JP6160495B2 - 光ディスクドライブ装置におけるスピンドルモーターの駆動制御回路、駆動制御方法および駆動電圧設定方法 - Google Patents
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Description
特許文献5は、光学記録媒体の記録待機時において記録動作の開始に適した状態を保持する記録装置、再生装置、及び制御方法に関する。段落0045と図7には「マイクロコンピューター74は、矩形波のエッジをカウントしてスピンドルモーター87の回転周期を算出し(ステップS23)、算出した回転周期に基づいてスピンドルモーター87の最適駆動電圧を算出」との開示がある。
特許文献2は、短時間に加速させる際の電力消費量を低減させるものではない。
特許文献3は、加速域毎に無駄が生じている駆動電圧を低減させることはできない。
特許文献4は、加速時に一定の駆動電圧を設定するものであり、加速域毎に生じている無駄を低減させることはできない。
特許文献5は、加速域毎に生じている無駄を低減させることはできない。
すなわち、回転速度毎に、必要な加速度が得られる最低の駆動電圧を出力する。
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる光ディスクドライブ装置をブロック図により示している。
同図において、スピンドルモーター11は、光ディスクが載置されて回転駆動されるスピンドルを駆動する。トラバースモーター12は、光ピックアップユニット13を光ディスクの径方向に沿って駆動する。トレイモーター14は、光ディスクを保持する光ディスクトレイ15の開閉とカム機構を駆動する。制御回路(駆動制御回路)16は、図示しない外部機器による光ピックアップユニット13による光ディスクへの読み書き動作を制御するほか、各モーター11,12,14を駆動する制御を行う。なお、制御回路16には不揮発性の記憶領域であるメモリー16aが備えられている。また、センサー17は、スピンドルモーター11の回転速度を検出するものであり、制御回路16はセンサー17の出力を監視してスピンドルモーター11への駆動電圧を制御している。本実施例においては、センサー17を使用してスピンドルモーター11の回転速度を検出しているが、このような独立したセンサーを使用するのではなく、制御回路16内にあるドライバーICで生成されるFG信号を元に回転数を検出することも可能である。この場合、FG信号を元に検出した回転数に基づいて制御回路16内にあるメインICで同回転数を制御すればよい。
図2におけるステップS100では、加速時の加速レンジ別の駆動電圧との対応付けを行なう。 図3〜図6は、異なる回転速度域毎に五種類の駆動電圧を与えたときの回転速度の変化を示している。駆動電圧として、1)出力最大、2)出力最大の95%、3)出力最大の88%、4)出力最大の82%、5)出力最大の75%を与えている。これらは、制御回路16における前記所定のレジスタに設定する値を適宜変化させた場合に、ドライバー回路からスピンドルモーター11に対して出力される駆動電圧を、出力最大の場合との比で表している。従って、制御回路16がスピンドルモーター11に対してこれらの駆動電圧のいずれを出力するかは単に同レジスタに設定する値を変化させるだけでよい。
図を参照すると、1000rpmから1500rpmへ達するまでの時間は、出力電圧にかかわらず概ね同一の300msである。すなわち、5)出力最大の75%を与えた場合も、1)出力最大を与えた場合も、結果は同じである。従って、その差の出力最大の25%を300msにわたって与えていた分は無駄である。
図を参照すると、2000rpmから3100rpmへ達するまでの時間は、5)出力最大の75%を除き、出力電圧にかかわらず概ね同一の500msである。すなわち、4)出力最大の82%を与えた場合も、1)出力最大を与えた場合も、結果は同じである。従って、その差の出力最大の18%を500msにわたって与えていた分は無駄である。
図を参照すると、3000rpmから5000rpmへ達するまでの時間は、1)出力最大を与えた場合と、2)出力最大の95%を与えた場合とでは、いずれも概ね同一の850msである。すなわち、2)出力最大の95%を与えた場合も、1)出力最大を与えた場合も、結果は同じである。従って、その差の出力最大の5%を850msにわたって与えていた分は無駄である。
図を参照すると、4000rpmから5000rpmへ達するまでの時間は、1)出力最大を与えた場合と、2)出力最大の95%を与えた場合とでは、いずれも概ね同一の450msである。すなわち、2)出力最大の95%を与えた場合も、1)出力最大を与えた場合も、結果は同じである。従って、その差の出力最大の5%を400msにわたって与えていた分は無駄である。
