JP2004283241A - 生体状態改善装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】対象者の生体状態もしくは温熱状態に応じて対象者の周囲の色を変えることで、対象者の生体状態もしくは温熱状態を改善することが可能な生体状態改善装置を提供することにある。
【解決手段】対象者の生体状態に関係する生体情報を検出する生体情報検出手段10と、
生体情報に基いて対象者の生体状態を判定する第1の状態判定手段101と、
この第1の状態判定手段101の判定結果に応じて、対象者の周囲の色を変更する色制御手段103とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】対象者の生体状態に関係する生体情報を検出する生体情報検出手段10と、
生体情報に基いて対象者の生体状態を判定する第1の状態判定手段101と、
この第1の状態判定手段101の判定結果に応じて、対象者の周囲の色を変更する色制御手段103とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばオフイスや移動体の室内にいる対象者の生体状態もしくは温熱状態を判定して、対象者の周囲の色を変えることでこの対象者の気分等の生体状態を変えることが可能な生体状態改善装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば運転者の状態改善装置として、警告音や芳香により居眠りを防止する装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−16694号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この装置は、運転者である対象者が明らかに好ましくない状態に至っている眠気を一時的に防止するものであり、好ましくない運転を招く状態(例えば、焦り、いらいら、緊張、ストレスなど)を改善するものではない。特に芳香剤などを用いた場合には残留した芳香により順応がおき、時間の経過と共にその効果が小さくなり、しかも対象者の周りの人には意味のない不快な香りとして感じられる恐れがある。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、対象者の生体状態もしくは温熱状態に応じて対象者の周囲の色を変えることで、対象者の生体状態もしくは温熱状態を改善することが可能な生体状態改善装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1ないし請求項13に記載の技術的手段を採用する。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、対象者の生体状態に関係する生体情報を検出する生体情報検出手段と、生体情報に基いて対象者の生体状態を判定する第1の状態判定手段と、この第1の状態判定手段の判定結果に応じて、対象者の周囲の色を変更する色制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
それにより、対象者の生体状態に応じて対象者の周囲の色を変えることで対象者の生体状態を改善することが可能になる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、生体情報検出手段は、対象者の生体状態を直接的に検出して生体情報を生じる構成であり、心拍、脳波、脈波、血圧、眼球動作、まぶた、皮膚電気抵抗、顔面、および分泌物の少なくとも1つを生体状態として検出することで、対象者の体調等の生体状態を検出することが可能となる。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、生体情報検出手段は、対象者の生体状態を間接的に検出して生体情報を生じる構成とすることで、検出のために対象者に直接接触させたり、もしくは接近させる必要がなくなり、検出手段の設置の制限を少なくできる。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、対象者の周囲温度もしくは装着している衣類の表面温度に関係する温度情報を検出する温度情報検出手段と、温度情報に基いて対象者の温度感覚を判定する第2の状態判定手段とを設け、色制御手段は、第1、第2の状態判定手段の判定結果に応じて、対象者の周囲の色を変更することで、対象者の生体状態および温熱状態を組み合せて色制御することが可能になる。
【0012】
請求項5記載の発明によれば、色制御手段は、第1、2の状態判定手段より判定結果を受けたとき、第1の状態判定手段の判定結果を優先させて色制御することで、まずは対象者の体調等を改善する方向とし、例えば業務遂行中や移動体の運転中などにおいて好ましい状態に改善することが可能になる。
【0013】
請求項6記載の発明によれば、生体情報検出手段は、対象者の心拍情報を検出する構成であり、第1の状態判定手段は心拍情報に基いて対象者の心拍数および心拍間隔の揺らぎを求め、対象者の体調を判定することで、対象者の生体状態をより確実に判定することが可能になる。
【0014】
請求項7記載の発明によれば、対象者の周囲温度もしくは装着している衣類の表面温度に関係する温度情報を検出する温度情報検出手段と、温度情報に基いて対象者の温度感覚を判定する第2の状態判定手段と、この第2の状態判定手段の判定結果に応じて、対象者の周囲の色を変更する色制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
それにより、対象者の温熱状態に応じて対象者の周囲の色を変えることで対象者の温熱状態を改善することが可能になる。
【0016】
