JP6158019B2 - 軸流水車発電装置 - Google Patents

軸流水車発電装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6158019B2
JP6158019B2 JP2013201117A JP2013201117A JP6158019B2 JP 6158019 B2 JP6158019 B2 JP 6158019B2 JP 2013201117 A JP2013201117 A JP 2013201117A JP 2013201117 A JP2013201117 A JP 2013201117A JP 6158019 B2 JP6158019 B2 JP 6158019B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
runner
blade tip
turbine
chord length
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013201117A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015068197A (ja
Inventor
久保 幸一
幸一 久保
一幸 中村
一幸 中村
中村 高紀
高紀 中村
典男 大竹
典男 大竹
安雄 加幡
安雄 加幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2013201117A priority Critical patent/JP6158019B2/ja
Publication of JP2015068197A publication Critical patent/JP2015068197A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6158019B2 publication Critical patent/JP6158019B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

Landscapes

  • Hydraulic Turbines (AREA)
  • Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)

Description

本発明は翼効率の損失を極力抑えた軸流水車発電用に関する。
近年、発電時に温室効果ガスを排出しないクリーンなエネルギ源として、風力発電や水流発電をはじめとするさまざまな発電手法が提案されている。黒潮等に代表される海流のエネルギを利用する海流発電もそれらの中のひとつであり、積極的に研究開発がなされている。海流発電に用いられる軸流水車発電装置の発電出力は、水の運動エネルギを回転エネルギに変換するランナの軸端出力と変換効率の積で表される。軸端出力は次式で表され、高翼効率で直径の大きい翼を採用すると大出力が得られる。
軸端出力=(1/2)×密度×(流速)×翼効率×π×(翼直径/2)
翼効率には、ベッツ限界と呼ばれる理論限界(16/27=0.5925)が存在する。実際には、(1)翼後流による損失(2)翼断面の抵抗による損失(3)翼端渦による損失によって、翼効率は0.5程度となる。
(1)〜(3)のうち、(1)翼後流による損失は、角運動量保存則より、回転トルクを小さくする(回転速度を速くする)ことで抑制することができる。一方、(2)翼断面の抵抗による損失は、回転速度が速くなると、翼に作用する抗力が大きくなり、大きくなる傾向となる。このように、(1)及び(2)は相反するため、両立させることが難しい。しかし、(3)については、翼先端、後縁の形状に着目することで低減させることができる。そのため、風車翼では、翼端形状を変更して翼効率損失を低減する方法や、ウイングレットを装着して翼効率損失を低減する方法が提案されている。
特開2012−92660号公報 特開2012−180770号公報
しかしながら、作動流体が水と空気では物性が大幅に異なることに加えて、運転状況も全く異なるために、これら風車での翼効率損失の低減策が海流発電に直接適用できない。
本発明の解決しようとする課題は、ランナにおける翼効率損失を極力抑えることで発電効率を向上させる軸流水車発電装置を提供することである。
