JP6158591B2 - 半導体レーザ - Google Patents

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本発明は半導体レーザに関する。
半導体レーザにおいて、注入電流の増加や電流注入領域の狭小化に伴う注入電流密度の増大時、あるいは高温動作時に、発光層におけるキャリア、特に有効質量の小さい電子のオーバーフローの増加により光出力が低下する。特に、InP系材料はGaAs系材料に比べて伝導帯側のバンドオフセットが小さいため、その影響が顕著である。
この問題に対して、図5に示すように、n型基板P1上に、n型クラッド層P3、発光層P5、及びp型クラッド層P7を備える半導体レーザにおいて、発光層P5とp側クラッド層P7間にキャリアストップ層(キャリアストッパ層、電子ストッパ層、電子バリア層などとも呼ばれる)P9を設けることで、電子のオーバーフローを低減する構造が特開平5−102600号公報(特許文献1)、特開平10−294524号公報(特許文献2)等で提案されている。
特開平5−102600号公報 特開平10−294524号公報
一般に、発光層における電子のオーバーフローの抑制には、キャリアストップ層のバンドギャップエネルギーが大きいほど効果的であり、例えばGaAs系レーザでは、AlInP等の材料が有効であり、また、InP系レーザでは、AlInAs等の材料が有効である。さらに、同じ材料でも、組成によりバンドギャップエネルギーを大きくする(例えばAlxIn1-xP、およびAlyIn1-yAs(0<x<1、0<y<1)においてAlの組成x、およびyを大きくする)ことで、より効果的となる。
ところが、キャリアストップ層の組成を変化させ、バンドギャップエネルギーを大きくすると、基板に対する結晶歪みが大きくなり、結晶内の欠陥が増大してしまう。欠陥が増大すると、結晶内でのレーザ光の吸収や散乱が生じ、半導体レーザの光出力が低下してしまう。
特に、高出力化を目的に、図6に示すように、基板P11上に、n型クラッド層P13、発光層P15、及びp型クラッド層P17を積層して成るレーザ構造単位P23、P25(P23は第1のレーザ構造単位、P25は第2のレーザ構造単位)を、トンネル層P21を介して複数積層した半導体レーザにおいて、第1のレーザ構造単位P23、及び第2のレーザ構造単位P25内にそれぞれキャリアストップ層P19を設けた場合、第2のレーザ構造P25の発光層P15は第1のレーザ構造単位P23に設けたキャリアストップ層P19の上部に位置する。そのため、第1のレーザ構造単位P23におけるキャリアストップ層P19の結晶性の低下は、同時に、第2のレーザ構造単位P25における発光層P15の結晶性の低下をもたらすことになり、発光特性や長期動作させた場合の信頼性が低下してしまう。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、発光特性や長期動作させた場合の信頼性において優れる半導体レーザを提供することを目的とする。
本発明の半導体レーザは、n型クラッド層、発光層、及びp型クラッド層を積層して成るレーザ構造単位を複数備え、最上位を除く少なくとも1つのレーザ構造において、発光層とp型クラッド層との間、又はp型クラッド層の中に、バンドギャップエネルギーがp型クラッド層より大きいキャリアストップ層を備える。そして、そのキャリアストップ層について、下記式1が成立する。
(式1)A×B≦22
ここで、Aはキャリアストップ層のnmを単位とする層厚であり、Bはキャリアストップ層の%を単位とする基板に対する伸長歪量である。なお、歪量とは、基板の格子定数をxとし、成長層の格子定数をyとした場合に、(x−y)/xで表される量であり、x>yの場合は伸長歪量となる。
本発明の半導体レーザでは、最上位を除く少なくとも1つのレーザ構造に、上記式1を充足するキャリアストップ層を備える。上記式1を充足するキャリアストップ層は、その層を起点とする結晶性の低下を抑制することができる。その結果、上記式1を充足するキャリアストップ層よりも上部に位置する発光層を、結晶性を低下させることなく成長させることができる。よって、本発明によれば、キャリアストップ層の効果を奏するとともに、発光特性や長期動作させた場合の信頼性の低下を防止できる。
キャリアストップ層の層厚は、2〜40nmの範囲内にあることが好ましく、4〜40nmの範囲内にあることがさらに好ましい。この範囲内であることにより、半導体レーザの光出力が一層大きくなる。
キャリアストップ層の%を単位とする伸長歪量は、0.55%以上であることが好ましい。この範囲内であることにより、キャリアストップ層の効果が一層顕著になる。
