JP6160159B2 - リソグラフィ原版の欠陥修正方法、製造方法および欠陥修正装置 - Google Patents
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Description
また、フォトマスクやEUVマスクでは、通常、4倍体のパターンを1/4に縮小露光するため、わずかなエッチングや修正膜の堆積であれば被転写体上には解像せず転写されないのに対し、ナノインプリントテンプレートでは、1倍体のパターンを原寸で転写するため、わずかなエッチングや修正膜の堆積といえども被転写体上に転写されてしまうという特有の問題がある。そのため、ナノインプリントテンプレートでは、特に高精度が要求される。
フォトリソグラフィ法に用いられるリソグラフィ原版とは、露光光を選択的に透過または反射させるマスクをいい、例えば、露光光として紫外光を用いるフォトマスク、露光光として極端紫外光(EUV)を用いるEUVマスクが挙げられる。また、ナノインプリント法に用いられるリソグラフィ原版としては、ナノインプリントテンプレートが挙げられる。
なお、リソグラフィ原版について、詳しくは後述する。
本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正方法は、2つの実施態様を有する。以下、各実施態様に分けて説明する。
本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法は、リソグラフィ原版の欠陥部に、アシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする、または、デポジション用ガスを供給しながら荷電ビームを照射して修正膜を堆積する修正工程と、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを排出する排出工程と、上記排出工程後、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活工程と、上記失活工程後、荷電ビームを照射して修正後の上記欠陥部を確認する修正確認工程とを有することを特徴としている。
本実施態様においては、図示しないが、まず、欠陥部を有し修正が必要なリソグラフィ原版を準備する。欠陥部は、リソグラフィ原版をあらかじめ検査し、欠陥の種類、大きさ、位置等を測定し、検査データとしておく。
図1は、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を例示するフローチャートである。本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法は、欠陥の種類が黒欠陥部および白欠陥部のいずれであるかによって異なる。以下、黒欠陥部の修正方法および白欠陥部の修正方法に分けて説明する。
図2(a)〜(f)は、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の一例を示す工程図であって、ナノインプリントテンプレートの黒欠陥部を修正する方法である。
図2(a)に示すように、まず、黒欠陥部1を有し修正が必要なナノインプリントテンプレート10を準備する。ナノインプリントテンプレート10は、平板状の基板部11上に凸部12および凹部13がパターン状に形成され、基板部11および凸部12が一体的に形成されたものであり、凸部12が余剰に存在している黒欠陥部1を有している。この黒欠陥部1を修正するには、まず、図2(b)に示すようにアシストガス2を供給し、図2(c)に示すように、アシストガス雰囲気中で黒欠陥部1に荷電ビーム3を局所的に照射して、黒欠陥部1をエッチングする(図1のステップS1、修正工程)。次いで、図2(d)に示すようにアシストガス2を排出する(図1のステップS2、排出工程)。次に、図2(e)に示すように、アシストガスを失活させる失活ガス4を供給する(図1のステップS3、失活工程)。この際、排出工程後にナノインプリントテンプレート10の表面にアシストガスが残っていたとしても、失活ガス4によってアシストガスは変性して活性を失うことになる。次に、図2(f)に示すように、ナノインプリントテンプレート10に荷電ビーム5を照射して修正後の黒欠陥部を確認する(図1のスッテプS4、修正確認工程)。例えば、荷電ビーム5として電子線を照射する走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したり、荷電ビーム5としてイオンビームを照射する集束イオンビーム装置で観察したりする。この際、アシストガスは活性を失っているため、検査光である荷電ビーム5の照射によってナノインプリントテンプレート10の表面がさらにエッチングされるのを抑制することができる。