実施形態に係る軸流水車発電装置は、発電機と、水流の運動エネルギを回転エネルギに変換して前記発電機の駆動力を発生させるランナを備えるタービン翼と、前記ランナの発生した駆動力を前記発電機に伝達する回転軸とを備え、前記ランナは、翼弦長が翼素運動量理論により求められる前記タービン翼の回転中心から各半径位置での翼弦長の最適値となるように構成された第1の翼領域と、前記第1の翼領域よりも翼先端側に位置し、翼弦長が翼素運動量理論により求められる前記タービン翼の回転中心から各半径位置での翼弦長の最適値よりも小さくなるように構成された第2の翼領域とからなり、前記第2の翼領域の開始位置は、前記タービン翼の回転中心から前記ランナの翼先端までの距離Rに対して、0.75R〜0.90Rの範囲にあることを特徴とする。
第1の実施の形態に係る軸流水車発電装置の概略構成図である。 第1の実施の形態に係る軸流水車発電装置の構造を示す概略構成図である。 第1の実施の形態のランナを概略的に示す平面図である。 図3のランナにおけるA−A断面図である。 従来のランナを概略的に示す平面図である。 第2の実施の形態のランナを概略的に示す平面図である。 第3の実施の形態のランナを概略的に示す平面図である。 第4の実施の形態のランナを概略的に示す平面図である。 図8のランナにおけるA−A断面図である。 第5の実施の形態のランナを概略的に示す平面図である。 第6の実施の形態のランナを概略的に示す平面図である。 第6の実施の形態のランナを概略的に示す側面図である。 第6の実施の形態の整流板の一例を概略的に示す斜視図である。 第7の実施の形態のランナを概略的に示す正面図である。 第7の実施の形態のランナを概略的に示す側面図である。
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。各図において、共通する機能を有する構成要素には同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の軸流水車発電装置10,20を示す概略構成図である。本実施形態の軸流水車発電装置10,20は海中14に設置されるプロペラ型の海流発電(又は潮流発電)システムであり、図1に示すように例えば一対で用いられる。軸流水車発電装置10,20は、連結部材11によって互いが連結されており、さらに係留ロープ12を介して例えば水深200mを超える海底13にアンカ(係留)されている。
図2は、第1の実施の形態の軸流水車発電装置10,20の構造を示す概略的構成図である。図2に示すように、一対の軸流水車発電装置10,20は、それぞれ内筒2と、複数のランナ3と、ランナ3を支持するボス4とを備えている。内筒2、ランナ3及びボス4は、海水に対しての耐腐食性の高い材料や、耐腐食性の高い塗料をコーティングした材料を用いて構成されている。
内筒2は、水密構造を有している。図2に示すように、内筒2の内部には、回転軸6に連設された発電機5や変速機構6bなどが内蔵(収容)されている。また、内筒2は、所定の浮力を有している。ここで、一対の軸流水車装置10、20の各々が備えるランナ3が逆方向に回転するとともに同等の推力を発生させる。そのため、軸流水車装置10,20の互いの相対位置はほとんど変わらず維持される。
図2に示すように、ボス4は、ランナ3の基端部側を支持する支持部としての機能を有する。また、ボス4は、内筒2と同様に水密構造を有しており、ボス4の中心には回転軸6が貫設されている。回転軸6の一端部側は、内筒2内の変速機構6bに連結され、回転軸6の他端部側は、ハブ6aを介してボス4本体に固定されている。つまり、ランナ3は、その基端部側がボス4(ハブ6a)を介して回転軸6に一体的に固定されており、水流を受けると回転軸6(ボス4)と共に一体となって回転する。
回転軸6の動力(駆動力)は、内筒2内の発電機5に伝達される。具体的には、回転軸6の回転は、変速機構6bによって減速又は増速され、変速機構6bと発電機5との間の伝達軸6cを介して発電機5側に伝達される。
ランナ3は、水平軸揚力型のランナであり、軸流水車発電装置10、20ごとに例えば2つ又は3つずつ設けられている。例えばランナ3が3つの場合、個々のランナ3は、それぞれの基端部側がボス4(回転軸6)の軸まわりに120°の間隔をおいて各々固定され、タービン翼を構成している。また、回転軸6が一定の方向に回転する回転力をランナ3のそれぞれから得られるように、個々のランナ3は、圧力面(正圧面)及び負圧面のそれぞれが一定の向きにそろう形状に形成されている。
タービン翼においてランナ3は、図2に示すように、水流(海流)F1から得た運動エネルギを回転エネルギに変換する。一方、ランナ3と共に一体となって回転する回転軸6は、変換された回転エネルギを、変速機構6b、伝達軸6cを介して内筒2内の発電機5に伝達し、発電機5は、この回転エネルギを用いて発電を行う。