前記キャリアストップ層は、Al、又はPを含むことが好ましい。Al、又はPを含むことにより、キャリアストップ層のバンドギャップエネルギーを大きくすることができる。また、前記キャリアストップ層は、AlInAs、又はAlInPから成ることが好ましい。AlInAs、又はAlInPから成るものとすることで、キャリアストップ層のバンドギャップエネルギーを大きくすることができる。AlInP、AlInAsは、AlxIn1-xP、AlyIn1-yAs(0<x<1、0<y<1)と表すことができる。
本発明の半導体レーザは、例えば、基板上に、各層(n型クラッド層、発光層、p型クラッド層、キャリアストップ層等)を積層することで製造することができる。基板としては、InPから成る基板が好ましい。InP基板では、従来、電子のオーバーフローが生じやすかったが、本発明により電子のオーバーフローを抑制できる。
本発明の半導体レーザは、最上位のレーザ構造単位にもキャリアストップ層を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。最上位のレーザ構造単位にもキャリアストップ層を備える場合、そのキャリアストップ層は、上記式1を充足してもよいし、充足しなくてもよい。
半導体レーザ構造の構成を表す断面図である。 半導体レーザ構造の構成を表す断面図である。 第1のp型キャリアストップ層6の層厚、及び伸長歪量と、表面モホロジの評価結果との関係を表すグラフである。 第1のp型キャリアストップ層6の伸長歪量が同一の条件において、第1のp型キャリアストップ層6の層厚と光出力との関係を示すグラフである。 従来の半導体レーザ構造の構成を表す断面図である。 従来の半導体レーザ構造の構成を表す断面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
(1)半導体レーザ100の製造
図1に示すように、n型InP基板1上に、MOCVD法により、第1のn型クラッド層2、第1のn型光ガイド層3、第1の多重量子井戸活性層(発光層)4、第1のp型光ガイド層5、第1のp型キャリアストップ層6、第1のp型クラッド層7、InGaAsから成るp型層8a、InGaAsから成るn型層8b、第2のn型クラッド層9、第2のn型光ガイド層10、第2の多重量子井戸活性層(発光層)11、第2のp型光ガイド層12、第2のp型キャリアストップ層13、第2のp型クラッド層14、及びp型コンタクト層15を順に積層し、半導体レーザ100を製造した。各層の組成、層厚、及びキャリア濃度は表1に示すとおりである。
なお、第1のp型キャリアストップ層6の伸長歪量は2.0%であり、第2のp型キャリアストップ層13の伸長歪量は2.0%である。また、第1の多重量子井戸活性層(発光層)4と第2の多重量子井戸活性層(発光層)11は、いずれも、厚さ10nmのAl0.03Ga0.3In0.67Asからなる井戸層と、厚さ15nmのAl0.25Ga0.23In0.52Asからなる障壁層との積層構造である。
第1のp型キャリアストップ層6のバンドギャップエネルギーは、その組成から明らかに、第1のp型クラッド層7のバンドギャップエネルギーよりも大きい。また、第2のp型キャリアストップ層13のバンドギャップエネルギーは、その組成から明らかに、第2のp型クラッド層14のバンドギャップエネルギーよりも大きい。
また、第1のn型クラッド層2、第1のn型光ガイド層3、第1の多重量子井戸活性層(発光層)4、第1のp型光ガイド層5、第1のp型キャリアストップ層6、及び第1のp型クラッド層7は、第1のレーザ構成単位16であり、第2のn型クラッド層9、第2のn型光ガイド層10、第2の多重量子井戸活性層(発光層)11、第2のp型光ガイド層12、第2のp型キャリアストップ層13、及び第2のp型クラッド層14は第2のレーザ構造単位17である。また、InGaAsから成るp型層8aとInGaAsから成るn型層8bとは、トンネル接合層8を構成する。
半導体レーザ100の製造において、n型層の成長にはドーパントとしてSeを用い、p型層の成長にはドーパントとしてZnを用いた。また、成長時の基板温度は550〜800℃とした。
