JP2001102296A - レチクルパターン欠陥修正方法 - Google Patents

レチクルパターン欠陥修正方法

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JP2001102296A
JP2001102296A JP2000226738A JP2000226738A JP2001102296A JP 2001102296 A JP2001102296 A JP 2001102296A JP 2000226738 A JP2000226738 A JP 2000226738A JP 2000226738 A JP2000226738 A JP 2000226738A JP 2001102296 A JP2001102296 A JP 2001102296A
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Sumuto Shimizu
澄人 清水
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷電粒子線露光装置に使用されるレチクルを
製作する場合、パターン欠陥のないレチクルを作る事は
事実上不可能であり、何らかの修正が必要である。しか
しながら、従来よりも格段に高精細なパターン形成が要
求されるレチクル修正を可能にする方法がなかった。 【解決手段】 レチクルパターンの修正工程中におい
て、必要な適性を有する物質を必要な部分に容易にデポ
ジットする方法と設計値より出た余分な基板物質を高精
度に除去する方法を使い分けることを基本として、欠陥
部の検査工程、物質のデポジット工程、修正後の検査工
程、設計値より出た部分の除去工程を有するようにし
た。デポジット工程には、材料ガスを供給しながらイオ
ンビームあるいは電子線等を照射させてFIB誘導成膜
法あるいはEB誘導成膜法が、不要部の除去には、FI
Bによる選択的ミリングエッチング法、あるいは選択的
ガスアシストエッチング法による選択的エッチング法が
有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子線縮小投
影によるリソグラフィに用いられるレチクルパターンの
修正法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子線投影リソグラフィ(EPL)用の
レチクルとして、電子線の吸収によるレチクルの温度上
昇とそれに伴うレチクルの熱膨張を避けるために、電子
散乱体からなる基板(例えば、数ミクロン以下のSiメ
ンブレイン)に開口を設けてパターン形成を行ったレチ
クルが使用されており、ステンシル型レチクル(又は、
その特性上散乱ステンシル型レチクル)と呼ばれてい
る。その他のEPL用のレチクルとして、いわゆる散乱
メンブレン型と呼ばれるメンブレン型レチクルあるいは
その改良型レチクルなどいくつかのレチクル構造が提案
されている。メンブレン型レチクルはSiNx、SiCなどの
極薄い薄膜上(100nm以下)に電子散乱体となる適
当な厚さ(50〜60nm厚前後)の金属パターン(例
えばW、Ta、Auなど)を配した構造となっている。
金属パターン下層にはバインディング層としてCr、T
iなどが極薄く入ることもある。また、改良型メンブレ
ンレチクルでは、極薄い(数十nm厚)軽元素膜(例え
ば、ダイヤモンドライクカーボン;DLC膜など)上に
Si系の散乱体パターンを配した構造などが提案されて
いる。また、イオンビームリソグラフィ(IPL)では
EPLとほぼ同様の散乱ステンシル型レチクルをマスク
として用いる。同レチクルではEPL用散乱ステンシル
型レチクル同様、Si材料をその主構成材料とし、異な
るのはその膜厚が約3μmと若干厚めなことだけであ
る。このような、荷電粒子線縮小投影リソグラフィに用
いるレチクルは、その作製時に必ずパターン欠陥が生じ
てしまい、現在実用化されている紫外光を用いた縮小投
影露光用フォトレチクルのパターン欠陥修正同様、該レ
チクルパターンの欠陥修正技術の開発が急務である。
【0003】パターン欠陥には、必要な荷電粒子線散乱