図3(a)に示すように、まず、黒欠陥部1を有し修正が必要なハーフトーン型位相シフトマスク20を準備する。ハーフトーン型位相シフトマスク20は、透明基板21と、透明基板21上にパターン状に形成された位相シフト層22と、位相シフト層22上にパターン状に形成された遮光層23とを有するものであり、位相シフト層22が余剰に存在している黒欠陥部1を有している。この黒欠陥部1を修正するには、まず、図3(b)に示すようにアシストガス2を供給し、図3(c)に示すように、アシストガス雰囲気中で黒欠陥部1に荷電ビーム3を局所的に照射して、黒欠陥部1をエッチングする(図1のステップS1、修正工程)。次いで、図3(d)に示すようにアシストガス2を排出する(図1のステップS2、排出工程)。次に、図3(e)に示すように、アシストガスを失活させる失活ガス4を供給する(図1のステップS3、失活工程)。この際、排出工程後に位相シフト層22および遮光層23の表面にアシストガスが残っていたとしても、失活ガス4によってアシストガスは変性して活性を失うことになる。次に、図3(f)に示すように、ハーフトーン型位相シフトマスク20に荷電ビーム5を照射して修正後の黒欠陥部を確認する(図1のステップS4、修正確認工程)。この際、アシストガスは活性を失っているため、検査光である荷電ビーム5の照射によって位相シフト層22および遮光層23の表面がさらにエッチングされるのを抑制することができる。
図4(a)に示すように、まず、黒欠陥部1を有し修正が必要なEUVマスク30を準備する。EUVマスク30は、支持基板31と、支持基板31上の全面に形成された多層反射層32と、多層反射層32上にパターン状に形成された吸収層33とを有するものであり、吸収層33が余剰に存在している黒欠陥部1を有している。この黒欠陥部1を修正するには、まず、図4(b)に示すようにアシストガス2を供給し、図4(c)に示すように、アシストガス雰囲気中で黒欠陥部1に荷電ビーム3を局所的に照射して、黒欠陥部1をエッチングする(図1のステップS1、修正工程)。次いで、図4(d)に示すようにアシストガス2を排出する(図1のステップS2、排出工程)。次に、図4(e)に示すように、アシストガスを失活させる失活ガス4を供給する(図1のステップS3、失活工程)。この際、排出工程後に多層反射層32および吸収層33の表面にアシストガスが残っていたとしても、失活ガス4によってアシストガスは変性して活性を失うことになる。次に、図4(f)に示すように、EUVマスク30に荷電ビーム5を照射して修正後の黒欠陥部を確認する(図1のステップS4、修正確認工程)。この際、アシストガスは活性を失っているため、検査光である荷電ビーム5の照射によって多層反射層32および吸収層33の表面がさらにエッチングされるのを抑制することができる。
図5(a)〜(f)は、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の他の例を示す工程図であって、ナノインプリントテンプレートの白欠陥部を修正する方法である。
図5(a)に示すように、まず、白欠陥部6を有し修正が必要なナノインプリントテンプレート10を準備する。ナノインプリントテンプレート10は、平板状の基板部11上に凸部12および凹部13がパターン状に形成され、基板部11および凸部12が一体的に形成されたものであり、凸部12が欠落している白欠陥部6を有している。この白欠陥部6を修正するには、まず、図5(b)に示すようにデポジション用ガス7を供給し、図5(c)に示すように、デポジション用ガス雰囲気中で白欠陥部6に荷電ビーム3を局所的に照射して、白欠陥部6に修正膜9を堆積する(図1のステップS1、修正工程)。次いで、図5(d)に示すようにデポジション用ガス7を排出する(図1のステップS2、排出工程)。次に、図5(e)に示すように、デポジション用ガスを失活させる失活ガス8を供給する(図1のステップS3、失活工程)。この際、排出工程後にナノインプリントテンプレート10の表面にデポジション用ガスが残っていたとしても、失活ガス8によってデポジション用ガスは変性して活性を失うことになる。次に、図5(f)に示すように、ナノインプリントテンプレート10に荷電ビーム5を照射して修正後の白欠陥部を確認する(図1のステップS4、修正確認工程)。この際、デポジション用ガスは活性を失っているため、検査光である荷電ビーム5を照射しても、ナノインプリントテンプレート10の表面にさらに修正膜が堆積するのを抑制することができる。
本実施態様における修正工程は、リソグラフィ原版の欠陥部に、アシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする、または、デポジション用ガスを供給しながら荷電ビームを照射して修正膜を堆積する工程である。
リソグラフィ原版の欠陥部が黒欠陥部である場合、修正工程では、黒欠陥部にアシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする。
例えば、ナノインプリントテンプレートの場合であって、電子ビームを用いる場合、アシストガスとしては、フッ化キセノン(XeF2)等が挙げられる。また、ナノインプリントテンプレートの場合であって、イオンビームを用いる場合、アシストガスとしては、フッ化キセノン(XeF2)、ヨウ素(I2)等が挙げられる。
