JP6158019B2 - Axial turbine generator - Google Patents
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Description
本発明は翼効率の損失を極力抑えた軸流水車発電用に関する。 The present invention relates to an axial flow turbine power generation in which loss of blade efficiency is minimized.
近年、発電時に温室効果ガスを排出しないクリーンなエネルギ源として、風力発電や水流発電をはじめとするさまざまな発電手法が提案されている。黒潮等に代表される海流のエネルギを利用する海流発電もそれらの中のひとつであり、積極的に研究開発がなされている。海流発電に用いられる軸流水車発電装置の発電出力は、水の運動エネルギを回転エネルギに変換するランナの軸端出力と変換効率の積で表される。軸端出力は次式で表され、高翼効率で直径の大きい翼を採用すると大出力が得られる。
軸端出力=(1/2)×密度×(流速)3×翼効率×π×(翼直径/2)2
In recent years, various power generation methods such as wind power generation and water current power generation have been proposed as clean energy sources that do not emit greenhouse gases during power generation. Current generation using ocean current energy, such as the Kuroshio Current, is one of them, and research and development is actively conducted. The power generation output of the axial turbine generator used for ocean current power generation is expressed by the product of the shaft end output of the runner that converts water kinetic energy into rotational energy and the conversion efficiency. The shaft end output is expressed by the following equation. When a blade with high blade efficiency and large diameter is used, a large output can be obtained.
Shaft end output = (1/2) × density × (flow velocity) 3 × blade efficiency × π × (blade diameter / 2) 2
翼効率には、ベッツ限界と呼ばれる理論限界(16/27=0.5925)が存在する。実際には、(1)翼後流による損失(2)翼断面の抵抗による損失(3)翼端渦による損失によって、翼効率は0.5程度となる。 The blade efficiency has a theoretical limit (16/27 = 0.5925) called the Betz limit. Actually, (1) loss due to the wake of the blade, (2) loss due to the resistance of the blade cross section, and (3) loss due to the blade tip vortex, the blade efficiency becomes about 0.5.
(1)〜(3)のうち、(1)翼後流による損失は、角運動量保存則より、回転トルクを小さくする(回転速度を速くする)ことで抑制することができる。一方、(2)翼断面の抵抗による損失は、回転速度が速くなると、翼に作用する抗力が大きくなり、大きくなる傾向となる。このように、(1)及び(2)は相反するため、両立させることが難しい。しかし、(3)については、翼先端、後縁の形状に着目することで低減させることができる。そのため、風車翼では、翼端形状を変更して翼効率損失を低減する方法や、ウイングレットを装着して翼効率損失を低減する方法が提案されている。 Among (1) to (3), (1) the loss due to the wing wake can be suppressed by reducing the rotational torque (increasing the rotational speed) from the angular momentum conservation law. On the other hand, (2) the loss due to the resistance of the blade cross section tends to increase as the rotational speed increases and the drag acting on the blade increases. Thus, since (1) and (2) conflict, it is difficult to make them compatible. However, (3) can be reduced by paying attention to the shape of the blade tip and the trailing edge. Therefore, for wind turbine blades, a method for reducing blade efficiency loss by changing the blade tip shape and a method for reducing blade efficiency loss by attaching a winglet have been proposed.
しかしながら、作動流体が水と空気では物性が大幅に異なることに加えて、運転状況も全く異なるために、これら風車での翼効率損失の低減策が海流発電に直接適用できない。
本発明の解決しようとする課題は、ランナにおける翼効率損失を極力抑えることで発電効率を向上させる軸流水車発電装置を提供することである。
However, in addition to the fact that the physical properties of water and air are significantly different from each other, the operating conditions are also completely different, and therefore the blade efficiency loss reduction measures in these wind turbines cannot be directly applied to ocean current power generation.
The problem to be solved by the present invention is to provide an axial-flow turbine generator that improves power generation efficiency by minimizing blade efficiency loss in the runner.