請求項8記載の発明によれば、移動体の運転者の生体状態に関係する生体情報を検出する生体情報検出手段と、生体情報に基いて運転者の生体状態を判定する第1の状態判定手段と、この第1の状態判定手段の判定結果に応じて、移動体の計器もしくは移動体の室内の色を変更する色制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
それにより、運転者の生体状態に応じて運転者の周囲の色を変えることで運転者の体調や気分を改善し、安全運転に寄与することが可能になる。
【0018】
請求項9記載の発明によれば、生体情報検出手段は、運転者の生体状態を直接的に検出して生体情報を生じる構成であり、心拍、脳波、脈波、血圧、眼球動作、まぶた、皮膚電気抵抗、顔面、および分泌物の少なくとも1つを生体状態として検出することで、運転者の体調等の生体状態を検出することが可能となる。
【0019】
請求項10記載の発明によれば、生体情報検出手段は、運転者の生体状態を間接的に検出して生体情報を生じる構成であり、運転者のハンドル操作に関係する移動体の挙動情報を生体状態として検出することで、検出のために対象者に直接接触させたり、もしくは接近させる必要がなくなり、検出手段の設置の制限を少なくして検出可能になる。
【0020】
請求項11記載の発明によれば、色制御手段は、第1の状態判定手段の判定結果に従って、運転者が不安定状態にあると判定すると鎮静作用のある色を選択し、運転者が眠気状態にあると判定すると高揚もしくは興奮作用のある色を選択し、移動体の計器もしくは移動体の室内の色を変更することで、運転者の状態に応じた効果的な色を与え、色表示により状態を改善することが可能になる。
【0021】
請求項12記載の発明によれば、移動体の運転者の周囲温度もしくは装着している衣類の表面温度に関係する温度情報を検出する温度情報検出手段と、温度情報に基いて運転者の温度感覚を判定する第2の状態判定手段と、この第2の状態判定手段の判定結果に応じて、移動体の計器もしくは移動体の室内の色を変更する色制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
それにより、運転者の温熱状態に応じて運転者の周囲の色を変えることで、運転者に快適な温度環境を無意識的に創造、イメージさせ、運転者の温熱状態を改善することが可能になる。
【0023】
請求項13記載の発明によれば、温度情報検出手段は、移動体の室内温度を検出する構成であり、室内温度が適温に到達することを第2の状態判定手段が判定するまでの間、色制御手段は、計器の色を運転者の温度感覚を緩和させる色に変更することで、例えば乗車直後など室内温度が適温でない不快時にも、その間色表示を介して快適な温度環境を無意識的に創造、イメージさせ、運転者の温熱状態を改善することが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。
【0025】
色彩(色)の人間心理や体調に与える影響は予想外に大きく、心理療法の一環として、色彩療法(カラーセラピー)が導入されつつある。本発明は、色彩の人間心理や体調に与える影響に着目し、対象者の生体状態(体調、等)や温熱状態(体感温度、快適感、等)を直接的もしくは間接的に検出し、対象者の生体状態や温熱状態に応じた色彩を対象者の周囲に与えることで、対象者の生体状態や温熱状態を改善することにある。望ましくは、例えばオフイスや自動車、船舶等の移動体の室内にいる対象者の気分や体調が改善され、業務遂行や運転、等に対して好ましい状態に近づけるものである。単に在席する人に対しても適用できる。なお、色(色彩)の3要素とは明度、彩度、色相(色調)であり、特に色相と明度による影響が大きい。
【0026】
(一実施形態)
図1は、この発明が適用される移動体の運転者を対象者とした生体状態改善装置の制御構成を示すブロック図である。図2は、この装置を搭載した移動体である自動車の運転席を示す模式図である。
【0027】
図1、2において、生体情報検出手段10は、運転者(対象者)の生体状態に関係する生体情報を直接的もしくは間接的に検出する。本例では電極構造からなる心拍センサ10aで構成され、移動体1のステアリング2を把持する位置に取付けられ、運転者の手のひらの状態から直接的に心電(心拍)状態を検出する。
【0028】
温度情報検出手段20は、運転者の温熱状態に関係する温度情報を直接的もしくは間接的に検出する。本例ではステアリング2に取付けられたCCDカメラもしくは赤外線センサ20aで構成され、運転席の周囲温度もしくは運転者が装着している衣類の表面温度を検出する。なお、温度情報として、室内温度や運転席の日射量を検出することで代用することも可能である。
【0029】
操作手段30は、運転者に合った効果的な色彩を生じさせるように、運転者等による外部操作により表示する色彩を調整可能にする手段である。
【0030】
色表示装置40は、後述する制御装置100の指示を受けて運転者の周囲の色を変更表示し、運転者の生体状態(体調、気分など)や温熱状態(体感温度、快適感など)を変える働きをする。本例ではメータパネル40aの色彩や明度を図示してない光源の制御により変更している。なお、メータパネル40aに限らず、インスツルメントパネル3の色彩を変えたり、室内照明の色彩や明度を変えることも可能である。
【0031】
ここで、色彩と対象者に与える影響について説明する。この色彩は対象者の視覚に入る範囲内に限らず、頭上とか背面に生じる色彩も対象者に影響を及ぼすことが分かっている。従って、色彩とは対象者の周囲の色を意味する。
【0032】
まず、青色および青色系は鎮静作用があり、いらつきを抑えて意識の集中が可能となる色である。赤色および赤色系は心理的な興奮と高揚感を生じ、精神の動きを活発化する色である。黄色は注意を喚起する効果があり、緑色および緑色系はストレスや疲労を和らげる効果がある。また、快適性に関係する温熱感に関しては、運転者が寒さを感じるときには暖かさを感じさせる暖色系の黄色や橙色は気分的に暖かいイメージを与える。逆に、暑さを感じるときには涼しさを感じさせる寒色系の青色や紫色は温熱的快適感をイメージさせる。また、これらの色の明度によってもその効果が変化する。