次に、ランナ3の特徴的構成について図3及び図4を参照して説明する。図3は、第1の実施の形態のランナ3を概略的に示す平面図であり、図4は、図3に示すランナ3のA−A断面図である。図3に示す第1の実施の形態のランナ3は、タービン翼の回転中心30を始点として、翼先端31までの距離がRである。ランナ3は、図4に示すように、翼断面形状が流線形に構成されている。図4に示すランナにおいて、符号32は前縁、符号33は後縁を示し、符号34は負圧面、符号35は圧力面を示す。なお、ランナ3は、図4では中実状の構造として示すが、重量を低減するために、中空状に構成されていてもよい。
第1の実施の形態のランナ3は、翼基端部(翼根元)側に位置し、タービン翼の回転中心30から半径位置rでの翼弦長C(r)が翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値となるように構成された第1の翼領域3aと、第1の翼領域よりも翼先端31側に位置し、翼弦長C(r)が翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値よりも小さくなるように構成された第2の翼領域3bとからなる。ランナ3は、第1の翼領域では翼基端部側から翼先端31に向かうにつれてC(r)が略一定の減少率dC(r)/drで減少し、第2の翼領域3bの開始位置R1から翼弦長の減少率dC(r)/drがdC(r)/drよりも大きくなり、C(r)が略一定のdC(r)/drで減少する形に構成されている。
ここで、比較のために図5を参照して従来のランナ307について説明する。図5は、従来のランナ307を概略的に示す平面図である。図5に示す従来のランナ307は、翼断面が流線形に形成されている。また、ランナ307の各半径位置rでの翼弦長C(r)は、翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値となるように構成され、その翼基端部側から翼先端31に向かうにつれて翼弦長が略一定の減少率で減少する形状となっている。
ランナ307で構成されるタービン翼における翼効率損失の要因として、翼端渦の発生がある。翼先端31近傍では、負圧面34と圧力面35の圧力差によって圧力面35側から負圧面34側へ巻き込む流れ(吹き下ろし)が生じ、これにより翼端渦が発生する。この翼端渦がランナ307近傍での水流(海流)F1の流れ方向を局所的に変化させることで誘導抵抗が発生して翼効率損失となる。また、翼先端31付近の後縁33からその後方に発生するカルマン渦も翼効率損失の要因であり、さらにカルマン渦と翼端渦との相互干渉が翼効率損失を増大させる。
これに対し、図3に示す第1の実施の形態のランナ3においては、第1の翼領域3aでは翼弦長の最適値を保つことで、第1の翼領域3aにおける翼効率を保つとともに、第2の翼領域3bにおいて翼弦長の最適値よりもC(r)を小さくすることで翼素が発生する揚力を小さくして翼負荷を低減する。翼負荷は圧力面35と負圧面34の圧力差と等しいので、翼端渦の発生が抑えられる。
回転中心30から第2の翼領域3bの開始位置までの距離R1は、R1/Rが0.75〜0.9の範囲にあることが好ましく、0.85〜0.9の範囲にあることが好ましい。これにより第1の翼領域3aにおける翼効率を保ちつつ、翼端渦の発生による翼効率損失を低減することができる。
また、ランナ3は、第2の翼領域3bにおける前縁32及び後縁33が先端に向けて段階的に折れ曲がった折れ線状又は翼先端31に向けてすぼんだ曲線状に構成され、dC(r)/drが、第2の翼領域3bの開始位置R1から翼先端31側に向けて段階的に又は徐々に大きくなるよう構成されることが好ましい。これにより、第2の翼領域3bにおける翼素が発生する揚力が極めて小さくされるので、翼端渦の発生がさらに抑制される。
このように、第1の実施の形態の軸流水車発電装置10,20では、ランナ3における翼端渦の発生を抑制することで翼効率損失が低減される。さらに、翼端渦の発生が抑えられることで、翼端渦とカルマン渦の相互干渉が抑えられ、翼効率損失がより抑えられる。したがって、軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることができる。
次に、第2〜第7の実施の形態に係る軸流水車発電装置についてそれぞれ図面を参照して説明する。第2〜第7の実施の形態に係る軸流水車発電装置は、第1の実施の形態の軸流水車発電装置10,20において、ランナ3の形状が異なる以外は第1の実施の形態の軸流水車発電装置10,20と同様である。したがって、各々の実施の形態におけるランナについてそれぞれ詳細に説明し、その他の構成については第1の実施の形態と同様であるので重複する説明を省略する。また、ランナに関しても、第1の実施の形態の構成部分と同一の構成部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