体パターンに欠けがある場合(白欠陥)や不必要な荷電
粒子線散乱体が残っている場合(黒欠陥)である。一般
的に、白欠陥は荷電粒子散乱体のパターン転写時のレジ
ストパターン描画時(EB)のエラーに起因することが
多く、レジストパターンが欠けた部分がそのまま白欠陥
となる。一方、黒欠陥ではレジストパターン上にゴミな
どのエッチングマスクになりうるものが付着した時など
に発生し、不必要な部分に荷電粒子線散乱体が残ってし
まい、欠陥となる。このようなレチクル欠陥はg線から
エキシマ光に対応するフォトマスクでも発生し、レチク
ルリペア装置が実用化されている。フォトマスクにおけ
る黒欠陥修正はイオンビームエッチング法にて遮光材で
あるクロムを局所的に除去し、白欠陥修正では集束イオ
ンビームによる誘導成膜法にてカーボン膜を選択的にデ
ポジットさせる。また、現在開発中のX線等倍露光法や
極紫外縮小投影露光法に用いられるマスクでは黒欠陥、
白欠陥修正とも集束イオンビームで修正可能と報告され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高加速荷電粒子線を転
写光源とする荷電粒子線縮小投影リソグラフィに用いる
レチクルではそのパターン精度も格段に厳しくなり、例
えば4倍縮小系で100nmリソグラフィ対応とする場
合、レチクル上パターンルールは0.40μmとなりそ
のCD精度は10nm程度が要求される。更に70nm
リソグラフィ対応の場合、レチクル上パターンルールは
0.28μm、CD精度は7nm以下、さらに50nm
リソグラフィ対応の場合にはレチクル上パターンルール
は0.20μm、CD精度は5nm以下が要求されるこ
ととなる。当然、パターン欠陥修正法にもこの加工精度
が要求されるわけだが、白欠陥修正法に用いられる選択
的誘導成膜法ではなかなかこの加工精度を満足できな
い。また、ステンシル型レチクルパターンはその加工形
状も厳密に制御する必要があり、その側壁加工形状には
90°±0.5°以内が要求される。これもまた、選択
的誘導成膜法による修正を困難にしている。
【0005】本発明はこの様な課題を解決するためにな
されたもので、荷電粒子線露光用のレチクル製作時に生
じる欠陥を要求される高精度を保って修正する方法を提
供することを目的にしている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では課題解決のた
めに以下に記す方法を用いている。第1の手段として、
本発明では、荷電粒子線縮小投影露光機に用いるレチク
ルの欠陥を修正する場合、該レチクルのパターン欠陥検
査をする工程と、該レチクルの製作時に本来形成されて
いるべき荷電粒子線散乱体の欠損部(白欠陥部)に材料
ガスを供給しながらイオンビームあるいは電子線等を照
射させて該白欠陥部に選択的に成膜を行う工程と、選択
的に成膜した白欠陥修正部分を必要に応じて再度パター
ン欠陥を検査する工程と、白欠陥部の修正のために選択
的に成膜した部分が、本来なら荷電粒子散乱体が形成さ
れない部分(黒欠陥部)となった後に該黒欠陥部を選択
的エッチング法によって設計されたパターンに調整加工
する工程と、を有することとした。
【0007】この方法に従えば、先ず修正すべき個所が
見つかり、イオンビームや電子ビームを照射し選択的に
反応を起こさせて修正が行われるので、必要な箇所が高
精度で修正される。又、例え修正個所が不適切になった
場合には、選択的に物質を除去出来るエッチング法によ
って修正するので高精度な修正が可能になる。
【0008】第2の手段として、本発明では、第1の手
段を実施する際に、白欠陥部修正のために選択的に成膜
する工程をFIB誘導成膜法あるいはEB誘導成膜法等
にて行い、白欠陥部修正のために選択的に成膜した部分
が設計パターンに対して黒欠陥となった部分の修正をF
IBによる選択的ミリングエッチング法、あるいは選択
的ガスアシストエッチング法等で行うこととした。この
ように白欠陥と黒欠陥をそれぞれ上記の方法で容易に修
正することにより、精度の高い修正方法が得られる。
【0009】第3の手段として、本発明では、荷電粒子
線縮小投影露光機に用いるレチクルの欠陥を修正する場