実施形態に係る軸流水車発電装置は、発電機と、水流の運動エネルギを回転エネルギに変換して前記発電機の駆動力を発生させるランナを備えるタービン翼と、前記ランナの発生した駆動力を前記発電機に伝達する回転軸とを備え、前記ランナは、翼弦長が翼素運動量理論により求められる前記タービン翼の回転中心から各半径位置での翼弦長の最適値となるように構成された第1の翼領域と、前記第1の翼領域よりも翼先端側に位置し、翼弦長が翼素運動量理論により求められる前記タービン翼の回転中心から各半径位置での翼弦長の最適値よりも小さくなるように構成された第2の翼領域とからなり、前記第2の翼領域の開始位置は、前記タービン翼の回転中心から前記ランナの翼先端までの距離Rに対して、0.75R〜0.90Rの範囲にあることを特徴とする。 An axial-flow turbine generator according to an embodiment includes a generator, a turbine blade including a runner that converts kinetic energy of the water stream into rotational energy and generates a driving force of the generator, and a driving force generated by the runner. And the runner is configured such that the chord length is an optimum value of the chord length at each radial position from the rotation center of the turbine blade, which is obtained by a blade element momentum theory. And the chord length at each radial position from the rotation center of the turbine blade, the chord length being determined by the blade element momentum theory. Do and a second wing region configured to be smaller than the optimum value of Ri, the start position of the second wing region, the distance R from the rotational center of the turbine blade to the blade tip of the runner In contrast, from 0.75R to 0.90R And wherein the 囲Nia Rukoto.
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。各図において、共通する機能を有する構成要素には同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する。 Hereinafter, embodiments will be described in detail with reference to the drawings. In each figure, components having common functions are denoted by the same reference numerals, and redundant description is omitted.
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の軸流水車発電装置10,20を示す概略構成図である。本実施形態の軸流水車発電装置10,20は海中14に設置されるプロペラ型の海流発電(又は潮流発電)システムであり、図1に示すように例えば一対で用いられる。軸流水車発電装置10,20は、連結部材11によって互いが連結されており、さらに係留ロープ12を介して例えば水深200mを超える海底13にアンカ(係留)されている。
(First embodiment)
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing the axial-
図2は、第1の実施の形態の軸流水車発電装置10,20の構造を示す概略的構成図である。図2に示すように、一対の軸流水車発電装置10,20は、それぞれ内筒2と、複数のランナ3と、ランナ3を支持するボス4とを備えている。内筒2、ランナ3及びボス4は、海水に対しての耐腐食性の高い材料や、耐腐食性の高い塗料をコーティングした材料を用いて構成されている。
FIG. 2 is a schematic configuration diagram showing the structure of the axial-
内筒2は、水密構造を有している。図2に示すように、内筒2の内部には、回転軸6に連設された発電機5や変速機構6bなどが内蔵(収容)されている。また、内筒2は、所定の浮力を有している。ここで、一対の軸流水車装置10、20の各々が備えるランナ3が逆方向に回転するとともに同等の推力を発生させる。そのため、軸流水車装置10,20の互いの相対位置はほとんど変わらず維持される。
The
図2に示すように、ボス4は、ランナ3の基端部側を支持する支持部としての機能を有する。また、ボス4は、内筒2と同様に水密構造を有しており、ボス4の中心には回転軸6が貫設されている。回転軸6の一端部側は、内筒2内の変速機構6bに連結され、回転軸6の他端部側は、ハブ6aを介してボス4本体に固定されている。つまり、ランナ3は、その基端部側がボス4(ハブ6a)を介して回転軸6に一体的に固定されており、水流を受けると回転軸6(ボス4)と共に一体となって回転する。