(第2の実施の形態)
図6を参照して第2の実施の形態のランナ301について説明する。図6は第2の実施の形態のランナ301の概略構成図である。図6に示すランナ301は、第2の翼領域3bにおいて、後縁33が全ての半径位置で直線的に接続されて形成されるとともに前縁32が後縁33に近づくことで、翼弦長C(r)が翼先端31に向けて減少するよう構成されている。すなわち、ランナ301は、その平面形状が第2の翼領域3bの開始位置R2から翼先端31に向かって、後縁33が略直線状であり、前縁32が翼の内側に中心を持つ円又は楕円の弧を描く形状として形成されている。ランナ301において、タービン翼の回転中心30から第2の翼領域3bの開始位置までの距離R2は、第1の実施の形態におけるR1よりも大きいことが好ましく、R2/Rは0.85〜0.9の範囲であることがより好ましい。これにより第1の翼領域3aにおける翼効率を保ちつつ、翼端渦の発生による翼効率損失を低減することができる。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、C(r)が各半径位置rにおける翼弦長の最適値よりも小さくされていることで翼端渦の発生が抑制される。また、ランナ301はその翼断面形状が、後縁33側が鋭角に尖った形状となっているため、ランナ301の第2の翼領域3bにおいて、前縁32が後縁33に近づくように形成されることで、後縁33側の翼断面形状がそのまま維持され、成形性を向上させる。
(第3の実施の形態)
次に、図7を参照して第3の実施の形態のランナ302について説明する。図7は第3の実施の形態のランナ302の概略構成図である。図7に示すランナ302は、第2の翼領域3bにおいて、前縁32が全ての半径位置で直線的に接続されて形成されるとともに後縁33が前縁32に近づくことでC(r)が翼先端31に向けて減少するよう構成されている。すなわち、ランナ302は、その平面形状が第2の翼領域3bの開始位置R3から、翼先端31に向けて、前縁32が略直線状であり、後縁33が翼の内側に中心を持つ円又は楕円の弧を描く形状として形成されている。ランナ302において、タービン翼の回転中心30から第2の翼領域3bの開始位置までの距離R3は、第1の実施の形態におけるR1と同等の大きさ又はR1より大きくすることができ、R3/Rは0.85〜0.9の範囲であることがより好ましい。これにより第1の翼領域3aにおける翼効率を保ちつつ、翼端渦の発生による翼効率損失を低減することができる。
第3の実施の形態のランナ302は、第1の実施の形態と同様に、第2の翼領域3bでのC(r)が翼素運動量理論により求められる翼弦長の最適値よりも小さくされている。そのため、ランナ302の翼先端31近傍における翼端渦の発生が抑制される。さらに、ランナ302は、後縁33が前縁32に近づく形で構成されているため、翼端渦の発生中心が水流の上流側へ遠ざけられる。そのため、翼端渦の発生中心と、カルマン渦の発生中心が遠ざけられ、翼端渦とカルマン渦との相互干渉が抑えられる。したがって、翼効率損失を大幅に低減することが可能である。したがって本実施形態によれば、軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることができる。
(第4の実施の形態)
次に、図8及び図9を参照して第4の実施の形態のランナ303について説明する。図8は、第4の実施の形態のランナ303を概略的に示す平面図である。図9は、図8に示すランナ303の任意の半径位置rにおけるA−A断面図である。
図8に示すランナ303は、タービン翼の回転中心30から翼先端31までの距離がRであり、翼断面形状が流線形に構成されている。ランナ303のタービン翼の回転中心30から各半径位置rでの翼弦長C(r)は、翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値となるように構成され、その翼基端部側から翼先端31に向かうにつれて翼弦長C(r)が略一定の減少率で減少する形状となっている。ランナ303は、図9では中実状の構造として示すが、重量を低減するために、中空状に構成されていてもよい。
