JP6157973B2 - ボイル・レトルト殺菌用包材の構造および該包材を用いた包袋物の製造方法 - Google Patents

ボイル・レトルト殺菌用包材の構造および該包材を用いた包袋物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、食品の中身をボイル殺菌,レトルト殺菌処理を施すためのディジタルオフセット印刷面を有する包材の構造および該包材を用いた包袋物の製造方法に関する。
フィルム材の包装内に収容した食品に一定時間、所定の温度の熱を加えることにより殺菌することが行われている。
殺菌の方法はボイル殺菌とレトルト殺菌等があり、前者は包材ごと80℃〜100℃の熱湯で加熱殺菌することであり包材の中身は惣菜や佃煮などである。後者は包材ごと105℃〜125℃前後の熱湯の入った圧力釜で加熱し、殺菌することであり、包材の中身はカレー,お粥,スープ,豆などである。
通常、包装には中身の食し方や材料の表示,絵柄の印刷が施されている。この印刷面を上下よりフィルムで挟み込み、熱湯で殺菌処理をする際、中身に水分が浸透しないような密閉構造にしている。
この場合に用いられる印刷はグラビア印刷で印刷したものであり、ボイル・レトルト殺菌の際、印刷面は殺菌の熱湯処理に耐えられるようにしている。
グラビア印刷は継ぎ目のないエンドレス版が可能で、金銀の再現性が良いという特徴を備えている。
これに対し、高精細で解像度の高い印刷ができるディジタル印刷機によるディジタル印刷物がフィルム印刷の業界に取り入れられてきている。
ディジタル印刷はマイナスに帯電しているエレクトロインキ(液体トナー)が用いられ、トナーは周囲が突起状の形状をしておりプライマへの接触面積が大きく密度強度を上げる構造となっている。トナーの周囲はイメージングオイル(IMO)で満たされており、トナーはイメージングエージェントのマイナスの電荷に帯電した状態である。
印刷工程では、保護層(透明),感光体層(レーザでプラスとマイナス電荷が発生),グランド層(感光体層で発生したマイナス電荷のアースの役目をする)および絶縁体層で構成されたフォトイメージングプレート(PIP)の保護層の上にチャージローラでマイナスの電荷がチャージされ、ライティングヘッドにより印刷対象の画像を形成するレーザがPIPに照射される。感光体層でプラスとマイナスの電荷が発生しプラス電荷は保護層に移動し、チャージされた電荷と結びついて中和し、マイナス電荷はグランド層でアースされる。この結果、PIPに電気的な版が形成される。
エレクトロインキは保護層の上に載せられ、マイナスに帯電しているため、保護層の中和された部分にのる。その後、ブランケットに転移し、さらに原反に転写されるという工程でディジタル印刷物が完成する。
以上のような工程で印刷されたディジタル印刷面は、水分に晒されるとフィルムから剥離するという問題が発生する。
ディジタル印刷は版を用いることなく液体トナーで印刷したもので、電子写真に液体トナーを用いたオフセット印刷である。粉末トナーに比較し、液体トナーの形状は小さいことから、グラビア印刷に比較し印刷物が綺麗に仕上がるという特徴を備えている。
特開2005−22173号公報 特開2010−83526号公報
このような背景から、本願発明者はディジタル印刷を用い、ボイル・レトルト殺菌の熱処理にも耐える(ディジタル印刷面に水分が浸透しない)ことができる包材の構造を実現すべき実験を行った。
実験は15μの延伸ナイロン(ONY)の基材に、絵柄名などの印刷にディジタル色インキを施し、さらにその上に白い背景を与えるディジタル白インキ層(この例は2度打ち)を形成し、この印刷面側にエステル系接着剤によって70μの直鎖低密度ポリエチレンフィルム(L−LDPE)を接着したフィルム構造を作り、このフィルムをパウチ加工した。パウチには水を入れて密封し、40分間煮沸した。
この結果、インキ層はフィルムから剥離しラミネートが浮いていることが確認された。
ボイル殺菌は、このパウチ内に内容物(例えば佃煮など)を入れて密封し、80℃〜100℃で30分〜60分煮沸して殺菌することである。
ONY/L−LDPEのボイル適正が悪かったのは、ONY面から水が浸透してインキをアタックした可能性が考えられる(ONYは吸湿性がある)。