合に、該レチクルのパターン欠陥検査をする工程と、該
レチクルの製作時に本来形成されているべき荷電粒子線
散乱体の欠損部(白欠陥部)に材料ガスを供給しながら
イオンビームあるいは電子線等を照射させてFIB誘導
成膜法あるいはEB誘導成膜法によって該白欠陥部に選
択的に成膜を設計値よりも多めに行う工程と、選択的に
成膜した白欠陥修正部分が設計値よりも大きくなってい
ることを確認するパターン欠陥を検査する工程と、白欠
陥部の修正のために選択的に多めに成膜した部分をFI
Bによる選択的ミリングエッチング法、あるいは選択的
ガスアシストエッチング法による選択的エッチング法に
よって設計されたパターンに調整加工する工程と、を有
することとした。選択的に物質を付加させていく選択的
誘導成膜では精度に限界が有るが、この方法によって多
めに物質を付加し、除去を高精度に行える他の方法によ
って高精度に行うことによって全体の修正精度を確保出
来る。
【0010】第4の手段として、本発明では、荷電粒子
線縮小投影露光機に用いるレチクルの欠陥を修正する場
合に、該レチクルのパターン欠陥検査をする工程と、該
レチクルの製作時に本来形成されているべき荷電粒子線
散乱体の欠損部(白欠陥部)に材料ガスを供給しながら
イオンビームあるいは電子線等を照射させて該白欠陥部
に選択的に成膜を行う工程と、選択的に成膜した白欠陥
修正部分を必要に応じて再度パターン欠陥を検査する工
程と、白欠陥部の修正のために選択的に成膜した部分
が、本来なら荷電粒子散乱体が形成されない部分(黒欠
陥部)となった場合に該黒欠陥部を、パターン欠陥検査
をする工程でもともと検出されていた黒欠陥部とともに
同時に、選択的エッチング法によって設計されたパター
ンに調整加工する工程と、を有することとした。これに
よりもともと見つかっていた黒欠陥個所と、白欠陥を修
正するために新たに黒欠陥となった個所が同じ工程で高
精度で修正される。
【0011】第5の手段として、本発明では、第1乃至
4のいずれかの手段を実施する際に、前記レチクルがス
テンシル型レチクルであり、白欠陥部修正のために選択
的に成膜する工程を基板と同様のSi化合物あるいはC
化合物を用いて、十分な散乱能が得られるに足る十分な
膜厚をつけることとした。これにより、メンブレンと同
様の電子散乱能を有する膜を容易に製作することができ
る。
【0012】第6の手段として、本発明では、第1乃至
5のいずれかの手段を実施する際に、前記レチクルがメ
ンブレン型レチクルであり、白欠陥部修正のために選択
的に成膜する工程を、少なくとも金属有機材料を材料ガ
スとしてFIB誘導成膜法あるいはEB誘導成膜法等に
よって行うこととした。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明(請求項1〜6)にかかる
レチクルの修正法を説明する。パターン欠陥は黒欠陥、
白欠陥に大別できる。図3は散乱ステンシル型レチクル
パターンの概略図であるが、ラインアンドスペースパタ
ーンの電子線散乱体の一部に欠けがある部分31があ
る。ここは本来であれば電子線散乱体がなければならな
い部分であり、レチクル製作後に選択的に該電子散乱体
を成膜してパターン形状を目標形状に修復しなければな
らない。この部分を白欠陥部と呼ぶ。一方、T字型ライ
ンアンドスペースの電子散乱体の一部に不要な突起32
がある。ここは本来であれば電子散乱体があってはいけ
ない部分であり、この部分を黒欠陥部と呼ぶ。レチクル
製作時にこのパターン欠陥ができないようにすることは
現状の技術では不可能であり、該白欠陥及び黒欠陥のパ
ターン修正技術の開発は本発明における高加速電子線縮
小投影露光方法において必要不可欠である。
【0014】本発明者は本白欠陥部分に炭素、あるいは
珪素を主成分とする膜を選択的に成膜することにより、
目標パターン形状を有するレチクルパターンを得ること
を開発しているが、選択的な誘導成膜法では、ある程度
の厚さの膜としなければならないことなどから、欠陥部
分を全て覆うよう成膜すると、目標寸法より多少オーバ
ーに成膜される部分が生じてしまい、高精度な加工寸法
制御は非常に困難である。
【0015】この課題に対して本発明者はさらに鋭意研
