温度制御を行わせることもできる。
図2は、本実施形態のコントローラ200のユーザインタフェースの概略図を示す。コントローラ200は、液晶ディスプレイ201と、制御ボタン203とを備え、無線通信機能やイーサネット(登録商標)といった有線ネットワークによる通信が可能とされている。図示した実施形態では、コントローラ200は、照明色、音響、室内温度を一括して制御する集中制御コントローラであるものとして説明する。
ユーザは、コントローラ200の制御ボタン203を押下げなどすることにより、各種の設定画面を表示させることができる。図2の実施形態では、液晶ディスプレイ201には、AC装置102の設定温度を制御するためのインタフェースおよび体感温度を制御するためのインタフェースが表示されている。コントローラ200には、環境センサ106から無線通信により環境情報が送付され、体感温度制御のための補正パラメータを決定している。決定された補正パラメータは、有線ネットワークや無線ネットワークまたは赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などのネットワーク基盤204を介して、照明装置101、AC装置102、スピーカ103といった環境制御装置の設定を制御するための環境アクチュエータに送付され、環境制御が可能とされている。
なお、コントローラ200は、図1に示したように壁付けの構成とすることもできるが、スマートホンやタブレット型コンピュータを使用して、アプリケーションをインストールすることで本実施形態のコントローラ200として機能させることもできる。
図3は、図2のコントローラ200の機能ブロック図である。コントローラ200には、音響センサ301、光センサ302、温度センサ303からの環境信号が送付され、体感温度制御のための処理によって補正パラメータをそれぞれ決定する。決定された補正情報は、音響アクチュエータ320、調光アクチュエータ321、およびACコントローラ322に送付され、スピーカ323、調光装置324、AC装置325の動作状態に反映される。以下、コントローラ200の機能ブロックについて詳細に説明する。
コントローラ200には、入出力インタフェース304を介して設定された設定情報がメモリ317に格納され、以後の参照情報として使用される。さらにコントローラ200は、情報取得部305、情報処理部310および補正情報計算部315を備えている。また、データマップ316は、情報処理部310および補正情報計算部315が補正情報を計算するための情報を格納しており、ルックアップテーブルなどとして実装することができる。
情報取得部305は、音響情報取得部306と、光情報取得部307と、温度情報取得部308とを含んで構成することができる。音響情報取得部306は、音響センサ301が取得した音響データの周波数分布および音圧を取得し、補正情報へのフィードバックを可能とする。また、光情報取得部307は、光センサ302から送付されるRGB信号を使用して現在の室内の照明色の情報を取得し、補正情報へのフィードバックを可能としている。なお、光センサ302は、分光測色計とすることもできるが、RGBそれぞれのフィルタを使用したフォトダイオードとして安価に構成されたセンサとすることができる。
温度情報取得部308は、温度センサ303から現在の実室温を温度情報として取得し、当該実室温に対応して設定した体感温度を与えるための補正情報を決定することを可能としている。
情報取得部305が取得した環境情報は、情報処理部310に送付される。情報処理部310は、温度情報取得部308からの温度情報を使用して体感温度の設定を達成するように、音響補正、色補正、室温補正を行う。具体的には、情報処理部310は、温度センサ303からの実室温情報を参照して、設定された体感温度を与えるための音響補正値、色補正値が設定した許容範囲内にあるか否かを判断する。許容範囲内にある場合には、音響および調光制御を行なわず、次回のサンプリングタイミングまで現在の補正値を保持させる。
また、温度センサ303からの実室温情報を参照し、現在の音響補正値および色補正値が許容範囲を超えている場合には、補正情報計算部315に制御を渡して新たな補正情報を計算させる処理を実行させている。補正情報計算部315は、現在の実室温を参照して、データマップ316をルックアップする。補正情報がデータマップ316内に見出される場合には、見出された補正情報を各アクチュエータ320〜321に送付してスピーカ323および調光装置324を制御して設定した体感温度を達成させる。