【0033】
制御装置100は、CPUやメモリを含むマイクロコンピュータおよび入出力装置等から構成され、主要な機能を機能実現手段で示す。
【0034】
第1の状態判定手段101は、生体情報検出手段10の生体情報として、心拍センサ10aからの心電(心拍)信号を受け、運転者の心拍数や心拍間隔変動(心拍間隔の揺らぎ)を算出して、これを運転者の第1の状態として記憶する。そして運転者の安定時(通常の運転時)の心拍数や心拍間隔変動に基いて決められた第1判定値が第1判定値設定手段102に予め記憶されており、この第1判定値と運転者の第1の状態とを判定処理することで、運転者の生体状態がどのレベルにあるかを決定する。
【0035】
色制御手段103は、第1の状態判定手段101で求めた生体状態レベル情報に基いて、色・時間設定テーブル104からメータパネル40aの色彩や明度および色表示時間を読出し、色表示装置40を制御する制御信号を出力する。
【0036】
第2の状態判定手段105は、温度情報検出手段20の温度情報として、CCDカメラもしくは赤外線センサ20aからの画像情報を受け、この画像情報に基いて運転者の体調や快適性を示す温熱状態を算出して、これを運転者の第2の状態として記憶する。そして運転者が快適性を感じるときの温熱状態に基いて決められた第2判定値が第2判定値設定手段106に予め記憶されており、この第2判定値と運転者の第2の状態とを判定処理することで、運転者の温熱状態がどのレベルにあるかを決定する。
【0037】
色制御手段103は、第1、第2の状態判定手段101、105から生体状態レベル情報および温熱状態レベル情報を受けたとき、この例では第1の状態判定手段101で求めた生体状態レベル情報への対応を優先し、まずこの生体状態レベル情報に基いて、色・時間設定テーブル104からメータパネル40aの色彩や明度および色表示時間を読出し、色表示装置40を制御する制御信号を出力する。他方、第1の状態判定手段101で求めた生体状態レベル情報により運転者が安定した状態にあると判定したとき、第2の状態判定手段105で求めた温熱状態レベル情報への対応を行うようにしている。
【0038】
上記構成による制御装置100の作動を、図3に示すフローチャートにより説明する。
【0039】
ステップ201では、生体情報検出手段10の生体情報として、心拍センサ10aの心電(心拍)信号を受け、ステップ202では、運転者の心拍数や心拍間隔変動(心拍間隔の揺らぎ)等を算出し、これを運転者の第1の状態として記憶する。
【0040】
ステップ203では、ステップ202で求めた第1の状態と、第1判定値設定手段102に予め設定された第1判定値とを判定処理することで、運転者の「いらいら、焦り、緊張、疲労、眠気、ストレス」といった状態がどの程度であるかを判断する。例えば運転者の安定時に比べて心拍数が徐々に上昇したときには、時間当たりの心拍数の上昇度合等から運転者が興奮もしくはいらいらしているとか、心拍間隔の揺らぎの度合が減少しているときには疲労してきているというように、どんな生体状態(状態度合Cs、つまり生体状態レベル情報)にあるかを数値化(定量化)して判断する。なお、ここでは状態度合Csは、安定時と不安定時との差分で示してあり、状態度合Csが小さいほど安定状態に近いことを意味する。
【0041】
ここで、心拍間隔の揺らぎとは、心電(心拍)信号の信号波形の周期(周波数)の変動(例えば0.2Hz程度)を意味する。この揺らぎは自律神経の状態に相関しており、一般に揺らぎの周波数が高いときは副交感神経系が関係し、安定状態や眠気状態を示し、他方、揺らぎの周波数が低いときは交感神経系と副交感神経系の両方に関係し、いらいらや疲れた状態を示している。また心拍数が通常値より高いと、怒りや驚きに関係する。
【0042】
そこで、運転者が略安定状態(通常の運転状態)にあればステップ213へ進み、他方、運転者が不安定状態にあればステップ204、205に進み、状態度合Csを複数に区分して状態度合Csに応じた色制御を行わせる。
【0043】
ステップ204では、状態度合Csと判定値C1(例えば5%未満)とを大小判定する。状態度合Csが判定値C1より小さいときにはステップ206、207に進み、状態度合Csは小さいと判定し、表示色G1(例えば淡い青色)で短い表示時間t1(例えば10秒)を設定する。そこで、ステップ212によりメータパネル40aを、表示時間t1の間表示色G1にて色表示する。これにより、視覚に入る色彩の効果により運転者のいらいら、緊張、ストレスといった状態を和らげることが可能となる。
【0044】
他方、状態度合Csが判定値C1以上のときにはステップ205に進む。ステップ205では、状態度合Csと判定値C2(例えば10%未満)とを大小判定する。状態度合Csが判定値C2より小さいときにはステップ208、209に進み、状態度合Csは中程度と判定し、表示色G2(例えば濃い青色)で少し長い表示時間t2(例えば20秒)を設定する。そこで、ステップ212によりメータパネル40aを、表示時間t2の間表示色G2にて色表示し、より一層効果を高め、上記状態の改善が促進可能になる。
【0045】
また、状態度合Csが判定値C2以上のときにはステップ210、211に進み、状態度合Csは大と判定し、表示色G3(例えば点滅での濃い青色)で長い表示時間t3(例えば30秒)を設定する。そこで、ステップ212によりメータパネル40aを、表示時間t3の間表示色G3にて色表示する。これにより、上記した状態よりも視覚に入る色彩による刺激が強くなり、運転者のいらいら、緊張、ストレスといった状態をより一層和らげることが可能となる。
【0046】