各層の層厚は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた断面観察により算出した。また、伸長歪量は、(1)X線回折により、基板1及び伸長歪量を算出する層(第1のp型キャリアストップ層6又は第2のp型キャリアストップ層13)の結晶軸(c軸)の長さを求める、(2)求めた結晶軸の長さから、伸長歪量を算出する層の歪みが入っていない状態の結晶軸の長さを算出する、(3)基板1の結晶軸の長さ(格子定数)と、(2)で算出した伸長歪量を算出する層の結晶軸の長さ(格子定数)との比により、伸張歪量を算出する、という手順で求めた。なお、層厚及び伸長歪量の算出方法は、後述する第2の実施形態以降でも同様である。
結晶を構成する各元素の原料としては、Gaには、トリメチルガリウム、Alにはトリメチルアルミニウム、Inにはトリメチルインジウム、 Znにはジメチルジンクを用いた。また、Asには、AsH3(アルシン)、PにはPH3(ホスフィン)、SeにはH2Se(セレン化水素)を用いた。
(2)半導体レーザ素子の製造
半導体レーザ100のp型コンタクト層15上に、SiO2から成る絶縁膜を所定のパターンで設け、その上にCr/Pt/Auから成る電極を形成した。次に、n型InP基板1の厚さが100μm程度となるように、 n型InP基板1の片面(第1のn型クラッド層2を形成した面とは反対側の面)を研削し、研削面にAu-Ge/Ni/Auから成る電極を形成した。さらに、電極と半導体レーザ100とのコンタクトを安定化させるために360℃で30秒間の熱処理を実施した。
次に、共振器を形成するために劈開により幅500μmで短冊化し、 Al2O3、a-Si等の材料を用い、一方の端面にレーザ光の波長に対して低反射率、もう一方の端面に高反射率な反射層を形成し、所定の大きさに素子化することで半導体レーザ素子を製造した。
(3)半導体レーザ100が奏する効果
本実施形態において、第1のp型キャリアストップ層6の層厚は10nm(=0.01μm)、伸長歪量は2.0%であり、第1のp型キャリアストップ層6の層厚(nm)をAとし、伸長歪量(%)をBとした場合の、A×Bの値は20(≦22)となるため、第1のp型キャリアストップ層6の結晶性低下に伴う第1の発光層4における光出力の低下や第1のp型キャリアストップ層6上に成長する第2の発光層11の結晶性の低下を抑制することができる。
また、第2のp型キャリアストップ層13の層厚は10nm(=0.01μm)、伸長歪量は2.0%であり、第2のp型キャリアストップ層13の層厚(nm)をA‘とし、伸長歪量(%)をB’とした場合の、A‘×B’2の値は40(≦55)となるため、第2のp型キャリアストップ層13の結晶性低下に伴う第2の発光層11における光出力の低下をもたらすことなく、各結晶層(第2のp型キャリアストップ層13、第2のp型クラッド層14、及びp型コンタクト層15)を形成することができる。
以上の構造とすることにより、各p型キャリアストップ層6、13をより効果的に機能させることができ、電流密度の増加時や高温下での動作時の光出力低下を抑制することが可能となる。
本実施形態では、基板にInPを用いているが、これらに限るものではなく、GaAsなどを用いてもよい。また、発光層を2層としている(発光層4、11)が、3層以上としてもよい。その場合は、トンネル接合層8及び第2のレーザ構造単位17と同様の層構成を、第2のp型クラッド層14とp型コンタクト層15との間に挿入すればよい 。
<第2の実施形態>
(1)半導体レーザ100の製造
図2に示すように、n型GaAs基板1上に、MOCVD法により、第1のn型クラッド層2、第1のn型光ガイド層3、第1の多重量子井戸活性層(発光層)4、第1のp型光ガイド層5、第1のp型キャリアストップ層6、第1のp型クラッド層7、GaAsから成るp型層8a、GaAsから成るn型層8b、第2のn型クラッド層9、第2のn型光ガイド層10、第2の多重量子井戸活性層(発光層)11、第2のp型光ガイド層12、第2のp型キャリアストップ層13、第2のp型クラッド層14、及びp型コンタクト層15を順に積層し、半導体レーザ100を製造した。各層の組成、層厚、及びキャリア濃度は表2に示すとおりである。
なお、第1のp型キャリアストップ層6の伸長歪量は1.6%であり、第2のp型キャリアストップ層13の伸長歪量は1.6%である。また、第1の多重量子井戸活性層(発光層)4と第2の多重量子井戸活性層(発光層)11は、いずれも、厚さ8nmのIn0.1Ga0.9Asからなる井戸層と、厚さ15nmのAl0.1Ga0.9Asからなる障壁層との積層構造である。
第1のp型キャリアストップ層6のバンドギャップエネルギーは、その組成から明らかに、第1のp型クラッド層7のバンドギャップエネルギーよりも大きい。また、第2のp型キャリアストップ層13のバンドギャップエネルギーは、その組成から明らかに、第2のp型クラッド層14のバンドギャップエネルギーよりも大きい。