次に、図2のステップS110では、加速レンジ別の最低駆動電圧を判定・記憶する。このため、以上の結果から、複数の回転速度域ごとに必要な加速が得られた駆動電圧のうちの最低のものを判定する。
図7に示すように、加速時に駆動電圧を一定の出力最大にしている。すなわち、回転速度にかかわらず、駆動電圧は一定のままということである。上述したように、回転速度域毎に観察すると、より低い駆動電圧であっても加速度は変わらないことがあるので、駆動電圧を出力最大のまま与え続けるのは無駄を含んでいる。
ステップS200では、制御回路16はセンサー17の出力に基づいてスピンドルモーター11の回転速度域を検出する(なお、FG信号を元に回転数を検出する場合は、センサー17の出力は必要ではない。以下、同様)。
上述したように、メモリー16aにはスピンドルモーター11の回転速度域ごとに最適な駆動電圧を記憶されているため、現在の回転速度がどの回転速度域であるかを判断する。回転速度域が判断されたら、ステップS210にて、制御回路16はメモリー16aから回転速度域に対応した駆動電圧を読み出し、ステップS220にて、制御回路16はスピンドルモーター11に対して同駆動電圧を出力する。例えば、所定のレジスタに同駆動電圧に対応する値を設定すればドライバー回路が駆動電圧に変換して出力することになる。
同図は、以上のようにして最適な駆動電圧を設定する前後のシーク時の加速中における12Vの消費電流平均値(AVE)を示している。
図において、左のものから説明していく。まず、2倍速でシーク開始アドレスが240000h、シーク終了アドレスが150000hであるとき、Disc半径位置で示すと、開始位置は56mmで、終了位置は45mmとなるが、このとき変更後の電圧設定は変更前に比べて75%の設定とできた。次に、同じ2倍速でシーク開始アドレスがC0000h、シーク終了アドレスが30000hであるとき、Disc半径位置で示すと、開始位置は36mmで、終了位置は24mmとなるが、このとき変更後の電圧設定は変更前に比べて82%の設定とできた。
次に、4倍速でシーク開始アドレスが240000h、シーク終了アドレスがd0000hであるとき、Disc半径位置で示すと、開始位置は56mmで、終了位置は45mmとなるが、このとき変更後の電圧設定は変更前に比べて82%の設定とできた。また、シーク開始アドレスがC0000h、シーク終了アドレスが60000hであるとき、Disc半径位置で示すと、開始位置は36mmで、終了位置は28.5mmとなるが、このとき変更後の電圧設定は変更前に比べて88%の設定とできた。
最後に、6倍速でシーク開始アドレスが220000h、シーク終了アドレスが110000hであるとき、Disc半径位置で示すと、開始位置は55mmで、終了位置は41mmとなるが、このとき変更後の電圧設定は変更前に比べて88%の設定とできた。
このように、シーク時の加速中の消費電力は、0〜1500rpmの回転速度域では最大18%程度を削減でき、1500〜3200rpmの回転速度域では3%程度を削減でき、3200〜5000rpmの回転速度域では効果なしとなった。
同図において、駆動クリップ率に対して消費電力削減率が一致しないのは、クリップ処理時の効率や発熱量、スピンドルモーター特性(トルク、逆起電圧、電気抵抗など)に依存するものと推測される。
なお、エネルギー効率とスピンドルモーター特性によってはもう少し効果を発揮できると考えられる。また、
スピンドルモーター特性:[効率]=(2π・[回転数]・[トルク])/([電機子端子電圧]・[電流])
[電機子端子電圧]=[逆起電圧]+[電機子抵抗]・[電流]
という関係がある。
図12は、減速時の最適な駆動電圧を設定するためのフローチャートである。
図12は図2の加速時のフローチャートに加え、減速時の駆動電圧に対応したステップS120,ステップS130の処理が加わっている。このため、ステップS100とステップS110の説明は省略する。減速時は制御回路16からドライバー回路を経てスピンドルモーター11に反対の極性とした駆動電圧を出力する。図示していないが、減速時も、加速時と同様に無駄な駆動電圧が発生していることが分かった。
ステップS300では、制御回路16はセンサー17の出力に基づいてスピンドルモーター11の回転速度域を検出する。上述したように、メモリー16aにはスピンドルモーター11の回転速度域ごとに最適な駆動電圧を記憶されているため、現在の回転速度がどの回転速度域であるかを判断する。回転速度域が判断されたら、ステップS310にて、制御回路16はメモリー16aから回転速度域に対応した減速用駆動電圧を読み出し、ステップS320にて、制御回路16はスピンドルモーター11に対して同減速用駆動電圧を出力する。