他方、ステップ203で、運転者が略安定状態(通常の運転状態)にあると判定したときには、ステップ213に進む。このステップ213では、温度情報検出手段20の温度情報として、CCDカメラもしくは赤外線センサ20aからの画像情報を受け、ステップ214では、この画像情報に基いて運転者の体調や快適性を示す温熱状態を算出して、これを運転者の第2の状態として記憶する。
【0047】
ステップ215では、ステップ214で求めた第2の状態と、第2判定値設定手段106に予め設定された第2判定値とを判定処理することで、運転者の温熱状態が寒さ、暑さ、快適のうちどの状態(状態度合Ts、つまり温熱状態レベル情報)にあるかを数値化(定量化)して判断する。状態度合Tsが第2判定値T1より小さいときはステップ216に進み、暖色系の表示色G4(例えば黄色や橙色)に設定する。
【0048】
また状態度合Tsが第2判定値T2より大きいときはステップ217に進み、寒色系の表示色G5(例えば青色や紫色)に設定する。また状態度合Tsが第2判定値T1、T2の中間にあるときはステップ218に進み、表示色G6(例えば白色など本来のメータ基盤の設定色)を設定する。そこで、ステップ212によりメータパネル40aを、選択された各表示色G4〜G6にて色表示する。
【0049】
これにより、運転者が寒さを感じるときにはメータパネル40aの色または背景色を、暖かさを感じる色に変更させ、気分的に暖かいイメージを与えることが可能となる。逆に、運転者が暑さを感じるときには涼しさを感じさせる色に変更させ、温熱的快適感をイメージさせることが可能となる。また、快適感のあるときには、特に色変更せずにメータ本来の色を表示することでよい。
【0050】
(変形例)
なお、上記実施形態では、図1、3に示すように生体情報検出手段10および温度情報検出手段20の両方を組合せた例としたが、検出手段10、20のうちの一方の検出手段を用いて構成してもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、生体情報検出手段10として、心拍センサ10aを用いたが、運転者(対象者)の生体状態に関係する生体情報を直接的に検出する他の例として、脳波、脈波、血圧、眼球動作(瞳孔、視線等)、まぶたの開閉、皮膚電気抵抗、顔画像情報、および分泌物(汗、唾液等の生体物質)の少なくとも1つを生体状態として検出する構成であればいずれでもよい。もちろん、複数の情報を組み合せて生体状態を検出するようにしてもよい。
【0052】
また、運転者(対象者)の生体情報を間接的に検出する他の例として、移動体の挙動情報、例えばステアリング操作状況や速度の変動や異常超過状況などから推定する方法とか、移動体の前方もしくは後方を監視するCCDカメラにより道路の白線を検出して移動体の運転挙動の乱れから推定する方法でもよい。また、移動体の座席への着座時間を計測し、その着座時間から生体状態を推定するようにしてもよい。
【0053】
また、温度情報検出手段20として、上記実施形態のようにCCDカメラもしくは赤外線センサ20aにより運転席の周囲温度もしくは運転者が装着している衣類の表面温度を検出したり、室内温度や運転席の日射量を検出することで代用する他に、外気温度を検出して乗車時の運転者が感じる暑さ寒さを推定する方法や、乗車直後より空調動作により快適温度に至るまでの室内温度を用いて運転者の温熱感覚を推定する方法でもよい。
【0054】
また、色制御手段103としては、上記実施形態のように色・時間設定テーブル104にて予め設定された色彩や明度を定常的に与える他に、ある一定の揺らぎを持たせて色に変更して与えるようにしてもよいし、また色彩模様や絵柄を表示させるようにしてもよい。また表示場所として、メータパネル40a等の特定の色表示装置40に表示を固定せず、表示場所を変化させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である生体状態改善装置の制御構成を示すブロック図である。
【図2】本装置を搭載した自動車の運転席を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態の作動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 自動車(移動体)
2 ステアリング
3 インスツルメントパネル
10 生体情報検出手段
20 温度情報検出手段
40 色表示装置
101 第1の状態判定手段
102 第1判定値設定手段
103 色制御手段
105 第2の状態判定手段
106 第2判定値設定手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばオフイスや移動体の室内にいる対象者の生体状態もしくは温熱状態を判定して、対象者の周囲の色を変えることでこの対象者の気分等の生体状態を変えることが可能な生体状態改善装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば運転者の状態改善装置として、警告音や芳香により居眠りを防止する装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−16694号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この装置は、運転者である対象者が明らかに好ましくない状態に至っている眠気を一時的に防止するものであり、好ましくない運転を招く状態(例えば、焦り、いらいら、緊張、ストレスなど)を改善するものではない。特に芳香剤などを用いた場合には残留した芳香により順応がおき、時間の経過と共にその効果が小さくなり、しかも対象者の周りの人には意味のない不快な香りとして感じられる恐れがある。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、対象者の生体状態もしくは温熱状態に応じて対象者の周囲の色を変えることで、対象者の生体状態もしくは温熱状態を改善することが可能な生体状態改善装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1ないし請求項13に記載の技術的手段を採用する。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、対象者の生体状態に関係する生体情報を検出する生体情報検出手段と、生体情報に基いて対象者の生体状態を判定する第1の状態判定手段と、この第1の状態判定手段の判定結果に応じて、対象者の周囲の色を変更する色制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
