JP6159396B2 - 結核予防用経口使用不活化マイコバクテリア - Google Patents

結核予防用経口使用不活化マイコバクテリア Download PDF

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Description

本発明は、結核を予防するために経口投与される医薬品に関し、特に、結核の潜伏感染(無症状感染)が活動感染(有症状感染)に転化することを制御するための医薬品に関する。
結核は、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)(結核菌)複合体(MTB-C)群に属するバクテリアにより引き起こされる慢性感染症である。現在、MTB-C群には桿菌マイコバクテリウム・ツベルクローシス(bacilli M. tuberculosis)(結核菌)、マイコバクテリウム・マイクロシ(M. microti)及びマイコバクテリウム・アフリカヌム(M. africanum)などが含まれる。これらのうち、結核菌(bacilli M. tuberculosis)が最も重要であり、また、ヒトの結核に関する最も普遍的作用菌である。この疾患は基本的に肺臓に発症するが、或る場合には、その他の臓器にも蔓延する。適切に治療しない場合、結核は致命的である。
2011年度世界保健機関(WHO)レポートによれば、世界中で毎年900万人が新たに結核を発症し、そして、約170万人が結核により死亡している。また、世界中で約25億人超の感染者が存在し、かつ、約1億人の新たな感染者が毎年発生していると思われる。
結核は空気により伝染する。肺に結核空洞を有する患者は結核の主要な伝染源である。これらの事実は例えば、非特許文献1及び非特許文献2に記載されている。
非特許文献1及び非特許文献2に記載されているように、患者は咳又はくしゃみにより、結核菌を移動拡散させることができる大量の微少液滴を排出する。患者から排出された結核菌含有微少液滴はヒトにより吸入され、ヒトの胚胞腔に侵入することができる。
吸入後、結核菌は肺胞マクロファージにより食菌され、この細胞内部で結核菌は細胞破壊を起こす程度にまで成長できる。結核菌は新たなマクロファージにより細胞外空間内で再び食菌され、そして、一旦、結核菌が排出され、肺門リンパ節内で感染が発生すれば、細胞免疫に基づく免疫反応が生じるまでこのプロセスが繰り返される。
感染後約6週間で結核菌の成長は止まり、宿主(ホスト)は、遅延型過敏症(DTH)応答により特徴付けられる皮膚ツベルクリンテストで陽性を示す。また、感染時に所謂、乾酪壊死(caseous necrosis)が生じている。
結核感染の主要な特徴の一つは、結核菌が、結核症を発症すること無く、“潜伏”結核症の形で、しかし、活動性結核症を発症させる能力を維持したまま、長年に渡り宿主組織内に留まることができることである。
感染の潜伏状態は、初期の肺胞性障害及び周囲の肺組織で生じる所謂乾酪壊死の発症に関連し、増殖する結核菌を含有するマクロファージの破壊を生じ、固形状壊死病斑(solid necrotic lesion))を起こす。
この壊死性反応の起源は正確には知られていないが、DTH型の反応に関連している。本質的に、桿菌群数を制御できる免疫応答はTh1 CD4により導かれる細胞型免疫応答である。すなわち、DTH型応答を生じることができ、かつ、感染マクロファージを同定し、そして、マクロファージ内の桿菌を死滅させるために当該感染マクロファージを活性化させることができる。
感染マクロファージのうち約10%において、前記固形状壊死病斑は軟化する。これは、結核感染における最も重要なエピソードのうちの一つである。なぜなら、感染が進行すると、これはその後、活動性結核症、すなわち、肺結核疾患を発症するからである。
大抵の場合、この軟化は、気管支樹に向かう軟化組織の排出、結核性空洞の形成及び気管支の開放により酸素が取り込まれることによる桿菌の爆発的細胞外成長を伴う。咳をすると、桿菌でいっぱいの軟化カゼインが気管支の他の部位、肺及び体外に拡散される。
結核の薬理学的治療の特徴は治療が長期間に及ぶことであり、治療アドヒアランスを複雑化させるばかりか、同時に、薬物耐性細菌の攻撃も助長する。
結核を阻止する最良の戦略は予防的アプローチに基づくものと思料されている。
結核に対する予防処置で使用されている非経口的に投与される現在のワクチンは、BCG(bacilllus Calmette-Guerin)と呼ばれる細菌株(M. bovisの弱毒変異株)に基づいている。しかし、その効力は時間の経過につれて低下し、そして、成人の結核の予防には無効であることが判明している。実際、これは致死的結核疾患(粟粒結核症又は結核性髄膜炎)の発生の極僅かなニッチしか保護しないものと考えられている。
その他の弱毒化マイコバクテリアの生菌株又は細菌サブユニットに基本的に基づくその他の結核の予防処置も開発されている。
更に、弱毒化マイコバクテリア(すなわち、インターフェロン−γ生成Th1)に基づくワクチンにより得られる免疫応答に類似する免疫応答を得る目的に関する従来技術において、不活化マイコバクテリアに基づく結核の予防処置も研究された。
従って、例えば、非特許文献3には、結核に対する保護を生じさせる目的のために、加熱により不活化された結核菌を皮内に5回投与することからなる臨床研究結果が報告されている。
更に、非特許文献4には、加熱により不活化された結核菌1000μgを各回毎に2週間の間隔で3回皮下注射したワクチン化マウスによる実験研究が報告されており、この研究によれば、特異的T細胞系免疫の獲得が示された。
その他の不活化マイコバクテリアについても通常の非経口的投与による結核に対する保護の獲得についてテストした。
例えば、非特許文献5には、生菌のM.wマイコバクテリア又は加熱により不活化されたM.wマイコバクテリアを投与することからなる研究結果が報告されている。加熱により不活化されたM.wマイコバクテリアは1回量で皮下注射され、そして、インターフェロン生成Th1細胞の誘発に基づく免疫応答が観察された。
経口投与による効果的な予防処置が特に望ましい。なぜなら、経口投与は薬物の投与及び治療アドヒアランスをかなり容易にするからである。
この意味で、通常の化学療法剤と併用される投与計画(レジメン)に従って活動性結核症の治療効果を達成するために、マイコバクテリア(マイコバクテリウム・バッカエ, Mycobacterium vaccae)の加熱不活化細菌を経口投与することに関する従来技術文献が存在する。
実験レベルにおいて、非特許文献6には、加熱により不活化されたマイコバクテリウム・バッカエ0.1μgを各投与毎に28日間の間隔でマウスに5回経口投与することからなるアッセイの結果が報告されている。このアッセイによれば、最初の投与後23時間で気管内に結核菌(M. Tuberculosis)の感染が誘発された。この研究において、細胞免疫応答が発生され、Th1細胞分泌が増大し、一方、Th2型細胞及びTGF-β成長因子の低下により例証されるように、体液性免疫が低下した。
一般的に、従来技術は、Th1誘発と、これに続くインターフェロン-γ生成は望ましいが、Th2応答とこれに続くIL−4生成又はTh3応答(調節性T細胞(Treg)生成を伴う)は活動性結核誘発効果を有することを示唆している。
この事実は非特許文献7に記載されている。この文献によれば、調節性T細胞(Treg)の生成は、乾酪性病斑(caseous lesion)を無菌化し、実験的結核症のマウスモデルにおける潜伏感染を防止するCD4T細胞の能力を無効化させる。非特許文献7は、Treg応答のためにTh1応答とTreg応答との間の不均衡を可能にする規制緩和は活動性結核誘発の原因であり得ることを示唆している。