究した結果、次のような方法で白欠陥パターンの修正を
高精度に行うことができることを確認した。その方法と
は以下のようなものである。図1のパターン白欠陥修正
プロセス概念図に沿って説明する。まず、サブフィール
ド部が1〜2μm厚程度のメンブレン11となったレチ
クルブランクス上にEB描画法あるいはフォトリソ法を
用いてパターン形成して、ステンシル型パターン形成を
する。完成したら、必要に応じて基板の洗浄を行った
後、ステンシル型パターンの線幅精度および位置精度の
評価を目的として、例えば該ステンシル型パターンのC
ADデータと比較し、そのパターンエッジ部分の位置が
設定の許容値以上にずれていたらパターン欠陥とするよ
うな検査を行う。なお、散乱ステンシル型レチクルのパ
ターン評価は、所定の加速電圧からなるレチクル表面
像、およびレチクル裏面像を検出し、そのデータからパ
ターン寸法、パターン位置、パターンテーパ角、エッジ
荒れ等を評価するとよい。パターンの表面形状の検出を
SEM像、パターン裏面をTEM像などで検出するのも
よい。そして、ここで検出したパターンエッジ部が電子
線散乱体方向にずれているものを白欠陥パターン部、ス
テンシル側にずれているものを黒欠陥パターン部と定義
する。本発明はこの定義に依れば、白欠陥パターン部に
適用できる方法である。
【0016】上記、パターン欠陥検査で白欠陥部12が
発見された場合、その該白欠陥部にFIB誘導成膜法や
EB誘導成膜法などの選択的成膜法で電子線散乱体とな
りうる物質13を目的とするパターンエッジ(例えば、
CADデータ上のパターンエッジ)よりステンシル側に
なるまで成膜する(図1(b))。選択的成膜された膜
はシリコンメンブレンと同程度の電子散乱能を有するこ
とが必要であるとともに、電子の吸収を極力抑制させな
ければならない。具体的には、シリコン系、あるいは炭
素系の物質から構成されることが望ましい。さらに、選
択的成膜時に供給される材料ガス種も必然的に、シリコ
ン系あるいは炭素系物質を主成分とするものが好まし
い。
【0017】選択的成膜と同時に、あるいは終了後に、
再度パターン欠陥検査を行い、上記白欠陥部に成膜した
電子線散乱体が所望サイズあるいは位置にあるかどう
か、パターン断面形状、パターン直線性等の検査を行
う。そのとき、白欠陥修正部に成膜した電子線散乱体が
黒欠陥と化していた場合には今度は選択的加工法により
黒欠陥化した電子線散乱体部を削り取るとよい(図1
(c))。選択的加工法にはFIBを用いた選択的ミリ
ング法やガスアシストエッチング法などを用いることが
できる。なお、この選択的加工法に用いるイオンビーム
は数nmの径まで絞り込むことができるゆえ、微細な加
工が可能であり、また位置精度も干渉計との組み合わせ
によって追い込むことができる。またその加工形状もほ
ぼ垂直に加工するように制御できる。一方、選択的成膜
法ではその被成膜物の断面形状の制御は非常に難しく、
またその成膜物のサイズ、位置の制御も難しい。よっ
て、白欠陥部を高精度にパターン修正するにはまず、白
欠陥ではなくなるまで選択的成膜法で電子線散乱体を形
成した後、選択的加工法で余分な部分を削り取るのが好
ましい。
【0018】なお、パターン欠陥部の検査はパターン修
正加工時に同時モニターしながら行うと、精度よい加工
ができ、より好ましい。また、先に挙げた収束イオンビ
ームによるミリングではビーム電流量を抑えてゆっくり
ミリングすると、多少時間はかかるが良好なパターン修
正が可能である。収束イオンビームによるガスアシスト
エッチングではミリングに加え、化学反応性エッチング
も加わるため加工速度が向上し、またエッチングされた
ものの再付着も抑制できる。収束イオンビームでは通常
ガリウムイオンが用いられるが、その他シリコン、アル
ゴンなどでも可能である。またガスアシストエッチング
時のガスにはXe2F、CF4、CHF3、Cl2、CCl4、CHCl3、I2
といったハロゲン含有物質がよく使われる。
【0019】散乱ステンシル型レチクル以外のメンブレ
ン型レチクルについても上記の修正法を応用できる。例
えば散乱メンブレン型レチクルの場合、散乱体はW、T
