JP6160159B2 - リソグラフィ原版の欠陥修正方法、製造方法および欠陥修正装置 - Google Patents

リソグラフィ原版の欠陥修正方法、製造方法および欠陥修正装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6160159B2
JP6160159B2 JP2013062744A JP2013062744A JP6160159B2 JP 6160159 B2 JP6160159 B2 JP 6160159B2 JP 2013062744 A JP2013062744 A JP 2013062744A JP 2013062744 A JP2013062744 A JP 2013062744A JP 6160159 B2 JP6160159 B2 JP 6160159B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
correction
gas
original plate
defect
lithography
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013062744A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013228711A (ja
Inventor
友一 稲月
友一 稲月
安部 司
司 安部
隆男 西口
隆男 西口
真吾 吉川
真吾 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2013062744A priority Critical patent/JP6160159B2/ja
Publication of JP2013228711A publication Critical patent/JP2013228711A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6160159B2 publication Critical patent/JP6160159B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ナノインプリントテンプレート、位相シフトマスク、EUVマスク等のリソグラフィ原版の欠陥修正方法、製造方法および欠陥修正装置に関するものである。
リソグラフィ原版の欠陥には、本来必要なパターンが欠損もしくは欠落しているもの(白欠陥)と、不要な余剰パターンや異物が存在しているもの(黒欠陥)とがある。白欠陥の場合には、欠損もしくは欠落部分に修正膜を堆積することにより正常なパターンを得ることができる。白欠陥の修正方法としては、デポジション用ガスを吹きつけながら電子ビームやイオンビームを照射して修正膜を堆積する方法が知られている。また、黒欠陥の場合には、余剰部分や異物を除去することにより正常なパターンを得ることができる。黒欠陥の修正方法としては、アシストガスを吹きつけながら電子ビームやイオンビームを照射してエッチングする方法が知られている。(例えば、特許文献1〜5参照)
リソグラフィ原版の製造工程においては、欠陥修正後の確認として検査が行われる。検査には電子顕微鏡や集束イオンビーム装置が用いられており、電子顕微鏡では電子ビーム、集束イオンビーム装置ではイオンビームが照射される。
特開平1−309245号公報 特開2005−44843号公報 特開2006−139049号公報 特開2009−188047号公報 特開2010−170019号公報
黒欠陥の修正にはアシストガスが用いられるため、欠陥修正後、リソグラフィ原版の表面にはアシストガスが付着した状態となっている。欠陥修正後にアシストガスは排気されるが、リソグラフィ原版の表面に付着したアシストガスを残らず排気するのは困難である。そのため、欠陥修正後の検査の際に、電子ビームやイオンビームが照射されると、リソグラフィ原版の表面はわずかにアシストガスが付着しているためにエッチングされてしまい、ダメージが発生する。このダメージは黒欠陥部だけでなく正常なパターンまで及び、リソグラフィ原版やアシストガスの種類等にもよるが約1〜2nmの厚みで過剰にエッチングされてしまう。特に、パターンのエッジはエッチングされやすい。その結果、パターンの寸法、形状、位相差、透過率、反射率等が変化し、リソグラフィ原版の精度を著しく低下させてしまう。
また、白欠陥の修正にはデポジション用ガスが用いられるため、欠陥修正後、リソグラフィ原版の表面にはデポジション用ガスが付着した状態となっている。欠陥修正後にデポジション用ガスは排気されるが、リソグラフィ原版の表面に付着したデポジション用ガスを残らず排気するのは困難である。そのため、欠陥修正後の検査の際に、電子ビームやイオンビームが照射されると、リソグラフィ原版の表面はわずかにデポジション用ガスが付着しているために修正膜が堆積されてしまう。この修正膜の堆積は白欠陥部だけでなく正常なパターンまで及ぶ。その結果、白欠陥の修正においても、上記の黒欠陥の修正と同様に、パターンの寸法、形状、位相差、透過率、反射率等が変化し、リソグラフィ原版の精度を著しく低下させてしまう。
リソグラフィ原版において、ナノインプリントテンプレートではパターンの寸法や形状の変化、位相シフトマスクではパターンの位相差や透過率の変化、EUVマスクではパターンの反射率の変化が、転写特性に大きく影響する。
特に、ナノインプリントテンプレートにおいては、ナノインプリントテンプレートの凹凸パターンを被転写体に押し付けて転写するため、ナノインプリントテンプレートの凹凸パターンの寸法や形状が変化すると、被転写体にそのまま転写されてしまい、不良パターンが形成されてしまう。
また、フォトマスクやEUVマスクでは、通常、4倍体のパターンを1/4に縮小露光するため、わずかなエッチングや修正膜の堆積であれば被転写体上には解像せず転写されないのに対し、ナノインプリントテンプレートでは、1倍体のパターンを原寸で転写するため、わずかなエッチングや修正膜の堆積といえども被転写体上に転写されてしまうという特有の問題がある。そのため、ナノインプリントテンプレートでは、特に高精度が要求される。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、欠陥修正後の検査によるエッチングや修正膜の堆積を抑制し、高精度なリソグラフィ原版を得ることが可能なリソグラフィ原版の欠陥修正方法、それを用いたリソグラフィ原版の製造方法、およびそれを実施するためのリソグラフィ原版の欠陥修正装置を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、リソグラフィ原版の欠陥部に、アシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする、または、デポジション用ガスを供給しながら荷電ビームを照射して修正膜を堆積する修正工程と、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを排出する排出工程と、上記排出工程後、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活工程と、上記失活工程後、荷電ビームを照射して修正後の上記欠陥部を確認する修正確認工程とを有することを特徴とするリソグラフィ原版の欠陥修正方法を提供する。
本発明によれば、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活工程を行うため、修正確認工程中でのエッチングや修正膜の堆積を抑制することができ、高精度なリソグラフィ原版を得ることが可能である。
上記発明においては、上記失活工程にて、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活ガスを供給することが好ましい。簡便な方法で失活化処理が可能となるからである。
また本発明は、リソグラフィ原版の欠陥部にアシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする修正工程と、上記修正工程後、上記リソグラフィ原版に酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給工程と、上記酸化性ガス供給工程後、荷電ビームを照射して修正後の上記欠陥部を確認する修正確認工程とを有することを特徴とするリソグラフィ原版の欠陥修正方法を提供する。
本発明によれば、酸化性ガスを供給することにより、アシストガスの反応性を抑制する、または、アシストガスを安定化させることができ、修正確認工程中でのエッチングを抑制することが可能である。
また本発明においては、上記リソグラフィ原版がナノインプリントテンプレートであることが好ましい。ナノインプリントテンプレートは等倍の原寸でパターンが転写されるため、高精度がより必要とされるからである。
また本発明は、上述のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を行うことにより、リソグラフィ原版の欠陥部を修正する欠陥修正工程を有することを特徴とするリソグラフィ原版の製造方法を提供する。
本発明のリソグラフィ原版の製造方法は、上述のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を行う欠陥修正工程を有するため、高精度なリソグラフィ原版を得ることができる。
さらに本発明は、上述のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を実施するためのリソグラフィ原版の欠陥修正装置であって、リソグラフィ原版を収容するチャンバーと、荷電ビームを照射する照射手段と、上記チャンバー内にアシストガスまたはデポジション用ガスを供給するアシストガスまたはデポジション用ガス供給手段と、上記チャンバー内を排気する排気手段と、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活手段とを備えることを特徴とするリソグラフィ原版の欠陥修正装置を提供する。
本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置は、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活手段を備えるため、上述のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を実施することができ、高精度なリソグラフィ原版を得ることが可能である。