As shown in FIG. 2, the boss 4 has a function as a support portion that supports the base end side of the
回転軸6の動力(駆動力)は、内筒2内の発電機5に伝達される。具体的には、回転軸6の回転は、変速機構6bによって減速又は増速され、変速機構6bと発電機5との間の伝達軸6cを介して発電機5側に伝達される。
The power (driving force) of the rotating shaft 6 is transmitted to the generator 5 in the
ランナ3は、水平軸揚力型のランナであり、軸流水車発電装置10、20ごとに例えば2つ又は3つずつ設けられている。例えばランナ3が3つの場合、個々のランナ3は、それぞれの基端部側がボス4(回転軸6)の軸まわりに120°の間隔をおいて各々固定され、タービン翼を構成している。また、回転軸6が一定の方向に回転する回転力をランナ3のそれぞれから得られるように、個々のランナ3は、圧力面(正圧面)及び負圧面のそれぞれが一定の向きにそろう形状に形成されている。
The
タービン翼においてランナ3は、図2に示すように、水流(海流)F1から得た運動エネルギを回転エネルギに変換する。一方、ランナ3と共に一体となって回転する回転軸6は、変換された回転エネルギを、変速機構6b、伝達軸6cを介して内筒2内の発電機5に伝達し、発電機5は、この回転エネルギを用いて発電を行う。
In the turbine blade, the
次に、ランナ3の特徴的構成について図3及び図4を参照して説明する。図3は、第1の実施の形態のランナ3を概略的に示す平面図であり、図4は、図3に示すランナ3のA−A断面図である。図3に示す第1の実施の形態のランナ3は、タービン翼の回転中心30を始点として、翼先端31までの距離がRである。ランナ3は、図4に示すように、翼断面形状が流線形に構成されている。図4に示すランナにおいて、符号32は前縁、符号33は後縁を示し、符号34は負圧面、符号35は圧力面を示す。なお、ランナ3は、図4では中実状の構造として示すが、重量を低減するために、中空状に構成されていてもよい。
Next, a characteristic configuration of the
第1の実施の形態のランナ3は、翼基端部(翼根元)側に位置し、タービン翼の回転中心30から半径位置rでの翼弦長C1(r)が翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値となるように構成された第1の翼領域3aと、第1の翼領域よりも翼先端31側に位置し、翼弦長C2(r)が翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値よりも小さくなるように構成された第2の翼領域3bとからなる。ランナ3は、第1の翼領域では翼基端部側から翼先端31に向かうにつれてC1(r)が略一定の減少率dC1(r)/drで減少し、第2の翼領域3bの開始位置R1から翼弦長の減少率dC2(r)/drがdC1(r)/drよりも大きくなり、C2(r)が略一定のdC2(r)/drで減少する形に構成されている。
The
ここで、比較のために図5を参照して従来のランナ307について説明する。図5は、従来のランナ307を概略的に示す平面図である。図5に示す従来のランナ307は、翼断面が流線形に形成されている。また、ランナ307の各半径位置rでの翼弦長C(r)は、翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値となるように構成され、その翼基端部側から翼先端31に向かうにつれて翼弦長が略一定の減少率で減少する形状となっている。
Here, a
ランナ307で構成されるタービン翼における翼効率損失の要因として、翼端渦の発生がある。翼先端31近傍では、負圧面34と圧力面35の圧力差によって圧力面35側から負圧面34側へ巻き込む流れ(吹き下ろし)が生じ、これにより翼端渦が発生する。この翼端渦がランナ307近傍での水流(海流)F1の流れ方向を局所的に変化させることで誘導抵抗が発生して翼効率損失となる。また、翼先端31付近の後縁33からその後方に発生するカルマン渦も翼効率損失の要因であり、さらにカルマン渦と翼端渦との相互干渉が翼効率損失を増大させる。
As a factor of blade efficiency loss in the turbine blade constituted by the
これに対し、図3に示す第1の実施の形態のランナ3においては、第1の翼領域3aでは翼弦長の最適値を保つことで、第1の翼領域3aにおける翼効率を保つとともに、第2の翼領域3bにおいて翼弦長の最適値よりもC2(r)を小さくすることで翼素が発生する揚力を小さくして翼負荷を低減する。翼負荷は圧力面35と負圧面34の圧力差と等しいので、翼端渦の発生が抑えられる。
On the other hand, in the
回転中心30から第2の翼領域3bの開始位置までの距離R1は、R1/Rが0.75〜0.9の範囲にあることが好ましく、0.85〜0.9の範囲にあることが好ましい。これにより第1の翼領域3aにおける翼効率を保ちつつ、翼端渦の発生による翼効率損失を低減することができる。
The distance R1 from the
また、ランナ3は、第2の翼領域3bにおける前縁32及び後縁33が先端に向けて段階的に折れ曲がった折れ線状又は翼先端31に向けてすぼんだ曲線状に構成され、dC2(r)/drが、第2の翼領域3bの開始位置R1から翼先端31側に向けて段階的に又は徐々に大きくなるよう構成されることが好ましい。これにより、第2の翼領域3bにおける翼素が発生する揚力が極めて小さくされるので、翼端渦の発生がさらに抑制される。
Further, the