図9に示すように、本実施形態のランナ303は、各半径位置rにおける翼素の後縁33側が非対称なエッジ形状とされている。ランナ303において、エッジ形状は、ランナ303の翼先端31近傍における渦の発生を抑制する渦抑制構造として機能する。当該エッジ形状は、ランナ303の後縁33側を負圧面34が圧力面35より長くなるようにして形成された翼端面のエッジ面36を備えている。エッジ面36は、エッジ面36及び負圧面34との交点における負圧面34の接線tとエッジ面36とが鋭角をなすように形成されている。ランナ303において、エッジ面36は、ランナ303のタービン翼の全半径位置に形成されていてもよく、一部の半径位置に形成されていてもよい。カルマン渦と翼端渦の干渉を抑えるために、エッジ面36は、タービン翼の回転中心からの距離R4が、R4/Rが0.3〜1.0となる範囲に形成されていることが好ましい。エッジ面36は、カルマン渦の発生を抑える点から、接線tとエッジ面36とのなす角α=30〜60°となるように形成されることが好ましい。
本実施形態のランナ303では、後縁33が非対称なエッジ形状であることで、後縁33からのカルマン渦の発生が抑えられ、カルマン渦による翼効率損失が抑えられる。さらに、カルマン渦の発生が抑えられることでカルマン渦と翼端渦との相互干渉による翼効率損失が低減される効果もある。
なお、ランナ303の平面形状は第1〜3の実施の形態と同様の構成としてもよく、これにより、翼効率損失を大幅に低減することができる。したがって本実施形態によれば、軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることが可能である。
(第5の実施の形態)
次に、図10を参照して第5の実施の形態のランナ304について説明する。図10は第5の実施の形態に係るランナ304を概略的に示す平面図である。図10に示すランナ304は、タービン翼の回転中心30から翼先端31までの距離がRであり、翼断面形状が流線形に構成されている。ランナ304のタービン翼の回転中心30から各半径位置rでの翼弦長C(r)は、翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値となるように構成され、その翼基端部から翼先端31に向かうにつれて翼弦長C(r)が略一定の減少率で減少する形状となっている。また、ランナ304は、翼先端31付近に曲がり部37を有している。曲がり部37は、ランナ304の翼先端31近傍における渦の発生を抑制する渦抑制構造として機能する。
曲がり部37は、例えば従来のランナ307の翼先端31近傍を水流上流方向へ曲成することで形成される。回転中心30から曲がり部37の開始位置までの距離R5は、R5/Rが0.75〜0.9の範囲にあることが好ましく、0.85〜0.9の範囲にあることがより好ましい。これにより、吹き下ろしを抑制することができるため、タービン翼の発電効率を向上させることができる。また、曲がり部37における翼弦長は曲がり部37の開始位置から翼先端31まで略一定であってもよく、減少していてもよい。
また、翼端渦の発生を抑える観点から、曲がり角β=5〜40°であることが好ましい。ここで、曲がり角βとは、翼基端部の断面における翼弦線の中心及び曲がり部37の開始位置の断面における翼弦線の中心とを結ぶ線と、曲がり部37の開始位置の断面における翼弦線の中心及び翼先端31の断面における翼弦線の中心とを結ぶ線のなす角のうち鋭角の方を指す。
第5の実施の形態のランナ304は、曲がり部37を有することで、翼端渦の発生位置を水流の上流側へ遠ざけることができる。したがって、翼端渦とカルマン渦との相互干渉が抑制され、翼効率損失が低減される。また、曲がり部37が吹き下ろしを抑止するので、吹き下ろしによる誘導抵抗の発生が抑えられ、翼効率損失が低減される。
なお、ランナ304の平面形状は第1〜3の実施の形態と同様の構成としてもよく、これにより、翼効率損失を大幅に低減することが可能である。したがって本実施形態によれば、軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることが可能である。
(第6の実施の形態)
次に図11及び図12を参照して第6の実施の形態のランナ305について説明する。図11は、第6の実施の形態のランナ305を概略的に示す平面図である。図12は、図11に示すランナ305を概略的に示す側面図である。
第6の実施の形態に係るランナ305は、タービン翼の回転中心30から翼先端31までの距離がRであり、翼断面形状が流線形に構成されている。ランナ305のタービン翼の回転中心30から各半径位置rでの翼弦長C(r)は、翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値となるように構成され、その翼基端部から翼先端31に向かうにつれて翼弦長C(r)が略一定の減少率で減少する形状となっている。