グラビア印刷ではONY/L−LDPEの積層構造がボイル殺菌の代表構成となっている。
そこで、本願発明者は、ディジタル印刷したONYを、高温でも水分が浸透することなくそれぞれ異なる性質のフィルム材料で挟みラミネート加工することにより3層構造のフィルム包材を構成し、このフィルム包材をヒートシールして内容物を密閉する包袋を形成することにより、該包袋に入れた内容物に対しボイル・レトルト殺菌を行った場合、ディジタル印刷面に水分が浸透して剥離を発生することのない効果が得られるフィルム構造の発明をなした。
特許文献1はボイル殺菌,レトルト殺菌等の処理により、包装体の外装の加熱処理インジケータインキ層のインキ浮きが発生せず、インキ密着性に優れ、その状態を経時的に維持でき、色変化によって、包装体のボイル殺菌,レトルト殺菌等の処理の有無を、迅速、正確、かつ簡単に確認することができる加熱処理インジケータ付積層体およびそれを用いた包装体を提供することを目的とし、そのために、少なくとも、基材層と、ヒートシール層とを接着層を介して順次積層される積層体であって、基材層の表面または裏面に、加熱により不可逆的に色変化する加熱処理インジケータインキ層を厚み0.1μm以上、3μm以下で形成するように構成されている。
特許文献1の構造は、厚み12μmの2軸延伸PETフィルムの片面に加熱処理インジケータインキ層を乾燥状態の膜厚2μmで、版深24μmのグラビア版を用いて、文字、記号、図形等からなる印刷絵柄をグラビア印刷等の印刷方式で印刷している。
特許文献2はフィルム2層構成にて直線カット性を有し、かつ、ボイル処理やレトルト処理を行った後でも高いガスバリア性と水蒸気バリア性を保持する包装材を提供することを目的とし、そのために透明な無機化合物蒸着薄膜層を設けた直線カット性延伸フィルムの蒸着面に、接着剤を介してシーラント層を設けた包装材で、延伸フィルムがナイロンフィルムであり、印刷層を設けたこと、無機化合物蒸着薄膜層が酸化アルミニウムまたは酸化珪素からなること、シーラント層がポリオレフィンフィルムであることを特徴としている。
印刷はグラビア印刷用インキ等を用いており、直線カット性延伸フィルムの蒸着面を印刷面としている。
以上の特許文献1,2はボイル・レトルト処理に耐えうる高いガスバリア性と水蒸気バリア性や直線カット性を有し、また、ボイル・レトルト処理の有無を、迅速、正確かつ簡単に確認できるとしている。
しかしながら、印刷はグラビア印刷等を用いており、本願発明者が今回なした包材の構造とは異なるものである。
本発明の目的は、延伸ナイロン(ONY)に印刷したディジタル印刷を、高温でも水分が浸透することなくそれぞれ異なる性質のフィルム材料で挟みラミネート加工して3層構造にすることにより、このフィルム包材をヒートシールして内容物を密閉する包袋を形成し、食品の中身をボイル殺菌,レトルト殺菌処理を行った場合でも、ディジタル印刷面が剥離するという問題を発生させることのないフィルム包材の構造および該包材を用いた包袋物の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明による請求項1記載のボイル・レトルト殺菌用包材の構造は延伸ナイロンフィルムと、該延伸ナイロンフィルムの一面に文字,記号,図形などがディジタルインキで印刷されたディジタルインキ印刷層と、前記延伸ナイロンフィルムの一面に塗布されたエステル系接着剤と、前記ディジタルインキ印刷層の一面に塗布されたエステル系接着剤と、前記延伸ナイロンフィルムの一面に塗布されたエステル系接着剤で前記延伸ナイロンフィルムに接着される透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムと、前記ディジタルインキ印刷層の一面に塗布されたエステル系接着剤で前記ディジタルインキ印刷層面に接着される無延伸ポリプロピレンフィルムとから構成されることを特徴とする。
本発明の請求項2は、請求項1記載の発明において前記ディジタルインキ印刷層は、前記延伸ナイロンフィルムの一面に文字,記号,図形などをディジタル色インキで印刷されたディジタル色インキ印刷層と、該ディジタル色インキの背景として前記ディジタル色インキ印刷層の上に印刷されたディジタル白インキ印刷層とから構成されたことを特徴とする。