a、Auなどで出来ているが、パターン欠陥修正でも白
欠陥部には同等の物質を成膜して白欠陥修正するのが望
ましい。白欠陥修正加工時の材料ガスとしては、Wの場
合、WF6、W (CO2)、などの有機タングステンを用いるこ
とができる。Taの場合は、Ta(OC2H5)など、Auで
はC7H7F6O2Auなど、AlではAl2(CH3)3、Al(C4H93
ども使うことができる。そして、これらの物質は室温状
態でほとんどのものが固体として存在する。そこで、F
IB誘導成膜する際には、これらの物質を適当に加熱し
て気化させてから真空チャンバー中の試料基板近傍に供
給するのがよい。
【0020】また、散乱メンブレン型レチクルの場合、
散乱体に必ずしも重金属パターンを用いる必要はない。
例えば散乱ステンシル型レチクルの白欠陥修正時に用い
られるSi系あるいはC系の膜をそのまま成膜してもも
ちろんよい。ただし、このときには従来の重金属パター
ンの厚さより厚めに成膜しておくことが必要である。そ
の厚さは、例えばビームコントラストを考慮して算出す
るとよい。ビームコントラストとは、レチクル上への全
入射電子線量(I0)に対してパターンがあるところで
ウエハ上に届く電子線量(I1)の割合として定義する
ことができ、ビームコントラスト=1−(I1/I0)こ
こでこのビームコントラストが大きい値であるほど露光
像に対するSN比は向上するわけで良好な露光が可能と
なる。一般的に、ビームコントラストは最低でも99%
以上が必要とされ、望むべくは99.7%以上がより好
ましい。なお、条件を限定すれば、同コントラストが9
9%以下でも良好な露光像が得られる。
【0021】一般に、Si系あるいはC系材料を散乱メ
ンブレン型レチクルの白欠陥修正膜材料として使うに
は、1μm厚前後の厚さに成膜すればよい。これは露光
装置の散乱アパーチャ径(=開口率)に依存する。ま
た、最近提案されている新型メンブレンレチクルではや
はり本発明におけるSi系あるいはC系材料をそのまま
使うことができる。その成膜厚さはビームコントラスト
と修正膜の膜密度から算出する点は上記と同じである。
【0022】一方、これらのメンブレンマスク上でFI
Bを用いた欠陥修正加工をするときには注意が必要であ
る。何故なら、散乱メンブレン型レチクルなどはSiNxあ
るいはそれに類似した物質からなる0.1μm厚以下の
メンブレンで形成されている。これらのメンブレン上に
FIBを入射させると、瞬く間にメンブレンをもエッチ
ングして穴を空けてしまったり、メンブレン内にイオン
源であるガリウム等が残ってしまい、その部分の色分散
が他の部分より大きくなってしまい、良好な解像性が得
られなくなる点が心配される。この点に関しては、FI
B照射時のビーム電流量を出来る限り抑制するのが最も
効果がある。また、加速電圧を抑制するのも有効であ
る。さらに、FIBイオン源をGa系から例えばSi系
などの軽元素にするのも有効である。軽元素系に変えれ
ば少なくともメンブレン中への残留によるコントラスト
不均一性を回避することができる。
【0023】EPL用レチクルばかりではなく、NGL
(Next Generation Lithography)の一候補としてEP
Lによく似通ったイオンビームリソグラフィ(IPL)
用レチクルに関しても上記同様に扱える。このIPLに
用いられるレチクルはEPLにおける散乱ステンシル型
レチクルとその構成は全く同じである。材料もSiを主
成分としたものが好ましい。ただその厚さはEPLの散
乱ステンシル型レチクルが約2μm厚であるのに対し
て、IPLでは約3μm厚必要であるという点のみが異
なるだけである。IPL用散乱ステンシル型レチクルの
白欠陥修正加工時には、その膜厚と同程度かそれより厚
めに成膜しておけばよい。ステンシルパターン側壁への
成膜もEPL用散乱ステンシル型レチクルにおける本出
願人の発明(例えば、特開平12−100714)をそ
のまま用いることができる。
【0024】なお、レチクルパターン形成後、パターン
検査から白欠陥修正終了までのワークフローを図2に示
した。以上、本発明を実施例によりさらに具体的に説明
するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