第6の実施の形態に係るランナ305は、翼先端31に吹き下ろしを抑制する整流板38を備えている。整流板38は、ランナ305の翼先端31近傍における渦の発生を抑制する渦抑制構造として機能する。整流板38は、適切な厚みを有する板状や翼形状などの形状であり、ランナ305の翼端面の外側から翼先端31に接合されている。整流板38は、負圧面34側及び圧力面35側、前縁32側及び後縁33側に所定の長さで突き出して設けられている。また、例えば、整流板38は、ランナ305と整流板38との接合位置における整流板38の板面がランナ305の翼基端及び翼先端31の断面におけるそれぞれの翼弦線の中心同士を結んだ線と略直交するように設けられている。整流板38は、例えばランナ305を構成する材料と同じ材料で形成される。
図13は本実施形態における整流板38の一例を概略的に示す斜視図である。整流板38の形状は特に限定されないが、整流板38における抗力の発生を抑えるため、図13に示すように断面形状が例えば流線形を有する翼型形状であることが好ましい。この場合、整流板38は、ランナ305の回転方向に前縁381が位置するように設けられる。また、整流板38の後縁382付近は、カルマン渦の発生を抑制するために、負圧面384側が圧力面385側より長い非対称なエッジ形状とされていることが好ましい。整流板38の大きさとしては、吹き下ろしを抑えられる大きさであれば特に限定されないが、翼幅線383の長さを、ランナ305の最大翼厚の2〜4倍とすることが好ましい。これにより、吹き下ろしを抑制することができるため、タービン翼の発電効率を向上させることができる。なお、翼幅線383は、整流板38の両翼端の断面における翼弦線の中心同士を結んだ線として定義される。また、整流板38は、翼幅線383の中心が、ランナ305の翼基端及び翼先端31のそれぞれの断面における翼弦線の中心同士を結んだ線の延長上に位置するように設けられることが好ましい。なお、整流板38の厚み及び翼弦長は、所望の翼効率に応じて適宜設計することができる。
本実施形態のランナ305においては、整流板38により吹き下ろしが抑制される。そのため吹き下ろしによる誘導抵抗の発生が抑えられ、翼効率損失が低減される。さらに、整流板38が圧力面35側にも設けられているので、翼端渦の発生位置が水流上流側へ遠ざけられる。そのため、翼端渦とカルマン渦の相互干渉に因る翼効率損失が抑えられる。
なお、ランナ305の平面形状は第1〜3の実施の形態と同様の構成としてもよく、これにより、翼効率損失を大幅に低減することが可能である。したがって本実施形態によれば、軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることが可能である。
(第7の実施の形態)
次に、図14及び図15を参照して第7の実施の形態に係るランナ306について説明する。
図14は第7の実施の形態に係るランナ306を概略的に示す平面図である。図15は、図14に示すランナ306を概略的に示す側面図である。なお、図14では3つのランナを例示しているが、ランナの数はこれに限定されない。
ランナ306は、タービン回転中心30から翼先端31までの距離がRであり、翼断面形状が流線形に構成されている。ランナ306のタービン翼の回転中心30から各半径位置rでの翼弦長C(r)は、翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値となるように構成され、その翼基端部から翼先端31に向かうにつれて翼弦長C(r)が略一定の減少率で減少する形状となっている。
ランナ306は、それぞれの翼先端31を内接した円筒39を備えている。円筒39は、ランナ306の翼先端31近傍における渦の発生を抑制する渦抑制構造として機能する。円筒39は例えばランナ306を構成する材料と同じ材料で形成される。円筒39の長さ方向及び半径方向の厚みはそれぞれランナ306の翼先端31近傍における吹き下ろしを抑制することのできる大きさであれば特に限定されず、軸流水車発電装置10,20の態様に応じて適宜設計すればよい。例えば、吹き下ろしを抑制する点から、円筒39の長さ方向の厚みはランナ306の翼先端31における翼弦長と略同一か若干大きく形成されていることが好ましい。
ランナ306では、円筒39により各ランナの翼先端31付近における吹き下ろしが抑制される。そのため、吹き下ろしによる誘導抵抗の発生が抑えられ、翼効率損失が低減される。
なお、ランナ306の平面形状は第1〜3の実施の形態と同様の構成としてもよく、これにより、翼効率損失を大幅に低減することができる。このように、本実施形態によれば軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることが可能である。
