JP6158726B2 - 塗布製品の量産方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板上にインクなどの液滴を塗布することによって基板に塗着物が付いた塗布製品を量産する方法に関し、特に、有機EL装置を製造するときに基板上に発光層などの機能層を形成する工程を量産的に行う方法に関する。
有機EL装置やTFT基板等のデバイスにおいては、特定の機能を発揮する機能層が基板上に形成されている。機能層としては、有機EL装置における有機発光層や、TFT基板における有機半導体層等が挙げられる。
現在、このようなデバイスが大型化するのに伴って、効率良く機能層を形成する方法として、機能性材料を含む溶液(以下、「インク」と称する。)を基板上に塗布するウェット方式が用いられている。
ウェット方式として代表的なインクジェット法では、まず、液滴吐出装置の作業テーブル上に、吐出対象物としての基板を載置し、その基板の表面に対してノズルヘッドを走査させながら、ノズルヘッドが備える多数(例えば1万個)のノズルからインク液滴を吐出させる。そして、基板の表面にインク液滴を付着させ、付着した液滴を乾燥させることによって機能層を形成する。
このようなインクジェット法によって良質の機能層を形成するために、液滴吐出装置における着弾精度が一定の水準を満たしていること、すなわち、塗布対象となる基板上の目標位置に対して、インク液滴が着弾した位置のずれが小さいことが必要である。
しかし、ウェット方式で製品を量産する際に、多数のノズルの中には、ノズルの吐出口付近にインクやごみが付着して着弾不良を起こすノズルが発生する確率があり、この着弾不良は製品の不良につながる。例えば、着弾不良を起こしたノズルをそのまま使って、有機EL素子の有機発光層を形成すると、インク液滴が目標とするサブピクセルの隣りのサブピクセルに着弾することがあるため、発光層を形成するインクの混色を招く原因となる。
そこで、量産を行う途中に、液滴吐出装置におけるノズルのメンテナンスを定期的に行って、ノズル詰まりの原因となるものを取り除くといった対応がなされている。
このノズルのメンテナンスは、例えば、ノズルヘッドの各ノズルからインクを強く吐出して詰まり取り去る、あるいは、ノズルヘッドにおける各ノズルの吐出口周囲に付着したインクを拭き取るといった作業である。
また、特許文献1に開示されているように、メンテナンスの後に、液滴吐出装置の各ノズルから吐出される液滴の着弾精度を検査し、その検査結果に基づいて特定した正常ノズルを優先的に用いて、次の塗布工程を行う技術も知られている。
これらの技術を用いて有機EL素子の有機発光層を形成することは、インクの混色防止を防ぎ、製品不良の発生を抑える上で有効と考えられる。
特開2008−209439号公報
一般的に製品を量産するときにはその生産効率を高めることが望まれるように、有機EL装置などを量産する際に、液滴吐出装置を用いて多数の基板に対してインクの塗布を行う工程においても、その生産効率を向上させることが望まれる。
そのためには、多くの基板に対してインク塗布を行う途中で、メンテナンスを行う頻度、すなわち、塗布する基板の枚数に対するメンテナンス回数の割合を、できるだけ少なくすることが望ましい。
本発明は、液滴吐出装置を用いて基板にインクを塗布することによって塗布製品を製造する上で、液滴の着弾精度を維持しながら、液滴吐出装置のメンテナンスを行う頻度をより少なくすることによって、その生産効率を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る量産方法は、液滴吐出装置が備える複数のノズルから液滴を吐出して製品製造用の基板に塗布することによって、当該基板に塗着物が付着した塗布製品を量産する方法であって、(a)製品製造用の基板とは別に検査用の基板を準備し、複数のノズルの中から選ばれたノズルの各々から検査用の基板に液滴を吐出して着弾精度を検査する着弾精度検査を行い、(b)着弾精度検査の結果に基づいて、各ノズルの状態を、良好状態、慢性的な不良状態、一時的な不良状態のいずれかに分類し、(c)慢性的な不良状態に及び一時的な不良状態に分類されたノズルは不使用とし、良好状態に分類されたノズルを使って、1枚以上の製品製造用の基板に対して液滴を塗布するという(a)〜(c)の一連の動作を1サイクルとして繰り返して行うことした。ここで、着弾精度検査において複数のノズルの中から選ばれるノズルは、前のサイクルにおいて一時的な不良状態に分類されたノズルの少なくとも一部と良好状態に分類されたノズルとを含むこととした。
上記態様の方法によれば、1サイクルの中の製品製造用の基板に対して液滴を塗布する工程では、着弾精度検査の結果に基づいて良好状態に分類されたノズルを選択的に用いて塗布が行われるので、着弾精度が確保される。
また、上記一連の動作が繰り返し行われている途中のサイクルで、良好状態に分類されていたノズルが不良状態に変わったとしても、次のサイクルでは、着弾検査においてそのノズルの不良状態がチェックされて不良状態に分類されて不使用となるので、次のサイクルではそのノズルの着弾不良も生じない。
従って、上記態様の方法によれば、一連の動作を繰り返し行う間、メンテナンスを行わなくても、製品製造用の基板への塗布に使用されるノズルの着弾精度が確保される。
すなわち、上記態様の量産方法によれば、製品製造用の基板への液滴塗布に使用されるノズルの着弾精度を確保しながら、メンテナンスとメンテナンスとの間隔を長くして、製品製造用の基板に塗布する工程の生産効率を高めることができる。
また、上記態様の方法によれば、不良状態のノズルが、慢性的な不良状態のノズルと、一時的な不良状態とに分けられて、一時的な不良状態のノズルの少なくとも一部については、次のサイクルにおいて、再び着弾精度検査が行われる。
ここで、慢性的な不良状態に分類されたノズルは、仮に着弾精度検査を再度行っても同じく慢性的な不良判定される可能性が高いのに対して、一時的な不良状態に分類されたノズルは、次の着弾精度検査を再度行うと良好な状態に分類される可能性がある。
従って、一時的な不良状態に分類されて製品製造に使用されないノズルの中に、次のサイクルでは良好状態に分類されて、製品製造の使用に復活することがあるので、サイクルの繰り返しに伴って不良ノズルとして分類される累積数が増加する速度は、その分低減される。
この点からも、使用するノズルの着弾精度を維持しながら、使用停止となるノズルの累積数が増える速度を抑えて、メンテナンスから次のメンテナンスまでの間隔を長くすることができ、生産効率を向上できる。
実施の形態に係る液滴吐出装置の主要構成を示す図である。 実施の形態に係る液滴吐出装置の機能ブロック図である。 液滴吐出装置におけるノズルヘッドの断面図である。 実施の形態に係る有機EL装置の製造方法を説明する工程図である。 実施の形態において、発光層用のインクを基板に塗布して塗布製品を量産する工程を示すフローチャートである。 液滴吐出装置における各ノズルの着弾検査方法を示す図である。 制御装置130の記憶手段132に記憶されたデータテーブルの一例である。 制御装置130が各ノズル125の状態を分類する処理方法を示すフローチャートである。 (a)〜(e)はノズル125の着弾検査の結果の具体例を示す図表である。 (a),(b)は、制御装置130の記憶手段132に格納されている管理テーブルの一例である。 製品製造用の基板300に対して発光層形成用のインクを塗布する工程を示す図であって、(a)はラインバンクの場合、(b)はピクセルバンクの場合である。
[発明に到った経緯]
上記特許文献1においては、メンテンスを行った後に液滴吐出装置が備える複数のノズルについて、液滴の着弾位置ずれを測定し、その結果から、各ノズルを不良から正常までの何段階かのレベルに分類している。そして、インクを塗布する工程では、分類したレベルにおける優先度の高いノズルから選んだ必要数のノズルを用いて、塗布を行っている。
このように、各ノズルについてインクの着弾検査を行い、着弾検査の結果に基づいて選んだ比較的良好なノズルだけを用いて、製品製造用の基板にインクを塗布することによって、インクの着弾不良を抑えて、良好な製品を生産することができると考えられる。