それにより、対象者の生体状態に応じて対象者の周囲の色を変えることで対象者の生体状態を改善することが可能になる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、生体情報検出手段は、対象者の生体状態を直接的に検出して生体情報を生じる構成であり、心拍、脳波、脈波、血圧、眼球動作、まぶた、皮膚電気抵抗、顔面、および分泌物の少なくとも1つを生体状態として検出することで、対象者の体調等の生体状態を検出することが可能となる。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、生体情報検出手段は、対象者の生体状態を間接的に検出して生体情報を生じる構成とすることで、検出のために対象者に直接接触させたり、もしくは接近させる必要がなくなり、検出手段の設置の制限を少なくできる。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、対象者の周囲温度もしくは装着している衣類の表面温度に関係する温度情報を検出する温度情報検出手段と、温度情報に基いて対象者の温度感覚を判定する第2の状態判定手段とを設け、色制御手段は、第1、第2の状態判定手段の判定結果に応じて、対象者の周囲の色を変更することで、対象者の生体状態および温熱状態を組み合せて色制御することが可能になる。
【0012】
請求項5記載の発明によれば、色制御手段は、第1、2の状態判定手段より判定結果を受けたとき、第1の状態判定手段の判定結果を優先させて色制御することで、まずは対象者の体調等を改善する方向とし、例えば業務遂行中や移動体の運転中などにおいて好ましい状態に改善することが可能になる。
【0013】
請求項6記載の発明によれば、生体情報検出手段は、対象者の心拍情報を検出する構成であり、第1の状態判定手段は心拍情報に基いて対象者の心拍数および心拍間隔の揺らぎを求め、対象者の体調を判定することで、対象者の生体状態をより確実に判定することが可能になる。
【0014】
請求項7記載の発明によれば、対象者の周囲温度もしくは装着している衣類の表面温度に関係する温度情報を検出する温度情報検出手段と、温度情報に基いて対象者の温度感覚を判定する第2の状態判定手段と、この第2の状態判定手段の判定結果に応じて、対象者の周囲の色を変更する色制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
それにより、対象者の温熱状態に応じて対象者の周囲の色を変えることで対象者の温熱状態を改善することが可能になる。
【0016】
請求項8記載の発明によれば、移動体の運転者の生体状態に関係する生体情報を検出する生体情報検出手段と、生体情報に基いて運転者の生体状態を判定する第1の状態判定手段と、この第1の状態判定手段の判定結果に応じて、移動体の計器もしくは移動体の室内の色を変更する色制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
それにより、運転者の生体状態に応じて運転者の周囲の色を変えることで運転者の体調や気分を改善し、安全運転に寄与することが可能になる。
【0018】
請求項9記載の発明によれば、生体情報検出手段は、運転者の生体状態を直接的に検出して生体情報を生じる構成であり、心拍、脳波、脈波、血圧、眼球動作、まぶた、皮膚電気抵抗、顔面、および分泌物の少なくとも1つを生体状態として検出することで、運転者の体調等の生体状態を検出することが可能となる。
【0019】
請求項10記載の発明によれば、生体情報検出手段は、運転者の生体状態を間接的に検出して生体情報を生じる構成であり、運転者のハンドル操作に関係する移動体の挙動情報を生体状態として検出することで、検出のために対象者に直接接触させたり、もしくは接近させる必要がなくなり、検出手段の設置の制限を少なくして検出可能になる。
【0020】
請求項11記載の発明によれば、色制御手段は、第1の状態判定手段の判定結果に従って、運転者が不安定状態にあると判定すると鎮静作用のある色を選択し、運転者が眠気状態にあると判定すると高揚もしくは興奮作用のある色を選択し、移動体の計器もしくは移動体の室内の色を変更することで、運転者の状態に応じた効果的な色を与え、色表示により状態を改善することが可能になる。
【0021】
請求項12記載の発明によれば、移動体の運転者の周囲温度もしくは装着している衣類の表面温度に関係する温度情報を検出する温度情報検出手段と、温度情報に基いて運転者の温度感覚を判定する第2の状態判定手段と、この第2の状態判定手段の判定結果に応じて、移動体の計器もしくは移動体の室内の色を変更する色制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
それにより、運転者の温熱状態に応じて運転者の周囲の色を変えることで、運転者に快適な温度環境を無意識的に創造、イメージさせ、運転者の温熱状態を改善することが可能になる。
【0023】
請求項13記載の発明によれば、温度情報検出手段は、移動体の室内温度を検出する構成であり、室内温度が適温に到達することを第2の状態判定手段が判定するまでの間、色制御手段は、計器の色を運転者の温度感覚を緩和させる色に変更することで、例えば乗車直後など室内温度が適温でない不快時にも、その間色表示を介して快適な温度環境を無意識的に創造、イメージさせ、運転者の温熱状態を改善することが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。