本発明による請求項3は、請求項1または2記載の発明において前記透明蒸着はアルミナ蒸着であることを特徴とする。
本発明による請求項4は、請求項1,2または3記載の発明において前記透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムと無延伸ポリプロピレンフィルムの延伸ナイロンフィルムおよびディジタルインキ印刷層への接着は、ドライラミネート加工で行うことを特徴とする。
本発明による請求項5は、請求項1,2,3または4記載の発明において前記延伸ナイロンフィルムのディジタルインキ印刷層を形成する面にプライマを施したことを特徴とする。
本発明による請求項6は、請求項1,2,3,4または5記載の発明において前記透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さは12μ,前記延伸ナイロンフィルムの厚さは15μまたは25μであることを特徴とする。
本発明の請求項7は、請求項1,2,3,4,5または6記載の発明において前記無延伸ポリプロピレンフィルムの延伸ナイロンフィルム接着側の面にアルミ箔をラミネートしたことを特徴とする。
本発明による請求項8の製造方法は、ボイル・レトルト殺菌用包材を用いた包袋物の製造方法であって、延伸ナイロンフィルムの一面側にディジタルインキ印刷層を形成する第1工程と、前記第1工程でディジタルインキ印刷層を形成した延伸ナイロンフィルムの一面に、エステル系接着剤で透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムを接着し、前記第1工程で形成したディジタルインキ印刷層の一面に、エステル系接着剤で無延伸ポリプロピレンフィルムを接着する第2工程と、前記第2工程で形成したフィルム包材を所定の温度で所定の時間エージングし、前記エステル系接着剤を固める第3工程と、前記第3工程で形成されたフィルム包材を2枚重ね、周辺部をヒートシールして包袋物を形成する第4工程とから構成されている。
本発明の請求項9は、請求項8記載の発明において前記第1工程で形成されるディジタルインキ印刷層は、前記延伸ナイロンフィルムの一面に文字,記号,図形などをディジタル色インキで印刷されたディジタル色インキ印刷層と、該ディジタル色インキの背景として前記ディジタル色インキ印刷層の上に印刷されたディジタル白インキ印刷層とから構成されたことを特徴とする。
本発明によれば、ボイル・レトルト殺菌による高温の水分がインキ層に浸透しないため、包材内のディジタル印刷は剥離することがなく、好適にボイル・レトルト殺菌用の包材として用いることができる。また、インキ層に浸透しないため、パウチの周囲に透明部を作ることができる。特に、レトルトでは約15mm透明にすることができる。さらに、ボイル・レトルト殺菌するパウチにディジタル印刷した包材を用いることができ、グラビア印刷に比較し、高解像の文字,記号,図形や絵柄を印刷した包袋を得ることができる。さらには、ディジタル印刷をした包材のメリットは、多品種,小ロット,可変情報が可能であり、版なしのため短期納期,イニシャルコストの削減などが挙げられる。
本発明による包材の構造の実施の形態を示す断面図である。 本発明による包材の構造内の印刷を行うためのディジタル印刷工程を示す図で、ディジタル印刷各装置の配置を示している。 ディジタル印刷装置の印刷エンジン部の詳細を示す図である。 ディジタル印刷されたONYにポリエチレンテレフタレート(PET)または無延伸ポリプロピレン(CPP)を接着する工程を説明するための図である。 図4における塗布の工程の詳細図で、ONYに接着剤を塗布する工程を説明するための図である。 図4で完成した包材をヒートシールにより内包物を密閉した状態を示す断面図である。
以下、図面などを参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は本発明による包材の構造の実施の形態を示す断面図である。