しかし、この方法で生産しても、メンテナンスから次のメンテナンスまでの間隔が長くなると、良好状態に分類されたノズルが、製品製造に使用している間に、不良状態に変わる可能性があるので、メンテナンスから次のメンテナンスまでの間隔をあまり長くすると、使用するノズルの着弾精度を確保しにくい。
そこで本発明者は、メンテナンスとメンテナンスの間に、ノズルの着弾検査をしてノズルを良好状態と不良状態とに分類して、良好状態に分類されたノズルだけを用いて、一定数(N枚:例えば10枚)の製品製造用の基板に対してインクを塗布するという一連の工程を繰り返して行い、不良状態のノズルの累積数が許容範囲の上限に到達した段階で、ノズルのメンテナンスを行うという量産方法を取ることを考えた。
この量産方法を用いれば、メンテナンスから次のメンテナンスまでの間に、ノズルの状態が変わってインクの着弾不良が発生しても、その不良ノズルは、N枚の製品製造用の基板にインクを塗布するごとになされる着弾検査に基づいて不使用となるので、その後の工程には使われない。
従って、メンテナンスから次のメンテナンスまでの間隔が長くても、使用するノズルの着弾精度を確保することができる。
ここで本発明者は、さらに生産効率を高めるために、不良状態に分類されるノズルの累積数が許容範囲の上限に達するまでの期間を延ばす方法を検討した。
そして検討の結果、着弾検査で着弾精度が不良と判定されたノズルの中でも、慢性的な不良状態にある場合と、一時的な不良状態にある場合とがあって、一時的な不良状態にあるノズルについては、再度着弾検査を行えば、良好な状態に復活する可能性があるという知見を得た。
また、着弾検査において、各ノズルから着弾検査用の基板にインクを複数回吐出して、複数回測定した位置ずれの特徴を抽出することで、慢性的な不良状態の場合と、一時的に不良の場合とに分類できることも見出した。
このような知見に基づいて、復活する可能性のある一時的な不良状態のノズルについては、そのサイクルでは製品製造用の基板への塗布に使用するのを停止するが、次のサイクルでは再度着弾検査を行って、そこで良好状態と判定される場合には、製品製造用の基板にインクを塗布するのに復活使用することとした。
このように、一時的な不良状態のノズルに対して再検査及び復活使用の機会を与えることによって、不良状態に分類されるノズル累積数の増加速度を低減して、メンテナンスから次のメンテナンスまでの間隔を延ばすことができること、すなわち、製品製造用の基板に塗布する工程において、メンテナンスの頻度が低減して生産効率を向上できることがわかり、本発明に到った。
[発明の態様]
本発明の一態様に係る塗布製品の量産方法は、液滴吐出装置が備える複数のノズルから液滴を吐出して製品製造用の基板に塗布することによって、当該基板上に塗着物が付着した塗布製品を量産する方法であって、(a)製品製造用の基板とは別に検査用の基板を準備し、複数のノズルの中から選ばれたノズルの各々から検査用の基板に液滴を吐出して着弾精度を検査する着弾精度検査を行い、(b)着弾精度検査の結果に基づいて、各ノズルの状態を、良好状態、慢性的な不良状態、一時的な不良状態のいずれかに分類し、(c)慢性的な不良状態に及び一時的な不良状態に分類されたノズルは不使用とし、良好状態に分類されたノズルを使って、1枚以上の製品製造用の基板に対して液滴を塗布するという(a)〜(c)の一連の動作を1サイクルとして繰り返して行うことした。ここで、着弾精度検査において複数のノズルの中から選ばれるノズルは、前のサイクルにおいて一時的な不良状態に分類されたノズルの少なくとも一部と良好状態に分類されたノズルとを含むこととした。
上記態様の方法によれば、1サイクルの中の製品製造用の基板に対して液滴を塗布する工程では、着弾精度検査の結果に基づいて良好状態に分類されたノズルを選択的に用いて塗布が行われるので、着弾精度が確保される。
また、一連の動作が繰り返し行われているときに、製品製造用の基板に対して液滴を塗布する工程の途中で良好状態に分類されたノズルが不良状態に変わったとしても、次のサイクルでは、着弾検査においてそのノズルの不良状態がチェックされて不使用となるので、不良状態のノズルが使われることによる着弾不良は生じない。
これは、使用するノズルの着弾精度を維持しながら、ノズルのメンテナンスとメンテナンスとの間隔を長くできることにつながる。すなわち、塗布製品を量産する間には、液滴吐出装置におけるノズルのメンテナンスが間隔おいて行われるが、上記態様の方法によれば、一連の動作を繰り返し行う間は、メンテナンスを行わなくても着弾不良が抑えられ、使用するノズルの着弾精度を維持することができる。従って、上記態様の方法によれば、使用するノズルの着弾精度を維持しながら、ノズルのメンテナンスと次のメンテナンスとの間隔を長くして、製品製造用の基板に塗布する工程の生産効率を高めることができる。
また、上記態様の方法によれば、不良状態のノズルが、慢性的な不良状態のノズルと、一時的な不良状態とに分けられて、一時的な不良状態のノズルの少なくとも一部については、次のサイクルにおいて、再び着弾精度検査が行われる。従って、一時的な不良状態に分類されて製品製造に使用されないノズルの中に、次のサイクルでは良好状態に分類されて、製品製造の使用に復活する可能性があるので、サイクルの繰り返しに伴って不良状態として分類されるノズルの累積数増加速度はその分低減される。
従って、使用するノズルの着弾精度を維持しながら、ノズルのメンテナンスから次のメンテナンスまでの間隔をより長くして、生産効率をより向上することができる。
また、一時的な不良状態に分類されたノズルは、そのサイクルでは製品製造用の基板に塗布するときには使用されず、次のサイクルで着弾精度検査を再度行って良好な状態になった場合に製品製造用の基板への塗布に使用するようにしているので、この点でも、製品製造用の基板に塗布するときの着弾精度が確保されている。
上記態様の塗布製品の量産方法において、以下のようにしてもよい。
上記一連の動作を繰り返す中で、各ノズルを分類した結果、慢性的な不良状態に分類されるノズルの累積数及び一時的な不良状態に分類されるノズル数の合計が許容範囲を超えた場合には、一連の動作を停止して、ノズルのメンテナンスを行う。
この場合、上記一連の動作を繰り返す間はノズルのメンテナンスは行われず、慢性的な不良状態に分類されるノズルの累積数と一時的な不良状態に分類されるノズル数の合計が許容範囲を超えた時点でメンテナンスが行われる。
着弾精度検査では、各ノズルから検査用の基板における 複数の目標位置に対して液滴を順次吐出して、各液滴の目標位置からの着弾位置のずれを測定し、各ノズルについて複数回測定した着弾位置のずれが示す特徴に基づいて、当該ノズルの状態を、良好状態、慢性的な不良状態、一時的な不良状態のいずれかに分類する。
各ノズルを分類するときに、着弾精度検査において複数回測定した着弾位置のずれのバラツキが第1基準以下であるノズルは、良好状態に分類し、複数回測定した着弾位置のずれのバラツキが第1基準を超えるノズルは、慢性的な不良状態及び一時的な不良状態のいずれかに分類する。
各ノズルを、慢性的な不良状態であるか一時的な不良状態であるかを分類する際に、着弾精度検査で複数回測定した着弾位置のずれに関して、第2基準以上の大きさの着弾位置のずれが連続して生じている場合は慢性的な不良状態に分類し、第2基準以上の大きさの着弾位置のずれが連続して生じていない場合は一時的な不良状態に分類する。
各ノズルを分類するときに、良好状態に分類されるノズルを、さらに、複数回測定した着弾位置のずれの平均が第3基準内にあるノズルと、第3基準を超えているノズルとに分類し、第3基準を超えるノズルについては、製品製造用の基板に対して液滴を塗布するときに、当該ノズルにおける着弾位置の平均的なずれを低減するよう吐出条件を補正してから使用する。
各ノズルを分類するときに、一時的な不良状態に分類されるノズルを、さらに、不良の一時性が高いランクと低いランクに分類し、着弾精度検査において複数のノズルの中から選ばれるノズルには、前のサイクルにおいて、不良の一時性が高いランクに分類されたノズルと、良好状態に分類されたノズルとを含むようにする。