また、第1のn型クラッド層2、第1のn型光ガイド層3、第1の多重量子井戸活性層(発光層)4、第1のp型光ガイド層5、第1のp型キャリアストップ層6、及び第1のp型クラッド層7は、第1のレーザ構成単位16であり、第2のn型クラッド層9、第2のn型光ガイド層10、第2の多重量子井戸活性層(発光層)11、第2のp型光ガイド層12、第2のp型キャリアストップ層13、及び第2のp型クラッド層14は第2のレーザ構造単位17である。また、GaAsから成るp型層8aとGaAsから成るn型層8bとは、トンネル接合層8を構成する。
半導体レーザ100の製造において、n型層の成長にはドーパントとしてSeを用い、p型層の成長にはドーパントとしてZnを用いた。また、成長時の基板温度は550〜800℃とした。
結晶を構成する各元素の原料としては、Gaには、トリメチルガリウム、Alにはトリメチルアルミニウム、Inにはトリメチルインジウム、 Znにはジメチルジンクを用いた。また、Asには、AsH3(アルシン)、PにはPH3(ホスフィン)、SeにはH2Se(セレン化水素)を用いた。
(2)半導体レーザ素子の製造
半導体レーザ100のp型コンタクト層15上に、SiO2から成る絶縁膜を所定のパターンで設け、その上にCr/Pt/Auから成る電極を形成した。次に、n型GaAs基板1の厚さが100μm程度となるように、n型GaAs基板1の片面(第1のn型クラッド層2を形成した面とは反対側の面)を研削し、研削面にAu-Ge/Ni/Auから成る電極を形成した。さらに、電極と半導体レーザ100とのコンタクトを安定化させるために360℃で30秒間の熱処理を実施した。
次に、共振器を形成するために劈開により幅500μmで短冊化し、 Al2O3、a-Si等の材料を用い、一方の端面にレーザ光の波長に対して低反射率、もう一方の端面に高反射率な反射層を形成し、所定の大きさに素子化することで半導体レーザ素子を製造した。
(3)半導体レーザ100が奏する効果
本実施形態において、第1のp型キャリアストップ層6の層厚は8nm(=0.008μm)、伸長歪量は1.6%であり、第1のp型キャリアストップ層6の層厚(nm)をAとし、伸長歪量(%)をBとした場合の、A×Bの値は13(≦22)となるため、第1のp型キャリアストップ層6の結晶性低下に伴う第1の発光層4における光出力の低下や第1のp型キャリアストップ層6上に成長する第2の発光層11の結晶性の低下を抑制することができる。
また、第2のp型キャリアストップ層13の層厚は8nm(=0.008μm)、伸長歪量は1.6%であり、第2のp型キャリアストップ層13の層厚(nm)をA‘とし、伸長歪量(%)をB’とした場合の、A‘×B’2の値は20(≦55)となり、第2のp型キャリアストップ層13の結晶性低下に伴う第2の発光層11における光出力の低下をもたらすことなく、各結晶層(第2のp型キャリアストップ層13、第2のp型クラッド層14、及びp型コンタクト層15)を形成することができる。
以上の構造とすることにより、各p型キャリアストップ層6、13をより効果的に機能させることができ、電流密度の増加時や高温下での動作時の光出力低下を抑制することが可能となる。
本実施形態では、基板にGaAsを用いているが、これらに限るものではなく、InPなどを用いてもよい。また、発光層を2層としている(発光層4、11)が、3層以上としてもよい。その場合は、トンネル接合層8及び第2のレーザ構造単位17と同様の層構成を、第2のp型クラッド層14とp型コンタクト層15との間に挿入すればよい 。
<第3の実施形態>
基本的には前記第1の実施形態と同様にして、半導体レーザ及び半導体レーザ素子を製造した。ただし、本実施形態では、第1のp型キャリアストップ層6の層厚及び伸長歪量を、表3に示すように、様々に変え、各条件の下でそれぞれ半導体レーザ及び半導体レーザ素子を製造した。
なお、伸長歪量は、第1のp型キャリアストップ層6の組成を変化させること(例えば、AlyIn1-yAs(0<y<1)においてAlの組成yを大きくすること)により、大きくすることができる。また、第1のp型キャリアストップ層6がAlxIn1-xPである場合は、Alの組成xを大きくすることにより、伸長歪量を大きくすることができる。
本実施形態でも、第1のp型キャリアストップ層6のバンドギャップエネルギーは、第1のp型クラッド層7のバンドギャップエネルギーよりも大きく、第2のp型キャリアストップ層13のバンドギャップエネルギーは、第2のp型クラッド層14のバンドギャップエネルギーよりも大きい。