上記発明においては、上記失活手段が、上記チャンバー内に上記アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活ガスを供給する失活ガス供給手段であることが好ましい。簡便な方法で失活化処理が可能となるからである。
本発明においては、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活工程を行うため、修正確認工程中でのエッチングや修正膜の堆積を抑制することができ、高精度なリソグラフィ原版を得ることが可能であるという効果を奏する。また本発明においては、酸化性ガスを供給することにより、修正確認工程中でのエッチングを抑制することもでき、高精度なリソグラフィ原版を得ることが可能であるという効果を奏する。
本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の一例を示すフローチャートである。 本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の一例を示す工程図である。 本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の他の例を示す工程図である。 本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の他の例を示す工程図である。 本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の他の例を示す工程図である。 ナノインプリントテンプレートを用いた転写方法の一例を示す工程図である。 本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の他の例を示すフローチャートである。 本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の他の例を示す工程図である。 本発明のリソグラフィ原版の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明のリソグラフィ原版の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置の一例を示す模式図である。 本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置の他の例を示す模式図である。 比較例1の修正確認後のナノインプリントテンプレートの表面および断面のAFM像である。 比較例2のレプリカテンプレートのSEM像である。
以下、本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正方法、それを用いたリソグラフィ原版の製造方法、およびそれを実施するためのリソグラフィ原版の欠陥修正装置について詳細に説明する。
本発明において、リソグラフィ原版とは、半導体装置、プリント基板、印刷版、液晶表示装置、プラズマディスプレイ等の微小パターンが形成された構造体の製造工程において、微小パターン形成用のエッチングに用いるマスクをパターニングするための原版をいう。このようなマスクとしては、例えば樹脂製のマスクが挙げられる。また、マスクのパターニング方法としては、例えば均一に形成した感光性レジスト層に選択的に光を照射して露光し、その後現像するフォトリソグラフィ法と、樹脂層にモールドを押し付けて成型するナノインプリント法とが挙げられる。
フォトリソグラフィ法に用いられるリソグラフィ原版とは、露光光を選択的に透過または反射させるマスクをいい、例えば、露光光として紫外光を用いるフォトマスク、露光光として極端紫外光(EUV)を用いるEUVマスクが挙げられる。また、ナノインプリント法に用いられるリソグラフィ原版としては、ナノインプリントテンプレートが挙げられる。
なお、リソグラフィ原版について、詳しくは後述する。
A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法
本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正方法は、2つの実施態様を有する。以下、各実施態様に分けて説明する。
I.第1実施態様
本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法は、リソグラフィ原版の欠陥部に、アシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする、または、デポジション用ガスを供給しながら荷電ビームを照射して修正膜を堆積する修正工程と、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを排出する排出工程と、上記排出工程後、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活工程と、上記失活工程後、荷電ビームを照射して修正後の上記欠陥部を確認する修正確認工程とを有することを特徴としている。
本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法について、図面を参照しながら説明する。
本実施態様においては、図示しないが、まず、欠陥部を有し修正が必要なリソグラフィ原版を準備する。欠陥部は、リソグラフィ原版をあらかじめ検査し、欠陥の種類、大きさ、位置等を測定し、検査データとしておく。
図1は、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を例示するフローチャートである。本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法は、欠陥の種類が黒欠陥部および白欠陥部のいずれであるかによって異なる。以下、黒欠陥部の修正方法および白欠陥部の修正方法に分けて説明する。
まず、黒欠陥部の修正方法について説明する。
図2(a)〜(f)は、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の一例を示す工程図であって、ナノインプリントテンプレートの黒欠陥部を修正する方法である。
図2(a)に示すように、まず、黒欠陥部1を有し修正が必要なナノインプリントテンプレート10を準備する。ナノインプリントテンプレート10は、平板状の基板部11上に凸部12および凹部13がパターン状に形成され、基板部11および凸部12が一体的に形成されたものであり、凸部12が余剰に存在している黒欠陥部1を有している。この黒欠陥部1を修正するには、まず、図2(b)に示すようにアシストガス2を供給し、図2(c)に示すように、アシストガス雰囲気中で黒欠陥部1に荷電ビーム3を局所的に照射して、黒欠陥部1をエッチングする(図1のステップS1、修正工程)。次いで、図2(d)に示すようにアシストガス2を排出する(図1のステップS2、排出工程)。次に、図2(e)に示すように、アシストガスを失活させる失活ガス4を供給する(図1のステップS3、失活工程)。この際、排出工程後にナノインプリントテンプレート10の表面にアシストガスが残っていたとしても、失活ガス4によってアシストガスは変性して活性を失うことになる。次に、図2(f)に示すように、ナノインプリントテンプレート10に荷電ビーム5を照射して修正後の黒欠陥部を確認する(図1のスッテプS4、修正確認工程)。例えば、荷電ビーム5として電子線を照射する走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したり、荷電ビーム5としてイオンビームを照射する集束イオンビーム装置で観察したりする。この際、アシストガスは活性を失っているため、検査光である荷電ビーム5の照射によってナノインプリントテンプレート10の表面がさらにエッチングされるのを抑制することができる。
図3(a)〜(f)は、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の他の例を示す工程図であって、フォトマスクの一つであるハーフトーン型位相シフトマスクの黒欠陥部を修正する方法である。
図3(a)に示すように、まず、黒欠陥部1を有し修正が必要なハーフトーン型位相シフトマスク20を準備する。ハーフトーン型位相シフトマスク20は、透明基板21と、透明基板21上にパターン状に形成された位相シフト層22と、位相シフト層22上にパターン状に形成された遮光層23とを有するものであり、位相シフト層22が余剰に存在している黒欠陥部1を有している。この黒欠陥部1を修正するには、まず、図3(b)に示すようにアシストガス2を供給し、図3(c)に示すように、アシストガス雰囲気中で黒欠陥部1に荷電ビーム3を局所的に照射して、黒欠陥部1をエッチングする(図1のステップS1、修正工程)。次いで、図3(d)に示すようにアシストガス2を排出する(図1のステップS2、排出工程)。次に、図3(e)に示すように、アシストガスを失活させる失活ガス4を供給する(図1のステップS3、失活工程)。この際、排出工程後に位相シフト層22および遮光層23の表面にアシストガスが残っていたとしても、失活ガス4によってアシストガスは変性して活性を失うことになる。次に、図3(f)に示すように、ハーフトーン型位相シフトマスク20に荷電ビーム5を照射して修正後の黒欠陥部を確認する(図1のステップS4、修正確認工程)。この際、アシストガスは活性を失っているため、検査光である荷電ビーム5の照射によって位相シフト層22および遮光層23の表面がさらにエッチングされるのを抑制することができる。
図4(a)〜(f)は、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の他の例を示す工程図であって、EUVマスクの黒欠陥部を修正する方法である。
図4(a)に示すように、まず、黒欠陥部1を有し修正が必要なEUVマスク30を準備する。EUVマスク30は、支持基板31と、支持基板31上の全面に形成された多層反射層32と、多層反射層32上にパターン状に形成された吸収層33とを有するものであり、吸収層33が余剰に存在している黒欠陥部1を有している。この黒欠陥部1を修正するには、まず、図4(b)に示すようにアシストガス2を供給し、図4(c)に示すように、アシストガス雰囲気中で黒欠陥部1に荷電ビーム3を局所的に照射して、黒欠陥部1をエッチングする(図1のステップS1、修正工程)。次いで、図4(d)に示すようにアシストガス2を排出する(図1のステップS2、排出工程)。次に、図4(e)に示すように、アシストガスを失活させる失活ガス4を供給する(図1のステップS3、失活工程)。この際、排出工程後に多層反射層32および吸収層33の表面にアシストガスが残っていたとしても、失活ガス4によってアシストガスは変性して活性を失うことになる。次に、図4(f)に示すように、EUVマスク30に荷電ビーム5を照射して修正後の黒欠陥部を確認する(図1のステップS4、修正確認工程)。この際、アシストガスは活性を失っているため、検査光である荷電ビーム5の照射によって多層反射層32および吸収層33の表面がさらにエッチングされるのを抑制することができる。