ハーフトーン型位相シフトマスクの場合であって、電子ビームを用いる場合、アシストガスとしては、フッ化キセノン(XeF2)、ヨウ素(I2)、CF4、CHF3、塩素(Cl2)、CHCl3等が挙げられる。また、ハーフトーン型位相シフトマスクの場合であって、イオンビームを用いる場合、アシストガスとしては、ヨウ素(I2)等が挙げられる。
EUVマスクの場合、アシストガスとしては、フッ化キセノン(XeF2)、ヨウ素(I2)、SF6、CF4、NOx等が挙げられる。
リソグラフィ原版の欠陥部が白欠陥部である場合、修正工程では、白欠陥部にデポジション用ガスを供給しながら荷電ビームを照射して修正膜を堆積する。
例えば、ナノインプリントテンプレートの場合、デポジション用ガスには、ナノインプリントテンプレートを被転写体に押し付けても変形しない硬さを有する修正膜を堆積可能であることや、被転写体と反応しないことも求められる。ナノインプリントテンプレートの場合であって、電子ビームを用いる場合、デポジション用ガスとしては、フェナントレン、タングステンカルボニル(W(CO)6)、フッ化タングステン(WF6)、テトラエトキシシラン(TEOS)等が挙げられる。また、ナノインプリントテンプレートの場合であって、イオンビームを用いる場合、デポジション用ガスとしては、フェナントレン、タングステンカルボニル(W(CO)6)、テトラエトキシシラン(TEOS)等が挙げられる。
ハーフトーン型位相シフトマスクの場合、デポジション用ガスとしては、フェナントレン、ベンゼン、スチレン、ナフタレン、ピレン等の炭化水素系のガス、タングステンカルボニル(W(CO)6)、フッ化タングステン(WF6)、クロムカルボニル(Cr(CO)6)、コバルトカルボニル(Co2(CO)8)、鉄カルボニル(Fe(CO)5)、Trimethyl(methylcyclopentadienyl)platinum(MeCpPt(Me)3)等の金属含有ガス、テトラエトキシシラン(TEOS)、1,3,5,7-Tetramethylcyclotetra-siloxane等のシリコン含有ガスを用いることができる。
EUVマスクの場合、デポジション用ガスとしては、フェナントレン、ベンゼン、スチレン、ナフタレン、ピレン、CF4等の炭化水素系のガス、タングステンカルボニル(W(CO)6)、フッ化タングステン(WF6)、クロムカルボニル(Cr(CO)6)、コバルトカルボニル(Co2(CO)8)、鉄カルボニル(Fe(CO)5)、Trimethyl(methylcyclopentadienyl)platinum(MeCpPt(Me)3)等の金属含有ガス、テトラエトキシシラン(TEOS)、1,3,5,7-Tetramethylcyclotetra-siloxane等のシリコン含有ガスを用いることができる。
炭素を含む修正膜は、形状制御が容易であるという利点を有する。また、タングステンやクロム等の金属を含む修正膜は、高い遮光性を得ることができるという利点を有する。
本実施態様における排出工程は、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを排出する工程である。
本実施態様における失活工程は、上記排出工程後、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる工程である。
ここで、「失活」とは、アシストガスまたはデポジション用ガスの活性が失われ、反応を起こさなくなることをいう。
温度としては、エッチングまたは修正膜の堆積を抑制できる温度であり、またリソグラフィ原版に影響を及ぼさない温度であれば特に限定されるものではないが、通常は室温よりも高い温度に設定され、アシストガスおよびデポジション用ガスの種類等に応じて適宜選択される。中でも、温度は、アシストガスまたはデポジション用ガスが活性を失い得る温度であることが好ましい。
温度を調整する方法としては、所望の温度に調整できる方法であればよく、例えば加熱方法が挙げられる。加熱方法の場合、例えば上記の赤外線を照射する方法によっても加熱が可能である。
洗浄する方法としては、ドライ洗浄およびウェット洗浄のいずれも用いることができる。ドライ洗浄の場合、酸素プラズマやUVオゾン等が挙げられる。また、ウェット洗浄の場合、リソグラフィ原版へのダメージが少なく、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させることができる、オゾン水またはアンモニア添加水素水等が挙げられる。
失活工程を排出工程中に行う場合であって、失活ガスを供給する場合には、例えばアシストガスまたはデポジション用ガスの排出と同時に、失活ガスを供給してもよく、またアシストガスまたはデポジション用ガスを排出しながら失活ガスを供給して、アシストガスまたはデポジション用ガスと失活ガスとの置換を行ってもよい。また、失活工程を排出工程中に行う場合であって、温度を調整する場合には、アシストガスまたはデポジション用ガスの排出中に温度調整を開始してもよい。
また、失活工程を排出工程前に行う場合であって、失活ガスを供給する場合には、例えば十分な失活ガスを供給した後に、アシストガスまたはデポジション用ガスを排出すればよい。