また、表3に示す各条件で半導体レーザを製造するとき、第1のp型クラッド層7までのみ成膜した試料を作製した。すなわち、この試料は、n型InP基板1上に、MOCVD法により、第1のn型クラッド層2、第1のn型光ガイド層3、第1の多重量子井戸活性層(発光層)4、第1のp型光ガイド層5、第1のp型キャリアストップ層6、及び第1のp型クラッド層7を形成したものである。この試料について、表面モホロジを評価した。具体的には、微分干渉顕微鏡を用いて試料を観察し、結晶面に沿った干渉縞がなければ表面モホロジを○と判断し、干渉縞があれば表面モホロジを×と判断した。表面モホロジの評価結果を上記表3に示す。
また、第1のp型キャリアストップ層6の層厚、及び伸長歪量と、表面モホロジの評価結果との関係を図3に示す。
表3及び図3から明らかなように、第1のp型キャリアストップ層6の層厚(nm)をAとし、伸長歪量(%)をBとした場合に、A×B≦22の式が成立している領域では、表面モホロジの評価結果が○であり、それ以外の領域では、表面モホロジの評価結果が×であった。
このことから、A×B≦22の式が成立していれば、第1のp型キャリアストップ層6の結晶性低下を防止し、その結果として、第1の発光層4における光出力の低下や、第1のp型キャリアストップ層6上に成長する第2の発光層11の結晶性の低下を抑制できることが確認できた。
また、図4に、表3に示す各条件のうち、伸長歪量が0.55%であるものについて、第1のp型キャリアストップ層6の層厚(横軸)と、光出力(縦軸)との関係を示す。なお、図4における光出力は、第1のp型キャリアストップ層6がない場合の光出力を1とする。
表3及び図4から明らかなように、第1のp型キャリアストップ層6の層厚が2nm以上であれば光出力が1を超え、層厚が4nm以上であれば、光出力が顕著に大きくなった。
尚、本発明は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、各実施形態において、第1のp型キャリアストップ層6は、第1のp型クラッド層7の中に位置していてもよい。
1・・・基板、2・・・第1のn型クラッド層、3・・・第1のn型光ガイド層、
4・・・第1の発光層、5・・・第1のp型光ガイド層、
6・・・第1のp型キャリアストップ層、7・・・第1のp型クラッド層、
8・・・トンネル接合層、8a・・・p型層、8b・・・n型層、
9・・・第2のn型クラッド層、10・・・第2のn型光ガイド層、
11・・・第2の発光層、12・・・第2のp型光ガイド層、
13・・・第2のp型キャリアストップ層、14・・・第2のp型クラッド層、
15・・・p型コンタクト層、16・・・第1のレーザ構成単位、
17・・・第2のレーザ構造単位、100・・・半導体レーザ

Claims (5)

  1. n型クラッド層、発光層、及びp型クラッド層を積層して成るレーザ構造単位を複数備え、
    最上位を除く少なくとも1つの前記レーザ構造単位と、最上位の前記レーザ構造単位とにおいて、それぞれ、前記発光層と前記p型クラッド層との間、又は前記p型クラッド層の中に、バンドギャップエネルギーが前記p型クラッド層より大きいキャリアストップ層を備え、
    最上位を除く少なくとも1つの前記レーザ構造単位に備えられた前記キャリアストップ層では、下記式1が成立し、最上位の前記レーザ構造単位に備えられた前記キャリアストップ層では、下記式1が成立しないことを特徴とする半導体レーザ。
    (式1)A×B≦22
    (Aは前記キャリアストップ層のnmを単位とする層厚であり、Bは前記キャリアストップ層の%を単位とする基板に対する伸長歪量である。)
  2. 最上位を除く少なくとも1つの前記レーザ構造単位に備えられた前記キャリアストップ層の層厚が2〜40nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 最上位を除く少なくとも1つの前記レーザ構造単位に備えられた前記キャリアストップ層に、Al、又はPを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体レーザ。
  4. 最上位を除く少なくとも1つの前記レーザ構造単位に備えられた前記キャリアストップ層が、AlInAs、又はAlInPから成ることを特徴とする請求項3記載の半導体レーザ。
  5. InPから成る基板を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体レーザ。
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