延伸ナイロン(ONY)4の基材にプライマ層8が設けられている。ディジタルインキ印刷層20はプライマ層8の上にディジタル色インキ層3a,3b,3c,3dが印刷され、その上に背景としてディジタル白インキ層5が印刷されて構成されている。ディジタル色インキ層3aは印刷された黒インキ部分を,3bはシアンインキ部分を、3cはマゼンタインキ部分を,3dはイエローインキ部分をそれぞれ示している。なお、上記色インキ以外のインキ色を用いることもできる。
包材10は延伸ナイロン4の上面にエステル系接着剤2によって透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)1が接着され、ディジタルインキ印刷層20のディジタル白インキ層5側の面にエステル系接着剤6によって無延伸ポリプロピレン(CPP)7が接着された3層の積層フィルム構造である。
ポリエチレンテレフタレート(PET)の長所は耐熱性が高く、寸法安定性が良い(このため高速充填やレトルトに対応)という特徴を有している。透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)1はポリエチレンテレフタレート(PET)に透明蒸着を施したものであり、蒸着する素材によってアルミナ蒸着(AL23 ),シリカ蒸着(SiOx)に大別される。本発明ではポリエチレンテレフタレート(PET)には防湿性が高いアルミナ蒸着を用いている。アルミナ蒸着とシリカ蒸着を用いた場合の性能について、所定の温度,時間でレトルト殺菌をした実験では、アルミナ蒸着はディジタル印刷層が剥離することはないが、シリカ蒸着ではディジタル印刷層が浮き上がった状態になるのが見られた。また、アルミナ蒸着の上にバリア性の高い機能性コートをしたものを用いることができる。
この実施の形態では透明蒸着ポリエチレンテレフタレート1の厚さは12μmのものが用いられた。なお、この厚さ以外のものでも良く、例えば、13μm〜38μmの厚さのフィルムなどを用いることができる。
延伸ナイロン(ONY)の長所は突き刺し強度が強く、強靭なため、米袋などの重量物に対応し、内容物が水物によく使われるという特徴を有している。短所は吸湿して弛みやすい,寸法安定性が良くない,高価などである。延伸ナイロンには熱が加わっても比較的寸法が安定している同時2軸性延伸ナイロンがあり、この延伸ナイロンを用いるのが良い。
この実施の形態では延伸ナイロン(ONY)4の厚さは15μmのものが用いられた。なお、この厚さ以外のものでも良く、例えば、12μm〜25μmの厚さのフィルムなどを用いることができる。
無延伸ポリプロピレン(CPP)はポリプロピレンを主原料としており、CPPフィルムは透明性,耐熱性,防湿性,耐摩耗性(傷つきにくい)に優れ、包材用途として幅広く使用され、LDPEやL−LDPEと並んでシール素材として用いられ、包装構成中のシーラント素材として抜群の安定品質を備えている。低温ヒートシール性に優れ、ヒートシール温度範囲が広い。無延伸ポリプロピレンはプラスチックでは最も軽く、LDPEに比べて防湿性、透明性、腰の強さに優れているが、柔軟性に欠け、耐衝撃性に劣る。耐寒性は−20℃以下になると脆くなる。耐候性はLDPEに劣る。耐薬品性には優れているが、油成分は透過させやすい。酸素ガス、二酸化炭素などの無機ガスはよく透過させる。
この実施の形態では無延伸ポリプロピレン(CPP)7の厚さは60μmのものが用いられ、レトルトグレードでは50μm〜150μm,他のグレードでは15μm〜60μmなどのフィルムを用いることができる。
図2は本発明による包材の構造内の印刷を行うためのディジタル印刷工程を示す図で、ディジタル印刷各装置の配置を示している。
アンワインダ11は原反(延伸ナイロン)を供給し、インラインプライマ(ILP)12は原反にコロナ処理によりヌレ性を与え、プライマを塗り(下刷り)、オーブンで乾燥させる。インラインプライマ(ILP)12で下塗りされた原反を印刷エンジン13で文字,記号,図形などを印刷し、該印刷された原反がリワインダ19に巻き取られる。
プレスコンピュータ16は印刷エンジン13を制御する部分であり、タッチスクリーンパネル17は印刷条件を設定する入力部分である。
図3はディジタル印刷装置の印刷エンジン部の詳細を示す図である。