[実施の形態]
以下、実施の形態に係る塗布製品の量産方法について、図面を参照しながら説明する。
ここでは、有機EL装置における機能層、特に発光層を、液滴吐出装置を用いてウェット法で量産する場合を例にとって説明する。
[実施の形態1]
<液滴吐出装置>
まず、液滴吐出装置について説明する。
(液滴吐出装置の全体構成)
図1は、実施の形態に係る液滴吐出装置の主要構成を示す図である。図2は、この液滴吐出装置の機能ブロック図である。
図1および図2に示すように、液滴吐出装置100は、作業テーブル110、ヘッド部120、および制御装置130を備える。
(作業テーブル)
作業テーブル110は、いわゆるガントリー式の作業テーブルであって、吐出対象物が載置される基台111と、基台111の上方に配置された長尺状の移動架台112とを備える。
図1では、吐出対象物として、着弾検査用の基板200が載置されている。
移動架台112は、基台111の長手方向(X方向)に沿って平行に配置された一対のガイドシャフト113a,113b間に架け渡されている。一対のガイドシャフト113a,113bは、基台111の四隅に配設された柱状のスタンド114a〜114dによって支持されている。
各ガイドシャフト113a,113bには、リニアモーター部115a,115bが取り付けられており、移動架台112をX方向に駆動できるようになっている。
移動架台112にはL字形の台座116が取り付けられ、この台座116にサーボモーター部117が取り付けられている。このサーボモーター部117を駆動させると、台座116及びこれに取り付けられているヘッド部120が、ガイド溝118に沿ってY方向に駆動移動する。
従って、ヘッド部120に取り付けられたノズルヘッド122および撮像装置123は、X方向及びY方向に駆動可能である。
リニアモーター部115a,115b及びサーボモーター部117は、図2に示す駆動制御部119に接続されており、駆動制御部119は、通信ケーブル101,102を介して制御装置130のCPU131に接続されている。
リニアモーター部115a,115bおよびサーボモーター部117の駆動は、制御装置130の記憶手段132に格納された制御プログラムに基づいて、CPU131が吐出制御部127へ指示し、その指示に基づいて駆動制御部119がリニアモーター部115a,115bおよびサーボモーター部117を駆動制御することにより行われる。
(ヘッド部)
ヘッド部120は、本体部121、ノズルヘッド122、および撮像装置123を備える。本体部121は、作業テーブル110の台座116に固定され、ノズルヘッド122と撮像装置123は、本体部121に取り付けられている。
ノズルヘッド122は、Y方向に伸長する長尺状の部材であって、図1には示さないが、その下面側には、複数個(例えば1万個程度)のノズル125がY方向に一列に配列されている(図3参照)。そして、各ノズル125には、圧電素子124a、振動板124b、液室124c等を構成要素とするインク吐出機構124が設けられている。
そして、液室124c内に、ノズルヘッド122に接続された輸液チューブ104を介して外部からインクが供給される。
液室124c内に供給されたインクは、圧電素子124aの駆動により液室124cの体積が減少した時に、各ノズル125から液滴として吐出対象物に吐出される。
なお、ノズルヘッド122において複数のノズル125が列状に配置される形態については一列には限定されず、複数列に分かれて配置されていても良い。
本体部121には、各圧電素子124aを個別に駆動するための駆動回路を備えた吐出制御部127が収納されている。吐出制御部127は、各圧電素子124aに与える駆動信号を制御して、各ノズル125の吐出口から液滴を吐出させる。例えば、吐出制御部127によって、圧電素子124aに印加する駆動電圧パルスが制御され、各ノズル125から吐出される液滴の体積や吐出タイミング等が調節される。
吐出制御部127は、通信ケーブル103を介して制御装置130のCPU131に接続されている。CPU131は、記憶手段132に格納された所定の制御プログラムに基づいて吐出制御部127に指示し、吐出制御部127は、その指示に従って対象の圧電素子124aに駆動電圧を印加する。
撮像装置123は、例えばCCDカメラであって、通信ケーブル105を介して制御装置130と接続されている。
撮像装置123は、基台111上に載置された吐出対象物の表面を撮像するものであって、その画像データは制御装置130へ送信される。CPU131は、その画像を記憶手段132に格納し、制御プログラムに基づいて処理する。
なお、本体部121にはサーボモーター部126が内蔵されている。このサーボモーター部126は、ノズルヘッド122をX−Y面に沿って回転させるものであて、その回転角度を調整することにより、吐出対象物に対するノズル125の相対的なピッチを調整できるようになっている。
(制御装置)
制御装置130は、CPU131、記憶手段(HDD等の大容量記憶手段を含む)132、表示手段(ディスプレイ)133、入力手段134を備える。制御装置130は具体的にはパーソナルコンピュータ(PC)である。
記憶手段132には、制御装置130に接続された作業テーブル110およびヘッド部120を駆動するための制御プログラム等が格納されている。
液滴吐出装置100の駆動時には、CPU131は入力手段134を通じてオペレータにより入力された指示と、記憶手段132に格納された各制御プログラムに基づいて制御を行う。
このような液滴吐出装置100において、作業テーブル110上の塗布対象物に対してヘッド部120をX−Y面に沿って相対的に移動させることができる。
詳しくは後述するが、この液滴吐出装置100を用いて、図11に示すように、ノズルヘッド122をX方向に走査させながら、塗布対象となる基板300上の着弾目標に対して各ノズル125から所定のタイミングでインクを吐出したり、着弾検査時には、基板表面の画像データを取得する。
また、制御装置130では、ノズルヘッド122に設けられた複数のノズル125を個別に使用/不使用の設定をすることができ、ノズルヘッド122からは使用に設定されたノズル125だけからインクを吐出できるようになっている。
また制御装置130では、この他にも、後述するように、着弾検査はノズルの分類に関する各種処理も行う。
この液滴吐出装置100を用いて、有機EL装置の有機発光層をウェット法で量産的に形成するが、まず、有機EL装置を製造する全体的な工程について説明する。
<有機EL装置の全体的な製造工程>
図4(a)は、実施の形態に係る有機EL装置の製造方法を説明する工程図である。
図4に示す基板1は、TFT基板上に、感光性樹脂を塗布しフォトマスクを介した露光・現像によって平坦化膜が形成されたものである。
図4(a)に示すように、基板1上に、陽極2、ITO層3、ホール注入層4を順に形成し、ホール注入層4上にバンク5を形成する。それに伴ってバンク5どうしの間に素子形成領域となる凹部空間5aが形成される。
陽極2は、例えばスパッタリングによりAg薄膜を形成し、当該Ag薄膜を例えばフォトリソグラフィ法でマトリックス状にパターニングすることによって形成する。なお、Ag薄膜は真空蒸着等で形成しても良い。
ITO層3は、例えばスパッタリングによりITO薄膜を形成し、当該ITO薄膜を例えばフォトリソグラフィ法でパターニングすることにより形成する。
ホール注入層4は、WOx又はMoxWyOzを含む組成物を用いて、真空蒸着、スパッタリングなどの技術で形成する。
バンク5は、ホール注入層4上にバンク材料を塗布する等によってバンク材料層を形成し、形成したバンク材料層の一部を除去することによって形成する。バンク材料層の除去は、バンク材料層上にレジストパターンを形成し、その後、エッチングすることにより行うことができる。バンク材料層の表面に、必要に応じてフッ素系材料を用いたプラズマ処理等によって撥液処理を施してもよい。本実施形態で形成するバンク5はラインバンクであって、基板1上には、図11(a)に示すように複数のラインバンクが互いに平行に形成されている。