このように本実施態様においては、欠陥部が黒欠陥部である場合には、アシストガスを失活させる失活工程を行うため、修正確認工程ではアシストガスは活性を失っており過剰なエッチングを抑制することが可能である。
次に、白欠陥部の修正方法について説明する。
図5(a)〜(f)は、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の他の例を示す工程図であって、ナノインプリントテンプレートの白欠陥部を修正する方法である。
図5(a)に示すように、まず、白欠陥部6を有し修正が必要なナノインプリントテンプレート10を準備する。ナノインプリントテンプレート10は、平板状の基板部11上に凸部12および凹部13がパターン状に形成され、基板部11および凸部12が一体的に形成されたものであり、凸部12が欠落している白欠陥部6を有している。この白欠陥部6を修正するには、まず、図5(b)に示すようにデポジション用ガス7を供給し、図5(c)に示すように、デポジション用ガス雰囲気中で白欠陥部6に荷電ビーム3を局所的に照射して、白欠陥部6に修正膜9を堆積する(図1のステップS1、修正工程)。次いで、図5(d)に示すようにデポジション用ガス7を排出する(図1のステップS2、排出工程)。次に、図5(e)に示すように、デポジション用ガスを失活させる失活ガス8を供給する(図1のステップS3、失活工程)。この際、排出工程後にナノインプリントテンプレート10の表面にデポジション用ガスが残っていたとしても、失活ガス8によってデポジション用ガスは変性して活性を失うことになる。次に、図5(f)に示すように、ナノインプリントテンプレート10に荷電ビーム5を照射して修正後の白欠陥部を確認する(図1のステップS4、修正確認工程)。この際、デポジション用ガスは活性を失っているため、検査光である荷電ビーム5を照射しても、ナノインプリントテンプレート10の表面にさらに修正膜が堆積するのを抑制することができる。
なお、ハーフトーン型位相シフトマスクの白欠陥部の修正方法およびEUVマスクの白欠陥部の修正方法については図示しないが、図5(a)〜(f)に例示するナノインプリントテンプレートの白欠陥部の修正方法と同様であり、修正確認工程中の修正膜の堆積を抑制することができる。
このように本実施態様においては、欠陥部が白欠陥部である場合には、デポジション用ガスを失活させる失活工程を行うため、修正確認工程ではデポジション用ガスは活性を失っており不要な修正膜の堆積を抑制することが可能である。
したがって本実施態様においては、修正確認工程中での過剰なエッチングや不要な修正膜の堆積を抑制することができるので、修正工程後と修正確認工程後とで、リソグラフィ原版のパターンの寸法、形状、位相差、透過率、反射率等が変化してしまうのを抑制することができ、転写特性に優れる高精度なリソグラフィ原版を得ることが可能となる。
本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法は、黒欠陥部の修正方法であることが好ましく、リソグラフィ原版の欠陥部にアシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする修正工程と、上記アシストガスを排出する排出工程と、上記排出工程後、上記アシストガスを失活させる失活工程と、上記失活工程後、荷電ビームを照射して修正後の上記欠陥部を確認する修正確認工程とを有することが好ましい。
以下、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法における各工程、および本実施態様に適用されるリソグラフィ原版について説明する。
1.修正工程
本実施態様における修正工程は、リソグラフィ原版の欠陥部に、アシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする、または、デポジション用ガスを供給しながら荷電ビームを照射して修正膜を堆積する工程である。
本実施態様において、リソグラフィ原版の欠陥部は、黒欠陥部および白欠陥部のいずれであってもよい。以下、黒欠陥部および白欠陥部に分けて説明する。
(1)黒欠陥部
リソグラフィ原版の欠陥部が黒欠陥部である場合、修正工程では、黒欠陥部にアシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする。
荷電ビームとしては、黒欠陥部のみを局所的にエッチングできるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、電子ビームおよびイオンビームが挙げられる。中でも、電子ビームが好ましい。電子ビームはビームを数nmに細く絞ることができ、修正精度が高い。また、電子ビームはイオンビームより荷電粒子の質量が小さいため、リソグラフィ原版へのダメージが少ないからである。
アシストガスとしては、黒欠陥部をエッチングできるガスであれば特に限定されるものではなく、リソグラフィ原版の種類、エッチングするパターンの材質、荷電ビームの種類等に応じて適宜選択される。
例えば、ナノインプリントテンプレートの場合であって、電子ビームを用いる場合、アシストガスとしては、フッ化キセノン(XeF2)等が挙げられる。また、ナノインプリントテンプレートの場合であって、イオンビームを用いる場合、アシストガスとしては、フッ化キセノン(XeF2)、ヨウ素(I2)等が挙げられる。
ハーフトーン型位相シフトマスクの場合であって、電子ビームを用いる場合、アシストガスとしては、フッ化キセノン(XeF2)、ヨウ素(I2)、CF4、CHF3、塩素(Cl2)、CHCl3等が挙げられる。また、ハーフトーン型位相シフトマスクの場合であって、イオンビームを用いる場合、アシストガスとしては、ヨウ素(I2)等が挙げられる。
EUVマスクの場合、アシストガスとしては、フッ化キセノン(XeF2)、ヨウ素(I2)、SF6、CF4、NOx等が挙げられる。
アシストガスの供給方法としては、例えば、黒欠陥部にアシストガスを局所的に吹き付ける方法、リソグラフィ原版をアシストガスの雰囲気中に配置する方法等が挙げられる。リソグラフィ原版をアシストガスの雰囲気中に配置する場合には、リソグラフィ原版の表面全体にアシストガスが付着するため、修正確認工程においてリソグラフィ原版の表面全体が過剰にエッチングされてしまうことが懸念されるが、本実施態様においては上述したようにアシストガスを失活させる失活工程を行うので、そのような過剰なエッチングを抑制することができる。
(2)白欠陥部
リソグラフィ原版の欠陥部が白欠陥部である場合、修正工程では、白欠陥部にデポジション用ガスを供給しながら荷電ビームを照射して修正膜を堆積する。
荷電ビームとしては、白欠陥部のみに局所的に修正膜を堆積できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、電子ビームおよびイオンビームが挙げられる。中でも、電子ビームが好ましい。上述したように、電子ビームは、ビームを数nmに細く絞ることができ修正精度が高く、またイオンビームよりも荷電粒子の質量が小さいためリソグラフィ原版へのダメージが少ないからである。
デポジション用ガスとしては、荷電ビームを用いたCVD法を適用する場合に一般的に用いられるガスを使用することができ、リソグラフィ原版の種類、本来のパターンの材質や特性、荷電ビームの種類等に応じて適宜選択される。
例えば、ナノインプリントテンプレートの場合、デポジション用ガスには、ナノインプリントテンプレートを被転写体に押し付けても変形しない硬さを有する修正膜を堆積可能であることや、被転写体と反応しないことも求められる。ナノインプリントテンプレートの場合であって、電子ビームを用いる場合、デポジション用ガスとしては、フェナントレン、タングステンカルボニル(W(CO)6)、フッ化タングステン(WF6)、テトラエトキシシラン(TEOS)等が挙げられる。また、ナノインプリントテンプレートの場合であって、イオンビームを用いる場合、デポジション用ガスとしては、フェナントレン、タングステンカルボニル(W(CO)6)、テトラエトキシシラン(TEOS)等が挙げられる。
ハーフトーン型位相シフトマスクの場合、デポジション用ガスとしては、フェナントレン、ベンゼン、スチレン、ナフタレン、ピレン等の炭化水素系のガス、タングステンカルボニル(W(CO)6)、フッ化タングステン(WF6)、クロムカルボニル(Cr(CO)6)、コバルトカルボニル(Co2(CO)8)、鉄カルボニル(Fe(CO)5)、Trimethyl(methylcyclopentadienyl)platinum(MeCpPt(Me)3)等の金属含有ガス、テトラエトキシシラン(TEOS)、1,3,5,7-Tetramethylcyclotetra-siloxane等のシリコン含有ガスを用いることができる。
EUVマスクの場合、デポジション用ガスとしては、フェナントレン、ベンゼン、スチレン、ナフタレン、ピレン、CF4等の炭化水素系のガス、タングステンカルボニル(W(CO)6)、フッ化タングステン(WF6)、クロムカルボニル(Cr(CO)6)、コバルトカルボニル(Co2(CO)8)、鉄カルボニル(Fe(CO)5)、Trimethyl(methylcyclopentadienyl)platinum(MeCpPt(Me)3)等の金属含有ガス、テトラエトキシシラン(TEOS)、1,3,5,7-Tetramethylcyclotetra-siloxane等のシリコン含有ガスを用いることができる。
炭素を含む修正膜は、形状制御が容易であるという利点を有する。また、タングステンやクロム等の金属を含む修正膜は、高い遮光性を得ることができるという利点を有する。