従来文献に記載されている内容から見て、活動性結核の発生を防止し、更に、疾患の病理学的状態の事後的発症を防止するために、非感染のヒト又は個体(予防効果)及び結核菌に感染しているヒト又は個体(この場合、感染は潜伏状態である)(治療効果)の両方において経口投与可能な有効的結核治療法の提供の必要性は続いている。
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本発明の目的は、結核予防のために経口投与される医薬品を製造するための不活化マイコバクテリアの使用である。
結核予防のために経口投与される医薬品を製造するための不活化マイコバクテリアの使用であって、当該使用は、
(a)不活化マイコバクテリアを定期的に経口投与する;
(b)投与間隔は5日以下である;及び
(c)与薬される投与回数は5回以上である、
ことを特徴とする。
別法として、結核を予防するために使用される不活化マイコバクテリアとして処方することができ、当該処方は、
(a)不活化マイコバクテリアを定期的に経口投与する;
(b)投与間隔は5日以下である;及び
(c)与薬される投与回数は5回以上である、
ことを特徴とする。
本発明者は結核に対する新規な予防治療法を発明した。この予防治療法は、各投与間の時間間隔が短縮されたマルチ服用療法を使用する不活化マイコバクテリアの投与に基づく。
本発明者は、結核菌による感染前(予防効果)又は感染後(治療効果)に投与される前記予防処置は、潜伏状態から活動性結核への感染の進行を制御することにより活動性結核の発症を防止できることを発見した。
前記処置によれば、好ましくは低投与量で、かつ、各投与間の短い時間間隔で、死滅桿菌の周期的投与を行うと耐性構築(tolerance-building)又は耐性構築応答が誘発される。この耐性構築は結核菌による感染を制御する。すなわち、潜伏感染の活動性感染への転化を制御することについて劇的な効果を有する。
実際、本発明者は、結核菌により感染前及び感染後の双方に投与することからなる前記処置は、調節性T細胞(Treg)の割合の増大により特徴付けられる耐性構築応答の誘発を確認した。
本発明の使用は、非感染のヒト及び結核菌に感染したヒト(この場合、感染は潜伏状態である)に焦点を合わせる。非感染のヒトの場合、予防処置は予防効果を有すると思料され、結核菌に感染しているヒトの場合は治療効果を有すると思料される。
この第2のケース、すなわち、治療効果による予防処置(「結核菌に感染しているが、感染は潜伏状態であるヒト」と呼ぶ)の特別なアスペクトは、以前に活動性結核を発症したが、例えば、常用の抗結核治療により当該疾患がその後緩解した(すなわち、結核が潜伏感染状態に立ち返った)ようなヒトからなる。この予防処置の特別なケースは、治療的抗再発効果(therapeutic anti-relapse effect)を有するものと思料される。
従って、抗結核薬による予防処置の場合、ヒトは通常、抗結核薬による薬理学的処置を事前に受ける。これらの抗結核薬は当業者に周知である。一次抗結核薬は例えば、イソニアジド(isoniazid)、エタンブトール(ethanbutol)、ピラジナミド(pyrazinamide)、リファンピシン(rifampicin)及びストレプトマイシン(streptomycin)などである。耐性が発生した場合に投与される二次的抗結核薬は例えば、チオアミド類(thioamides)(特に、プロチオンアミド(prothionamide)及びエチオンアミド(ethionamide))、アミノグリコシド類(aminoglycosides)(特に、アミカシン(amikachin)及びカナマイシン(kanamycin))、シクロセリン(cycloserine)、リファブチン(rifabutin)、リファペンチン(rifapentine)、フルオロキノロン類(fluoroquinolons)(特に、モキシフロキサシン(moxifloxacin)、レボフロキサシン(levofloxacin)及びオフロキサシ(ofloxacin)、PAS、クラリスロマイシン(clarithromycin)、クロファジミド(clofazimide)、リネゾリド(linezolid)又はチオリダジン(thioridazine)若しくはこれらの混合物類などである。
「予防処置」とは一般的に、ヒトを疾患(病気)から保護することができる処置を意味する。
この意味において、本発明のコンテキスト(文脈)における「予防処置」とは、潜伏感染から活動性感染への転化を制御することにより活動性結核の発症を防止することができる処置のことである。
「耐性構築」とは一般的に、生物学的薬剤又は化学的薬剤による耐性の意図的誘発を意味する。また、「耐性」とは、生物学的薬剤又は化学的薬剤に対して特異的な低反応の状態を意味する。
従って、本発明のコンテキスト(文脈)において、「耐性構築応答の誘発」とは、特異抗原に対する応答の欠如状態を宿主(ホスト)の免疫系内に誘発させ、失調(病気)の減衰を生じさせる方法を意味する。
耐性構築療法は例えば、アテローム性動脈硬化症などのような他の疾患に関連して非特許文献8に記載されている。非特許文献8には、経口耐性の誘発及び早期アテローム性動脈硬化症の抑制のためのβ2−グリコプロテイン(glycoprotein)の使用が記載されている。また、非特許文献9には、動脈硬化病変に対する経口耐性を誘発するための熱ショックタンパク質65の使用が記載されている。
不活化マイコバクテリア
マイコバクテリア属(genus of the mycobacteria)はマイコバクテリウム科(family of Mycobacteriaceae)に属し、好気性桿菌により生成される。
マイコバクテリア属に属する全ての桿菌は本発明の目的の一部である。これらの菌種は例えば、M. abscessus, M. africanum, M. asiaticum, M. aurum, M. avium, M. avium paratuberculosis, M. avium silvaticum, M. avium hominissuis, M. bovis, M. bovis BCG, M. chelonae, M. fortuitum, M. gastri, M. goodi, M. gordonae, M. immunogenum, M. haemophilum, M. habana, M. kansaii, M. lentiflavum, M. leprae, M. lepromatosis, M. lufu, M. mageritense, M. malmoense, M. marinum, M. massiliense, M. microti, M. manacense, M. mucogenicum, M. neoaurum, M. peregrinum, M. phlei, M. scrofulaceum, M. smegmatis, M. terrae, M. triviale, M. tuberculosis, M. microti, M. ulcerans, M. vaccae 及びM. xenopiなどである。
マイコバクテリアは結核菌(M. tuberculosis)と同様に多くの抗原を有する。従って、本発明の使用にとって好適である。非特許文献10には、マイコバクテリアにおける異なる抗原群の分類及びその分布方法とマイコバクテリア科の異なる種の共有方法が記載されている。