中でも、失活工程は排出工程後に行うことが好ましい。この場合、失活工程では、排出工程後、リソグラフィ原版の表面にわずかに付着したアシストガスまたはデポジション用ガスを失活させればよいからである。
本実施態様における修正確認工程は、上記失活工程後、荷電ビームを照射して修正後の上記欠陥部を確認する工程である。
本実施態様において、リソグラフィ原版に複数欠陥部が存在する場合等には、上記の修正工程、排出工程、失活工程および修正確認工程を繰り返し行ってもよい。
本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法が適用されるリソグラフィ原版としては、上述したように、例えば、フォトマスク、EUVマスク、ナノインプリントテンプレートが挙げられる。
本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法は、リソグラフィ原版の欠陥部にアシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする修正工程と、上記修正工程後、上記リソグラフィ原版に酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給工程と、上記酸化性ガス供給工程後、荷電ビームを照射して修正後の上記欠陥部を確認する修正確認工程とを有することを特徴としている。本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法は、黒欠陥部の修正方法である。
図7は、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を例示するフローチャートである。図8(a)〜(e)は、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の一例を示す工程図であって、ナノインプリントテンプレートの黒欠陥部を修正する方法である。なお、図8(a)に示すナノインプリントテンプレート10は、上記図2(a)に示すナノインプリントテンプレート10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
まず、図8(b)に示すようにアシストガス2を供給し、図8(c)に示すように、アシストガス雰囲気中で黒欠陥部1に荷電ビーム3を局所的に照射して、黒欠陥部1をエッチングする(図7のステップS1、修正工程)。次に、図8(d)に示すように、酸化性ガス14を供給し、ナノインプリントテンプレート10を酸化性ガス14にさらす(図7のステップS5、酸化性ガス供給工程)。この際、酸化性ガス14によってアシストガスの反応性を抑制する、またはアシストガスを安定化させることができる。次に、図8(e)に示すように、ナノインプリントテンプレート10に荷電ビーム5を照射して修正後の黒欠陥部を確認する(図7のスッテプS4、修正確認工程)。この際、アシストガスの反応性が抑制されている、またはアシストガスが安定化されているため、検査光である荷電ビーム5の照射によってナノインプリントテンプレート10の表面がさらにエッチングされるのを抑制することができる。
本実施態様における酸化性ガス供給工程は、修正工程後、リソグラフィ原版に酸化性ガスを供給する工程である。
なお、酸化性ガスおよびその供給方法については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
酸化性ガスを供給する際には、例えばチャンバー内に酸化性ガスを供給してもよく、チャンバーを大気開放してもよい。
本実施態様における排出工程は、修正工程後、アシストガスを排出する工程である。
なお、アシストガスの排出方法については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
中でも、排出工程を酸化性ガス供給工程前に行うことが好ましい。この場合、酸化性ガス供給工程では、排出工程後、リソグラフィ原版の表面にわずかに付着したアシストガスについて反応性を抑制する、または安定化させればよいからである。
本発明のリソグラフィ原版の製造方法は、上述のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を行うことにより、リソグラフィ原版の欠陥部を修正する欠陥修正工程を有することを特徴としている。
図9は、本発明のリソグラフィ原版の製造方法を例示するフローチャートである。図10(a)〜(e)は、本発明のリソグラフィ原版の製造方法の一例を示す工程図であって、ナノインプリントテンプレートの製造方法である。