一方、補正情報計算部315が補正情報を見出すことができない場合は、実室温と体感温度との差が、環境制御だけでは達成できないことを意味するので、この場合、補正情報計算部315は、ACコントローラ322を制御してAC装置325により実室温の制御を行わせる。
以上の制御を行うことにより、AC装置325のコンプレッサなどの起動機会を抑制しながら体感温度を含めてより効率的で省エネルギーな空気調和を行うことが可能となる。なお、各アクチュエータは、音響、調光などを行うことができる限り、テレビ、オーディオセット、マッサージチェア、ソファー、ヘッドマウントディスプレイ、アイマスク、枕、ベッドなどに搭載されていても良く、ユーザまたは居住者が必要とする空間近傍のみに音響や調光を行うことを可能とする構成とされていても良い。
図4は、本実施形態の体感温度制御方法のフローチャートである。図4の処理は、ステップS400から開始し、ステップS401で体感温度を設定する。ステップS402では、AC装置を作動させ、ステップS403では、実室温を取得する。ステップS404では、実室温がAC設定温度になったか否かを判断し、AC設定温度になっていない場合(no)、制御をステップS403に渡し、実室温が、まずAC設定温度となるまで、高速の空気調和を行わせる。
その後、実室温がAC設定温度に到達した場合(yes)、本実施形態の体感温度制御が開始され、ステップS405で体感温度補正情報の計算を実行する。ステップS406では、データマップ316を参照して色補正情報および音響補正情報を決定する。ステップS407では決定した各補正情報を、調光アクチュエータおよびスピーカ・アクチュエータに送付し、ステップS408で環境色および音響を制御する。
ステップS409では、環境色および音響が目標値に到達したか否かを判断し、目標値に到達していなければ(no)、環境色および音響が目的値達するまで制御をステップS408に戻し、体感温度制御を継続させる。一方、ステップS409で目標値に到達した場合(yes)ステップS410でAC装置の設定温度に対して音響および調光効果により増減される予測温度を増減制御する。その後、ステップS411では、AC装置を停止するかまたは動作を継続させるかを判断し、停止させない場合(no)には、制御をステップS403に戻し、空気調和制御を継続する。また、ステップS411でAC装置を停止させると判断した場合(yes)、制御をステップS412に渡して制御を終了させる。
以上の処理を適用することにより、本実施形態では、AC装置の電力消費を抑制しながら、体感温度的に快適な空気調和を提供することが可能となる。
図5〜図11を使用して、本実施形態の音響制御および調光制御による体感温度制御を詳細に説明する。図5は、本実施形態において、音響が体感温度に影響を与えることについての実験データを示す。図5に示す実験データは、感性評価を行うために広く使用されているSD評価法を使用して結果を統計処理したものである。
評価は、互いに反対側の意味を有する形容詞をペアとし、ペアの間に等間隔でスコア付けし、被験者に対して特定の音響を試聴させたとき音響に対して抱く印象をスコア付けすることによって行った。被験者として、20代の20名を選び、本評価のみならず以後に示す評価においても充分なインフォームドコンセントを行い、防音室内で複数の音を30秒間試聴させた後、その印象を各形容詞ペアについて採点してもらい、統計処理を行うことによって音響が与える心理的影響を判断した。
図5では、例示的な目的で例示的な音源に対する被験者の印象を示す。例示する音源は、強運転時のエアコン送風音(以下、標準音として参照する。)、強運転時のエアコン送風音を300Hzのハイパスフィルタによって処理した音(以下、HPFとして参照する。)、および強運転時のエアコン送風音を500Hzのローパスフィルタによって処理した音(以下、LPFとして参照する。)である。図5のエクスクラメーション・マークを付した行に見られるように、標準音を挟んで、HPFは、「冷たい」という印象を被験者に与え、LPFは、「暖かい」と言う印象を被験者に与える傾向にあることが示される。