本発明の一部を為す不活化マイコバクテリアは好ましくは、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)複合体(MTB-C),マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)及びカンサシ菌(Mycobacterium kansasii)と呼ばれる群のマイコバクテリアである。換言すれば、不活化マイコバクテリアは、M. tuberculosis, M. bovis, M. africanum, M. microti, M. bovis BCG, M. fortuitum及びM. kansasiiからなる群から選択することが好ましい。不活化マイコバクテリアは、M. tuberculosis, M. bovis, M. bovis BCG, M. fortuitum及びM. kansasiiからなる群から選択することが一層好ましい。
不活化マイコバクテリア(別名、死滅マイコバクテリア)は、生菌のマイコバクテリアを複製不可能な形に転化させるための物理的又は化学的処理を施すことにより得られたマイコバクテリアである。
本発明において、マイコバクテリアを不活化させる好適な方法は例えば、ホルムアルデヒドによる処理、放射線処理又は加熱処理などである。
本発明の不活化マイコバクテリア対象物は、加熱処理により不活化されていることが好ましい。
加熱処理によりマイコバクテリアを不活化させる好適な方法は例えば、Middlebrook 7H10又は7H11寒天、Sauton培地又はProskauer-Beck培地などのような当業者に周知の適当な培養培地中でマイコバクテリア菌株を培養することからなる。培養は、1ml当たり約1x10から1x10コロニー生成単位(CFUs)の範囲内の濃度が得られるまで維持することが好ましい。
次いで、培地を加熱することにより不活化させる。培地は70℃から90℃の範囲内の温度で加熱することが好ましい。加熱時間は30分間から3時間の範囲内であることが好ましい。更に、オートクレーブを使用することにより、培地を121℃で20分間加熱することが好ましい。
結核の予防
「結核の予防」という表現は、潜伏状態から活動性結核へ感染が進行することを制御することにより活動性結核の症状発現を防止することを意味する。
前記防止は非感染のヒトにおいて実施することができるし、また、結核菌に感染しているが感染が未だ潜伏状態にあるヒトにおいても実施することができる。なぜなら、疾患(病気)は未だ発現していないか又は活動性疾患が既に発現しているが例えば、抗結核薬による処置により活動性疾患が緩解しているからである。
本発明らは、潜伏感染の進行を阻止する結核に対する予防処置を発明した。本発明によれば、固形状壊死病斑が液状病斑に進行することが阻止され、従って、活動性結核の症状発現が阻止される。
本発明らは、C3HeB/FeJマウスの使用に基づく実験モデルを使用した。この実験モデルでは、ヒトにおける発症に相当する結核菌に感染した後の肺病理学をシミュレーションできる。
壊死病斑が発症しないその他の動物モデルで生じるものと異なり、結核菌への感染に応答して液状化することができる壊死病斑の生成がC3HeB/FeJマウスで観察された。このC3HeB/FeJマウスモデルは非特許文献11に記載されている。
高投与量で経静脈的に感染させた場合、前記動物におけるネクローシス(壊死)の成長及び病斑の成長は、感染後約4週間で100%の死亡率を生じさせることができる。これらのことは非特許文献12に記載されている。
理論に拘る訳ではないが、本発明者は次のように考えている。すなわち、本発明の処置目的の予防効果は、死滅桿菌を好ましくは低投与量で高頻度で経口投与することが、対象物(ヒト)において耐性を誘発し、好ましくは調節性T細胞(Tregs)が誘発される応答を生じることができる療法(レジメン)だからである。前記細胞は形質転換成長因子ベータ(TGF-beta)に関連する。すなわち、基本的にTh1免疫応答がトリガーされる常用のワクチン系と異なり、耐性構築又はTh3免疫応答が最初に発生する。
本発明者は驚くべきことに、耐性の誘発は結核菌による感染の進行、すなわち、潜伏感染の活動性感染への転化を阻止するのに効果的であることを発見した。
耐性構築応答をトリガーするためには、不活化マイコバクテリアを繰り返し投与しなければならない。しかも、各投与間の間隔は短くなければならない。すなわち、不活化マイコバクテリアを5日以下の時間間隔で複数回投与しなければならない。投与間隔は3日以下であることが好ましい。投与間隔は2日以下であることが一層好ましい。
耐性構築処置はまた、不活化マイコバクテリアの繰り返し投与を必要とする。投与回数は5回以上である。好ましい投与回数は7回以上である。一層好ましい投与回数は9回以上である。更に一層好ましい投与回数は14回以上である。
本発明の使用において、不活化マイコバクテリアは免疫学的に有効な量で投与される。
公知のように、使用される投与量は、不活化マイコバクテリアが投与されるヒト(又は個体)の年齢及び体重に応じて変化する。
好適な投与量は一般的に、不活化マイコバクテリアが10から10個の範囲内、好ましくは、10から10個の範囲内、一層好ましくは、10から10個の範囲内である。
本発明の一部である耐性構築投与療法の乾酪性病斑の液状化に対する予防治療効果を例証するために、前記のモデルで使用されたC3HeB/FeJマウスに対して次のプロトコルを実施した。すなわち、不活化マイコバクテリアを5回から14回、各回の投与間隔を1日から3日間の範囲内として、経口投与した。
使用したネズミモデルは次の何れのケースにおいても予防結核療法をシミュレートする。すなわち、(1)下記の実施例1及び3−6に記載されるように感染前に不活化マイコバクテリアを投与するケース、又は(2)下記の実施例1、2及び4−6に記載されるように結核菌感染後に不活化マイコバクテリアの投与を開始するケースである。ケース(2)の場合、早期の段階(マウスに既に病斑が発生しているが、前記病斑は未だ液状化状態までには進行しておらず、その後、疾患の徴候を示す場合は感染後15日以内に)で治療薬が投与される。又は、別法として、(3)実施例7に記載されるようなケースもある。このケース(3)では、マウスが病斑を発症し、かつ、病斑が液状化しているが、前記病斑は潜伏感染の微少病斑特徴の生成に戻っているような場合、感染後に不活化マイコバクテリアが投与される。
実施例で得られた結果に基づいて次のように結論される。すなわち、感染前及び結核菌による感染後の双方における経口投与耐性構築療法はマウスの生存率を高める。その理由は、疾患(病気)の誘発、すなわち潜伏感染の活動性感染への転化が遅延されるからである。
従って、本発明による不活化マイコバクテリアの使用は結核を予防するのに好適であると思料される。
組成物
本発明の目的によれば、不活化マイコバクテリアは経口投与される。
前記マイコバクテリアは当業者に周知なように、経口投与するのに好適な医薬組成物の剤形で投与することができる。例えば、錠剤、カプセル剤、懸濁剤、分散剤、散剤、顆粒剤又は噴霧剤などの剤形が経口投与に好適である。
マイコバクテリアはカプセル剤又は錠剤で投与することが好ましい。
本発明の医薬組成物は一般的に、不活化マイコバクテリアと、少なくとも1個の薬剤的に使用可能な賦形剤とからなる。
前記組成物は、医薬製剤技術マニュアルに記載されているような当業者に周知の常用方法により製造される。このような医薬製剤技術マニュアルは例えば、Remington, The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition, Lippincott, Willams & Wilkins, Philadelphia, 2000[ISBN: 0-683-306472]などである。
本発明の医薬組成物に配合することができる薬剤的に使用可能な賦形剤は例えば、(1)固結防止剤(例えば、コロイダルシリカ、第三リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム又はタルク等)、