このように、第1の実施の形態の軸流水車発電装置10,20では、ランナ3における翼端渦の発生を抑制することで翼効率損失が低減される。さらに、翼端渦の発生が抑えられることで、翼端渦とカルマン渦の相互干渉が抑えられ、翼効率損失がより抑えられる。したがって、軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることができる。
As described above, in the axial-
次に、第2〜第7の実施の形態に係る軸流水車発電装置についてそれぞれ図面を参照して説明する。第2〜第7の実施の形態に係る軸流水車発電装置は、第1の実施の形態の軸流水車発電装置10,20において、ランナ3の形状が異なる以外は第1の実施の形態の軸流水車発電装置10,20と同様である。したがって、各々の実施の形態におけるランナについてそれぞれ詳細に説明し、その他の構成については第1の実施の形態と同様であるので重複する説明を省略する。また、ランナに関しても、第1の実施の形態の構成部分と同一の構成部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
Next, axial flow turbine power generators according to second to seventh embodiments will be described with reference to the drawings. The axial flow turbine power generators according to the second to seventh embodiments are the same as those of the first embodiment except that the shape of the
(第2の実施の形態)
図6を参照して第2の実施の形態のランナ301について説明する。図6は第2の実施の形態のランナ301の概略構成図である。図6に示すランナ301は、第2の翼領域3bにおいて、後縁33が全ての半径位置で直線的に接続されて形成されるとともに前縁32が後縁33に近づくことで、翼弦長C2(r)が翼先端31に向けて減少するよう構成されている。すなわち、ランナ301は、その平面形状が第2の翼領域3bの開始位置R2から翼先端31に向かって、後縁33が略直線状であり、前縁32が翼の内側に中心を持つ円又は楕円の弧を描く形状として形成されている。ランナ301において、タービン翼の回転中心30から第2の翼領域3bの開始位置までの距離R2は、第1の実施の形態におけるR1よりも大きいことが好ましく、R2/Rは0.85〜0.9の範囲であることがより好ましい。これにより第1の翼領域3aにおける翼効率を保ちつつ、翼端渦の発生による翼効率損失を低減することができる。
(Second Embodiment)
A
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、C2(r)が各半径位置rにおける翼弦長の最適値よりも小さくされていることで翼端渦の発生が抑制される。また、ランナ301はその翼断面形状が、後縁33側が鋭角に尖った形状となっているため、ランナ301の第2の翼領域3bにおいて、前縁32が後縁33に近づくように形成されることで、後縁33側の翼断面形状がそのまま維持され、成形性を向上させる。
In the second embodiment, as in the first embodiment, C 2 (r) is made smaller than the optimum value of the chord length at each radial position r, thereby suppressing the generation of blade tip vortices. Is done. Further, since the
(第3の実施の形態)
次に、図7を参照して第3の実施の形態のランナ302について説明する。図7は第3の実施の形態のランナ302の概略構成図である。図7に示すランナ302は、第2の翼領域3bにおいて、前縁32が全ての半径位置で直線的に接続されて形成されるとともに後縁33が前縁32に近づくことでC2(r)が翼先端31に向けて減少するよう構成されている。すなわち、ランナ302は、その平面形状が第2の翼領域3bの開始位置R3から、翼先端31に向けて、前縁32が略直線状であり、後縁33が翼の内側に中心を持つ円又は楕円の弧を描く形状として形成されている。ランナ302において、タービン翼の回転中心30から第2の翼領域3bの開始位置までの距離R3は、第1の実施の形態におけるR1と同等の大きさ又はR1より大きくすることができ、R3/Rは0.85〜0.9の範囲であることがより好ましい。これにより第1の翼領域3aにおける翼効率を保ちつつ、翼端渦の発生による翼効率損失を低減することができる。
(Third embodiment)
Next, a
第3の実施の形態のランナ302は、第1の実施の形態と同様に、第2の翼領域3bでのC2(r)が翼素運動量理論により求められる翼弦長の最適値よりも小さくされている。そのため、ランナ302の翼先端31近傍における翼端渦の発生が抑制される。さらに、ランナ302は、後縁33が前縁32に近づく形で構成されているため、翼端渦の発生中心が水流の上流側へ遠ざけられる。そのため、翼端渦の発生中心と、カルマン渦の発生中心が遠ざけられ、翼端渦とカルマン渦との相互干渉が抑えられる。したがって、翼効率損失を大幅に低減することが可能である。したがって本実施形態によれば、軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることができる。
As in the first embodiment, the
(第4の実施の形態)
次に、図8及び図9を参照して第4の実施の形態のランナ303について説明する。図8は、第4の実施の形態のランナ303を概略的に示す平面図である。図9は、図8に示すランナ303の任意の半径位置rにおけるA−A断面図である。