次に、図4(b)に示すように、バンク5同士間のサブピクセル形成領域となる凹部空間5aに、ウェット方式でRGB各色の発光層を形成する。当図では1対のバンク5間に発光層6が1つだけ示されているが、基板1上には、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層が、図4の紙面横方向に繰り返して並んで形成される。この工程では、R,G,Bいずれかの機発光材料を含むインク6aを充填し、充填したインク6aを減圧下で乾燥させることによって、図4(c)に示すように発光層6を形成する。
なお、図4では示していないが、発光層6の下には、機能層としてのホール輸送層をウェット方式で形成してもよい。また、発光層6の上に機能層としての電子輸送層をウェット方式で形成してもよい。
次に、図4(d)に示すように、電子注入層7、陰極8、封止層9を順次形成する。
電子注入層7は、例えば真空蒸着によってバリウムを薄膜成形する。
陰極8は、例えばスパッタリング法によってITOを薄膜成形する。
以上の工程を経て有機EL装置が製造される。
<液滴吐出装置100を用いた発光層形成用のインク塗布方法>
液滴吐出装置100を用いて、発光層6を形成する工程を量産的に行う方法について説明する。
発光層6の形成時には、3色のインク(赤色インク、緑色インク、青色インク)を用いて、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層を、複数のラインバンク間の各領域に形成する。
説明を簡略にするため、ここでは、複数の基板に対してまず一色のインクを塗布し、次に、その複数の基板に別の色のインクを塗布し、次にその複数の基板に3色目のインクを塗布する方法で、3色のインクを順次塗布することとする。
そして、以下の説明では、複数の基板に対して、3色の中の一色のインク(赤色インク)を塗布する工程について代表的に説明する。
図6は、発光層用のインクを基板に塗布して塗布製品(基板上に発光層の材料が付着して発光層が形成された製品)を量産する工程を示すフローチャートである。
このフローチャートは、メンテナンスが終わった直後から、次のメンテナンスが行われるまでの間に、液滴吐出装置100を用いて行う工程を示している。そして、ステップS11〜S17を1サイクルとして、繰り返し行われる。
ステップS11では、液滴吐出装置100における各ノズル125の着弾検査を行なう。
メンテナンスの直後においては、ノズルヘッド122に設けられているノズルの中で、製品用基板に対してインクを塗布するのに使用する全てのノズル125(以下、単に「全てのノズル125」と記載する。)が、使用設定となっている。従って、メンテナンス直後の着弾検査は、全てのノズル125について行う。
この着弾検査の方法について、図1,7を参照しながら説明する。
着弾精度を検査するための検査用基板200を準備して、図1に示すように、液滴吐出装置100の基台111上に載置する。検査用基板200は、溌液性の基板であって、例えば有機EL装置を製造する途中の半製品基板が挙げられ、その周縁領域(額縁領域)を検査領域211として用いることもできる。
図6は、表面210の検査領域211において、着弾検査を行う方法を示す図である。 図6に示すように、ノズルヘッド122を検査用基板200に対してX方向に移動させながら、検査領域211に設定されている各目標位置221を狙って、各ノズル125からインク液滴を吐出させる。
ここで使用するインクは、製品製造用の基板に発光層を形成するときのインクと同じものである。
基台111上にセットされた検査用基板200の検査領域211において、各目標位置221は、各ノズル125がX方向に移動する走査ライン(図6における破線)上に設定されており、ノズル125のX方向ピッチと、目標位置221のX方向ピッチは同じである。
各ノズル125に対する目標位置221は複数あって、X方向に並んで設定されている。 1つのノズル125に対する目標位置221の数は5以上が好ましく、ここでは10とする。
なお、図6に示す例では、隣接する目標位置221は互いにY方向にずれている。これは、隣り合うノズル125から吐出されて着弾したインク液滴同士が混ざり合わないようにするためである。
そして、各ノズル125から、複数の目標位置221に対して順に一定量のインクを吐出させる。
図6では、各ノズル125から1回目のインク液滴吐出が終わって、そのインク液滴222が検査領域211に点在し、2回目のインク液滴吐出を行っている途中の状態が示されているが、さらに続けて10回目まで行う。
各ノズル125から10回のインク吐出が終われば、検査領域211に付着した各インク液滴222の着弾ずれ(目標位置からの位置ずれ)、並びに各インク液滴の面積を測定する。
この測定は、撮像装置123を使って、インク液滴が付着している検査領域211の撮像を行い、制御装置130がその画像データを記憶手段132に取り込んで、画像認識技術を使って行う。
具体的には、図6における部分拡大図に示すような、着弾したインク液滴222の二次元画像において、画像認識技術を用いて画像のコントラストから各インク液滴222の平面視における輪郭形状を特定し、その中心位置Oを求める。そして、求めた中心位置Oと目標位置221との距離を求める。本実施形態においては、中心位置Oと目標位置221とのX方向に対する距離dxを求め、このX方向の距離dxを着弾ずれとする。また、各インク液滴222の輪郭内の面積を算出してインク液滴の面積とする。ここで、着弾ずれとして、X方向のずれdxだけを用い、Y方向の着弾ずれdyについては不問にしているのは、バンク5がラインバンクであるため、Y方向の着弾ずれが生じても問題にならないからである。
各ノズル125について10回ずつ求めた着弾ずれdx及び液滴面積は、制御装置130の記憶手段132に記憶する。
図7は、着弾検査の結果、制御装置130の記憶手段132に記憶されたデータテーブルの一例である。全てのノズル125には対応するノズル番号N1,N2,N3…が付けられていて、各ノズルについて、10回着弾させたインク液滴D1〜D10についてのX方向の着弾ずれdx及び液滴面積を測定した結果が記録されている。
次に、ステップS12において、制御装置130は、着弾検査を行った各ノズル125について、着弾検査の結果に基づいて、ノズルの状態をC1,C2,C3,C4,C5のいずれかに分類する。そして、各ノズル125について状態分類した結果を、記憶手段132に記憶する。
このノズルの分類方法については、後で詳述するが、C1は慢性的な不良状態、C2,C3は一時的な不良状態、C4,C5は良好な状態(ただし、C4は吐出タイミングの補正が必要な状態)を表す。
次に、ステップS13において、制御装置130は、上記ステップS12で新たにC1に分類されたノズルの数を、慢性不良ノズル累積数(以下、「C1累積数」と記載する。)に加える。このC1累積数は、メンテナンス直後の初期値が0であり、これまでのサイクルにおいて、C1(慢性不良)に分類されたノズルの累積数を表す。
ステップS14では、このC1累積数と、ステップS12で一時的不良(C2,C3)に分類されたノズル数の合計が、所定の許容範囲内にあるか否かを判定し、許容範囲内であれば(ステップS14でNoの場合)、ステップS15に進み、許容範囲を超えていれば(ステップS14でYesの場合)、ステップS18に進む。
ここでいう「許容範囲」は、例えば、良好な状態(C4,C5)に分類されたノズルだけを用いても製品用基板300における塗布領域全体に対してインク量を確保できる範囲である。
すなわち、サイクルを繰り返していく中で良好状態(C4,C5)に分類されるノズルの数が少なくなると、製品製造用の基板300に塗布するときに使用されるノズル数が減ることになるが、塗布領域全体に対するインク塗布量は維持する必要がある。これは、使用されるノズル1個あたりのインク吐出量を多く設定することによって対処できるが、良好状態のノズル数が少なくなり過ぎると、塗布領域全体に対するインク塗布量を確保するのが難しくなる。従って、上記の許容範囲として、このような対処が可能と考えられる範囲を設定すればよい。この許容範囲の上限値は、例えば、全てのノズル125の総数に対して8%程度の数である。