デポジション用ガスの供給方法としては、例えば、白欠陥部にデポジション用ガスを局所的に吹き付ける方法、リソグラフィ原版をデポジション用ガスの雰囲気中に配置する方法等が挙げられる。リソグラフィ原版をデポジション用ガスの雰囲気中に配置する場合には、リソグラフィ原版の表面全体にデポジション用ガスが付着するため、修正確認工程においてリソグラフィ原版の表面全体に不要な修正膜が堆積されてしまうことが懸念されるが、本実施態様においては上述したようにデポジション用ガスを失活させる失活工程を行うので、そのような不要な修正膜の堆積を抑制することができる。
修正膜の厚みとしては、所望のパターンの寸法、形状、位相差、透過率、反射率等が得られる厚みであれば特に限定されるものではなく、リソグラフィ原版の種類および修正膜の組成等に応じて適宜選択される。
2.排出工程
本実施態様における排出工程は、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを排出する工程である。
アシストガスまたはデポジション用ガスの排出方法としては、アシストガスまたはデポジション用ガスを排出できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、減圧する方法が用いられる。
3.失活工程
本実施態様における失活工程は、上記排出工程後、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる工程である。
ここで、「失活」とは、アシストガスまたはデポジション用ガスの活性が失われ、反応を起こさなくなることをいう。
アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる方法としては、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活できる方法であれば特に限定されるものではなく、アシストガスおよびデポジション用ガスの種類に応じて適宜選択される。例えば、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活ガスを供給する方法、紫外線または赤外線を照射する方法、温度を調整する方法、所定の時間放置する方法、洗浄する方法等が挙げられる。これらの方法は組み合わせてもよい。
失活ガスを供給する方法において、失活ガスとしては、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活できるガスであれば特に限定されるものではなく、アシストガスおよびデポジション用ガスの種類等に応じて適宜選択される。例えば、アシストガスの場合、失活ガスとしては、酸化性ガスが用いられる。酸化性ガスとしては、アシストガスの種類等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、酸素、オゾン、水蒸気、過酸化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物、二酸化塩素等が挙げられる。これらの酸化性ガスは、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
失活ガスの供給方法としては、上記修正工程でのアシストガスおよびデポジション用ガスの供給方法等に応じて適宜選択される。例えば、上記修正工程においてアシストガスまたはデポジション用ガスを局所的に吹き付ける場合には、失活ガスの供給方法は、失活ガスをアシストガスまたはデポジション用ガスを局所的に吹き付けた箇所に局所的に吹き付ける方法、および、リソグラフィ原版を失活ガスの雰囲気中に配置する方法のいずれも適用することができる。一方、上記修正工程においてリソグラフィ原版をアシストガスまたはデポジション用ガスの雰囲気中に配置する場合には、失活ガスの供給方法は、リソグラフィ原版を失活ガスの雰囲気中に配置する方法が適用される。
温度を調整する方法においては、温度によってエッチング速度および堆積速度を調整できることから、温度を調整することによりエッチングおよび修正膜の堆積を抑制することが可能となる。さらに、温度を調整することで、リソグラフィ原版表面へのアシストガスまたはデポジション用ガスの付着を抑制したり、付着したアシストガスまたはデポジション用ガスを飛ばしたりすることもでき、修正確認工程中でのエッチングや修正膜の堆積を抑制することができる。
温度としては、エッチングまたは修正膜の堆積を抑制できる温度であり、またリソグラフィ原版に影響を及ぼさない温度であれば特に限定されるものではないが、通常は室温よりも高い温度に設定され、アシストガスおよびデポジション用ガスの種類等に応じて適宜選択される。中でも、温度は、アシストガスまたはデポジション用ガスが活性を失い得る温度であることが好ましい。
温度を調整する方法としては、所望の温度に調整できる方法であればよく、例えば加熱方法が挙げられる。加熱方法の場合、例えば上記の赤外線を照射する方法によっても加熱が可能である。
所定の時間放置する方法において、放置時間としては、アシストガスまたはデポジション用ガスが活性を失い得るのに十分な時間であれば特に限定されるものではなく、アシストガスおよびデポジション用ガスの種類等に応じて適宜選択される。例えば、アシストガスがフッ化キセノンの場合、放置時間は10分以上であることが好ましい。
洗浄する方法においては、洗浄することでリソグラフィ原版の表面に付着したアシストガスまたはデポジション用ガスを除去することができ、修正確認工程中でのエッチングや修正膜の堆積を抑制することができる。
洗浄する方法としては、ドライ洗浄およびウェット洗浄のいずれも用いることができる。ドライ洗浄の場合、酸素プラズマやUVオゾン等が挙げられる。また、ウェット洗浄の場合、リソグラフィ原版へのダメージが少なく、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させることができる、オゾン水またはアンモニア添加水素水等が挙げられる。
中でも、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる方法は、失活ガスを供給する方法であることが好ましい。簡便な方法で失活化処理が可能となるからである。
本実施態様において、失活工程は、排出工程後に行われるが、排出工程中に行ってもよく、排出工程前に行ってもよい。
失活工程を排出工程中に行う場合であって、失活ガスを供給する場合には、例えばアシストガスまたはデポジション用ガスの排出と同時に、失活ガスを供給してもよく、またアシストガスまたはデポジション用ガスを排出しながら失活ガスを供給して、アシストガスまたはデポジション用ガスと失活ガスとの置換を行ってもよい。また、失活工程を排出工程中に行う場合であって、温度を調整する場合には、アシストガスまたはデポジション用ガスの排出中に温度調整を開始してもよい。
また、失活工程を排出工程前に行う場合であって、失活ガスを供給する場合には、例えば十分な失活ガスを供給した後に、アシストガスまたはデポジション用ガスを排出すればよい。
中でも、失活工程は排出工程後に行うことが好ましい。この場合、失活工程では、排出工程後、リソグラフィ原版の表面にわずかに付着したアシストガスまたはデポジション用ガスを失活させればよいからである。
4.修正確認工程
本実施態様における修正確認工程は、上記失活工程後、荷電ビームを照射して修正後の上記欠陥部を確認する工程である。
荷電ビームとしては、修正後の欠陥部を検査できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、電子ビームおよびイオンビームが挙げられる。中でも、電子ビームが好ましい。上述したように、電子ビームは、ビームを数nmに細く絞ることができ精度が高く、またイオンビームよりも荷電粒子の質量が小さいためリソグラフィ原版へのダメージが少ないからである。電子ビームの場合、走査型電子顕微鏡(SEM)等の電子顕微鏡により検査することができる。
上記修正工程での荷電ビームと、修正確認工程での荷電ビームとは、同じであってもよく異なっていてもよいが、上記修正工程と修正確認工程とで荷電ビームが異なっている場合、検査光の荷電ビームにより過剰なエッチングや不要な修正膜の堆積が起こることがある。そのため、中でも、上記修正工程と修正確認工程とで荷電ビームは同じであることが好ましい。この場合、検査光の荷電ビームによる過剰なエッチングや不要な修正膜の堆積を抑制する効果が顕著になるからである。
修正確認工程では、修正後の欠陥部近傍のみを検査してもよく、リソグラフィ原版全体を検査してもよい。
5.その他の工程
本実施態様において、リソグラフィ原版に複数欠陥部が存在する場合等には、上記の修正工程、排出工程、失活工程および修正確認工程を繰り返し行ってもよい。
6.リソグラフィ原版
本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法が適用されるリソグラフィ原版としては、上述したように、例えば、フォトマスク、EUVマスク、ナノインプリントテンプレートが挙げられる。
フォトマスクとしては、数nmの厚みのエッチングまたは修正膜の堆積により位相差や透過率等が変化するものであることが好ましく、例えば、位相シフトマスクが挙げられる。位相シフトマスクとしては、例えば、ハーフトーン型位相シフトマスク、レベンソン型位相シフトマスク等のいずれであってもよい。
中でも、リソグラフィ原版はナノインプリントテンプレートであることが好ましい。フォトマスクやEUVマスクは縮小露光されるものであるのに対して、ナノインプリントテンプレートは等倍の原寸でパターンが転写されるため、高精度がより必要とされるからである。
ナノインプリントテンプレートは、合成石英、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム等の透明基板から構成され、その表面に凹凸パターンを有するものである。石英等から構成される凹凸パターンは、フォトマスクのパターンを構成するMoSiやCr、EUVマスクのパターンを構成するTaN等と比較して安定しており、アシストガスが付着しただけでは通常問題となるようなエッチングは生じ難い。しかしながら、修正確認工程時の修正後の欠陥部の観察では、同一領域に長時間荷電ビームを照射するため、荷電ビームのスキャンエリアの境界に段差が生じ、走査型電子顕微鏡(SEM)や原子間力顕微鏡(AFM)等で把握できる程度にまで段差が生じてしまう。例えばスキャンエリアは一辺が数μm程度の矩形状の領域である。このようにスキャンエリアが局所的にエッチングされてしまうと、修正することが非常に困難である。そして、ナノインプリントテンプレートにおいて局所的にエッチングされると、転写後の被転写体のパターンの残膜厚さが局所的に厚くなり、パターン寸法のばらつき度合いや、パターン寸法の目標値からのずれ量が大きくなってしまう。