(Fourth embodiment)
Next, a
図8に示すランナ303は、タービン翼の回転中心30から翼先端31までの距離がRであり、翼断面形状が流線形に構成されている。ランナ303のタービン翼の回転中心30から各半径位置rでの翼弦長C(r)は、翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値となるように構成され、その翼基端部側から翼先端31に向かうにつれて翼弦長C(r)が略一定の減少率で減少する形状となっている。ランナ303は、図9では中実状の構造として示すが、重量を低減するために、中空状に構成されていてもよい。
In the
図9に示すように、本実施形態のランナ303は、各半径位置rにおける翼素の後縁33側が非対称なエッジ形状とされている。ランナ303において、エッジ形状は、ランナ303の翼先端31近傍における渦の発生を抑制する渦抑制構造として機能する。当該エッジ形状は、ランナ303の後縁33側を負圧面34が圧力面35より長くなるようにして形成された翼端面のエッジ面36を備えている。エッジ面36は、エッジ面36及び負圧面34との交点における負圧面34の接線tとエッジ面36とが鋭角をなすように形成されている。ランナ303において、エッジ面36は、ランナ303のタービン翼の全半径位置に形成されていてもよく、一部の半径位置に形成されていてもよい。カルマン渦と翼端渦の干渉を抑えるために、エッジ面36は、タービン翼の回転中心からの距離R4が、R4/Rが0.3〜1.0となる範囲に形成されていることが好ましい。エッジ面36は、カルマン渦の発生を抑える点から、接線tとエッジ面36とのなす角α=30〜60°となるように形成されることが好ましい。
As shown in FIG. 9, the
本実施形態のランナ303では、後縁33が非対称なエッジ形状であることで、後縁33からのカルマン渦の発生が抑えられ、カルマン渦による翼効率損失が抑えられる。さらに、カルマン渦の発生が抑えられることでカルマン渦と翼端渦との相互干渉による翼効率損失が低減される効果もある。
In the
なお、ランナ303の平面形状は第1〜3の実施の形態と同様の構成としてもよく、これにより、翼効率損失を大幅に低減することができる。したがって本実施形態によれば、軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることが可能である。
The planar shape of the
(第5の実施の形態)
次に、図10を参照して第5の実施の形態のランナ304について説明する。図10は第5の実施の形態に係るランナ304を概略的に示す平面図である。図10に示すランナ304は、タービン翼の回転中心30から翼先端31までの距離がRであり、翼断面形状が流線形に構成されている。ランナ304のタービン翼の回転中心30から各半径位置rでの翼弦長C(r)は、翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値となるように構成され、その翼基端部から翼先端31に向かうにつれて翼弦長C(r)が略一定の減少率で減少する形状となっている。また、ランナ304は、翼先端31付近に曲がり部37を有している。曲がり部37は、ランナ304の翼先端31近傍における渦の発生を抑制する渦抑制構造として機能する。
(Fifth embodiment)
Next, a
曲がり部37は、例えば従来のランナ307の翼先端31近傍を水流上流方向へ曲成することで形成される。回転中心30から曲がり部37の開始位置までの距離R5は、R5/Rが0.75〜0.9の範囲にあることが好ましく、0.85〜0.9の範囲にあることがより好ましい。これにより、吹き下ろしを抑制することができるため、タービン翼の発電効率を向上させることができる。また、曲がり部37における翼弦長は曲がり部37の開始位置から翼先端31まで略一定であってもよく、減少していてもよい。
The
また、翼端渦の発生を抑える観点から、曲がり角β=5〜40°であることが好ましい。ここで、曲がり角βとは、翼基端部の断面における翼弦線の中心及び曲がり部37の開始位置の断面における翼弦線の中心とを結ぶ線と、曲がり部37の開始位置の断面における翼弦線の中心及び翼先端31の断面における翼弦線の中心とを結ぶ線のなす角のうち鋭角の方を指す。
Further, from the viewpoint of suppressing the generation of the blade tip vortex, the bending angle β is preferably 5 to 40 °. Here, the bend angle β is a line connecting the center of the chord line in the cross section of the blade base end portion and the center of the chord line in the cross section of the start position of the
第5の実施の形態のランナ304は、曲がり部37を有することで、翼端渦の発生位置を水流の上流側へ遠ざけることができる。したがって、翼端渦とカルマン渦との相互干渉が抑制され、翼効率損失が低減される。また、曲がり部37が吹き下ろしを抑止するので、吹き下ろしによる誘導抵抗の発生が抑えられ、翼効率損失が低減される。
The
なお、ランナ304の平面形状は第1〜3の実施の形態と同様の構成としてもよく、これにより、翼効率損失を大幅に低減することが可能である。したがって本実施形態によれば、軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることが可能である。
Note that the planar shape of the
(第6の実施の形態)