(2)希釈剤(例えば、無水ラクトース、ラクトース一水和物、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム無水物、リン酸水素カルシウム二水和物、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、結晶セルロース、セルロース粉末、酢酸ルロース、デキストラン、デキストリン、デキストロース、フルクトース、グリセリルパルミトステアレート、カオリン、ラクチロール、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルチトール、マルトデキストリン、マルトース、ポリメタクリレート、α化デンプン、塩化ナトリウム、デンプン、蔗糖など)、
(3)滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、グリセリンパルミトステアレート、ポロキサマ、酸化マグネシウム、安息香酸ナトリウム、コロイドシリカ、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク又はベヘン酸グリセリル等)、
(4)懸濁化剤(沈殿防止剤)(例えば、キサンタンガム、グアガム、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ヒドロキシプロピル、結晶セルロース、セルロース粉末、コロイド状無水二酸化ケイ素、デキストリン、ゼラチン、カオリン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、マルチトール、ポリビニルピロリドン、ソルビタンエステル又はトラガントなど)、
(5)結合剤(例えば、三ケイ酸マグネシウム、セルロース、デンプン、デキストリン、デキストロース、ポリデキストロース、マルトース、マルトデキストリン、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリメチルアクリレート、タルク、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸又は蔗糖など)、
(6)脱凝集剤(例えば、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、第三リン酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポリビニルピロリドン又はマチルセルロースなど)、(7)塗工剤(例えば、キトサン、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)又はクエン酸トリエチルなど)、
(8)分散剤(例えば、ポロキサマ又はソルビタンエステルなど)、
(9)甘味剤(例えば、アスパルテーム、マンニトール、ソルビトール、サッカリンナトリウム、サイクラミン酸ナトリウム、蔗糖、デキストロース、グルコース、イヌリン、イソマルトース、ラクチトール、マルトース、マルトール、スクラロース、トレハロース、キシリトール又はタウマチンなど)、
(10)矯味矯臭剤及び
(11)調味料などである。
これらは単独でも使用できるし、あるいは適宜組み合わせて併用することもできる。
賦形剤のより完全なリスト及びその物理化学的特性並びに市販されている商品の商品名はR.C. Rowe et al., Handbook of Pharmaceutical Excipient, 4th edition, Pharmaceutical Press, London, 2003 [ISBN: 0-85369-472-9]などの文献に記載されている。
図1はx軸上に示される生存期間(日数)と、y軸上に示されるマウスの生存率を示す。対照群は実線で示され、グループ1は破線で示されている。グループ1は、感染前に結核菌(Mycobacteriumu tuberculosis)の不活化マイコバクテリアの経口投与処置を受けている。前記不活化マイコバクテリアの投与は感染前の10日目から開始され、各48時間毎に5回行われた。グループ1、2、3及び4はグループ1a、1b、1c及び1dのマウスにそれぞれ対応し、これらのマウスには、1:1、1:10、1:100及び1:1000の希釈度に応じた異なる量の不活化マイコバクテリアが投与された。(実施例1) 図2はx軸上に示される生存期間(日数)と、y軸上に示されるマウスの生存率を示す。この図では、対照群(実線)はグループ2(破線)と比較されている。グループ2のマウスは、感染後に結核菌の不活化マイコバクテリアの経口投与処置を受けている。前記不活化マイコバクテリアの投与は感染後の11日目から開始され、各48時間毎に5回行われた。グループ5、6、7及び8はグループ2a、2b、2c及び2dのマウスにそれぞれ対応し、これらのマウスには、1:1、1:10、1:100及び1:1000の希釈度に応じた異なる量の不活化マイコバクテリアが投与された。(実施例1) 図3はx軸上に示される生存期間(日数)と、y軸上に示されるマウスの生存率を示す。この図では、対照群(実線)はグループ1(破線)と比較されている。グループ1のマウスは感染後にM. bovis BCGの不活化マイコバクテリアによる経口投与処置を受けている。(実施例2) 図4はx軸上に示される生存期間(日数)と、y軸上に示されるマウスの生存率を示す。この図では、対照群(実線)はグループ1(破線)と比較されている。グループ1のマウスは感染前にM. bovis BCGの不活化マイコバクテリアによる経口投与処置を受けている。(実施例3) 図5はx軸上に示される生存期間(日数)と、y軸上に示されるマウスの生存率を示す。グラフ1では、対照群(実線)はグループ1(破線)と比較されている。グループ1のマウスは感染前に開始された結核菌の不活化マイコバクテリアによる経口投与処置を受けている。グラフ2では、対照群(実線)はグループ2(破線)と比較されている。グループ2のマウスは感染後に開始された結核菌の不活化マイコバクテリアによる経口投与処置を受けている。(実施例4) 図6は、感染後の第3週目(グラフ1)及び第4週目(グラフ2)における、結核菌の不活化マイコバクテリアによる処置群と対照群のそれぞれの、CD4+T細胞の総数に対する、CD4+CD25+Foxp3+表現型を有する調節性T細胞の割合を示す。前記調節性T細胞の割合はy軸上に示されている。異なるグループのマウスはx軸上に示されている。図中の四角形印は非処置マウス(対象群)を示し、三角形印は感染前に処置されたグループ1のマウスを示し、円形印は感染後に処置されたグループ2のマウスをそれぞれ示す。実線の水平線は各グループの算術平均値を示す。(実施例4) 図7はx軸上に示される生存期間(日数)と、y軸上に示されるマウスの生存率を示す。グラフ1では、対照群(実線)はグループ1(破線)と比較されている。グループ1のマウスは感染前に開始されたカンサシ菌(M. kansasii)の不活化マイコバクテリアによる経口投与処置を受けている(予防効果)。グラフ2では、対照群(実線)はグループ2(破線)と比較されている。グループ2のマウスは感染後に開始されたカンサシ菌の不活化マイコバクテリアによる経口投与処置を受けている(治療効果)。(実施例5) 図8は、x軸上に示される生存期間(日数)と、y軸上に示されるマウスの生存率を示す。グラフ1では、対照群(実線)はグループ1(破線)と比較されている。グループ1のマウスは感染前に開始されたフォーチュイタム菌(M. fortuitum)の不活化マイコバクテリアによる経口投与処置を受けている(予防効果)。グラフ2では、対照群(実線)はグループ2(破線)と比較されている。グループ2のマウスは感染後に開始されたフォーチュイタム菌の不活化マイコバクテリアによる経口投与処置を受けている(治療効果)。(実施例6) 図9は、x軸上に示される生存期間(日数)と、y軸上に示されるマウスの生存率を示す。マウスは感染され、その後、抗結核薬RIMSTARによる治療を受けていた。RIMSTARによる治療後、グループ1は引き続き、フォーチュイタム菌の不活化マイコバクテリアによる経口投与耐性構築処置を受けている(抗再発効果)。対照群(実線)はグループ1(破線、耐性構築処置を受けたグループ)と比較されている。RIMSTARによる治療期間(黒色矩形部分)と、引き続く耐性構築処置期間(白抜き矩形部分)はx軸上に示されている。