PIPドラム31の外周面はPIP(フォトイメージングプレート)29が形成されている。PIP29は保護層(透明),感光体層(レーザでプラスとマイナスの電荷が発生),グランド層(感光体層で発生したマイナス電荷のアースの役目をする)および絶縁体層の4層で構成されている。
PIPドラム31は反時計回りに回転し、保護層表面はクリーニングステーション23によって、その表面がクリーニングされる。ついでクリーニングされた保護層の上はチャージローラ22でマイナスの電荷にチャージされる。さらにライティングヘッド21から、文字,記号,図形などの画像情報を持ったレーザがマイナスの電荷にチャージされたPIP29に照射される。これによって感光体層にプラスとマイナスの電荷が発生し、プラスの電荷は保護層に移動し、マイナスの電荷はグランド層によってアースされる。保護層に移動したプラスの電荷は保護層の上にチャージされたマイナスの電荷と結びつき中和され、電気的な画像の版が形成される。
PIPドラム31はさらに回転し、BID(バイナリインキディベロッパ)28によりマイナスに帯電しているインキが供給され、前段で中和された部分にマイナスに帯電しているインキがのる。
その後、PTE27によって非画像部の事前転写消去が行われる。ITMドラム32の外周のブランケット33は剥離層,電極層およびゴム層の3層より構成されている。表面の剥離層は外部ヒータ24によって110℃前後になっており、ここでイメージングオイル(IMO)が蒸発しトナーが溶けて温度が上がり粘りが発生する。この際、電極層の+500Vの電荷にトナーが引き寄せられブランケット33からPIPドラム31への逆転移を防いでいる。
ITMドラム32が回転し、インプレッションローラ26で、供給される原反25を押しつけることにより剥離層からトナーが剥離し、原反25に転写される。
このようにしてディジタル印刷された原反は図2で示すリワインダ19に巻き取られる。
ディジタル印刷に用いられるトナーは液体のエレクトロインキであり、トナーはイガイガの形状でプライマへの接触面積を増やし密着強度を上げる様な設計になっている。トナー濃度は当初約1.7%であるが、BID内で絞られ23〜24%になる。トナーの周囲はIMO(イメージングオイル)で満たされており、そこにイメージングエージェントのマイナスの電荷が刺さっており、エレクトロインキはマイナスに帯電している。
図4はディジタル印刷されたONYに透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)または無延伸ポリプロピレン(CPP)を接着する工程を説明するための図で、ドライラミネート法によるものである。
まず、図2のディジタル印刷機システムによって文字,記号,図形などが印刷されたONYの上面に透明アルミナ蒸着PETをラミネートする。
印刷物(ONY)41の印刷フィルムの巻取は複数の送り用のローラによって塗布部42に達する。塗布部42では印刷フィルムのONYの上面に接着剤が塗布され、接着剤が塗布された印刷フィルム48は乾燥工程に送られる。乾燥工程では乾燥機43によって接着剤が乾燥させられる。引き続き、送りローラにより先に送られ、熱ローラ44と圧胴45の間で、PETのフィルム46の透明蒸着の面と重ねられ熱および圧力が加えられる。この工程によって、PETフィルムでラミネートされた印刷フィルム(以下「片面ラミネート印刷フィルム」という)がロール状に巻き取られた貼り合わせ品47となる。
つぎにこのように片面ラミネート印刷フィルムの裏面側(ディジタル白インキ層側)にCPPをラミネートする工程に移る。
これは上記と同様な工程でCPPをラミネートする。印刷物41は引き出されたPETフィルムでラミネートされた印刷フィルムの裏面側が塗布部42で接着剤が塗布される向きになるようにロール状の印刷物41を軸に取り付ける。接着されるフィルム46はCPPのフィルムであり、熱ローラ44と圧胴45とによる熱および圧力により圧着し裏面側はCPPでラミネートされる。ドライラミネート法を用いONYの表・裏にPETおよびCPPを接着することにより、両側がラミネートされた印刷フィルムが完成する。
図5は図4における塗布の工程の詳細図で、ONYに接着剤を塗布する工程を説明するための図である。