次に図11及び図12を参照して第6の実施の形態のランナ305について説明する。図11は、第6の実施の形態のランナ305を概略的に示す平面図である。図12は、図11に示すランナ305を概略的に示す側面図である。
(Sixth embodiment)
Next, a
第6の実施の形態に係るランナ305は、タービン翼の回転中心30から翼先端31までの距離がRであり、翼断面形状が流線形に構成されている。ランナ305のタービン翼の回転中心30から各半径位置rでの翼弦長C(r)は、翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値となるように構成され、その翼基端部から翼先端31に向かうにつれて翼弦長C(r)が略一定の減少率で減少する形状となっている。
In the
第6の実施の形態に係るランナ305は、翼先端31に吹き下ろしを抑制する整流板38を備えている。整流板38は、ランナ305の翼先端31近傍における渦の発生を抑制する渦抑制構造として機能する。整流板38は、適切な厚みを有する板状や翼形状などの形状であり、ランナ305の翼端面の外側から翼先端31に接合されている。整流板38は、負圧面34側及び圧力面35側、前縁32側及び後縁33側に所定の長さで突き出して設けられている。また、例えば、整流板38は、ランナ305と整流板38との接合位置における整流板38の板面がランナ305の翼基端及び翼先端31の断面におけるそれぞれの翼弦線の中心同士を結んだ線と略直交するように設けられている。整流板38は、例えばランナ305を構成する材料と同じ材料で形成される。
A
図13は本実施形態における整流板38の一例を概略的に示す斜視図である。整流板38の形状は特に限定されないが、整流板38における抗力の発生を抑えるため、図13に示すように断面形状が例えば流線形を有する翼型形状であることが好ましい。この場合、整流板38は、ランナ305の回転方向に前縁381が位置するように設けられる。また、整流板38の後縁382付近は、カルマン渦の発生を抑制するために、負圧面384側が圧力面385側より長い非対称なエッジ形状とされていることが好ましい。整流板38の大きさとしては、吹き下ろしを抑えられる大きさであれば特に限定されないが、翼幅線383の長さを、ランナ305の最大翼厚の2〜4倍とすることが好ましい。これにより、吹き下ろしを抑制することができるため、タービン翼の発電効率を向上させることができる。なお、翼幅線383は、整流板38の両翼端の断面における翼弦線の中心同士を結んだ線として定義される。また、整流板38は、翼幅線383の中心が、ランナ305の翼基端及び翼先端31のそれぞれの断面における翼弦線の中心同士を結んだ線の延長上に位置するように設けられることが好ましい。なお、整流板38の厚み及び翼弦長は、所望の翼効率に応じて適宜設計することができる。
FIG. 13 is a perspective view schematically showing an example of the
本実施形態のランナ305においては、整流板38により吹き下ろしが抑制される。そのため吹き下ろしによる誘導抵抗の発生が抑えられ、翼効率損失が低減される。さらに、整流板38が圧力面35側にも設けられているので、翼端渦の発生位置が水流上流側へ遠ざけられる。そのため、翼端渦とカルマン渦の相互干渉に因る翼効率損失が抑えられる。
In the
なお、ランナ305の平面形状は第1〜3の実施の形態と同様の構成としてもよく、これにより、翼効率損失を大幅に低減することが可能である。したがって本実施形態によれば、軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることが可能である。
In addition, the planar shape of the
(第7の実施の形態)
次に、図14及び図15を参照して第7の実施の形態に係るランナ306について説明する。
(Seventh embodiment)
Next, a
図14は第7の実施の形態に係るランナ306を概略的に示す平面図である。図15は、図14に示すランナ306を概略的に示す側面図である。なお、図14では3つのランナを例示しているが、ランナの数はこれに限定されない。
FIG. 14 is a plan view schematically showing a
ランナ306は、タービン回転中心30から翼先端31までの距離がRであり、翼断面形状が流線形に構成されている。ランナ306のタービン翼の回転中心30から各半径位置rでの翼弦長C(r)は、翼素運動量理論により求められる各半径位置rでの翼弦長の最適値となるように構成され、その翼基端部から翼先端31に向かうにつれて翼弦長C(r)が略一定の減少率で減少する形状となっている。
In the
ランナ306は、それぞれの翼先端31を内接した円筒39を備えている。円筒39は、ランナ306の翼先端31近傍における渦の発生を抑制する渦抑制構造として機能する。円筒39は例えばランナ306を構成する材料と同じ材料で形成される。円筒39の長さ方向及び半径方向の厚みはそれぞれランナ306の翼先端31近傍における吹き下ろしを抑制することのできる大きさであれば特に限定されず、軸流水車発電装置10,20の態様に応じて適宜設計すればよい。例えば、吹き下ろしを抑制する点から、円筒39の長さ方向の厚みはランナ306の翼先端31における翼弦長と略同一か若干大きく形成されていることが好ましい。
The
ランナ306では、円筒39により各ランナの翼先端31付近における吹き下ろしが抑制される。そのため、吹き下ろしによる誘導抵抗の発生が抑えられ、翼効率損失が低減される。
In the
なお、ランナ306の平面形状は第1〜3の実施の形態と同様の構成としてもよく、これにより、翼効率損失を大幅に低減することができる。このように、本実施形態によれば軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることが可能である。
In addition, the planar shape of the