【0025】
色彩(色)の人間心理や体調に与える影響は予想外に大きく、心理療法の一環として、色彩療法(カラーセラピー)が導入されつつある。本発明は、色彩の人間心理や体調に与える影響に着目し、対象者の生体状態(体調、等)や温熱状態(体感温度、快適感、等)を直接的もしくは間接的に検出し、対象者の生体状態や温熱状態に応じた色彩を対象者の周囲に与えることで、対象者の生体状態や温熱状態を改善することにある。望ましくは、例えばオフイスや自動車、船舶等の移動体の室内にいる対象者の気分や体調が改善され、業務遂行や運転、等に対して好ましい状態に近づけるものである。単に在席する人に対しても適用できる。なお、色(色彩)の3要素とは明度、彩度、色相(色調)であり、特に色相と明度による影響が大きい。
【0026】
(一実施形態)
図1は、この発明が適用される移動体の運転者を対象者とした生体状態改善装置の制御構成を示すブロック図である。図2は、この装置を搭載した移動体である自動車の運転席を示す模式図である。
【0027】
図1、2において、生体情報検出手段10は、運転者(対象者)の生体状態に関係する生体情報を直接的もしくは間接的に検出する。本例では電極構造からなる心拍センサ10aで構成され、移動体1のステアリング2を把持する位置に取付けられ、運転者の手のひらの状態から直接的に心電(心拍)状態を検出する。
【0028】
温度情報検出手段20は、運転者の温熱状態に関係する温度情報を直接的もしくは間接的に検出する。本例ではステアリング2に取付けられたCCDカメラもしくは赤外線センサ20aで構成され、運転席の周囲温度もしくは運転者が装着している衣類の表面温度を検出する。なお、温度情報として、室内温度や運転席の日射量を検出することで代用することも可能である。
【0029】
操作手段30は、運転者に合った効果的な色彩を生じさせるように、運転者等による外部操作により表示する色彩を調整可能にする手段である。
【0030】
色表示装置40は、後述する制御装置100の指示を受けて運転者の周囲の色を変更表示し、運転者の生体状態(体調、気分など)や温熱状態(体感温度、快適感など)を変える働きをする。本例ではメータパネル40aの色彩や明度を図示してない光源の制御により変更している。なお、メータパネル40aに限らず、インスツルメントパネル3の色彩を変えたり、室内照明の色彩や明度を変えることも可能である。
【0031】
ここで、色彩と対象者に与える影響について説明する。この色彩は対象者の視覚に入る範囲内に限らず、頭上とか背面に生じる色彩も対象者に影響を及ぼすことが分かっている。従って、色彩とは対象者の周囲の色を意味する。
【0032】
まず、青色および青色系は鎮静作用があり、いらつきを抑えて意識の集中が可能となる色である。赤色および赤色系は心理的な興奮と高揚感を生じ、精神の動きを活発化する色である。黄色は注意を喚起する効果があり、緑色および緑色系はストレスや疲労を和らげる効果がある。また、快適性に関係する温熱感に関しては、運転者が寒さを感じるときには暖かさを感じさせる暖色系の黄色や橙色は気分的に暖かいイメージを与える。逆に、暑さを感じるときには涼しさを感じさせる寒色系の青色や紫色は温熱的快適感をイメージさせる。また、これらの色の明度によってもその効果が変化する。
【0033】
制御装置100は、CPUやメモリを含むマイクロコンピュータおよび入出力装置等から構成され、主要な機能を機能実現手段で示す。
【0034】
第1の状態判定手段101は、生体情報検出手段10の生体情報として、心拍センサ10aからの心電(心拍)信号を受け、運転者の心拍数や心拍間隔変動(心拍間隔の揺らぎ)を算出して、これを運転者の第1の状態として記憶する。そして運転者の安定時(通常の運転時)の心拍数や心拍間隔変動に基いて決められた第1判定値が第1判定値設定手段102に予め記憶されており、この第1判定値と運転者の第1の状態とを判定処理することで、運転者の生体状態がどのレベルにあるかを決定する。
【0035】
色制御手段103は、第1の状態判定手段101で求めた生体状態レベル情報に基いて、色・時間設定テーブル104からメータパネル40aの色彩や明度および色表示時間を読出し、色表示装置40を制御する制御信号を出力する。
【0036】
第2の状態判定手段105は、温度情報検出手段20の温度情報として、CCDカメラもしくは赤外線センサ20aからの画像情報を受け、この画像情報に基いて運転者の体調や快適性を示す温熱状態を算出して、これを運転者の第2の状態として記憶する。そして運転者が快適性を感じるときの温熱状態に基いて決められた第2判定値が第2判定値設定手段106に予め記憶されており、この第2判定値と運転者の第2の状態とを判定処理することで、運転者の温熱状態がどのレベルにあるかを決定する。
【0037】
色制御手段103は、第1、第2の状態判定手段101、105から生体状態レベル情報および温熱状態レベル情報を受けたとき、この例では第1の状態判定手段101で求めた生体状態レベル情報への対応を優先し、まずこの生体状態レベル情報に基いて、色・時間設定テーブル104からメータパネル40aの色彩や明度および色表示時間を読出し、色表示装置40を制御する制御信号を出力する。他方、第1の状態判定手段101で求めた生体状態レベル情報により運転者が安定した状態にあると判定したとき、第2の状態判定手段105で求めた温熱状態レベル情報への対応を行うようにしている。
【0038】
上記構成による制御装置100の作動を、図3に示すフローチャートにより説明する。
【0039】
ステップ201では、生体情報検出手段10の生体情報として、心拍センサ10aの心電(心拍)信号を受け、ステップ202では、運転者の心拍数や心拍間隔変動(心拍間隔の揺らぎ)等を算出し、これを運転者の第1の状態として記憶する。