接着剤はエステル系接着剤であり、ドライラミネート用でボイル・レトルトに適したものである。塗布工程で用いる装置は凹版印刷でインキを塗布するとして用いられている装置をドライラミネート用として用いたものである。皿56にエステル系接着剤55が満たされている。版(シリンダ)54の外周は多数の凹部54aを有し、版(シリンダ)54が液状の接着剤55の中に漬かり回転することにより凹部54aに接着剤55が充填される。版(シリンダ)54の外周には凹部54a以外の部分にも接着剤55が付着するため、ドクタ53によって付着接着剤を落とす。
版(シリンダ)54に圧胴51が圧接回転しており、版(シリンダ)54と圧胴51の間に印刷物41が挟み込まれ送られる。圧接位置では凹部54aの接着剤55が印刷物41に貼付され、印刷物41の表面に接着剤55aが塗布される。
この後、このように作られたフィルム包材は所定の温度、例えば40℃の温度で数日間置くことによりエステル系接着剤を固めることができる。
つぎにフィルム包材で袋を作る工程に入る。
図6は図4で完成した包材をヒートシールにより内包物を密閉した状態を示す断面図である。
図4で完成した包材の貼り合わせ品47は製袋機内でそれぞれ表側フィルムと裏側フィルムになるように2つのフィルム包材A,Bにスリットされ1対の送りローラにより上下に重ねられる。重なったフィルム包材のフィルムは両端側および底部となる周辺部がヒートシールバーによって熱せられ、上下から圧力を加えることにより熱溶着される。
以上の工程によりフィルム包材は包袋形状に成形される。
この後、内容物60を入れヒートシールにより密封し、ボイル・レトルト殺菌の工程に進むこととなる。
ボイル殺菌は既に述べたように包装後に80℃〜100℃の温水層に浸漬する低温ボイル処理や、沸騰した水に浸漬する高温ボイル処理を行う加熱殺菌処理方法であり、開放状態の熱水のため、100℃以上には上昇しない。包装事例は野菜水煮,煮豆,カップゼリーなどである。また、レトルト殺菌は包装後に、レトルト釜と呼ばれる金属性の巨大な釜で主として熱水を使って一定時間加熱処理を行うものである。釜は密閉された加圧状態のため、熱水は沸騰せず100℃を越える状態となる。製品によって異なるが105℃〜120℃を越える温度で20分〜60分の殺菌を行うものである。包装事例としてカレー,調味料(麻婆豆腐の素,鍋スープ,畜肉エキスなど)がある。
以上のような工程で製造した包材フィルムで作った包袋に内容物を充填しボイル・レトルト殺菌をしたとき、包袋のディジタル印刷面の文字,絵柄などには水分は進入せず、剥離することなく良好な状態に保つことができた。
以上の実施の形態は図1に示すような包材フィルムの構造であるが、CPPとONYとの間のCPPの内面側にアルミ箔(厚さは例えば7μm)をラミネートして遮光性,酸素バリア性を高めることができる。
食品の中身をボイル殺菌,レトルト殺菌処理を行うためのフィルム包材の構造およびこの包材を用いた包袋物の製造方法である。
1 透明蒸着ポリエチレンテレフタレート
2,6 エステル系接着剤
3a,3b,3c,3d ディジタル色インキ層(黒,シアン,マゼンタ,イエロー)
4 延伸ナイロン(ONY)
5 ディジタル白インキ層
7 無延伸ポリプロピレン(CPP)
8 プライマ層
10 包材
11 アンワインダ
12 インラインプライマ(ILP)
13 印刷エンジン
14 ユーティリティキャビネット(リア側)
15 インキキャビネット
16 プレスコンピュータ
17 タッチスクリーンパネル
19 リワインダ
20 ディジタルインキ印刷層
21 ライティングヘッド
22 チャージローラ
23 クリーニングステーション
24 外部ヒータ
25 原反
26 インプレッションローラ
27 PTE(非画像部の事前転写消去)
28 BID(バイナリインキディベロッパ)
29 PIP(フォトイメージングプレート)
31 PIPドラム
32 ITMドラム
33 ブランケット
41 印刷物
42 塗布部
43 乾燥機
44 熱ローラ
45,51 圧胴
46 フィルム(CPPまたはPET)
47 貼り合わせ品
48 印刷フィルム
53 ドクタ
54 版(シリンダ)
55 接着剤