まず、図10(a)に示すように、リソグラフィ原版用ブランクを準備する(図9のステップS11、リソグラフィ原版用ブランク準備工程)。ナノインプリントテンプレートの場合、リソグラフィ原版用ブランクは、例えば、石英基板等の透明基板15上にCr膜等の導電膜16が形成されたものである。次に、図10(b)に示すように、導電膜16上に電子線レジスト膜41aを形成して、電子線42による描画および現像を行い、図10(c)に示すようにレジストパターン41bを形成する。次いで、図10(d)に示すように、レジストパターン41bをマスクとして導電膜16および透明基板15をエッチングした後、レジストパターン41bおよび導電膜16を除去し、図10(e)に示すようにパターン状の凸部12および凹部13を形成する(図9のステップS12、パターン形成工程)。これにより、平板状の基板部11上に凸部12および凹部13がパターン状に形成され、基板部11および凸部12が一体的に形成されたナノインプリントテンプレート10が得られる。次に、ナノインプリントテンプレート10の凸部12および凹部13のパターンを検査し、欠陥が検出された場合には、欠陥の種類、大きさ、位置等を測定する(図9のステップS13、欠陥検査工程)。
本発明においては、まず、リソグラフィ原版用ブランクを準備する。
リソグラフィ原版用ブランクは、上述のリソグラフィ原版の種類に応じて適宜選択される。例えば、リソグラフィ原版がナノインプリントテンプレートの場合、リソグラフィ原版用ブランクには、合成石英、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム等から構成される透明基板や、透明基板上にCr膜等の導電膜が形成されたもの等を用いることができる。リソグラフィ原版がハーフトーン型位相シフトマスクの場合、リソグラフィ原版用ブランクには、透明基板上に位相シフト層が形成されたものや、透明基板上に位相シフト層および遮光層が順に積層されたもの等を用いることができる。リソグラフィ原版がEUVマスクの場合、リソグラフィ原版用ブランクには、支持基板上に多層反射層および吸収層が順に積層されたものや、支持基板上に多層反射層、バッファー層および吸収層が順に積層されたもの等を用いることができる。これらのリソグラフィ原版用ブランクとしては、一般的なものを適用することができる。
次に、本発明においては、パターンを形成する。
パターンは、上述のリソグラフィ原版の種類に応じて適宜選択される。例えば、リソグラフィ原版がナノインプリントテンプレートの場合、凸部および凹部のパターンを形成する。リソグラフィ原版がハーフトーン型位相シフトマスクの場合、位相シフト層のパターンや、位相シフト層および遮光層のパターンを形成する。リソグラフィ原版がEUVマスクの場合、吸収層のパターンを形成する。これらのパターンの形成方法としては、一般的な方法を適用することができる。
次に、本発明においては、リソグラフィ原版の検査を行う。
リソグラフィ原版の検査では、欠陥の有無を検査し、欠陥が検出された場合には、欠陥の種類、大きさ、位置等を測定し、検査データとしておく。多くの場合、リソグラフィ原版は欠陥部を有している。
リソグラフィ原版の検査には、フォトマスク用検査装置や光学顕微鏡等を用いることができる。
本発明における欠陥修正工程は、上述のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を行うことにより、リソグラフィ原版の欠陥部を修正する工程である。
なお、リソグラフィ原版の欠陥修正方法については、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法」に記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置は、上述のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を実施するためのリソグラフィ原版の欠陥修正装置であって、リソグラフィ原版を収容するチャンバーと、荷電ビームを照射する照射手段と、上記チャンバー内にアシストガスまたはデポジション用ガスを供給するアシストガスまたはデポジション用ガス供給手段と、上記チャンバー内を排気する排気手段と、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活手段とを備えることを特徴とするものである。
図11は、本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置の一例を示す模式図である。リソグラフィ原版の欠陥修正装置50においては、リソグラフィ原版を収容するチャンバー51が設けられており、チャンバー51内には、リソグラフィ原版を設置するステージ52が設けられている。また、チャンバー51内には、荷電ビームを出射するビーム源53と、ビーム源53から出射された荷電ビームをリソグラフィ原版に導く光学系54とを備える照射手段55が設けられている。例えば、ビーム源53が電子銃の場合、電子銃(ビーム源)53および光学系54により電子顕微鏡(照射手段)55が構成される。また、ビーム源53がイオン源の場合、イオン源(ビーム源)53および光学系54により集束イオンビーム装置(照射手段)55が構成される。電子顕微鏡や集束イオンビーム装置(照射手段55)は、図示しないが、二次電子等を検出する検出器を備えている。さらに、リソグラフィ原版の欠陥修正装置50には、チャンバー51内にアシストガスまたはデポジション用ガスを供給するアシストガスまたはデポジション用ガス供給手段56と、チャンバー51内を排気する排気手段57と、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活ガスを供給する失活ガス供給手段(失活手段)58とが設けられている。