以上、説明した実施形態によれば、翼効率損失を抑えることで、軸流水車発電装置10,20における発電効率を向上させることが可能である。
る。
As described above, according to the embodiment described above, it is possible to improve the power generation efficiency in the axial-
The
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。 Although several embodiments of the present invention have been described, these embodiments are presented by way of example and are not intended to limit the scope of the invention. These novel embodiments can be implemented in various other forms, and various omissions, replacements, and changes can be made without departing from the scope of the invention. These embodiments and modifications thereof are included in the scope and gist of the invention, and are included in the invention described in the claims and the equivalents thereof.
10,20…軸流水車発電装置、3,301〜307…ランナ、3a…第1の翼領域、3b…第2の翼領域、4…ボス、5…発電機、6…回転軸、6a…ハブ、6b…変速機構、6c…伝達軸、7…発電機、11…連結部材、12…係留ロープ、13…海底、14…海中、30…タービン翼の回転中心、31…翼先端、32,381…前縁、33,382…後縁、34,384…負圧面、35,385…圧力面、36…エッジ面、37…曲がり部、38…整流板、39…円筒、383…翼幅線、α…曲がり角、β…エッジ角、C,C1,C2…翼弦長、R…タービン翼の回転中心から翼先端までの距離、R1,R2,R3,R4,R5…タービン翼の回転中心からの距離。
DESCRIPTION OF
Claims (5)
水流の運動エネルギを回転エネルギに変換して前記発電機の駆動力を発生させるランナを備えるタービン翼と、
前記ランナの発生した駆動力を前記発電機に伝達する回転軸と
を備える軸流水車発電装置であって、
前記ランナは、
翼弦長が翼素運動量理論により求められる前記タービン翼の回転中心から各半径位置での翼弦長の最適値となるように構成された第1の翼領域と、
前記第1の翼領域よりも翼先端側に位置し、翼弦長が翼素運動量理論により求められる前記タービン翼の回転中心から各半径位置での翼弦長の最適値よりも小さくなるように構成された第2の翼領域と
を備え、
前記第2の翼領域の開始位置は、前記タービン翼の回転中心から前記ランナの翼先端までの距離Rに対して、0.75R〜0.90Rの範囲にあることを特徴とする軸流水車発電装置。 A generator,
A turbine blade comprising a runner that converts the kinetic energy of the water flow into rotational energy to generate the driving force of the generator;
An axial-flow turbine generator comprising a rotating shaft that transmits the driving force generated by the runner to the generator,
The runner is
A first blade region configured such that the chord length is an optimum value of the chord length at each radial position from the rotation center of the turbine blade, which is obtained by a blade element momentum theory;
It is located on the blade tip side from the first blade region, and the blade chord length is smaller than the optimum value of the chord length at each radial position from the rotation center of the turbine blade determined by the blade element momentum theory. A second wing region configured;
The starting position of the second wing region, with respect to the distance R from the center of rotation of the turbine blade to the blade tip of the runner, the axis running water, characterized in range near Rukoto of 0.75R~0.90R Car power generator.
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