ここで、ナノインプリントリソグラフィにおいて、被転写体に転写されたパターンの残膜厚さは、RLT(Residual Layer Thickness)と呼ばれる。このRLTに関しては、膜厚均一性が厳しく求められており、例えば、最大膜厚と最小膜厚の差が数nm以下に抑えることが求められており、1nm以下が特に好ましい。RLTは、パターンの寸法や材料等にもよるが、例えばナノインプリントテンプレートの凹凸パターンの凹部の深さ(被転写体に転写されたパターンの凸部の高さに相当)が50nm程度の場合、RLTは10nm程度である。なお、被転写体に転写されたパターンの残膜厚さとは、図6(a)〜(b)に例示するように基板41上に形成された樹脂層42aにナノインプリントテンプレート10の凹凸パターンを転写した場合に、転写された樹脂パターン42bの残膜部分の厚さtをいう。
これに対し本実施態様おいては、修正確認工程中のエッチングを抑制することができるため、ナノインプリントテンプレートの凹凸パターンを転写した場合には被転写体に局所的な寸法の異常無くパターンを形成することができ、被転写体に転写されたパターンの残膜厚さを均一にすることができる。
フォトマスク、EUVマスク、ナノインプリントテンプレートとしては、一般的なものを適用することができる。
II.第2実施態様
本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法は、リソグラフィ原版の欠陥部にアシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする修正工程と、上記修正工程後、上記リソグラフィ原版に酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給工程と、上記酸化性ガス供給工程後、荷電ビームを照射して修正後の上記欠陥部を確認する修正確認工程とを有することを特徴としている。本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法は、黒欠陥部の修正方法である。
本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法について、図面を参照しながら説明する。
図7は、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を例示するフローチャートである。図8(a)〜(e)は、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法の一例を示す工程図であって、ナノインプリントテンプレートの黒欠陥部を修正する方法である。なお、図8(a)に示すナノインプリントテンプレート10は、上記図2(a)に示すナノインプリントテンプレート10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
まず、図8(b)に示すようにアシストガス2を供給し、図8(c)に示すように、アシストガス雰囲気中で黒欠陥部1に荷電ビーム3を局所的に照射して、黒欠陥部1をエッチングする(図7のステップS1、修正工程)。次に、図8(d)に示すように、酸化性ガス14を供給し、ナノインプリントテンプレート10を酸化性ガス14にさらす(図7のステップS5、酸化性ガス供給工程)。この際、酸化性ガス14によってアシストガスの反応性を抑制する、またはアシストガスを安定化させることができる。次に、図8(e)に示すように、ナノインプリントテンプレート10に荷電ビーム5を照射して修正後の黒欠陥部を確認する(図7のスッテプS4、修正確認工程)。この際、アシストガスの反応性が抑制されている、またはアシストガスが安定化されているため、検査光である荷電ビーム5の照射によってナノインプリントテンプレート10の表面がさらにエッチングされるのを抑制することができる。
なお、ハーフトーン型位相シフトマスクの黒欠陥部の修正方法およびEUVマスクの黒欠陥部の修正方法については図示しないが、図8(a)〜(e)に例示するナノインプリントテンプレートの黒欠陥部の修正方法と同様であり、修正確認工程中のエッチングを抑制することができる。
このように本実施態様においては、酸化性ガスを供給することにより、アシストガスの反応性を抑制する、またはアシストガスを安定化させることができ、修正確認工程では過剰なエッチングを抑制することが可能である。
したがって本実施態様においては、修正確認工程中での過剰なエッチングを抑制することができるので、修正工程後と修正確認工程後とで、リソグラフィ原版のパターンの寸法、形状、位相差、透過率、反射率等が変化してしまうのを抑制することができ、転写特性に優れる高精度なリソグラフィ原版を得ることが可能となる。
また本実施態様においては、修正工程後に、アシストガスを排出する排出工程を行うことが好ましい。アシストガスを排出することで、修正確認工程中での過剰なエッチングをさらに抑制することができるからである。
なお、修正工程および修正確認工程、ならびにリソグラフィ原版については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、本実施態様のリソグラフィ原版の欠陥修正方法における他の工程について説明する。
1.酸化性ガス供給工程
本実施態様における酸化性ガス供給工程は、修正工程後、リソグラフィ原版に酸化性ガスを供給する工程である。
なお、酸化性ガスおよびその供給方法については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
酸化性ガスを供給する際には、例えばチャンバー内に酸化性ガスを供給してもよく、チャンバーを大気開放してもよい。
2.排出工程
本実施態様における排出工程は、修正工程後、アシストガスを排出する工程である。
なお、アシストガスの排出方法については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施態様において、排出工程は、修正工程後に行えばよく、例えば酸化性ガス供給工程前に行ってもよく、酸化性ガス供給工程中に行ってもよく、酸化性ガス供給工程後に行ってもよい。排出工程を酸化性ガス供給工程中に行う場合には、例えばアシストガスの排出と同時に、酸化性ガスを供給してもよく、またアシストガスを排出しながら酸化性ガスを供給して、アシストガスおよび酸化性ガスの置換を行ってもよい。また、排出工程を酸化性ガス供給工程後に行う場合には、例えば十分な酸化性ガスを供給した後に、アシストガスを排出することができる。
中でも、排出工程を酸化性ガス供給工程前に行うことが好ましい。この場合、酸化性ガス供給工程では、排出工程後、リソグラフィ原版の表面にわずかに付着したアシストガスについて反応性を抑制する、または安定化させればよいからである。
B.リソグラフィ原版の製造方法
本発明のリソグラフィ原版の製造方法は、上述のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を行うことにより、リソグラフィ原版の欠陥部を修正する欠陥修正工程を有することを特徴としている。
本発明のリソグラフィ原版の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図9は、本発明のリソグラフィ原版の製造方法を例示するフローチャートである。図10(a)〜(e)は、本発明のリソグラフィ原版の製造方法の一例を示す工程図であって、ナノインプリントテンプレートの製造方法である。
まず、図10(a)に示すように、リソグラフィ原版用ブランクを準備する(図9のステップS11、リソグラフィ原版用ブランク準備工程)。ナノインプリントテンプレートの場合、リソグラフィ原版用ブランクは、例えば、石英基板等の透明基板15上にCr膜等の導電膜16が形成されたものである。次に、図10(b)に示すように、導電膜16上に電子線レジスト膜41aを形成して、電子線42による描画および現像を行い、図10(c)に示すようにレジストパターン41bを形成する。次いで、図10(d)に示すように、レジストパターン41bをマスクとして導電膜16および透明基板15をエッチングした後、レジストパターン41bおよび導電膜16を除去し、図10(e)に示すようにパターン状の凸部12および凹部13を形成する(図9のステップS12、パターン形成工程)。これにより、平板状の基板部11上に凸部12および凹部13がパターン状に形成され、基板部11および凸部12が一体的に形成されたナノインプリントテンプレート10が得られる。次に、ナノインプリントテンプレート10の凸部12および凹部13のパターンを検査し、欠陥が検出された場合には、欠陥の種類、大きさ、位置等を測定する(図9のステップS13、欠陥検査工程)。
次に、ナノインプリントテンプレート10が黒欠陥部を有する場合には、図1のステップS1〜S4および図2(a)〜(f)に示すように黒欠陥部1を修正する(図9のステップS14、欠陥修正工程)。また、ナノインプリントテンプレート10が黒欠陥部を有する場合、図7のステップS1、S5、S4および図8(a)〜(e)に示すように黒欠陥部1を修正してもよい(図8のステップS14、欠陥修正工程)。なお、図1および図2(a)〜(f)ならびに図7および図8(a)〜(e)については、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。この場合、欠陥修正工程における修正確認工程中でのナノインプリントテンプレート10表面の過剰なエッチングを抑制することができる。
また、ナノインプリントテンプレート10が白欠陥部を有する場合には、図1のステップS1〜S4および図5(a)〜(f)に示すように白欠陥部6を修正する(図9のステップS14、欠陥修正工程)。なお、図1および図5(a)〜(f)については、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。この場合、欠陥修正工程における修正確認工程中でのナノインプリントテンプレート10表面への不要な修正膜の堆積を抑制することができる。
なお、ハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法およびEUVマスクの製造方法については図示しないが、ナノインプリントテンプレートの製造方法と同様に、欠陥修正工程における修正確認工程中でのエッチングや修正膜の堆積を抑制することができる。
このように本発明においては、上述のリソグラフィ原版の欠陥修正方法によって欠陥部を修正する欠陥修正工程を行うので、欠陥修正工程における修正確認工程中にパターンが過剰にエッチングされたり修正膜が不要に堆積されたりするのを抑制することができ、高精度なリソグラフィ原版を作製することが可能である。