【0025】
【実施例1】まずP型4〜6Ω・cmの8インチシリコ
ンウエハに適当な低膜応力となる1〜2μm厚程度のシ
リコン膜を形成する為の表面処理等を施し、いわゆるレ
チクルブランクスを作製した。
【0026】続いて、所望のパターン形成をEBライタ
ーおよび反応性イオンエッチング法にて形成してレチク
ルを完成させた。その後、パターン位置、パターンサイ
ズなどのパターン精度、および不良結線、不良断線等の
パターン欠陥の検査を行った。検査はイオンビーム鏡筒
と電子線鏡筒をそれぞれ装備したマスク欠陥装置にて行
った。パターン欠陥についてはパターン設計図上に実際
に製作したレチクルパターンの形態像を重ね合せて欠陥
部を検出した。その結果、図3−31のような白欠陥を
検出した。
【0027】白欠陥パターン修正は以下の方法で行っ
た。白欠陥部近傍にテトラメチルシランを30sccm
で内径φ0.5mmのノズルにて供給した。テトラメチ
ルシランはその沸点が26.5℃であるが、ノズルで白
欠陥部に供給するまでに液化しないようにノズル全体を
30℃に加熱、保温して材料ガス導入を行った。その
後、ガリウムイオンからなる収束イオンビームを白欠陥
部ステンシルパターン部と平行に走査させて、所望の電
子線散乱体を選択的に成膜し、白欠陥修正することがで
きた。なお、このときの収束イオンビームのビーム電流
量は150pAとし、ビーム径は約φ30nmとし、パ
ターンエッジと平行にビームをスキャンさせて、徐々に
スキャン位置をパターンエッジ部から離すようにして成
膜した。スキャン間隔は15nmピッチとした。
【0028】その後、レチクル作製後に行ったものと同
様のパターン検査を行い、パターン欠陥部が正常に修正
されていることを確認の後、高加速電子線縮小投影露光
装置内に搬送し、露光を行った。電子線は100kVに
加速し、ビーム電流量は約20μAとした。露光は4イ
ンチウエハ上に約0.5μm厚の電子線感光化学増幅型
レジストSAL−606(Shipley製:化学増幅型ネ
ガ)を塗布して行った。露光後にPEB(Post Exposure
Bake)を行い、続いて2.38%TMAHにて現像処理
をした後、測長SEM機でレジスト像を形態評価した。
その結果、パターン修正部分は非修正部と同様、良好な
転写像を形成していることを確認できた。また、パター
ンサイズを計測したところ、全パターンとも設計値に対
して3σで10nmと十分に規格をクリアしていること
を確認することができた。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の荷電粒子
線縮小投影リソグラフィ用レチクルパターンの白欠陥部
の修正方法によれば、レチクル製作時にパターン欠陥が
生じても高精度な寸法制御性で白欠陥修正することがで
きる。高精度なレチクル作製が可能であるかどうかが、
高加速荷電粒子線の一括縮小転写系のひとつの開発促進
用件であったが、本発明によりレチクル作製時のパター
ン修正という、一つの課題に目処をつけることができる
ようになった。その結果、高加速荷電粒子線縮小転写法
がデバイス量産現場で受け入れられるかどうかの議論も
活発となり、ゆくゆくは100ノード以降のデバイス量
産等に貢献できるものと予想している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる白欠陥パターン修正のプロセス
概念図である。
【図2】本発明にかかるパターン検査から白欠陥パター
ン修正までのワークフローである。
【図3】散乱ステンシル型レチクルの概観図である。
【符号の説明】
11・・・メンブレン 12・・・白欠陥 13・・・白欠陥を修正する物質の堆積 31・・・白欠陥部 32・・・黒欠陥部 33・・・グリレッジ 34・・・メンブレン(電子散乱部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 1/32 H01L 21/30 541B 23/04 541S 23/225 21/302 D G01N 1/28 G