まず、あらかじめ測定しておいた検査データに基づいて、リソグラフィ原版の欠陥部に照射手段55から荷電ビームが照射されるように、リソグラフィ原版が設置されたステージ52を移動してリソグラフィ原版の位置決めを行う。ステージ52は、XYZ方向へリソグラフィ原版を移動させるものであり、このステージ52を動かすことによって、リソグラフィ原版の欠陥部を修正するための位置合わせを行う。次に、チャンバー51内にアシストガスまたはデポジション用ガス供給手段56によりアシストガスまたはデポジション用ガスを供給し、リソグラフィ原版の欠陥部に照射手段55により荷電ビームを照射して、欠陥部を修正する。この際、黒欠陥部の場合はアシストガスを供給し、白欠陥部の場合はデポジション用ガスを供給する。次いで、排気手段57によりチャンバー51内からアシストガスまたはデポジション用ガスを排気する。次に、チャンバー51内に失活ガス供給手段(失活手段)58により失活ガスを供給して、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させた後、リソグラフィ原版に照射手段55により荷電ビームを照射して、修正後の欠陥部を確認する。例えば、電子顕微鏡や集束イオンビーム装置(照射手段55)によって、リソグラフィ原版に荷電ビームを照射し、リソグラフィ原版から放出された二次電子等を検出することで、修正後の欠陥部の像を観察する。この際、アシストガスまたはデポジション用ガスの排気後に、リソグラフィ原版の表面にアシストガスまたはデポジション用ガスが付着していたとしても、失活ガスによってアシストガスまたはデポジション用ガスを失活させることができるので、検査光である荷電ビームの照射による過剰なエッチングや不要な修正膜の堆積を抑制することができる。
まず、あらかじめ測定しておいた検査データに基づいて、リソグラフィ原版の欠陥部に照射手段55から荷電ビームが照射されるように、リソグラフィ原版が設置されたステージ52を移動してリソグラフィ原版の位置決めを行う。次に、チャンバー51内にアシストガスまたはデポジション用ガス供給手段56によりアシストガスまたはデポジション用ガスを供給し、リソグラフィ原版の欠陥部に照射手段55により荷電ビームを照射して、欠陥部を修正する。次いで、排気手段57によりチャンバー51内からアシストガスまたはデポジション用ガスを排気する。次に、チャンバー51内に光源(失活手段)59により紫外線または赤外線を照射して、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させた後、リソグラフィ原版に照射手段55により荷電ビームを照射して、修正後の欠陥部を確認する。例えば、電子顕微鏡や集束イオンビーム装置(照射手段55)によって、リソグラフィ原版に荷電ビームを照射し、リソグラフィ原版から放出された二次電子等を検出することで、修正後の欠陥部の像を観察する。この際、アシストガスまたはデポジション用ガスの排気後に、リソグラフィ原版の表面にアシストガスまたはデポジション用ガスが付着していたとしても、紫外線または赤外線の照射によってアシストガスまたはデポジション用ガスを失活させることができるので、検査光である荷電ビームの照射による過剰なエッチングや不要な修正膜の堆積を抑制することができる。
以下、本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置における各構成について説明する。
本発明における失活手段は、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させるものである。
なお、失活ガスについては、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法 3.失活工程」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
なお、温度については、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法 3.失活工程」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
なお、ドライ洗浄については、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法 3.失活工程」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明におけるアシストガスまたはデポジション用ガス供給手段は、チャンバー内にアシストガスまたはデポジション用ガスを供給するものである。