以下、本発明のリソグラフィ原版の製造方法における各工程について説明する。
1.リソグラフィ原版用ブランク準備工程
本発明においては、まず、リソグラフィ原版用ブランクを準備する。
リソグラフィ原版用ブランクは、上述のリソグラフィ原版の種類に応じて適宜選択される。例えば、リソグラフィ原版がナノインプリントテンプレートの場合、リソグラフィ原版用ブランクには、合成石英、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム等から構成される透明基板や、透明基板上にCr膜等の導電膜が形成されたもの等を用いることができる。リソグラフィ原版がハーフトーン型位相シフトマスクの場合、リソグラフィ原版用ブランクには、透明基板上に位相シフト層が形成されたものや、透明基板上に位相シフト層および遮光層が順に積層されたもの等を用いることができる。リソグラフィ原版がEUVマスクの場合、リソグラフィ原版用ブランクには、支持基板上に多層反射層および吸収層が順に積層されたものや、支持基板上に多層反射層、バッファー層および吸収層が順に積層されたもの等を用いることができる。これらのリソグラフィ原版用ブランクとしては、一般的なものを適用することができる。
2.パターン形成工程
次に、本発明においては、パターンを形成する。
パターンは、上述のリソグラフィ原版の種類に応じて適宜選択される。例えば、リソグラフィ原版がナノインプリントテンプレートの場合、凸部および凹部のパターンを形成する。リソグラフィ原版がハーフトーン型位相シフトマスクの場合、位相シフト層のパターンや、位相シフト層および遮光層のパターンを形成する。リソグラフィ原版がEUVマスクの場合、吸収層のパターンを形成する。これらのパターンの形成方法としては、一般的な方法を適用することができる。
3.欠陥検査工程
次に、本発明においては、リソグラフィ原版の検査を行う。
リソグラフィ原版の検査では、欠陥の有無を検査し、欠陥が検出された場合には、欠陥の種類、大きさ、位置等を測定し、検査データとしておく。多くの場合、リソグラフィ原版は欠陥部を有している。
リソグラフィ原版の検査には、フォトマスク用検査装置や光学顕微鏡等を用いることができる。
4.欠陥修正工程
本発明における欠陥修正工程は、上述のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を行うことにより、リソグラフィ原版の欠陥部を修正する工程である。
なお、リソグラフィ原版の欠陥修正方法については、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法」に記載したので、ここでの説明は省略する。
C.リソグラフィ原版の欠陥修正装置
本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置は、上述のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を実施するためのリソグラフィ原版の欠陥修正装置であって、リソグラフィ原版を収容するチャンバーと、荷電ビームを照射する照射手段と、上記チャンバー内にアシストガスまたはデポジション用ガスを供給するアシストガスまたはデポジション用ガス供給手段と、上記チャンバー内を排気する排気手段と、上記アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置について、図面を参照しながら説明する。
図11は、本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置の一例を示す模式図である。リソグラフィ原版の欠陥修正装置50においては、リソグラフィ原版を収容するチャンバー51が設けられており、チャンバー51内には、リソグラフィ原版を設置するステージ52が設けられている。また、チャンバー51内には、荷電ビームを出射するビーム源53と、ビーム源53から出射された荷電ビームをリソグラフィ原版に導く光学系54とを備える照射手段55が設けられている。例えば、ビーム源53が電子銃の場合、電子銃(ビーム源)53および光学系54により電子顕微鏡(照射手段)55が構成される。また、ビーム源53がイオン源の場合、イオン源(ビーム源)53および光学系54により集束イオンビーム装置(照射手段)55が構成される。電子顕微鏡や集束イオンビーム装置(照射手段55)は、図示しないが、二次電子等を検出する検出器を備えている。さらに、リソグラフィ原版の欠陥修正装置50には、チャンバー51内にアシストガスまたはデポジション用ガスを供給するアシストガスまたはデポジション用ガス供給手段56と、チャンバー51内を排気する排気手段57と、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活ガスを供給する失活ガス供給手段(失活手段)58とが設けられている。
図11に示すリソグラフィ原版の欠陥修正装置を用いてリソグラフィ原版の欠陥部を修正する方法について説明する。
まず、あらかじめ測定しておいた検査データに基づいて、リソグラフィ原版の欠陥部に照射手段55から荷電ビームが照射されるように、リソグラフィ原版が設置されたステージ52を移動してリソグラフィ原版の位置決めを行う。ステージ52は、XYZ方向へリソグラフィ原版を移動させるものであり、このステージ52を動かすことによって、リソグラフィ原版の欠陥部を修正するための位置合わせを行う。次に、チャンバー51内にアシストガスまたはデポジション用ガス供給手段56によりアシストガスまたはデポジション用ガスを供給し、リソグラフィ原版の欠陥部に照射手段55により荷電ビームを照射して、欠陥部を修正する。この際、黒欠陥部の場合はアシストガスを供給し、白欠陥部の場合はデポジション用ガスを供給する。次いで、排気手段57によりチャンバー51内からアシストガスまたはデポジション用ガスを排気する。次に、チャンバー51内に失活ガス供給手段(失活手段)58により失活ガスを供給して、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させた後、リソグラフィ原版に照射手段55により荷電ビームを照射して、修正後の欠陥部を確認する。例えば、電子顕微鏡や集束イオンビーム装置(照射手段55)によって、リソグラフィ原版に荷電ビームを照射し、リソグラフィ原版から放出された二次電子等を検出することで、修正後の欠陥部の像を観察する。この際、アシストガスまたはデポジション用ガスの排気後に、リソグラフィ原版の表面にアシストガスまたはデポジション用ガスが付着していたとしても、失活ガスによってアシストガスまたはデポジション用ガスを失活させることができるので、検査光である荷電ビームの照射による過剰なエッチングや不要な修正膜の堆積を抑制することができる。
図12は、本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置の他の例を示す模式図である。リソグラフィ原版の欠陥修正装置50においては、リソグラフィ原版を収容するチャンバー51が設けられており、チャンバー51内には、リソグラフィ原版を設置するステージ52が設けられている。また、チャンバー51内には、荷電ビームを出射するビーム源53と、ビーム源53から出射された荷電ビームをリソグラフィ原版に導く光学系54とを備える照射手段55が設けられている。さらに、リソグラフィ原版の欠陥修正装置50には、チャンバー51内にアシストガスまたはデポジション用ガスを供給するアシストガスまたはデポジション用ガス供給手段56と、チャンバー51内を排気する排気手段57と、チャンバー51内に紫外線または赤外線を照射する光源(失活手段)59とが設けられている。
図12に示すリソグラフィ原版の欠陥修正装置を用いてリソグラフィ原版の欠陥部を修正する方法について説明する。
まず、あらかじめ測定しておいた検査データに基づいて、リソグラフィ原版の欠陥部に照射手段55から荷電ビームが照射されるように、リソグラフィ原版が設置されたステージ52を移動してリソグラフィ原版の位置決めを行う。次に、チャンバー51内にアシストガスまたはデポジション用ガス供給手段56によりアシストガスまたはデポジション用ガスを供給し、リソグラフィ原版の欠陥部に照射手段55により荷電ビームを照射して、欠陥部を修正する。次いで、排気手段57によりチャンバー51内からアシストガスまたはデポジション用ガスを排気する。次に、チャンバー51内に光源(失活手段)59により紫外線または赤外線を照射して、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させた後、リソグラフィ原版に照射手段55により荷電ビームを照射して、修正後の欠陥部を確認する。例えば、電子顕微鏡や集束イオンビーム装置(照射手段55)によって、リソグラフィ原版に荷電ビームを照射し、リソグラフィ原版から放出された二次電子等を検出することで、修正後の欠陥部の像を観察する。この際、アシストガスまたはデポジション用ガスの排気後に、リソグラフィ原版の表面にアシストガスまたはデポジション用ガスが付着していたとしても、紫外線または赤外線の照射によってアシストガスまたはデポジション用ガスを失活させることができるので、検査光である荷電ビームの照射による過剰なエッチングや不要な修正膜の堆積を抑制することができる。
このように本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置は、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活手段を備えるので、上述のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を実施することができ、高精度なリソグラフィ原版を得ることが可能である。
以下、本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置における各構成について説明する。
1.失活手段
本発明における失活手段は、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活させるものである。