さらにこの印象が実温度でどの程度の値になるかを検討した。この検討は、被験者として20代の15名を任意に選び、(1)基準音を1分間提示後、体感温度を調査し、(2)冷感or暖感を有する音源をそれぞれ1分間ずつ提示し、その後、(3)条件(1)に対して温度がどの程度変化したかを0.5℃の変動幅で評価させることによって行った。この間、室内温度は、27℃〜28℃の範囲の一定温度に保った。また、被験者の着衣条件は、男女同条件で、半袖、長ズボンであった。
この結果を図6に示す。図6は、標準音に対してHPFを聴取させたときの体感温度差およびLPFを聴取させたときの体感温度差の出現頻度を縦軸とし、横軸を体感温度差としたヒストグラムを示す。図6に示すように、HPFでは最大で1.5℃冷感を与えることができ、またLPFでは最大で1.0℃暖感を与えることができることが示された。
すなわち、図5のSD評価法における「冷たい」が、概ね−1.0℃であり、「暖かい」が、概ね+0.5℃に相当することがわかった。以上のことから、音響により冷感を与えたい場合には、高周波数が主となる音響を発生させ、また、暖感を与えたい場合には、低周波数が資となる音響を発生させることで体感温度を−1.0〜+0.5℃の間で変化させることができると結論できる。以上の検討結果からすると、人間は、周波数分布のみでも涼感を認識しているのであり、例えば、川のせせらぎの音や波の音など特定のイメージに関連づけられた音を使用する必要が無いことが示され、周波数分布の制御により、涼感を数値的に制御できることが見出された。
図7は、音響の周波数分布による体感温度の変化を示す概略図を示す。δ1(℃)が体感温度差を示し、周波数成分が低くなるほど暖感が与えられ、周波数成分が高くなるほど、冷感が与えられ、この結果、音響の周波数成分を制御しながら人の可聴音としてAC装置の基準音に音響を重畳させることで、体感温度を制御することができることが示された。なお、音響の周波数特性や音圧は、バックグラウンドのAC装置の送風音や体感温度制御の度合いに応じて適宜設定することができる。
次に、図8〜図10を使用して本実施形態における調光制御による体感温度制御について詳細に説明する。図8は、色空間をxy色度図により示した表色空間である。本実施形態の調光方法は、所謂暖色Rから寒色Bの範囲で環境色を調光することによって、体感温度を制御するものである。図8に示すように、暖色から寒色を指定する際にxy色度図のx軸をパラメータとすれば、調光制御することにより体感温度との関連性を把握しやすいことがわかる。
図9は、図8に示したR、Y、G、B、Wの色調の環境で被験者が感じる体感温度の変化をx値に対してプロットした図である。なお、実験条件は以下の通りとした。実験室温度を約27℃の一定とし、20代の被験者11名をボランティアとして募り、最初に室内を、白色光を標準色として60秒間、次いで、パターン1:青→緑→黄→赤、パターン2:緑→黄→赤→青、パターン3:黄→赤→青→緑、パターン4:赤→青→緑→黄の複数のパターンで室内照明を60秒間保った。被験者には、各照明色のときに感じた温度の変化を、0.5℃刻みで記録してもらい、その結果を統計処理した。
図10に示すように、BからRにかけて被験者の体感温度は、Bで、約−1.0℃、Rで+1.0℃、室内温度に相対してBでは、低い印象を形成され、Rでは、温度が高い印象が形成されていることがわかる。図9に示された関係に近似的に線形関係を仮定してx値と体感温度差をフィッティングしたところ、δ2=4.0x−1.4の関係を得ることができた。なお、Bの領域では体感温度からの残差が大きくなっているが、この理由はBについての刺激値は、相対的にxy刺激値の寄与率が低くなっているためとも推定され、線形関係ではなく、多項回帰などを使用することにより、より精度良く再現することができると考えられる。
図10は、さらに音響環境および照明色環境が体感温度に与える影響の加生成について検討した。実験室温度を約27℃の一定とし、20代の被験者12名をボランティアとして募り、照明色をB環境およびR環境とし、図10(a)で示す実験条件で300Hz以下をカットしたハイパスフィルタで高周波数変調した音を被験者に試聴させた。また対照試験として、同一の被験者群に対して変調した音を試聴させない実験も行った。それぞれの実験に関し、同一の照明色環境下における体感温度の変化を0.5℃刻みで記録してもらい、それらを統計処理した結果が図10(b)である。