アシストガスまたはデポジション用ガス供給手段は、チャンバー内にアシストガスまたはデポジション用ガスを供給することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アシストガスまたはデポジション用ガスを局所的に噴射するものであってもよく、アシストガスまたはデポジション用ガスをチャンバー内全体に封入するものであってもよい。
なお、アシストガスおよびデポジション用ガスについては、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法 1.修正工程」に記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明における排気手段は、チャンバー内を排気するものである。
排気手段は、チャンバー内を排気できるものであれば特に限定されるものではなく、減圧ポンプ、真空ポンプ等の一般的な排気手段とすることができる。
本発明における照射手段は、荷電ビームを照射するものである。
照射手段は、荷電ビームを照射することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な照射手段とすることができる。荷電ビームが電子ビームの場合はSEM等の電子顕微鏡、イオンビームの場合は集束イオンビーム装置を用いることができる。電子顕微鏡や集束イオンビーム装置では、リソグラフィ原版に荷電ビームを照射して欠陥部を修正することができるとともに、リソグラフィ原版に荷電ビームを照射し、リソグラフィ原版から放出された二次電子等を検出することで、修正後の欠陥部の像を観察することができる。
なお、荷電ビームについては、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法 1.修正工程」に記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明におけるチャンバーは、リソグラフィ原版を収容するものである。
チャンバーは、リソグラフィ原版を収容することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的なチャンバーを用いることができる。
本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置は、上記の構成の他に、通常、リソグラフィ原版を設置するステージ等を有している。
[実施例1]
上記図10で示す通り、電子線リソグラフィプロセスを用いて、パターンサイズ(12)が25nmで凹部13が50nmのナノインプリントテンプレートを作製した。エッチング遮光枠(16)は膜厚5nmのCr酸化膜であり、塩素と酸素の混合ガスでドライエッチングして基板ガラス(15)を露出させ、Cr酸化膜(16)を遮光枠としてフッ素ガスでドライエッチングして基板ガラス部(11)に凹部13を形成し、Cr酸化膜(16)をウェットエッチングすることでテンプレートを形成することができる。
次に、上記ナノインプリントテンプレートに対して電子線検査を行い、欠陥部を全て検出して、欠陥部の座標を特定した。
アシストガスとして二フッ化キセノンを封入し、欠陥部に一定量の照射を行うことで欠陥部を修正した。なお、欠陥部に対する照射エリアや照射量は、パターンサイズや欠陥サイズに応じて調整する。さらに、欠陥があった箇所の掘り込み量は、すでに形成された凹部50nmより深いことが望ましいが、深くなりすぎないよう制御する必要がある。
次に、上記アシストガスを排出し、酸化性ガスとして水蒸気を封入し、一定時間後に水蒸気を排出した。アシストガス排出は5秒以内、酸化性ガスの封入時間は10秒程度、酸化性ガスの排出時間は5秒以内が望ましい。
その後、電子線をスキャンして修正箇所の形状を確認し、必要あれば上記修正を繰り返して形状を整える。
さらに、本テンプレートを用いてナノインプリントを行い、コピーテンプレートをエッチングしたところ、修正箇所近傍と非修正箇所の形状が揃った、コピーテンプレートを得ることができた。
実施例1と同様にして、ラインアンドスペースパターンを有し、石英から構成されるナノインプリントテンプレートを作製した。ラインアンドスペースパターンは、幅の比1:1、ハーフピッチ50nmとした。次に、実施例1と同様にして、欠陥部を修正した。その後、ナノインプリントテンプレートを酸化性ガスにさらすことなく、ナノインプリントテンプレートの表面にアシストガスが付着したままの状態で、SEMで電子線を走査して修正箇所を確認した。修正確認時のスキャンエリアは3μm□とした。
修正確認後、修正確認時のスキャンエリアについて、ナノインプリントテンプレートの表面および断面をAFMで観察した。AFMの観察領域は5μm□とした。図13(a)、(b)に修正確認工程後のナノインプリントテンプレートのAFM像を示す。図13(b)は図13(a)のA−A線断面図である。図13(a)、(b)から、修正確認時のSEM観察により、両矢印で示す幅で矩形状にエッチングされたことがわかる。