失活手段としては、アシストガスまたはデポジション用ガスを失活できるものであれば特に限定されるものではなく、アシストガスおよびデポジション用ガスの種類に応じて適宜選択される。例えば、チャンバー内にアシストガスまたはデポジション用ガスを失活させる失活ガスを供給する失活ガス供給手段、紫外線または赤外線を照射する光源、チャンバー内の温度を調整する温度調整手段、リソグラフィ原版を洗浄する洗浄手段等が挙げられる。本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置は、複数種類の失活手段を有していてもよい。
失活ガス供給手段としては、後述のアシストガスまたはデポジション用ガス供給手段等に応じて適宜選択される。例えば、アシストガスまたはデポジション用ガス供給手段がアシストガスまたはデポジション用ガスを局所的に噴射するものである場合には、失活ガス供給手段は、失活ガスを局所的に噴射するもの、および、失活ガスをチャンバー内全体に封入するもののいずれも適用することができる。一方、アシストガスまたはデポジション用ガス供給手段がアシストガスまたはデポジション用ガスをチャンバー内全体に封入するものである場合には、失活ガス供給手段は、失活ガスをチャンバー内全体に封入するものが適用される。
なお、失活ガスについては、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法 3.失活工程」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
光源としては、紫外線または赤外線を照射できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な光源を用いることができる。
温度調整手段としては、所望の温度に調整できるものであればよく、例えば加熱手段が挙げられる。加熱手段の場合、例えば上記の赤外線を照射する光源も加熱手段となり得る。
なお、温度については、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法 3.失活工程」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
洗浄手段としては、ドライ洗浄手段が用いられる。
なお、ドライ洗浄については、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法 3.失活工程」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
中でも、失活手段は、失活ガス供給手段であることが好ましい。簡便な方法で失活化処理が可能となるからである。
2.アシストガスまたはデポジション用ガス供給手段
本発明におけるアシストガスまたはデポジション用ガス供給手段は、チャンバー内にアシストガスまたはデポジション用ガスを供給するものである。
アシストガスまたはデポジション用ガス供給手段は、チャンバー内にアシストガスまたはデポジション用ガスを供給することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アシストガスまたはデポジション用ガスを局所的に噴射するものであってもよく、アシストガスまたはデポジション用ガスをチャンバー内全体に封入するものであってもよい。
なお、アシストガスおよびデポジション用ガスについては、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法 1.修正工程」に記載したので、ここでの説明は省略する。
3.排気手段
本発明における排気手段は、チャンバー内を排気するものである。
排気手段は、チャンバー内を排気できるものであれば特に限定されるものではなく、減圧ポンプ、真空ポンプ等の一般的な排気手段とすることができる。
4.照射手段
本発明における照射手段は、荷電ビームを照射するものである。
照射手段は、荷電ビームを照射することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な照射手段とすることができる。荷電ビームが電子ビームの場合はSEM等の電子顕微鏡、イオンビームの場合は集束イオンビーム装置を用いることができる。電子顕微鏡や集束イオンビーム装置では、リソグラフィ原版に荷電ビームを照射して欠陥部を修正することができるとともに、リソグラフィ原版に荷電ビームを照射し、リソグラフィ原版から放出された二次電子等を検出することで、修正後の欠陥部の像を観察することができる。
なお、荷電ビームについては、上記「A.リソグラフィ原版の欠陥修正方法 1.修正工程」に記載したので、ここでの説明は省略する。
5.チャンバー
本発明におけるチャンバーは、リソグラフィ原版を収容するものである。
チャンバーは、リソグラフィ原版を収容することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的なチャンバーを用いることができる。
6.その他の構成
本発明のリソグラフィ原版の欠陥修正装置は、上記の構成の他に、通常、リソグラフィ原版を設置するステージ等を有している。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
上記図10で示す通り、電子線リソグラフィプロセスを用いて、パターンサイズ(12)が25nmで凹部13が50nmのナノインプリントテンプレートを作製した。エッチング遮光枠(16)は膜厚5nmのCr酸化膜であり、塩素と酸素の混合ガスでドライエッチングして基板ガラス(15)を露出させ、Cr酸化膜(16)を遮光枠としてフッ素ガスでドライエッチングして基板ガラス部(11)に凹部13を形成し、Cr酸化膜(16)をウェットエッチングすることでテンプレートを形成することができる。
次に、上記ナノインプリントテンプレートに対して電子線検査を行い、欠陥部を全て検出して、欠陥部の座標を特定した。
次に、図11に示すステージ52にテンプレートを置き、真空に引いた雰囲気中において上記検査から特定した欠陥箇所を電子線で観察し、スキャンエリア内における欠陥部の位置を特定した。スキャンエリアは約2μmである。
アシストガスとして二フッ化キセノンを封入し、欠陥部に一定量の照射を行うことで欠陥部を修正した。なお、欠陥部に対する照射エリアや照射量は、パターンサイズや欠陥サイズに応じて調整する。さらに、欠陥があった箇所の掘り込み量は、すでに形成された凹部50nmより深いことが望ましいが、深くなりすぎないよう制御する必要がある。
次に、上記アシストガスを排出し、酸化性ガスとして水蒸気を封入し、一定時間後に水蒸気を排出した。アシストガス排出は5秒以内、酸化性ガスの封入時間は10秒程度、酸化性ガスの排出時間は5秒以内が望ましい。
その後、電子線をスキャンして修正箇所の形状を確認し、必要あれば上記修正を繰り返して形状を整える。
以上を全欠陥に対して行うことで、修正前後のスキャンエリアにダメージがない、つまり修正箇所近傍と非修正エリアの高さが揃った、ナノインプリントテンプレートを得ることができた。
さらに、本テンプレートを用いてナノインプリントを行い、コピーテンプレートをエッチングしたところ、修正箇所近傍と非修正箇所の形状が揃った、コピーテンプレートを得ることができた。
[比較例1]
実施例1と同様にして、ラインアンドスペースパターンを有し、石英から構成されるナノインプリントテンプレートを作製した。ラインアンドスペースパターンは、幅の比1:1、ハーフピッチ50nmとした。次に、実施例1と同様にして、欠陥部を修正した。その後、ナノインプリントテンプレートを酸化性ガスにさらすことなく、ナノインプリントテンプレートの表面にアシストガスが付着したままの状態で、SEMで電子線を走査して修正箇所を確認した。修正確認時のスキャンエリアは3μm□とした。
修正確認後、修正確認時のスキャンエリアについて、ナノインプリントテンプレートの表面および断面をAFMで観察した。AFMの観察領域は5μm□とした。図13(a)、(b)に修正確認工程後のナノインプリントテンプレートのAFM像を示す。図13(b)は図13(a)のA−A線断面図である。図13(a)、(b)から、修正確認時のSEM観察により、両矢印で示す幅で矩形状にエッチングされたことがわかる。
[比較例2]
比較例1と同様にして、ラインアンドスペースパターンを有し、石英から構成されるナノインプリントテンプレートを作製した。ラインアンドスペースパターンは、幅の比1:1、ハーフピッチ25nmとした。次に、比較例1と同様にして、欠陥部を修正し、SEMで修正箇所を確認した。修正確認時のスキャンエリアは1.5μm□とした。修正確認工程後のナノインプリントテンプレートでは、比較例1と同様に、修正確認時のSEM観察により矩形状にエッチングされていた。
このナノインプリントテンプレートを用いて、石英基板上にハードマスク層が形成された被転写体にインプリントを行った。インプリント後、ハードマスク層の加工および石英基板のエッチングを行い、レプリカテンプレートを作製した。図14にレプリカテンプレートのSEM像を示す。図14から、修正確認時のスキャンエリアのラインパターンが太くなり、未解像部分が生じたことがわかる。
1 … 黒欠陥部
2 … アシストガス
3、5 … 荷電ビーム
4、8 … 失活ガス
6 … 白欠陥部
7 … デポジション用ガス
9 … 修正膜
10 … ナノインプリントテンプレート
11 … 基板部
12 … 凸部
13 … 凹部
14 … 酸化性ガス
20 … ハーフトーン型位相シフトマスク
21 … 透明基板
22 … 位相シフト層
23 … 遮光層
30 … EUVマスク
31 … 支持基板
32 … 多層反射層
33 … 吸収層
50 … リソグラフィ原版の欠陥修正装置
51 … チャンバー
55 … 照射手段
56 … アシストガスまたはデポジション用ガス供給手段
57 … 排気手段
58 … 失活ガス供給手段

Claims (9)

  1. リソグラフィ原版の黒欠陥部に、アシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする修正工程と、
    前記アシストガスを排出する排出工程と、
    前記排出工程後、前記アシストガスを失活させる失活工程と、
    前記失活工程後、荷電ビームを照射して修正後の前記黒欠陥部を確認する修正確認工程と
    を有することを特徴とするリソグラフィ原版の欠陥修正方法。
  2. 前記失活工程にて、前記アシストガスを失活させる失活ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載のリソグラフィ原版の欠陥修正方法。
  3. リソグラフィ原版の白欠陥部に、デポジション用ガスを供給しながら荷電ビームを照射して修正膜を堆積する修正工程と、
    前記デポジション用ガスを排出する排出工程と、