体感温度変化は、環境色がRの場合、約0.4℃低下しており、環境色がBの場合約0.3℃低下するという結果が得られた。以上の結果は、照明色環境と音響環境とが共同して体感温度に影響を与えることができることを示しており、音響と、照明色環境を併用することで、より効率的な体感温度の制御を可能とすることができることが示された。
図11は、本実施形態における体感温度制御の機能を説明する図である。上述した説明から、音響制御により、体感温度は、δ1℃増減変化させることができ、また照明色を制御することにより、体感温度をδ2℃増減変化させることができる。この結果、例えば、SC設定温度を28℃設定としたままで、体感温度を26〜28℃とする場合、調光制御で青みを帯びた照明色としながら、高周波数成分の多い音をエアコン送風音に重畳するようにスピーカ103を制御する。この結果、同一の28℃設定でも、より清涼感を提供できる。一方、同程度の体感温度を与えることを目的とする場合、AC装置の設定温度を、図11に示すように、(28℃+δ1+δ2)まで上げても体感温度的には28℃程度の清涼感を与えることができる。
また、逆に室温が低い場合でも、+2℃程度の体感温度増加を生じさせることができるので、省エネルギー効果を提供することができる。本実施形態の体感温度制御方法では、スター・マークで示される現在の室温急速1130をまずAC装置の設定温度1140に到達させてから設定する体感温度1150を与えるように、矢線1110で示すように環境制御を行うものとして説明した。しかしながら、緊急な温度制御を行う必要が無い場合や環境制御が不快感を与えないような場合には、矢線1120のように主として環境制御のみで体感温度を目的値に制御することができる。
矢線1120の場合には、目的とする体感温度を与える体感温度には環境制御だけで達することができるので、矢線1120で体感温度制御を行う場合、AC装置は、コンプレッサを起動させて冷暖制御を行う必要が無く、より省エネルギーを達成することができる。
図12は、本実施形態で使用する図3で示したデータマップ316の概略的な実施形態を示す。図12に示すようにデータマップ1200は、体感温度補正値に対応して、調光モードにおけるR,G,B値の設定、調音モードにおける周波数特性および音圧値、および調光制御および調音制御を併用する複合モードにおける各パラメータの値が補正情報として体感温度補正値に対応づけて登録されている。図12のデータマップ1200に示されるように、複合モードでは体感温度調整範囲が拡大され、より効果的な体感温度制御が可能となることが示される。
なお、図12の実施形態はあくまで例示のためのものであり、さらに細かい温度設定を使用することも可能であるし、また例えば、許容範囲などの範囲データを各体感温度補正値に対応づけて登録しておき、調光制御や音響制御などによる環境変化に対する違和感を生じさせない程度にフィードバックを制御することもできる。
また、本発明の上記機能は、C、C++、Java(登録商標)、Java(登録商標)Beans、Java(登録商標)Applet、Java(登録商標)Script、iアプリ(登録商標)、Perl、Rubyなどのオブジェクト指向ブログラミング言語などで記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、装置可読な記録媒体に格納して頒布することができる。
これまで本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
100 体感温度制御システム
101 照明装置
102 AC装置
103 スピーカ
104 モニタ装置
106 環境センサ
107 居住者
200 コントローラ
201 液晶ディスプレイ
203 制御ボタン
204 ネットワーク基盤
301 音響センサ
302 光センサ
303 温度センサ
304 入出力インタフェース
305 情報取得部
306 音響情報取得部
307 光情報取得部
308 温度情報取得部
310 情報処理部
315 補正情報計算部
316 データマップ
317 メモリ
320 音響アクチュエータ
321 調光アクチュエータ
322 ACコントローラ
323 スピーカ
324 調光装置
325 AC装置
1110 矢線
1120 矢線
1130 室温急速
1140 設定温度
1150 体感温度
1200 データマップ