【0040】
ステップ203では、ステップ202で求めた第1の状態と、第1判定値設定手段102に予め設定された第1判定値とを判定処理することで、運転者の「いらいら、焦り、緊張、疲労、眠気、ストレス」といった状態がどの程度であるかを判断する。例えば運転者の安定時に比べて心拍数が徐々に上昇したときには、時間当たりの心拍数の上昇度合等から運転者が興奮もしくはいらいらしているとか、心拍間隔の揺らぎの度合が減少しているときには疲労してきているというように、どんな生体状態(状態度合Cs、つまり生体状態レベル情報)にあるかを数値化(定量化)して判断する。なお、ここでは状態度合Csは、安定時と不安定時との差分で示してあり、状態度合Csが小さいほど安定状態に近いことを意味する。
【0041】
ここで、心拍間隔の揺らぎとは、心電(心拍)信号の信号波形の周期(周波数)の変動(例えば0.2Hz程度)を意味する。この揺らぎは自律神経の状態に相関しており、一般に揺らぎの周波数が高いときは副交感神経系が関係し、安定状態や眠気状態を示し、他方、揺らぎの周波数が低いときは交感神経系と副交感神経系の両方に関係し、いらいらや疲れた状態を示している。また心拍数が通常値より高いと、怒りや驚きに関係する。
【0042】
そこで、運転者が略安定状態(通常の運転状態)にあればステップ213へ進み、他方、運転者が不安定状態にあればステップ204、205に進み、状態度合Csを複数に区分して状態度合Csに応じた色制御を行わせる。
【0043】
ステップ204では、状態度合Csと判定値C1(例えば5%未満)とを大小判定する。状態度合Csが判定値C1より小さいときにはステップ206、207に進み、状態度合Csは小さいと判定し、表示色G1(例えば淡い青色)で短い表示時間t1(例えば10秒)を設定する。そこで、ステップ212によりメータパネル40aを、表示時間t1の間表示色G1にて色表示する。これにより、視覚に入る色彩の効果により運転者のいらいら、緊張、ストレスといった状態を和らげることが可能となる。
【0044】
他方、状態度合Csが判定値C1以上のときにはステップ205に進む。ステップ205では、状態度合Csと判定値C2(例えば10%未満)とを大小判定する。状態度合Csが判定値C2より小さいときにはステップ208、209に進み、状態度合Csは中程度と判定し、表示色G2(例えば濃い青色)で少し長い表示時間t2(例えば20秒)を設定する。そこで、ステップ212によりメータパネル40aを、表示時間t2の間表示色G2にて色表示し、より一層効果を高め、上記状態の改善が促進可能になる。
【0045】
また、状態度合Csが判定値C2以上のときにはステップ210、211に進み、状態度合Csは大と判定し、表示色G3(例えば点滅での濃い青色)で長い表示時間t3(例えば30秒)を設定する。そこで、ステップ212によりメータパネル40aを、表示時間t3の間表示色G3にて色表示する。これにより、上記した状態よりも視覚に入る色彩による刺激が強くなり、運転者のいらいら、緊張、ストレスといった状態をより一層和らげることが可能となる。
【0046】
他方、ステップ203で、運転者が略安定状態(通常の運転状態)にあると判定したときには、ステップ213に進む。このステップ213では、温度情報検出手段20の温度情報として、CCDカメラもしくは赤外線センサ20aからの画像情報を受け、ステップ214では、この画像情報に基いて運転者の体調や快適性を示す温熱状態を算出して、これを運転者の第2の状態として記憶する。
【0047】
ステップ215では、ステップ214で求めた第2の状態と、第2判定値設定手段106に予め設定された第2判定値とを判定処理することで、運転者の温熱状態が寒さ、暑さ、快適のうちどの状態(状態度合Ts、つまり温熱状態レベル情報)にあるかを数値化(定量化)して判断する。状態度合Tsが第2判定値T1より小さいときはステップ216に進み、暖色系の表示色G4(例えば黄色や橙色)に設定する。
【0048】
また状態度合Tsが第2判定値T2より大きいときはステップ217に進み、寒色系の表示色G5(例えば青色や紫色)に設定する。また状態度合Tsが第2判定値T1、T2の中間にあるときはステップ218に進み、表示色G6(例えば白色など本来のメータ基盤の設定色)を設定する。そこで、ステップ212によりメータパネル40aを、選択された各表示色G4〜G6にて色表示する。
【0049】
これにより、運転者が寒さを感じるときにはメータパネル40aの色または背景色を、暖かさを感じる色に変更させ、気分的に暖かいイメージを与えることが可能となる。逆に、運転者が暑さを感じるときには涼しさを感じさせる色に変更させ、温熱的快適感をイメージさせることが可能となる。また、快適感のあるときには、特に色変更せずにメータ本来の色を表示することでよい。
【0050】
(変形例)
なお、上記実施形態では、図1、3に示すように生体情報検出手段10および温度情報検出手段20の両方を組合せた例としたが、検出手段10、20のうちの一方の検出手段を用いて構成してもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、生体情報検出手段10として、心拍センサ10aを用いたが、運転者(対象者)の生体状態に関係する生体情報を直接的に検出する他の例として、脳波、脈波、血圧、眼球動作(瞳孔、視線等)、まぶたの開閉、皮膚電気抵抗、顔画像情報、および分泌物(汗、唾液等の生体物質)の少なくとも1つを生体状態として検出する構成であればいずれでもよい。もちろん、複数の情報を組み合せて生体状態を検出するようにしてもよい。
【0052】
また、運転者(対象者)の生体情報を間接的に検出する他の例として、移動体の挙動情報、例えばステアリング操作状況や速度の変動や異常超過状況などから推定する方法とか、移動体の前方もしくは後方を監視するCCDカメラにより道路の白線を検出して移動体の運転挙動の乱れから推定する方法でもよい。また、移動体の座席への着座時間を計測し、その着座時間から生体状態を推定するようにしてもよい。