このステップS14で、C1累積数と一時的不良に分類されたノズル数の合計が、許容範囲を超えていると判定された時点で、ステップS18に進んでメンテナンスが行われることになるので、塗布領域全体に対するインク塗布量を確保しにくくなった時点でメンテナンスが行われることになる。
なお、本実施形態では、バンク5がラインバンクであって、バンク5間の領域に吐出されたインクはY方向に長く広がるので、ステップS14では、全てのノズルの中で、C1累積数とC2,C3に分類された数の合計だけに基づいて判定を行うこととしている。
次に、ステップS15では、以下のように、各ノズルについて、上記の分類(C1〜C5)に基づいて、使用/不使用の設定などを行う。
C1に分類されたノズルは、不使用に設定する。
C2,C3に分類されたノズルも不使用に設定する。
C4に分類されたノズルは、吐出タイミングの補正を行った上で、使用に設定する。
C5に分類されたノズルは、吐出タイミングの補正も行わず、そのまま使用に設定する。
ここで、不使用に設定されるノズル125の数が変動したときには、ノズルヘッド全体からの吐出量が一定となるように、使用する各ノズルから吐出させるインク吐出量の調整を行う。
なお、この使用/不使用の設定に関しては後で詳述する。
図10(a),(b)は、制御装置130の記憶手段132に格納されている管理テーブルの一例である。この管理テーブルにおいて、各ノズル番号N1,N2,N3…ごとに、ノズルの状態分類(C1〜C5)が記憶され、使用/不使用の設定(丸は使用、バツは不使用)がなされていることが示されている。
続いて、ステップS16では、一定の枚数(N枚)の製品製造用の基板に対して、インクを塗布する。
このNの数値は、1サイクルにおいて塗布される製品用基板の数を表し、その値は1以上の数であって、例えば、10あるいは20である。
N枚の製品用基板に塗布するごとに1回の着弾試験が行われることになるので、このNの値を大きく設定するほど生産効率面ではよいが、Nの値が大き過ぎると、N枚の基板に塗布する途中でノズル125の状態が不良に変わって製品不良となる可能性もあるので、これらの点を考慮して適宜このNの値を設定する。
図1、図11(a)を参照しながら、液滴吐出装置100を用いて、発光層形成用のインク(発光材料が溶媒に溶解しているインク)を塗布する工程を説明する。
この工程では、作業テーブル110に製品製造用の基板300を載置して、発光層形成用のインクを塗布する。
基板300は、図4(a)に示すように、基板1上に、陽極2,ITO層3、ホール注入層4、バンク5が形成されたものに相当する。
図11(a)に示すように、基板300は、ラインバンク5がY方向に沿った状態で作業テーブル110上に載置され、Y方向に沿って伸長するノズルヘッド122をX方向に走査しながら、各ノズル125からラインバンク同士の間に設定された着弾目標を狙ってインクを着弾させることによって行う。
なお、赤色インクを塗布する領域は、x方向に隣接して並ぶ3つの領域の中の1つである。
この塗布工程では、記憶手段132の管理テーブルに基づいて、上記ステップS15で使用に設定されたノズル125だけが使用される。従って、上記ステップS12でC4又はC5に分類されたノズルだけが使用され、C1,C2,C3に分類されたノズルは使用されない。
製品製造用の基板300に対してインクが塗布されたものを乾燥すると、製品製造用の基板300上のバンク5間の領域に発光層の材料が付着して発光層6が形成された塗布製品ができあがる。
このようにN枚の製品製造用の基板300に対してインクを塗布した後、続くステップS17では、C1,C2,C3に分類されて不使用に設定されていたノズル125の中で、一時的不良(C2,C3)に分類されてものについては使用設定に戻す。一方、C1に分類されていたノズル125については、そのまま不使用の設定とする。
以上のステップS11〜S17の動作を1サイクルとして、繰り返し動作が行われる。
2回目以降のサイクルにおいて、ステップ21の着弾検査で検査対象となるノズルは、前のサイクルのステップS17後に使用設定となっているノズル125である。従って、前のサイクルのステップS12で一時的な不良状態(C2,C3)に分類されたノズルと、良好状態(C4,C5)に分類されたノズルとは着弾検査がなされ、慢性的な不良状態(C1)に分類されたノズルは着弾検査がなされない。
2回目以降のサイクルにおけるステップS12〜S17の処理については、上述した内容と同様であるので説明を省略する。
このようにしてサイクルが繰り返し行われる途中のステップS17において、C1累積数と、一時的不良に分類されたノズルの数との合計が、上記所定の数に到達したときには(ステップS14でYes)、ノズルヘッド122のメンテナンスを行う(ステップS18)。
このように、図5のフローチャートに基づくインク塗布方法によれば、前回のメンテナンスの後に、ステップS11〜S17の動作が繰り返して行われ、その繰り返し動作の間はメンテナンスが行われることがなく、不良状態のノズル数(一時的不良のノズルと慢性的不良のノズルを合わせたノズルの数)が許容範囲を超えたときにメンテナンスが行われることになる。
ノズルヘッド122をメンテナンスする方法としては、公知のパージ処理、フラッシング処理、ワイピング処理のいずれかを実施することが挙げられる。
具体的には、使用停止に設定されているノズル125については使用設定に戻して、ノズルヘッド122における全てのノズルからインクを強く吐出して詰まりを取り去る方法、あるいは、ノズルヘッド122の表面をワイピングして、各ノズル125の吐出口周囲に付着したインクを拭き取る方法が挙げられる。
<ノズルの分類方法>
図8は、制御装置130が各ノズル125の状態を分類する処理方法を示すフローチャートである。
上記のステップS12において、着弾検査が行われた各ノズル125を、C1〜C5に分類する方法を、このフローチャートに基づいて説明する。
ステップS21では、10回測定した着弾ずれdxのバラツキが一定基準内にあるか否かを判定する。具体的には、10回の液滴(D1〜D10)について測定したX方向の着弾ずれdxにおける最大値と最小値との差が閾値16μm以下であるか否かを判定し、16μm以下であれば(S21でYes)、ノズルの状態が良好と判定して、ステップS22に進む。
ここで閾値として用いている16μmは、図11(a)に示す塗布工程における着弾ずれの許容範囲(X方向)に基づいて定められている。この着弾ずれの許容範囲(X方向)は一般に、塗布対象である基板300のサブピクセル幅(ラインバンク間の領域幅)が大きいほど大きくなる。従って、この閾値の値も、サブピクセル幅が大きいほど大きな値に設定される。
なお、このステップS21において、10回測定した着弾ずれdxの最大値と最小値との差が所定の基準内(16μm以下)にあるか否かによってバラツキを判定したが、これはバラツキを判定する一例であって、この他に、10回測定した着弾ずれdxの標準偏差を求めて、その標準偏差の値が一定基準内(例えば6μm以下)であるか否かによってバラツキを判定することもできる。
ステップS23では、10回測定したX方向の着弾ずれdxの平均値が所定範囲内(具体的には、−4μm〜+4μmの範囲内)にあるか否かを判定する。そして、着弾ずれdxの平均値が−4μm〜+4μmの範囲内にあれば、正確に着弾しているのでそのままステップS16での製造に使用できると見なして、C5に分類する(ステップS22でYes、S23)。
一方、着弾ずれdxの平均値が−4μm〜+4μmの範囲外にあれば、吐出タイミングの補正をすれば正確に着弾すると見なされるので、C4に分類する。
このステップS23で判定基準に用いる範囲(−4μm〜+4μm)は、例えば、ノズルの吐出タイミングによって着弾位置を調整できる最少距離に基づいて設定する。
ステップS21において、10回のすれ量dxの最大値と最小値との差が16μmを超える場合(ステップS21でNoの場合)は、一時的な不良状態あるいは慢性的な不良状態のいずれかであると見なし、次のステップS25,S26で、C1からC3のいずれかに分類する。