以上、説明した実施形態によれば、翼効率損失を抑えることで、軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることが可能である。
る。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,20…軸流水車発電装置、3,301〜307…ランナ、3a…第1の翼領域、3b…第2の翼領域、4…ボス、5…発電機、6…回転軸、6a…ハブ、6b…変速機構、6c…伝達軸、7…発電機、11…連結部材、12…係留ロープ、13…海底、14…海中、30…タービン翼の回転中心、31…翼先端、32,381…前縁、33,382…後縁、34,384…負圧面、35,385…圧力面、36…エッジ面、37…曲がり部、38…整流板、39…円筒、383…翼幅線、α…曲がり角、β…エッジ角、C,C,C…翼弦長、R…タービン翼の回転中心から翼先端までの距離、R1,R2,R3,R4,R5…タービン翼の回転中心からの距離。

Claims (5)

  1. 発電機と、
    水流の運動エネルギを回転エネルギに変換して前記発電機の駆動力を発生させるランナを備えるタービン翼と、
    前記ランナの発生した駆動力を前記発電機に伝達する回転軸と
    を備える軸流水車発電装置であって、
    前記ランナは、
    翼弦長が翼素運動量理論により求められる前記タービン翼の回転中心から各半径位置での翼弦長の最適値となるように構成された第1の翼領域と、
    前記第1の翼領域よりも翼先端側に位置し、翼弦長が翼素運動量理論により求められる前記タービン翼の回転中心から各半径位置での翼弦長の最適値よりも小さくなるように構成された第2の翼領域と
    を備え、
    前記第2の翼領域の開始位置は、前記タービン翼の回転中心から前記ランナの翼先端までの距離Rに対して、0.75R〜0.90Rの範囲にあることを特徴とする軸流水車発電装置。
  2. 前記第2の翼領域において、翼先端に行くに伴い、前記ランナの前縁が後縁に近づいて翼弦長が減少することを特徴とする請求項1記載の軸流水車発電装置。
  3. 前記第2の翼領域において、翼先端に行くに伴い、前記ランナの後縁が前縁に近づいて翼弦長が減少することを特徴とする請求項1又は2記載の軸流水車発電装置。
  4. 前記ランナは、前記ランナの翼先端近傍における渦の発生を抑制する渦抑制構造を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の軸流水車発電装置。
  5. 前記渦抑制構造は、前記ランナの後縁部において負圧面を圧力面より長くして形成される翼端面のエッジ面を備えた構造、前記ランナの翼先端近傍が水流上流方向へ傾けて形成される曲がり部、前記ランナの翼先端に備えられた整流板又は前記ランナの翼先端を内接した円筒のうち1つ以上であることを特徴とする請求項記載の軸流水車発電装置。
JP2013201117A 2013-09-27 2013-09-27 軸流水車発電装置 Active JP6158019B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013201117A JP6158019B2 (ja) 2013-09-27 2013-09-27 軸流水車発電装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013201117A JP6158019B2 (ja) 2013-09-27 2013-09-27 軸流水車発電装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015068197A JP2015068197A (ja) 2015-04-13
JP6158019B2 true JP6158019B2 (ja) 2017-07-05

Family

ID=52835142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013201117A Active JP6158019B2 (ja) 2013-09-27 2013-09-27 軸流水車発電装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6158019B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6274694B2 (ja) * 2015-12-29 2018-02-07 好美 篠田 水流揚力回転発電装置