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子線縮小投影露光機に用いるレチ
    クルの欠陥修正法であって、 該レチクルのパターン欠陥検査をする工程と、 該レチクルの製作時に本来形成されているべき荷電粒子
    線散乱体の欠損部(白欠陥部)に材料ガスを供給しなが
    らイオンビームあるいは電子線等を照射させて該白欠陥
    部に選択的に成膜を行う工程と、 選択的に成膜した白欠陥修正部分を必要に応じて再度パ
    ターン欠陥を検査する工程と、 白欠陥部の修正のために選択的に成膜した部分が、本来
    なら荷電粒子散乱体が形成されてはいけない部分(黒欠
    陥部)となった後に該黒欠陥部を選択的エッチング法に
    よって設計されたパターンに調整加工する工程と、を有
    することを特徴としたレチクルパターン欠陥修正方法。
  2. 【請求項2】 白欠陥部修正のために選択的に成膜する
    工程を誘導成膜法あるいはEB誘導成膜法等にて行い、
    白欠陥部修正のために選択的に成膜した部分が設計パタ
    ーンに対して黒欠陥となった部分の修正をFIBによる
    選択的ミリングエッチング法、あるいは選択的ガスアシ
    ストエッチング法等で行うことを特徴とした、請求項1
    に記載のレチクルパターン欠陥修正方法。
  3. 【請求項3】 荷電粒子線縮小投影露光機に用いるレチ
    クルを修正する方法であって、 該レチクルのパターン欠陥検査をする工程と、 該レチクルの製作時に本来形成されているべき荷電粒子
    線散乱体の欠損部(白欠陥部)に材料ガスを供給しなが
    らイオンビームあるいは電子線等を照射させてFIB誘
    導成膜法あるいはEB誘導成膜法によって該白欠陥部に
    選択的に成膜を少なくとも設計値よりも多めに行う工程
    と、 選択的に成膜した白欠陥修正部分が設計値よりも大きく
    なっていることを確認するパターン欠陥を検査する工程
    と、 白欠陥部の修正のために選択的に多めに成膜した部分を
    FIBによる選択的ミリングエッチング法、あるいは選
    択的ガスアシストエッチング法による選択的エッチング
    法によって設計されたパターンに調整加工する工程と、
    を有することを特徴としたレチクルパターン欠陥修正方
    法。
  4. 【請求項4】 荷電粒子線縮小投影露光機に用いるレチ
    クルの欠陥修正法であって、 該レチクルのパターン欠陥検査をする工程と、 該レチクルの製作時に本来形成されているべき荷電粒子
    線散乱体の欠損部(白欠陥部)に材料ガスを供給しなが
    らイオンビームあるいは電子線等を照射させて該白欠陥
    部に選択的に成膜を行う工程と、 選択的に成膜した白欠陥修正部分を必要に応じて再度パ
    ターン欠陥を検査する工程と、 白欠陥部の修正のために選択的に成膜した部分が、本来
    なら荷電粒子散乱体が形成されない部分(黒欠陥部)と
    なった後に該黒欠陥部を、パターン欠陥検査をする工程
    でもともと検出されていた黒欠陥部とともに同時に、選
    択的エッチング法によって設計されたパターンに調整加
    工する工程と、を有することを特徴としたレチクルパタ
    ーン欠陥修正方法。
  5. 【請求項5】 前記レチクルがステンシル型レチクルで
    あり、白欠陥部修正のために選択的に成膜する工程を基
    板と同様のSi化合物あるいはC化合物を用いて、十分
    な散乱能が得られるに足る十分な膜厚をつけるように行
    うことを特徴とした、請求項1乃至4のいずれかに記載
    のレチクルパターン欠陥修正方法。
  6. 【請求項6】 前記レチクルがメンブレン型レチクルで
    あり、白欠陥部修正のために選択的に成膜する工程を、
    少なくとも金属有機材料を材料ガスとしてFIB誘導成
    膜法あるいはEB誘導成膜法等によって行うことを特徴
    とした、請求項1乃至5のいずれかに記載のレチクルパ
    ターン欠陥修正方法。
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