以下、本発明の実施の形態について、実施例により詳述する。
感染前又は感染後に結核菌の不活化菌を投与することによる経口耐性構築治療(予防効果又は治療効果)
Institut German Traias i PujolのUnitat de Tuberculosi Experimental菌寄託機関から入手した結核菌(M. tuberculosis)の臨床株(TOL-3)をProskauer Beck液体培地中で指数関数増殖 が起こり、1ml当たり1.7x10コロニー形成単位(CFUs)濃度に達するまで培養し、得られた培養物を用いて不活化マイコバクテリアを作成した。
培養物を75℃で2時間加熱して不活化させ、続いて、−80℃で冷凍した。その後、10%蔗糖溶液で50:50に希釈し、容量0.5mlのバイアル中に充填し、凍結乾燥させた。その後、これらのバイアルを希釈水3mlで元に戻した。希釈倍率は1:1であり、4.25x10CFUsに相当する。
アッセイにおいて、生成物0.3mlを、生成物:希釈液が1:1、1:10、1:100及び1:1000の比率で投与した。これらの投与は、4.25x10CFUs、4.25x10CFUs、4.25x10CFUs及び4.25x10CFUsの各投与量に対応する。
特異的病原体を有しない6−8週齢の雌マウスを使用し、これらの不活化マイコバクテリアの有効性をテストした。
これらのマウスを、各6匹毎の3群に分け、各群のマウスに対して下記の耐性構築プロトコルを実施した。
1)対照群:非処置
2)グループ1(感染前処置群):ゾンデにより経口的に不活化マイコバクテリア含有生成物を強制摂取させた。感染前10日目から投与を開始し、各48時間毎に投与し、不活化マイコバクテリア含有生成物5回投与した。各投与毎に、容量0.3mlを投与した。全体で4種類の希釈度、すなわち、1:1、1:10、1:100及び1:1000(それぞれグループ1a、1b、1c及び1dに対応する)の希釈度をテストした。
3)グループ2(感染後処置群):ゾンデにより経口的に不活化マイコバクテリア含有生成物を強制摂取させた。感染後11日目から投与を開始し、各48時間毎に投与し、不活化マイコバクテリア含有生成物5回投与した。各投与毎に、容量0.3mlを投与した。全体で4種類の希釈度、すなわち、1:1、1:10、1:100及び1:1000(それぞれグループ2a、2b、2c及び2dに対応する)の希釈度をテストした。
結核菌の毒性株(H37Rv Pasteur) を中期対数期になるまでProskauer-Beck培地中で培養し、使用するまで−70℃の温度で1ml毎のアリコートで保存した。その後、これを感染源として使用した。
約2x10の生菌を接種源として静脈内に投与することによりマウスを感染させた。
下記の表1に示す方法に従って、マウスが屠殺を必要する状態になるまで毎日、マウスの状態を観察し、そして体重を測定した。
表1
マウスの観察 スコア
体重
正常(体重減少無し。マウスは正常通りに成長する) 0
体重減少<10% 1
体重減少10−15%(糞便の外観及び量に有り得べき変化) 2
体重減少>15%(マウスは水を飲まないか又は餌を食べない) 3
外観
正常 0
外皮が劣化した状態 1
外皮が劣化した状態又は目或いは鼻分泌物の存在 2
異常な姿勢 3
苦痛の徴候の観察
徴候無し(自傷行為又は異音が観察されない) 0
自傷行為又は異音が観察される 3
刺激に対する反応
正常(攻撃又は昏睡状態の何れも無し) 0
非常に攻撃的又は昏睡状態 3

脚注
スコア0−2:正常
スコア3 :管理プロトコルの適用頻度を2回/日まで増大する。
2個以上のコンセプトでスコア3が得られた場合、全てのスコア3はスコア4になる。
1個以上のスコアが4の値に達した場合、マウスを屠殺する。
得られた結果を図1及び図2に示す。図1及び図2から明らかなように、異なる実験群について感染後のマウスの生存率が上昇する。日数で示された生存期間はx軸に、一方、生存率はy軸にそれぞれ示されている。
図1において、対照群(実線)は感染前に処置されたグループ1(破線)のマウスと比較されている。グラフ1、2、3及び4はグループ1a、1b、1c及び1dにそれぞれ対応している。すなわち、異なる量の生成物を1:1、1:10、1:100及び1:1000の希釈度に従って投与した。
図2において、対照群(実線)は感染後に処置されたグループ2(破線)のマウスと比較されている。グラフ5、6、7及び8はグループ2a、2b、2c及び2dにそれぞれ対応している。すなわち、異なる量の生成物を1:1、1:10、1:100及び1:1000の希釈度に従って投与した。
マウスの生存性に対する処置の効果を評価するために、生存曲線を2種類の方法により比較した。一つの方法は、Mantel-Cox検定(又は対数順位検定、LRt)であり、もう一つの方法はGehan-Breslow-Wilcoxon検定(CBWt)である。最初の方法ではリスク(死亡数/単位時間)は実験全体を通じて一定であるが、第2の方法では最初の数日中の死亡数(早期死亡数)を一層考慮する。リスクが一定である場合、Mantel-Cox検定は一層高い検出力を有するが、そうでない場合又は他方よりもリスクが高いグループが存在する場合、Gehan-Breslow-Wilcoxon検定の方が一層好適である。
対照群に関して、全てのケースにおいて統計的有意差(p<0.05、CBWt)が認められた。また、グラフ4、5、6及び7に対応する処置におけるLRtについて統計学的有意性(p<0.05)も存在する。
図示された結果は、最低希釈度(1:1000、図1、グラフ4)で感染前療法を使用した場合の保護的応答を反映している。これに対して、希釈度1:1、1:10及び1:100(それぞれ、図2のグラフ5、6及び7に対応する)で、感染後療法による保護効果が認められた。これらのうち、1:10希釈療法が特に重要である。
対照群に対する剖検は、26日目から30日目の間の非常に急速な進行を示した。この期間中に、病斑のサイズが増大し、そして、最後には収束し、内部がクリーム状の粘稠性を有するネクローシス(壊死)の大きな病斑を形成した。
従って、次のように結論することができる。すなわち、結核菌の感染前(予防効果)及び結核菌の感染後(治療効果)の双方について、耐性構築療法による経口投与は、潜伏感染の活動性感染への転化を遅延させることによりマウスの生存性を増大させる。従って、本発明により不活化マイコバクテリアを使用することは結核症に対する予防処置として好適であると思料される。
感染後にM. bovis BCGの不活化菌を投与することによる経口耐性構築治療(治療効果)
この実施例で使用した治療薬はM. bovis BCG(SSI)の市販菌株から作成した。この菌株をProskauer Beck液体培地中で指数関数増殖 が起こり、1ml当たり1.03x10コロニー形成単位(CFUs)濃度に達するまで培養した。得られた培養物を実施例1に述べた方法と同じ方法を用いて不活化させた。