CN106762369B (zh) * 2017-02-28 2020-03-06 上海交通大学 涡激振动发电装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7789629B2 (en) * 2006-12-07 2010-09-07 Verdant Power Non-fouling kinetic hydro power system axial-flow blade tip treatment
JP2009299650A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Ogo Tetsuya 整流型流体車
CN102597493A (zh) * 2009-10-26 2012-07-18 亚特兰蒂斯能源有限公司 水下发电机
EP2564054A1 (en) * 2010-04-30 2013-03-06 Clean Current Limited Partnership Unidirectional hydro turbine with enhanced duct, blades and generator
JP5840420B2 (ja) * 2011-08-25 2016-01-06 株式会社東芝 海流発電装置
JP5297558B1 (ja) * 2011-10-12 2013-09-25 三菱重工業株式会社 風車翼及びこれを備えた風力発電装置ならびに風車翼の設計方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015068197A (ja) 2015-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101333762B1 (ko) 좌우대칭형 에어포일을 구비한 워터 터어빈
EP2270312A9 (en) Aero- or hydrodynamic construction
US20120076656A1 (en) Horizontal Axis Logarithmic Spiral Fluid Turbine
WO2005116446A1 (ja) 垂直軸風車用ブレードおよび垂直軸風車
JP2012180771A (ja) 風車翼およびこれを備えた風力発電装置
WO2008002338A2 (en) Rotary fluid dynamic utility structure
US20120217754A1 (en) Wind turbine blade, wind turbine generator with the same, and design method of wind turbine blade
US10099761B2 (en) Water turbine propeller
TW201043778A (en) Fluid energy converter and rotor therefor
JP6158019B2 (ja) 軸流水車発電装置
US20130224039A1 (en) Rotor for Vertical Wind Power Station
JP2017166324A (ja) タービン用t形先端翼
KR20130003573A (ko) 선박용 전류고정날개
JP5976414B2 (ja) 水流発電装置
AU2008101143A4 (en) Spinfoil aerodynamic device
KR101310714B1 (ko) 풍력발전기용 날개
JP5805913B1 (ja) 風車翼及びそれを備えた風力発電装置
CN116209826A (zh) 通用螺旋桨、操作方法和最佳用途
JP6488111B2 (ja) 軸流水車発電装置
KR101465638B1 (ko) 풍력발전기용 회전체
JP2010031706A (ja) 起動装置
JP2022518550A (ja) 風力タービン用のロータブレード
JP4771319B1 (ja) 風力発電用の垂直軸型風車
JP2016200099A (ja) 垂直軸水車
JP2011231768A (ja) 風力発電用の垂直軸型風車

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170607

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6158019

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151