Claims (4)

  1. 空間内の少なくとも温度を制御することにより空気調和を行うための空気調和装置と、
    空間内で音響を発生する音響発生手段と、
    空間内を照明する照明手段と、
    前記空間内の温度、音響および照明色をそれぞれ検出する複数のセンサ手段と、
    前記空間内で人間が感じる体感温度を設定すると共に、温度、音響および照明色をそれぞれ制御するためのコントローラ手段と
    を備え、
    前記コントローラ手段は、前記空間内の温度に応答して音響の周波数および前記照明色の色相を制御して、設定された体感温度を生じさせるように前記空間内の環境を制御し、
    体感温度を、300Hz以上の周波数成分からなる音響を発生させ、かつxy色度におけるx座標の値を減少させることにより低下させる、
    体感温度制御システム。
  2. 空間内の少なくとも温度を制御することにより空気調和を行うための空気調和装置と、
    空間内で音響を発生する音響発生手段と、
    空間内を照明する照明手段と、
    前記空間内の温度、音響および照明色をそれぞれ検出する複数のセンサ手段と、
    前記空間内で人間が感じる体感温度を設定すると共に、温度、音響および照明色をそれぞれ制御するためのコントローラ手段と
    を備え、
    前記コントローラ手段は、前記空間内の温度に応答して音響の周波数および前記照明色の色相を制御して、設定された体感温度を生じさせるように前記空間内の環境を制御し、
    体感温度を500Hz未満の周波数成分からなる音響を発生させ、かつxy色度におけるx座標値を増加させることにより増加させる、
    体感温度制御システム。
  3. 空間内の少なくとも温度を制御することにより空気調和させる工程と、
    空間内で音響を発生させる工程と、
    空間内を照明する工程と、
    前記空間内の温度、音響および照明色をそれぞれ検出する工程と、
    検出した温度、音響および照明色をそれぞれ制御して設定した体感温度を提供する工程と
    を含み、
    設定した体感温度を提供する工程は、前記空間内の温度に応答して前記音響の周波数および前記照明色の色相を制御して、設定された体感温度を生じさせるように前記空間内の環境を制御する工程を含み、
    前記空間内の環境を制御する工程はさらに、
    体感温度を増減させるため、発生させる前記音響の周波数および前記照明色の色相を制御する工程を含み、
    当該音響の周波数および前記照明色の色相を制御する工程は、
    前記体感温度を、300Hz以上の周波数成分からなる音響を発生させ、かつxy色度におけるx座標の値を減少させることにより低下させる工程、または、体感温度を500Hz未満の周波数成分からなる音響を発生させ、かつxy色度におけるx座標値を増加させることにより増加させる工程を含む、
    体感温度制御方法。
  4. 装置が体感温度を制御する方法を実行するための装置実行可能なプログラムであって、前記装置が、
    空間内の少なくとも温度を制御することにより空気調和させる工程と、
    空間内で音響を発生させる工程と、
    空間内を照明させる工程と、
    前記空間内の温度、音響および照明色をそれぞれ検出する工程と、
    検出した前記温度、音響および照明色をそれぞれ制御して設定した体感温度を提供する工程と
    を実行し、
    前記設定した体感温度を提供する工程は、前記空間内の温度に応答して前記音響の周波数および前記照明色の色相を制御して、設定された体感温度を生じさせる前記空間内の環境を制御する工程を含み、
    前記空間内の環境を制御する工程はさらに、
    体感温度を増減させるため、発生させる前記音響の周波数および前記照明色の色相を制御する工程を含み、
    当該音響の周波数および前記照明色の色相を制御する工程は、
    前記体感温度を、300Hz以上の周波数成分からなる音響を発生させ、かつxy色度におけるx座標の値を減少させることにより低下させる工程、または、体感温度を500Hz未満の周波数成分からなる音響を発生させ、かつxy色度におけるx座標値を増加させることにより増加させる工程を含む、
    装置実行可能なプログラム。
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