特異的病原体を有しない6−8週齢のC3HeB/FeJ雌マウスを使用し、これらの不活化マイコバクテリアの有効性をテストした。各投与において、1:10希釈度に対応する容量0.3ml(2.575x10CFUsに相当)を投与した。
これらのマウスを、各12匹毎の2群に分け、各群のマウスに対して下記の耐性構築プロトコルを実施した。
1)対照群:非処置
2)グループ1(感染後処置群):ゾンデにより経口的に不活化マイコバクテリア含有生成物を強制摂取させた。感染後12日目から投与を開始し、各48時間毎に投与し、不活化マイコバクテリア含有生成物5回投与した。引き続き、各マウスの生存時間に応じて、実験の終了まで1週間に3回(月曜日、水曜日及び金曜日)投与した。
結核菌の毒性株(H37Rv Pasteur) を中期対数期になるまでProskauer-Beck培地中で培養し、使用するまで−70℃の温度で1ml毎のアリコートで保存した。その後、これを感染源として使用した。
約2x10の生菌を接種源として静脈内に投与することによりマウスを感染させた。
上記実施例1の表1に記載した方法と同じ方法に従って、マウスが屠殺を必要する状態になるまで毎日、マウスの状態を観察し、そして体重を測定した。
得られた結果を図3に示す。日数で示された生存期間はx軸に、一方、生存率はy軸にそれぞれ示されている。
対照群(実線)は処置されたグループ1(破線)よりも低い生存率を有することが認められた。有意差(対数準位検定, Log-rank test, p=0.0147; Gehan-Breslow-Wilcoxon test, p=0.0052)が認められた。
これらの結果は、感染マウスの連続的処置後の保護応答を反映している。従って、次のように結論することができる。すなわち、結核菌により感染された後に、不活化M. bovis BCGの耐性構築療法による経口投与は、疾患(結核症)の誘発を遅延させることによりマウスの生存率を高める。従って、本発明により不活化マイコバクテリアを使用することは、潜伏感染の活動性感染への転化を遅延させることにより結核に対する予防処置として好適であると思料される。
感染前にM. bovis BCGの不活化菌を投与することによる経口耐性構築治療(予防効果)
M. bovis BCGの不活化菌を実施例2に述べた方法と同じ方法で作成した。
不活化マイコバクテリアの効力を特異的病原体を有しない6−8週齢のC3HeB/FeJ雌マウスでテストした。
これらのマウスを、各12匹毎の2群に分け、各群のマウスに対して下記の処置を施した。
1)対照群:非処置
2)グループ1(感染前処置群):ゾンデにより経口的に不活化マイコバクテリア含有生成物を13回強制摂取させた。感染前29日目から投与を開始し、1週間に3回(月曜日、水曜日及び金曜日)投与した。各投与において、1:1000希釈度に対応する容量0.3ml(2.575x10CFUsに相当)を投与した。
前記実施例と同様に、結核菌の毒性株(H37Rv Pasteur) を中期対数期になるまでProskauer-Beck培地中で培養し、使用するまで−70℃の温度で1ml毎のアリコートで保存した。その後、これを感染源として使用した。
約2x10の生菌を接種源として静脈内に投与することによりマウスを感染させた。
上記実施例1の表1に記載した方法と同じ方法に従って、マウスが屠殺を必要する状態になるまで毎日、マウスの状態を観察し、そして体重を測定した。
得られた結果を図4に示す。日数で示された生存期間はx軸に、一方、生存率はy軸にそれぞれ示されている。
対照群(実線)は処置されたグループ1(破線)よりも低い生存率を有することが認められた。対数準位検定(Log-rank test)による有意差はp=0.0020であり、 Gehan-Breslow-Wilcoxon testによる有意差はp=0.0019であった。
これらの結果は、結核菌による感染前に不活化マイコバクテリアM. bovis BCGを経口投与することによる耐性誘発後の保護応答の存在を示している。従って、前記処置は高い確率で疾患(結核)の誘発を阻止することが認められる。
感染前又は感染後に結核菌の不活化菌を投与することによる経口耐性構築処置の有効性(予防効果又は治療効果)及び脾臓中の調節性T細胞 の分析による被誘発耐性のモニタリング
結核菌(TOL-3)の不活化菌を実施例1に述べた方法と同じ方法で作成した。
不活化マイコバクテリアの効力を特異的病原体を有しない6−8週齢のC3HeB/FeJ雌マウスでテストした。
これらのマウスを、各24匹毎の3群に分け、各群のマウスに対して下記の処置を施した。
1)対照群:非処置
2)グループ1(感染前処置):ゾンデにより経口的に不活化マイコバクテリア含有生成物を5回強制摂取させた。感染前10日目から投与を開始し、各48時間毎に投与し、続いて、実験が終わるまで1週間に3回(月曜日、水曜日及び金曜日)投与した。各投与において、1:1000希釈度の溶液を0.3ml投与した。
3)グループ2(感染後処置群):ゾンデにより経口的に不活化マイコバクテリア含有生成物を5回強制摂取させた。感染後11日目から投与を開始し、各48時間毎に投与し、続いて、実験が終わるまで1週間に3回(月曜日、水曜日及び金曜日)投与した。各投与において、1:10希釈度の溶液を0.3ml投与した。
前記実施例と同様に、結核菌の毒性株(H37Rv Pasteur) を中期対数期になるまでProskauer-Beck培地中で培養し、使用するまで−70℃の温度で1ml毎のアリコートで保存した。その後、これを感染源として使用した。
約1x10の生菌を接種源として静脈内に投与することによりマウスを感染させた。
各グループのマウスのうち半数のマウス(12匹)を生存性研究用に割り当てた。実施例1の表1に記載した方法と同じ方法に従って、マウスが屠殺を必要する状態になるまで毎日、マウスの状態を観察し、そして体重を測定した。
図5において、グラフ1及び2は異なる実験グループの生存結果を示す。日数で示された生存期間はx軸に、一方、マウスの生存率はy軸にそれぞれ示されている。
グラフ1において、対照群(実線)は、感染前に開始された処置を受けたグループ1(破線)と比較されている。対照群は処置されたグループよりも低い生存率を有することが認められた。対数準位検定(Log-rank test)による有意差はp=0.0011であり、 Gehan-Breslow-Wilcoxon testによる有意差はp=0.0014であった。
グラフ2において、対照群(実線)は、感染後に開始された処置を受けたグループ2(破線)と比較されている。対照群は処置されたグループよりも低い生存率を有することが認められた。対数準位検定(Log-rank test)による有意差はp=0.04541であるが、 Gehan-Breslow-Wilcoxon testでは統計学的有意差は認められなかった。
双方のケースにおいて、次のような結論が得られる。すなわち、不活化マイコバクテリアによる耐性構築療法の処置を受けたマウスは、処置を受けなかったマウスよりも、結核菌感染後、長期間にわたって生存することができる。
各グループの残りのマウス(12匹)に関して、脾臓細胞間に存在する調節性T細胞を研究するために、半数のマウス(各グループ6匹)は第3週目に屠殺し、他の半数のマウス(各グループ6匹)は第4週目に屠殺した。
非特許文献13に記載されているように、調節性T細胞は経口耐性の誘発における鍵となるべきT細胞群であり、免疫応答の調節に関係される個数として定義される。調節性T細胞はCD4及びCD25膜マーカーを発現する。
非特許文献14には、転写因子Foxp3は調節性T細胞発生の鍵であると記載されている。このため、CD4+CD25+Foxp3+表現型を有するT細胞は調節機能を有すると思料される。