【0053】
また、温度情報検出手段20として、上記実施形態のようにCCDカメラもしくは赤外線センサ20aにより運転席の周囲温度もしくは運転者が装着している衣類の表面温度を検出したり、室内温度や運転席の日射量を検出することで代用する他に、外気温度を検出して乗車時の運転者が感じる暑さ寒さを推定する方法や、乗車直後より空調動作により快適温度に至るまでの室内温度を用いて運転者の温熱感覚を推定する方法でもよい。
【0054】
また、色制御手段103としては、上記実施形態のように色・時間設定テーブル104にて予め設定された色彩や明度を定常的に与える他に、ある一定の揺らぎを持たせて色に変更して与えるようにしてもよいし、また色彩模様や絵柄を表示させるようにしてもよい。また表示場所として、メータパネル40a等の特定の色表示装置40に表示を固定せず、表示場所を変化させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である生体状態改善装置の制御構成を示すブロック図である。
【図2】本装置を搭載した自動車の運転席を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態の作動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 自動車(移動体)
2 ステアリング
3 インスツルメントパネル
10 生体情報検出手段
20 温度情報検出手段
40 色表示装置
101 第1の状態判定手段
102 第1判定値設定手段
103 色制御手段
105 第2の状態判定手段
106 第2判定値設定手段
Claims (13)
- 対象者の生体状態に関係する生体情報を検出する生体情報検出手段と、
前記生体情報に基いて前記対象者の生体状態を判定する第1の状態判定手段と、
この第1の状態判定手段の判定結果に応じて、前記対象者の周囲の色を変更する色制御手段とを備えたことを特徴とする生体状態改善装置。 - 前記生体情報検出手段は、前記対象者の生体状態を直接的に検出して前記生体情報を生じる構成であり、心拍、脳波、脈波、血圧、眼球動作、まぶた、皮膚電気抵抗、顔面、および分泌物の少なくとも1つを前記生体状態として検出することを特徴とする請求項1記載の生体状態改善装置。
- 前記生体情報検出手段は、前記対象者の生体状態を間接的に検出して前記生体情報を生じる構成であることを特徴とする請求項1記載の生体状態改善装置。
- 前記対象者の周囲温度もしくは装着している衣類の表面温度に関係する温度情報を検出する温度情報検出手段と、
前記温度情報に基いて前記対象者の温度感覚を判定する第2の状態判定手段とを設け、
前記色制御手段は、前記第1、第2の状態判定手段の判定結果に応じて、前記対象者の周囲の色を変更することを特徴とする請求項1〜3記載の生体状態改善装置。 - 前記色制御手段は、前記第1、2の状態判定手段より判定結果を受けたとき、前記第1の状態判定手段の判定結果を優先させて色制御することを特徴とする請求項4記載の生体状態改善装置。
- 前記生体情報検出手段は、前記対象者の心拍情報を検出する構成であり、前記第1の状態判定手段は前記心拍情報に基いて前記対象者の心拍数および心拍間隔の揺らぎを求め、前記対象者の体調を判定することを特徴とする請求項1記載の生体状態改善装置。
- 対象者の周囲温度もしくは装着している衣類の表面温度に関係する温度情報を検出する温度情報検出手段と、
前記温度情報に基いて前記対象者の温度感覚を判定する第2の状態判定手段と、
この第2の状態判定手段の判定結果に応じて、前記対象者の周囲の色を変更する色制御手段とを備えたことを特徴とする生体状態改善装置。 - 移動体の運転者の生体状態に関係する生体情報を検出する生体情報検出手段と、
前記生体情報に基いて前記運転者の生体状態を判定する第1の状態判定手段と、
この第1の状態判定手段の判定結果に応じて、前記移動体の計器もしくは前記移動体の室内の色を変更する色制御手段とを備えたことを特徴とする生体状態改善装置。 - 前記生体情報検出手段は、前記運転者の生体状態を直接的に検出して前記生体情報を生じる構成であり、心拍、脳波、脈波、血圧、眼球動作、まぶた、皮膚電気抵抗、顔面、および分泌物の少なくとも1つを前記生体状態として検出することを特徴とする請求項8記載の生体状態改善装置。
- 前記生体情報検出手段は、前記運転者の生体状態を間接的に検出して前記生体情報を生じる構成であり、前記運転者のハンドル操作に関係する前記移動体の挙動情報を前記生体状態として検出することを特徴とする請求項8記載の生体状態改善装置。
- 前記色制御手段は、前記第1の状態判定手段の判定結果に従って、前記運転者が不安定状態にあると判定すると鎮静作用のある色を選択し、前記運転者が眠気状態にあると判定すると高揚もしくは興奮作用のある色を選択し、前記移動体の計器もしくは前記移動体の室内の色を変更することを特徴とする請求項8〜10記載の生体状態改善装置。
- 移動体の運転者の周囲温度もしくは装着している衣類の表面温度に関係する温度情報を検出する温度情報検出手段と、
前記温度情報に基いて前記運転者の温度感覚を判定する第2の状態判定手段と、
この第2の状態判定手段の判定結果に応じて、前記移動体の計器もしくは前記移動体の室内の色を変更する色制御手段とを備えたことを特徴とする生体状態改善装置。 - 前記温度情報検出手段は、前記移動体の室内温度を検出する構成であり、前記室内温度が適温に到達することを前記第2の状態判定手段が判定するまでの間、前記色制御手段は、前記計器の色を前記運転者の温度感覚を緩和させる色に変更することを特徴とする請求項12記載の生体状態改善装置。
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