ステップS25では、10回の着弾ずれdxの中で、絶対値が大きいものが単発的に生じているか、連続的に生じているかによって、一時的な不良状態か慢性的な不良状態から判定する。
具体的には、着弾ずれdxが−8μm〜+8μmの範囲の外(すなわち着弾ずれdxの絶対値が8μmを超えるもの)が2回以上連続していなければ(ステップS25でNoの場合)、着弾ずれの大きいものが単発的に生じているとして、一時的な不良状態と見なして、ステップS26に進む。一方、着弾ずれdxが−8μm〜+8μmの範囲外にあるものが2回以上連続している場合(ステップS25でYesの場合)は、着弾ずれの大きいものが連続的に生じているものとして、慢性的な不良とみなしてC1に分類する(ステップS29)。
なお、ここでは単発的に生じているか否かを判定するのに用いた基準(−8μm〜+8μm)は、その範囲が16μmであって、ステップS21で用いた閾値16μmと一致させて設定しているが、必ずしもこれと一致させる必要はない。
ステップS26においては、一時的な不良状態と判定されたノズルについて、さらに、単発的に生じた大きな着弾ずれが、液滴面積の大きな変動を伴っているか否かによって、
C3とC2に分類する。
すなわち、単発的な大きな着弾ずれが生じたときに、液滴面積の大きな変動も生じている場合は、その単発的な大きな着弾ずれの原因として、試験用基板の汚れや異物に起因している可能性が高いと考えられる。従って、この場合は、着弾検査を再度行えば、良好な状態に復帰する可能性が高いと見られるのでC3に分類する。一方、液滴面積の大きな変動を伴っていなければC2に分類する。
具体的な例としては、着弾ずれdxが−8μm〜+8μmの範囲外にあるときの液滴面積が、10回測定した液滴面積の平均値に対して、150%を超えるか50%未満であるものがあれば(ステップS26でNoの場合)はC3に分類する(ステップS27)、一方、
着弾ずれdxが−8μm〜+8μmの範囲外にあるときの液滴面積が、すべて50%〜150%の範囲内にある場合(ステップS26でYesの場合)はC2に分類する(ステップS28)。
以上のようにして、着弾検査がなされた各ノズルは、C1〜C5のいずれかに分類される。
ここで、一例として、上記の分類方法に基づいて、図7に示すノズルN1について、その測定結果に基づいて分類する場合を説明する。
まず、ステップS21では、ノズルN1の測定結果における着弾ずれdxの最大値は5μm(液滴D1)であり、最小値は−5μm(液滴D6とD8)なので、最大値と最小値の差が10μmである。この値は、16μm以下なので、ステップS21ではYes(良好な状態)と判定される。
次にステップS22において、ノズルN1の測定結果における着弾ずれdxの平均値は、
(5−2−1−3−2−5−4−5−2−3)÷10=−2.2(μm)である。この値は、−4μm〜+4μmの範囲内にあるので、ステップS22ではYesと判定される。
従って、図7に示すノズルN1はC5に分類されることになる。
<着弾検査結果に基づくノズルの分類と使用設定の具体例>
上記のように各ノズル125がC1〜C5に分類された結果に基づいて、ステップS15では各ノズル125の使用設定がなされる。
図9(a)〜(e)は、ノズル125の着弾検査の結果の具体例を示す図表であって、10回の液滴D1〜D10についてx方向の着弾ずれdx(μm)及び液滴面積(μm2)を示している。
(a)〜(e)は、C1〜C5に分類される測定結果の代表的な例である。
着弾検査の結果が(a)〜(e)の場合、以下のように、C1〜C5に分類されてステップS15で使用/不使用の設定がなされる。
図9(a)に示す測定結果では、10回測定した着弾ずれdxの最大値と最小値の差が16μmより大きく、8μm以上の大きさの着弾ずれdxが2回以上連続しているので、慢性的な不良と判定されてC1に分類される。
慢性的な着弾ずれが発生する原因としては、例えば、ノズルの吐出口付近にゴミが付着していること、あるいはノズルの吐出口内に泡が入っていることが考えられる。
C1に分類されるノズルは、ステップS15不使用にとなり、次のサイクルでも着弾検査が行われない。従って、不使用の状態が続くことになる。
図9(b)に示す測定結果では、着弾ずれdxの大きい(−8μm〜+8μmの範囲外)にあるものが含まれているが、単発的であって、その前後の着弾ずれdxは−8μm〜+8μmの範囲内である。そして、その着弾ずれdxが大きい液滴の面積は平均面積の50%〜150%の範囲内にあるので、C2に分類される。
このような単発的な着弾ずれは、再現性がなく、その発生原因もわかりにくいが、原因の可能性として、ノズルの周辺に前回吐出したインクが微量に付着していて、その付着物がノズルから吐出されるインクを引き寄せて向きを変えてしまうことなどが考えられる。
このC2に分類されたノズルは、ステップS15では不使用に設定されて、製品製造用の基板に塗布するのには用いられないが、ステップS17で使用設定に戻されて、次のサイクルでは、着弾検査が行われて、良好な状態に分類が変わる可能性がある。
従って、C2に分類されたノズルは、次のサイクルでは、ステップS16の製品製造用の基板への塗布に使用される可能性がある。
図9(c)に示す測定結果でも、着弾ずれdxの大きい(−8μm〜+8μmの範囲外)にあるものが単発的に含まれ、その前後では大きな着弾ずれは生じていないが、その着弾ずれが大きい液的の面積は、平均面積の50%〜150%の範囲外にある点で、上記図9(b)と異なり、C3に分類される。
このようにC3に分類されたノズルも、ステップS15では不使用に設定されて、製品製造用の基板に塗布するのには用いられないが、ステップS17で使用設定に戻される。
C3に分類されるノズルは、C2に分類されるノズルと比べて、次のサイクルで良好な状態に変わって、ステップS16の製品製造用の基板への塗布に使用される可能性がより高いと考えられる。
図9(d)に示す測定結果では、10回測定した着弾ずれdxの最大値と最小値の差が16μm以下であるが、着弾ずれdxの平均値がー4μm〜+4μmの範囲外にあるので、C4に分類される。
このようにC4に分類されたノズルは、着弾ずれdxのバラツキは小さいので、ノズルの状態は良好であるが、着弾ずれdxの平均が比較的大きいので、吐出タイミングの調整を行えば、安定して目標位置の近くに着弾できるとみなされる。従って、ステップS15では吐出タイミングの調整を行った上で使用に設定される。
図9(e)に示す測定結果では、10回測定した着弾ずれdxの最大値と最小値の差が16μm以下であり、且つ着弾ずれdxの平均値もー4μm〜+4μmの範囲内にあるので、C5に分類される。
このようにC5に分類されるノズルは、目標位置の近くに安定して着弾しているので、ステップS15では、吐出タイミングの補正もせず、そのまま使用に設定される。
なお、図9に示されるグラフにおいて、液滴面積の絶対値は(a)〜(e)の間でかなり異なっている。この液滴面積の絶対値は、インクが吐出されてから液滴の撮影までにインクが乾燥して面積が変わり、また、その乾燥速度がインクの吐出位置によって異なるために生じるものであって、着弾精度との関係は薄いと考えられる。従って、上記のように着弾精度の評価において、液滴面積の絶対値では評価せず、平均面積との比率で評価した。
次に、ステップS11〜S17のサイクルの繰り返しに伴って、ノズル125の分類や使用/不使用の設定が変わる様子の一例を説明する。
図10(a)、(b)には、制御装置130が備える管理テーブルにおいて、ステップS15で各ノズルN1、N2,…の分類に基づく使用/不使用の設定がなされている一例を示している。
図10(a)に示す管理テーブルの例では、N9のノズルはC1に分類され、不使用に設定され、N16のノズルはC2に分類され、不使用に設定されている。またN18のノズルがC4に分類され、使用に設定されている。
図10(b)は、(a)に示した管理テーブルが、次のサイクルのステップS15で設定が一部変わった場合の例を示している。
N9のノズルは、図10(a)で慢性的な不良C1に分類されていたので、図10(b)においてもそのままC1に分類され、不使用に設定されている。