Claims (9)

  1. 延伸ナイロンフィルムと、
    該延伸ナイロンフィルムの一面に文字,記号,図形などがディジタルインキで印刷されたディジタルインキ印刷層と、
    前記延伸ナイロンフィルムの一面に塗布されたエステル系接着剤と、
    前記ディジタルインキ印刷層の一面に塗布されたエステル系接着剤と、
    前記延伸ナイロンフィルムの一面に塗布されたエステル系接着剤で前記延伸ナイロンフィルムに接着される透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムと、
    前記ディジタルインキ印刷層の一面に塗布されたエステル系接着剤で前記ディジタルインキ印刷層面に接着される無延伸ポリプロピレンフィルムと、
    から構成されることを特徴とするボイル・レトルト殺菌用包材の構造。
  2. 前記ディジタルインキ印刷層は、
    前記延伸ナイロンフィルムの一面に文字,記号,図形などをディジタル色インキで印刷されたディジタル色インキ印刷層と、
    該ディジタル色インキの背景として前記ディジタル色インキ印刷層の上に印刷されたディジタル白インキ印刷層と、
    から構成されたことを特徴とする請求項1記載のボイル・レトルト殺菌用包材の構造。
  3. 前記透明蒸着はアルミナ蒸着であることを特徴とする請求項1または2記載のボイル・レトルト殺菌用包材の構造。
  4. 前記透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムと無延伸ポリプロピレンフィルムの延伸ナイロンフィルムおよびディジタルインキ印刷層への接着は、ドライラミネート加工で行うことを特徴とする請求項1,2または3記載のボイル・レトルト殺菌用包材の構造。
  5. 前記延伸ナイロンフィルムのディジタルインキ印刷層を形成する面にプライマを施したことを特徴とする請求項1,2,3または4記載のボイル・レトルト殺菌用包材の構造。
  6. 前記透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さは12μ,
    前記延伸ナイロンフィルムの厚さは15μまたは25μであることを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載のボイル・レトルト殺菌用包材の構造。
  7. 前記無延伸ポリプロピレンフィルムの延伸ナイロンフィルム接着側の面にアルミ箔をラミネートしたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載のボイル・レトルト殺菌用包材の構造。
  8. ボイル・レトルト殺菌用包材を用いた包袋物の製造方法であって、
    延伸ナイロンフィルムの一面側にディジタルインキ印刷層を形成する第1工程と、
    前記第1工程でディジタルインキ印刷層を形成した延伸ナイロンフィルムの一面に、エステル系接着剤で透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムを接着し、
    前記第1工程で形成したディジタルインキ印刷層の一面に、エステル系接着剤で無延伸ポリプロピレンフィルムを接着する第2工程と、
    前記第2工程で形成したフィルム包材を所定の温度で所定の時間エージングし、前記エステル系接着剤を固める第3工程と、
    前記第3工程で形成されたフィルム包材を2枚重ね、周辺部をヒートシールして包袋物を形成する第4工程と、
    からなるボイル・レトルト殺菌用包材を用いた包袋物の製造方法。
  9. 前記第1工程で形成されるディジタルインキ印刷層は、
    前記延伸ナイロンフィルムの一面に文字,記号,図形などをディジタル色インキで印刷されたディジタル色インキ印刷層と、
    該ディジタル色インキの背景として前記ディジタル色インキ印刷層の上に印刷されたディジタル白インキ印刷層と、
    から構成されたことを特徴とする請求項8記載のボイル・レトルト殺菌用包材を用いた包袋物の製造方法。
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