イソフルラン麻酔薬を吸入させた後、頚椎脱臼によりマウスを屠殺した。脾臓を摘出し、機械的離解、細胞ストレイナー(BDファルコン細胞濾過ストレイナー、ナイロン製、40μm)及び赤血球溶解により脾臓細胞を収集した。CD4及びCD25膜脾臓細胞及び細胞間Foxp3は調節性T細胞標識キット(eBioscience社製)により標識を付け、フローサイトメトリー(流動細胞計測法)(BD LSR-Fortessa細胞分析計)により分析した。測定結果はBD FACSdiva分析ソフトウエアにより処理した。
図6は、感染後第3週目(グラフ1)及び第4週目(グラフ2)における異なる処置グループと対象群の、CD4+T細胞の総数に対する調節性T細胞(すなわち、CD4+CD25+Foxp3+表現型を有するT細胞)の割合を示す。調節性T細胞の割合はy軸に示される。異なる処置タイプ及び対象群はx軸に示される。
図中の四角形印は非処置マウス(対象群)を示し、三角形印は感染前に処置されたグループ1のマウスを示し、円形印は感染後に処置されたグループ2のマウスをそれぞれ示す。実線の水平線は各グループの算術平均値を示す。
実際、結核菌による感染前又は感染後に処置が開始されたか否かに拘わらず、耐性構築療法により処置されたグループ内のマウスにのみ、第3週目と第4週目の間に調節性T細胞の割合が増大することが認められた。
感染前又は感染後にカンサシ菌(M. kansasii)の不活化菌を投与することによる経口耐性構築処置(予防効果又は治療効果)
カンサシ菌(Mycobacteriumu kansasii)は晩生(遅生育)の非結核性抗酸菌である。Institut German Traias i PujolのUnitat de Tuberculosi Experimental菌寄託機関から入手したカンサシ菌の臨床株(TOL)をProskauer Beck液体培地中で指数関数増殖 が起こり、1ml当たり8.07x10コロニー形成単位(CFUs)濃度に達するまで培養し、得られた培養物を用いて不活化マイコバクテリアを作成した。
培養物を121℃で20分間オートクレーブ処理して不活化させ、続いて、−80℃で冷凍した。その後、10%蔗糖溶液で50:50に希釈し、容量2mlのバイアル中に充填し、−80℃で保存した。
特異的病原体を有しない6−8週齢のC3HeB/FeJ雌のマウスを使用し、これらの不活化マイコバクテリアの有効性をテストした。
各投与において、1:10希釈度の溶液を0.3ml(2.42x10CFUsに相当)投与した。
これらのマウスを、各12匹毎の3群に分け、各群のマウスに対して下記の耐性構築プロトコルを実施した。
1)対照群:非処置
2)グループ1(感染前処置):ゾンデにより経口的に不活化マイコバクテリア含有生成物を13回強制摂取させた。1週間に3回(月曜日、水曜日及び金曜日)投与した。このグループは最後の投与後、24時間目に感染させた。
3)グループ2(感染後処置群):感染後、15日目から、ゾンデにより経口的に不活化マイコバクテリア含有生成物を13回強制摂取させた。1週間に3回(月曜日、水曜日及び金曜日)投与した。
結核菌の毒性株(H37Rv Pasteur) を中期対数期になるまでProskauer-Beck培地中で培養し、使用するまで−70℃の温度で1ml毎のアリコートで保存した。その後、これを感染源として使用した。
約2x10の生菌を接種源として静脈内に投与することによりマウスを感染させた。
実施例1の表1に記載した方法と同じ方法に従って、マウスが屠殺を必要する状態になるまで毎日、マウスの状態を観察し、そして体重を測定した。
図7のグラフ1及びグラフ2は異なるグループの生存結果を示す。日数で示された生存期間はx軸に、一方、マウスの生存率はy軸にそれぞれ示されている。
グラフ1は予防処置を示すグラフであり、非処置の対照群と、感染前から開始された処置を受けたグループ1とを比較している。対照群(実線)はグループ1(破線)よりも低い生存率を有することが認められた。また、有意差も認められた。対数準位検定(Log-rank test)による有意差はp<0.0001であり、Gehan-Breslow-Wilcoxon testによる有意差はp<0.0001であった。
グラフ2は治療処置を示すグラフであり、非処置の対照群と、感染後から開始された処置を受けたグループ2とを比較している。対照群(実線)はグループ2(破線)よりも低い生存率を有することが認められた。また、有意差も認められた。対数準位検定(Log-rank test)による有意差はp<0.0001であり、Gehan-Breslow-Wilcoxon testによる有意差はp<0.0001であった。
双方のケースとも、これらの結果は保護応答を反映している。従って、次のように結論することができる。すなわち、結核菌により感染される前又は感染された後に、晩生(遅生育)非結核性不活化マイコバクテリア(カンサシ菌)の耐性構築療法による経口投与は、疾患(結核症)の誘発を遅延させることによりマウスの生存率を高める。従って、本発明により不活化マイコバクテリアを使用することは、潜伏感染の活動性感染への転化を遅延させるので、結核症に対する予防処置として好適であると思料される。
感染前又は感染後にマイコバクテリウム・フォーチュイタム(M. fortuitum)の不活化菌を投与することによる経口耐性構築処置(予防効果又は治療効果)
マイコバクテリウム・フォーチュイタムは速生育非結核性抗酸菌である。Institut German Traias i PujolのUnitat de Tuberculosi Experimental菌寄託機関から入手したフォーチュイタム菌の環境株(environmental strain)(マンレサ(Manresa)株)をMiddlebrook 7H9固体培地中で、1ml当たり2x10コロニー形成単位(CFUs)濃度に達するまで培養し、得られた培養物を用いて不活化マイコバクテリアを作成した。
培養物を121℃で20分間オートクレーブ処理して不活化させ、続いて、−80℃で冷凍した。その後、10%滅菌蔗糖溶液で50:50に希釈し、容量2mlのバイアル中に充填し、−80℃で保存した。
特異的病原体を有しない6−8週齢のC3HeB/FeJ雌のマウスを使用し、これらの不活化マイコバクテリアの有効性をテストした。
各投与において、1:1000希釈度の溶液を0.3ml(6x10CFUsに相当)投与した。
これらのマウスを、各12匹毎の3群に分け、各群のマウスに対して下記の耐性構築プロトコルを実施した。
1)対照群:非処置
2)グループ1(感染前処置):ゾンデにより経口的に不活化マイコバクテリア含有生成物を10回強制摂取させた。1週間に5回(月曜日から金曜日)投与した。このグループは最後の投与後、24時間目に感染させた。
3)グループ2(感染後処置群):感染後、5日目から処置を開始し、ゾンデにより経口的に不活化マイコバクテリア含有生成物を10回強制摂取させた。1週間に5回(月曜日から金曜日)投与した。
結核菌の毒性株(H37Rv Pasteur) を中期対数期になるまでProskauer-Beck培地中で培養し、使用するまで−70℃の温度で1ml毎のアリコートで保存した。その後、これを感染源として使用した。
約2x10の生菌を接種源として静脈内に投与することによりマウスを感染させた。
実施例1の表1に記載した方法と同じ方法に従って、マウスが屠殺を必要する状態になるまで毎日、マウスの状態を観察し、そして体重を測定した。
図8のグラフ1及びグラフ2は異なるグループの生存結果を示す。日数で示された生存期間はx軸に、一方、マウスの生存率はy軸にそれぞれ示されている。