    前記排出工程後、前記デポジション用ガスを失活させる失活工程と、
    前記失活工程後、荷電ビームを照射して修正後の前記白欠陥部を確認する修正確認工程と
    を有することを特徴とするリソグラフィ原版の欠陥修正方法。
  4. 前記失活工程にて、前記デポジション用ガスを失活させる失活ガスを供給することを特徴とする請求項3に記載のリソグラフィ原版の欠陥修正方法。
  5. リソグラフィ原版の欠陥部にアシストガスを供給しながら荷電ビームを照射してエッチングする修正工程と、
    前記修正工程後、前記リソグラフィ原版に酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給工程と、
    前記酸化性ガス供給工程後、荷電ビームを照射して修正後の前記欠陥部を確認する修正確認工程と
    を有することを特徴とするリソグラフィ原版の欠陥修正方法。
  6. 前記リソグラフィ原版がナノインプリントテンプレートであることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれかに記載のリソグラフィ原版の欠陥修正方法。
  7. 請求項1から請求項までのいずれかに記載のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を行うことにより、リソグラフィ原版の欠陥部を修正する欠陥修正工程を有することを特徴とするリソグラフィ原版の製造方法。
  8. 請求項1または請求項2に記載のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を実施するためのリソグラフィ原版の欠陥修正装置であって、
    リソグラフィ原版を収容するチャンバーと、
    荷電ビームを照射する照射手段と、
    前記チャンバー内にアシストガスを供給するアシストガス供給手段と、
    前記チャンバー内を排気する排気手段と、
    前記アシストガスを失活させる失活手段と
    を備えることを特徴とするリソグラフィ原版の欠陥修正装置。
  9. 請求項3または請求項4に記載のリソグラフィ原版の欠陥修正方法を実施するためのリソグラフィ原版の欠陥修正装置であって、
    リソグラフィ原版を収容するチャンバーと、
    荷電ビームを照射する照射手段と、
    前記チャンバー内にデポジション用ガスを供給するデポジション用ガス供給手段と、
    前記チャンバー内を排気する排気手段と、
    前記デポジション用ガスを失活させる失活手段と
    を備えることを特徴とするリソグラフィ原版の欠陥修正装置。
JP2013062744A 2012-03-26 2013-03-25 リソグラフィ原版の欠陥修正方法、製造方法および欠陥修正装置 Active JP6160159B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013062744A JP6160159B2 (ja) 2012-03-26 2013-03-25 リソグラフィ原版の欠陥修正方法、製造方法および欠陥修正装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012069135 2012-03-26
JP2012069135 2012-03-26
JP2013062744A JP6160159B2 (ja) 2012-03-26 2013-03-25 リソグラフィ原版の欠陥修正方法、製造方法および欠陥修正装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013228711A JP2013228711A (ja) 2013-11-07
JP6160159B2 true JP6160159B2 (ja) 2017-07-12

Family

ID=49676340

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013062744A Active JP6160159B2 (ja) 2012-03-26 2013-03-25 リソグラフィ原版の欠陥修正方法、製造方法および欠陥修正装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6160159B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5962353B2 (ja) * 2012-09-06 2016-08-03 大日本印刷株式会社 ナノインプリントリソグラフィ用テンプレートの製造方法
JP6379937B2 (ja) * 2014-09-30 2018-08-29 大日本印刷株式会社 ステージ制御方法、修正テンプレートの製造方法、およびテンプレート観察修正装置
JP6467862B2 (ja) * 2014-10-22 2019-02-13 大日本印刷株式会社 ナノインプリントリソグラフィ用マスクの修正方法およびナノインプリントリソグラフィ用マスクの製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04125642A (ja) * 1990-09-18 1992-04-27 Hitachi Ltd フォトマスクの欠陥修正方法
JP3739573B2 (ja) * 1998-07-27 2006-01-25 エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 フォトマスクの欠陥修正方法及びそれに用いる装置
WO2003012551A1 (en) * 2001-07-27 2003-02-13 Fei Company Electron beam processing
JP2005044843A (ja) * 2003-07-23 2005-02-17 Sii Nanotechnology Inc ナノインプリントリソグラフィ用の原版の欠陥修正方法
JP4652725B2 (ja) * 2004-06-09 2011-03-16 エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 フォトマスク欠陥修正方法
JP2010109164A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Toshiba Corp Euvマスクの欠陥修正方法
JP2010170019A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Toshiba Corp リソグラフィ原版の異物除去方法及びリソグラフィ原版の製造方法
JP2012063699A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Toppan Printing Co Ltd 透過型フォトマスクの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013228711A (ja) 2013-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10732501B2 (en) Method and device for permanently repairing defects of absent material of a photolithographic mask
JP5930022B2 (ja) 集束粒子ビームを用いて基板を処理する方法及び装置
JP2010170019A (ja) リソグラフィ原版の異物除去方法及びリソグラフィ原版の製造方法
JP3993125B2 (ja) グレートーンマスクの欠陥修正方法
US20150107617A1 (en) Method of cleaning photomask
JP6160159B2 (ja) リソグラフィ原版の欠陥修正方法、製造方法および欠陥修正装置
JP2014216365A (ja) ナノインプリントリソグラフィ用マスクの製造方法
Shoki et al. Process development of 6-in EUV mask with TaBN absorber
JP6229291B2 (ja) ナノインプリントリソグラフィ用マスクの製造方法
JP5962353B2 (ja) ナノインプリントリソグラフィ用テンプレートの製造方法
TW201823847A (zh) 遠紫外線對準標記的形成方法及具有對準標記的裝置
TW201426166A (zh) 修復微影光罩的方法及裝置
WO2019049919A1 (ja) フォトマスクブランクス、フォトマスク、露光方法、及び、デバイスの製造方法
TWI818992B (zh) 相位移光罩坯料、相位移光罩坯料之製造方法、相位移光罩、相位移光罩之製造方法、曝光方法、以及元件製造方法
JP3761681B2 (ja) フォトマスク欠損欠陥修正方法
JP4202770B2 (ja) 防塵装置付きフォトマスクおよび露光方法、検査方法と修正方法
US11474428B2 (en) Photomask and method of repairing photomask
KR20120081661A (ko) 자기조립단분자층을 이용한 포토마스크의 형성방법
JP5541128B2 (ja) 反射型マスク、反射型マスクの製造方法、および反射型マスク欠陥修正装置
JP5691677B2 (ja) 反射型フォトマスクの位相欠陥修正方法
JP6467862B2 (ja) ナノインプリントリソグラフィ用マスクの修正方法およびナノインプリントリソグラフィ用マスクの製造方法
JP2001102296A (ja) レチクルパターン欠陥修正方法
JP2023534302A (ja) リソグラフィマスクの欠陥を修復する方法および装置
CN116057468A (zh) 用于蚀刻光刻掩模的方法与设备
JP2011054719A (ja) 反射型フォトマスク、露光量制御方法及び露光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170516

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170529

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6160159

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150