次に、機器毎に最適値を設定する場合の手順について説明する。
予め、その機器のモデル毎に、典型値を初期値としてメモリー16aに格納しておく。なお、組立工程において再度初期値を設定しても構わない。
次に、機器の個体バラツキを吸収するために、最適設定学習を実施する。学習のタイミングとしては、Disc挿入後のマウント時等が適切である。
スピンドルモーター駆動電圧の最適値設定のための学習では、目的とする加速度[PRM/s]を基準として、その加速度を得るのに必要な最適駆動電圧値を図14を参照して求める。例えば目的とする加速度(閾値)を1000rpm/sとする。図14を参照すると、1000rpm/sを実現するのであれば、省電力化の観点からは出力82%が最適設定値といえる。言い換えると、出力75%はより省電力ではあるが、目的とする加速度の1000rpm/sを維持できない。また、出力88%以上は、目的とする加速度を超えており、必要以上の駆動電圧となっている。
この結果、シーク等の回転数変更時においてスピンドルモーター駆動電圧は常に最適となり無駄な消費電力を低減できる。また、マウント時のフル加速時にDiscサイズを判別し、12cmと8cmDiscのそれぞれで最適値を設定できる。
なお、駆動電圧を選択するためには、上述したものと同様、対応するクリップ値を設定することによる。本実施例では、駆動電圧を選択するためにクリップ値を設定することとしているが、ドライバー回路でのゲインやトルク設定で同様のことを行うことも可能である。
・前記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって前記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が前記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
Claims (5)
- 光ディスクドライブ装置におけるスピンドルモーターの駆動制御回路であって、
複数の回転速度域ごとに複数の駆動電圧で前記スピンドルモーターを駆動させたときに、必要な加速が得られた駆動電圧のうちの最低のものを記憶する記憶手段と、
前記スピンドルモーターの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記回転速度検出手段で検出された回転速度に応じて前記記憶手段で記憶されている最低の駆動電圧で前記スピンドルモーターに駆動電圧を出力する駆動電圧出力手段とを具備することを特徴とするスピンドルモーターの駆動制御回路。 - 複数の回転速度域ごとに複数の駆動電圧で前記スピンドルモーターを駆動させ、それぞれの駆動電圧と加速とを対応づける加速レンジ別駆動電圧判定手段と、
複数の回転速度域ごとに必要な加速が得られた駆動電圧のうちの最低のものを判定して前記記憶手段に記憶させる必要最低駆動電圧設定手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のスピンドルモーターの駆動制御回路。 - 前記記憶手段は、複数の回転速度域ごとに複数の減速用駆動電圧で前記スピンドルモーターを駆動させたときに、必要な減速が得られた減速用駆動電圧のうちの最低のものを記憶し、
前記駆動電圧出力手段は、減速時に、前記回転速度検出手段で検出された回転速度に応じて前記記憶手段で記憶されている最低の減速用駆動電圧で前記スピンドルモーターに駆動電圧を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスピンドルモーターの駆動制御回路。 - 光ディスクドライブ装置におけるスピンドルモーターの駆動制御方法であって、複数の回転速度域ごとに複数の駆動電圧で前記スピンドルモーターを駆動させたときに、必要な加速が得られた駆動電圧のうちの最低のものを記憶しており、
前記スピンドルモーターの回転速度を検出し、検出された回転速度に応じて前記記憶されている最低の駆動電圧で前記スピンドルモーターに駆動電圧を出力することを特徴とするスピンドルモーターの駆動制御方法。 - 光ディスクドライブ装置におけるスピンドルモーターの駆動電圧を設定する駆動電圧設定方法であって、
複数の回転速度域ごとに複数の駆動電圧と回転速度の変化とを対応づける工程と、
複数の回転速度域ごとに必要な加速を取得する工程と、
複数の回転速度域ごとに必要な加速が得られた駆動電圧のうちの最低のものを判定する工程とを含むことを特徴とする光ディスクドライブ装置におけるスピンドルモーターの駆動電圧設定方法。
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