一方、N16のノズルは、図10(a)ではC2に分類されていたが、図10(b)ではC5に分類が変更され、使用に設定が変わっている。このように、一時的な不良状態に分類されたノズルが、次のサイクルで良好な状態に変わって製品製造に使用されることがある。
また、N22のノズルは、図10(a)ではC5に分類され使用に設定されていたが、図10(b)ではC2に分類が変更され、不使用に設定が変わっている。このように、良好な状態に分類されたノズルでも、次のサイクルでは不良な状態に変わって製品製造に使用されないこともある。
<本実施形態の塗布方法による効果>
上記の塗布方法によれば、 1サイクルの中の製品製造用の基板に対してインクを塗布する工程(ステップS16)では、着弾精度検査(S11)の結果に基づいて良好状態にC4,C5に分類されたノズルを選択的に用いて塗布が行われるので、着弾精度が確保される。
また、一連の動作(S11〜S17)が繰り返し行われているときに、製品製造用の基板に対してインクを塗布する工程の途中で良好状態に分類されたノズルが不良状態に変わったとしても、次のサイクルで、着弾検査(S11)においてそのノズルの状態がチェックされ、不良状態(C1またはC2)に分類されて不使用に設定されることになる。従って、そのノズルが使われることによる着弾不良が生じない。図10の例では、N22のノズルの分類が(a)ではC5であったのが、次のサイクル(b)ではC2に分類が変わっており、このケースに該当する。
このように、上記実施形態の塗布方法によれば、一連の動作(S11〜S17)が繰り返し行われる間は、メンテナンスが行われないが、着弾不良は抑えられる。
従って、メンテナンスから次のメンテナンスまでの期間を長くしても、使用されるノズルの着弾精度は維持されることになる。
また、C1累積量とC2、C3に分類されるノズルの数が許容範囲内のときはメンテナンスが行われず、許容範囲の上限に達したときにメンテナンスが行われる。すなわち、前回のメンテナンスの後に、良好状態とみられるノズルの数が少なくなってインク塗布量を確保しにくくなった時点で初めてメンテナンスが行うので、メンテナンスを定期的に行う場合と比べて、メンテナンスとメンテナンスの間隔が適切に設定されることになる。
さらに、上記の塗布方法によれば、サイクルの繰り返しに伴って一時的な不良状態に分類されていたノズルが良好な状態に分類が変わり得る分だけ、不良ノズルとして分類される累積量が増加する速度が低減される。
すなわち、一旦C1に分類されたノズルは、再び着弾検査しても良好状態に変わる可能性が少ないので、次のサイクルで着弾検査が行われないが、一時的不良状態であるC2、C3に分類されたノズルは、ステップS17で使用設定に戻されて、次のサイクルにおいて着弾検査がなされるので、その結果、良好な状態に分類が変わることもある。例えば図10の例では、N16のノズルの分類が(a)ではC2であったのが、次のサイクル(b)ではC5に分類が変わっており、このケースに該当する。
一方、比較例として、図5のフローチャートにおいてステップS17の処理(C2,C3の使用停止を解除する処理)を省いた場合を考えると、その場合、一時不良状態に分類されて不使用に設定されたノズルは、次のサイクルで着弾検査はされず設定は不使用のまま維持され、次のサイクルで使用設定に復活する可能性はない。
従って、比較例と比べると、本実施形態の方法によれば不良ノズルに分類されたノズルが復活して使用される分だけ累積量が増加する速度は小さくなる。よって、メンテナンスから次のメンテナンスまでの間隔は長くできることになる。
なお、一時的な不良状態(C2,C3)に分類されたノズルは、そのまま製品製造用の基板にインクを塗布するのに用いると着弾精度が得られない可能性もあるが、本実施形態では、一時的な不良状態(C2,C3)に分類されたノズルは、そのサイクルのステップS16で製品製造用の基板に塗布するときには使用されず、次のサイクルで着弾精度検査を再度行って良好な状態になった場合に使用するようにしている。
この点においても、本実施形態では、製品製造用の基板にインク塗布するときの着弾精度が確保される。
〔実施の形態2〕
上記実施の形態1では、バンクがラインバンクであったが、本実施形態では、図11(b)に示すように製品製造用の基板300に形成されているバンクは、格子状のピクセルバンクであって、このピクセルバンクによって、矩形状のサブピクセルが規定される。
基板300にインクを塗布する量産方法は、実施の形態1において図5のフローチャートに基づいて説明した方法と同様である。
製品用基板にインクを塗布する工程(ステップS16)では、液滴吐出装置100の作業テーブル110上に、このピクセルバンクが形成された製品用基板300を載置して、バンクで規定されたサブピクセルとなる領域にインクを塗布する。
このとき、各サブピクセルの長手方向がY方向、各サブピクセルの幅方向がX方向となるように載置して、ノズルヘッド122をX方向に操作しながら、着弾目標に向けて各ノズルからインクを吐出する。図11(b)では、赤色のサブピクセル領域に赤色のインクを塗布する目標位置が示されている。
ただし、図11(b)に示すように、ノズルヘッド122が備える複数のノズル125の中で、サブピクセルの領域上を通過するノズルだけを使用し、サブピクセルの領域上を通らないノズル(図11(b)中に×をつけたノズル)は、常に使用しない点は、実施の形態1と異なっている。図11(b)に示す例では、1つのサブピクセル領域に対して7個の目標位置が設定され、7個のノズル125からインクが吐出される。
また、実施の形態1ではバンクがラインバンクであったので、Y方向の着弾ずれは不問としたが、ピクセルバンクの場合は、Y方向の着弾ずれも問題になるので、本実施の形態ではステップS11の着弾検査において、液滴の着弾ずれをX方向(dx)とY方向(dy)について測定する。
そして、ノズルの分類(ステップS12)においては、X方向の着弾ずれdxだけでなく、Y方向の着弾ずれdyについても、条件を満たすか否かを判定することによってノズルの分類を行う。具体的には、図8のステップS21において、x方向の着弾ずれdxの最大値と最小値との差が16μm以下であるのに加えて、Y方向の着弾ずれdyについても所定の範囲(例えば−10〜+10μm)内にある場合(S21でYesの場合)は、良好な状態と判定して、ステップ32に進み、そうでない場合(S21でNoの場合)は、不良な状態と判定してステップS25に進む。
なお、Y方向の着弾ずれdyの判定基準に用いた上記範囲(−10μm〜+10μm)は、図11(b)に示す着弾ずれの許容範囲(Y方向)に基づいて定められた値である。
また、実施の形態1では、ラインバンクであったため、ステップS14では、全てのノズルの中で、C1累積数とC2,C3に分類された数の合計が許容範囲であるか否かを判定したが、本実施形態では、バンクがピクセルバンクであって、各サブピクセル領域に吐出されるインクはY方向に隣接するサブピクセル領域には流れないので、ステップS14における判定の基準も異なっている。
すなわち本実施形態では、ステップS14において、各サブピクセル領域に、C1累積数とC2,C3に分類された数の合計が許容範囲内であるか否かによって判定を行う。例えば、全てのサブピクセル領域において、各サブピクセルに対応する7つのノズルの中で、C1累積数とC2,C3に分類された数の合計が1個以内であれば、ステップS15から先の工程に進んで製品用基板に対するインク塗布を行い、一方、C1累積数とC2,C3に分類された数の合計が2個以上のサブピクセル領域が1つでもあれば、ステップS18に進んでメンテナンスを行う。
以上のような違いがあるが、本実施の形態においても、実施の形態1で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
[変形例]
(変形例1)
上記実施の形態では、ステップS12で一時的不良と判定されてC2,C3に分類されたノズルはいずれも、ステップS15において共に不使用に設定し、その後、S17で不使用を解除して使用設定にしたが、C3に分類されたノズルは、C2に分類されたノズルよりも、回復する可能性が高いと考えられるので、S17において、C3に分類されたノズルだけ不使用設定を解除して、使用設定に戻すことも変形例として考えられる。