比較例1と同様にして、ラインアンドスペースパターンを有し、石英から構成されるナノインプリントテンプレートを作製した。ラインアンドスペースパターンは、幅の比1:1、ハーフピッチ25nmとした。次に、比較例1と同様にして、欠陥部を修正し、SEMで修正箇所を確認した。修正確認時のスキャンエリアは1.5μm□とした。修正確認工程後のナノインプリントテンプレートでは、比較例1と同様に、修正確認時のSEM観察により矩形状にエッチングされていた。
このナノインプリントテンプレートを用いて、石英基板上にハードマスク層が形成された被転写体にインプリントを行った。インプリント後、ハードマスク層の加工および石英基板のエッチングを行い、レプリカテンプレートを作製した。図14にレプリカテンプレートのSEM像を示す。図14から、修正確認時のスキャンエリアのラインパターンが太くなり、未解像部分が生じたことがわかる。
2 … アシストガス
3、5 … 荷電ビーム
4、8 … 失活ガス
6 … 白欠陥部
7 … デポジション用ガス
9 … 修正膜
10 … ナノインプリントテンプレート
11 … 基板部
12 … 凸部
13 … 凹部
14 … 酸化性ガス
20 … ハーフトーン型位相シフトマスク
21 … 透明基板
22 … 位相シフト層
23 … 遮光層
30 … EUVマスク
31 … 支持基板
32 … 多層反射層
33 … 吸収層
50 … リソグラフィ原版の欠陥修正装置
51 … チャンバー
55 … 照射手段
56 … アシストガスまたはデポジション用ガス供給手段
57 … 排気手段
58 … 失活ガス供給手段
Claims (9)
- リソグラフィ原版の黒欠陥部に、アシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする修正工程と、
前記アシストガスを排出する排出工程と、
前記排出工程後、前記アシストガスを失活させる失活工程と、
前記失活工程後、荷電ビームを照射して修正後の前記黒欠陥部を確認する修正確認工程と
を有することを特徴とするリソグラフィ原版の欠陥修正方法。 - 前記失活工程にて、前記アシストガスを失活させる失活ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載のリソグラフィ原版の欠陥修正方法。
- リソグラフィ原版の白欠陥部に、デポジション用ガスを供給しながら荷電ビームを照射して修正膜を堆積する修正工程と、
前記デポジション用ガスを排出する排出工程と、
前記排出工程後、前記デポジション用ガスを失活させる失活工程と、
前記失活工程後、荷電ビームを照射して修正後の前記白欠陥部を確認する修正確認工程と
を有することを特徴とするリソグラフィ原版の欠陥修正方法。 - 前記失活工程にて、前記デポジション用ガスを失活させる失活ガスを供給することを特徴とする請求項3に記載のリソグラフィ原版の欠陥修正方法。
- リソグラフィ原版の欠陥部にアシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする修正工程と、
前記修正工程後、前記リソグラフィ原版に酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給工程と、
前記酸化性ガス供給工程後、荷電ビームを照射して修正後の前記欠陥部を確認する修正確認工程と
を有することを特徴とするリソグラフィ原版の欠陥修正方法。 - 前記リソグラフィ原版がナノインプリントテンプレートであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載のリソグラフィ原版の欠陥修正方法。
- 請求項1から請求項6までのいずれかに記載のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を行うことにより、リソグラフィ原版の欠陥部を修正する欠陥修正工程を有することを特徴とするリソグラフィ原版の製造方法。
- 請求項1または請求項2に記載のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を実施するためのリソグラフィ原版の欠陥修正装置であって、
リソグラフィ原版を収容するチャンバーと、
荷電ビームを照射する照射手段と、
前記チャンバー内にアシストガスを供給するアシストガス供給手段と、
前記チャンバー内を排気する排気手段と、
前記アシストガスを失活させる失活手段と
を備えることを特徴とするリソグラフィ原版の欠陥修正装置。 - 請求項3または請求項4に記載のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を実施するためのリソグラフィ原版の欠陥修正装置であって、
リソグラフィ原版を収容するチャンバーと、
荷電ビームを照射する照射手段と、
前記チャンバー内にデポジション用ガスを供給するデポジション用ガス供給手段と、
前記チャンバー内を排気する排気手段と、
前記デポジション用ガスを失活させる失活手段と
を備えることを特徴とするリソグラフィ原版の欠陥修正装置。
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