予防処置に関して得られた結果はグラフ1に示されている。対照群(実線)はグループ1(破線)よりも低い生存率を有することが認められた。また、有意差も認められた。対数準位検定(Log-rank test)による有意差はp<0.0001であり、Gehan-Breslow-Wilcoxon testによる有意差はp<0.0001であった。
治療処置に関して得られた結果はグラフ2に示されている。対照群(実線)はグループ2(破線)よりも低い生存率を有することが認められた。また、有意差も認められた。対数準位検定(Log-rank test)による有意差はp<0.0001であり、Gehan-Breslow-Wilcoxon testによる有意差はp<0.0001であった。
双方のケースとも、これらの結果は保護応答を反映している。従って、次のように結論することができる。すなわち、結核菌により感染される前又は感染された後に、速生育非結核性抗酸菌不活化マイコバクテリア(M. fortuitum)の耐性構築療法による経口投与は、疾患(結核症)の誘発を遅延させることによりマウスの生存率を高める。従って、本発明により不活化マイコバクテリアを使用することは、潜伏感染の活動性感染への転化を遅延させるので、結核症に対する予防処置として好適であると思料される。
実験的活動性結核症の処置後にマイコバクテリウム・フォーチュイタム(M. fortuitum)の不活化菌を投与することによる経口耐性構築処置(再発に対する効果)
マイコバクテリウム・フォーチュイタム(マンレサ株)の不活化菌を実施例6に述べた方法と同じ方法で生成した。
特異的病原体を有しない6−8週齢のC3HeB/FeJ雌マウスを使用し、これらの不活化マイコバクテリアの有効性をテストした。
各投与において、1:100希釈度の溶液を0.3ml(6x10CFUsに相当)投与した。
このケースでは、本発明による予防的耐性構築処置の効果を抗再発効果に関して研究した。すなわち、マウスが活動性結核症を発症した後で、かつ、当該マウスが抗結核薬で治療された後の再発防止効果について研究した。
従って、実験の開始時点で、約2x10の生菌を接種源として静脈内に投与することによりマウスを感染させた。
前記実施例と同様に、結核菌の毒性株(H37Rv Pasteur) を中期対数期になるまでProskauer-Beck培地中で培養し、使用するまで−70℃の温度で1ml毎のアリコートで保存した。その後、これを感染源として使用した。
実施例1の表1に記載した方法と同じ方法に従って、マウスが屠殺を必要する状態になるまで毎日、マウスの状態を観察し、そして体重を測定した。
21日目の時点で、商品名RIMSTARと呼ばれる市販製剤に含まれる抗生物質混合物(イソニアジド、エタンブトール、ピラジナミド及びリファンピシン)を用いて治療を開始した。製剤の投与量はマウスの体重に合わせて調整した。1週間に5日間投与した。
これらのマウスを、各12匹毎の2群に分け、各群のマウスに対して下記の耐性構築プロトコルを実施した。
1)対照群:耐性構築処置無し
2)グループ1:ゾンデを用いて経口的に不活化マイコバクテリア含有生成物を14回強制摂取させることにより処置した。1週間に7回(月曜日から日曜日)投与した。RIMSTARによる活動性結核症の治療終了後(63日目)、72時間目に前記耐性構築処置を開始し、76日目に最後の投与を行った。
再発に対する処置に関して得られた結果を図9に示す。日数で示された生存期間はx軸に、一方、マウスの生存率はy軸にそれぞれ示されている。また、時相x軸(temporal x-axis)上に、RIMSTARによる治療期間が黒色の矩形で、更に、グループ1の耐性構築処置期間が白抜きの矩形で示されている。
対照群(実線)は処置されたグループ1(破線)よりも生存期間が短いことが認められる。
これらの結果は保護応答を反映している。従って、次のように結論することができる。すなわち、不活化マイコバクテリアの経口投与耐性構築療法は、活動性結核症の治療を受けた後の結核症再発を防止する。
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。

Claims (15)

  1. 結核予防用医薬品を製造するための不活化マイコバクテリアの使用であって、
    (a)不活化マイコバクテリアを定期的に経口投与する;
    (b)投与間隔は5日以下である;及び
    (c)与薬される投与回数は5回以上である、
    ことを特徴とする不活化マイコバクテリアの使用。
  2. 不活化マイコバクテリアは、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium bovis、Mycobacterium africanum、Mycobacterium microti、Mycobacterium bovis BCG、
    Mycobacterium fortuitum及びMycobacterium kansasiiからなる群から選択される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の不活化マイコバクテリアの使用。
  3. 不活化マイコバクテリアは、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium bovis、Mycobacterium bovis BCG、Mycobacterium fortuitum及びMycobacterium kansasiiからなる群から選択される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の不活化マイコバクテリアの使用。
  4. マイコバクテリアは加熱プロセスにより不活化される、
    ことを特徴とする請求項1−3の何れかに記載の不活化マイコバクテリアの使用。
  5. 投与間隔が3日以下である、
    ことを特徴とする請求項1−4の何れかに記載の不活化マイコバクテリアの使用。
  6. 投与間隔が2日以下である、
    ことを特徴とする請求項5に記載の不活化マイコバクテリアの使用。
  7. 与薬される投与回数が7回以上である、
    ことを特徴とする請求項1−6の何れかに記載の不活化マイコバクテリアの使用。
  8. 与薬される投与回数が9回以上である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の不活化マイコバクテリアの使用。
  9. 各投与は10から10個の不活化マイコバクテリアからなる、
    ことを特徴とする請求項1−8の何れかに記載の不活化マイコバクテリアの使用。
  10. マイコバクテリアは、不活化マイコバクテリアと、少なくとも1種類の薬剤的に使用可能な賦形剤とからなる医薬組成物の剤形で投与される、
    ことを特徴とする請求項1−9の何れかに記載の不活化マイコバクテリアの使用。
  11. 医薬組成物の剤形はカプセル剤である、
    ことを特徴とする請求項10に記載の不活化マイコバクテリアの使用。
  12. 医薬組成物の剤形は錠剤である、
    ことを特徴とする請求項10に記載の不活化マイコバクテリアの使用。
  13. 不活化マイコバクテリアは、結核菌に感染しているが、その感染が潜伏状態である個体に投与される、
    ことを特徴とする請求項1−12の何れかに記載の不活化マイコバクテリアの使用。
  14. 個体は以前に活動性結核症を発症したことがある、
    ことを特徴とする請求項13に記載の不活化マイコバクテリアの使用。
  15. 不活化マイコバクテリアは、結核菌に感染していない個体に投与される、
    ことを特徴とする請求項1−12の何れかに記載の不活化マイコバクテリアの使用。
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