この場合、次のサイクルでは、一時的不良に分類されたノズルの中の一部(C3に分類されたノズル)と良好状態に分類されたノズル(C4、C5に分類されたノズル)が、次のサイクルで着弾検査が行われる。従って、C2に分類されたノズルには再検査及び復活使用の機会が与えられないが、C3に分類されたノズルに対して再検査及び復活使用の機会が与えられるので、その分、不良ノズルとして分類される累積量が増加する速度が低減されることになる。
(変形例2)
上記実施の形態では、一時的な不良状態と判定されたノズルについて、着弾面積の変動量に基づいてC2とC3とに分類したが、過去のサイクルで行った複数回の着弾検査の結果を参照し、一時的な不良状態と判定された回数に基づいて、良好な状態に復活する可能性をランク付けして分類を行ってもよい。
例えば、過去に一時的な不良状態と判定された回数が少ないものは、再度着弾検査を行えば良好な状態に復活する可能性が高いとみなすことができる。従って、ステップS13において、一時的不良のノズルを、過去に一時的な不良状態と判定された回数が多いものと少ないものに分類し、ステップS17においては、過去に一時的な不良状態と判定された回数が少ないノズル及び良好なノズルについて、不使用設定を解除して使用設定に戻すことも、一変形例として考えられる。
(変形例3)
上記実施の形態では、一時的な不良状態と判定されたノズルをさらに、良好な状態に復活する可能性からC2とC3との2つのランクに分類したが、一時的な不良状態と判定されたノズルを、良好な状態に復活する可能性によって3つ以上のランクに分類してもよい。
その場合、ステップS17において、その中のいずれのランクまで不使用設定を解除して使用設定に戻すかについても、上位1つのランクだけについて不使用設定を解除する変形例や、上位2つのランクについて不使用設定を解除する変形例も考えられる。
(変形例4)
上記実施の形態では、1つのノズルヘッドを有する液滴吐出装置100を用いて、3色(赤、緑、青)の中の一色のインクを複数の基板300に塗布し、次に、その一色が塗布された基板300に別の色のインクを塗布することとして説明したが、液滴吐出装置100において、赤色用、緑色用、青色用の3つのノズルヘッドを設けて、3色のインクを基板300に並行して塗布する場合においても、上述した塗布方法を適用するができる。
例えば、3色用のノズルヘッドを用いて、ステップS11からS17の一連の工程の繰り返しを並行して行うことによって、3色のインクを並行して基板に塗布し、ステップS14では、いずれか一色用のノズルヘッドにおいてC1累積数とC2,C3に分類された合計数が許容範囲を越えたときにステップS18のメンテナンスを行う。
それによって、上記実施の形態で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
(変形例5)
上記実施の形態では、上述した塗布方法を有機EL装置の発光層を形成する工程に適用する例を説明したが、上述した塗布方法は、これに限らず、基板上にインクなどの液滴を塗布することによって基板に塗着物が付いた塗布製品を量産するのに広く利用することができる。
例えば、有機EL装置における発光層以外の機能層(例えば、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層)をウェット方式で形成する場合、TFT基板における有機半導体層をウェット方式で形成する場合においても、上述した塗布方法を適用することができ、同様の効果を得ることができる。
本発明の一態様に係る塗布製品の量産方法は、例えば、パッシブマトリクス型或いはアクティブマトリクス型の有機EL装置や、TFT基板等のデバイスの製造分野全般で広く利用できる。
1 基板
5 バンク
6 発光層
100 液滴吐出装置
110 作業テーブル
111 基台
122 ノズルヘッド
123 撮像装置
124 インク吐出機構
124a 圧電素子
124b 振動板
124c 液室
125 ノズル
127 吐出制御部
130 制御装置
132 記憶手段
200 検査用基板
210 基板表面
211 検査領域
221 目標位置
222 インク液滴
300 製品製造用基板

Claims (7)

  1. 液滴吐出装置が備える複数のノズルから液滴を吐出して製品製造用の基板に塗布することによって、当該基板に塗着物が付着した塗布製品を量産する方法であって、
    前記製品製造用の基板とは別に検査用の基板を準備し、前記複数のノズルの中から選ばれたノズルの各々から検査用の基板に液滴を吐出して着弾精度を検査する着弾精度検査を行い、
    前記着弾精度検査の結果に基づいて、各ノズルの状態を、良好状態、慢性的な不良状態、一時的な不良状態のいずれかに分類し、
    慢性的な不良状態に及び一時的な不良状態に分類されたノズルは不使用とし、良好状態に分類されたノズルを使って、1枚以上の製品製造用の基板に対して液滴を塗布する、一連の動作を1サイクルとして繰り返して行い、
    前記着弾精度検査において複数のノズルの中から選ばれるノズルは、
    前のサイクルにおいて一時的な不良状態に分類されたノズルの少なくとも一部と良好状態に分類されたノズルとを含む、
    塗布製品の量産方法。
  2. 前記一連の動作を繰り返す中で、
    各ノズルを分類した結果、慢性的な不良状態に分類されるノズルの累積数及び一時的な不良状態に分類されるノズル数の合計が許容範囲を超えた場合に、
    前記一連の動作を停止して、ノズルのメンテナンスを行う、
    請求項1記載の塗布製品の量産方法。
  3. 前記着弾精度検査では、
    各ノズルから検査用の基板における 複数の目標位置に対して液滴を順次吐出して、各液滴の目標位置からの着弾位置のずれを測定し、
    各ノズルについて複数回測定した着弾位置のずれが示す特徴に基づいて、
    当該ノズルの状態を、良好状態、慢性的な不良状態、一時的な不良状態のいずれかに分類する、
    請求項1または2に記載の塗布製品の量産方法。
  4. 各ノズルを分類するときに、
    前記着弾精度検査において複数回測定した着弾位置のずれのバラツキが第1基準以下であるノズルは、良好状態に分類し、
    複数回測定した着弾位置のずれのバラツキが前記第1基準を超えるノズルは、慢性的な不良状態及び一時的な不良状態のいずれかに分類する、
    請求項3に記載の塗布製品の量産方法。
  5. 各ノズルを、慢性的な不良状態であるか一時的な不良状態であるかを分類する際に、
    前記着弾精度検査で複数回測定した着弾位置のずれに関して、第2基準以上の大きさの着弾位置のずれが連続して生じている場合は慢性的な不良状態に分類し、
    第2基準以上の大きさの着弾位置のずれが連続して生じていない場合は一時的な不良状態に分類する、
    請求項4に記載の塗布製品の量産方法。
  6. 各ノズルを分類するときに、
    良好状態に分類されるノズルを、さらに、
    複数回測定した着弾位置のずれの平均が第3基準内にあるノズルと、第3基準を超えているノズルとに分類し、
    第3基準を超えるノズルについては、
    製品製造用の基板に対して液滴を吐出するときに、当該ノズルにおける着弾位置の平均的なずれを低減するよう吐出条件を補正してから使用する、
    請求項1〜5のいずれかに記載の塗布製品の量産方法。
  7. 各ノズルを分類するときに、
    一時的な不良状態に分類されるノズルを、さらに、
    不良の一時性が高いランクと低いランクに分類し、
    前記着弾精度検査において複数のノズルの中から選ばれるノズルは、
    前のサイクルにおいて、不良の一時性が高いランクに分類されたノズルと、良好状態に分類されたノズルとを含む、
    請求項1〜6のいずれかに記載の塗布製品の量産方法。
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